(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】治療装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61N 2/02 20060101AFI20241125BHJP
【FI】
A61N2/02 F
(21)【出願番号】P 2022524662
(86)(22)【出願日】2020-11-18
(86)【国際出願番号】 IL2020051193
(87)【国際公開番号】W WO2021117029
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-11-16
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519074974
【氏名又は名称】ブレインキュー テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シーガル,ヤロン
(72)【発明者】
【氏名】ジェマル‐カイ,ヤエル
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05195941(US,A)
【文献】特表2007-520290(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0112409(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0303425(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0375005(US,A1)
【文献】特表2014-501582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 2/02- 2/04
A61N 1/36- 1/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置であって、前記装置が、
コイル取り付け部分と、
患者の肩に取り付ける身体取り付け部分と、を備え、
前記コイル取り付け部分が、前記身体取り付け部分に取り外し可能に取り付けられて
おり、
前記コイル取り付け部分が、前記治療装置の装着時において、患者の頭部に対して前方に位置する頭部周囲部分から患者の後方の背面部分まで延びる形状である、装置。
【請求項2】
前記コイル取り付け部分が、頭部周囲部分から背面部分の長さに沿って下方に延びる電磁場発生コイル巻線部分を備える電磁場発生コイルを含む、請求項
1に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項3】
前記コイル取り付け部分が、前記身体取り付け部分に対して選択的に位置決め可能である、請求項1に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項4】
電子制御ユニットも備える、請求項1または請求項
3に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項5】
前記コイル取り付け部分が、
頭部周囲部分および背面部分を画定するように形成されたコイル支持基材と、
前記コイル支持基材上に取り付けられた
前記電磁場発生コイルと、を備える、請求項
2に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項6】
電子制御ユニットも備え、前記電磁場発生コイルが、その両端で前記電子制御ユニットに接続される単一のコイルである、請求項
5に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項7】
前記電磁場発生コイルが、平坦な編組導体で形成されている、請求項
5または請求項
6に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項8】
前記電磁場発生コイルが、相互接続された上側および下側電磁場発生コイル巻線部分に配設されている、請求項
5~
7のいずれか一項に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項9】
前記電磁場発生コイルが、コネクタによって相互に積み重ねられた向きで保持される複数のコイル巻線を備える、請求項
5~
8のいずれか一項に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項10】
前記上側電磁場発生コイル巻線部分が、前記頭部周囲部分の頂縁部に隣接する前記コイル支持基材に沿って、かつその内部で前記背面部分の長さに沿って上下に延びている、請求項
8に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項11】
前記下側電磁場発生コイル巻線部分が、前記コイル支持基材の前記頭部周囲部分の底縁部に隣接する前記コイル支持基材に沿って、かつその縁部に隣接する前記背面部分の長さに沿って上下に延びている、請求項
8に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項12】
前記
電子制御ユニットが、
所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルをダウンロードするために、治療プロトコルを記憶する外部サーバとの通信、
所与の時間における所与の患者の前記特定の治療プロトコルに従って
、電磁場発生コイルへの電流の印加を制御するように動作する波発生機能、および
前記特定の治療プロトコルの経過を確認するフィードバックを提供するように動作するフィードバック機能、のうちの少なくとも1つを提供する、請求項
4に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項13】
前記
電子制御ユニットが、
