IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特許7592827バッテリーサービス提供システム及び方法
<>
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図1
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図2
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図3
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図4
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図5
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図6
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図7
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図8
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図9
  • 特許-バッテリーサービス提供システム及び方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】バッテリーサービス提供システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241125BHJP
   G06Q 50/06 20240101ALI20241125BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/06
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023188406
(22)【出願日】2023-11-02
(62)【分割の表示】P 2022525918の分割
【原出願日】2021-06-02
(65)【公開番号】P2024001341
(43)【公開日】2024-01-09
【審査請求日】2023-11-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0066164
(32)【優先日】2020-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ドン-ミュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジン-スク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン-シク
(72)【発明者】
【氏名】アン、ヒョウン ジュン
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-516614(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0038787(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気車に搭載されたバッテリーの動作特性情報と前記電気車の運行特性情報を収集して管理する電気車制御装置と、
ネットワークを通じて前記電気車制御装置と通信可能に接続されたバッテリーサービスサーバーと、
前記バッテリーサービスサーバーがアクセス可能に前記バッテリーサービスサーバーと接続されたデータベースと、を含み、
前記バッテリーサービスサーバーは、
前記電気車制御装置から前記ネットワークを通じて前記バッテリーの電圧プロファイル情報を含む動作特性情報と前記電気車の運行特性情報を含む診断分析データを収集して前記データベースに保存し、
前記データベースに保存されたバッテリーモデル及び退化度別に定義された電圧プロファイル情報と、前記診断分析データに含まれた前記バッテリーの電圧プロファイルとを比較して、前記バッテリーの退化度を決定し、
前記決定された退化度に基づいて前記バッテリーの残存価値を決定して前記データベースに保存し、
ネットワークを通じて外部サーバーからバッテリー識別コードを受信し、
前記データベースを参照して前記受信されたバッテリー識別コードに対応するバッテリーの残存価値情報を決定し、
決定されたバッテリーの残存価値情報を外部サーバーに提供するように構成された、
バッテリーサービス提供システム。
【請求項2】
電気車に搭載されたバッテリーの動作特性情報と前記電気車の運行特性情報を収集して管理する電気車制御装置と、
ネットワークを通じて前記電気車制御装置と通信可能に接続されたバッテリーサービスサーバーと、
前記バッテリーサービスサーバーがアクセス可能に前記バッテリーサービスサーバーと接続されたデータベースと、を含み、
前記バッテリーサービスサーバーは、
前記電気車制御装置から前記ネットワークを通じて前記バッテリーの動作特性情報と前記電気車の運行特性情報を含む診断分析データを収集して前記データベースに保存し、
前記診断分析データから前記バッテリーの退化度を決定し、
前記決定された退化度に基づいて前記バッテリーの残存価値を決定して前記データベースに保存し、
ネットワークを通じて外部サーバーからバッテリー識別コードを受信し、
前記データベースを参照して前記受信されたバッテリー識別コードに対応するバッテリーの残存価値情報を決定し、
決定されたバッテリーの残存価値情報を外部サーバーに提供するように構成され、
前記データベースは、バッテリーモデル及び退化度別に定義された電圧プロファイル情報が保存されたデータ領域を含み、
前記バッテリーサービスサーバーは、前記診断分析データが収集されたバッテリーモデルと対応する退化度別の電圧プロファイル情報を参照して前記診断分析データに含まれた電圧プロファイルと類似度が最も高い電圧プロファイルを識別し、前記識別された電圧プロファイルに対応する退化度を前記バッテリーの退化度として決定して前記データベースに保存するように構成された、ッテリーサービス提供システム。
【請求項3】
前記バッテリーサービスサーバーは、前記ネットワークを通じて前記電気車制御装置から電気車モデルコード、電気車識別コード、バッテリーモデルコード及びバッテリー識別コードのうち選択された少なくとも一つを含む識別情報を収集し、前記診断分析データを識別情報とマッチングして前記データベースに保存するように構成された、請求項1または2に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項4】
前記バッテリーサービスサーバーは、前記電気車制御装置から収集された前記診断分析データをリアルタイムで分析してバッテリーの退化度を決定し、前記決定された退化度をバッテリー識別コードとマッチングして前記データベースに保存するように構成された、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項5】
前記バッテリーサービスサーバーは、前記データベースにビックデータとして保存された他のバッテリーの診断分析データと退化度情報を用いて診断分析データと退化度との相関関係を人工知能モデルに学習させ、前記学習された人工知能モデルを用いて前記電気車制御装置から収集された診断分析データからバッテリーの退化度を決定するように構成された、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項6】
前記バッテリーサービスサーバーは、同じモデルの他のバッテリーから収集された診断分析データと退化度情報を用いて人工知能モデルを学習させるように構成された、請求項5に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項7】
前記バッテリーサービスサーバーは、前記電気車制御装置によって、前記電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機によって提供される使用者インタフェースを通じて前記電気車に搭載された前記バッテリーの識別コードとバッテリー性能管理サービスに関わる利用申請情報を受信し、
前記利用申請情報が受信されたバッテリーに対して前記決定された退化度によって充放電制御ロジッグのアップデート情報を生成して前記電気車制御装置に提供するように構成された、請求項1に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項8】
前記充放電制御ロジッグのアップデート情報は、
充電状態区間毎に適用される充電電流の大きさ、充電上限電圧値、放電下限電圧値、最大充電電流、最大放電電流、最小充電電流、最小放電電流、最大温度、最小温度、充電状態別のパワーマップ及び充電状態別の内部抵抗マップのうち選択された少なくとも一つを含むか、
前記バッテリーがパルス充放電される場合、パルス電流デューティ比の上限、パルス電流デューティ比の下限、パルス電流デュレーションの上限、パルス電流デュレーションの下限、パルス電流の最大値及びパルス電流の最小値のうち選択された少なくとも一つを含むか、
前記バッテリーがステップ充電される場合、前記充電状態区間毎に適用される前記充電電流の大きさを含むか、または、
前記バッテリーがCC/CVモードで充電される場合、定電流充電(CC)モードにおける電流の大きさ、前記定電流充電(CC)モードが終了するカットオフ電圧及び定電圧充電(CV)モードにおける電圧の大きさのうち選択された少なくとも一つを含む、請求項7に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項9】
前記バッテリーサービスサーバーは、前記利用申請情報の受信段階で決済情報をさらに受信し、前記充放電制御ロジッグのアップデート情報の生成と提供に対して課金をするように構成された、請求項7または8に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項10】
前記バッテリーサービスサーバーは、バッテリーの退化度によって残存価値を定義した残存価値ルックアップテーブルを参照して前記決定された退化度に対応するバッテリーの残存価値を算出し、前記電気車制御装置と連動された前記電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機のディスプレイを通じて提供するように構成された、請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項11】
前記バッテリーサービスサーバーは、前記電気車制御装置から前記診断分析データと共にバッテリーの累積充放電量をさらに受け、前記累積充放電量と前記退化度に基づいて前記バッテリーの使用料金を算出して、前記電気車制御装置と連動された電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機のディスプレイを通じて提供するように構成された、請求項1から10のいずれか一項に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項12】
前記外部サーバーは保険会社の保険会社サーバーである、請求項1に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項13】
前記外部サーバーは、中古電気車の電子商取引サーバーである、請求項1に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項14】
前記バッテリーサービスサーバーは、広告サーバーから位置座標によるターゲット広告情報を受信して前記データベースに保存し、
前記診断分析データを前記電気車制御装置から受信する間に電気車の移動経路に関わる運行情報をさらに受信し、電気車の移動経路にマッチングされるターゲット広告情報を前記データベースから照会して前記電気車制御装置と連動された電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機のディスプレイを通じて提供するように構成された、請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項15】
前記バッテリーサービスサーバーは、前記電気車の前記バッテリーが充電ステーションで充電される間に前記診断分析データを充電ステーションを通じて前記電気車制御装置から収集するか、または、前記電気車が運行中または停車中に前記電気車制御装置から前記診断分析データを収集するように構成された、請求項1から14のいずれか一項に記載のバッテリーサービス提供システム。
【請求項16】
コンピュータが電気車制御装置からネットワークを通じてバッテリーの電圧プロファイル情報を含む動作特性情報と電気車の運行特性情報を含む診断分析データを収集してデータベースに保存する段階と、
コンピュータが前記データベースに保存されたバッテリーモデル及び退化度別に定義された電圧プロファイル情報と、前記診断分析データに含まれた前記バッテリーの電圧プロファイルとを比較して、前記バッテリーの退化度を決定する段階と、
コンピュータが前記決定された退化度に基づいて前記バッテリーの残存価値を決定して前記データベースに保存する段階と、
コンピュータがネットワークを通じて外部サーバーからバッテリー識別コードを受信する段階と、
コンピュータが前記データベースを参照して前記受信されたバッテリー識別コードと対応するバッテリーの残存価値情報を決定する段階と、
コンピュータが前記決定されたバッテリーの残存価値情報を外部サーバーに提供する段階と、
を含む、バッテリーサービス提供方法。
【請求項17】
コンピュータが電気車制御装置からネットワークを通じてバッテリーの動作特性情報と電気車の運行特性情報を含む診断分析データを収集してデータベースに保存する段階と、
コンピュータが前記診断分析データから前記バッテリーの退化度を決定する段階と、
コンピュータが前記決定された退化度に基づいて前記バッテリーの残存価値を決定して前記データベースに保存する段階と、
コンピュータがネットワークを通じて外部サーバーからバッテリー識別コードを受信する段階と、
コンピュータが前記データベースを参照して前記受信されたバッテリー識別コードと対応するバッテリーの残存価値情報を決定する段階と、
コンピュータが前記決定されたバッテリーの残存価値情報を外部サーバーに提供する段階と、
を含み、
前記データベースは、バッテリーモデル及び退化度別に定義された電圧プロファイル情報が保存されたデータ領域を含み、
