(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】バッテリーパック及びそれを含む自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/289 20210101AFI20241125BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241125BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20241125BHJP
H01M 10/643 20140101ALI20241125BHJP
H01M 10/6557 20140101ALI20241125BHJP
H01M 10/6567 20140101ALI20241125BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20241125BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20241125BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20241125BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20241125BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20241125BHJP
【FI】
H01M50/289 101
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/643
H01M10/6557
H01M10/6567
H01M50/213
H01M50/242
H01M50/249
H01M50/271 S
H01M50/291
(21)【出願番号】P 2022577372
(86)(22)【出願日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 KR2022000504
(87)【国際公開番号】W WO2022149967
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0003550
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】クワン-クン・オ
(72)【発明者】
【氏名】ジン-オ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】イン-ヒュク・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヘ-ウォン・チェ
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-530936(JP,A)
【文献】中国実用新案第204333163(CN,U)
【文献】特表2020-513655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 10/52-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車に装着されるバッテリーパックであって、
複数個のバッテリーセルと、
前記複数個のバッテリーセルを支持するベースプレートと、
前記ベースプレートの幅方向に沿って所定の長さで配置されるとともに、前記ベースプレートの長手方向において前記複数個のバッテリーセルの間に配置されて、前記長手方向において対向するバッテリーセルを付着して固定する、クロスビームユニットと、を含み、
前記クロスビームユニットは、複数個のビーム部材を含み、
前記複数個のビーム部材は、前記ベースプレートの長手方向に沿って所定の距離だけ離隔して配置されており、
前記複数個のビーム部材は、
冷却水流路が内部に形成されたビーム本体であって、前記ベースプレートの幅方向に沿って所定の長さに形成されたビーム本体と、
前記ビーム本体の下端部に備えられ、前記ベースプレートと接触して配置されている第1フランジと、
前記第1フランジの反対側である前記ビーム本体の上端部に備えられ、カバープレートと接触して配置されている第2フランジと、を含み、
前記第1フランジは、前記長手方向において、前記複数個のバッテリーセルの上部の少なくとも一部をカバーし、
前記第2フランジは、前記長手方向において、前記複数個のバッテリーセルの下部の少なくとも一部をカバー
しており、
前記複数個のバッテリーセルの一面には、前記複数個のバッテリーセルの電気的接続のための正極及び負極の構造が設けられ、
前記クロスビームユニットには、前記複数個のバッテリーセルの一面の反対側である他面が付着されていることを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記複数個のバッテリーセルの一面は、前記長手方向において、対向するバッテリーセルの一面と所定の距離で離隔して配置されていることを特徴とする、請求項
