(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】鞍乗型車両の制御装置、ライダー支援システム、及び、鞍乗型車両の制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241125BHJP
B60W 50/14 20200101ALI20241125BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20241125BHJP
B62J 50/20 20200101ALI20241125BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W50/14
B62J45/00
B62J50/20
(21)【出願番号】P 2022531095
(86)(22)【出願日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 IB2021055154
(87)【国際公開番号】W WO2021260480
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】P 2020110092
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】イェルール アシュウィン
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/239402(WO,A1)
【文献】特開2017-039487(JP,A)
【文献】国際公開第2020/041188(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
B62J 50/20
B62J 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの周囲環境検出装置(11)が搭載された鞍乗型車両(100)の制御装置(20)であって、
前記鞍乗型車両(100)のライダーを支援するライダー支援動作を実行する実行部(23)を備えており、
更に、
前記周囲環境検出装置(11)の出力に基づいて、前記鞍乗型車両(100)の周囲環境情報を取得する取得部(21)と、
前記取得部(21)で取得された前記周囲環境情報に基づいて、前記鞍乗型車両(100)の
走行状態が車列間すり抜け走行
であるか否かを
判別する解析部(22)と、
を備えており、
前記実行部(23)は、前記解析部(22)での
前記鞍乗型車両(100)の走行状態が前記車列間すり抜け走行
であるか否かの
判別結果に応じた前記ライダー支援動作を実行
し、
前記取得部(21)は、
前記周囲環境情報として、
前記鞍乗型車両(100)の走行ライン(DL)の左方に位置する車列である左方車列(200)に属する車両である、少なくとも1つの左方車列車両(201)の該鞍乗型車両(100)に対する相対速度を示す情報である左方相対速度情報と、
複数の前記左方車列車両(201)の密集度を示す情報である左方密集度情報と、
前記鞍乗型車両(100)の前記走行ライン(DL)の右方に位置する車列である右方車列(300)に属する車両である、少なくとも1つの右方車列車両(301)の該鞍乗型車両(100)に対する相対速度を示す情報である右方相対速度情報と、
複数の前記右方車列車両(301)の密集度を示す情報である右方密集度情報と、
を取得し、
前記解析部(22)は、前記取得部(21)で取得された前記左方相対速度情報が基準を下回る相対速度を示す情報であり、前記取得部(21)で取得された前記左方密集度情報が基準を上回る密集度を示す情報であり、前記取得部(21)で取得された前記右方相対速度情報が基準を下回る相対速度を示す情報であり、且つ、前記取得部(21)で取得された前記右方密集度情報が基準を上回る密集度を示す情報である場合に、前記鞍乗型車両(100)の走行状態が車列間すり抜け走行であると判別する、
制御装置(20)。
【請求項2】
前記取得部(21)は、前記周囲環境情報として、前記鞍乗型車両(100)の前方の周囲環境情報を取得する、
請求項1に記載の制御装置(20)。
【請求項3】
前記取得部(21)は、前記鞍乗型車両(100)の周辺に位置する車両のうちから該鞍乗型車両(100)に対する相対距離が基準値を下回る車両を前記左方車列車両(201)又は前記右方車列車両(301)として選別する、
請求項
1又は2に記載の制御装置(20)。
【請求項4】
前記実行部(23)は、前記解析部(22)での
前記鞍乗型車両(100)の走行状態が前記車列間すり抜け走行
であるか否かの
判別結果に応じて、前記ライダー支援動作として実行される、前記鞍乗型車両(100)のクルーズコントロール動作又はアダプティブクルーズコントロール動作を変化させる、
請求項1~
3の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項5】
前記実行部(23)は、前記解析部(22)での
前記鞍乗型車両(100)の走行状態が前記車列間すり抜け走行
であるか否かの
