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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/155 20200101AFI20241125BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20241125BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20241125BHJP
【FI】
H05B47/155
H05B45/20
H05B45/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023576698
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2022046777
(87)【国際公開番号】W WO2023145305
(87)【国際公開日】2023-08-03
【審査請求日】2024-05-08
(31)【優先権主張番号】P 2022011279
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 和範
(72)【発明者】
【氏名】簡 ジェ安
(72)【発明者】
【氏名】邵 剛
【審査官】谷口 東虎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-068896(JP,A)
【文献】特開2001-313183(JP,A)
【文献】特開2015-204656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/155
H05B 45/20
H05B 45/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
調光機能を有する複数の照明装置を含む照明システムであって、
複数の前記照明装置の調光制御を行う制御装置を備え、
前記照明装置は、
複数の照明装置の全てが調光制御対象とされていない第1モードと、
他の照明装置が調光制御対象とされている第2モードと、
を有し、
前記第1モードにおいて点灯され、
前記制御装置は、
複数の前記照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置を調光制御対象として当該照明装置の調光制御を行う際、前記調光制御を行う調光制御期間と、前記調光制御対象とした照明装置を消灯させる消灯期間と、を所定間隔で繰り返す、
照明システム。
【請求項2】
調光機能を有する複数の照明装置を含む照明システムであって、
複数の前記照明装置の調光制御を行う制御装置を備え、
前記照明装置は、
複数の照明装置の全てが調光制御対象とされていない第1モードと、
他の照明装置が調光制御対象とされている第2モードと、
を有し、
前記第1モードにおいて点灯され、
前記制御装置は、
複数の前記照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置を調光制御対象として当該照明装置の調光制御を行う際、前記調光制御を行う調光制御期間と、前記調光制御対象とした照明装置を前記調光制御期間よりも減光させる減光期間と、を所定間隔で繰り返す、
照明システム。
【請求項3】
調光機能を有する複数の照明装置を含む照明システムであって、
複数の前記照明装置の調光制御を行う制御装置を備え、
前記照明装置は、
複数の照明装置の全てが調光制御対象とされていない第1モードと、
他の照明装置が調光制御対象とされている第2モードと、
を有し、
前記第1モードにおいて第1発光色で点灯され、
前記制御装置は、
複数の前記照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置を調光制御対象として当該照明装置の調光制御を行う際、当該照明装置を前記第1発光色とは異なる第2発光色で点灯させる、
照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LED等の光源にプリズムパターンが刻まれた薄型レンズを組み合わせ、光源と薄型レンズとの距離を変化させることにより、配光角を変化させる照明器具がある。例えば、透明電球の前面を液晶調光素子で覆い、液晶層の透過率を変えることで直達光と散乱光とを切り替える照明器具が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2-65001号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
配光角に加え、発光強度や発光色(ホワイトバランス)等を含めた各種調光機能を有する複数の照明装置を用いた照明システムにおいて、各照明装置を個別に調光制御対象として調光制御を行う場合、調光制御対象とされていない照明装置が発する光が干渉し、調光制御対象とした照明装置の調光制御効果が分かり難い場合がある。
【0005】
本発明は、調光制御対象とした照明装置の調光制御効果を把握し易い照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る照明システムは、調光機能を有する複数の照明装置を含む照明システムであって、前記照明装置は、複数の照明装置の全てが調光制御対象とされていない第1モードと、他の照明装置が調光制御対象とされている第2モードと、を有し、前記第2モードにおいて、前記第1モードとは異なる調光状態に制御される。
【0007】
本開示の一態様に係る照明システムは、調光機能を有する複数の照明装置を含む照明システムであって、複数の前記照明装置の調光制御を行う制御装置を備え、前記照明装置は、複数の照明装置の全てが調光制御対象とされていない第1モードと、他の照明装置が調光制御対象とされている第2モードと、を有し、前記第1モードにおいて点灯され、前記制御装置は、複数の前記照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置を調光制御対象として当該照明装置の調光制御を行う際、前記調光制御を行う調光制御期間と、前記調光制御対象とした照明装置を消灯させる消灯期間と、を所定間隔で繰り返す。
【0008】
本開示の一態様に係る照明システムは、調光機能を有する複数の照明装置を含む照明システムであって、複数の前記照明装置の調光制御を行う制御装置を備え、前記照明装置は、複数の照明装置の全てが調光制御対象とされていない第1モードと、他の照明装置が調光制御対象とされている第2モードと、を有し、前記第1モードにおいて点灯され、前記制御装置は、複数の前記照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置を調光制御対象として当該照明装置の調光制御を行う際、前記調光制御を行う調光制御期間と、前記調光制御対象とした照明装置を前記調光制御期間よりも減光させる減光期間と、を所定間隔で繰り返す。
【0009】
