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特許7592723紡績ユニットの紡績装置にスライバを配置するための方法
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  • 特許-紡績ユニットの紡績装置にスライバを配置するための方法 図1
  • 特許-紡績ユニットの紡績装置にスライバを配置するための方法 図2
  • 特許-紡績ユニットの紡績装置にスライバを配置するための方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】紡績ユニットの紡績装置にスライバを配置するための方法
(51)【国際特許分類】
   D01H 1/20 20060101AFI20241125BHJP
   D01H 1/115 20060101ALI20241125BHJP
   D01H 13/16 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
D01H1/20
D01H1/115 Z
D01H13/16 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022537696
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2020086319
(87)【国際公開番号】W WO2021122669
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-10-13
(31)【優先権主張番号】19217660.0
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521553287
【氏名又は名称】ザウラー インテリジェント テクノロジー エイ・ジー
【氏名又は名称原語表記】Saurer Intelligent Technology AG
【住所又は居所原語表記】Textilstrasse 9, 9320 Arbon, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】カロリーネ ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ-ヨーゼフ ポイカー
(72)【発明者】
【氏名】ディアク シファース
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラセカラン ゼスハヤー
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-243006(JP,A)
【文献】特開2001-146646(JP,A)
【文献】特表2008-540861(JP,A)
【文献】特開2016-223060(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102004047582(DE,A1)
【文献】特開平10-204736(JP,A)
【文献】特開2019-085662(JP,A)
【文献】特開2006-348456(JP,A)
【文献】特開2007-023435(JP,A)
【文献】特開平09-268446(JP,A)
【文献】特表2007-522355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01H 1/20
D01H 1/115
D01H 13/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紡績ユニットの紡績装置(2)にスライバ(3)を配置するための方法であって、前記スライバ(3)から紡績糸を製造するために、複数のローラ対(5,5a,6,6a,7,7a,8,8a)を有するドラフト装置(1)を用いて前記紡績装置(2)に前記スライバ(3)を供給する方法において、
- 閉鎖された前記ドラフト装置(1)の、特に個々に駆動可能な前記ローラ対(5,5a,6,6a,7,7a,8,8a)をそれぞれ、前記スライバ(3)の所定の延伸比率に相応して、前記ドラフト装置(1)の運転速度を下回る導入速度で運転し、
- 次いで、前記スライバ(3)を前記ドラフト装置(1)の入口ローラ対(5,5a)のニップ領域に導入し、
- 次いで、延伸済みの前記スライバ(3)を、前記閉鎖されたドラフト装置(1)を通過して前記ドラフト装置(1)の出口ローラ対(8,8a)のニップ領域から進出した後に前記紡績装置()に案内する
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記スライバ(3)を、前記ドラフト装置(1)を通過した後、空気紡績装置(2)として形成された紡績装置に供給することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記空気紡績装置(2)の吸込み空気流発生装置を、前記空気紡績装置(2)への前記スライバ(3)の配置前または配置中に作動させることを特徴とする、請求項記載の方法。
