(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】シート状部材
(51)【国際特許分類】
B65D 81/05 20060101AFI20241125BHJP
B65D 5/50 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
B65D81/05 200
B65D5/50 B
(21)【出願番号】P 2021057786
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2024-01-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ダイナパック株式会社がSANEI株式会社に2020年12月15日に折り曲げ形成したU字形状を維持することができるシート状部材を納入した。
(73)【特許権者】
【識別番号】305006624
【氏名又は名称】ダイナパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】嶋岡 颯人
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-203643(JP,A)
【文献】特開2001-097458(JP,A)
【文献】特開2002-211539(JP,A)
【文献】特開平10-245028(JP,A)
【文献】米国特許第03221973(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/05
B65D 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の折目と、前記第1の折目よりも方向Yの側にある第2の折目とにおいてそれぞれ折り曲げられ、U字形状となる部分を有するシート状部材であって、
前記第1の折目及び前記第2の折目と交差する切目を備え、
前記第1の折目のうち、前記切目よりも、前記方向Yと直交する方向Xの側にある第1b部は、前記第1の折目のうち、前記切目よりも、前記方向Xの反対方向の側にある第1a部よりも、前記方向Yの側にあり、
前記第2の折目のうち、前記切目よりも前記方向Xの側にある第2b部は、前記第2の折目のうち、前記切目よりも前記反対方向の側にある第2a部よりも、前記方向Yの側にあり、
前記切目は、前記切目に沿って前記方向Yに進むほど前記反対方向に進む傾斜部を、前記切目が前記第1b部に接する位置と、前記切目が前記第2a部に接する位置との間に備え
、
前記切目は、前記切目に沿って前記方向Yに進むほど前記方向Xに進む第1の逆傾斜部を、前記傾斜部よりも前記方向Yの側に備え、
前記切目は、前記切目に沿って前記方向Yに進むほど前記方向Xに進む第2の逆傾斜部を、前記傾斜部よりも前記方向Yの反対方向の側に備える、
シート状部材。
【請求項2】
請求項1
に記載のシート状部材であって、
組み立てたときに筒型のパッドとなる、
シート状部材。
【請求項3】
請求項1
に記載のシート状部材であって、
組み立てたときに側壁部及びフラップを有する箱となり、
前記U字形状となる部分は前記フラップの一部である、
シート状部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はシート状部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に以下の技術が開示されている。シート状部材に、第1の折目と、第2の折目とを設ける。第1の折目と第2の折目とでそれぞれシート状部材を折り曲げることで、U字形状を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シート状部材に形成したU字形状を維持するためには、テープで固定したり、形状を固定する機構を別途設けたりする必要があった。本開示の1つの局面では、U字形状を維持することができるシート状部材を提供することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの局面は、第1の折目と、前記第1の折目よりも方向Yの側にある第2の折目とにおいてそれぞれ折り曲げられ、U字形状となる部分を有するシート状部材である。シート状部材は、前記第1の折目及び前記第2の折目と交差する切目を備える。前記第1の折目のうち、前記切目よりも、前記方向Yと直交する方向Xの側にある第1b部は、前記第1の折目のうち、前記切目よりも、前記方向Xの反対方向の側にある第1a部よりも、前記方向Yの側にある。前記第2の折目のうち、前記切目よりも前記方向Xの側にある第2b部は、前記第2の折目のうち、前記切目よりも前記反対方向の側にある第2a部よりも、前記方向Yの側にある。前記切目は、前記切目に沿って前記方向Yに進むほど前記反対方向に進む傾斜部を、前記切目が前記第1b部に接する位置と、前記切目が前記第2a部に接する位置との間に備える。
