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特許7592596タイヤための外装補強要素を生成するためのワイヤガイドブロック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】タイヤための外装補強要素を生成するためのワイヤガイドブロック
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/156 20190101AFI20241125BHJP
   B29D 30/38 20060101ALI20241125BHJP
   B29C 48/34 20190101ALI20241125BHJP
   B29K 21/00 20060101ALN20241125BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20241125BHJP
   B29L 30/00 20060101ALN20241125BHJP
【FI】
B29C48/156
B29D30/38
B29C48/34
B29K21:00
B29K105:08
B29L30:00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021537865
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2019087043
(87)【国際公開番号】W WO2020141142
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】1874388
(32)【優先日】2018-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】シェヴァリエ アラン
(72)【発明者】
【氏名】リモジン バスチアン
(72)【発明者】
【氏名】リゴ セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ルソー パトリス
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-114911(JP,A)
【文献】特開2006-007457(JP,A)
【文献】実開昭61-180714(JP,U)
【文献】実開昭62-197659(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/156
B29C 48/34
B65H 57/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数(n個)の金属ワイヤ要素kをガイドするための孔を含むワイヤガイドブロックであって、前記各金属ワイヤ要素kが半径r1,kを有し、
前記ガイド孔は、
複数(n個)のセンタリング部であって、前記各センタリング部が、前記金属ワイヤ要素の排出平面Piに直交するセンタリング軸ACに沿って前記金属ワイヤ要素kを中心配置するように構成され、前記各センタリング部は、前記平面Piにおいて、前記センタリング軸ACの点上に中心がある円Ciが内接させられ、1.03r1,k以上で1.20r1,k以下である半径r2,kを有し、前記各センタリング部が、前記円Ciに接線方向の少なくとも3つのセンタリング面によって境界付けられ、前記センタリング面は2つずつが互いに分離されている、複数(n個)のセンタリング部と、
前記金属ワイヤ要素が前記センタリング部の前記センタリング面の間を通過するとき、前記金属ワイヤ要素の摩耗から生じる物質を排出するように構成された少なくとも1つの主排出部と、を備え、
前記主排出部は、少なくとも2つの前記センタリング部を共に接続する通路を形成する、
ことを特徴とするワイヤガイドブロック。
【請求項2】
前記平面Piにおいて、前記ガイド孔の表面による前記センタリング部に内接する前記円Ciの複数(n個)の表面の合計の商に対応する面積比RSは、0.51以上である、
請求項1に記載のワイヤガイドブロック。
【請求項3】
前記平面Piにおいて、前記ガイド孔の表面による前記センタリング部に内接する前記円Ciの複数(n個)の表面の前記合計の商に対応する前記面積比RSは、0.90以下である、
請求項2に記載の記請求項に記載のワイヤガイドブロック。
【請求項4】
第1の主排出部が、第1のセンタリング部を第2のセンタリング部に接続する通路を形成し、
第2の主排出部が、前記第1のセンタリング部を第3のセンタリング部に接続する通路を形成する、
請求項1~3の何れか1項に記載のワイヤガイドブロック。
【請求項5】
前記各主排出部は、
第1のセンタリング部のセンタリング面の第1のペアと、
第2のセンタリング部のセンタリング面の第2のペアと、
によって境界付けられた開放ガイド曲線によって境界付けられ、
前記主排出部は、前記第1及び前記第2のセンタリング部を共に接続する通路を形成し、
前記各第1及び第2のペアの前記各センタリング面の間の最短距離は、前記主排出部において前記各センタリング部から前記金属ワイヤ要素の通過を阻止するように、前記各第1及び第2のセンタリング部においてそれぞれ中心があることを意図した前記各金属ワイヤ要素kの前記各半径r1,k未満である、
請求項1~4の何れか1項に記載のワイヤガイドブロック。
【請求項6】
前記ガイド孔は、少なくとも1つの追加の排出部を含み、前記各追加の排出部は、前記センタリング部のうちの1つのセンタリング部の2つのセンタリング面を共に接続するガイド閉曲線によって境界付けられ、且つ1つのセンタリング部のこれら2つのセンタリング面によって境界付けられる、
請求項1~5の何れか1項に記載のワイヤガイドブロック。
【請求項7】
前記センタリング部のセンタリング面の各々は、前記平面Piにおいて、もう一つのセンタリング面に接続されており、
接続される前記もう一つのセンタリング面が前記センタリング部を境界付ける場合に、追加の排出部のガイド曲線によって前記センタリング面に接続されており、
接続される前記もう一つのセンタリング面が前記センタリング部とは異なるセンタリング部を境界付ける場合に、主排出部のガイド曲線によって前記センタリング面に接続されている、
請求項6に記載のワイヤガイドブロック。
【請求項8】
前記各センタリング部の出口にポリマー外装組成物を搬送するように構成された給送チャネルを含む、
請求項1~7の何れか1項に記載のワイヤガイドブロックを含む外装デバイス。
【請求項9】
複数の金属ワイヤ要素を中心配置するための方法であって、
前記複数の金属ワイヤ要素を供給するステップと、
請求項1~7の何れか1項に記載のワイヤガイドブロックのそれぞれのセンタリング部を通して前記各金属ワイヤ要素を中心配置するステップと、を少なくとも含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
ポリマー組成物で集合的に被覆された複数の金属ワイヤ要素を含むストリップを生成するための方法であって、前記方法は、
請求項9に記載の前記複数の金属ワイヤ要素を中心配置するための方法と、
前記ポリマー組成物で前記複数の金属ワイヤ要素を集合的に被覆するステップと、
を含む、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、ワイヤガイドブロック、並びにタイヤのための外装補強要素を生成するためのこのようなワイヤガイドブロックを実装する方法である。
【背景技術】
【0002】
