(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20241125BHJP
【FI】
G06Q30/0241 446
(21)【出願番号】P 2023106024
(22)【出願日】2023-06-28
【審査請求日】2024-04-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】塩田 徳彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-027672(JP,A)
【文献】特開2022-101149(JP,A)
【文献】特開2023-075441(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサに、仮想空間に設定されている広告に対する、ユーザが操作するオブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、前記ユーザへ報酬を付与させ、
前記パラメータは、仮想空間における前記オブジェクトの滞在時間、移動量および移動速度の少なくともいずれか1つに基づいて決定される、プログラム。
【請求項2】
前記ユーザと所定の関係を有する他のユーザにより操作されるオブジェクトのパラメータであって、前記広告に対する関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、プロセッサに、前記報酬の内容を変更させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記パラメータは、仮想空間における前記オブジェクトの滞在時間および移動速度に基づいて決定され、
仮想空間における前記オブジェクトの移動速度がゼロである時間が所定時間以上継続する場合、仮想空間における前記オブジェクトの滞在時間には、移動速度がゼロである時間は含まれない、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記パラメータは、仮想空間における前記オブジェクトの移動速度に基づいて決定され、
仮想空間における前記オブジェクトの移動速度がゼロより大きく、かつ所定の閾値未満である場合、前記パラメータが所定条件を満たすと判断される、請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
プロセッサを有し、
プロセッサは、仮想空間に設定されている広告に対する、ユーザが操作するオブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、前記ユーザへ報酬を付与し、
前記プロセッサは、仮想空間における前記オブジェクトの滞在時間、移動量および移動速度の少なくともいずれか1つに基づいて前記パラメータを決定する、情報処理装置。
【請求項6】
プロセッサが、仮想空間に設定されている広告に対する、ユーザが操作するオブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、前記ユーザへ報酬を付与し、
前記プロセッサが、仮想空間における前記オブジェクトの滞在時間、移動量および移動速度の少なくともいずれか1つに基づいて前記パラメータを決定する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のユーザの各々のアバタが活動する仮想空間における広告の提示に関して、様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1には、ユーザ端末の移動パターンを分析して当該ユーザの関心分野を特定し、関心分野に合うユーザカスタマイズ広告を表示させる広告提供システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザと広告の関わりに応じた報酬を当該ユーザに付与することのできる、プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に示す一実施形態に係るプログラムは、
プロセッサに、仮想空間に設定されている広告に対する、ユーザが操作するオブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、前記ユーザへ報酬を付与させる。
【0006】
本開示に示す他の一実施形態に係る情報処理装置は、
プロセッサを有し、
プロセッサは、仮想空間に設定されている広告に対する、ユーザが操作するオブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、前記ユーザへ報酬を付与する。
【0007】
本開示に示す他の一実施形態に係る情報処理方法は、
プロセッサが、仮想空間に設定されている広告に対する、ユーザが操作するオブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、前記ユーザへ報酬を付与する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に示す一実施形態によれば、ユーザと広告の関わりに応じた報酬を当該ユーザに付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示の第1の実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示の第1の実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部による広告の設定動作を説明するための図(その1)である。
【
図4】
図4は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部による広告の設定動作を説明するための図(その2)である。
【
図5】
図5は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部による広告の設定動作を説明するための図(その3)である。
【
図6】
図6は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定による広告の2次表示の設定動作を説明するための図である。
【
図7】
図7は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部により生成される対応情報の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部による広告の設定完了をユーザに通知する画面の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部による広告の設定完了後における仮想空間画像の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本開示の第1の実施形態に係る行動検出部により生成される行動履歴を説明するための図である。
【
図11】
図11は、本開示の第1の実施形態に係るサーバによってユーザオブジェクトに広告を関連付けたユーザへの報酬を決定する際の動作の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図12】
図12は、本開示の第2の実施形態に係るサーバの構成を示す図である。
【
図13】
図13は、本開示の第2の実施形態に係るサーバにより提供される契約条件画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本開示の第2の実施形態に係る広告設定部により生成される対応情報の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、本開示の第2の実施形態において、複数の広告について、ユーザオブジェクトにおける同一の部位が装着先として選択された場合の広告設定部の動作例1を説明するための図である。
【
図16】
図16は、本開示の第2の実施形態に係る広告設定部により、ユーザオブジェクトにおける同一の部位に複数の広告Kが設定された状態の一例を示す図(その1)である。
【
図17】
図17は、本開示の第2の実施形態に係る広告設定部により、ユーザオブジェクトにおける同一の部位に複数の広告Kが設定された状態の一例を示す図(その2)である。
【
図18】
図18は、本開示の第2の実施形態に係るサーバによってユーザオブジェクトに広告を関連付けたユーザへの報酬を決定する際の動作の流れを説明するためのシーケンス図である。
【
図19】
図19は、本開示の第3の実施形態に係るサーバの構成を示す図である。
【
図20】
図20は、本開示の第3の実施形態に係る行動検出部により生成される行動履歴を説明するための図である。
【
図21】
図21は、本開示の第3の実施形態に係るサーバにより提供される仮想空間画像の他の一例を示す図(その1)である。
【
図22】
図22は、本開示の第3の実施形態に係るサーバにより提供される仮想空間画像の他の一例を示す図(その2)である。
【
図23】
図23は、本開示の第3の実施形態においてユーザに提供される抽選の一覧を説明するための図である。
【
図24】
図24は、本開示の第3の実施形態においてユーザに新たに提供される抽選を説明するための図である。
【
図25】
図25は、本開示の第3の実施形態に係るサーバによってユーザへ報酬が付与される際の動作の流れを説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この技術的思想の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明では、同一の部品等には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。本開示において示される1以上の実施形態において、各実施形態が含む要素を互いに組み合わせることができ、かつ、当該組み合わせられた結果物も本開示が示す実施形態の一部をなすものとする。
【0011】
<第1の実施形態>
[情報処理システムの構成]
図1は、本開示の第1の実施形態に係る情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、複数のユーザがそれぞれ使用する複数の端末10と、サーバ20とを含み、これらの装置がネットワーク13によって互いに通信可能に接続されている。
【0012】
サーバ20は、仮想空間を生成し、ユーザによる端末10の操作入力に基づいて、当該仮想空間を移動するオブジェクト(以下、「ユーザオブジェクト」と称する)と、ユーザオブジェクトの移動に応じて移動する仮想カメラとを当該仮想空間に配置する。また、サーバ20は、仮想空間における仮想カメラの位置に基づいて仮想空間画像を生成し、生成した仮想空間画像を端末10に提供する。
【0013】
仮想空間は、ネットワーク13を介して端末10を操作するユーザに提供される仮想的な2次元空間または3次元空間である。仮想空間は複数のユーザに共通の空間とすることができ、同一の仮想空間においては、同時に複数のユーザオブジェクトが存在することができる。すなわち、同一の仮想空間において、複数のユーザオブジェクトが、同一のイベントを同じタイミングで体験したり、互いに会話をするなどのコミュニケーションを行ったりすることができる。なお、仮想空間の単位は、仮想空間の座標体系の領域で区切った単位、仮想空間上に設置された建物などで区切った単位、オーナー情報等の仮想空間の属性情報で区切った単位などで換算してもよい。