本開示の一態様に係る照明システムは、調光機能を有する複数の照明装置を含む照明システムであって、複数の前記照明装置の調光制御を行う制御装置を備え、前記照明装置は、複数の照明装置の全てが調光制御対象とされていない第1モードと、他の照明装置が調光制御対象とされている第2モードと、を有し、前記第1モードにおいて第1発光色で点灯され、前記制御装置は、複数の前記照明装置のうちの少なくとも1つの照明装置を調光制御対象として当該照明装置の調光制御を行う際、当該照明装置を前記第1発光色とは異なる第2発光色で点灯させる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、実施形態に係る照明装置の一例を示す側面図である。
図1B図1Bは、実施形態に係る配光装置の一例を示す斜視図である。
図2図2は、第1基板をDz方向から見た概略平面図である。
図3図3は、第2基板をDz方向から見た概略平面図である。
図4図4は、第1基板と第2基板とをDz方向に重ねた液晶セルの透視図である。
図5図5は、図4に示すA-A’線断面図である。
図6A図6Aは、第1基板の配向膜のラビング方向を示す図である。
図6B図6Bは、第2基板の配向膜のラビング方向を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る照明装置の光の配光角を概念的に説明する概念図である。
図8図8は、実施形態に係る照明システムの構成の一例を示す概略図である。
図9図9は、実施形態に係る制御装置の一例を示す外観図である。
図10図10は、タッチセンサにおける検出領域の一例を示す概念図である。
図11図11は、実施形態に係る制御装置の制御ブロック構成の一例を示す図である。
図12図12は、実施形態における調光制御データの調整手法の一例を示す概念図である。
図13A図13Aは、実施形態に係る制御装置において配光角を調整するための第1表示態様を示す概念図である。
図13B図13Bは、実施形態に係る制御装置において配光角を調整するための第2表示態様を示す概念図である。
図13C図13Cは、実施形態に係る制御装置において発光強度を調整するための表示態様を示す概念図である。
図14図14は、実施形態に係る照明装置の制御ブロック構成の一例を示す図である。
図15図15は、実施形態に係る制御装置における調光制御処理の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、実施形態に係る照明装置における調光制御処理の一例を示すフローチャートである。
図17A図17Aは、実施形態に係る照明システムの調光制御における各照明装置の動作を説明する概念図である。
図17B図17Bは、実施形態に係る照明システムの調光制御における各照明装置の動作を説明する概念図である。
図17C図17Cは、実施形態に係る照明システムの調光制御における各照明装置の動作を説明する概念図である。
図18A図18Aは、実施形態に係る照明システムの調光補助制御状態の一例を示す図である。
図18B図18Bは、実施形態に係る照明システムの調光補助制御状態の一例を示す図である。
図18C図18Cは、実施形態に係る照明システムの調光補助制御状態の一例を示す図である。
図18D図18Dは、実施形態に係る照明システムの調光補助制御状態の一例を示す図である。
図18E図18Eは、実施形態に係る照明システムの調光補助制御状態の一例を示す図である。
図18F図18Fは、実施形態に係る照明システムの調光補助制御状態の一例を示す図である。
図19図19は、実施形態の変形例1に係る制御装置における調光制御処理の一例を示すフローチャートである。
図20A図20Aは、実施形態の変形例2に係る照明システムの調光制御における各照明装置の動作を説明する概念図である。
図20B図20Bは、実施形態の変形例2に係る照明システムの調光制御における各照明装置の動作を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0012】
図1Aは、実施形態に係る照明装置の一例を示す側面図である。実施形態に係る照明装置1は、所謂調光機能を有する照明器具である。図1Aに示すように、照明装置1は、光源4と、リフレクタ4aと、配光装置100と、を含む。
【0013】
光源4は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)で構成される。本開示において、光源4は、照明装置1が発する光の強度(以下、「発光強度」とも称する)を調整可能な構成としている。リフレクタ4aは、光源4の光を配光装置100に集光する構成部である。
【0014】
また、光源4は、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色のLEDを含む構成であっても良い。光源4は、照明装置1が発する光のホワイトバランスや発光色を調整可能な構成であっても良い。
【0015】
図1Bは、実施形態に係る配光装置の一例を示す斜視図である。図1Bに示すように、配光装置100は、第1液晶セル2と、第2液晶セル3と、を含む。本開示において、配光装置100は、照明装置1が発する光の配光角を調整可能な構成としている。
【0016】
図1Bにおいて、Dz方向は、光源4及びリフレクタ4aからの光の照射方向を示している。配光装置100は、Dz方向に第1液晶セル2と第2液晶セル3とが積層されて構成される。図1では、Dz方向に直交する第1液晶セル2及び第2液晶セル3の積層面に平行な平面の一方向がDx方向とされ、Dx方向及びDz方向の双方に直交する方向がDy方向とされている。
【0017】
第1液晶セル2と第2液晶セル3とは同様の構成である。本実施形態において、第1液晶セル2は、p波偏光用の液晶セルとする。また、第2液晶セル3は、s波偏光用の液晶セルとする。なお、第1液晶セル2をs波偏光用の液晶セルとし、第2液晶セル3をp波偏光用の液晶セルとする態様であっても良い。第1液晶セル2と第2液晶セル3とは、何れか一方がp波偏光用の液晶セルであり、他方がs波偏光用の液晶セルであれば良い。
【0018】
第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、第1基板5と、第2基板6と、を備える。図2は、第1基板をDz方向から見た概略平面図である。図3は、第2基板をDz方向から見た概略平面図である。図4は、第1基板と第2基板とをDz方向に重ねた液晶セルの透視図である。図5は、図4に示すA-A’線断面図である。
【0019】
図5に示すように、第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、第1基板5と第2基板6との間に、周囲が封止材7で封止された液晶層8を備えている。
【0020】
液晶層8は、電界の状態に応じて、液晶層8を通過する光を変調するものである。液晶層8は、例えば、IPS(インプレーンスイッチング)の一形態であるFFS(フリンジフィールドスイッチング)等の横電界モードであっても良いし、縦電界モードを用いても良い。例えば、TN(Twisted Nematic:ツイステッドネマティック)、VA(Virtical Alignment:垂直配向)、ECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折)等の各種モードの液晶を用いても良く、液晶層8の種類や構成により限定されるものではない。
【0021】