所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルをダウンロードするために、治療プロトコルを記憶する外部サーバとの通信、
所与の時間における所与の患者の前記特定の治療プロトコルに従って
、電磁場発生コイルへの電流の印加を制御するように動作する波発生機能、および
前記特定の治療プロトコルの進行を確認するフィードバックを提供するように動作するフィードバック機能、のうちの少なくとも2つを提供する、請求項
4に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項14】
前記
電子制御ユニットが、
所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルをダウンロードするために、治療プロトコルを記憶する外部サーバとの通信、
所与の時間における所与の患者の前記特定の治療プロトコルに従って
、電磁場発生コイルへの電流の印加を制御するように動作する波発生機能、および
前記特定の治療プロトコルの進行を確認するフィードバックを提供するように動作するフィードバック機能、のうちのすべてを提供する、請求項
4に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項15】
前記身体取り付け部分が、可撓性バンドを備え、前記可撓性バンドが、その後方部分に形成された狭くなった部分を有する、請求項1~
14のいずれか一項に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項16】
前記コイル取り付け部分が、前記可撓性バンドが延びるチャネルを備え、それによって前記身体取り付け部分への前記コイル取り付け部分の選択可能な垂直位置決めを提供する、請求項
15に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項17】
前記身体取り付け部分が、肩部ストラップを備える、請求項1~
16のいずれか一項に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【請求項18】
前記肩部ストラップが、前記コイル取り付け部分を患者に対して位置決めするように構成されている、請求項
17に記載の電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許文献の参照
本発明の主題に関連する譲受人の以下の特許文書が参照され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
2018年3月13日に出願された米国仮特許出願第62/642,037号、
2018年3月13日に出願された米国仮特許出願第62/642,038号、
2018年10月19日に出願された米国仮特許出願第62/747,671号、
2017年7月4日に発行された米国特許第9,694,197号、
2018年10月19日に出願された米国特許出願第16/330,670号、
2019年3月5日に出願されたPCT特許出願PCT/IL2017/050981号、
2019年6月14日に出願された米国特許出願第16/441,614号、および
2019年6月18日に発行された米国特許第10,322,295号。
【0002】
譲受人の以下の米国特許出願をさらに参照し、その内容は参照により本明細書に組み込まれており、優先権が本明細書に主張される。
2019年12月11日に出願され、「WEARABLE IOT APPARATUS FOR ELF-EMF TREATMENT ENABLING SEAMLESS CONTINUITY OF CARE」と題された米国仮特許出願第62/946,754号、
2020年8月28日に出願され、「WEARABLE IOT APPARATUS FOR ELF-EMF TREATMENT ENABLING SEAMLESS CONTINUITY OF CARE」と題された米国仮特許出願第63/071,599号。
【0003】
本発明は、中枢神経系の神経症状および障害を治療するためのシステム、装置、および方法に関し、より具体的には、電磁場を印加することにより中枢神経系の神経症状および障害を治療するためのシステム、装置、および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
電磁場の印加による中枢神経系の神経障害の治療のための様々なシステム、方法、および装置が知られている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、中枢神経系の神経障害を治療するための改善された装置、システム、および方法を提供することを目的としている。
【0006】
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状を治療するための身体に装着可能な治療装置が提供され、装置は、コイル取り付け部分と、身体取り付け部分と、を含み、コイル取り付け部分は身体取り付け部分に取り外し可能に取り付けられている。
【0007】
本発明の好ましい実施形態によれば、コイル取り付け部分は、身体取り付け部分に対して選択的に位置決め可能である。
【0008】
好ましくは、電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置はまた、電子制御ユニットも含む。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、コイル取り付け部分は、頭部周囲部分および背面部分を画定するように形成されたコイル支持基材と、コイル支持基材上に取り付けられた電磁場発生コイルと、を含む。
【0010】
好ましくは、電磁場発生コイルは、その両端で電子制御ユニットに接続される単一のコイルである。追加的または代替的に、電磁場発生コイルは、平坦な編組導体で形成されている。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、電磁場発生コイルは、相互接続された上側および下側電磁場発生コイル巻線部分に配設される。追加的または代替的に、電磁場発生コイルは、コネクタによって相互に積み重ねられた向きで保持される複数のコイル巻線を含む。
