(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】発光ダイオード装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/46 20100101AFI20241126BHJP
H01L 33/44 20100101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L33/46
H01L33/44
(21)【出願番号】P 2023521848
(86)(22)【出願日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 US2021051173
(87)【国際公開番号】W WO2022093432
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-11
(32)【優先日】2020-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ディマリア,ジェフリー
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0189681(US,A1)
【文献】特開2014-146848(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0149086(US,A1)
【文献】特表2014-518785(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N-型層、活性層、およびP-型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを定める、メサと、
前記少なくとも1つの側壁の上および前記メサの前記上部表面の上のパッシベーション層であって、1つ以上の低屈折率材料および分布ブラッグ反射器(DBR)を含み、前記低屈折率材料の屈折率は、1から2.2の範囲である、パッシベーション層と、
前記メサの前記上部表面上のp-型コンタクトと、
前記トレンチの前記底部表面上のn-型コンタクトと、
を有し、
さらに、前記パッシベーション層と前記メサとの間に電気的パッシベーション層を有し、
前記パッシベーション層の一部には、開口が形成されており、該開口には、前記パッシベーション層により被覆されない前記p-型コンタクトが配置され、
前記開口の周囲では、前記電気的パッシベーション層は、前記パッシベーション層と共形に配置され
、
前記パッシベーション層および前記電気的パッシベーション層は、前記底部表面上には形成されない、LED装置。
【請求項2】
前記パッシベーション層は、少なくとも2nmの厚さを有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項3】
前記低屈折率材料は、酸化ケイ素(SiO
2)、フッ化マグネシウム(MgF
2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiO
x)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiO
x)、多孔質酸化アルミニウム(AlO
x)、多孔質酸化ハフニウム(HfO
x)、多孔質酸化ニオブ(NbO
x)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)、および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)からなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載のLED装置。
【請求項4】
前記パッシベーション層は、分布ブラッグ反射器(DBR)を有する、請求項1に記載のLED装置。
【請求項5】
前記分布ブラッグ反射器(DBR)は、少なくとも0.2ミクロンの厚さを有する、請求項4に記載のLED装置。
【請求項6】
前記電気的パッシベーション層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO
2)、酸化ニオブ(NbO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ハフニウム(HfO
2)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO
2)のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のLED装置。
【請求項7】
前記半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である、請求項1に記載のLED装置。
【請求項8】
発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、
N-型層、活性層、およびP-型層を含む複数の半導体層を基板上に成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングし、画素を定める少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を有する、ステップと、
前記少なくとも1つの側壁および前記少なくとも1つのメサの上部表面に、電気的パッシベーション層を成膜するステップ
であって、前記電気的パッシベーション層は、前記少なくとも1つのトレンチの底部表面上には形成されない、ステップと、
前記電気的パッシベーション層の上に、前記電気的パッシベーション層と共形に、パッシベーション層を成膜させるステップであって、前記パッシベーション層は、1つ以上の低屈折率材料および分布ブラッグ反射器(DBR)を有し、前記低屈折率材料の屈折率は、1から2.2の範囲であ
り、前記パッシベーション層は、前記トレンチの底部表面上には形成されない、ステップと、
前記少なくとも1つのメサの前記上部表面に、p-型コンタクトを形成するステップと、
前記少なくとも1つのトレンチ
の前記底部表面にn-型コンタクトを形成するステップと、
を有する、方法。
【請求項9】
前記パッシベーション層は、少なくとも2nmの厚さを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記低屈折率材料は、酸化ケイ素(SiO
2)、フッ化マグネシウム(MgF
2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiO
x)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiO
x)、多孔質酸化アルミニウム(AlO
x)、多孔質酸化ハフニウム(HfO
x)、多孔質酸化ニオブ(NbO
x)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)、および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)の1つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記パッシベーション層は、分布ブラッグ反射器(DBR)を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記電気的パッシベーション層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO
2)、酸化ニオブ(NbO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ハフニウム(HfO
2)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO
2)の1つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N-型層、活性層、およびP-型層を含み、前記メサは、その幅以下の高さを有し、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを定める、メサと、