【0014】
また、仮想空間は、VR(Virtual Reality)、AR(Augmented Reality)、MR(Mixed Reality)およびSR(Substitutional Reality)等のXR技術を用いて生成されるものであってもよい。
【0015】
端末10は、ユーザが使用するコンピュータである。端末10は、携帯型の端末であってもよいし、身体に装着させるウェアラブルデバイス、PC(Personal Computer)またはゲーム機等の設置型の端末であってもよい。また、端末10は、ARゴーグルおよびARグラスを含むHMD(Head-Mounted Device)であってもよいし、コンタクトレンズのように目に装着可能なコンタクト型のデバイスであってもよい。
【0016】
各端末10は、図示しない無線基地局または無線ルータと通信することにより、ネットワーク13と接続される。なお、端末10は、有線通信によりネットワーク13と接続される構成であってもよい。
【0017】
端末10は、サーバ20から送信された仮想空間画像の画像データを受信すると、当該画像データに基づいて当該端末10のモニタに仮想空間画像を表示する。また、端末10は、仮想空間におけるユーザオブジェクトを移動させるためのユーザの操作入力を受け付け、当該操作入力の内容を示す操作情報をサーバ20へ送信する。
【0018】
サーバ20は、端末10から送信された操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて、当該端末10に対応するユーザオブジェクトを仮想空間において移動させる。
【0019】
[サーバの構成]
(仮想空間画像の提供)
図2は、本開示の第1の実施形態に係るサーバ20Aの構成を示すブロック図である。第1の実施形態に係るサーバ20Aは、
図1に示すサーバ20の一例であり、通信部21と、制御部(プロセッサ)22と、記憶部23と、メモリ24とを備える。
【0020】
通信部21は、サーバ20Aが端末10などの外部の通信機器と通信するためのインタフェースとして機能する。例えば、通信部21は、後述するように制御部22によって仮想空間画像の画像データが生成された場合、当該画像データを制御部22から受けて端末10へ送信する。また、例えば、通信部21は、端末10から送信された操作情報を受信すると、当該操作情報を制御部22へ出力する。
【0021】
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置を含む。具体的には、記憶部23には、プログラム41、仮想空間情報42、ユーザ情報43および広告情報44などが保存されている。
【0022】
プログラム41は、サーバ20Aが各種処理を実行するためのプログラムである。仮想空間情報42は、仮想空間の生成に用いられる情報、および仮想空間に配置される各種オブジェクトの生成に用いられる情報などを含む。
【0023】
ユーザ情報43は、各端末10のユーザに関する情報を含む。例えば、ユーザ情報43は、端末10の識別情報、ユーザの識別情報、およびその他の情報を含む。広告情報44は、仮想空間において提示される広告に関する情報を含む。例えば、広告情報44には、広告主の名称、広告として提示されるマーク、ロゴまたはアイテムなど(以下、単に「マーク等」と称する)、および広告の契約条件などが含まれる。
【0024】
メモリ24は、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)等の記憶装置を含む。メモリ24には、制御部22の動作に伴って生成された各種データが一時的に保存される。
【0025】
制御部22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)またはGPU(Graphics Processing Unit)等を含む。また、制御部22は、プログラム41に従って動作することにより、空間生成部31と、配置部32と、画像生成部33と、広告設定部34と、行動検出部35と、報酬決定部36、としての機能を発揮する。
【0026】
空間生成部31は、仮想空間情報42を参照して仮想空間を生成する。また、空間生成部31は、仮想空間に配置される仮想カメラおよびユーザオブジェクト等のオブジェクトを生成する。オブジェクトには、他のユーザによって操作される他のユーザオブジェクトも含まれる。
【0027】
配置部32は、空間生成部31によって生成された仮想空間に仮想カメラおよびユーザオブジェクト等の各種オブジェクトを配置する。また、配置部32は、ユーザオブジェクトを移動させるための操作情報を端末10から通信部21経由で受信した場合、当該操作情報に基づいて、仮想空間におけるユーザオブジェクトを移動させる。
【0028】
画像生成部33は、仮想カメラから仮想空間内を撮像した画像である仮想空間画像の画像データを生成する。そして、画像生成部33は、例えば、記憶部23に保存されているユーザ情報43を参照して、画像データの送信先である端末10を特定し、当該画像データを通信部21経由で端末10へ送信する。これにより、ユーザに対して仮想空間画像を提供することができる。
【0029】
(ユーザオブジェクトに対する広告の設定)
第1の実施形態において、サーバ20Aは、ユーザオブジェクトに対して広告を関連付けることができる。すなわち、サーバ20Aにおける広告設定部34は、ユーザオブジェクトに広告が関連付けられるように、広告の設定を行うことができる。
【0030】
図3から
図5は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部34による広告の設定動作を説明するための図である。
図3を参照して、例えば、ユーザは、ユーザオブジェクトの服や小物の設定画面G1において、ユーザオブジェクトに関連付ける広告を選択することができる。
【0031】
具体的には、広告は、トップス、ボトムス、靴または小物など、ユーザオブジェクトの装着部位に応じたカテゴリーに分類される。カテゴリーは、広告主が設定してもよいし、自動的に分類されてもよい。広告のカテゴリーが自動的に分類される場合、例えば、靴のブランドの広告であれば靴のカテゴリーに分類される。
図2に示す広告情報44には、広告主の名称、広告のマーク等および広告の契約条件に加えて、広告のカテゴリーが含まれてもよい。
【0032】
図3では、一例として、ユーザオブジェクトのトップスを設定するための設定画面G1を示している。このような設定画面G1が表示される場合、例えば、
図2に示す画像生成部33は、広告情報44を参照して、トップスのカテゴリーに分類されている複数の広告Kを特定する。そして、画像生成部33は、特定した各広告Kのマーク等が含まれる設定画面G1の画像データを、通信部21経由で端末10(
図1参照)へ送信する。
【0033】
端末10は、サーバ20Aから送信された画像データを受信すると、当該画像データに基づく設定画面G1を当該端末10のモニタに表示させる。ここで、ユーザが、設定画面G1に表示されている複数の広告Kのうち、広告K1を選択する操作を端末10に対して行ったとする。この場合、端末10は、ユーザによる操作内容を示す操作情報をサーバ20Aへ送信する。
【0034】
再び
図2を参照して、サーバ20Aにおける広告設定部34は、端末10から送信された上記操作情報を受信すると、記憶部23に保存されている広告情報44を参照して、ユーザにより選択された広告K1の契約条件を読み出す。そして、広告設定部34は、読み出した契約条件を示す契約情報を、操作情報の送信元である端末10(
図1参照)へ通信部21経由で送信する。
【0035】
端末10は、サーバ20Aから送信された契約情報を受信すると、当該契約情報に基づいて、
図4に示すように、広告K1の契約条件を示す契約条件画面G2を当該端末10のモニタに表示させる。
【0036】
契約条件画面G2には、例えば、広告K1のマーク等、ユーザが広告K1の報酬を得るための条件、および条件を満たした場合における報酬額などが含まれる。ユーザは、契約条件画面G2を確認することにより、ユーザオブジェクトに対して広告K1を設定するか否かを判断することができる。
【0037】
また、契約条件画面G2には、契約合意ボタンB1と、試着ボタンB2とが含まれる。ユーザが試着ボタンB2を選択する操作を端末10(
図1参照)に対して行うと、端末10は、ユーザの操作内容を示す操作情報をサーバ20Aへ送信する。
【0038】
サーバ20Aにおける広告設定部34は、端末10から送信された上記操作情報を通信部21経由で受信すると、例えば、
図5に示すような試着画面G3の画像データを当該端末10へ送信する。
【0039】
端末10は、サーバ20Aから送信された当該画像データを受信すると、当該画像データに基づいて試着画面G3を当該端末10のモニタに表示させる。試着画面G3では、ユーザオブジェクトのトップスに広告K1が装着されている。
【0040】
また、
図5に示すような試着画面G3がモニタに表示されている状態において、ユーザによって広告K1以外の別の広告Kを選択する操作が行われた場合には、選択された別の広告Kの契約条件画面G2(
図4参照)が端末10のモニタに表示される。
【0041】
また、
図4に示す契約条件画面G2が端末10のモニタに表示されている状態において、ユーザが契約合意ボタンB1を選択する操作を端末10に対して行うと、端末10は、ユーザの操作内容を示す操作情報をサーバ20Aへ送信する。
【0042】
サーバ20Aにおける広告設定部34は、端末10から送信された上記操作情報を通信部21経由で受信すると、ユーザにより選択された広告Kをユーザオブジェクトに関連付ける。具体的には、広告設定部34は、広告Kをユーザオブジェクトに装着させると共に、例えば、ユーザオブジェクトの識別情報と広告Kの識別情報との対応関係を示す対応情報を生成してメモリ24に保存する。
【0043】
なお、設定画面G1では、ユーザオブジェクトに関連付けることが可能なすべての広告Kが表示される構成であってもよいし、所定条件を満たす広告Kが表示される構成であってもよい。例えば、ユーザが報酬に関する契約条件を予め指定した場合、指定された契約条件を満たす広告Kが設定画面G1において表示される構成であってもよい。
【0044】
(広告の2次表示の設定)
ここで、ユーザオブジェクトに広告Kを関連付けたユーザ以外の他のユーザにおいて、課金等を行うことにより、広告Kが非表示となるような設定を行っている場合がある。このため、
図2に示す広告設定部34は、ユーザオブジェクトに関連付けられた広告Kの代わりとなる表示態様(以下、「2次表示」と称する)を設定することができる。
【0045】
図6は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部34による広告Kの2次表示の設定動作を説明するための図である。
図6を参照して、広告設定部34は、例えば、ユーザにより選択された広告K1をユーザオブジェクトに関連付けた後、2次表示の設定画面G4の画像データを通信部21経由で端末10(