【0012】
本発明の好ましい実施形態によれば、上側電磁場発生コイル巻線部分は、頭部周囲部分の頂縁部に隣接するコイル支持基材に沿って、かつその内部で背面部分の長さに沿って上下に延びる。好ましくは、下側電磁場発生コイル巻線部分は、その頭部周囲部分の底縁部に隣接するコイル支持基材に沿って、かつその縁部に隣接する背面部分の長さに沿って上下に延びる。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、制御ユニットは、所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルをダウンロードするために、治療プロトコルを記憶する外部サーバとの通信、所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルに従って、電磁場発生コイルへの電流の印加を制御するように動作する波発生機能、および特定の治療プロトコルの経過を確認するフィードバックを提供するように動作するフィードバック機能、のうちの少なくとも1つを提供する。より好ましくは、制御ユニットは、所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルをダウンロードするために、治療プロトコルを記憶する外部サーバとの通信、所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルに従って、電磁場発生コイルへの電流の印加を制御するように動作する波発生機能、および特定の治療プロトコルの経過を確認するフィードバックを提供するように動作するフィードバック機能、のうちの少なくとも2つを提供する。より好ましくは、制御ユニットは、所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルをダウンロードするために、治療プロトコルを記憶する外部サーバとの通信、所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルに従って、電磁場発生コイルへの電流の印加を制御するように動作する波発生機能、および特定の治療プロトコルの経過を確認するフィードバックを提供するように動作するフィードバック機能、のうちの少なくともすべてを提供する。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、身体取り付け部分は、可撓性バンドを含み、可撓性バンドは、その後方部分に形成された狭くなった部分を有する。さらに、コイル取り付け部分は、可撓性バンドが延びるチャネルを含み、それによって身体取り付け部分へのコイル取り付け部分の選択可能な垂直位置決めを提供する。
【0015】
本発明の好ましい実施形態によれば、身体取り付け部分は、肩部ストラップを含む。さらに、肩部ストラップは、コイル取り付け部分を患者に対して位置決めするように構成されている。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のためのシステムもまた提供され、システムは、治療プロトコルに関連する情報を記憶する少なくとも1つのデータベースと、少なくとも1つのデータベースと通信するサーバと、サーバと通信する身体に装着可能な治療装置と、を含み、身体に装着可能な治療装置が、コイル取り付け部分と、身体取り付け部分と、を備え、コイル取り付け部分が、身体取り付け部分に取り外し可能に取り付けられている。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のためのシステムはまた、リアルタイムで検知された患者パラメータを検知するためのセンサを含む。好ましくは、センサは、取り外し可能に着用可能な基材に取り付けられる。さらに、取り外し可能に装着可能な基材は、ヘルメットと手袋から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明は、以下の詳細な説明を図面と併せることでより完全に理解され、認識されるであろう。
【0019】
【
図1A-1B】電磁場の印加による中枢神経系の神経障害の治療のための装置の実施形態を、本発明の好ましい実施形態に従って構築および動作するようにした、異なる視点からの簡略化された絵画図である。
【
図2A-2B】
図1Aおよび1Bの装置の、異なる視点から取られた簡略化された分解図である。
【
図3A-3D】それぞれ、
図1A~
図2B、
図1A~
図2Bの装置の一部を形成する背面カバーアセンブリの簡略化された分解図、第1および第2の簡略化された絵画図、および簡略化された断面図であり、
図3Dは、
図3Cの線3D-3Dに沿って取られたものである。
【
図4A-4B】
図1A~
図2Bの装置の一部を形成する電池アセンブリの、異なる視点から取られた簡略化された分解図である。
【
図4C-4E】
図4Aおよび4Bの電池アセンブリのそれぞれの第1および第2の簡略化された絵画図および断面図であり、
図4Eは、
図4Dの線4E-4Eに沿って取られたものである。
【
図5A-5B】
図1A~
図2Bの装置の一部を形成する可撓性布カバーのそれぞれの第1および第2簡略化された絵画図である。
【
図6A-6B】
図1A~
図2Bの装置の一部を形成する制御アセンブリの、異なる視点から取られた簡略化された絵画図である。
【
図6C-6D】
図6Aおよび6Bの制御アセンブリのそれぞれの簡略化された分解図および断面図であり、
図6Dは、
図6Bの線6D-6Dに沿って取られたものである。
【
図7A-7B】
図1A~
図2Bの装置の一部を形成する頭部バンドアセンブリの、異なる視点から取られた簡略化された絵画図である。
【
図7C-7D】
図7Aおよび7Bの頭部バンドアセンブリのそれぞれの簡略化された分解図および断面図であり、