図2に示すように、図5に示す第1基板5の基材9の液晶層8側には、複数の駆動電極10a,10bと、これらの駆動電極10に印加する駆動電圧を供給する複数の金属配線11a,11bと、後述する第2基板6に設けられる複数の駆動電極13a,13b(図3参照)に印加する駆動電圧を供給する複数の金属配線11c,11dと、を備える。金属配線11a,11b,11c,11dは、第1基板5の配線層に設けられる。金属配線11a,11b,11c,11dは、第1基板5上の配線層において間隔を空けて設けられている。以下、複数の駆動電極10a,10bを単に「駆動電極10」と称することがある。また、複数の金属配線11a,11b,11c,11dを「第1金属配線11」と称することがある。図2に示すように、第1基板5上の駆動電極10は、Dx方向に延在する。
【0022】
図3に示すように、図5に示す第2基板6の基材12の液晶層8側には、複数の駆動電極13a,13bと、これらの駆動電極13に印加する駆動電圧を供給する複数の金属配線14a,14bと、を備える。金属配線14a,14bは、第2基板6の配線層に設けられる。金属配線14a,14bは、第2基板6上の配線層において間隔を空けて設けられている。以下、複数の駆動電極13a,13bを単に「駆動電極13」と称することがある。また、複数の金属配線14a,14bを「第2金属配線14」と称することがある。図3に示すように、第2基板6上の駆動電極13は、Dy方向に延在する。
【0023】
駆動電極10及び駆動電極13は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電材料(透光性導電酸化物)で形成される透光性電極である。第1基板5及び第2基板6は、ガラスや樹脂などの透光性基板である。第1金属配線11及び第2金属配線14は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料で形成される。また、第1金属配線11及び第2金属配線14は、これらの金属材料を1以上用いて、複数積層した積層体としてもよい。アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料は、ITO等の透光性導電酸化物よりも低抵抗である。
【0024】
第1基板5の金属配線11aと第2基板6の金属配線14aとは、例えばビア等の導通部15aにより接続される。また、第1基板5の金属配線11dと第2基板6の金属配線14bとは、例えばビア等の導通部15bにより接続される。
【0025】
また、第1基板5上の第2基板6とDz方向に重ならない領域には、不図示のフレキシブルプリント基板(FPC:Flexible Printed Circuits)と接続される接続(Flex-on-Board)端子部16a,16bが設けられている。接続端子部16a,16bは、それぞれ、金属配線11a,11b,11c,11dに対応する4つの接続端子を備えている。
【0026】
接続端子部16a,16bは、第1基板5の配線層に設けられる。第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、接続端子部16a又は接続端子部16bに接続されたFPCから、第1基板5上の駆動電極10a,10b及び第2基板6上の駆動電極13a,13bに印加する駆動電圧が供給される。以下、接続端子部16a,16bを単に「接続端子部16」と称することがある。
【0027】
図4に示すように、第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、第1基板5と第2基板6とがDz方向(光の照射方向)に重なり、Dz方向から見て、第1基板5上の複数の駆動電極10と第2基板6上の複数の駆動電極13とが交差する。このように構成された第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、第1基板5上の複数の駆動電極10及び第2基板6上の複数の駆動電極13にそれぞれ駆動電圧が供給されることにより、液晶層8の液晶分子17の配向方向の制御が可能となる。この液晶層8の液晶分子17の配向方向の制御が可能となる領域を、「調光領域AA」と称する。この調光領域AAにおいて、液晶層8の屈折率分布が変化することにより、第1液晶セル2及び第2液晶セル3の調光領域AAを透過する光の制御が可能となる。この調光領域AAの外側の領域において、液晶層8が封止材7で封止された領域を、「周辺領域GA」(図5参照)と称する。
【0028】
図5に示すように、第1基板5の調光領域は、配向膜18によって駆動電極10(図5では、駆動電極10a)が覆われている。また、第2基板6の調光領域は、配向膜19によって駆動電極13(図5では、駆動電極13a,13b)が覆われている。配向膜18と配向膜19とでは、ラビング方向が異なっている。
【0029】
図6Aは、第1基板の配向膜のラビング方向を示す図である。図6Bは、第2基板の配向膜のラビング方向を示す図である。
【0030】
図6A及び図6Bに示すように、第1基板の配向膜18のラビング方向と、第2基板の配向膜19のラビング方向とは、平面視で互いに交差する方向である。具体的に、図6Aに示す第1基板5の配向膜18のラビング方向は、駆動電極10a,10bの延在方向に直交している。また、図6Bに示す第2基板6の配向膜19のラビング方向は、駆動電極13a,13bの延在方向に直交している。
【0031】
なお、本実施形態では、第1液晶セル2及び第2液晶セル3をそれぞれ1つ積層した構成について説明しているが、この構成に限るものではなく、例えば、第1液晶セル2及び第2液晶セル3を積層した組み合わせを複数有する構成であっても良い。例えば、第1液晶セル2及び第2液晶セル3を積層した組み合わせを2つ有する構成、すなわち、p波偏光用の液晶セルとs波偏光用の液晶セルとをそれぞれ2つ有する構成であっても良い。
【0032】
本開示では、上述した構成の照明装置1において、第1液晶セル2及び第2液晶セル3の駆動電圧制御により、光源4から照射される光の配光角を制御する。以下、本開示における制御パラメータの1つである照明装置1の光の配光角について、図7を参照して説明する。
【0033】
図7は、実施形態に係る照明装置の光の配光角を概念的に説明する概念図である。図7では、照明装置1を点光源Aと見做し、Dz方向に垂直な仮想平面xy上における光の照射範囲を示している。なお、図7では、照明装置1を点光源Aと見做した例を示しているが、実際には、上述したように、第1液晶セル2及び第2液晶セル3の調光領域AAを透過する光の制御を行う構成であるため、照射範囲の周辺では光の照度が低下する。また、光の回折現象等によって照射範囲の輪郭は不明瞭となる。
【0034】
上述したように、第1液晶セル2及び第2液晶セル3は、第1基板5上の複数の駆動電極10及び第2基板6上の複数の駆動電極13にそれぞれ駆動電圧が供給されることにより、液晶層8の液晶分子17の配向方向が制御される。これにより、照明装置1から照射される光の配光角が制御可能となる。
【0035】
具体的には、例えば、第1液晶セル2の駆動電極10及び駆動電極13に印加される駆動電圧に応じて、第1液晶セル2の液晶層8の液晶分子17の配向方向が変化し、Dx方向の配光角が変化する。本開示では、Dx方向の最小配光角を0[%]とし、Dx方向の最大配光角を100[%]とする。
【0036】