図1参照)へ送信する。
【0046】
端末10は、サーバ20Aから送信された画像データを受信すると、当該画像データに基づく2次表示の設定画面G4を当該端末10のモニタに表示させる。2次表示の設定画面G4では、例えば、ユーザにより選択された広告K1の代わりとして表示されるマークの候補として、複数のマークPが表示されている。
図6では、複数のマークPとして3つのマークP1,P2,P3が表示されている。
【0047】
このような2次表示の設定画面G4が表示されている状態において、ユーザが1つのマークPを選択する操作を端末10に対して行うと、端末10は、ユーザの操作内容を示す操作情報をサーバ20Aへ送信する。
【0048】
図2に示す広告設定部34は、端末10から送信された上記操作情報を通信部21経由で受信すると、例えば、ユーザオブジェクトの識別情報および広告Kの識別情報を含む上記の対応情報に、ユーザによって選択されたマークPの識別情報を含める。
【0049】
図7は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部34により生成される対応情報の一例を示す図である。
図7に示すように、メモリ24には、例えば、ユーザごとに、ユーザの識別情報と、ユーザオブジェクトの識別情報と、広告Kの識別情報と、2次表示のマークPの識別情報との対応関係を示す対応情報が保存される。
【0050】
(広告の設定完了後における仮想空間画像)
図8は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部34による広告Kの設定完了をユーザに通知する画面の一例を説明するための図である。
図2および
図8を参照して、広告設定部34は、ユーザオブジェクトに対する広告Kの設定が完了すると、例えば
図8に示すような設定完了画面G5の画像データを通信部21経由で端末10(
図1参照)へ送信する。
【0051】
端末10は、サーバ20Aから送信された画像データを受信すると、当該画像データに基づいて、設定完了画面G5を当該端末10のモニタに表示させる。
【0052】
図9は、本開示の第1の実施形態に係る広告設定部34による広告Kの設定完了後における仮想空間画像の一例を示す図である。
図9に示すように、広告設定部34による広告Kの設定が完了すると、すなわちユーザオブジェクトに対する広告Kの関連付けが完了すると、
図9に示すような仮想空間画像G6において、当該広告Kがユーザオブジェクトに装着されて表示される。
【0053】
なお、広告Kは、ユーザオブジェクトに装着されるものに限定されない。例えば、広告Kは、ユーザオブジェクトの近くに設けられ、当該ユーザオブジェクトに付随して移動するようなものであってもよい。
【0054】
また、広告Kはオブジェクトに限定されず、音声、音楽、メッセージまたは映像などであってもよい。例えば、ユーザオブジェクトに対して音声である広告Kが関連付けられているとする。この場合、当該ユーザオブジェクトの近くに位置する他のユーザオブジェクトのユーザは、広告Kである音声を聞くことができる。
【0055】
また、ユーザは、複数の仮想空間ごとに、同一のユーザオブジェクトに対して別々の広告Kを関連付けてもよい。すなわち、
図7に示した対応情報は、広告設定部34により複数の仮想空間ごとに対応付けられて生成されても良い。具体的には、ユーザは、あるテーマに関連する仮想空間では、当該テーマに関連するキャラクターの広告Kをユーザオブジェクトに設定し、別のテーマに関連する仮想空間では、別のテーマに関連する広告Kを当該ユーザオブジェクトに設定することができる。
【0056】
また、ユーザオブジェクトに関連付けられた広告Kは、広告主など、広告Kを依頼している依頼者によってマーク等が更新されてもよい。例えば、広告Kのアイテムとして、広告主のロゴが付された服がユーザオブジェクトに設定されている場合、広告Kのアイテムが春には春服に変更され、夏には夏服に変更されてもよい。
【0057】
なお、ユーザオブジェクトに広告Kのマークや服等のオブジェクトが装着された場合であっても、これらのマークやオブジェクト等の所有者は、当該広告Kの広告主のままであってもよい。もちろん、広告Kのマークやオブジェクト等が広告主からユーザへ譲渡され、譲渡されたマークやオブジェクト等がユーザオブジェクトに装着されるという設定であってもよい。
【0058】
また、広告Kの依頼者は、広告Kの広告主(広告Kを利用している企業や商標権者など)そのものに限らず、広告Kに関する仕事を企業から請け負い、代理業務を行っているものなどであってもよい。すなわち、広告Kの依頼者には、広告Kが関連付けられるユーザオブジェクトを操作するユーザとの当該広告Kの契約を結ぶまでに当該広告Kと関わったものであれば、どのようなものも含まれる。
【0059】
(ユーザオブジェクトの行動履歴の保存)
再び
図2を参照して、サーバ20Aにおける行動検出部35は、ユーザオブジェクトごとの行動履歴を生成し、メモリ24に保存する。
図10は、本開示の第1の実施形態に係る行動検出部35により生成される行動履歴を説明するための図である。
【0060】
図10を参照して、例えば、行動検出部35は、ユーザオブジェクトの位置などに基づいて、所定期間における当該ユーザオブジェクトの移動量を特定し、当該移動量を行動履歴としてメモリ24に保存する。
【0061】
また、例えば、行動検出部35は、端末10と他の端末10との間で行われたテキストチャット、ボイスチャット、および同一の仮想空間への誘いなどに基づいて、ユーザオブジェクトが他のユーザオブジェクトとのコミュニケーションを行った回数をカウントし、カウント値を行動履歴としてメモリ24に保存する。
【0062】
また、例えば、行動検出部35は、ユーザオブジェクトの位置と、他のユーザオブジェクトの位置との関係などに基づいて、他のユーザオブジェクトを操作する他のユーザの端末10に当該ユーザオブジェクトが映った回数をカウントする。そして、行動検出部35は、カウント値を行動履歴としてメモリ24に保存する。
【0063】
また、例えば、行動検出部35は、ユーザオブジェクトの位置などに基づいて、当該ユーザオブジェクトが訪れた仮想空間の数、すなわちユーザオブジェクトの移動によって当該ユーザオブジェクトが配置された仮想空間の数をカウントし、カウント値を行動履歴としてメモリ24に保存する。
【0064】
このように、行動検出部35は、ユーザオブジェクトごとに、複数種類の行動履歴をメモリ24に保存し、各種の行動履歴を随時更新する。
【0065】
なお、行動検出部35は、上述した種類の行動履歴だけでなく、ユーザオブジェクトの移動経路、移動時間、移動速度、他のユーザオブジェクトがユーザオブジェクトに視線を向けた回数や時間など、様々な種類の行動履歴をメモリ24に保存することができる。また、フレンドの登録数やフォロワーの登録数など、ユーザと所定の関係のある他のユーザの数などがメモリ24に保存されていてもよい。
【0066】
(ユーザに付与される報酬の決定)
図2に示す広告情報44には、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量に応じた広告Kの報酬の内容や、ユーザオブジェクトと他のユーザオブジェクトとの関係に応じた広告Kの報酬の内容などが含まれている。上記のように広告設定部34によってユーザオブジェクトに広告Kが関連付けられると、報酬決定部36は、広告情報44に含まれる契約条件に基づいて、ユーザオブジェクトのユーザに付与される報酬の内容を決定する。
【0067】
(具体例1)
例えば、契約条件として、所定期間におけるユーザオブジェクトの移動量に応じて報酬が決定されることが規定されているとする。この場合、報酬決定部36は、メモリ24に保存されている行動履歴のうち、ユーザオブジェクトの移動量を確認し、当該移動量に応じてユーザへの報酬を決定する。
【0068】
なお、報酬決定部36は、所定期間におけるユーザオブジェクトの移動量が同じであっても、移動日数や移動回数などに応じて報酬を変更する構成であってもよい。具体的には、報酬決定部36は、ユーザオブジェクトが10日間で10km移動した場合において、当該ユーザオブジェクトが1日で10km移動した場合と、当該ユーザオブジェクトが毎日1000mの移動を10日間継続した場合とでは、ユーザに付与される報酬を異ならせてもよい。
【0069】
(具体例2)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量および移動速度に応じて報酬が決定されることが規定されているとする。この場合、報酬決定部36は、メモリ24に保存されている行動履歴のうち、ユーザオブジェクトの移動量および移動速度を確認して、ユーザへの報酬を決定する。
【0070】
ここで、ユーザオブジェクトの移動速度が速い場合、他のユーザにより、当該ユーザオブジェクトに関連付けられた広告Kが視聴されにくい。このため、報酬決定部36は、ユーザオブジェクトの移動速度が遅いほど報酬が多くなるように決定することができる。
【0071】
また、ユーザオブジェクトが自転車や車などの移動手段を利用して移動する場合においても同様に、他のユーザにより、当該ユーザオブジェクトに関連付けられた広告Kが視聴されにくい。このため、報酬決定部36は、移動手段を利用した移動については、ユーザオブジェクトの移動量に含めずに報酬を決定してもよい。
【0072】
(具体例3)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量および移動経路に応じて報酬が決定されることが規定されているとする。この場合、報酬決定部36は、メモリ24に保存されている行動履歴のうち、ユーザオブジェクトの移動量および移動経路を確認して、ユーザへの報酬を決定する。
【0073】
具体的には、報酬決定部36は、例えば、ユーザオブジェクトの移動経路において、1または複数のユーザによってアクセスされる回数が多い位置やエリア、すなわち多くのユーザによって見られる位置やエリアが含まれる場合、報酬を増加させることができる。
【0074】
また、報酬決定部36は、例えば、ユーザオブジェクトの移動経路において、山、海または森など、1または複数のユーザによってアクセスされる回数が少ない位置やエリアが含まれる場合、報酬を減らすことができる。
【0075】
また、報酬決定部36は、例えば、ユーザオブジェクトが同じ場所を繰り返し移動して同じ仮想空間に配置されているような場合には、報酬を減らすことができる。
【0076】
(具体例4)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量、および広告Kに関連する装飾オブジェクトの装着有無に応じて報酬が決定されることが規定されているとする。この場合、報酬決定部36は、メモリ24に保存されている各種情報を参照し、ユーザオブジェクトの移動量、および当該ユーザオブジェクトに装着されている装飾オブジェクトを確認して、ユーザへの報酬を決定する。
【0077】
ここで、広告Kに関連する装飾オブジェクトとは、例えば、当該広告Kの広告主の商品であって、当該ユーザオブジェクトを操作するユーザが獲得済みである服やアイテムなどである。
【0078】