判別結果に応じて、前記ライダー支援動作として実行される、前記鞍乗型車両(100)の衝突抑制動作を変化させる、
請求項1~
4の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項6】
前記実行部(23)は、前記解析部(22)での
前記鞍乗型車両(100)の走行状態が前記車列間すり抜け走行
であるか否かの
判別結果に応じて、前記ライダー支援動作として実行される、前記鞍乗型車両(100)の死角走行車両警告動作を変化させる、
請求項1~
5の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項7】
前記実行部(23)は、前記解析部(22)での
前記鞍乗型車両(100)の走行状態が前記車列間すり抜け走行
であるか否かの
判別結果に応じて、前記ライダー支援動作として実行される、前記鞍乗型車両(100)の追い越し走行補助動作を変化させる、
請求項1~
6の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項8】
前記実行部(23)は、前記解析部(22)での
前記鞍乗型車両(100)の走行状態が前記車列間すり抜け走行
であるか否かの
判別結果に応じて、前記鞍乗型車両(100)の速度又は速度勾配を変化させる前記ライダー支援動作を実行する、
請求項1~
7の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項9】
前記実行部(23)は、前記解析部(22)での
前記鞍乗型車両(100)の走行状態が前記車列間すり抜け走行
であるか否かの
判別結果に応じて、前記鞍乗型車両(100)の表示灯装置の動作を変化させる前記ライダー支援動作を実行する、
請求項1~
8の何れか一項に記載の制御装置(20)。
【請求項10】
ライダー支援システム(1)であって、
請求項1~
9の何れか一項に記載の制御装置(20)を備えている、
ライダー支援システム(1)。
【請求項11】
少なくとも1つの周囲環境検出装置(11)が搭載された鞍乗型車両(100)の制御方法であって、
制御装置(20)の実行部(23)が、前記鞍乗型車両(100)のライダーを支援するライダー支援動作を実行する実行ステップ(S103)を備えており、
更に、
前記制御装置(20)の取得部(21)が、前記周囲環境検出装置(11)の出力に基づいて、前記鞍乗型車両(100)の周囲環境情報を取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(20)の解析部(22)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記周囲環境情報に基づいて、前記鞍乗型車両(100)の
走行状態が車列間すり抜け走行
であるか否かを
判別する解析ステップ(S102)と、
を備えており、
前記実行ステップ(S103)では、前記実行部(23)が、前記解析ステップ(S102)での
前記鞍乗型車両(100)の走行状態が前記車列間すり抜け走行
であるか否かの
判別結果に応じた前記ライダー支援動作を実行
し、
前記取得ステップ(S101)では、前記取得部(21)が、
前記周囲環境情報として、
前記鞍乗型車両(100)の走行ライン(DL)の左方に位置する車列である左方車列(200)に属する車両である、少なくとも1つの左方車列車両(201)の該鞍乗型車両(100)に対する相対速度を示す情報である左方相対速度情報と、
複数の前記左方車列車両(201)の密集度を示す情報である左方密集度情報と、
前記鞍乗型車両(100)の前記走行ライン(DL)の右方に位置する車列である右方車列(300)に属する車両である、少なくとも1つの右方車列車両(301)の該鞍乗型車両(100)に対する相対速度を示す情報である右方相対速度情報と、
複数の前記右方車列車両(301)の密集度を示す情報である右方密集度情報と、
を取得し、
前記解析ステップ(S102)では、前記解析部(22)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記左方相対速度情報が基準を下回る相対速度を示す情報であり、前記取得ステップ(S101)で取得された前記左方密集度情報が基準を上回る密集度を示す情報であり、前記取得ステップ(S101)で取得された前記右方相対速度情報が基準を下回る相対速度を示す情報であり、且つ、前記取得ステップ(S101)で取得された前記右方密集度情報が基準を上回る密集度を示す情報である場合に、前記鞍乗型車両(100)の走行状態が車列間すり抜け走行であると判別する、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの周囲環境検出装置が搭載された鞍乗型車両の制御装置と、その制御装置を備えているライダー支援システムと、少なくとも1つの周囲環境検出装置が搭載された鞍乗型車両の制御方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の鞍乗型車両として、その鞍乗型車両のライダーを支援するライダー支援システムが搭載されたものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鞍乗型車両は、他の車両(例えば、乗用車、トラック等)と比較して格段小型である。そのため、鞍乗型車両は、他の車両では想定されない特殊な走行が可能である。一方、従来の鞍乗型車両に搭載されているライダー支援システムでは、鞍乗型車両の走行の特殊性に適切に対応することが困難となる場合が生じ得る。
