(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】燃料から機械エネルギーへの高効率変換のためのプラント
(51)【国際特許分類】
F02C 7/08 20060101AFI20241125BHJP
【FI】
F02C7/08 B
(21)【出願番号】P 2023565582
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2022025171
(87)【国際公開番号】W WO2022228722
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】102021000010490
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102022000000071
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガンベリ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】アミデイ,シモーネ
(72)【発明者】
【氏名】コシ,ロレンツォ
(72)【発明者】
【氏名】セミナラ,アントニオ
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04498289(US,A)
【文献】特表2017-529478(JP,A)
【文献】特開2018-200052(JP,A)
【文献】特開2020-073797(JP,A)
【文献】国際公開第2000/060226(WO,A1)
【文献】特開2002-201959(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0239699(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギー変換プラント(1)であって、
流体を供給する流体フィードバックライン(5)と、
前記流体フィードバックライン(5)を圧縮し、前記流体フィードバックライン(5)の圧力を上昇させる圧縮圧送ユニット(4)と、
2つ以上の駆動ユニット(21、22、23)であって、
各
前記駆動ユニット(21、22、23)は、関連
する負荷(C、E)に接続され、
各
前記駆動ユニット(21、22、23)は、膨張する加熱流体を介して
関連する前記負荷(C、E)を駆動することができ、
前記流体を加熱するためのエネルギー変換が、共通の手法で、又は各
前記駆動ユニット(21、22、23)自体に提供される、2つ以上の駆動ユニット(21、22、23)と、
少なくとも1つの熱交換レキュペレータ(3)と、を備え、
前記少なくとも1つの熱交換レキュペレータ(3)は、前記流体フィードバックライン(5)と前記駆動ユニット(21、22、23)との間、及び各
前記駆動ユニット(21、22、23)と前記圧縮圧送ユニット(4)との間、に接続され、
前記駆動ユニット(21、22、23)からの膨張された排出流体の熱を交換することによって、前記駆動ユニット(21、22、23)内に送り込まれる、前記圧縮圧送ユニット(4)によって圧縮された前記流体フィードバックライン(5)によって供給された前記流体を加熱するように構成され
、
各前記駆動ユニット(21、22、23)のための前記熱交換レキュペレータ(3)を備え、
各前記熱交換レキュペレータ(3)が、前記流体フィードバックライン(5)と関連する前記駆動ユニット(21、22、23)との間、及び関連する当該駆動ユニット(21、22、23)と前記圧縮圧送ユニット(4)との間、に接続され、
各前記熱交換レキュペレータ(3)が、関連する前記駆動ユニット(21、22、23)からの前記膨張された排出流体の前記熱を交換することによって、関連する前記駆動ユニット(21、22、23)内に送り込まれる前に、前記流体フィードバックライン(5)によって供給された前記流体を加熱するように構成されている、エネルギー変換プラント(1)。
【請求項2】
各
前記駆動ユニット(21、22、23)が、
燃焼器(211、221、231)であって、
燃焼される燃料を導入するための燃料入口(214、224、234)、及び、
前記燃焼器(211、221、231)に酸化剤を供給するための酸化剤入口(215、225、235)、
膨張される前記流体を供給するための流体入口(216、226、236)、を有する、燃焼器(211、221、231)と、
前記燃焼器(211、221、231)に動作可能に接続された膨張器(212、222、232)と、
前記膨張器(212、222、232)によって駆動され、前記負荷(C、E)に接続された回転軸(213、223、233)と、を備え、
前記熱交換レキュペレータ(3)が、
前記
流体フィードバックライン(5)に接続された第1の入口(31)と、
関連する前記駆動ユニット(21、22、23)の前記燃焼器(211、221、231)の前記流体入口(216、226、236)に接続された第1の出口(32)と、
少なくとも1つの駆動ユニット(21、22、23)の前記膨張器(212、222、232)に接続された少なくとも1つの第2の入口(33)と、
前記圧縮圧送
ユニット(4)に接続された第2の出口(34)と、を有する、請求項
1に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項3】
集中型燃焼器(6)を備え、前記集中型燃焼器(6)が、
燃焼され
る燃料を導入するための燃料入口(61)、及び、
前記集中型燃焼器(6)に酸化剤を供給するための酸化剤入口(62)、
再循環された前記流体を受け取るための流体入口(63)、及び
膨張される、加熱された前記流体を送達するための流体出口(64)、を有し、
各
前記駆動ユニット(21、22、23)が、
前記集中型燃焼器(6)に動作可能に接続された膨張器(212、222、232)と、
前記膨張器(212、222、232)によって駆動され、前記負荷(C、E)に接続された回転軸(213、223、233)と、
