(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】電動パワーユニット
(51)【国際特許分類】
H02K 11/33 20160101AFI20241125BHJP
H02K 9/06 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K9/06 C
(21)【出願番号】P 2021039590
(22)【出願日】2021-03-11
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】新志 夕子
(72)【発明者】
【氏名】松永 直樹
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0076942(US,A1)
【文献】特開2008-125172(JP,A)
【文献】特開昭61-102149(JP,A)
【文献】米国特許第06364004(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/33
H02K 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機ユニットと、
前記回転電機ユニットの外側に配置された電装ユニットと、
冷却ユニットと、を備える電動パワーユニットであって、
前記回転電機ユニットは、
ステータ及びロータを有する回転電機と、
前記回転電機を収容する回転電機収容部を有する回転電機ケースと、
前記ロータと一体に回転する回転シャフトと、を備え、
前記回転電機収容部は、
前記回転電機の外周面を覆う周壁部と、
前記回転電機の軸方向における軸方向一端側を覆う第1端壁部と、
前記軸方向における軸方向他端側を覆う第2端壁部と、を有し、
前記回転シャフトは、前記回転電機収容部を挿通し、前記第1端壁部から前記軸方向一端側に突出し、
前記電装ユニットは、
前記軸方向から見て前記回転電機収容部の前記周壁部の外側、且つ、
前記軸方向に直交する方向から見て少なくとも一部が前記回転電機収容部
と重なる位置、に配置されており、
前記軸方向から見て、前記回転電機収容部に対する前記電装ユニットの配置方向である第1方向と直交する第2方向において、前記回転電機収容部の第2方向一端部よりも外側に突出した突出部を有し、
前記冷却ユニットは、冷却風を発生させる冷却ファンと、前記冷却風を導風する導風ユニットと、を有し、
前記冷却ファンは、前記回転電機収容部の前記軸方向一端側の軸方向外側に設けられ、前記回転シャフトと一体に回転し、
前記導風ユニットは、前記軸方向から見て、前記冷却ファンと前記電装ユニットとの間に設けられた複数の冷却風流路を備え、
複数の前記冷却風流路は、前記軸方向から見て、
前記冷却ファンの側に向かって開口する導入口と、前記電装ユニットの側に向かって開口する放出口と、を有し、
前記電装ユニットの前記突出部に近い位置に配置された前記冷却風流路ほど、前記導入口の開口面積が大きくな
り、
複数の前記冷却風流路は、前記軸方向から見て、前記冷却ファンと前記電装ユニットとの間に、前記回転電機及び前記冷却ファンの周方向に並んで配置され、
前記導入口における前記冷却風の導入方向が、前記冷却ファンの回転方向に沿った複数の冷却風流路の並び順に、前記第2方向に沿って前記突出部から離れる向きに、前記第1方向に対して次第に傾く、電動パワーユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電動パワーユニットであって、
前記冷却風流路は、前記軸方向から見て、前記放出口における前記冷却風の放出方向が、前記導入口における前記冷却風の導入方向よりも、前記第2方向において前記突出部に近づく方向に指向するように形成されている、電動パワーユニット。
【請求項3】
請求項
1に記載の電動パワーユニットであって、
前記導風ユニットは、
前記軸方向に直交する方向から見て少なくとも一部が前記冷却ファンと
重なり、前記軸方向に延在し、前記周方向で隣接する2つの前記冷却風流路を区画する仕切壁を備え、
前記仕切壁は、前記軸方向から見て、
径方向内側端部が前記冷却風流路の前記導入口を形成し、直線状に延在する導入壁部と、
前記導入壁部の径方向外側端部から前記導入壁部に対して前記突出部に近づく方向に屈曲又は湾曲して延在し、径方向外側端部が前記冷却風流路の前記放出口を形成する放出壁部と、を有し、
前記導入壁部は、前記軸方向から見て、当該導入壁部に沿って延びる仮想直線と前記冷却ファンの最外径部の回転軌跡との交点において、当該交点から前記周方向において前記ロータの回転方向に延びる前記回転軌跡の接線と前記仮想直線との成す角が、前記接線から前記周方向において前記ロータの回転方向と逆方向に所定角度となるように設けられる、電動パワーユニット。
【請求項4】
請求項
3に記載の電動パワーユニットであって、
前記導風ユニットは、前記周方向に並んで配置された複数の前記仕切壁を有し、前記軸方向から見て、前記冷却ファンと前記電装ユニットとの間に、3以上の前記冷却風流路が前記周方向に並んで配置されており、
複数の前記仕切壁の各導入壁部は、前記成す角が同一の所定角度となるように設けられる、電動パワーユニット。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の電動パワーユニットであって、
前記電動パワーユニットは、前記導風ユニットから放出された前記冷却風を導風する第1導風部材をさらに備え、
前記第1導風部材は、前記軸方向から見て、前記回転電機収容部と前記電装ユニットとの間で、前記冷却風流路の前記放出口と重なる位置で、少なくとも一部が前記突出部と前記第2方向で重なるように延在する、電動パワーユニット。
【請求項6】
請求項
5に記載の電動パワーユニットであって、
前記回転電機収容部の前記周壁部の外面には、前記回転電機の径方向の外側に突出して前記軸方向に延在する放熱リブが複数設けられており、
前記電装ユニットの前記回転電機ユニットと対向する対向面には、前記軸方向及び前記第1方向に延在する放熱フィンが複数設けられており、
前記第1導風部材は、前記第1方向及び前記第2方向に延在する、電動パワーユニット。
【請求項7】
請求項
6に記載の電動パワーユニットであって、
隣接する2つの前記放熱フィンの間には、前記軸方向に延在するフィン間流路が形成されており、
前記フィン間流路の前記軸方向一端側の端部には、隣接する2つの前記放熱フィンを接続して前記第1方向に延在する遮蔽壁部が設けられており、
前記フィン間流路の前記軸方向他端側の端部は、前記軸方向他端側に向かって開口している、電動パワーユニット。
【請求項8】
請求項
5から7のいずれか一項に記載の電動パワーユニットであって、
前記電動パワーユニットは、前記第1導風部材を通過した前記冷却風を導風する第2導風部材をさらに備え、
前記第2導風部材は、
前記軸方向において、前記第1導風部材と、前記電装ユニットの前記軸方向他端側の端部との間に配置されており、
前記第1方向に延在する、電動パワーユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動パワーユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、排ガス規制や環境規制などの高まりに伴い、地固め機などの建設機械や芝刈機などの作業機において、電動パワーユニットを駆動源として使用するニーズが高まっている。このような電動パワーユニットは、例えば、回転電機と、回転電機を制御する電装ユニットと、を備える。回転電機及び電装ユニットは、駆動時に発熱するため、電動パワーユニットは、回転電機及び電装ユニットを冷却するための冷却ユニットを備えることが望ましい。
【0003】
例えば、特許文献1には、モータ装置と、バッテリと、モータ装置のモータを制御する制御部と、モータ装置及び制御部を冷却するための冷却機構と、を備える電動パワーユニットが開示されている。特許文献1の電動パワーユニットの冷却機構は、モータの軸部材により回転可能に軸支され、回転することで、軸部材の軸方向から取り込んだ気体を遠心方向に送風するファンと、ファンから遠心方向に送風された気体をモータの外面に沿って流すようにファンを覆うカバー部材と、を備える。さらに、特許文献1の電動パワーユニットは、モータ装置の外部機構である制御部を冷却するために、カバー部材が、ファンから遠心方向に送風された気体の一部を遠心方向に吹き出す吹出口を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の電動パワーユニットにおいて、モータのロータは、+X方向側から見て、時計回り方向に回転するので、冷却機構のファンで発生した冷却風は、回転シャフトの-Y方向側では+Z方向に向かって流れる。そのため、モータ装置の-Y方向側に配置された制御部の-Z方向側は、冷却風が供給されにくいので、制御部がモータ装置から-Z方向側に突出した突出部を有する場合、モータ装置から-Z方向側に突出した突出部を冷却するのが難しい、という課題があった。
【0006】
本発明は、電装ユニットの突出部を効果的に冷却できる電動パワーユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
回転電機ユニットと、
前記回転電機ユニットの外側に配置された電装ユニットと、
冷却ユニットと、を備える電動パワーユニットであって、
前記回転電機ユニットは、
ステータ及びロータを有する回転電機と、
前記回転電機を収容する回転電機収容部を有する回転電機ケースと、
前記ロータと一体に回転する回転シャフトと、を備え、
前記回転電機収容部は、
前記回転電機の外周面を覆う周壁部と、
前記回転電機の軸方向における軸方向一端側を覆う第1端壁部と、
前記軸方向における軸方向他端側を覆う第2端壁部と、を有し、
前記回転シャフトは、前記回転電機収容部を挿通し、前記第1端壁部から前記軸方向一端側に突出し、
前記電装ユニットは、
前記軸方向から見て前記回転電機収容部の前記周壁部の外側、且つ、前記軸方向に直交する方向から見て少なくとも一部が前記回転電機収容部と重なる位置、に配置されており、
前記軸方向から見て、前記回転電機収容部に対する前記電装ユニットの配置方向である第1方向と直交する第2方向において、前記回転電機収容部の第2方向一端部よりも外側に突出した突出部を有し、
前記冷却ユニットは、冷却風を発生させる冷却ファンと、前記冷却風を導風する導風ユニットと、を有し、