1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記クロスビームユニットは、前記複数個のバッテリーセルの冷却のための冷却水流路を備えることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記複数個のバッテリーセルの上部をカバーし、前記複数個のバッテリーセルを間に置いて前記ベースプレートと対向して配置されているカバープレートを含むことを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記クロスビームユニットは、前記ベースプレートと前記カバープレートとの間に配置されているとともに、前記ベースプレート及び前記カバープレートと各々接触して配置されていることを特徴とする、請求項
4に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記第1フランジ及び前記第2フランジは、前記長手方向において前記ビーム本体よりも大きい厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記複数個のバッテリーセルは、前記長手方向において、前記ビーム本体の両面に各々直接的に付着されていることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記複数個のバッテリーセルは、前記長手方向において、各々の前記ビーム本体を間に置いて対称的に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
請求項1から
8のいずれか一項に記載のバッテリーパックを少なくとも一つ含むことを特徴とする、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーパック及びそれを含む自動車に関する。
本出願は、2021年01月11日出願の韓国特許出願第10-2021-0003550号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
製品群に応じた適用性が高く、且つ、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器だけでなく、電気的駆動源によって駆動する電気自動車(EV:Electric Vehicle)またはハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に適用されている。このような二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少できるという一次的な長所だけでなく、エネルギー使用に伴う副産物が全く生じないという点で、環境にやさしく、エネルギー効率が向上できることから、新しいエネルギー源として注目を集めている。
【0003】
現在、広く使用される二次電池の種類としては、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、即ち、単位バッテリーセルの作動電圧は約2.5V~4.5Vである。したがって、これよりさらに高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列接続してバッテリーパックを構成する。また、バッテリーパックに要求される充放電容量によって複数のバッテリーセルを並列接続してバッテリーパックを構成し得る。したがって、上記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数は、要求される出力電圧または充放電容量によって多様に設定可能である。
【0004】
なお、複数のバッテリーセルを直列・並列接続してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルからなるバッテリーモジュールを先に構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールを用いてその他の構成要素を追加してバッテリーパックやバッテリーラックを構成する方法が一般的である。
【0005】
従来のバッテリーパックの場合、通常、複数個のバッテリーセル及びその複数個のバッテリーセルを収容するセルフレームを含んで構成される。従来のセルフレームは、通常、前記複数個のバッテリーセルを収容し、剛性などの確保のために、前方プレート、後方プレート、サイドプレート、下部プレート、及び上部プレートなどの複数枚のプレートの組立体から構成される。
【0006】
しかし、従来のバッテリーパックの場合、このような複数枚のプレートの組立体から構成されるセルフレーム構造の特性上、製造コストが増加し、組立工程が複雑であり、価格競争力及び製造効率の面で不利であるという問題がある。
【0007】