本発明の目的は、このようなワイヤガイドブロック、このようなワイヤガイドブロックを含む組立体、このようなワイヤガイドブロックを通して複数の金属ワイヤ要素を中心配置(センタリング)するための方法、このようなセンタリング方法のステップを含む複数の外装金属ワイヤ要素を生成するための方法、本発明による複数の外装金属ワイヤ要素を生成するためのこのような方法のステップを含む押出により補強された製品を生成するための方法、このようなセンタリング方法のステップを含むタイヤを生成するための方法、及び複数の金属ワイヤ要素を中心配置するためのこのようなワイヤガイドブロックの使用方法である。
【0003】
金属ワイヤ要素からタイヤのための外装補強要素を生成するために、例えば、WO2015/014776で説明するような公知の外装方法は、金属ワイヤ要素がワイヤガイドを通過するガイドステップ、並びにワイヤが金属ワイヤ要素の周りで外装を押出すためにダイを通過する外装ステップを含む。
【0004】
金属ワイヤ要素がワイヤガイドブロックを通過するとき、金属ワイヤ要素の表面にワイヤガイドブロックによって加えられる摩擦力は、金属ワイヤ要素の表面の摩耗をもたらす。この摩耗は、通過速度が高いときに一層顕著となる。
【0005】
更に、金属ワイヤ要素は、例えば、鋼で作られたコア、及びコアほど硬質ではない金属被膜の層を含むことができる。
【0006】
摩耗によって引き裂かれた材料は、蓄積する可能性があり、最終的にはワイヤガイドブロックを遮断して、金属ワイヤ要素を破損させる可能性がある。
【0007】
更に、各破損により、外装補強要素の生成の中断が必要となる。
【0008】
生成を最適化するために、金属ワイヤ要素の破損リスクを制限しながら、可能な限り最高通過速度を維持することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】WO 2015/014776
【文献】WO 2010/136389
【文献】WO 2010/105975
【文献】WO 2011/012521
【文献】WO 2011/051204
【文献】WO 2012/016757
【文献】WO 2012/038340
【文献】WO2012/038341
【文献】WO2012/069346
【文献】WO2012/104279
【文献】WO2012/104280
【文献】WO2012/104281
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、金属ワイヤ要素を破損するリスクを制限しながら、センタリング方法の堅牢性とワイヤガイドにおける金属ワイヤ要素のセンタリングとの間の妥協案を改善するためのワイヤガイドブロックを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のために、複数(n個)の金属ワイヤ要素kをガイドするための孔を含むワイヤガイドブロックが提案され、各金属ワイヤ要素kは半径r1,kを有し、ガイド孔は:
複数(n個)のセンタリング部であって、各センタリング部が、金属ワイヤ要素の排出平面Piに直交するセンタリング軸ACに沿って金属ワイヤ要素kを中心配置するように構成され、各センタリング部が、平面Piにおいて、センタリング軸ACの点上に中心がある円Ciに内接し、1.03r1,k以上で1.20r1,k以下である半径r2,kを有し、各センタリング部が、円Ciに接線方向の少なくとも3つのセンタリング面によって境界付けられ、センタリング面がペアで互いに分離される、複数(n個)のセンタリング部と、
金属ワイヤ要素がセンタリング部のセンタリング面の間を通過するとき、金属ワイヤ要素の摩耗から生じる物質を排出するように構成された少なくとも1つの主排出部と、
を含み、
上記主排出部は、少なくとも2つのセンタリング部を共に接続する通路を形成する。
【0012】
有利には、本発明によるワイヤガイドブロックは、金属ワイヤ要素がセンタリング部のセンタリング面の間を通過するとき、摩耗から生じる金属材料の排出を容易にする主排出部の特定の構成によって金属ワイヤ要素の破損のリスクを制限することを可能にする一方で、金属ワイヤ要素が各センタリング部を通過するときに各金属ワイヤ要素の優れたセンタリングを可能にし、このセンタリング面は、各金属ワイヤ要素にできるだけ近接するように調整される。以下に説明する比較試験によって明らかにされるように、改良された妥協案は、センタリング方法の堅牢性と各金属ワイヤ要素のセンタリングの品質との間で得られる。
【0013】
また、ワイヤガイドブロックは、同一又は異なる金属ワイヤ要素のセンタリングを可能にする点に留意されたい。
【0014】
ワイヤガイドブロックは、等しい又は異なる半径r1,kを有する金属ワイヤ要素kのセンタリングを可能にする点に留意されたい。従って、本方法を簡素化することを可能にする好ましい実施形態では、全ての金属ワイヤ要素kは同じ半径を有し、r1,k=r1及びr2,k=r2となる。別の実施形態では、金属ワイヤ要素kは、異なる半径r1,kを有することができ、その結果、センタリング部は、平面Piにおいて、異なる半径r2,kを有する円Ciに内接するようになる。
【0015】
ワイヤガイドブロックは、金属モノフィラメントで及び/又は金属モノフィラメントの組立体で構成された金属ワイヤ要素を中心配置することを可能にする点に留意されたい。従って、1つの実施形態では、1又は2以上の金属モノフィラメント及び金属モノフィラメントの1又は2以上の組立体をガイドすることができる。別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの金属モノフィラメントをガイドすることができ、すなわち、少なくとも1つの金属ワイヤ要素は、金属モノフィラメントで構成される。更に別のより好ましい実施形態では、金属モノフィラメントのみをガイドすることができ、すなわち、各金属ワイヤ要素は金属モノフィラメントで構成される。更に別の実施形態では、金属モノフィラメントの組立体のみをガイドすることができ、すなわち、各金属ワイヤ要素は、金属モノフィラメントの組立体で構成される。
【0016】
本発明によるワイヤガイドブロックはまた、個別に又は全ての技術的に可能な組合せにより考えられる、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができる:
センタリング部のセンタリング軸ACは、互いに実質的に平行であり、及び/又は、各センタリング部は、少なくとも1つの主排出部によって少なくとも1つの他のセンタリング部に接続され、センタリング及び主排出部は、少なくとも1つの主排出部によってペアで接続されたセンタリング部のネットワークを形成し、及び/又は、
第1の主排出部は、第1のセンタリング部を第2のセンタリング部に接続する通路を形成し、第2の主排出部は、第1のセンタリング部を第3のセンタリング部に接続する通路を形成し、及び/又は
各主排出部は、平面Piにおいて、
第1のセンタリング部のセンタリング面の第1のペアと、
第2のセンタリング部のセンタリング面の第2のペアによって境界付けられた開放ガイド曲線によって境界付けられ、主排出部は、第1及び第2のセンタリング部を共に接続する通路を形成し、
各第1及び第2のペアの各センタリング面の間の最短距離は、主排出部において各センタリング部から金属ワイヤ要素の通過を阻止するように、各第1及び第2のセンタリング部にそれぞれ中心があることを意図する各金属ワイヤ要素kの各半径r1,k未満であり、及び/又は
センタリング部のセンタリング軸ACは、平面Piにおいて、実質的に整列方向に互いに整列され、及び/又は、