【請求項4】
前記空気紡績装置(2)を、前記空気紡績装置(2)への前記スライバ(3)の配置前または配置中に開放することを特徴とする、請求項2又は3記載の方法。
【請求項5】
前記ドラフト装置(1)を、前記空気紡績装置(2)への前記スライバ(3)の引渡し後に停止させ、前記空気紡績装置(2)を閉鎖し、前記空気紡績装置(2)の吸込み空気流発生装置を停止させることを特徴とする、請求項4記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紡績ユニットの紡績装置にスライバを配置するための方法であって、スライバから紡績糸を製造するために、紡績装置にスライバを、複数のローラ対を有するドラフト装置を用いて供給する、方法に関する。
【0002】
提供されたスライバを、ドラフト装置を用いて延伸し、次いで、紡績装置によって糸に紡績し、巻取りパッケージに巻き取る紡績ユニットは、様々な構成が従来技術に基づいて公知である。互いに並んで配置されて、多数の紡績ユニットが繊維機械を形成しており、これらの紡績ユニットでは同時に、提供されたスライバから多数の糸が紡績される。
【0003】
紡績プロセスの開始前には、ドラフト装置を通してスライバを案内し、次いで、延伸済みのスライバを紡績装置における開始位置に配置することが必要であり、この開始位置でスライバは、紡績装置によって受け止められ、糸に紡績することができる。前もってドラフト装置にスライバを配置するためには、例えばローラ対の、揺動支持体に配置されたトップローラを、トップローラに割り当てられたボトムローラとの係合外にもたらすことによって、ドラフト装置を開放することが必要である。揺動支持体の旋回によってドラフト装置を開放した後、スライバを所定の形式でドラフト装置内に挿入することが可能である。その後、ドラフト装置の閉鎖位置への揺動支持体の戻り移動が行われ、次いで、この閉鎖位置でドラフト装置は始動させられ、スライバは、ローラ対の、達成すべき延伸比率のために異なる回転数に関連して、所定の形式で延伸される。
【0004】
ドラフト装置を、スライバを配置するために開放するという必要性に基づいて、個々の紡績ユニットにおける停止時間はかなり長くなり、この長い停止時間によって、紡績ユニットの生産性が損なわれる。さらに、ドラフト装置を開放する必要性に基づいて、確実な開閉運動を保証する相応の機械的な構造が必要になる。
【0005】
上述したことから出発して、本発明の根底にある課題は、紡績装置への延伸済みのスライバの簡単なかつ効率のよい配置を可能にする、紡績ユニットを運転するための方法を提供することである。
【0006】
本発明はこの課題を、請求項1の特徴を有する、紡績ユニットの紡績装置にスライバを配置するための方法によって解決する。本発明の有利な発展形態は、従属請求項に記載してある。
【0007】
本発明に係る方法は、
- 閉鎖されたドラフト装置の、特に個々に駆動されるローラ対をそれぞれ、スライバの所定の延伸比率に相応して、ドラフト装置の運転速度を下回る導入速度で運転し、
- 次いで、スライバをドラフト装置の入口ローラ対のニップ領域に導入し、
- 次いで、スライバを、閉鎖されたドラフト装置を通過してドラフト装置の出口ローラ対のニップ領域から進出した後に紡績装置に案内する
ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る方法によれば、従来技術に基づいて公知の方法とは異なり、例えばドラフト装置のローラ対のトップローラがそれぞれのボトムローラから持ち上げられる、ドラフト装置の開放を回避することができる。本発明に係る方法では、ドラフト装置内へのスライバの導入がドラフト装置の閉鎖状態で行われる。そのために、閉鎖されたドラフト装置の停止しているローラ対は、まず、通常の紡績プロセス中のローラ対の運転速度よりも大幅に低い導入速度に調整される。このとき、ローラ対をそれぞれ、スライバの達成すべき延伸比率に相応して、特に個別駆動技術を用いて同期的に低い速度で回転させるという可能性は、スライバを手動でまたは自動化して引込みローラ対のニップ領域に導入し、その後、スライバをコントロールしてドラフト装置を通して案内することを可能にする。より低い導入速度でも、スライバは、ローラ対の設定された回転数差によって達成すべき延伸比率に相応して延伸され、延伸にとって重要であるそれぞれのローラ対の好適な個別駆動は、極めて確実な同期を可能にし、結果として、正確に調整された延伸比率の達成を紡績装置の方向へのスライバ供給中に可能にする。さらに、ローラ対は、特に好ましくは、それぞれのローラ対の速度がその駆動状態を必要に応じて可変に調整することができるように、割り当てられた個別駆動装置を用いて、さらに好ましくは互いに独立して個々に運転可能であり、これによって、例えば何時でも延伸比率への適合を必要に応じて自動化してまたは手動で行うことができる。好適な実施形態によれば、ローラ対のそれぞれのボトムローラが駆動されている。しかしながら、代替的な実施形態では、ローラ対のトップローラの個別駆動装置が設けられていてもよい。
【0009】