ユーザオブジェクトが広告Kを装着し、さらに、当該広告Kに関連する装飾オブジェクトを装着している場合、当該広告Kの高い宣伝効果が見込まれる。このため、このような場合には、報酬決定部36は、ユーザへの報酬を増加させることができる。
【0079】
(具体例5)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量、および当該ユーザオブジェクトに関連付けられた広告Kと同じ広告Kを関連付けられた他のユーザオブジェクトの行動に応じて、報酬が決定されることが規定されているとする。この場合、報酬決定部36は、メモリ24に保存されている各種情報を参照し、ユーザオブジェクトの移動量、および当該他のユーザオブジェクトの行動などを確認して、ユーザへの報酬を決定する。
【0080】
より詳細には、例えば、ユーザAのユーザオブジェクトと、ユーザAとフレンドの関係であるユーザBのユーザオブジェクトとが同じ広告Kを装着しており、これら2つのユーザオブジェクトが共に移動したとする。この場合、当該広告Kの高い宣伝効果が見込まれため、報酬決定部36は、ユーザA,Bへの報酬を増加させることができる。
【0081】
(具体例6)
ユーザオブジェクトは、ユーザの手動操作によって移動するだけでなく、ユーザの設定に従う自動操作などによって移動してもよい。例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量、および当該ユーザオブジェクトの移動を操作する主体に応じて報酬が決定されることが規定されているとする。ここでの主体は、ユーザや自動操作プログラムである。この場合、報酬決定部36は、ユーザオブジェクトの移動量および移動操作の主体を確認して、ユーザへの報酬を決定する。
【0082】
例えば、報酬決定部36は、ユーザオブジェクトの自動操作による移動については、当該ユーザオブジェクトの移動量に含めずに報酬を決定することができる。
【0083】
なお、広告設定部34は、ユーザオブジェクトが自動操作によって移動するように設定された場合、当該ユーザオブジェクトに対する広告Kの設定を解除する構成であってもよい。
【0084】
(具体例7)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量、およびユーザオブジェクトが他のユーザオブジェクトとのコミュニケーションを行った回数に応じて報酬が決定されることが規定されているとする。この場合、報酬決定部36は、メモリ24に保存されている行動履歴のうち、ユーザオブジェクトの移動量、および当該ユーザオブジェクトが他のユーザオブジェクトとのコミュニケーションを行った回数を確認して、ユーザへの報酬を決定する。
【0085】
(具体例8)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量、およびユーザオブジェクトの移動によって当該ユーザオブジェクトが配置された仮想空間の数に応じて、報酬が決定されることが規定されているとする。この場合、報酬決定部36は、メモリ24に保存されている行動履歴のうち、当該ユーザオブジェクトの移動量および当該ユーザオブジェクトが配置された仮想空間の数を確認して、ユーザへの報酬を決定する。
【0086】
(具体例9)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量、およびユーザオブジェクトが他のユーザの端末10に映った(もしくは他のユーザオブジェクトの仮想カメラの視野に所定距離内で入った)回数に応じて報酬が決定されることが規定されているとする。この場合、報酬決定部36は、メモリ24に保存されている行動履歴のうち、ユーザオブジェクトの移動量、および他のユーザの端末10に当該ユーザオブジェクトが映った回数を確認して、ユーザへの報酬を決定する。
【0087】
(具体例10)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量、ユーザオブジェクトが他のユーザオブジェクトから視線を向けられた回数、および視線を向けられた時間に応じて報酬が変更されることが規定されているとする。この場合、報酬決定部36は、メモリ24に保存されている行動履歴のうち、ユーザオブジェクトの移動量、他のユーザオブジェクトから視線を向けられた回数、および視線を向けられた時間を確認して、ユーザへの報酬を決定する。
【0088】
(具体例11)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量、広告Kの契約期間の長さに応じた報酬、およびユーザのフレンドの登録数またはフォロワーの登録数に応じた報酬などが規定されているとする。このような場合、例えば、報酬決定部36は、ユーザオブジェクトの移動量に応じた報酬と、広告Kの契約期間の長さに応じた報酬と、フレンドなどの登録数に応じた報酬の合計を、ユーザに対する報酬として決定する。
【0089】
(具体例12)
例えば、契約条件として、ユーザオブジェクトの移動量、および当該ユーザオブジェクトに関連付けられた広告Kに対する他のユーザの行為に応じて報酬が変更されることが規定されているとする。
【0090】
例えば、ユーザBが、ユーザAのユーザオブジェクトに関連付けられた広告Kを視聴した後、当該広告Kの広告主のSNS(Social networking service)アカウントをフォローしたり、当該広告Kの商品を購入したりするなど、当該広告Kに関する所定の行為を行ったとする。このような場合、報酬決定部36は、当該ユーザに対する報酬額を増やすなど、報酬の内容を変更することができる。
【0091】
[動作の流れ]
図11は、本開示の第1の実施形態に係るサーバ20Aによってユーザオブジェクトに広告Kを関連付けたユーザへの報酬を決定する際の動作の流れを説明するためのシーケンス図である。
【0092】
図11を参照して、まず、端末10の1つである端末10Aは、ユーザオブジェクトの服や小物を設定する操作を受け付けると(ステップS11)、操作の内容を示す操作情報をサーバ20Aへ送信する(ステップS12)。そして、サーバ20Aは、端末10Aから送信された操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて、ユーザオブジェクトに対して選択された服や小物を設定する(ステップS13)。
【0093】
次に、端末10Aは、ユーザオブジェクトに広告Kを設定する操作を受け付けると(ステップS14)、操作の内容を示す操作情報をサーバ20Aへ送信する(ステップS15)。そして、サーバ20Aは、端末10Aから送信された操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて、ユーザオブジェクトに対して選択された広告Kを設定する(ステップS16)。
【0094】
次に、端末10Aは、ユーザオブジェクトの行動に関する操作、例えばユーザオブジェクトを移動させるための操作を受け付けると(ステップS17)、操作の内容を示す操作情報をサーバ20Aへ送信する(ステップS18)。そして、サーバ20Aは、端末10Aから送信された操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて、ユーザオブジェクトを移動させると共に、当該ユーザオブジェクトの移動量を含む行動履歴を更新する(ステップS19)。
【0095】
次に、端末10Aは、ユーザオブジェクトの行動に関する操作、例えばユーザオブジェクトを他のユーザオブジェクトと会話させるための操作を受け付けると(ステップS20)、操作の内容を示す操作情報をサーバ20Aへ送信する(ステップS21)。そして、サーバ20Aは、端末10Aから送信された操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて、ユーザオブジェクトを他のユーザオブジェクトと会話させると共に、当該ユーザオブジェクトの行動履歴を更新する(ステップS22)。
【0096】
このような、端末10Aからの操作情報の送信、ならびに当該操作情報に基づくユーザオブジェクトの動作制御および行動履歴の更新は、ユーザAによる端末10Aの操作が行われるたびに繰り返される。
【0097】
次に、他の端末10である端末10Bは、ユーザオブジェクトの行動に関する操作、例えばユーザオブジェクトが他のユーザオブジェクトに装着された広告Kを閲覧するための操作を受け付けたとする(ステップS23)。この場合、端末10Bは、操作の内容を示す操作情報をサーバ20Aへ送信する(ステップS24)。
【0098】
次に、サーバ20Aは、端末10Bから送信された操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて、ユーザオブジェクトが当該広告Kを閲覧するように動作させると共に、当該ユーザオブジェクトの行動履歴を更新する(ステップS25)。このような、端末10Bからの操作情報の送信、ならびに当該操作情報に基づくユーザオブジェクトの動作制御および行動履歴の更新は、ユーザBによる端末10Bの操作が行われるたびに繰り返される。
【0099】
次に、サーバ20Aは、広告Kが関連付けられているユーザオブジェクトごとに、ユーザオブジェクトの移動量を含む行動履歴、および各広告Kの契約条件に基づいて、広告Kの報酬を決定する(ステップS26)。そして、サーバ20Aは、例えば、広告Kが関連付けられているユーザオブジェクトのユーザAの識別情報を特定し、ユーザAに対して、決定した報酬を付与する(ステップS27)。報酬の決定(ステップS26)および報酬の付与(ステップS27)は、1か月ごとなど、定期的に行われる。
【0100】
[付記事項]
本開示の第1の実施の形態に係る内容を列記すると以下の通りである。
(項目1-1)
プロセッサに、ユーザが操作することで仮想空間を移動するオブジェクトに広告を関連付けさせ、
プロセッサに、前記オブジェクトの移動量に応じた前記広告の報酬を決定させる、プログラム。
これにより、仮想空間画像における広告の報酬を適切に決定することができる。また、ユーザに対して、仮想空間におけるオブジェクトの移動を促すことができ、仮想空間における広告情報の提示をより効果的に行うことができる。
【0101】
(項目1-2)
プロセッサに、前記オブジェクトの移動速度に応じて、前記広告の報酬を変更させる。
これにより、例えば、ユーザに対して、他のユーザにおいて広告を視聴しやすい速度でオブジェクトが移動するように、当該オブジェクトの操作を促すことができる。
【0102】
(項目1-3)
プロセッサに、前記オブジェクトが移動した経路に応じて、前記広告の報酬を変更させる。
これにより、例えば、ユーザに対して、他のユーザにおいて広告を視聴しやすい経路でオブジェクトが移動するに、当該オブジェクトの操作を促すことができる。
【0103】
(項目1-4)
プロセッサに、前記経路において、他のユーザによってアクセスされる回数が多い仮想空間上の位置が含まれる場合、前記広告の報酬を増加させる。
これにより、例えば、ユーザに対して、多くのユーザがアクセスする位置を経由してオブジェクトが移動するように、当該オブジェクトの操作を促すことができる。
【0104】
(項目1-5)
プロセッサに、前記広告とは異なる装飾オブジェクトであって、前記広告に関連する前記装飾オブジェクトが前記オブジェクトに装着されていることに応じて、前記広告の報酬を変更させる。