図7Dは、
図7Aの線7D-7Dに沿って取られたものである。
【
図8A-8B】
図1A~
図2Bの装置の一部を形成する支持アセンブリの、それぞれの閉じた動作の向きおよび開いた動作の向きにおける簡略化された絵画図である。
【
図9A-9B】車椅子に拘束された患者によって着用され、携帯電話アプリを介して制御される
図1A~
図8Bの装置、およびまた車椅子に拘束された患者によって着用されてもよいセンサアセンブリの簡略化された側面絵画図である。
【
図10A-10B】立っている患者によって着用され、タブレットアプリを介して制御される
図1A~
図8Bの装置、およびまた立っている患者によって着用されてもよいセンサアセンブリの簡略化された側面絵画図である。
【
図11A-11B】第1の動作の向きにおける立っている患者によって着用される
図1A~
図8Bの装置のそれぞれの簡略化された側面図および上面図である。
【
図12A-12B】第2の動作の向きにおける立っている患者によって着用される
図1A~
図8Bの装置のそれぞれの簡略化された側面図および上面図である。
【
図13】
図1~
図8Bの装置での使用に適した、電磁場の印加による中枢神経系の神経障害の治療のためのシステムの簡略化されたブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明のシステムおよび装置は、患者が、回復の過程の間、病院、診療所、ケアセンター、リハビリテーション施設、自分の自宅、または任意の他の好適な場所で、快適かつ好適な姿勢で電磁場(EMF)治療を受けることを可能にする。さらに、本発明のシステムおよび装置は、患者が、EMF治療中に、理学療法、作業療法、および認知訓練などの他の活動に参加することを可能にする。
【0021】
ここで、電磁場の印加による中枢神経系の神経障害および症状の治療のための身体に装着可能な治療装置100の好ましい実施形態の簡略化された絵画図である、
図1A~
図12Bを参照する。
【0022】
図9Aおよび9Bは、電磁場の印加による中枢神経系の神経障害の治療のために、車椅子に拘束された患者が着用する装置100の実施形態の簡略化された絵画図である。
図10Aおよび10Bは、立っている患者が着用する、身体に装着可能な治療装置100の実施形態の簡略化された絵画図である。
図9Bおよび
図10Aはまた、治療前、治療中、および治療後に患者が着用する、ヘルメットおよび/または手袋に取り付けることができるEEGおよびEMGセンサなどのセンサも示している。センサはまた、患者の肌に直接取り付けることができることも理解されたい。
【0023】
図1A~
図8Bに見られるように、身体に装着可能な治療装置100は、コイル取り付け部分102と、身体取り付け部分104と、を含み、コイル取り付け部分102は、好ましくは、身体取り付け部分104上に取り外し可能に取り付けられ、身体取り付け部分104によって、選択可能に位置決めおよび支持される。コイル取り付け部分102の構造は、特に
図1A~
図7Dに示されており、身体取り付け部分104の構造は、特に
図8Aおよび8Bに示されている。
【0024】
最初に
図1A~
図7Dを参照し、より具体的には
図2Aおよび2Bの分解図を参照すると、コイル取り付け部分102は、頭部周囲部分114および背面部分116を画定するためのポリプロピレンシートなどの可撓性プラスチック材料で形成された一体型の可撓性コイル支持基材112を含むことが分かる。ポリプロピレンシートは、クリップ、縫製、または接着剤の使用などの任意の好適な接合技術によって、118に示されるように、頭部周囲部分114の前方に面する表面に縫い付けられてもよい。
【0025】
電子制御ユニット120は、好ましくは、頭部周囲部分114の前方に面する表面に取り付けられる。電子制御ユニット120は、好ましくは、電池パック122によって電池駆動され、好ましくは、電源導体(図示せず)によって制御ユニット120に接続されている、頭部周囲部分114の後方に面する表面に取り付けられる。電池パック122は、好ましくは、ハンドル124と共に、頭部周囲部分114の後方に面する表面に取り付けられる。
【0026】
電磁場発生コイル130は、好ましくは、支持基材112に形成された開口部134と係合するプラスチックコネクタ132によって支持基材112の外面に取り付けられ、電磁場発生コイル130の第1および第2の端部(図示せず)で制御ユニット120に電気的に接続される。電磁場発生コイル130は、好ましくは、2*16ゲージ32線から作られた、1.5mm2の断面を有する平坦な編組裸銅線などの単一の平坦な編組コイルであり、例えば、中国のZhejuand Bridgold Copper Tech Co.Ltd,によって製造されたモデルTZXであり、相互接続されたそれぞれの上側および下側電磁場発生コイル巻線部分136および138に配設される。
【0027】
上側電磁場発生コイル巻線部分136は、好ましくは、約16個のコイル巻線を含み、これらは、支持基材112上に形成された開口部134と係合するコネクタ132によって相互に積み重ねられた向きで保持される。下側電磁場発生コイル巻線部分138は、好ましくは、約12個のコイル巻線を含み、開口部134と係合するコネクタ132によって相互に積み重ねられた向きで保持される。
【0028】
上側電磁場発生コイル巻線部分136は、支持基材112の頭部周囲部分114の頂縁部140に隣接する支持基材112の内面に沿って、かつその内部位置で背面部分116の長さに沿って上下に延びる。
【0029】
下部電磁場発生コイル巻線部分138は、支持基材112の頭部周囲部分114の底縁部142に隣接する支持基材112の外面に沿って、かつその周辺縁部144に隣接する背面部分116の長さに沿って上下に延びる。
【0030】
代替的に、電磁場発生コイル130は、患者の中枢神経系の異なる部分の周りに1つ以上の電磁場を個々に発生させるように各々制御され得る複数のコイルを含み得る。別の代替実施形態では、電磁場発生コイル130は、1つ以上の導電性プレートとして形成され、これらの導電性プレートは、患者の中枢神経系の異なる部分の周りに1つ以上の電磁場を個々に発生させるように各々制御され得る。