前記バッテリーの退化度を決定する段階は、前記診断分析データが収集されたバッテリーモデルと対応する退化度別の電圧プロファイル情報を参照して前記診断分析データに含まれた電圧プロファイルと類似度が最も高い電圧プロファイルを識別し、識別された電圧プロファイルに対応する退化度を前記バッテリーの退化度として決定する段階を含む、バッテリーサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーサービス提供システム及び方法に関し、より詳しくは、電気車に搭載されたバッテリーの動作情報に関わるデータを遠隔サーバーが収集し、収集されたビックデータに基づいてバッテリーに関わる多様なサービスを提供することができるシステム及び方法に関する。
【0002】
本出願は、2020年6月2日出願の韓国特許出願第10-2020-0066164号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
バッテリーは、携帯電話、ラップトップコンピューター、スマートフォン、スマートパッドなどのモバイルデバイスのみならず、電気で駆動される自動車(EV,HEV,PHEV)や大容量電力貯蔵装置(ESS)などの分野にまでその用途が急速に拡散しつつある。
【0004】
電気車に搭載されるバッテリーは、高いエネルギー容量と高出力を確保するために直列及び/又は並列で接続された複数のバッテリーセル集合体を含む。
【0005】
バッテリーセルは、単位セル一つまたは直列及び/又は並列で接続された複数の単位セルを含み得る。単位セルは、負極端子及び正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。一例で、パウチ型リチウムポリマーセル一つが単位セルとして看做され得る。
【0006】
電気車のバッテリーは、運転者の運転習慣や運行環境によって性能の退化速度が変わる。一例で、急加速が頻繁であるか、山岳地域で運行する電気車または砂漠地域や寒冷地域で運行する電気車のバッテリーは、過酷条件で使用されるので、退化速度が相対的に速い。
【0007】
バッテリー性能の退化度は、SOHというファクターとして定量化され得る。SOHは、BOL(Beginning Of Life)状態にあるバッテリーの性能を基準でMOL状態(Middle Of Life)にあるバッテリーの性能を相対的な割合として示した数値である。
【0008】
バッテリーの性能を示す指標には、バッテリーの容量、内部抵抗などが用いられる。バッテリーの充放電サイクルが増加するほどバッテリーの容量は減少し、内部抵抗は増加する。したがって、SOHは、バッテリーの容量減少率や内部抵抗の増加率によって定量化できる。
【0009】
バッテリーの退化度は、SOHの大きさと反比例する。即ち、BOL状態にあるバッテリーのSOHは100%で示し、MOL状態にあるバッテリーのSOHはバッテリーの退化度が増加するほど100%より低いパーセントで示す。もし、SOHが一定水準以下に落ちてEOL(End Of Life)状態に到達すると、バッテリーの性能が限界以上に低下したことなのでバッテリーの交替が必要である。
【0010】
バッテリーは、性能の退化度によって充放電制御ロジッグを相違に設定すればこそバッテリーの退化速度を最大限に遅延させて使用寿命を延ばすことができる。このためには、同じモデルに属する複数のバッテリーに対する性能変化を中央集中式でモニターし、電気車の充放電に使用される各種制御ロジッグに対するアップデートを効率的に進行可能にする方案が求められる。
【0011】
一方、電気車の核心部品はバッテリーであることから、バッテリーのメインテナンスが何よりも重要である。バッテリーは、電気化学的なデバイスであるため、現在の状態を正確に診断してそれに合わせて管理を行わなければならない。また、電気車の使用者がバッテリーの状態を正確に把握していればこそ経済的な運行が可能である。例えば、バッテリーのSOHが低いと、経済的な運転によってバッテリーの寿命退化を遅延させることが望ましい。
【0012】
電気車は、化石燃料を使用する自動車よりも高価である。電気車に搭載されるバッテリーの価額のためである。これによって、電気車の拡散のために政府から電気車価額の一部を支援する補助金プログラムを提供する。しかし、電気車の大衆化のためにはバッテリーレンタルサービスなどを通じて電気車の購買に対する負担をさらに軽減させる必要がある。
【0013】
なお、電気車の使用者が自動車保険に加入する場合、または電気車の中古取引をしようとする場合、電気車の残存価値の算定が必要である。しかし、電気車の残存価値は、バッテリーの状態によって相違に評価することが合理的である。バッテリー残存価値は、今までの充放電履歴によって変わるため、バッテリーの残存価値を合理的に決定することができる方案が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上記のような従来技術の背景下で創案されたものであり、電気車に搭載された電気車制御装置から電気車に搭載されたバッテリーの動作特性を示すデータを中央集中式で収集し、収集されたデータに基づいてバッテリーの性能(例えば、退化度)を診断し、診断された性能によってバッテリーに関わる多様な付加サービスを提供するビックデータ基盤のバッテリーサービス提供システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記技術的課題を解決するための本発明の一面によるバッテリーサービス提供システムは、電気車に搭載されたバッテリーの動作特性情報と電気車の運行特性情報を収集して管理する電気車制御装置と、ネットワークを通じて電気車制御装置と通信可能に接続されたバッテリーサービスサーバーと、バッテリーサービスサーバーがアクセス可能にバッテリーサービスサーバーと接続されたデータベースと、を含み得る。
【0016】
望ましくは、バッテリーサービスサーバーは、電気車制御装置からネットワークを通じてバッテリーの動作特性情報と電気車の運行特性情報を含む診断分析データを収集してデータベースに保存し、診断分析データからバッテリーの退化度を決定し得る。
【0017】
望ましくは、バッテリーサービスサーバーは、(a)決定された退化度によってバッテリーの充放電制御ロジッグのアップデート情報を生成して電気車制御装置に提供するか、(b)決定された退化度に基づいてバッテリーの残存価値を決定するか、(c)決定された退化度に基づいてバッテリーの使用料金を決定するか、(d)バッテリーの使用料金または残存価値を外部サーバーの要請に応じて外部サーバーに伝送するか、(e)充放電制御ロジッグのアップデート情報に基づいて充放電制御が行われるバッテリーに対し、保証(warranty)フラグを設定するように構成され得る。
【0018】
一面によると、バッテリーサービスサーバーは、ネットワークを通じて電気車制御装置から電気車モデルコード、電気車識別コード、バッテリーモデルコード及びバッテリー識別コードのうち選択された少なくとも一つを含む識別情報を収集し、診断分析データを識別情報とマッチングしてデータベースに保存するように構成され得る。
【0019】
他面によると、データベースは、バッテリーモデル及び退化度別に定義された電圧プロファイル情報が保存されたデータ領域を含み、バッテリーサービスサーバーは、診断分析データが収集されたバッテリーモデルと対応する退化度別の電圧プロファイル情報を参照して診断分析データに含まれた電圧プロファイルと類似度が最も高い電圧プロファイルを識別し、識別された電圧プロファイルに対応する退化度をバッテリーの退化度として決定してデータベースに保存するように構成され得る。
【0020】
望ましくは、充放電制御ロジッグのアップデート情報は、充電状態区間毎に適用される充電電流の大きさ、充電上限電圧値、放電下限電圧値、最大充電電流、最大放電電流、最小充電電流、最小放電電流、最大温度、最小温度、充電状態別のパワーマップ及び充電状態別の内部抵抗マップのうち選択された少なくとも一つを含み得る。
【0021】
他の例で、充放電制御ロジックのアップデート情報は、バッテリーがパルス充放電される場合、パルス電流デューティ比の上限、パルス電流デューティ比の下限、パルス電流デュレーションの上限、パルス電流デュレーションの下限、パルス電流の最大値及びパルス電流の最小値のうち選択された少なくとも一つを含み得る。
【0022】
さらに他の例で、充放電制御ロジックのアップデート情報は、バッテリーがステップ充電される場合、充電状態区間毎に適用される充電電流の大きさを含み得る。
【0023】
また、他の例で、充放電制御ロジックのアップデート情報は、バッテリーがCC/CVモードで充電される場合、定電流充電(CC)モードにおける電流の大きさ、定電流充電(CC)モードが終了するカットオフ電圧及び定電圧充電(CV)モードにおける電圧の大きさのうち選択された少なくとも一つを含み得る。
【0024】
他面によると、バッテリーサービスサーバーは、電気車制御装置から収集された診断分析データをリアルタイムで分析してバッテリーの退化度を決定し、決定された退化度をバッテリー識別コードとマッチングしてデータベースに保存するように構成され得る。
【0025】
さらに他面によると、バッテリーサービスサーバーは、データベースにビックデータとして保存された他のバッテリーの診断分析データと退化度情報を用いて診断分析データと退化度との相関関係を人工知能モデルに学習させ、学習された人工知能モデルを用いて電気車制御装置から収集された診断分析データからバッテリーの退化度を決定するように構成され得る。
【0026】
望ましくは、バッテリーサービスサーバーは、同じモデルの他のバッテリーから収集された診断分析データと退化度情報を用いて人工知能モデルを学習させるように構成され得る。
【0027】
一面によると、バッテリーサービスサーバーは、電気車制御装置によって、電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機によって提供される使用者インタフェースを通じて電気車に搭載されたバッテリーの識別コードとバッテリー性能管理サービスに関わる利用申請情報を受信し、利用申請情報が受信されたバッテリーに対して充放電制御ロジッグのアップデート情報を生成して電気車制御装置に提供するように構成され得る。
【0028】
望ましくは、バッテリーサービスサーバーは、利用申請情報の受信段階で決済情報をさらに受信し、充放電制御ロジッグのアップデート情報の生成と提供に対して課金をするように構成され得る。
【0029】
他面によると、バッテリーサービスサーバーは、バッテリーの退化度によって残存価値を定義した残存価値ルックアップテーブルを参照して決定された退化度に対応する残存価値を算出し、電気車制御装置と連動された電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機のディスプレイを通じて提供するように構成され得る。
【0030】
さらに他面によると、バッテリーサービスサーバーは、電気車制御装置から診断分析データと共にバッテリーの累積充放電量をさらに受け、累積充放電量と退化度に基づいてバッテリーの使用料金を算出して、電気車制御装置と連動された電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機のディスプレイを通じて提供するように構成され得る。
【0031】
本発明によると、外部サーバーは保険会社の保険会社サーバーであり、バッテリーサービスサーバーは、ネットワークを通じて保険会社サーバーからバッテリー識別コードを受信し、データベースを参照して受信されたバッテリー識別コードと対応するバッテリーの残存価値情報を決定し、決定されたバッテリーの残存価値情報を保険会社サーバーに提供するように構成され得る。
【0032】
他面によると、外部サーバーは、中古電気車の電子商取引サーバーであり、バッテリーサービスサーバーは、ネットワークを通じて電子商取引サーバーからバッテリー識別コードを受信し、データベースを参照して受信されたバッテリー識別コードに対応するバッテリーの残存価値情報を決定し、決定されたバッテリーの残存価値情報を電子商取引サーバーに提供するように構成され得る。
【0033】
さらに他面によると、外部サーバーは、バッテリーのウォーランディ認証を要請するバッテリー保証会社のウォーランディ認証サーバーであり、バッテリーサービスサーバーは、ネットワークを通じてウォーランディ認証サーバーからバッテリー識別コードを受信し、データベースを参照して受信されたバッテリー識別コードに対応する保証フラグがデータベースに存在するかを決定し、保証フラグが存在すると、ウォーランディ認証サーバーへウォーランディ認証成功メッセージを伝送するように構成され得る。
【0034】
さらに他面によると、バッテリーサービスサーバーは、広告サーバーから位置座標によるターゲット広告情報を受信してデータベースに保存し、診断分析データを電気車制御装置から受信する間に電気車の移動経路に関わる運行情報をさらに受信し、電気車の移動経路にマッチングされるターゲット広告情報をデータベースから照会して電気車制御装置と連動された電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機のディスプレイを通じて提供するように構成され得る。
【0035】
望ましくは、バッテリーサービスサーバーは、電気車のバッテリーが充電ステーションで充電される間に診断分析データを充電ステーションを通じて電気車制御装置から収集するか、または、電気車が運行中または停車中に電気車制御装置から診断分析データを収集するように構成され得る。
【0036】
技術的課題を達成するための本発明の他面によるバッテリーサービス提供方法は、電気車制御装置からネットワークを通じてバッテリーの動作特性情報と電気車の運行特性情報を含む診断分析データを収集してデータベースに保存する段階と、診断分析データからバッテリーの退化度を決定する段階と、決定された退化度によってバッテリーの充放電制御ロジッグのアップデート情報を生成して電気車制御装置に提供する段階と、決定された退化度に基づいてバッテリーの残存価値を決定する段階と、決定された退化度に基づいてバッテリーの使用料金を決定する段階と、バッテリーの使用料金または残存価値を外部サーバーの要請に応じて外部サーバーへ伝送する段階と、充放電制御ロジッグのアップデート情報に基づいて充放電制御が行われるバッテリーに対して保証(warranty)フラグを設定する段階からなる群より選択されたいずれか一つの段階を含み得る。
【発明の効果】
【0037】
本発明によると、電気車のバッテリー性能を高い信頼性で評価し、バッテリーの充放電制御ロジッグをバッテリーの性能に合わせるように最適化することができるので、バッテリーの使用寿命を延ばすだけでなく、バッテリー使用の安全性も増大させることができる。
【0038】
また、バッテリーの残存寿命に関わる信頼性の高い情報を電気車の使用者に提供することで、適切な時点でバッテリーの交替を誘導できるだけでなく、バッテリー製造社の信頼性も高めることができる。
【0039】
また、電気車使用者の運転習慣とバッテリー残存寿命との相関関係データに関わるデータベースを駆逐することで、自動車保険会社の正確な保険料算定資料として活用可能である。
【0040】
また、電気車バッテリーの残存価値を合理的に策定できる方法を提供することで、電気車に関わる保険市場と中古車取引市場を活性化させることができる。