各センタリング部は、平面Piにおいて、整列方向に実質的に平行であって整列方向を含む平面に対して実質的に対称的である開放ガイド曲線によって境界付けられ、及び/又は
各主排出部は、平面Piにおいて、整列方向に実質的に平行であって整列方向を含む平面に対して実質的に対称的である開放ガイド曲線によって境界付けられ、及び/又は
センタリング及び主排出部は、平面Piにおいて、整列方向に実質的に平行である平面に対して実質的に垂直である平面に対して実質的に対称的であるガイド曲線によって境界付けられ、及び/又は
ガイド孔は、少なくとも1つの追加の排出部を含み、各追加の排出部は、平面Piにおいて、同じセンタリング部の2つのセンタリング面を共に接続するガイド閉曲線によって境界付けられ、この同じセンタリング部のこれら2つのセンタリング面によって境界付けられ、及び/又は
センタリング部の各センタリング面は、平面Piにおいて、
他のセンタリング面が同じセンタリング部を境界付ける場合に、追加の排出部のガイド曲線によって別のセンタリング面に接続され、及び
他のセンタリング面が別のセンタリング部を境界付ける場合に、主排出部のガイド曲線によって、別のセンタリング面に接続され、及び/又は
追加の排出部を境界付けるガイド曲線の2つのセンタリング面の間の最短距離は、追加の排出部において金属ワイヤ要素kを中心配置することを意図したセンタリング部から金属ワイヤ要素kの通過を阻止するように、r1,k未満であり、及び/又は
センタリング部、主排出部及び追加の排出部は、平面Piにおいて、整列方向に実質的に平行であって整列方向を含む平面に対して実質的に対称的であるガイド曲線によって境界付けられ、及び/又は
センタリング部、主排出部及び追加の排出部は、平面Piにおいて、整列方向に実質的に平行であって整列方向を含む平面に対して実質的に垂直な平面に対して実質的に対称的なガイド曲線によって境界付けられ、及び/又は
少なくとも1つのセンタリング部及び/又は少なくとも1つの主排出部の内壁は研磨され、及び/又は
1,kは、0.02mm以上、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.12mm以上、更により好ましくは0.14mm以上、及び/又は
1,kは、0.25mm以下、好ましくは0.23mm以下、より好ましくは0.21mm以下、及び/又は
平面Piにおいて、ガイド孔の表面によってセンタリング部に内接する円の表面の合計の商に対応する面積比RSは、0.51以上、好ましくは0.53以上、より好ましくは0.57以上、更により好ましくは0.60以上、及び/又は
平面Piにおいて、ガイド孔の表面によってセンタリング部に内接する円の表面の合計の商に対応する面積比RSは、0.90以下、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.75以下、更により好ましくは0.70以下、及び/又は
平面Piにおいて、ガイド孔の表面によってセンタリング部に内接する円の表面の合計の商に対応する面積比RSは、0.75以上で0.75以下、好ましくは0.51以上で0.70以下、より好ましくは0.51以上で0.60以下、及び/又は
2,kは、1.15r1,k、好ましくは1.12r1,k、より好ましくは1.06r1,k以下、及び/又は
ガイド孔は、各金属ワイヤ要素を各センタリング部に向かってガイドするように構成された少なくとも1つの上流ガイド部を含み、及び/又は
上流ガイド部のセクションの表面は、上流ガイド部の上流から下流方向に減少し、及び/又は
各センタリング軸は、直接隣接している他の各センタリング軸から2.1r1,k、好ましくは2.3r1,k以上である距離に位置付けられ、及び/又は
各センタリング軸は、直接隣接している他の各センタリング軸から4r1,k、好ましくは3r1,k以下である距離に位置付けられ、及び/又は
ワイヤガイドブロックは一体部品であり、及び/又は
ワイヤガイドブロックは、金属、セラミック又は複合材料で作られる。
【0017】
本発明はまた、上述のように、ワイヤガイドブロックを含む外装デバイスに関し、外装デバイスは、各センタリング部の出口にポリマー外装組成物を搬送するように構成された給送チャネルを更に含む。
【0018】
本発明による外装デバイスはまた、個別に又は全ての技術的に可能な組合せにより考えられる、以下の特徴のうちの1又は2以上を含むことができ:
ポリマー外装組成物を各センタリング部の出口に搬送するように構成された第1及び第2の給送チャネル、第1の給送チャネル及び第2の給送チャネルは、各センタリング部の両側に配列され、及び/又は
センタリング部のセンタリング軸は、平面Piにおいて、整列方向に実質的に互いに整列され、第1の給送チャネルは、整列方向に平行な平面の一方側に配列され、第2の給送チャネルは、整列方向に平行であって整列方向を含む平面の他方側に配列され、及び/又は
1つの又は各給送チャネルは、センタリング部の出口において複数の金属ワイヤ要素を集合的に被覆するように配列される。
【0019】
本発明はまた、複数の金属ワイヤ要素を中心配置するための方法に関し、少なくとも
複数の金属ワイヤ要素を供給するステップと、
上述のように、ワイヤガイドブロックのそれぞれのセンタリング部を通して各金属ワイヤ要素を中心配置するステップと、
を含む。
【0020】
本発明によるセンタリング方法の1つの実施形態によれば、各金属ワイヤ要素は半径r1を有する。
【0021】
本発明はまた、ポリマー組成物で集合的に被覆された複数の金属ワイヤ要素を含むストリップを生成するための方法に関し、本方法は、
上述のように、複数の金属ワイヤ要素を中心配置するための方法と、
ポリマー組成物で複数の金属ワイヤ要素を集合的に被覆するステップと、
を含む。
【0022】
本方法はまた、押出しによって補強された製品を生成するための方法に関し、上述のように、ストリップを生成するための方法のステップを含み、ポリマー組成物で複数の金属ワイヤ要素を集合的に被覆する上記ステップの後、エラストマーマトリックスにストリップを浸漬するステップを含む。
【0023】
本発明はまた、上述のように、少なくとも1つの方法のステップを含むタイヤを生成するための方法に関する。
【0024】
本発明はまた、複数の金属ワイヤ要素を中心配置するために上述のようなワイヤガイドブロックの使用方法に関する。
【0025】
本発明による使用の1つの実施形態によれば、各金属ワイヤ要素は半径r1を有する。
【0026】
本発明はまた、上述のようなワイヤガイドブロック及び半径r1を有する複数の金属ワイヤ要素を含む組立体に関し、各金属ワイヤ要素は、ワイヤガイドブロックのセンタリング部によってそれぞれ中心配置することが意図される。
【0027】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の図を参照しながら本明細書を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の1つの実施形態によるワイヤガイドブロックのセンタリング部の縦断面図である。
図2図1のワイヤガイドブロックの平面Piにおける及びセンタリング部上に中心がある図である。
図3図2に示すセンタリング部のセンタリング面を示す図である。
図4】本発明の第1の特定の実施形態によるワイヤガイドブロックの平面Piにおける図である。
図5】本発明の第2の特定の実施形態によるワイヤガイドブロックの平面Piにおける図である。
図6】本発明の1つの実施形態によるワイヤガイドブロックのセンタリング部の縦断面図である。
図7】本発明による複数の金属モノフィラメントを中心配置するための方法を示す図である。