前記少なくとも1つの側壁上および前記メサの前記上部表面上の第1のパッシベーション層であって、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO
2)、酸化ニオブ(NbO
2)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ハフニウム(HfO
2)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO
2)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO
2)の1つ以上を含む、第1のパッシベーション層と、
前記第1のパッシベーション層上の前記第1のパッシベーション層と共形な第2のパッシベーション層であって、分布ブラッグ反射器(DBR)、および1から2.2の範囲の屈折率を有する低屈折率材料の1つ以上を含む、第2のパッシベーション層と、
前記メサの前記上部表面上のp-型コンタクトと、
前記トレンチの前記底部表面上のn-型コンタクトと、
を有
し、
前記第1のパッシベーション層および前記第2のパッシベーション層は、前記底部表面上には形成されない、LED装置。
【請求項14】
前記低屈折率材料は、酸化ケイ素(SiO
2)、フッ化マグネシウム(MgF
2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiO
x)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiO
x)、多孔質酸化アルミニウム(AlO
x)、多孔質酸化ハフニウム(HfO
x)、多孔質酸化ニオブ(NbO
x)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)、および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)の1つ以上を含む、請求項13に記載のLED装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、発光ダイオード(LED)装置およびその製造方法に関する。より詳細には、実施形態は、共形パッシベーション層を含む発光ダイオード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、電流が流れた際に可視光を発する半導体光源である。LEDは、P型半導体とN型半導体を組み合わせたものである。LEDでは、通常、III-V族化合物半導体が使用される。III-V族化合物半導体は、他の半導体を用いた装置に比べて、高温で安定した動作を提供する。III-V族化合物は、通常、サファイアアルミニウム酸化物(Al2O3)または炭化ケイ素(SiC)で形成された基板上に形成される。
【0003】
ウェアラブル装置、ヘッドマウントディスプレイ、および大面積ディスプレイを含む、各種新たなディスプレイ用途では、100μm×100μm未満の横方向寸法を有する高密度のマイクロLED(μLEDまたはuLEDs)のアレイで構成された小型化されたチップが必要とされる。マイクロLED(uLED)は、通常、直径または幅が約50μmまたはそれ以下の寸法を有し、赤、青、および緑の波長を含む近接したマイクロLEDを整列されることにより、カラーディスプレイの製造に使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マイクロLEDは、独特の画素アーキテクチャであり、より大きなモノリシックダイに比べて、効率的な動作のため基本的に異なる設計ルールが要求される。マイクロLEDのサイズは、例えば、複合ミラーおよび電気的接触形状のような、大きなダイ(バルク-側壁アスペクト比が>20:1)では、効率的に作動させることができる、工業的スケール化が可能なフォトリソグラフィープロセスの能力の限界に近づいている。また、典型的な装置のバルク:側壁のアスペクト比は<20:1であるため、特にマイクロLEDディスプレイ用途に関連する低電流では、表面再結合効果が装置挙動を支配する。光出力の減少に対する表面再結合の負の影響を軽減するため、電気的パッシベーションが必要とされ得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、LED装置およびその製造方法に関する。第1の態様は、
発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N-型層、活性層、およびP-型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを定める、メサと、
前記少なくとも1つの側壁の上および前記メサの前記上部表面の上のパッシベーション層であって、1つ以上の低屈折率材料および分布ブラッグ反射器(DBR)を含む、パッシベーション層と、
前記メサの前記上部表面上のp-型コンタクトと、
前記トレンチの前記底部表面上のn-型コンタクトと、
を有する、LED装置に関する。
【0006】
本開示の別の態様は、
発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、
N-型層、活性層、およびP-型層を含む複数の半導体層を基板上に成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングし、画素を定める少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を有する、ステップと、
前記少なくとも1つの側壁および前記少なくとも1つのメサの上部表面に、パッシベーション層を成膜させるステップであって、前記パッシベーション層は、1つ以上の低屈折率材料および分布ブラッグ反射器(DBR)を有する、ステップと、
前記少なくとも1つのメサの前記上部表面に、p-型コンタクトを形成するステップと、
前記少なくとも1つのトレンチにn-型コンタクトを形成するステップと、
を有する、方法に関する。
【0007】
本開示の別の態様は、
発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N-型層、活性層、およびP-型層を含み、前記メサは、その幅以下の高さを有し、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを定める、メサと、
前記少なくとも1つの側壁上および前記メサの前記上部表面上の第1のパッシベーション層であって、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(NbO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO2)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO2)の1つ以上を含む、第1のパッシベーション層と、
前記第1のパッシベーション層上の第2のパッシベーション層であって、分布ブラッグ反射器(DBR)、および約1から約2.2の範囲の屈折率を有する低屈折率材料の1つ以上を含む、第2のパッシベーション層と、
前記メサの前記上部表面上のp-型コンタクトと、
前記トレンチの前記底部表面上のn-型コンタクトと、
を有する、LED装置に関する。
【0008】
実施形態を参照することにより、本開示の上記の特徴を詳細に理解することができ、前述の簡単に要約されたた本開示のより特定の説明が得られ、その一部は、添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は、単に本開示の典型的な実施形態を示すものであり、その範囲を制限するものではなく、従って、本開示は、他の同様に有効な実施形態を認めることができることに留意する必要がある。本願に記載の実施形態は、一例として示されており、添付図面の図に限定されるものではない。同様の参照符号は、同様の素子を表す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】1つ以上の実施形態によるエピタキシャル層のスタックの断面を示した図である。
【
