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7592987制御プログラム、演算装置、制御システム、および制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】制御プログラム、演算装置、制御システム、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20241126BHJP
【FI】
G16H80/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020105387
(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公開番号】P2021197072
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】門馬 千明
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197509(JP,A)
【文献】特開2021-108021(JP,A)
【文献】国際公開第2019/216044(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/142430(WO,A1)
【文献】佐古嵐ほか,コグニティブコンピューティングによる顔感情解析を用いたケア効果の定量的評価,電子情報通信学会技術研究報告,一般社団法人電子情報通信学会,2018年,Vol.117,No.464,pp.105-110
【文献】寺下裕美ほか,作業者の感情評価へのFuzzy評定法の導入,日本ファジィ学会誌,日本ファジィ学会,1998年,第10巻,第2号,pp.366-374
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する手順(a)と、
前記手順(a)において取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する手順(b)と、
前記対応関係を出力する手順(c)と、を有し、
前記情報は、前記ケア対象者の感情および前記ケア実行者の感情を包含し、
前記対応関係に基づいて、前記ケア対象者の感情の良好さの程度と、前記ケア実行者の感情の良好さの程度の和が最も高いときの前記ケアの内容を推奨ケア内容として算出する手順(d)と、
前記推奨ケア内容を出力する手順(e)と、
をさらに有する処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【請求項2】
ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する手順(a)と、
前記手順(a)において取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する手順(b)と、
前記対応関係を出力する手順(c)と、を有し、
前記情報は、前記ケア実行者の感情および前記ケア対象者の感情を包含し、
前記情報に基づいて、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との相関関係を特定して、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を算出する手順(f)と、
前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を出力する手順(g)と、
をさらに有する処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【請求項3】
前記手順(a)においては、センサーにより取得された検知データ、前記ケア実行者へのアンケート、およびケア記録の少なくともいずれかを前記情報として取得する、請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項4】
前記情報は、前記ケア対象者の感情または前記ケア実行者の感情を包含し、
前記処理は、前記手順(a)において取得された、前記ケア対象者の感情の良好さの程度、または前記ケア実行者の感情の良好さの程度が所定の閾値以下となったときに、警告を発生する手順(h)をさらに有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の制御プログラム。
【請求項5】
前記センサーは撮影装置であり、前記検知データは前記撮影装置により撮影された画像である、請求項3に記載の制御プログラム。
【請求項6】
ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する対応関係算出部と、
前記対応関係を出力する出力部と、を有し、
前記情報は、前記ケア対象者の感情および前記ケア実行者の感情を包含し、
前記対応関係に基づいて、前記ケア対象者の感情の良好さの程度と、前記ケア実行者の感情の良好さの程度の和が最も高いときの前記ケアの内容を推奨ケア内容として算出する推奨ケア内容算出部をさらに有し、
