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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20241125BHJP
   B41J 29/02 20060101ALI20241125BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
G03G21/16 104
B41J29/02
B41J29/00 A
G03G21/16 176
G03G21/16 119
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023160234
(22)【出願日】2023-09-25
(62)【分割の表示】P 2019074800の分割
【原出願日】2019-04-10
(65)【公開番号】P2023171838
(43)【公開日】2023-12-05
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】布施 康彦
(72)【発明者】
【氏名】中屋敷 雄司
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-352762(JP,A)
【文献】特開2018-128646(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0152389(US,A1)
【文献】特開2018-057146(JP,A)
【文献】特開平06-250456(JP,A)
【文献】特開2002-244529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
B41J 29/00 - 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成部を支持する第1フレームであって、前記画像形成部はシートに画像を形成するように構成され、前記画像形成部が、感光体と、前記感光体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像部とを含む、第1フレームと、
前記感光体を露光するように構成されたスキャナと、
前記第1フレームの下部に取り付けられた第2フレームであって、(i)トナーを収容する補給容器を支持するように構成された支持部材と、(ii)前記補給容器から前記現像部に前記トナーを搬送するように構成されたトナー搬送ユニットと、(iii)前記シートを収容する収容部と、(iv)前記収容部に収容された前記シートを搬送する搬送部と、を備えた第2フレームと、
を有し、
前記第1フレームは、前記感光体が前記スキャナの上方に位置されるように前記画像形成部を支持し、
前記第2フレームは天板を有し、前記支持部材は前記天板の上方に位置されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記トナー搬送ユニットは、前記天板の上方に位置されていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第2フレームは、前記トナー搬送ユニットを駆動する駆動ユニットを備え、前記駆動ユニットは前記天板の下方に位置されていることを特徴とする請求項またはに記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記収容部と前記搬送部は前記天板の下方に配置されていることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記天板は、前記天板を前記第1フレームに対して位置決めするための位置決めピンを備えることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記トナー搬送ユニットは、前記スキャナの上方に位置された前記現像部にトナーを搬送するように構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記支持部材は、前記補給容器が前記スキャナの下方に位置されるように、前記補給容器を支持することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式で画像形成を行う複写機、プリンタ、及び複合機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式による画像形成装置には、像担持体に形成された静電潜像を現像部によって現像剤であるトナー等を用いて現像して可視像化するものがある。像担持体としては円筒状の感光ドラムや無端状の感光ベルトなどがある。像担持体に現像されたトナー画像を転写部によりシートに転写し、圧力や熱等を用いる定着部によりトナー画像をシートに定着させる。
