(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
A47K 3/28 20060101AFI20241125BHJP
【FI】
A47K3/28
(21)【出願番号】P 2021108517
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2024-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 友亮
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-279484(JP,A)
【文献】特開2014-224605(JP,A)
【文献】特開2019-181315(JP,A)
【文献】特開2016-104930(JP,A)
【文献】実開昭52-063532(JP,U)
【文献】実開平03-074891(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0351444(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/28
E03C 1/086
B05B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーヘッドであって、
給水口と吐水口を備えたシャワーヘッド本体部と、前記吐水口に取付けられた多数の散水口を有する円板状の薄肉の
単一の散水板と、を有し、
該散水板は、外周縁部と、該外周縁部と中心点との間における該中心点を中心とする円環部分と、において前記シャワーヘッド本体部に固定されており、
前記給水口から供給された水を前記散水口から吐出するように構成さ
れ、
前記単一の散水板は、前記シャワーヘッドの水の吐出方向において、最表面に配置される部材である、シャワーヘッド。
【請求項2】
請求項1において、前記円環部分の半径方向の幅は、前記散水板の半径の1/10以上4/5以下であるシャワーヘッド。
【請求項3】
請求項2において、前記円環部分は円環状の補強板が前記散水板の水を吐出する方向側の面に当てがわれた状態で複数のビスにより前記シャワーヘッド本体部に対して固定されているシャワーヘッド。
【請求項4】
請求項2において、前記円環部分には円筒状の樹脂製の連結部材がインサート成形されており、該連結部材が前記シャワーヘッド本体部に対して固定されているシャワーヘッド。
【請求項5】
シャワーヘッドであって、
給水口と吐水口を備えたシャワーヘッド本体部と、前記吐水口に取付けられた多数の散水口を有する円板状の薄肉の
単一の散水板と、を有し、
該散水板は、外周縁部と、該外周縁部と中心点との間における該中心点を中心とする円周上の複数個所と、において前記シャワーヘッド本体部に固定されており、
前記給水口から供給された水を前記散水口から吐出するように構成さ
れ、
前記単一の散水板は、前記シャワーヘッドの水の吐出方向において、最表面に配置される部材である、シャワーヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャワーヘッドに関する。詳しくは、薄肉の散水板を使用したシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャワーヘッドから吐出される水流を細かくするために散水口の開口径を小さくする上で薄肉の散水板を使用することがあった。この場合、散水板の剛性が低下して水圧による変形が生じやすくなるのを防止するため、特許文献1に開示される技術においては、散水板に多数の通過孔を形成した強度担体を重積させて補強している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された技術においては、散水板と同一面積の強度担体を使用するので材料が多く必要であるとともにシャワーヘッドの重量も大きくなるといった問題があった。
【0005】
このような問題に鑑み本発明の課題は、重量の増加を抑制した簡潔な構造で、薄肉の散水板の変形を防止したシャワーヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1発明は、シャワーヘッドであって、給水口と吐水口を備えたシャワーヘッド本体部と、前記吐水口に取付けられた多数の散水口を有する円板状の薄肉の散水板と、を有し、該散水板は、外周縁部と、該外周縁部と中心点との間における該中心点を中心とする円環部分と、において前記シャワーヘッド本体部に固定されており、前記給水口から供給された水を前記散水口から吐出するように構成されていることを特徴とする。