図1B】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面を示した図である。
【
図1C】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面を示した図である。
【
図1D】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面を示した図である。
【
図1E】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面を示した図である。
【
図2A】1つ以上の実施形態によるエピタキシャル層のスタックの断面を示した図である。
【
図2B】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面を示した図である。
【
図2C】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面を示した図である。
【
図2D】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面を示した図である。
【
図2E】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面を示した図である。
【
図2F】1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面を示した図である。
【
図3】1つ以上の実施形態による製造方法のプロセスフローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするため、同一の素子には、可能な場合、同一の参照番号が使用され、これは図面に共通である。図には、スケールは示されていない。例えば、メサの高さおよび幅には、スケールは示されていない。
【0011】
本開示のいくつかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示は、以下の説明に記載された構成またはプロセスステップの細部に限定されないことが理解される。本開示は、他の実施形態で構成され、各種方法で実施され、または実現されることができる。
【0012】
本願で使用される1つ以上の実施形態による「基板」という用語は、プロセスが作用する表面または表面の一部を有する、構造、中間体、または最終形態を表す。また、いくつかの実施形態では、基板という言及は、文脈が明確に別の意味を示さない限り、基板の一部のみをも表す。さらに、いくつかの実施形態による基板上に堆積(成膜)させるという言及は、裸の基板、または基板上に堆積させるステップを有し、基板上に、1つ以上の薄膜、特徴物または材料が堆積もしくは形成される。
【0013】
1つ以上の実施形態では、「基板」は、製造プロセス中に薄膜処理が行われる、任意の基板または基板上に形成された材料表面を意味する。例示的な実施形態では、処理が行われる基板表面は、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、シリコンオンインシュレータ(SOI)、歪シリコン、非晶質シリコン、ドープドシリコン、炭素ドープケイ素酸化物、ゲルマニウム、ヒ素化ガリウム、ガラス、サファイア、ならびに金属、金属窒化物、III族-窒化物(例えば、GaN、AlN、InNおよび合金)、金属合金、および他の導電性材料のような任意の他の好適な材料を含む。基板には、これに限られるものではないが、発光ダイオード(LED)装置が含まれる。いくつかの実施態様では、基板は、予備処理プロセスに晒され、基板表面が研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシレート化(hydroxylate)、アニール、UV硬化、電子ビーム硬化、および/または焼成される。いくつかの実施形態では、基板自体の表面上での直接的な薄膜処理に加えて、基板上に形成された下地層に対して、開示された任意の薄膜処理ステップも実施され、従って、「基板表面」という用語は、内容が示すように、そのような下地層を含むことが意図される。従って、例えば、薄膜/層または部分薄膜/層が基板表面上に堆積された場合、新たに堆積された薄膜/層の露出表面が基板表面となる。
【0014】
本開示において、「ウェハ」および「基板」という用語は、相互互換的に使用される。従って、本願で使用されるウェハは、本願に記載のLED装置の形成用基板として機能する。
【0015】
本願に記載の実施形態には、LED装置のアレイ、およびLED装置のアレイ(またはLEDアレイ)を形成する方法が記載される。特に、本開示は、低損失、低屈折率のパッシベーション層の存在による、低光学損失なLED装置、およびLED装置を製造する方法が記載される。低損失、低屈折率のパッシベーション層は、標準的なパッシベーション層、例えば窒化ケイ素(SiN)に比べて有意である。なぜなら、これは、光損失が小さく、低屈折率パッシベーション層は、半導体と誘電体の間の反射率を増加させ、フレネル反射および全内部反射角の減少によるミラーとして機能するためである。これは、任意のマイクロLEDバックプレーンとの光の相互作用を抑制し、その後のシステムの光学損失を低減する効果を有する。追加の効果は、半導体画素領域により光が高度に閉じ込められ、ピクセル輝度、および隣接する画素間のクロストークが改善されることである。本開示の1つ以上の実施形態は、マイクロLEDディスプレイの製造に使用することができる。
【0016】
図1Aは、1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面図である。
図1Aを参照すると、基板(図示せず)上に半導体層102が成長される。一つ以上の実施例では、半導体層102は、エピタキシャル層、III族-窒化物層、またはエピタキシャルIII族-窒化物層を有する。一つ以上の実施例では、半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である。
【0017】
基板は、当業者に知られた任意の基板であってもよい。1つ以上の実施形態では、基板は、サファイア、炭化ケイ素、ケイ素(Si)、石英、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛(ZnO)、スピネル等のうちの1つ以上を含む。1つ以上の実施形態では、基板は、エピ層の成長の前にパターン化されてはいない。従って、いくつかの実施形態では、基板は、パターン化されず、平坦であり、または実質的に平坦であるとみなすことができる。他の実施形態では、基板は、パターン化されており、例えば、パターン化されたサファイア基板(PSS)である。
【0018】
一つ以上の実施態様では、半導体層102は、III族-窒化物材料を有し、特定の実施態様では、エピタキシャルIII族-窒化物材料を有する。いくつかの実施態様では、III族-窒化物材料は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)およびインジウム(In)の1つ以上を含む。従って、いくつかの実施態様では、半導体層102は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、アルミニウムガリウム窒化物(AlGaN)、インジウムアルミニウム窒化物(InGaN)、アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)等の1つ以上を含む。1つ以上の特定の実施態様では、半導体層102は、p型層104p、活性領域106、およびn型層104nを有する。特定の実施形態では、LEDのn型層104nおよびp型層104pは、n型ドープおよびp型ドープのGaNを有する。
【0019】
1つ以上の実施形態では、LEDを形成するIII族-窒化物材料の層は、スパッタ成膜、原子層成膜(ALD)、化学気相成膜(CVD)、物理気相成膜(PVD)、プラズマ強化原子層成膜(PEALD)、およびプラズマ強化化学気相成膜(PECVD)のうちの1つ以上によって成膜される。他の実施形態では、LED装置層のエピタキシー用の有機金属気相エピタキシー(MOVPE)反応器内に基板が配置され、半導体層102が成長される。