【0003】
このような画像形成装置において、像担持体や現像部とともに、トナーを収納したトナー収納部を含む画像形成部を構成した形態のものがある(特許文献1)。一方、トナー収納部を、像担持体や現像部を含む画像形成部とは別に交換可能な補給ユニットとして設け、画像形成部でトナーを消費した場合には、補給ユニットから画像形成部にトナーを補給する形態のものもある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-057146号
【文献】特開2018-128646号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら双方の形態の画像形成装置について、トナー補給に関わる構成は互いに異なるものの、その他の構成は機能上同じであるので、機能が同じものは極力共通化することが好ましい。一方で、これら各ユニットを保持する装置本体のフレームは、前述の形態毎に構成上必要となる部品が異なるため、従来は形態毎に個別に最適化されたフレームをそれぞれ用いていた。
【0006】
このため、前述したように形態が異なる画像形成装置を、並行して製造するような場合、在庫管理するべき部品点数が多くなり、管理負荷が増大するという課題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、形態が異なる画像形成装置において、装置本体のフレームを最大限共通化することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の代表的な構成は、画像形成部を支持する第1フレームであって、前記画像形成部はシートに画像を形成するように構成され、前記画像形成部が、感光体と、前記感光体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像部とを含む、第1フレームと、前記感光体を露光するように構成されたスキャナと、前記第1フレームの下部に取り付けられた第2フレームであって、(i)トナーを収容する補給容器を支持するように構成された支持部材と、(ii)前記補給容器から前記現像部に前記トナーを搬送するように構成されたトナー搬送ユニットと、(iii)前記シートを収容する収容部と、(iv)前記収容部に収容された前記シートを搬送する搬送部と、を備えた第2フレームと、を有し、前記第1フレームは、前記感光体が前記スキャナの上方に位置されるように前記画像形成部を支持し、前記第2フレームは天板を有し、前記支持部材は前記天板の上方に位置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、形態が異なる画像形成装置において、装置本体のフレームを最大限共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1に係る補給型画像形成装置の断面図
図2】実施例1に係る一体型画像形成装置の断面図
図3】一体型画像形成装置と給送オプション接続時の断面図
図4】(a)(b)は補給型画像形成装置のフレームの斜視図
図5】(a)(b)は補給型画像形成装置の第二のフレームの斜視図
図6】(a)(b)は一体型画像形成装置の第一のフレームの斜視図
図7】一体型画像形成装置の第二のフレームの斜視図
図8】実施例2に係る画像形成装置の断面図
図9】(a)(b)は直接転写型の画像形成装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
〔実施例1〕
図2を用いて画像形成装置の全体構成について説明する。図2は画像形成装置の全体構成を示す断面図である。本例の画像形成装置はシートにカラー画像をプリントできるレーザビームプリンタである。
【0013】
なお、以下の説明において、図2に示すZ軸方向は、画像形成装置の高さ方向(上下方向)であり、鉛直方向である。図2に示すY軸方向は、Z軸と直交する方向であり、画像形成装置の手前奥方向であり、後述する感光体の回転中心となる軸線方向である。ここで、画像形成装置の手前側とは、ユーザやサービスマンなどの操作者が画像形成装置に対して各種入力/設定を行うため操作部(不図示)に臨む側(正面側)である。これに対し、画像形成装置の奥側とは、画像形成装置の手前側とは反対側(背面側)である。図2に示すX軸方向は、Z軸およびY軸と直交する方向であり、画像形成装置の上下方向および手前奥方向と直交する方向(左右方向)である。
【0014】
(給送部)
図2に示すように、シートSを収納する収納部であるカセット2は、画像形成装置の装置本体1に対して着脱可能に設けられている。カセット2に収納されたシートSは、給送部3により1枚ずつ送り出され、中間搬送ローラ37を経由してレジストローラ5に送られる。手差し給送部4にセットされたシートSは、再給送ローラ対29を経由してレジストローラ5に送られる。レジストローラ5はシートSの斜行を修正し、後述する二次転写部16にシートSを搬送する。