また、例えば、第2液晶セル3の駆動電極10及び駆動電極13に印加される駆動電圧に応じて、第2液晶セル3の液晶層8の液晶分子17の配向方向が変化し、Dy方向の配光角が変化する。本開示では、Dy方向の最小配光角を0[%]とし、Dy方向の最大配光角を100[%]とする。
【0037】
図7に示すaは、Dx方向の配光角及びDy方向の配光角が共に100[%]である場合の照射範囲を例示している。また、図7に示すbは、Dx方向の配光角が100[%]であり、Dy方向の配光角が30[%]である場合の照射範囲を例示している。図7に示すcは、Dx方向の配光角が30[%]であり、Dy方向の配光角が100[%]である場合の照射範囲を例示している。また、図7に示すdは、Dx方向の配光角及びDy方向の配光角が共に30[%]である場合の照射範囲を例示している。
【0038】
このように、上述した構成の照明装置1において、第1液晶セル2及び第2液晶セル3の駆動電圧制御をそれぞれ行うことにより、Dx方向及びDy方向の光の配光角を制御することができる。これにより、照明装置1の光の照射範囲を変化させることができる。
【0039】
図8は、実施形態に係る照明システムの構成の一例を示す概略図である。照明システムは、調光機能を有する複数の照明装置1と、制御装置200と、を含む。制御装置200は、例えば、スマートフォンやタブレット等の携帯通信端末装置が例示される。図8では、同一空間に複数の照明装置1_1_1,1_2,・・・,1_6を配置した例を示している。
【0040】
複数の照明装置1(1_1,1_2,・・・,1_6)と制御装置200との間は、それぞれ通信手段300によりデータや各種指令信号の送受信が行われる。本開示において、通信手段300は、例えば、Bluetooth(登録商標)やWiFi(登録商標)等の無線通信手段である。照明装置1と制御装置200とは、例えば、移動体通信網等の所定のネットワークを介して無線通信を行う態様であっても良い。あるいは、照明装置1と制御装置200とが有線接続されて有線通信を行う態様であっても良い。なお、照明システムに含まれる照明装置1の数により本開示が限定されるものではない。
【0041】
本開示では、制御装置200による制御パラメータとして、照明装置1の発光強度、ホワイトバランス、発光色、配光角等が例示される。以下、照明装置1の発光強度、ホワイトバランス、発光色、配光角等の制御パラメータを調整する制御を総称して、「調光制御」とも称する。
【0042】
図9は、実施形態に係る制御装置の一例を示す外観図である。制御装置200は、表示パネル20とタッチセンサ30とが一体化された、タッチ検出機能付き表示装置である。具体的に、表示パネル20は、タッチセンサ30を内蔵して一体化した、いわゆるインセルタイプあるいはハイブリッドタイプの装置である。表示パネル20にタッチセンサ30を内蔵して一体化するとは、例えば、表示パネル20として使用される基板や電極などの一部の部材と、タッチセンサ30として使用される基板や電極などの一部の部材とを兼用することを含む。なお、表示パネル20は、表示装置の上にタッチセンサ30を装着した、いわゆるオンセルタイプの装置であっても良い。
【0043】
表示パネル20としては、例えば、液晶表示素子を用いた液晶ディスプレイパネルが例示される。これに限らず、表示パネル20は、例えば、有機ELディスプレイパネル(OLED:Organic Light Emitting Diode)や無機ELディスプレイパネル(マイクロLED、ミニLED)であっても良い。
【0044】
タッチセンサ30としては、例えば、静電容量方式のタッチセンサが例示される。これに限らず、タッチセンサ30は、例えば、抵抗膜方式のタッチセンサや超音波方式あるいは光学方式のタッチセンサであっても良い。
【0045】
図10は、タッチセンサにおける検出領域の一例を示す概念図である。タッチセンサ30の検出領域FAには、複数の検出素子31が設けられている。複数の検出素子31は、タッチセンサ30の検出領域FA内において、X方向(第1方向)及び当該X方向に直交するY方向(第2方向)に並び、マトリクス状に設けられている。換言すれば、タッチセンサ30は、X方向(第1方向)及びY方向(第2方向)に並ぶ複数の検出素子31に重なる検出領域FAを有している。
【0046】
図11は、実施形態に係る制御装置の制御ブロック構成の一例を示す図である。
【0047】
図11に示すように、実施形態に係る制御装置200は、検出装置210及び処理装置220を含む。検出装置210は、タッチセンサ30、検出部211、及び座標抽出部212を備える。処理装置220は、調光制御データ生成部221及び記憶部223を備える。検出装置210の検出部211及び座標抽出部212は、例えば検出用ICで構成される。処理装置220は、例えば、制御装置200を構成するスマートフォンやタブレット等のCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)等で構成される。
【0048】
検出部211は、タッチセンサ30の各検出素子31から出力される検出信号に基づき、タッチセンサ30に対するタッチの有無を検出する回路である。
【0049】
座標抽出部212は、検出部211においてタッチが検出されたときに、そのタッチ検出位置の座標を求める論理回路である。
【0050】
調光制御データ生成部221は、座標抽出部212によって抽出されたタッチ検出位置に基づき、調光制御データを生成する。調光制御データ生成部221は、例えば、制御装置200を構成するスマートフォンやタブレット等のCPUによって実現される構成部である。
【0051】
記憶部223は、例えば、制御装置200を構成するスマートフォンやタブレット等のRAM、EEPROM、ROM等で構成される。本開示において、記憶部223には、例えば、座標抽出部212によって抽出されたタッチ検出位置の座標に対応する調光制御データが格納される。
【0052】
図12は、実施形態における調光制御データの調整手法の一例を示す概念図である。図12では、照明装置1の制御パラメータの1つである配光角を調整する手法について説明する。
【0053】
図12に示すように、タッチセンサ30の検出領域FA内にデータ調整領域TAが設けられている。データ調整領域TAの横軸は、X方向(第1方向)の座標軸を示し、照明装置1におけるDx方向に対応している。データ調整領域TAの縦軸は、Y方向(第2方向)の座標軸を示し、照明装置1におけるDy方向に対応している。データ調整領域TAは、タッチセンサ30の検出領域FA内に設けられていれば良く、検出領域FAの全領域をデータ調整領域TAとする態様であっても良い。
【0054】
本実施形態において、X方向の配光角データ及びY方向の配光角データは、それぞれ、照明装置1において制御される配光角の情報を正規化した離散値である。すなわち、本実施形態において、調光制御データ生成部221は、照明装置1において制御される配光角の情報を制御装置200における制御パラメータとして、配光角データR(Rx,Ry)を生成する。
【0055】