【0005】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、鞍乗型車両の走行の特殊性に対応し得る制御装置を得るものである。また、そのような制御装置を備えているライダー支援システムを得るものである。また、鞍乗型車両の走行の特殊性に対応し得る制御方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御装置は、少なくとも1つの周囲環境検出装置が搭載された鞍乗型車両の制御装置であって、前記鞍乗型車両のライダーを支援するライダー支援動作を実行する実行部を備えており、更に、前記周囲環境検出装置の出力に基づいて、前記鞍乗型車両の周囲環境情報を取得する取得部と、前記取得部で取得された前記周囲環境情報に基づいて、前記鞍乗型車両の車列間すり抜け走行の有無を解析する解析部と、を備えており、前記実行部は、前記解析部での前記車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じた前記ライダー支援動作を実行する。
【0007】
本発明に係るライダー支援システムは、上述の制御装置を備えているものである。
【0008】
本発明に係る制御方法は、少なくとも1つの周囲環境検出装置が搭載された鞍乗型車両の制御方法であって、制御装置の実行部が、前記鞍乗型車両のライダーを支援するライダー支援動作を実行する実行ステップを備えており、更に、前記制御装置の取得部が、前記周囲環境検出装置の出力に基づいて、前記鞍乗型車両の周囲環境情報を取得する取得ステップと、前記制御装置の解析部が、前記取得ステップで取得された前記周囲環境情報に基づいて、前記鞍乗型車両の車列間すり抜け走行の有無を解析する解析ステップと、を備えており、前記実行ステップでは、前記実行部が、前記解析ステップでの前記車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じた前記ライダー支援動作を実行する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る制御装置、ライダー支援システム、及び、制御方法では、少なくとも1つの周囲環境検出装置の出力に基づいて、鞍乗型車両の周囲環境情報が取得され、その周囲環境情報に基づいて鞍乗型車両の車列間すり抜け走行の有無が解析され、その解析結果に応じたライダー支援動作が実行される。そのため、鞍乗型車両の走行の特殊性に適切に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、鞍乗型車両への搭載状態を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、システム構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、鞍乗型車両が車列間すり抜け走行を行う状況下での周囲環境検出装置の検出状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、制御装置の動作フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明に係る制御装置、ライダー支援システム、及び、制御方法について、図面を用いて説明する。
【0012】
なお、以下で説明する構成、動作等は、一例であり、本発明に係る制御装置、ライダー支援システム、及び、制御方法は、そのような構成、動作等である場合に限定されない。
【0013】
例えば、以下では、本発明に係るライダー支援システムが、自動二輪車に用いられる場合を説明しているが、本発明に係るライダー支援システムが、自動二輪車以外の他の鞍乗型車両に用いられてもよい。鞍乗型車両は、例えば、モータサイクル(自動二輪車、自動三輪車)、バギー、自転車等である。モータサイクルには、エンジンを推進源とする車両、電気モータを推進源とする車両等が含まれ、例えば、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。また、自転車は、ペダルに付与されるライダーの踏力によって路上を推進することが可能な乗物全般を意味する。自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。
【0014】
また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、各図において、同一の又は類似する部分については、同一の符号を付すか又は符号を付すことを省略している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0015】
実施の形態.