ここで、広告が関連付けられたユーザオブジェクトが、さらに、当該広告に関連する装飾オブジェクトを装着している場合、当該広告Kの高い宣伝効果が見込まれる。このため、広告による宣伝効果に見合ったより適切な報酬を決定することができる。
【0105】
(項目1-6)
プロセッサに、前記オブジェクトに関連付けられた前記広告と同じ前記広告を関連付けられた他オブジェクトと共に前記オブジェクトが移動した場合、前記広告の報酬を変更させる。
ここで、同一の広告が関連付けられた複数のオブジェクトが共に移動する場合、当該広告Kの高い宣伝効果が図ることができる。このため、広告による宣伝効果に見合ったより適切な報酬を決定することができる。
【0106】
(項目1-7)
プロセッサに、前記オブジェクトが訪れた仮想空間の数に応じて、前記広告の報酬を変更させる、項目1-1から項目1-6のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、オブジェクトが訪れた仮想空間の数が多いほど、ユーザへの報酬を多くすることができる。このため、ユーザに対して、オブジェクトが多くの仮想空間を訪れるような操作を促すことができ、より多くのユーザによって広告が視聴される確率を上げることができる。
【0107】
(項目1-8)
プロセッサに、他のユーザの端末において表示される仮想空間の画像において、前記オブジェクトが映り込んだ回数および時間の少なくともいずれか一方に応じて、前記広告の報酬を変更させる、項目1-1から項目1-7のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、他のユーザの端末にオブジェクトが映り込んだ回数が多いほど、または他のユーザの端末にオブジェクトが映り込んだ時間が長いほど、ユーザへの報酬を多くすることができる。このため、ユーザに対して、他のユーザの端末に当該オブジェクトが映り込むような操作を促すことができ、より多くのユーザによって広告が視聴される確率を上げることができる。
【0108】
(項目1-9)
プロセッサに、前記オブジェクトにおける複数の部位のうち、前記広告の属性に応じた前記部位に対して前記広告を関連付けさせる、項目1-1から項目1-8のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、広告に接した他のユーザにおいて、広告の商品をイメージしやすくなるため、広告情報の提示をより効果的に行うことができる。
【0109】
(項目1-10)
プロセッサに、仮想空間ごとに前記広告を関連付けさせる、項目1-1から項目1-9のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、オブジェクトが位置する仮想空間のテーマ等に合わせた広告を関連付けることができる。このため、当該仮想空間に位置する他のオブジェクトを操作する他のユーザにおいて関心の高い商品の広告を提示することができ、より効果的な宣伝を行うことができる。
【0110】
(項目1-11)
前記オブジェクトに関連付けられた前記広告は、前記広告を依頼している依頼者によって更新可能である、項目1-1から項目1-10のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、ユーザに対して広告を関連付けるための操作を新たに要求することなく、広告主側において広告の内容を変更することができる。
【0111】
(項目1-12)
プロセッサに、仮想空間の画像における前記広告の表示態様に応じて、前記広告の報酬を変更させる、項目1-1から項目1-11のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、ユーザへの報酬をより適切に決定することができる。
【0112】
(項目1-13)
プロセッサに、前記ユーザと所定の関係を有する他のユーザの数に応じて、前記広告の報酬を変更させる、項目1-1から項目1-12のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、フォロワーやフレンドなどの所定の関係を有する他ユーザの数が多いユーザほど、多くの報酬を付与することで、広告による宣伝効果に見合ったより適切な報酬を決定することができる。
【0113】
(項目1-14)
プロセッサに、前記広告に接した他のユーザであって、前記広告に関する所定の行為を行った他のユーザの数に応じて、前記広告の報酬を変更させる、項目1-1から項目1-13のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、広告の視聴後に当該広告の商品を購入するなどの行為を行った他ユーザの数が多いほど、ユーザへの報酬を多くするなど、広告による宣伝効果に見合ったより適切な報酬を決定することができる。
【0114】
(項目1-15)
プロセッサに、前記行動に応じた報酬として、前記オブジェクトを介して行われた仮想空間上のコミュニケーションに応じた報酬を決定させる、項目1-1から項目1-14のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、他のユーザとのコミュニケーションを行った回数が多いほど、ユーザへの報酬を多くすることができる。このため、ユーザに対して、他のユーザとのコミュニケーションを促すことができ、より多くのユーザによって広告が視聴される確率を上げることができる。
【0115】
(項目1-16)
プロセッサに、前記行動に応じた報酬とは別に、他のユーザが操作することで仮想空間を移動する他オブジェクトから前記オブジェクトへ視線が向けられた回数および時間の少なくともいずれか一方に応じた前記広告の報酬を決定させる、項目1-1から項目1-15のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、他オブジェクトから当該オブジェクトへ向けられた視線の回数が多いほど、または視線が向けられた時間が長いほど、ユーザへの報酬を多くすることができる。このため、ユーザに対して、他のユーザと積極的に関わるような操作を促すことができ、より多くのユーザによって広告が視聴される確率を上げることができる。
【0116】
(項目1-17)
プロセッサに、前記行動に応じた報酬とは別に、前記オブジェクトに対して前記広告が関連付けられた期間の長さに応じた前記広告の報酬を決定させる、項目1-1から項目1-16のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、オブジェクトに広告を関連付けた期間が長いほど、ユーザへの報酬を多くすることができる。このため、ユーザに対して、長期間にわたりオブジェクトに広告を関連付けることを促すことができる。
【0117】
(項目1-18)
プロセッサに、前記広告の表示サイズが大きいほど、前記表示態様に応じた報酬を高く決定させる、項目1-1から項目1-17のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、広告による宣伝効果に見合ったより適切な報酬を決定することができる。
【0118】
(項目1-19)
プロセッサに、前記表示対応に応じた報酬として、前記オブジェクトに対する前記広告の表示位置に応じた報酬を決定させる、項目1-1から項目1-18のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、広告による宣伝効果に見合ったより適切な報酬を決定することができる。
【0119】
<第2の実施形態>
上述した第1の実施形態では、広告Kが関連付けられたユーザオブジェクトの行動に応じて報酬が決定される。これに対して、第2の実施形態では、ユーザオブジェクトに関連付けられた広告Kの仮想空間画像における表示態様に応じて報酬が決定される。第2の実施形態に係る情報処理システム1の構成は、
図1に示す第1の実施形態に係る情報処理システム1と同様の構成であるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
【0120】
[サーバの構成]
図12は、本開示の第2の実施形態に係るサーバ20Bの構成を示す図である。第2の実施形態に係るサーバ20Bは、
図1に示すサーバ20の一例であり、
図2に示す第1の実施形態に係るサーバ20Aと同様に、通信部21と、制御部22と、記憶部23と、メモリ24とを備える。
【0121】
記憶部23には、プログラム141、仮想空間情報42、ユーザ情報43および広告情報144などが保存されている。
図12に示す仮想空間情報42およびユーザ情報43は、それぞれ、
図2に示す第1の実施形態に係る仮想空間情報42およびユーザ情報43と同様である。
【0122】
制御部22は、プログラム141に従って動作することにより、空間生成部31と、配置部32と、画像生成部33と、広告設定部134と、行動検出部35と、報酬決定部136、として機能する。
図12に示す空間生成部31、配置部32、画像生成部33および行動検出部35は、それぞれ、
図2に示す第1の実施形態に係る空間生成部31、配置部32、画像生成部33および行動検出部35と同様である。以下、
図12に示す広告情報144、ならびに広告設定部134および報酬決定部136の各機能の動作について説明する。
【0123】
(ユーザオブジェクトに対する広告の設定)
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、ユーザオブジェクトに広告Kを関連付けることができる。再び
図3を参照して、端末10のモニタにおいて、
図3に示すような設定画面G1が表示されているとする。ここで、ユーザが複数の広告Kのうち広告K1を選択する操作を端末10に対して行うと、端末10(
図1参照)は、ユーザによる操作内容を示す操作情報をサーバ20Bへ送信する。
【0124】
再び
図12を参照して、サーバ20Bにおける広告設定部134は、端末10から送信された上記操作情報を受信すると、記憶部23に保存されている広告情報144を参照して、ユーザにより選択された広告K1の契約条件を読み出す。そして、広告設定部134は、読み出した契約条件を示す契約情報を、操作情報の送信元である端末10へ通信部21経由で送信する。
【0125】
端末10は、サーバ20Bから送信された契約情報を受信すると、当該契約情報に基づいて、広告K1の契約条件を示す契約条件画面を当該端末10のモニタに表示させる。
【0126】
図13は、本開示の第2の実施形態に係るサーバ20Bにより提供される契約条件画面G11の一例を示す図である。ここで、
図12に示す広告情報144には、広告主の名称、広告として提示されるマーク等、広告のカテゴリー、および広告の契約条件などが含まれる。契約条件には、ユーザが広告Kに対する報酬を得るための条件、および条件を満たした場合における報酬額などが含まれる。
【0127】
具体的には、
図13に示すように、契約条件として、広告Kのサイズに応じた報酬が規定されている。
図13に示す例では、広告Kのサイズとして、「サイズOO以上」「サイズOOからOO」「サイズOO未満」などの複数の範囲が設定され、各範囲に対して報酬額が規定されている。例えば、仮想空間画像における広告Kのサイズが大きいほどユーザに高い報酬額が付与される。また、契約条件画面G11では、例えば、各範囲に対してラジオボタンR1が設けられている。