【0041】
また、電気車に搭載されるバッテリーをレンタル方式で使用可能な従量制課金サービスを提供することで電気車の購入負担を軽減し、結果的には、電気車市場の急速な拡散を図ることができる。
【0042】
また、定期的に性能管理が行われたバッテリーに対しては、性能保証サービス(ウォーランディサービス)を提供することで、当該バッテリーを搭載した電気車の流通時または当該バッテリーの再使用時において、性能の信頼性を保障することができる。
【0043】
また、電気車の移動経路とマッチングされるターゲット広告情報を電気車の使用者に露出させることで広告効果が極大化したターゲット広告が可能である。
【0044】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の一実施例によるバッテリーサービス提供システムの構成を示したブロックダイヤグラムである。
図2】本発明の一実施例によるデータベースの構成を示したブロックダイヤグラムである。
図3】本発明の一実施例による電気車バッテリーの動作特性累積情報から生成された度数分布データを例示したグラフである。
図4】本発明の一実施例による電気車バッテリーの動作特性累積情報から生成された度数分布データを例示したグラフである。
図5】本発明の一実施例による電気車バッテリーの動作特性累積情報から生成された度数分布データを例示したグラフである。
図6】本発明の一実施例による電気車の運行特性累積情報から生成された度数分布データを例示したグラフである。
図7】本発明の一実施例による電気車の運行特性累積情報から生成された度数分布データを例示したグラフである。
図8】本発明の一実施例による電気車の運行特性累積情報から生成された度数分布データを例示したグラフである。
図9】本発明の一実施例による人工ニューラルネットワークの構造を例示した図である。
図10】本発明の一実施例による補助人工ニューラルネットワークの構造を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0047】
図1は、本発明の一実施例によるバッテリーサービス提供システム10の構成を概略的に示したブロックダイヤグラムである。
【0048】
図1を参照すると、本発明の実施例によるバッテリーサービス提供システム10は、電気車50に搭載されたバッテリー51に対して多様なサービスを提供する。
【0049】
電気車50は、バッテリー51の充放電と電気車50の動作を全般的に制御する電気車制御装置52を含む。
【0050】
電気車制御装置52は、コンピューターデバイスであってバッテリー51の充放電動作を制御し、バッテリー51の充放電時、バッテリー51の電圧、電流及び温度を測定して保存手段52aに記録する。また、電気車制御装置52は、電気車50の運行に関わる機械メカニズム及び/又は電子メカニズムの制御動作を行い得る。
【0051】
保存手段52aは、非一時的メモリデバイス(non-transitory memory device)であって、データを記録及び/又は消去及び/又は修正及び/又は伝送可能なコンピューター保存媒体である。保存手段52aは一例で、フラッシュメモリー(登録商標)、ハードディスク、SSD(Solid State Disk)または他のタイプのデータ保存用ハードウェアであり得る。
【0052】
電気車制御装置52は、電気車50に搭載されるコンピューター装置であって、当業界に広く知られており、商用化しているので、詳しい説明は省略する。
【0053】
望ましくは、電気車制御装置52は、通信デバイス20を介してバッテリーサービスサーバー30と情報及び/又はデータを送受信する。通信デバイス20とバッテリーサービスサーバー30との間には、データ通信を支援するネットワーク40が介される。
【0054】
ネットワーク40は、通信デバイス20とバッテリーサービスサーバー30との通信を支援するものであれば、その種類に制限されない。
【0055】
ネットワーク40は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、またはこれらの組合せを含む。有線ネットワークは、TCP/IPプロトコールを支援する近距離または広域インターネットを含む。無線ネットワークは、基地局基盤の無線通信網、衛星通信網、Wi-Fi(登録商標)のような近距離無線通信網またはこれらの組合せを含む。
【0056】
ネットワーク40は、一例で、2G(second generation)~5G(fifth generation)ネットワーク、LTE(Long Term Evolution)ネットワーク、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communication)ネットワーク、符号分割多重アクセス(Code Division Multiple Accesses)ネットワーク、EVDO(Evolution-Data Optimization)ネットワーク、パブリックランドモバイル(Public Land Mobile)ネットワーク及び/又は他のネットワークを含み得る。
【0057】
ネットワーク40は、他の例で、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、無線LANネットワーク(WLAN: Wireless Local Area Network)、広域ネットワーク(Wide Area Network)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN:Metropolitan Network)、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)、アドホックネットワーク(ad-hoc network)、管理IPネットワーク(managed IP network)、仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network)、イントラネット、インターネット、光ファイバ基盤ネットワーク、及び/又はこれらの組合せ、または他のタイプのネットワークを含み得る。
【0058】
通信デバイス20は、電気車に含まれた電気車制御装置52がバッテリーサービスサーバー30とデータを交換することを仲介する通信装置である。
【0059】
一例で、通信デバイス20は、電気車50の内部に備えられ得る。
【0060】
他の例で、電気車50が充電ステーション(図示せず)で充電されるとき、通信デバイス20は、充電ステーションに備えられ得る。この場合、通信デバイス20と電気車制御装置52とは、標準化された充電ケーブルに含まれたデータ通信ケーブルを介してデータを互いに送受信し得る。
【0061】
通信デバイス20は、ネットワーク40を通じてバッテリーサービスサーバー30とデータを交換できるものであれば、特に制限されない。一例で、通信デバイス20は、当業界における公知の有線または無線通信プロトコールを支援する通信モデムであり得る。
【0062】
他の例で、通信デバイス20は、指定された場所に設置された別のモジュールまたはセットトップボックスであり得る。指定された場所は、電気車50の充電ステーション、電気車50の使用者が居住する住宅の駐車場または電気車50の使用者が勤める勤務先の駐車場であり得る。
【0063】
電気車制御装置52は、バッテリー51が充電または放電される間にバッテリー51の動作特性情報を収集して保存手段15aに記録し得る。動作特性情報は、バッテリー51の電圧、電流及び温度より選択された一つ以上を含み得る。電気車制御装置52は、バッテリー51の動作特性情報をバッテリー51の充電状態(SOC)及び/又はタイムスタンプと共に保存手段52aに記録し得る。
【0064】
電気車制御装置52は、当業界における公知のアンペアカウント法、OCV(Open Circuit Voltage)法、拡張カルマンフィルター(Extended Kalman Filter)などを用いてバッテリー51の充電状態を推定し得る。電気車制御装置52は、バッテリー51の動作特性情報を収集するためにバッテリー51に設けられた電圧センサー、電流センサー及び温度センサーと電気的に結合し得る。
【0065】
望ましくは、バッテリー51の電圧、電流及び温度はバッテリー51の充電状態(SOC)に応じたプロファイルの形態で保存手段52aに保存され得る。
【0066】
ここで、プロファイルとは、バッテリー51の充電状態に応じた電圧、電流及び温度の変化様相を示すデータセットである。データセットは、多次元ベクトルであるSOC、I、V、Tで示し得る。kは、動作特性の測定時点に関わるインデックスである。測定回数がn回であれば、kは、自然数として1~nである。バッテリー動作特性プロファイルは、充電状態に応じた電圧プロファイルSOC、Vを含み、選択的に充電状態に応じた電流プロファイルSOC、I及び/又は温度プロファイルSOC、Tを含み得る。
【0067】
電気車制御装置52は、電気車50の運行特性情報を保存手段52aに記録し得る。運行特性情報は、電気車50の速度変化プロファイルと運行距離累積プロファイルを含む。選択的に、運行特性情報は、電気車50の移動経路に関わる座標データをさらに含み得る。速度変化プロファイルは、バッテリー51の充電状態に応じた速度データのセットSOC、Velocity、tを含む。ここで、velocity及びtは、各々電気車50の運行速度及びタイムスタンプである。運行距離累積プロファイルは、バッテリー51の累積放電量に応じた運行距離累積データのセットQ、d、tを含む。ここで、Q、d及びtは各々、累積放電量、運行累積距離及びタイムスタンプである。選択的に、運行特性情報は、湿度区間別の電気車50の運行時間を含み得る。
【0068】
望ましくは、電気車制御装置52は、電気車50の運行特性情報をタイムスタンプと共に保存手段52aに記録し得る。電気車制御装置52は、運行特性情報の収集及び保存のために、電気車50に設けられた速度センサー、GPSセンサー及び湿度センサーと電気的に結合し得る。
【0069】
望ましくは、本発明の実施例によるバッテリーサービス提供システム10は、バッテリーサービスサーバー30がアクセス可能にバッテリーサービスサーバー30と接続されたデータベース60を含み得る。
【0070】
図2は、本発明の実施例によるデータベース60の構成を示したブロックダイヤグラムである。
【0071】
図2を参照すると、データベース60は、バッテリー識別情報保存部61を含み得る。バッテリー識別情報保存部61は、バッテリーモデルコード、バッテリー識別コード、バッテリーが搭載された電気車のモデルコード、電気車識別コード、バッテリーの搭載日などを記録する情報保存領域である。バッテリー識別情報保存部61に記録される情報の種類は、追加または変更が可能である。
【0072】
また、データベース60は診断分析データ保存部62を含み得る。診断分析データ保存部62は、電気車制御装置52から収集される診断分析データが記録される情報保存領域である。診断分析データが保存される領域は、バッテリー識別コードが付与されたバッテリー51毎に割り当てられる。診断分析データ保存部62に記録される情報の種類は、追加または変更が可能である。
【0073】
一例で、診断分析データは、電気車50の速度変化プロファイル、運行距離累積プロファイル及びバッテリー動作特性プロファイルを含む群より選択された少なくとも一つを含む。バッテリー動作特性プロファイルは、最新充電特性情報として、バッテリー51の充電状態に応じた電圧、電流及び温度変化プロファイルを含む。
【0074】
他の例で、診断分析データは、バッテリー51に関わる動作特性累積情報として、電気車50に搭載されたバッテリー51に関わる電圧区間別の累積動作時間、電流区間別の累積動作時間及び温度区間別の累積動作時間を含む群より選択された少なくとも一つを含み得る。
【0075】
さらに他の例で、診断分析データは、電気車50に関わる運行特性累積情報として、電気車50に関わる速度区間別の累積運行時間、運行地域別の累積運行時間及び湿度区間別の累積運行時間を含む群より選択された少なくとも一つを含み得る。
【0076】
また、データベース60は、累積充放電量保存部63を含む。累積充放電量保存部63は、バッテリーの充放電量を積算した累積充放電量に関わる情報が記録される情報保存領域である。累積充放電量が保存される領域は、バッテリー識別コードが付与されたバッテリー51毎に割り当てられる。累積充放電量保存部63に記録される情報の種類は追加または変更が可能である。
【0077】
データベース60は、退化度ルックアップテーブル保存部64を含む。退化度ルックアップテーブル保存部64は、バッテリー51の退化度別に充電状態に応じた電圧プロファイル情報が記録される情報保存領域である。退化度別に電圧プロファイル情報が保存される領域は、同じバッテリーモデルコードが付与されるバッテリー毎に割り当てられる。退化度ルックアップテーブル保存部64は、バッテリー製造社で提供するデータを用いて予め定義されてデータベース60に保存され得る。退化度ルックアップテーブル保存部64に記録される情報の種類は追加または変更が可能である。
【0078】
また、データベース60は、バッテリー残存価値保存部65を含み得る。バッテリー残存価値保存部65は、バッテリー51の残存価値が保存される情報保存領域である。残存価値は、バッテリー識別コードが付与されたバッテリー毎に算定され得る。残存価値はバッテリーの退化度から決定される。一例で、退化度が大きくてSOHが低いほど残存価値は減少する。残存価値と退化度との相関関係は、関数によって予め定義され得る。バッテリー残存価値保存部65に記録される情報の種類は追加または変更が可能である。
【0079】
また、データベース60は、バッテリー使用料金保存部66を含み得る。バッテリー使用料金保存部66は、バッテリー51の累積充放電量と退化度の増加(SOHの減少)に基づいて算出されたバッテリー使用料金情報が保存される情報保存領域である。バッテリー使用料金は、バッテリー識別コードが付与されたバッテリーが電気車50に搭載された後に計算される。電気車50の使用者がバッテリー使用料金を決済した場合、バッテリー使用料金は0に初期化され得る。望ましくは、バッテリー使用料金が算出されるバッテリー51は、後述するバッテリーレンタルサービスを申請したバッテリーである。バッテリーのレンタル申請有無はバッテリー識別情報保存部61にレンタルフラグを設定することで識別できる。バッテリー使用料金保存部66に記録される情報の種類は追加または変更が可能である。
【0080】
また、データベース60は、保証フラグ保存部67を含み得る。保証フラグ保存部67は、電気車50に搭載されたバッテリー51に対して性能管理サービスが定期的に所定の時間の間に提供された場合付与される保証フラグが保存される情報保存領域である。保証フラグ保存部67に記録される情報の種類は追加または変更が可能である。
【0081】