前記冷却ファンは、前記回転電機収容部の前記軸方向一端側の軸方向外側に設けられ、前記回転シャフトと一体に回転し、
前記導風ユニットは、前記軸方向から見て、前記冷却ファンと前記電装ユニットとの間に設けられた複数の冷却風流路を備え、
複数の前記冷却風流路は、前記軸方向から見て、
前記冷却ファンの側に向かって開口する導入口と、前記電装ユニットの側に向かって開口する放出口と、を有し、
前記電装ユニットの前記突出部に近い位置に配置された前記冷却風流路ほど、前記導入口の開口面積が大きくなり、
複数の前記冷却風流路は、前記軸方向から見て、前記冷却ファンと前記電装ユニットとの間に、前記回転電機及び前記冷却ファンの周方向に並んで配置され、
前記導入口における前記冷却風の導入方向が、前記冷却ファンの回転方向に沿った複数の冷却風流路の並び順に、前記第2方向に沿って前記突出部から離れる向きに、前記第1方向に対して次第に傾く。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電装ユニットの突出部に近い位置に配置された冷却風流路ほど、導入口の開口面積が大きくなっているので、電装ユニットの突出部に多くの冷却風を供給でき、電装ユニットの突出部を効果的に冷却できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態の電動パワーユニットを斜め上方から見た斜視図である。
【
図2】
図1の電動パワーユニットの左右方向中央部における断面図である。
【
図4】
図1の電動パワーユニットを、電装ユニットを取り外した状態で斜め上方から見た斜視図である。
【
図6】
図5の導風ユニット周辺の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の電動パワーユニットの一実施形態を、添付図面に基づいて説明する。なお、図面は、符号の向きに見るものとする。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の電動パワーユニット1は、回転電機ユニット20と、回転電機ユニットの外側に配置された電装ユニット30と、電装ユニット30を回転電機ユニット20に取り付けるための支持部材40と、冷却ユニット50と、を備える。本実施形態では、電装ユニット30は、回転電機ユニット20の上方に配置され、支持部材40を介して回転電機ユニット20の上方に支持されている。冷却ユニット50は、回転電機ユニット20の前方に配置されている。
【0012】
<回転電機ユニット>
図2~
図5に示すように、回転電機ユニット20は、ステータ211及びロータ212を有する回転電機21と、回転電機21を収容する回転電機収容部220を有する回転電機ケース22と、ロータ212と一体に回転する回転シャフト23と、回転電機収容部220に収容され、回転電機収容部220の内部で回転電機21を冷却する内部ファン24と、を備える。本実施形態では、回転シャフト23の軸方向、すなわち、回転電機21の軸方向は、水平方向に延伸している。
【0013】
本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、回転シャフト23の軸方向、すなわち、回転電機21の軸方向を前後方向と定義し、回転電機21の軸方向における軸方向一端側を前方、軸方向他端側を後方と定義する。さらに、回転電機21の軸方向、すなわち前後方向から見て、回転シャフト23から見た電装ユニット30の配置方向である上下方向と直交する方向を左右方向と定義する。図面には、電動パワーユニット1の前方をFr、後方をRr、左側をL、右側をR、上方をU、下方をD、として示す。なお、本明細書で定義した前後上下左右方向は、便宜上定義したものにすぎず、電動パワーユニット1が搭載される製品の前後上下左右方向とは無関係である。したがって、電動パワーユニット1が製品に搭載される場合、電動パワーユニット1の方向は、製品の前後上下左右方向に一致していてもよく、異なっていてもよい。すなわち、電動パワーユニット1は、回転電機21の軸方向が上下方向又は左右方向となるように製品に搭載されてもよいし、回転電機21の軸方向が前後方向、上下方向及び左右方向から傾斜した方向となるように製品に搭載されてもよい。
【0014】
なお、本明細書等において、断りなく軸方向、径方向、周方向というときは、回転電機21の軸方向を基準にした方向をいう。また、軸方向内側とは、軸方向における電動パワーユニット1の中央側をいい、軸方向外側とは、軸方向における電動パワーユニット1の中央から離れる側をいう。
【0015】
(回転電機)
図2及び
図3に示すように、回転電機21は、前述したように、ステータ211及びロータ212を有する。本実施形態では、回転電機21は、回転電機21の径方向において、ステータ211の外側にロータ212が配置されるアウタロータ型の回転電機となっている。
【0016】
ステータ211は、軸方向に延びる略円環形状を有し、回転電機収容部220に収容されている。ステータ211の円環内部には、回転シャフト23が挿通している。ステータ211は、略円環形状のステータヨーク211aと、ステータヨーク211aに取り付けられたコイル211bと、を有する。ステータヨーク211aは、回転電機ケース22に固定されている。コイル211bは、回転電機21の周方向に沿って、回転シャフト23を囲むように複数設けられている。
【0017】
ロータ212は、回転電機ケース22の回転電機収容部220に収容されている。ロータ212は、ステータ211の外周面を取り囲むように配置されている。すなわち、ロータ212は、ロータ212の円環内部にステータ211が位置するように配置されている。
【0018】
ロータ212は、略円環形状のロータヨーク212aと、ロータヨーク212aの前端部から回転電機21の径方向内側に向かって延在する端壁部212bと、ロータヨーク212aの内周面に取り付けられた永久磁石212cと、を有する。永久磁石212cは、回転電機21の周方向に沿って、ステータ211を囲むようにロータヨーク212aの内周面に複数取り付けられている。
【0019】
(回転電機ケース)
図2~
図5に示すように、回転電機ケース22は、高熱伝導率且つ高剛性の材料、例えば金属等、で作製される。
【0020】
回転電機ケース22は、ケース本体221と、カバー部材222と、を有する。ケース本体221及びカバー部材222は、いずれも、高熱伝導率且つ高剛性の材料、例えば金属等、で作製される。
【0021】
ケース本体221は、軸方向に延びる略中空円筒形状の周壁部221aと、周壁部221aの前端部から径方向内側に向かって延在し、軸方向における回転電機21の前方を覆う端壁部221bと、を備える。したがって、周壁部221aの前端部は、端壁部221bによって閉塞されており、周壁部221aの後端部には、後方に向かって開口した開口部221cが形成される。開口部221cは、周壁部221aの後端部で周壁部221aから径方向外側に突出したフランジ状となっている。
【0022】
ケース本体221は、さらに、基台221dを備える。基台221dは、周壁部221aの下方で前後方向及び左右方向に延在する台座部221d1と、台座部221d1から上方に向かって延在し、台座部221d1と周壁部221aとを連結する連結部221d2と、を有する。台座部221d1には、上下方向に貫通する挿通孔221eが複数設けられており、ボルト等の締結部材221fを各挿通孔221eに挿通して製品に締結することによって、電動パワーユニット1は、台座部221d1が製品に当接して、製品に固定される。
【0023】
カバー部材222は、軸方向に延びる略中空円筒形状の周壁部222aと、周壁部222aの後端部から径方向内側に向かって延在し、軸方向における回転電機21の後方を覆う端壁部222bと、を備える。したがって、周壁部222aの後端部は、端壁部222bによって閉塞されており、周壁部222aの前端部は、前方に向かって開口した開口部222cが形成される。開口部222cは、周壁部222aの前端部で周壁部222aから径方向外側に突出したフランジ状となっている。
【0024】
カバー部材222の周壁部222aの円筒径は、ケース本体221の周壁部221aの円筒径と同一径となっており、カバー部材222の周壁部222aの前端部に形成されたフランジ状の開口部222cが、ケース本体221の周壁部221aの後端部に形成されたフランジ状の開口部221cと当接し、ケース本体221の周壁部221aの後端部に形成された開口部221cは、カバー部材222によって閉塞される。
【0025】
回転電機21を収容する回転電機収容部220は、回転電機21の外周面、本実施形態では、ロータヨーク212aの外周面を覆う周壁部220aと、軸方向における回転電機21の前方を覆う第1端壁部220b1と、軸方向における回転電機21の後方を覆う第2端壁部220b2と、を有する。回転電機収容部220の周壁部220aは、ケース本体221の周壁部221aと、カバー部材222の周壁部222aと、によって構成される。回転電機収容部220の第1端壁部220b1は、ケース本体221の端壁部221bによって構成される。回転電機収容部220の第2端壁部220b2は、カバー部材222の端壁部222bによって構成される。
【0026】
回転電機収容部220の第1端壁部220b1及び第2端壁部220b2、すなわち、ケース本体221の端壁部221b及びカバー部材222の端壁部222bには、それぞれ、回転シャフト23が挿通し回転シャフト23を軸支する軸受223が設けられている。
【0027】
回転電機収容部220の周壁部220aを構成するケース本体221の周壁部221aの外面には、径方向に突出して軸方向に延在する放熱リブ224が、周方向に沿って全周に亘って複数設けられている。各放熱リブ224は、ケース本体221の周壁部221aの後端部に形成されたフランジ状の開口部221cから前方に向かって軸方向に延在し、周壁部221aの前端部で径方向内側に屈曲して、ケース本体221の端壁部221bの外面を軸方向外側に突出して径方向内側に向かって径方向に延在する。
【0028】
回転電機収容部220の周壁部220aを構成するカバー部材222の周壁部222aの外面には、径方向に突出して軸方向に延在する放熱リブ225が、周方向に沿って全周に亘って複数設けられている。各放熱リブ225は、カバー部材222の周壁部222aの前端部に形成されたフランジ状の開口部222cから後方に向かって軸方向に延在し、周壁部222aの後端部で径方向内側に屈曲して、カバー部材222の端壁部222bの外面を軸方向外側に突出して径方向内側に向かって径方向に延在する。