【0128】
また、広告情報144において、契約条件として、ユーザオブジェクトの装着部位に応じた報酬が規定されている。
図13に示す例では、トップスのカテゴリーに含まれる広告Kの契約条件として、「肩」「胸」「お腹」「腕」「背中」などの複数の部位が設定され、各部位に対して報酬額が規定されている。例えば、ユーザオブジェクトにおける広告Kの装着部位が目立つ位置であるほどユーザに高い報酬額が付与される。また、契約条件画面G11では、例えば、各部位に対してラジオボタンR2が設けられている。
【0129】
また、契約条件画面G11には、契約合意ボタンB1および試着ボタンB2が含まれる。ユーザが、端末10を用いて、複数のラジオボタンR1の中から1つを選択し、複数のラジオボタンR2の中から1つを選択し、さらに、試着ボタンB2を選択する操作を行うと、例えば
図5に示すような試着画面G3が端末10のモニタに表示される。試着画面G3では、ユーザにより選択されたラジオボタンR1に対応するサイズで、ユーザにより選択されたラジオボタンR2に対応するユーザオブジェクトの部位に、広告Kが装着される。
【0130】
また、契約条件画面G11が表示されている状態において、ユーザが、複数のラジオボタンR1の中から1つを選択し、複数のラジオボタンR2の中から1つを選択し、さらに、契約合意ボタンB1を選択する操作を端末10に対して行ったとする。
【0131】
この場合、
図12に示す広告設定部134は、ユーザにより選択されたラジオボタンR1に対応するサイズで、ユーザにより選択されたラジオボタンR2に対応するユーザオブジェクトの部位に、広告Kを関連付ける。具体的には、広告設定部134は、広告Kをユーザオブジェクトの当該部位に装着させると共に、例えば、ユーザオブジェクトの識別情報と、広告Kの識別情報、サイズおよび装着部位との対応関係を示す対応情報を生成して、メモリ24に保存する。
【0132】
なお、広告設定部134は、第1の実施形態に係る広告設定部34と同様に、広告Kの代わりとなる表示態様、すなわち2次表示用のマークPの設定を行うことも可能である。
【0133】
図14は、本開示の第2の実施形態に係る広告設定部134により生成される対応情報の一例を示す図である。
図14に示すように、メモリ24には、例えば、ユーザごとに、ユーザオブジェクトの識別情報と、広告Kの識別情報と、2次表示のマークPの識別情報と、広告Kのサイズと、広告Kの位置との対応関係を示す対応情報が保存される。
【0134】
(複数の広告について、ユーザオブジェクトにおける同一の部位が選択された場合の対応)
ここで、ユーザオブジェクトの部位のうち、広告Kの装着先としてユーザにより選択された部位に、別の広告Kが設定済であることがある。このような場合、
図12に示す広告設定部134は以下のように動作する。
【0135】
(a)動作例1
図15は、本開示の第2の実施形態において、複数の広告について、ユーザオブジェクトにおける同一の部位が装着先として選択された場合の広告設定部134の動作例1を説明するための図である。広告Kの装着先としてユーザにより選択された部位に別の広告Kが設定済である場合、広告設定部134は、例えば、エラーメッセージ情報を生成し、通信部21経由で端末10(
図1参照)へ送信する。
【0136】
端末10は、サーバ20Bから送信されたエラーメッセージ情報を受信すると、
図15に示すように、当該エラーメッセージ情報に基づくエラー画面G12をモニタに表示する。具体的には、エラー画面G12では、「選択された位置には、別の広告が設定されています。」などのメッセージが表示される。
【0137】
また、エラー画面G12には、例えば、確認ボタンB4が含まれている。ユーザが、確認ボタンB4を選択する操作を行うと、例えば、
図13に示すような契約条件画面G11が再び端末10に表示される。
【0138】
(b)動作例2
広告設定部134は、ユーザにより選択された部位を複数の領域に分けることにより、同一の部位に複数の広告Kを設定してもよい。
図16および
図17は、本開示の第2の実施形態に係る広告設定部134により、ユーザオブジェクトにおける同一の部位に複数の広告Kが設定された状態の一例を示す図である。
【0139】
具体的には、広告K1の装着部位として「お腹」が選択された状況において、既に別の広告K2が「お腹」に設定済であるとする。この場合、広告設定部134は、例えば
図16に示すように、ユーザオブジェクトの「お腹」の部位を2つの領域に分け、一方の領域に広告K1を設定し、他方の領域に広告K2を設定することができる。
【0140】
なお、広告設定部134は、各広告Kに対応する契約条件に応じて、領域の大きさや位置を異ならせる構成であってもよい。具体的には、2つの広告K1,K2の装着先として「お腹」が選択されている状況であって、同じサイズで比較した場合に広告K1の報酬額の方が広告K2の報酬額よりも高いとする。この場合、広告設定部134は、例えば、
図17に示すように、広告K1に割り当てる領域を、広告K2に割り当てる領域よりも大きくすることができる。
【0141】
また、各広告Kを配置する領域の位置や大きさは、ユーザが任意に設定してもよい。例えば、ユーザは、端末10のモニタに表示されている広告K1,K2に対してピンチアウトやピンチインの操作を行うことにより、広告K1,K2のサイズを変更することができる。また、例えば、ユーザは、端末10のモニタに表示されている広告K1,K2をタッチした状態でスライドすることにより、広告K1,K2が配置される領域を変更することができる。端末10は、ユーザによる操作を受け付けると、操作内容を示す操作情報をサーバ20Bへ送信する。
【0142】
図12に示す広告設定部134は、端末10から送信された上記操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて複数の広告Kをユーザオブジェクトに設定する。そして、広告設定部134は、
図14に示すような、ユーザオブジェクトの識別情報と、広告Kの識別情報と、広告Kのサイズ、装着部位および装着部位における領域の位置との対応関係を示す対応情報を、メモリ24に保存する。
【0143】
また、
図2に示す第1の実施形態に係る広告設定部34は、第2の実施形態に係る広告設定部134と同様に、複数の広告Kについて、ユーザオブジェクトにおける同一の部位が装着先として選択された場合、上記のような動作を行う構成であってもよい。
【0144】
(ユーザに付与される報酬の決定)
再び
図12を参照して、広告設定部134によってユーザオブジェクトに広告Kが設定されると、報酬決定部136は、広告情報144の示す契約条件に基づいて、当該ユーザオブジェクトのユーザに付与される報酬の内容を決定する。
【0145】
上記のとおり、広告情報144は、契約条件として、仮想空間画像における広告Kの表示態様に応じた報酬の内容を示す。このため、報酬決定部136は、メモリ24に保存されている各広告Kのサイズや位置などを確認することにより、ユーザへの報酬を決定する。例えば、ユーザオブジェクトに広告K1が関連付けられている場合、報酬決定部136は、広告K1のサイズに応じた報酬額と、広告K1の位置に応じた報酬額との合計を、ユーザへの報酬として決定する。
【0146】
なお、契約条件として、広告Kの表示態様だけでなく、第1の実施形態で説明したようなユーザオブジェクトの移動量に応じた報酬などが規定されてもよい。例えば、報酬決定部136は、広告Kの表示態様の契約条件と、ユーザオブジェクトの移動量とを総合的に判断して、ユーザに対する報酬を決定することができる。
【0147】
具体的には、報酬決定部136は、例えば、表示態様に応じて定まる報酬と、ユーザオブジェクトの移動量によって定まる報酬との合計を、ユーザに対する報酬として決定することができる。また、報酬決定部136は、例えば、表示態様によって定まる報酬に対して、ユーザオブジェクトの移動量の応じた値を乗じることにより、ユーザへの報酬を算出してもよい。
【0148】
また、契約条件として、さらに、契約期間の長さに応じた報酬、およびユーザのフレンドの登録数またはフォロワーの登録数に応じた報酬などが規定されていてもよい。このような場合、報酬決定部136は、例えば、広告Kの表示態様に応じた報酬と、ユーザオブジェクトの行動履歴に応じた報酬と、広告Kの契約期間の長さに応じた報酬と、ユーザのフレンドなどの登録数に応じた報酬との合計を、ユーザに対する報酬として決定することができる。
【0149】
[動作の流れ]
図18は、本開示の第2の実施形態に係るサーバ20Bによってユーザオブジェクトに広告Kを関連付けたユーザへの報酬を決定する際の動作の流れを説明するためのシーケンス図である。
【0150】
図18に示すステップS111からステップS113までの動作は、
図11に示すステップS11からステップS13までの動作と同様であるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
【0151】
次に、ユーザが、ユーザオブジェクトに関連付ける広告Kの選択、ならびに当該広告Kのサイズおよび位置などの表示態様の選択を行い、端末10に対して設定操作を行ったとする。この場合、端末10は、ユーザによる設定操作を受け付け(ステップS114)、操作の内容を示す操作情報をサーバ20Bへ送信する(ステップS115)。そして、サーバ20Bは、端末10から送信された操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて、ユーザオブジェクトに対して広告Kを設定する(ステップS116)。
【0152】
次に、サーバ20Bは、広告Kが関連付けられているユーザオブジェクトごとに、広告Kの契約条件、および広告Kの表示態様に基づいて、ユーザへの報酬を決定する(ステップS117)。そして、サーバ20Bは、例えば、当該ユーザの識別情報を特定し、当該ユーザに対して、決定した報酬を付与する(ステップS118)。報酬の決定(ステップS117)および報酬の付与(ステップS118)は、1か月ごとなど、定期的に行われる。
【0153】
[付記事項]
本開示の第2の実施の形態に係る内容を列記すると以下の通りである。
(項目2-1)
プロセッサに、ユーザが操作することで仮想空間を移動するオブジェクトに広告を関連付けさせ、
プロセッサに、前記仮想空間の画像における前記広告の表示態様に応じた報酬を決定させる、プログラム。
これにより、ユーザへの報酬をより適切に決定することができる。
【0154】
(項目2-2)
プロセッサに、前記表示態様に応じた報酬の決定において、前記広告の表示サイズが大きいほど、報酬を高く決定させる、項目2-1に記載のプログラム。
これにより、広告による宣伝効果に見合ったより適切な報酬を決定することができる。
【0155】
(項目2-3)
プロセッサに、前記表示態様に応じた報酬として、前記オブジェクトに対する前記広告の表示位置に応じて前記報酬を決定させる、項目2-1または項目2-2に記載のプログラム。
これにより、広告による宣伝効果に見合ったより適切な報酬を決定することができる。
【0156】
(項目2-4)
前記広告は、前記オブジェクトの各部位に対して設定され、
