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特許7592714バッテリのための上部カバーアセンブリ、バッテリ、及びバッテリを電源として使用する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】バッテリのための上部カバーアセンブリ、バッテリ、及びバッテリを電源として使用する装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/636 20210101AFI20241125BHJP
   H01M 50/15 20210101ALN20241125BHJP
【FI】
H01M50/636
H01M50/15
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022528988
(86)(22)【出願日】2020-09-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 CN2020118376
(87)【国際公開番号】W WO2021238002
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】202010473006.6
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522021826
【氏名又は名称】江▲蘇▼▲時▼代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.666 Shihou Avenue, Kunlun Street, Liyang City, Changzhou, Jiangsu 213300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 新祥
(72)【発明者】
【氏名】黄 守君
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 于▲錬▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ ▲華▼▲聖▼
【審査官】鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第101640257(CN,A)
【文献】実開昭50-144224(JP,U)
【文献】中国実用新案第208336404(CN,U)
【文献】中国実用新案第205069696(CN,U)
【文献】特開2019-145376(JP,A)
【文献】特開2006-324244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/636
H01M 50/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリのための上部カバーアセンブリであって、当該上部カバーアセンブリは、
液体注入孔(111)を有するカバープレート本体(11)と、
該カバープレート本体(11)と接続され、且つ前記液体注入孔(111)の周りに配置されるように構成された取付部分(14)と、
該取付部分(14)と接続するように構成され、且つ第1の上部壁(121)及び該第1の上部壁(121)の周囲に接続された第1の側壁(122)を含むように構成されたシール要素(12)であって、前記第1の側壁(122)が、前記取付部分(14)の外周上にスリーブ化され、前記第1の上部壁(121)は前記液体注入孔(111)を覆うように構成され、前記第1の側壁(122)は、前記取付部分(14)に圧入されて、前記液体注入孔(111)のシールを達成するように構成される、シール要素(12)と、
前記カバープレート本体(11)に接続され、且つ前記シール要素(12)を前記取付部分(14)に固定するように構成された固定要素(13)と、を含
前記固定要素(13)は、第2の上部壁(131)及び該第2の上部壁(131)の外周に接続された第2の側壁(132)を含み、
前記第2の側壁(132)が、前記第1の側壁(122)の外周上でスリーブ化され、
前記第2の上部壁(131)は、前記シール要素(12)を固定するために、前記第1の上部壁(121)に圧入される、及び/又は
前記第2の側壁(132)は、前記シール要素(12)を固定するために、前記第1の側壁(122)に圧入される
上部カバーアセンブリ。
【請求項2】
前記第1の側壁(122)の内周面と前記取付部分(14)の外周面との間に剥離防止部分が配置されており、該剥離防止部分は、前記シール要素(12)が前記取付部分(14)から分離するのを防ぐように構成され、
前記剥離防止部分は、隆起部(141)又は表面の粗い領域を含み、前記隆起部(141)又は前記表面の粗い領域は、前記第1の側壁(122)の前記内周面及び前記取付部分(14)の前記外周面の少なくとも一方に配置され、シール要素(12)と取付部分(14)との間の密着力を増大させることができる、請求項に記載の上部カバーアセンブリ。
【請求項3】
当該上部カバーアセンブリは、第1の接続部分をさらに含み、該第1の接続部分は、前記第1の側壁(122)及び前記取付部分(14)を接続するように構成され、
前記第1の接続部分は、
前記第1の側壁(122)及び前記取付部分(14)の一方に配置された第1の接続凸部と、
前記第1の側壁(122)及び前記取付部分(14)の他方に配置された第1の接続凹部と、を含み、
前記第1の接続凸部は、前記第1の接続凹部と接続されるように構成される、請求項1又は2に記載の上部カバーアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の上部壁(121)を前記取付部分(14)に圧入して、前記シール要素(12)と前記取付部分(14)との間のシール接続を達成する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の上部カバーアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の上部壁(121)には、前記取付部分(14)に向けて突出するシールリング(12B)が設けられ、該シールリング(12B)は、前記取付部分(14)に圧入されるように構成される、請求項に記載の上部カバーアセンブリ。
【請求項6】
前記取付部分(14)の外周面には、内側に凹んでいる凹部(14D)が設けられ、該凹部(14D)は、前記第1の側壁(122)の一部を収容するため構成される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の上部カバーアセンブリ。
【請求項7】
