(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】家具要素に配置された受信装置によって信号を受信するためのシステム、方法、家具アセンブリおよびコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
G08C 17/02 20060101AFI20241125BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20241125BHJP
H04W 84/10 20090101ALI20241125BHJP
【FI】
G08C17/02
H04W4/38
H04W84/10 110
(21)【出願番号】P 2022574478
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 AT2021060193
(87)【国際公開番号】W WO2021243392
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-02-02
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100210099
【氏名又は名称】遠藤 太介
(72)【発明者】
【氏名】トーマス リューディサー
(72)【発明者】
【氏名】フローリアン ブアチャー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス タイムラー
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0289175(US,A1)
【文献】国際公開第2019/197424(WO,A1)
【文献】特開2007-301344(JP,A)
【文献】特開2008-129614(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08C 15/00-19/48
G05B 15/00-15/02
H04W 4/38
H04W 84/10-84/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な少なくとも1つの家具要素(1)に配置された少なくとも1つの受信装置(2)によって信号(401,402)を受信するためのシステムであって、前記システムは、
・無線で伝送される少なくとも1つの信号(401,402)を受信する前記少なくとも1つの受信装置(2)を有し、少なくとも1つの受信装置(2)によって受信された、前記無線で伝送される少なくとも1つの信号(401,402)は、さらに、少なくとも1つの
別の家具要素(1)
の少なくとも1つの別の受信装置(2)へ伝送可能であるシステムにおいて、
前記少なくとも1つの受信装置(2)は、前記無線で伝送される少なくとも1つの信号(401,402)が少なくとも第1の伝送プロトコルおよび第2の伝送プロトコルを介して受信可能でありかつ処理可能であるように構成され、
前記第1の伝送プロトコルは前記第2の伝送プロトコルとは異なっており、
少なくとも1つの伝送プロトコルが双方向であり、
前記システムは、前記無線で伝送される少なくとも1つの信号(401,402)を送信する、第1の送信装置および第2の送信装置を有し、
前記第1の送信装置、前記第2の送信装置および前記少なくとも1つの受信装置(2)は、無線ネットワーク(6)に組み込まれており、
前記少なくとも1つの家具要素(1)は、引出し、戸またはフラップの形態で家具部分(90)に配置されて
おり、
前記少なくとも1つの家具要素(1)は、可動の前記家具部分(90)を動かすための電気的な駆動装置を有し、
前記少なくとも1つの家具要素(1)と、対応付けられている前記受信装置(2)とが、1つの構成ユニットに統合されている、
ことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記第1の送信装置は、前記第1の伝送プロトコルを介して通信する、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の送信装置は、WLANネットワークに組み込まれている、請求項2記載システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの信号(401,402)はデジタル信号であり、
少なくとも1つの伝送プロトコルはデジタルの伝送プロトコルである、
請求項1から3までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの信号(401)の、前記第1の伝送プロトコルによる前記伝送は、
前記第1の送信装置と前記少なくとも1つの受信装置(2)との間において一方向で、かつ/または
直接に前記少なくとも1つの受信装置(2)にアドレッシングされて、かつ/または
前記少なくとも1つの受信装置(2)による受信確認なしで、かつ/または
前記少なくとも1つの受信装置(2)の受信準備完了のチェックなしで、かつ/または
前記少なくとも1つの信号(401)の、固定的に設定されているまたは設定可能なルート指定によって、
行われる、
請求項4記載のシステム。
【請求項6】
第1の伝送プロトコルとして、ESB(Enhanced ShockBurst)(登録商標)が使用される、請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの信号(402)は、第2の伝送プロトコルであるBluetooth(登録商標)を介して伝送される、請求項1から6までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項8】