【0020】
本願で使用される「スパッタ成膜」は、スパッタリングによる薄膜成膜の物理気相成膜(PVD)法を表す。スパッタ成膜では、材料、例えばIII族-窒化物が、ソース源であるターゲットから基板上に放出される。この技術は、ターゲットであるソース材料のイオン衝撃に基づく。イオン衝撃では、純粋に物理的なプロセス、すなわち、ターゲット材料のスパッタリングにより、気相が生じる。
【0021】
本願のいくつかの実施形態に従って使用されるように、「原子層成膜」(ALD)または「周期的成膜」は、基板表面上に薄膜を堆積するために使用される気相技術を表す。ALDのプロセスでは、基板の表面または基板の一部が、交互の前駆体、すなわち、2つ以上の反応性化合物に暴露され、基板表面上に材料の層が堆積することが含まれる。基板が交互の前駆体に晒されると、前駆体が連続的にまたは同時に導入される。前駆体は、処理チャンバの反応ゾーンに導入され、基板または基板の一部は、別々に前駆体に暴露される。
【0022】
いくつかの実施態様では、本願で使用される「化学気相成膜」は、基板表面上の化学物質の分解により、気相から材料の薄膜が堆積されるプロセスを表す。CVDでは、基板表面は、前駆体および/または補助剤に同時にまたは実質的に同時に暴露される。本願で使用される「実質的に同時に」とは、コフロー(co-flow)、または前駆体の曝露の大部分が重複する場合、のいずれかを表す。
【0023】
いくつかの実施態様では、本願に使用される「プラズマ強化原子層成膜(PEALD)」は、基板上に薄膜を堆積する技術を表す。熱ALDプロセスに関するPEALDプロセスのいくつかの例では、材料は、同じ化学的前駆体から形成されるが、より高い成膜速度、より低い温度で形成され得る。一般に、PEALDプロセスでは、反応ガスおよび反応プラズマは、チャンバ内に基板を有するプロセスチャンバに順番に導入される。プロセスチャンバ内で第1の反応ガスがパルス化され、基板表面に吸着される。その後、プロセスチャンバ内で反応性プラズマがパルス化され、第1の反応ガスと反応して、基板上に、成膜材料、例えば薄膜が形成される。熱的ALDプロセスと同様、各反応体の供給の間に、パージ工程が実施されてもよい。
【0024】
1つ以上の実施形態において、本願に使用される「プラズマ強化化学気相成膜(PECVD)」は、基板上に薄膜を堆積する技術を表す。PECVDプロセスでは、気相III族-窒化物材料または液相III族-窒化物材料の蒸気のような、キャリアガスと同搬送された気相または液相のソース材料が、PECVDチャンバに導入される。また、プラズマ開始ガスがチャンバに導入される。チャンバ内のプラズマの生成により、励起ラジカルが生成される。励起されたラジカルは、チャンバ内に配置された基板の表面に化学的に結合され、その上に所望の薄膜が形成される。
【0025】
一つ以上の実施態様では、半導体層102は、未ドープのIII族-窒化物材料およびドープされたIII族-窒化物材料のスタックを有する。III族-窒化物材料は、p型のまたはn型のIII族-窒化物材料のいずれが必要であるかに応じて、シリコン(Si)、酸素(O)、ホウ素(B)、リン(P)、ゲルマニウム(Ge)、マンガン(Mn)、またはマグネシウム(Mg)の1つ以上でドープされてもよい。ある実施態様では、半導体層102は、n型層104n、活性層106、およびp型層104pを有する。
【0026】
一つ以上の実施例では、半導体層102は、約1μmから約10μmの範囲の組み合わされた厚さを有し、これには、約1μmから約9μm、1μmから約8μm、1μmから約7μm、1μmから約6μm、1μmから約5μm、1μmから約4μm、1μmから約3μmが含まれ、2μmから約10μm、これには、約2μmから約9μm、約2μmから約8μm、2μmから約7μm、2μmから約6μm、2μmから約5μm、2μmから約4μm、2μmから約3μm、3μmから約10μm、3μmから約9μm、3μmから約8μm、3μmから約7μm、3μmから約6μm、3μmから約5μm、3μmから約4μm、4μmから約10μm、4μmから約9μm、4μmから約8μm、4μmから約7μm、4μmから約6μm、4μmから約5μm、5μmから約10μm、5μmから約9μm、5μmから約8μm、5μmから約7μm、5μmから約6μm、6μmから約10μm、6μmから約9μm、6μmから約8μm、6μmから約7μm、7μmから約10μm、7μmから約9μm、または7μmから約8μmが含まれる。
【0027】
1つ以上の実施態様では、活性領域106は、n型層104nとp型層104pとの間に形成される。活性領域106は、当業者には良く知られた任意の適切な材料を含んでもよい。1つ以上の実施態様では、活性領域106は、III族-窒化物材料多重量子井戸(MQW)およびIII族-窒化物電子ブロッキング層で構成される。
【0028】
図1Bは、1つ以上の実施形態によるLED装置100の製造におけるステップの断面図である。
図1Bを参照すると、半導体層102がエッチングされ、メサ108が形成される。
図1Bに示す実施形態では、メサ108は、上部表面108tと、少なくとも1つの側壁108sとを有し、少なくとも1つの側壁108sは、底部表面114bを有するトレンチ114を定める。1つ以上の実施態様では、トレンチ114は、約0.5μmから約2μmの範囲のメサ108を形成する半導体層102の上部表面108tからの深さを有する。
【0029】
図1Cは、1つ以上の実施形態によるLED装置100の製造におけるステップの断面図である。
図1Cを参照すると、メサ108の上部表面108tおよび側壁108sに、パッシベーション層116が成膜される。いくつかの実施態様では、パッシベーション層116は、実質的に共形な層である。本願で使用される「コンフォーマル(共形)」という用語は、層がメサの輪郭に適合することを意味する。層の共形性は、通常、特徴部、すなわち、メサの側壁に成膜された層の平均厚さの、メサのフィールド、または上部表面上の同じ成膜層の平均厚さに対する比により定量化される。実質的に共形である層は、約5%、2%、1%または0.5%以下の厚さで変化する。
【0030】
1つ以上の実施形態では、パッシベーション層116は、トレンチ114の底部表面114b上に形成されない。いくつかの実施態様では、パッシベーション層116は、少なくとも2nmの厚さを有する。1つ以上の実施態様では、パッシベーション層116は、スパッタ成膜、原子層成膜(ALD)、化学気相成膜(CVD)、物理気相成膜(PVD)、プラズマ強化原子層成膜(PEALD)、およびプラズマ強化化学気相成膜(PECVD)のうちの1つ以上によって成膜される。
【0031】
一つ以上の実施形態では、パッシベーション層116は、低損失で低屈折率の誘電体材料を含む。本願で使用される「誘電体」という用語は、印加電場によって分極され得る電気絶縁体材料を表す。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の誘電体材料は、当業者に知られた任意の好適な材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、低損失で低屈折率の誘電体材料は、約1から約2.2の範囲の屈折率、k値を有する材料を含む。
【0032】