前記集中型燃焼器(6)のそれぞれの流体出口(64)に流体接続された流体入口(217、227、237)と、を備え、
前記熱交
換レキュペレータ(3)が、
前記
流体フィードバックライン(5)に接続された第1の入口(31)と、
前記集中型燃焼器(6)の
対応する流体入口(63)に接続された第1の出口(32)と、
少なくとも1つの前記駆動ユニット(21、22、23)の前記膨張器(212、222、232)の出口に接続された少なくとも1つの第2の入口(33)と、
前記圧縮圧送
ユニット(4)に接続された第2の出口(34)と、を有する、請求項
1に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項4】
前記熱交換レキュペレータ(3)に由来する前記流体を加熱するための集中型加熱器(7)であって、
加熱される前記流体を受け取る流体入口(71)、及び
膨張される加熱された前記流体を送達するための流体出口(72)、を有する、集中型加熱器(7)を備え、
各
前記駆動ユニット(21、22、23)が、
前記集中型加熱器(7)に動作可能に接続された膨張器(212、222、232)と、
前記膨張器(212、222、232)によって駆動され、前記負荷(C、E)に接続された回転軸(213、223、233)と、
前記集中型
加熱器(7)のそれぞれの流体出口(72)に流体接続された流体入口(217、227、237)と、を備え、
前記熱交
換レキュペレータ(3)が、
前記
流体フィードバックライン(5)に接続された第1の入口(31)と、
前記集中型
加熱器(7)の
対応する流体入口(73)に接続された第1の出口(32)と、
少なくとも1つの前記駆動ユニット(21、22、23)の前記膨張器(212、222、232)に接続された少なくとも1つの第2の入口(33)と、
前記圧縮圧送
ユニット(4)に接続された第2の出口(34)と、を有する、請求項
1に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項5】
エネルギー変換プラント(1)であって、
流体を供給する流体フィードバックライン(5)と、
前記流体フィードバックライン(5)を圧縮し、前記流体フィードバックライン(5)の圧力を上昇させる圧縮圧送ユニット(4)と、
2つ以上の駆動ユニット(21、22、23)であって、
各前記駆動ユニット(21、22、23)は、関連する負荷(C、E)に接続され、
各前記駆動ユニット(21、22、23)は、膨張する加熱流体を介して関連する前記負荷(C、E)を駆動することができ、
前記流体を加熱するためのエネルギー変換が、共通の手法で、又は各前記駆動ユニット(21、22、23)自体に提供される、2つ以上の駆動ユニット(21、22、23)と、
少なくとも1つの熱交換レキュペレータ(3)と、を備え、
前記少なくとも1つの熱交換レキュペレータ(3)は、前記流体フィードバックライン(5)と前記駆動ユニット(21、22、23)との間、及び各前記駆動ユニット(21、22、23)と前記圧縮圧送ユニット(4)との間、に接続され、
前記駆動ユニット(21、22、23)からの膨張された排出流体の熱を交換することによって、前記駆動ユニット(21、22、23)内に送り込まれる、前記圧縮圧送ユニット(4)によって圧縮された前記流体フィードバックライン(5)によって供給された前記流体を加熱するように構成され、
集中型燃焼器(6)を備え、前記集中型燃焼器(6)が、
燃焼される燃料を導入するための燃料入口(61)、及び、
前記集中型燃焼器(6)に酸化剤を供給するための酸化剤入口(62)、
再循環された前記流体を受け取るための流体入口(63)、及び
膨張される、加熱された前記流体を送達するための流体出口(64)、を有し、
各前記駆動ユニット(21、22、23)が、
前記集中型燃焼器(6)に動作可能に接続された膨張器(212、222、232)と、
前記膨張器(212、222、232)によって駆動され、前記負荷(C、E)に接続された回転軸(213、223、233)と、
前記集中型燃焼器(6)のそれぞれの流体出口(64)に流体接続された流体入口(217、227、237)と、を備え、
前記熱交換レキュペレータ(3)が、
前記流体フィードバックライン(5)に接続された第1の入口(31)と、
前記集中型燃焼器(6)の対応する流体入口(63)に接続された第1の出口(32)と、
少なくとも1つの前記駆動ユニット(21、22、23)の前記膨張器(212、222、232)の出口に接続された少なくとも1つの第2の入口(33)と、
前記圧縮圧送ユニット(4)に接続された第2の出口(34)と、を有する、
エネルギー変換プラント(1)。
【請求項6】
単一の熱交換レキュペレータ(3)を備え、
前記単一の熱交換レキュペレータ(3)が、前記流体フィードバックライン(5)と各
前記駆動ユニット(21、22、23)との間、及び各
前記駆動ユニット(21、22、23)と前記圧縮圧送ユニット(4)との間、に接続されている、請求項
5に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項7】
エネルギー変換プラント(1)であって、
流体を供給する流体フィードバックライン(5)と、
前記流体フィードバックライン(5)を圧縮し、前記流体フィードバックライン(5)の圧力を上昇させる圧縮圧送ユニット(4)と、
2つ以上の駆動ユニット(21、22、23)であって、
各前記駆動ユニット(21、22、23)は、関連する負荷(C、E)に接続され、
各前記駆動ユニット(21、22、23)は、膨張する加熱流体を介して関連する前記負荷(C、E)を駆動することができ、
前記流体を加熱するためのエネルギー変換が、共通の手法で、又は各前記駆動ユニット(21、22、23)自体に提供される、2つ以上の駆動ユニット(21、22、23)と、
少なくとも1つの熱交換レキュペレータ(3)と、を備え、
前記少なくとも1つの熱交換レキュペレータ(3)は、前記流体フィードバックライン(5)と前記駆動ユニット(21、22、23)との間、及び各前記駆動ユニット(21、22、23)と前記圧縮圧送ユニット(4)との間、に接続され、