図8】本発明による複数の外装金属モノフィラメントを生成するための方法を示す図である。
図9】本発明による押出しによって補強された製品を生成するための方法を示す図である。
図10】本発明によるワイヤガイドブロックとは異なるワイヤガイドブロックの実施例を示す図である。
図11】本発明によるワイヤガイドブロックとは異なるワイヤガイドブロックの実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
これらの図面の唯一の目的は、本明細書の内容を例示することであり、これらは、本発明の範囲の限定を構成するものではない点に留意されたい。
【0030】
種々の図では、同様の要素は同じ参照符号を用いて示される。
【0031】
更に、本発明の種々の実施形態は、互いに互換性がある。
【0032】
図1に示すように、本発明は、半径r1,kを有する複数(n個)の金属ワイヤ要素kに対してガイド孔2を含むワイヤガイドブロックに関する。ガイドすることを意図した各金属ワイヤ要素の半径r1,kは、等しいか又は異なることができる。以下で説明する実施形態では、説明の明確化のために、全ての半径r1,kはr1に等しい。更に、以下で説明する実施形態では、説明の明確化のために、各金属ワイヤ要素は、金属モノフィラメントで構成される。
【0033】
このようなワイヤガイドブロックは、一体部品であり又は複数の並置要素で構成することができる。
【0034】
このようなワイヤガイドブロックは、金属モノフィラメントよりも硬質の何れかの金属から、又は金属の何れかの組合せから生成することができる。このようなワイヤガイドブロックを生成するのに適格な材料は、金属、セラミック又は複合材料を特に含む。
【0035】
一部の実施形態によれば、r1は、0.02mm以上、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.12mm以上、更により好ましくは0.14mm以上である。
【0036】
一部の実施形態によれば、r1は、0.025mm以下、好ましくは0.23以下、より好ましくは0.21mm以下である。
【0037】
金属モノフィラメントの半径r1に対して上で指定された値の範囲は、タイヤのための外装補強要素を生成する関連状況内のセンタリング方法の実装に特に適応される。
【0038】
ガイド孔2は、ワイヤガイドブロックを通過する複数(n個)の金属モノフィラメントをガイドするように構成された貫通孔である。ガイド孔2は、複数(n個)の金属モノフィラメントが入口から出口に向かってガイド孔2を通過するように構成された、入口及び出口を含む。
【0039】
図1に示す実施形態では、ガイド孔2は、幾つかのセンタリング軸によって通過され、そのうちの軸ACのみが図1に示されている。ガイド孔2は、幾つかのセンタリング部を含み、そのうちのセンタリング部4のみが図1に示されている。センタリング部4は、センタリング軸ACに沿って金属モノフィラメントを中心配置するように構成される。一般に、ガイド孔2は、ワイヤガイドブロックを通過する複数(n個)の金属モノフィラメントをガイドするように構成され、それぞれのセンタリング軸に沿って金属モノフィラメントを中心配置するように各々構成された、n個のセンタリング部を含む。換言すると、ガイド孔2の出口において、n個の金属モノフィラメントの各々は、それぞれのセンタリング軸ACに沿ってそれぞれのセンタリング部を通過する。
【0040】
各センタリング部4は、例えば、図1に示すように円筒形状とすることができ、又は例えば、円錐台形状とすることができる。
【0041】
一部の実施形態によれば、センタリング部4は、各センタリング軸ACが直接隣接している他の各センタリング軸ACから2.1r1、好ましくは2.3r1以上である距離に位置付けられるように配列することができる。一部の実施形態によれば、センタリング部4はまた、各センタリング軸ACが直接隣接している他の各センタリング軸ACから4r1、好ましくは3r1以下である距離に位置付けられるように配列することができる。一部の実施形態によれば、センタリング部は、各センタリング軸ACが直接隣接している他の各センタリング軸ACから2.8r1に等しい距離に位置付けられるように配列することができる。
【0042】
図1に示す実施形態では、ガイド孔2は、上流ガイド部5を含む。上流ガイド部5は、第1の金属モノフィラメントをセンタリング部4に向かってガイドするように構成される。本発明の意味の範囲内で、上流ガイド部5のセクションは、上述のセンタリング部4に対応するセンタリング軸ACに直交する平面において上述の上流ガイド部5の表面である。一部の実施形態によれば、上流ガイド部5のセクションの表面は、上流ガイド部5の上流から下流方向に減少する。一般に、ガイド孔2は、複数(n個)の上流ガイド部を含むことができ、n個の上流ガイド部の各々は、金属モノフィラメントをn個のセンタリング部のうちの1つに向かってガイドするように構成される。
【0043】
各センタリング部4に対して、金属モノフィラメントの排出平面Piは、このセンタリング部4の出口において、対応するセンタリング軸ACに直交する平面であると定められる。
【0044】
図1~5に示す実施形態によれば、各センタリング部に対して定められた金属モノフィラメントの排出平面Piが一致する。換言すると、金属モノフィラメントの単一排出平面Piがあり、センタリング軸ACは平行であり、且つセンタリング部の出口においてセンタリング軸ACに直交する金属モノフィラメントの単一排出平面Piがある。
【0045】
本発明の1つの実施形態によるワイヤガイドブロックのセンタリング部4上に中心がある平面Piにおける視野を示す図2で示すように、平面Piにおける各センタリング部4のセクションは、センタリング軸ACの点上に中心があり、1.03r1以上、1.20r1、好ましくは1.15r1、より好ましくは1.12r1、更により好ましくは1.06r1以下である半径r2を有する円CCに内接する。換言すると、円CCによって境界付けられた平面Piの表面は、それが上述のセンタリング部4によって中心とされるとき、金属モノフィラメントによって通過することを意図する平面Piの表面である。円CCの外側に位置付けられた平面Piの点は、上述のセンタリング部4によって中心とされるとき、上述の金属モノフィラメントによって通過することを意図するものではない。
【0046】
各センタリング部4は、複数のm個のセンタリング面によって境界付けられ、mは3以上である。センタリング面はペアで互いに分離され、すなわち、センタリング面はペアで接合されない。従って、同じセンタリング部の2つのセンタリング面が、平面Piにおいて、センタリング部のガイド曲線以外の一部分のガイド曲線によって共に接続される場合、各センタリング面は、センタリング機能以外の機能を有する別の表面によって別の表面から分離される。
【0047】
図2に示すように、センタリング部4のセクションでは、平面Piにおいて、第1のセンタリング面6aは円CCとの接点6iaを含み、第2のセンタリング面6bは円CCとの線点6ibを含み、第3のセンタリング面6cは円CCとの接点6icを含む。3つの接点6ia、6ib、6icは三角形を形成する。同様に、センタリング部4aが4つのセンタリング面によって正確に境界付けられる場合、円Ccと4つのセンタリング面の各々との間の4つの接点は四角形を形成する。一般に、mのセンタリング面は、接点がmの辺と多角形を形成するように構成されて配列される。
【0048】