いくつかの実施態様では、低損失で低屈折率の材料は、酸化ケイ素(SiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiOx)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiOx)、多孔質酸化アルミニウム(AlOx)、多孔質酸化ハフニウム(HfOx)、多孔質酸化ニオブ(NbOx)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)、および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)からなる群から選択される材料を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiOx)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiOx)、多孔質酸化アルミニウム(AlOx)、多孔質酸化ハフニウム(HfOx)、多孔質酸化ニオブ(NbOx)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)、および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)からなる群から選択される材料を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、酸化ケイ素(SiO2)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、フッ化マグネシウム(MgF2)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、フッ化リチウム(LiF)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸化ケイ素(SiOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質窒化ケイ素(SiN)を含む。一つ以上の実施例では、低損失の低屈折率材料は、多孔質酸化チタン(TiOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸化アルミニウム(AlOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸化ハフニウム(HfOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸化ニオブ(NbOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)を含む。
【0033】
1つ以上の実施態様では、パッシベーション層116は、分布ブラッグ反射器(DBR)を含む。ブラッグ反射器は、通常、屈折率が異なる交互薄膜材料のマルチレイヤで構成され、高反射率は、重要な属性の一つである。ブラッグ反射器またはミラーは、各種屈折率を有する交互の薄膜材料、例えば高屈折率膜と低屈折率膜のマルチレイヤ(多層)スタックから形成される構造である。多層成膜中の層間混合の結果、異なる材料の隣接する層の間に、追加の界面層が形成される。ブラッグ反射器は、高い反射率を有する必要がある。多層スタック中の界面層の構造および特性は、ブラッグ反射器の反射率に重要な役割を果たす。いくつかの実施態様では、分布ブラッグ反射器は、少なくとも0.2ミクロンの厚さを有する。
【0034】
1つ以上の実施態様では、DBRは、低損失ミラーとして利用することができるが、効率的な反射特性のためには、約2ミクロンから約3ミクロンの厚さが必要となる。1つ以上の実施態様では、マイクロLED用途において、ダイのサイズが一側面で10ミクロン未満である場合、DBRコーティングの使用が可能となるような、十分なプロセスウィンドウが存在しないことがある。矛盾する設計ルールには、電気コンタクトのpとnの間の許容される間隔、全体的なLEDのメサおよび画素サイズ、ならびに電気的バックプレーン上に集積された際のマイクロLEDのスタック高さまたは平面性の制限が含まれる。従って、10ミクロン未満の画素サイズの側面を有するアーキテクチャでは、低屈折率で低損失のパッシベーション層は、十分な電気的不動態化およびミラー機能を提供し、スケーラブルで製造可能なプロセスに良好に統合される。
【0035】
いくつかの実施態様では、パッシベーション層116の成膜の前に、メサ108上に任意の電気的パッシベーション層が成膜されてもよい。1つ以上の実施態様では、電気的パッシベーション層は、実質的に共形の層としてパッシベーション層116上に成膜される。従って、いくつかの実施形態では、パッシベーション層116とメサ108の上部表面108tとの間に、電気的パッシベーション層が存在してもよい。いくつかの実施態様では、任意の電気的パッシベーション層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(NbO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO2)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO2)のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0036】
図1Dは、1つ以上の実施形態によるLED装置100の製造におけるステップの断面図である。
図1Dを参照すると、上部にパッシベーション層116を有するメサ108がパターン化され、メサの上部表面108tに開口109が形成され、半導体層102の上部表面および/または上部表面のp型層104pが露出される。1つ以上の実施態様では、メサ108は、半導体処理に使用されるマスキングおよびエッチングプロセスのような、当業者に知られた任意の好適な技術に従より、パターン化され得る。
【0037】
図1Eは、1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面図である。
図1Eを参照すると、開口部109内のメサ108の上部に、pコンタクト材料112が成膜される。pコンタクト材料112は、当業者に知られた任意の好適な材料を含むことができる。1つ以上の実施態様では、pコンタクト材料112は、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、およびパラジウム(Pd)のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施態様では、接着促進剤として、p-コンタクトに追加の金属が少量添加されてもよい。このような接着促進剤には、これに限られるものではないが、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、およびクロム(Cr)の1つ以上が含まれる。他の実施形態では、これに限られるものではないが、酸化インジウムスズ(ITO)および酸化亜鉛(ZnO)のような透明導電性酸化物(TCO)がp-コンタクト材料として使用されてもよい。
【0038】
1つ以上の実施態様では、トレンチ114の底部表面114bに、nコンタクト材料110が成膜される。nコンタクト材料110は、当業者に知られた任意の好適な材料を含むことができる。1つ以上の実施態様では、nコンタクト材料110は、銅(Cu)を含み、nコンタクト材料110は、銅の電気化学的成膜(ECD)により成膜される。
【0039】
図2Aは、1つ以上の実施形態によるLED装置の製造におけるステップの断面図である。
図2Aを参照すると、半導体層202は、基板(図示せず)上に成長される。一つ以上の実施例では、半導体層202は、エピタキシャル層、III族-窒化物層、またはエピタキシャルIII族-窒化物層を含む。
【0040】
一つ以上の実施例では、半導体層202は、III族-窒化物材料を含み、特定の実施例では、エピタキシャルIII族-窒化物材料を含む。いくつかの実施態様では、III族-窒化物材料は、ガリウム(Ga)、アルミニウム(Al)およびインジウム(In)の1つ以上を含む。従って、いくつかの実施態様では、半導体層202は、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化インジウム(InN)、アルミニウムガリウム窒化物(AlGaN)、インジウムアルミニウム窒化物(InGaN)、アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)等の1つ以上を含む。一つ以上の特定の実施形態では、半導体層202は、p型層204p、活性領域206、およびn型層204nを有する。
【0041】
一つ以上の実施例では、半導体層202は、未ドープのIII族-窒化物材料およびドープされたIII族-窒化物材料のスタックを有する。III族-窒化物材料は、p型またはn型のIII族-窒化物材料のいずれが必要であるかに応じて、シリコン(Si)、酸素(O)、ホウ素(B)、リン(P)、ゲルマニウム(Ge)、マンガン(Mn)、またはマグネシウム(Mg)の1つ以上でドープされてもよい。ある実施形態では、半導体層202は、n型層204n、活性層206およびp型層204pを有する。
