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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】ファンモータ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/42 20060101AFI20241125BHJP
   F04D 25/08 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
F04D29/42 H
F04D25/08 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021073318
(22)【出願日】2021-04-23
(65)【公開番号】P2022167497
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2024-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】余 ▲方▼
(72)【発明者】
【氏名】大村 祐司
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3055492(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2012/0275909(US,A1)
【文献】特開2001-304189(JP,A)
【文献】特開2007-218234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハブと、前記ハブに設けられた複数の羽根とを備えたインペラと、
前記インペラを回転させるためのモータと、
前記モータを駆動制御するための電子部品が実装された回路基板と、
前記インペラと前記モータとを内部に収容したケーシングと、
前記ケーシングの軸方向の一端に設けられたカバーと、
を備えたファンモータであって、
前記ケーシングは平面視で略正方形であって、ベース部と、前記ベース部の3つの辺からそれぞれ軸方向の一端側に延在する側壁を備え、
前記側壁の内、1つの側壁には軸方向に延在する切欠部を形成し、
前記回路基板は、複数の貫通孔が形成された第1の部分と、前記第1の部分と連接し、電子部品が実装された第2の部分とを有し、
前記第1の部分は、前記ケーシングの軸方向の他方端に形成された段部に配置され、前記第2の部分は、前記切欠部が形成された前記側壁の外周面に配置され、
前記回路基板の前記第2の部分に実装された前記電子部品は、前記切欠部に配置され、前記電子部品の一部が前記ケーシングの内部に露出してなる、
ファンモータ。
【請求項2】
前記モータに巻回されたコイルの端末は、前記ケーシングの前記ベース部に形成された貫通孔と、前記回路基板に形成された前記貫通孔とを挿通して前記回路基板に形成された配線パターンと電気的に接続され、
前記ベース部の貫通孔と前記回路基板の貫通孔は、軸方向で対向した位置に配置されている、
請求項1に記載のファンモータ。
【請求項3】
前記配線パターンと電気的に接続された前記コイルの端末は、前記ケーシングの前記段部に収容され、前記ベース部の端面よりも突出しない、
請求項2に記載のファンモータ。
【請求項4】
前記ケーシングと前記回路基板とは、粘着材にて貼着されてなる、
請求項1~3のいずれか一つに記載のファンモータ。
【請求項5】
前記電子部品は、前記モータを駆動制御する駆動制御ICである、
請求項1~4のいずれか一つに記載のファンモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パーソナルコンピュータや携帯電話等の電子機器装置等において、実装された電子部品等の放熱性向上のため、ファンモータを用いて強制的に放熱および冷却を行う場合がある。
【0003】
このようなパーソナルコンピュータや携帯電話等の電子機器装置等では、ファンモータを組み込むための空間を広く確保することが困難であるため、ファンモータの小型化および薄型化が求められる。
【0004】
