(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】吸入可能媒体を生成するための装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20241125BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20241125BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20241125BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20241125BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/50
A24F40/57
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2023504313
(86)(22)【出願日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 EP2021071913
(87)【国際公開番号】W WO2022029248
(87)【国際公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-03-15
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】モロニー, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】スプラトリー, ジョン ピーター フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンス, フランチェスカ アリス
(72)【発明者】
【氏名】フィンチ, アンディ
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン, アダム
(72)【発明者】
【氏名】コプリー, サイモン ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】モス, ダニエル ジェラッド
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-532009(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0011334(KR,A)
【文献】国際公開第2013/012157(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/170897(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0221782(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を含む消耗品を受け入れるためのチャンバであって、使用時に前記消耗品の一部分が前記チャンバから突出する、チャンバと、
前記チャンバに受け入れられた前記消耗品から吸入可能媒体を生成するためのエアロゾル生成器と、
動力源から前記エアロゾル生成器への動力の供給を制御するためのコントローラと、
使用時に前記チャンバから突出した前記消耗品の前記一部分を少なくとも部分的に覆うための可動構成要素であって、前記可動構成要素が、前記消耗品の前記一部分が露出された第1の位置と、前記消耗品の前記一部分が少なくとも部分的に覆われた第2の位置との間で移動可能である、可動構成要素と
を備え、
前記コントローラが、前記可動構成要素が前記第1の位置にあるときには、前記可動構成要素が前記第2の位置にあるときと比べて異なる量の動力を供給するように構成さ
れ、
前記コントローラが、前記可動構成要素が前記第2の位置にあるときに、前記動力源から前記エアロゾル生成器に動力を供給して前記エアロゾル生成材料を前記エアロゾル生成材料のエアロゾル生成温度よりも低い温度範囲内に維持するように構成される、
エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記可動構成要素が、前記第2の位置において、前記可動構成要素が前記チャンバ内への開口を少なくとも部分的に覆うように構成され、前記消耗品が前記開口を通って前記チャンバ内に挿入可能である、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記可動構成要素が、前記第1の位置と前記第2の位置との間でヒンジの周りを回転するように構成された、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
前記可動構成要素が、前記第1の位置と前記第2の位置との間で滑動するように構成された、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記可動構成要素が前記デバイスから完全に分離可能であり、前記第1の位置において前記可動構成要素が前記デバイスの本体から取り外され、前記第2の位置において前記可動構成要素が前記デバイスの前記本体に取り外し可能に接続された、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
後退機構であって、使用時に前記消耗品の前記一部分が露出された伸長位置と、使用時に、前記後退機構が前記伸長位置にあるときと比べて前記消耗品の前記一部分が前記チャンバ内に少なくとも部分的に後退された後退位置との間で移動可能な前記後退機構を備えた、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記後退機構が、前記後退機構を前記伸長位置と前記後退位置との間で移動させるように構成された回転機構を備えた、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記エアロゾル供給デバイスが互いに対して回転可能な複数の外部構成要素を備え、前記複数の外部構成要素のうちの第1のものが、前記複数の外部構成要素のうちの第2のものに対して回転して、前記後退機構を前記伸長位置と前記後退位置との間で移動させるように構成された、請求項7に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記後退機構が、前記後退機構を前記伸長位置と前記後退位置との間で移動させるように構成されたスライダーを備え、使用時に、前記スライダーが、前記消耗品を前記チャンバに対して前記チャンバの長手方向軸線に沿って並進させる、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記後退機構が前記伸長位置にあるときに前記可動構成要素が前記第1の位置にあり、前記後退機構が前記後退位置にあるときに前記可動構成要素が前記第2の位置にあるように、前記可動構成要素の移動が前記後退機構の移動と連係された、請求項6~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記可動構成要素を前記第1の位置及び/又は前記第2の位置に向かって付勢する付勢部材を備えた、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記可動構成要素を前記第1の位置及び/又は前記第2の位置にロックするロック部材を備えた、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記コントローラが、前記可動構成要素が前記第1の位置にあるときには、前記可動構成要素が前記第2の位置にあるときよりも前記動力源から前記エアロゾル生成器により多くの動力を供給するように構成された、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記コントローラが、前記可動構成要素が前記第1の位置にあるときに、前記動力源から前記エアロゾル生成器に十分な動力を供給して、前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成された、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記コントローラが、使用時に、前記可動構成要素が前記第1の位置にあるときに、予め定められた加熱プロファイルに従って前記消耗品を加熱し、前記可動構成要素が前記第2の位置に移動された場合には、前記予め定められた加熱プロファイルを中断するように構成され、
前記コントローラが、前記可動構成要素が前記第1の位置に戻された場合には、前記予め定められた加熱プロファイルに従って前記消耗品の加熱を再開するように構成された、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記コントローラが、使用時に、ユーザが吹かしたときから予め定められた時間が経過した場合には、前記第1の位置から前記第2の位置への前記可動構成要素の移動をもたらすように構成された、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記コントローラが、使用時に、使用セッションの開始から予め定められた時間後に、前記第1の位置から前記第2の位置への前記可動構成要素の移動をもたらすように構成された、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記可動構成要素の位置を検知するセンサを備え、前記コントローラが、前記センサによって判定された前記可動構成要素の前記位置に応じて前記動力源から前記エアロゾル生成器に動力を供給するように構成された、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
請求項1~
18のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料を含む消耗品であって、前記消耗品が前記デバイスの前記チャンバに受け入れられるように構成された、消耗品と
を備え、
前記デバイスが、使用時に、前記エアロゾル生成材料から吸入可能媒体を生成するように構成された、エアロゾル供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸入可能媒体を生成するための装置及びシステムに関する。吸入可能媒体を生成するための装置の例はエアロゾル供給デバイスである。吸入可能媒体を生成するためのシステムの例は、エアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を含む消耗品とを備えたエアロゾル供給システムである。
【背景技術】
【0002】
(背景)
紙巻タバコ、葉巻タバコなどの喫煙品は、使用中に、タバコを燃やしてタバコ煙を生む。タバコを燃やすこれらの喫煙品に対する代替物を、燃やすことなしに化合物を放出する製品を生むことによって提供する試みがなされている。このような製品の例としては、材料を燃やすことによってではなく加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスがある。材料は、例えば、タバコ又は他の非タバコ製品でもよく、ニコチンを含有してもよく、又は含有しなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
(概要)
一態様によると、エアロゾル供給デバイスが提供される。デバイスは吸入可能媒体を生成するためのものである。デバイスは、エアロゾル生成材料を含む消耗品を受け入れるためのチャンバであって、使用時に消耗品の一部分がチャンバから突出する、チャンバを備える。デバイスは、チャンバに受け入れられた消耗品から吸入可能媒体を生成するためのエアロゾル生成器を備える。デバイスは、動力源からエアロゾル生成器への動力の供給を制御するためのコントローラを備える。デバイスは、使用時にチャンバから突出した前記消耗品の一部分を少なくとも部分的に覆うための可動構成要素であって、可動構成要素は、消耗品の一部分が露出された第1の位置と、消耗品の一部分が少なくとも部分的に覆われた第2の位置との間で移動可能である、可動構成要素を備える。コントローラは、可動構成要素が第1の位置にあるときには、可動構成要素が第2の位置にあるときと比べて異なる量の動力を供給するように構成される。いくつかの実施形態において、コントローラは、可動構成要素が第2の位置にあるときに、エアロゾル生成器に動力を供給しないように構成される。他の実施形態において、コントローラは、可動構成要素が第2の位置にあるときに、いくらかの動力が供給されるが、供給される動力のレベルが吸入可能媒体を生成するためには不十分であるように動力の供給を制御するためのものである。