前記出力部は、前記推奨ケア内容をさらに出力する演算装置。
【請求項7】
ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する対応関係算出部と、
前記対応関係を出力する出力部と、を有し、
前記情報は、前記ケア実行者の感情および前記ケア対象者の感情を包含し、
前記情報に基づいて、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との相関関係を特定して、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を算出する相関関係特定算出部をさらに有し、
前記出力部は、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係をさらに出力する演算装置。
【請求項8】
前記取得部は、センサーにより取得された検知データ、前記ケア実行者へのアンケート、およびケア記録の少なくともいずれかを前記情報として取得する、請求項6に記載の演算装置。
【請求項9】
前記情報は、前記ケア対象者の感情または前記ケア実行者の感情を包含し、
前記取得部により取得された、前記ケア対象者の感情の良好さの程度、または前記ケア実行者の感情の良好さの程度が所定の閾値以下となったときに、警告を発生する警告部をさらに有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の演算装置。
【請求項10】
前記センサーは撮影装置であり、前記検知データは前記撮影装置により撮影された画像である、請求項8に記載の演算装置。
【請求項11】
検知データを前記情報として取得するセンサーと、
請求項6~10のいずれか一項に記載の演算装置と、
を有する制御システム。
【請求項12】
演算装置により実行される方法であって、
ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する段階(a)と、
前記段階(a)において取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する段階(b)と、
前記対応関係を出力する段階(c)と、を有し、
前記情報は、前記ケア対象者の感情および前記ケア実行者の感情を包含し、
前記対応関係に基づいて、前記ケア対象者の感情の良好さの程度と、前記ケア実行者の感情の良好さの程度の和が最も高いときの前記ケアの内容を推奨ケア内容として算出する段階(d)と、
前記推奨ケア内容を出力する段階(e)と、
をさらに有する制御方法。
【請求項13】
演算装置により実行される方法であって、
ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する段階(a)と、
前記段階(a)において取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する段階(b)と、
前記対応関係を出力する段階(c)と、を有し、
前記情報は、前記ケア実行者の感情および前記ケア対象者の感情を包含し、
前記情報に基づいて、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との相関関係を特定して、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を算出する段階(f)と、
前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を出力する段階(g)と、
をさらに有する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御プログラム、演算装置、制御システム、および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国は、戦後の高度経済成長に伴う生活水準の向上、衛生環境の改善、および医療水準の向上等により、長寿命化が顕著となっている。このため、出生率の低下と相まって、高齢化率が高い高齢化社会になっている。このような高齢化社会では、病気、怪我、および加齢などにより、介護や看護等のケアを必要とする要介護者および要看護者等の増加が想定される。
このような状況においては、被介護者等のケア対象者のモチベーションが維持されるようにケア対象者のリハビリ等のケアが行われることが重要である。特許文献1には、次の技術が開示されている。加速度センサーと加速度センサーによる検出結果を送信する送信部を備えるリハビリ用けん玉から送信される検出結果に基づいて、当該けん玉の利用者の体の動きを解析する。これにより、利用者の身体機能の改善を定量化できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-92943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、リハビリ等を継続していると、リハビリ等に対するケア対象者のモチベーションが下がってしまうことがある。また、ケア対象者のモチベーションが下がることで、リハビリ等の支援におけるケア実行者のモチベーションが下がってしまうことがある。これにより、リハビリ等の継続が困難になる可能性がある。上記先行技術は、このような問題に対応できない。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものである。すなわち、ケア対象者またはケア実行者のモチベーションに関する情報を提示できる、制御プログラム、演算装置、制御システム、および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0007】