【0029】
このように、回転電機収容部220の外面に放熱リブ224、225が複数設けられることによって、回転電機収容部220の外面の表面積が増加し、回転電機収容部220及び回転電機収容部220に収容された回転電機21を効率よく冷却できる。
【0030】
(回転シャフト)
図2及び
図3に示すように、回転シャフト23は、回転電機収容部220を挿通し、回転電機収容部220の第1端壁部220b1及び第2端壁部220b2に設けられた軸受223に回転可能に軸支されている。
【0031】
回転シャフト23は、回転電機収容部220の第1端壁部220b1に設けられた軸受223から前方に突出した前方突出部23aを有し、回転シャフト23の前端部231は、回転電機収容部220の外部に位置している。回転シャフト23は、回転電機収容部220の第2端壁部220b2に設けられた軸受223から後方に突出した後方突出部23bを有し、回転シャフト23の後端部232は、回転電機収容部220の外部に位置している。
【0032】
回転シャフト23には、回転電機収容部220の内部に、ステータ211の前方で、回転シャフト23の径方向外側に向かって軸方向から見て略円盤状に延在するフランジ部233が設けられている。回転シャフト23のフランジ部233には、ロータ212の端壁部212bが、ネジ等の締結部材によって固定されている。これにより、ロータ212は、ステータ211の前方で回転シャフト23に固定されており、回転シャフト23は、ロータ212と一体に回転する。
【0033】
このように構成された回転電機ユニット20は、ステータ211のコイル211bに電力が供給されると、ロータ212が前方から見て時計回りに回転し、ロータ212と一体に回転する回転シャフト23に回転動力を発生させることができる。そして、回転シャフト23の回転動力は、回転シャフト23の後端部232から、例えば、芝刈機のカッターブレード、地固め機の起振機構部等、任意の駆動装置に伝達される。
【0034】
(内部ファン)
図2及び
図3に示すように、内部ファン24は、ロータ212の端壁部212bの前面に取り付けられている。内部ファン24は、ロータ212の端壁部212bとともに、回転シャフト23のフランジ部233にボルト等の締結部材で共締めされて固定されている。内部ファン24には、ロータ212の回転軸心から径方向外側に向かって放射状に延びる羽根部241が周方向に沿って全周に亘って複数設けられている。内部ファン24は、ロータ212と一体に回転する。内部ファン24は、ロータ212と一体に回転することによって、羽根部241で冷却風を発生させ、回転電機21からの発熱を回転電機収容部220の内部に拡散する。このようにして、内部ファン24は、回転電機収容部220の内部で回転電機21を冷却する。
【0035】
<支持部材>
図1~
図5に示すように、支持部材40は、回転電機ケース22の回転電機収容部220の上部に固定されている。支持部材40は、ケース本体221の周壁部221aの右端部と左右方向において略同位置で前後方向に延びる右フレーム41aと、ケース本体221の周壁部221aの左端部から左側に所定距離離れた位置で前後方向に延びる左フレーム41bと、ケース本体221の端壁部221bの前面と前後方向において略同位置で右フレーム41aと左フレーム41bとを連結し、上下方向及び左右方向に延在する平板状の前側プレート42aと、ケース本体221の周壁部221aの後端部に形成されたフランジ状の開口部221cと前後方向において略同位置で右フレーム41aと左フレーム41bとを連結し、上下方向及び左右方向に延在する平板状の後側プレート42bと、ケース本体221の周壁部221aの左右方向略中央の位置で前側プレート42aと後側プレート42bとを連結し、上下方向及び前後方向に延在する平板状の補強プレート43と、を備える。支持部材40は、さらに、左端部が左フレーム41bに接続し、前端部が前側プレート42aに接続し、後端部が後側プレート42bに接続して、前後方向及び左右方向に延在する上側延在部44aと、上側延在部44aの右端部からケース本体221の周壁部221aの左側を
上下方向及び前後方向に延在する左側延在部44bと、を有する左側プレート44を備える。
【0036】
右フレーム41a及び左フレーム41bには、それぞれ前後に1つずつ、電装ユニット30を支持部材40に固定するための締結部材が挿通する挿通孔411が設けられている。前側プレート42a及び後側プレート42bには、それぞれ左右に1つずつ、支持部材40を回転電機ユニット20に固定するための締結部材が挿通する挿通孔421が設けられている。左側プレート44の左側延在部44bの下端部には、支持部材40を回転電機ユニット20に固定するための締結部材が挿通する挿通孔が設けられた締結部44cが形成されている。
【0037】
後側プレート42bは、電装ユニット30が支持部材40に固定された状態において、前後方向において、前側プレート42aと、電装ユニット30の電装ユニットケース31の後壁部314との間で、上下方向及び左右方向に延在している。
【0038】
前側プレート42a及び後側プレート42bにそれぞれ左右1つずつ設けられた挿通孔421、及び、左側プレート44の左側延在部44bの下端部に形成された締結部44cに設けられた挿通孔に締結部材を挿通して回転電機ケース22に締結することによって、支持部材40は、回転電機ケース22に固定される。
【0039】
<電装ユニット>
図1~
図3、及び
図5に示すように、電装ユニット30は、略直方体形状の電装ユニットケース31を備える。電装ユニットケース31の内部には、電装品が収容されている。本実施形態では、電装ユニットケース31の内部に収容される電装品は、不図示のバッテリからの電力を変換して、回転電機ユニット20の回転電機21に供給する電力を制御する電力制御装置である。電装ユニット30は、ハーネス等の電力線によってバッテリと電気的に接続しており、さらに、ハーネス等の電力線によって回転電機ユニット20の回転電機21、より詳細には、ステータ211のコイル211bと電気的に接続している。電力制御装置は、外部からの通信により電力制御装置を制御する制御回路基板、バッテリからの電力を昇圧するDCDCコンバータ、直流/交流変換を行って回転電機21に供給する三相交流電力を生成するインバータ、回転電機21に供給される三相交流電力の各相の電流を検出する電流センサ等の電子部品を有する。
【0040】
電装ユニット30は、回転電機ユニット20の上方に配置されている。したがって、前方から見て、回転電機収容部220に対する電装ユニット30の配置方向は、上方向となっている。電装ユニット30は、前方から見て回転電機ケース22の回転電機収容部220の周壁部220aの外側、且つ、少なくとも一部が回転電機収容部220と前後方向で重なる位置、に配置されている。電装ユニット30は、電装ユニットケース31が支持部材40に固定されることによって、支持部材40を介して回転電機ユニット20に固定される。
【0041】
電装ユニット30の電装ユニットケース31は、前後方向及び左右方向に延在する底壁部311と、底壁部311の上方で底壁部311と対向して、前後方向及び左右方向に延在する上壁部312と、を有する。上壁部312は、左右両端部が左右外側に向かうにしたがって下方に傾斜している。電装ユニット30の電装ユニットケース31は、さらに、底壁部311の前端部と上壁部312の前端部とを接続して、上下方向及び左右方向に延在する前壁部313と、底壁部311の後端部と上壁部312の後端部とを接続して、上下方向及び左右方向に延在する後壁部314と、を有する。電装ユニット30の電装ユニットケース31は、さらに、下端部が底壁部311よりも下方に突出し、上端部が上壁部312の左端部と接続し、前端部が前壁部313の左端部と接続し、後端部が後壁部314の左端部と接続し、底壁部311の左端部と接続して上下方向及び前後方向に延在する左壁部315と、下端部が底壁部311よりも下方に突出し、上端部が上壁部312の右端部と接続し、前端部が前壁部313の右端部と接続し、後端部が後壁部314の右端部と接続し、下端部が底壁部311の右端部と接続して上下方向及び前後方向に延在する右壁部316と、を有する。電装ユニットケース31の内部は、底壁部311、上壁部312、前壁部313、後壁部314、左壁部315、及び右壁部316によって囲まれた閉空間となっている。
【0042】
電装ユニットケース31の左壁部315は、前方から見て、回転電機収容部220の周壁部220aの左端部よりも左右方向外側で、上下方向及び前後方向に延在している。したがって、電装ユニット30の電装ユニットケース31は、前方から見て、回転電機収容部220の周壁部220aの左端部よりも左右方向外側に突出した突出部32を有する。電装ユニットケース31の右壁部316は、前方から見て、回転電機収容部220の周壁部220aの右端部よりも左右方向やや中央側(略同位置)で、上下方向及び前後方向に延在している。
【0043】
電装ユニットケース31の左壁部315の下端部の前端及び後端には、左方向に突出する連結部315aがそれぞれ設けられている。連結部315aは、前方から見て、支持部材40の左フレーム41bの上面と当接する位置に設けられている。電装ユニットケース31の右壁部316の下端部の前端及び後端には、右方向に突出する連結部316aがそれぞれ設けられている。連結部316aは、前方から見て、支持部材40の右フレーム41aの上面と当接する位置に設けられている。前後一対の連結部315a及び前後一対の連結部316aには、それぞれ上下方向に貫通する挿通孔が設けられており、各挿通孔に締結部材を挿通して支持部材40の左フレーム41b及び右フレーム41aに締結することによって、電装ユニットケース31が支持部材40に固定され、電装ユニット30は、支持部材40を介して回転電機ユニット20の上方に固定される。
【0044】
したがって、電装ユニット30は、支持部材40に固定された状態において、右フレーム41aから左フレーム41bまで左右方向に延在する。よって、前側プレート42a及び後側プレート42bは、少なくとも一部が電装ユニット30の突出部32と左右方向で重なるように、上下方向及び左右方向に延在する。
【0045】