【0007】
第1発明によれば、散水板が薄肉であっても外周縁部と、外周縁部と中心点との間における中心点を中心とする円環部分と、においてシャワーヘッド本体部に固定されているので散水板が水圧によって変形するのを防止できる。また、散水板の全面を支持する部材を必要としないので重量の増加を抑制することができる。なお、ここで薄肉とは0.2~1.0mmの肉厚のことを言う。
【0008】
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記円環部分の半径方向の幅は、前記散水板の半径の1/10以上4/5以下であることを特徴とする。
【0009】
第2発明によれば、水を吐出することができる散水口を充分な数量確保した状態で薄肉の散水板が水圧によって変形するのを防止できる。
【0010】
本発明の第3発明は、上記第2発明において、前記円環部分は円環状の補強板が前記散水板の水を吐出する方向側の面に当てがわれた状態で複数のビスにより前記シャワーヘッド本体部に対して固定されていることを特徴とする。
【0011】
第3発明によれば、円環部分の固定を簡潔な構造で行うことができる。
【0012】
本発明の第4発明は、上記第2発明において、前記円環部分には円筒状の樹脂製の連結部材がインサート成形されており、該連結部材が前記シャワーヘッド本体部に対して固定されていることを特徴とする。
【0013】
第4発明によれば、円環部分の固定を簡潔な構造で行うことができる。
【0014】
本発明の第5発明は、シャワーヘッドであって、給水口と吐水口を備えたシャワーヘッド本体部と、前記吐水口に取付けられた多数の散水口を有する円板状の薄肉の散水板と、を有し、該散水板は、外周縁部と、該外周縁部と中心点との間における該中心点を中心とする円周上の複数個所と、において前記シャワーヘッド本体部に固定されており、前記給水口から供給された水を前記散水口から吐出するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
第5発明によれば、散水板が薄肉であっても外周縁部と、外周縁部と中心点との間における中心点を中心とする円周上の複数個所と、においてシャワーヘッド本体部に固定されているので散水板が水圧によって変形するのを防止できる。また、散水板の全面を支持する部材を必要としないので重量の増加を抑制することができる。なお、ここで薄肉とは0.2~1.0mmの肉厚のことを言う。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態であるシャワーヘッドの斜視図である。散水板側から見た図である。
【
図2】上記実施形態に係るシャワーヘッドの斜視図である。散水板の反対側から見た図である。外側のカバーは取り外した状態である。
【
図3】上記実施形態に係るシャワーヘッドの分解斜視図である。
【
図4】
図2のIV-IV矢視線断面図である。外側のカバーが取り付けられた状態である。
【
図5】
図2のV-V矢視線断面図である。外側のカバーが取り付けられた状態である。
【
図6】本発明の第2実施形態であるシャワーヘッドの斜視図である。散水板側から見た図である。
【
図7】上記実施形態に係るシャワーヘッドの斜視図である。散水板の反対側から見た図である。外側のカバーは取り外した状態である。
【
図8】上記実施形態に係るシャワーヘッドの分解斜視図である。
【
図9】
図7のIX-IX矢視線断面図である。外側のカバーが取り付けられた状態である。
【
図10】本発明の第3実施形態であるシャワーヘッドの斜視図である。散水板側から見た図である。
【
図11】上記実施形態に係るシャワーヘッドの
図5に対応する部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の第1実施形態に係るシャワーヘッド1の構成について、
図1~
図5を用いて説明する。シャワーヘッド1は、浴室において使用者が手で持って使用したり、壁面等に固定された係止具に係止した状態で使用したりするものである。
【0018】
シャワーヘッド1は、樹脂製の本体部10と、本体部10に配設される散水構造部20と、本体部10を覆う樹脂製のカバー部30と、を有する。各図において、散水構造部20から水を吐出する方向をOUTとして矢印で表す。ここで、本体部10が、特許請求の範囲の「シャワーヘッド本体部」に相当する。