(1)ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する手順(a)と、
前記手順(a)において取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する手順(b)と、
前記対応関係を出力する手順(c)と、を有し、
前記情報は、前記ケア対象者の感情および前記ケア実行者の感情を包含し、
前記対応関係に基づいて、前記ケア対象者の感情の良好さの程度と、前記ケア実行者の感情の良好さの程度の和が最も高いときの前記ケアの内容を推奨ケア内容として算出する手順(d)と、
前記推奨ケア内容を出力する手順(e)と、
をさらに有する処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
(2)ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する手順(a)と、
前記手順(a)において取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する手順(b)と、
前記対応関係を出力する手順(c)と、を有し、
前記情報は、前記ケア実行者の感情および前記ケア対象者の感情を包含し、
前記情報に基づいて、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との相関関係を特定して、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を算出する手順(f)と、
前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を出力する手順(g)と、
をさらに有する処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
(3)前記手順(a)においては、センサーにより取得された検知データ、前記ケア実行者へのアンケート、およびケア記録の少なくともいずれかを前記情報として取得する、請求項1に記載の制御プログラム。
(4)前記情報は、前記ケア対象者の感情または前記ケア実行者の感情を包含し、
前記処理は、前記手順(a)において取得された、前記ケア対象者の感情の良好さの程度、または前記ケア実行者の感情の良好さの程度が所定の閾値以下となったときに、警告を発生する手順(h)をさらに有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の制御プログラム。
(5)前記センサーは撮影装置であり、前記検知データは前記撮影装置により撮影された画像である、請求項3に記載の制御プログラム。
(6)ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する対応関係算出部と、
前記対応関係を出力する出力部と、を有し、
前記情報は、前記ケア対象者の感情および前記ケア実行者の感情を包含し、
前記対応関係に基づいて、前記ケア対象者の感情の良好さの程度と、前記ケア実行者の感情の良好さの程度の和が最も高いときの前記ケアの内容を推奨ケア内容として算出する推奨ケア内容算出部をさらに有し、
前記出力部は、前記推奨ケア内容をさらに出力する演算装置。
(7)ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する対応関係算出部と、
前記対応関係を出力する出力部と、を有し、
前記情報は、前記ケア実行者の感情および前記ケア対象者の感情を包含し、
前記情報に基づいて、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との相関関係を特定して、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を算出する相関関係特定算出部をさらに有し、
前記出力部は、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係をさらに出力する演算装置。
(8)前記取得部は、センサーにより取得された検知データ、前記ケア実行者へのアンケート、およびケア記録の少なくともいずれかを前記情報として取得する、請求項6に記載の演算装置。
(9)前記情報は、前記ケア対象者の感情または前記ケア実行者の感情を包含し、
前記取得部により取得された、前記ケア対象者の感情の良好さの程度、または前記ケア実行者の感情の良好さの程度が所定の閾値以下となったときに、警告を発生する警告部をさらに有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の演算装置。