【0004】
いくつかの実施形態において、可動構成要素は、第2の位置において、可動構成要素がチャンバ内への開口を少なくとも部分的に覆うように構成され、消耗品は開口を通ってチャンバ内に挿入可能である。
【0005】
いくつかの実施形態において、可動構成要素は、第1の位置と第2の位置との間でヒンジの周りを回転するように構成される。
【0006】
いくつかの実施形態において、可動構成要素は、第1の位置と第2の位置との間で滑動するように構成される。
【0007】
いくつかの実施形態において、可動構成要素はデバイスから完全に分離可能であり、第1の位置において可動構成要素はデバイスの本体から取り外され、第2の位置において可動構成要素はデバイスの本体に取り外し可能に接続される。
【0008】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスは、後退機構であって、使用時に消耗品の一部分が露出された伸長位置と、使用時に、後退機構が伸長位置にあるときと比べて消耗品の一部分がチャンバ内に少なくとも部分的に後退された後退位置との間で移動可能な後退機構を備える。
【0009】
いくつかの実施形態において、後退機構は、後退機構を伸長位置と後退位置との間で移動させるように構成された回転機構を備える。
【0010】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスは互いに対して回転可能な複数の外部構成要素を備え、複数の外部構成要素のうちの第1のものは、複数の外部構成要素のうちの第2のものに対して回転して、後退機構を伸長位置と後退位置との間で移動させるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態において、後退機構は、後退機構を伸長位置と後退位置との間で移動させるように構成されたスライダーを備え、使用時に、スライダーは、消耗品をチャンバに対してチャンバの長手方向軸線に沿って並進させる。
【0012】
いくつかの実施形態において、後退機構が伸長位置にあるときに可動構成要素が第1の位置にあり、後退機構が後退位置にあるときに可動構成要素が第2の位置にあるように、可動構成要素の移動が後退機構の移動と連係されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスは、可動構成要素を第1の位置及び/又は第2の位置に向かって付勢する付勢部材を備える。
【0014】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスは、可動構成要素を第1の位置及び/又は第2の位置にロックするロック部材を備える。
【0015】
いくつかの実施形態において、コントローラは、可動構成要素が第1の位置にあるときには、可動構成要素が第2の位置にあるときよりも動力源からエアロゾル生成器により多くの動力を供給するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態において、コントローラは、可動構成要素が第1の位置にあるときに、動力源からエアロゾル生成器に十分な動力を供給して、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態において、コントローラは、使用時に、可動構成要素が第1の位置にあるときに、予め定められた加熱プロファイルに従って消耗品を加熱し、可動構成要素が第2の位置に移動された場合には、予め定められた加熱プロファイルを中断するように構成され、コントローラは、可動構成要素が第1の位置に戻された場合には、予め定められた加熱プロファイルに従って消耗品の加熱を再開するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態において、コントローラは、使用時に、ユーザが吹かしたときから予め定められた時間が経過した場合には、第1の位置から第2の位置への可動構成要素の移動をもたらすように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態において、コントローラは、使用時に、使用セッションの開始から予め定められた時間後に、第1の位置から第2の位置への可動構成要素の移動をもたらすように構成される。
【0020】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスは、可動構成要素の位置を検知するセンサを備え、コントローラは、センサによって判定された可動構成要素の位置に応じて動力源からエアロゾル生成器に動力を供給するように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態において、コントローラは、可動構成要素が第2の位置にあるときに、動力源からエアロゾル生成器に動力を供給してエアロゾル生成材料をエアロゾル生成材料のエアロゾル生成温度よりも低い温度範囲内に維持するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態において、コントローラは、可動構成要素が第2の位置にあるときに、動力源からエアロゾル生成器に動力を供給しないように構成される。
【0023】
一態様によると、本発明の第1の態様によるエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料を含む消耗品であって、消耗品はデバイスのチャンバに受け入れられるように構成された、消耗品とを備えたエアロゾル供給システムが提供される。デバイスは、使用時に、エアロゾル生成材料から吸入可能媒体を生成するように構成される。
【0024】
一態様によると、エアロゾル供給デバイスが提供される。エアロゾル供給デバイスは吸入可能媒体を生成するためのものである。エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を含む消耗品を受け入れるためのエアロゾル生成領域と、往復移動構成要素と、往復移動構成要素を少なくとも部分的に収容するための収容部材と、使用時に、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために収容部材に対して移動可能な駆動部材とを備える。
【0025】
いくつかの実施形態において、駆動部材は、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために軸線の周りを移動するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態において、駆動部材は、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために往復移動の軸線の周りを移動するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態において、駆動部材は、収容部材に対して回転の軸線の周りを回転可能である。いくつかの実施形態において、駆動部材の回転の軸線は往復移動構成要素の往復移動の軸線と平行である。
【0028】
いくつかの実施形態において、駆動部材は、使用時に、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために収容部材に対して回転可能である。
【0029】
いくつかの実施形態において、駆動部材は、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために往復移動の軸線と平行な軸線に沿って移動するように構成される。いくつかの実施形態において、駆動部材は、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために往復移動の軸線に沿って移動するように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態において、駆動部材は、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために往復移動の軸線の周りを移動するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態において、駆動部材の移動は、螺旋状の経路に沿った移動を含む。
【0032】
いくつかの実施形態において、往復移動構成要素は、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために往復移動の軸線に沿って移動するように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態において、往復移動構成要素は、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために往復移動の軸線の周りを移動するように構成される。
【0034】
いくつかの実施形態において、往復移動構成要素の移動は、螺旋状の経路に沿った移動を含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、収容部材及び往復移動構成要素は互いに対して回転可能であり、駆動部材が往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすときに、収容部材及び往復移動構成要素が互いに対して回転する。
【0036】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスは、収容部材及び駆動部材によって形成された筐体を備える。
【0037】
いくつかの実施形態において、往復移動構成要素はマウスピースであり、マウスピースを通じて、エアロゾル生成材料から生成されたエアロゾルがエアロゾル供給デバイスのユーザによって引き出される。
【0038】
いくつかの実施形態において、往復移動構成要素は、エアロゾル生成材料を含む消耗品を受け入れるように構成されたチャンバである。
【0039】
いくつかの実施形態において、収容部材は、使用時に、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすために駆動部材と一緒に移動可能である。いくつかの実施形態において、駆動部材及び収容部材の移動は、それぞれの螺旋状の経路に沿った移動を含む。
【0040】
一態様によると、エアロゾル供給システムが提供される。エアロゾル供給システムは、本発明の第3の態様によるエアロゾル供給デバイスを備え、往復移動構成要素はエアロゾル生成材料を含む消耗品である。
【0041】
一態様によると、駆動部材と収容部材と往復移動構成要素とを備えたエアロゾル供給デバイスを構成する方法が提供される。方法は、駆動部材及び往復移動構成要素を少なくとも部分的に収容するための収容部材を相対的に移動させて往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすステップを含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、相対的往復移動は、収容部材による往復移動構成要素の覆いを少なくとも部分的に除去することをもたらす。
【0043】
いくつかの実施形態において、相対的往復移動は、収容部材によって往復移動構成要素を少なくとも部分的に覆うことをもたらす。
【0044】
いくつかの実施形態において、相対的に移動させて収容部材による往復移動構成要素の覆いを少なくとも部分的に除去することをもたらすステップは、駆動部材と収容部材とを第1の方向に相対的に回転させることを含み、相対的に移動させて収容部材によって往復移動構成要素を少なくとも部分的に覆うことをもたらすステップは、駆動部材と収容部材とを第1の方向に相対的に回転させることを含む。
【0045】
いくつかの実施形態において、相対的に移動させて収容部材による往復移動構成要素の覆いを少なくとも部分的に除去することをもたらすステップは、駆動部材と収容部材とを第1の方向に相対的に回転させることを含み、相対的に移動させて収容部材によって往復移動構成要素を少なくとも部分的に覆うことをもたらすステップは、駆動部材と収容部材とを第1の方向とは異なる第2の方向に相対的に回転させることを含む。いくつかの実施形態において、第1の方向は第1の方向の反対方向である。