【0019】
図2~
図5に示すように、本体部10は、OUT方向に開口するカップ状のメイン部11と、メイン部11に対して水を供給するパイプ状の供給管部12と、を有する。メイン部11は、OUT方向から見て略円形の底面部11aと、底面部11aの外周端部からOUT方向に向かって延びる側面部11bと、を有する。底面部11aと側面部11bで囲まれる領域には略円柱状の空洞部11cが形成されている。側面部11bにおける、底面部11aと反対側の端部の内径側は円形の開口部11dとされている。側面部11bには、径方向に延びるパイプ連結部11eが設けられている。パイプ連結部11eは、供給管部12を取付ける部分で供給管部12が取付けられたとき、供給管部12の内径部分12aは空洞部11cに水密状態を保って連結されるようになっている。底面部11aには、中心に対して等距離の位置に互いに等間隔で配置された4本の円柱状のビス止め部11fがOUT方向に向かって延びて配設されている。各ビス止め部11fには、軸方向に延びるビス孔11f1が形成されている。また、底面部11aには、中心部にOUT方向に凹む凹部11gが形成されている。凹部11gは、カバー部30をビスSによって連結する部分である。凹部11gは、OUT方向から見て長軸が径方向に延びる長円形状をしておりこの長軸の延長線方向にパイプ連結部11eがある。パイプ連結部11eに供給管部12を連結した時、凹部11gの長軸方向と供給管部12の軸線とは、OUT方向から見て一致する。底面部11aは、凹部11gを頂点に凹部11gの短軸方向に向かってなだらかにOUT方向に湾曲しており、側面部11bのOUT方向の長さもそれに伴って変化している。すなわち、凹部11gの長軸方向に対応する部分が最も長く、凹部11gの短軸方向に対応する部分が最も短くなっている。側面部11bの開口部11dの側の外径側には、雄ねじ11b1が設けられている。ここで、開口部11dが、特許請求の範囲の「吐水口」に相当する。
【0020】
図2~
図4に示すように、供給管部12は、略円筒状をしており内径部分12aが通水路をなしている。一端部側に形成された径方向に突出する一対の係合凸部12bが、メイン部11のパイプ連結部11eに設けられた係合凹部11e1に嵌合することによって内径部分12aはメイン部11の空洞部11cに対して水密状態を保って連結される。供給管部12の係合凸部12bが設けられた端部側と反対側の端部には、拡径部12cが形成されている。拡径部12cは、一端部が水栓(図示せず)に連結されたホース(図示せず)の他端部が水密状態を保って連結される部分である。ここで、内径部分12aのメイン部11と反対側の端部が、特許請求の範囲の「給水口」に相当する。
【0021】
図3~
図5に示されるように、散水構造部20は、散水板21と、補強板22と、外周リング23と、化粧キャップ24と、を有する。散水板21は、肉厚が0.2~1.0mmのステンレスの円板に、直径が0.05~0.1mmの散水口21aが、一定の密度で数百個形成されたものである。散水板21の肉厚は、0.2~0.4mmであるのが望ましい。円板の中心点21cを中心として、円板の半径の1/2の半径の円を描き、その円上の等間隔の位置に4つのビス孔21bが設けられている。このビス孔21bの位置は、散水板21の外周縁部21eをメイン部11の開口部11dに合わせて配置したとき、メイン部11のビス止め部11fに対応している。散水板21のOUT方向側の面に補強板22を重ね合わせて配置する部分が
図3において二点鎖線で示す円環部分21dである。なお、
図3~
図5において散水口21aは表示を省略している。
【0022】
補強板22は、肉厚が1.0mm程度の円環状のステンレスの板材で、その径方向の幅は、散水板21の半径の1/5程度とされている。補強板22には、その中心を散水板21の中心点21cに合わせて散水板21に対して重ね合わせたとき、散水板21のビス孔21bに一致する位置にビス孔22aが4つ設けられている。化粧キャップ24は、補強板22が外観に現れないように隠すための部材で、その径方向の断面がOUT方向と反対方向に開口するU字状に形成されており、補強板22に嵌め込み固定が可能なものとされている。
【0023】