(10)前記センサーは撮影装置であり、前記検知データは前記撮影装置により撮影された画像である、請求項8に記載の演算装置。
(11)検知データを前記情報として取得するセンサーと、
請求項6~10のいずれか一項に記載の演算装置と、
を有する制御システム。
(12)演算装置により実行される方法であって、
ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する段階(a)と、
前記段階(a)において取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する段階(b)と、
前記対応関係を出力する段階(c)と、を有し、
前記情報は、前記ケア対象者の感情および前記ケア実行者の感情を包含し、
前記対応関係に基づいて、前記ケア対象者の感情の良好さの程度と、前記ケア実行者の感情の良好さの程度の和が最も高いときの前記ケアの内容を推奨ケア内容として算出する段階(d)と、
前記推奨ケア内容を出力する段階(e)と、
をさらに有する制御方法。
(13)演算装置により実行される方法であって、
ケア対象者へのケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア対象者への前記ケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を取得する段階(a)と、
前記段階(a)において取得された前記情報に基づいて、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を、前記情報に包含された、前記ケアの内容、前記ケア対象者の感情、および前記ケア実行者の感情の少なくとも二つを相互に対応付けることにより算出する段階(b)と、
前記対応関係を出力する段階(c)と、を有し、
前記情報は、前記ケア実行者の感情および前記ケア対象者の感情を包含し、
前記情報に基づいて、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との相関関係を特定して、前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を算出する段階(f)と、
前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化とが相関する前記ケア実行者の感情の変化の範囲、および前記ケア実行者の感情の変化と前記ケア対象者の感情の変化との関係を出力する段階(g)と、
をさらに有する制御方法。
【発明の効果】
【0018】
ケア対象者へのケアの内容、ならびにケア対象者およびケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報に基づいて、ケアの内容、ケア対象者の感情、およびケア実行者の感情の少なくとも二つの相互の対応関係を算出して出力する。これにより、ケア対象者またはケア実行者のモチベーションに関する情報を提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ケアサポートシステムの全体構成を示す図である。
図2】ケア対象者の部屋のベッド周辺に設置された検知部10の例を示す図である。
図3】検知部の概略構成を示すブロック図である。
図4】管理サーバーの概略構成を示すブロック図である。
図5】携帯端末の概略構成を示すブロック図である。
図6】ケア実行アンケート画面を示す図である。
図7】ケア実行アンケート画面を示す図である。
図8】管理サーバーの制御部の機能を示すブロック図である。
図9】ケア対象者の感情とケア実行者の感情との対応関係のグラフの例を示す図である。
図10】ケア対象者の感情とケア実行者の感情との対応関係のグラフの他の例を示す図である。
図11】ケアの内容とケア対象者の感情との対応関係、およびケアの内容とケア実行者との対応関係のグラフの例を示す図である。
図12】ケアの内容とケア対象者の感情との対応関係、およびケアの内容とケア実行者との対応関係のグラフの他の例を示す図である。
図13】ケアサポートシステムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る、制御プログラム、演算装置、制御システム、および制御方法について説明する。なお、図面において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0021】
なお、本明細書において、ケアを受ける対象者であるケア対象者80には、異常状態等の所定の不都合な事象がその者に生じた場合に、その発見を必要としている者が広く含まれ、例えば、要介護者、患者、および要支援者を含む。ケアの種類には、ケア対象者80に対してケア実行者(スタッフ)が行うケアを広く含み、例えば、リハビリ、排泄ケア、入浴ケア、食事ケア、移動ケア、見守りケア、見回りケア、および寝返りケアのほか、食事の準備や掃除などの生活介助が含まれる。