また、従来のバッテリーパックの場合、複数枚のプレートの組立体から構成されるセルフレームの構造によって、バッテリーパックの全体サイズが増加してエネルギー密度の面で不利であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、エネルギー密度を向上させると共に剛性を確保することができるバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、価格競争力及び製造効率を向上させることができるバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を達成するために、本発明は、自動車に装着されるバッテリーパックであって、複数個のバッテリーセルと、前記複数個のバッテリーセルを支持するベースプレートと、前記ベースプレートの幅方向に沿って所定の長さで配置されるとともに、前記ベースプレートの長手方向において前記複数個のバッテリーセルの間に配置されて、前記長手方向において対向するバッテリーセルを付着して固定する、クロスビームユニットと、を含むことを特徴とするバッテリーパックを提供する。
【0011】
前記複数個のバッテリーセルの一面には、前記複数個のバッテリーセルの電気的接続のための正極及び負極の構造が設けられ、前記クロスビームユニットには、前記複数個のバッテリーセルの一面の反対側である他面が付着され得る。
【0012】
前記複数個のバッテリーセルの一面は、前記長手方向において、対向するバッテリーセルの一面と所定の距離だけ離隔して配置され得る。
【0013】
前記クロスビームユニットには、前記複数個のバッテリーセルの冷却のための冷却水流路が備えられ得る。
【0014】
前記バッテリーパックは、前記複数個のバッテリーセルの上部をカバーし、前記複数個のバッテリーセルを間に置いて前記ベースプレートと対向して配置されるカバープレートを含み得る。
【0015】
前記クロスビームユニットは、前記ベースプレートと前記カバープレートとの間に配置され、前記ベースプレート及び前記カバープレートと各々接触して配置され得る。
【0016】
前記クロスビームユニットは、複数個のビーム部材を含み、前記複数個のビーム部材は、前記ベースプレートの長手方向に沿って所定の距離だけ離隔して配置され得る。
【0017】
前記複数個のビーム部材は、前記冷却水流路が内部に形成されたビーム本体であって、前記ベースプレートの幅方向に沿って所定の長さに形成されたビーム本体と、前記ビーム本体の下端部に備えられ、前記ベースプレートと接触して配置される第1フランジと、前記第1フランジの反対側である前記ビーム本体の上端部に備えられ、前記カバープレートと接触して配置される第2フランジと、を含み得る。
【0018】
前記第1フランジ及び前記第2フランジは、前記長手方向において前記ビーム本体よりも大きい厚さを有し得る。
【0019】
前記第1フランジは、前記長手方向において、前記複数個のバッテリーセルの上部の少なくとも一部をカバーし、前記第2フランジは、前記長手方向において、前記複数個のバッテリーセルの下部の少なくとも一部をカバーし得る。
【0020】
前記複数個のバッテリーセルは、前記長手方向において、前記ビーム本体の両面に各々直接的に付着され得る。
【0021】
前記複数個のバッテリーセルは、前記長手方向において、各々のビーム本体を間において対称的に配置され得る。
【0022】
なお、本発明は、自動車であって、前述した実施例によるバッテリーパックを少なくとも一つ含むことを特徴とする自動車を提供する。
【発明の効果】
【0023】
以上のような多様な実施例によって、エネルギー密度の向上と共に剛性が確保可能なバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することができる。
【0024】
また、以上のような多様な実施例によって、価格競争力及び製造効率を向上させることができるバッテリーパック及びそれを含む自動車を提供することができる。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施例によるバッテリーパックを説明するための図である。
【
図2】
図1のバッテリーパックの分解斜視図である。
【
図3】
図2のバッテリーパックのクロスビームユニットのビーム部材を説明するための図である。
【
図5】
図3のビーム部材に固定されるバッテリーセルを説明するための図である。
【
図7】本発明の他の実施例によるバッテリーパックを説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施例による自動車を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。ここで説明される実施例は、発明の理解を助けるために例示的に示したものであり、本発明は、ここで説明する実施例とは相違に多様に変形して実施できることを理解せねばならない。なお、発明の理解を助けるために、添付の図面は、実際の縮尺ではなく一部構成要素が誇張されて示され得る。
【0028】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーパックを説明するための図であり、
図2は、
図1のバッテリーパックの分解斜視図である。
図3は、
図2のバッテリーパックのクロスビームユニットのビーム部材を説明するための図であり、
図4は、
図3のビーム部材の断面図であり、