X方向の配光角データRx及びY方向の配光角データRyは、それぞれデータ調整領域TAにおいて検出されるタッチ検出位置の座標に対応する値が定義されている。図12に示す例において、X方向の配光角データRx及びY方向の配光角データRyは、それぞれ「0」から「100」までの値を取り得る。図12Aに破線で示す円は、X方向の配光角データRxが「30」、Y方向の配光角データRyが「30」となる位置の座標の軌跡を示し、実線で示す円は、X方向の配光角データRxが「100」、Y方向の配光角データRyが「100」となる位置の座標の軌跡を示し、実線で示す楕円は、X方向の配光角データRxが「80」、Y方向の配光角データRyが「50」となる位置の座標の軌跡を示している。
【0056】
図12に示す例では、座標抽出部212によってタッチ検出位置の座標がデータ調整領域TA内の位置Aから位置Bまで移動した例を示している。この場合、調光制御データ生成部221は、タッチ検出位置の座標がデータ調整領域TA内の位置Aから位置Bまで移動する間、時系列で座標抽出部212から出力されるタッチ検出位置の座標(x,y)に応じた配光角データR(Rx,Ry)を生成する。具体的に、配光角データR(Rx,Ry)の1ステップ分の変化ΔR(ΔRx,ΔRy)と、タッチ検出位置の座標(x,y)の1ステップ分の変化(Δx,Δy)との関係は、下記(1)式及び(2)式で示される。kは、データ調整領域TA内の検出素子31の数によって定まる係数である。
【0057】
ΔRx=k×Δx・・・(1)
【0058】
ΔRy=k×Δy・・・(2)
【0059】
具体的には、例えば、k=4とすると、タッチ検出位置の座標が4移動したとき、配光角データが1ステップ変化する。すなわち、配光角データR(Rx,Ry)の変化量は、タッチ検出位置の座標(x,y)の移動量に比例する。
【0060】
本開示において、複数の照明装置1の各制御パラメータの調光制御は、それぞれ、制御装置200と各照明装置1との間で実行される。制御装置200は、調光制御データ生成部221によって生成された配光角データR(Rx,Ry)を、順次、調光制御対象とする照明装置1に送信する。
【0061】
図13Aは、実施形態に係る制御装置において配光角を調整するための第1表示態様を示す概念図である。図13Bは、実施形態に係る制御装置において配光角を調整するための第2表示態様を示す概念図である。
【0062】
表示パネル20には、平面視において図9に示すタッチセンサ30の検出領域FAに重なる表示領域DAが設けられている。図13A及び図13Bに示すように、例えば、表示領域DA内のデータ調整領域TAの外側の領域(図13A及び図13Bに示す例では、データ調整領域TAの上側の領域)に、複数の照明装置1_1,1_2,・・・,1_6のうち制御装置200の調光制御対象とする照明装置1を選択するための制御対象選択アイコン21が設けられている。制御対象選択アイコン21をタップすることで、複数の照明装置1_1,1_2,・・・,1_6のうち調光制御対象とする照明装置1を選択することができる。
【0063】
図13Aでは、データ調整領域TA上において配光角データR(Rx,Ry)に対応する位置の座標の軌跡が照射範囲の概略形状イメージ23として表示される態様を示している。この第1表示態様では、例えば、照射範囲の概略形状イメージ23上の位置Aをタップし、位置Bまでスワイプすることで、調光制御対象とした照明装置1のX方向の配光角及びY方向の配光角を同時に調整する。
【0064】
図13Bでは、データ調整領域TA上にX方向の配光角を調整するスライドバー24a、及び、Y方向の配光角を調整するスライドバー24bが表示される態様を示している。この第2表示態様では、スライドバー24aをタップしてX方向にスワイプすることで、調光制御対象とした照明装置1のX方向の配光角を調整し、スライドバー24bをタップしてY方向にスワイプすることで、調光制御対象とした照明装置1のY方向の配光角を調整する。
【0065】
図13Cは、実施形態に係る制御装置において発光強度を調整するための表示態様を示す概念図である。図13Cでは、照明装置1の制御パラメータの1つである発光強度を調整する手法について説明する。
【0066】
図13Cでは、複数の照明装置1_1,1_2,・・・,1_6にそれぞれ対応して、データ調整領域TA上に発光強度を調整するスライドバーが表示される態様を示している。この表示態様では、調光制御対象とする照明装置1に対応するスライドバーをタップしてスワイプすることで、調光制御対象とした照明装置1の発光強度を調整する。
【0067】
なお、配光角や発光強度等の各制御パラメータを調整する態様は上記態様に限らず、例えば、制御装置200に物理的なスライダーを設けた態様であっても良い。
【0068】
図14は、実施形態に係る照明装置の制御ブロック構成の一例を示す図である。図14に示すように、実施形態1に係る照明装置1は、上述した光源4及び配光装置100に加え、制御部111、電極駆動部112、光源駆動部113、及び記憶部114を備える。
【0069】
制御部111は、制御装置200から受信した調光制御データに応じた調光制御を実行する。具体的に、例えば、制御部111は、制御装置200から送信された配光角データR(Rx,Ry)に応じた駆動電圧が配光装置100の第1液晶セル2及び第2液晶セル3の各駆動電極10,13に供給されるように電極駆動部112を制御する。また、例えば、制御部111は、制御装置200から送信された発光強度データに応じた駆動電流が光源4に供給されるように光源駆動部113を制御する。
【0070】
図8に示すように、例えば、同一空間に複数の照明装置1(1_1,1_2,・・・,1_6)を配置し、複数の照明装置1のうちの1つを調光制御対象とした場合、調光制御対象とは異なる(以下、「調光制御対象外」とも称する)照明装置1が発する光が干渉し、調光制御対象とした照明装置1の調光制御効果が分かり難い場合がある。以下、複数の照明装置1を有する照明システムにおいて、調光制御対象とした照明装置1の調光制御を適切に実行可能な手法について説明する。
【0071】
図15は、実施形態に係る制御装置における調光制御処理の一例を示すフローチャートである。以下の説明では、図8に示す照明装置1_3を調光制御対象とし、照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を調光制御対象外とした例について説明する。
【0072】
検出部211は、タッチセンサ30のデータ調整領域TA内におけるタッチの有無を検出する(ステップS101)。データ調整領域TA内においてタッチ検出されていない場合(ステップS101;No)、制御装置200は、ステップS101の処理を繰り返し実行する。
【0073】
データ調整領域TA内においてタッチ検出されると(ステップS101;Yes)、制御装置200は、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6に対し、通信手段300を介して、調光補助制御開始指令を送信する(ステップS102)。
【0074】
制御装置200の調光制御データ生成部221は、座標抽出部212によって抽出されたタッチ検出位置の座標に対応する調光制御データを生成する(ステップS103)。具体的に、調光制御データ生成部221は、例えば、座標抽出部212によって抽出されたタッチ検出位置の座標に対応する配光角データを記憶部223から読み出す。
【0075】
制御装置200は、調光制御対象とした照明装置1_3に対し、通信手段300を介して、調光制御データ生成部221によって生成された調光制御データを送信する(ステップS104)。
【0076】