図1はケアサポートシステム1の全体構成を示す図である。図2はケア対象者80の部屋のベッド90周辺に設置された検知部10の例を示す図である。
【0022】
図1に示すように、ケアサポートシステム1は、複数の検知部10、管理サーバー20、固定端末30、および1つ以上の携帯端末40を有する。これらは、有線や無線によって、LAN(Local Area Network)、電話網またはデータ通信網等のネットワーク50を介して、相互に通信可能に接続される。ネットワーク50は、通信信号を中継する中継機を備えてもよい。図1に示す例では、携帯端末40、検知部10、管理サーバー20、および固定端末30が、アクセスポイント51を含む無線LAN等(例えばIEEE802.11規格によるLAN)のネットワーク50によって、相互に通信可能に接続されている。ケアサポートシステム1は制御システムを構成する。管理サーバー20は演算装置を構成する。検知部10はセンサーを構成する。
【0023】
ケアサポートシステム1は、例えば、病院および老人福祉施設等の建物に好適に配設される。図1に示す例では、ケアサポートシステム1は、複数のケア対象者80がそれぞれ入居する複数の居室、リハビリ室、およびケアステーションを含む複数の部屋を備える施設の建物内に配置されている。
【0024】
検知部10は、ケア対象者80の観察領域である、各フロア(フロアA~C)の居室にそれぞれ配置される。図1に示す例では、フロアAにおいて、4つの検知部10がケア対象者80であるaさん、bさん、cさん、およびdさんの居室にそれぞれ配置されている。なお、図示は省略するが、その他のフロアにおいても、複数の検知部10が、ケア対象者80の居室にそれぞれ配置されている。ケア実行者であるユーザーu001、u002、u003はそれぞれ携帯端末40を携帯している。管理サーバー20はネットワーク50に接続されている外部のサーバーであってもよい。また、固定端末30を省略し、管理サーバー20または携帯端末40がその機能を有してもよい。
(検知部10)
【0025】
図3は検知部10の概略構成を示すブロック図である。検知部10は、制御部11、通信部12、カメラ13、およびケアコール部14を備え、これらの構成要素はバスによって、相互に接続されている。
【0026】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、およびRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などのメモリにより構成され、プログラムにしたがって検知部10の各部の制御および演算処理を行う。
【0027】
通信部12は、ネットワーク50を介して、例えば、管理サーバー20、固定端末30、および携帯端末40を含む他の装置と通信するためのインターフェースであり、例えばLANカードであり得る。
【0028】
カメラ13は、例えば居室の天井、または壁の上部に配置され、観察領域としてケア対象者80のベッド90を含む領域を撮影し、撮影画像(画像データ)を出力する。以下、カメラ13により撮影された撮影画像を、単に「撮影画像」とも称する。撮影画像は検知データを構成する。この撮影画像には、静止画および動画が含まれる。カメラ13は、例えば可視光カメラまたは近赤外線カメラであり得る。
【0029】
制御部11は、撮影画像から、ケア対象者80の行動を認識する。この認識する行動には、例えば、リハビリ、起床、離床、転倒、転落、歩行、および外出が含まれる。
【0030】
制御部11は、複数の撮影画像(例えば動画像)から画像のシルエット(以下、「人シルエット」と称する)を検知する。人シルエットは、例えば、撮影時刻が前後する画像を差分する時間差分により差分が相対的に大きい画素の範囲を抽出することで検知され得る。人シルエットは、撮影画像から背景画像を差分する背景差分法により検知されてもよい。ケア対象者80の行動は、人シルエットに基づいて認識されるケア対象者80の姿勢(例えば、立位、座位、および臥位)の時間的変化、およびベッド90などの居室内の設置物との相対的な位置関係から検知され得る。制御部11は、所定の行動を検知した場合、検知された所定の行動、検知部10を特定するユニークなID(例えばMACアドレス)、および検知時刻を含む情報(以下、「センサー送信情報」と称する)を、通信部12を介して管理サーバー20へ送信する。所定の行動には、例えばケア対象者80の起床、離床、歩行、および外出等が含まれる。センサー送信情報は、所定の行動が検知されている間、一定の時間間隔で繰り返し送信され得る。
【0031】