前記カバープレート本体(11)には溝が設けられ、該溝は、前記シール要素(12)の少なくとも一部を収容するように構成され、前記取付部分(14)は前記溝の底壁に接続される、請求項1乃至のいずれか一項に記載の上部カバーアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の側壁(122)の少なくとも一部と前記第2の側壁(132)の少なくとも一部との間にギャップ(G)が形成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の上部カバーアセンブリ。
【請求項9】
前記上部カバーアセンブリは、第2の接続部分をさらに含み、該第2の接続部分は、前記第1の側壁(122)及び前記第2の側壁(132)を接続するように構成され、前記第2の接続部分は、
前記第1の側壁(122)及び前記第2の側壁(132)の一方に配置された第2の接続凸部と、
前記第1の側壁(122)及び前記第2の側壁(132)の他方に配置された第2の接続凹部と、を含み、
前記第2の接続凸部は、前記第2の接続凹部と接続されるように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の上部カバーアセンブリ。
【請求項10】
バッテリであって、当該バッテリは、
請求項1乃至のいずれか一項に記載の上部カバーアセンブリと、
該上部カバーアセンブリと接続され、且つ収容キャビティを形成するように構成されたハウジング(20)と、
前記収容キャビティに配置された電極アセンブリ(30)と、を含む、
バッテリ。
【請求項11】
請求項10に記載のバッテリを含むバッテリを電源として使用する装置であって
前記バッテリは電気エネルギーを供給するように構成される、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年5月29日に出願された、“Top Cover Assembly for Battery, Battery and Device Using Battery as Power Source”という表題の中国特許出願第202010473006.6号に基づいており、且つその優先権を主張しており、この文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、バッテリ装置の技術分野、特に、バッテリのための上部カバーアセンブリ、バッテリ、及びバッテリを電源として使用する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオンバッテリは、構造物のシールに高い要件があり、使用中に電解液が滲出することはない。そうしないと、周囲の空気及び環境が汚染され、水蒸気が電解液と反応すると、バッテリのバッテリアセンブリの寿命が短くなるため、水蒸気がバッテリの内部に入ることはできない。
【0004】
バッテリの電解液の初期充填は、通常、製造段階で行われ、電解液の充填が完了した後に、液体注入孔をシールしてバッテリのシールを確実にする必要がある。使用後にバッテリを再充填する必要がある場合に、液体注入孔のシール構造を開いて再充填を完了することができ、再充填後に液体注入孔が再シールされる。
【0005】
現在、バッテリ液体注入孔は、一般に、シール要素としてT字型シールネイル(nail:釘)でシール(seal:密封)されており、シールネイルの柱状部分が液体注入孔に挿入され、シールネイルの釘頭が、カバープレート本体の外側に配置され、次に釘頭の外側に金属カバーを溶接して再シールを達成する。
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的は、バッテリのための上部カバーアセンブリ、バッテリ、及びバッテリを電源として使用する装置を提供することである。
【0007】
本開示の第1の態様は、バッテリの上部カバーアセンブリを提供し、この上部カバーアセンブリは、
液体注入孔を有するカバープレート本体と;
カバープレート本体に接続され、且つ液体注入孔の周りに配置されるように構成された取付部分と;
取付部分と接続するように構成されたシール要素であって、シール要素は、第1の上部壁及び第1の上部壁の周囲に接続された第1の側壁を含み、第1の上部壁は液体注入を覆うように構成され、第1の側壁は、取付部分に圧入されて液体注入孔のシールを達成するように構成される、シール要素と;
カバープレート本体に接続され、且つシール要素を取付部分に固定するように構成された固定要素と;を含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、剥離防止部分が、第1の側壁の内周面と取付部分の外周面との間に配置され、剥離防止部分は、シール要素が取付部分から分離するのを防ぐように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、剥離防止部分は、隆起部又は表面の粗い領域を含み、隆起部又は表面の粗い領域は、第1の側壁の内周面及び取付部分の外周面の少なくとも一方に配置される。
【0010】
いくつかの実施形態では、上部カバーアセンブリは、第1の接続部分をさらに含み、第1の接続部分は、第1の側壁及び取付部分を接続するように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の接続部分は、
第1の側壁及び取付部分の一方に配置された第1の接続凸部と;
第1の側壁及び取付部分の他方に配置された第1の接続凹部と;を含み、
第1の接続凸部は、第1の接続凹部と接続されるように構成される。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の上部壁は、取付部分に圧入されて、シール要素と取付部分との間のシール接続を達成する。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の上部壁には、取付部分に向けて突出するシールリングが設けられており、シールリングは、取付部分に圧入されるように構成される。
【0014】
いくつかの実施形態では、取付部分の外周面には、内側に凹んだ凹部が設けられており、凹部は、第1の側壁の一部を収容するように構成される。
【0015】
いくつかの実施形態では、カバープレート本体には溝が設けられ、溝は、シール要素の少なくとも一部を収容するように構成され、取付部分は、溝の底壁と接続する。
【0016】
いくつかの実施形態では、固定要素は、第2の上部壁と、第2の上部壁の外周に接続された第2の側壁とを含み、
第2の上部壁は、シール要素を固定するために、第1の上部壁に圧入される、及び/又は、
第2の側壁は、シール要素を固定するために、第1の側壁に圧入される。
【0017】
いくつかの実施形態では、第1の側壁の少なくとも一部と第2の側壁の少なくとも一部との間にギャップが形成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、上部カバーアセンブリは、第2の接続部分をさらに含み、第2の接続部分は、第1の側壁及び第2の側壁を接続するように構成され、第2の接続部分は、
第1の側壁及び第2の側壁の一方に配置された第2の接続凸部と;
第1の側壁及び第2の側壁の他方に配置された第2の接続凹部と;を含み、