検出部211は、タッチセンサ30のデータ調整領域TA内におけるタッチが継続されているか否かを検出する(ステップS105)。
【0077】
タッチセンサ30のデータ調整領域TA内におけるタッチが継続されている場合(ステップS105;Yes)、ステップS103の処理に戻り、ステップS103以降の処理を繰り返し実行する。
【0078】
データ調整領域TA内においてタッチが継続されていない場合(ステップS105;No)、制御装置200は、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6に対し、通信手段300を介して、調光補助制御停止指令を送信する(ステップS106)。そして、ステップS101の処理に戻り、同様の処理を繰り返し実行する。
【0079】
図16は、実施形態に係る照明装置における調光制御処理の一例を示すフローチャートである。
【0080】
照明装置1は、制御装置200から送信される調光補助制御開始指令を受信したか否かを判定する(ステップS201)。調光補助制御開始指令を受信していない場合(ステップS201;No)、続いて、照明装置1は、制御装置200から送信される調光制御データを受信したか否かを判定する(ステップS202)。調光制御データを受信していない場合(ステップS202;No)、ステップS201に戻る。
【0081】
調光制御データを受信すると(ステップS202;Yes)、制御部111は、当該調光制御データに応じた調光制御を実行する(ステップS203)。
【0082】
ステップS201において調光補助制御開始指令を受信した場合(ステップS201;Yes)、制御部111は、通常発光期間における通常制御状態(第1モード)から調光補助制御期間における調光補助制御状態(第2モード)に移行し(ステップS204)、所定の発光パターン(調光状態)による調光補助制御を実行する(ステップS205)。
【0083】
ここで、実施形態に係る調光補助制御について、図17A図17B図17C図18A図18B図18C図18D図18E図18Fを参照して説明する。
【0084】
図17A図17B図17Cは、実施形態に係る照明システムの調光制御における各照明装置の動作を説明する概念図である。図18A図18B図18C図18D図18E図18Fは、実施形態に係る照明システムの調光補助制御状態の一例を示す図である。
【0085】
図18A図18B図18C図18D図18E図18Fに示すように、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6は、制御装置200から送信される調光補助制御開始指令を受信すると(ステップS201;Yes)、図17Aに示す通常制御状態(第1モード)から調光補助制御状態(第2モード)に移行する。通常制御状態(第1モード)と調光補助制御状態(第2モード)とでは、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6における発光パターン(調光状態)が異なっている。本実施形態において、調光補助制御状態(第2モード)における発光パターン(調光状態)は、予め記憶部114に格納されている。
【0086】
通常制御状態(第1モード)において、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を点灯し、調光補助制御状態(第2モード)において、例えば、図17Bに示すように、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を消灯する。これにより、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6が発する光の干渉を受けることなく、調光制御対象の照明装置1_3の調光制御を行うことができ、調光制御対象の照明装置1_3の調光制御効果を把握し易くなる。
【0087】
調光補助制御状態(第2モード)における発光パターン(調光状態)はこれに限らず、例えば、図17Cに示すように、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を減光する。具体的には、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6の発光強度を所定値として照度を低下させる。これにより、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6が発する光の干渉による影響を抑制することができる。
【0088】
なお、調光補助制御状態(第2モード)における調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6の発光パターン(調光状態)は、消灯や減光に限定されず、例えば、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6の発光色を、通常制御状態(第1モード)の発光色(第1発光色)とは異なる発光色(第2発光色)に変更する態様であっても良い。
【0089】
また、例えば、図18Cに示すように、調光補助制御状態(第2モード)において、第1状態(第1調光状態)と、第1状態(第1調光状態)とは異なる第2状態(第2調光状態)とを所定間隔(例えば、0.5[s])で切り替える。具体的には、例えば、第2状態(第2調光状態)において通常制御状態(第1モード)における発光パターン(調光状態)と同様に調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を点灯し、第1状態(第1調光状態)において調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を消灯する。これにより、調光制御対象の照明装置1_3を単独で点灯した第1状態(第1調光状態)と、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を通常制御状態(第1モード)と同様に点灯した第2状態(第2調光状態)とを交互に確認しながら調光制御対象の照明装置1_3の調光制御を行うことができる。
【0090】
また、例えば、第2状態(第2調光状態)において通常制御状態(第1モード)における発光パターン(調光状態)と同様に調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を点灯し、第1状態(第1調光状態)において調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を第2状態(第2調光状態)よりも減光する。具体的には、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6の発光強度を所定値として照度を低下させる。これにより調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を通常制御状態(第1モード)よりも減光した第1状態(第1調光状態)と、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を通常制御状態(第1モード)と同様に点灯した第2状態(第2調光状態)とを交互に確認しながら調光制御対象の照明装置1_3の調光制御を行うことができる。
【0091】