図4によく示されるように、外周リング23は、樹脂製の環状部材で径方向の断面が頂点をOUT方向とする逆三角形をしたアウタ部23aと、径方向の断面が略矩形状をしてアウタ部23aからOUT方向と反対方向に延びる円筒状のインナ部23bと、を有する。アウタ部23aにおける、インナ部23bとの連結部の径方向外側には、外段差面23a1が形成され、インナ部23bとの連結部の径方向内側には、内段差面23a2が形成されている。インナ部23bの径方向内側面には、メイン部11の雄ねじ11b1に対して螺合可能な雌ねじ23b1が形成されている。
【0024】
図4によく示されるように、カバー部30は、グリップ部31とヘッド部32とを備えて、メイン部11の全体を覆うように形成されている。ヘッド部32のメイン部11側には、メイン部11の凹部11gに対応する位置に円筒状のビス止め部32aが配設されている。
【0025】
本体部10に対する散水構造部20の取付け構造について説明する。まず、本体部10にカバー部30を被せて凹部11gをビス止め部32aに対してビスSによって締め付け固定する。次に、メイン部11の4本の円柱状のビス止め部11fの端面にそれぞれ小型のOリングR1を配置するとともに、開口部11dの径方向外側面上に大型のOリングR2を配置した状態で、その上から散水板21を、その外周縁部21eをメイン部11の開口部11dに合わせて配置する。そのとき、散水板21の4つのビス孔21bのそれぞれがメイン部11の4本の円柱状のビス止め部11fのビス孔11f1のそれぞれに一致するようにする。この状態で、メイン部11の雄ねじ11b1に対して外周リング23の雌ねじ23b1を螺合させて、メイン部11に対して外周リング23を取付ける。すると、外周リング23の内段差面23a2は、メイン部11の開口部11dの径方向外側面との間で散水板21の外周縁部21eをOリングR2を介して挟持する。次に、散水板21のOUT方向側の面上に補強板22を重ね合わせ、散水板21の4つのビス孔21bのそれぞれが補強板22の4つのビス孔22aのそれぞれに一致するようにして、それぞれビスSによってビス止め部11fに対して締め付け固定する。最後に、補強板22に対して化粧キャップ24を嵌め込み固定する。
【0026】
以上のように構成される本実施形態のシャワーヘッド1は、以下のような作用効果を奏する。散水板21が薄肉で剛性が低いものであっても外周縁部21eと、外周縁部21eと中心点21cとの間における中心点21cを中心とする円環部分21dと、において本体部10に固定されているので散水板21が水圧によって変形するのを防止できる。また、散水板21の全面を支持する部材を必要としないので重量の増加を抑制することができる。
【0027】
また、円環部分21dの半径方向の幅は、散水板21の半径の1/5程度であるので、水を吐出することができる散水口21aを充分な数量確保した状態で薄肉の散水板21が水圧によって変形するのを防止できる。さらに、円環部分21dは円環状の補強板22が散水板21のOUT方向側に当てがわれた状態で複数のビスSにより本体部10に対して固定されているので、円環部分21dの固定を簡潔な構造で行うことができる。
【0028】
本発明の第2実施形態に係るシャワーヘッド1Aの構成について、
図6~
図9を用いて説明する。シャワーヘッド1Aのシャワーヘッド1に対する違いは、散水板21の円環部分の本体部10に対する固定構造の違いである。シャワーヘッド1と共通する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
シャワーヘッド1Aの本体部10Aは、メイン部11Aが、メイン部11における4本のビス止め部11fの代わりに
図9に示す円筒状の被連結筒部11hがOUT方向に延びて配設されている点でシャワーヘッド1の本体部10と異なっている。被連結筒部11hの軸は、本体部10Aに散水板21を取付けたとき、散水板21の中心点21cを通るような位置に配設されている。被連結筒部11hの外径部分のOUT方向側の端部には雄ねじ11h1が形成されている。
【0030】
散水板21の円環部分21dには、樹脂製で略円筒状の連結筒部25がインサート成形で取付けられている。連結筒部25は、散水板21よりOUT方向側に位置する板状部25aと、散水板21よりOUT方向と反対側に位置する壁状部25bと、を有する。板状部25aの形状は、シャワーヘッド1における補強板22と同じである。壁状部25bはその半径方向の厚みが板状部25aより小さく形成され、内径部分のOUT方向側の端部にはメイン部11Aの被連結筒部11hの雄ねじ11h1と螺合可能な雌ねじ25b1が形成されている。ここで、連結筒部25が、特許請求の範囲の「連結部材」に相当する。