【0006】
本開示の1つの局面であるシート状部材は、第1の折目と第2の折目とをそれぞれ折り曲げ、U字形状を形成した場合に、U字形状を容易に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】折曲部3が折り曲げられていないときのシート状部材1の構成を表す平面図である。
【
図2】折曲部3を折り曲げる過程を表す説明図である。
【
図4】方向X1の側の視点から見た、折り曲げの角度が浅い状態の折曲部3の構成を表す説明図である。
【
図5】方向X1の側の視点から見た、折り曲げの角度が中程度である状態の折曲部3の構成を表す説明図である。
【
図6】方向X1の側の視点から見た、折り曲げの角度が深い状態の折曲部3の構成を表す説明図である。
【
図7】第1の折目5及び第2の折目7における折り曲げの角度が変化するときの交差部25及び交差部27の位置の変化を表す説明図である。
【
図8】折曲部3が折り曲げられた状態を表す斜視図である。
【
図9】シート状部材101の構成を表す展開図である。
【
図10】組み立てられた状態にあるシート状部材101の構成を表す斜視図である。
【
図11】シート状部材201の構成を表す展開図である。
【
図12】組み立てられた状態にあるシート状部材201の構成を表す斜視図である。
【
図13】シート状部材301の構成を表す展開図である。
【
図14】組み立てられた状態にあるシート状部材301の構成を表す斜視図である。
【
図15】別形態の折曲部3の構成を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
1.シート状部材1の構成
シート状部材1の構成を、
図1~
図3に基づき説明する。
図1に示すように、シート状部材1は、矩形の形状を有する。シート状部材1は、例えば、段ボールから成る。シート状部材1は、折曲部3を2つ備える。2つの折曲部3は互いに平行である。
【0009】
図2に示すように、2つの折曲部3は、それぞれ、U字形状に折り曲げ可能である。なお、互いに平行な2本の折目で同じ方向に折り曲げられた形状も、U字形状に含まれる。2つの折曲部3がそれぞれU字形状に折り曲げられたとき、シート状部材1の形状は角筒形状となる。角筒形状は筒型に対応する。シート状部材1は、例えば、パッドとして使用できる。
【0010】
図3に示すように、折曲部3は、第1の折目5と、第2の折目7とを備える。第1の折目5及び第2の折目7は、それぞれ、
図1及び
図3に示す方向X1及び方向X2と平行に延びている。方向X2は方向X1の反対方向である。第2の折目7は、第1の折目5よりも、
図1及び
図3に示す方向Yの側にある。方向Yは、方向X1及び方向X2と直交する。折曲部3は、第1の折目5及び第2の折目7が同じ方向に折り曲げられたとき、
図2に示すように、U字形状となる。
【0011】
図3に示すように、折曲部3は、複数の切目9を備える。複数の切目9は、それぞれ、第1の折目5及び第2の折目7と交差する。複数の切目9は、方向X1及び方向X2において、間隔をおいて並んでいる。切目9として、切目9Aと、切目9Bとがある。切目9Aと切目9Bとは、方向X1及び方向X2において、交互に並んでいる。切目9Bは、切目9Aを、方向Yに平行な軸に関して反転させた形状を有する。
【0012】
第1の折目5は、複数の第1a部5aと、複数の第1b部5bとから構成される。第1b部5bは、第1a部5aよりも、方向Yの側にある。第1a部5aと第1b部5bとは、方向X1及び方向X2において、交互に並んでいる。
【0013】
第2の折目7は、複数の第2a部7aと、複数の第2b部7bとから構成される。第2b部7bは、第2b部7aよりも、方向Yの側にある。第2a部7aと第2b部7bとは、方向X1及び方向X2において、交互に並んでいる。
【0014】
切目9Aは、方向X2の側にある第1a部5a及び第2a部7aと接している。また、切目9Aは、方向X1の側にある第1b部5b及び第2b部7bと接している。切目9Aのうち、折曲部3が折り曲げられていないときに第1b部5bと接する位置を11Aとする。切目9Aのうち、折曲部3が折り曲げられていないときに第2a部7aと接する位置を13Aとする。
【0015】
切目9Aのうち、位置11Aと位置13Aとの間の部分は傾斜部15Aである。すなわち、切目9Aは、位置11Aと位置13Aとの間に傾斜部15Aを備える。傾斜部15Aの形状は直線である。傾斜部15Aでは、切目9Aに沿って方向Yに進むほど方向X2に進む。
