(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】インターカムシステムにおける共用トランク回線を介した音量コントロール
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20241125BHJP
H04M 9/02 20060101ALI20241125BHJP
H04M 9/00 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04M9/02
H04M9/00 K
(21)【出願番号】P 2023523017
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2021076638
(87)【国際公開番号】W WO2022078752
(87)【国際公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-05-18
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ パティック
【審査官】川▲崎▼ 博章
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-226536(JP,A)
【文献】実公昭53-036002(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0324493(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00
H04M 9/02
H04M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のオーディオポートと、複数のクロスポイントと、通信インタフェースと、電子プロセッサとを備えているインターカム装置であって、
前記複数のオーディオポートは、第1のキーパネルに結合されている第1のポートと、前記インターカム装置と第2のインターカム装置との間に2方向オーディオ接続を提供するトランク回線に結合されている第2のポートとを含み、
前記複数のクロスポイントは、前記複数のオーディオポートを相互接続し、
前記電子プロセッサは、前記複数のクロスポイント及び前記通信インタフェースに結合されている、インターカム装置において、
前記電子プロセッサは、
前記第1のキーパネルから、前記第2のインターカム装置に結合されているリモートキーパネルを識別する発呼要求を受け取り、
前記通信インタフェースを介して、トランク要求を、前記発呼要求に基づいてトランクコントローラに伝送し、
前記通信インタフェースを介して、前記トランクコントローラからトランクセットアップメッセージを受け取り、
前記複数のクロスポイントのうちの、前記第1のポート及び前記第2のポートに関連付けられている第1のクロスポイントを、前記トランクセットアップメッセージに基づいてアクティブ化し、
前記リモートキーパネルに基づいて、前記第1のクロスポイントにトランクゲイン値を適用する
ように構成されている、インターカム装置。
【請求項2】
前記電子プロセッサはさらに、前記トランクセットアップメッセージに基づいて、前記第1のクロスポイントに前記トランクゲイン値を適用するように構成されている、請求項1に記載のインターカム装置。
【請求項3】
前記インターカム装置はさらに、メモリを備えており、
前記電子プロセッサは、
前記メモリに結合されており、
前記第1のキーパネル及び前記リモートキーパネルに基づいて、前記メモリから前記トランクゲイン値を検索するように構成されている、請求項1に記載のインターカム装置。
【請求項4】
前記電子プロセッサはさらに、
前記トランクゲイン値に基づくオーディオゲインで、前記第1のキーパネルから受け取ったオーディオストリームを、前記第2のポートを介して前記第2のインターカム装置に伝送し、
前記第2のインターカム装置から、前記第1のキーパネルと前記リモートキーパネルとに関連付けられているゲイン調整値を受け取り、
前記ゲイン調整値に基づいて、調整されたトランクゲイン値を前記第1のクロスポイントに適用する
ように構成されている、請求項1に記載のインターカム装置。
【請求項5】
前記電子プロセッサはさらに、前記調整されたトランクゲイン値に基づくオーディオゲインで前記オーディオストリームを伝送するように構成されている、請求項4に記載のインターカム装置。
【請求項6】
前記インターカム装置はさらに、メモリを備えており、
前記電子プロセッサは、
前記メモリに結合されており、
前記調整されたトランクゲイン値、前記第1のキーパネルに関連付けられた識別子、及び、前記リモートキーパネルに関連付けられた識別子を前記メモリに格納するように構成されている、請求項4に記載のインターカム装置。
【請求項7】
前記電子プロセッサはさらに、
前記第1のクロスポイントのアクティブ化に応じて、トランクタイマを開始し、
前記第1のキーパネルからオーディオインプットを受け取ることなく、前記トランクタイマの期間が終了すると、前記第1のクロスポイントを非アクティブ化し、
前記第1のキーパネルから、前記リモートキーパネルを識別する第2の発呼要求を受け取り、
前記第2の発呼要求に基づいて、第2のトランク要求を、前記通信インタフェースを介して前記トランクコントローラに伝送し、
前記トランクコントローラから、前記通信インタフェースを介して第2のトランクセットアップメッセージを受け取り、
前記第2のトランクセットアップメッセージに基づいて、前記第1のクロスポイントをアクティブ化し、
前記第1のキーパネル及び前記リモートキーパネルに基づいて、前記メモリから前記調整されたトランクゲイン値を検索し、
前記調整されたトランクゲイン値を前記第1のクロスポイントに適用する
ように構成されている、請求項6に記載のインターカム装置。
【請求項8】
前記複数のオーディオポートは、第2のキーパネルに結合されている第3のポートを含み、
前記電子プロセッサはさらに、
前記第2のキーパネルから、前記第2のインターカム装置に結合されている前記リモートキーパネルを識別する第2の発呼要求を受け取り、
前記第2の発呼要求に基づいて、第2のトランク要求を、前記通信インタフェースを介して前記トランクコントローラに伝送し、
前記トランクコントローラから、前記通信インタフェースを介して第2のトランクセットアップメッセージを受け取り、
前記複数のクロスポイントのうちの、前記第2のポート及び前記第3のポートに関連付けられている第2のクロスポイントを、前記第2のトランクセットアップメッセージに基づいてアクティブ化し、
前記第2のキーパネル及び前記リモートキーパネルに基づいて、前記第2のクロスポイントに第2のトランクゲイン値を適用する
ように構成されている、請求項1に記載のインターカム装置。
【請求項9】
前記インターカム装置はさらに、メモリを備えており、
前記電子プロセッサは、
前記メモリに結合されており、
前記第2のキーパネル及び前記リモートキーパネルに基づいて、前記メモリから前記第2のトランクゲイン値を検索するように構成されている、請求項8に記載のインターカム装置。
【請求項10】
前記電子プロセッサはさらに、
前記第2のインターカム
装置から、前記第1のキーパネルと前記リモートキーパネルとに関連付けられている第2のゲイン調整値を受け取り、
前記第2のゲイン調整値に基づいて、第2の調整されたトランクゲイン値を前記第2のクロスポイントに適用し、
前記第2のキーパネルから受け取った第2のオーディオストリームと混合された、前記第1のキーパネルから受け取ったオーディオストリームを、前記第2のポートを介して前記第2のインターカム装置に伝送する
ように構成されており、
前記オーディオストリームは、前記
第2の調整されたトランクゲイン値に基づくオーディオゲインを有し、
前記第2のオーディオストリームは、前記第2の調整されたトランクゲイン値に基づく第2のオーディオゲインを有する、請求項8に記載のインターカム装置。
【請求項11】
前記インターカム装置はさらに、メモリを備えており、
前記複数のオーディオポートは、第2のキーパネルに結合されている第3のポートと、前記インターカム装置と前記第2のインターカム装置との間に第2の2方向オーディオ接続を提供する第2のトランク回線に結合されている第4のポートとを含み、
前記電子プロセッサは、前記メモリに結合されており、
前記電子プロセッサはさらに、
前記第2のキーパネルから、前記第2のインターカム装置に結合されている前記リモートキーパネルを識別する第2の発呼要求を受け取り、
前記通信インタフェースを介して、前記第2の発呼要求に基づいて、第2のトランク要求を前記トランクコントローラに伝送し、
前記通信インタフェースを介して、前記トランクコントローラから第2のトランクセットアップメッセージを受け取り、
前記複数のクロスポイントのうちの、前記第3のポート及び前記第4のポートに関連付けられている第2のクロスポイントを、前記第2のトランクセットアップメッセージに基づいてアクティブ化し、