制御部11は、撮影画像から、ケア実行者によるケア対象者80へのケアの実行を検知し得る。制御部11は、例えば次のようにケア実行者によるケアの実行を検出し得る。検知されていた2人分のシルエットが所定の間隔を維持しつつ所定の時間以上移動すること等により、歩行のリハビリのケアを認識し得る。この場合、ケア対象者80は、歩行器や杖を使用して歩行し、ケア実行者は、ケア対象者80の転倒等を防止するためにケア対象者80に付き添って見守ること等が考えられる。また、検知されていた2人分のシルエットがトイレに接近して消えたこと等により、居室内のトイレに2人が入ったことを検出することで、排泄ケアの開始を認識し得る。制御部11は、検知されなくなった2人分のシルエットがトイレ付近から再検知されたこと等により、居室内のトイレから2人が出たことを検出することで、排泄ケアの終了を認識し得る。なお、ケア実行者による排泄ケアの実行は、例えば、携帯端末40に備えられたビーコン(beacon)の機能を利用して、ケア実行者の、ケア対象者80の居室内のトイレへの入出を検知することで、検知されてもよい。制御部11は、検知したケア実行者によるケアの実行を、ケア実行情報として通信部12を介して管理サーバー20へ送信する。ケア実行情報には、検知部10を特定するユニークなID(例えばMACアドレス)、ケア実行者(またはケア実行者を特定するユニークなID)、ケアの種類、ケアを開始した時刻、ケアを終了した時刻、および撮影画像が含まれ得る。検知部10を特定するユニークなID、およびケア対象者80は、予め制御部11に記憶され得る。ケア実行者は、撮影画像を用いた公知の画像認識技術により検知され得る。なお、制御部11は、通信部12により、撮影画像を、管理サーバー20へ常時送信してもよい。この場合、ケア実行情報に、撮影画像を含ませなくてもよい。
【0032】
後述するように、ケア実行者は、ケアを行う際に、携帯する携帯端末40に、ケア対象者80、ならびにケアを開始する旨およびケアを終了する旨を入力し得る。また、ケアを行った後に、ケア実行アンケート(図6図7参照)への回答を入力し得る。これにより、携帯端末40から管理サーバー20へ、携帯端末40を特定するユニークなID(例えば携帯端末40の番号)、ケア対象者80、ケアの種類、ケアを開始した時刻、ケアを終了した時刻、およびケア実行アンケートへの回答を含むケア実行情報が送信されることで、ケア実行者によりケア対象者80へのケアの実行がされたことが通知される。携帯端末40から管理サーバー20へ送信されるケア実行情報は、ケア記録(介護記録)であってもよい。ケア記録には、ケア実行アンケートへの回答と同様の情報が記載され得る。
【0033】
なお、ケア対象者80の所定の行動の検知、およびケア対象者80のケアの実行の検知は、管理サーバー20により行われてもよい。この場合、制御部11は、管理サーバー20へ撮影画像の送信を行う。
【0034】
ケアコール部14は、押しボタン式のスイッチを含み、スイッチがケア対象者80によって押されることでケアコールを検知する。押しボタン式のスイッチに換えて、音声マイクによりケアコールを検知してもよい。ケアコール部14は、ケアコール部14のスイッチが押されることでケアコールを検知した場合、ケアコール部14を特定するユニークなID(例えばMACアドレス)、および検知時刻を含む情報(以下、「ケアコール情報」と称する)を、ケアコールとして、通信部12を介して管理サーバー20へ送信する。なお、ケアコール部14は、携帯端末40との音声通話用のマイクおよびスピーカーを備えてもよい。
【0035】
検知部10は、ベッド90に対してマイクロ波を送受信してケア対象者80の体動(たとえば、呼吸動)によって生じたマイクロ波のドップラシフトを検出するドップラシフト方式の体動センサーを、さらに含んでいてもよい。この体動センサーにより、ケア対象者80の呼吸動作に伴う胸部の体動(胸部の上下動)を検出し、その胸部の体動における周期の乱れ、および予め設定された閾値以下である胸部の体動における振幅を検知すると、微体動異常であると認識する。この微体動異常は、たとえば、センサー送信情報として管理サーバー20に送信される。
【0036】
センサー送信情報に含まれる、ケア対象者80の所定の行動、およびケアコール情報によるケアコールは、ケア対象者80のイベントを構成する。以下、イベントに関する情報を、「イベント情報」と称する。
(管理サーバー20)
【0037】
図4は、管理サーバー20の概略構成を示すブロック図である。管理サーバー20は、制御部21、通信部22、および記憶部23を備える。制御部21および通信部22の基本構成は、検知部10の対応する構成要素である、制御部11および通信部12と同様である。各構成要素は、バスによって、相互に接続されている。
【0038】
管理サーバー20は、センサー送信情報およびケアコール情報等を検知部10から受信したとき、所定の場合に、固定端末30および携帯端末40に通知を行う。管理サーバー20は、たとえば、通信機能を有するコンピューターによって、構成されている。管理サーバー20は、検知部10が配置された建物と同じ建物内に設けられていてもよく、あるいは、検知部10が配置された建物から離れた場所に設けられていてもよい。管理サーバー20は、インターネット等のネットワーク上に配置された複数のサーバーによって仮想的に構成されるクラウドサーバーであってもよい。
【0039】
制御部21は、センサー送信情報に基づいて、イベント情報として、イベント名、ケア対象者80、ならびにイベントの開始時間および終了時間を特定する。イベント名は、検知された所定の行動から特定される。ケア対象者80は、検知部10を特定するユニークなIDから、当該IDとケア対象者80との対応関係が登録されたテーブルが参照されることで特定される。当該テーブルはあらかじめ記憶部23に記憶される。イベントの開始時刻および終了時刻は、当該イベントに関するセンサー送信情報の受信開始時刻、および当該センサー送信情報が受信されなくなった時刻としてそれぞれ特定され得る。