このようなニーズに応じ、薄型のファンモータ(冷却ファン)が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。特許文献1に記載されたファンモータでは、空気流通路を形成するケーシングの内壁の径方向外方(角部)に回路基板を配置することで、デッドスペースの活用により薄型化を図っている。また、空気流通路に回路基板がないことで、空気流通を阻害することもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-241395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたファンモータでは、更なる薄型化および小型化(例えば、平面視で略正方形の1辺の寸法が15mm以下、高さの寸法が5mm以下)が要求される場合、ケーシングの角部に回路基板を収容できなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、小型で薄型のファンモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係るファンモータは、インペラと、モータと、回路基板と、ケーシングと、カバーとを備える。前記ケーシングは平面視で略正方形であって、ベース部と、前記ベース部の3つの辺からそれぞれ軸方向の一端側に延在する側壁を備える。前記側壁の内、1つの側壁には軸方向に延在する切欠部を形成する。前記回路基板は、複数の貫通孔が形成された第1の部分と、前記第1の部分と連接し、電子部品が実装された第2の部分とを有する。前記第1の部分は、前記ケーシングの軸方向の他方端に形成された段部に配置され、前記第2の部分は、前記切欠部が形成された前記側壁の外周面に配置される。前記回路基板の前記第2の部分に実装された前記電子部品は、前記切欠部に配置され、前記電子部品の一部が前記ケーシングの内部に露出してなる。
【0009】
本発明の一態様に係るファンモータは、小型で薄型とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、一実施形態にかかるファンモータの外観斜視図である。
図2図2は、ファンモータの主要な構成要素の分解斜視図である。
図3図3は、図1におけるXY-XY断面図である。
図4図4は、回路基板が取り付けられたケーシングの斜視図である。
図5図5は、回路基板が取り付けられたケーシングの平面図である。
図6図6は、回路基板が取り付けられたケーシングの底面図である。
図7図7は、2つの回路基板の斜視図である。
図8図8は、比較例にかかるファンモータの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係るファンモータについて図面を参照して説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、1つの実施形態や変形例に記載された内容は、原則として他の実施形態や変形例にも同様に適用される。
【0012】
図1は、一実施形態にかかるファンモータ1の外観斜視図である。図2は、ファンモータ1の主要な構成要素の分解斜視図である。図3は、図1におけるXY-XY断面図である。図4は、回路基板6A、6Bが取り付けられたケーシング2の斜視図である。図5は、回路基板6A、6Bが取り付けられたケーシング2の平面図である。図6は、回路基板6A、6Bが取り付けられたケーシング2の底面図である。図7は、2つの回路基板6A、6Bの斜視図である。
【0013】
図1図7において、一実施形態にかかるファンモータ1は、遠心ファン(半径流ファン)である。ファンモータ1は、例えば、平面視で略正方形の1辺の寸法が15mm以下、高さの寸法が5mm以下である。
【0014】
ファンモータ1は、ケーシング2と、ケーシング2に装着されたカバー3と、ケーシング2の内側に配置されたモータ4とインペラ5とを備え、ケーシング2の軸方向の一方端側(上端側)にはカバー3が設けられている。また、ケーシング2の軸方向の他方端側(下端側)にはFPC(Flexible Printed Circuits)による第1の回路基板6Aが配置されている。また、体積の大きい電子部品(例えば、駆動制御IC)が実装された、同じくFPCによる第2の回路基板6Bは、ケーシング2の側壁の外周面に配置されている。
【0015】
(ケーシング2の構造について)