また、データベース60は、課金情報保存部68を含み得る。課金情報保存部68は、本発明によって提供される多様なバッテリーサービスが有料で提供される場合、課金対象になるバッテリー51の識別コード、バッテリー51が搭載された電気車50の使用者識別コード(ID)、課金金額、決済手段、決済日時などの情報が記録される情報保存領域である。課金情報保存部68に記録される情報の種類は追加または変更が可能である。
【0082】
データベース60に情報及び/又はデータが保存されることにおいて、情報及び/又はデータは適切な識別情報とマッチングされて保存されることが望ましい。識別情報は、電気車モデルコード、電気車識別コード、バッテリーモデルコード、バッテリー識別コード及び使用者識別コード(ID)を含む群より選択された少なくとも一つを含み得る。
【0083】
本発明において、データベース60は、望ましくは、関係型データベースであり得る。この場合、上述した各保存部は、テーブルの形態で構成され得る。勿論、各保存部が通常的なファイルデータベースとして構成されることを制限しない。したがって、データベース60は、関係型データベース、ファイルディレクトリデータベースなど、当業界に知られた如何なる形態のデータベースにも構築可能であることは自明である。また、先立って例示した保存部は、一例示に過ぎず、データベース60に記録されて管理される情報やデータの種類は特に制限されない。
【0084】
図1をさらに参照すると、バッテリーサービスサーバー30は、電気車50が充電ステーションで充電される間にネットワーク40を通じて充電ステーションから電気車50に関わる診断分析データを収集してデータベース60に保存し得る。
【0085】
ここで、診断分析データは、電気車51の充電状態に応じた速度変化プロファイル及び/又は累積放電量に応じた運行距離累積プロファイル及び/又は充電状態によるバッテリー動作特性プロファイルを含み得る。また、診断分析データは、データ識別情報として電気車モデルコード及び/又は電気車識別コード及び/又はバッテリーモデルコード及び/又はバッテリー識別コードを含み得る。また、診断分析データは、選択的に電気車50の移動経路情報をさらに含み得る。
【0086】
選択的に、診断分析データは、バッテリー51に関わる動作特性累積情報として電気車50のバッテリー51に関わる電圧区間別の累積動作時間、電流区間別の累積動作時間及び温度区間別の累積動作時間を含む群より選択された少なくとも一つを含み得る。
【0087】
選択的に、診断分析データは、電気車50に関わる運行特性累積情報として、速度区間別の累積運行時間、運行地域別の累積運行時間及び湿度区間別の累積運行時間を含む群より選択された少なくとも一つを含み得る。
【0088】
診断分析データは、必要に応じてバッテリー51の電気化学的動作特性を示す他のデータセットをさらに含み得、診断分析の水準によって上述した一部のデータが除外され得ることは自明である。
【0089】
後述するが、診断分析データの少なくとも一部は、人工知能モデルの学習に使用され得る。
【0090】
診断分析データの収集のために、通信デバイス20は、充電ステーション内に備えられ得、通信デバイス20は、電気車50の内部にある電気車制御装置52とデータを送受信し得る。
【0091】
診断分析データに含まれる電圧、電流及び温度情報は、充電ステーションで電気車50のバッテリー51が充電される過程で電気車制御装置52によって収集され得る。
【0092】
充電ステーションは、電気車50の充電が行われる間、電気車制御装置52と通信を行って情報及び/又はデータを交換し得る。一例で、通信は、充電ケーブルに含まれたデータ通信ラインを介して行われる。代案的に、通信は、充電ステーションと電気車50との相互間の無線通信によって行われる。このために、充電ステーションと電気車50とは、近距離無線通信デバイスを含み得る。
【0093】
充電ステーションは、電気車50から収集された情報及び/又はデータをネットワーク40を通じて予め定義された通信プロトコールにしたがってバッテリーサービスサーバー30に伝送し得る。
【0094】
電気車制御装置52は、電気車50が運行される間、または充電ステーションで電気車50の充電が行われる間に診断分析データを生成して保存手段52aに記録する。充電ステーションの要求がある場合、電気車制御装置52は、保存手段52aに記録された診断分析データを読み出し、充電ケーブルのデータ通信ケーブルを介して、または近距離無線通信を通じて充電ステーションに含まれた通信デバイス20に伝送する。
【0095】
他の例で、バッテリーサービスサーバー30は、電気車50が運行中にある間、電気車50の内部に含まれた通信デバイス20からネットワーク40を通じて電気車50のバッテリー51に関わる診断分析データを収集してデータベース60に保存し得る。電気車制御装置52は、通信デバイス20を通じてバッテリーサービスサーバー30から診断分析データの伝送要求があるとき、保存手段52aに記録された診断分析データを読み出して通信デバイス20を通じてバッテリーサービスサーバー30側に伝達し得る。
【0096】
さらに他の例で、バッテリーサービスサーバー30は、電気車50が駐車中である場合、駐車場所に別に設けられた通信デバイス20からネットワーク40を通じて電気車50のバッテリー51に関わる診断分析データを収集してデータベース60に保存し得る。電気車制御装置52は、電気車50の外部に別に設けられている通信デバイス20を通じてバッテリーサービスサーバー30から診断分析データの伝送要求があるときに、保存手段52aに記録された診断分析データを読みだして通信デバイス20を通じてバッテリーサービスサーバー30側に伝達し得る。
【0097】
一面によると、バッテリーサービスサーバー30は、診断分析データに含まれたバッテリー51の電圧区間別の累積動作時間、電流区間別の累積動作時間及び温度区間別の累積動作時間を分析し、電圧、電流及び温度別に度数分布データを生成した後、電気車50のモデルコード及び/又は電気車50の識別コード及び/又はバッテリー51のモデルコード及び/又はバッテリー51の識別コードとマッチングしてデータベース60の診断分析データ保存部62に記録し得る。
【0098】
一面によると、度数分布データにおいて変量(variable)は、電圧、電流または温度であり、度数(frequency)は、各変量におけるバッテリー51の累積動作時間であり得る。
【0099】
図3は、バッテリー51の電圧に関わる度数分布データの一例を示したグラフであり、図4は、バッテリー51の電流に関わる度数分布データの一例を示したグラフであり、図5は、バッテリー51の温度に関わる度数分布データの一例を示したグラフである。
【0100】
図3図5を参照すると、度数分布データは、電気車50が運行される間に電圧区間別のバッテリー51の累積動作時間、電流区間別のバッテリー51の累積動作時間及び温度区間別のバッテリー51の累積動作時間情報を提供し得る。度数分布データは、バッテリーサービスサーバー30が人工知能モデルを学習させるのに使用され得る。これについては後述する。
【0101】
他面によると、バッテリーサービスサーバー30は、診断分析データに含まれた電気車50の速度区間別の累積運行時間及び/又は運行地域別の累積運行時間及び/又は湿度区間別の累積運行時間を分析して電気車50の運行特性に関わる度数分布データを生成した後、電気車50のモデルコード及び/又は電気車50の識別コード及び/又はバッテリー51のモデルコード及び/又はバッテリー51の識別コードとマッチングしてデータベース60の診断分析データ保存部62に記録し得る。
【0102】
運行特性に関わる度数分布データにおいて、変量は、電気車50の速度、電気車50の運行地域または電気車50が運行される地域の湿度であり、度数は、各変量における電気車50の累積運行時間であり得る。
【0103】
図6は、電気車50の速度に関わる度数分布データの一例を示したグラフであり、図7は、電気車50の運行地域に関わる度数分布データの一例を示したグラフであり、図8は、電気車50が運行する地域の湿度に関わる度数分布データの一例を示したグラフである。
【0104】
図6図8を参照すると、度数分布データは、電気車50が運行される間、電気車50の速度区間別の累積運行時間、運行地域別の累積運行時間及び湿度区間別の累積運行時間に関わる情報を提供し得る。地域は、国内及び/又は海外の行政区域であり得る。一例で、地域は、都市であり得るが、これに限定されない。度数分布データは、バッテリーサービスサーバー30が人工知能モデルを学習させるのに使用され得る。これについては、後述する。
【0105】
他面によると、バッテリーサービスサーバー30は、所定の条件が満たされるとき、診断分析データに含まれたバッテリー51の動作特性プロファイルを用いてバッテリー51の退化度を決定し、退化度を電気車50のモデルコード及び/又は電気車50の識別コード及び/又はバッテリー51のモデルコード及び/又はバッテリー51の識別コードとマッチングしてデータベース60の診断分析データ保存部62に記録し得る。後述するが、診断分析データ保存部62に保存される退化度は、人工知能モデルの学習に使用され得る。
【0106】
一例で、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー51の動作特性プロファイルが予め設定された退化度の推定電圧区間で収集されたかを判断する。このために、バッテリーサービスサーバー30は、充電状態の変更による電圧プロファイルの電圧分布を検査し得る。バッテリーサービスサーバー30は、この判断の結果が「はい」であると、退化度推定電圧区間で測定された電流データを積算して充電容量変化量を決定し、基準充電容量変化量に対する充電容量変化量の割合を退化度として決定し得る。基準充電容量変化量は、BOL状態にあるバッテリー51が退化度推定電圧区間で充電される間に示す充電容量変化量であって、基準充電容量変化量は、バッテリー51のモデル毎にデータベース60に予め記録され得る。
【0107】
他の例で、バッテリーサービスサーバー30は、診断分析データに含まれたバッテリー51の動作特性プロファイルSOC、V、I、Tを分析して予め設定された退化度推定電圧区間内でバッテリー51が充電されており、可変充電電流条件下で複数の電圧データが測定されたかを判断する。このために、バッテリーサービスサーバー30は、電圧データVと電流データIの分布を検査し得る。バッテリーサービスサーバー30は、この判断の結果が「はい」であれば、予め設定された退化度推定電圧区間内で測定された複数の電流及び電圧データに対して線形回帰分析を施して|dV/dI|の平均値をバッテリー51の内部抵抗値として決定し、内部抵抗値に対する基準内部抵抗値の割合をバッテリー51の退化度として決定し得る。本実施例への適用のために、充電ステーションは、バッテリー51が予め設定された退化度推定電圧区間内で充電される間に、交流充電電流及び/又は振幅が異なる充電パルスをバッテリー51に印加し得る。そうすると、可変充電電流条件下で、複数の電圧データが測定され得る。基準内部抵抗値は、BOL状態にあるバッテリー51の内部抵抗値であり、基準内部抵抗値は、バッテリーモデル毎にデータベース60に予め記録され得る。
【0108】
さらに他の例で、バッテリーサービスサーバー30は、拡張カルマンフィルターを用いてバッテリー51の退化度をリアルタイムで決定し得る。拡張カルマンフィルターを用いた退化度決定方法は、韓国公開特許公報第2007-0074621号に開示されており、本発明の一部として本明細書に組み込まれ得る。開示された方法は、適応的アルゴリズムの一つである拡張カルマンフィルターを用いてバッテリーの電圧、電流及び温度から退化度をリアルタイムで決定する方法であって、本発明に適用する場合に特に有用である。
【0109】
望ましくは、バッテリーサービスサーバー30は、診断分析データに含まれたバッテリー51の動作特性プロファイルとデータベース60の退化度ルックアップテーブル保存部64を用い、ビックデータに基づいて電気車50のバッテリー51に関わる退化度を決定し得る。
【0110】
即ち、バッテリーサービスサーバー30は、診断分析データに含まれたバッテリー識別コードを用いてバッテリー識別情報保存部61を照会してバッテリーモデルを識別する。その後、退化度ルックアップテーブル保存部64を参照して同じモデルに対応する退化度別の電圧プロファイル情報を参照して診断分析データに含まれた電圧プロファイルと類似度が最も高い電圧プロファイルを識別し、識別された電圧プロファイルに対応する退化度をバッテリー51の退化度として決定し得る。
【0111】
さらに他面で、バッテリーサービスサーバー30は、人工知能モデルを用いてバッテリー51の退化度を決定し得る。
【0112】
この場合、前述したバッテリー51の動作特性プロファイルから決定される退化度は、人工知能モデルを学習させるのに使用されるビックデータの一部を構成し、バッテリー51の実質的な退化度は、ビックデータに基づいて学習された人工知能モデルによって決定し得る。
【0113】
その理由は、バッテリー51の最近動作特性プロファイルから計算される退化度は、所定の条件が足される場合のみに決定可能であるという制限があり、バッテリー51の過去使用履歴と電気車50の運行履歴が十分に考慮されていないため、ビックデータに基づいて学習された人工知能モデルによって決定される退化度の方が正確度及び信頼性がさらに高いためである。
【0114】
望ましくは、人工知能モデルは、プログラム言語でコーディングされたソフトウェアアルゴリズムであって、人工ニューラルネットワークであり得る。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0115】
図9は、本発明の一実施例による人工ニューラルネットワーク100の構造を示した図である。
【0116】
図9を参照すると、人工ニューラルネットワーク100は、入力層101、複数の隠れ層102及び出力層103を含む。入力層101、複数の隠れ層102及び出力層103は、複数のノードを含む。
【0117】
バッテリーサービスサーバー30は、人工ニューラルネットワーク100を学習させるとき、または人工ニューラルネットワーク100を用いてバッテリー51の退化度を決定しようとするとき、バッテリー51の動作特性累積情報から生成された度数分布データ(図3図5)、電気車50の運行特性累積情報から生成された度数分布データ(図6図8)及びバッテリー51の動作特性プロファイルに含まれたデータを入力層101に入力し得る。
【0118】
入力層101のノードに入力(割当)される動作特性累積情報は、電圧区間別の第1累積時間値及び/又は電流区間別の第2累積時間値及び/又は温度区間別の第3累積時間値を含み得る。第1~第3累積時間値は、バッテリー51の保証寿命に対応する全体使用可能時間を基準にした割合であって、正規化(normalization)することが望ましい。一例で、特定の電圧区間における累積時間値が1,000時間であり、全体の使用可能時間が20,000時間であれば、正規化した累積時間値は1/20(0.05)である。