【0040】
制御部21は、ケアコール情報に基づいて、イベント情報として、イベント名、ケア対象者80、ならびにイベントの開始時刻および終了時刻を特定する。イベント名はケアコール情報の受信によりケアコールと特定される。ケア対象者80は、ケアコール部14を特定するユニークなIDから、当該IDとケア対象者80との対応関係が登録されたテーブルが参照されることで特定される。当該テーブルはあらかじめ記憶部23に記憶される。イベントの開始時刻および終了時刻は、ケアコール情報の受信開始時刻および受信終了時刻(ケアコール解除時刻)としてそれぞれ特定される。
【0041】
制御部21は、1つのイベントに関するセンサー送信情報またはケアコール情報を最初に受信したときに、センサー送信情報またはケアコール情報に基づいて特定したイベント情報を、携帯端末40または固定端末30へ送信することでイベントの発生を通知する。
制御部21は、検知部10および携帯端末40からケア実行情報を受信する。
制御部21のより具体的な機能については後述する。
【0042】
記憶部23は、検知部10を特定するユニークなIDとケア対象者80との対応関係が登録されたテーブル、携帯端末40を特定するユニークなIDとケア対象者80との対応関係が登録されたテーブル、ケアコール部14を特定するユニークなIDとケア対象者80との対応関係が登録されたテーブル、ケア実行者を識別するための情報とケア実行者とを対応づけたテーブル、ならびにケア対象者80に関する情報を含む各種データを記憶する。
【0043】
また、記憶部23には、上述したケア実行情報が記憶されている。ケア実行情報は、検知部10および携帯端末40からケア実行情報を受信する度に記憶される。
(固定端末30)
【0044】
固定端末30は、PC(Personal Computer)であり、CPU、RAM、ROM、HDD、表示部、通信部、および入力部等を備える。入力部は、管理者による各種情報の操作入力を受け付ける。管理サーバー20の記憶部23に記憶される、検知部10を特定するユニークなIDとケア対象者80との対応関係が登録されたテーブルは、入力部から入力されることで、管理サーバー20へ送信され、記憶部23に記憶され得る。同様に、携帯端末40を特定するユニークなIDとケア対象者80との対応関係が登録されたテーブル、およびケアコール部14を特定するユニークなIDとケア対象者80との対応関係が登録されたテーブルも、入力部から入力されることで、管理サーバー20へ送信され、記憶部23に記憶され得る。同様に、ケア実行者を識別するための情報とケア実行者とを対応づけたテーブルも、入力部から入力されることで、管理サーバー20へ送信され、記憶部23に記憶され得る。
(携帯端末40)
【0045】
図5は、携帯端末40の概略構成を示すブロック図である。携帯端末40は、制御部41、無線通信部42、表示部43、入力部44,音声入出力部45、および位置検知部46を備え、これらはバスにより相互に接続される。携帯端末40は、例えば、タブレット型コンピューター、スマートフォンまたは携帯電話等の、ケア実行者により携帯可能な通信端末機器によって構成できる。
制御部41は、検知部10の制御部11の構成と同様に、CPU、RAM、ROMなどの基本構成を備える。
【0046】
無線通信部42は、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)などの規格による無線通信を行う機能を有し、アクセスポイント51を経由して、または直接に各装置と無線通信する。
【0047】
表示部43、および入力部44は、タッチパネルであり、液晶などで構成される表示部43の表示面に、入力部44としてのタッチセンサーが設けられる。表示部43、入力部44によって、ケア実行者に対して、ケアをこれから実行しようとするケア対象者80、ケアの内容、ならびにケアを開始する旨およびケアを終了する旨を入力するための画面やケア実行アンケートに回答するためのケア実行アンケート画面を含む各種操作画面を表示したり、操作画面を通じて各種の操作を受け付ける。制御部41は、ケア実行情報の入力を受け付ける操作画面(ケア実行アンケート画面を含む)においてケア実行情報が入力されると、携帯端末40を特定するユニークなID(例えば携帯端末40の番号)、ケア対象者80、ケアの種類、ケアを開始した時間、ケアを終了した時間、およびケア実行アンケートへの回答を含むケア実行情報を、無線通信部42により管理サーバー20へ送信する。ケアを開始した時間は、ケアの実行の契機となったイベント情報が携帯端末40により受信された時間が設定されてもよい。これにより、ケア実行者によりケア対象者80へのケアの実行がされたことが携帯端末40から管理サーバー20へ通知される。すなわち、例えば、ケア対象者80の、起床、離床、転倒、または無呼吸というイベントに対してケア実行者により、ケアの実行がされたことが、ケア対象者80、ケアの種類、ならびにケアを開始した時間(日時)およびケアを終了した時間(日時)を含むケア実行情報が携帯端末40から管理サーバー20へ送信されることで通知される。なお、ケア対象者80に代えて、位置検知部46により検知されたケア実行者の現在位置が管理サーバー20へ送信されてもよい。ケア実行者の現在位置が管理サーバー20へ送信されることにより、管理サーバー20によりケア実行者の現在位置に対応する施設内の領域が特定され、特定された領域を居室とするケア対象者80が特定される。