前記第2のキーパネル及び前記リモートキーパネルに基づいて、前記メモリから第2のトランクゲイン値を検索し、
前記第2のクロスポイントに前記第2のトランクゲイン値を適用する
ように構成されている、請求項1に記載のインターカム装置。
【請求項12】
インターカムシステムを動作させるための方法であって、
第1のインターカム装置に結合されている第1のキーパネルから、第2のインターカム装置に結合されているリモートキーパネルを識別する発呼要求を受け取ることと、
前記発呼要求に基づいて、トランク要求をトランクコントローラに伝送することと、
前記トランクコントローラからトランクセットアップメッセージを受け取ることと、
第1のキーパネルに結合されている第1のポート及び前記第1のインターカム装置と前記第2のインターカム装置との間に2方向オーディオ接続を提供するトランク回線に結合されている第2のポートに結合されている、複数のクロスポイントのうちの第1のクロスポイントを、前記トランクセットアップメッセージに基づいてアクティブ化することと、
前記リモートキーパネルに基づいて、前記第1のクロスポイントにトランクゲイン値を適用することと、
前記トランクゲイン値に基づくオーディオゲインで、前記第1のキーパネルから受け取ったオーディオストリームを、前記第2のポートを介して前記第2のインターカム装置に伝送することと、
前記第2のインターカム
装置から、前記第1のキーパネルと前記リモートキーパネルとに関連付けられているゲイン調整値を受け取ることと、
前記ゲイン調整値に基づいて、調整されたトランクゲイン値を前記第1のクロスポイントに適用することと、
を含む方法。
【請求項13】
前記第1のクロスポイントに前記トランクゲイン値を適用することは、前記トランクセットアップメッセージに基づいて、前記トランクゲイン値を適用することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のキーパネル及び前記リモートキーパネルに基づいて、メモリから前記トランクゲイン値を検索することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記調整されたトランクゲイン値に基づくオーディオゲインで前記オーディオストリームを伝送することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記調整されたトランクゲイン値、前記第1のキーパネルに関連付けられた識別子、及び、前記リモートキーパネルに関連付けられた識別子をメモリに格納することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のクロスポイントのアクティブ化に応じて、トランクタイマを開始することと、
前記第1のキーパネルからオーディオインプットを受け取ることなく、前記トランクタイマの期間が終了すると、前記第1のクロスポイントを非アクティブ化することと、
前記第1のキーパネルから、前記リモートキーパネルを識別する第2の発呼要求を受け取ることと、
前記第2の発呼要求に基づいて、第2のトランク要求を前記トランクコントローラに伝送することと、
前記トランクコントローラから第2のトランクセットアップメッセージを受け取ることと、
前記第2のトランクセットアップメッセージに基づいて、前記第1のクロスポイントをアクティブ化することと、
前記第1のキーパネル及び前記リモートキーパネルに基づいて、前記メモリから前記調整されたトランクゲイン値を検索することと、
前記調整されたトランクゲイン値を前記第1のクロスポイントに適用することと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第3のポートに結合されている第2のキーパネルから、前記第2のインターカム装置に結合されている前記リモートキーパネルを識別する第2の発呼要求を受け取ることと、
前記第2の発呼要求に基づいて、第2のトランク要求を前記トランクコントローラに伝送することと、
前記トランクコントローラから第2のトランクセットアップメッセージを受け取ることと、
前記第2のポート及び前記第3のポートに関連付けられている、前記複数のクロスポイントのうちの第2のクロスポイントを、前記第2のトランクセットアップメッセージに基づいてアクティブ化すること、
前記第2のキーパネル及び前記リモートキーパネルに基づいて、前記第2のクロスポイントに第2のトランクゲイン値を適用することと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記第2のキーパネル及び前記リモートキーパネルに基づいて
、メモリから前記第2のトランクゲイン値を検索することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のインターカム
装置から、前記第1のキーパネルと前記リモートキーパネルとに関連付けられている第2のゲイン調整値を受け取ることと、
前記第2のゲイン調整値に基づいて、第2の調整されたトランクゲイン値を前記第2のクロスポイントに適用することと、
前記第2のキーパネルから受け取った第2のオーディオストリームと混合された、前記第1のキーパネルから受け取ったオーディオストリームを、前記第2のポートを介して前記第2のインターカム装置に伝送することをさらに含み、
前記オーディオストリームは、前記
第2の調整されたトランクゲイン値に基づくオーディオゲインを有し、
前記第2のオーディオストリームは、前記第2の調整されたトランクゲイン値に基づく第2のオーディオゲインを有する、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本明細書において説明される実施形態は、インターカムシステム、インターカム装置及びそれらの動作の方法に関し、より詳細には、共有トランク回線を介した音量コントロールのためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
概要
インターカムシステム、たとえば、ブロードキャストインターカムシステムは、多数の(典型的には、100乃至1000個のポートの範囲における)オーディオポートを含むものとしてよい。各ポートは、オーディオインプット及びオーディオアウトプットを含む。各ポートに、キーパネルのようなインテリジェント装置を接続することができる。各ポートは、個別にコントロールされたレベルで、他のソース(ポート)を混合して聴くことができる。
【0003】
トランキングは、あるインターカムにおけるポートと、他のインターカムにおけるポートとの間でオーディオデータを搬送することを可能にする。例として、これは、キーパネルのユーザが他のインターカムのユーザを呼び出すことを可能にする。受取人はこの呼び出しを聞き、誰が呼び出しているかを示すタリー(たとえば点滅するキー)を受け取る。その後、受取人が応答し、2方向の会話が可能になる。これは、ある都市の電話中央局(CO)に接続されている電話のユーザを、他の都市のCOに接続されている電話のユーザに接続する、電話のトランク回線に類似している。
【0004】
いくつかのブロードキャストインターカムは「フォーキング(forking)」をサポートしており、この場合には、全ての呼び出しが1つの終端において1つのポートを共有する限り、干渉することなく同一のトランク上で複数の独立した呼び出しを実行することができる。たとえば、インターカムXにおけるキーパネルK1は、トランクT1を介して、インターカムYにおけるキーパネルK2に接続され得る。(同様に、インターカムYにおける)キーパネルK3がK1を呼び出すと、その音声を既存のトランクT1上で搬送することもできる。フォーキングは、システムに必要なトランクの数を大幅に減少させる。
【0005】
トランクパスは、利用可能なリソースに基づいて、動的に決定される。各トランクが、単純な双方向オーディオストリームであり、1つのオーディオ信号(これは、複数のソースの混合であるものとしてよい)を搬送していることに留意されたい。これは、多重化チャネルではなく、オーディオストリームを、その個々の構成要素に分離することはできない。
【0006】