ケーシング2は平面視で略正方形であり、ベース部2aと側壁2rとを有し、ベース部2aの辺の内、1箇所の辺には側壁2rが形成されていないが、この箇所は、カバー3とケーシング2との間で開口を形成し、排気口1bとして作用する。吸気口1aは、ロータヨーク4hおよび羽根5bが露出するカバー3の開口3aである。
【0016】
3箇所の側壁2rの内、1箇所の側壁2rには、凹部2yと、軸方向全長に亘って延在する切欠部2xとが形成されている。切欠部2xの一部には軸方向に延在するノッチ2uが形成され、ノッチ2uを介してケーシング2の内部と連通している。この切欠部2xには、回路基板6Bに実装された体積の大きい電子部品7(例えば、駆動制御IC)が配置される。他の2箇所の側壁2rの外周面にはそれぞれ軸方向全長に亘って延在する凹部2sが形成され、各凹部2sの中には、突起2tが形成されている。この突起2tは、カバー3に設けられた係止部3bの開口3cと係合する。
【0017】
カバー3とケーシング2との間に形成される空間の内部には、インペラ5と、インペラ5を回転させるためのモータ4とが配置され、カバー3とケーシング2との間に形成される空間は空気が流れる流路2pを構成する。
【0018】
ケーシング2のベース部2aの一方端側の面には軸方向に突出する有底円筒状の軸受保持部2kが一体に形成されている。また、軸方向の他方端側の面(換言すれば、下面側)には段部2hが形成されている。この段部2hには第1の回路基板6Aが配置される。
【0019】
また、軸受保持部2kの外側には、複数(3個)の貫通孔2dが形成され、貫通孔2dは段部2hに位置している。この貫通孔2dは、モータ4のコイル4cの端末が挿通するための孔である。
【0020】
上記の各部位(ベース部2a、側壁2r、軸受保持部2k、段部2h、突起2tなど)は、例えば、樹脂の射出成型で一体に形成される。
【0021】
(カバー3の構造について)
ケーシング2に装着されるカバー3は、平面視で略正方形の形状を有している。カバー3の作製手順として、例えば、薄板の金属材(例えば、SUS304材)がプレス加工されて形成される。カバー3の中央には円形の開口3aが形成され、2辺の一部には、径方向に延在する係止部3bがそれぞれ形成され、それぞれの係止部3bの箇所には開口3cが形成されている。また、係止部3bが形成された辺には、押さえ爪部3dとなる突起が形成されている。
【0022】
薄板からプレス加工された後、係止部3bと押さえ爪部3dは、カバー3の面と直交する方向(90度)に折り曲げられる。各係止部3bに形成された開口3cがケーシング2の側壁2rの側面に形成された突起2tと係合し、押さえ爪部3dが、ケーシング2の側壁2rの外周面を押圧することで、カバー3がケーシング2の軸方向の一方端に装着される。
【0023】
(モータ4の構造について)
モータ4は、例えば、3相ブラシレスDCモータであり、ステータ4aとロータ4dとから構成されている。ステータ4aは、電磁鋼板の薄板からなるコアが所定枚数、軸方向に積層されたステータコア4bと、ステータコア4bに巻回されたコイル4cとから構成されている。
【0024】
ステータコア4bは、リング状のコアバックと、コアバックの外周縁から径方向に延在する複数(実施形態では6本)のティースを有している。ステータコア4bには絶縁塗装が施され、薄型化のためにインシュレータが取り付けられず、塗膜を介して各ティースにはコイル4cが巻回されている。なお、軸方向の高さの制約に余裕がある場合、ステータコア4bにインシュレータが取り付けられ、インシュレータを介して、各ティースにコイル4cが巻回される構成であってもよい。
【0025】
ロータ4dは、略カップ状のロータヨーク4hと、ロータヨーク4hの中央に形成された貫通孔に圧入されて結合されたシャフト4fと、ロータヨーク4hの内周面に配置されたリング状のマグネット4nとから構成されており、マグネット4nは、例えば、接着剤でロータヨーク4hに接着されて結合されている。
【0026】
略カップ状のロータヨーク4hは、軸方向の一方端側に、環状の第1平面4iを有し、環状の第1平面4iの径方向外側には、環状の第2平面4kを有し、第2平面4kの外周縁には軸方向の他方端側(下端側)に延在する円筒部4mを有している。第2平面4kは、第1平面4iよりも軸方向の他方端側(下端側)に位置し、第1平面4iと第2平面4kとの間は、傾斜面4jで連接されている。