【0031】
好ましくは伸縮性繊維材料で形成された可撓性カバー150は、コイル130および支持基材112を取り囲み、その上に、ジッパー152または任意の他の好適な留め具によって固定される。可撓性カバー150は、制御ユニット120のための切り欠き部154と、電池パック122のための切り欠き部156と、を含む。可撓性カバー150は、コイル130および支持基材112の上に取り付けらており、
図5Aおよび5Bに示されている。
【0032】
可撓性カバー150は、
図8Aおよび8Bを参照して以下に説明されるように、身体取り付け部分104との係合および身体取り付け部分104による係合を支持するための取り付けチャネル160を含む。可撓性カバー150は、
図8Aおよび8Bを参照して以下に説明されるように、身体取り付け部分104の肩部ストラップとの係合を支持するための肩部ストラップ取り付けチャネル162を含む。
【0033】
コイル取り付け部分102はまた、
図3A~3Dに示されている背面カバーアセンブリ170も含む。
図3A~3Dに見られるように、背面カバーアセンブリ170は、好ましくは半硬質プラスチック材料で形成された基材172を好ましくは含み、その凹面174(
図3B)上に可撓性カバー150の取り付けチャネル160を通って延びる身体部分104の一部分を収容するための横方向の窪み176を画定する。凹面174はまた、可撓性カバー150の取り付けチャネル162を通って延びる、身体取り付け部分174の肩部ストラップを収容するための横方向の窪み178を画定する。横方向の窪み176および178は両方とも、身体取り付け部分174に対してコイル取り付け部分102の調整可能な取り付けを可能にするように構成される。
【0034】
基材172の凸面180(
図3A)は、好ましくは、隆起した周辺縁部182を画定し、周辺縁部182は、可撓性発泡プラスチック材料の層184を収容する。層184上に形成され、かつ基材172に接合され、層184を封入するものは、好ましくは半硬質プラスチック材料で形成された裏層186である。
【0035】
背面カバーアセンブリ170の頂部分190は、好ましくは、任意の好適な方法で、対応する可撓性カバー150の頂部分に接合される。背面カバーアセンブリ170の残りの部分は、身体取り付け部分104を収容するために、可撓性カバー150から離間される。背面カバーアセンブリ170の頂部分190には、好ましくは、電池パック122を収容するための切り欠き部192が形成される。背面カバーアセンブリ170の頂部分190には、相互に離間して相互に面する縁部194および196が形成される。
【0036】
前方頭部部分カバーアセンブリ200は、支持基材112の頭部周囲部分114上および可撓性カバー150上に取り付けられる。
図7A~7Dに見られるように、前方頭部部分カバーアセンブリ200は、好ましくは半硬質プラスチック材料で形成される基材202を好ましくは含み、基材202には、制御ユニット120を収容するための切り欠き部204が形成される。基材202の凹面には、好ましくは、隆起した周辺縁部206が形成され、周辺縁部206は、切り欠き部204に対応する形状の切り欠き部210を有する可撓性発泡プラスチック材料の層208を収容する。層208上に形成され、かつ基材202に接合され、かつ層208を封入するものは、好ましくは半硬質プラスチック材料で形成された前層212である。
【0037】
前方頭部部分カバーアセンブリ200には、相互に離間して相互に面する縁部214および216が形成され、前方頭部部分カバーアセンブリ200が、基材112の頭部周囲部分114上および可撓性カバー150上に取り付けられたときに、背面カバーアセンブリ170の頂部分190の縁部194および196に面する対応する縁部に突き当たる。
【0038】
電池パック122は、
図4A~4Eに示されており、好ましくは、電池ハウジング220および取り外し可能な電池222を含み、完全に従来型であり得る。
【0039】
制御ユニット120は、
図6A~6Dに示されており、好ましくは、プリント回路基板(PCB)234を封入する、主要ハウジング部分230と、ハウジングカバー部分232から形成されたハウジングと、を含む。PCB234は、PCB234を電池パック122に接続するために使用される電源コネクタ236を有し、好ましくは、LEDインジケータライト238を備えており、LEDインジケータライト238は、ハウジングカバー部分232に形成された、対応して配置される開口部240を通して視認可能である。LEDインジケータライト238は、電磁場発生コイル130の通電状態を示す。
【0040】
また、好ましくは、プリント回路基板234に取り付けられるものは、システムオン/オフボタン242およびブルートゥース通信オン/オフボタン244であり、これらのボタンは、ハウジングカバー部分232に形成された対応して配置された開口部246および248を通して視認可能である。
【0041】
制御ユニット120は、好ましくはブルートゥースを介して、通常、ユーザに関連付けられているタブレットまたはスマートフォンなどのコンピュータ化された通信デバイス250と通信する。好ましくは、コンピュータ化された通信デバイス250は、以下でさらに説明されるように、内部にアプリがインストールされたコンピュータ化された通信デバイス250である。
【0042】
図9A~
図10Bで示された実施形態では、コンピュータ化された通信デバイス250は、身体に装着可能な治療装置100のユーザによって保持されていることが示されているが、コンピュータ化された通信デバイス250は、身体に装着可能な治療装置100のユーザ以外の誰かによって保持され、身体に装着可能な治療装置100に関連付けられ得ることを理解されたい。さらに、以下でさらに説明されるように、身体に装着可能な治療装置100はまた、例えば、医師または療法士などの提供者によって遠隔操作されてもよい。