キーパネルのユーザは、しばしば複数のオーディオストリームを監視し、又は、1つのキーパネルを介して複数のオーディオ会議に参加する。したがって、ユーザは、種々異なるオーディオソースを聞くレベルのコントロールが可能になることを望んでいる。たとえば、ユーザが、バックグラウンドで監視する必要のあるソースの音量を下げ、他方では、より緊急性の高い会話に対しては音量を上げることを望むことがある。固定されたタイラインによって、このタイラインから聴いている者へのオーディオレベル調整によって個々のオーディオ調整を行うことができる。しかし、インターカムトランキングにおいては、これは機能しない。第1に、オーディオ調整は、音声がインターカムに入る場所(即ち、どのトランク回線が選択されているか)に基づいて動的に適用されなければならない。第2に、トランクがフォーキングを使用する場合、ローカルのオーディオ調整は、トランクを介して搬送される全ての会話に適用されるが、ユーザが、会話の1つの構成要素だけを調整することを望んでいることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、インターカムシステムのトランク回線を介したリモート音量コントロールのためのシステム及び方法が、本明細書において提供される。本明細書において説明される実施形態は、特に、キーパネル間のトランキングされたオーディオ接続に持続的に適用されるリモート音量調整を可能にする。このような実施形態を用いて、ユーザは、1つ又は複数のトランク接続を介して受け取った複数のオーディオストリームに対して、音声がそのトランクにパッチされる場所でゲインを遠隔で調整することによって、ゲインのバランスを取ることができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの例示的な実施形態は、インターカム装置を提供する。この装置は、複数のオーディオポートと、複数のクロスポイントと、通信インタフェースと、電子プロセッサとを備えており、複数のオーディオポートは、第1のキーパネルに結合されている第1のポートと、このインターカム装置と第2のインターカム装置との間に2方向オーディオ接続を提供するトランク回線に結合されている第2のポートとを含み、複数のクロスポイントは、複数のオーディオポートを相互接続し、電子プロセッサは、複数のクロスポイント及び通信インタフェースに結合されている。電子プロセッサは、第1のキーパネルから、第2のインターカムに結合されているリモートキーパネルを識別する発呼要求を受け取るように構成されている。電子プロセッサは、通信インタフェースを介して、この発呼要求に基づいて、トランク要求をトランクコントローラに伝送するように構成されている。電子プロセッサは、通信インタフェースを介して、トランクコントローラからトランクセットアップメッセージを受け取るように構成されている。電子プロセッサは、複数のクロスポイントのうちの第1のクロスポイントを、トランクセットアップメッセージに基づいてアクティブ化するように構成されており、第1のクロスポイントは、第1のポート及び第2のポートに関連付けられている。電子プロセッサは、リモートキーパネルに基づいて、第1のクロスポイントにトランクゲイン値を適用するように構成されている。
【0009】
他の例示的な実施形態は、リモートゲイン調整のための方法を提供する。この方法は、第1のインターカムに結合されている第1のキーパネルから、第2のインターカムに結合されているリモートキーパネルを識別する発呼要求を受け取ることを含む。この方法は、発呼要求に基づいて、トランク要求をトランクコントローラに伝送することを含む。この方法は、トランクコントローラからトランクセットアップメッセージを受け取ることを含む。この方法は、複数のクロスポイントのうちの第1のクロスポイントを、トランクセットアップメッセージに基づいてアクティブ化することを含み、第1のクロスポイントは、第1のキーパネルに関連付けられている第1のポートと、第1のインターカム装置と第2のインターカム装置との間に2方向オーディオ接続を提供するトランク回線に結合されている第2のポートとに結合されている。この方法は、リモートキーパネルに基づいて第1のクロスポイントにトランクゲイン値を適用することを含む。この方法は、トランクゲイン値に基づくオーディオゲインで、第1のキーパネルから受け取ったオーディオストリームを、第2のポートを介して第2のインターカムに伝送することを含む。この方法は、第2のインターカムから、第1のキーパネルとリモートキーパネルとに関連付けられているゲイン調整値を受け取ることを含む。この方法は、このゲイン調整値に基づいて、調整されたトランクゲイン値を第1のクロスポイントに適用することを含む。
【0010】
添付の図面において、個々の図面を通じて、同一の参照符号は、同一の又は機能的に類似の要素を指しており、これらの添付の図面は、以下の詳細な説明と共に明細書に組み込まれて、明細書の一部を成すものであり、請求された発明を含む概念の実施形態をより詳細に例示し、それらの実施形態の種々の原理及び利点を説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】いくつかの実施形態による、インターカムシステムのブロック図を示す図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、
図1のシステムのトランクコントローラを概略的に示す図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、
図1のシステムのキーパネルを概略的に示す図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、
図1のシステムの動作の態様を示す図である。
【
図5】いくつかの実施形態による、
図1のシステムの動作の態様を示す図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、共有トランク回線を介した音量コントロールのための方法のフローチャートを示す図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、例示的なグラフィカルユーザインタフェース要素を示す図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、例示的なグラフィカルユーザインタフェース要素を示す図である。
【0012】
これらの図面における要素は、単純さ及び明瞭さのために例示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないことが、当業者には認められるであろう。たとえば、図面中のいくつかの要素の寸法は、本発明の実施形態をより良く理解するために、他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【0013】
図面において、必要とされるところでは、器具及び方法の構成要素は慣用の記号によって表現されており、本明細書の説明の利益を受ける当業者には容易に理解されるであろう詳細によって本開示が不明瞭にならないように、本発明の実施形態を理解するために直接関係のある特定の詳細のみを示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
任意の実施形態を詳細に説明する前に、本発明がその適用において、以下の説明に記載される又は以下の図面に図示されるコンストラクションの詳細及び構成要素の配置に限定されるものではないことを理解されたい。他の実施形態が可能であり、提供された実施形態及び例は、様々な態様における実施又は実行が可能である。
【0015】
説明を容易にするために、本明細書において提示される例示的なシステムの各々は、その構成要素の部分の各々の1つの例によって示されている。いくつかの例においては、システムの全ての構成要素が説明又は図示されていない場合がある。他の例示的な実施形態は、図示されている各構成要素より多くの構成要素又はより少ない構成要素を含む場合があり、いくつかの構成要素を組み合わせることができ、又は、付加的若しくは代替的な構成要素を含むものとしてよい。
【0016】
図1は、例示的なインターカムシステム100のブロック図である。
図1は、実施形態が実装可能なネットワーク化された構成の一例を示しており、他の構成が可能である。図示の例においては、システム100は、トランクコントローラ102と、第1のインターカム104と、第2のインターカム106と、トランクエディタ108と、インターカムエディタ110とを含む。トランクコントローラ102、第1のインターカム104、第2のインターカム106、トランクエディタ108及びインターカムエディタ110は、通信ネットワーク112を介して互いに通信可能に結合されている。通信ネットワーク112は、無線接続、有線接続又はそれらの組合せを含む通信ネットワークである。通信ネットワーク112は、ローカルエリアネットワーク、たとえばBluetooth(商標)ネットワーク又はWi-Fiネットワーク、ワイドエリアネットワーク、たとえばインターネット、及び、それらの組合せ又は派生物を使用して実装され得る。当業者には理解されるように、
図1は、簡略化された図であり、ネットワークは、
図1に示された概略的な要素よりも複雑である。
【0017】
システム100はまた、第1のキーパネル114、第2のキーパネル116及び第3のキーパネル118を含む。いくつかの実施形態においては、第1のキーパネル114、第2のキーパネル116及び第3のキーパネル118のうちの1つ又は複数は、通信ネットワーク112を介してシステム100の他の構成要素に通信可能に結合されるものとしてよい。システム100は一例として提供されており、いくつかの実施形態においては、システム100は、より少ない構成要素又は付加的な構成要素を含み得ることが理解されるべきである。特に、