第2の接続凸部は、第2の接続凹部と接続するように構成される。
【0019】
本開示の第2の態様は、バッテリを提供し、このバッテリは、
本開示の第1の態様の上部カバーアセンブリと;
上部カバーアセンブリと接続され、且つ収容キャビティを形成するように構成されたハウジングと;
収容キャビティ内に配置された電極アセンブリと;を含む。
【0020】
本開示の第3の態様は、本開示の第2の態様のバッテリを含むバッテリを電源として使用する装置を提供し、バッテリは、電気エネルギーを供給するために使用される。
【0021】
本開示の実施形態で提供する上部カバーアセンブリに基づいて、シール要素の第1の上部壁は液体注入孔を覆い、シール要素の第1の側壁の内周面は、取付部分の外周面に圧入されて、シール要素による液体注入孔のシールを達成する。液体注入孔及び取付部分にシール部分が配置されていないため、バッテリの内部空間が拡大する。バッテリの内部空間は相対的に大きくなるため、上部カバーアセンブリを使用するバッテリには、次の利点の少なくとも1つがある:バッテリのエネルギー密度を上げることに有利である;バッテリの使用時に発生するガスを貯蔵するためにより多くのスペースを形成することができ、それによって、より多くのガスをバッテリのハウジング内に収容することができ、これはバッテリのリチウム沈殿現象を低減するのに有利である;ハウジング内で発生するガスによってバッテリの防爆バルブにかかる力を低減することは有利であり、防爆バルブの耐用年数を延長することも有利である。
【0022】
本開示の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を通じて明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本明細書に記載の図面は、本開示の更なる理解を与え、本願の一部を構成するために使用される。本開示の例示的な実施形態及びそれらの説明は、本開示の不適当な制限を構成するのではなく、本開示を説明するために使用される。
図1】本願のいくつかの実施形態におけるバッテリの構造概略図である。
図2】本願のいくつかの実施形態におけるバッテリの分解図である。
図3】本願のいくつかの実施形態におけるバッテリの上部カバーアセンブリの上面図の構造概略図である。
図4図3に示される実施形態のA-A方向の断面図の構造概略図である。
図5図4の部分Bの拡大構造の概略図である。
図6】別の実施形態におけるバッテリの上部カバーアセンブリの断面図の構造概略図である。
図7図6の部分Cの拡大構造の概略図である。
図8図6に示される実施形態における上部カバーアセンブリのカバープレート本体の液体注入孔の部分断面図の構造概略図である。
図9図6に示される実施形態における上部カバーアセンブリのシール要素の断面図の構造概略図である。
図10図6に示される実施形態の実施形態における上部カバーアセンブリの固定要素の断面図の構造概略図である。
図11】別の実施形態における上部カバーアセンブリの液体注入孔の部分断面図の構造概略図である。
図12】別の実施形態における上部カバーアセンブリの液体注入孔の部分断面図の構造概略図である。
図13】別の実施形態における上部カバーアセンブリの液体注入孔の部分断面図の構造概略図である。
図14】別の実施形態における上部カバーアセンブリの液体注入孔の部分断面図の構造概略図である。
図15図14に示される実施形態における上部カバーアセンブリの固定要素の上面図の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の実施形態における添付する図面と組み合わせた本開示の実施形態における技術的解決策について、明確且つ完全な説明を以下に与え、明らかに、以下に説明する実施形態は、本開示の実施形態の全部ではなく一部に過ぎない。以下の少なくとも1つの例示的な実施形態の説明は、本開示及びその適用又は使用に対する制限として機能するのではなく、実際には単なる例示である。本開示の実施形態に基づいて、創造的な努力なしに当業者に想起され得る他の全ての実施形態は全て、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0025】
特に明記しない限り、これらの実施形態に示される構成要素及びステップの相対的な配置、数式、及び数値は、本開示の範囲を限定するものではない。同時に、説明を容易にするために、図面に示される様々な部分のサイズを、実際の比例関係に従って描いていないことを理解されたい。関連分野の当業者に知られている技術、方法、及び機器については詳細に説明しない場合があるが、必要に応じて、技術、方法、及び機器を認可仕様の一部と見なす必要がある。本明細書に示され、議論される全ての例において、任意の特定の値は、制限としてではなく、単なる例示として解釈すべきである。従って、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有し得る。同様の参照数字及び文字は、以下の図面で同様の項目を示しているため、ある図面である項目が規定されると、後続の図面でさらに説明する必要がないことに留意されたい。
【0026】
本開示の説明において、部分を規定するための「第1」及び「第2」等の単語の使用は、単に対応する部分の区別を容易にするためであると理解すべきであり、特に明記しない限り、上記の単語は、特別な意味はなく、本開示の保護範囲に対する制限として理解すべきではない。
【0027】
本開示の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横、縦、垂直、水平」、「上部、下部」等の用語で示される向き又は位置の関係は、通常、添付の図面に示される向き又は位置の関係に基づいていることを理解されたい。このような用語は、参照される装置又は要素を特定の向きに配置しなければならないこと、又は逆を述べることなしに特定の向きで構成又は操作しなければならないことを示す又は暗示するのではなく、本開示の説明及び簡略化した説明の便宜のためだけであり、従って、これらの用語は、本開示の保護範囲に対する制限として理解することはできない。また、「内側、外側」等の向きを示す用語は、各部分自体の輪郭に対して内側又は外側を意味する。
【0028】
本願を見出だす過程において、本発明者らは、シールネイルを使用して液体注入孔をシールする前述の関連技術において、シールネイルの柱状部分が液体注入孔に挿入されるので、液体注入孔内に延びる柱状部分は、それ自体の膨張に基づいて液体注入孔をシールすることを見出した。組立て中に柱状部分のガイド斜角(oblique angle)がさらに必要であり、ガイド斜角が占める高さは、無効なシールサイズであり、高さ方向の空間を占め、さらにシールネイルの柱状部分が液体注入孔に延びるため、バッテリ内部でガスを発生させるスペースを狭くさせている。
【0029】
この理由のために、本開示の実施形態は、バッテリのための上部カバーアセンブリ、バッテリ、及びバッテリを電源として使用する装置を提供する。