全ての伝送プロトコルが双方向である、請求項1から7までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の送信装置と前記第2の送信装置は、それぞれ少なくとも1つの信号(401,402)を異なる伝送プロトコルを介して送信する、請求項1から
8までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの信号(401,402)を複数の受信装置(2)に送信する前記第2の送信装置が、移動端末(34)として形成される、請求項1から
9までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
前記移動端末(34)は、携帯電話である、請求項
10記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の送信装置は、
前記第2の伝送プロトコルを介して通信する、請求項
10または
11記載のシステム。
【請求項13】
前記通信は前記第1の伝送プロトコルを介して行われる、請求項
1から12までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の送信装置および/または前記第2の送信装置は、物理的に操作可能なスイッチ(5)を有する、請求項1から
13までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項15】
前記スイッチ(5)は、手動で操作可能である、請求項
14記載のシステム。
【請求項16】
前記第2の送信装置は家庭用機器(35)に配置されている、請求項1から
15までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項17】
前記家庭用機器(35)は、掃除機ロボットまたは電子レンジである、請求項
16記載のシステム。
【請求項18】
前記第2の送信装置は、前記第2の伝送プロトコルを介して通信する、請求項
16または
17記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの家具要素(1)は、可動の前記家具部分(90)を閉じるための少なくとも1つの電気的な閉鎖装置を有する、請求項1から
18までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項20】
前記構成ユニットは、共通のハウジング内に収容されている、請求項
1から19までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの受信装置(2)に、少なくとも1つの伝送プロトコルを介して、少なくとも1つの家具要素(1)を設定するための設定データが少なくとも1つの信号(401,402)として伝送可能である、請求項1から
20までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項22】
前記設定データは前記家具要素(1)に格納可能である、請求項
21記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの受信装置(2)に、少なくとも1つの伝送プロトコルを介して、前記少なくとも1つの家具要素を制御するための制御信号(41)が少なくとも1つの信号(401,402)として伝送可能である、請求項1から
22までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項24】
前記少なくとも1つの受信装置(2)に、少なくとも1つの伝送プロトコルを介して、前記少なくとも1つの家具要素を制御するための制御信号(41)が少なくとも1つの信号(401,402)として伝送可能であり、これによって、前記家具要素(1)によって駆動される前記家具部分(90)の動きの状態および/または位置が確定される、請求項1から
22までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの受信装置(2)に、少なくとも1つの伝送プロトコルを介して、少なくとも1つの家具要素(1)の設定状態および/または動きの状態を表す状態データが少なくとも1つの信号(401,402)として伝送可能である、請求項1から
24までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの受信装置(2)に、少なくとも1つの伝送プロトコルを介して、少なくとも1つの家具要素(1)の設定状態および/または動きの状態を表す状態データが少なくとも1つの信号(401,402)として、駆動される2つの家具部分(90)の衝突回避および/または同期のために伝送可能である、請求項1から
24までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項27】
前記第1の送信装置および/または前記第2の送信装置を介して少なくとも1つの家具要素(1)を駆動制御する、音声制御のための装置(7)が設けられている、請求項1から
26までのいずれか1項記載のシステム。
【請求項28】
前記音声制御のための装置(7)は、インターネットと接続されている、マイクロフォンを有する端末を含み、
前記端末によって実行された音声記録(44)を、外部コンピュータネットワーク(8)に送ることが可能であり、
前記音声記録(44)によって生じた電子メッセージ(46)および/または前記音声メッセージ(44)によって生じた操作命令(45)を、前記外部コンピュータネットワーク(8)から前記第1の送信装置および/または前記第2の送信装置へ送ることが可能であり、かつ