以下に、実施の形態に係るライダー支援システムを説明する。
【0016】
<ライダー支援システムの構成>
実施の形態に係るライダー支援システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、鞍乗型車両への搭載状態を示す図である。
図2は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、システム構成を示す図である。
図3は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、鞍乗型車両が車列間すり抜け走行を行う状況下での周囲環境検出装置の検出状態を示す図である。
【0017】
図1~
図3に示されるように、ライダー支援システム1は、鞍乗型車両100に搭載される。ライダー支援システム1は、鞍乗型車両100の周囲環境情報を検出するための周囲環境検出装置11と、鞍乗型車両100の走行状態情報を検出するための走行状態検出装置12と、制御装置(ECU)20と、を含む。
【0018】
ライダー支援システム1は、必要に応じて、周囲環境検出装置11の出力に基づいて取得される周囲環境情報を用いて、鞍乗型車両100のライダーを支援するためのライダー支援動作を実行する。制御装置20には、必要に応じて、他の情報(例えば、ライダーによるブレーキ操作状態の情報、ライダーによるアクセル操作状態の情報等)を出力するための各種検出装置(図示省略)の検出結果も入力される。ライダー支援システム1の各部は、ライダー支援システム1に専ら用いられるものであってもよく、また、他のシステムと共用されるものであってもよい。
【0019】
周囲環境検出装置11は、例えば、レーダー、Lidarセンサ、超音波センサ、カメラ等である。周囲環境検出装置11は、1つであってもよく、また、複数であってもよい。周囲環境検出装置11が1つである場合には、その周囲環境検出装置11が、鞍乗型車両100の前部に設けられ、その検出範囲Rが鞍乗型車両100の走行ラインDL上の前方に向けられているとよい。なお、周囲環境検出装置11が、鞍乗型車両100の後部に設けられ、その検出範囲Rが鞍乗型車両100の走行ラインDL上の後方に向けられていてもよい。また、周囲環境検出装置11が複数である場合には、それらの周囲環境検出装置11が、鞍乗型車両100の前部、側部、又は後部に設けられ、それらの検出範囲Rのうちの1つが、鞍乗型車両100の走行ラインDLの左方に向けられており、それらの検出範囲Rのうちの他の1つが、鞍乗型車両100の走行ラインDLの右方に向けられているとよい。更に、後述される車列間すり抜け走行の有無の解析に寄与しない他の周囲環境検出装置11が設けられていてもよい。なお、走行ラインDLは、鞍乗型車両100の過去又は未来の走行軌跡である。
【0020】
走行状態検出装置12は、車速センサと、慣性センサ(IMU)と、を含む。車速センサは、鞍乗型車両100に生じている車速を検出する。慣性センサは、鞍乗型車両100に生じている3軸の加速度及び3軸(ロール、ピッチ、ヨー)の角速度を検出する。走行状態検出装置12が、鞍乗型車両100に生じている車速と、鞍乗型車両100に生じている3軸の加速度及び3軸の角速度と、に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。また、慣性センサが、3軸の加速度及び3軸の角速度の一部のみを検出するものであってもよい。また、必要に応じて、車速センサ及び慣性センサの少なくとも一方が省略されてもよく、また、他のセンサが追加されてもよい。
【0021】
制御装置20は、少なくとも、取得部21と、解析部22と、実行部23と、を含む。制御装置20の各部は、1つの筐体に纏めて設けられていてもよく、また、複数の筐体に分けられて設けられていてもよい。また、制御装置20の一部又は全ては、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されてもよく、また、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
【0022】
図3に示されるように、鞍乗型車両100が左方車列200と右方車列300の間をすり抜ける車列間すり抜け走行を行う状況下で、取得部21は、周囲環境検出装置11の出力に基づいて、鞍乗型車両100の周囲環境情報を取得する。
【0023】
具体的には、取得部21は、周囲環境検出装置11の出力に基づいて、鞍乗型車両100の走行ラインDLの左方(つまり、
図3の例のレーンL2)に位置する車列である左方車列200に属する車両である、左方車列車両201の鞍乗型車両100に対する相対速度を示す情報である左方相対速度情報を取得する。その左方車列車両201は、鞍乗型車両100に対する相対距離が最も近い車両であるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。また、左方相対速度情報が、2以上の左方車列車両201の鞍乗型車両100に対する平均的な相対速度を示す情報であってもよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。鞍乗型車両100の走行ラインDLの左方に位置する車両のうちから鞍乗型車両100に対する相対距離が基準値を下回る車両が左方車列車両201として選別されるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。