【0031】
本体部10Aに対する散水構造部20Aの取付け構造について説明する。まず、本体部10Aにカバー部30を被せて凹部11gをビス止め部32aに対してビスSによって締め付け固定する。次に、メイン部11Aにおける開口部11dの径方向外側面上に大型のOリングR2を配置した状態で、散水板21にインサート成形された連結筒部25の雌ねじ25b1をメイン部11Aの被連結筒部11hの雄ねじ11h1に対してねじ込んでいく。そして、散水板21の外周縁部21eがOリングR2に当接した状態で、メイン部11Aの雄ねじ11b1に対して外周リング23の雌ねじ23b1を螺合させて、メイン部11に対して外周リング23を取付ける。すると、外周リング23の内段差面23a2は、メイン部11の開口部11dの径方向外側面との間で散水板21の外周縁部21eをOリングR2を介して挟持する。
【0032】
以上のように構成される本実施形態のシャワーヘッド1Aは、以下のような作用効果を奏する。散水板21が薄肉で剛性が低いものであっても外周縁部21eと、外周縁部21eと中心点21cとの間における中心点21cを中心とする円環部分21dと、において本体部10Aに固定されているので散水板21が水圧によって変形するのを防止できる。また、散水板21の全面を支持する部材を必要としないので重量の増加を抑制することができる。また、円環部分21dの半径方向の幅は、散水板21の半径の1/5程度であるので、水を吐出することができる散水口21aを充分な数量確保した状態で薄肉の散水板21が水圧によって変形するのを防止できる。さらに、円環部分21dには連結筒部25がインサート成形されており、連結筒部25がシャワーヘッド1Aの被連結筒部11hに対して螺合固定されているので、円環部分21dの固定を簡潔な構造で行うことができる。
【0033】
本発明の第3実施形態に係るシャワーヘッド1Bの構成について、
図10及び
図11を用いて説明する。シャワーヘッド1Bのシャワーヘッド1に対する違いは、散水板21の円環部分の本体部10に対する固定構造の違いである。シャワーヘッド1と共通する構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
シャワーヘッド1Bは、散水板21が本体部10のメイン部11に対して補強板22を使用せずに直接4本のビスSで締め付け固定されている点でシャワーヘッド1と異なる。その他の構成についてはシャワーヘッド1と同じである。本実施形態のシャワーヘッド1Bは、散水板21が薄肉で剛性が低いものであっても外周縁部21eと、外周縁部21eと中心点21cとの間における中心点21cを中心とする円周上の4個所と、において本体部10に固定されているので散水板21が水圧によって変形するのを防止できる。また、散水板21の全面を支持する部材を必要としないので重量の増加を抑制することができる。
【0035】
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、次のようなものが挙げられる。
【0036】
1.上記第1実施形態においては、補強板22に化粧キャップ24を被せつけて補強板22が外観に現れないよう構成したが、これに限らず、化粧キャップ24を被せつけず補強板22が外観に現れるように構成してもよい。
【0037】
2.上記第2実施形態においては、散水板21の円環部分21dに連結筒部25をインサート成形で取付けるに当たって、散水口21a部分で板状部25aと壁状部25bが連結されるように構成した。しかし、これに限らず、散水板21の円環部分21dに散水口21aより大径の複数の孔を設けてインサート成形してもよい。それによって、板状部25aと壁状部25bの連結強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0038】
1,1A,1B シャワーヘッド
10,10A 本体部(シャワーヘッド本体部)
11,11A メイン部
11a 底面部
11b 側面部
11c 空洞部
11d 開口部
11f ビス止め部
11h 被連結筒部
11h1 雄ねじ
20,20A 散水構造部
21 散水板
21a 散水口
21b ビス孔
21c 中心点
21d 円環部分
21e 外周縁部
22 補強板
22a ビス孔
23 外周リング
23a アウタ部
23a2 内段差面
23b インナ部
25 連結筒部(連結部材)
25a 板状部
25b 壁状部
25b1 雌ねじ
S ビス