図5は、
図3のビーム部材に固定されるバッテリーセルを説明するための図である。
図6は、
図1のバッテリーパックの断面図である。
【0029】
図1~
図6を参照すると、バッテリーパック10は、自動車に装着され、バッテリーセル100、ベースプレート200、及びクロスビームユニット300を含み得る。
【0030】
また、前記バッテリーパック10は、カバープレート400をさらに含み得る。
【0031】
以下、前記バッテリーパック10についてより具体的に説明する。
【0032】
前記バッテリーセル100は、少なくとも一つまたはそれ以上の複数個が備えられ得る。以下、本実施例は、前記バッテリーセル100が複数個備えられることに限定して説明する。
【0033】
前記複数個のバッテリーセル100は、二次電池であって、パウチ型二次電池、角形二次電池、または円筒型二次電池として備えられ得る。以下、本実施例において、前記複数個のバッテリーセル100は、円筒型二次電池として備えられることに限定して説明する。
【0034】
前記複数個のバッテリーセル100の一面には、前記複数個のバッテリーセル100の電気的接続のための正極及び負極の構造が設けられる電気的接続構造が形成され得る。
【0035】
前記複数個のバッテリーセル100の一面は、後述するベースプレート200の長手方向において、前記正極及び負極の構造の電気的接続のためのバスバープレートなどとの接続などのために、対向するバッテリーセル100の一面と所定の距離だけ離隔して配置され得る。
【0036】
前記複数個のバッテリーセル100の一面の反対側である他面には、正極及び負極の構造が形成されないこともある。前記複数個のバッテリーセル100の他面は、後述するクロスビームユニット300に付着され得る。
【0037】
前記ベースプレート200は、前記複数個のバッテリーセル100を支持するためのものであって、前記複数個のバッテリーセル100を搭載可能な形状及び大きさであり得る。
【0038】
前記ベースプレート200は、前記自動車に装着され得る。前記ベースプレート200の長手方向は、前記自動車の長手方向と平行な方向であり、前記ベースプレート200の幅方向は、前記自動車の左右両側の幅方向と平行な方向であり得る。
【0039】
前記クロスビームユニット300は、前記ベースプレート200の幅方向に沿って所定の長さで配置され、前記ベースプレート200の長手方向において前記複数個のバッテリーセル100の間に配置され、前記長手方向において対向するバッテリーセル100を付着して固定し得る。このような前記クロスビームユニット300には、内部に冷却水流路315が備えられ得る。
【0040】
前記クロスビームユニット300は、剛性確保の面で所定の強度を有する金属材質として備えられ得る。本実施例の場合、前記クロスビームユニット300と前記複数個のバッテリーセル100との付着が、前記バッテリーセル100の電極が形成されない前記複数個のバッテリーセル100の他面で行われるため、前記付着による電気的短絡などの問題が発生することを防止することができる。
【0041】
前記クロスビームユニット300は、前記ベースプレート200と後述するカバープレート400との間に配置され、前記ベースプレート200及び後述するカバープレート400と各々接触して配置され得る。
【0042】
前記クロスビームユニット300は、前記バッテリーパック10の剛性を補強すると共に、前記ベースプレート200の幅方向、即ち、前記バッテリーパック10の幅方向における外部衝撃などの発生時、前記複数個のバッテリーセル100側への衝撃の伝達を防止または緩衝できる。
【0043】
このために、前記クロスビームユニット300は、前記ベースプレート200の幅方向において、前記複数個のバッテリーセル100よりも外側へ突出するように配置され得る。
【0044】
これによって、前記クロスビームユニット300は、前記幅方向における前記外部衝撃などの発生時、前記複数個のバッテリーセル100より先に前記外部衝撃などを受けてこれを緩衝または吸収することで、前記複数個のバッテリーセル100側への衝撃の伝達を最小化できる。
【0045】
例えば、前記クロスビームユニット300は、前記幅方向においてある一側における外部衝撃などの発生時、前記複数個のバッテリーセル100よりも優先的に衝撃を受けることができ、このような衝撃を前記幅方向の他側へ伝達させることで、前記複数個のバッテリーセル100側への衝撃の伝達を効果的に防止できる。
【0046】
以下、本実施例による前記クロスビームユニット300についてより具体的に説明する。
【0047】
前記クロスビームユニット300は、複数個のビーム部材(以下、ビーム部材300ともいう)を含み得る。
【0048】
前記複数個のビーム部材300は、前記ベースプレート200の長手方向に沿って所定の距離で離隔して配置され得る。前記複数個のビーム部材300は、前記ベースプレート200の幅方向において、前記複数個のバッテリーセル100よりも外側に配置され得る。
【0049】
このような前記複数個のビーム部材300は各々、ビーム本体310、第1フランジ330、及び第2フランジ350を含み得る。
【0050】