図1は、説明を容易にするために、2つのインターカム及び3つのキーパネルのみを示しているが、システム100の実施形態は、種々の態様により相互接続されている数十、数百又は数千のインターカム及びキーパネルを有するものとしてよいことが理解されるべきである。
【0018】
図3に関して本明細書において詳細に説明される第1のキーパネル114、第2のキーパネル116及び第3のキーパネル118の各々は、ユーザに、1人又は複数の他のユーザに対する2方向オーディオ通信及び1つ又は複数のオーディオソースの1方向オーディオ監視を提供する。たとえば、ニューススタジオのディレクタは、第2のキーパネル116を使用しているカメラオペレータと通信するために第1のキーパネル114を使用するものとしてよい。本明細書において説明されるように、各キーパネルは、(キーパネルが接続されているインターカムから到来する音声を再生する)スピーカと(同一のインターカムに音声を送る)マイクロフォンとを有する。キーパネルは、様々なキーを有し、これらのキーは他のユーザに対して話す・聴くために使用され得る。
【0019】
音声及びコントロール信号を送り、受け取るため、インターカムのポートにキーパネルが接続されている。たとえば、
図1に示されているように、第1のキーパネル114及び第2のキーパネル116は、第1のインターカム104のポートに通信可能に結合されており、第3のキーパネル118は、第2のインターカム106のポートに通信可能に結合されている。インターカム、たとえば、第1のインターカム104(これは、
図4に関して詳細に説明される)は、音声及び/又はコントロール信号を送り、受け取るための複数のポートを含む。本明細書において説明されるように、音声は、クロスポイントでインターカム内のポートを相互接続することによって、インターカムシステムを通じてルーティングされる。第1のインターカム104及び第2のインターカム106のそれぞれにおいて、1つ又は複数のポートは音声専用である(即ち、キーパネルが取り付けられていない)。このようなポートは、インターカムに音声を送り、インターカムから音声を取り出すために使用されるものとしてよい(たとえば、オーディオミキシングコンソールから到来するオーディオフィード又はステージアナウンススピーカへのオーディオフィード)。
【0020】
いくつかの実施形態においては、第1のインターカム104及び第2のインターカム106の各々は、RTS Intercom Systems(登録商標)によって製造されるADAM(登録商標)、ADAM-M(登録商標)又はODIN(登録商標)のうちの1つであるものとしてよい。第1のインターカム104及び第2のインターカム106は、インターカムエディタ110を使用して構成されている。いくつかの実施形態においては、インターカムエディタ110はRTS Intercom Systems(登録商標)によって製造されるAZedit(登録商標)ソフトウェア製品を実行して、インターカム及びキーパネル、特にクロスポイント及びリモート音量セッティングの動作を構成し、コントロールし、監視する。
【0021】
図1に示されているように、第1のキーパネル114及び第2のキーパネル116は、第1のインターカム104上のポートに接続され、第3のキーパネル118は、第2のインターカム106上のポートに接続されている。本明細書において説明されるように、トランクコントローラ102、第1のインターカム104及び第2のインターカム106は、第1のキーパネル114、第2のキーパネル116及び第3のキーパネル118の間にオーディオ通信を提供するように動作する。たとえば、
図4に関して詳細に説明されるように、第1のインターカム104は、第1のキーパネル114のユーザと第2のキーパネル116のユーザとの間のオーディオ通信を、第1のインターカム104内でそれらの各ポートを接続することによって確立するものとしてよい。
【0022】
インターカムシステムの能力を高めるために、トランキングを介して複数のインターカムが結び付けられるものとしてよい。トランキングは、(たとえば、種々異なるインターカムに接続されているキーパネルを呼び出すために)一方のインターカムのユーザが他方のインターカムのリソースにアクセスすることを可能にする。たとえば、
図5に関して詳細に説明されるように、第1のキーパネル114、第2のキーパネル116又はその両方は、第1のインターカム104、第2のインターカム106及び相互接続する複数のトランク120のうちの1つ又は複数のトランクを介して第3のキーパネル118に対するオーディオ通信の伝送及び受け取りを行うものとしてよい。トランクは、あるインターカムにおける一方のポートから異なるインターカムにおける他方のポートへの音声専用接続である。第1のインターカム104から第2のインターカム106への呼び出し(即ち、トランクキングされた呼び出し)は、トランクコントローラ102によって管理される。
【0023】
図2を参照して本明細書において詳細に説明されるトランクコントローラ102は、第1のインターカム104と第2のインターカム106との間の接続を構成し、選択するように動作する。トランクは、(たとえば、トランクエディタ108を使用して)予め規定されている。トランクコントローラ102は、トランク及びトランクが接続しているものについて認識している。一方のインターカムから他方のインターカムのユーザに呼び出しがかかった場合、トランクコントローラ102は、予め規定されているどのトランクを使用するかを決定し、次いでそのトランクを使用して、ローカルユーザとリモートユーザ(即ち、ユーザのそれぞれのキーパネル)との間で音声を伝える。本明細書において詳細に説明されるように、トランクコントローラ102は、(たとえば、適当な通信プロトコルを使用して)コントロールメッセージを第1のインターカム104及び第2のインターカム106に送ることもでき、これによってインターカム内のクロスポイントに対するゲインセッティングが調整される。いくつかの実施形態においては、トランクエディタ108は、RTS Intercom Systems(登録商標)によって製造されるTrunk Edit(登録商標)及びTrunk Supervisor(登録商標)ソフトウェア製品を実行して、トランクコントローラ102の動作、特に、インターカムとキーパネルとの間のトランクの設定及び使用を構成し、コントロールし、監視する。
【0024】
図2は、トランクコントローラ102の例示的な実施形態をさらに詳しく示している。提供された例においては、トランクコントローラ102は、電子プロセッサ205と、メモリ210と、通信インタフェース215と、ディスプレイ220とを含む。図示されている構成要素は、他の種々のモジュール及び構成要素(図示せず)と共に、これらの間の通信を可能にする1つ又は複数のコントロールバス又はデータバス(たとえば通信バス250)によって、又は、これらを介して、相互に結合されている。種々のモジュール及び構成要素間の相互接続及び情報交換のためのコントロールバス及びデータバスの使用は、本明細書において提供される説明を考慮すれば、当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態においては、トランクコントローラ102は、ネットワークに参加しているコンピュータサーバである。
図2は、単に、トランクコントローラ102の1つの例示的な実施形態を示している。トランクコントローラ102は、より少ない構成要素又は付加的な構成要素を含むものとしてよく、本明細書において明示的に説明されたもの以外の機能を実行するものとしてよい。いくつかの実施形態においては、トランクコントローラ102はRTS Intercom Systems(登録商標)によって製造される製品の一群のTrunk Master(登録商標)のうちの1つ(たとえばモデルTM-10K(登録商標))である。
【0025】
電子プロセッサ205は、(たとえばメモリ210及び/又は通信インタフェース215からの)情報を取得し、提供し、たとえばメモリ210のランダムアクセスメモリ(「RAM」)領域、又は、メモリ210のリードオンリーメモリ(「ROM」)領域又は他の非一時的なコンピュータ可読媒体(図示せず)に格納可能な1つ又は複数のソフトウェア命令又はモジュールを実行することによって、この情報を処理する。ソフトウェアは、ファームウェア、1つ又は複数のアプリケーション、プログラムデータ、フィルタ、規則、1つ又は複数のプログラムモジュール及び他の実行可能な命令を含み得る。電子プロセッサ205は、特に、本明細書において説明されるコントロールプロセス及びコントロール方法に関連するソフトウェアをメモリ210から検索して実行するように構成されている。
【0026】
メモリ210は、1つ又は複数の非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得るものであり、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含む。プログラム記憶領域及びデータ記憶領域は、本明細書において説明されるように、種々異なるタイプのメモリの組合せを含み得る。図示の実施形態においては、メモリ210は、特に、トランク定義225(本明細書において詳細に説明される)を格納している。