【0042】
一つ以上の実施形態では、半導体層202は、約1μmから約10μmの範囲の組み合わされた厚さを有し、これには、約1μmから約9μm、1μmから約8μm、1μmから約7μm、1μmから約6μm、1μmから約5μm、1μmから約4μm、1μmから約3μmの範囲が含まれ、2μmから約10μm、これには約2μmから約9μm、2μmから約8μm、2μmから約7μm、2μmから約6μm、2μmから約5μm、2μmから約4μm、2μmから約3μm、3μmから約10μm、3μmから約9μm、3μmから約8μm、3μmから約7μm、3μmから約6μm、3μmから約5μm、3μmから約4μm、4μmから約10μm、4μmから約9μm、4μmから約8μm、4μmから約7μm、4μmから約6μm、4μmから約5μm、5μmから約10μm、5μmから約9μm、5μmから約8μm、5μmから約7μm、5μmから約6μm、6μmから約10μm、6μmから約9μm、6μmから約8μm、6μmから約7μm、7μmから約10μm、7μmから約9μm、または7μmから約8μmの範囲が含まれる。いくつかの実施態様では、半導体層202は、約1ミクロン(μm)を超える厚さを有するエピタキシャル層である。
【0043】
1つ以上の実施形態では、活性領域206は、n型層204nとp型層204pの間に形成される。活性領域206は、当業者に知られた任意の好適な材料を有してもよい。1つ以上の実施形態では、活性領域206は、III族-窒化物材料の多重量子井戸(MQW)およびIII族-窒化物の電子ブロッキング層で構成される。
【0044】
図2Bは、1つ以上の実施形態によるLED装置200の製造におけるステップの断面図である。
図2Bを参照すると、半導体層202がエッチングされ、メサ2108が形成される。
図2Bに示す実施形態では、メサ208は、上部表面208tと、少なくとも1つの側壁208sとを有し、少なくとも1つの側壁208sは、底部表面214bを有するトレンチ214を定める。1つ以上の実施形態では、トレンチ214は、約0.5μmから約2μmの範囲のメサ208を形成する半導体層202の上部表面208tからの深さを有する。
【0045】
図2Cは、1つ以上の実施形態によるLED装置200の製造におけるステップの断面図である。
図2Cを参照すると、メサ208の上部表面208tおよび側壁208sに、第1のパッシベーション層216が成膜される。1つ以上の実施形態では、第1のパッシベーション層は、メサ208の上部表面208tおよび側壁208sに共形的に成膜されてもよい。第1のパッシベーション層216は、トレンチ214の底部表面214bには形成されない。1つ以上の実施形態では、第1のパッシベーション層216は、0.1nm以上の厚さを有する。1つ以上の実施形態では、第1のパッシベーション層216は、スパッタ成膜、原子層成膜(ALD)、化学気相成膜(CVD)、物理気相成膜(PVD)、プラズマ強化原子層成膜(PEALD)、およびプラズマ強化化学気相成膜(PECVD)のうちの1つ以上により成膜される。
【0046】
1つ以上の実施形態では、第1のパッシベーション層216は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(NbO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO2)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO2)のうちの1つ以上を含む。
【0047】
図2Dは、1つ以上の実施形態によるLED装置200の製造におけるステップの断面図である。
図2Dを参照すると、第2のパッシベーション層218は、第1のパッシベーション層216の上部表面に成膜される。1つ以上の実施形態では、第2のパッシベーション層218は、第1のパッシベーション層216上に共形に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2のパッシベーション層218は、2nmまたはそれ以上の厚さを有する。1つ以上の実施形態では、第2のパッシベーション層218は、分布ブラッグ反射器(DBR)、および低損失で低屈折率の誘電体材料のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0048】
1つ以上の実施形態では、分布ブラッグ反射器(DBR)は、屈折率が異なる交互の薄膜材料のマルチレイヤを有し、高反射率は、重要な属性の1つである。ブラッグ反射器またはミラーは、各種屈折率を有する交互の薄膜材料、例えば高屈折率膜および低屈折率膜のマルチレイヤスタックから形成される構造である。多層成膜中の層間混合の結果、異なる材料の隣接する層の間に追加の界面層が形成される。ブラッグ反射器は、高い反射率を有する必要がある。マルチレイヤスタック内の界面層の構造と特性は、ブラッグ反射器の反射率に重要な役割を果たす。いくつかの実施形態では、分布ブラッグ反射器は、少なくとも0.2ミクロンの厚さを有する。
【0049】
一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の誘電体材料は、当業者に知られた任意の好適な材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、低損失で低屈折率の誘電体材料は、約1から約2.2の範囲の屈折率、k値を有する材料を有する。
【0050】
いくつかの実施形態では、低損失で低屈折率の材料は、酸化ケイ素(SiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiOx)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiOx)、多孔質酸化アルミニウム(AlOx)、多孔質酸化ハフニウム(HfOx)、多孔質酸化ニオブ(NbOx)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)からなる群から選択される材料を含む。一つ以上の実施例では、低損失の低屈折率材料は、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiOx)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiOx)、多孔質酸化アルミニウム(AlOx)、多孔質酸化ハフニウム(HfOx)、多孔質酸化ニオブ(NbOx)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)、および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)からなる群から選択される材料を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折の率材料は、酸化ケイ素(SiO2)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、フッ化マグネシウム(MgF2)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、フッ化リチウム(LiF)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸化ケイ素(SiOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質窒化ケイ素(SiN)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸化チタン(TiOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸化アルミニウム(AlOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸化ハフニウム(HfOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質酸化ニオブ(NbOx)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、は多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)を含む。一つ以上の実施例では、低損失で低屈折率の材料は、多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)を含む。