プロセッサに、前記オブジェクトに含まれる複数の前記部位のうち、前記広告が未設定である前記部位に対して、他の前記広告を設定可能にさせる、項目2-1から項目2-3のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、オブジェクトにおける同一の部位に複数の広告が関連付けられることを避けることができる。
【0157】
(項目2-5)
前記広告は、前記オブジェクトの各部位に対して設定され、
プロセッサに、同一の前記部位に対して複数の前記広告の設定操作が行われた場合、各前記広告に対応する報酬の条件に応じて前記部位を複数の領域に分けさせ、複数の前記領域に対して複数の前記広告をそれぞれ設定させる、項目2-1から項目2-3のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、オブジェクトにおける同一の部位に関連付けられる複数の広告のうと、報酬が多い広告ほど広い領域を割り当てるなど、各広告に対して、報酬の条件に見合う領域を割り当てることができる。
【0158】
(項目2-6)
前記広告は、前記オブジェクトの各部位に対して設定され、
プロセッサに、同一の前記部位に対して複数の前記広告の設定操作が行われた場合、前記部位における各前記広告の表示態様を設定するための操作を受け付けさせる、項目2-1から項目2-3のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、オブジェクトにおける同一の部位に複数の広告を関連付ける場合において、各広告の表示態様をユーザの希望に合わせることができる。
【0159】
<第3の実施形態>
上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、広告Kがユーザオブジェクトに関連付けられる。そして、第1の実施形態では、ユーザオブジェクトの移動量に応じて報酬が決定され、第2の実施形態では、広告Kの表示態様に応じてユーザへの報酬が決定される。
【0160】
これに対して、第3の実施形態では、仮想空間に広告Kが設定され、当該仮想空間を移動するユーザオブジェクトの当該広告Kに対する関わりに応じて、ユーザへの報酬が決定される。第3の実施形態に係る情報処理システム1の構成は、
図1に示す第1の実施形態に係る情報処理システム1と同様の構成であるため、ここでの詳細な説明は繰り返さない。
【0161】
[サーバの構成]
図19は、本開示の第3の実施形態に係るサーバ20Cの構成を示す図である。第3の実施形態に係るサーバ20Cは、
図1に示すサーバ20の一例であり、
図2に示す第1の実施形態に係るサーバ20Aと同様に、通信部21と、制御部22と、記憶部23と、メモリ24とを備える。
【0162】
記憶部23には、プログラム241、仮想空間情報42、ユーザ情報43および広告情報244などが保存されている。
図19に示す仮想空間情報42およびユーザ情報43は、それぞれ、
図2に示す第1の実施形態に係る仮想空間情報42およびユーザ情報43と同様である。
【0163】
制御部22は、プログラム241に従って動作することにより、空間生成部31と、配置部32と、画像生成部33と、広告設定部234と、行動検出部235と、報酬決定部236、として機能する。
図19に示す空間生成部31、配置部32および画像生成部33は、それぞれ、
図2に示す第1の実施形態に係る空間生成部31、配置部32および画像生成部33と同様である。以下、
図19に示す広告情報244、ならびに広告設定部234および報酬決定部236の各機能の動作について説明する。
【0164】
(仮想空間に対する広告の設定)
サーバ20Cにおける広告設定部234は、仮想空間に対して1または複数の広告Kを設定する。具体的には、広告主が開催するイベントなどが仮想空間において行われているような場合、当該仮想空間において、当該広告主に関連する1または複数の広告Kが配置される。広告Kは、マーク等のオブジェクトであってもよいし、音声、音楽、メッセージまたは映像などであってもよい。
【0165】
(ユーザオブジェクトの行動履歴の保存)
行動検出部235は、第1の実施形態と同様に、ユーザオブジェクトごとの行動履歴をメモリ24に保存する。より詳細には、行動検出部235は、行動履歴として、広告Kに対するユーザオブジェクトの関わりを示すパラメータをメモリ24に保存する。
【0166】
図20は、本開示の第3の実施形態に係る行動検出部235により生成される行動履歴を説明するための図である。
図20を参照して、例えば、行動検出部235は、広告Kが設定された仮想空間におけるユーザオブジェクトの滞在時間、移動量、広告Kの付近における移動速度、視聴した広告Kの数、広告Kを継続して視聴した時間、およびユーザオブジェクトから広告Kへ向けられた視線の位置または方向の数などを、広告Kとの関わりを示すパラメータとしてカウントする。
【0167】
そして、行動検出部235は、ユーザオブジェクトごとに、複数種類のパラメータを行動履歴としてメモリ24に保存する。各種パラメータは、行動検出部235によって随時更新される。なお、ユーザオブジェクトが仮想空間を離れた後、当該仮想空間を再び訪れた場合、すなわち当該仮想空間に再び配置された場合、各種パラメータの値は合算されるなどの調整が行われる。
【0168】
(契約条件が満たされたか否かの判断)
図19に示す広告情報244は、契約条件として、広告Kとの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、ユーザに報酬が付与されることを示す。ここでの報酬とは、仮想空間において使用することができる抽選券やアイテム等である。
【0169】
報酬決定部236は、広告情報244の示す契約条件、およびメモリ24に保存されているユーザオブジェクトの行動履歴に基づいて、パラメータが所定条件を満たすか否かを判断する。
【0170】
(a)具体例1
例えば、報酬が付与される条件として、仮想空間におけるユーザオブジェクトの滞在時間が第1閾値以上であり、かつ当該仮想空間におけるユーザオブジェクトの移動量が第2閾値以上であることが規定されているとする。この場合、報酬決定部236は、メモリ24に保存されている各種パラメータのうち、ユーザオブジェクトの当該仮想空間における滞在時間および移動量を確認する。
【0171】
そして、報酬決定部236は、当該ユーザオブジェクトの行動履歴において、滞在時間が第1閾値以上であり、かつ移動量が第2閾値以上である場合、パラメータが所定条件を満たしていると判断し、後述するように、ユーザに対して報酬を付与する。
【0172】
なお、広告Kの付近におけるユーザオブジェクトの移動速度がゼロである場合、ユーザオブジェクトを操作するユーザが端末10のモニタを見ていない可能性がある。このため、報酬決定部236は、例えば、ユーザオブジェクトの移動速度がゼロである時間が所定時間以上継続する場合、当該時間を滞在時間に含めない構成であってもよい。
【0173】
(b)具体例2
また、例えば、報酬が付与される条件として、ユーザオブジェクトが広告Kを継続して視聴した時間が第3閾値以上であり、かつユーザオブジェクトから広告Kへ向けられた視線の方向が複数であること、すなわち広告Kが多面的に閲覧されていることが規定されているとする。この場合、報酬決定部236は、メモリ24に保存されている各種パラメータのうち、ユーザオブジェクトによる広告Kの視聴時間、および広告Kへ向けられた視線の方向の数を確認する。
【0174】
そして、報酬決定部236は、当該ユーザオブジェクトの行動履歴において、広告Kの視聴時間が第3閾値以上であり、かつユーザオブジェクトから広告Kへ向けられた視線の方向の数が2以上である場合、パラメータが所定条件を満たしていると判断し、後述するように、ユーザに対して報酬を付与する。
【0175】
(c)具体例3
また、例えば、報酬が付与される条件として、広告Kの付近におけるユーザオブジェクトの移動速度がゼロより大きく、かつ第4閾値未満であることが規定されているとする。この場合、報酬決定部236は、メモリ24に保存されている各種パラメータのうち、広告Kの付近におけるユーザオブジェクトの移動速度を確認する。
【0176】
そして、報酬決定部236は、当該移動速度がゼロより大きく、かつ第4閾値未満である場合、パラメータが所定条件を満たしていると判断し、後述するように、ユーザに対して報酬を付与する。
【0177】
なお、上記のとおり、広告Kの付近におけるユーザオブジェクトの移動速度がゼロである場合、ユーザオブジェクトを操作するユーザが端末10のモニタを見ていない可能性がある。このため、移動速度の規定範囲をゼロより大きく、かつ第4閾値未満とすることにより、ユーザが広告Kを見ている可能性がより高い状態を条件として規定することができる。
【0178】
(契約条件に対する達成状況の提示)
図21および
図22は、本開示の第3の実施形態に係るサーバ20Cにより提供される仮想空間画像の他の一例を示す図である。
図21および
図22に示すように、サーバ20Cは、報酬が付与される条件、および当該条件に対する現在の達成状況をユーザ側に提示することができる。
【0179】
図21に示す例では、仮想空間画像G31に通知領域Rが含まれ、通知領域Rにおいて、報酬が付与される条件として、仮想空間における滞在時間が10分以上であり、移動量が1000m以上であり、かつ視聴した広告数が10個以上であることが示されている。また、通知領域Rでは、条件に対する現在の達成状況として、仮想空間における滞在時間が8分30秒であり、移動量が650mであり、視聴した広告数が6個であることが示されている。
【0180】
図22に示す例では、仮想空間画像G31における通知領域Rにおいて、報酬が付与される条件として、広告Kを継続して視聴した時間が3分以上であり、かつユーザオブジェクトから広告Kへ向けられた視線の方向が2方向以上であることが示されている。また、通知領域Rでは、条件に対する現在の達成状況として、広告Kを継続して視聴した時間が3分以上経過しており、ユーザオブジェクトから広告Kへ向けられた視線の方向が2方向であることが示されている。
【0181】
なお、契約条件に対する達成状況の提示は、仮想空間画像G31において文字等により表示されるものに限定されず、音声や振動などによって行われてもよい。
【0182】
(報酬の付与)
上記のとおり、
図19に示す報酬決定部236は、広告Kとの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、報酬として、仮想空間において使用することができる抽選券やアイテム等をユーザに付与する。
【0183】
図23は、本開示の第3の実施形態においてユーザに提供される抽選の一覧を説明するための図である。
図23に示すように、ユーザは、ユーザオブジェクトに装着させるアイテム等を獲得することが可能な複数種類の抽選を行うことができる。
【0184】
図23では、端末10のモニタに表示される抽選一覧画面G32が示されている。抽選一覧画面G32には、抽選の種類と、ユーザが現在所持している各抽選の抽選券と、各抽選の名称とが含まれる。具体的には、一例として、「ふくびき1」「ふくびき2」「ふくびき3」および「ふくびき4」の4種類の抽選が抽選一覧画面G32に表示されている。
【0185】