前記ビーム本体310は、前記冷却水流路315が内部に形成され、前記ベースプレート200の幅方向に沿って所定の長さに形成され得る。このような前記ビーム本体310は、外部衝撃などの発生時、前記複数個のバッテリーセル100よりも優先的に外部衝撃などを受けることで衝撃を緩衝及び吸収可能である。
【0051】
前記ビーム本体310の長手方向に沿う両面には各々、前記複数個のバッテリーセル100が付着され得る。これによって、前記複数個のバッテリーセル100は、前記長手方向において、各々のビーム本体310を間に置いて対称的に配置され得る。
【0052】
例えば、前記複数個のバッテリーセル100は、前記長手方向において、前記ビーム本体310の両面に各々直接的に付着され得る。具体的には、前記複数個のバッテリーセル100の他面が、前記長手方向において、前記ビーム本体310の両面に各々直接的に付着され得る。
【0053】
前記複数個のバッテリーセル100の付着は、接着剤または両面テープなどで行われ得る。しかし、これに限定されず、前記ビーム本体310の両面に前記複数個のバッテリーセル100の他面が嵌められるように所定の形状の溝が形成され得る。また、前記ビーム本体310と前記複数個のバッテリーセル100の他面との間に、これらの付着をガイドする付着ガイド部材が備えられ得る。前記付着ガイド部材は、前記複数個のバッテリーセル100の他面を挿入した後、前記ビーム本体310の両面に各々付着され得る。
【0054】
一方、前記複数個のバッテリーセル100と前記ビーム本体310との間には、前記複数個のバッテリーセル100の冷却性能をより向上させるように、接着成分を有する熱伝達物質が備えられ得る。
【0055】
前記冷却水流路315は、前記複数個のバッテリーセル100の冷却のためのものであって、内部に前記複数個のバッテリーセル100の冷却のための冷却水が流動し得る。
【0056】
前記第1フランジ330は、前記ビーム本体310の剛性を補強するためのものであって、前記ビーム本体310の下端部に備えられ得る。前記第1フランジ330は、前記ベースプレート200と接触して配置され得る。
【0057】
前記第1フランジ330は、前記長手方向において、前記ビーム本体310よりも大きい厚さを有し得る。前記第1フランジ330は、前記長手方向において、前記複数個のバッテリーセル100の上部の少なくとも一部をカバーし得る。
【0058】
これによって、前記第1フランジ330は、前記複数個のバッテリーセル100が前記ビーム本体310にさらに安定的に固定及び支持されることを効果的にガイド可能である。
【0059】
前記第2フランジ350は、前記ビーム本体310の剛性を補強するためのものであって、前記第1フランジ330の反対側である前記ビーム本体310の上端部に備えられ、後述するカバープレート400と接触して配置され得る。
【0060】
前記第2フランジ350は、前記長手方向において、前記ビーム本体310よりも大きい厚さを有し得る。前記第2フランジ350は、前記長手方向において、前記複数個のバッテリーセル100の下部の少なくとも一部をカバーし得る。
【0061】
これによって、前記第2フランジ350は、前記複数個のバッテリーセル100が前記ビーム本体310にさらに安定的に固定及び支持されることを効果的にガイドできる。
【0062】
前記カバープレート400は、前記複数個のバッテリーセル100の上部をカバーし、前記複数個のバッテリーセル100を間に置いて前記ベースプレート200と対向して配置され得る。
【0063】
このように、本実施例による前記バッテリーパック10は、前記クロスビームユニット300によって、従来のような複数個のプレート部材から構成されるセルフレーム構造物を備えなくても、前記バッテリーパック10の剛性を補強すると共に、前記複数個のバッテリーセル100をより安定的に固定可能である。
【0064】
したがって、本実施例による前記バッテリーパック10は、従来のようなセルフレーム構造物を省略可能であるので、前記バッテリーパック10の全体サイズを減らすことができ、前記バッテリーパック10のエネルギー密度をさらに向上させることができる。
【0065】
また、本実施例による前記バッテリーパック10は、従来のような複数のプレート部材から構成されるセルフレーム構造物を省略することによって、前記バッテリーパック10の製造コストを節減すると共に、組立工程の速度を大幅に高めることができる。
【0066】
したがって、本実施例による前記バッテリーパック10は、前記バッテリーパック10の製造に際し、価格競争力を高め、前記製造工程時の組立工程の効率を大幅に向上させることができる。
【0067】
また、本実施例による前記バッテリーパック10は、前記クロスビームユニット300内に冷却水の流動のための前記冷却水流路315が備えられることから、ヒートシンクのような別の構造物などを備えなくても前記複数個のバッテリーセル100を効果的に冷却可能である。
【0068】
したがって、本実施例による前記バッテリーパック10は、従来のようなヒートシンクのような別の構造物の積層構造が省略されるので、前記バッテリーパック10の全体サイズをより減少させることができ、前記バッテリーパック10のエネルギー密度を大幅に向上させることができる。