【0015】
(画像形成部)
画像形成装置は、シートSに画像を形成する画像形成部を有する。ここでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する4つの画像形成部6Y,6M,6C,6Kを有する。なお、画像形成部はトナーの色が異なる以外は同様の構成であるため、Y,M,C,Kを省略して画像形成部6と表示する。他の部材の場合も同様とする。画像形成部6は、感光体7(7Y,7M,7C,7K)、感光体7の表面を帯電させる帯電部8(8Y,8M,8C,8K)を有する。更に画像形成部6は、感光体7に形成された静電潜像を現像剤であるトナーで現像する現像部9(9Y,9M,9C,9K)、転写後に感光体7に残留したトナーを除去するクリーナ10(10Y,10M,10C,10K)を有する。現像部9は、感光体7へトナーを供給するための現像ローラ105(105Y,105M,105C,105K)を有する。感光体7および感光体7に作用するプロセス手段としての帯電部8、現像部9、クリーナ10は、一体となって装置本体1に着脱可能な一体型プロセスカートリッジを成している。
【0016】
感光体7よりも鉛直方向(Z軸方向)下方にはスキャナユニット12が設けられている。スキャナユニット12は、感光体7を画像情報に応じた光で走査する光走査部である。本例のスキャナユニット12は、半導体レーザから出射するレーザ光を回転多面鏡で偏向し感光体7を走査するレーザスキャナユニットである。
【0017】
(転写部)
鉛直方向(Z軸方向)において、画像形成部6の上部には中間転写ユニット15が設けられている。中間転写ユニット15は、装置の小型化のために、二次転写部16側を下方にして斜め(図2のX軸方向における右側を下に左側を上)に配置されている。すなわち、中間転写ユニット15は、水平方向(X軸方向)に対して傾斜して配置されている。それに伴い、画像形成部6やスキャナユニット12も斜めに配置されている。感光体7に形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト17は、回転可能な無端状のベルトであり、複数の張架ローラに張架されている。中間転写ベルト17の内面には、一次転写部材である一次転写ローラ18(18Y,18M,18C,)が接触している。一次転写ローラ18は、中間転写ベルト17を介して各感光体7と一次転写部19(19Y,19M,19C,19K)を形成している。各一次転写部19において、一次転写ローラ18に電圧を印加することによって、各感光体7に形成されたトナー画像が中間転写ベルト17に一次転写される。中間転写ベルト17、中間転写ベルト17を張架する複数の張架ローラ、および各一次転写ローラ18は、中間転写ユニット15としてユニット化されており、画像形成装置の装置本体1に対して着脱可能に構成されている。
【0018】
二次転写部材である二次転写ローラ20は中間転写ベルト17と接触しており、中間転写ベルト17を介して対向側のローラと二次転写部16を形成している。二次転写部16で、中間転写ベルト17に転写されたトナー画像はシートSに一括して二次転写される。二次転写工程で中間転写ベルト17に残留したトナーはクリーニングユニット21により除去される。クリーニングユニット21で除去されたトナーはトナー回収容器22へ搬送される。
【0019】
(電源装置)
前述の通り、スキャナユニット12は水平方向に対して斜めに配置されている。そのため、装置本体1は、スキャナユニット12の底面12a、給送部のカセット2の真上に設けている仕切り板32と、装置本体1の左側壁33からなる、断面が略三角形状の空間34を有している。空間34には、低圧電源35および高圧電源36が配置されている。低圧電源35は、画像形成装置に搭載されている各種モータ、ファン、ソレノイド等に印加する電圧を生成する。また高圧電源36は、帯電部8、現像部9、一次転写ローラ18、二次転写ローラ20等に印加する電圧を生成する。
【0020】
(定着部)
二次転写部16でトナー画像が転写されたシートSは、定着部23に搬送される。定着部23は熱源を有する加熱ユニット23aと、加熱ユニット23aと共に定着ニップ部を形成する加圧ローラ23bを有する。未定着のトナー画像を担持するシートSは定着ニップ部で挟持搬送されつつ加熱・加圧され、トナー画像がシートSに定着される。
【0021】
(排出部、再給送部)