【0119】
第1累積時間値の個数は電圧区間の数に対応し、第2累積時間値の個数は電流区間の数に対応し、第3累積時間値の個数は、温度区間の数に対応し得る。例えば、電圧区間の数が5個、電流区間の数が9個、温度区間の数が10個であれば、第1~第3累積時間値の数は各々、5個、9個及び10個である。
【0120】
望ましくは、入力層101は、第1累積時間値の数及び/又は第2累積時間値の数及び/又は第3累積時間値の数に対応する数のノードを含み得る。
【0121】
入力層101のノードに入力(割当)される運行特性累積情報は、速度区間別の第4累積時間値及び/又は運行地域別の第5累積時間値及び/又は湿度区間別の第6累積時間値を含み得る。第4~第6累積時間値は、バッテリー51の保証寿命に対応する全体使用可能時間を基準にした割合として正規化することが望ましい。一例で、特定の速度区間における累積時間値が2,000時間であり、全体の使用可能時間が20,000時間であれば、正規化した累積時間値は1/10(0.1)である。
【0122】
第4累積時間値の個数は、速度区間の数に対応し、第5累積時間値の個数は、電気車50が運行される地域の数に対応し、第6累積時間値の個数は、湿度区間の数に対応し得る。例えば、速度区間の数が8個、運行地域の数が20個、温度区間の数が6個であれば、第4~第6累積時間値の数は各々、8個、20個及び6個である。
【0123】
望ましくは、入力層101は、第4累積時間値の数及び/又は第5累積時間値の数及び/又は第6累積時間値の数に対応する数のノードを含み得る。
【0124】
入力層101のノードに入力(割当)されるバッテリー51の動作特性プロファイルデータは、充電状態別に測定された電圧データ及び温度データを含み得る。バッテリー51の電圧と温度はいずれもSOC毎に測定されるため、電圧データの入力のために100個のノードが割り当てられ得、温度データの入力のためにさらに他の100個のノードが割り当てられ得る。
【0125】
ここで、100は、SOCが0%から100%まで1%ずつ変化するとしたら、1%から100%までのSOCに対応するノードの数である。もし、31~50%のSOC区間でバッテリー51の電圧と温度が測定されたら、31~50%に対応する20個のノードに電圧データが入力され、31~50%に対応するさらに他の20個のノードに温度データが入力され得る。そして、1~30%区間のSOCと、51~100%区間のSOCに対応するノードには、電圧データと温度データが入力されず、0が割り当てられ得る。
【0126】
一方、小数点以下の値を含むSOCで測定された電圧データと温度データは、内挿法(interpolation)または外挿法(extrapolation)を用いて小数点のない近くのSOCの電圧データ及び温度データに変換し得る。場合によって、人工ニューラルネットワークの学習演算量を減らすために、温度データは入力データから除外してもよい。この場合、入力層101は、温度データが入力されるノードを含まなくてもよい。
【0127】
出力層103は、バッテリー51の退化度情報が出力されるノードを含み得る。図9に示したように、人工ニューラルネットワーク100が確率論的モデル(stochastic model)に基づいて設計された場合、出力層103は、バッテリー51退化度の確率分布を出力するための複数のノードを含み得る。
【0128】
一例で、人工ニューラルネットワーク100が71%から100%までの退化度を1%単位で決定するように設計される場合、出力層103は合計30個のノードを含み得る。この場合、30個のノードのうち最も高い確率値が出力されるノードに対応する退化度がバッテリー51の退化度として決定され得る。例えば、10番目のノードから出力される確率が最も高いと、バッテリー51の退化度は80%として決定され得る。対案的に、各ノードから出力される確率と当該の退化度とを掛けた値の合計を求めた後、合計の平均を退化度として決定し得る。退化度の正確度を向上させるためにノードの数をさらに増加させてもよいことは当業者にとって自明である。
【0129】
または、人工ニューラルネットワーク100が決定論的モデル(deterministic model)に基づいて設計された場合、出力層103は、バッテリー51の退化度を直接的に出力するための少なくても一つのノードを含み得る。
【0130】
入力層101と出力層103との間に介在される隠れ層102の数と、各隠れ層102に含まれるノードの数は、人工ニューラルネットワーク100の学習演算量と人工ニューラルネットワーク100の正確度及び信頼性を考慮して適切に選択し得る。
【0131】
人工ニューラルネットワーク100において、活性化関数としてはシグモイド(Sigmoid)関数が使用され得る。または、SiLU(Sigmoid Linear Unit)関数、ReLu(Rectified Linear Unit)関数、ソフトプラス(softplus)関数、ELU(Exponential Linear Unit)関数、SQLU(Square Linear Unit)関数など、当業界における公知の多様な活性化関数が使われ得る。
【0132】
人工ニューラルネットワーク100において、ノードの相互間の連結ウェート(weight)とバイアス(bias)の初期値はランダムで設定され得る。また、連結ウェートとバイアスは、人工ニューラルネットワークの学習過程で最適化させ得る。
【0133】
一実施例で、人工ニューラルネットワークは、逆伝播アルゴリズムによって学習され得る。また、人工ニューラルネットワークが学習される間に連結ウェートとバイアスは、オプティマイザーによって最適化され得る。
【0134】
一実施例で、オプティマイザーとしてはSGD(Stochastic Gradient Descent)アルゴリズムが使われ得る。または、NAG(Nesterov Accelerated Gradient)アルゴリズム、Momentumアルゴリズム、Nadamアルゴリズム、Adagradアルゴリズム、RMSPropアルゴリズム、Adadeltaアルゴリズム、Adamアルゴリズムなどが使われ得る。
【0135】
バッテリーサービスサーバー30は、データベース60の診断分析データ保存部62に保存されたデータを用いて人工ニューラルネットワーク100を周期的に反復学習させ得る。
【0136】
このために、バッテリーサービスサーバー30は、上述した方法を用いて数多い電気車50の電気車制御装置52から診断分析データを収集し、データベース16に累積して記録し得る。
【0137】
人工ニューラルネットワーク100の学習データは、学習入力データと学習出力データから構成される。学習入力データは、電気車50の運行特性累積情報から生成された度数分布データ、バッテリー51の動作特性累積情報から生成された度数分布データ及び動作特性プロファイルデータを含み得る。また、学習出力データは、動作特性プロファイルを用いて決定されたバッテリー51の退化度を含む。動作特性プロファイルから退化度を決定する多様な方法は前述した。
【0138】
望ましくは、学習に使用される診断分析データは、電気車50のモデルコード及び/又は電気車50の識別コード及び/又はバッテリー51のモデルコード及び/又はバッテリー51の識別コードとマッチングされ、データベース60の診断分析データ保存部62に記録され得る。したがって、診断分析データ保存部62には、同じモデルのバッテリー51を装着している同じモデルの電気車50から収集された多くの学習データが記録され得る。また、学習データは、電気車制御装置52を通じて持続的に収集されるので、その量は次第に増加し得る。
【0139】
望ましくは、バッテリーサービスサーバー30は、データの分散処理によって人工ニューラルネットワーク100学習の演算量を減らし、人工ニューラルネットワーク100が予測する出力の信頼性を向上させるために、電気車50のモデル及び/又はバッテリー51のモデル毎に人工ニューラルネットワークを個別に学習させ得る。
【0140】
即ち、バッテリーサービスサーバー30は、人工ニューラルネットワーク100を周期的に学習させるとき、診断分析データ保存部62に保存された学習データのうち電気車50のモデル及び/又はバッテリー51のモデルが同じ学習データのみを抽出し、該当電気車50のモデル及び/又はバッテリー51のモデルに専属した人工ニューラルネットワーク100を独立的に学習させ得る。また、バッテリーサービスサーバー30は、電気車50のモデル及び/又はバッテリー51のモデルに対し、新規に収集された学習データの量が基準値以上に増加すると、該当人工ニューラルネットワーク100の学習を再開して人工ニューラルネットワーク100の正確度をさらに向上させることができる。
【0141】
一方、電気車50の運行特性累積情報のうち運行地域別の運行累積時間情報から生成される度数分布データ(図7参照)の変量が多すぎる場合、複数の地域をグルーピングした広域地域毎に人工ニューラルネットワーク100を個別に学習させ得る。
【0142】
一例で、電気車50のモデルが総100個であり、電気車50に搭載されたバッテリー51のモデルが総10個であり、電気車50の運行都市が国内及び海外を含んで総1000個である場合を仮定する。この場合、バッテリーサービスサーバー30は、都市を所定の基準によってグルーピングし、総「100×10×(地域のグルーピング数)」に対応する数の人工ニューラルネットワークを学習させ得る。一例で、都市のグルーピングは、国単位で行われ得る。他の例で、グルーピングは、同じ国家内で所定の数の隣接都市単位で行われ得る。
【0143】
この場合、バッテリーサービスサーバー30は、人工ニューラルネットワーク100を学習させるとき、診断分析データ保存部62に保存された学習データのうち電気車50のモデル及び/又はバッテリー51のモデルが同一であり、かつ運行地域に対する度数分布データの変量(都市)が同じ学習データのみを抽出し、運行地域及び/又は電気車50のモデル及び/又はバッテリー51のモデルに専属した人工ニューラルネットワーク100を独立的に学習させ得る。また、バッテリーサービスサーバー30は、運行地域及び/又は電気車50のモデル及び/又はバッテリー51のモデルが同じ新規学習データの量が基準値以上に増加すると、該当人工ニューラルネットワーク100の学習を再開して人工ニューラルネットワーク100の正確度をさらに向上させることができる。
【0144】
本発明において、人工知能モデルは、人工ニューラルネットワークに限定されない。したがって、人工ニューラルネットワークの他にも、ガウス過程モデル(Gaussian Process Model)などが使用され得る。バッテリーの退化度情報に関わる分類(classification)モデルの学習時には、サポートベクターマシン(SVM;Support Vector Machine)、k近傍法(K-Nearest Neighbor Algorithm)、単純ベイズ分類器(Naive-Bayes Classifier)などを活用し得る。人工知能モデルの学習に使用された退化度情報の信頼性に問題がある場合、k平均法(K-Means Clustering)などが退化度学習情報を得るための補助手段として使用され得る。
【0145】
人工知能アルゴリズムに関わるソフトウェアは公知であり、既に多くのソフトウェア製品が商用化している。人工知能アルゴリズムは、学習データの種類に従属的ではないので、本発明を実施することにおいて当業界における公知の人工知能アルゴリズムのうち診断分析データと退化度との相関関係を学習する人工知能ソフトウェアとして最適のものを選択することは当業者にとって自明である。
【0146】
一方、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー製造社から提供されたサイクル別の動作特性累積情報とサイクル別の動作特性プロファイル情報を用いて学習された補助人工ニューラルネットワークを備え得る。
【0147】
図10は、本発明の一実施例による補助人工ニューラルネットワーク100'の構造を例示した図である。
【0148】
図10を参照すると、補助人工ニューラルネットワーク100'は、入力層101'、複数の隠れ層102'及び出力層103'を含む。補助人工ニューラルネットワーク100'は、入力層101'に電気車50の運行特性累積情報に対応するデータが入力されるノードがないということを除いては、図9に示した人工ニューラルネットワーク100と実質的に同一である。
【0149】
補助人工ニューラルネットワーク100'は、人工ニューラルネットワーク100の学習が充分に行われなかった場合、バッテリー51の退化度を決定するのに活用され得る。
【0150】
バッテリーサービスサーバー30は、補助人工ニューラルネットワーク100'の学習に使用されるデータを収集するために、ネットワーク40を介してバッテリーデータ提供サーバー70と通信可能に連結され得る。
【0151】
望ましくは、バッテリーデータ提供サーバー70は、バッテリー製造会社内に設けられ得る。バッテリーデータ提供サーバー70は、電気車50に搭載されるバッテリー51に関する充放電サイクル実験から得たサイクル別の動作特性累積情報、サイクル別の動作特性プロファイル情報及びサイクル別のバッテリー51の退化度をバッテリー51のモデルコード及び識別コードと共にネットワーク40を介してバッテリーサービスサーバー30に伝送し得る。
【0152】
充放電サイクル実験は、充放電シミューレーターという装備を用いてバッテリー51に対して多様な充放電条件下で充電と放電を所定の回数反復する実験である。充放電サイクル実験は、バッテリー51が商用化する前にバッテリー製造社で必須に行う実験である。充放電条件は、電気車50の多様な運行条件(山岳走行、悪路走行、都心走行、高速道路走行など)と気候条件(温度、湿度など)に倣うことが望ましい。
【0153】
充放電シミューレーターは、制御コンピューター、充放電装置及び温度/湿度調節チャンバが結合した自動化実験装備である。充放電シミューレーターは各サイクルの充放電が行われる度に、電圧区間別の累積動作時間及び/又は電流区間別の累積動作時間及び/又は温度区間別の累積動作時間を積算して動作特性累積情報を生成し、充電が行われる間にSOC及び/又は電圧及び/又は電流及び/又は温度を測定または予測して動作特性プロファイル情報を生成して保存手段に記録し得る。
【0154】
また、充放電シミューレーターは、各サイクルの充電が完了すると、充電完了時点を基準でバッテリー51の退化度を決定し得る。退化度は、所定の充電電圧区間でアンペアカウント法によって決定された充電容量の変化量または所定の充電電圧区間で測定した電圧及び電流データの線形回帰分析によって得たバッテリーの内部抵抗から算出でき、これについては前述した。
【0155】
バッテリーデータ提供サーバー70は、充放電サイクル実験によって得たデータを保存するデータベース71を含み得る。バッテリーデータ提供サーバー70は、バッテリー51に対して、各充放電サイクルが行われる度に、サイクル別の動作特性累積情報、サイクル別の動作特性プロファイル情報及びサイクル別の退化度をバッテリー51のモデルコード及び/又は識別コードとマッチングしてデータベース71に保存し得る。