【0046】
いくつかの実施形態において、相対的に移動させて収容部材による往復移動構成要素の覆いを少なくとも部分的に除去することをもたらすステップは、駆動部材と収容部材とを経路に沿って前方に相対的に回転させることを含み、相対的に移動させて収容部材によって往復移動構成要素を少なくとも部分的に覆うことをもたらすステップは、駆動部材と収容部材とを経路に沿って後方に相対的に回転させることを含む。
【0047】
本発明の更なる特徴及び利点は、単なる例示として与えられた、添付の図面を参照してなされる本発明の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0048】
次に、本発明の実施形態が、単なる例示として、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1a】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの断面図を図示する。
【
図1b】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの断面図を図示する。
【
図2a】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの断面図を図示する。
【
図2b】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの断面図を図示する。
【
図3a】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの断面図を図示する。
【
図3b】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの断面図を図示する。
【
図4a】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの断面図を図示する。
【
図4b】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの断面図を図示する。
【
図4c】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの側面図を図示する。
【
図5】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスによって提供される加熱プロファイルの図式的表現を図示する。
【
図6a】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの概略的表現を図示する。
【
図6b】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの概略的表現を図示する。
【
図7a】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの概略的表現を図示する。
【
図7b】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスの概略的表現を図示する。
【
図8】本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスを構成する方法の例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0050】
(詳細な説明)
本開示は、非燃焼式エアロゾル供給デバイスなどのエアロゾル供給デバイス、及び非燃焼式エアロゾル供給システムなどのエアロゾル供給システムに関する。本開示によると、「非燃焼式」エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル供給デバイス(又はその構成要素)のチャンバによって受け入れられるための消耗品に含まれる成分であるエアロゾル生成材料が、ユーザへのエアロゾル生成材料の送達を促進するために燃焼されない又は燃やされないものである。いくつかの実施形態において、非燃焼式エアロゾル供給システムなどのエアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスなどのエアロゾル供給デバイス(本明細書において、ときに、装置と称される)と、エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品とを備え、消耗品はエアロゾル生成材料を含む。
【0051】
本明細書において使用されるとき、「エアロゾル生成材料」という用語は、加熱に際して揮発成分を典型的にはエアロゾルの形態で提供する材料を含む。エアロゾル生成材料は、任意のタバコ含有材料を含み、例えば、タバコ、タバコ派生品、膨化タバコ、再生タバコ、又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含み得る。エアロゾル生成材料は、他の非タバコ製品も含み得、製品に応じて、ニコチンを含有してもよく、又は含有しなくてもよい。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、ゲル、ワックスなどの形態であり得る。エアロゾル生成材料は、例えば、材料の組み合わせ又はブレンドであってもよい。エアロゾル生成材料は香味料を含み得る。エアロゾル生成材料は「喫煙材」又は「エアロゾル化可能材料」としても知られている場合がある。
【0052】
本明細書において使用されるとき、「タバコ材料」という用語は、タバコ又はタバコ派生品を含む任意の材料を指す。「タバコ材料」という用語は、タバコ、タバコ派生品、膨化タバコ、再生タバコ又はタバコ代替品のうちの1つ又は複数を含み得る。タバコ材料は、挽きタバコ、タバコ繊維、刻みタバコ、押出タバコ、タバコステム、再生タバコ及び/又はタバコ抽出物のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0053】
タバコ材料を製造するために使用されるタバコは、Virginia及び/又はBurley及び/又はOrientalを含むシングルグレード又はブレンド、カットラグ或いはホールリーフなどの任意の適切なタバコであり得る。タバコ材料を製造するために使用されるタバコは、タバコ粒子「ファイン」又はダスト、膨化タバコ、ステム、膨化ステム、及びカットロールステムなどの他の処理済みステム材料であってもよい。タバコ材料は挽きタバコ又は再生タバコ材料であってもよい。再生タバコ材料はタバコ繊維を含み得、鋳造、タバコ抽出物のバックアディションを有するFourdrinier式の製紙タイプの手法、又は押出成形によって形成され得る。
【0054】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給システムは、蒸気吸入デバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル生成材料におけるニコチンの存在は必須要件ではないことに留意されたい。
【0055】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているタバコ加熱システムである。
【0056】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組み合わせを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、エアロゾル生成材料の組み合わせのうちの1つ又は複数が加熱され得る。エアロゾル生成材料の各々は、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であり得、ニコチンを含有してもよく、又は含有しなくてもよい。いくつかの実施形態において、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルエアロゾル生成材料及び固体エアロゾル生成材料を含む。固体エアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含み得る。
【0057】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給システムは動力源を備え得る。動力源は、例えば、電力源であり得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品は、エアロゾル生成構成要素、エアロゾル生成エリア、マウスピース、及び/又はエアロゾル生成材料を受け入れるためのエリアを備え得る。
【0059】
消耗品は、エアロゾル生成材料を含む、又はエアロゾル生成材料から成る物品であり、使用中に、その一部分又は全体がユーザによって消費されるものと意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料貯蔵エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成エリア、収容部、包装材、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル改質剤などの1つ又は複数の他の構成要素を備え得る。消耗品は、使用時に熱を発してエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させる加熱器などのエアロゾル生成器も備え得る。加熱器は、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを備え得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料から1つ又は複数の揮発物質を放出してエアロゾルを形成するようにエアロゾル生成材料と相互作用可能な加熱器である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成構成要素は、加熱なしにエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成することができる。例えば、エアロゾル生成構成要素は、熱を印加されることなしに、例えば、振動手段、機械的手段、加圧手段又は静電的手段のうちの1つ又は複数によって、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成可能であってもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル供給デバイスの一部分を形成し得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスによって送達される物質は、活性成分、担体成分、及び、任意選択で、1つ又は複数の他の機能的成分を含み得るエアロゾル生成材料であり得る。
【0062】