定着部23を通過したシートSは、切換部材24によって、排出ローラ対25又はスイッチバックローラ対26のどちらかに搬送先を切り換えられ、案内される。片面プリントの場合、シートSは切換部材24により排出ローラ対25へ案内され、排出ローラ対25によりシートトレイ31に排出される。シートトレイ31は、中間転写ベルト17よりも鉛直方向上方に設けられており、装置内部から出力されるシートを受ける。両面プリントの場合、シートSは切換部材24によりスイッチバックローラ対26に案内され、スイッチバックローラ対26により搬送される。そして、スイッチバックローラ対26に挟持された状態のシートSは、スイッチバックローラ対26を逆回転させることで、シートSの後端だったシート端部をシート先端に切り換えて、両面搬送路27へスイッチバック搬送される。両面搬送路27へ搬送されたシートSは、搬送ローラ対28、再給送ローラ対29を経由して再度レジストローラ5へ搬送される。また、両面搬送路27の終端にはUターン部30が存在している。再給送ローラ対29をUターン部30に設けることで、レジストローラ5までの搬送性能の安定化を図っている。再給送ローラ対29及びレジストローラ5を経由したシートSは、二次転写部16および定着部23を経由して一面目と同様に二面目に画像が形成される。その後、両面に画像が形成されたシートSは、切換部材24により排出ローラ対25へ案内され、排出ローラ対25によりシートトレイ31に排出される。
【0022】
(給送オプション)
図3図2に示す画像形成装置の装置本体1の下に給送オプション11を接続した状態を示す概略断面図である。給送オプション11には、シートを収納する収納部であるカセット2と、カセット2に収納されたシートを給送する給送部3が設けられている。カセット2は、給送オプション11に対して着脱可能に設けられている。カセット2と給送部3は図2で説明の装置本体1のものと同一であるので、同一の符号を付している。
【0023】
給送オプション11のカセット2から給送されたシートSは、中間搬送ローラ37によって装置本体1側の給送オプション搬送路38へ搬送される。その後、シートSは、レジストローラ5の上流部で他の給送部からの搬送路に合流してレジストローラ5へ送られる。そして、シートSはレジストローラ5にて斜行を修正された後、二次転写部16に搬送される。
【0024】
給送オプション11は、図2および図3に示すように、画像形成装置の装置本体1に対して選択的に取り付けることが可能である。また、給送オプション11は、図2に示すように1段重ねて増設するだけに限定されず、複数段を重ねて増設することが可能であり、ユーザのニーズに応じて適宜選択することが可能となっている。なお、給送オプション11の内には、給送オプションを複数段重ねた際の下段の給送オプションからのシートを受け入れ案内するシート搬送路としての垂直搬送路43が設けられている。
【0025】
(画像形成装置の形態の違いの説明)
ところで、図2および図3を用いて説明してきた画像形成装置は、感光体や現像部とともに、トナーを収納したトナー収納部を含む画像形成部を構成した形態のものである(以下、これを一体型画像形成装置と呼ぶ)。他方、トナー収納部を、感光体や現像部を含む画像形成部とは別に交換可能なトナー補給容器として設け、画像形成部でトナーを消費した場合には、トナー補給容器から画像形成部にトナーを補給する形態のものもある(以下、補給型画像形成装置と呼ぶ)。
【0026】
一体型画像形成装置においては、トナーを現像部へ直接的に供給できるため、画像形成部を小型化でき、結果として装置全体の大きさを抑えることができる。装置の小型化によって、使用環境において画像形成装置の設置スペースが限られている場合などにも対応できるメリットがある。コストも後述する補給型画像形成装置と比べると部品構成が簡易な分、比較的安価な傾向がある。
【0027】
一方、補給型画像形成装置においては、画像形成部とは別に設けたトナー補給容器が画像形成装置の装置本体に対して着脱可能である。そのため、トナーを消費した場合、トナー補給容器のみを交換し、使用可能な画像形成部は継続して使用でき、印刷率の高い画像を大量に印刷するユーザなどにとっては、シート一枚あたりの費用を抑えることができる。ただし、必然的に画像形成部とトナー補給容器(トナー収納部)との位置が離れるため、これらの間でトナーを搬送するためトナー搬送機構などを装置本体内に設ける必要がある。装置自体は複雑になり、それに応じてコストも高価になる傾向がある。
【0028】
(補給型画像形成装置のトナー補給容器)
図1を用いて補給型画像形成装置について説明する。図1は本例における補給型画像形成装置の概略断面図である。図2および図3で説明した箇所と同様の機能部については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0029】