【0156】
バッテリーデータ提供サーバー70は、周期的にデータベース71に保存されたサイクル別の動作特性累積情報、サイクル別の動作特性プロファイル情報及びサイクル別の退化度を含む補助学習データを、バッテリー51の識別コード及び/又はモデルコードと共にネットワーク40を介してバッテリーサービスサーバー30に伝送し得る。補助学習データの数は、充放電サイクル実験を行った回数に対応する。例えば、特定のモデルのバッテリーに対する充放電サイクル実験が200回行われたら、補助学習データの数は200個である。
【0157】
バッテリーサービスサーバー30は、バッテリーデータ提供サーバー70から伝送された補助学習データをバッテリー51の識別コード及び/又はモデルコードとマッチングしてデータベース60の診断分析データ保存部62に記録し得る。
【0158】
望ましくは、補助学習データのうち、動作特性累積情報に含まれた電圧区間別の累積動作時間及び/又は電流区間別の累積動作時間及び/又は温度区間別の累積動作時間に関わる情報は、度数分布データに変換されてデータベース60の診断分析データ保存部62に保存され得る。
【0159】
バッテリーサービスサーバー30は、データベース60に補助学習データが保存された後、補助学習データを用いてバッテリーモデル毎に補助人工ニューラルネットワーク100'を学習させ得る。
【0160】
補助人工ニューラルネットワーク100'の構造は、図9に示した人工ニューラルネットワーク100の構造と類似である。相違点は、電気車50の運行特性累積情報から生成された度数分布データが入力されるノードが非活性化されるということである。しかし、補助人工ニューラルネットワーク100'についての学習方法や残りの特徴は、前述したことと実質的に同一である。
【0161】
バッテリーサービスサーバー30は、バッテリーデータ提供サーバー70から伝送された補助学習データによって学習された補助人工ニューラルネットワーク100'と、複数の電気車制御装置52から提供された学習データによって学習された人工ニューラルネットワーク100と、を相互補完的に使用してバッテリー51の退化度を決定し、決定された退化度によってバッテリー51の充放電制御に使用される制御ファクターを電気車50の制御システム15に提供し得る。
【0162】
一例で、人工ニューラルネットワーク100を通じて決定された退化度と補助人工ニューラルネットワーク100'を通じて決定された退化度の加重平均をバッテリー51の退化度に決定し得る。各退化度に付与される加重値は、人工ニューラルネットワーク100の学習程度に応じて適応的に調節し得る。望ましくは、人工ニューラルネットワーク100の学習量が増加するほど人工ニューラルネットワーク100を通じて決定された退化度に対する加重値を比例的に増加させ得る。
【0163】
望ましくは、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー51の退化度が臨界値以上に増加した場合、例えば、SOHが臨界値以上に低くなった場合、充放電制御ロジッグのアップデート情報をネットワーク40を通じて通信デバイス20に伝送し得る。
【0164】
退化度に対応する充放電制御ロジッグのアップデート情報は、電気車モデル及び/又はバッテリーモデル毎に予め定義されてデータベース60に記録され得る。
【0165】
望ましくは、通信デバイス20は、バッテリーサービスサーバー30から充放電制御ロジッグに関わるアップデート情報を受信すると、電気車50の電気車制御装置52に充放電制御ロジッグのアップデート情報を伝達する。そうすると、電気車制御装置52は、充放電制御ロジッグのアップデート情報を参照して既存の制御ロジッグが参照するファクターを更新し得る。
【0166】
本発明において、充放電制御ロジッグのアップデート情報は、充電状態区間毎に適用される充電電流の大きさ、充電上限電圧値、放電下限電圧値、最大充電電流、最大放電電流、最小充電電流、最小放電電流、最大温度、最小温度、充電状態別のパワーマップ及び充電状態別の内部抵抗マップのうち選択された少なくとも一つを含み得る。
【0167】
選択的に、バッテリー51がパルス充放電される場合、充放電制御ロジックのアップデート情報は、パルス電流デューティ比の上限、パルス電流デューティ比の下限、パルス電流デュレーションの上限、パルス電流デュレーションの下限、パルス電流の最大値及びパルス電流の最小値のうち選択された少なくとも一つを含み得る。
【0168】
選択的に、バッテリー51がステップ充電される場合、充放電制御ロジックのアップデート情報は、充電状態区間毎に適用される充電電流の大きさに関わる情報を含み得る。
【0169】
選択的に、バッテリー51がCC(Constant Current)/CV(Constant Voltage)モードで充電される場合、充放電制御ロジックのアップデート情報は、定電流充電(CC)モードにおける電流の大きさ、定電流充電(CC)モードが終了するカットオフ電圧及び定電圧充電(CV)モードにおける電圧の大きさのうち選択された少なくとも一つを含み得る。
【0170】
さらに他面によると、バッテリーサービスサーバー30は、電気車制御装置52を通じて提供される使用者インタフェースを通じて電気車50に搭載されたバッテリー51の識別コードとバッテリー性能管理サービスに関わる利用申請情報を受信し得る。
【0171】
ここで、バッテリー性能管理サービスとは、電気車制御装置52がバッテリーサービスサーバー30側へバッテリー51の診断分析データを伝送し、バッテリーサービスサーバー30からバッテリー51の制御ロジッグに関わるアップデート情報を定期的または非定期的に受けるサービスを意味する。
【0172】
使用者インタフェースは、グラフィックユーザインタフェースであり、電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じて提供され得る。統合情報ディスプレイ53は、電気車50に運転席の隣に備えられるものであって、電気車50の制御を管理して電気車50の多様な運行情報を表示するコンピューターディスプレイである。電気車制御装置52は、統合情報ディスプレイ53を通じて本発明の実施のために必要な多様な使用者インタフェースを提供し得る。
【0173】
本発明において、バッテリー性能管理サービスは、無償または有償で提供し得る。
【0174】
バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー性能管理サービスに関わる利用申請情報がネットワーク40を通じて受信されると、該当のバッテリー51の診断分析データが収集される度に、電流積算法、電圧/電流データに対する線形回帰分析、拡張カルマンフィルターまたは予め学習された人工知能モデルを用いて退化度を決定し、充放電制御ロジッグのアップデートの要否を判断し、アップデートが必要な場合、充放電制御ロジッグに関わるアップデート情報を生成して電気車制御装置52に提供するように構成され得る。
【0175】
このために、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー識別情報保存部61にバッテリー性能管理サービスが申請されたバッテリー51に対してサービス利用フラグを設定して保存し得る。即ち、バッテリー性能管理サービスが申請されたバッテリーに対しては、バッテリー識別コードを検索した後にサービス利用フラグを設定し得る。
【0176】
選択的に、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー性能管理サービスに対する利用申請情報の受信段階で決済情報をさらに受信し、充放電制御ロジッグのアップデート情報の生成と提供に対して課金をするように構成され得る。
【0177】
課金は、定期的な課金または特定期間(月、四半期、年など)を指定した課金などの如何なる形態でも可能である。課金手段は、クレジットカード、電子マネー、仮想通貨(ビットコイン、イーサリアム)などであり得る。バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー性能管理サービスの課金情報を電気車50の使用者識別コード(ID)及び/又はバッテリー識別コードと共に課金情報保存部68に記録し得る。課金情報は、電気車50の使用者識別コード(ID)、バッテリー識別コード、決済周期、決済金額、決済期間、決済手段情報、決済日時及び課金成功フラグを含み得る。
【0178】
一方、バッテリー性能管理サービスの申請は、電気車制御装置52を用いず、電気車50の使用者が保有している移動通信端末機90から出力される使用者インタフェースにおいても可能である。
【0179】
望ましくは、移動通信端末機90はスマートフォンであり、使用者インタフェースは、アプリケーションが提供するグラフィックユーザインタフェースである。バッテリーサービスサーバー30は、移動通信端末機90で駆動可能なアプリケーションを配布することができ、使用者は、当該アプリケーションをネットワーク40を通じてダウンロードして自分の移動通信端末機90にインストールし得る。以下、移動通信端末機90にインストールされるアプリケーションを「バッテリー管理ソフトウェア」とする。
【0180】
使用者は、移動通信端末機90でバッテリー管理ソフトウェアを実行した後、バッテリー性能管理サービスの申請が可能である。この際、使用者決済情報を入力することができることは自明である。
【0181】
さらに他面によると、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー性能管理サービスと共に他の付加サービスをさらに提供し得る。付加サービスは、有料または無料サービスで提供し得る。
【0182】
一例で、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー51の退化度情報を参考してバッテリー51の残存寿命を算出し、バッテリー管理ソフトウェアを通じてグラフィックとして出力し得る。勿論、残存寿命に関わる情報は、電気車制御装置52を通じて電気車50の統合情報ディスプレイ53に出力され得る。残存寿命は、退化度別に残存寿命を定義したルックアップテーブルを参照して算出し得る。残存寿命ルックアップテーブルは、電気車モデル及び/又はバッテリーモデル毎に定義され、データベース60のバッテリー残存価値保存部65に予め記録され得る。
【0183】
また、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー51の退化度によって残存価値を定義した残存価値ルックアップテーブルを参照してバッテリー51の退化度に対応するバッテリーの残存価値を算出し、バッテリー管理ソフトウェアを通じてグラフィックとして出力し得る。残存価値は、バッテリーの発売開始価格を基準とした相対価値を意味する。残存価値は、バッテリーの発売開始価格を基準にして百分率で示し得る。残存価値に関わる情報は、電気車制御装置52を通じて電気車50の統合情報ディスプレイ53に出力され得る。残存価値ルックアップテーブルは、電気車モデル及び/又はバッテリーモデル毎に予め定義されてデータベース60のバッテリー残存価値保存部65に記録され得る。
【0184】
また、バッテリーサービスサーバー30は、電気車50の運行情報を分析して使用者の現在の運転習慣が維持されることを条件にしてバッテリーの残余寿命を算出し、ネットワーク40を通じて電気車制御装置52に伝送し得る。そうすると、電気車制御装置52は、電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じてバッテリーの残余寿命情報を表示し得る。他の例で、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリーの残余寿命を移動通信端末機90で駆動されるバッテリー管理ソフトウェアに伝送し得る。そうすると、バッテリー管理ソフトウェアは、移動通信端末機90のディスプレイを通じて残余寿命情報を出力し得る。
【0185】
運転習慣は、電気車50から収集された診断分析データに含まれた充電状態に応じた速度変化プロファイルを用いて分析し得る。一例で、バッテリーサービスサーバー50は、充電状態に応じた速度変化プロファイルを分析して急加速の回数を累積してカウントし、急加速回数によって運転習慣を複数の類型に区分し得る。急加速の有無は、充電状態変化に対して速度変化が臨界値以上に大きい場合を基準にして判断する。
【0186】
バッテリーサービスサーバー30は、運転習慣の類型によって退化度の増加速度を予め定義し得る。即ち、バッテリーサービスサーバー30は、データベース60の診断分析データ保存部62に記録されている電気車50の運行情報を分析して、累積急加速回数を算出して複数の運転習慣類型のうち電気車50の使用者の運転習慣の類型を決定し、運転習慣の類型に対応する予め定義された退化度の増加速度を決定する。その後、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー51の現在退化度を基準にして運転習慣の類型に応じて決定された退化度の増加速度によって退化度を増加させ(即ち、SOHを減少させて)、退化度が臨界値以上に増加するまでの期間をバッテリーの残余寿命として決定し得る。また、バッテリーサービスサーバー30は、全ての運転習慣類型に応じてバッテリーの残余寿命を決定し、電気車制御装置52または移動通信端末機90で駆動されるバッテリー管理ソフトウェアに伝送し得る。そうすると、電気車制御装置52は、電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じて運転習慣の類型別に予測されるバッテリー51の残余寿命情報を表示し得る。また、バッテリー管理ソフトウェアは、移動通信端末機90のディスプレイを通じて運転習慣の類型別に予測されるバッテリー51の残余寿命情報を表示し得る。電気車50の使用者は、現在の運転習慣から推定されたバッテリー51の残余寿命情報のみならず、他の運転習慣類型から推定されたバッテリー51の残余寿命情報も共に提供を受け得る。これによって、電気車50の使用者をして、より経済的な運転が可能になるように誘導することができる。運転習慣の類型に 応じた退化度の増加速度はバッテリーモデル毎に予め定義されてデータベース60に記録され得る。
【0187】
さらに他面によると、電気車50に含まれたバッテリー51は、レンタルしたものであり得る。この場合、バッテリーレンタル会社が運用するレンタル課金サーバーは、外部サーバー80の一実施例としてバッテリーサービスサーバー30とネットワーク40を通じて通信可能に接続され得る。
【0188】
このような実施例で、外部サーバー80(レンタル課金サーバー)は、ネットワーク40を通じて電気車50の使用者からバッテリーレンタルサービス申請を受信し得る。