【0027】
通信インタフェース215は、インプットを受け取り、システムアウトプットを提供するように構成されている。通信インタフェース215は、トランクコントローラ102の内部及び外部両方の装置から情報及び信号を取得し、トランクコントローラ102の内部及び外部両方の装置に情報及び信号を(たとえば、1つ又は複数の有線接続及び/又は無線接続を介して)提供する。通信インタフェース215は、通信ネットワーク112を介して無線通信するための無線送信機又はトランシーバを含むものとしてよい。無線送信機若しくはトランシーバに対して選択的に、又は、無線送信機若しくはトランシーバに加えて、通信インタフェース215は、通信ネットワーク112又は専用の有線接続を介して通信するための、イーサネットケーブル等のケーブルを受け入れるためのポートを含むものとしてよい。いくつかの実施形態においては、トランクコントローラ102が、ルータ、ゲートウェイ及びリレー等のような1つ又は複数の中間装置を介して他の装置と通信することが理解されるべきである。
【0028】
ディスプレイ220は、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)タッチスクリーン又は有機発光ダイオード(OLED)タッチスクリーン等の適当なディスプレイである。いくつかの実施形態においては、トランクコントローラ102は、ユーザがトランクコントローラ102と対話することを可能にする、(たとえば、メモリ210に格納され、ディスプレイ220に表示される命令及びデータから、電子プロセッサ205によって生成される)グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を実装する。いくつかの実施形態においては、トランクコントローラ102は、たとえば、1つ又は複数の介在するネットワークを介して、トランクエディタ108のディスプレイ又は他のリモートコンピュータ端末(図示せず)のディスプレイを使用して、遠隔での表示を可能にする。
【0029】
いくつかの実施形態においては、トランクエディタ108及びインターカムエディタ110は、類似の構成要素を含むコンピュータサーバであり、又は、類似の構成要素を含むコンピュータサーバを含み、全体がトランクコントローラ102と同様に構築及び構成されている。
【0030】
図3は、第1のキーパネル114の例示的なコンストラクションを示している。図示の例においては、第1のキーパネル114は、第1のキーパネル114内の構成要素及びモジュールに電力、動作コントロール及び保護を提供する複数の電気的な構成要素及び電子的な構成要素を含む。第1のキーパネル114は電子コントローラ305を含み、電子コントローラ305は、さらに、電子プロセッサ310(たとえば、プログラム可能な電子マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又は類似の装置)及びメモリ315(たとえば、非一時的な機械可読メモリ)を含む。電子プロセッサ310は、メモリ315に通信可能に結合されており、メモリ315に格納されている命令を実行する。電子プロセッサ310は、特に、本明細書において説明されるコントロールプロセス及びコントロール方法に関連する命令をメモリ315から検索して実行するように構成されている。他の実施形態においては、第1のキーパネル114は、より少ない構成要素又は付加的な構成要素を含むものとしてよく、本明細書において明示的に説明されたもの以外の機能を実行するものとしてよい。いくつかの実施形態においては、第1のキーパネル114は、RTS Intercom Systems(登録商標)によって製造されるインターカムキーパネルの一群のKP-Series(登録商標)のうちの1つ(たとえば、モデルKP-5032(登録商標))である。
【0031】
図示の実施形態においては、第1のキーパネル114は、ヒューマンマシンインタフェース317も含む。ヒューマンマシンインタフェース317は、マイクロフォン320と、スピーカ325と、ディスプレイ330と、インプット機構335とを含む。マイクロフォン320及びスピーカ325は、種々の構成で構築されるものとしてよい。たとえば、スピーカ325とマイクロフォン320とは、1つのヘッドセットに統合されるものとしてもよいし、別個の独立した構成要素であるものとしてもよい。スピーカ325、マイクロフォン320、ディスプレイ330及びインプット機構335は、コントローラ305と電気的に結合されており、第1のキーパネル114のユーザのためのインプット機能及びアウトプット機能を提供する。いくつかの実施形態においては、第1のキーパネル114は、マイクロフォン320からオーディオストリーム(たとえばボイスメッセージ)を生成する。他の実施形態においては、オーディオストリームは、他のソースによって生成され、第1のキーパネル114によって受け取られるものとしてよい。オーディオストリームは、メモリ315に格納されるものとしてもよい。インプット機構335からのユーザ選択可能なエントリは、以下において説明するように、第1のキーパネル114に対するオーディオストリームの伝送及び受け取りを選択し、指示する。
【0032】
インプット機構335は、複数のボタン、スイッチ、トグル等を含む複数のインプットを有するものとしてよい。これらのインプットの各々は、1つ又は複数の特定のインターカム装置との通信をアクティブ化することができる。インプット機構335のインプットのうちの1つが(たとえば、押下、トグリング、保持等によって)アクティブ化されると、コントローラ305は、通信のために、アクティブ化されたインプットによって選択された特定のインターカム装置を選択し、選択されたインターカム装置に関連付けられたアドレシング情報を第1のインターカム104に送ることができる。次に、第1のインターカム104は、第1のキーパネル114と選択されたインターカム装置との間の通信リンクをアクティブ化することができる。第1のキーパネル114は、各特定のインプットに関連付けられた各特定のインターカム装置のアドレスによって予め構成されるものとしてよい。
【0033】
いくつかの実施形態においては、第2のキーパネル116及び第3のキーパネル118は、類似の構成要素を含み、全体が第1のキーパネル114と同様に構築及び構成されている。いくつかの実施形態においては、第2のキーパネル116、第3のキーパネル118又はその両方は、第1のキーパネル114と実質的に同一である。
【0034】
上記のように、第1のインターカム104は、第1のキーパネル114と第2のキーパネル116との間にオーディオ通信を提供するように構成されている。
図4に示されているように、第1のインターカム104は、複数のオーディオポート402(これらはそれぞれインプット及びアウトプットを含む)を含む。オーディオポート402は、スイッチングファブリック404を生成するように構成されている。スイッチングファブリック404は、物理的に(たとえば、ソリッドステート回路を使用して)又はデジタルに実装されるものとしてよい。そのコンストラクションに関係なく、スイッチングファブリック404は、オーディオインプットとオーディオアウトプットとを相互接続するためのクロスポイント(これらはクロスポイント405~408を含む)を提供し、これによって特に、キーパネル間にオーディオ接続が提供される。第1のインターカム104は、クロスポイントをアクティブ化・非アクティブ化するためにスイッチングファブリック404をコントロールする電子コントローラ410(これはたとえば、少なくとも電子プロセッサ、メモリ及び通信インタフェースを含む)を含む。たとえば、電子コントローラ410は、クロスポイント405において、ポート2のオーディオインプットをポート6のオーディオアウトプットに接続し、クロスポイント408において、ポート6のオーディオインプットをポート2のオーディオアウトプットに接続し、これによって、第1のキーパネル114と第2のキーパネル116との間に接続が提供される。このようにして、第2のキーパネル116のマイクロフォン425を起源とする音声が第1のキーパネル114のスピーカ320にルーティングされる。同様に、第1のキーパネル114のマイクロフォン325を起源とする音声が、第2のキーパネル116のスピーカ420にルーティングされる。電子コントローラ410は、各クロスポイントに対するゲインをコントロールする。各クロスポイントに対する初期設定のゲインは0dBである。
【0035】
キーパネルは、オーディオミキシングコンソールと同様に、種々異なるオーディオインプットを混合して聴くことができる。たとえば、