前記操作命令(45)によって生じた少なくとも1つの信号(401,402)を、少なくとも1つの家具要素(1)に伝送することが可能である、
請求項
27記載のシステム。
【請求項29】
前記端末によって実行された音声記録(44)を、前記インターネットを介して前記外部コンピュータネットワーク(8)に送ることが可能である、請求項
28記載のシステム。
【請求項30】
前記音声記録(44)によって生じた電子メッセージ(46)および/または前記音声メッセージ(44)によって生じた操作命令(45)を、無線ネットワーク(6)を介して前記外部コンピュータネットワーク(8)から前記第1の送信装置および/または前記第2の送信装置へ送ることが可能である、請求項
28または
29記載のシステム。
【請求項31】
少なくとも1つの家具(9)と、請求項1から
30までのいずれか1項記載の、電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な家具要素(1)を制御するためのシステムとを含む、家具アセンブリ。
【請求項32】
前記家具アセンブリは少なくとも2つの家具(9)を含む、請求項
31記載の家具アセンブリ。
【請求項33】
前記家具アセンブリは、駆動される家具部分(90)として、少なくとも1つのフラップ(92)および/または少なくとも1つの戸(93)および/または少なくとも1つの引出し(94)を含み、
前記家具アセンブリが複数の家具(9)を含む場合には、前記家具部分が任意に前記複数の家具(9)に分けられていてよい、
請求項
31または
32記載の家具アセンブリ。
【請求項34】
請求項1から
30までのいずれか1項記載のシステムによって、電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な少なくとも1つの家具要素(1)によって信号(401,402)を受信するための方法であって、
前記システムは、無線で伝送される少なくとも1つの信号(401,402)を受信する少なくとも1つの受信装置(2)を有し、
前記方法は、
無線で伝送される少なくとも1つの第1の信号(401)を前記少なくとも1つ受信装置(2)によって受信するステップと、
無線で伝送される少なくとも1つの第2の信号(402)を前記少なくとも1つ受信装置(2)によって受信するステップと、
を有し、
前記無線で伝送される少なくとも1つの第1の信号(401)を第1の伝送プロトコルを用いて伝送する、方法において、
前記無線で伝送される少なくとも1つの第2の信号(402)を、前記第1の伝送プロトコルとは異なっている第2の伝送プロトコルを用いて伝送する、
ことを特徴とする、方法。
【請求項35】
前記無線で伝送される少なくとも1つの信号(401,402)を、前記第1の送信装置および/または前記第2の送信装置から送信する、請求項
34記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1つの第1の信号(401)の、前記第1の伝送プロトコルによる前記伝送を、
前記第1の送信装置と前記少なくとも1つの受信装置(2)との間において一方向で、かつ/または
直接に前記少なくとも1つの受信装置(2)にアドレッシングされて、かつ/または
前記少なくとも1つの受信装置(2)による受信確認なしで、かつ/または
前記少なくとも1つの受信装置(2)の受信準備完了のチェックなしで、かつ/または
前記少なくとも1つの第1の信号(401)の、固定的に設定されているまたは設定可能なルート指定によって、
行う、
請求項
34または
35記載の方法。
【請求項37】
第1の伝送プロトコルとして、伝送プロトコルESB(Enhanced ShockBurst)(登録商標)を使用する、請求項
36記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの第2の信号(402)を、第2の伝送プロトコルであるBluetooth(登録商標)を介して伝送する、請求項
34から
37までのいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
コンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム製品は、命令を含み、前記命令は、少なくとも1つの計算ユニットによる実行の際に、前記少なくとも1つの計算ユニットとデータ接続されている、またはデータ接続可能な少なくとも1つのメモリユニットから、請求項
36から
38までのいずれか1項記載の方法を実施するように前記少なくとも1つの計算ユニットを促す、
コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の特徴による、電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な少なくとも1つの家具要素によって信号を受信するための装置、およびこのような装置を備えた家具アセンブリに関する。さらに本発明は、請求項25の上位概念部に記載の特徴を有する、電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な少なくとも1つの家具要素によって信号を受信するための方法と、対応するコンピュータプログラム製品とに関する。
【0002】
電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な家具要素の使用は、家具部分、特にフラップ、戸または引出しの手動による開閉の代わりになる。これによって、家具部分の快適かつ省力化された操作が可能にされる。