【0030】
本開示の実施形態においてバッテリを電源として使用する装置は、電気エネルギーを供給するためのバッテリを含む。装置は、例えば、車両、船、エネルギー貯蔵装置等であり得る。
【0031】
図1及び図2に示されるように、本開示の実施形態のバッテリは、主に、上部カバーアセンブリ10、ハウジング20、及び電極アセンブリ30を含む。ハウジング20は、上部カバーアセンブリ10に接続され、且つ収容キャビティを形成するように構成される。電極アセンブリ30は、収容キャビティ内に配置される。
【0032】
図1及び図2に示されるように、バッテリは、アダプタシート40及び絶縁シート50をさらに含む。上部カバーアセンブリ10は、ポールカラム(pole column:電極柱)15を含む。電極アセンブリ30は、アダプタシート40を介して上部カバーアセンブリ10のポールカラム15に電気的に接続される。絶縁シート50は、バッテリの収容キャビティ内に配置され、電極アセンブリ30を絶縁及び保護するために、電極アセンブリ30とハウジング20との間に配置される。
【0033】
図2図4に示されるように、上部カバーアセンブリ10は、カバープレート本体11、液体注入孔シール構造、ポールカラム15、及び防爆バルブ16を含む。液体注入孔シール構造は、シールカバープレート本体11上の液体注入孔111をシールするように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態では、液体注入孔シール構造は、取付部分14及びシール要素12を含む。いくつかの実施形態では、液体注入孔シール構造は、取付部分14、シール要素12、及び固定要素13を含む。
【0035】
図2図15に示されるように、本開示の実施形態におけるバッテリの上部カバーアセンブリ10は、主に、カバープレート本体11、取付部分14、及びシール要素12を含む。
【0036】
カバープレート本体11には、液体注入孔111が設けられる。取付部分14は、カバープレート本体11と接続するように構成され、且つ液体注入孔111を取り囲むように配置される。シール要素12は、取付部分14と接続するように構成される。シール要素12は、第1の上部壁121と、第1の上部壁121の周囲に接続された第1の側壁122とを含む。第1の上部壁121は、液体注入孔111を覆うように構成され、第1の側壁122は、取付部分14に圧入されて、液体注入孔111のシールを達成するように構成される。
【0037】
本開示の実施形態で提供する上部カバーアセンブリ10に基づいて、シール要素12の第1の上部壁121は液体注入孔111を覆い、シール要素12の第1の側壁122の内周面は、取付部分14の外周面に圧入されて、シール要素12による液体注入孔111のシールを達成する。液体注入孔111及び取付部分14にシール部分が配置されていないため、シールネイルを使用して液体注入孔をシールする関連技術と比較して、バッテリの内部空間が拡大する。バッテリの内部空間が相対的に大きくなるので、上部カバーアセンブリ10を使用するバッテリは、以下の利点のうちの少なくとも1つを有することができる:バッテリのエネルギー密度を高めることに有利である;バッテリの使用時に発生するガスを貯蔵するためにより多くのスペースを形成することができ、それによって、より多くのガスをバッテリのハウジング内に収容することができ、これはバッテリのリチウム沈殿現象を低減するのに有利である;ハウジング内で発生するガスによってバッテリの防爆バルブ16にかかる力を低減することは有利であり、防爆バルブ16の耐用年数を延長することは有利である。
【0038】
いくつかの実施形態では、剥離防止部分が、第1の側壁122の内周面と取付部分14の外周面との間に配置され、剥離防止部分は、シール要素12が取付部分14から分離するのを防止するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、剥離防止部分は隆起部141を含み、隆起部141は、第1の側壁122の内周面及び取付部分14の外周面の少なくとも一方に配置される。
【0040】
他のいくつかの実施形態では、剥離防止部分は、第1の側壁122の内周面及び取付部分14の外周面の少なくとも一方に配置された表面の粗い領域を含み得る。
【0041】
第1の側壁122の内周面と取付部分14の外周面との間の摩擦力を、表面の粗い領域又は隆起部141を介して増大させて、シール要素12と取付部分14との間の密着力を増大させることができる。従って、その密着力の増大は、シール要素12が取付部分14から分離するのを防ぐのに有利であり、液体注入孔111に対するシール効果を確実にするのに有利である。
【0042】
いくつかの実施形態では、上部カバーアセンブリ10は、第1の接続部分をさらに含む。第1の接続部分は、第1の側壁122及び取付部分14を接続するように構成される。第1の接続部分の設定は、シール要素12と取付部分14との間の接続の強固さを増大させることができ、これは、シール要素12が取付部分14から分離するのを防止することに有利であり、液体注入孔111に対するシール効果を確実にするのにさらに有利である。
【0043】
いくつかの実施形態では、第1の接続部分は、第1の接続凸部及び第1の接続凹部を含む。第1の接続凸部は、第1の側壁122及び取付部分14の一方に配置される。第1の接続凸部は、第1の側壁122及び取付部分14の他方に配置される。第1の接続凸部は、第1の接続凹部と接続するように構成される。
ここで、第1の接続凸部の形状は、好ましくは、第1の接続凹部の形状と一致する。
【0044】
例えば、第1の接続凸部は、第1の側壁122又は取付部分14の一方に配置された第1の凸状リングであり得、第1の接続凹部は、第1の凸状リングと形状が一致し、且つ第1の側壁122又は取付部分14の他方に配置される第1の凸状(凹状)リングを含み得る。ここで、第1の凸状リングの数は、1つ又は複数であり得、第1の凹状リングの数は、第1の凸状リングの数と同じである。
【0045】
別の例では、第1の接続凸部は、第1の側壁122又は取付部分14の一方に配置された第1の突起ブロックを含み得、第2の接続凹部は、第1の突起ブロックと形状が一致し、且つ第1の側壁122又は取付部分14の他方に配置される第1の切欠き又は第1の開口部を含み得る。ここで、第1の突起ブロックの数は、1つ又は複数であり得、第1の切欠き又は第1の開口部の数は、第1の突起ブロックの数と同じである。
【0046】
いくつかの実施形態では、シール要素12の第1の上部壁121は、取付部分14に圧入されて、シール要素12と取付部分14との間のシール接続を達成する。
【0047】
液体注入孔111に対するシール要素12のシールは、シール要素12の第1の側壁122と取付部分14との間の圧入、及びシール要素12の第1の上部壁121と取付部分14との間の圧入により達成され、さらに、液体注入孔111に対するシール要素12のシール性能が強化される。
【0048】