図4に示されているように、第2のキーパネル116は、第1のキーパネル114から音声を受け取ることに加えて、クロスポイント406及び407のそれぞれにおいてアウトプットポート6にパッチされたインプットポート4及び5からも音声を受け取る。したがって、アウトプットポート6は、第2のキーパネル116のスピーカ420に、混合された3つのオーディオ信号を搬送する。各クロスポイントは、それ自体のゲインを有するので、第2のキーパネル116のユーザは、(たとえば、インプット機構335を使用して)インプットの相対的な音の大きさを調整することができる。
【0036】
図4は、1つのインターカムを介して通信する2つのキーバネルを示している。しかし、上記のように、いくつかのインターカムシステムは、複数のインターカムを介してオーディオ接続を提供するためにトランキングを利用する。たとえば、
図5に示されているように、第1のキーパネル114、第2のキーパネル116及び第3のキーパネル118は、第1のインターカム104及び第2のインターカム106を介して通信する。第2のインターカム106は、第1のインターカム104と同様に構成されており、電子コントローラ506によってコントロールされるスイッチングファブリック504を生成するように構成されている複数のオーディオポート502を含む。第1のインターカム104は第2のインターカム106と、トランク508(複数の相互接続するトランク120のうちの1つ)を介して接続されている。トランクは、物理的な接続(たとえば、有線接続)又は(たとえば、インターネットプロトコル接続を使用する)仮想の接続であるものとしてよい。
【0037】
第1のキーパネル114のユーザが第3のキーパネル118のユーザを呼び出す要求をインプットすると、電子コントローラ410は、トランクコントローラ102に接続を確立するための要求を送る。これに応じて、トランクコントローラ102は、第1のインターカム104及び第2のインターカム106に、トランク508を介して音声を設定するようにメッセージを送り、第2のキーパネル116に、第1のキーパネル114から到来している呼び出しがある旨の表示を与える。このメッセージの受け取りに応じて、第1のインターカム104の電子コントローラ410は、クロスポイント510をアクティブ化して、インプットポート1をアウトプットポート2(トランクポート)にパッチし、第2のインターカム106の電子プロセッサ506は、クロスポイント512をアクティブ化して、インプットポート4(トランクポート)をアウトプットポート3にパッチする。このようにして、第1のキーパネル114のマイクロフォン325から受け取ったオーディオインプットが、第3のキーパネル118のスピーカ520にルーティングされる。説明を容易にするために、1方向のオーディオ接続のみが示されているが、オーディオ接続は、双方向であるものとしてよいことに留意すべきである。
【0038】
いくつかの例においては、2つ以上のキーパネルが、他のインターカム上のリモートキーパネルに接続することを望んでいる場合がある。そのような場合、トランクコントローラ102は、1つのトランクを介して複数のユーザを接続するためにフォーキングを利用することとなる。これによって、システム内で必要とされるトランクの数が減少する。たとえば、
図5に示されているように、第2のキーパネル116が第3のキーパネル118に呼び出しを要求する場合、トランクコントローラ102は、第1のインターカム104及び第2のインターカム106に、既存のトランク508を介してその接続を確立するように指示することとなる。これに応じて、第1のインターカム104の電子コントローラ410は、クロスポイント514をアクティブ化して、インプットポート5をアウトプットポート2(トランクポート)にパッチすることとなる。これが完了すると、第3のキーパネル118のスピーカ520は、ここで、第2のキーパネル116のマイクロフォン425からの音声と混合された、第1のキーパネル114のマイクロフォン325からの音声を、トランク508を介して受け取ることとなる。
【0039】
いくつかの構成においては、キーパネルは、(たとえば、
図5に関して本明細書において説明されたように)トランク回線上で1つ又は複数のリモートオーディオソースを受け入れるものとしてよい。トランク回線用のローカルインターカムにおけるゲインを調整することによって、このトランク回線上で受け入れた全てのオーディオソースのゲインが調整されるので、混合されたオーディオ信号に対して音量のバランスを取ることは不可能である。したがって、個々のオーディオソースに対するゲインは、それらの各インプットクロスポイントにおいて調整されなければならない。したがって、
図6は、共有トランク回線を介したリモート音量コントロールのための例示的な方法600を示している。方法600は、本明細書において説明されたシステム100に関連して説明されるが、方法600は、他のシステム及び装置と共に使用され得る。さらに、方法600が、提供された特定の例とは異なるように変更又は実施されるものとしてよい。
【0040】
一例として、方法600は、第1のインターカム104、特に電子コントローラ410によって実施されるものとして説明される。しかし、いくつかの実施形態においては、方法600の一部が、たとえば、第2のインターカム106及びトランクコントローラ102を含む他の装置によって実施されるものとしてよいことが理解されるべきである。付加的な電子コントローラは、方法600の全部又は一部を実施する第1のインターカム104に含まれるものとしてもよい。説明を容易にするために、方法600は、1つのトランク回線によって接続されている3つのキーパネル及び2つのインターカムに関して説明される。しかしながら、方法600は、3つ以上のインターカム、4つ以上のキーパネル、2つ以上のトランク回線、及び、それらの組合せを含むシステムに適用されるものとしてよい。
【0041】
ブロック602において、第1のインターカム104は、第1のキーパネル114から、第2のインターカムに結合されているリモートキーパネルを識別する発呼要求を受け取る。たとえば、第1のキーパネル114のユーザは、第3のキーパネル118に呼び出しをかけるために、インプット機構335のトグルスイッチをアクティブ化することができる。このインプットによって、第1のインターカム104に対する発呼要求コントロール信号が生成される。発呼要求は、特に、リモートキーパネルを識別する。
【0042】
第1のインターカム104は、発呼要求を受け取ると、呼び出しているキーパネルと呼び出されたキーパネルとの間に接続を設定する(たとえばクロスポイントをアクティブ化する)。第1のインターカム104は、インターカムシステム100内のキーパネルの位置を(たとえば、電子コントローラ410のメモリ内に)格納している。他のインターカムに接続されているキーパネルに対する発呼要求を受け取ると、第1のインターカム104は、呼び出しているキーパネルの接続の前に、まずは他のインターカムに対する接続を確立しなければならない。ブロック604において、リモートキーパネルへの接続を要求している第1のキーパネル114から発呼要求を受け取ったことに応じて、第1のインターカム104は、(たとえば、通信インタフェースを介して)発呼要求に基づいてトランク要求をトランクコントローラ102に(たとえば、適当な電子通信プロトコルを使用して)伝送する。発呼要求は、呼び出しに関する情報、たとえば、第1のキーパネルに対する識別子、リモートキーパネルに対する識別子、第2のインターカム106に対する識別子等を含むものとしてよい。
【0043】
トランクコントローラ102は、発呼要求を受け取り、第1のインターカム104と、リモートキーパネルが接続されているインターカム(この例においては第2のインターカム106)との間にトランク接続を確立することができる1つ又は複数のトランク及び/又は介在しているインターカムを(たとえば、メモリ210に格納されているトランク定義225を包含しているテーブルから)選択する。トランクコントローラ102は、トランクを設定するためにインターカムが必要とする情報を含むトランクセットアップメッセージを生成し、トランクメッセージをそれぞれの各インターカムに伝送する。
【0044】
ブロック606において、第1のインターカム104は、トランクコントローラから(たとえば、通信インタフェースを介して)トランクセットアップメッセージを受け取る。たとえば、トランクメッセージは、第1のインターカム104が、第1のキーパネル114に結合されている第1のポートを、トランク回線(たとえば、これは、
図5に示されているように、インプットポート1をアウトプットポート2に接続する)に結合されている第2のポートに接続すべきであることを示すものとしてよい。
【0045】
上記のように、インターカムのポートは、任意のポートがあらゆる他の1つ又は複数のポートにパッチされ得るように配置されている。ブロック608において、第1のインターカム104は、トランクセットアップメッセージに基づいて、第1のクロスポイント(たとえば、