【0189】
バッテリーレンタルサービスの申請は、電気車制御装置52が電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じて提供する使用者インタフェースまたは移動通信端末機90で駆動されるバッテリー管理ソフトウェアが提供する使用者インタフェースを通じて可能である。
【0190】
レンタルサービス申請情報は、電気車50の使用者識別コード(ID)、電気車50とバッテリー51のモデルコード、電気車50とバッテリー51の識別コード、バッテリー51のレンタル時間、レンタル使用料金、決済情報などを含み得る。
【0191】
バッテリーレンタルサービスの申請は、電気車50の購入段階で行うことができ、電気車50のバッテリーの交替時に可能である。勿論、バッテリーレンタルサービスの申請は、電気車50の使用中にバッテリー51の使用形態をレンタルに転換することも可能である。この場合、バッテリー51のレンタルによる定期的使用料は、新車の購入時に支払われたバッテリーの価格から減額され得、レンタル使用時間が終了すると、電気車50の使用者はバッテリーの残存価値に相応する費用の払い戻しを受けるか、新規のバッテリーのレンタル時、初期保証金として支払い得る。
【0192】
外部サーバー80(レンタル課金サーバー)は、レンタルサービス申請が行われたバッテリー識別コードをネットワーク40を通じてバッテリーサービスサーバー30に伝送する。レンタルサービスが最初に申請される場合、外部サーバー80(レンタル課金サーバー)は、バッテリー識別コードと共にバッテリーモデルコード、電気車識別コード、決済情報などをバッテリーサービスサーバー30に伝送し得る。そうすると、バッテリーサービスサーバー30は、データベース60のバッテリー識別情報保存部61にレンタルサービスが申請されたバッテリー識別コードなどを記録すると共にレンタル状態を示すレンタルフラグを設定する。もし、バッテリー識別コードがデータベース60に既に登録されている場合、レンタルフラグ設定段階のみを行い得る。バッテリーレンタルサービスの申請時、受け付けられた決済情報を含むさまざまな情報は、データベース60に記録されて維持及び更新可能であることは自明である。
【0193】
電気車50に搭載されたバッテリー51がレンタルバッテリーである場合、バッテリーサービスサーバー30は、電気車制御装置52からバッテリー51の診断分析データと共にバッテリーの累積充放電量に関わる情報をさらに収集し、データベース60の累積充放電量保存部63に記録し得る。
【0194】
また、バッテリーサービスサーバー30は、電気車50に含まれたバッテリー51の累積充放電量と退化度変化量に基づいてバッテリー51の使用料金を算出し、電気車制御装置52または使用者の移動通信端末機90で駆動されるバッテリー管理ソフトウェアに伝送し得る。そうすると、電気車制御装置52は、電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じてバッテリー51の使用料金に関わる情報を表示し得る。また、バッテリー管理ソフトウェアは、移動通信端末機90のディスプレイを通じてバッテリー51の使用料金に関わる情報を表示し得る。
【0195】
レンタルバッテリーの使用料金は、課金期間に対応する累積充放電量に1Kw当たりの費用を掛け算して使用料金を一次に算出し、課金期間における退化度増加程度による追加費用を一次算出費用に合算する方式で決定し得る。退化度増加による追加費用は、バッテリーモデル毎に予め設定され得る。追加費用を考慮することは、退化度が増加するほど(即ち、SOHが減少するほど)減価償却によってバッテリーの残存価値が落ちるためである。
【0196】
バッテリーサービスサーバー30は、定期的に、例えば、毎月末日にバッテリー51の使用料金を決定した後、レンタルサービスが申請された各々のバッテリー51に対するバッテリー識別コードと共に該当する月のバッテリー使用料金情報をデータベース60のバッテリー使用料金保存部66に記録し得る。
【0197】
バッテリーレンタル会社の外部サーバー80(レンタル課金サーバー)は、ネットワーク40を通じて定期的にバッテリーサービスサーバー30に接続して、レンタルサービスが申請されたバッテリー51の使用料金情報を受けた後、決済要請メッセージを電気車50の電気車制御装置52または移動通信端末機90のバッテリー管理ソフトウェアに伝送し得る。そうすると、電気車制御装置52は、電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じて決済要請画面を出力して使用者に決済を要請し得る。これと類似に、バッテリー管理ソフトウェアは、移動通信端末機90のディスプレイを通じて決済要請画面を出力して使用者に決済を要請し得る。バッテリー51の使用料金決済は、クレジットカード決済、銀行振込決済、電子マネー決済、仮想通貨決済など、当業界に知られた公知の決済方法で行い得る。もし、使用者決済手段情報を前もって登録した場合、使用料金の決済は自動に行われ得る。
【0198】
また、外部サーバー80(レンタル課金サーバー)は、使用者が決済を完了する場合、決済完了フラグをネットワーク40を通じてバッテリーサービスサーバー30に伝送する。そうすると、バッテリーサービスサーバー30は、使用料金決済が完了したバッテリー51に対する使用料金を0に初期化する。
【0199】
さらに他面によると、保険会社の保険会社サーバーは、外部サーバー80の他の実施例としてバッテリーサービスサーバー30に接続し得る。
【0200】
外部サーバー80(保険会社サーバー)は、電気車50の使用者が電気車50に対する保険を加入しようとするときに接続するサーバーである。外部サーバー80(保険会社サーバー)は、電気車制御装置52が電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じて提供する使用者インタフェースを通じて、または移動通信端末機90で駆動されたバッテリー管理ソフトウェアの使用者インタフェースを通じて接続が可能である。また、外部サーバー80(保険会社サーバー)は、電気車50の使用者がコンピューターまたは移動通信端末機90にインストールされたブラウザーを用いて接続することも可能である。
【0201】
外部サーバー80(保険会社サーバー)は、電気車50の使用者から保険加入申請を受信するとき、電気車識別コード(車両固有番号)を共に受信し得る。そうすると、外部サーバー80(保険会社サーバー)は、電気車識別コードをネットワーク40を通じてバッテリーサービスサーバー30に伝送する。そうすると、バッテリーサービスサーバー30は、データベース60のバッテリー識別情報保存部61を参照して電気車識別コードとマッチングされて保存されたバッテリー識別コードを読み出し、データベース60のバッテリー残存価値保存部65でバッテリー識別コードとマッチングされる残存価値をマッピングし、マッピングされたバッテリー残存価値情報をネットワーク40を通じて外部サーバー80(保険会社サーバー)へ伝送し得る。
【0202】
バッテリーサービスサーバー30は、外部サーバー80(保険会社サーバー)がバッテリー残存価値情報を照会することに対して課金を行い得る。これによって、バッテリー残存価値情報を要請した保険会社の識別コードと残存価値情報の提供に対する課金情報をデータベース60の課金情報保存部68に保存するように構成され得る。
【0203】
外部サーバー80(保険会社サーバー)は、バッテリーサービスサーバー30からバッテリー残存価値に関わる情報を受信した後、バッテリー51を除いた電気車50の残存価値を算定する。電気車50の残存価値は、老朽化程度と使用期間を考慮して決定し得る。また、外部サーバー80(保険会社サーバー)は、バッテリー残存価値と電気車50の残存価値を合算して電気車50全体の価格を算定し、算定された価格から計算された代物弁済保険金を算出してネットワーク40を通じて電気車50の電気車制御装置52または移動通信端末機90で駆動されるバッテリー管理ソフトウェアに伝送し得る。そうすると、電気車制御装置52は、電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じて代物弁済保険金に関わる情報を表示し得る。また、バッテリー管理ソフトウェアは、移動通信端末機90のディスプレイを通じて代物弁済保険金に関わる情報を表示し得る。
【0204】
使用者は電気車50の統合情報ディスプレイ53または移動通信端末機90のディスプレイを通じて表示された保険金に関わる情報を確認した後、自動車保険加入申請情報を外部サーバー80(保険会社サーバー)へ伝送し得る。
【0205】
加入申請情報は電気車50の車両番号、電気車50のモデル及び年式、使用者の氏名、住民番号、住所、連絡先(電話番号、メールアドレスなど)、決済手段、決済情報などを含み得る。
【0206】
外部サーバー80(保険会社サーバー)は、場合によって電気車50の使用者が自動車保険に加入しようとするとき、バッテリーサービスサーバー30で提供するバッテリー性能管理サービスの加入を前提にして保険料の割引イベントを提供し得る。
【0207】
さらに他面によると、中古電気車の電子商取引サーバーは、外部サーバー80のさらに他の実施例としてネットワーク40を通じてバッテリーサービスサーバー30に接続し得る。外部サーバー80(電子商取引サーバー)は、電気車50の使用者が電気車50を販売品物として登録する過程で使用者から電気車識別コード(車両固有番号)が入力され得る。外部サーバー80(電子商取引サーバー)は、電気車制御装置52が電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じて提供する使用者インタフェースを用いて、または移動通信端末機90で駆動されたバッテリー管理ソフトウェアを用いて接続が可能である。また、外部サーバー80(電子商取引サーバー)は、電気車50の使用者がコンピューターまたは移動通信端末機90にインストールされたブラウザーを用いて接続することも可能である。
【0208】
外部サーバー80(電子商取引サーバー)は、電気車50の使用者から電気車50に関わる販売申請を受信するとき、電気車識別コード(車両固有番号)を共に受信し得る。そうすると、外部サーバー80(電子商取引サーバー)は、電気車識別コードをネットワーク40を通じてバッテリーサービスサーバー30に伝送する。そうすると、バッテリーサービスサーバー30は、データベース60のバッテリー識別情報保存部61を参照して電気車識別コードとマッチングされて保存されたバッテリー識別コードを読み出し、データベース60のバッテリー残存価値保存部65でバッテリー識別コードとマッチングされる残存価値をマッピングし、マッピングされたバッテリー残存価値情報をネットワーク40を通じて外部サーバー80(電子商取引サーバー)に伝送し得る。
【0209】
バッテリーサービスサーバー30は、外部サーバー80(電子商取引サーバー)がバッテリー残存価値情報を照会することに対して課金を行い得る。これによって、バッテリーサービスサーバー30は、バッテリー残存価値情報を要請した電子商取引会社の識別コードと残存価値情報提供に対する課金情報をデータベース60の課金情報保存部68に保存するように構成され得る。
【0210】
外部サーバー80(電子商取引サーバー)は、バッテリーサービスサーバー30からバッテリー残存価値に対する情報を受信した後、電気車50の使用期間に応じて電気車50の残存価値を算定する。また、外部サーバー80(電子商取引サーバー)は、バッテリー残存価値と電気車50の残存価値を合算して電気車50の中古価格を算定し、当該中古価格を電気車50の推薦販売価格情報として電気車50の電気車制御装置52または移動通信端末機90で駆動されたバッテリー管理ソフトウェアに伝送する。そうすると、電気車制御装置52は、電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じて電気車50の推薦販売価格情報を出力し得る。また、バッテリー管理ソフトウェアは、移動通信端末機90のディスプレイを通じて電気車50の推薦販売価格情報を出力し得る。
【0211】
使用者は、電気車50の推薦販売価格情報を確認した後、電気車50の中古販売申請情報をネットワーク40を通じて外部サーバー80(電子商取引サーバー)に伝送し得る。中古販売申請は、電気車制御装置52が電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じて提供する使用者インタフェースを通じて行われ得る。また、中古販売申請は、バッテリー管理ソフトウェアが移動通信端末機90のディスプレイを通じて提供する使用者インタフェースを通じて行われ得る。また、中古販売申請は、外部サーバー80(電子商取引サーバー)が提供するウェプページまたは外部サーバー80(電子商取引サーバー)が提供する専用モバイルアプリケーションによって行われ得る。
【0212】
中古販売申請情報は、電気車50の車両番号、電気車50のモデル及び年式、使用者識別情報(ID)、連絡先(電話番号、メールアドレスなど)、電気車50の販売価格などを含み得る。
【0213】
外部サーバー80(電子商取引サーバー)は、場合によって電気車50の使用者が電気車50の販売申請をするとき、バッテリーサービスサーバー30に接続して販売申請された電気車50のバッテリーが性能管理サービスに加入されているか否かと加入期間を照会して電気車50の価格を予め決定された割合によって引き上げ得る。
【0214】
さらに他面によると、バッテリー保証会社のウォーランディ認証サーバーは、外部サーバー80のさらに他の実施例としてバッテリーサービスサーバー30に接続し得る。ウォーランディ認証サーバーは、バッテリー保証会社に備えられ得る。外部サーバー80(ウォーランディ認証サーバー)は、電気車50の整備過程などで電気車50に搭載されたバッテリー51が製造社によって保証されたものであるかを認証する過程でウォーランディ認証要請者のコンピューターが接続するサーバーである。
【0215】
外部サーバー80(ウォーランディ認証サーバー)には、電気車50に搭載されたバッテリーの性能管理(即ち、バッテリー退化度診断に基づく充放電制御ロジッグのアップデート)が持続的に行われたか否かを確認しようとするウォーランディ認証要請者の端末機から電気車識別コードまたはバッテリー51の表面に印刷されたバッテリー識別コードが入力され得る。認証要請者は、電気車50の整備者などであり得る。外部サーバー80(ウォーランディ認証サーバー)には、ウォーランディ認証要請者の端末機からネットワーク40を通じて電気車識別コードまたはバッテリー識別コードが入力され得る。
【0216】