【0016】
切目9Aは、逆傾斜部17A、19Aを備える。逆傾斜部17Aは、位置11A及び傾斜部15Aよりも、方向Yの反対方向の側にある。逆傾斜部17Aの形状は直線である。逆傾斜部17Aでは、切目9Aに沿って方向Yに進むほど方向X1に進む。逆傾斜部19Aは、位置13A及び傾斜部15Aよりも、方向Yの側にある。逆傾斜部19Aの形状は直線である。逆傾斜部19Aでは、切目9Aに沿って方向Yに進むほど方向X1に進む。
【0017】
なお、切目9A、第1a部5a、第1b部5b、第2a部7a、及び第2b部7bの部分において、第1b部5bは第1b部に対応する。第1a部5aは第1a部に対応する。方向X1は方向Xに対応する。方向X2は方向Xの反対方向に対応する。第2b部7bは第2b部に対応する。第2a部7aは第2a部に対応する。
【0018】
切目9Bは、方向X2の側にある第1b部5b及び第2b部7bと接している。また、切目9Bは、方向X1の側にある第1a部5a及び第2a部7aと接している。切目9Bのうち、折曲部3が折り曲げられていないときに第1b部5bと接する位置を11Bとする。切目9Bのうち、折曲部3が折り曲げられていないときに第2a部7aと接する位置を13Bとする。
【0019】
切目9Bのうち、位置11Bと位置13Bとの間の部分は傾斜部15Bである。すなわち、切目9Bは、位置11Bと位置13Bとの間に傾斜部15Bを備える。傾斜部15Bの形状は直線である。傾斜部15Bでは、切目9Bに沿って方向Yに進むほど方向X1に進む。
【0020】
切目9Bは、逆傾斜部17B、19Bを備える。逆傾斜部17Bは、位置11B及び傾斜部15Bよりも、方向Yの反対方向の側にある。逆傾斜部17Bの形状は直線である。逆傾斜部17Bでは、切目9Bに沿って方向Yに進むほど方向X2に進む。逆傾斜部19Bは、位置13B及び傾斜部15Bよりも、方向Yの側にある。逆傾斜部19Bの形状は直線である。逆傾斜部19Bでは、切目9Bに沿って方向Yに進むほど方向X2に進む。
【0021】
なお、切目9B、第1b部5b、第1a部5a、第2b部7b、及び第2a部7aの部分において、第1b部5bは第1b部に対応する。第1a部5aは第1a部に対応する。方向X2は方向Xに対応する。方向X1は方向Xの反対方向に対応する。第2b部7bは第2b部に対応する。第2a部7aは第2a部に対応する。
【0022】
2.シート状部材1が奏する効果
シート状部材1が奏する効果を、
図3~
図8に基づき説明する。
(1A)第1の折目5と、第2の折目7とを同じ方向に折り曲げると、
図4~
図6に示すように、折曲部3の形状はU字形状となる。なお、
図4~
図6は、それぞれ、方向X1の側の視点から折曲部3を見た図である。
【0023】
図5に示す状態は、
図4に示す状態に比べて、第1の折目5及び第2の折目7を深く折り曲げている状態である。
図6に示す状態は、
図5に示す状態に比べて、第1の折目5及び第2の折目7を一層深く折り曲げている状態である。
【0024】
端面21は、切目9Aにより形成された端面であって、方向X1の側の端面である。端面23は、切目9Aにより形成された端面であって、方向X2の側の端面である。
方向X1の側の視点から見たとき、端面21のうち、端面23と交差する部分を交差部25とする。方向X1の側の視点から見たとき、端面23のうち、端面21と交差する部分を交差部27とする。
【0025】
図4に示すように、第1の折目5及び第2の折目7における折り曲げの角度が浅いときの交差部25、27を、交差部25α、27αとする。
図5に示すように、第1の折目5及び第2の折目7における折り曲げの角度を、
図4の状態に比べて増したときの交差部25、27を、交差部25β、27βとする。
【0026】
図6に示すように、第1の折目5及び第2の折目7における折り曲げの角度を、
図5の状態に比べてさらに増したときの交差部25、27を、交差部25γ、27γとする。
図7に示すように、交差部25α、及び交差部25βは、傾斜部15Aに臨む部分である。交差部25βは、交差部25αよりも方向Yに進んだ位置にある。傾斜部15Aでは、切目9Aに沿って方向Yに進むほど方向X2に進む。よって、交差部25βは、交差部25αよりも、方向X2の側にある。このように、交差部25が傾斜部15Aに臨む部分であるとき、第1の折目5及び第2の折目7における折り曲げの角度を増すほど、交差部25は、方向X2の側に移動する。
【0027】
図7に示すように、交差部27α、及び交差部27βは、傾斜部15Aに臨む部分である。交差部27βは、交差部27αよりも、方向Yの反対方向に進んだ位置にある。傾斜部15Aでは、切目9Aに沿って方向Yに進むほど方向X2に進む。すなわち、傾斜部15Aでは、切目9Aに沿って方向Yの反対方向に進むほど方向X1に進む。よって、交差部27βは、交差部27αよりも、方向X1の側にある。このように、交差部27が傾斜部15Aに臨む部分であるとき、第1の折目5及び第2の折目7における折り曲げの角度を増すほど、交差部27は、方向X1の側に移動する。
