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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】ランタン
(51)【国際特許分類】
   F21S 6/00 20060101AFI20241125BHJP
   F21V 7/04 20060101ALI20241125BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20241125BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20241125BHJP
   F21V 5/04 20060101ALI20241125BHJP
   F21V 13/00 20060101ALI20241125BHJP
   F21S 9/02 20060101ALI20241125BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20241125BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20241125BHJP
【FI】
F21S6/00 110
F21S6/00 510
F21V7/04 500
F21V3/00 320
F21V3/02 400
F21V5/04 400
F21V13/00 100
F21S6/00 100
F21S9/02 410
F21Y101:00 100
F21Y115:10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021031844
(22)【出願日】2021-03-01
(65)【公開番号】P2022133038
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】奈良 俊佑
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0182061(US,A1)
【文献】特開2013-033675(JP,A)
【文献】特開2012-109147(JP,A)
【文献】特開2014-116093(JP,A)
【文献】特開2012-004080(JP,A)
【文献】特開2019-192438(JP,A)
【文献】特開2020-155287(JP,A)
【文献】特開2009-295535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 6/00
F21V 7/00
F21V 3/00
F21V 5/00
F21V 13/00
F21S 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を上方向に向かって出射する光源と、
前記光源の周囲を囲むように立設され、前記光源から出射された光を拡散させて透過させる筒状の透光部材と、
前記透光部材の真上に上下方向に間隔を置いて配設され、前記透光部材の内部空間を介して前記光源に上下方向に対向し、逆山形状の反射面を有し、前記光源から出射された光を反射する反射部材と、を備え、
前記光源がランタン本体に設けられ、前記透光部材が前記ランタン本体に前記光源の周囲を囲むように立設され、
更に、前記ランタン本体に設けられ、前記反射部材を支持する支持部材を備える、ランタン。
【請求項2】
前記光源の上側に配設され、前記光源から出射された光を平行光に変換するレンズを備える、請求項1に記載のランタン。
【請求項3】
前記反射部材の前記反射面の頂角が鈍角に設定されている、請求項1又は2に記載のランタン。
【請求項4】
前記反射部材の周縁部を通る視線が前記透光部材の内周面に交わるように構成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のランタン。
【請求項5】
前記支持部材は、透光性を有する材料からなり、前記透光部材を収容する筒状のケース部材である、請求項に記載のランタン。
【請求項6】
前記透光部材としての機能及び前記支持部材としての機能を有する筒状の兼用ケース部材を備え、前記兼用ケース部材は、光の透過率の高い領域と光の透過率の低い領域を有し、前記光の透過率の高い領域は、前記反射部材から反射した光を透過させ、前記光の透過率の低い領域は、前記光源から出射された光を拡散させて透過させる、請求項に記載のランタン。
【請求項7】
前記透光部材が透明な乳白色であり、前記反射部材の反射面が乳白色である、請求項1からのいずれか1項に記載のランタン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持ち運び可能な移動式照明装置であるランタンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(発光ダイオード)の性能の向上に伴い、ガソリン又は灯油を用いたランタンに代わって、LED光源を備えたランタンが普及している(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1のランタンは、ランタン本体(特許文献1では本体)を備えており、ランタン本体の上部には、光を上方向に向かって出射するLED光源(特許文献1ではLED発光素子)が設けられている。ランタン本体の上面には、円錐状の透光部材(特許文献1では透明体)がLED光源を覆うように設けられており、透光部材は、LED光源から出射された光を拡散させて透過させる。透光部材の下面には、LED光源を収容する半球面状の凹部が形成されており、透光部材の頂角は、鋭角に設定されている。