電装ユニットケース31の回転電機ユニット20と対向する底壁部311の下面311aには、底壁部311の下面311aから下方に延び、前後方向及び上下方向に延在する平板状の放熱フィン33が、左右方向に並んで複数(本実施形態では、16個)設けられている。放熱フィン33の下端部は、上下方向において、電装ユニットケース31の左壁部315及び右壁部316と略同位置となっている。
【0046】
隣接する2つの放熱フィン33の間には、前後方向に延在するフィン間流路34が複数(本実施形態では15個)形成されている。さらに、電装ユニットケース31の左壁部315と最左側に配置された放熱フィン33との間、及び電装ユニットケース31の右壁部316と最右側に配置された放熱フィン33との間にも、前後方向に延在するフィン間流路34が形成されている。したがって、本実施形態では、計17個のフィン間流路34が形成されている。
【0047】
フィン間流路34の前端部には、隣接する2つの放熱フィン33を接続し、電装ユニットケース31の底壁部311の前端部から下方に延在する遮蔽壁部35が設けられている。遮蔽壁部35は、電装ユニットケース31の左壁部315と最左側に配置された放熱フィン33との間に形成されたフィン間流路34の前端部にも、電装ユニットケース31の左壁部315と最左側に配置された放熱フィン33とを接続し、電装ユニットケース31の底壁部311の前端部から下方に延在する遮蔽壁部35が設けられている。同様に、電装ユニットケース31の右壁部316と最右側に配置された放熱フィン33との間に形成されたフィン間流路34の前端部にも、電装ユニットケース31の右壁部316と最右側に配置された放熱フィン33とを接続し、電装ユニットケース31の底壁部311の前端部から下方に延在する遮蔽壁部35が設けられている。
【0048】
フィン間流路34の後端部は、いずれも後方に向かって開口している。
【0049】
このように形成されたフィン間流路34は、上下方向において、上端部が電装ユニットケース31の底壁部311によって閉塞されており、下端部が下方に向かって開口している。さらに、フィン間流路34は、前後方向において、前端部が遮蔽壁部35によって閉塞されており、後端部が後方に向かって開口している。
【0050】
<冷却ユニット>
図1~
図6に示すように、冷却ユニット50は、回転電機ケース22の回転電機収容部220の前方外側に設けられている。冷却ユニット50は、冷却ファン51と、ファンカバー52と、導風ユニット53と、を備える。
【0051】
(冷却ファン)
冷却ファン51は、回転電機ケース22の回転電機収容部220の前方外側に設けられている。冷却ファン51は、前方から見て、回転シャフト23の軸心を中心とする円盤状のディスク部511と、ディスク部511の周方向に沿って全周に亘って複数(本実施形態では19個)設けられた羽根部512と、羽根部512の前端部に設けられ円環形状の前壁部513と、を備える。
【0052】
ディスク部511は、回転シャフト23の前方突出部23aに固定されている。本実施形態では、回転シャフト23の前方突出部23aには、前方突出部23aの外周面を取り囲んで固定される略中空円筒形状の固定部材511aが設けられており、ディスク部511は、固定部材511aに固定されている。回転シャフト23の前端部231は、雄ねじ溝が加工されており前端部231の雄ねじ溝にナット511bが螺合することによって、固定部材511aは、回転シャフト23の前方突出部23aに固定されている。このようにして、ディスク部511は、固定部材511aを介して、回転シャフト23の前方突出部23aに固定されている。
【0053】
羽根部512は、前方から見て、径方向内側端部512aがディスク部511に固定されており、径方向外側端部512bがディスク部511の径方向の外側に突出して、ディスク部511の周方向と交差するようにディスク部511の径方向に延在している。羽根部512の径方向外側端部512bは、回転電機ケース22の回転電機収容部220の周壁部220aよりも径方向内側に位置している。したがって、冷却ファン51は、回転電機ケース22の回転電機収容部220の周壁部220aよりも小径のファンとなっている。羽根部512は、前方から見て、径方向内側端部512aから、ディスク部511の径方向に対して反時計回り側へ周方向に所定角度傾斜してディスク部511の径方向の外側に向かって略直線状に延在する主羽根部512cと、主羽根部512cの径方向外側端部から、ディスク部511の周方向の時計回り側に屈曲して、ディスク部511の径方向に対して時計回り側へ周方向に所定角度傾斜してディスク部511の径方向の外側に向かって略直線状に延在する羽根端部512dと、を有する。そして、羽根端部512dの径方向外側端部が、羽根部512の径方向外側端部512bとなっている。本実施形態では、主羽根部512cは、ディスク部511よりもディスク部511の径方向の外側まで延在している。ディスク部511の周方向に沿って全周に亘って複数設けられた羽根部512は、ディスク部511の径方向において同位置に配置されており、いずれも同一形状を有している。また、本実施形態では、羽根部512は、ディスク部511から前方に突出するように設けられている。
【0054】
前壁部513は、前方から見て、複数の羽根部512の径方向内側端部512aから径方向外側端部512bまで径方向に延在し、回転シャフト23の軸心を中心とする円環形状を有する。
【0055】
このように構成された冷却ファン51は、回転電機21の動力によって、回転シャフト23と一体に前方から見て時計回りに回転する。そして、冷却ファン51が前方から見て時計回りに回転すると、羽根部512によって径方向外側に向かって冷却風が発生する。このとき、前壁部513が設けられていることによって、羽根部512によって発生した冷却風が前後方向に流れることを防ぐことができ、羽根部512によって発生する冷却風を羽根部512の径方向外側に向かってより多く放出することができる。
【0056】
(ファンカバー)
ファンカバー52は、冷却ファン51の前方を覆うフロントカバー部521と、冷却ファン51の径方向外側を覆うサイドカバー部522と、を備える。
【0057】
フロントカバー部521は、前後方向において、電装ユニット30の前端部、すなわち電装ユニットケース31の前壁部313より前方で、回転シャフト23の軸心を中心とする略円環形状に延在する。フロントカバー部521の円環内部は、前方から見て、回転シャフト23の軸心を中心とする略円形状に開口した取込口523となっている。本実施形態では、取込口523は、略円盤形状のディスク部511と略同一径の略円形状となっている。
【0058】
サイドカバー部522は、フロントカバー部521の径方向外側端部から後方に向かって回転電機ケース22の近傍まで延在する略中空円筒形状を有する。サイドカバー部522の円筒径は、回転電機ケース22の回転電機収容部220の周壁部220aの円筒径と略同一となっている。
【0059】
ファンカバー52は、フロントカバー部521とサイドカバー部522とによって囲まれた冷却ファン収容部520を有する。冷却ファン51は、ファンカバー52の冷却ファン収容部520に収容されている。そして、冷却ファン51が前方から見て時計回りに回転すると、取込口523から冷却ファン収容部520に空気が取り込まれ、羽根部512によって径方向外側に向かって冷却風が発生する。
【0060】
(導風ユニット)
導風ユニット53は、ファンカバー52と一体に設けられている。
【0061】
導風ユニット53は、ファンカバー52のサイドカバー部522から上方に向かって上下方向及び左右方向に延在する前壁部53Fと、前壁部53Fの左端部から後方に向かって上下方向及び前後方向に延在する左壁部53Lと、前壁部53Fの右端部から後方に向かって上下方向及び前後方向に延在する右壁部53Rと、を有する。前壁部53Fは、ファンカバー52のフロントカバー部521よりも後方で上下方向及び左右方向に延在している。左壁部53L及び右壁部53Rは、前後方向において、前壁部53Fから、支持部材40の前側プレート42aの近傍まで延在している。
【0062】
導風ユニット53は、前壁部53Fと、左壁部53Lと、右壁部53Rと、によって囲まれた冷却風流路部54を備える。冷却風流路部54の下端部は、下方に向かって開口しており、ファンカバー52の冷却ファン収容部520と連通している。冷却風流路部54の上端部は、上方に向かって開口している。
【0063】
したがって、冷却ファン51によって発生した冷却風は、冷却ファン収容部520から導風ユニット53の冷却風流路部54を通って、冷却風流路部54の上端部から上方へと放出される。
【0064】
図5及び
図6に示すように、導風ユニット53の冷却風流路部54には、前方から見て、左壁部53Lと右壁部53Rとの間に、周方向に並んで配置された径方向に延在する複数の仕切壁530を備える。本実施形態では、導風ユニット53は、3つの仕切壁530を備え、仕切壁530は、第1仕切壁531、第2仕切壁532、及び第3仕切壁533を有し、前方から見て、時計回りにこの順で周方向に並んで配置されている。さらに、導風ユニット53は、前方から見て、右壁部53Rの下端部から径方向内側に延在する第4仕切壁534をさらに備える。
【0065】
第1仕切壁531、第2仕切壁532、第3仕切壁533、及び第4仕切壁534は、ファンカバー52のフロントカバー部521、及び導風ユニット53の前壁部53Fから後方に向かって、左壁部53L及び右壁部53Rの後端部と前後方向における略同位置まで、前後方向に延在している。したがって、第1仕切壁531、第2仕切壁532、第3仕切壁533、及び第4仕切壁534は、少なくとも一部が冷却ファン51と前後方向で重なるように、前後方向に延在する。
【0066】
導風ユニット53の左壁部53Lは、前方から見て、ファンカバー52のサイドカバー部522の左端部から鉛直上方に直線状に延在する導入壁部53Laと、導入壁部53Laの上端部から左側に屈曲又は湾曲して左上方向に延在する放出壁部53Lbを有する。
【0067】
第1仕切壁531は、前方から見て、冷却ファン51の最外径部である羽根部512の径方向外側端部512bの回転軌跡RTの径方向外側で直線状に延在する導入壁部531aと、導入壁部531aの径方向外側端部から、導入壁部531aの径方向外側への延在方向に対し左側に屈曲又は湾曲して径方向外側に向かって延在する放出壁部531bを有する。
【0068】