【0043】
制御ユニット120は、好ましくは、以下の主要な機能を提供する。
通信機能251は、好ましくは、
図9A~10Bに示されるような携帯電話またはタブレットなどのコンピュータ化された通信デバイス250を介して、治療プロトコルを記憶するクラウドベースであり得る外部サーバ252(
図13)を用いて、所与の時間における所与の患者の特定の治療プロトコルをダウンロードする。この通信は、好ましくは無線であり、外部サーバ252はクラウド上に存在してもよい。好ましくは、外部サーバ252は、1つ以上のデータベース253(
図13)と通信し、データベース253はまた、とりわけ、治療プロトコルが格納されているクラウドベースでもあり得る。治療プロトコルは、とりわけ、譲受人の上記で参照した特許文書に教示されているように、1つ以上の好適な電磁場治療を実施し得、その特許文書の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。代替的に、制御ユニット120は、通信機能251が外部サーバ252と直接通信することを通じて、Wi-Fiまたはセルラポートなどの通信ポートを含み得る。
【0044】
波発生機能254は、所与の時間における所与の患者のダウンロードされた特定の治療プロトコルに従って、電磁場発生コイル130による電流の印加を制御するように機能する。波発生機能254は、好ましくは、0~200Hzの周波数範囲で、好ましくは正弦波、三角波、および方形波の群から選択される1つ以上の波から波形を発生させる。代替的に、波形は、周波数の組み合わせなどの任意の波形であり得る。波発生機能254は、好ましくは、500ガウスRMSまでの交流磁場を発生させる。より好ましくは、波発生機能254は、10ガウスRMSの交流磁場を発生させる。
【0045】
フィードバック機能255は、特定の治療プロトコルの経過の確認などのフィードバックを提供するように動作する。
【0046】
好ましくは、ユーザおよび医師または療法士などの提供者は、好ましくはコンピュータ化された通信デバイス250を介して、好ましくは通信デバイス250にインストールされたアプリを介して、外部サーバ252に入力を提供し、外部サーバ252は、その提供された入力に少なくとも部分的に基づいて、特定の患者のための初期の特定の治療プロトコルを決定する。好ましくは、患者は、提供者の支援の有無にかかわらず、アプリと一緒に身体に装着可能な治療装置100を利用することによって、治療プロトコルを継続することができる。代替的に、入力は、通常、医師、病院または診療所などのサービス提供者に関連付けられる、タブレットまたはスマートフォンなどのコンピュータ化された通信デバイス275(
図13)を介して提供されてもよい。好ましくは、コンピュータ化された通信デバイス275は、以下でさらに説明されるように、内部にアプリがインストールされたコンピュータ化された通信デバイス275である。
【0047】
ここで特に
図8Aおよび8Bを参照すると、身体取り付け部分104は、好ましくは、VELCRO(登録商標)タイプの封止部282と、調節可能に取り付けられた肩部ストラップ284で形成された可撓性バンド280と、を備えることが分かる。好ましくは、可撓性バンド280は、その後方部分で、コイル取り付け部分102のチャネル160を通って延びる狭くなった部分286を有して形成される。好ましくは、狭くなった部分286およびチャネル160の寸法は、身体取り付け部分104へのコイル取り付け部分102の選択可能な垂直位置決めを提供するようなものである。患者の身体で閉じたときに可撓性バンド280によって加えられる圧力、および患者にぴったりと取り付けられ、コイル取り付け部分102の取り付けチャネル162に係合するときの肩部ストラップ284の作用は、身体取り付け部分104に対して望ましい垂直位置で、コイル取り付け部分102を保持することを理解されたい。
【0048】
肩部ストラップ284の気密性の調整は、コイル取り付け部分102の上部を患者の背面および頭部に対して位置決めするのに効果的である。これは、肩部ストラップ284の比較的緩い向きを示す
図11Aおよび11Bと、肩部ストラップ284の比較的きつい向きを示す
図12Aおよび12Bとを比較することによって明確に見ることができ、コイル取り付け部分102の上部および頭部周囲部分114は、患者に対して前方にある。特に
図12Bに見られるように、患者の頭部が頭部周囲部分114の中心にあり、それによって電磁場発生コイル130によって誘導される電磁場の中心にあるように、肩部ストラップ284の締め付けは、好ましくは、頭部周囲部分114を位置決めする。
【0049】
身体取り付け部分104の可撓性バンド280の提供は、可撓性コイル支持基材112と共に、身体に装着可能な治療装置100を使用している患者の身体、より具体的には脊椎の輪郭に対する身体に、装着可能な治療装置100のカスタマイズされた快適な装着感を提供することを理解されたい。
【0050】
代替実施形態では、身体取り付け部分104は、ベストの形態であり得る。
【0051】
ここで、
図13をさらに参照する。
図13は、電磁場の印加による中枢神経系の神経障害の治療のためのシステム300の簡略化されたブロック図であり、
図1~
図8Bの身体に装着可能な治療装置100と共に使用するのに好適である。
【0052】
図13に見られるように、システム300は、好ましくは、治療プロトコルに関連する情報および治療プロトコルを使用して治療されている患者に関連する情報の記憶を提供する1つ以上のデータベース253と通信する外部サーバ252を含む。
図13でさらに見られるように、データベース253は、他の治療提供者302などの他のソースから、成功率情報などの治療に関連する追加情報を受け取ってもよく、また、他のソースに集合データを提供してもよい。
【0053】