活性成分は、ユーザにおいて生理学的及び/又は嗅覚的反応を達成するためにエアロゾル生成材料に含まれる1つ又は複数の生理学的及び/又は嗅覚的活性成分を含み得る。活性成分は、例えば、栄養補助食品、向知性薬及び向精神薬から選択され得る。活性成分は、自然発生的なものでもよく、又は、合成によって得られるものでもよい。活性成分は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12若しくはCなどのビタミン、メラトニン、又はそれらの成分、派生物若しくは組み合わせを含み得る。活性成分は、タバコ若しくは他の植物の成分、派生物、又は抽出物を含み得る。いくつかの実施形態において、活性成分は、生理学的活性成分であり、ニコチン、ニコチン塩(例えば、ニコチン二酒石酸塩(nicotine ditartrate)/ニコチン酒石酸塩(nicotine bitartrate))、ニコチンを含有しないタバコ代替品、カフェインなどの他のアルカロイド、又はこれらの混合物から選択され得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、活性成分は、嗅覚的活性成分であり、「香料」及び/又は「香味料」から選択され得、これらは、その地域の条例が許可する場合、成人の消費者のための製品において、所望の味、香り又はその他の体性感覚を生むために使用され得る。いくつかの場合において、このような成分は、香料、香味料、冷却剤、加熱剤、又は甘味剤と称され得る。これらは、自然発生的香料材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成によって得られた材料、又はそれらの組み合わせ(例えば、タバコ、大麻、甘草(リコリス)、アジサイ、オイゲノール、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、カエデ、抹茶、メンソール、ニホンハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドのスパイス類、アジアのスパイス類、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、レッドベリー、クランベリー、桃、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、トロピカルフルーツ、パパイヤ、ダイオウ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、桑、柑橘類果実、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワール、キンマ、シーシャ、マツ、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、わさび、ピーマン、生姜、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属の任意の種からのミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、亜麻、イチョウ、ハシバミ、ハイビスカス、月桂樹、マテ茶、オレンジの皮、バラ、緑茶又は紅茶などの茶、タイム、ネズ、ニワトコ、バジル、月桂樹の葉、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモンの皮、ミント、シソ、ウコン、シラントロ、ギンバイカ、カシス、カノコソウ、アオトウガラシ、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、ヒメウイキョウ(carvi)、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤などの他の添加物を含み得る。これらは、模倣品、合成成分若しくは天然成分、又はこれらのブレンドであってもよい。これらは、任意の適切な形態、例えば、油などの液体、粉末などの固体、若しくは、気体、1つ又は複数の抽出物(例えば、甘草、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、チェリー、ベリー、桃、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウィスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、生姜、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのミント油)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤又は刺激剤、糖類及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤などの他の添加物であり得る。これらは、模倣品、合成成分若しくは天然成分、又はこれらのブレンドであってもよい。これらは、任意の適切な形態、例えば、油、液体、又は粉末であり得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。いくつかの実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘類果実及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。いくつかの実施形態において、香料はオイゲノールを含む。いくつかの実施形態において、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、大麻から抽出された香料成分を含む。いくつかの実施形態において、香料は、感覚惹起剤(sensate)を含み得、この感覚惹起剤は、香り又は味覚神経に加えて、又は香り又は味覚神経に代わって、第5脳神経(三叉神経)の刺激によって、通常は化学的に誘引され、知覚される体性感覚を達成するように意図され、加熱効果、冷却効果、刺痛効果、麻酔効果を提供する薬剤を含み得る。適切な加熱効果剤は、バニリルエチルエーテルであり得るが、これに限定されるものではなく、適切な冷却剤は、ユーカリプトール、WS-3であり得るが、これに限定されるものではない。
【0065】
担体成分は、エアロゾルを形成可能な1つ又は複数の成分を含み得る。いくつかの実施形態において、担体成分は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0066】
1つ又は複数の他の機能的成分は、pH調整剤、着色剤、防腐剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0067】
いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品は、エアロゾル生成材料、又はエアロゾル生成材料を受け入れるためのエリアを備え得る。いくつかの実施形態において、エアロゾル供給デバイスとともに使用するための消耗品はマウスピースを備え得る。エアロゾル生成材料を受け入れるためのエリアは、エアロゾル生成材料を貯蔵するための貯蔵エリアであり得る。例えば、貯蔵エリアはリザーバであってもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成材料を受け入れるためのエリアは、エアロゾル生成エリアとは別個であってもよく、又は、エアロゾル生成エリアと組み合わされてもよい。
【0068】
典型的には、エアロゾル生成材料を燃やさずに又は燃焼させずに、吸入され得るエアロゾルを形成するためにエアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させる装置が知られている。このような装置は、ときに、「エアロゾル生成デバイス」、「エアロゾル供給デバイス」、「非燃焼加熱式デバイス」、「タバコ加熱製品デバイス」、「タバコ加熱デバイス」などとして説明される。同様に、いわゆるeシガレットデバイスも存在し、これは、典型的には、液体の形態のエアロゾル生成材料を気化し、エアロゾル生成材料はニコチンを含有してもよく、又は含有しなくてもよい。エアロゾル生成材料は、装置内に挿入され得るロッド、カートリッジ又はカセットなどの形態であり得、又はこれらの一部として提供され得る。
【0069】
エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料からのエアロゾルの生成をもたらすように構成された装置である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を熱エネルギーにさらして、エアロゾル生成材料から1つ又は複数の揮発物質を放出してエアロゾルを形成するように構成された加熱器である。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成器は、加熱なしにエアロゾル生成材料からのエアロゾルの生成をもたらすように構成される。例えば、エアロゾル生成器は、エアロゾル生成材料を、振動、増加された圧力、又は静電エネルギーのうちの1つ又は複数にさらすように構成されてもよい。エアロゾル生成器は、エアロゾル供給デバイスの「恒久的な」部分として提供され得る。
【0070】
エアロゾル供給デバイスなどの装置は、加熱のためのエアロゾル生成材料を含む消耗品を受け入れることができる。消耗品は、エアロゾル生成材料を含む、又はエアロゾル生成材料から成る物品であり、使用中に、その一部分又は全体がユーザによって消費されるものと意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料貯蔵エリア、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成エリア、収容部、包装材、マウスピース、フィルター及び/又はエアロゾル改質剤などの1つ又は複数の他の構成要素を備え得る。消耗品は、使用時に熱を発してエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させる加熱器などのエアロゾル生成器も備え得る。加熱器は、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを備え得る。
【0071】
サセプタは、交番磁界などの変動する磁界による侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは、導電性材料であってもよく、変動する磁界による侵入が加熱材料の誘導加熱をもたらす。加熱材料は磁性材料であってもよく、変動する磁界による侵入が加熱材料の磁気ヒステリシス加熱をもたらす。サセプタは、導電性及び磁性の両方であってもよく、サセプタは、加熱機構の両方によって加熱可能である。変動する磁界を生成するように構成されたデバイスは、磁界生成器と称される。
【0072】
ユーザは、消耗品が加熱される前に消耗品をエアロゾル供給デバイス内に挿入してエアロゾルを生むことができ、続いて、ユーザはこのエアロゾルを吸入する。例えば、消耗品は、消耗品を受け入れる大きさに形成されたデバイスの加熱チャンバなどのチャンバ内に置かれるように構成された予め定められた又は特定の大きさであり得る。
【0073】
ユーザは、使用セッション中に、いくつもの理由で中断されることがある。本発明は、このような中断中にユーザがエアロゾル生成材料を含む消耗品を装置内に配置されたままにしておき、適当な時間に使用セッションを再開することを可能とするエアロゾル供給デバイスなどの装置を提供する。
【0074】
図1a~
図1dは、本発明の実施形態による、吸入可能媒体を生成するためのエアロゾル供給デバイス100の実施形態の断面図を図示する。デバイス100は、エアロゾル生成材料を含む消耗品10を受け入れるためのチャンバ110を備える。使用時に、消耗品10の一部分12は、ユーザによって吸入のためにアクセス可能になるようにチャンバ110から突出する。他の実施形態において、消耗品10は、使用時に、チャンバ110から突出しなくてもよい。例えば、チャンバ110の開口は、消耗品10とは別個のマウスピース(図示されず)によって覆われ得る。いくつかの実施形態において、消耗品10は、マウスピースを備え得、ユーザは、生成された吸入可能媒体をマウスピースを通じて引き出すことができる。いくつかの実施形態において、チャンバ110は、消耗品10と係合して消耗品10をチャンバ110内の予め定められた位置に保持するように構成されたインターフェース(図示されず)を備える。この実施形態において、消耗品10は、チャンバ110の端部の開口112を通ってチャンバ110内に挿入可能である。他の実施形態において、消耗品10は、チャンバ110の側部からチャンバ内に挿入可能であってもよい。
【0075】
デバイス100は、チャンバ110に受け入れられた消耗品10から吸入可能媒体を生成するためのエアロゾル生成器120を備える。例として、エアロゾル生成器120は、消耗品10のエアロゾル生成材料に熱を供給して吸入可能媒体を生成するように構成されてもよい。エアロゾル生成器120は、例えば、電気抵抗加熱器及び誘導加熱器のうちの1つ又は複数を備え得る。代替的に、圧力を使用して消耗品から吸入可能媒体を生成してもよい。
図1a及び
図1bにおいて図示された実施形態において、エアロゾル生成器120は、チャンバ110をその長手方向長さに沿って実質的に包囲している。他の実施形態において、エアロゾル生成器120は、チャンバに沿って部分的にのみ延在してもよく、及び/又は、チャンバ110に対する他の場所に位置してもよい。例えば、エアロゾル生成器120は、チャンバ110内に位置してもよい。
【0076】
デバイス100は、使用時にチャンバ110から突出した消耗品10の一部分12を少なくとも部分的に覆うための可動構成要素150を備える。可動構成要素150は、第1の位置(
図1a及び
図1cにおいて図示される)と第2の位置(
図1b及び