前記駆動ユニット(21、22、23)からの膨張された排出流体の熱を交換することによって、前記駆動ユニット(21、22、23)内に送り込まれる、前記圧縮圧送ユニット(4)によって圧縮された前記流体フィードバックライン(5)によって供給された前記流体を加熱するように構成され、
前記熱交換レキュペレータ(3)に由来する前記流体を加熱するための集中型加熱器(7)であって、
加熱される前記流体を受け取る流体入口(71)、及び
膨張される加熱された前記流体を送達するための流体出口(72)、を有する、集中型加熱器(7)を備え、
各前記駆動ユニット(21、22、23)が、
前記集中型加熱器(7)に動作可能に接続された膨張器(212、222、232)と、
前記膨張器(212、222、232)によって駆動され、前記負荷(C、E)に接続された回転軸(213、223、233)と、
前記集中型加熱器(7)のそれぞれの流体出口(72)に流体接続された流体入口(217、227、237)と、を備え、
前記熱交換レキュペレータ(3)が、
前記流体フィードバックライン(5)に接続された第1の入口(31)と、
前記集中型加熱器(7)の対応する流体入口(73)に接続された第1の出口(32)と、
少なくとも1つの前記駆動ユニット(21、22、23)の前記膨張器(212、222、232)に接続された少なくとも1つの第2の入口(33)と、
前記圧縮圧送ユニット(4)に接続された第2の出口(34)と、を有する、エネルギー変換プラント(1)。
【請求項8】
単一の熱交換レキュペレータ(3)を備え、
前記単一の熱交換レキュペレータ(3)が、前記流体フィードバックライン(5)と各前記駆動ユニット(21、22、23)との間、及び各前記駆動ユニット(21、22、23)と前記圧縮圧送ユニット(4)との間、に接続されている、請求項7に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項9】
前記流体が、主に二酸化炭素(CO
2)を含む、請求項1
から8のいずれか1項に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項10】
前記熱交
換レキュペレータ(3)が、1つ以上の熱交換器を含
む、請求項1から
8のいずれか
1項に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項11】
前記熱交換レキュペレータ(3)が、複数の第2の入口(33)を有し、各
前記第2の入口(33)が、
前記駆動ユニット(21、22、23)の1つの関連する
前記膨張器(212、222、232)に接続されている、請求項
2から8のいずれか1項に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項12】
前記圧縮圧送ユニット(4)が、
前記少なくとも1つの熱交
換レキュペレータ(3)によって冷却された後に、前記駆動ユニット(21、22
、23)から到来した前記流体から水を分離するための少なくとも1つの分離ユニット(41)と、
除湿された前記流体を圧縮し、前記流体の圧力を上昇させるための少なくとも1つの圧縮器(42)と、
少なくとも1つの熱交換器(43)と、
前記流体の前記圧力を上昇させるように動作可能な少なくとも1つのポンプ(44)と、を備え、前記ポンプ(44)が、
前記圧縮圧送ユニット(4)の前記熱交換器(43)と前記流体フィードバックライン(5)との間に接続されている、請求項
1から8のいずれか1項に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項13】
前記ポンプ(44)が、前記流体の前記圧力を250~350バールまで上昇させる、請求項
12に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項14】
前記圧縮器(42)が、前記流体の前記圧力を60~100バールまで上昇させる、請求項
12に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項15】
前記流体を圧力下で抽出するために、前記流体の少なくとも1つの抽出ライン(51)を備える、請求項1
から8のいずれか1項に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項16】
前記抽出ライン(51)が、前記流体フィードバックライン(5)に接続されている、請求項
15に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項17】
前記流体を圧力下で抽出するために、前記流体の少なくとも1つの抽出ライン(51)を備え、前記抽出ライン(51)が、前記ポンプ(44)の上流で接続されている、
請求項12に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項18】
前記駆動ユニット(21、22、23)内に送り込まれる、前記流体フィードバックライン(5)によって供給された前記熱交換レキュペレータ(3)によって加熱された前記流体の温度が、500~700℃である、請求項1
から8のいずれか1項に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項19】
前記駆動ユニット(21、22、23)が、関連
する負荷(C、E)に接続された第1の駆動ユニット(21)と、
関連
する負荷(C、E)に接続された第2の駆動ユニット(22)と、を備える、請求項1
から8のいずれか1項記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項20】
前記第1の駆動ユニット(21)の前記負荷が、発電機(E)であり、
前記第2の駆動ユニット(22)の前記負荷が、発電機(E)である、請求項
19に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項21】
関連
する負荷(C、E)に接続された第3の駆動ユニット(23)を備える、請求項