図13に見られるように、また本明細書で上述したように、身体に装着可能な治療装置100の電子制御ユニット120は、好ましくは、コンピュータ化された通信デバイス250にインストールされたアプリを通じて外部サーバ252と通信し、外部サーバ252は、治療プロトコルを、好ましくは発生させられる波形を描くベクトルの周波数、強度、および持続時間の積分を記述する式に従った周波数、強度、および持続時間のリストを含む波形として提供する。制御ユニット120は、好ましくは、身体に装着可能な治療装置100を使用して治療される個人に固有のプロトコルである、外部サーバ252によって提供される波形において-10A~10Aの電流を発生させる波形発生器を含む。代替的に、上述したように、電子制御ユニット120は、外部サーバ252と直接通信するように動作し得る。
【0054】
コンピュータ化された通信デバイス250は、好ましくは、そこにインストールされたアプリを通じて、以下の機能を提供する。
様々なセンサによって提供されるリアルタイムで検知された患者パラメータなど、フィードバックを受信するように動作する、治療フィードバック受信機能。これらのセンサは、EEGおよびEMGセンサ290を含み得るが、これらに限定されず、これらは、
図9Bおよび
図10Aに見られるように、治療前および/または治療中および/または治療後に患者が着用するヘルメット292および/または手袋294に取り付けられてもよい。
図9Bおよび
図10Aの示された実施形態では、センサ290はヘルメット292および手袋294に取り付けられているが、センサ290はまた、患者の皮膚に直接取り付けられてもよいことを理解されたい。代替的に、身体に装着可能な治療装置100の電子制御ユニット120が外部サーバ252と直接通信する実施形態では、センサ290などのセンサによって提供されるリアルタイムで検知された患者のパラメータは、フィードバック機能255によって、サーバ252への送信のために電子制御ユニット120によって受信され得る。
【0055】
身体に装着可能な治療装置100の制御ユニット120と、クラウドベースであり得る外部サーバ252との間の通信を提供する通信機能。タブレットまたはスマートフォンなどのコンピュータ化された通信デバイス250は、特定の患者を識別し、所与の治療セッションのために患者を一致させるために特定の身体に装着可能な治療装置100を識別するために使用される。コンピュータ化された通信デバイス250は、外部サーバ252から特定の患者に対応する治療プロトコルを受信し、実行のために治療プロトコルを制御ユニット120に送信する。コンピュータ化された通信デバイス250は、制御ユニット120から治療送達に関連する動作情報を受信し、動作情報を、センサ290などからのフィードバックと共に外部サーバ252に送信し、外部サーバ252は、さらなる検索のために、特定の患者の情報を記録する。外部サーバ252はまた、身体に装着可能な治療装置100の動作を検証するために提供された動作情報も使用する。
【0056】
外部サーバ252は、好ましくは、現在の治療セッションに関連する情報を送信する前に、以下の検証チェックを実施する。電池222が現在の治療セッションを確実に完了できるようにするための電池電力チェック、ならびに適切な治療セッションパラメータがユーザ/患者への適用のために制御ユニット120に確実に送信されるようにするために、使用されている特定の身体に装着可能な治療装置100およびそれが現在割り当てられているユーザ/患者の識別。さらに、外部サーバ252は、好ましくは、治療セッション中に制御ユニット120からフィードバックを受信して、正しい治療セッションパラメータが制御ユニット120によって確実に適用されるようにする。
【0057】
好ましくは、内部にインストールされたアプリ、および医師または療法士などの提供者のタブレットまたはスマートフォンなどの通信デバイスにインストールされた同様のアプリを通じて、提供者が治療セッションにリモートで参加できるようにし、患者の活動と経過を監視する、リモート参加機能。
【0058】
身体装着可能な治療装置100が最新の治療プロトコル情報を確実に利用できるようにする、システムアップグレード機能。
【0059】
理学療法、作業療法、および/または治療の効果を高め、それによって患者の回復を高めるためのゲームおよびタスクなど、EMF治療以外の一連の追加の療法を患者に提供すると同時に、EMF治療中にその患者に娯楽を提供する、追加の療法機能。
【0060】
外部サーバ252または患者の提供者などからの患者の経過に関連するフィードバックを患者に提供する、患者フィードバック機能。
【0061】
患者がソーシャルコミュニティに参加できるようにする、ソーシャルコミュニティ機能。ソーシャルコミュニティは、患者の症状および/または治療および/または他の社会的相互作用について議論するために、同様の症状の人々へのアクセスを患者に提供し得る。さらに、患者は医師または他の医療専門家に支援/指導を求めることが可能であり得る。ソーシャルコミュニティはまた、患者の特定の症状、ならびに一般的な感情的および社会的支援に関する情報の更新も提供し得る。
【0062】
上記の機能のいくつかまたはすべては、コンピュータ化された通信デバイス250にインストールされたメディア/ソーシャルセンターアプリ310と併せて提供され得ることを理解されたい。
【0063】
さらに、コンピュータ化された通信デバイス250にインストールされたアプリは、1つ以上の身体に装着可能な治療装置100と同時に通信してもよく、また患者追跡ログならびに身体に装着可能な治療装置100の各々に関連する患者および/または治療に関連する分析の形態などの患者データを提供するように動作し得ることにも留意されたい。例えば、同じ場所にいる複数のユーザ/患者は、各々が異なる身体に装着可能な治療装置100に関連付けられており、同じコンピュータ化された通信デバイス250を利用し得る。
【0064】
追加的または代替的に、システム300は、医師、病院、またはクリニックなどのサービス提供者に関連付けられた、タブレットまたはスマートフォンなどの少なくとも1つのコンピュータ化された通信デバイス275を含み得る。好ましくは、コンピュータ化された通信デバイス275は、内部にインストールされたアプリを有するコンピュータ化された通信デバイス275であり、その機能は、以下でさらに説明される。