【0027】
ステータコア4bのコアバックの円形の開口が軸受保持部2kの外周面に嵌合され、ステータコア4bの最下端面が、軸受保持部2kに形成された段差部2mに当接することで軸方向の位置決めが行われる。
【0028】
有底円筒状の軸受保持部2kの底面には、摺動性の良い円板状の樹脂ワッシャ4gが配置されており、軸受保持部2kの内部には、中央に貫通孔を有する円筒状の軸受4eが設けられている。軸受4eは、例えば、銅系の焼結含油軸受であり、潤滑油が含浸されたすべり軸受であって、シャフト4fを回転可能に支持する。
【0029】
(インペラ5の構造について)
ロータヨーク4hの外周面にはインペラ5が結合されている。インペラ5はリング状のハブ5aと、ハブ5aに接合された複数の羽根5bとから構成されている。羽根5bは全て同じ形状を有し、周方向に均等配置されている。ハブ5aと羽根5bとは、例えば、樹脂の射出成型にて一体に形成される。
【0030】
ロータヨーク4hの円筒部4mの外周面と、リング状のハブ5aの内周面とは、接着剤にて接着されて結合されている。
【0031】
(回路基板6の構造について)
ケーシング2のベース部2aの軸方向の他方端側(下端側)に形成された段部2hおよび1つの側壁2rの外周面には、それぞれ回路基板6A、6Bが配置されている。
【0032】
ケーシング2のベース部2aの軸方向の他方端側(下端側)に配置される第1の回路基板6Aは、半円形の切欠6cに沿って3箇所の貫通孔6bが形成されており、この貫通孔6bは配線パターンのランドに形成されたスルーホールとなっている。
【0033】
ケーシング2の側壁2rの外周面に配置される第2の回路基板6Bには、体積の大きい電子部品7(例えば、駆動制御IC)とチップ部品(抵抗チップなど)が実装され、体積の大きい電子部品7(例えば、駆動制御IC)は側壁2rに形成された切欠部2xに配置され、駆動制御ICの一部が、ノッチ2uを介してケーシング2の内部(流路)に露出する。また、抵抗チップ等の小さな部品は、側壁2rに形成された凹部2yの中に収容されて配置される。切欠部2xの流路2p側の面は、流路2p側にいったん突出してから戻る形状の舌部2qを形成している。第1の回路基板6Aと第2の回路基板6Bとは、折り曲げ部6dで折り曲げられている。
【0034】
ケーシング2の軸受保持部2kにステータコア4bが装着され、ステータコア4bに巻回されたコイル4cの端末(U相、V相、W相)のそれぞれは、ベース部2aに形成された所定の貫通孔2dに挿入される。各コイル4cの端末は第1の回路基板6Aに形成された所定の貫通孔(スルーホール)6bに挿入された後、半田接続されることで配線パターンと電気的に接続される。
【0035】
半田接続された箇所は、ベース部2aの他方端側に形成された段部2hの中に収納されるため、ケーシング2の下端面から半田接続された箇所が突出しないようになっている。
【0036】
ベース部2aの軸方向の他方端側(下端側)に配置された第1の回路基板6Aと、側壁2rの外周面に配置された第2の回路基板6Bとは、板面に貼着材(例えば、両面テープ)が設けられ、この貼着材にてケーシング2に貼着されている。
【0037】
(比較例)
図8は、比較例にかかるファンモータ1’の平面図である。図8において、比較例のファンモータ1’は、上面壁に吸気口を備え、側面壁2b’に排気口1b’を備えたカバー部材2’と回路基板3’とによって構成されるハウジングと、ハウジングの内部に配置されたモータ6’と、モータ6’に周設されたインペラ7’とを備えている。また、空気流通路は、吸気口1a’と排気口1bのみが外部に通じているとともに、モータ6’の駆動用の電子部品10’が内壁2b1’の径方向外方において回路基板3’上に配置されている。なお、2b2’はネジ孔、19’はインペラ7’の輪郭、22’はリード線、26’は端子部である。
【0038】
これによって、風量・静圧・騒音特性に優れるとともに小型・薄型化を図ることができる側面壁の径方向外方の空間18’の回路基板3’に部品が配置されるので、部品が空気流通を阻害することがなくなるとともに、モータ6’が配置される空間に部品を配置する空間を設ける必要がなくなる。これによって、送風性能を向上させることができるとともに、ファンモータ1’の高さ寸法を小さくでき、ファンの小型・薄型化を図ることができる。