図5のクロスポイント510)をアクティブ化する。第1のクロスポイントは、第1のポート及び第2のポートに関連付けられており、第1のクロスポイントを(たとえば、電子リレーのアクティブ化、ソリッドステートスイッチのトリガ又はデジタル接続を行うことにより)アクティブ化することによって、これらのポートをパッチし、これによってオーディオ信号がこれらのポートの間を流れることができるようにする。同様に、第2のインターカム106は、第2のインターカム106が、第3のキーパネル118に結合されているポートを、同一のトランク回線に結合されている他のポートに接続(たとえば、
図5に示されているようにインプットポート4をアウトプットポート3に接続)すべきであることを示すトランクセットアップメッセージを受け取る。2つのインターカムがトランク回線をそれぞれの各キーパネルにパッチすると、2つのキーパネルの間にトランクが確立される。いくつかの実施形態においては、第1のインターカム104、第2のインターカム106、トランクコントローラ102又はこれらの組合せは、トランクタイマを開始させ、トランクを通過する信号を監視する。このような実施形態において、トランクタイマによって規定された時間にわたってトランクが非アクティブのままである場合、トランクは切断され、他のユーザによる使用のためにこのトランク回線が解放される。
【0046】
上記のように、オーディオゲイン(音量レベル)がクロスポイントに適用される。初期設定においては、クロスポイントゲインは0dBにセットされているので、クロスポイントで受信された全ての信号は、自身の既存のゲインレベルで通過する。リモートキーパネルで受信した、混合されたオーディオ信号の相対的な音量をリモートキーパネルのユーザが調整することを可能にするために、トランクゲイン値が適用される。
【0047】
ブロック610において、第1のインターカム104は、リモートキーパネルに基づいて第1のクロスポイントにトランクゲイン値を適用する。いくつかの実施形態においては、トランクを介してリモートキーパネルを接続する要求を受け取ったことに応じて、第1のインターカム104は、第1のキーパネル及びリモートキーパネルに基づいて(たとえば、電子コントローラ410のメモリから)トランクゲイン値を検索する。たとえば、電子コントローラ410のメモリは、第1のキーパネル114がリモートキーパネル(たとえば、第3のキーパネル118)にパッチされるときにはいつも適用されるべきトランクゲイン値を格納するものとしてよい。いくつかの実施形態においては、第1のインターカム104が、トランクセットアップメッセージに基づいて、第1のクロスポイントにトランクゲイン値を適用する。たとえば、トランクセットアップメッセージは、第1のキーパネルとリモートキーパネルとを連結するためにトランクが確立される場合に適用されるべきトランクゲイン値を含むものとしてよい。
【0048】
第1のキーパネル114から第1のインターカム104によってオーディオストリームを受け取ると、第1のインターカム104は、トランクゲイン値に基づくオーディオゲインで、このオーディオストリームを、このトランクに結合されている第2のポートを介して第2のインターカムに伝送する。たとえば、トランクゲイン値が-3dBである場合、受け取ったオーディオストリームに対するゲインは、オーディオストリームがトランクを介して伝送される前に、クロスポイントにおいて-3dBだけ調整される。このようにして、リモートキーパネルは、トランクを介した伝送のためにオーディオストリームが他のオーディオストリームと混合される場合でも、クロスポイントゲインレベルでオーディオストリームを受け取ることとなる。
【0049】
方法600を使用して、リモートキーパネルのユーザ(たとえば、第3のキーパネル118のユーザ)は、トランクを介してリモートソースから受信した信号の音量を調整することができる。1つの例示的な実施形態において、第1のインターカム104は、第2のインターカム106から、第1のキーパネルとリモートキーパネルとに関連付けられているゲイン調整値を受け取る。たとえば、リモートキーパネルのユーザは、第1のキーパネルからの呼び出しの音量を+1dBだけ調整するために、リモートキーパネルのインプット機構をアクティブ化することができる。
【0050】
第1のインターカム104は、ゲイン調整値を受け取ると、このゲイン調整値に基づいて、調整されたトランクゲイン値を第1のクロスポイントに適用する。このような例においては、調整されたトランクゲイン値が、第1のクロスポイントに対するトランクゲイン値に1dBを加算することによって生成される。第1のインターカム104は、調整されたトランクゲイン値に基づくオーディオゲインでオーディオストリームを伝送する。同一のキーパネルの将来の接続のためのゲインセッティングを保持するために、第1のインターカム104は、(たとえば、電子コントローラ410のメモリに)調整されたトランクゲイン値、第1のキーパネルに関連付けられた識別子及びリモートキーパネルに関連付けられた識別子を格納する。いくつかの実施形態においては、第1のインターカム104が、格納のために、この情報をトランクコントローラ102に伝送する。
【0051】
上記のように、いくつかの実施形態においては、トランクタイマが使用される。このような実施形態においては、第1のクロスポイントのアクティブ化に応じて、第1のインターカム104が、トランクタイマを開始し、トランクオーディオを監視する。第1のキーパネル又はリモートキーパネルからオーディオインプットを受け取ることなく、トランクタイマの期間が終了すると、第1のインターカム104は第1のクロスポイントを非アクティブ化し、トランクを解体する。いくつかの実施形態においては、トランクが同一の2つのキーパネルに対して再び確立される場合には、以前に調整された音量がトランクに適用される。このような実施形態において、第1のインターカム104は、第1のキーパネルから、リモートキーパネルを識別する第2の発呼要求を受け取る。第2の発呼要求は、上記の発呼要求と実質的に同様である。これに応じて、第1のインターカム104は、第2の発呼要求に基づいて第2のトランク要求をトランクコントローラに伝送する。第1のインターカム104は、トランクコントローラから第2のトランクセットアップメッセージを受け取り、第1のトランクセットアップメッセージに関して上述したように、第2のトランクセットアップメッセージに基づいて、第1のクロスポイントをアクティブ化する。第1のインターカムは、第1のキーパネル及びリモートキーパネルに基づいて、(たとえば、電子コントローラ410のメモリから)調整されたトランクゲイン値を検索する。たとえば、第1のキーパネル及びリモートキーパネルに対する識別子は、ルックアップテーブルを照会して、これらの識別子に合う調整されたトランクゲイン値を戻すために使用される。次に、第1のインターカム104は、調整されたトランクゲイン値を第1のクロスポイントに適用する。この結果、再び確立されたトランクは、以前のトランキングされた呼び出しの間にリモートキーパネルによって要求されたのと同等のゲインで、第1のキーパネルから音声を伝送する。
【0052】
いくつかの構成においては、2つのインターカムを接続するために2つ以上のトランク回線が使用されるものとしてよい。トランクゲイン値は第1のキーパネル及びリモートキーパネルに関連して格納されているので、いくつかの実施形態においては、第1のインターカム104は、第1のキーパネルとリモートキーパネルとの間の任意のトランキングされた接続に、これら2つを接続するためにどのトランク回線が使用されるかにかかわらず、調整されたトランクゲイン値を適用する。
【0053】
図5に関して上述したように、いくつかのインターカムは、同一のトランク回線を介してリモートキーパネルに2つ以上のローカルキーパネルをパッチするためにフォーキングを使用する。いくつかの実施形態においては、それらの各クロスポイントにおいて各キーパネルのためにゲインが調整される。
【0054】
たとえば、第1のインターカム104は、第1のインターカム104の第3のポートに結合されている第2のキーパネル(たとえば、
図5に示されているように、インプットポート5に結合されている第2のキーパネル116)から、第2のインターカムに結合されているリモートキーパネルを識別する第2の発呼要求を受け取る。これに応じて、第1のインターカム104は、第2の発呼要求に基づいて第2のトランク要求をトランクコントローラに伝送する。第1のインターカム104は、トランクコントローラから第2のトランクセットアップメッセージを受け取る。第1のインターカム104は、第2のトランクセットアップメッセージに基づいて、第2のクロスポイント(たとえば
図5に示されているクロスポイント514)をアクティブ化する。第1のインターカム104は、第2のキーパネル及びリモートキーパネルに基づいて第2のクロスポイントに第2のトランクゲイン値を適用する。たとえば、第1のインターカム104は、上記のように、第2のキーパネル及びリモートキーパネルに対する識別子を使用して、電子コントローラ410のメモリから第2のトランクゲイン値を検索するものとしてよい。
【0055】
いくつかの実施形態においては、リモート割当てのためのオーディオゲインの調整が、キーパネル間のトランキングされた接続を確立するインターカムのいずれか1つ又は複数において実行されるものとしてよい。たとえば、