【0051】
図2Eは、1つ以上の実施形態による代替LED装置200の製造におけるステップの断面図である。
図2Eを参照すると、第1のパッシベーション層216、およびその上の第2のパッシベーション層218を有するメサ208がパターン化され、メサの上部表面208tに開口209が形成され、半導体層202の上部表面および/または上部表面のp型層204pが暴露される。1つ以上の実施形態では、メサ208は、半導体処理で使用されるマスキングおよびエッチングプロセスのような、当業者に知られた任意の好適な技術に従ってパターン化され得る。
【0052】
図2Fは、1つ以上の実施形態による別のLED装置の製造におけるステップの断面図である。
図2Eを参照すると、メサ208の上部に、pコンタクト材料212が成膜される。pコンタクト材料212は、当業者に知られた任意の好適な材料を含むことができる。1つ以上の実施形態では、pコンタクト材料212は、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、およびパラジウム(Pd)のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、接着促進剤として、p-コンタクトに追加の金属が少量添加されてもよい。そのような接着促進剤には、これに限られるものではないが、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、およびクロム(Cr)の1つ以上が含まれる。他の実施形態ではこれに限られるものではないが、インジウムスズ酸化物(ITO)および酸化亜鉛(ZnO)のような透明導電性酸化物(TCO)が、p-コンタクト材料として使用されてもよい。
【0053】
1つ以上の実施形態では、トレンチ214の底部表面214bに、n-コンタクト材料210が成膜される。n-コンタクト材料210は、当業者に知られた任意の好適な材料を含むことができる。1つ以上の実施形態では、n-コンタクト材料210は、銅を含み、n-コンタクト材料210は、銅の電気化学的電析(ECD)により成膜される。
【0054】
図3を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態では、LED装置を製造する方法が提供あれ、本方法300は、動作302において、n-型層、活性層、およびp-型層を含む複数の半導体層を基板上に成膜するステップを有する。動作304では、半導体層の一部がエッチングされ、画素を定めるトレンチおよびメサが形成される。動作306では、メサ上にパッシベーション層が形成される。動作308では、開口をエッチングし、コンタクト金属を成膜することにより、コンタクトが形成される。
【0055】
本開示の別の態様は、電子システムに関する。1つ以上の実施形態では、当該電子システムは、本願に記載のLED装置およびアレイと、1つ以上のp-コンタクト層に、独立した電圧を提供するように構成されたドライバ回路と、を有する。1つ以上の実施形態では、電子システムは、LEDベースの照明器具、発光ストリップ、発光シート、光学ディスプレイ、およびマイクロLEDディスプレイからなる群から選択される。
【0056】
(実施形態)
以下、各種実施形態が記載される。以降に示された実施形態は、本発明の範囲に従って、全ての態様および他の実施形態と組み合わされてもよいことが理解される。
【0057】
実施形態(a).
発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N-型層、活性層、およびP-型層を含み、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを定める、メサと、
前記少なくとも1つの側壁の上および前記メサの前記上部表面の上のパッシベーション層であって、1つ以上の低屈折率材料および分布ブラッグ反射器(DBR)を含む、パッシベーション層と、
前記メサの前記上部表面上のp-型コンタクトと、
前記トレンチの前記底部表面上のn-型コンタクトと、
を有する、LED装置。
【0058】
実施形態(b).
前記パッシベーション層は、低屈折率材料を含む、実施形態(a)に記載のLED装置。
【0059】
実施形態(c).
前記パッシベーション層は、少なくとも2nmの厚さを有する、実施形態(a)乃至(b)に記載のLED装置。
【0060】
実施形態(d).
前記低屈折率材料は、約1から約2.2の範囲の屈折率を有する、実施形態(a)乃至(c)に記載のLED装置。
【0061】
実施形態(e).
前記低屈折率材料は、酸化ケイ素(SiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiOx)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiOx)、多孔質酸化アルミニウム(AlOx)、多孔質酸化ハフニウム(HfOx)、多孔質酸化ニオブ(NbOx)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)、および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)からなる群から選択される材料を含む、実施形態(a)乃至(d)に記載のLED装置。
【0062】
実施形態(f).
前記パッシベーション層は、分布ブラッグ反射器(DBR)を有する、実施形態(a)乃至(e)に記載のLED装置。
【0063】
実施形態(g).
前記分布ブラッグ反射器(DBR)は、少なくとも0.2ミクロンの厚さを有する、実施形態(a)乃至(f)に記載のLED装置。
【0064】
実施形態(h).
さらに、前記パッシベーション層と前記メサとの間に電気的パッシベーション層を有する、実施形態(a)乃至(g)に記載のLED装置。
【0065】
実施形態(i).
前記電気的パッシベーション層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(NbO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO2)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO2)のうちの1つ以上を含む、実施形態(a)乃至(h)に記載のLED装置。
【0066】
実施形態(j).
前記半導体層は、少なくとも1ミクロンの厚さを有するエピタキシャル半導体層である、実施形態(a)乃至(i)に記載のLED装置。
【0067】
実施形態(k).
発光ダイオード(LED)装置を製造する方法であって、
N-型層、活性層、およびP-型層を含む複数の半導体層を基板上に成膜するステップと、
前記半導体層の一部をエッチングし、画素を定める少なくとも1つのトレンチおよび少なくとも1つのメサを形成するステップであって、前記少なくとも1つのメサは、前記半導体層、上部表面、および少なくとも1つの側壁を有する、ステップと、
前記少なくとも1つの側壁および前記少なくとも1つのメサの上部表面に、パッシベーション層を成膜させるステップであって、前記パッシベーション層は、1つ以上の低屈折率材料および分布ブラッグ反射器(DBR)を有する、ステップと、
前記少なくとも1つのメサの前記上部表面に、p-型コンタクトを形成するステップと、
前記少なくとも1つのトレンチにn-型コンタクトを形成するステップと、
を有する、方法。
【0068】
実施形態(l).
前記パッシベーション層は、低屈折率材料を含む、実施形態(k)に記載の方法。
【0069】
実施形態(m).
前記パッシベーション層は、少なくとも2nmの厚さを有する、実施形態(k)乃至(l)に記載の方法。
【0070】
実施形態(n).