本例の補給型画像形成装置は、複数色のトナーを用いてシートにカラー画像を形成可能な装置であり、複数色のトナーに対応する複数のトナー収納部が装置本体に対して装着可能となっている。図1に示すように、スキャナユニット12とカセット2との間には、現像部9に補給するトナーを収納する4つのトナー収納部であるトナー補給容器13(13Y,13M,13C,13K)が水平方向(X軸方向と平行な方向)に並ぶように配設されている。トナー補給容器13は、支持部材である支持レール39(39Y,39M,39C,39K)上に配置されており、画像形成装置の装置本体1に対して支持レール39の上をY軸方向に着脱可能となっている。トナー補給容器13の内部には補給用トナーが充填されている。トナー補給容器13に収納されたトナーは、トナー搬送ユニットであるトナー搬送機構14(14Y,14M,14C,14K)により現像部9に供給される。
【0030】
図1に示す補給型画像形成装置において、画像形成部6には、感光体7および感光体7に作用するプロセス手段としての帯電部8、現像部9、クリーナ10が一体となって構成されたプロセスカートリッジが、装置本体1に着脱可能に配置してある。図1に示す補給型画像形成装置において、図3に示す一体型画像形成装置の場合と異なる点は、プロセスカートリッジの現像部9に、トナー搬送機構14によって搬送されてくるトナーを取り込むための取り込み口(不図示)を設けている。
【0031】
シートSは、給送部3によってカセット2から1枚ずつに送り出され、給送オプション搬送路38、中間搬送ローラ37を経由してレジストローラ5に送られる。このシート搬送路は、図3に示す一体型画像形成装置において、給送オプション11からシートSを搬送した場合と同一である。したがって、いずれか一方でシート搬送性の検証をすればよく、開発工数を削減することができる。
【0032】
(トナー搬送機構)
トナー補給容器13の下部に、トナーを受け入れるトナー受け入れ口40(40Y,40M,40C,40K)を設けている。トナー受け入れ口40から流入したトナーは、トナー搬送機構14内のスクリュー(不図示)によって各プロセスカートリッジに向けて移動される。スクリューは、駆動伝達ユニット41(41Y,41M,41C,41K)と、これに接続された駆動源42によって回転駆動される。すなわち、トナー搬送機構14は、駆動源42と駆動伝達ユニット41からなる駆動ユニットによって駆動され、トナー補給容器13に収納されたトナーをプロセスカートリッジの現像部9に供給する。
【0033】
(画像形成装置のフレーム構成)
ここで、図3に示す一体型画像形成装置と、図1に示す補給型画像形成装置のフレーム構成について説明する。本例では、形態の異なる一体型画像形成装置と補給型画像形成装置の各構成ユニットを保持するフレームを共通化している。以下、詳しく説明する。
【0034】
(一体型画像形成装置のフレーム構成詳細)
まず図3に示す一体型画像形成装置におけるフレーム構成について、図6(a)、図6(b)、および図7を用いて説明する。図6(a)および図6(b)は、一体型画像形成装置における第一のフレーム50を示す斜視図である。図7は、一体型画像形成装置における第二のフレーム51を示す斜視図である。
【0035】
本例の画像形成装置において、フレームは、第一のフレーム50と、第二のフレーム51とに大別される。第一のフレーム50の下部には、カセット2を保持可能な第二のフレーム50が選択的に取り付け可能とされている。図3に示す一体型画像形成装置におけるフレーム構成は、第一のフレーム50の下部に第二のフレーム51を取り付けた構成である。しかし、図2に示す画像形成装置におけるフレーム構成の場合のように、第一のフレーム50の下部に第二のフレームを取り付けない構成とすることも可能である。図6(a)および図6(b)に示す第一のフレーム50は、画像形成部6を含む、図3で示すところの給送オプション搬送路38よりもシート搬送方向下流側の各部ユニットを保持している。図7に示す第二のフレーム51は、図3で示すところのカセット2および給送部3を保持している。
【0036】
図6(a)および図6(b)に示す第一のフレーム50は、画像形成部6を保持する上部スペースの下部に、下部スペースを有している。本例では、第一のフレーム50の下部に第二のフレーム51が取り付けられたフレーム構成であるので、前記第一のフレーム50の画像形成部6を保持する上部スペースの下部、前記第二のフレーム61の上部に、前記下部スペースを有している。本例の画像形成装置においては、第一のフレーム50の下部スペースには、カセット2および給送部3が保持されている。装置本体1に対して着脱可能なカセット2は、第一のフレーム50の下部スペースには、シートSを収納するカセット2を装置本体1に対して挿抜可能にするためのカセットレール57a,57bが左右に取り付けられている。
【0037】
第一のフレーム50に保持された画像形成部6(6Y,6M,6C,6K)は、各々がトナー収納容器、現像ローラ、感光体、帯電器などが一体となった一体型プロセスカートリッジであり、装置本体1の正面側からY軸方向に挿抜可能となっている。これらは、図3で説明した画像形成装置と同一の構成となっている。