有利には、各センタリング部4の特定の構成及びセンタリング面6a、6b、6cの角度分布の効果は、それがセンタリング部4aを通過するとき、金属モノフィラメントの全体的な摩耗を制限することである。
【0049】
図3に示すように、ガイド孔2は、少なくとも1つの主排出部8を更に含む。主排出部8は、これらが隣接するセンタリング部のセンタリング面の間を通過するとき、金属モノフィラメントの摩耗から生じる物質を排出するように構成される。主排出部8は、少なくとも2つの隣接するセンタリング部を共に接続する通路を形成する。2つの隣接するセンタリング部を共に接続する通路を形成する各主排出部8は、平面Piにおいて、開放ガイド曲線によって境界付けられる。
【0050】
有利には、本発明によるワイヤガイドブロックは、主排出部8の特定の構成によって金属モノフィラメントの破損のリスクを制限することを可能にし、これは、金属モノフィラメントがセンタリング部4a、4bのセンタリング面6a、6b、6cの間を通過するとき、摩耗から生じる金属材料の排出を容易にする。
【0051】
図4に示す本発明の第1の特定の実施形態によれば、ガイド孔2は、3つのセンタリング部4a、4b、4cを含む。
【0052】
センタリング軸Acaに沿って金属モノフィラメントを中心配置するように構成されたセンタリング部4aは、ペアで互いに分離された4つのセンタリング面6a、6b、6c、6dを含む。上述のセンタリング部4aの1つのセクションでは、平面Piにおいて、上述のセンタリング面6a、6b、6c、6dは、上述のセンタリング軸Acaに対して角度的に分配される。平面Piにおいて、センタリング面6a、6b、6c、6dとセンタリング部4に内接する円CCとの間の接点6ia、6ib、6ic、6idは、凸状多角形を形成する点に留意されたい。
【0053】
センタリング軸ACCに沿って金属モノフィラメントを中心配置するように構成されたセンタリング部4cは、ペアで互いに分離された4つのセンタリング面7a、7b、7c、7dを含む。上述のセンタリング部4bの1つのセクションでは、平面Piにおいて、上述のセンタリング面7a、7b、7c、7dは、上述のセンタリング軸ACCに対して軸対称に配列される。
【0054】
センタリング軸Acbに沿って金属モノフィラメントを中心配置するように構成されたセンタリング部4bは、ペアで互いに分離された4つのセンタリング面9a、9b、9c、9dを含む。上述のセンタリング部4bの1つのセクションでは、平面Piにおいて、上述のセンタリング面9a、9b、9c、9dは、上述のセンタリング軸Acbに対して軸対称に配列される。
【0055】
ガイド孔2はまた、少なくとも2つのセンタリング部を共に接続する通路を形成する2つの主排出部8a、8bを含む。この場合に、主排出部8aはセンタリング部4a及び4bを共に接続し、主排出部8bは、センタリング部4b及び4cを共に接続する。
【0056】
一般に及び図4に示すように、各排出部8a、8bは、平面Piにおいて、
センタリング部4aの1対のセンタリング面6b、6d、及びセンタリング部4bの1対のセンタリング面9a、9cによって、主排出部8aに対して、
センタリング部4bの1対のセンタリング面9b、9d、及びセンタリング部4cの1対のセンタリング面7a、7cによって、主排出部8bに対して、
境界付けられた開放ガイド曲線によって境界付けられる。
【0057】
各対6b、6d、9a、9c、9b、9d及び7a、7cの各センタリング面の間の最短距離は、対応する主排出部8a、8bに各金属モノフィラメントを中心配置することを意図する、各センタリング部4a、4b、4cから金属モノフィラメントの通過を阻止するようにr1未満である。
【0058】
ガイド孔2は、少なくとも1つの追加の排出部を含むことができる。本発明の第1の特定の実施形態によれば、図4に示すように、ガイド孔2は、複数の追加の排出部10a1、10b1、10c1、10a2、10b2、10c2、10d及び10eを含む。
【0059】
各追加の排出部10a1、10b1、10c1は、平面Piにおいて、同じセンタリング部4aのそれぞれ6a及び6b、6a及び6c、6c及び6dを共に2つのセンタリング面を接続し、これらの同じセンタリング面6a及び6bによって境界付けられるガイド閉曲線によって境界付けられる。各追加の排出部10a1、10b1、10c1は、単一センタリング部4a上に開放し、上述のセンタリング部4aのセンタリング面6a、6b、6c、6dの間をそれが通過するとき、金属モノフィラメントの摩耗から生じる物質の排出を可能にするように構成される。
【0060】
各追加の排出部10a2、10b2、10c2は、平面Piにおいて、同じセンタリング部4aのそれぞれ7a及び7b、7a及び7c、7c及び7dを共に2つのセンタリング面を接続し、これらの同じセンタリング面7a及び7b、7a及び7c、7c及び7dによって境界付けられるガイド閉曲線によって境界付けられる。各追加の排出部10a2、10b2、10c2は、単一センタリング部4c上に開放し、上述のセンタリング部4cのセンタリング面7a、7b、7c、7dの間をそれが通過するとき、金属モノフィラメントの摩耗から生じる物質の排出を可能にするように構成される。
【0061】
各追加の排出部10d、10eは、平面Piにおいて同じセンタリング部4bのそれぞれ9c及び9d、9a及び9bを共に、2つのセンタリング面を接続し、これらの同じセンタリング面9c及び9d、9a及び9dによって境界付けられるガイド閉曲線によって境界付けられる。各追加の排出部10d、10eは、単一センタリング部4b上に開放し、上述のセンタリング部4bのセンタリング面9a、9b、9c、9dの間をそれが通過するとき、金属モノフィラメントの摩耗から生じる物質の排出を可能にするように構成される。
【0062】
非常に有利な方式では、各追加の排出部を境界付ける各ガイド曲線の各対のセンタリング面の間の最短距離は、追加の排出部において金属モノフィラメントを中心配置することを意図する、センタリング部から金属モノフィラメントの通過を阻止するようにr1未満である。従って、例えば、追加の排出部10dを境界付ける表面9cと9dとの間の最短距離は、追加の排出部10dにおいてこの金属モノフィラメントを中心配置することを意図する、センタリング部4bから金属モノフィラメントの通過を阻止するようにr1未満である。
【0063】
有利には、主排出部又は追加の排出部のこのような寸法の効果は、センタリング部4aにおいて循環する金属モノフィラメントが隣接する排出部において誤って取り除いて循環することができないという点である。
【0064】
本発明の意味の範囲内で、ガイド孔2の平面Piにおける面積比RSは、ガイド孔2の全表面によるガイド部4a、4b、4cの表面の合計の商である。換言すると、面積比RSは、一方ではガイド部と、他方ではガイド主排出部8a、8b及び追加の排出部10a1、10b1、10c1、10a2、10b2、10c2、10d及び10eとの間の平面Piにおける面積比を示す。一部の実施形態によれば、面積比RSは、0.51以上、好ましくは0.53以上、より好ましくは0.57以上、更により好ましくは0.60以上である。このようなRS比は、金属モノフィラメント上のガイド孔の下流に加えるポリマー外装組成物が下流から上流方向にガイド孔2から戻るのを阻止することを可能にする。
【0065】
一部の実施形態によれば、面積比RSは、0.90以下、好ましくは0.80以下、より好ましくは0.75以下、更により好ましくは0.70以下である。このような比率RSは、金属モノフィラメントがガイド孔2を通過するとき摩耗から生じる金属材料を効果的に排出することを可能にし、金属モノフィラメントの破損を回避することを可能にする。