図1dにおいて図示される)との間で移動可能である。第1の位置において、消耗品10の一部分12が露出され、ユーザは消耗品10を吹かして、デバイス100によって生成された媒体を吸入することができる。第2の位置において、消耗品10の一部分12が少なくとも部分的に覆われ、ユーザは消耗品10を吹かすことを妨げられる。いくつかの実施形態において、可動構成要素150は、第2の位置において、可動構成要素150が、消耗品10を挿入可能なチャンバ110の開口112を少なくとも部分的に覆うように構成される。可動構成要素150は、可動構成要素150が第2の位置にあるときに消耗品10の一部分12を少なくとも部分的に覆う任意の適切な形状のものであり得る。他の実施形態において、可動構成要素150は、消耗品10がチャンバ110内にあるときに露出された消耗品10の一部分12の全てを覆ってもよい。なおも他の実施形態において、可動構成要素150は、消耗品10の一部分12を実質的に包囲してもよく、消耗品10の端面14を覆わなくてもよい。
【0077】
デバイス100の使用が中断されたとき、可動構成要素150は、第1の位置から第2の位置へと移動されて、消耗品10の一部分12を少なくとも部分的に覆い得る。中断中に、第2の位置にある可動構成要素150は、消耗品10及び/又は加熱チャンバ110からの熱損失、消耗品10の汚染、及び消耗品10の損傷のうちの1つ又は複数の減少を助け得る。
【0078】
図1a及び
図1bにおいて図示されたように、可動構成要素150は、第1の位置と第2の位置との間でヒンジ152の周りを回転するように構成される。ヒンジ152は、任意の適切な形態のものであり得る。ヒンジ152は、チャンバ110に対して固定的な位置に配置されている。いくつかの実施形態において、
図1c及び
図1dにおいて図示されたように、可動構成要素150は、第1の位置と第2の位置との間の経路に沿って移動するように構成されてもよい。例えば、可動構成要素150は、チャンバ110に対して滑動可能なキャリッジ154に装着され得る。
図1c及び
図1dにおいて図示された実施形態において、可動構成要素150は、ヒンジ152の周りを回転するように構成され、ヒンジ152は、チャンバ110の遠位の第1の位置からチャンバ110の近位の第2の位置へと滑動可能なキャリッジ154に装着されている。このような構成は、使用時に可動構成要素110が消耗品10を邪魔しないように保ってユーザの快適さを向上させることを助け得る。
【0079】
いくつかの実施形態において、可動構成要素150は、ユーザが手動で可動構成要素150を移動させることによって、第1の位置と第2の位置との間で移動可能である。他の実施形態において、デバイス100は、可動構成要素150を第1の位置と第2の位置との間で移動させるための機械的アクチュエータ(
図1a及び
図1bにおいては図示されず)を備えてもよい。アクチュエータは、例えば、スライダー若しくはボタンの形態であり得、及び/又は、可動構成要素が電動式であってもよい。アクチュエータは、可動構成要素を第1の位置及び/又は第2の位置に保持するばね又は磁石などの付勢手段を備えてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、可動構成要素150は、第2の位置において、残った熱がチャンバ110から抜け出るように構成されてもよく、このことは、使用セッションの中断中にチャンバ110における凝縮の形成の防止を助け得る。例えば、もしもチャンバ110の開口112が第2の位置にある可動構成要素150によって実質的に封止されるように可動構成要素150が構成されるならば、可動構成要素150は換気目的のために1つ又は複数の穴又は孔(図示されず)を備えてもよい。以下において更に詳細に説明されるように、可動構成要素150はロック機構によってチャンバ110の開口112を実質的に封止してもよい。
【0081】
デバイス100は、動力源140からエアロゾル生成器120への動力の供給を制御するためのコントローラ130を備える。動力源140は、例えば、デバイス100に一体化された再充電可能バッテリー、又は交換可能バッテリーを備え得る。コントローラ130の動作は、本明細書において
図1a~
図4cを参照して説明される。
【0082】
図2a及び
図2bは、本発明の実施形態による吸入可能媒体を生成するためのデバイス200の断面図を図示する。デバイス200は、
図1a及び
図1bを参照して説明されたデバイス100と実質的に同一であり、同様の構成要素は100だけ増加された参照番号を有する。この実施形態において、可動構成要素250は、完全に分離可能である。第1の位置において可動構成要素250はデバイスの本体から取り外され、第2の位置において可動構成要素250はデバイスの本体に取り外し可能に接続される。このような構成は、可動構成要素250がデバイス200に移動可能に取り付けられていないので、デバイス200の複雑性の低減を助け得る。
【0083】
図2a及び
図2bにおいて図示された実施形態において、可動構成要素250は、第2の位置において、チャンバ210の開口212を覆って、消耗品10を囲っている。他の実施形態において、可動構成要素250は、消耗品10の露出された一部分12を部分的に覆うだけでもよい。
【0084】
デバイス200は、可動構成要素250を第2の位置に保持する保持部材270を備え得る。保持部材270は、第2の位置から第1の位置への可動構成要素250の意図されない移動の防止を助け得る。
図2a及び
図2bの実施形態において、
図2bにおいて明瞭に図示されているように、保持部材270は、チャンバ210の開口212における環状突起272及び環状突起272と協働する可動構成要素250の環状凹部256の形態である。環状突起272と環状凹部256との協働は、可動構成要素250を第2の位置から取り外すために必要な力を増加させ得、このことは、可動構成要素250の意図されない取り外しの防止を助け得る。保持部材270は、本発明の他の実施形態、例えば、
図1a及び
図1bを参照して説明されたデバイス100においても可動構成要素150を第1の位置及び/又は第2の位置に保持するために提供され得る。保持部材270は、磁気的留め具又はねじ山及びねじ山付きの胴体などの代替的な機械的締結具の形態をとってもよい。
【0085】
図3a、
図3b、
図4a及び
図4bは、本発明の実施形態による吸入可能媒体を生成するためのデバイス300、400の断面図を図示する。デバイス300、400は、
図1a、
図1b、
図2a、及び
図2bを参照して説明されたデバイス100、200と実質的に同様である。デバイス300、400における同様の構成要素は、
図1a及び
図1bのものと同じ参照番号を有するが、それぞれ200又は300だけ増加されている。
【0086】
デバイス300、400は後退機構380、480を備える。後退機構380、480は、使用時に消耗品10の一部分12が吸入のために露出された伸長位置(
図3a及び
図4aにおいて図示される)と、使用時に、後退機構380、480が伸長位置にあるときと比べて消耗品10の一部分12がチャンバ310、410内に少なくとも部分的に後退された後退位置(
図3b及び
図4bにおいて図示される)との間で移動可能である。後退機構380、480は、使用セッションの中断中に消耗品の損傷及び汚染の防止を助け得る。
【0087】
図3a、
図3b、
図4a及び
図4bにおいて図示された実施形態において、デバイス300、400の各々を参照してより詳細に説明されたように、後退機構380、480はユーザによって手動で動作可能である。他の実施形態において、後退機構380、480は、コントローラ330、430によって電子的に又は電気機械的に動作されてもよい。このことは、デバイス300、400の外側面の移動部品の数を最小化するという利点をもたらす。
【0088】
デバイス300は複数の外部構成要素を備える。複数の外部構成要素のうちの第1のものは収容部材305である。収容部材305は、デバイス300の様々な内部構成要素を収容する。例えば、この実施形態において、収容部材305はコントローラ330及び動力源340を収容している。
【0089】
図3a及び
図3bにおいて図示されたデバイス300において、後退機構380は、後退機構380を伸長位置(
図3a)と後退位置(
図3b)との間で移動させるように構成された回転機構382を備える。例として、
図3a及び
図3bにおいて図示された実施形態において、チャンバ310の内側面314は、使用時に消耗品10が置かれる、対応してねじ山が付された消耗品支持体386と係合するように構成されたねじ山付き部分316を備える。消耗品支持体386は、デバイス300の外側面のノブ383に接続具384を介して接続されている。この実施形態において、接続具384は、接続ロッドである。他の実施形態において、接続具384(又は接続ロッド)は、複数の部品を含んでもよい。
【0090】
ノブ383はデバイス100の複数の外部構成要素のうちの第2のものの例である。可動構成要素350はデバイス100の複数の外部構成要素のうちの第3の別のものの例である。消耗品支持体386は、往復移動の軸線に沿って往復移動するように構成された往復移動構成要素の例である。この実施形態において、往復移動の軸線は、チャンバ310の長手方向軸線318に対応する。他の実施形態において、往復移動の軸線は、チャンバ310の長手方向軸線318と平行であってもよいが、チャンバ310の長手方向軸線318と共存しない。なおも更なる実施形態において、往復移動の軸線は、チャンバ310の長手方向軸線318に垂直であってもよく又はこれに対して傾いていてもよい。
【0091】
後退機構380は、ユーザがノブ383をひねることによって伸長位置と後退位置との間で移動され、これによって、チャンバ310の長手方向軸線318の周りで消耗品支持体386を旋回させて、ねじ山付き部分316に対して長手方向に移動させる。従って、ノブ383は、使用時に、収容部材305に対して回転して消耗品支持体386を収容部材305に対して往復移動させるように構成された駆動部材である。ねじ山付き部分316は、消耗品支持体386がねじ山付き部分316から脱係合することを防止するために一方の端部又は両方の端部にストッパ(図示されず)を備えてもよい。消耗品支持体386は、消耗品10の表面を消耗品支持体389に接触した状態に解除可能に保持するインターフェース(図示されず)を備えてもよい。
【0092】
他の実施形態において、回転機構382は、消耗品10を消耗品10の長手方向軸線に垂直な軸線の周りで回転させるように構成されてもよい(図示されず)。例えば、回転機構382は、消耗品10がデバイス300の外側面から略垂直に突出した位置から消耗品がデバイス300の外側面に略平行で面一である位置へと消耗品10を移動させるように構成されてもよい。
【0093】
図4a及び
図4bにおいて図示されたデバイス400において、後退機構480は、後退機構480を伸長位置(
図4a)と後退位置(
図4b)との間で移動させるように構成されたスライダー481を備える。デバイス400のエアロゾル生成器は、簡略化のために
図4a及び
図4bにおいては省略されている。スライダー481は、使用時に、消耗品10をチャンバ410に対してチャンバ410の長手方向軸線418に沿って並進させるように構成される。例として、
図4a及び
図4bにおいて図示された実施形態において、チャンバ410の内側面414は、スライダー481を受け入れるように構成された長手方向スロット416を備える。スライダー481は、デバイス400の外部のハンドル482と、ハンドル482から長手方向スロット416を通ってチャンバ410内に延在する後退バー484と、チャンバ410内に延在した後退バー484の端部に接続されている消耗品支持体486とを備える。ユーザによる長手方向スロット416の第1の端部と第2の端部との間でのハンドル482の移動は、使用時に、消耗品支持体486をチャンバ410の長手方向軸線418に沿って移動させて、消耗品10をチャンバ410に対して移動させる。他の形態のスライダーも想定される。消耗品支持体486は、消耗品10の表面を消耗品支持体486に接触した状態に解除可能に保持するインターフェース(図示されず)を備えてもよい。
【0094】
図4a及び
図4bにおいて図示された後退機構480は、ばね488を備える。ばね488は、スライダー481を伸長位置に向かって付勢する付勢部材として働く。他の実施形態において、ばね488は、代替的に、スライダー481を後退位置に向かって付勢してもよい。ばね488は、消耗品支持体486及びチャンバ410の端部に取り付けられており、スライダー481が後退位置にあるとき(