また、例えば、図18Eに示すように、特定のパターンで第1状態(第1調光状態)と第2状態(第2調光状態)とを切り替える。具体的には、例えば、第1状態(第1調光状態)(3[s])、第2状態(第2調光状態)(0.5[s])、第1状態(第1調光状態)(0.5[s])、第2状態(第2調光状態)(0.5[s])を1周期(1T)として繰り返す。これにより、調光制御対象の照明装置1_3の調光制御状態をより把握し易くなる。
【0092】
なお、第2状態(第2調光状態)における調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6の発光色(第1発光色)を通常制御状態(第1モード)と同じ発光色とし、第1状態(第1調光状態)における調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6の発光色を、第2状態(第2調光状態)における調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6の発光色(第1発光色)とは異なる発光色(第2発光色)に変更する態様であっても良い。
【0093】
図16に戻り、照明装置1は、制御装置200から送信される調光補助制御停止指令を受信したか否かを判定する(ステップS206)。調光補助制御停止指令を受信していない場合(ステップS206;No)、ステップS201に戻る。
【0094】
調光補助制御停止指令を受信すると(ステップS206;Yes)、制御部111は、調光補助制御期間における調光補助制御状態(第2モード)から通常発光期間における通常制御状態(第1モード)に移行し(ステップS207)、ステップS201に戻る。
【0095】
図18Aに示す例において、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6は、制御装置200から送信される調光補助制御停止指令を受信すると(ステップS206;Yes)、調光補助制御状態(第2モード)から通常制御状態(第1モード)に移行する。
【0096】
また、図18Bに示すように、例えば、制御装置200から送信される調光補助制御停止指令を受信してから(ステップS206;Yes)、所定時間(例えば、3[s])経過後に調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6の調光状態を調光補助制御状態(第2モード)から通常制御状態(第1モード)に移行する態様であっても良い。
【0097】
また、図18Dに示すように、例えば、制御装置200から送信される調光補助制御停止指令を受信してから(ステップS206;Yes)、所定時間(例えば、3[s])の間に第1状態(第1調光状態)と第2状態(第2調光状態)とを複数回切り替えた後に、調光補助制御状態(第2モード)から通常制御状態(第1モード)に移行する態様であっても良い。
【0098】
また、図18Fに示すように、例えば、制御装置200から送信される調光補助制御停止指令を受信してから(ステップS206;Yes)、例えば、第1期間(3[s])、第2期間(0.5[s])、第1期間(0.5[s])、第2期間(0.5[s])を1周期(1T)とする特定パターンを実行した後に、調光補助制御状態(第2モード)から通常制御状態(第1モード)に移行する態様であっても良い。
【0099】
このように、制御装置200から送信される調光補助制御停止指令を受信した後に(ステップS206;Yes)、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を調光補助制御状態(第2モード)に維持する期間を設けることで、調光制御対象の照明装置1_3の調光制御状態の確認が容易となる。
【0100】
上述したように、調光機能を有する複数の照明装置を含む照明システムでは、調光制御対象の照明装置1(1_3)において調光制御を実行する際、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を、調光制御対象の照明装置1_3の調光制御状態を把握し易い調光補助制御状態(第2モード)とすることができる。
【0101】
具体的には、通常制御状態(第1モード)において、調光制御対象外の照明装置1_1,1_2,1_4,1_5,1_6を点灯し、調光補助制御状態(第2モード)において、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を消灯する。これにより、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)が発する光の干渉を受けることなく、調光制御対象の照明装置1(1_3)の調光制御を行うことができ、調光制御対象の照明装置1(1_3)の調光制御効果を把握し易くなる。
【0102】
また、調光補助制御状態(第2モード)において、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を減光する。具体的には、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)の発光強度を所定値として照度を低下させる。これにより、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)が発する光の干渉による影響を抑制することができる。
【0103】
また、調光補助制御状態(第2モード)において、第1状態(第1調光状態)と、第1状態(第1調光状態)とは異なる第2状態(第2調光状態)とを所定間隔で切り替える。具体的には、例えば、第2状態(第2調光状態)において通常制御状態(第1モード)における発光パターン(調光状態)と同様に調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を点灯し、第1状態(第1調光状態)において調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を消灯する。換言すれば、所定間隔で調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を消灯する。これにより、調光制御対象の照明装置1(1_3)を単独で点灯した第1状態(第1調光状態)と、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を通常制御状態(第1モード)と同様に点灯した第2状態(第2調光状態)とを交互に確認しながら調光制御対象の照明装置1(1_3)の調光制御を行うことができる。
【0104】
また、例えば、第2状態(第2調光状態)において通常制御状態(第1モード)における発光パターン(調光状態)と同様に調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を点灯し、第1状態(第1調光状態)において調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を第2状態(第2調光状態)よりも減光する。換言すれば、所定間隔で調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を減光する。これにより、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を通常制御状態(第1モード)よりも減光した第1状態(第1調光状態)と、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を通常制御状態(第1モード)と同様に点灯した第2状態(第2調光状態)とを交互に確認しながら調光制御対象の照明装置1(1_3)の調光制御を行うことができる。