19に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【請求項22】
前記第1の駆動ユニット(21)の前記負荷が、発電機(E)であり、
前記第2の駆動ユニット(22)の前記負荷が、遠心圧縮器(C)、又は電気機械若しくは発電機(E)に接続された遠心圧縮器(C)、又は遠心圧縮器(C)に接続された電気機械若しくは発電機(E)であり、
前記第3の駆動ユニット(23)の前記負荷が、遠心圧縮器(C)、又は電気機械若しくは発電機(E)に接続された遠心圧縮器(C)、又は遠心圧縮器(C)に接続された電気機械若しくは発電機(E)である、請求項
21に記載のエネルギー変換プラント(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、機械的駆動用途及び/又は複数の発電トレインのための熱力学的サイクルに基づく発電に使用することができる、燃料から機械エネルギーへの変換プラントに関する。熱力学的サイクルは、燃料の燃焼によって発生したエネルギーを伝達するために、二酸化炭素などの流体を使用することによって動作する。
【背景技術】
【0002】
発電の分野では、依然として化石燃料が主に使用されている。しかしながら、周知のとおり、それらは、二酸化炭素(CO2)並びに他の排出物の増加をもたらすという重大な欠点を有する。これは、いわゆる地球温暖化の原因のうちの1つであり、潜在的に危険であり、将来の自然災害の原因となると考えられている。
【0003】
現時点では、代替エネルギー生産システムは、少なくとも短期的には、化石燃料燃焼に取って代わる能力を有していない。特に、そのような代替方法による電力生産は、人口発展の消費ニーズを満たすことができない。
【0004】
上述に基づいて、当該分野における研究は、化石燃料又はバイオマスに基づく既知の発電システムを改善して、高レベルのエネルギー効率を維持すると同時に、大気中に導入される二酸化炭素の生成を低減するように尽力している。
【0005】
更に、化石燃料又はバイオマスに基づく既知の電力生産システムは、他のシステムと比較して高価であることが判明している。実際、資本支出及び保守費用は、生産されるメガワット当たりの総費用を増加させる。したがって、設計傾向としては、より低い資本支出での脱カーボン機械駆動生産動作の設計傾向である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、大気中に導入される経口二酸化炭素を使用しながら、効率を上げることができ、ひいては、生成されるキロワット当たりの二酸化炭素を低減することができる、燃料から機械エネルギーへの改善された変換プラントが、当技術において歓迎されるであろう。
【0007】
一態様において、本明細書で開示の主題は、燃料から機械エネルギーへの変換プラントを対象とする。エネルギー変換プラントは、流体、具体的には二酸化炭素を供給するための流体フィードバックラインと、流体フィードバックラインを圧縮し、流体フィードバックラインの圧力を上昇させるための圧縮圧送ユニットと、を有する。エネルギー変換プラントはまた、複数の駆動ユニットを有し、各駆動ユニットは、燃料を燃焼させ、流体を膨張させることによって、圧縮器又は発電機などの関連負荷を駆動するために接続される。エネルギー変換プラントは、流体フィードバックラインと駆動ユニットとの間、及び各駆動ユニットと圧縮圧送ユニットとの間に接続された1つ以上の熱交換レキュペレータを備える。各熱交換レキュペレータは、駆動ユニットからの膨張された排出流体の熱を交換することによって、駆動ユニット内に送り込まれる、流体フィードバックラインによって供給され、圧縮圧送ユニットによって圧縮された流体を加熱するように構成されている。
【0008】
別の態様では、本明細書に開示される主題は、各駆動ユニットが、燃料を燃焼させる燃焼器と、燃焼器に動作可能に接続された膨張器と、膨張器によって駆動され、負荷、すなわち、例えば圧縮器又は発電機に接続された回転軸と、を備えることに関する。
【0009】
別の態様では、本明細書に開示される主題は、圧縮圧送ユニットが、少なくとも1つの熱交換器レキュペレータによって冷却された後に、駆動ユニットから到来する流体から水を分離するための分離ユニットと、除湿された流体を圧縮して流体の圧力を上昇させるための圧縮器と、熱交換器と、流体の圧力を上昇させるためのポンプと、を備えるという事実を対象とする。ポンプは、熱交換器と流体フィードバックラインとの間に介在する。
【0010】
更なる態様では、本明細書に開示される主題は、流体を圧力下で抽出するために、1つ以上の流体抽出ラインを有するエネルギー変換プラントを対象とする。抽出ラインは、流体フィードバックライン又はポンプの上流で接続されてもよい。
【0011】
別の態様では、本明細書に開示される主題は、複数の駆動ユニットを有し、各駆動ユニットが、関連負荷に接続され、負荷が、発電機、及び/又は、遠心圧縮器、及び/又は、遠心圧縮器に接続された発電機であり得る燃料から機械エネルギーへの変換プラントを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の開示される実施形態、及びそれに付随する利点の多くについての完全な理解は、添付図面に関連して考慮される場合、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、それらがより良好に理解される際、容易に得られるであろう。
【
図1】
図1は、第1の実施形態による燃料から機械エネルギーへの変換プラントの概略を示す。
【
図2】
図2は、第2の実施形態によるエネルギー変換プラントの概略を示す。
【
図3】
図3は、第3の実施形態によるエネルギー変換プラントの概略を示す。
【
図4】
図4は、第4の実施形態によるエネルギー変換プラントの概略を示す。
【
図5】
図5は、第5の実施形態によるエネルギー変換プラントの概略を示す。
【
図6】
図6は、第6の実施形態によるエネルギー変換プラントの概略を示す。
【
図7】
図7は、第7の実施形態によるエネルギー変換プラントの概略を示す。
【
図8】