図4b)、消耗品支持体486に対して押す力を及ぼす。他の実施形態において、ばね488は、他の場所に位置してもよい。例えば、ばね488は、後退バー484を長手方向スロット416の端部に接続してもよい。他の実施形態において、付勢力は、ばね488以外の手段によって提供されてもよい。
【0095】
図3a、
図3b、
図4a及び
図4bにおいて図示された実施形態など、後退機構380、480を備える本発明の実施形態の可動構成要素350、450は、使用時に消耗品10の一部分12が露出された第1の位置と使用時に消耗品20の一部分12が少なくとも部分的に覆われて消耗品10をチャンバ310、410内に保持する第2の位置との間で移動可能な蓋358、458を備えてもよい。蓋358、458は、
図1a、
図1b、
図2a及び
図2bを参照して説明された可動部材150、250を参照して説明されたものと同様である。代替的に、蓋は、第1の位置と第2の位置との間で滑動可能な単純なフラップ又はカバーの形態であってもよく、第1の位置と第2の位置との間で移動するようにヒンジで留められてもよい。いくつかの実施形態において、蓋358、458は、蓋358、458が第2の位置にあるときに消耗品10を挿入可能なチャンバ310、410の開口312、412を実質的に覆う。
【0096】
いくつかの実施形態において、後退機構380、480が伸長位置にあるときに可動構成要素350、450が第1の位置にあり、後退機構380、480が後退位置にあるときに可動構成要素350、450が第2の位置にあるように、可動構成要素350、450の移動は後退機構380、480の移動と連係されている。このような実施形態において、可動構成要素350、450及び後退機構380、480は、機械的、電気機械的、又は電気的に連係され得る。例えば、コントローラ330、430は、後退機構380、480及び可動構成要素350、450を実質的に同時に移動させるように構成されてもよい。このことは、例えば、ユーザの指が開口312、412に引っかかることの防止を助け得る。
【0097】
本発明によるデバイス100、200、300、400は、可動構成要素150、250、350、450を第1の位置及び/又は第2の位置に解除可能にロックするロック機構270、470を備え得る。例えば、
図2a及び
図2bを参照して説明された保持部材270などの任意の適切なロック機構270、470が用いられ得る。可動構成要素150、250、350、450を第1の位置及び/又は第2の位置に保持するために、磁気的ロック機構が配置されてもよい。例として、デバイス100、200、300、400の本体及び/又は可動構成要素150、250、350、450は、デバイス100、200、300、400の本体及び可動構成要素150、250、350、450のうちの他方の一部分を引き付けて可動構成要素150、250、350、450を第1の位置又は第2の位置に解除可能に保持するように構成された磁石を備えてもよい。いくつかの実施形態において、ロックは、溝又は凹部と協働する突起などの機械的留め具手段によって達成されてもよい。いくつかの実施形態において、ロックは、封じなおすことができる接着剤によって達成されてもよい。いくつかの実施形態において、ロック機構270、470は、可動構成要素150、250、350、450と係合して可動構成要素150、250、350、450を予め定められた位置に保持するように構成された弾性的変形要素を備えてもよく、弾性的変形要素は、可動構成要素150、250、350、450との係合から外されて可動構成要素150、250、350、450を予め定められた位置から解除するようにユーザによって移動可能である。ロック機構270、470は、コントローラ130、230、330、430によって制御及び/又は作動されてもよい。
【0098】
単なる例示として、
図4cは、
図4a及び
図4bを参照して説明されたデバイス400の外側面にc形状のチャンネル472を備えるロック機構470を図示する。チャンネル472の端部474、476は、溝を形成しており、この溝の中に後退バー484が移動可能である。この実施形態において、ばね488は、後退機構480が第1の位置にあり、後退バー484がチャンネル472の端部474の溝の中にあるときに、消耗品支持体484に対して引っ張る力を印加するように構成され、消耗品支持体484は後退バー484を溝の中に引っ張り、故に、後退バー484が間違ってその位置から移動されることの防止を助け得る。いくつかの実施形態において、ばね488は、後退機構480が第2の位置にあり、後退バー484がチャンネル472の端部476の溝の中にあるときに、消耗品支持体486に対して押す力を印加するように構成され、消耗品支持体486は後退バー484を溝の中に押し込み、故に、後退バー484が間違ってその位置から移動されることの防止を助け得る。後退バー484は、ユーザがハンドル482に力を印加してばね488の付勢力に打ち克つことによって、チャンネル472の端部474、476の溝から解除され得る。他の実施形態において、チャンネル472の形状は、
図4cにおいて図示されている例と比べて、変更されてもよい。
【0099】
図1a~
図4c)を参照して説明されたデバイス100、200、300及び400などの本発明によるデバイスは、動力源140、240、340、440からエアロゾル生成器120、220、320、420への動力の供給を制御するためのコントローラ130、230、330、430を備える。コントローラは、デバイス100のコントローラ130を参照して説明されるが、その特徴は本発明の実施形態のうちの任意のものにおいても存在し得る。コントローラ130は、可動構成要素150が第1の位置にあるときには可動構成要素150が第2の位置にあるときと比べて異なる量の動力を動力源140からエアロゾル生成器120へと供給するように構成される。コントローラ130は、可動構成要素150が第1の位置にあるときに、動力源140からエアロゾル生成器120に十分な動力を供給して、消耗品10のエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するように構成され得る。
【0100】
いくつかの実施形態において、コントローラ130は、可動構成要素150が第2の位置にあるときに、動力源140からエアロゾル生成器120に動力を供給しないように構成されてもよい。すなわち、コントローラ130は、可動構成要素150が第2の位置にあるときに、エアロゾル生成器120への動力送達が提供されないようにゼロ値の動力を供給するように構成される。このことは、エネルギーを節約して動力源140の寿命を伸ばすことを助け得る。
【0101】
いくつかの実施形態において、コントローラ130は、可動構成要素150が第2の位置にあるときに、ゼロでない値を供給するが、この値がチャンバ110に受け入れられた消耗品10から吸入可能媒体を生成するためには不十分であるように構成される。この実施形態において、コントローラ130は、可動構成要素150が第2の位置にあるときにアクティブであってもよいが、吸入可能媒体を生成するために十分な動力を供給することはできない。いくつかの実施形態において、ゼロでない値は、可動構成要素150が第2の位置にあるときには、可動構成要素150が第1の位置にあるときと比べて無視できる動力に対応してもよい。
【0102】
いくつかの実施形態において、コントローラ130は、可動構成要素150が前記第1の位置にあるときには、可動構成要素150が第2の位置にあるときよりも動力源140からより多くの動力を供給するように構成される。例えば、コントローラ130は、可動構成要素150が第2の位置にあるときに、動力源140からエアロゾル生成器120に動力を供給して消耗品10のエアロゾル生成材料をエアロゾル生成材料のエアロゾル生成温度よりも低い温度範囲内に維持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、エアロゾル生成温度は摂氏160度よりも高い。いくつかの実施形態において、この温度範囲の最大温度は、摂氏160度以下である。いくつかの実施形態において、この温度範囲は、摂氏90度から摂氏160度の間である。このような構成は、中断の後にデバイス100の使用が再開されて可動構成要素150が第2の位置から第1の位置へと移動されたときに、エアロゾル生成材料をエアロゾル化温度まで上昇させるためにかかる時間を低減させ得る。いくつかの実施形態において、コントローラ130は、もしも中断の期間が特定の時間閾値を超えたならば、動力源140からエアロゾル生成器120への動力の供給を終了するように構成されてもよい。このことは、エネルギーを節約して動力源140の寿命を伸ばすことを助け得る。
【0103】
いくつかの実施形態において、デバイス100は、可動構成要素150の位置を検知する1つ又は複数のセンサ160を備え、コントローラ130は、1つ又は複数のセンサ160によって判定された可動構成要素150の位置に応じて動力源140からエアロゾル生成器に動力を供給するように構成される。例えば、1つ又は複数のセンサ160は、スイッチ、圧力センサ及び/又は光学的センサなどの近位センサを備え得る。1つ又は複数のセンサ160の各々は、可動構成要素150が第1の位置にあるか又は第2の位置にあるかを検知するために適切なデバイス100における位置に位置し得る(
図1a~
図4bにおいて図示されたセンサ260、360、460の様々な位置を参照)。
【0104】
いくつかの実施形態において、コントローラ130は、可動構成要素150を第1の位置と第2の位置との間で移動させるように構成される。例えば、コントローラ130は、可動構成要素150を第1の位置と第2の位置との間で移動させるためにアクチュエータ(図示されず)に電気信号を送るように構成されてもよい。コントローラ130は、デバイス100の動力ボタン(図示されず)をユーザが作動させたことに応じて、可動構成要素150を第2の位置から第1の位置に移動させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、コントローラ130は、使用セッションが中断されたことをコントローラが判定した場合には、可動構成要素150を第1の位置から第2の位置に移動させるように構成されてもよい。例えば、コントローラ130は、ユーザが吹かしたときから予め定められた時間が経過したこと、及び/又は、使用セッションの開始後に予め定められた時間が経過したことをコントローラ130が検知した場合には、可動構成要素150を第1の位置から第2の位置に移動させてもよい。例えば、デバイスが傾けられた程度に応じてデバイスが使用されているかを判定するために、運動センサが使用されてもよい。
【0105】
本発明による実施形態において、コントローラ130は、可動構成要素150が第1の位置にあるときには、予め定められた加熱プロファイルに従って消耗品10を加熱し、可動構成要素150が第2の位置に移動された場合には、加熱プロファイルを中断するように構成されてもよい。このような実施形態において、コントローラ130は、可動構成要素150が第1の位置に戻された場合には、予め定められた加熱プロファイルに従って消耗品10の加熱を再開するように構成されてもよい。
【0106】
図5は、線500において、使用セッションが持続している間に可動構成要素150、250、350、450が第1の位置に留まっているときに、消耗品10のエアロゾル生成材料を加熱するためにデバイス100、200、300、400によって送達される例示的な加熱プロファイルを図示する。温度Aは、エアロゾル生成材料のエアロゾル生成温度を示し、この温度よりも上ではエアロゾルが生成され、この温度よりも下ではエアロゾルは生成されない。T0は、使用セッションを開始する時間を示し、この時間に、消耗品10をエアロゾル生成温度Aよりも上の温度に加熱するためにエアロゾル生成器120、220、320、420に動力が送達される。
【0107】
図5は、線510において、時間T1において中断されている線500の例示的な加熱プロファイルに従って実施される使用セッションを図示する。コントローラ130、230、330、430は、時間T2において使用セッションが再開されるまで、エアロゾル生成器120、220、320、420への動力の供給を中止し、時間T2において、コントローラ130、230、330、430は、加熱プロファイルが中断されたポイントから加熱プロファイルを再開する。
【0108】