【0003】
電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な家具要素の制御は、従来技術によればしばしば無線接続を介して行われる。これによって、手間のかかる線路の敷設が省かれる。
【0004】
刊行物であるオーストリア国実用新案第11904号明細書には、物理的に操作可能なスイッチが開示されており、このスイッチは、副送信装置を介して家具要素の受信装置に無線信号を送信し、これによって家具部分を動かすようにこの家具要素を促す。
【0005】
このスイッチは操作しやすく、かつ家具部分自体よりも良好に到達可能な箇所に位置決め可能であるが、操作者は、家具部分を動かすためにスイッチの箇所に赴く必要がある。
【0006】
さらに、このスイッチは、操作者自身によって直接に物理的に操作されなければならず、直接に手によってまたは間接に手元の家具部分を押圧することによって操作されなければならない。
【0007】
本発明の課題は、これらの欠点を回避することである。特に、電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な少なくとも1つの家具要素を制御するための改良された装置と、そのような装置を備える改良された家具アセンブリと、電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な家具要素を制御するための改良された方法と、そのような方法を実施するための改良されたコンピュータプログラム製品とが実現されるべきである。
【0008】
上述の課題は、請求項1の特徴を備えた装置、請求項22の特徴を備えた家具アセンブリ、請求項25の特徴を備えた方法、および請求項29の特徴を備えたコンピュータプログラム製品によって解決される。本発明の好ましい実施例は、従属請求項に記載されている。
【0009】
電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な少なくとも1つの家具要素によって信号を受信するための本発明に係る装置は、無線で伝送される少なくとも1つの信号を受信する少なくとも1つの受信装置を有しており、ここで、少なくとも1つの受信装置によって受信された、無線で伝送される少なくとも1つの信号は、さらに、少なくとも1つの家具要素へ伝送可能である。
【0010】
無線で伝送される少なくとも1つの信号が少なくとも第1の伝送プロトコルおよび第2の伝送プロトコルを介して受信可能でありかつ処理可能であるように少なくとも1つの受信装置が構成されていることが想定されており、第1の伝送プロトコルは第2の伝送プロトコルとは異なっている。
【0011】
これによって、異なるソースから、特に、物理的に操作可能なスイッチとは異なる機器、たとえば移動端末または固定的にインストールされている、音声制御される送信装置からも、無線で伝送される信号を、種々異なる送信装置によって受信することが可能になる。
【0012】
最新の規格に対応するために、少なくとも1つの信号がデジタル信号であり、少なくとも1つの伝送プロトコルがデジタルの伝送プロトコルであることが想定されている。
【0013】
さらに、無線で伝送される少なくとも1つの信号が少なくとも1つの送信装置から送信可能であることが想定されている。これによって、家具要素をたとえば少なくとも1つの送信装置を介して制御することができる。
【0014】
装置の好ましい実施例では、少なくとも1つの信号の、第1の伝送プロトコルによる伝送は、
・少なくとも1つの送信装置と少なくとも1つの受信装置との間において一方向で、かつ/または
・直接に少なくとも1つの受信装置にアドレッシングされて、かつ/または
・少なくとも1つの受信装置による受信確認なしで、かつ/または
・少なくとも1つの受信装置の受信準備完了のチェックなしで、かつ/または
・少なくとも1つの信号の、固定的に設定されているまたは設定可能なルート指定によって、
行われ、第1の伝送プロトコルとして、好適にはESB(Enhanced ShockBurst)(登録商標)が使用される。とりわけ上述した特性によって、ESB(登録商標)は、短いレイテンシでデータを伝送することを可能にする。短いレイテンシは、操作者によってスムーズに操作できるようにするために、重要である。
【0015】
さらに、少なくとも1つの信号が、第2の伝送プロトコルであるBluetooth(登録商標)を介して伝送されることが想定されている。Bluetooth(登録商標)の利点は、典型的な機器の標準的なサポートにある。これによって、多数の機器を、たとえば少なくとも1つの家具要素の制御のために使用することができる。
【0016】
2つの伝送プロトコル(ESB(登録商標)およびBluetooth(登録商標))を組み合わせて使用することによって、ESB(登録商標)の使用による、工場側で設けられる送信装置に対するレイテンシが短くなるという利点と、Bluetooth(登録商標)の使用による、たとえば家庭用機器または移動端末などの任意の工業製品の付加的な機器の使用時の大きな柔軟性とが同時に得られる。
【0017】
さらに、少なくとも1つの伝送プロトコル、好適には全ての伝送プロトコルが双方向であることが想定されている。これによって、特に、家具要素の、特にその目下の位置のフィードバックを得ることが可能になる。
【0018】
少なくとも2つの別個の送信装置が設けられており、これらの送信装置がそれぞれ少なくとも1つの信号を異なる伝送プロトコルを介して送信するのは有利である。なぜなら、これによって、家具要素の制御手段の多様性が増すからである。上述のように、これによって、たとえば、移動端末から、かつ固定的にインストールされている、音声制御される、別個の送信装置から送信することが可能になる。