図8は、第8の実施形態によるエネルギー変換プラントの概略を示す。
【
図9】
図9は、第9の実施形態によるエネルギー変換プラントの概略を示す。
【
図10】
図10は、第10の実施形態によるエネルギー変換プラントの概略を示す。
【0013】
様々な図では、同様の部品は同じ参照番号で示される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
化石燃料が使用される発電の分野では、周知のとおり、危険である二酸化炭素生成の低減が求められている。エネルギーを節約するために、輸送流体を使用して熱を回収することができるいくつかの発電レイアウトがある。使用される流体は、二酸化炭素とすることができる。一態様によれば、本主題は、関連負荷を駆動するための複数の駆動ユニットを備えるエネルギー変換プラントのレイアウトに関し、全ての駆動ユニットは、二酸化炭素によって運ばれた、化石燃料の燃焼によって生成された熱の回収に基づいて動作する。
【0015】
ここで図面を参照すると、
図1は、第1の実施形態による、燃料から機械エネルギーへの変換プラント、又は単にエネルギー変換プラントを示しており、全体を参照番号1で示す。
【0016】
特に、エネルギー変換プラント1は、基本的に、以下でより詳細に説明するように、各負荷に接続された複数の駆動ユニット2と、それぞれが関連駆動ユニット2に接続された複数の熱交換器レキュペレータ3と、熱交換器レキュペレータ3に接続された圧縮圧送ユニット4と、圧縮圧送ユニット4の出力と熱交換器レキュペレータ3との間に接続された流体又は二酸化炭素フィードバックライン5とを備える。
【0017】
引き続き
図1を参照すると、エネルギー変換プラント1は、具体的には、3つの駆動ユニット、すなわち、第1の駆動ユニット21、第2の駆動ユニット22、及び第3の駆動ユニット23を備える。
【0018】
第1の駆動ユニット21は、特に、燃焼器211と、燃焼器211に接続された膨張器212と、を備える。燃焼器211は、燃焼される燃料を導入するための燃料入口214と、追加の流体、すなわち議論下の場合では二酸化炭素及び純酸素を導入するための酸化剤入口215と、以下でより良く説明されるとおり、回収される流体を供給するための流体入口216と、を有する。
【0019】
より具体的には、酸化剤入口215を参照すると、この流体は、この溶液中の記載されたループから取り出された純酸素、又は純酸素と二酸化炭素との混合物から構成され得る。純酸素は、ASU、つまり空気分離ユニット、又は任意の他の利用可能なシステムのような工業的に容易な生産方法で生産される。
【0020】
回転軸213も膨張器212によって駆動される。各駆動ユニット2は、燃焼器211の入力としての燃料及び二酸化炭素を機械エネルギーに変換することができる。
【0021】
更に第1の駆動ユニット21を参照すると、第1の駆動ユニット21は、回転軸213を介して膨張器212に接続された電気機械Eに接続されている。そして、この場合、電気機械Eは、第1の駆動ユニット21の負荷である。したがって、この構成によって、第1の駆動ユニット21は、燃料を燃焼させ、二酸化炭素(使用される流体)を膨張させることによって得られる化学エネルギーを電気エネルギーに変換することができ、場合によっては、電源(図示せず)に導入される。
【0022】
ここで第2の駆動ユニット22を参照すると、第2の駆動ユニット22はまた、燃焼器221及び膨張器222を備えるが、この場合、第2の駆動ユニット22は、関連する回転軸223を介して、この場合では機械的負荷である遠心圧縮器Cに接続される。当然ながら、必要に応じて異なる機械的負荷を提供することができる。膨張器222はまた、燃料入口224、酸化剤入口225、及び流体入口226を有する。
【0023】
また、第3の駆動ユニット23は、第1の駆動ユニット21及び第2の駆動ユニット22と同様に、燃焼器23と膨張器232と、を備えている。膨張器232は、燃料入口234、酸化剤入口235、及び流体入口236を有する。流体膨張器232は、回転軸233を介して、この場合でも機械的負荷としての別の遠心圧縮器Cに接続される。
【0024】
図1に示されるレイアウトによって、エネルギー変換プラント1は、電気エネルギーを生成するように発電機Eを駆動し、2つの機械的負荷、すなわち遠心圧縮器Cを駆動する。
【0025】
いくつかの実施形態では、ギアボックスが、駆動ユニット21、22、及び23と、関連回転軸213、223、及び233に接続された関連負荷と、の間に含まれ得る。ギアボックスの変換比は、設計上のニーズに応じて異なる。
【0026】
他の実施形態では、駆動される負荷の数及びタイプに応じて、異なる数の駆動ユニット2が予見され得る。
【0027】
各駆動ユニット2、すなわち第1の駆動ユニット21、第2の駆動ユニット22、及び第3の駆動ユニット23に対して、関連熱交換器レキュペレータ3がある。各熱交換器レキュペレータ3は、二酸化炭素フィードバックライン5に接続された第1の入口31であって、それを通って高圧低温二酸化炭素が熱交換器レキュペレータ3の各1つに入る第1の入口31と、関連駆動ユニット2の燃焼器211、具体的には流体入口216に接続された第1の出口32であって、それを通って高圧高温二酸化炭素が関連駆動ユニット2の燃焼器、例えば、第1の駆動ユニット21を参照すると燃焼器211に、導入される第1の出口32と、を有する。
【0028】
また、各熱交換器レキュペレータ3は、タービン排出流を通して、関連駆動ユニット2の膨張器、例えば、第1の駆動ユニット21を参照すると膨張器212に、接続された第2の入口33であって、ここで流体として使用される低圧高温の二酸化炭素が熱交換器レキュペレータ3に進入する第2の入口33と、以下でより良く説明するように、圧縮圧送システム4に接続された第2の出口34であって、ここで低圧低温流体(二酸化炭素)が熱交換器レキュペレータ3から抽出される第2の出口34と、を有する。
【0029】