【0066】
更により好ましい方式では、面積比RSは、0.51以上で0.75以下、好ましくは0.51以上で0.70以下、より好ましくは0.51以上で0.60以下である。
【0067】
図5に示す本発明の第2の特定の実施形態によれば、第1の主排出部8aは、第1のセンタリング部4aを第2のセンタリング部4bに接続する通路を形成し、第2の主排出部8bは、第1のセンタリング部4bを第3のセンタリング部4cに接続する通路を形成する。図5の第2の実施形態のガイド孔はまた、5つの追加の排出部10a、10b、10c及び10dを含む。図5の中心に示す第1のセンタリング部4bは、追加の排出部10aに接続され、第1の主排出部8aにより図5の左側に示す第2の主センタリング部4a、及び第2の追加の排出部8bにより図5の右側に示す第3のセンタリング部4cに接続される。第2のセンタリング部4aはまた、2つの追加の排出部10b、10cに接続される。第3のセンタリング部4cはまた、2つの追加の排出部10d、10eに接続される。
【0068】
本発明の第2の特定の実施形態によれば、センタリング部4aは3つのセンタリング面6a3、6b3、6c3を含み、センタリング部4bは3つのセンタリング面6a1、6b1、6c1を含み、且つセンタリング部4cは3つのセンタリング面6a2、6b2、6c2を含む。
【0069】
排出部の定義の結果は、上述の実施形態によって説明したように、各センタリング面が正確に2つの排出部に接続されという点であり、これは、等しく主排出部又は追加の排出部とすることができる。センタリング部の各センタリング面は、平面Piにおいて、他のセンタリング面が同じセンタリング部を境界付ける場合に、追加の排出部のガイド曲線によって、又は他のセンタリング面が別のセンタリング部を境界付ける場合に、主排出部のガイド曲線によって別のセンタリング面に接続される。
【0070】
例えば、図4の本発明の第1の特定の実施形態によれば、センタリング部4aのセンタリング面6aは、追加の排出部10b1のガイド曲線によってセンタリング面6cに、及び追加の排出部10a1のガイド曲線によってセンタリング面6bに接続される。センタリング部4aのセンタリング面6bは、追加の排出部10a1のガイド曲線によってセンタリング面6aに、及びセンタリング部4bのガイド曲線によってセンタリング面9aに接続される。
【0071】
図5の本発明の第2の特定の実施形態によって示すように、センタリング部4bのセンタリング面6a1は、主排出部8bのガイド曲線によってセンタリング部4cのセンタリング面6a2に、及び主排出部8aのガイド曲線によってセンタリング部4aのセンタリング面6a3に接続される。例えば、センタリング部4bのセンタリング面6b1は、追加の排出部10aのガイド曲線によって同じセンタリング部4bのセンタリング面6c1に、及び排出部8aのガイド曲線によってセンタリング部4aのセンタリング面6c2に接続されることに留意されたい。
【0072】
一部の実施形態によれば、図4及び5に示すように、各センタリング部4a、4b、4cは、少なくとも1つの主排出部8a、8bによって少なくとも1つの他のセンタリング部に接続され、センタリング4a、4b、4c及び主排出部8a、8b及び追加の排出部は、少なくとも1つの主排出部によってペアで接続されたセンタリング部のネットワークを形成する。
【0073】
詳細には図4では、3つのセンタリング部4a、4b、4c、並びに2つの主排出部8a、8b及び8つの追加の排出部10a1、10b1、10c1、10a2、10b2、10c2、10d及び10eが示されている。第1のセンタリング部4bは、2つの追加の排出部10d及び10eに接続され、第1の主排出部8aにより図4の左側に示す第2の主センタリング部4aに、及び第2の追加の排出部8bにより図4の右側に示す第3のセンタリング部4cに接続される。第2のセンタリング部4aはまた、3つの追加の排出部10a1、10b1及び10c1に接続される。第3のセンタリング部4cはまた、3つの追加の排出部10a2、10b2及び10c2に接続される。
【0074】
同様に、図5に示す第2の実施形態では、各センタリング部4a、4b、4cは、少なくとも1つの主排出部8a、8bによって少なくとも1つの他のセンタリング部に接続され、センタリング4a、4b、4c及び主排出部8a、8b及び追加の排出部10a、10b、10c、10d、01eは、少なくとも1つの主排出部によってペアで接続されたセンタリング部のネットワークを形成する。
【0075】
有利には、センタリング部のこのようなネットワークは、金属ワイヤ要素がセンタリング部のそれぞれのセンタリング面の間を通過するとき、3つの金属モノフィラメントの摩耗から生じる物質の排出を可能にし、金属モノフィラメントの各々の摩耗から生じる物質は、同数の排出部によって排出される。
【0076】
一部の実施形態によれば、図1~5に示すように、センタリング部4a、4b、4cのセンタリング軸Aca、Acb、Accは実質的に互いに平行である。
【0077】
一部の実施形態によれば、センタリング部4a、4b、4cのそれぞれのセンタリング軸Aca、Acb、Accは、平面Piにおいて、整列方向に実質的に互いに整列される。換言すると、これらの実施形態によれば、各センタリング軸Acを含む平面Piに直交する平面Qが存在する。
【0078】
各センタリング部4a、4b、4cは、平面Piにおいて、センタリング部の全てのセンタリング面に対応する開放ガイド曲線によって境界付けられる。一部の実施形態によれば及び図4に示すように、この開放ガイド曲線は、平面Qに対して実質的に対称である。
【0079】
各主排出部は、平面Piにおいて、開放ガイド曲線によって境界付けられる。一部の実施形態によれば及び図4に示すように、この開放ガイド曲線は、平面Qに対して実質的に対称とすることができる。換言すると、これらの実施形態によれば、1つに又は各々に内接する円の中心、平面Piでは主排出部はまた、平面Qに位置付けることもできる。
【0080】
一部の実施形態によれば及び図4及び5に示すように、センタリング部4a、4b、4c、主排出部8a、8b及び追加の排出部を含むセンタリング部のネットワークは、平面Piにおいて、平面Qに対して実質的に対称的であるガイド曲線によって境界付けられる。
【0081】
一部の実施形態によれば及び図4及び5に示すように、各センタリング部4a、4b、4cは、平面Pi及び平面Qの両方に垂直な平面Rに対して対称的であるガイド曲線によって区切ることができる。有利には、センタリング部のこのような対称性は、このセンタリング部の全てのセンタリング面にわたる摩擦力の均等分配を可能にする。
【0082】
一部の実施形態によれば、図4及び5に示すように、各主排出部8a、8bは、平面Piにおいて、平面Pi及び平面Qの両方に垂直な平面Sに対して対称的であるガイド曲線によって区切ることができる。有利には、主排出部のこのような対称性は、2つの隣接するセンタリング部から金属モノフィラメントの均等排出を可能にする。
【0083】
一部の実施形態によれば、センタリング部4a、4b、4c、主排出部8a、8b及び追加の排出部を含むセンタリング部のネットワークは、平面Piにおいて、平面Pi及び平面Qの両方に垂直な平面に対して実質的に対称的であるガイド曲線によって境界付けられる。
【0084】
一部の実施形態によれば、ガイド孔2の少なくとも1つの内壁が研磨される。少なくとも1つのセンタリング面が研磨される場合、センタリング面に沿って走行する金属モノフィラメント上のこのセンタリング面によって加えられる摩擦力は最小限に抑えられ、排出すべき金属材料の量はまた最小限に抑えられ、且つ金属モノフィラメントを破損するリスクはまた最小限に抑えられる。