図5は、線520において、時間T1において中断されている線500の例示的な加熱プロファイルに従って実施される使用セッションを図示する。この実施形態において、コントローラ130、230、330、430は、使用セッションが時間T2において再開されるまで温度がエアロゾル生成温度Aよりも下の温度範囲内に維持されるように、エアロゾル生成器120、220、320、420に供給される動力を減少させ、時間T2において、コントローラ130、230、330、430は、加熱プロファイルが中断されたポイントから加熱プロファイルを再開する。
【0109】
図6a、
図6b、
図7a及び
図7bは、本発明の実施形態による吸入可能媒体を生成するためのエアロゾル供給デバイス600、700の概略的表現を図示する。デバイス600、700は、
図1a、
図1b、
図2a、
図2b、
図3a、
図3b、
図4a及び
図4bを参照して説明されたデバイス100、200、300、400と実質的に同様である。デバイス600、700における同様の構成要素は、
図1a及び
図1bのものと同じ参照番号を有するが、それぞれ500又は600だけ増加されている。
【0110】
デバイス600、700は、それぞれの後退機構680、780を備える。以前の後退機構380、480において説明されたように、デバイス600、700の後退機構680、780は各々、伸長位置(
図6a及び
図7aにおいて図示される)と後退位置(
図6b及び
図7bにおいて図示される)との間で移動可能である。
【0111】
後退機構680、780は、ユーザがそれぞれのデバイス600、700の下側筐体683、783をデバイス600、700の上側筐体605、705に対してひねることによって伸長位置と後退位置との間で移動される。下側筐体683、783は、伸長位置と後退位置との間での後退機構680、780の移動をもたらす駆動部材として働く。これらの実施形態において、下側筐体683、783は、後退機構680、780を後退位置に移動させるために第1の方向にひねられ、下側筐体683、783は、後退機構680、780を後退位置に移動させるために第1の方向とは異なる第2の方向にひねられる。第2の方向は第1の方向の反対方向であり、下側筐体683、783をひねる動作は、予め定められた経路に沿って前後する。他の実施形態において、下側筐体683、783は、後退機構680、780を伸長位置と後退位置との間で移動させるために1つの方向にひねられてもよい。このような実施形態において、第1の方向は第2の方向と同方向である。
【0112】
いくつかの実施形態において、後退機構は、ユーザがそれぞれのデバイスの駆動部材、例えば下側筐体を滑動させることによって伸長位置と後退位置との間で移動される。以下に説明されるデバイス700などのいくつかの実施形態において、後退機構は、下側筐体をひねり、滑動させることによって移動可能であってもよい。他の実施形態において、後退機構は、独立的に下側筐体をひねること又は滑動させることによって移動可能であってもよい。ひねることに言及しているこのような実施形態は、ひねることは、予め定められた方法による下側筐体の回転を含む。
【0113】
デバイス600の後退機構680が伸長位置(
図6aにおいて図示される)にあるときに、使用時に、消耗品10がエアロゾル生成領域611に位置したときに、吸入のために消耗品10の一部分12がデバイス600のユーザに対して露出される。デバイス600の後退機構680が後退位置(
図6bにおいて図示される)にあるときには、使用時に、後退機構680が伸長位置にあるときと比べて消耗品10の一部分12はチャンバ610内に後退される。
【0114】
図6a及び
図6b(並びに
図7a及び
図7b)における破線は、ユーザの視線から隠されている特徴を表す。
図6bにおいて図示された図において、消耗品10の一部分12(
図6aにおいては露出されている)は、デバイス600内に完全に後退されており、一部分12はユーザの視線から隠されている。
図6aにおいて図示された図において、消耗品10の一部分12は、デバイス600のチャンバ610の開口612から完全に伸長されており、
図6aにおいて図示された図においてはユーザによって視認され得る。完全に伸長された位置において、一部分12は、後退機構680の更なる動作によってもデバイス600から更には伸長され得ない。後退機構680は、後退機構680が後退位置と伸長位置との間にあるときに、後退位置から更に離れるように連続的に移動し、一部分12をチャンバ610から更に伸長させるように構成される。
【0115】
この実施形態において、デバイス600の後退機構680は、第1の限界と第2の限界との間での消耗品10の一部分12の移動を連続的にもたらす。第1の限界は後退の限界であり、これは、
図6aにおいて図示されたように、後退位置と称される。第2の限界は伸長の限界であり、これは、
図6bにおいて図示されたように、伸長位置と称される。後退機構680及び一部分12は連続的に移動するように構成されているので、後退機構680及び一部分12は第1の限界と第2の限界との間のどこかに位置し得る。
【0116】
他の実施形態において、後退機構の移動、従って露出されるべき部分の移動は断続的であってもよく、露出されるべき部分は複数の個別の間隔の間で移動可能である。このような実施形態において、後退機構は、伸長位置から複数の位置へと後退可能であり、複数の位置のうちの1つは後退位置を含み、複数の位置のうちの別の1つは、伸長位置と後退位置との間の中間位置を含む。
【0117】
デバイス700の後退機構780が伸長位置(
図7aにおいて図示される)にあるときに、使用時に、マウスピース11の一部分13が吸入のために露出される。デバイス600とは対照的に、デバイス700内に挿入された消耗品10はデバイス700の中に隠されたままであり、後退機構780が伸長位置(
図7aにおいて図示される)と後退位置(
図7bにおいて図示される)との間で移動されるときに露出されない。代わりに、後退機構780の動作によって消耗品10はデバイス700内で移動し、マウスピース11が完全に伸長されたときに消耗品はチャンバ710内に位置する。他の実施形態において、後退機構780の動作によっても消耗品10はデバイス700内で不動であってもよく、後退機構780が伸長位置と後退位置との間で移動されるときに消耗品10はチャンバ710内に保持される。デバイス700の後退機構780が伸長位置にあるときには、エアロゾル生成材料がエアロゾル生成領域711へと移動されているので、エアロゾルなどの吸入可能媒体が消耗品10のエアロゾル生成材料から生成され得る。
【0118】
デバイス700の後退機構780が後退位置にあるときには、使用時に、後退機構780が伸長位置にあるときと比べてマウスピース11の一部分13はチャンバ710内に後退される。デバイス700における後退機構780が伸長位置(
図7a)にあるときに、デバイス700は後退機構780が後退位置(
図7b)にあるときのデバイス700と同じくらいコンパクトなままであるので、後退機構780は特に有利である。すなわち、この実施形態において、伸長位置(
図7a)にあるデバイス700の全体的な長さL1は、後退位置(
図7b)にあるデバイス700の全体的な長さL2とほぼ同一である。他の実施形態において、伸長位置にあるデバイス700の全体的な長さL1は、後退位置にあるデバイス700の全体的な長さL2と同一であってもよい。この実施形態において、伸長位置にあるデバイス700の全体的な長さL1と後退位置にあるデバイス700の全体的な長さL2との差は2%前後である。他の実施形態において、この差は、例えば、5%未満であってもよい。
【0119】
デバイス700において、マウスピース11の一部分13の移動は、第1の限界(後退位置)と第2の限界(伸長位置)との間で断続的である。他の実施形態において、デバイス600における消耗品10の一部分12に関して上述されたように、一部分13の移動は第1の限界と第2の限界との間で連続的であってもよい。
【0120】
図7aにおいて図示された図において、露出されるべきマウスピース11の一部分13は、開口712から完全に伸長されている。すなわち、後退機構780が第1の限界にあるので、一部分13は、後退機構780の動作によって、
図7aに図示されているものから更には伸長され得ない。第1の限界は後退機構780の伸長の限界である。
図7bにおいて図示された図において、マウスピース11の一部分13は、完全に後退されている。すなわち、後退機構780が第2の限界にあるので、一部分13は、後退機構780の更なる動作によって、
図7bに図示されている図から更には後退され得ない。第2の限界は後退機構780の後退の限界である。
【0121】
図6a、
図6b、
図7a及び
図7bにおいて図示された実施形態において、デバイス600、700の各々を参照してより詳細に説明されたように、それぞれの後退機構680、780は各々、ユーザによって手動で動作可能である。
【0122】
他の実施形態において、後退機構680、780は、以前に説明されたコントローラ330、430などのコントローラによって電子的に又は電気機械的に動作されてもよい。このような実施例において、デバイスは、それぞれの後退機構を移動させるために必要とされる駆動力を提供するモーターを備えてもよい。後退機構680、780の電子的な動作の利点は、後退機構の任意の駆動部材がユーザの視線から隠され得るので、デバイスの外側面で移動する部品の数が最小化されることである。このことは、露出されるべき部分(デバイス600において議論された消耗品10の一部分12、デバイス700において議論されたマウスピース11の一部分13など)を除いて全ての可動部品がデバイス内部に提供されるので、異物の進入のリスクを低減させる。
【0123】
デバイス600、700は、複数の外部構成要素を備える。複数の外部構成要素のうちの第1のものは収容部材605、705である。収容部材605、705は、デバイス600、700の上側筐体として提供される。収容部材605、705は、それぞれのデバイス600、700の様々な内部構成要素を収容する。例えば、収容部材605、705は、以前に説明されたコントローラ330、430及び動力源340、440などのコントローラ及び動力源(図示されず)を収容するように構成される。
【0124】
この実施形態において、後退機構680は、ユーザが下側筐体683を方向M1にひねって後退機構680及び消耗品10をデバイス600内に向かって方向M2に後退させることによって、手動で動作可能である。
【0125】
デバイス600の後退機構680は、以前に論じられたデバイス300の後退機構380と殆ど同一である。すなわち、後退機構680は、ユーザが下側筐体683を方向M1にひねることによって伸長位置と後退位置との間で移動され、このことは、消耗品支持体686をチャンバ610の長手方向軸線618の周りで方向M3に旋回させ、ねじ山付き部分(
図6a及び
図6bにおいては図示されていないが、
図3a及び
図3bのねじ山付き部分316に対応する)に対して長手方向に方向M2に移動させる。従って、下側筐体683は、使用時に、上側筐体605(収容部材として提供される)に対して回転して消耗品支持体686を上側筐体605に対して往復移動させるように構成された駆動部材である。後退機構680及び消耗品10が後退するときに、回転機構682の回転によって消耗品10も方向M3に回転させられる。このことは、回転機構682及び消耗品10の螺旋状の移動をもたらす。
【0126】
この実施形態においては、下側筐体683の形態で提供される駆動部材は移動可能であり、上側筐体605の形態で提供される収容部材は静止しているが、他の実施形態において、収容部材も移動可能であってもよい。すなわち、使用時に、収容部材(上側筐体605)が駆動部材(下側筐体683)と一緒に移動可能で、往復移動構成要素(消耗品支持体686)と駆動部材との間の相対的往復移動をもたらしてもよい。いくつかの実施形態において、駆動部材(下側筐体683)及び収容部材(上側筐体605)の移動は、それぞれの螺旋状の経路に沿った移動を含んでもよい。いくつかの実施形態において、それぞれの螺旋状の経路は、単一の連続的な経路から形成される。
【0127】
上に論じられた螺旋状の移動は、ねじ山付き部分によって決定される。他の実施形態において、螺旋状の移動は、ねじ山付き部分によって決定されなくてもよい。この実施形態において、方向M3は方向M1と同一である。他の実施形態において、消耗品10は、消耗品10が後退するときに、回転機構682の移動によって回転させられなくてもよい。なおも他の実施形態において、消耗品10は、後退機構780が後退するときに、方向M1の反対方向に回転させられてもよい。
【0128】