導入壁部531aは、前方から見て、直線状の導入壁部531aに沿って延びる第1仮想直線VL1と冷却ファン51の最外径部の回転軌跡RTとの第1交点P1において、第1交点P1から周方向においてロータ212の回転方向である時計回り方向に延びる第1接線TL1と第1仮想直線VL1との成す角である第1角度θ1が、第1接線TL1から周方向においてロータ212の回転方向と逆方向の反時計回り方向に所定角度となるように設けられている。第1角度θ1は、ロータ212の回転速度、羽根部512の形状等から、公知の速度三角形等を用いて求められる角度である。第1角度θ1は、例えば、10度以上30度以下の角度である。本実施形態では、導入壁部531aは、下方から上方に向かって、鉛直方向に対してわずかに右方向に傾斜して直線状に延在している。
【0069】
放出壁部531bは、導入壁部531aの径方向外側端部から、導入壁部531aの径方向外側への延在方向に対し左側に屈曲又は湾曲して左上方向に向かって延在している。
【0070】
第2仕切壁532は、前方から見て、冷却ファン51の最外径部である羽根部512の径方向外側端部512bの回転軌跡RTの径方向外側で直線状に延在する導入壁部532aと、導入壁部532aの径方向外側端部から、導入壁部532aの径方向外側への延在方向に対し左側に屈曲又は湾曲して径方向外側に向かって延在する放出壁部532bを有する。
【0071】
導入壁部532aは、前方から見て、直線状の導入壁部532aに沿って延びる第2仮想直線VL2と冷却ファン51の最外径部の回転軌跡RTとの第2交点P2において、第2交点P2から周方向においてロータ212の回転方向である時計回り方向に延びる第2接線TL2と第2仮想直線VL2との成す角である第2角度θ2が、第2接線TL2から周方向においてロータ212の回転方向と逆方向の反時計回り方向に所定角度となるように設けられている。第2角度θ2は、ロータ212の回転速度、羽根部512の形状等から、公知の速度三角形等を用いて求められる角度である。第2角度θ2は、例えば、10度以上30度以下の角度であり、第1角度θ1と同一の角度、すなわちθ1=θ2となっている。本実施形態では、導入壁部532aは、下方から上方に向かって、鉛直方向に対して第1仕切壁531の導入壁部531aよりも右方向に傾斜して直線状に延在している。
【0072】
放出壁部532bは、導入壁部532aの径方向外側端部から、導入壁部532aの径方向外側への延在方向に対し左側に屈曲又は湾曲して略鉛直上方に向かって直線状に延在している。
【0073】
第3仕切壁533は、前方から見て、冷却ファン51の最外径部である羽根部512の径方向外側端部512bの回転軌跡RTの径方向外側で直線状に延在する導入壁部533aと、導入壁部533aの径方向外側端部から、導入壁部533aの径方向外側への延在方向に対し左側に屈曲又は湾曲して径方向外側に向かって延在する放出壁部533bを有する。
【0074】
導入壁部533aは、前方から見て、直線状の導入壁部533aに沿って延びる第3仮想直線VL3と冷却ファン51の最外径部の回転軌跡RTとの第3交点P3において、第3交点P3から周方向においてロータ212の回転方向である時計回り方向に延びる第3接線TL3と第3仮想直線VL3との成す角である第3角度θ3が、第3接線TL3から周方向においてロータ212の回転方向と逆方向の反時計回り方向に所定角度となるように設けられている。第3角度θ3は、ロータ212の回転速度、羽根部512の形状等から、公知の速度三角形等を用いて求められる角度である。第3角度θ3は、例えば、10度以上30度以下の角度であり、第1角度θ1及び第2角度θ2と同一の角度、すなわちθ1=θ2=θ3となっている。本実施形態では、導入壁部533aは、下方から上方に向かって、鉛直方向に対して第2仕切壁532の導入壁部532aよりも右方向に傾斜して直線状に延在している。
【0075】
放出壁部533bは、導入壁部533aの径方向外側端部から、導入壁部533aの径方向外側への延在方向に対し左側に屈曲又は湾曲して右上方向に向かって直線状に延在している。
【0076】
第4仕切壁534は、前方から見て、冷却ファン51の最外径部である羽根部512の径方向外側端部512bの回転軌跡RTの径方向外側で直線状に延在する導入壁部534aと、導入壁部534aの径方向外側端部から、導入壁部534aの径方向外側への延在方向に対し左側に屈曲又は湾曲して導風ユニット53の右壁部53Rの下端部に接続する接続壁部534bを有する。
【0077】
導入壁部534aは、前方から見て、直線状の導入壁部534aに沿って延びる第4仮想直線VL4と冷却ファン51の最外径部の回転軌跡RTとの第4交点P4において、第4交点P4から周方向においてロータ212の回転方向である時計回り方向に延びる第4接線TL4と第4仮想直線VL4との成す角である第4角度θ4が、第4接線TL4から周方向においてロータ212の回転方向と逆方向の反時計回り方向に所定角度となるように設けられている。第4角度θ4は、ロータ212の回転速度、羽根部512の形状等から、公知の速度三角形等を用いて求められる角度である。第4角度θ4は、例えば、10度以上30度以下の角度であり、第1角度θ1、第2角度θ2、及び第3角度θ3と同一の角度、すなわちθ1=θ2=θ3=θ4となっている。本実施形態では、導入壁部534aは、下方から上方に向かって、鉛直方向に対して第3仕切壁533の導入壁部533aよりも右方向に傾斜して直線状に延在している。
【0078】
接続壁部534bは、導入壁部534aの径方向外側端部から左側に屈曲又は湾曲して導風ユニット53の右壁部53Rの下端部に接続する。右壁部53Rは、導入壁部533aに対して左側に屈曲又は湾曲して右上方向に向かって直線状に延在している。
【0079】
このように構成された導風ユニット53の冷却風流路部54には、複数の冷却風流路540が形成される。冷却風流路540は、前壁部53Fと左壁部53Lと第1仕切壁531とによって囲まれた第1冷却風流路541と、前壁部53Fと第1仕切壁531と第2仕切壁532とによって囲まれた第2冷却風流路542と、前壁部53Fと第2仕切壁532と第3仕切壁533とによって囲まれた第3冷却風流路543と、前壁部53Fと第3仕切壁533と第4仕切壁534及び右壁部53Rとによって囲まれた第4冷却風流路544と、を有する。
【0080】
したがって、第1冷却風流路541、第2冷却風流路542、第3冷却風流路543、及び第4冷却風流路544は、前方から見て時計回りでこの順に、周方向に並んで配置されている。そして、周方向で互いに隣接する第1冷却風流路541と第2冷却風流路542とは第1仕切壁531によって区画されており、周方向で互いに隣接する第2冷却風流路542と第3冷却風流路543とは第2仕切壁532によって区画されており、周方向で互いに隣接する第3冷却風流路543と第4冷却風流路544とは第3仕切壁533によって区画されている。
【0081】
第1冷却風流路541は、冷却ファン51で発生した冷却風を導入する第1導入口541aと、第1導入口541aから導入された冷却風を放出する第1放出口541bと、を有する。第1導入口541aは、左壁部53Lの導入壁部53Laの下端部53La1と、第1仕切壁531の導入壁部531aの径方向内側端部531a1と、によって形成される。第1放出口541bは、左壁部53Lの放出壁部53Lbの上端部53Lb1と、第1仕切壁531の放出壁部531bの径方向外側端部531b1と、によって形成される。
【0082】
第1冷却風流路541の第1導入口541aにおける冷却風の導入方向は、左壁部53Lの導入壁部53La及び第1仕切壁531の導入壁部531aに沿って下方から上方に向かって延びる方向である。第1冷却風流路541の第1放出口541bにおける冷却風の放出方向は、左壁部53Lの放出壁部53Lb及び第1仕切壁531の放出壁部531bに沿って下方から左斜め上方に向かって延びる方向である。したがって、第1冷却風流路541は、第1放出口541bにおける冷却風の放出方向が、第1導入口541aにおける冷却風の導入方向よりも左右方向において左方向(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)に指向するように形成される。
【0083】
第2冷却風流路542は、冷却ファン51で発生した冷却風を導入する第2導入口542aと、第2導入口542aから導入された冷却風を放出する第2放出口542bと、を有する。第2導入口542aは、第1仕切壁531の導入壁部531aの径方向内側端部531a1と、第2仕切壁532の導入壁部532aの径方向内側端部532a1と、によって形成される。第2放出口542bは、第1仕切壁531の放出壁部531bの径方向外側端部531b1と、第2仕切壁532の放出壁部532bの径方向外側端部532b1と、によって形成される。
【0084】
第2冷却風流路542の第2導入口542aにおける冷却風の導入方向は、第1仕切壁531の導入壁部531a及び第2仕切壁532の導入壁部532aに沿って右斜め下方から上方に向かって延びる方向である。第2冷却風流路542の第2放出口542bにおける冷却風の放出方向は、第1仕切壁531の放出壁部531b及び第2仕切壁532の放出壁部532bに沿って下方から上方に向かって延びる方向である。したがって、第2冷却風流路542は、第2放出口542bにおける冷却風の放出方向が、第2導入口542aにおける冷却風の導入方向よりも左右方向において左方向(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)に指向するように形成される。
【0085】
第3冷却風流路543は、冷却ファン51で発生した冷却風を導入する第3導入口543aと、第3導入口543aから導入された冷却風を放出する第3放出口543bと、を有する。第3導入口543aは、第2仕切壁532の導入壁部532aの径方向内側端部532a1と、第3仕切壁533の導入壁部533aの径方向内側端部533a1と、によって形成される。第3放出口543bは、第2仕切壁532の放出壁部532bの径方向外側端部532b1と、第3仕切壁533の放出壁部533bの径方向外側端部533b1と、によって形成される。
【0086】