図5に示されているように、第1のキーパネル114から第3のキーパネル118へのオーディオレベルを調整する場合、オーディオゲインは、第1のインターカム104又は第2のインターカム106のいずれかにおいて(又はこれらの組合せにおいても)調整可能である。たとえば、トランクが第1のインターカム104においてフォークされる場合(
図5に示されているように)、オーディオゲインは、第1のインターカム104における適当なクロスポイントに対して調整されなければならない。同様に、トランクが第2のインターカム106(図示せず)においてフォークされた場合、オーディオゲインは、第2のインターカム106における適当なクロスポイントに対して調整されなければならない。両端でトランクがフォークされない場合には、第1のインターカム104又は第2のインターカム106のいずれかにおいてゲインが調整されるものとしてよい。いくつかの実施形態においては、トランクコントローラ102が、ゲインを調整すべき場所を決定し、影響を受けるインターカムにメッセージを送る。たとえば、-6dBのゲイン調整を求める要求に応じて、トランクコントローラ102は、第1のインターカム104に、適当なローカルクロスポイントにおいて-6dBゲインを適用するように指示するメッセージを送ることができる。他の例においては、トランクコントローラ102は、第1のインターカム104及び第2のインターカム106に、それぞれの各ローカルクロスポイントにおいて-3dBゲインを適用するようにそれぞれ指示するメッセージを送ることができ、その結果として、全体の要求されたパスゲインは-6dBとなる。
【0056】
いくつかのインターカムシステムのサイズが理由で、限られたメモリリソースを残しておくために、リモートゲイン調整能力は制限されている。
図7は、例示的なグラフィカルユーザインタフェース要素700を示している。要素700は、インターカムエディタ110によって生成され、これによってユーザは、たとえば、第1のインターカム104及び第2のインターカム106を構成することができる。ユーザは、最大パネル数量704(「ゲインを伴うパネル(Panels with Gains)」)を指定することができ、これは、リモートゲイン調整を要求することが許されているシステム内のポートの数を制限する。ユーザは、個々のキーパネルによって指定可能な個々のゲイン値の数を制限する、パネル数量当たりの最大ゲイン706(「パネル当たりのゲイン(Gains Per Panel)」)を指定するものとしてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態においては、方法600を使用してリモート割当てゲインを調整することが可能になる前に、リモートゲイン調整がリモートキーパネルに対して有効化されなければならない。
図8は、例示的なグラフィカルユーザインタフェース要素800を示している。要素800は、インターカムエディタ110によって生成され、たとえば、ユーザが第1のキーパネル114、第2のキーパネル116及び第3のキーパネル118を構成すること可能にする。チェックボックス802を使用することによって、ユーザはキーパネル上でリモート割当てゲインを有効化することができる。
図7に関して本明細書において述べたように、リモート割当てゲインの数は、制限されている。
【0058】
キーパネルに対して、リモート割当てゲインが有効化されている場合、ユーザによってリモート割当てに対するゲインが調整可能である。たとえば、ローカル割当てと同様にリモート割当てに対して、ゲインが調整可能である。たとえば、KP-5032キーパネルにおいては、ユーザは、割当てのためにレバーキーを左右に動かしてゲインを調整する。他の例においては、リモート割当てゲインを、インターカムエディタ110上でソフトウェア(たとえばAZedit)を使用して事前にセットすることができる。
【0059】
いくつかの実施形態においては、インターカムは、複数の独立したパーティラインをサポートする。たとえば、デジタルインターカムにおいては、パーティラインは、物理的なワイヤ等のいかなる特定のハードウェアも備えていないリソースである。複数のユーザ(キーパネル)全てが、同一のパーティラインで話して、聴き、コントローラは、必要なクロスポイントを閉じるので、これらのユーザは、互いに聞こえ合うこととなる。パーティラインを使用すると、接続されているキーパネルは、(話さずに)聴くことができる、(聴かずに)話すことができる又は話すと同時に聴くことができる。本明細書において説明された実施形態を使用して、キーパネルは、リモートパーティラインでの聴くレベルを調整することができる。
【0060】
1つ又は複数の実施形態が、上述の明細書及び添付の図面において説明及び図示されている。これらの実施形態は、本明細書において提供される特定の詳細に限定されるものではなく、種々の態様により変更されるものとしてよい。さらに、本明細書において説明されていない他の実施形態が存在するものとしてよい。また、1つの構成要素によって実行されるものとして本明細書において説明された機能が、分散されて、複数の構成要素によって実行されるものとしてよい。同様に、複数の構成要素によって実行される機能が合併され、1つの構成要素によって実行されるものとしてよい。同様に、特定の機能を実行すると説明された構成要素が、本明細書において説明されていない付加的な機能を実行する場合もある。たとえば、特定の態様により「構成されている(configured)」装置又は構造は、少なくともそのような態様により構成されているが、挙げられていない態様により構成されるものとしてもよい。さらに、本明細書において説明されたいくつかの実施形態は、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納されている命令を実行することによって、説明された機能を実行するように構成されている1つ又は複数の電子プロセッサを含み得る。同様に、本明細書において説明された実施形態は、説明された機能を実行するために1つ又は複数の電子プロセッサによって実行可能な命令を格納している非一時的なコンピュータ可読媒体として実装され得る。本出願で使用するとき、「非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer-readable medium)」は、全てのコンピュータ可読媒体を備えているが、一時的な伝播信号から構成されるものではない。したがって、非一時的なコンピュータ可読媒体には、たとえば、ハードディスク、CD-ROM、光学記憶装置、磁気記憶装置、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ又はそれらの任意の組合せが含まれるものとしてよい。
【0061】
さらに、本明細書において使用される表現及び用語は、説明を目的とするものであり、限定とみなされるべきではない。たとえば、本明細書における「含む(including)」、「包含する(containing)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、その後に挙げられる項目、それらの等価物及び付加的な項目を包含することを意味する。用語「接続されている(connected)」及び「結合されている(coupled)」は広く使用され、直接的な接続及び結合並びに間接的な接続及び結合の両方を包含している。さらに、「接続されている(connected)」及び「結合されている(coupled)」は、物理的な接続若しくは結合又は機械的な接続若しくは結合に限定されるものではなく、直接的又は間接的にかかわらず、電気的な接続又は結合を含み得る。さらに電子通信及び通知が、有線接続、無線接続又はそれらの組合せを使用して実行されるものとしてよく、種々のタイプのネットワーク、通信チャネル及び接続を介して直接的に、又は、1つ又は複数の中間装置を介して伝送されるものとしてよい。不定冠詞(「a」及び「an」)は、本明細書において特に明記しない限り、1つ又は複数として定義される。用語「実質的に(substantially)」、「本質的に(essentially)」、「ほぼ(approximately)」、「約(about)」又はこれらの他のいずれかの変形は、当業者によって理解されるものに近いものとして定義され、非限定的な一実施形態においては、この用語は、10%以内、他の実施形態においては5%以内、他の実施形態においては1%以内、さらに、他の実施形態においては0.5%以内であると定義される。さらに、第1及び第2、上及び下等の関係を示す用語は、本明細書において、単に、あるエンティティ又はアクションを他のエンティティ又はアクションから区別するために使用されるものとしてよく、そのようなエンティティ又はアクションの間のいずれかの実際のそのような関係又は順序を必ずしも要求又は暗示している必要はない。
【0062】
いくつかの実施形態の種々の特徴及び利点は、以下の特許請求の範囲に記載されている。