【0019】
装置の1つの実施例では、少なくとも1つの信号を好適には複数の受信装置に送信する少なくとも1つの送信装置が、動作時に、固定的な空間的な配置で、少なくとも1つの家具要素に対して配置されていることが想定されており、ここではこのような少なくとも1つの送信装置は好ましくは第1の伝送プロトコルを介して通信し、このような少なくとも1つの送信装置は好ましくは無線ネットワーク、特にWLANネットワークに組み込まれている。
【0020】
このような送信装置は、無線ネットワークと家具駆動装置との間のインタフェース(「ブリッジ」)として機能し得る。無線ネットワークは、ルータを介して、インターネットとデータ接続されていてもよい。
【0021】
さらに、このような送信装置は、第2の伝送プロトコルの信号を第1の伝送プロトコルの信号に変換し、第1の伝送プロトコルの信号を第2の伝送プロトコルの信号に変換する。これによって、家具要素は、このような送信装置を介しても移動機器によって駆動制御され得る。
【0022】
装置のさらなる実施例では、少なくとも1つの信号を好適には複数の受信装置に送信する少なくとも1つの送信装置が、移動端末として、好ましくは携帯電話として形成されていることが想定されており、ここではこのような少なくとも1つの送信装置は好ましくは、第2の伝送プロトコルを介して通信する。これによって、家具要素を、携帯電話を介して快適に制御または設定することができる。
【0023】
少なくとも1つの送信装置が、家具要素と有線データ接続かつ/または無線データ接続されていることも想定されており、ここでは無線で伝送される少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの別の家具要素の受信装置に送信可能であり、このような通信は好ましくは第1の伝送プロトコルを介して行われる。これによって一方の家具要素の動きの状態に関する情報を他方の家具要素に伝送することが可能になる。
【0024】
これによって、たとえば、これらの家具要素によって駆動される2つの家具部分の衝突が回避され得る。
【0025】
さらに、一方の家具要素が、別の送信装置からの信号を他方の家具要素に転送することができる。
【0026】
1つの実施例では、これに対して、少なくとも1つの送信装置が、物理的に、好適には手動で操作可能なスイッチを有していることが想定されており、ここではこのような少なくとも1つの送信装置は好ましくは第1の伝送プロトコルを介して通信する。これによって操作者は家具要素を、スイッチの手動の操作を介して制御することができる。
【0027】
少なくとも1つの送信装置が家庭用機器、好適には掃除機ロボットまたは電子レンジに配置されているのも有利であり、ここではこのような送信装置は好ましくは第2の伝送プロトコルを介して通信する。これによって家庭用機器はたとえば状態データを少なくとも1つの家具要素に送ることができる。掃除機ロボットは、これによって、家具の仕切り内に入るために家具部分を自立して開けることができる。
【0028】
装置の1つの実施例では、少なくとも1つの家具要素が、可動の家具部分、特に引出し、戸またはフラップを動かすための電気的な駆動装置を有していることが想定されている。したがって、家具要素は家具駆動装置として形成されており、家具部分を開閉することができる。
【0029】
さらに、少なくとも1つの家具要素が、可動の家具要素、特に引出し、戸またはフラップを閉じるための少なくとも1つの電気的な閉鎖装置を有していることが想定されていてよい。したがって、家具要素は家具ロックとして形成されており、家具部分を閉じることができる。これによって、権限のない人物に、特定の仕切りへの立ち入りを禁止することができる。
【0030】
装置の1つの実施例では、少なくとも1つの家具要素と、対応付けられている受信装置とが、1つの、好適には共通のハウジング内に収容されている構成ユニットに統合されていることが想定されている。構成ユニットへの統合は、たとえば家具における組付けの際の手間を低減させる。ハウジング内への収容はさらに、構成ユニットの控えめかつ/または美しい外観を可能にする。
【0031】
1つの構成では、少なくとも1つの受信装置に、少なくとも1つの伝送プロトコルを介して、少なくとも1つの家具要素を設定するための設定データが少なくとも1つの信号として伝送可能であり、ここでこの設定データは好ましくは家具要素に格納可能である。これによって、家具要素を通常動作の前に設定することができる。
【0032】
装置の1つの実施例では、少なくとも1つの受信装置に、少なくとも1つの伝送プロトコルを介して、少なくとも1つの家具要素を制御するための制御信号が少なくとも1つの信号として伝送可能であり、特にこれによって、家具要素によって駆動される家具部分の動きの状態および/または位置を確定することができることが想定されている。これは、操作者が家具を使用する通常動作の場合に該当する。
【0033】
装置のさらなる実施例では、少なくとも1つの受信装置に、少なくとも1つの伝送プロトコルを介して、少なくとも1つの家具駆動装置の設定状態および/または動きの状態を表す状態データが少なくとも1つの信号として伝送可能であることが想定されている。特にこれは、2つの家具駆動装置間でデータ交換が行われる場合に、駆動される2つの家具部分の衝突回避および/または同期のために使用可能である。さらにこれが、設定の間の家具要素の分析に使用され得る。
【0034】
装置の1つの実施例では、少なくとも1つの送信装置が、好適には無線のネットワークに組み込まれていることが想定されている。この無線ネットワークを介して、インターネットに対する接続が形成可能であり、かつ他のネットワーク対応の機器を組み込むことができる。