【0085】
更に、主排出部の少なくとも1つの壁及び/又は追加の排出部の少なくとも1つの壁が研磨される場合、このような壁は、このような一部分によって排出することを意図する金属材料を保持する影響を受けにくく、従って、金属材料の排出は容易になる。
【0086】
本発明はまた、上で説明したようにワイヤガイドを含み、ポリマー外装組成物を各センタリング部の出口に搬送するように構成される給送チャネルを含む外装デバイスに関する。
【0087】
デバイスは、第1の給送チャネル11a及び第2の給送チャネル11bを含むことができ、第1及び第2の給送チャネルの各々は、ポリマー外装組成物を各センタリング部4a、4b、4cの出口に搬送するように構成され、第1の給送チャネル11a及び第2の給送チャネル11bは、各センタリング部4a、4b、4cの両側に配列される。ポリマー組成物を給送するための第1の給送チャネル11a及び第2の給送チャネル11bのうちの少なくとも1つは、センタリング部4a、4b、4cの出口において複数の金属モノフィラメントを集合的に被覆するように、図6に示すように配列することができる。
【0088】
センタリング部4a、4b、4cのセンタリング軸Aca、Acb、Accと平面Piとの間の交差は、整列方向に互いに実質的に整列され、第1の給送チャネル11aは、各センタリング軸Aca、Acb、Accを含む平面Piに直交する平面Qの一方側に配列され、第2の給送チャネル11bは、平面Qの他方側に配列される。換言すると、第1の給送チャネル11aはデバイスの第1の部を通過し、第2の給送チャネル11bはデバイスの第2の部を通過し、且つ各センタリング部4a、4b、4cは、この第1の部とこの第2の部との間に位置付けられたデバイスの中間部を通過する。
【0089】
各給送チャネル11a、11bは、センタリング部4a、4b、4cの出口において複数の金属モノフィラメントを集合的に被覆するように配列することができる。
【0090】
本発明はまた、図7に示すように、複数の金属ワイヤ要素を中心配置する方法に関する。
【0091】
本方法は、複数の金属ワイヤ要素を供給するステップS2を含む。金属ワイヤ要素は、例えば、コイルの形態で最初に巻くことができる。供給ステップS2中、金属ワイヤ要素は、例えば、決定された方向に及び決定された移動方向にキャプスタンによって駆動することができる。
【0092】
一部の実施形態によれば、供給ステップS2中に供給される各金属ワイヤ要素は、半径r1を有する。
【0093】
本方法はまた、本発明によるワイヤガイドブロックを通して金属ワイヤ要素を中心配置するステップS4を含む。センタリングステップS4中に、金属ワイヤ要素は、ガイド孔2を通過するように延在し、各金属ワイヤ要素は、ワイヤガイドブロックのそれぞれのセンタリング部4a、4b、4cを通過する。
【0094】
有利には、本発明による本方法は、複数の金属ワイヤ要素を中心配置することを可能にする。
【0095】
本発明はまた、図8に示すように、ポリマー組成物で集合的に被覆された複数の金属ワイヤ要素を含むストリップを生成する方法に関する。
【0096】
この生成方法は、本発明によるセンタリング方法を含む。
【0097】
この生成方法は、複数の金属ワイヤ要素をポリマー組成物で集合的に被覆するステップS6を更に含む。各金属ワイヤ要素は、ワイヤガイドのセンタリング部を通過した後、ポリマー組成物で被覆される。ポリマー組成物は、前述のように、デバイスの1又は2以上の給送チャネル11a、11bにより各金属ワイヤ要素に搬送することができる。一部の実施形態によれば、センタリングステップS4及び被覆ステップS4は、同時に実装することができる。一部の実施形態によれば、センタリングステップS4及び被覆ステップS6は、上述のように、外装デバイスによって実装することができる。
【0098】
好ましくは、ポリマー組成物は、熱可塑性ポリマー組成物である。好ましくは、ポリマー組成物は、熱可塑性ポリマーを含む。代替の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、脂肪族ポリアミド又は脂肪族コポリアミド、例えばナイロン6-6である。代替の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、熱可塑性エラストマー、好ましくは不飽和、例えば、不飽和スチレン熱可塑性エラストマーである。ポリマー組成物は、タイヤの分野で用いる組成物において通常用いられる添加剤の全て又は一部を含むことができる。このような熱可塑性ポリマー組成物の実施例は、WO2010/136389、WO2010/105975、WO2011/012521、WO2011/051204、WO2012/016757、WO2012/038340、WO2012/038341、WO2012/069346、WO2012/104279、WO2012/104280及びWO2012/104281で特に記載されている。
【0099】
本発明はまた、図9に示すように、押出しによって補強された製品を生成するための方法に関する。
【0100】
この生成方法は、1又は2以上の外装金属ワイヤ要素を製造するための方法のステップを含む。
【0101】
生成方法は、センタリングステップS4及び被覆ステップS6の後、ポリマー組成物で被覆した各金属ワイヤ要素をエラストマーマトリックスに浸漬するステップS8を更に含む。
【0102】
センタリングステップS4の精度によって、各外装金属ワイヤ要素と層の自由表面との間の距離は、浸漬ステップS8中に正確に制御することができる。更に、2つの隣接する外装金属ワイヤ要素の間の距離は、被覆ステップS6中に正確に制御することができる。
【0103】
本発明はまた、本発明による方法のステップを含むタイヤを生成するための方法に関する。
【0104】
本発明によるワイヤガイドの使用は、複数の金属ワイヤ要素を中心配置するために本発明に対応するワイヤガイドブロックの使用を含むことができる。一部の実施形態によれば、各金属ワイヤ要素は半径r1を有する。
【0105】
上で説明し既に示されたような本方法、使用及びタイヤでは、金属モノフィラメント及び/又は金属モノフィラメントの組立体で構成された金属ワイヤ要素を用いることが可能である。従って、1つの実施形態では、1又は2以上の金属モノフィラメント及び金属モノフィラメントの1又は2以上の組立体を用いることは可能である。別の好ましい実施形態では、少なくとも1つの金属モノフィラメントを用いることができ、すなわち、少なくとも1つの金属ワイヤ要素は、金属モノフィラメントで構成される。別のなお一層好ましい実施形態では、金属モノフィラメントのみを用いることができ、すなわち、各金属ワイヤ要素は、金属モノフィラメントで構成される。更に別の実施形態では、金属モノフィラメントの組立体のみを用いることは可能であり、すなわち、各金属ワイヤ要素は、金属モノフィラメントの組立体で構成される。
【実施例
【0106】
12個のワイヤガイドブロックは、半径r1=0.16mmを有する金属ワイヤ要素、この場合には金属モノフィラメントを中心配置するために生成して試験された。12個の試験ワイヤガイドブロックの各々は、互いに同一である3つのセンタリング部を含む。
【0107】
図10に示すワイヤガイドNo.1は、円形ガイド曲線、平面Piでは0.20mmに等しい半径r2を有する3つの円筒形センタリング部12を含み、本発明の意味の範囲内ではいかなる主排出部も含まない。
【0108】