出口ローラ対のニップ領域からの延伸済みのスライバの進出後、スライバは紡績装置に供給され、この紡績装置で紡績プロセスを施すことができる。このとき、紡績プロセスの実施の最中、ドラフト装置を再びその運転速度で運転することができ、これによって、紡績プロセスを所定の形式で紡績ユニットにおいて実施することができる。
【0010】
本発明に係る方法は、ドラフト装置の、紡績プロセスを中断する長い開放時間を省くことができる。さらに、ドラフト装置から進出したスライバは、後続の紡績プロセスのために必要な延伸を既に有しているので、紡績プロセスを、ドラフト装置から進出したスライバで直ぐに開始することができる。運転速度を下回る導入速度でドラフト装置を運転するための可能性は、特に、スライバをドラフト装置において正確に方向付けることを可能にする。ニップ領域への配置は、例えばオペレータによって行うことができ、オペレータは、ドラフト装置を通してのスライバの案内および紡績装置への配置も監視する。低い導入速度は、ドラフト装置内への導入プロセスの極めて正確な監視と紡績装置への後続案内とを可能にする。
【0011】
本発明に係る方法は、基本的に、ドラフト装置を有する任意の紡績ユニットにおいて使用することができる。例えば、本発明に係る方法を、リング紡績装置を有する紡績装置で実施することが可能である。しかしながら、本発明の特に好適な構成によれば、スライバを、ドラフト装置を通過した後、空気紡績装置として形成された紡績装置に供給することが特定されている。紡績ユニットの空気紡績装置では、ノズル装置を介して発生させられた圧縮空気流を用いて、外側の自由な繊維端部が、糸形成のためにコア繊維の周りに螺旋状に巻き付けられる。空気紡績装置の上流に位置しているスライバの自由端部は、吸込み空気流を介して空気紡績装置内に吸い込まれる。
【0012】
したがって、本発明に係る方法を空気紡績装置に関連させて有利に使用することは、ドラフト装置の通過後、紡績プロセスをほとんど遅延なしに開始することができ、これによって、紡績ユニットの効率性が補足的に高められる点で優れている。
【0013】
方法の別の構成によれば、空気紡績装置の領域内に吸込み空気を生じさせる吸込み空気流発生装置が、空気紡績装置へのスライバの配置前または配置中に作動させられる。本発明の特に好適な構成によれば、通常、空気紡績装置と協働する圧縮空気源は、さらに好ましくは負圧源も、吸込み空気流発生装置として、ドラフト装置へのスライバの配置前または配置中に作動させられ、これによって、次いで、ドラフト装置から空気紡績装置に供給されたスライバに吸込み空気流が加えられる。この吸込み空気流は、スライバを空気紡績装置内に導入するために、かつ/またはルーズな繊維材料を空気紡績装置の領域から導出させるために使用される。吸込み空気流発生装置は、ルーズな繊維材料によって、空気紡績装置の入口領域もしくは進入領域および紡績ノズルが目詰まりしないことを特に確実に保証している。これによって、空気紡績プロセスを特に確実に障害なしに実施することができる。
【0014】
本発明のこの発展形態は、結果として、公知の空気紡績装置が、通常、既に相応の吸込み空気流発生装置を有しているという事情を利用することができ、このような吸込み空気流発生装置は、発展形態による方法の枠内で、ドラフト装置内へのスライバの導入プロセスに関連して、適切な時点で作動させられ、これによって、存在しているルーズな繊維材料が、確実に吸い出される。代替的にまたは付加的に、上述した吸込み空気流発生装置とは別の吸込み空気流発生装置を、吸込み空気流を発生させるために空気紡績装置の領域に設けることが可能である。その際に重要なことは、空気紡績装置の領域における繊維残留物を排出することができ、かつ/またはドラフト装置から進出したスライバを空気紡績装置に適切に供給することができることである。
【0015】
本発明の別の構成によれば、さらに、空気紡績装置を、空気紡績装置へのスライバの配置前または配置中に開放することが特定されている。公知の空気紡績装置は、通常、少なくとも2つの部材を有している。空気紡績装置の第1の部材は、管路を介して圧縮空気源に接続されたノズルを備えたノズル装置であり、ノズルから流出する空気は、延伸済みのスライバに作用する回転流れを生じさせるために働く。空気紡績装置の第2の部材は、糸形成要素、例えば中空の円錐形の紡績要素を有しており、この円錐形の紡績要素は、ノズル装置と協働して糸を形成し、この糸は、中空の円錐形の紡績要素を通って紡績装置から引き出される。空気紡績装置の開放は、吸込み空気流発生装置の好適に行われる作動に関連して、例えば、ルーズな繊維材料が紡績ノズルの領域に集まらず、紡績プロセスの障害とならず、ルーズな繊維材料が吸込み空気流発生装置を介して排出されることを特に確実に保証する。これにより、本発明のこの構成によって、紡績プロセスを延伸済みのスライバの配置後に障害なしに開始することができ、実施することができることが補足的に保証される。
【0016】
本発明の別の構成によれば、さらに、ドラフト装置を、空気紡績装置へのスライバの引渡し後に停止させ、空気紡績装置を閉鎖し、吸込み空気流発生装置を停止させることが特定されている。供給プロセスの中断は、オペレータの手によってまたは自動化して行うことができる。そのために、例えばスライバ長さまたは時間間隔を決定することができ、このスライバ長さが得られた後または時間間隔が経過した後、ドラフト装置は自動的に停止させられる。