いくつかの実施形態では、シール要素12の第1の上部壁121には、取付部分14に向けて突出するシールリング12Bが設けられており、シールリング12Bは、取付部分14に圧入される。
【0049】
シールリング12Bは、第1の上部壁121の残りの部分に対して円周方向に取付部分14と完全な円周方向接触を達成する可能性が高く、それにより、シール要素12の第1の上部壁121と取付部分14との間のシール性能を向上させるのに有利である。
【0050】
いくつかの実施形態では、取付部分14の外周面には、内側に凹んだ凹部14Dが設けられており、凹部14Dは、シール要素12の第1の側壁122の一部を収容するように構成される。この設定は、シール要素12と取付部分14との間の強固な固定に有利であり、シール要素12が取付部分14から分離するのを防ぐのに有利であり、液体注入孔111に対するシール効果を確実にするのにさらに有利である。
【0051】
いくつかの実施形態では、カバープレート本体11には溝が設けられ、溝は、シール要素12の少なくとも一部を収容するように構成され、取付部分14は、溝の底壁に接続される。
【0052】
溝がカバープレート本体11に配置され、取付部分14が溝内に配置されることにより、取付部分14及びシール要素12によって占められるカバープレート本体11の上面の上のスペースを減らすの有利であり、外力がシール要素12と取付部分14との間の接続の強固さに影響を与えるのを防ぐのにも有利であり、シール要素12が取付部分14から分離するのを防ぐのに有利であり、液体注入孔111に対するシール効果を確実にするのにさらに有利である。
【0053】
いくつかの実施形態では、上部カバーアセンブリ10は、固定要素13をさらに含み、固定要素13は、カバープレート本体11と接続され、シール要素12を取付部分14に固定するように構成される。
【0054】
固定要素13が配置されると、シール要素12と取付部分14との間の接続の強固さは、固定要素13を介して増大させることができ、これは、シール要素12が取付部分14から分離するのを防ぐのに有利であり、液体注入孔111に対するシール効果を確実にするのにさらに有利である。
【0055】
いくつかの実施形態では、固定要素13は、第2の上部壁131と、第2の上部壁131の外周に接続された第2の側壁132とを含み、第2の上部壁131は、第1の上部壁121に圧入されて、シール要素12を固定する、及び/又は、第2の側壁132は、第1の側壁122に圧入されて、シール要素12を固定する。
【0056】
固定要素13の第2の上部壁131及びシール要素12の第1の上部壁121は圧入されており、固定要素13の第2の側壁132及びシール要素12の第1の側壁122は圧入されており、これは、シール要素12と取付部分14との間の接触圧力を増大させるのに有利であり、液体注入孔111に対するシール要素12のシール効果を向上させるのにさらに有利である。
【0057】
いくつかの実施形態では、シール要素12の第1の側壁122の少なくとも一部と、固定要素13の第2の側壁132の少なくとも一部との間にギャップGが形成される。シール要素12の第1の側壁122の少なくとも一部と、固定要素13の第2の側壁132の少なくとも一部との間にギャップGが形成され、これは、組立て中に固定要素13が組立て位置にスムーズに到達するのに有利であり、それによって、固定要素13の上部壁131を、シール要素12の第1の上部壁121に効果的に圧入することができ、それにより、第1の上部壁121と取付部分14との間の接触圧力を増大させるのに有利であり、液体注入孔111に対するシール要素12の第1の上部壁121のシール効果を向上させるのにさらに有利である。さらに、組立て中に固定要素13の第2の側壁132がシール要素12の第1の側壁122を引っ掻くのを防止するのに有利である。
【0058】
いくつかの実施形態では、上部カバーアセンブリ10は、第2の接続部分をさらに含む。第2の接続部分は、シール要素12の第1の側壁122及び固定要素13の第2の側壁132を接続するように構成される。
【0059】
第2の接続部分の設定は、シール要素12と固定要素13との間のより強固な接続に有利である。固定要素13をカバープレート本体11と接続した後に、それは、シール要素12と取付部分14との間のより強固な接続に有利である。ここで、固定要素13は、カバープレート本体11に直接接続することができ、また、取付部分14を介してカバープレート本体11に接続することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、第2の接続部分は、第2の接続凸部及び第2の接続凹部を含む。第2の接続凸部は、第1の側壁122及び第2の側壁132の一方に配置される。第2の接続凹部は、第1の側壁122及び第2の側壁132の他方に配置される。第2の接続凸部は、第2の接続凹部と接続するように構成される。
【0061】
いくつかの実施形態では、第2の接続凸部の形状は、第2の接続凹部の形状と一致している。
【0062】
例えば、第2の接続凸部は、第1の側壁122又は第2の側壁132の一方に配置された第2の凸状リングであり得、第2の接続凹部は、第2の凸状リングと形状が一致し、且つ第1の側壁122又は第2の側壁132の他方に配置される第2の凹状リングを含み得る。ここで、第2の凸状リングの数は、1つ又は複数であり得、第2の凹状リングの数は、第2の凸状リングの数と同じである。
【0063】
別の例では、第2の接続凸部は、第1の側壁122又は第2の側壁132の一方に配置された第2の突起ブロックを含み得、第2の接続凹部は、第2の突起ブロックと形状が一致し、且つ第1の側壁122又は第2の側壁132の他方に配置される第2の切欠き又は第2の開口部を含み得る。ここで、第2の突起ブロックの数は、1つ又は複数であり得、第2の切欠き又は第2の開口部の数は、第2の突出ブロックの数と同じである。
【0064】
本開示の実施形態のバッテリは、前述の上部カバーアセンブリ10を含み、従って、バッテリは、前述の上部カバーアセンブリ10の対応する利点を有する。
【0065】
図2図15と組み合わせた本開示の実施形態のバッテリの上部カバーアセンブリ10について、より詳細な説明を以下に示す。
【0066】
図2図4に示されるように、上部カバーアセンブリ10は、カバープレート本体11、液体注入孔シール構造、ポールカラム15、及び防爆バルブ16を含む。
【0067】
カバープレート本体11には、液体注入孔111が設けられる。液体注入孔シール構造は、カバープレート本体11に配置され、液体注入孔111をシールするように構成される。図4及び図5に示されるように、液体注入孔シール構造は、取付部分14及びシール要素12を含む。
【0068】
取付部分14は、液体注入孔111の周囲に配置され、軸線方向貫通孔を有する中空柱を形成する。取付部分14の軸線方向貫通孔は、同軸であり、且つ液体注入孔111と連通している。取付部分14はカバープレート本体11に配置され、取付部分14とカバープレート本体11との間の接続部は、シール接続され、液体注入孔111が接続部分から漏れる(leak:外れる)のを防止する。
【0069】
図4及び図5に示されるように、シール要素12は、取付部分14に接続される。シール要素12は、本実施形態ではシールキャップのような形状であり、且つ取付部分14で覆われている。シール要素12は、第1の上部壁121と、第1の上部壁121の外周から延びる第1の側壁122とを含む。第1の上部壁121は、液体注入孔111を覆うために、取付部分14の軸線方向貫通孔の上に覆われる。図5に示されるように、第1の側壁122の内周面は、取付部分14の外周面に圧入されて、液体注入孔111に対するシールを達成する。
【0070】
図5に示されるように、取付部分14は真っ直ぐな円筒形状であり、剥離防止部分が取付部分14の外周面に配置される。剥離防止部分は複数の隆起部141を含む。複数の隆起部141は、取付部分14の外周面に均等に分散される。複数の隆起部141は、シール要素12が取付部分14から分離するのを防止し、且つ液体注入孔111に対するシール効果を確実にするのに有利である。
【0071】
図5に示されるように、第1の上部壁121の下面も、取付部分14の上面に圧入されて、液体注入孔111に対するシール要素12のシール能力を高める。
【0072】
いくつかの実施形態では、取付部分14は、カバープレート本体11と一体的に形成され得る。いくつかの実施形態では、カバープレート本体11、取付部分14、及び液体注入孔111は、モールド(金型)を用いた打ち抜きによって形成され、カバープレート本体11の液体注入孔111の下部は、座ぐりの形に設定され、押し出しによる取付部分14の形成を容易にする。取付部分14は、上向きに突出し、且つカバープレート本体11の上面よりも高い。
【0073】
いくつかの他の実施形態では、取付部分14はまた、それら取付部分14及びカバープレート本体11が別々に製造された後に、カバープレート本体11に組み付けられ、接続され得る。例えば、取付部分14は、溶接、ねじ込み、クランプ等の手段によって、カバープレート本体11に組み付けられ、接続され得る。
【0074】
本実施形態では、シール要素12は弾性材料で作製される。いくつかの実施形態では、シール要素12は、電解液に耐性のあるフッ素ゴム又はエチレンプロピレンゴムで製造することができる。シール要素12を製造するための弾性材料の使用は、シール要素12と取付部分14の合わせ面との間の緊密な嵌合に有利であり、液体注入孔111に対するシール要素12のシール性能を向上させるのにさらに有利である。
【0075】
シール要素12の第1の側壁112の内周面の直径は、自然状態では、取付部分14の第1の取付面14Aの外周面の直径よりも小さい。シール要素12及び取付部分14を組み付けた後に、シール要素12の第1の側壁112の内周面を、取付部分14の外周面に押し付けることができる。シール要素12及び取付部分14を組み付けた後に、第1の上部壁121の底面は、取付部分14の上面に圧入される。
【0076】
本実施形態では、第1の上部壁121と取付部分14の上面との間にシールインターフェースが形成され、第1の側壁122と取付部分14の外周面との間にシールインターフェースが形成される。従って、液体注入孔111に対するシール効果は良好である。
【0077】
図6図10は、図3図5に示される実施形態の上部カバーアセンブリ10の代替の実施形態を示す。
【0078】
図6図10に示されるように、液体注入孔シール構造は、取付部分14、シール部分12、固定要素13を含む。取付部分14の外周面は段差(step)面である。シール要素12は、シールキャップのような形状であり、且つ第1の上部壁121と、第1の上部壁121の周囲に沿って延びる第1の側壁122とを含む。固定要素13は、本実施形態ではキャップのような形状であり、且つ第2の上部壁131と、第2の上部壁131の周囲に沿って延びる第2の側壁132とを含む。固定要素13は、シール要素12の外側を覆い、且つカバープレート本体11との固定接続によってシール要素12を取付部分14に固定するように構成される。図6図10に示される実施形態では、固定要素13は、取付部分14との固定接続により、カバープレート本体11との固定接続を達成している。
【0079】
図6及び図7に示されるように、固定要素13の第2の上部壁131は、シール要素12の第1の上部壁121に圧入され、それによって第1の上部壁121が取付部分14に対して確実に押し付けられる。
【0080】
図7に示されるように、固定要素13の第2の側壁132とシール要素12の第1の側壁122との間にギャップGが存在する。ギャップGは、所定の位置での固定要素13の取り付けに有利であり、これは、固定要素13の第2の上部壁131とシール要素12の第1の上部壁121との間の圧入を達成するのに有利である。ギャップGは、組立てプロセス中に固定要素13がシール要素12の第1の側壁122を引っ掻くことによるシール要素12のシール性能又は耐用年数への影響を回避するのにも有利である。
【0081】
図6図8に示されるように、取付部分14の外周面は、第1の取付面14Aと、第1の取付面14Aの下に配置された第2の取付面14Bとを含む。第2の取付面14Bの直径は、第1の取付面14Aの直径よりも大きい。シール要素12の第1の側壁122の内周面は、第1の取付面14Aに圧入される。固定要素13の第2の側壁132は、第2の取付面14Bに固定して接続される。
【0082】
本実施形態では、カバープレート本体11、取付部分14、及び液体注入孔111は、モールド(金型)を用いた打ち抜きによって形成される。取付部分14の外周面は段差面を形成し、第2の取付面14Bと第1の取付面14Aとの半径差は、ギャップを形成するために、シール要素12の第1の側壁122の厚さよりも大きい。
【0083】
シール要素12の第1の側壁112の内周面の直径は、自然状態では、取付部分14の第1の取付面14Aの外周面の直径よりも小さい。シール要素12を取付部分14と組みつけた後に、シール要素12の第1の側壁112の内周面を、取付部分14の外周面に押し付けることができる。
【0084】
固定要素13及び取付部分14は、締り嵌めによって固定して接続することができる。このとき、固定要素13の第2の側壁132を押して、第2の側壁132の内周面と取付部分14の第2の取付面14Bとの間に締り嵌めを行い、それによって、固定要素13及び取付部分14は固定して接続される。
【0085】
固定要素13は、金属材料で作製してもよく、例えば、固定要素13は、アルミニウム等の高強度で延性の良い金属材料で作製してもよい。固定要素13の壁厚さは、固定要素13の構造及び材料の要件、並びにカバープレート本体11との接続方法に応じて選択することができる。例えば、本実施形態の固定要素13は、アルミニウム材料で作製され、そして壁の厚さは0.2mm~0.6mmであり得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、固定要素13と取付部分14との間の固定接続は、ねじ接続を介して達成することができる。このとき、第2の側壁132の内周面には雌ねじが設けられ、取付部分14の第2の取付面14Bには雌ねじと一致する雄ねじが設けられる。組立て中に、固定要素13は、取付部分14の第2の取付面14Bにねじ込まれ、固定要素13と取付部分14との間の固定接続を達成する。
【0087】
いくつかの実施形態では、クランプのような方法を使用して、固定要素13と取付部分14との間の固定接続を達成することができる。
【0088】
製造工程中に、本実施形態の上部カバーアセンブリ10を含むバッテリが最初に充填されると、電解液は、液体注入孔111を介してバッテリの収容キャビティに充填される。電解液を充填した後に、シール要素12及び固定要素13は、取付部分14で順次スリーブ化される。
【0089】
シール要素12の第1の側壁122の内周面の直径は、取付部分14の第1の取付面14Aの直径よりも小さい。第1の側壁122は、シール要素12及び取付部分14を組み付けるときに引き伸ばされる。組み付け後に、第1の側壁122の内周面は、第1の取付面14Aに圧力を形成して、シール要素12の第1の側壁122と取付部分14との間のシールを達成する。
【0090】
シール要素12を取付部分14と組み付けた後に、第1の上部壁121の底面は、取付部分14の上面に圧入される。固定要素13を取付部分14及びシール要素12と組み付けた後に、シール要素12の第1の上部壁121の上面に圧力が加えられ、シール要素12の第1の上部壁121は、取付部分14の上面に向けて押し付けられて、第1の上部壁121と取付部分14との間のシールを達成する。
【0091】
本実施形態では、第1の上部壁121と取付部分14の上面との間にシールインターフェースが形成され、第1の側壁122と取付部分14の外周面との間にシールインターフェースが形成される。従って、液体注入孔111に対するシール効果は良好である。
【0092】
バッテリを再充填するときに、工具を使用して固定要素13をクランプして取り外し、次にシール要素12を取り外して液体注入孔111を露出させてバッテリを再充填する。再充填が完了した後に、新しいシール要素12及び固定要素13を取付部分14に組み付けて、液体注入孔111の再シールを達成し、バッテリを使用状態に戻すことができる。
【0093】
本実施形態では、取付部分14は、カバープレート本体11の上面に対して上向きに突出しており、それによって、シール要素12と取付部分14との間のシールインターフェースは、カバープレート本体11の上面よりも高くなっている。カバープレート本体11の変形は、取付部分14に僅かな影響を及ぼし、これは、シール効果に対するカバープレート本体11の変形の影響を低減するのに有利である。
【0094】
本開示の実施形態では、上部カバーアセンブリ10の液体注入孔シール構造は、簡素であり、製造が容易であり、構造サイズが小さい。液体注入孔シール構造の構成要素の接続が簡素であり、構成要素の分解及び組立が便利であり、液体注入孔111の開閉を繰り返すことができ、これはバッテリ使用時の再充填を達成するのに有利であり、再充填前後の液体注入孔111のシール性能の安定性を達成することができ、再充填前後のバッテリの外観を維持することができる。
【0095】
図6図10に示される実施形態に示されていない部分については、前述の実施形態の関連する内容を参照されたい。
【0096】
図11は、図6図10に示される実施形態における上部カバーアセンブリ10の代替の実施形態を示す。図11に示されるように、実施形態は、上部カバーアセンブリ10が第2の接続部分をさらに含むという点で、図6図10に示される実施形態とは異なる。ここで、第2の接続部分は、互いに一致する第2の接続凸部及び第2の接続凹部を含む。
【0097】
図11に示されるように、本実施形態では、第2の接続凸部は、第2の凸状リング12Aを含む。第2の凸状リング12Aは、シール要素12の第1の側壁122の外周面に配置される。第2の接続凹部は、第2の凸状リング12Aと形状が一致する第2の凹状リングを含み。第2の凹状リングは、固定要素13の第2の側壁132の内周面に配置される。
【0098】
固定要素13が取付部分14を介してカバープレート本体11と接続された後に、第2の凸状リング12Aは、第1の凹状リングと形状が一致し、これは、シール要素12と取付部分14との間のより強固な接続に有利である。
【0099】
図11に示される実施形態に示されていない部分については、前述の実施形態の関連する内容を参照されたい。
【0100】
図12は、図6図10に示される実施形態における上部カバーアセンブリ10の別の代替実施形態を示す。
【0101】
図12に示されるように、実施形態は、第1の上部壁121には、取付部分14に向けて突出するシールリング12Bが設けられ、シールリング12Bが取付部分14との圧入に使用されるという点で、図6図10に示される実施形態とは異なる。
【0102】
シールリング12Bは、第1の上部壁121の残りの部分と比較して、取付部分14と円周方向に完全な円周方向接触を達成する可能性が高く、それにより、第1の上部壁121と取付部分14との間のシール性能を向上させるのに有利である。
【0103】
本実施形態では、シールリング12Bの断面は半円形であり、図に示されていない実施形態では、シールリングの断面は長方形、台形、三角形であってもよく、他の形状であってもよい。
【0104】
本実施形態では、第1の上部壁121にはシールリング12Bが設けられる。図に示されていない実施形態では、シールリングの数は2つ以上であり得る。
【0105】
図12に示されるように、本実施形態と図6図10に示される実施形態との間の別の差は、上部カバーアセンブリ10が第1の接続部を含み、第1の接続部が第1の接続凸部及び第1の接続凹部を含むことである。第1の接続凸部は、シール要素12の第1の側壁122に配置された第1の凸状リング12Cであり、第1の接続凹部は、第1の凸状リング12Cと形状が一致し、且つ取付部分14に配置される第1の凹状リングを含む。
【0106】
図12に示される実施形態に示されていない部分については、前述の実施形態の関連する内容を参照されたい。
【0107】
図13は、図6図10に示される実施形態の上部カバーアセンブリ10の代替の実施形態を示す。図13に示されるように、本実施形態は、取付部分14の外周面には、内側に凹んだ凹部14Dが設けられており、凹部14Dは、シール要素12の第1の側壁122の一部を収容するように構成されるという点で、図6図10に示される実施形態とは異なる。この設定は、シール要素12と取付部分14との間を強固に固定するのに有利であり、シール要素12が取付部分14から分離するのを防止するのに有利であり、液体注入孔111に対するシール効果を確実にするのにさらに有利である。
【0108】
図13に示されるように、本実施形態では、取付部分14の上部は、下部に対して半径方向に外向きに突出する環状フランジ14Cと共に形成され、内向きに凹みが形成された前述の凹部14Dは、環状フランジ14Cの底面とカバープレート本体11の上面との間に形成され、凹部14Dは環状である。
【0109】
本実施形態では、シール要素12の第1の側壁122及び固定要素13の第2の側壁132は両方とも、組立て前に円筒形である。組立て中に、シール要素12は、最初に取付部分14の上部にスリーブが付けられ、次に固定要素13は、シール要素12の外側にスリーブが付けられ、次に固定要素13の第2の側壁132の底部は、凹部14Dに向けて押し付けられる。第2の側壁132を恒久的に変形して、シール要素12の第1の側壁122が凹部14Dの壁面に押し付けられ、それによりシール要素12と固定要素13との両方を取付部分14に固定する。
【0110】
本実施形態の上部カバーアセンブリ10を含むバッテリを製造するプロセスにおいて、最初の充填中に、電解液は、液体注入孔111を通してバッテリの収容キャビティに充填される。電解液を充填した後に、シール要素12及び固定要素13は、取付部分14で順次スリーブ化され、閉鎖装置が、固定要素13の第2の側壁132の下部の外周面に作用力を及ぼすために使用され、それによって、固定要素13は徐々に収縮する。固定要素13の第2の側壁132の下部は、シール要素12の第1の側壁122の下部を圧縮し、それによって、第1の側壁122の下部は、取付部分14の凹部14Dに当接して押し付けられる。固定要素13の第2の側壁132の下部の内向き収縮プロセス中に、固定要素13は、全体として下向きに並進及び変形し、取付部分14の上面と固定要素13の第2の上部壁131との間のスペースが縮小され、固定要素13の第2の上部壁131は、シール要素12の第1の上部壁121を圧縮(圧迫)し、それにより、シール要素12の第1の上部壁121と固定要素13との間の第2のシールインターフェースのシール性能を強化する。図13に示されるように、組み立てが完了した後に、固定要素13の第2の側壁132の底部は、内側に凹んだ凹部13Cを形成する。
【0111】
バッテリを再充填するときに、工具を使用して固定要素13を取り外し、取付部分14を変形から保護し、シール要素12を取り外して液体注入孔111を露出させてバッテリを再充填する。再充填が完了した後に、新しいシール要素12及び固定要素13は、液体注入孔111を再シールするために組み付けられ、バッテリを使用状態に戻すことができる。
【0112】
本実施形態では、凹部14Dの構造、及び固定要素と取付部分14との間の接続方法は、シール要素12及び固定要素13が、電極アセンブリの振動、衝撃等により取付部分14から分離しないことを確実にするために有利であり、それにより、液体注入孔111に対するシール性能を確実するのに有利である。
【0113】
いくつかの実施形態では、シール要素12及び固定要素13は、単一の本体としては見えないが、組合せ要素を形成し得る。例えば、シール要素12は、コーティングの形で固定要素13の内側に取り付けられ、それによって、シール要素12及び固定要素13は、組合せ要素を形成する。コーティングの厚さは、例えば、0.1mm~0.4mmであり得る。液体注入孔111がシールされると、組合せ要素が取付部分14に組み付けられ、次に、組合せ要素が閉じられてシールされる。組み合わせる要素におけるシール要素12及び固定要素13の嵌合度合いはより高く、これは、組み立てプロセス中に、シール要素12と固定要素13との間に存在し得るエアギャップによって引き起こされる接続の強固さの低下の問題を軽減するのに有利である。同時に、シール要素12及び固定要素13を組合せ要素に形成することにより、部品の数を減らし、組立てをより簡素でより信頼できるものにすることができる。
【0114】
図に示されていない実施形態では、凹部は、複数の切欠きも含むことができる。
【0115】
図13に示される実施形態に示されていない部分については、前述の実施形態の関連する内容を参照されたい。
【0116】
図14及び図15は、図6図10に示される実施形態の上部カバーアセンブリ10の代替の実施形態を示す。図14及び図15に示されるように、本実施形態は、カバープレート本体11には溝が設けられ、溝がシール要素12の少なくとも一部を収容するように構成され、取付部分14が溝の底壁と接続されるという点で、主に図6図10に示される実施形態とは異なる。
【0117】
カバープレート本体11に溝を設定することは、取付部分14及びシール要素12が上向きに占めるカバープレート本体11の上面の上のスペースを低減するのに有利であり、また、外力がシール要素12と取付部分14との間の接続の強固さに影響を与えるのを防止するのに有利であり、それにより、シール要素12が取付部分14から分離するのを防止するのに有利であり、さらに、液体注入孔111に対するシール効果を確実にするのに有利である。
【0118】
図14に示されるように、本実施形態では、取付部分14は、カバープレート本体11の溝内に配置される。取付部分14の外周面及びカバープレート本体11の溝の側壁は、環状キャビティ11Aを形成し、シール要素12の第1の側壁122及び固定要素13の第2の側壁132は、環状キャビティ11A内に配置される。ここで、固定要素13の第2の側壁132は、カバープレート本体11の溝の側壁に固定して接続される。
【0119】
図14に示されるように、本実施形態では、固定要素13の第2の側壁132の外周面には雄ねじが設けられ、カバープレート本体11の溝の側壁には雄ねじと協働する雌ねじが設けられる。固定要素13及びカバープレート本体11を組み付けるときに、固定要素13をカバープレート本体11の溝にねじ込む必要がある。
【0120】
図14及び図15に示されるように、固定要素13をねじ込むために、固定要素13には、ねじ込み工具と協働するためのクランプ部分がさらに設けられる。本実施形態では、クランプ部分は、第2の上部壁131と第2の側壁132との間の接続部に配置された複数の切欠き13Dを含む。
【0121】
図に示されていない、いくつかの実施形態では、固定要素13とカバー本体11との間の固定接続は、固定要素13の第2の側壁132とカバープレート本体11の溝の側壁との間の締り嵌めによって実現することができる。このとき、固定要素13の前述のクランプ部分は不要である。
【0122】
図14及び図15に示される実施形態に示されていない部分については、前述の実施形態の関連する内容を参照されたい。
【0123】
最後に、上記の実施形態は、本開示の技術的解決策を限定するのではなく、単に説明するために使用されることに留意されたい。本開示について、好ましい実施形態を参照して詳細に説明してきたが、当業者は、本開示の特定の実施態様が依然として変更可能であるか、又はいくつかの技術的特徴を同等に置換することができ、そのような変更又は同等の置換が全て、本開示で特許請求の範囲に記載される技術的解決策の範囲内にあるものとすることを理解すべきである。
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