ワイヤガイドブロックNo.2は、センタリング部のガイド曲線の半径r2が0.18mmであるという点でのみワイヤガイドNo.1とは異なる。
【0109】
図11に示すワイヤガイドブロックNo.3は、平面Piにおいて、0.18mmに等しい半径r2を有する内接円を有する正方形ガイド曲線を有する3つのセンタリング部14を含む。
【0110】
ワイヤガイドNo.4は、図4に示すように、本発明の第1の特定の実施形態に対応し、各センタリング部4は、平面Piにおいて、0.18mmに等しい半径r2を有する円Ccに内接している。
【0111】
ワイヤガイドブロックNo.5は、円Ccの半径r2が0.17mmに等しいという点でのみワイヤガイドブロックNo.4とは異なる。
【0112】
ワイヤガイドブロックNo.6は、図5に示すように、本発明の第2の特定の実施形態に対応し、各センタリング部4は、平面Piにおいて、0.18mmに等しい半径r2を有する円Ccに内接している。
【0113】
ワイヤガイドNo.7は、円Ccの半径r2が0.17mに等しいという点でのみワイヤガイドブロックNo.6とは異なる。
【0114】
ワイヤガイドブロックNo.8は、その面積比RSによってのみワイヤガイドブロックNo.5とは異なる。
【0115】
ワイヤガイドブロックNo.9は、0.165mに等しい円Ccの半径r2及び面積比RSによってワイヤガイドブロックNo.5とは異なる。
【0116】
ワイヤガイドブロックNo.10は、面積比RSによってのみワイヤガイドブロックNo.9とは異なる。
【0117】
ワイヤガイドブロックNo.11は、面積比RSによってのみワイヤガイドブロックNo.5とは異なる。
【0118】
ワイヤガイドブロックNo.12は、面積比RSによってのみワイヤガイドブロックNo.5とは異なる。
【0119】
試験中に、ワイヤガイドブロックの性能は、以下の基準:センタリング(センタリング)の精度、金属モノフィラメントの破損を防止する観点からの堅牢性(堅牢性)及びガイド孔を通るポリマー組成物の漏れ(漏れ)の制限に基づいて定性的に評価された。結果は下の表1に提示され、ここで、第1のワイヤガイドブロックはマーカーとして機能し、他のワイヤガイドブロックはマーカーと比較され、各+記号はより良好な性能レベルを示し、且つ-記号はより悪い性能レベルを示す。表1はまた、r2の値、センタリング部に内接する円の表面の合計SU、孔SOの表面及び表面比RSを示す。
【0120】
[表1]
【0121】
堅牢性の観点から、ワイヤガイドブロックNo.8及び10を除いて、本発明による全てのワイヤガイドブロックは、ワイヤガイドブロックNo.1~3と比較して堅牢性の改善を示す。ワイヤガイドブロックNo.8及び10は、ワイヤガイドブロックNo.1のものに等しい堅牢性を確かに示すが、有意に改善したセンタリングを示し、その結果、センタリングと堅牢性との間の妥協案は、ワイヤガイドブロックNo.1に対してよりもワイヤガイドブロックNo.8及び10に対してはるかに良好になる。ワイヤガイドブロックNo.6がワイヤガイドブロックNo.1~3よりも悪いセンタリングを有する場合、堅牢性は有意に改善され、その結果、センタリングと堅牢性との間の妥協案は、ワイヤガイドブロックNo.1~3に対してよりもワイヤガイドブロックNo.6に対してはるかに良好になる。
【0122】
改善された妥協案は、半径r1にほぼ調整された半径r2の結果、すなわち、1.03r1以上で1.20r1以下であるr2の確認であり、主排出部の存在は、摩耗から生じる物質を排出することを可能にする。本発明は、別個の部分を用いて、この場合にはそれぞれ、ワイヤガイドNo.1~3に反して、センタリング及び排出部を用いてセンタリング及び排出機能の保証を伴い、ここで、2つのセンタリング及び排出機能は、同じ部分によって提供される。非常に有利な方式では、最良の堅牢性は、0.80未満、好ましくは0.75未満、より好ましくは0.70未満である面積比RSに対して得られることにも注目すべきである。
【0123】
非常に有利な方式では、堅牢性とセンタリングとの間の妥協案を改善することによって、ポリマー組成物の下流から上流通路に対して余分な空間を作り出すリスクがあることにも注目すべきであり、その結果、この漏れを制限するために、孔の表面に対して主排出部及び追加の排出部の表面を制限することが好ましいことになる。従って、最良の漏れ制限は、0.51よりも大きく、好ましくは0.53よりも大きく、より好ましくは0.57よりも大きく、はるかに好ましくは0.60よりも大きい面積比RSに対して得られる。
【0124】
従って、センタリング、堅牢性及び漏れ制限の間で最良の妥協案を示すワイヤガイドブロックは、ワイヤガイドブロックNo.12であることに留意されたい。この場合に、面積比RSは、0.51以上で0.75以下、好ましくは0.51以上で0.70以下、より好ましくは0.51以上で0.60以下、この場合には0.59に等しい。
【0125】
本発明は、一般的発明概念を制限することなく実施形態の使用と共に上で説明されている。
【0126】
多くの他の修正及び変形形態は、本出願で示す種々の実施形態を考慮した後、当業者にこれら自体を提示することになる。これらの実施形態は、実施例として提供されて本発明の範囲を制限することを意図するものでなく、これは、以下の請求項によって排他的に決定される。
【0127】
請求項では、単語「含む」は他の要素又はステップを排除することなく、不定冠詞「a」又は「an」の使用は複数を排除しない。様々な特徴が相互に依存する請求項に挙げられているということだけでは、これらの特徴の組合せを有利に用いることはできないことを示すものではない。最終的に、請求項で用いるあらゆる数値参照は、本発明の範囲の限定であると理解してはならない。
【0128】
半径r1を有する金属ワイヤ要素をガイドするための孔を含むワイヤガイドを企図することが可能であることにも注目すべきであり、ガイド孔は、金属ワイヤ要素の排出平面Piに直交するセンタリング軸ACに沿って金属ワイヤ要素を中心配置するように構成されたセンタリング部を含み、センタリング部は、平面Piにおいて、センタリング軸ACの点上に中心がある円Ciに内接し、1.03r1以上で1,20r1未満又はそれに等し半径r2を有し、センタリング部は、円Ciに接線方向の少なくとも3つのセンタリング面によって境界付けられ、センタリング面は、ペアで互いに分離され、平面Piにおいて、ガイド孔の表面によってセンタリング部に内接する円の表面の商に対応する面積比RSは、複数(n個)の金属ワイヤ要素kに対してガイド孔を含むワイヤガイドブロックに関係なく0.51以上で0.75以下、各金属ワイヤ要素kは、半径r1,kを有し、ガイド孔は、
各センタリング部が、金属ワイヤ要素の排出平面Piに直交するセンタリング軸ACに沿って金属ワイヤ要素kを中心配置するように構成され、各センタリング部が、平面Piにおいて、センタリング軸ACの点上に中心がある円Ciに内接し、1.03r1,k以上で1.20r1,k以下である半径r2,kを有し、各センタリング部が、円Ciに接線方向の少なくとも3つのセンタリング面によって境界付けられ、センタリング面が、ペアで互いに分離される、複数(n個)のセンタリング部と、
金属ワイヤ要素がセンタリング部のセンタリング面の間を通過するとき、金属ワイヤ要素の摩耗から生じる物質を排出するように構成された少なくとも1つの主排出部と、
少なくとも2つのセンタリング部を共に接続する通路を形成する上述の主排出部と、
を含む。
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