【0028】
以上のとおり、交差部25、及び交差部27が傾斜部15Aに臨む部分であるとき、第1の折目5及び第2の折目7における折り曲げの角度を増すほど、交差部25は方向X2の側に移動するとともに、交差部27は、方向X1の側に移動する。そのため、第1の折目5及び第2の折目7における折り曲げの角度を増すほど、交差部25と交差部27とは強く当接する。強く当接した交差部25と交差部27とは、摩擦力により、当接した状態を維持する。その結果、第1の折目5及び第2の折目7を折り曲げ、U字形状を形成したとき、テープで固定したり、形状を固定する機構を別途設けたりしなくても、U字形状を維持することができる。
【0029】
なお、切目9Bにおいても、切目9Aの場合と同様に、端面21、23、交差部25、27、傾斜部15Bが形成され、切目9Aの場合と同様の作用効果を奏する。ただし、切目9Bの場合、端面21は、方向X2の側の端面である。また、切目9Bの場合、端面23は、方向X1の側の端面である。
【0030】
(1B)
図6に示す状態となるまで第1の折目5及び第2の折目7を折り曲げたときの交差部25は、交差部25γである。
図7、
図8に示すように、交差部25γは、逆傾斜部19Aに臨む部分である。逆傾斜部19Aでは、
図7に示すように、切目9Aに沿って方向Yに進むほど方向X1に進む。すなわち、逆傾斜部19Aでは、切目9Aに沿って方向Yの反対方向に進むほど方向X2に進む。交差部25γは、逆傾斜部19Aに臨む部分であるから、方向Yの反対方向に進むほど、方向X2に進む。
【0031】
また、
図6に示す状態となるまで第1の折目5及び第2の折目7を折り曲げたときの交差部27は、交差部27γである。
図7に示すように、交差部27γは、逆傾斜部17Aに臨む部分である。逆傾斜部17Aでは、切目9Aに沿って方向Yに進むほど方向X1に進む。交差部27γは、逆傾斜部17Aに臨む部分であるから、方向Yに進むほど、方向X1に進む。
【0032】
図6に示す状態となるまで第1の折目5及び第2の折目7を折り曲げた後、第1の折目5及び第2の折目7の角度を浅くするとき、交差部25γは、方向Yの反対方向に進むとともに、方向X2に進む。また、交差部27γは、方向Yに進むとともに、方向X1に進む。
【0033】
交差部25γが方向X2に進み、交差部27γが方向X1に進むと、交差部25γと交差部27γとは一層強く当接する。よって、
図6に示す状態となるまで第1の折目5及び第2の折目7を折り曲げた後、第1の折目5及び第2の折目7の角度を浅くするためには、シート状部材1に大きな力を加える必要がある。その結果、第1の折目5及び第2の折目7を、
図6に示す状態となるまで折り曲げ、U字形状を形成したとき、テープで固定したり、形状を固定する機構を別途設けたりしなくても、U字形状を一層維持することができる。
【0034】
なお、切目9Bにおいても、切目9Aの場合と同様に、端面21、23、交差部25、27、逆傾斜部17B、及び逆傾斜部19Bが形成され、切目9Aの場合と同様の作用効果を奏する。ただし、切目9Bの場合、端面21は、方向X2の側の端面である。また、切目9Bの場合、端面23は、方向X1の側の端面である。
<第2実施形態>
シート状部材101は、展開した状態において、
図9に示す形態を有する。シート状部材101は、例えば、段ボールから成る。シート状部材101は、側壁部31、33、35、37と、上フラップ39、41、43と、下フラップ45、47、49、51と、を備える。上フラップ41、43にそれぞれ折曲部3が形成されている。折曲部3の形態は第1実施形態と同様である。ただし、切目9の数は、第1実施形態と異なっていてもよい。折曲部3は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0035】
シート状部材101は、組み立てられると、
図10に示すように、箱になる。上フラップ41、43に形成された折曲部3をU字形状に折り曲げ、上フラップ41、43を閉じることができる。この場合、箱に収容された物品と、上フラップ41、43との隙間を低減できる。
<第3実施形態>
図11に示すように、シート状部材201は、第1実施形態に比べて、折曲部3の数が1である点で相違する。折曲部3は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。シート状部材201は、直線形状の折目52、53を備える。折目52、53は折曲部3と平行である。その他の点では、シート状部材201は、第1実施形態と同様である。