外部サーバー80(ウォーランディ認証サーバー)は、電気車識別コードまたはバッテリー識別コードをネットワーク40を通じてバッテリーサービスサーバー30に伝送する。そうすると、バッテリーサービスサーバー30は、データベース60の保証フラグ保存部68を参照して電気車識別コードまたはバッテリー識別コードに該当するバッテリーに対して保証フラグが設定されているかを識別する。もし、保証フラグが設定されていると、バッテリーサービスサーバー30は、ウォーランディ認証成功メッセージをネットワーク40を通じて外部サーバー80(ウォーランディ認証サーバー)に伝送し得る。これによって、ウォーランディ認証要請者は、電気車50に搭載されたバッテリー51の性能管理が所定時間の間に持続的に管理されることによって当該バッテリー51が電気化学的性能と残存寿命が保証されたバッテリーであることを確認することができる。
【0217】
さらに他面で、広告会社の広告サーバーは、外部サーバー80のさらに他の実施例としてバッテリーサービスサーバー30に接続し得る。外部サーバー80(広告サーバー)は、広告主のコンピューターから位置に応じたターゲット広告情報を受けて、ネットワーク40を通じてバッテリーサービスサーバー30に伝送する。ターゲット広告は、望ましくは、動画像広告であり得る。そうすると、バッテリーサービスサーバー30は、データベース60にターゲット広告情報を位置座標とマッチングして保存する。また、バッテリーサービスサーバー30は、電気車50の電気車制御装置52から診断分析データを収集するとき、電気車50の移動経路情報をさらに収集し得る。この場合、バッテリーサービスサーバー30は、電気車50の移動経路またはその隣接場所の位置座標に対応するターゲット広告情報がデータベース60に記録されているかを照会する。もし、ターゲット広告情報が記録されていると、バッテリーサービスサーバー30は、ターゲット広告情報をデータベース60から読み出してネットワーク40を通じて電気車制御装置52または移動通信端末機90のバッテリー管理ソフトウェアに伝送する。そうすると、電気車制御装置52は、電気車50の統合情報ディスプレイ53を通じてターゲット広告(動画像)を出力し得る。また、バッテリー管理ソフトウェアは、移動通信端末機90のディスプレイを通じてターゲット広告(動画像)を出力し得る。ターゲット広告は、電気車50が充電ステーションで充電される間、または電気車50が停止している間に出力されることが望ましい。これによって、電気車50の使用者に電気車50の移動経路とマッチングされるターゲット広告が提供できるため、ターゲット広告効果を極大化することができる。
【0218】
本発明によると、電気車のバッテリー性能を高い信頼性で評価してバッテリーの充放電制御ロジッグをバッテリーの性能に合わせて最適化することができるので、バッテリーの使用寿命を延ばすことができるだけでなく、安全性も高めることができる。
【0219】
また、バッテリーの残存寿命情報に関わる高い信頼性の情報を電気車の使用者に提供することで適切な時点でバッテリーの交替を誘導できるだけでなく、バッテリー製造社の信頼性も高めることができる。
【0220】
また、電気車の運転者の運転習慣とバッテリー残存寿命との相関関係データに関わるデータベースを駆逐することで、自動車保険会社の正確な保険料の算定資料として活用可能である。
【0221】
また、電気車バッテリーの残存価値を合理的に策定できる方法を提供することで保険市場と中古車取引市場を活性化させることができる。
【0222】
また、電気車に搭載されるバッテリーをレンタル方式で使用可能な課金サービスを提供することで電気車の購入負担を軽減させ、結果としては電気車市場の急速な成長を図ることができる。
【0223】
また、定期的に性能管理を受けたバッテリーに対しては保証サービスを提供することで、該当のバッテリーを搭載した電気車の流通時、または該当のバッテリーの再使用時、性能の信頼性を保障することができる。
【0224】
また、電気車の移動経路とマッチングされるターゲット広告情報を電気車の使用者に露出することで、広告効果を極大化したターゲット広告が可能である。
【0225】
本発明の多様な実施様態を説明するに際し、「~サーバー」と命名された構成要素は、物理的に区分される要素というよりは、機能的に区分される要素として理解されなければならない。したがって、各々の構成要素は、他の構成要素と選択的に統合されるか、または各々の構成要素が制御ロジッグの効率的な実行のためにサブ構成要素に分割され得る。しかし、構成要素が統合または分割されても機能の同一性が認められるなら、統合または分割された構成要素も本発明の範囲内にあると解釈すべきことは、当業者にとって自明である。
【0226】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術分野における通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
[項目1]
電気車に搭載されたバッテリーの動作特性情報と前記電気車の運行特性情報を収集して管理する電気車制御装置と、
ネットワークを通じて前記電気車制御装置と通信可能に接続されたバッテリーサービスサーバーと、
前記バッテリーサービスサーバーがアクセス可能に前記バッテリーサービスサーバーと接続されたデータベースと、を含み、
前記バッテリーサービスサーバーは、
前記電気車制御装置から前記ネットワークを通じて前記バッテリーの動作特性情報と前記電気車の運行特性情報を含む診断分析データを収集して前記データベースに保存し、
前記診断分析データから前記バッテリーの退化度を決定し、
(a)前記決定された退化度によって前記バッテリーの充放電制御ロジッグのアップデート情報を生成して前記電気車制御装置に提供するか、
(b)前記決定された退化度に基づいて前記バッテリーの残存価値を決定するか、
(c)前記決定された退化度に基づいて前記バッテリーの使用料金を決定するか、
(d)前記バッテリーの使用料金または残存価値を外部サーバーの要請に応じて前記外部サーバーに伝送するか、
(e)前記充放電制御ロジッグのアップデート情報に基づいて充放電制御が行われるバッテリーに対し、保証フラグを設定するように構成された、バッテリーサービス提供システム。
[項目2]
前記バッテリーサービスサーバーは、前記ネットワークを通じて前記電気車制御装置から電気車モデルコード、電気車識別コード、バッテリーモデルコード及びバッテリー識別コードのうち選択された少なくとも一つを含む識別情報を収集し、前記診断分析データを識別情報とマッチングして前記データベースに保存するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目3]
前記データベースは、バッテリーモデル及び退化度別に定義された電圧プロファイル情報が保存されたデータ領域を含み、
前記バッテリーサービスサーバーは、前記診断分析データが収集されたバッテリーモデルと対応する退化度別の電圧プロファイル情報を参照して前記診断分析データに含まれた電圧プロファイルと類似度が最も高い電圧プロファイルを識別し、前記識別された電圧プロファイルに対応する退化度を前記バッテリーの退化度として決定して前記データベースに保存するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目4]
前記充放電制御ロジッグのアップデート情報は、
充電状態区間毎に適用される充電電流の大きさ、充電上限電圧値、放電下限電圧値、最大充電電流、最大放電電流、最小充電電流、最小放電電流、最大温度、最小温度、充電状態別のパワーマップ及び充電状態別の内部抵抗マップのうち選択された少なくとも一つを含むか、
前記バッテリーがパルス充放電される場合、パルス電流デューティ比の上限、パルス電流デューティ比の下限、パルス電流デュレーションの上限、パルス電流デュレーションの下限、パルス電流の最大値及びパルス電流の最小値のうち選択された少なくとも一つを含むか、
前記バッテリーがステップ充電される場合、前記充電状態区間毎に適用される前記充電電流の大きさを含むか、または、
前記バッテリーがCC/CVモードで充電される場合、定電流充電(CC)モードにおける電流の大きさ、前記定電流充電(CC)モードが終了するカットオフ電圧及び定電圧充電(CV)モードにおける電圧の大きさのうち選択された少なくとも一つを含む、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目5]
前記バッテリーサービスサーバーは、前記電気車制御装置から収集された前記診断分析データをリアルタイムで分析してバッテリーの退化度を決定し、前記決定された退化度をバッテリー識別コードとマッチングして前記データベースに保存するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目6]
前記バッテリーサービスサーバーは、前記データベースにビックデータとして保存された他のバッテリーの診断分析データと退化度情報を用いて診断分析データと退化度との相関関係を人工知能モデルに学習させ、前記学習された人工知能モデルを用いて前記電気車制御装置から収集された診断分析データからバッテリーの退化度を決定するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目7]
前記バッテリーサービスサーバーは、同じモデルの他のバッテリーから収集された診断分析データと退化度情報を用いて人工知能モデルを学習させるように構成された、項目6に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目8]
前記バッテリーサービスサーバーは、前記電気車制御装置によって、前記電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機によって提供される使用者インタフェースを通じて前記電気車に搭載された前記バッテリーの識別コードとバッテリー性能管理サービスに関わる利用申請情報を受信し、
前記利用申請情報が受信されたバッテリーに対して前記充放電制御ロジッグのアップデート情報を生成して前記電気車制御装置に提供するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目9]
前記バッテリーサービスサーバーは、前記利用申請情報の受信段階で決済情報をさらに受信し、前記充放電制御ロジッグのアップデート情報の生成と提供に対して課金をするように構成された、項目8に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目10]
前記バッテリーサービスサーバーは、バッテリーの退化度によって残存価値を定義した残存価値ルックアップテーブルを参照して前記決定された退化度に対応する残存価値を算出し、前記電気車制御装置と連動された前記電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機のディスプレイを通じて提供するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目11]
前記バッテリーサービスサーバーは、前記電気車制御装置から前記診断分析データと共にバッテリーの累積充放電量をさらに受け、前記累積充放電量と前記退化度に基づいて前記バッテリーの使用料金を算出して、前記電気車制御装置と連動された電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機のディスプレイを通じて提供するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目12]
前記外部サーバーは保険会社の保険会社サーバーであり、
前記バッテリーサービスサーバーは、前記ネットワークを通じて前記保険会社サーバーからバッテリー識別コードを受信し、前記データベースを参照して前記受信されたバッテリー識別コードと対応するバッテリーの残存価値情報を決定し、決定されたバッテリーの残存価値情報を前記保険会社サーバーに提供するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目13]
前記外部サーバーは、中古電気車の電子商取引サーバーであり、
前記バッテリーサービスサーバーは、前記ネットワークを通じて前記電子商取引サーバーからバッテリー識別コードを受信し、前記データベースを参照して前記受信されたバッテリー識別コードに対応するバッテリーの残存価値情報を決定し、決定されたバッテリーの残存価値情報を前記電子商取引サーバーに提供するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目14]
前記外部サーバーは、前記バッテリーのウォーランディ認証を要請するバッテリー保証会社のウォーランディ認証サーバーであり、
前記バッテリーサービスサーバーは、前記ネットワークを通じて前記ウォーランディ認証サーバーからバッテリー識別コードを受信し、前記データベースを参照して前記受信されたバッテリー識別コードに対応する保証フラグが前記データベースに存在するかを決定し、前記保証フラグが存在すると、前記ウォーランディ認証サーバーへウォーランディ認証成功メッセージを伝送するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目15]
前記バッテリーサービスサーバーは、広告サーバーから位置座標によるターゲット広告情報を受信して前記データベースに保存し、
前記診断分析データを前記電気車制御装置から受信する間に電気車の移動経路に関わる運行情報をさらに受信し、電気車の移動経路にマッチングされるターゲット広告情報を前記データベースから照会して前記電気車制御装置と連動された電気車の統合情報ディスプレイまたは使用者の移動通信端末機のディスプレイを通じて提供するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目16]
前記バッテリーサービスサーバーは、前記電気車の前記バッテリーが充電ステーションで充電される間に前記診断分析データを充電ステーションを通じて前記電気車制御装置から収集するか、または、前記電気車が運行中または停車中に前記電気車制御装置から前記診断分析データを収集するように構成された、項目1に記載のバッテリーサービス提供システム。
[項目17]
電気車制御装置からネットワークを通じてバッテリーの動作特性情報と電気車の運行特性情報を含む診断分析データを収集してデータベースに保存する段階と、
前記診断分析データから前記バッテリーの退化度を決定する段階と、
前記決定された退化度によってバッテリーの充放電制御ロジッグのアップデート情報を生成して前記電気車制御装置に提供する段階、前記決定された退化度に基づいて前記バッテリーの残存価値を決定する段階、前記決定された退化度に基づいて前記バッテリーの使用料金を決定する段階、前記バッテリーの使用料金または残存価値を外部サーバーの要請に応じて前記外部サーバーへ伝送する段階、及び前記充放電制御ロジッグのアップデート情報に基づいて充放電制御が行われるバッテリーに対して保証フラグを設定する段階からなる群より選択されたいずれか一つの段階とを含む、バッテリーサービス提供方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10