【0035】
この制御手段の他に、またはこの制御手段の代わりに、(たとえばプッシュボタンスイッチを介した)操作者の物理的な介入によって、別の非接触式の制御手段を利用できるようにするためには、少なくとも1つの送信装置を介して少なくとも1つの家具要素を駆動制御する、音声制御のための装置が設けられていると有利である。
【0036】
音声制御が行われるこのような実施例では、特に、音声制御のための装置が、インターネットと接続されている、マイクロフォンを有する端末を含んでいることが想定されていてよく、ここでは
・端末によって実行された音声記録を、特にインターネットを介して外部コンピュータネットワークに送ることが可能であり、
・音声記録によって生じた電子メッセージおよび/または音声メッセージによって生じた操作命令を、特に無線ネットワークを介して外部コンピュータネットワークから少なくとも1つの送信装置へ送ることが可能であり、かつ
・操作命令によって生じた少なくとも1つの信号を、少なくとも1つの家具要素に伝送することが可能である。
【0037】
外部コンピュータネットワークは、ここでは通常、クラウドと称される。たとえばGoogleまたはAmazonの既存のクラウドサービスが使用されることが想定されている。
【0038】
本発明に係る家具アセンブリは、少なくとも1つの家具と、電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な家具要素を制御するための本発明に係る少なくとも1つの装置とを含んでいる。
【0039】
本発明に係る家具アセンブリの1つの実施例では、家具アセンブリが少なくとも2つの家具を含んでいることが想定されている。
【0040】
さらに、家具アセンブリが、駆動される家具部分として、少なくとも1つのフラップおよび/または少なくとも1つの戸および/または少なくとも1つの引出しを含んでいることが想定されており、家具アセンブリが複数の家具を含んでいる場合には、家具部分が任意に複数の家具に分けられていてよい。
【0041】
このような家具アセンブリでは、好適にはキッチンが念頭に置かれている。この場合、信号を受信するための装置は、様々な様式でのキッチンとの通信を可能にすることができる。たとえば、キッチンは、音声制御部、スイッチおよび移動端末を介して制御されてよく、かつ家庭用機器と通信することができる。
【0042】
特に上述の装置によって、電気的に駆動可能なまたは位置調整可能な少なくとも1つの家具要素によって信号を受信するための本発明に係る方法では、無線で伝送される少なくとも1つの信号を受信する少なくとも1つの受信装置が使用される。
【0043】
この方法は、
・無線で伝送される少なくとも1つの第1の信号を少なくとも1つの受信装置によって受信するステップ
・無線で伝送される少なくとも1つの第2の信号を少なくとも1つの受信装置によって受信するステップ
を有している。
【0044】
無線で伝送される少なくとも1つの第1の信号が第1の伝送プロトコルを用いて伝送され、無線で伝送される少なくとも1つの第2の信号が、第1の伝送プロトコルとは異なっている第2の伝送プロトコルを用いて伝送されることが想定されている。
【0045】
本発明に係る方法の1つの実施例では、無線で伝送される少なくとも1つの信号が、少なくとも1つの送信装置から送信されることが想定されている。
【0046】
本発明に係る方法のさらなる実施例では、少なくとも1つの第1の信号の、第1の伝送プロトコルによる伝送は、
・少なくとも1つの送信装置と少なくとも1つの受信装置との間において一方向で、かつ/または
・直接に少なくとも1つの受信装置にアドレッシングされて、かつ/または
・少なくとも1つの受信装置による受信確認なしで、かつ/または
・少なくとも1つの受信装置の受信準備完了のチェックなしで、かつ/または
・少なくとも1つの信号の、固定的に設定されているまたは設定可能なルート指定によって、
行われ、第1の伝送プロトコルとして、好適には伝送プロトコルESB(Enhanced ShockBurst)(登録商標)が使用される。このような伝送プロトコルの利点は、特に、短いレイテンシでのデータ伝送にある。
【0047】
本発明に係る方法の1つの実施例では、少なくとも1つの信号が、第2の伝送プロトコルであるBluetooth(登録商標)を介して伝送されることが想定されている。Bluetooth(登録商標)の利点は、多くの機器において標準的に使用可能であることにある。
【0048】
本発明に係るコンピュータプログラム製品は命令を含んでおり、この命令は、少なくとも1つの計算ユニットによる実行の際に、少なくとも1つの計算ユニットとデータ接続されている、またはデータ接続可能な少なくとも1つのメモリユニットから、本発明に係る方法を実施するようにこの少なくとも1つの計算ユニットを促す。
【0049】
本願に関して、「信号」という表現は物理的な信号を表す。たとえば、この意味では、同じセマンティックコンテンツを同じ伝送プロトコルを介して伝送するが、相前後して送信される2つの信号は相異している。
【0050】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【
図1a】フラップを動かすための家具駆動装置を備えた家具を示す図である。
【
図1b】フラップを動かすための家具駆動装置を備えた家具を示す図である。
【
図2】引出しの突き出しのための家具駆動装置を備えた家具を示す図である。
【
図3】戸の突き出しのための家具駆動装置を備えた家具を示す図である。
【
図4a】フラップを動かすための家具駆動装置と、物理的に操作可能なスイッチとを備えた家具を示す図である。