デバイス600において、消耗品支持体686は、往復移動の軸線に沿って往復移動するように構成された往復移動構成要素である。この実施形態において、消耗品支持体686の往復移動の軸線及び下側筐体683の回転の軸線は、チャンバ610の長手方向軸線618に対応する。
【0129】
この実施形態において、消耗品支持体686は、デバイス600の外側面において、接続具684を介して、下側筐体683に接続されている。ユーザが下側筐体683をひねると、消耗品支持体686がチャンバ610の長手方向軸線618の周りを旋回してねじ山付き部分(図示されていないが、その例はデバイス300のねじ山付き部分316によって提供される)に対して長手方向に移動するので、後退機構680は伸長位置と後退位置との間で移動される。
【0130】
この実施形態において、接続具684は接続ロッドである。他の実施形態において、接続具684(又は接続ロッド)は複数の部品を含んでもよい。
【0131】
他の実施形態において、デバイス600の回転機構は、消耗品10を消耗品10の長手方向軸線に垂直な軸線の周りで回転させるように構成されてもよい(図示されず)。例えば、デバイス600の回転機構は、消耗品10がデバイス600の外側面から略垂直に突出した位置から消耗品がデバイス600の外側面に略平行で面一である位置へと消耗品10を移動させるように構成されてもよい。
【0132】
図6a及び
図6bにおいて図示されたデバイス600において、後退機構680は、後退機構680を伸長位置(
図6a)と後退位置(
図6b)との間で移動させるように構成された回転機構682を備える。後退機構680及び回転機構682の例は、それぞれ、デバイス300に関して説明され、
図3a及び
図3bにおいて図示された後退機構380及び回転機構382である。
【0133】
下側筐体683は、デバイス600の複数の外部構成要素のうちの第2のものである。すなわち、下側筐体683は、使用時に、上側筐体605に対して回転の軸線の周りを回転して、使用時に消耗品10が置かれる消耗品支持体686を上側筐体605に対して往復移動させるように構成される。
【0134】
この実施形態において、上側筐体605は、デバイス600の要素又はデバイス600とともに使用するための要素を隠すためのバリアである。例えば、後退機構680が伸長位置(
図6a)及び後退位置(
図6b)のどちらの位置にあるときにも、上側筐体605は消耗品支持体686をユーザの視線から完全に隠す。上側筐体605は、後退機構680が伸長位置にあるときに、消耗品10をユーザの視線から部分的に隠すように構成される。上側筐体605は、後退機構680が後退位置にあるときに、消耗品10をユーザの視線から完全に隠すように構成される。
【0135】
図7a及び
図7bにおいて図示されたデバイス700において、後退機構780の駆動部材は、螺旋状機構785を備える。螺旋状機構785は、下側筐体783の形態の駆動部材が収容部材に対して螺旋状に移動するように、滑動及び回転移動を組み合わせる。デバイス600と同様に、デバイス700の収容部材はデバイス700の上側筐体705である。
【0136】
この実施形態において、螺旋状機構785は、上側筐体705に対して軸線718の周りを方向M1に回転し、軸線718に沿って方向M2に滑動するように構成されたデバイス700の下側筐体783を備える。回転及び滑動移動の組み合わせは、全体的な移動が螺旋状になるように同期している。すなわち、この実施形態においては、上側筐体705に対する下側筐体783の螺旋状の移動が螺旋状機構785によって提供される。他の実施形態において、駆動部材は、滑動又は回転して、後退機構を伸長位置(
図7a)と後退位置(
図7a)との間で移動させるように構成されてもよい。
【0137】
他の実施形態において、駆動部材は、デバイス700の内部部品を収容するための構成要素以外の、デバイス700の筐体に対して滑動可能に構成された構成要素であってもよい。
図4a及び
図4bの実施形態において示されたスライダー481が、デバイス700の内部部品を収容するための構成要素以外の、デバイス700の筐体に対して滑動可能に構成された構成要素の例である。
【0138】
デバイス700の後退機構780は、以前に論じられたデバイス300の後退機構380と殆ど同一である。異なるのは、下側筐体783が、上側筐体705の一部分を受け入れる空洞787を備えていることである。空洞787は、後退機構780を動作させたときに上側筐体705が下側筐体705の中に及び下側筐体705から外に滑動することを可能にする。他の実施形態において、空洞787は、下側筐体783ではなく上側筐体705に提供されてもよく、下側筐体783は上側筐体705の中に及び上側筐体705から外に滑動するように構成される。
【0139】
デバイス700において、後退機構780は、ユーザが下側筐体783を方向M1にひねって螺旋状機構783を動作させることによって伸長位置と後退位置との間で移動される。下側筐体783をひねることは、接続具784をチャンバ710の長手方向軸線718の周りで方向M1に旋回させ、ねじ山付き部分(
図7a及び
図7bにおいては図示されていないが、
図3a及び
図3bのねじ山付き部分316に対応する)に対して長手方向に方向M2に移動させる。従って、下側筐体783は、使用時に、上側筐体705(収容部材として提供される)に対し回転及び滑動してマウスピース11を上側筐体605に対して往復移動させるように構成された駆動部材である。
【0140】
この実施形態において、接続具784は接続ロッドである。他の実施形態において、接続具784(又は接続ロッド)は複数の部品を含んでもよい。
【0141】
デバイス600に関して論じられたように、デバイス700における下側筐体783及び接続具784の移動はねじ山付き部分によって決定される螺旋状である。他の実施形態において、螺旋状の移動はねじ山付き部分によって決定されなくてもよい。
【0142】
下側筐体783の方向M1へのひねり移動によって後退機構780が伸長位置と後退位置との間で移動されるとき、マウスピース11は、長手方向軸線718の周りで方向M3に旋回させられる。後退機構780及び消耗品10が後退するときに、螺旋状機構785の移動によって消耗品10も方向M3に回転させられる。このことは、マウスピース11及び消耗品10の螺旋状移動をもたらす。この実施形態において、方向M3は方向M1と同一である。他の実施形態において、マウスピース13及び/又は消耗品10は、後退機構780が後退するときに、螺旋状機構785の移動によって回転させられなくてもよい。なおも他の実施形態において、後退機構780が後退するときに、マウスピース13及び/又は消耗品10は方向M1の反対方向に回転させられてもよい。
【0143】
デバイス700において、マウスピース13は、往復移動の軸線に沿って往復移動するように構成された往復移動構成要素である。この実施形態において、マウスピース13の往復移動の軸線及び下側筐体783の回転の軸線は、チャンバ710の長手方向軸線718に対応する。
【0144】
この実施形態においては、下側筐体783の形態で提供される駆動部材は上側筐体705に対して移動可能であり、上側筐体705の形態で提供される収容部材は下側筐体783に対して静止しているが、他の実施形態において、収容部材も移動可能であってもよい。すなわち、使用時に、収容部材(上側筐体705)が駆動部材(下側筐体783)と一緒に移動可能で、往復移動構成要素(マウスピース13及びチャンバ710)の各々と駆動部材との間の相対的往復移動をもたらしてもよい。いくつかの実施形態において、駆動部材(下側筐体783)及び収容部材(上側筐体705)の移動は、それぞれの螺旋状の経路に沿った移動を含んでもよい。それぞれの螺旋状の経路は、単一の連続的な経路から形成されてもよい。
【0145】
デバイス600、700のそれぞれのエアロゾル生成領域611、711は、それぞれの上側筐体605、705に位置する。エアロゾル生成領域611、711は、それぞれの上側筐体605、705に対して静止しており、それぞれの後退機構680、780が動作しているときに移動するようには構成されていない。デバイス600、700の両方において、使用時に、消耗品10のエアロゾル生成材料は、それぞれの後退機構680、780の動作によって、エアロゾル生成領域611、711に対して移動させられる。このことは、消耗品10のエアロゾル生成材料が、吸入可能媒体を生成するためにエアロゾル生成領域611、711に位置することを可能にする。
【0146】
デバイス600のチャンバ610とは対照的に、エアロゾル生成材料を含む消耗品10を受け入れるように構成されたチャンバ710は、デバイス700の往復移動構成要素である。この実施形態において、チャンバ710は、使用時に、ユーザが下側筐体783をひねったときに回転される接続ロッド784に提供される。
【0147】
図8は、本発明の実施形態によるエアロゾル供給デバイスを構成する方法800の例を図示する。方法800は、駆動部材及び往復移動構成要素を少なくとも部分的に収容するための収容部材を相対的に移動させ、往復移動構成要素と収容部材との間の相対的往復移動をもたらすステップ801を含む。
【0148】
この実施形態において、駆動部材及び収容部材を相対的に移動させるステップ801は、駆動部材をひねることを含む。駆動部材をひねることは、エアロゾル供給デバイスのユーザが、収容部材を片方の手に保持し、他方の手によって駆動部材をひねることによって達成され得る。
【0149】
この実施形態において、相対的往復移動802は、収容部材による往復移動構成要素の覆いを少なくとも部分的に除去すること803をもたらす。相対的往復移動802は、収容部材によって往復移動構成要素を少なくとも部分的に覆うこと804ももたらす。
【0150】
この実施形態において、覆いを除去すること803及び覆うこと804は、駆動部材を反対方向にひねることによって起こる。他の実施形態において、覆いを除去すること803及び覆うこと804をもたらす相対的回転は、同一の方向であってもよい。
【0151】
以前に説明されたように、デバイス600、700は、論じられた場所で、方法800の動作において使用され得る。更に、相対的に移動させるステップ801及び/又は相対的往復移動802は、コントローラによって電子的に又は電気機械的に動作されてもよい。
【0152】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態によるデバイス100、200、300、400、600、700と、エアロゾル生成材料含む消耗品10とを備えたエアロゾル供給システムを具備する。消耗品10は、デバイス100、200、300、400、610、710のチャンバ110、210、310、410に受け入れられるためのものである。デバイス100、200、300、400、600、700は、使用時に、エアロゾル生成材料から吸入可能媒体を生成するように構成される。
【0153】
疑義を回避するために、本明細書において「備える、含む、具備する(comprises)」という用語が本発明又は本発明の特徴を定めるために使用されている場合、本発明又は特徴が「備える、含む、具備する」の代わりに「から本質的に成る」又は「から成る」という用語を使用して定められ得る実施形態も開示される。
【0154】
本明細書において説明された様々な実施形態は、特許請求された特徴の理解及び教示を補助するためにのみ提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表的な例としてのみ提供されており、網羅的及び/又は排他的なものではない。本明細書において説明された利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲に対する限定、又は特許請求の範囲の均等物に対する限定と考えられるべきではなく、特許請求される発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態が利用され得、修正がなされ得ることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本書で特に説明されたもの以外の開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの適切な組み合わせを好適に備え得、それらから成り得、又はそれらから本質的になり得る。加えて、本開示は、現在は特許請求されていないものの将来的に特許請求される可能性のある他の発明を含み得る。