熱交換器レキュペレータ3は、駆動ユニット2に導入されて燃料の燃焼によって膨張される前に、高圧(流体、すなわち二酸化炭素の圧力及び温度動作範囲に関する詳細は、以下に行う)を加熱することで、それに接続された負荷、すなわち発電機E又は遠心圧縮器Cを駆動するように構成されている。熱交換器レキュペレータ3は、関連駆動ユニット2の排出流の加熱された酸化炭素を通して、二酸化炭素フィードバックライン5から到来する酸化炭素を加熱する。換言すれば、熱交換器レキュペレータ3は、流体(二酸化炭素)を冷却し、駆動ユニット2への導入前に、その熱を二酸化炭素フィードバックライン5から到来する高圧流体に伝達する。
【0030】
熱交換器レキュペレータ3は、二酸化炭素フィードバックライン5からの熱の改善された抽出を可能にするための、1つ以上の熱交換器を含むことができる。
【0031】
更に
図1を参照すると、圧縮圧送ユニット4が各駆動ユニット3の第2の出口34と二酸化炭素フィードバックライン5との間に接続されていることが見て取れる。圧縮圧送ユニット4は、熱交換器レキュペレータ3によって再加熱される前に、流体から水及び一般に湿潤部分を分離し、流体の圧力を上昇させる機能を有する。
【0032】
図1のエネルギー変換プラント1の第1の実施形態に示される圧縮圧送ユニット4は、直列に接続された分離ユニット41、圧縮器42、熱交換器43、及びポンプ44を備える。
【0033】
他の実施形態では、圧縮器及びポンプの複数のセットが存在してもよく、場合によっては並列に動作する。
【0034】
分離ユニット41は、熱交換器レキュペレータ3によって冷却された後に、各駆動ユニット21、22、及び23から到来する排出流から液体水を分離する。
【0035】
その後、流体は、分離ユニット41で除湿され、圧縮器42がその流体を圧縮することで、同流体の圧力を上昇させる。
【0036】
次に、流体は、熱交換器43を通過することで、流体の温度が周囲温度になる。
【0037】
最終的に、流体は、ポンプ44を通過し、このポンプは、上述のとおり、熱交換器レキュペレータ3の第1の入口31に接続された二酸化炭素フィードバックライン5に流体を導入する前に、流体の圧力を上昇させる。
【0038】
また、二酸化炭素フィードバックライン5は、二酸化炭素抽出ライン51を含むことにより、プラント1から加圧された二酸化炭素を抽出することができる。抽出ライン51の利点及び動作は、以下でより良く説明される。
【0039】
エネルギー変換プラント1の動作は、以下のように動作する。
【0040】
燃料及び流体、すなわち議論下の場合では二酸化炭素とは、燃料入口、酸化剤入口、及び流体入口を通って各駆動ユニット2の燃焼器に入る。特に、燃料及び二酸化炭素は、第1の駆動ユニット21の燃焼器211、第2の駆動ユニット22の燃焼器221、及び第3の駆動ユニット23の燃焼器231に入る。そして、各駆動ユニット2の膨張器が関連負荷を駆動する。より具体的には、第1の駆動ユニット21の膨張器212が発電機Eを駆動し、第2の駆動ユニット22の膨張器222並びに第3の駆動ユニット23の膨張器232が関連遠心圧縮器C(又は複数の圧縮器)を駆動する。
【0041】
燃焼反応を鑑みると膨張されているものの高温を有する二酸化炭素が、各膨張器212、222、及び232から、熱交換器レキュペレータ3の第2の入口33に導入される。特に、第1の実施形態によるエネルギー変換プラント1では、温度は、500~700℃であり、圧力は、20~40バールである。搭載される駆動ユニット2のタイプ及び各ユニットが動作している負荷に応じて、異なる温度範囲を予見することができる。
【0042】
そして、流体は、熱交換器レキュペレータ3を通過した後、温度がほぼ周囲温度になるように冷却されるが、圧力はほぼ同一である。流体、すなわち二酸化炭素は、熱交換器レキュペレータ3から出て、圧縮圧送ユニット4に到達する。特に、水は、分離ユニット41を通して流体から抽出され、ドレンパイプ45によって排出される。
【0043】
圧縮器42によって圧縮される前の流体は、周囲温度であり、圧力はほとんど変化せず、すなわち、約20~40バールのままであるが、温度は冷却媒体の冷却温度に依存する。代わりに、圧縮器42の後、流体の温度は、圧縮器42の構造に依存するが(圧縮器42は、中間冷却されてもされなくてもよい)、圧力は60~100バールに上昇させられる。
【0044】
次いで、流体は、熱交換器43を通過し、その後、60~100バールの同じ圧力にあり、冷却流体/室温に戻る。
【0045】
最後に、流体の圧力は、ポンプ44を通して250~350バールまで上昇させられ、温度はポンプ44の構造に依存する。実際に、いくつかの実施形態におけるポンプ44は、ポンプ設計に応じて、中間冷却器を備えていてもよい(又は備えていなくてもよい)。次に、周囲温度及び250~350バールの圧力の流体が、二酸化炭素フィードバックライン5に導入される。
【0046】
前述したように、フィードバックライン5は、熱交換器3に入る前に抽出ライン51を有し、抽出ライン51は、二酸化炭素(CO2)の一部を加圧下の純粋状態で直接抽出することができる。抽出される二酸化炭素の量は、フィードバックライン5のヘッダ圧力が比較的一定(250~350バールの間)に維持されるような量であるが、この量は、プラント運転時の負荷の影響下にある。換言すれば、抽出ライン51から抽出された二酸化炭素は、プラント1によって消費される燃料に直接関連付けられる。
【0047】
他の実施形態では、二酸化炭素生成物が可能な他のエンドユーザ/用途によってより低い圧力で必要とされる場合には、ポンプ44の吸引の前(上流)に抽出ライン51を配置することもできる。したがって、燃料から機械エネルギーへの変換プラント1は、可能な異なる圧力で純粋な二酸化炭素を生成する機能を有するという追加の利点を有する。更に、必要に応じて、異なる圧力で二酸化炭素を抽出するために、二酸化炭素回路の異なる領域又は地点に接続された2つ以上の抽出ラインを、エネルギー変換プラント1内に設けることができる。
【0048】
フィードバックライン5は、上述したように、ポンプ44を熱交換器レキュペレータ3の第1の入口31に接続する。熱交換器レキュペレータ3を通過すると、二酸化炭素は、同じ圧力を維持しながら温度の上昇を受ける。このようにして、流体は、駆動ユニット21、22、又は23の各々に入る前に、250~350バールの圧力及び500~700℃の温度を有する。