【
図4b】フラップを動かすための家具駆動装置と、物理的に操作可能なスイッチとを備えた家具を示す図である。
【
図5】無線信号を介して制御される複数の家具要素の概観図である。
【
図6a】少なくとも1つの家具要素から信号を受信するための本発明に係る装置の実施例を示す図である。
【
図6b】少なくとも1つの家具要素から信号を受信するための本発明に係る装置の実施例を示す図である。
【
図6c】少なくとも1つの家具要素から信号を受信するための本発明に係る装置の実施例を示す図である。
【
図6d】少なくとも1つの家具要素から信号を受信するための本発明に係る装置の実施例を示す図である。
【
図6e】少なくとも1つの家具要素から信号を受信するための本発明に係る装置の実施例を示す図である。
【0052】
図1a、
図1b、
図2、
図3、
図4aおよび
図4bは、既にそれ自体従来技術である家具駆動装置11を備える家具9の種々異なる実施形態を示している。当然、本発明は、新規の別の家具駆動装置11でも使用される。
【0053】
図1aおよび
図1bには、それぞれ、家具駆動装置11として形成されている家具要素1を備える家具9が示されている。
図1aにはさらに、上方に向かってフラップ開閉可能なフラップ92が示されており、フラップ92は、
図1bでは見やすくするために図示されていない。フラップ92は、家具駆動装置11として形成されている家具要素1を介して、家具キャビネット91と結合されている。家具要素1は、調整アーム111と、2つのレバー112a,112bと、1つの駆動レバー113とを含んでいる。調整アーム111は、フラップ92に固定されており、かつ回動可能にレバー112a,112bと結合されている。同様に、駆動レバー113が回動可能にレバー112a,112bと結合されており、この駆動レバー113は、家具駆動装置11によって電気的に動かされてよい。家具駆動装置11のこのような構成は、刊行物である国際公開第2017/177247号にも開示されている。
【0054】
図2には、家具キャビネット91において3つの引出し94を有している家具9が示されている。少なくとも1つの引出し94が、家具駆動装置11によって電気的に突き出され得る。このために家具駆動装置11は、突き出しレバー114を有している。このような構成は、刊行物であるオーストリア国特許出願公開第513756号明細書にも開示されている。
【0055】
図3には、箪笥の形の家具9が示されている。家具キャビネット91に配置されている戸93は、
図2のように、電気的な家具駆動装置11によって突き出され得る。このような構成は、刊行物であるオーストリア国特許出願公開第514945号明細書にも開示されている。
【0056】
図1a~
図3に示された電気的な家具駆動装置11は、無線接続を介して駆動制御されてもよい。
【0057】
図4aおよび
図4bは、無線接続を介して信号4を家具駆動装置11に伝送する、物理的に操作可能なスイッチ5の実施例を開示している。信号4は、フラップ92を開閉させるように家具駆動装置11を促すことができる。ここで、
図4bには、
図4aの領域Dの詳細図が示されている。このような実施例は、刊行物であるオーストリア国実用新案第11904号明細書にも開示されている。
【0058】
本願の実施例では、複数の家具9が、家具アセンブリを形成することが想定されている。
【0059】
家具アセンブリは、たとえば、複数の、特に少なくとも2つのキッチン家具を備えたキッチンユニットを含んでいてよい。複数の家具要素1、特に家具駆動装置11と家具ロック12との通信および複数の家具要素1間の通信によって、キッチンをより容易に操作できるようにすることができる。特に選択的に、フラップ92、戸93および引出し94は、無線式押しボタン5、音声制御部、移動端末34等によって制御されてよい。
【0060】
図5は、無線通信ネットワークを用いた複数の家具要素1との通信、および複数の家具要素1間の通信の概略図を示している。破線は、個々の要素間の無線接続を示している。無線通信ネットワークの部分は、
・種々異なるタイプ、特に
図1、
図2および
図3に示したタイプの4つの家具駆動装置11
・物理的に操作可能なスイッチ5
・家具ロック12
・電子レンジ、コーヒーマシンおよび掃除機ロボットの形態の家庭用機器35
・無線ネットワーク6に組み込まれている主送信装置31
・同様に無線ネットワーク6に組み込まれており、インターネットとの接続を形成することができるルータ61
・移動端末34および
・音声制御のための装置7
である。
【0061】
通信ネットワークは、インターネットを介して、少なくとも1つの外部コンピュータネットワーク8(「クラウド」)とデータ接続されており、ここにおいて、たとえば音声メッセージの分析が実行され得る。少なくとも1つの外部コンピュータネットワーク8には、Webインタフェースを備えるコンピュータ81を用いてアクセスすることができる。
【0062】
このような例では、家具駆動装置11は本発明に相応に、以降でより詳細に説明するように、第1の伝送プロトコルを介しても、第2の伝送プロトコルを介しても駆動制御されてよい。
【0063】
図6a~
図6eは、少なくとも1つの家具要素1の信号4を受信するための本発明に係る装置の種々異なる実施例を示している。
【0064】
図6aは、家具要素1に対応付けられている受信装置2を有する家具要素1を示している。受信装置2は信号401,402を受信し、一方の信号4は第1の伝送プロトコルによって伝送される信号401であり、他方の信号4は第2の伝送プロトコルによって伝送される信号402である。これらの信号401,402は、たとえば、家具要素1を制御または設定するために使用されてよい。