第3冷却風流路543の第3導入口543aにおける冷却風の導入方向は、第2仕切壁532の導入壁部532a及び第3仕切壁533の導入壁部533aに沿って右斜め下方から上方に向かって延びる方向である。第3冷却風流路543の第3放出口543bにおける冷却風の放出方向は、第2仕切壁532の放出壁部532b及び第3仕切壁533の放出壁部533bに沿って下方から上方に向かって延びる方向である。したがって、第3冷却風流路543は、第3放出口543bにおける冷却風の放出方向が、第3導入口543aにおける冷却風の導入方向よりも左右方向において左方向(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)に指向するように形成される。
【0087】
第4冷却風流路544は、冷却ファン51で発生した冷却風を導入する第4導入口544aと、第4導入口544aから導入された冷却風を放出する第4放出口544bと、を有する。第4導入口544aは、第3仕切壁533の導入壁部533aの径方向内側端部533a1と、第4仕切壁534の導入壁部534aの径方向内側端部534a1と、によって形成される。第4放出口544bは、第3仕切壁533の放出壁部533bの径方向外側端部533b1と、右壁部53Rの上端部53Rbと、によって形成される。
【0088】
第4冷却風流路544の第4導入口544aにおける冷却風の導入方向は、第3仕切壁533の導入壁部533a及び第4仕切壁534の導入壁部534aに沿って右斜め下方から上方に向かって延びる方向である。第4冷却風流路544の第4放出口544bにおける冷却風の放出方向は、第3仕切壁533の放出壁部533b及び右壁部53Rに沿って下方から上方に向かって延びる方向である。したがって、第4冷却風流路544は、第4放出口544bにおける冷却風の放出方向が、第4導入口544aにおける冷却風の導入方向よりも左右方向において左方向(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)に指向するように形成される。
【0089】
導風ユニット53の冷却風流路部54に形成される複数の冷却風流路540は、電装ユニット30の突出部32に近い位置に配置された冷却風流路540ほど導入口の開口面積が大きくなっている。すなわち、第1冷却風流路541の第1導入口541aの開口面積は、第2冷却風流路542の第2導入口542aの開口面積よりも大きく、第2冷却風流路542の第2導入口542aの開口面積は、第3冷却風流路543の第3導入口543aの開口面積よりも大きく、第3冷却風流路543の第3導入口543aの開口面積は、第4冷却風流路544の第4導入口544aの開口面積よりも大きくなっている。換言すると、(第1冷却風流路541の第1導入口541aの開口面積)>(第2冷却風流路542の第2導入口542aの開口面積)>(第3冷却風流路543の第3導入口543aの開口面積)>(第4冷却風流路544の第4導入口544aの開口面積)となっている。
【0090】
導風ユニット53の冷却風流路部54に形成される複数の冷却風流路540は、前方から見て、各放出口が支持部材40の前側プレート42aと重なる位置となるように配置されている。詳細には、第1冷却風流路541の第1放出口541b、第2冷却風流路542の第2放出口542b、第3冷却風流路543の第3放出口543b、及び、第4冷却風流路544の第4放出口544bは、支持部材40の前側プレート42aと重なる位置となるように配置されている。換言すると、支持部材40の前側プレート42aは、前方から見て、第1冷却風流路541の第1放出口541b、第2冷却風流路542の第2放出口542b、第3冷却風流路543の第3放出口543b、及び、第4冷却風流路544の第4放出口544bと重なる位置で前後方向及び左右方向に延在している。
【0091】
(冷却風の流れ)
次に、電動パワーユニット1における冷却ファン51で発生する冷却風の流れについて、
図2及び
図5を参照して説明する。
【0092】
冷却ファン51が、回転シャフト23と一体に、前方から見て時計回りに回転すると、ファンカバー52の取込口523から冷却ファン収容部520に空気が取り込まれ、羽根部512によって、冷却ファン収容部520において、前方から見て、周方向において時計回り方向、且つ径方向外側に向かって流れる冷却風が発生する。
【0093】
冷却ファン51で発生した、前方から見て、周方向において時計回り方向、且つ径方向外側に向かって流れる冷却風は、導風ユニット53の第1冷却風流路541の第1導入口541a、第2冷却風流路542の第2導入口542a、第3冷却風流路543の第3導入口543a、及び第4冷却風流路544の第4導入口544aに導入され、第1冷却風流路541、第2冷却風流路542、第3冷却風流路543、及び第4冷却風流路544を通って、第1冷却風流路541の第1放出口541b、第2冷却風流路542の第2放出口542b、第3冷却風流路543の第3放出口543b、及び第4冷却風流路544の第4放出口544bから放出される。このようにして、冷却ファン51で発生した冷却風は、導風ユニット53から放出される。
【0094】
このとき、冷却ファン51で発生した冷却風は、前方から見て、周方向において時計回り方向に流れるので、回転シャフト23の上方では右方向に向かって流れる。そのため、冷却ファン51の上方に配置された電装ユニット30の左側(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)には冷却風が供給されにくい傾向がある。さらに、電装ユニット30が、回転電機収容部220の周壁部220aの左端部よりも左右方向外側に突出した突出部32を有している場合、電装ユニット30の突出部32は、冷却風が供給されにくく、冷却されにくい傾向がある。
【0095】
しかし、本実施形態では、第1冷却風流路541の第1導入口541aの開口面積は、第2冷却風流路542の第2導入口542aの開口面積よりも大きく、第2冷却風流路542の第2導入口542aの開口面積は、第3冷却風流路543の第3導入口543aの開口面積よりも大きく、第3冷却風流路543の第3導入口543aの開口面積は、第4冷却風流路544の第4導入口544aの開口面積よりも大きくなっているので、電装ユニット30の突出部32に近い位置に配置された冷却風流路540ほど導入口の開口面積が大きくなっている。これにより、電装ユニット30の突出部32に近い位置に配置された冷却風流路540ほど多くの冷却風が流れ、電装ユニット30の突出部32に多くの冷却風を供給でき、電装ユニット30の突出部32を効果的に冷却できる。
【0096】
また、第1冷却風流路541は、第1放出口541bにおける冷却風の放出方向が、第1導入口541aにおける冷却風の導入方向よりも左右方向において左方向(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)に指向するように形成されており、第2冷却風流路542は、第2放出口542bにおける冷却風の放出方向が、第2導入口542aにおける冷却風の導入方向よりも左右方向において左方向(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)に指向するように形成されており、第3冷却風流路543は、第3放出口543bにおける冷却風の放出方向が、第3導入口543aにおける冷却風の導入方向よりも左右方向において左方向(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)に指向するように形成されており、第4冷却風流路544は、第4放出口544bにおける冷却風の放出方向が、第4導入口544aにおける冷却風の導入方向よりも左右方向において左方向(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)に指向するように形成されている。このように、各冷却風流路540は、前方から見て、放出口における冷却風の放出方向が、導入口における冷却風の導入方向よりも、左右方向において左方向、すなわち電装ユニット30の突出部32に近づく方向に指向するように形成されている。これにより、各冷却風流路540の放出口から、電装ユニット30の突出部32に近づく方向に向かって冷却風が放出されるので、電装ユニット30の突出部32に向かってより多くの冷却風を供給でき、電装ユニット30の突出部32をより効果的に冷却できる。
【0097】
また、第1冷却風流路541、第2冷却風流路542、第3冷却風流路543、及び第4冷却風流路544は、前方から見て時計回りでこの順に、周方向に並んで配置されているので、冷却ファン51の回転方向に沿って複数の冷却風流路540を配置でき、より多くの冷却風を導風ユニット53に導入できる。
【0098】
さらに、前述したように、第1仕切壁531の導入壁部531aは、前方から見て、直線状の導入壁部531aに沿って延びる第1仮想直線VL1と冷却ファン51の最外径部の回転軌跡RTとの第1交点P1において、第1交点P1から周方向においてロータ212の回転方向である時計回り方向に延びる第1接線TL1と第1仮想直線VL1との成す角である第1角度θ1が、第1接線TL1から周方向においてロータ212の回転方向と逆方向の反時計回り方向に所定角度となるように設けられている。同様に、第2仕切壁532の導入壁部532aは、前方から見て、直線状の導入壁部532aに沿って延びる第2仮想直線VL2と冷却ファン51の最外径部の回転軌跡RTとの第2交点P2において、第2交点P2から周方向においてロータ212の回転方向である時計回り方向に延びる第2接線TL2と第2仮想直線VL2との成す角である第2角度θ2が、第2接線TL2から周方向においてロータ212の回転方向と逆方向の反時計回り方向に所定角度となるように設けられている。第3仕切壁533の導入壁部533aは、前方から見て、直線状の導入壁部533aに沿って延びる第3仮想直線VL3と冷却ファン51の最外径部の回転軌跡RTとの第3交点P3において、第3交点P3から周方向においてロータ212の回転方向である時計回り方向に延びる第3接線TL3と第3仮想直線VL3との成す角である第3角度θ3が、第3接線TL3から周方向においてロータ212の回転方向と逆方向の反時計回り方向に所定角度となるように設けられている。第4仕切壁534の導入壁部534aは、前方から見て、直線状の導入壁部534aに沿って延びる第4仮想直線VL4と冷却ファン51の最外径部の回転軌跡RTとの第4交点P4において、第4交点P4から周方向においてロータ212の回転方向である時計回り方向に延びる第4接線TL4と第4仮想直線VL4との成す角である第4角度θ4が、第4接線TL4から周方向においてロータ212の回転方向と逆方向の反時計回り方向に所定角度となるように設けられている。