【0065】
コンピュータ化された通信デバイス250に関して本明細書で上述された機能のいくつかまたはすべてはまた、コンピュータ化された通信デバイス275にインストールされたアプリにも含まれ得ることを理解されたい。
【0066】
コンピュータ化された通信デバイス275は、好ましくは、追加的に、内部にインストールされたアプリを介して、以下の機能をさらに提供することが望ましい。
1つ以上の身体に装着可能な治療装置100を同時に操作し、そこからデータを収集する、複数のデバイス機能。コンピュータ化された通信デバイス275はまた、患者追跡ログおよび患者および/または治療に関連する分析などの形態で患者データを提供することによって、医師または療法士などの提供者による患者管理を支援するために、治療を受けている異なるユーザ/患者に関連する対応する臨床データにもアクセスし得る。さらに、コンピュータ化された通信デバイス275にインストールされたアプリは、好ましくは、患者の経過を監視し、特定の患者に必要な治療を改善するように動作する治療更新機能を提供する。コンピュータ化された通信デバイス275にインストールされたアプリは、好ましくは、提供者が、とりわけ、外部情報、患者の経過、および電気神経学的検査に基づいて治療を変更することを可能にする。
【0067】
コンピュータ化された通信デバイス250にインストールされたアプリまたはコンピュータ化された通信デバイス275にインストールされたアプリはまた、とりわけ、患者の薬物投与、治療セッション、および身体に装着可能な治療装置100の使用をフォローアップし、かつこのデータをサーバ252へ提供する形態で患者管理機能を提供し得ることにさらに留意されたい。サーバ252は、好ましくは、患者の活動情報を維持し、治療および経過の記録を提供する。
【0068】
サーバ252はまた、好ましくは、医療および治療チームが、患者の活動および経過を評価することを可能にする後の分析のために、コンピュータ化された通信デバイス275にインストールされたアプリを介して提供者に患者情報を提供する。さらに、コンピュータ化された通信デバイス275にインストールされたアプリは、好ましくは、サーバ252および他のソースから記憶された情報を検索し、患者の統計分析および母集団統計を生成するように動作するデータ検索および分析機能を含む。コンピュータ化された通信デバイス275にインストールされたアプリはまた、患者に外部の遠隔治療サービス330へのアクセスを提供するように機能する遠隔療法提供機能320も含み得る。
【0069】
電子制御ユニット120とサーバ252との間の通信により、患者は、回復過程の間、病院、クリニック、ケアセンター、リハビリ施設、自分の家、または任意の他の適切な場所などの異なる場所で、快適かつ好適な姿勢での身体に装着可能な治療装置100を使用した治療を受けることが可能であることを理解されたい。さらに、身体に装着可能な治療装置100は、EMF治療中に、患者が理学療法、作業療法、および認知訓練などの他の活動に参加することを可能にする。
【0070】
身体に装着可能な治療装置100は、好ましくは、とりわけ、上記で参照された譲受人の特許文書に記載されているように、中枢神経系の神経障害の治療のためにその近くに治療上有益な電磁場を発生させ、その教示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
本発明の実施形態によれば、
図1~
図8Bの身体に装着可能な治療装置100は、
図13を参照して以下に説明するような、中枢神経系の神経障害の治療のためのシステムの一部として使用され得、システムは、健康な人のサンプルの特定の運動機能に関連付けられた電磁周波数を示すデータベースと、所与の患者の損なわれた運動機能を識別する情報を受信し、患者の電気神経学的検査に基づかない初期治療プロトコルを生成するために当該データベースを使用する初期治療プロトコル生成器と、患者の電気神経学的検査の前に、初期治療プロトコルに従って患者に電磁エネルギーを印加することに対して動作する電磁場発生器と、を含む。
【0072】
代替的または追加的に、
図1~
図8Bの身体に装着可能な治療装置は、上記で参照された譲受人の特許文書に記載されているものを含むがこれらに限定されない、中枢神経系の神経障害の治療のための任意の他の好適なシステムと共に使用され得、これらの教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
代替的または追加的に、
図13を参照して以下に説明されるシステムは、
図1~
図8Bを参照して本明細書で上述されたもの以外の任意の好適な装置で使用され得、
図1~
図8Bの身体に装着可能な治療装置100は、上で参照された譲受人の特許文書に記載されたものを含むがこれらに限定されない、中枢神経系の神経障害の治療に好適な任意の他のシステムと共に使用され得、これらの教示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0074】
身体に装着可能な治療装置100およびサーバ252は、データベース253と共に、患者の電気神経学的検査を待たずに、患者の識別された損なわれた運動機能および/または他の機能に基づいて初期治療プロトコルを確立することを可能にすることを理解されたい。治療プロトコルは、とりわけ、外部データ、患者の経過、および/または患者の電気神経学的検査に基づいて、時間と共に変化し得ることをさらに理解されたい。
【0075】
本発明が、特に本明細書で示され、上述されたものに限定されないことが当業者には理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、先行技術にない、本明細書で上述された様々な新規性のある特徴の組み合わせおよび部分組み合わせ、ならびにそれらの同等物を含む。