【0017】
本発明のこの構成は、空気紡績装置の入口領域にスライバを配置した後、ドラフト装置を介して導入プロセスを停止させることを特定している。その後、これに続いて有利に行われ、場合によっては空気紡績装置の同様に行われる開放に関連した吸込み後、ルーズな繊維材料による汚染を除去することができ、その後、これに続いて、空気紡績装置を、紡績プロセスのために必要な位置に移動させることができる。その後、次いで、紡績プロセスを開始することができる。このとき、障害は特に有効に回避される。
【0018】
次に図面を参照しながら、本発明の1つの実施例について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】紡績ユニットの紡績装置にスライバを配置するための方法を示すフローチャートである。
図2】空気紡績装置と、この空気紡績装置の上流に配置されたドラフト装置とを概略的に示す図である。
図3図2に示した空気紡績装置の開放状態を概略的に示す図である。
【0020】
図1には、図2および図3を参照しながら、ここには図示しない紡績ユニットの空気紡績装置2にドラフト装置1を介してスライバ3を配置するための方法経過が示してあり、図2および図3には、ドラフト装置1と紡績ユニットの空気紡績装置2との配置形態が2つの位置で概略的に示してある。
【0021】
空気紡績装置2の入口に延伸済みのスライバ3を提供するために、ドラフト装置1の個々に駆動可能なローラ対5,5a,6,6a,7,7a,8,8aは、閉鎖状態で、ドラフト装置1の運転速度を大幅に下回る導入速度で運転される。同時に、管路12を介して紡績ノズルユニット10に接続されている圧縮空気源13が、空気紡績装置2の入口の領域に吸込み空気を発生させるために作動させられ、空気紡績装置2は、図2に示したその閉鎖位置から、図3に示したその開放位置に移動させられ、図3に示した開放位置で、円錐形の紡績要素を有するユニット15は、図2に示した運転位置に比べてノズル装置4から離れる方向に移動させられている。
【0022】
空気紡績装置2の開放状態において、ドラフト装置1の個々に駆動可能なローラ対5,5a,6,6a,7,7a,8,8aを作動させ、圧縮空気源13を介して圧縮空気を提供した後、スライバ3は、オペレータの手によって入口ローラ5,5aのニップ領域に導入される。この入口ローラ5,5aのニップ領域からスライバ3は、紡績ユニットの通常運転に比べて大幅に減じられた速度で、ドラフト装置ローラ6,6a,7,7aの通過後に出口ローラ対8,8aに達し、この出口ローラ対8,8aのところで、延伸済みのスライバ3はドラフト装置1から進出する。ドラフト装置ローラ5,5a,6,6a,7,7a,8,8aの導入速度は、スライバ3の達成すべき延伸に相応して決定されていて、これによって、スライバ3は、設定された延伸比率に相応してドラフト装置1から進出する。作動させられた圧縮空気は、空気紡績装置2の入口から離れる方向もしくは円錐形の紡績要素16に向かう方向への、紡績ノズルユニット9に割り当てられたノズル10,11の方向付けによって、空気紡績装置2の入口の領域に吸込み空気流を生じさせ、この吸込み空気流によって、ドラフト装置1から進出したスライバ3が、空気紡績装置2に確実に供給可能となる。吸込み空気流は、好ましくは負圧源19の必要に応じた接続によってサポートすることができる。負圧源19の接続は、空気紡績装置2、特に円錐形の紡績要素16の領域からの繊維残留物の排出を促進する。出口ローラ対8,8aを介して、延伸済みのスライバ3は、作用する吸込み空気流によって空気紡績装置2の入口内にまで必要に応じて案内される。空気紡績装置2の内部でスライバ3の自由端部24の規定通りの位置が得られた後、ドラフト装置1は停止させられ、圧縮空気源13は、接続されていた場合には負圧源19も停止させられる。次いで、空気紡績装置2は、図3に示した開放位置から、図2に示した運転位置に移動させられる。
【0023】
空気紡績装置2の領域にスライバ3の自由端部24が配置されている間に圧縮空気源13および選択的に接続された負圧源19を作動させることによって、特に、ルーズな繊維材料を空気紡績装置2の領域から確実に排出し、これによって、空気紡績装置2の運転時の障害を防止することができることが保証される。空気紡績装置2の閉鎖後、紡績プロセスは、スライバ供給を継続し、紡績ノズルユニット9と、この紡績ノズルユニット10に割り当てられたノズル10,11とを介して紡績圧を加えながら開始することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 ドラフト装置
2 空気紡績装置
3 スライバ
4 ノズル装置
5,5a 入口ローラ
6,6a ドラフト装置ローラ
7,7a ドラフト装置ローラ
8,8a 出口ローラ
9 紡績ノズルユニット
10 ノズル
11 ノズル
12 管路
13 圧縮空気源
15 円錐形の紡績要素を有するユニット
16 円錐形の紡績要素
17 渦流室
18 管路
19 負圧源
24 スライバの自由端部
図1
図2
図3