【0069】
図7は、本発明の他の実施例によるバッテリーパックを説明するための図である。
【0070】
本実施例によるバッテリーパック20は、前述した実施例の前記バッテリーパック10と類似であるので、前述した実施例と実質的に同一または類似の構成については重複する説明を省略し、以下、前述した実施例との相違点を中心にして説明する。
【0071】
図7を参照すると、前記バッテリーパック20は、複数個のバッテリーセル100、ベースプレート200、クロスビームユニット300、カバープレート400、及びセル支持ガイダー500を含み得る。
【0072】
前記複数個のバッテリーセル100、前記ベースプレート200、前記クロスビームユニット300及び前記カバープレート400は、前述した実施例と実質的に同一または類似であるので、以下、重複する説明を省略する。
【0073】
前記セル支持ガイダー500は、前記ベースプレート200と前記カバープレート400との間で前記複数個のバッテリーセル100の上部及び下部を支持し得る。
【0074】
前記セル支持ガイダー500は、前記複数個のバッテリーセル100の上部及び下部をより安定的に支持できるように、相互に積層されるバッテリーセル100の積層形状に対応する凹凸形状を有する支持空間を備え得る。
【0075】
これによって、本実施例では、前記セル支持ガイダー500によって、前記複数個のバッテリーセル100を前記ベースプレート200と前記カバープレート400との間でより堅固に固定及び支持することが可能である。
【0076】
また、前記セル支持ガイダー500は、前記複数個のバッテリーセル100の冷却性能をより向上させるように、熱伝達物質として備えられることも可能である。これによって、本実施例では、前記バッテリーパック20の冷却性能がさらに向上できる。前記熱伝達物質は、例えば、サーマルグリース、エラストマー充填パッド、グラファイトパッド、サーマルシリコーンパッドなどとして設けられ得る。
【0077】
図8は、本発明の一実施例による自動車を説明するための図である。
【0078】
図8を参照すると、前記バッテリーパック10(20)は自動車のエネルギー源であって、自動車1に備えられ得る。例えば、前記バッテリーパック10(20)は、電気自動車、ハイブリッド自動車及びその他のバッテリーパック10(20)をエネルギー源として使用可能なその他の方式で自動車1に備えられ得る。
【0079】
本実施例の前記バッテリーパック10(20)は、前記自動車1にモジュール化形態で装着され得る。例えば、前記バッテリーパック10(20)は、求められる容量などに応じて複数個が備えられ、前記自動車1内で相互に電気的に接続可能に前記自動車1に装着され得る。
【0080】
本実施例の場合、前記バッテリーパック10(20)が前記クロスビームユニット300を備えるので、前記バッテリーパック10(20)の装着によって、従来の自動車に別に備えられていたクロスビームなどのような構造物が省略可能である。
【0081】
これによって、本実施例による前記自動車1は、前記自動車1において前記バッテリーパック10(20)の装着空間をさらに確保できるため、前記自動車1に装着されるバッテリーパック10(20)のエネルギー密度をより高めることができる。
【0082】
また、本実施例による前記自動車1は、前記バッテリーパック10(20)の前記クロスビームユニット300内に冷却水流路315が備えられることによって、前記バッテリーパック10(20)の冷却のためのヒートシンクのような冷却ユニットの構造も簡素化できるため、前記自動車1において前記バッテリーパック10(20)の装着空間をさらに確保可能になり、前記自動車1に装着されるバッテリーパック10(20)のエネルギー密度を大幅に向上させることができる。
【0083】
また、前記バッテリーパック10(20)は、前記自動車1の外にも、二次電池を用いる電力貯蔵装置(Energy Storage System)など、その他の装置や器具及び設備などにも備えられ得ることは勿論である。
【0084】
以上のような多様な実施例によって、エネルギー密度を向上させると共に、剛性が確保可能なバッテリーパック10(20)及びそれを含む自動車1を提供することができる。
【0085】
また、以上のような多様な実施例によって、価格競争力及び製造効率が向上したバッテリーパック10(20)及びそれを含む自動車1を提供することができる。
【0086】
以上、本発明の望ましい実施例について図示及び説明したが、本発明は上述した特定の望ましい実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく当該発明が属する技術分野における通常の知識を持つ者によって多様に変形できることは言うまでもなく、かかる変形は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはいけない。
【符号の説明】
【0087】
10、20 バッテリーパック
100 バッテリーセル
200 ベースプレート
300 ビーム部材(クロスビームユニット)
400 カバープレート