【0099】
したがって、第1角度θ1、第2角度θ2、第3角度θ3、及び第4角度θ4を、公知の速度三角形等を用いて冷却風の流れ方向に沿った角度に設定することができ、第1仕切壁531の導入壁部531a、第2仕切壁532の導入壁部532a、第3仕切壁533の導入壁部533a、及び第4仕切壁534の導入壁部534aを冷却風の流れ方向に沿った角度で直線状に延在するように設けることができる。これにより、第1冷却風流路541の第1導入口541a、第2冷却風流路542の第2導入口542a、第3冷却風流路543の第3導入口543a、及び第4冷却風流路の第4導入口544aから、冷却風を低抵抗で導入することができるので、導風ユニット53からより多くの冷却風を放出できる。
【0100】
さらに、第1角度θ1、第2角度θ2、第3角度θ3、及び第4角度θ4は、同一角度となっているので、第1仕切壁531の導入壁部531a、第2仕切壁532の導入壁部532a、第3仕切壁533の導入壁部533a、及び第4仕切壁534の導入壁部534aのいずれも、冷却風の流れ方向に沿った角度で直線状に延在するように設けることができる。これにより、第1冷却風流路541の第1導入口541a、第2冷却風流路542の第2導入口542a、第3冷却風流路543の第3導入口543a、及び第4冷却風流路の第4導入口544aのいずれからも、冷却風を低抵抗で導入することができるので、導風ユニット53からより多くの冷却風を放出できる。
【0101】
図2に示すように、導風ユニット53から放出された冷却風は、一部が上方へと流れて電装ユニット30のフィン間流路34に導入される。電装ユニット30のフィン間流路34に導入された冷却風は、電装ユニット30を冷却しながら、フィン間流路34を後方に向かって流れる。
【0102】
このとき、フィン間流路34の前端部には、隣接する2つの放熱フィン33を接続し、電装ユニットケース31の底壁部311の前端部から下方に延在する遮蔽壁部35が設けられているので、電装ユニット30のフィン間流路34に導入された冷却風が前方へ流れることを遮蔽壁部35によって防止できる。これにより、電装ユニット30のフィン間流路34に導入された冷却風を、確実に後方へ流れるようにすることができるので、より効果的に電装ユニット30を冷却できる。
【0103】
導風ユニット53から放出された冷却風は、一部が後方へと流れる。
【0104】
このとき、支持部材40の前側プレート42aは、前方から見て、第1冷却風流路541の第1放出口541b、第2冷却風流路542の第2放出口542b、第3冷却風流路543の第3放出口543b、及び、第4冷却風流路544の第4放出口544bと重なる位置で前後方向及び左右方向に延在しているので、導風ユニット53から放出され、後方へと流れた冷却風は、支持部材40の前側プレート42aに当たって、一部が上方に向かって流れて電装ユニット30のフィン間流路34に導入され、一部が下方に向かって流れて回転電機ケース22の回転電機収容部220の周壁部220aに向かって流れ、一部が左方向(すなわち電装ユニット30の突出部32の方向)へ流れる。
【0105】
したがって、前後方向及び左右方向に延在する前側プレート42aによって、導風ユニット53から放出され、後方へと流れた冷却風の一部を、電装ユニット30のフィン間流路34に向かって導風することができるので、より効果的に電装ユニット30を冷却できる。加えて、前後方向及び左右方向に延在する前側プレート42aによって、導風ユニット53から放出され、後方へと流れた冷却風の一部を、回転電機ケース22の回転電機収容部220に近づく方向に導風することができるので、回転電機ケース22の回転電機収容部220に当たる冷却風の量を多くすることができ、効果的に回転電機ユニット20を冷却できる。
【0106】
また、支持部材40の前側プレート42aは、少なくとも一部が電装ユニット30の突出部32と左右方向で重なるように延在しているので、導風ユニット53から放出され、後方へと流れた冷却風は、支持部材40の前側プレート42aに当たって、左方向へ流れた冷却風を電装ユニット30の突出部32まで導風することができる。電装ユニット30の突出部32により多くの冷却風を供給でき、電装ユニット30の突出部32をより効果的に冷却できる。
【0107】
このように、支持部材40の前側プレート42aは、導風ユニット53から放出された冷却風を導風する第1導風部材として機能する。
【0108】
回転電機ケース22の回転電機収容部220に当たった冷却風は、回転電機ユニット20を冷却しながら、回転電機収容部220の周壁部220aの近傍を放熱リブ224に沿って後方へと流れる。
【0109】
このとき、前後方向において、前側プレート42aと、電装ユニット30の電装ユニットケース31の後壁部314との間であり、ケース本体221の周壁部221aの後端部に形成された開口部221cと前後方向において略同位置には、上下方向及び左右方向に延在する平板状の後側プレート42bが設けられている。そのため、回転電機収容部220の周壁部220aの近傍を放熱リブ224に沿って後方へと流れた冷却風は、支持部材40の後側プレート42bに当たって、一部が上方に向かって流れて電装ユニット30のフィン間流路34に導入され、一部が下方に向かって流れて回転電機ケース22のカバー部材222の周壁部222aに向かって流れる。回転電機ケース22のカバー部材222の周壁部222aを流れた冷却風はそのまま後方に排出される。
【0110】
したがって、回転電機収容部220の周壁部220aの近傍を放熱リブ224に沿って後方へと流れた冷却風の一部を、前後方向及び左右方向に延在する後側プレート42bによって、電装ユニット30のフィン間流路34に導入することができるので、より効果的に電装ユニット30を冷却できる。
【0111】
このように、支持部材40の後側プレート42bは、第1導風部材として機能する前側プレート42aを通過した冷却風を導風する第2導風部材として機能する。
【0112】
フィン間流路34を流れた冷却風は、フィン間流路34の開口した後端部から排出される。
【0113】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0114】
例えば、本実施形態では、導風ユニット53は、ファンカバー52に設けられているものとしたが、導風ユニット53は、ファンカバー52とは別個に設けられていてもよい。
【0115】
例えば、本実施形態では、回転電機21は、回転電機21の径方向において、ステータ211の外側にロータ212が配置されるアウタロータ型の回転電機であるものとしたが、ロータ212の外周面を取り囲むようにステータ211が配置されるインナロータ側の回転電機であってもよい。
【0116】
例えば、本実施形態では、支持部材40の前側プレート42aが、導風ユニット53から放出された冷却風を導風する第1導風部材として機能し、支持部材40の後側プレート42bが、第1導風部材として機能する前側プレート42aを通過した冷却風を導風する第2導風部材として機能するものとしたが、第1導風部材及び第2導風部材は、支持部材40とは別個の部材であってもよい。
【0117】
例えば、本実施形態では、電装ユニットケース31の内部に収容される電装品は、不図示のバッテリからの電力を変換して、回転電機ユニット20の回転電機21に供給する電力を制御する電力制御装置であるものとしたが、電装ユニットケース31の内部に収容される電装品は、電力制御装置に限らず任意の電装品であってよく、例えば、バッテリ等であってもよい。
【0118】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0119】
(1) 回転電機ユニット(回転電機ユニット20)と、
前記回転電機ユニットの外側に配置された電装ユニット(電装ユニット30)と、
冷却ユニット(冷却ユニット50)と、を備える電動パワーユニット(電動パワーユニット1)であって、
前記回転電機ユニットは、
ステータ(ステータ211)及びロータ(ロータ212)を有する回転電機(回転電機21)と、
前記回転電機を収容する回転電機収容部(回転電機収容部220)を有する回転電機ケース(回転電機ケース22)と、
前記ロータと一体に回転する回転シャフト(回転シャフト23)と、を備え、
前記回転電機収容部は、
前記回転電機の外周面を覆う周壁部(周壁部220a)と、
前記回転電機の軸方向における軸方向一端側(前方側)を覆う第1端壁部(第1端壁部220b1)と、
前記軸方向における軸方向他端側(後方側)を覆う第2端壁部(第2端壁部220b2)と、を有し、
前記回転シャフトは、前記回転電機収容部を挿通し、前記第1端壁部から前記軸方向一端側に突出し、
前記電装ユニットは、
前記軸方向から見て前記回転電機収容部の前記周壁部の外側、且つ、少なくとも一部が前記回転電機収容部と前記軸方向で重なる位置、に配置されており、
前記軸方向から見て、前記回転電機収容部に対する前記電装ユニットの配置方向である第1方向(上下方向)と直交する第2方向(左右方向)において、前記回転電機収容部の第2方向一端部(左端部)よりも外側に突出した突出部(突出部32)を有し、
前記冷却ユニットは、冷却風を発生させる冷却ファン(冷却ファン51)と、前記冷却風を導風する導風ユニット(導風ユニット53)と、を有し、
前記冷却ファンは、前記回転電機収容部の前記軸方向一端側の軸方向外側に設けられ、前記回転シャフトと一体に回転し、
前記導風ユニットは、前記軸方向から見て、前記冷却ファンと前記電装ユニットとの間に設けられた複数の冷却風流路(冷却風流路540、第1冷却風流路541、第2冷却風流路542、第3冷却風流路543、第4冷却風流路544)を備え、
複数の前記冷却風流路は、前記軸方向から見て、
前記冷却ファンの側に向かって開口する導入口(第1導入口541a、第2導入口542a、第3導入口543a、第4導入口544a)と、前記電装ユニットの側に向かって開口する放出口(第1放出口541b、第2放出口542b、第3放出口543b、第4放出口544b)と、を有し、
前記電装ユニットの前記突出部に近い位置に配置された前記冷却風流路ほど、前記導入口の開口面積が大きくなっている、電動パワーユニット。
【0120】