【0038】
図6(b)に示すように、画像形成部6を駆動するための駆動源を含む作像駆動ユニット53は、第一のフレーム50における装置背面側に取り付けられている。ここで、作像駆動ユニット53は、後述する補給型画像形成装置における作像駆動ユニット53(図4(b)参照)と共通で使用できるようになっている。これは、第一のフレーム50における画像形成部6の位置が、一体型画像形成装置と補給型画像形成装置で同一であるためである。
【0039】
(一体型画像形成装置における給送オプションのフレーム構成)
前述したように、第一のフレーム50の下部スペースにカセット2および給送部3を保持する場合、第一のフレーム50の下部には、給送オプション11のフレームとなる第二のフレーム51を選択的に取り付けることが可能である。図7に示すように、第二のフレーム51は、第一のフレーム50との間(第一のフレーム50と第二のフレーム51の間の境界面)に、仕切り部材としての給送オプション天板56が設けられている。この給送オプション天板56は、後述する補給型画像形成装置における第二のフレーム51に設けられた仕切り部材としての天板52とは構成が異なる。従って、図7に示す一体型画像形成装置の第二のフレーム51においては、補給型画像形成装置における第二のフレーム51から天板52を取り外し、給送オプション天板56を取り付けた構成となっている。
【0040】
給送オプション天板56には、第一のフレーム50に対して位置決めするための位置決め部である位置決めピン58が設けられている。第一のフレーム50側の対応する位置には位置決めピン58と嵌合するための穴(不図示)が設けられている。これにより、第一のフレーム50と第二のフレーム51を接続した際にお互いの位置精度が出せるようになっている。なお、本例では位置決めピン58は2本で互いの位置を決めているが、3本以上であってもよく、フレームを矯正して位置出しを行ってもよい。また、給送オプションに接続される画像形成装置は、図2および図3に示す一体型画像形成装置であってもよいし、図1に示す補給型画像形成装置であってもよい。
【0041】
また、給送オプション天板56には絞り部を設けてねじれ剛性を高めてあり、給送オプション11が複数段積み重ねられた際や、給送オプション11の上に装置本体1や不図示の排紙オプションなどが搭載された場合に配慮されたものになっている。
【0042】
図7に示す第二のフレーム51の下方には、シートSを収納するカセット2を給送オプション11に対して挿抜可能にするためのカセットレール57a,57bが左右に取り付けられている。これは、図2で説明した給送オプション11と同一の構成となっている。給送オプション11においても、装置本体1に対して着脱可能なカセット2と同じカセット2がY軸方向に着脱可能に支持される。
【0043】
(補給型画像形成装置のフレーム構成詳細)
次に図1に示す補給型画像形成装置におけるフレーム構成について、図4(a)、図4(b)、および図5(a)、図5(b)を用いて説明する。図4(a)および図4(b)は、補給型画像形成装置における第一のフレーム50および第二のフレーム51を示す斜視図である。図5(a)および図5(b)は、補給型画像形成装置における第二のフレーム51を示す斜視図である。
【0044】
本例の画像形成装置においても、フレームは、第一のフレーム50と、第二のフレーム51とに大別される。第一のフレーム50の下部には、カセット2を保持可能な第二のフレーム50が選択的に取り付け可能とされている。図1に示す補給型画像形成装置におけるフレーム構成は、第一のフレーム50の下部に第二のフレーム51を取り付けた構成である。図4(a)および図4(b)に示す第一のフレーム50は、画像形成部6を含む、図1で示すところの給送オプション搬送路38よりもシート搬送方向下流側の各部ユニットを保持している。図5(a)および図5(b)に示す第二のフレーム51は、図1で示すところのカセット2および給送部3を保持している。
【0045】
図4(a)および図4(b)に示す第一のフレーム50は、画像形成部6を保持する上部スペースの下部に、下部スペースを有している。本例では、第一のフレーム50の下部に第二のフレーム51が取り付けられたフレーム構成であるので、前記第一のフレーム50の画像形成部6を保持する上部スペースの下部、前記第二のフレーム61の上部に、前記下部スペースを有している。本例の画像形成装置においては、第一のフレーム50の下部スペースには、カセット2および給送部3に代えて、画像形成部6の現像部9にトナーを補給するトナー補給容器13が設置されている。この点が一体型画像形成装置とは異なる。
【0046】