また、左方相対速度情報は、鞍乗型車両100の左前方に位置する車両に対する情報であるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の将来予測に基づいて、より適切なライダー支援動作を実行することが可能となる。なお、左方相対速度情報は、鞍乗型車両100の左側方又は左後方に位置する車両に対する情報であってもよい。そのような場合であっても、適切なライダー支援動作を実行することが可能である。左方相対速度情報は、鞍乗型車両100の走行ラインDLに平行な方向での速度差であってもよく、また、車間距離の微分値であってもよく、また、それらに実質的に換算可能な他の物理量であってもよい。左方相対速度情報が、鞍乗型車両100の走行ラインDLに平行な方向での速度差、又は、それに実質的に換算可能な他の物理量である場合には、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。
【0024】
また、取得部21は、周囲環境検出装置11の出力に基づいて、複数の左方車列車両201の密集度を示す情報である左方密集度情報を取得する。鞍乗型車両100の走行ラインDLの左方に位置する車両のうちから鞍乗型車両100に対する相対距離が基準値を下回る車両が左方車列車両201として選別されるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。また、左方密集度情報は、鞍乗型車両100の左前方に位置する車両に対する情報であるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の将来予測に基づいて、より適切なライダー支援動作を実行することが可能となる。なお、左方密集度情報は、鞍乗型車両100の左側方又は左後方に位置する車両に対する情報であってもよい。そのような場合であっても、適切なライダー支援動作を実行することが可能である。左方密集度情報は、2つの左方車列車両201間の車間距離の逆数であってもよく、また、3以上の左方車列車両201間の車間距離の逆数の平均値であってもよく、また、所定領域内に位置する左方車列車両201の台数であってもよく、また、鞍乗型車両100による追い越しの時間間隔であってもよく、また、それらに実質的に換算可能な他の物理量であってもよい。
【0025】
また、取得部21は、周囲環境検出装置11の出力に基づいて、鞍乗型車両100の走行ラインDLの右方(つまり、
図3の例のレーンL1)に位置する車列である右方車列300に属する車両である、右方車列車両301の鞍乗型車両100に対する相対速度を示す情報である右方相対速度情報を取得する。その右方車列車両301は、鞍乗型車両100に対する相対距離が最も近い車両であるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。また、右方相対速度情報が、2以上の右方車列車両301の鞍乗型車両100に対する平均的な相対速度を示す情報であってもよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。鞍乗型車両100の走行ラインDLの右方に位置する車両のうちから鞍乗型車両100に対する相対距離が基準値を下回る車両が右方車列車両301として選別されるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。また、右方相対速度情報は、鞍乗型車両100の右前方に位置する車両に対する情報であるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の将来予測に基づいて、より適切なライダー支援動作を実行することが可能となる。なお、右方相対速度情報は、鞍乗型車両100の右側方又は右後方に位置する車両に対する情報であってもよい。そのような場合であっても、適切なライダー支援動作を実行することが可能である。右方相対速度情報は、鞍乗型車両100の走行ラインDLに平行な方向での速度差であってもよく、また、車間距離の微分値であってもよく、また、それらに実質的に換算可能な他の物理量であってもよい。右方相対速度情報が、鞍乗型車両100の走行ラインDLに平行な方向での速度差、又は、それに実質的に換算可能な他の物理量である場合には、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。
【0026】
また、取得部21は、周囲環境検出装置11の出力に基づいて、複数の右方車列車両301の密集度を示す情報である右方密集度情報を取得する。鞍乗型車両100の走行ラインDLの右方に位置する車両のうちから鞍乗型車両100に対する相対距離が基準値を下回る車両が右方車列車両301として選別されるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の有無の解析の精度が向上する。また、右方密集度情報は、鞍乗型車両100の右前方に位置する車両に対する情報であるとよい。そのように構成されることで、車列間すり抜け走行の将来予測に基づいて、より適切なライダー支援動作を実行することが可能となる。なお、右方密集度情報は、鞍乗型車両100の右側方又は右後方に位置する車両に対する情報であってもよい。そのような場合であっても、適切なライダー支援動作を実行することが可能である。右方密集度情報は、2つの右方車列車両301間の車間距離の逆数であってもよく、また、3以上の右方車列車両301間の車間距離の逆数の平均値であってもよく、また、所定領域内に位置する右方車列車両301の台数であってもよく、また、鞍乗型車両100による追い越しの時間間隔であってもよく、また、それらに実質的に換算可能な他の物理量であってもよい。