【0004】
ランタンを例えばテーブルの上面等の載置面に載置した状態で、LED光源から出射された光は、透光部材を拡散しながら透過し、斜め上方向に向かって放射状に照射される。これにより、ランタンの周辺を照明することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-175447号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、照明装置の分野においては、ランタンがアウトドア用としてだけでなく、室内用としても広がりを見せつつあり、更なる利便性の向上が求められている。
【0007】
そこで、本発明の一態様は、ランタンの照明範囲を変更して、ランタンの利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るランタンは、光を上方向に向かって出射する光源と、前記光源の周囲を囲むように立設され、前記光源から出射された光を拡散させて透過させる筒状の透光部材と、前記透光部材の真上に上下方向に間隔を置いて配設され、前記透光部材の内部空間を介して前記光源に上下方向に対向し、逆山形状の反射面を有し、前記光源から出射された光を反射する反射部材と、を備え、前記光源がランタン本体に設けられ、前記透光部材が前記ランタン本体に前記光源の周囲を囲むように立設され、更に、前記ランタン本体に設けられ、前記反射部材を支持する支持部材を備える
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ランタンの照明範囲を変更して、ランタンの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係るランタンの模式的な正面図である。
図2】実施形態1に係るランタンの模式的な拡大断面図である。
図3】実施形態2に係るランタンの模式的な正面図である。
図4】実施形態2に係るランタンの模式的な拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について図1及び2を参照して説明する。図1は、実施形態1に係るランタンの模式的な正面図である。図2は、実施形態1に係るランタンの模式的な拡大断面図である。図面に記載した通り、ランタンの高さ方向の一方側を上側、ランタンの高さ方向の他方側を下側と称する。
【0012】
(ランタン10の概要)
図1に示すように、実施形態1に係るランタン10は、持ち運び可能な移動式照明装置であり、テーブルの上面、机の上面、床面等の載置面Fに置かれた状態で使用される。ランタン10は、室内だけでなく、屋外においても使用される。また、ランタン10は、ランタン本体12と、把手14と、回路基板16と、LED(発光ダイオード)光源18と、円筒状の透光部材20と、レンズ22と、円筒状のケース部材24と、反射部材26(蓋体28、反射体30)とを備えている。ランタン10における各構成部材の具体的な内容は、以下の通りである。
【0013】
(ランタン本体12及び把手14)
図1及び図2に示すように、ランタン10は、設置面Fに置かれるランタン本体12を備えており、ランタン本体12は、例えばアルミニウム、ステンレス等の金属材料又は樹脂材料からなる。ランタン本体12の内部には、設置空間12sが形成されている。ランタン本体12は、その上側に、円形の開口部12aを有しており、開口部12aは、設置空間12sに連通している。ランタン本体12の側部には、ランタン10を持ち運ぶための逆U字状の把手14が設けられている。
【0014】
(回路基板16及びLED光源18)
ランタン本体12の設置空間12sには、ランタン10の照明動作を制御するための回路基板16が設けられている。回路基板16には、光Sを上方向に向かって出射する光源としてのLED光源18が実装されており、LED光源18は、ランタン本体12の開口部12aの内側に位置している。換言すれば、ランタン本体12の開口部12aの内側には、LED光源18が回路基板16を介して設けられている。回路基板16には、LED光源18に電力を供給するための電源回路(不図示)が実装されている。なお、ランタン10が光源としてLED光源18を用いる代わりに、電球(不図示)を用いてもよい。
【0015】
(透光部材20)