このように、第一のフレーム50の下部スペースにトナー補給容器13を設置する場合、第一のフレーム50に対して、1つの第二のフレーム51の取り付けは必須の要件である。そのため、本例の画像形成装置においては、図4(a)および図4(b)に示すように、第一のフレーム50、第二のフレーム51および仕切り部材としての天板52は、フレームの四隅に設けられた連結板54a,54b,54c,54dによって一体的に連結されており、装置全体における一つのフレームを構成している。これらのフレームの結合はビスで締結をしている。締結手段としては、他に溶接や接着剤などによる結合でもよい。
【0047】
なお、補給型画像形成装置においても、図7に示す第二のフレーム51を用いて構成される給送オプション11は、一体型画像形成装置と同様に、重ねて増設することが可能である。
【0048】
第一のフレーム50に保持された画像形成部6(6Y,6M,6C,6K)は、各々がトナー収納容器、現像ローラ、感光体、帯電器などが一体となった一体型プロセスカートリッジであり、装置本体1の正面側からY軸方向に挿抜可能となっている。また、画像形成部6を駆動するための駆動源を含む作像駆動ユニット53は、第一のフレーム50における装置背面側に取り付けられている。これらは、図6(a)および図6(b)で説明した第一のフレーム50と同一の構成となっており、共通で使用できるようになっている。これは、前述したように、第一のフレーム50における画像形成部6の位置が、一体型画像形成装置と補給型画像形成装置で同一であるためである。
【0049】
図5(a)および図5(b)に示すように、第二のフレーム51は、第一のフレーム50との間(第一のフレーム50と第二のフレーム51の間の境界面)に、仕切り部材としての天板52が設けられている。この天板52は、前述した一体型画像形成装置における第二のフレーム51に設けられた仕切り部材としての給送オプション天板56とは構成が異なる。従って、図5(a)および図5(b)に示す補給型画像形成装置の第二のフレーム51においては、一体型画像形成装置における第二のフレーム51から給送オプション天板56を取り外し、天板52を取り付けた構成となっている。
【0050】
天板52には、第一のフレーム50に対して位置決めするための位置決め部である位置決めピン58が設けられている。第一のフレーム50側の対応する位置には位置決めピン58と嵌合するための穴(不図示)が設けられている。これにより、第一のフレーム50と第二のフレーム51を接続した際にお互いの位置精度が出せるようになっている。
【0051】
また、第一のフレーム50の下部スペースにトナー補給容器13を設置する場合、天板52に、トナー補給容器13を支持する支持部材である支持レール39を設けている。さらに、天板52に、トナー補給容器13から現像部9にトナーを搬送するためのトナー搬送ユニットであるトナー搬送機構14を設けている。
【0052】
さらに、第二のフレーム51の天板52には、前記トナー搬送機構14を駆動する駆動源42と駆動伝達ユニット41からなる駆動ユニットを設けている。駆動伝達ユニット41(41Y,41M,41C,41K)は、天板52の下方に、ぶら下がるように取り付けられている。これにより、カセット2の上方のスペースを有効に活用することができている。
【0053】
前記天板52は概ね平板でできており、前記トナー補給容器13、支持レール39、トナー搬送機構14などが精度良く取り付けできるようになっている。天板52は本例では一枚の平板で構成しているが、天板52を複数枚の平板に分割してもよい。分割された仕切り板の一部のみ取り付け位置をZ軸方向で変更することによって、その仕切り板に支持される補給型カートリッジのZ軸方向の保持位置を微調整することができるので、スペースの観点で有効にレイアウトすることができる。なお、本例では位置決めピン58は2本で互いの位置を決めているが、3本以上であってもよく、フレームを矯正して位置出しを行ってもよい。
【0054】
なお、第二のフレーム51の下方には、シートSを収納するカセット2を画像形成装置に対して挿抜可能にするためのカセットレール(不図示)が左右に取り付けられている。これは、図7で説明した給送オプション11と同一の構成となっている。補給型画像形成装置においても、カセット2がY軸方向に着脱可能に支持される。
【0055】
以上説明してきたように、本例によれば、形態が異なる画像形成装置において、装置本体のフレームを最大限共通化することができる。装置本体のフレームを二つに大別し、第一のフレームにおける画像形成部6や作像駆動ユニット53の位置を一体型画像形成装置と補給型画像形成装置で揃える。これにより、第一のフレームを変更することなしに、いずれの形態にも対応可能なフレームを簡易に構成することができる。また、第一のフレームと第二のフレームとの間の仕切り部材(天板)を形態に応じて付け替え、トナー補給容器の支持レールやトナー搬送機構を取り付ける。これにより、補給型画像形成装置のフレームを簡易に構成することもできるし、給送オプションとしてのフレーム構成を簡易に成すこともできる。