前記低屈折率材料は、約1から約2.2の範囲の屈折率を有する、実施形態(k)乃至(m)に記載の方法。
【0071】
実施形態(o).
前記低屈折率材料は、酸化ケイ素(SiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiOx)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiOx)、多孔質酸化アルミニウム(AlOx)、多孔質酸化ハフニウム(HfOx)、多孔質酸化ニオブ(NbOx)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)、および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)の1つ以上を含む、実施形態(k)乃至(n)に記載の方法。
【0072】
実施形態(p).
前記パッシベーション層は、分布ブラッグ反射器(DBR)を含む、実施形態(k)乃至(o)に記載の方法。
【0073】
実施形態(q).
さらに、前記パッシベーション層と前記少なくとも1つのメサとの間に電気的パッシベーション層を成膜するステップを有する、実施形態(k)乃至(p)に記載の方法。
【0074】
実施形態(r).
前記電気パッシベーション層は、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(NbO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO2)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO2)の1つ以上を含む、実施形態(k)乃至(q)に記載の方法。
【0075】
実施形態(s).
発光ダイオード(LED)装置であって、
半導体層を含むメサであって、前記半導体層は、N-型層、活性層、およびP-型層を含み、前記メサは、その幅以下の高さを有し、前記メサは、上部表面および少なくとも1つの側壁を有し、前記少なくとも1つの側壁は、底部表面を有するトレンチを定める、メサと、
前記少なくとも1つの側壁上および前記メサの前記上部表面上の第1のパッシベーション層であって、窒化ケイ素(SiN)、酸化チタン(TiO2)、酸化ニオブ(NbO2)、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、窒化アルミニウム(AlN)、二酸化ケイ素(SiO2)、およびハフニウムドープ二酸化ケイ素(HfSiO2)の1つ以上を含む、第1のパッシベーション層と、
前記第1のパッシベーション層上の第2のパッシベーション層であって、分布ブラッグ反射器(DBR)、および約1から約2.2の範囲の屈折率を有する低屈折率材料の1つ以上を含む、第2のパッシベーション層と、
前記メサの前記上部表面上のp-型コンタクトと、
前記トレンチの前記底部表面上のn-型コンタクトと、
を有する、LED装置。
【0076】
実施形態(t).
前記低屈折率材料は、酸化ケイ素(SiO2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)、多孔質酸化ケイ素(SiOx)、多孔質酸窒化ケイ素(SiON)、多孔質窒化ケイ素(SiN)、多孔質酸化チタン(TiOx)、多孔質酸化アルミニウム(AlOx)、多孔質酸化ハフニウム(HfOx)、多孔質酸化ニオブ(NbOx)、多孔質アルミニウムインジウムガリウム窒化物(AlInGaN)、および多孔質アルミニウムインジウムガリウムリン化物(AlInGaP)の1つ以上を含む、実施形態(s)に記載のLED装置。
【0077】
本願において議論される材料および方法を説明する文脈(特に、以下の特許請求の範囲の内容)における用語「a」、「an」、「the」、および同様の言及の使用は、本願において別段の示唆がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方をカバーすると解釈される必要がある。本願における数値範囲の記載は、特に指摘がない限り、その範囲内に該当する各別個の値を個々に参照する略記法としての役割を果たすことのみを意図しており、各別個の値は、それらが本願に個々に列挙されているように、明細書に組み込まれる。本願で記載した全ての方法は、本願に別段の記載がない限り、または明らかに文脈に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実行されてもよい。本願で提供される任意のおよび全ての例、または例示的用語(例えば、「等」)の使用は、単に材料および方法をより良く説明することを意図するものであり、別段の主張がない限り、範囲を限定するものではない。明細書のいかなる文言も、開示された材料および方法の実施に不可欠なものとしての、任意の非クレーム化要素を示すものと解してはならない。
【0078】
本願を通じ、第1、第2、第3などの用語の言及は、各種要素を説明するために使用され、これらの要素は、これらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は、1つの要素を別の要素から区別するために使用され得る。
【0079】
本願を通じ、層、領域、または基板が、別の素子の「上」にある、または「上に」延在するという言及は、これらが直接、他の要素の上にあること、または他の要素の上に直接延在すること、または介在要素が存在し得ることを意味する。ある要素が「直上」にある、または別の要素の「直上に」延在していると言及される場合、介在する要素は、存在しなくてもよい。また、ある要素が別の要素に「接続される」または「結合される」と称される場合、これは、他の要素に直接結合されおよび/または接続されてもよく、または1つ以上の介在要素を介して、他の要素に接続または結合されてもよい。ある要素が他の要素に「直接接続される」または「直接結合される」と称される場合、該要素と他の要素との間に介在要素は存在しない。これらの用語は、図面に記載された任意の配向に加えて、要素の異なる配向を包含することが意図されることが理解される。
【0080】
本願で使用される「下」、「上」、「上側」、「下側」、「水平」または「垂直」のような相対的な用語は、図示されるような、ある素子、層、または領域と、別の素子、層、または領域との関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図面に記載された方向に加えて、装置の異なる方向を包含することが意図されることが理解される。
【0081】
本願を通じ、「一実施形態」、「ある実施形態」、「1つ以上の実施形態」または「実施形態」という言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、材料、または特性が、開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通じて、様々な箇所における「1つ以上の実施形態では」、「ある実施形態では」、「1つの実施形態では」、または「実施形態では」というようなフレーズの出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態を参照するものではない。1つ以上の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の好適な方法で組み合わされる。
【0082】
特定の実施形態を参照して、本願における開示が説明されたが、これらの実施形態は、単に本開示の原理および用途を例示するに過ぎないことが理解される。本開示の思想および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に各種修正および変更を加えることができることは、当業者には明らかである。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内にある修正および変更を含むことが意図される。