ランタン本体12には、乳白色の半透明な円筒状の透光部材20がLED光源18の周囲を囲むように立設されており、透光部材20は、LED光源18から出射された光Sを拡散させて透過させる。透光部材20の下端部は、ランタン本体12の開口部12aの内周面に接合されている。透光部材20は、上下方向に延びており、透光部材20の上端部側は、開放されている。透光部材20は、例えばアクリル樹脂材料等の樹脂材料からなる。透光部材20の外周面と内周面の少なくともいずかの面には、微小な凹凸(不図示)が形成されることが望ましい。なお、透光部材20が円筒状に形成される代わりに、角形状等の円筒状以外の筒状に形成されてもよい。
【0016】
(レンズ22)
ランタン本体12の内側におけるLED光源18の上側(直上側)には、レンズ22がレンズホルダ(不図示)を介して配設されており、レンズ22は、LED光源18から出射された光Sを平行光に変換する。なお、ランタン10の構成からレンズ22を省略してもよい。
【0017】
(ケース部材24及び反射部材26)
ランタン本体12における開口部12aの周縁部には、透明な円筒状のケース部材24が立設されており、ケース部材24は、透光部材20を収容する。ケース部材24は、透光性を有する透明な樹脂材料又はガラス材料からなる。ケース部材24の上端部には、反射部材26が設けられており、反射部材26は、LED光源18から出射された光Sを拡散させて反射する。換言すれば、透光部材20の真上には、反射部材26がケース部材24を介して上下方向に間隔を置いて配設されている。ケース部材24は、ランタン本体12に設けられかつ反射部材26を支持する支持部材に相当する。支持部材としてのケース部材24によって、反射部材26を透光部材20と上下方向の間隔を保った状態でランタン本体12に対して設置(固定)することができる。ケース部材24が透光性を有する材料からなるため、反射部材26から照射される光Sがケース部材24によって遮られることがない。なお、ケース部材24が円筒状に形成される代わりに、角形状等の円筒状以外の筒状に形成されてもよい。
【0018】
反射部材26は、ケース部材24の上端部に設けられた円形状の蓋体28を備えており、蓋体28は、例えばアルミニウム、ステンレス等の金属材料又は樹脂材料からなる。また、反射部材26は、蓋体28の下面に設けられた乳白色の反射体30を備えており、反射体30は、例えばアクリル樹脂材料等の樹脂材料からなる。反射体30は、逆山形状の1つである逆円錐状に形成されており、換言すれば、反射部材26は、乳白色の逆円錐状の反射面30pを有している。反射体30(反射部材26)は、透光部材20と同心状に配置されており、透光部材20の内部空間20sを介してLED光源18に上下方向に対向している。反射部材26(反射体30)の反射面30pの頂角は、鈍角に設定されている。反射部材26の反射面30pには、微小な凹凸(不図示)が形成されることが望ましい。
【0019】
なお、反射部材26の反射面30pの頂角が鈍角に設定される代わりに、90度又は鋭角に設定されてもよい。反射部材26の反射面30pが逆円錐状に形成される代わりに、他の逆山形形状である逆円錐台状、逆角錐状、又は逆角錐台状に形成されてもよい。反射部材26の反射面30pが逆山形状であれば、反射体30の中央部が曲面状に形成されてもよい。反射部材26の反射面30pが鏡面加工されてもよい。
【0020】
(ランタン10のその他の構成)
図2に示すように、ランタン10は、蓋体28の周縁部(外周部分)を通る視線Vが透光部材20の内周面に交わるように構成されている。具体的には、蓋体28の外径と透光部材20の内径との差、蓋体28の縁部と透光部材20の上端部との上下方向の間隔、及び透光部材20の上下方向の長さは、蓋体28の周縁部を通る視線Vが透光部材20の内周面に交わるように設定されている。
【0021】
(実施形態1の作用効果)
ランタン10を載置面Fに載置した状態で、LED光源18から出射された光Sの一部は、透光部材20を拡散しながら透過し、放射状に照射される。LED光源18から出射された光Sの他の一部は、反射部材26の反射面30pに拡散しながら反射し、斜め下方向(鉛直上方向に対して斜め下方向)に向かって放射状に照射される。つまり、透光部材20が光Sを照射する第1照射部になり、反射部材26が光Sを照射する第2反射部になり、ランタン10において、第1照射部と第2照射部が上下方向に離隔して形成される。
【0022】
従って、実施形態1によれば、ランタン10の照明範囲を載置面F側に変更して、ランタン10の利便性を向上させることができる。また、ランタン10を載置面Fに載置した状態で、ユーザはお茶を飲んだり、本を読んだりすることができ、ユーザの生活環境又は作業環境を向上させることができる。特に、LED光源18の直上側にレンズ22が配設されているため、反射部材26の反射面30pに反射する光の光量を十分に確保して、前述の効果をより高めることができる。
【0023】
なお、反射部材26の反射面30pの頂角が鈍角ではなく、例えば鋭角に設定されている場合には、LED光源18から出射された光Sの他の一部は、反射部材26の反射面30pに拡散しながら反射し、斜め上方向(鉛直上方向に対して斜め上方向)に向かって放射状に照射される。これにより、ランタン10の照明範囲を載置面F側の反対側(天井側)に変更して、ランタン10の利便性を向上させることができる。
【0024】
また、ランタン10は、前述のように、蓋体28の周縁部(外周部分)を通る視線Vが透光部材20の内周面に交わるように構成されている。そのため、ランタン10の外側からLED光源18を視認できないようになっている。従って、実施形態1によれば、LED光源18から出射された光Sがユーザの目Eに直接入ることがなく、ランタン10の扱い性を向上させることができる。
【0025】
〔実施形態2〕
以下、本発明の他の実施形態について図3及び図4を参照して説明する。図3は、実施形態2に係るランタンの模式的な正面図である。図4は、実施形態2に係るランタンの模式的な拡大断面図である。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図面に記載した通り、ランタンの高さ方向の一方側を上側、ランタンの高さ方向の他方側を下側と称する。
【0026】
(ランタン32の概要)
図3に示すように、実施形態2に係るランタン32は、実施形態1に係るランタン10(図1参照)と同様に、持ち運び可能な移動式照明装置であり、テーブルの上面、机の上面、床面等の載置面Fに置かれた状態で使用される。ランタン32は、室内だけでなく、屋外においても使用される。また、ランタン32は、ランタン10と同様に、ランタン本体12と、把手14と、回路基板16と、LED光源18と、レンズ22と、反射部材26(蓋体28、反射体30)とを備えている。また、ランタン32は、ランタン10と異なり、透光部材20(図1参照)及びケース部材24(図1参照)に代えて、円筒状の兼用ケース部材34(下部ケース体36、上部ケース体38)を備えている。兼用ケース部材34等の具体的な内容は、以下の通りである。
【0027】
(兼用ケース部材34)
図4に示すように、兼用ケース部材34は、透光部材20としての機能及びケース部材24としての機能を有している。兼用ケース部材34は、ランタン本体12における開口部12aの周縁部にLED光源18の周囲を囲むように立設された乳白色の半透明な円筒状の下部ケース体36を備えている。下部ケース体36は、上下方向に延びており、例えばアクリル樹脂材料等の樹脂材料からなる。兼用ケース部材34は、下部ケース体36の上端部に接合された透明な円筒状の上部ケース体38を備えている。上部ケース体38は、上下方向に延びており、例えばアクリル樹脂材料等の樹脂材料からなる。上部ケース体38の断面形状は、下部ケース体36の断面形状と同形状である。ここで、上部ケース体38は、兼用ケース部材34の全領域のうち光Sの透過率の高い領域に相当し、反射部材26の反射面30pから反射した光Sを透過させる。下部ケース体36は、兼用ケース部材34の全領域のうち光Sの透過率の低い領域に相当し、LED光源18から出射された光Sを拡散させて透過させる。
【0028】
なお、兼用ケース部材34が円筒状に形成される代わりに、角形状等の円筒状以外の筒状に形成されてもよい。兼用ケース部材34が接合された2つの筒状のケース体(下部ケース体36と上部ケース体38)からなる代わりに、1つの筒状のケース体からなるようにしてもよい。
【0029】
(ランタン32のその他の構成)
ランタン32は、蓋体28の周縁部(外周部分)を通る視線Vが兼用ケース部材34の下部ケース体36の内周面に交わるように構成されている。具体的には、蓋体28の外径と兼用ケース部材34の内径との差、蓋体28の縁部と下部ケース体36の上端部との上下方向の間隔、及び下部ケース体36の上下方向の長さは、蓋体28の周縁部を通る視線Vが透光部材20の内周面に交わるように設定されている。
【0030】
(実施形態2の作用効果)
ランタン32を載置面Fに載置した状態で、LED光源18から出射された光Sの一部は、兼用ケース部材34の下部ケース体36を拡散しながら透過し、放射状に照射される。LED光源18から出射された光Sの他の一部は、反射部材26の反射面30pに拡散しながら反射し、斜め下方向(鉛直上方向に対して斜め下方向)に向かって放射状に照射される。つまり、兼用ケース部材34の下部ケース体36が光Sを照射する第1照射部になり、反射部材26が光Sを照射する第2反射部になり、ランタン32において、第1照射部と第2照射部が上下方向に離隔して形成される。
【0031】
従って、実施形態2によれば、ランタン32の照明範囲を載置面F側に変更して、ランタン32の利便性を向上させることができる。また、ランタン32を載置面Fに載置した状態で、ユーザはお茶を飲んだり、本を読んだりすることができ、ユーザの生活環境又は作業環境を向上させることができる。
【0032】
ランタン32は、前述のように、蓋体28の周縁部(外周部分)を通る視線Vが兼用ケース部材34の下部ケース体36の内周面に交わるように構成されているそのため、ランタン32の外側からLED光源18を視認できないようになっている。従って、実施形態2によれば、LED光源18から出射された光Sがユーザの目Eに直接入ることがなく、ランタン32の扱い性を向上させることができる。
【0033】
ランタン32においては、2つの部材である透光部材20とケース部材24に代えて、兼用ケース部材34を用いるため、ランタン32の部品点数を減らして、ランタン32の構成の簡略化を図ることができる。