【0056】
なお、本例では、転写部に関して、感光体に形成されたトナー画像を転写する中間転写ベルトを用いたが、これに限定するものではない。感光体に形成されたトナー画像を直接シートに転写する搬送ベルトを用いた形態の画像形成装置でも本発明は有効である。
【0057】
また本例では、感光体を画像情報に応じた光で走査する光走査部(スキャナユニット)は、感光体よりも鉛直方向(Z軸方向)下方に設けたが、これに限定するものではない。感光体よりも鉛直方向上方や左右方向に設けた形態の画像形成装置でも本発明は有効である。
【0058】
〔実施例2〕
実施例2に係る画像形成装置は、実施例1が4つの画像形成部を有する画像形成装置であったのに対し、1つの画像形成部を有する画像形成装置である。図8に示す実施例2に係る画像形成装置は、1つの画像形成部を有する画像形成装置であり、モノクロプリンタを例示している。本例において、画像形成部6とトナー補給容器13が一つずつ設けられている点以外は、実施例1の補給型画像形成装置と略同じであるので、同一の機能を有する部材には同一符号を付し、説明を省略する。以下に、実施例1と異なる点のみを説明する。
【0059】
本例の画像形成装置は、実施例1の補給型画像形成装置におけるカラープリンタからブラック以外の画像形成部6を取り外したものとなっている。したがって、モノクロプリンタであるにも拘らず中間転写ベルト17等が残っている。実施例1で示したカラープリンタの本体及び構成部品と、実施例2のモノクロプリンタの本体及び構成部品を共通化すると、装置の設計および製造に掛るコストを抑えられるというメリットがある。
【0060】
図8は、カラープリンタ用のフレームを使ってモノクロプリンタを構成しているので、カラープリンタではイエロー、マゼンタ、シアンのトナー補給容器13を収容するはずのスペースSPが空いている。そこで本例では、ブラック用のトナー補給容器13Kを前記スペースSPの全域を利用した図8の破線に示す大きさとする。具体的は、感光体7の軸方向に対して直交する方向(X軸方向)において、トナー補給容器13Kの幅W1をX軸方向における中間転写ベルト17の幅W2と略同じ幅にする。これにより、大容量のトナー補給容器13Kを使えるので、トナー補給容器の交換頻度を下げることができる。なお、Y軸方向に見てトナー補給容器13Kの形状は楕円形状や円形であってもよい。また、トナー補給容器13Kの幅W1は、少なくともブラックの画像形成部6KのX軸方向における幅W3よりも大きければよい。
【0061】
このようにしてモノクロプリンタで補給型画像形成装置の形態を簡易に構成することができる。装置本体のフレームをカラープリンタの場合と共通化しているので、実施例1で説明したのと同様に、この装置本体のフレームを第一のフレームと第二のフレームに分割することによって、第一のフレームを、モノクロプリンタで一体型の画像形成装置に構成することもできるし、第二のフレームを、モノクロプリンタに接続して拡張可能な給送オプションに構成することができる。
【0062】
なお、本発明の目的は、形態が異なる画像形成装置において、装置本体のフレームを最大限共通化することであるので、前述した実施例のように必ずしもモノクロプリンタで中間転写ベルトを用いる必要はない。感光体に現像した画像を直接シートに転写する形態の画像形成装置に関しても本発明は好適である。このような直接転写型の画像形成装置における実施例として、図9(a)に一体型の画像形成装置の概略図を、図9(b)に補給型の画像形成装置の概略断面図を示す。なお、図9(a)および図9(b)に示す画像形成装置において、前述した実施例における画像形成装置の各部と同一の機能については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0063】
また前述した実施例では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0064】
S …シート
1 …装置本体
2 …カセット
3 …給送部
6 …画像形成部
7 …感光体
9 …現像部
11 …給送オプション
13 …トナー補給容器
14 …トナー搬送機構
15 …中間転写ユニット
16 …二次転写部
17 …中間転写ベルト
18 …一次転写ローラ
19 …一次転写部
20 …二次転写ローラ
22 …トナー回収容器
23 …定着部
39 …支持レール
50 …第一のフレーム
51 …第二のフレーム
52 …天板
56 …給送オプション天板
58 …位置決めピン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9