【0105】
また、調光補助制御状態(第2モード)において、特定のパターンで第1状態(第1調光状態)と第2状態(第2調光状態)とを切り替える。具体的には、例えば、第1状態(第1調光状態)(3[s])、第2状態(第2調光状態)(0.5[s])、第1状態(第1調光状態)(0.5[s])、第2状態(第2調光状態)(0.5[s])を1周期(1T)として繰り返す。これにより、調光制御対象の照明装置1(1_3)の調光制御状態をより把握し易くなる。
【0106】
また、調光制御対象の照明装置1(1_3)において調光制御を実行した後に、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)を調光補助制御状態(第2モード)に維持する期間を設けることで、調光制御対象の照明装置1(1_3)の調光制御状態の確認が容易となる。
【0107】
なお、上述した実施形態では、複数の照明装置1(1_1,1_2,1_3,1_4,1_5,1_6)のうち、1つの照明装置1(1_3)を調光制御対象とする例について説明したが、同時に複数の照明装置を調光制御対象とする態様であっても良い。この場合においても、調光制御対象とした照明装置において調光制御を行う調光制御対象外の照明装置に対し、上述した調光補助制御期間を設けて調光補助制御状態(第2モード)とすれば良い。
【0108】
(変形例1)
上述した実施形態において、調光補助制御状態(第2モード)における発光パターン(調光状態)は、照明装置1の記憶部114に格納されている例について説明したが、これに限らず、調光補助制御状態(第2モード)における発光パターン(調光状態)は、制御装置200の記憶部223に格納されている態様であっても良い。
【0109】
図19は、実施形態の変形例1に係る制御装置における調光制御処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、上述した実施形態の図15と異なる処理について説明する。
【0110】
ステップS101において、データ調整領域TA内においてタッチ検出されると(ステップS101;Yes)、制御装置200は、調光制御対象の照明装置1(1_3)の調光制御を開始する。このとき、制御装置200は、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)に対し、記憶部223に格納された調光補助制御状態(第2モード)における発光パターン(調光状態)に応じた調光制御データ(例えば、消灯や減光を実現する所定の発光強度)を送信することにより、調光補助制御状態(第2モード)に移行させる(ステップS102a)。
【0111】
また、ステップS105において、データ調整領域TA内においてタッチが継続されていない場合(ステップS105;No)、制御装置200は、調光制御対象の照明装置1(1_3)の調光制御を停止する。このとき、制御装置200は、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)に対する調光制御データ(例えば、消灯や減光を実現する所定の発光強度)の送信を停止し、通常制御状態(第1モード)における発光パターン(調光状態)に応じた調光制御データ(例えば、消灯や減光を実現する所定の発光強度)を送信することにより、調光補助制御状態(第2モード)から通常制御状態(第1モード)に移行させる(ステップS106a)。
【0112】
あるいは、制御装置200は、調光制御対象の照明装置1(1_3)の調光制御を停止してから所定時間(例えば、3[s])経過後に、調光制御対象外の照明装置1(1_1,1_2,1_4,1_5,1_6)に対する調光制御データ(例えば、消灯や減光を実現する所定の発光強度)の送信を停止し、通常制御状態(第1モード)における発光パターン(調光状態)に応じた調光制御データ(例えば、消灯や減光を実現する所定の発光強度)を送信することにより、調光補助制御状態(第2モード)から通常制御状態(第1モード)に移行させる態様であっても良い。
【0113】
これにより、変形例1においても、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0114】
(変形例2)
図20A及び図20Bは、実施形態の変形例2に係る照明システムの調光制御における各照明装置の動作を説明する概念図である。図20A及び図20Bでは、上述した実施形態と同様に、照明装置1_3を調光制御対象とした例を示している。
【0115】
実施形態の変形例2において、制御装置200は、調光制御対象とした照明装置1(1_3)の調光制御を行う調光制御期間(図20A参照)と、調光制御対象とした照明装置1(1_3)を消灯させる消灯期間(図20B参照)と、を所定間隔(例えば、0.5[s])で繰り返す。これにより、調光制御対象の照明装置1(1_3)による光の照射範囲を把握し易くなる。
【0116】
なお、調光制御対象とした照明装置1(1_3)を消灯させる消灯期間に代えて、調光制御対象とした照明装置1(1_3)を調光制御期間よりも減光させる減光期間を設ける態様であっても良い。また、調光制御対象とした照明装置1(1_3)を消灯させる消灯期間や調光制御対象とした照明装置1(1_3)を調光制御期間よりも減光させる減光期間を設けず、調光制御期間における発光色を、通常発光期間における通常制御状態(第1モード)の発光色(第1発光色)とは異なる発光色(第2発光色)とする態様であっても良い。
【0117】
以上、本開示の好適な実施の形態を説明したが、本開示このような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0118】
1 照明装置
2 第1液晶セル
3 第2液晶セル
4 光源
4a リフレクタ
5 第1基板
6 第2基板
7 封止材
8 液晶層
9 基材
10,10a,10b 駆動電極
11 第1金属配線
11a,11b,11c,11d 金属配線
12 基材
13,13a,13b 駆動電極
14 第2金属配線
14a,14b 金属配線
15a,15b 導通部
16a,16b 接続端子部
17 液晶分子
18 配向膜
19 配向膜
20 表示パネル
21 制御対象選択アイコン
23 概略形状イメージ(照射範囲)
24a,24b スライドバー
30 タッチセンサ
31 検出素子
100 配光装置
111 制御部
112 電極駆動部
113 光源駆動部
114 記憶部
200 制御装置
210 検出装置
211 検出部
212 座標抽出部
220 処理装置
221 調光制御データ生成部
223 記憶部
300 通信手段
AA 調光領域
DA 表示領域
FA 検出領域
GA 周辺領域
TA データ調整領域
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図18C
図18D
図18E
図18F
図19
図20A
図20B