【0027】
解析部22は、取得部21で取得された周囲環境情報に基づいて、鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行の有無を解析する。
【0028】
具体的には、解析部22は、左方相対速度情報が基準を下回る相対速度を示す情報であり、左方密集度情報が基準を上回る密集度を示す情報であり、右方相対速度情報が基準を下回る相対速度を示す情報であり、且つ、右方密集度情報が基準を上回る密集度を示す情報である場合に、鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行が有ると判別する。
【0029】
実行部23は、解析部22での車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じたライダー支援動作を実行する。
【0030】
一例として、実行部23は、ライダー支援動作として、鞍乗型車両100のクルーズコントロール動作又はアダプティブクルーズコントロール動作を実行する。クルーズコントロール動作では、ライダーによって設定された目標速度で鞍乗型車両100が走行するように、挙動制御装置30が各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)を制御する。アダプティブクルーズコントロール動作では、そのような制御に加えて、先行車との車間の維持が図られる。つまり、アダプティブクルーズコントロール動作では、先行車が居ない場合には、ライダーによって設定された目標速度で鞍乗型車両100が走行するように、挙動制御装置30が各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)を制御し、先行車が居る場合には、その目標速度以下であって、且つ、先行車との車間の維持を目指す速度で鞍乗型車両100が走行するように、挙動制御装置30が各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)を制御する。実行部23は、各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)にクルーズコントロール動作又はアダプティブクルーズコントロール動作を実行させるための制御指令を、挙動制御装置30に出力する。アダプティブクルーズコントロール動作において、実行部23は、周囲環境検出装置11の出力に基づいて、先行車の走行状態(例えば、鞍乗型車両100に対する相対距離、相対速度、相対加速度等)を取得して、目標速度を設定する。また、先行車との車間は、ライダーによって調整が可能である。実行部23は、クルーズコントロール動作又はアダプティブクルーズコントロール動作の実行中に、解析部22で鞍乗型車両100の走行状態が車列間すり抜け走行(
図3参照)であると判別されると、その判別に応じたライダー支援動作を実行する。実行部23は、例えば、クルーズコントロール動作又はアダプティブクルーズコントロール動作を強制的に解除又は中断する。また、実行部23は、例えば、クルーズコントロール動作又はアダプティブクルーズコントロール動作での目標速度を強制的に所定量だけ又は所定値に低下させる。
【0031】
一例として、実行部23は、ライダー支援動作として、鞍乗型車両100の前方衝突抑制動作を実行する。前方衝突抑制動作が有効化されると、鞍乗型車両100の前方に位置する対象(例えば、車両、人、動物、障害物、落下物等)に対する衝突可能性が判定され、衝突可能性が基準を上回る場合に警告装置40が警告を発する。警告装置40は、音によって警告を発するものであってもよく、また、表示又は点灯によって警告を発するものであってもよく、また、振動によって警告を発するものであってもよく、また、それらの組み合わせであってもよい。警告装置40は、各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)を制御して鞍乗型車両100に瞬時的に減速又は加速を生じさせることで、警告としての振動を発してもよい。前方衝突抑制動作において、鞍乗型車両100が自動で衝突を回避するように、挙動制御装置30が各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)を制御してもよい。実行部23は、周囲環境検出装置11の出力に基づいて、前方に位置する対象の情報(例えば、鞍乗型車両100に対する相対距離、相対速度、相対加速度等)を取得して、衝突可能性を判定する。なお、警告装置40は、鞍乗型車両100に設けられていてもよく、また、鞍乗型車両100に付随する備品(例えば、ヘルメット、グローブ等)に設けられていてもよく、また、他の車両の運転者に警告を発するものであってもよく、また、他の車両又は他の車両に付随する備品の警告装置に制御指令を出力するものであってもよい。実行部23は、前方衝突抑制動作が有効化されている状況下で、解析部22で鞍乗型車両100の走行状態が車列間すり抜け走行(
図3参照)であると判別されると、その判別に応じたライダー支援動作を実行する。実行部23は、例えば、前方衝突抑制動作による警告を強制的に禁止又は弱める。また、実行部23は、例えば、警告又は回避のために鞍乗型車両100に減速度が生じることを強制的に禁止する。また、実行部23は、例えば、警告又は回避のために鞍乗型車両100に生じる減速度の上限値を強制的に低下させる。なお、実行部23が解析部22での判別結果に応じて変化させるライダー支援動作が、鞍乗型車両100の後方又は側方に位置する対象(例えば、車両、落下物等)に対する衝突抑制動作であってもよい。そのような衝突抑制動作においても、実行部23が、前方衝突抑制動作の場合と同様に動作するとよい。
【0032】
一例として、実行部23は、ライダー支援動作として、鞍乗型車両100の死角走行車両警告動作を実行する。死角走行車両警告動作が有効化されると、鞍乗型車両100の斜め後方に位置する車両の有無が判定され、そのような車両が有る場合に警告装置40が警告を発する。警告装置40は、音によって警告を発するものであってもよく、また、表示又は点灯によって警告を発するものであってもよく、また、振動によって警告を発するものであってもよく、また、それらの組み合わせであってもよい。警告装置40は、各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)を制御して鞍乗型車両100に瞬時的に減速又は加速を生じさせることで、警告としての振動を発してもよい。実行部23は、周囲環境検出装置11の出力に基づいて、鞍乗型車両100の斜め後方に位置する車両の有無を判定する。実行部23は、死角走行車両警告動作が有効化されている状況下で、解析部22で鞍乗型車両100の走行状態が車列間すり抜け走行(
図3参照)であると判別されると、その判別に応じたライダー支援動作を実行する。実行部23は、例えば、死角走行車両警告動作による警告を強制的に禁止又は弱める。また、実行部23は、例えば、警告のために鞍乗型車両100に減速度が生じることを強制的に禁止する。また、実行部23は、例えば、警告のために鞍乗型車両100に生じる減速度の上限値を強制的に低下させる。
【0033】
一例として、実行部23は、ライダー支援動作として、鞍乗型車両100の追い越し走行補助動作を実行する。追い越し走行補助動作が有効化されると、ライダーによる追い越し走行の意思の有無が判定され、そのような意思が有る場合に、鞍乗型車両100の加速度が所定量だけ増加するように、挙動制御装置30が各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)を制御する。実行部23は、各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)に追い越し走行補助動作を実行させるための制御指令を、挙動制御装置30に出力する。実行部23は、追い越し走行補助動作が有効化されている状況下で、解析部22で鞍乗型車両100の走行状態が車列間すり抜け走行(
図3参照)であると判別されると、その判別に応じたライダー支援動作を実行する。実行部23は、例えば、追い越し走行補助動作による加速度の増加を強制的に禁止する。また、実行部23は、例えば、加速度の増加を強制的に所定量だけ又は所定値に低下させる。
【0034】
一例として、実行部23は、解析部22で鞍乗型車両100の走行状態が車列間すり抜け走行(
図3参照)であると判別されると、鞍乗型車両100の速度又は速度勾配を変化させるライダー支援動作を実行する。実行部23は、各種機構(例えば、ブレーキ、エンジン等)に速度又は速度勾配を変化させるための制御指令を、挙動制御装置30に出力する。例えば、実行部23は、鞍乗型車両100に生じる速度を強制的に所定量だけ又は所定値に低下させる。また、例えば、実行部23は、鞍乗型車両100に生じる加速度を強制的に所定量だけ又は所定値に低下させる。また、例えば、実行部23は、鞍乗型車両100に生じる減速度を強制的に所定量だけ又は所定値に増加させる。なお、速度勾配とは、加速度と減速度の両方を含む概念である。
【0035】
一例として、実行部23は、解析部22で鞍乗型車両100の走行状態が車列間すり抜け走行(
図3参照)であると判別されると、鞍乗型車両100の表示灯装置50の動作を変化させるライダー支援動作を実行する。実行部23は、表示灯装置50に制御指令を出力する。例えば、実行部23は、表示灯装置50としてのヘッドライトの点灯又は点滅を開始する。また、例えば、実行部23は、表示灯装置50としてのヘッドライトの照射をハイビームに変更する。また、例えば、実行部23は、表示灯装置50としての左右両側ウィンカーの点滅又は点灯を開始する。その際、鞍乗型車両100の前部に設けられている左右両側ウィンカーのみが点滅又は点灯されてもよく、また、それらに加えて、鞍乗型車両100の後部に設けられている左右両側ウィンカーが点滅又は点灯されてもよい。
【0036】
<ライダー支援システムの動作>
実施の形態に係るライダー支援システムの動作について説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、制御装置の動作フローを示す図である。なお、各ステップの順序が適宜入れ替えられていてもよく、また、別のステップが適宜加えられていてもよい。
【0037】
制御装置20は、鞍乗型車両100の走行中において、
図4に示される動作フローを繰り返し実行する。
【0038】
(取得ステップ)
ステップS101において、取得部21は、周囲環境検出装置11の出力に基づいて、鞍乗型車両100の周囲環境情報を取得する。
【0039】
(解析ステップ)
続いて、ステップS102において、解析部22は、ステップS101で取得された周囲環境情報に基づいて、鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行の有無を解析する。
【0040】
(実行ステップ)
続いて、ステップS103において、実行部23は、ステップS102での車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じたライダー支援動作を実行する。
【0041】
<ライダー支援システムの効果>
実施の形態に係るライダー支援システムの効果について説明する。
【0042】
ライダー支援システム1では、少なくとも1つの周囲環境検出装置11の出力に基づいて、鞍乗型車両100の周囲環境情報が取得され、その周囲環境情報に基づいて鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行の有無が解析され、その解析結果に応じたライダー支援動作が実行される。そのため、鞍乗型車両100の走行の特殊性に適切に対応することが可能となる。
【0043】
好ましくは、取得部21は、周囲環境情報として、鞍乗型車両100の前方の周囲環境情報を取得する。そのように構成されることで、鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行の将来予測に基づいて、より適切なライダー支援動作を実行することが可能となる。
【0044】
好ましくは、取得部21は、周囲環境情報として、少なくとも1つの左方車列車両201の鞍乗型車両100に対する相対速度を示す情報である左方相対速度情報と、複数の左方車列車両201の密集度を示す情報である左方密集度情報と、少なくとも1つの右方車列車両301の鞍乗型車両100に対する相対速度を示す情報である右方相対速度情報と、複数の右方車列車両301の密集度を示す情報である右方密集度情報と、を取得する。そのように構成されることで、鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行の解析が正確化される。特に、取得部21は、鞍乗型車両100の周辺に位置する車両のうちから鞍乗型車両100に対する相対距離が基準値を下回る車両を左方車列車両201又は右方車列車両301として選別するとよい。そのように構成されることで、鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行の解析がより正確化される。
【0045】
好ましくは、実行部23は、解析部22での車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じて、鞍乗型車両100のクルーズコントロール動作又はアダプティブクルーズコントロール動作を変化させる。また、実行部23は、解析部22での車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じて、鞍乗型車両100の衝突抑制動作を変化させる。また、実行部23は、解析部22での車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じて、鞍乗型車両100の死角走行車両警告動作を変化させる。また、実行部23は、解析部22での車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じて、鞍乗型車両100の追い越し走行補助動作を変化させる。それらの動作では、情報を適切化することの必要性が高い。つまり、鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行の有無を解析することは、それらの動作において特に有用である。
【0046】
好ましくは、実行部23は、解析部22での車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じて、鞍乗型車両100の速度又は速度勾配を変化させるライダー支援動作を実行する。また、実行部23は、解析部22での車列間すり抜け走行の有無の解析結果に応じて、鞍乗型車両100の表示灯装置50の動作を変化させるライダー支援動作を実行する。それらのように構成されることで、鞍乗型車両100の走行の特殊性により適切に対応することが可能となる。
【0047】
本発明の実施の形態は、以上の説明に限定されない。つまり、本発明には、以上で説明された実施の形態に対して変形を施した形態が含まれる。また、本発明には、以上で説明された実施の形態の一部のみが実施される形態、又は、その形態同士が組み合わされた形態が含まれる。
【0048】
例えば、以上では、取得部21が、周囲環境情報として、左方相対速度情報と左方密集度情報と右方相対速度情報と右方密集度情報とを取得する場合を説明しているが、取得部21が、他の情報を取得してもよい。つまり、解析部22が、他の情報に基づいて鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行の有無を解析してもよい。例えば、取得部21が、鞍乗型車両100に対する相対距離が所定値よりも短い複数の左方車列車両201の絶対速度を示す情報と、鞍乗型車両100に対する相対距離が所定値よりも短い複数の右方車列車両301の絶対速度を示す情報と、鞍乗型車両100の走行位置を示す情報と、を取得し、解析部22が、それらの情報に基づいて鞍乗型車両100の車列間すり抜け走行の有無を解析してもよい。その際、左方車列200及び右方車列300における密集度が加味されてもよく、また、加味されなくてもよい。また、法定速度が加味されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 ライダー支援システム、11 周囲環境検出装置、12 走行状態検出装置、20 制御装置、21 取得部、22 解析部、23 実行部、30 挙動制御装置、40 警告装置、50 表示灯装置、100 鞍乗型車両、200、300 車列、201、301 車両、DL 走行ライン、L1、L2 レーン、R 検出範囲。