このような状況において、広告Kとの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、例えば、当該パラメータが所定条件を満たすまでの期間においては抽選一覧画面G32には表示されていなかった新たな種類の抽選の抽選券が、報酬としてユーザに付与される。
【0186】
図24は、本開示の第3の実施形態においてユーザに新たに提供される抽選を説明するための図である。
図24に示す抽選一覧画面G32では、「ふくびき1」の抽選の代わりに、「限定コラボふくびき」の抽選が表示され、ユーザに対して「限定コラボふくびき」の抽選券が1枚付与される。
【0187】
(報酬の付与の変形例)
なお、
図19に示す報酬決定部236は、ユーザのユーザオブジェクトによる行動履歴だけでなく、当該ユーザと所定の関係を有する他のユーザのユーザオブジェクトの行動履歴を考慮することにより、報酬の内容を変更する構成であってもよい。ユーザと所定の関係を有する他のユーザとは、当該ユーザのフレンドである他のユーザや、当該ユーザのフォロワーである他のユーザなどである。
【0188】
ここでは、あるユーザのユーザオブジェクトを「ユーザオブジェクトY1」として、当該ユーザと所定の関係を有する他のユーザのユーザオブジェクトを「ユーザオブジェクトY2」と称する。例えば、報酬決定部236は、ユーザオブジェクトY1のパラメータが所定条件を満たす場合、ユーザオブジェクトY1と同一の仮想空間に位置するユーザオブジェクトY2の数に応じて、ユーザオブジェクトY1のユーザへ付与する報酬の内容を変更してもよい。
【0189】
具体的には、報酬決定部236は、同一の仮想空間に位置するユーザオブジェクトY2の数が多いほど、ユーザオブジェクトY1のユーザへ付与する抽選券の枚数を増やしたり、価値の高いアイテムを付与したりすることができる。
【0190】
また、報酬決定部236は、ユーザオブジェクトY2のパラメータが所定条件を満たす場合、ユーザオブジェクトY2のユーザだけでなく、ユーザオブジェクトY1のユーザに対しても報酬を付与してもよい。
【0191】
また、ユーザオブジェクトY1のパラメータが所定条件を満たす場合、ユーザオブジェクトY1のユーザへ付与される報酬が報酬X1であるとする。また、ユーザオブジェクトY2のパラメータが所定条件を満たす場合、ユーザオブジェクトY2のユーザへ付与される報酬が報酬X2であるとする。このような場合において、ユーザオブジェクトY1およびユーザオブジェクトY2の各々のパラメータが所定条件を満たす場合、報酬決定部236は、ユーザオブジェクトY1のユーザおよびユーザオブジェクトY2のユーザの両方に対して、報酬X1および報酬X2を付与してもよい。
【0192】
また、複数の広告Kの中には、通常の広告Kとは異なる特定の広告Kが含まれていてもよい。特定の広告Kとは、例えば、マーク等の表示に加えて音声、音楽、メッセージまたは映像などが提供されるような、高い宣伝効果が見込まれる広告Kなどである。報酬決定部236は、例えば、ユーザオブジェクトが特定の広告Kを見た場合、当該ユーザオブジェクトのユーザへ付与する報酬の内容を変更してもよい。
【0193】
具体的には、報酬決定部236は、ユーザへ付与する抽選券の枚数を増やしたり、抽選によって得られるアイテムの母集団を変更したりすることができる。また、報酬決定部236は、例えば、ユーザオブジェクトが視聴した特定の広告Kの数や、ユーザオブジェクトが視聴した特定の広告Kの順番などに応じて、ユーザオブジェクトのユーザへ付与する報酬の内容を変更してもよい。
【0194】
[動作の流れ]
図25は、本開示の第3の実施形態に係るサーバ20Cによってユーザへ報酬が付与される際の動作の流れを説明するためのシーケンス図である。
【0195】
図25を参照して、まず、サーバ20Cは、複数の仮想空間のうちの一部または全部に対して、広告Kの設定を行う(ステップS211)。
【0196】
次に、ユーザが、複数の仮想空間のうちの1つを選択し、端末10に対して選択結果を入力する操作を行ったとする。この場合、端末10は、ユーザによる操作を受け付け(ステップS212)、操作の内容を示す操作情報をサーバ20Cへ送信する(ステップS213)。
【0197】
次に、サーバ20Cは、端末10から送信された操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて、ユーザにより選択された仮想空間の仮想空間画像の画像データを端末10へ送信する(ステップS214)。
【0198】
次に、端末10は、ユーザオブジェクトの行動に関する操作を受け付けると(ステップS215)、操作の内容を示す操作情報をサーバ20Cへ送信する(ステップS216)。そして、サーバ20Cは、端末10から送信された操作情報を受信すると、当該操作情報に基づいて、ユーザオブジェクトを動作させると共に、当該ユーザオブジェクトの行動履歴を更新する(ステップS217)。
【0199】
次に、サーバ20Cは、ユーザオブジェクトの行動履歴、および広告Kの契約条件に基づいて、当該ユーザオブジェクトの広告Kへの関わりを示すパラメータが所定条件を満たすか否かを判断する(ステップS218)。そして、サーバ20Cは、当該パラメータが所定条件を満たすと判断した場合(ステップS218において「YES」)、抽選券などの報酬をユーザに対して付与することを決定し(ステップS219)、当該報酬をユーザに付与する(ステップS220)。一方、サーバ20Cは、当該パラメータが所定条件を満たしていないと判断した場合(ステップS218において「NO」)、ユーザへの報酬の付与を行わない。
【0200】
[付記事項]
本開示の第3の実施の形態に係る内容を列記すると以下の通りである。
(項目3-1)
プロセッサに、仮想空間に設定されている広告に対する、ユーザが操作するオブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、前記ユーザへ報酬を付与させる、プログラム。
このように、オブジェクトによる広告への関わりを判断基準とすることにより、ユーザによる広告の視聴状況をより正確に判断して、報酬を付与することができる。
【0201】
(項目3-2)
前記パラメータは、仮想空間における前記オブジェクトの滞在時間、移動量および移動速度の少なくともいずれか1つに基づいて決定される、項目3-1に記載のプログラム。
このように、オブジェクトの移動に関するパラメータを判断基準とすることにより、ユーザによる広告の視聴状況を、より正確に判断することができる。
【0202】
(項目3-3)
前記パラメータは、前記オブジェクトから前記広告へ視線が向けられた回数に基づいて決定される、項目3-1または項目3-2に記載のプログラム。
このように、オブジェクトから広告へ視線が向けられた回数を判断基準とすることにより、ユーザによる広告の視聴状況を、より正確に判断することができる。
【0203】
(項目3-4)
前記パラメータは、前記広告における、前記オブジェクトからの視線が向けられた位置および方向の少なくともいずれか一方に基づいて決定される、項目3-1から項目3-3のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、ユーザが広告を多面的に閲覧しているか否かを、より正確に判断することができる。
【0204】
(項目3-5)
前記オブジェクトが移動して同一の仮想空間に対して複数回配置された場合、各配置における前記パラメータが調整される、項目3-1から項目3-4のいずれか1つに記載のプログラム。
このように、オブジェクトによる広告への関わりを示すパラメータが調整されることにより、ユーザによる広告の視聴状況をより正確に判断することができる。
【0205】
(項目3-6)
プロセッサに、仮想空間に設定されている特定の広告に対する前記オブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、前記報酬の内容を変更させる、項目3-1から項目3-5のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、例えば、特定の広告に対するオブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、ユーザに対して価値の高い報酬を付与することができる。このため、ユーザに対して、特定の広告の視聴を促したり、予想外の展開による面白さを与えたりすることができる。
【0206】
(項目3-7)
プロセッサに、現在の前記パラメータを示す情報、および前記所定条件の内容を含む情報を提示させる、項目3-1から項目3-6のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、ユーザに対して、報酬が付与されるための条件と、当該条件に対する現在の達成状況を通知することができる。
【0207】
(項目3-8)
前記ユーザと所定の関係を有する他のユーザにより操作されるオブジェクトのパラメータであって、前記広告に対する関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、プロセッサに、前記報酬の内容を変更させる、項目3-1から項目3-7のいずれか1つに記載のプログラム。
これにより、他のユーザが操作するオブジェクトの広告に対する関わりが、当該他のユーザとの間で所定の関係を有するユーザへの報酬に影響を与えることができる。このため、他のユーザに対して、広告と関わるようなオブジェクトの行動を促すことができ、当該他のユーザが広告を視聴する確率を上げることができる。
【0208】
なお、上記の各実施形態における制御部(プロセッサ)22による各動作は、1つのプロセッサによって実行されてもよいし、複数のプロセッサによって実行されてもよい。例えば、制御部22による動作の一部または全部が端末10によって実行されてもよい。
【0209】
また、上述した各シーケンス図における各処理の順序は、処理内容に矛盾や不整合が生じない範囲で順不同であり、並列的に実行されてもよい。
【0210】
また、上記の各実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更や改良、実施形態の構成の一部の削除、複数の実施形態の構成の組み合わせ、を行うことができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0211】
1:情報処理システム、10,10A,10B:端末、13:ネットワーク、20,20A~20C:サーバ、21:通信部、22:制御部(プロセッサ)、23:記憶部、24:メモリ、31:空間生成部、32:配置部、33:画像生成部、34,134,234:広告設定部、35,235:行動検出部、36,136,236:報酬決定部、41,141,241:プログラム、42:仮想空間情報、43:ユーザ情報、44,144,244:広告情報
【要約】
【課題】ユーザと広告の関わりに応じた報酬を当該ユーザに付与することのできる、プログラム、情報処理装置および情報処理方法を提供する。
【解決手段】プログラムは、プロセッサに、仮想空間に設定されている広告に対する、ユーザが操作するオブジェクトの関わりを示すパラメータが所定条件を満たす場合、前記ユーザへ報酬を付与させる。
【選択図】
図19