折曲部3、及び折目52、53において折り曲げることで、シート状部材201の形状は、
図12に示すように、角筒形状となる。シート状部材201は、例えば、パッドとして使用できる。
<第4実施形態>
図13に示すように、シート状部材301は、第1実施形態に比べて、折目61、63と、切目65とをさらに備える点で相違する。折目61、63と、切目65とは、Y方向に沿って延びている。切目65の形状はクランク状である。その他の点では、シート状部材301は、第1実施形態と同様である。シート状部材301が備える折曲部3は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0036】
図14に示すように、2つの折曲部3をそれぞれU字形状に折り曲げることで、シート状部材301の基本形態は角筒状になる。また、切目65が外側となるように、折目61、63で折り曲げることで、シート状部材301の形状は、L字型に折れ曲がった角筒状になる。シート状部材301は、例えば、コーナーパッドとして使用することができる。コーナーパッドとは、箱の内部のうち、コーナーの部分に使用されるパッドである。
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0037】
(1)シート状部材1の形態は、
図15に示すものであってもよい。
図15に示す形態の場合、切目9Aは、逆傾斜部17A、19Aを備えない。切目9Aの全体が傾斜部15Aである。切目9Bの形態も、切目9Aと同様である。
図15に示す形態の場合でも、シート状部材1は、第1実施形態における(1A)の効果を奏する。
ただし、シート状部材1の形態として、
図15に示す形態よりも、第1実施形態の方が好ましい。第1実施形態の場合、
図15に示す形態に比べて、以下で示す一層優れた効果を奏する。
図15に示す形態の場合、折曲部3の折り曲げ角度を大きくするほど、交差部25、27の当接が強くなる。交差部25、27の当接が強くなり過ぎると、折り曲げた形状を維持できず、第1の折れ目5及び第2の折れ目7のいずれでもない部分で折れてしまうという問題が生じることがある。
それに対し、第1実施形態の場合、折曲部3の折り曲げ角度が一定の角度を超えると、交差部25は逆傾斜部19Aに臨むようになり、交差部27は逆傾斜部17Aに臨むようになる。そのため、第1実施形態の場合、折曲部3の折り曲げ角度が一定の角度を超えると、交差部25、27の当接はそれ以上強くならない。その結果、第1実施形態の場合、
図15に示す形態の場合の上述した問題が生じにくい。
【0038】
(2)切目9Aは、逆傾斜部17A、19Aのうちの一方のみを備えていてもよい。この場合も、シート状部材1は、第1実施形態における(1A)の効果を奏する。また、シート状部材1は、逆傾斜部17A、19Aのいずれも備えない場合に比べて、第1実施形態における(1B)の効果を奏する。
【0039】
(3)シート状部材1が備える切目9の数は特に限定されない。
(4)シート状部材1の材質は、段ボール以外の材質であってもよい。
(5)折曲部3の形態は、
図16A~
図16Cに示すものであってもよい。
図16Aに示す形態では、切目9Bの形状は曲線により構成される。切目9Aの形状も、同様であってもよい。
【0040】
図16Bに示す形態では、位置11Bと位置13Bとの間の一部のみが傾斜部15Bとなっている。位置11Bと位置13Bとの間のうち、傾斜部15Bではない部分は、逆傾斜部17B又は逆傾斜部19Bである。切目9Aの形状も、同様であってもよい。
【0041】
図16Cに示す形態では、傾斜部15Bと逆傾斜部17Bとの接続部の形状が曲線形状である。また、傾斜部15Bと逆傾斜部19Bとの接続部の形状が曲線形状である。切目9Aの形状も、同様であってもよい。
【0042】
(6)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0043】
(7)上述したシート状部材1の他、当該シート状部材1を構成要素とするシステム、シート状部材1の製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0044】
1、101、201、301…シート状部材、3…折曲部、5…第1の折目、5a…第1a部、5b…第1b部、7…第2の折目、7a…第2a部、7b…第2b部、9、9A、9B…切目、15A、15B…傾斜部、17A、17B、19A、19B…逆傾斜部、21、23…端面、25、27…交差部、31…側壁部、39、41、43…上フラップ、45、47、49、51…下フラップ、52、53、61…折目、65…切目