【0049】
明らかなように、エネルギー変換プラント1は、熱交換器レキュペレータ3が駆動ユニット2、特に膨張器によって生成された熱の一部を回収する熱力学的サイクルを使用して、圧縮され温度が上昇される流体として使用される二酸化炭素の低排出を通して、3つの異なる負荷を、たとえこれらが互いに異なっていても、駆動することができる。
【0050】
このようにして、プラント1の高効率を維持しながら、加圧された形態で直接捕捉された二酸化炭素が得られ、これは、エネルギー変換プラント1自体の保守のための資本支出の削減にもなる。
【0051】
ここで
図2を参照すると、エネルギー変換プラント1の第2の実施形態が見て取れる。特に、プラント1のレイアウトは、第1の実施形態のレイアウトと同じであり、第1の駆動ユニット21の膨張器212は、発電機Eに依然として接続され、第3の駆動ユニット23の膨張器232も、遠心圧縮器Cに接続される。しかしながら、第2の駆動ユニット2の膨張器222はここで、常に回転軸233を介して遠心圧縮器Cに接続され、電気機械Eに直列に接続される。このレイアウトでは、電気機械Eは、遠心圧縮器Cの補助モータとして、並びに発電機として動作することができる。電気機械Eは、実際には、電気変換ユニット(簡略化のためにここでは図示せず)に接続され、電気変換ユニットは、膨張器212が電気エネルギーに変換され得るいくらかの余剰電力を有する場合に、電気機械Eが、補助モータ及び発電機の両方として動作できるようにする。換言すれば、第1の実施形態に係るエネルギー変換プラント1(
図1)と第2の実施形態に係るエネルギー変換プラント1(
図2)との違いは、第2の発電ユニット22の負荷が、電気機械Eに直列接続された圧縮器Cである点である。
【0052】
また、変形例において、電気機械Eは、回転軸223に接続されてもよく、遠心圧縮器Cは、電気機械Eの下流に接続されてもよい。このレイアウトでは、発電機/機械Eは、遠心圧縮器C並びに発電機の補助モータとして動作することができる。電気機械Eは、実際には、電気変換ユニット(簡略化のためにここでは図示せず)に接続されており、電気変換ユニットは、膨張器212が電気エネルギーに変換され得るいくらかの余剰電力を有する場合に、電気機械Eが補助モータ及び発電機の両方として動作できるようにする。
【0053】
第2の実施形態の発電プラント1の動作は、第1の実施形態と同じである。
【0054】
次に
図3を参照すると、発電プラント1の第3の実施形態が示されており、第1の実施形態と比較すると、全ての駆動ユニット21、22、及び23がそれぞれの遠心圧縮器Cに接続されている。そして、この場合、全ての負荷は機械的である。
【0055】
第3の実施形態の発電プラント1の動作は、第1の実施形態と同じである。
【0056】
図4を参照すると、エネルギー変換プラント1の第4の実施形態が示されており、2つの駆動ユニット21及び22と、それぞれに対応して2つの熱交換器レキュペレータ3とを備える。
【0057】
駆動ユニット21及び22の各々は、発電機Eに接続されており、後者は、駆動ユニット21及び22の回転軸213及び223から取り出された機械エネルギーを電気エネルギーに変換し、例えば、主電源に導入するように意図されている。
【0058】
第4の実施形態の発電プラント1の動作は、第1の実施形態のそれと類似している。
【0059】
ここで
図5を参照すると、複数の駆動ユニット2を備えるエネルギー変換プラント1の第5の実施形態が示されている。具体的には、エネルギー変換プラント1は、発電機E、遠心圧縮器C、及び更なる遠心圧縮器Cにそれぞれ接続された第1の駆動ユニット21、第2の駆動ユニット22、及び第3の駆動ユニット23を備える。
【0060】
第5の実施形態によるエネルギー変換プラント1は、単一の熱交換器レキュペレータ3を備え、熱交換器レキュペレータ3は、この場合では、二酸化炭素フィードバックライン5に接続された第1の入口31であって、上述したとおり、それを通じて高圧低温二酸化炭素が熱交換器レキュペレータ3に入る第1の入口31と、駆動ユニット21、22、及び23の燃焼器211、221、及び231に接続された第1の出口32と、を有する。そして、高圧高温二酸化炭素は、駆動ユニット21、22、及び23の燃焼器内に導入される。
【0061】
駆動ユニット熱交換器レキュペレータ3はまた、参照番号331、332、及び333で示される複数の第2の入口を有する。第2の入口331、332、及び333の数は駆動ユニット2と同一である。
【0062】
各第2の入口331、332、又は333は、駆動ユニット2の関連膨張器に接続される。
【0063】
具体的には、更に
図5を参照すると、第1の駆動ユニット21の第2の入口331は、関連膨張器212に接続され、第2の駆動ユニット22の第2の入口332は、関連膨張器222に接続され、第3の駆動ユニット23の第2の入口333は、関連膨張器232に接続される。
【0064】
最後に、熱交換器レキュペレータ3は、圧縮圧送システム4、特に分離ユニット41に接続された第2の出口34を有する。低圧低温流体(すなわち、二酸化炭素)は、第2の出口34を通して熱交換器レキュペレータ3から抽出される。
【0065】
エネルギー変換プラント1の第5の実施形態の動作は、第1の実施形態の動作と全く類似している。主な違いは、単一の熱交換器レキュペレータ3が、二酸化炭素フィードバックライン5から到来する二酸化炭素によって、駆動ユニット21、22、及び23から到来する排出流体を冷却し、この排出流体は、各駆動ユニット21、22、又は23に対して熱交換器レキュペレータ3を有するのではなく、単一の熱交換器レキュペレータ3によって冷却されるという事実にある。
【0066】
このレイアウトにより、システムの複雑さ並びにシステムの全体的なコストを低減できるようにする。
【0067】
ここで
図6を参照すると、エネルギー変換プラント1の第6の実施形態が示されている。この場合、レイアウトは、