【0065】
図6bでは、受信装置2は2つの受信ユニット21,22を備えており、第1の受信ユニット21は第1の伝送プロトコルによって伝送された信号401を受信し、第2の受信ユニット22は第2の伝送プロトコルによって伝送された信号402を受信する。これは特に、2つの信号401,402が異なる搬送周波数で伝送され、したがって、無線信号を受信するための2つのアンテナが必要な場合に該当する。しかし2つの受信ユニット21,22が1つのアンテナを共有していてもよく、このような場合には、典型的に交互に第1の伝送プロトコルと第2の伝送プロトコルとによって信号401,402が受信される。受信時間と送信時間とに対する時間の計画はここではたとえば、受信装置2と、信号401,402を送出する送信装置3とにおいて実行されるプログラムによって実行されなければならない。
【0066】
1つの実施例では、第1の伝送プロトコルとしてESB(Enhanced ShockBurst)(登録商標)が使用され、第2の伝送プロトコルとしてBluetooth(登録商標)が使用される。
【0067】
図6cには典型的な実施例が示されている。ここでは、属する受信装置2を備える3つの家具要素1が、主送信装置31から、第1の伝送プロトコル(特にESB(登録商標))を介して伝送された信号401によって駆動制御される。主送信装置31はここでブリッジであってよく、これはそれ自体で操作命令45を無線ネットワーク6から、WLANを介して受信する。無線ネットワーク6は、ここでインターネットおよび外部コンピュータネットワーク8(「クラウド」)と接続されていてよい。本発明に相応に、これらの受信装置2のうちの1つの受信装置2はさらに、第2の伝送プロトコルを介して、たとえば移動端末34から伝送された信号402を受信する。このような第2の伝送プロトコルは、上述のように、典型的にはBluetooth(登録商標)であり、これは多くの移動端末34、たとえばスマートフォンまたはタブレットによってサポートされている。
【0068】
信号401,402はここで、家具要素1を制御するために、制御信号として機能し得る。これによって、操作者は、家具要素1によって駆動される家具部分90を、移動端末34を介しても、たとえば、外部コンピュータネットワーク(「クラウド」)と接続されている、音声制御のための装置7を用いて音声制御を介しても開閉することができる。
【0069】
しかし信号401,402が、1つまたは複数の家具要素1の設定のために使用されてもよく、これは典型的には、操作者によって使用の前に一度実行される。
【0070】
さらに、信号401は、家具要素1の位置または動きの状態を別の家具要素1に伝達するために状態データを含んでいてよい。これは
図6dに示されており、ここでは家具要素1の送信ユニット33が自身の位置を、隣接する家具要素1に伝達し、これによって、たとえば、示されている2つの家具要素1によって駆動される家具部分90の衝突を回避することができる、またはこれら2つの家具要素1を同期させることができる。
【0071】
移動端末34から、開けるための命令が第2の伝送プロトコルにおける信号402を介して、第1の家具要素1に送られる場合、第1の家具要素1に、第2の家具要素1の状態も、第1の伝送プロトコルにおける信号401を介して伝達されてよい。
【0072】
図6eは、物理的に操作可能なスイッチ5(副送信装置32を介して)および家庭用機器35による、受信装置2を備える家具要素1による家具部分90の制御を示している。ここでは副送信装置32は自身の信号401を第1の伝送プロトコル(ESB(登録商標))を介して送信し、家庭用機器35は自身の信号402を第2の伝送プロトコル(無線対応の家庭用機器35は通常、Bluetooth(登録商標)をサポートしている)を介して送信する。
【0073】
したがってたとえば、家具9の底面に近い領域に配置されているフラップ92が掃除機ロボットのための「ガレージの扉」として用いられてよく、掃除機ロボットはBluetooth(登録商標)を介して、家具9内の底面に近い仕切り(「ガレージ」)への出入りのためにフラップ92を自身で開閉することができる。さらに、操作者もスイッチを介してフラップ92を電気的に開閉することができることが望まれており、想定されている。
【0074】
Bluetooth(登録商標)を介して通信する家庭用機器35のさらなる例は、家具9のフラップ92を備える仕切り内の電子レンジである。これは安全上の理由から、Bluetooth(登録商標)を介して、フラップ92の状態を問い合わせることができ、たとえばフラップ92が開けられている場合にのみ加熱を行う。さらに、フラップ92はESB(登録商標)を介してスイッチ5を介して開閉され得る。
【符号の説明】
【0075】
1 家具要素
11 家具駆動装置
111 調整アーム
112a レバー
112b レバー
113 レバー
114 突き出しレバー
12 家具ロック
2 受信装置
21 第1の受信ユニット
22 第2の受信ユニット
3 送信装置
31 主送信装置
32 副送信装置
33 家具要素の送信装置
34 移動端末
35 家庭用機器
4 信号
401 第1の伝送プロトコルにおける信号
402 第2の伝送プロトコルにおける信号
41 制御信号
42 設定データを含む信号
43 状態データを含む信号
44 音声記録
45 操作命令
46 電子メッセージ
5 スイッチ
6 無線ネットワーク
61 ルータ
7 音声制御のための装置
8 外部コンピュータネットワーク
81 Webインタフェースを備えるコンピュータ
9 家具
90 家具部分
91 家具キャビネット
92 フラップ
93 戸
94 引出し