【0039】
一方で、パーソナルコンピュータや携帯電話等の電子機器装置等に組み込まれるファンモータであって、特に、平面視で略正方形のケーシング形状を有する小型、薄型の遠心ファンである場合、その外形の1辺の寸法が15mm以下、高さ寸法が5mm以下とすることが求められる場合がある。
【0040】
モータを駆動制御するための駆動制御ICは体積が大きく、回路基板に実装した場合、図8のファンモータ1’では、内壁2b1’の径方向外方にモータ6’の駆動用の電子部品10’を配置する構成では、駆動制御ICを収容する空間を十分に確保することが難しいという問題がある。
【0041】
この点、図1図7に示された一実施形態のファンモータ1では、FPCによる回路基板6Bに実装された体積の大きい駆動制御ICが、ケーシング2の側壁2rに形成された切欠部2xに配置される構成のため、軸方向におけるインペラ5との接触を生じることなく、ファンモータ1の小型化、薄型化を図ることができる。
【0042】
また、FPCによる回路基板6Bに実装された体積の大きい駆動制御ICの一部が、ケーシング2内部に露出する構造を有しているため、流速の速い空気流によって、効果的に駆動制御ICが冷却される。
【0043】
更に、ケーシング2のベース部2aの軸方向の他方端側(下端側)に形成された段部2hの深さは、FPCの厚さ+コイル4cの端末の先端の半田付けの高さ、よりも大きいため、コイル4cの端末の半田付け箇所がケーシング2の下面よりも突出することがない。
【0044】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0045】
以上のように、実施形態に係るファンモータは、ハブと、ハブに設けられた複数の羽根とを備えたインペラと、インペラを回転させるためのモータと、モータを駆動制御するための電子部品が実装された回路基板と、インペラとモータとを内部に収容したケーシングと、ケーシングの軸方向の一端に設けられたカバーと、を備えたファンモータであって、ケーシングは平面視で略正方形であって、ベース部と、ベース部の3つの辺からそれぞれ軸方向の一端側に延在する側壁を備え、側壁の内、1つの側壁には軸方向に延在する切欠部を形成し、回路基板は、複数の貫通孔が形成された第1の部分と、第1の部分と連接し、電子部品が実装された第2の部分とを有し、第1の部分は、ケーシングの軸方向の他方端に形成された段部に配置され、第2の部分は、切欠部が形成された側壁の外周面に配置され、回路基板の第2の部分に実装された電子部品は、切欠部に配置され、電子部品の一部がケーシングの内部に露出してなる。これにより、ファンモータを小型で薄型とすることができる。
【0046】
また、モータに巻回されたコイルの端末は、ケーシングのベース部に形成された貫通孔と、回路基板に形成された貫通孔とを挿通して回路基板に形成された配線パターンと電気的に接続され、ベース部の貫通孔と回路基板の貫通孔は、軸方向で対向した位置に配置されている。これにより、短い経路でコイルの端末の接続が行え、スペースの有効利用が行えるとともにモータの電気的特性を向上させることができる。
【0047】
また、配線パターンと電気的に接続されたコイルの端末は、ケーシングの段部に収容され、ベース部の端面よりも突出しない。これにより、コイルの端末の半田付け箇所がケーシングよりも突出することがなく、他の部材との干渉を避けることができる。
【0048】
また、ケーシングと回路基板とは、粘着材にて貼着されてなる。これにより、回路基板の取り付けが容易になる。
【0049】
また、電子部品は、モータを駆動制御する駆動制御ICである。これにより、体積の大きい駆動制御ICを、小型で薄型のファンモータ内に効率的に収容することができる。
【0050】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 ファンモータ,1a 吸気口,1b 排気口,2 ケーシング,2d 貫通孔,2h 段部,2u ノッチ,2x 切欠部,3 カバー,3d 押さえ爪部,4 モータ,4c コイル,5 インペラ,5a ハブ,5b 羽根,6A、6B 回路基板,6c 切欠,6d 折り曲げ部,7 電子部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8