【0034】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るランタンは、光を上方向に向かって出射する光源と、前記光源の周囲を囲むように立設され、前記光源から出射された光を拡散させて透過させる筒状の透光部材と、前記透光部材の真上に上下方向に間隔を置いて配設され、前記透光部材の内部空間を介して前記光源に上下方向に対向し、逆山形状の反射面を有し、前記光源から出射された光を反射する反射部材と、を備える。
【0035】
前記の構成によれば、前記ランタンを載置面に載置した状態で、前記光源から出射された光の一部は、前記透光部材を拡散しながら透過し、放射状に照射される。前記光源から出射された光の他の一部は、前記反射部材の前記反射面に反射し、反射面に対する入射角に応じた方向に向かって放射状に照射される。つまり、前記透光部材が光を照射する第1照射部になり、前記反射部材が光を照射する第2反射部になり、前記ランタンにおいて、前記第1照射部と前記第2照射部が上下方向に離隔して形成される。これにより、前記ランタンの照明範囲を変更して、前記ランタンの利便性を向上させることができる。
【0036】
本発明の態様2に係るランタンは、前記態様1において、前記光源の上側に配設され、前記光源から出射された光を平行光に変換するレンズを備えてもよい。
【0037】
前記の構成によれば、前記反射部材の前記反射面に反射する光の光量を十分に確保することができる。
【0038】
本発明の態様3に係るランタンは、前記態様1又は2において、前記反射部材の前記反射面の頂角が鈍角に設定されてもよい。
【0039】
前記の構成によれば、前記反射部材にて反射された光の多くが載置面に向かって照射される。したがって、前記透光部材の周辺及び前記載置面側を照明することができ、前記透光部材の周辺の照度(明るさ)だけでなく、前記載置面側の照度を十分に確保することができる。よって、前記ランタンの照明範囲を載置面側に変更して、ユーザの作業環境又は生活環境を高めることができる。
【0040】
本発明の態様4に係るランタンは、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記反射部材の周縁部を通る視線が前記透光部材の内周面に交わるように構成されてもよい。
【0041】
前記の構成によれば、前記ランタンの外側から前記光源を視認できないようになっている。これにより、前記光源から出射された光がユーザの目に直接入ることがなく、前記ランタンの扱い性を高めることができる。
【0042】
本発明の態様5に係るランタンは、前記態様1から4のいずれかにおいて、前記光源がランタン本体に設けられ、前記透光部材が前記ランタン本体に前記光源の周囲を囲むように立設され、更に、前記ランタン本体に設けられ、前記反射部材を支持する支持部材を備えてもよい。
【0043】
前記の構成によれば、前記反射部材を前記透光部材と上下方向の間隔を保った状態で前記ランタン本体に対して設置(固定)することができる。
【0044】
本発明の態様6に係るランタンは、前記態様5において、前記支持部材は、透光性を有する材料からなり、前記透光部材を収容する筒状のケース部材であってもよい。
【0045】
前記の構成によれば、前記反射部材から照射される光が前記ケース部材によって遮られることがない。
【0046】
本発明の態様7に係るランタンは、前記態様5において、前記透光部材としての機能及び前記支持部材としての機能を有する筒状の兼用ケース部材を備え、前記兼用ケース部材は、光の透過率の高い領域と光の透過率の低い領域を有し、前記光の透過率の高い領域は、前記反射部材から反射した光を透過させ、前記光の透過率の低い領域は、前記光源から出射された光を拡散させて透過させてもよい。
【0047】
前記の構成によれば、2つの部材である前記透光部材と前記支持部材に代えて、前記兼用ケース部材を用いるため、前記ランタンの部品点数を減らして、前記ランタンの構成の簡略化を図ることができる。
【0048】
本発明の態様8に係るランタンは、前記態様1から7のいずれかにおいて、前記透光部材が透明な乳白色であり、前記反射部材の反射面が乳白色であってもよい。
【0049】
前記の構成によれば、前記光源から出射された光の一部は、前記透光部材を拡散しながら透過する。前記光源から出射された光の他の一部は、前記反射部材の前記反射面に拡散しながら反射する。
【0050】
〔付記事項〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0051】
10 ランタン(実施形態1に係るランタン)
12 ランタン本体
12a 開口部
12s 設置空間
14 把手
16 回路基板
18 LED光源(光源)
20 透光部材
20s 内部空間
22 レンズ
24 ケース部材(支持部材)
26 反射部材
28 蓋体
30 反射体
30p 反射面
32 ランタン (実施形態2に係るランタン)
34 兼用ケース部材
36 下部ケース体(光の透過率の低い領域)
38 上部ケース体(光の透過率の高い領域)
S 光
F 載置面
V 視線
E 目
図1
図2
図3
図4