(1)によれば、電装ユニットの突出部に近い位置に配置された冷却風流路ほど、導入口の開口面積が大きくなっているので、電装ユニットの突出部に近い位置に配置された冷却風流路ほど多くの冷却風が流れ、電装ユニットの突出部に多くの冷却風を供給でき、電装ユニットの突出部を効果的に冷却できる。
【0121】
(2) (1)に記載の電動パワーユニットであって、
前記冷却風流路は、前記軸方向から見て、前記放出口における前記冷却風の放出方向が、前記導入口における前記冷却風の導入方向よりも、前記第2方向において前記突出部に近づく方向に指向するように形成されている、電動パワーユニット。
【0122】
(2)によれば、冷却風流路は、軸方向から見て、放出口における冷却風の放出方向が、導入口における冷却風の導入方向よりも、第2方向において突出部に近づく方向に指向するように形成されているので、冷却風流路の放出口から、電装ユニットの突出部に近づく方向に向かって冷却風が放出される。これにより、電装ユニットの突出部に向かってより多くの冷却風を供給でき、電装ユニットの突出部をより効果的に冷却できる。
【0123】
(3) (1)又は(2)に記載の電動パワーユニットであって、
複数の前記冷却風流路は、前記軸方向から見て、前記冷却ファンと前記電装ユニットとの間に、前記回転電機及び前記冷却ファンの周方向に並んで配置されている、電動パワーユニット。
【0124】
(3)によれば、複数の冷却風流路は、軸方向から見て、回転電機及び冷却ファンの周方向に並んで配置されているので、冷却ファンの回転方向に沿って複数の冷却風流路を配置でき、より多くの冷却風を導風ユニットに導入できる。
【0125】
(4) (3)に記載の電動パワーユニットであって、
前記導風ユニットは、少なくとも一部が前記冷却ファンと前記軸方向で重なるように前記軸方向に延在し、前記周方向で隣接する2つの前記冷却風流路を区画する仕切壁(仕切壁530、第1仕切壁531、第2仕切壁532、第3仕切壁533)を備え、
前記仕切壁は、前記軸方向から見て、
径方向内側端部(径方向内側端部531a1、532a1、533a1)が前記冷却風流路の前記導入口を形成し、直線状に延在する導入壁部(導入壁部531a、532a、533a)と、
前記導入壁部の径方向外側端部から前記導入壁部に対して前記突出部に近づく方向に屈曲又は湾曲して延在し、径方向外側端部(径方向外側端部531b1、532b1、533b1)が前記冷却風流路の前記放出口を形成する放出壁部(放出壁部531b、532b、533b)と、を有し、
前記導入壁部は、前記軸方向から見て、当該導入壁部に沿って延びる仮想直線(第1仮想直線VL1、第2仮想直線VL2、第3仮想直線VL3)と前記冷却ファンの最外径部(径方向外側端部512b)の回転軌跡(回転軌跡RT)との交点(第1交点P1、第2交点P2、第3交点P3)において、当該交点から前記周方向において前記ロータの回転方向(時計回り方向)に延びる前記回転軌跡の接線(第1接線TL1、第2接線TL2、第3接線TL3)と前記仮想直線との成す角(第1角度θ1、第2角度θ2、第3角度θ3)が、前記接線から前記周方向において前記ロータの回転方向と逆方向(反時計回り方向)に所定角度となるように設けられる、電動パワーユニット。
【0126】
(4)によれば、導入壁部に沿って延びる仮想直線と冷却ファンの最外径部の回転軌跡との交点において、交点から周方向においてロータの回転方向に延びる回転軌跡の接線と仮想直線との成す角を、冷却風の流れ方向に沿った角度に設定することができ、導入壁部を冷却風の流れ方向に沿った角度で直線状に延在するように設けることができる。これにより、冷却風流路の導入口から冷却風を低抵抗で導入することができるので、導風ユニットからより多くの冷却風を放出できる。
【0127】
(5) (4)に記載の電動パワーユニットであって、
前記導風ユニットは、前記周方向に並んで配置された複数の前記仕切壁を有し、前記軸方向から見て、前記冷却ファンと前記電装ユニットとの間に、3以上の前記冷却風流路が前記周方向に並んで配置されており、
複数の前記仕切壁の各導入壁部は、前記成す角が同一の所定角度となるように設けられる、電動パワーユニット。
【0128】
(5)によれば、複数の仕切壁の各導入壁部は、前述の成す角が同一の所定角度となるように設けられているので、複数の冷却風流路の導入口のいずれからも、冷却風を低抵抗で導入することができるので、導風ユニットからより多くの冷却風を放出できる。
【0129】
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の電動パワーユニットであって、
前記電動パワーユニットは、前記導風ユニットから放出された前記冷却風を導風する第1導風部材(前側プレート42a)をさらに備え、
前記第1導風部材は、前記軸方向から見て、前記回転電機収容部と前記電装ユニットとの間で、前記冷却風流路の前記放出口と重なる位置で、少なくとも一部が前記突出部と前記第2方向で重なるように延在する、電動パワーユニット。
【0130】
(6)によれば、第1導風部材は、軸方向から見て、回転電機収容部と電装ユニットとの間で、冷却風流路の放出口と重なる位置で、少なくとも一部が突出部と第2方向で重なるように延在するので、第1導風部材に当たって、第2方向において突出部に近づく方向へ流れた冷却風を電装ユニットの突出部まで導風することができる。これにより、電装ユニットの突出部により多くの冷却風を供給でき、電装ユニットの突出部をより効果的に冷却できる。
【0131】
(7) (6)に記載の電動パワーユニットであって、
前記回転電機収容部の前記周壁部の外面には、前記回転電機の径方向の外側に突出して前記軸方向に延在する放熱リブ(放熱リブ224、225)が複数設けられており、
前記電装ユニットの前記回転電機ユニットと対向する対向面(下面311a)には、前記軸方向及び前記第1方向に延在する放熱フィン(放熱フィン33)が複数設けられており、
前記第1導風部材は、前記第1方向及び前記第2方向に延在する、電動パワーユニット。
【0132】
(7)によれば、第1方向及び第2方向に延在する第1導風部材によって、導風ユニットから放出され、軸方向他端側へと流れた冷却風の一部を、電装ユニットに近づく方向に導風することができるので、より効果的に電装ユニットを冷却できる。加えて、第1方向及び第2方向に延在する第1導風部材によって、導風ユニットから放出され、軸方向他端側へと流れた冷却風の一部を、回転電機ケースの回転電機収容部に近づく方向に導風することができるので、回転電機ケースの回転電機収容部に当たる冷却風の量を多くすることができ、効果的に回転電機ユニットを冷却できる。
【0133】
(8) (7)に記載の電動パワーユニットであって、
隣接する2つの前記放熱フィンの間には、前記軸方向に延在するフィン間流路(フィン間流路34)が形成されており、
前記フィン間流路の前記軸方向一端側の端部(前端部)には、隣接する2つの前記放熱フィンを接続して前記第1方向に延在する遮蔽壁部(遮蔽壁部35)が設けられており、
前記フィン間流路の前記軸方向他端側の端部(後端部)は、前記軸方向他端側に向かって開口している、電動パワーユニット。
【0134】
(8)によれば、フィン間流路の軸方向一端側の端部には、隣接する2つの放熱フィンを接続して第1方向に延在する遮蔽壁部が設けられており、フィン間流路の軸方向他端側の端部は、軸方向他端側に向かって開口しているので、フィン間流路に導入された冷却風を、確実に軸方向他端側へ流れるようにすることができ、より効果的に電装ユニットを冷却できる。
【0135】
(9) (6)から(8)のいずれかに記載の電動パワーユニットであって、
前記電動パワーユニットは、前記第1導風部材を通過した前記冷却風を導風する第2導風部材(後側プレート42b)をさらに備え、
前記第2導風部材は、
前記軸方向において、前記第1導風部材と、前記電装ユニットの前記軸方向他端側の端部(後端部)との間に配置されており、
前記第1方向に延在する、電動パワーユニット。
【0136】
(9)によれば、軸方向において、第1導風部材と、電装ユニットの軸方向他端側の端部との間に配置された第1方向に延在する第2導風部材をさらに備えるので、第1導風部材で回転電機ケースの回転電機収容部に近づく方向に導風され、回転電機収容部の周壁部の近傍を放熱リブに沿って軸方向他端側へと流れた冷却風の一部を、第1方向に延在する第2導風部材によって、電装ユニットに近づく方向に導風することができるので、より効果的に電装ユニットを冷却できる。
【符号の説明】
【0137】
1 電動パワーユニット
20 回転電機ユニット
21 回転電機
211 ステータ
212 ロータ
22 回転電機ケース
220 回転電機収容部
220a 周壁部
220b1 第1端壁部
220b2 第2端壁部
224 放熱リブ
225 放熱リブ
23 回転シャフト
30 電装ユニット
311a 下面(対向面)
32 突出部
33 放熱フィン
34 フィン間流路
35 遮蔽壁部
42a 前側プレート(第1導風部材)
42b 後側プレート(第2導風部材)
50 冷却ユニット
51 冷却ファン
512b 径方向外側端部(最外径部)
53 導風ユニット
530 仕切壁
531 第1仕切壁(仕切壁)
531a 導入壁部
531a1 径方向内側端部
531b 放出壁部
531b1 径方向外側端部
532 第2仕切壁(仕切壁)
532a 導入壁部
532a1 径方向内側端部
532b 放出壁部
532b1 径方向外側端部
533 第3仕切壁(仕切壁)
533a 導入壁部
533a1 径方向内側端部
533b 放出壁部
533b1 径方向外側端部
540 冷却風流路
541 第1冷却風流路(冷却風流路)
541a 第1導入口(導入口)
541b 第1放出口(放出口)
542 第2冷却風流路(冷却風流路)
542a 第2導入口(導入口)
542b 第2放出口(放出口)
543 第3冷却風流路(冷却風流路)
543a 第3導入口(導入口)
543b 第3放出口(放出口)
544 第4冷却風流路(冷却風流路)
544a 第4導入口(導入口)
544b 第4放出口(放出口)
RT 回転軌跡
VL1 第1仮想直線(仮想直線)
VL2 第2仮想直線(仮想直線)
VL3 第3仮想直線(仮想直線)
P1 第1交点(交点)
P2 第2交点(交点)
P3 第3交点(交点)
TL1 第1接線(接線)
TL2 第2接線(接線)
TL3 第3接線(接線)
θ1 第1角度(成す角)
θ2 第2角度(成す角)
θ3 第3角度(成す角)