図5に示される第5の実施形態と同じであるが、第2の駆動ユニット22が、回転軸223を通して異なる負荷に接続されており、すなわち遠心圧縮器Cの代わりに、遠心圧縮器Cと発電機Eとの組み合わせに接続されており、後者は補助としても使用することができる。
【0068】
図7を参照すると、発電プラント1の第7の実施形態が示されており、この場合も、第5の実施形態のレイアウトと同様のレイアウトとして、全ての駆動ユニット2、この場合も3つ、特に第1の駆動ユニット21、第2の駆動ユニット22、及び第3の駆動ユニット23に接続された単一の熱交換器レキュペレータ3のみを備える。
【0069】
また、各駆動ユニット21、22、及び23は、関連負荷を通して遠心圧縮器Cに接続されている。この実施形態では、
図3に示される実施形態と同様に、全ての負荷が機械的である。
【0070】
図8を参照すると、エネルギー変換プラント1の第8の実施形態が示されており、参照番号21及び22で示され、各々、負荷として発電機Eに接続された2つの駆動ユニットに接続された、単一の熱交換器レキュペレータ3を備える。
【0071】
この場合、全ての負荷が、主電源に接続されるか、又は電流を供給するように意図された発電機Eであるため、いわゆるエネルギー生成アイランドが実現される。
【0072】
図9を参照すると、エネルギー変換プラント1の第9の実施形態が示されており、構造に関しては第1の実施形態と同様であるが、ここでは全ての駆動ユニット21、22、及び23に共通である集中型燃焼器6のためのものである。
【0073】
集中型燃焼器6は、燃焼される燃料を導入するための燃料入口61と、追加の流体、すなわち二酸化炭素及び純酸素を導入するための酸化剤入口62と、を有する。また、熱交換器レキュペレータ3の各々の第1の出口32は、集中型燃焼器6、具体的には流体入口63に接続されて、膨張される流体を供給し、それを通して高圧高温二酸化炭素が上記集中型燃焼器6に導入される。最後に、集中型燃焼器6の燃焼済ガス出口64は、各駆動ユニット21、22、及び23の高温ガス入口217、227、及び237にそれぞれ接続される。
【0074】
図9のエネルギー変換プラント1の動作は、
図1に開示された第1の実施形態に類似している。しかしながら、議論下の実施形態では、燃料入口61から供給された燃料は、複数の駆動ユニット2に対して集中型燃焼器6で行われる(本実施形態では関連燃焼器を備えていない)。次に、燃焼ガスは、各駆動ユニット21、22、及び23内で膨張される。
【0075】
図10を参照すると、エネルギー変換プラント1の第10の実施形態が示されており、構造に関して第9の実施形態と同様であるが、集中型燃焼器6の代わりに、エネルギー変換プラント1は集中型加熱器7を備える。
【0076】
集中型加熱器7は、膨張される流体を供給するために、交換器レキュペレータ3の各々の第1の出口32に接続された流体入口71を有する。集中型加熱器7の高温ガス出口72は、各駆動ユニット21、22、及び23の高温ガス入口217、227、及び237にそれぞれ接続される。
【0077】
図10のエネルギー変換プラント1の動作は、
図9に開示された第9の実施形態の動作に類似している。しかしながら、議論下の実施形態では、熱交換器3から到来する流体は、集中型加熱器7によって加熱された後、集中型加熱器7のガス出口72から出るパイプラインマニホールドを通して複数の駆動ユニット2に分配される。次に、燃焼ガスは、各駆動ユニット21、22、及び23内で膨張される。集中型加熱器7は、いくつかのタイプのものであってもよく、加熱エネルギーは、燃焼(集中型加熱器7に対して外部で実行される)、照射など、任意の手法で得ることができる。
【0078】
本解決策の利点は、プラントの効率が向上し、高圧で二酸化炭素を直接捕捉できる可能性があることである。
【0079】
また、本解決策の利点は、電気モータ駆動圧縮器トレインが必要とされず、したがって、プラントの全体的資本支出を低減することである。また、周囲温度で平坦な電力出力が達成され、効率が向上する。更に、ブラウンフィールド(改良)並びにグリーンフィールドでこの解決策を適用することができる。
【0080】
本発明の態様は、様々な特定の実施形態に関して説明されてきたが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの修正、変更、及び省略が可能であることが、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書で別段の指定がない限り、いずれのプロセス又は方法ステップの順序又は配列も、代替的な実施形態に従って変更又は再配列され得る。
【0081】
本開示の実施形態に対して詳細な参照がなされており、これらの1つ以上の例は、図面に例解されている。各例は、本開示を限定するものではなく、本開示の説明として提供するものである。実際には、本開示の範囲又は趣旨から逸脱しない限り、本開示に様々な修正及び変形を加えることができるということが、当業者には明らかであろう。本明細書全体を通して「ある実施形態」又は「一実施形態」又は「いくつかの実施形態」への言及は、一実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な個所における「ある実施形態では」又は「一実施形態では」又は「いくつかの実施形態では」という句が現れると、それは、必ずしも同一の実施形態を指しているものではない。また、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式において組み合わされ得る。
【0082】
様々な実施形態の要素を提示する際、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「当該(said)」は、要素のうちの1つ以上があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、非排他的であることが意図され、列記された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものである。