(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】医療装置の位置との自動関連づけ
(51)【国際特許分類】
G16H 40/00 20180101AFI20241125BHJP
【FI】
G16H40/00
(21)【出願番号】P 2022570300
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(86)【国際出願番号】 US2021032814
(87)【国際公開番号】W WO2021236545
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-10
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518441830
【氏名又は名称】メディカル インフォーマティクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アルマゲール,ウィルフレド
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-079463(JP,A)
【文献】特表2016-512644(JP,A)
【文献】特表2012-516511(JP,A)
【文献】特表2011-504379(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0001838(US,A1)
【文献】特表2005-539409(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0148624(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者と医療装置の自動的な関連づけのためのシステムであって、
少なくとも1つのコンピュータを備える医療施設プラットフォームと、
前記医療施設プラットフォームによってホストされる、ネットワークインターフェース対部屋関連づけのデータベースと、
前記医療施設プラットフォームによってホストされる、患者対部屋関連づけのデータベースと、
前記医療施設プラットフォームによる実行のためのソフトウェアであって、
移動型医療装置が位置する医療施設の部屋内のネットワークポートを介して、前記移動型医療装置とネットワーク装置との間のネットワークセッションを確立し、
前記移動型医療装置が接続されている前記ネットワークポートに関連づけられる前記ネットワーク装置のネットワークインターフェースを識別し、
前記ネットワークインターフェース対部屋関連づけのデータベースにおいて前記ネットワークインターフェースの第1のルックアップを実行して、前記移動型医療装置が位置する前記医療施設の前記部屋を識別し、
前記患者対部屋関連づけのデータベースにおいて前記移動型医療装置が位置する前記医療施設の前記部屋の第2のルックアップを実行して、前記部屋に関連づけられる患者を識別し、
前記第1のルックアップ及び前記第2のルックアップに応答して前記移動型医療装置を前記患者に自動的に関連づける、
ソフトウェアを含む、前記医療施設プラットフォームによる実行のためのソフトウェアと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記移動型医療装置に接続されたシリアル対イーサネット変換器、をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記医療施設プラットフォームによる実行のための前記ソフトウェアは、前記移動型医療装置を識別するソフトウェアをさらに含む、請求項1乃至2のうちいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記医療施設プラットフォームによる実行のための前記ソフトウェアは、前記移動型医療装置に構成情報を送信することにより前記移動型医療装置を自動的に構成するソフトウェアをさらに含む、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記構成情報は患者固有である、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
モバイルコンピューティング装置と、
前記ネットワークインターフェース対部屋関連づけのデータベースを作成するためのネットワークインターフェース識別情報を生成する、前記モバイルコンピューティング装置による実行のためのソフトウェア、
をさらに含む、請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ネットワークインターフェース対部屋関連づけのデータベースは、ネットワークインターフェース識別子情報のデータベースを含み、各ネットワークインターフェース識別子情報は、部屋に関連づけられている、請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
医療施設におけるネットワークポートをマッピングする
ための方法であって、
モバイルコンピューティング装置を前記医療施設の部屋におけるネットワークポートに接続するステップと、
前記ネットワークポートを介して前記モバイルコンピューティング装置
とサーバとの間のネットワークセッションを確立するステップと、
前記モバイルコンピューティング装置
が、前記ネットワークポートに接続されているネットワーク装置又はネットワーク装置管理システムに対して問い合わせ
を行うことによって、前記ネットワークポートに接続され
ている前記ネットワーク装置のポートを特定するステップと、
前記医療施設のデータベースにおいて前記ネットワーク装置の前記ポートに前記部屋をマッピング
して記憶するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
前記ネットワーク装置は、ネットワークスイッチである、請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワークポートを前記ネットワーク装置上の別のポートに移動すると前記医療施設の前記データベースを更新するステップ、をさらに含む、請求項
8又は9に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータにより実施される、医療施設において移動型医療装置を患者に関連づける方法であって、
前記移動型医療装置が位置する前記医療施設の部屋におけるネットワークポートに、前記移動型医療装置を接続するステップと、
前記ネットワークポートを介して、前記移動型医療装置とネットワーク装置との間のネットワークセッションを確立するステップと、
前記ネットワーク装置のネットワークインターフェースを識別するステップと、
ネットワークインターフェースを部屋に関連づける第1のデータベースにおいて前記ネットワークインターフェースの第1のルックアップを実行することにより、前記移動型医療装置が位置する前記医療施設の前記部屋を識別するステップと、
患者を部屋に関連づける第2のデータベースにおいて前記部屋の第2のルックアップを実行することにより、前記移動型医療装置が位置する前記医療施設の前記部屋における前記患者を識別するステップと、
前記第1のルックアップ及び前記第2のルックアップに応答して前記移動型医療装置を前記患者に自動的に関連づけるステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記移動型医療装置により生成されたシリアルデータを、シリアル対イーサネット変換器を使用してイーサネットデータに変換するステップ、をさらに含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のデータベースは、前記医療施設の電子医療記録システムにより維持される、請求項
11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記部屋及び前記患者の前記識別に応答して、前記移動型医療装置により取得された医療データストリームを前記患者に関連づけるステップ、をさらに含む、請求項
11乃至
13のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記移動型医療装置を前記ネットワークポートに接続することは、
前記移動型医療装置をシリアル対イーサネット変換器に接続することと、
前記シリアル対イーサネット変換器を前記ネットワークポートに接続することと、
を含む、請求項
11乃至
14のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記移動型医療装置に構成情報を送信するステップ、
をさらに含む、請求項
11乃至
15のうちいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルスケアの分野に関し、詳細には、医療装置を特定の位置の患者に自動的に関連づける手法に関する。
【背景技術】
【0002】
病院や診療所などの医療処置施設は、患者に関するデータを収集するために多数の医療装置を使用する。施設のあらゆる部屋にその部屋でいつか必要とされる可能性のある装置の全てを準備する代わりに、医療処置施設は一般的に、典型的には必要に応じて部屋から部屋へ動かされるカート上に、移動型医療装置を配備する。これにより、施設はより一層少数のこうした装置を購入し、維持することができ、なぜならば、あらゆる部屋が常にあらゆるタイプの装置を必要とするわけではないためである。
【0003】
しかしながら、これらの移動型医療装置が部屋から部屋へ移動されるため、施設は、どの特定の装置が患者に接続されているかを知る必要がある。データを送信する医療装置に関連づけられた患者が誤って特定され、医療装置により生成されたデータを誤った患者に関連づけさせた場合、患者の損傷のリスクが高くなる。
【発明の概要】
【0004】
1つの態様によれば、医療装置の、患者との自動的な関連づけのためのシステムは、ネットワークインターフェース識別子対部屋関連づけのデータベースと、移動型医療装置が接続されているネットワークインターフェース識別子を識別し、データベースにおいてネットワークインターフェース識別子のルックアップを実行し、ルックアップに応答して移動型医療装置を患者に自動的に関連づけ、これは次いで、装置からのデータフィードを特定の患者に関連づけるために使用することができる、医療施設プラットフォームによる実行のためのソフトウェアと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、その一部を構成し、本発明と整合性のある装置及び方法の実装を例示し、詳細な説明とともに、本発明と整合性のある利点及び原理を説明するのに役立つ。
【
図1】1つの実施形態による、移動型医療装置をそれらの位置に自動的に関連づける、医療施設で使用されるシステムを示すブロック図である。
【
図2】1つの実施形態による、スイッチポート対部屋関連づけのデータベースを構築する準備手順を示すフローチャートである。
【
図3】1つの実施形態による、スイッチポート対部屋関連づけのデータベースを使用して部屋を移動型医療装置に自動的に関連づける手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の記載では、説明を目的として、発明の充分な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載している。しかしながら、発明はこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが、当業者には明らかであろう。他の例では、構造及び装置は、発明をわかりにくくするのを回避するために、ブロック図形式で示されている。添字なしの番号への参照は、参照される番号に対応する添字の全てのインスタンスを参照するものと理解される。さらに、本開示で使用される言語は、主に読みやすさ及び教育的目的のために選択されており、発明対象事項を描写又は制限するために選択されているわけではなく、そのような発明対象事項を決定するために必要である請求項に頼る場合がある。明細書における「1つの実施形態」又は「一実施形態」への参照は、その実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味し、「1つの実施形態」又は「一実施形態」への複数の参照は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照していると理解されるべきではない。
【0007】
以下の説明の一部は、ソフトウェア又はファームウェアに関連する用語で記述されているが、実施形態は、本明細書に記載される特徴及び機能を、ソフトウェア、ファームウェア、及びハードウェアの任意の組み合わせを含む所望されるソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアで実装することができる。デーモン、ドライバ、エンジン、モジュール、又はルーチンへの参照は、実施形態の、いずれかのタイプの実装への制限を示唆するものとみなされるべきではない。
【0008】
医療施設における医療装置の位置を追跡するために、様々なタイプのシステムが配備されている。いくつかのシステムでは、無線周波数識別(RFID)タグなどのビーコン又はタグのアレイが医療装置に配置されている場合があり、これは、病院のリアルタイムロケーションシステム(real time location system、RTLS)と通信し、装置とその位置を識別することができる医療施設全体に配置された受信機又は読み取り機に、識別信号を提供することができる。医療装置のリアルタイムの位置情報を潜在的に提供する一方で、部屋内の装置の位置を識別することができると主張するいくつかの場合に、これらのシステムは市場においてかなり新しく、広範なインフラストラクチャサポート及びコストを必要とする。バッテリーで動作するビーコンは、バッテリーが放電されたとき、再充電され又は取り替えられる必要がある。ビーコンは、その位置を追跡すべきあらゆる医療装置に配置される必要があり、受信機は、あらゆる部屋内などの、医療施設全体の多数の場所に配備される必要がある。RTLSのための専用のソフトウェアが配備され、維持されなければならない。
【0009】
多数の施設で使用されているもう1つのアプローチは、医療装置が配備される可能性のある各部屋にコンピュータを配置することである。医療装置が部屋に持ち込まれたとき、医療装置はコンピュータに接続される(plugged)。コンピュータは、それが配備される部屋に関する情報をプログラムされており、したがって、医療装置とその位置に関する情報を施設システムに提供することができ、施設システムは、医療装置を部屋に関連づけ、部屋内の患者から収集された生理学的情報をその患者の医療記録に関連づけることができる。しかしながら、このタイプの医療装置統合システムもまた、コンピュータ自体のコストや、そのコンピュータにインストールされたオペレーティングシステム及び他のソフトウェアを維持するコストを含む、かなりのコストを有する。
【0010】
以下に説明するシステムは、医療施設が、RTLSビーコンベースのアプローチ又はより一般的な部屋ごとのコンピュータのアプローチより一層少ない量の複雑さとコストで、移動型(mobile)医療装置の位置を識別することができる方法である。
【0011】
ほとんどの移動型医療装置は、それらの特定の医療機能に焦点を合わせられ、しばしば、シリアル又はアナログのデータ信号を生成する。ほとんどの医療装置は典型的には、その位置、又は装置が接続されている患者に関する情報を有さない。医療装置が接続されるコンピュータは、医療装置により生成されたシリアル又はアナログデータを取得し、そのデータを、しばしばヘルスレベル7(Health Level 7、HL7)プロトコル及びデータフォーマットを使用して、医療施設ネットワークをわたって処理に送信するようにプログラムされている。コンピュータは、その位置をプログラムされることが可能であり、データベースにおいてその既知の位置をルックアップして、部屋における患者を識別し、その位置又は患者情報を医療施設のネットワークに提供することができる。
【0012】
図1は、以下に詳細に記載される1つの実施形態による新しいアプローチを使用する医療施設システム100のブロック図である。この例において、移動型医療装置130は、患者120との使用のために患者の部屋110に配備されている。いくつかの実施形態において、移動型医療装置130はシリアルデータを生成し、ゆえに、患者の部屋110がイーサネットポートなどのネットワークポート150を含むとしても、移動型医療装置130はポート150に直接接続できない。代わりに、移動型医療装置130とネットワークポート150との間に、シリアル対イーサネット(serial to ethernet)変換器140が接続される。シリアル対イーサネット変換器140は、移動型医療装置130により生成されたシリアルデータを、例えばサーバ190との伝送制御プロトコル(TCP)接続として、ポート150を通じて医療施設ネットワーク170をわたってルーティングすることができるパケットに変換する安価な小型ユニットである。シリアル対イーサネット変換器140は、移動型医療装置130が別の部屋に移動されたときに、シリアル対イーサネット変換器140が移動型医療装置130とともに移動することができるように、移動型医療装置130に接続されてもよい。
図1では単一のイーサネットネットワークとして示されているが、医療施設ネットワーク170は、複数の相互接続されたネットワークでもよく、任意の簡便なタイプのネットワークでもよい。
【0013】
シリアル対イーサネット変換器140は、典型的には、ダウンロード可能なソフトウェア又はウェブブラウザを介して構成可能であり、シリアル対イーサネット変換器140は、装置識別子又は装置タイプ識別子のうちの1つ以上などの、接続された医療装置130に関する情報を報告するように構成することができる。シリアル対イーサネット変換器140は、任意のタイプのUSBインターフェースを使用するユニバーサルシリアルバス(USB)対イーサネット(Universal Serial Bus (USB)-to-ethernet)変換器でもよい。
【0014】
他の実施形態において、移動型医療装置は、ネットワークポートへの直接接続が可能であり、シリアル対イーサネット変換器の使用なしにイーサネットデータを生成する。他の実施形態において、移動型医療装置はアナログデータを生成し、シリアル対イーサネット変換器の代わりにアナログ対イーサネット(analog to ethernet)変換器が使用されてもよい。
【0015】
初期セットアップフェーズを使用して、移動型医療装置130をその現在の位置に自動関連づけするために使用される情報を提供する。ラップトップ又はタブレットなどのモバイルコンピューティング装置195を、移動型医療装置130が使用される可能性のあるあらゆる部屋に持っていき、移動型医療装置130を医療施設ネットワーク170に接続するために使用される可能性のある任意のネットワークポート150に接続することができる。上述したように、部屋は、複数のネットワークポート150を有する場合がある。
【0016】
次いで、モバイルコンピューティング装置195は、サーバ190へのネットワークセッションと接続するネットワークセッションを確立するソフトウェアユーティリティを実行することができる。このような目的のための一例示的なソフトウェアユーティリティは、簡易ネットワーク管理プロトコル(Simple Network Management Protocol、SNMP)エージェント又はマネージャソフトウェアであろう。ソフトウェアユーティリティは、医療施設ネットワーク170に対してモバイルコンピューティング装置が接続されているネットワーク装置を識別する。ネットワーク装置は、典型的には、ポート150と医療施設ネットワーク170との間のトラフィックをルーティングするネットワークスイッチ160である。次いで、ソフトウェアユーティリティは、ネットワークスイッチ又はルータ160に問い合わせて(queries)、ソフトウェアユーティリティを実行するために使用される装置の媒体アクセス制御(MAC)に関連づけられているネットワークインターフェース識別子を取得する。あるいは、ネットワークスイッチ又はルータ160に問い合わせを送信する代わりに、問い合わせは、Cisco(登録商標) DNA Centerシステムなどのネットワーク装置管理システムに送信されてもよい。上記ではネットワークスイッチとして示されたが、ルータなどの他のタイプの装置が使用されてもよい。さらに、部屋110におけるポート150と医療施設ネットワーク170との間に単一のネットワークスイッチのみが接続されているが、ネットワークスイッチ160と医療施設ネットワーク170との間に複数のスイッチ又はルータが存在してもよい。しかしながら、ソフトウェアユーティリティにより接続された情報は、ポート150と医療施設ネットワーク170の残りとの間の最初の接続であるネットワークスイッチ160上のポートを識別する。
【0017】
いくつかの実施形態において、患者の部屋110は、シリアル対イーサネット変換器140を任意のネットワークポート150に接続する、ネットワークスイッチなどのさらなるネットワーキング機器を含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、この目的のためにサーバ190に接続する代わりに、ソフトウェアは、病院ネットワークにおけるエッジノードなどの、ネットワークスイッチ又はルータ160上のコンテナ内で実行される医療装置統合エンジンで実行されてもよい。
【0019】
次いで、ネットワークインターフェース識別情報は、部屋情報をネットワークインターフェース識別情報にマッピングし又は関連づけるデータベースサーバ180により管理されるデータベース185などのデータベースに記憶することができる。
【0020】
その後、移動型医療装置130とシリアル対イーサネット変換器140が部屋110に移動されたとき、シリアル対イーサネット変換器140をネットワークポート150に接続することができる。次いで、シリアル対イーサネット変換器140は、医療施設のプラットフォームとの接続を確立することができ、このプラットフォームは、シリアル対イーサネット変換器140から情報を収集し、接続に対するネットワークインターフェース識別子を見い出し、この情報を使用して、データベースサーバ180により管理されるデータベース185において関連づけられた部屋位置をルックアップする。医療装置130に関する情報は、シリアル対イーサネット変換器140から取得することができる。この情報は、データベースサーバ180、又は医療施設の電子医療記録(electronic medical records、EMR)システムなどの別のシステムにより管理される、部屋を患者にマッピングするデータベース187に提供することができるHL7データとして提供されてもよく、したがって、移動型医療装置130と、部屋110と、患者120との間の関連づけを可能にする。したがって、移動型医療装置130から受信した医療データストリームは、移動型医療装置130自体がその位置の知識を有さないとしても、患者に自動的に関連づけることができる。
【0021】
いくつかの実施形態において、移動型医療装置130とシリアル対イーサネット変換器140によりサポートされる場合、EMRシステム、又は医療施設プラットフォームの別の部分は、さらなる構成情報を医療装置130に送信することができ、看護師又は他の臨床要員が構成情報を移動型医療装置130に手動で入力する必要なしに、より良い構成を可能にする。さらなる構成情報は、任意のタイプの構成情報であってよい。例えば、構成情報は、患者固有でもよい。別の例において、構成情報は、装置固有でもよい。さらに別の例において、構成情報は、特定の病気、処置、又は療法に基づく装置構成への修正など、状況固有でもよい。
【0022】
本手法は、従来の監視システムで必要とされていた、医療施設内の各部屋にコンピュータシステムを準備する必要を回避する。
【0023】
いくつかのネットワーク構成において、移動型医療装置130と部屋110(したがって、患者120)との間の関連づけは、ポーリングを必要とする場合があるが、手順全体は、部屋110に高価な付加的なハードウェアを必要とすること又は施設要員にデータを手動で入力するよう要求することなく、約30秒以下かけて完了するはずであり、ヒューマンエラーの可能性を回避する。
【0024】
ネットワークポート150が、ネットワークスイッチ160上の異なるポートに、又は異なるネットワークスイッチ又はルータに移動された場合、初期構成ステップが繰り返され、それにより、データベースサーバ180により維持されるポート対部屋関連づけ(port to room association)が更新される。
【0025】
移動型医療装置130がネットワークポート150への有線接続を使用して接続される実施形態の観点で上述したが、無線アクセスポイントの無線ポートへの無線接続を使用することもできる。しかしながら、無線アクセスポイントにおけるポート識別情報が、ある時間にわたり変化する可能性があるため、無線ポートを部屋に関連づけるセットアップ手順は、関連づけが現在のままであることを保証するために、時々繰り返される必要がある可能性がある。いくつかの実施形態において、無線アクセスポイントにおけるポート識別情報は、再構成の必要を排除する静的な方式で構成されてもよい。
【0026】
医療装置を部屋に関連づける観点で上述したが、多くの医療処置施設は、準個室の病室などの、複数の患者に使用される可能性のある部屋を有する。このような状況では、複数患者(multi-patient)の部屋の複数のネットワークポートは、部屋の複数の部分に割り当てられ、移動型医療装置130を部屋の正しい部分に関連づけることを可能にする。1人の患者を有する個室から、2人の患者用に設計された準個室、複数の患者用に設計された共同病室まで、任意の数の部屋分割が提供されて(accommodated)よい。
【0027】
同様に、医療施設における部屋の代わりに、本手法は、ソフトウェア定義ネットワーク(software defined network)と患者の自宅における仮想ネットワークドロップを使用して、自宅監視に拡張されてもよい。さらに、所望される場合、病院システム外の部屋における医療装置の接続に関するデータを第三者システムにプッシュするために、ソフトウェアトラップが使用されてもよい。
【0028】
図2は、上述したような1つの実施形態による医療施設におけるネットワークポートをマッピングする初期セットアップ手順を示すフローチャートである。ブロック210において、ラップトップ又は他のモバイルコンピューティング装置195が、マッピング手順の一部として部屋110のポート150に接続される。ブロック220において、ソフトウェアユーティリティが、ポート150が通信するスイッチ又はルータポートに関する情報を特定するために、ラップトップ又は他のモバイルコンピューティング装置195で実行される。ブロック230において、スイッチ又はルータポートと部屋との間の関連づけが、移動型医療装置が持ち込まれてポート150に接続されたときの後の使用のために、データベース185に作成される。この手順は、部屋110の各ポートについて実行される。所望される場合、部屋‐スイッチポート関連づけのデータベース185を構築するために、スイッチポートを部屋に関連づけるための他のより手動の手法が使用されてもよい。
【0029】
図3は、上述したような1つの実施形態によるデータベース185内の情報を使用する手順を示すフローチャートである。ブロック310において、移動型医療装置130が部屋110に持ち込まれ、ポート150に接続される。ブロック320において、医療施設インフラストラクチャプラットフォームに対して接続が行われたとき、使用中のスイッチポートの特定が実行される。ブロック330において、特定されたスイッチポートが、移動型医療装置130の現在の位置に関連づけられた部屋番号を識別するためにデータベース185内でルックアップされ、この部屋番号は次いで、ブロック340において、移動型医療装置130に自動的に関連づけられる。関連づけが行われると、移動型医療装置130からの医療データストリームは、自動的に患者に関連づけられる。
【0030】
以下の例は、さらなる実施形態に関する。
【0031】
例1は、医療装置の、患者との自動的な関連づけのためのシステムであり、ネットワークインターフェース対部屋関連づけ(network interface to room associations)のデータベースと、患者対部屋関連づけ(patient to room associations)のデータベースと、医療施設プラットフォームによる実行のためのソフトウェアであり、移動型医療装置が接続されているネットワーク装置のネットワークインターフェースを識別し、上記ネットワークインターフェース対部屋関連づけのデータベースにおいて上記ネットワークインターフェースの第1のルックアップを実行し、上記患者対部屋関連づけのデータベースにおいて上記ネットワークインターフェースに関連づけられた部屋の第2のルックアップを実行し、上記第1のルックアップ及び上記第2のルックアップに応答して上記移動型医療装置を上記患者に自動的に関連づけるソフトウェアを含む、ソフトウェアと、を含む。
【0032】
例2において、例1の対象事項は任意で、上記医療装置に接続されたシリアル対イーサネット変換器、をさらに含む。
【0033】
例3において、例1~2のうちいずれかの対象事項は任意で、上記医療施設プラットフォームによる実行のための上記ソフトウェアは、上記医療装置を識別するソフトウェアをさらに含むことを含む。
【0034】
例4において、例1~3のうちいずれかの対象事項は任意で、上記医療施設プラットフォームによる実行のための上記ソフトウェアは、上記医療装置に構成情報を送信することにより上記医療装置を自動的に構成するソフトウェアをさらに含むことを含む。
【0035】
例5において、例4の対象事項は任意で、上記構成情報は患者固有であることを含む。
【0036】
例6において、例1~5のうちいずれかの対象事項は任意で、上記ネットワークインターフェース対部屋関連づけのデータベースの作成のためにネットワークインターフェース識別情報を生成する、モバイルコンピューティング装置による実行のためのソフトウェア、をさらに含む。
【0037】
例7において、例1~6のうちいずれかの対象事項は任意で、上記ネットワークインターフェース対部屋関連づけのデータベースは、ネットワークインターフェース識別子情報のデータベースを含み、各ネットワークインターフェース識別子情報は、部屋に関連づけられていることを含む。
【0038】
例8は、医療施設におけるネットワークポートをマッピングする、コンピュータにより実施される方法であり、モバイルコンピューティング装置を上記医療施設の部屋におけるネットワークポートに接続するステップと、上記ネットワークポートを介して上記モバイルコンピューティング装置上でネットワークセッションを確立するステップと、上記部屋における上記ネットワークポートに接続されたネットワーク装置のポートを特定するステップと、上記医療施設のデータベースにおいて上記ネットワーク装置の上記ポートに上記部屋をマッピングするステップと、を含む。
【0039】
例9において、例8の対象事項は任意で、上記部屋における上記ネットワークポートに接続された上記ネットワーク装置の上記ポートを特定することは、上記ネットワーク装置に問い合わせて、上記モバイルコンピューティング装置に関連づけられたネットワークインターフェース識別子を取得することを含むことを含む。
【0040】
例10において、例8~9のうちいずれかの対象事項は任意で、上記部屋における上記ネットワークポートに接続された上記ネットワーク装置の上記ポートを特定することは、ネットワーク装置管理システムに問い合わせて、上記モバイルコンピューティング装置に関連づけられたネットワークインターフェース識別子を取得することを含むことを含む。
【0041】
例11において、例8~10のうちいずれかの対象事項は任意で、上記ネットワークセッションを確立することは、上記モバイルコンピューティング装置とサーバとの間のネットワークセッションを確立することを含むことを含む。
【0042】
例12において、例8~10のうちいずれかの対象事項は任意で、上記ネットワークセッションを確立することは、上記モバイルコンピューティング装置と、上記ネットワーク装置上のコンテナで実行される医療装置統合エンジンとの間のネットワークセッションを確立することを含むことを含む。
【0043】
例13において、例8~12のうちいずれかの対象事項は任意で、上記ネットワーク装置は、ネットワークスイッチであることを含む。
【0044】
例14において、例8~13のうちいずれかの対象事項は任意で、上記ネットワークポートを上記ネットワーク装置上の別のポートに移動すると上記医療施設の上記データベースを更新するステップ、をさらに含む。
【0045】
例15は、医療施設において移動型医療装置を患者に関連づける方法であり、上記移動型医療装置を上記医療施設の部屋におけるネットワークポートに接続するステップと、上記ネットワークポートに接続されたネットワーク装置のネットワークインターフェースを識別するステップと、上記ネットワークインターフェースを、ネットワークインターフェースを部屋に関連づける第1のデータベースにおいてルックアップすることにより、上記移動型医療装置が位置する上記部屋を識別するステップと、上記部屋を、患者を部屋に関連づける第2のデータベースにおいてルックアップすることにより、上記部屋における上記患者を識別するステップと、を含む。
【0046】
例16において、例15の対象事項は任意で、上記移動型医療装置により生成されたシリアルデータを、シリアル対イーサネット変換器を使用してイーサネットデータに変換するステップ、をさらに含む。
【0047】
例17において、例15~16のうちいずれかの対象事項は任意で、上記第2のデータベースは、上記医療施設の電子医療記録システムにより維持される(maintained)ことを含む。
【0048】
例18において、例15~17のうちいずれかの対象事項は任意で、上記部屋及び上記患者の上記識別に応答して、上記移動型医療装置により取得された医療データストリームを上記患者に関連づけるステップ、をさらに含む。
【0049】
例19において、例15~18のうちいずれかの対象事項は任意で、上記移動型医療装置を上記ネットワークポートに接続することは、上記移動型医療装置をシリアル対イーサネット変換器に接続することと、上記シリアル対イーサネット変換器を上記ネットワークポートに接続することと、を含む。
【0050】
例20において、例15~20のうちいずれかの対象事項は任意で、上記移動型医療装置に構成情報を送信するステップ、をさらに含む。
【0051】
特定の例示的な実施形態が詳細に説明され、添付の図面に示されたが、そのような実施形態は単に例示であり、以下の特許請求の範囲により決定されるその基本的な範囲から逸脱せずに考案されたものではないことが理解されるべきである。