【0048】
図6図7はケア実行アンケート画面を示す図である。ケア実行アンケート画面には、ケアの実行後、ケアを実行したケア実行者により回答が入力される。ケア実行アンケートはアンケートを構成する。
【0049】
図6には、ケア実行時の、ケア対象者80であるaさんの表情と、ケアの内容を選択するための画面が示されている。ケア対象者80の表情に関しては、5段階で、最良、良、普通、悪、および最悪のうちいずれか一つが、表情付きのボタンにより回答として選択可能に表示されている。ここで、最良、良、普通、悪、および最悪の表情は、ケア対象者80の感情の良好さの程度の、5、4、3、2、および1にそれぞれ対応する。すなわち、例えばケア対象者80の表情が「良」であることは、ケアの内容において、ケア対象者80が良い感情をもったであろうことに対応する。図6の例においては、ケア対象者80の表情に関して、「良」が選択されている。
【0050】
ケアの内容に関しては、図6の例においては、リハビリのケア内容の例として、歩行(歩行器使用)、歩行(杖使用)、およびペダル付車椅子のうちいずれか一つが、チェックボックスにより回答として選択可能に表示されている。ペダル付車椅子は、車椅子に座った状態でペダルをこぐことで足の運動量を確保するとともに、自主的に目的地へ移動可能にしたリハビリ装置である。ペダル付車椅子には、運動量や行動範囲を検出して出力する機能が備わり得る。図6の例においては、ケアの内容に関して、ペダル付車椅子によるリハビリが選択されている。
【0051】
なお、ケア実行アンケート画面には、ケア対象者80の表情を得るための顔写真を撮影するための撮影ボタンが表示され得る。撮影ボタンが選択されることで、ケア対象者80の顔写真を撮影できる。
図6のケア実行アンケート画面において、「次へ」の矢印ボタンを選択することで、図7のケア実行アンケート画面が表示される。
【0052】
図7には、ケア実行時の、ケア実行者の気持ちを選択するための画面が表示されている。ケア実行者の気持ちに関しては、5段階で、最良、良、普通、悪、および最悪のうちいずれか一つが、表情付きのボタンにより回答として選択可能に表示されている。ここで、最良、良、普通、悪、および最悪の表情は、ケア実行者の感情の良好さの程度の、5、4、3、2、および1にそれぞれ対応する。すなわち、例えばケア実行者の気持ちが「良」であることは、ケアの内容において、ケア実行者が良い感情をもったことに対応する。図7の例においては、ケア実行者の気持ちに関して、「良」が選択されている。以下、感情の良好さの程度を、「感情値」とも称する。
ケア実行アンケートへの回答には、上述した、ケア対象者80の顔写真が含まれ得る。
【0053】
音声入出力部45は、例えばスピーカーとマイクであり、無線通信部42を介して他の携帯端末40との間でケア実行者相互間の音声通話を可能にする。また、音声入出力部45は、無線通信部42を介して検知部10との間で音声通話を可能にする機能を有し得る。
【0054】
位置検知部46は、例えば、ビーコンの機能またはGPS機能を有し、携帯端末40を携帯するケア実行者の現在位置を検知する。位置検知部46は、ICタグ機能を有し、各部屋に設けたRFIDリーダーで読み取ることにより、ケア実行者の現在位置を検知してもよい。
(管理サーバー20の制御部21)
管理サーバー20の制御部21の機能についてさらに詳細に説明する。
図8は、管理サーバー20の制御部21の機能を示すブロック図である。
【0055】
制御部21は、取得部211、対応関係算出部212、推奨ケア内容算出部213、相関関係特定算出部214、警告部215、および出力部216として機能する。
【0056】
取得部211は、ケア実行アンケートへの回答が含まれたケア実行情報を、通信部22により携帯端末40から受信する。取得部211は、撮影画像が含まれたケア実行情報を、通信部22により検知部10から受信する。ケア実行情報は、ケア対象者80へのケアの内容、ケア対象者80の感情、およびケア対象者80へのケアを行うケア実行者の感情を包含する情報であり、ケア対象者80へのケアの内容、ケア対象者80の感情、およびケア対象者80へのケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報を構成する。なお、撮影画像のみで、ケア対象者80へのケアの内容、ケア対象者80の感情、およびケア対象者80へのケアを行うケア実行者の感情の少なくとも二つを包含する情報が構成され得る。
【0057】
対応関係算出部212は、ケア実行情報に基づいて、ケアの内容、ケア対象者80の感情、およびケア実行者の感情の相互の対応関係を算出する。すなわち、対応関係算出部212は、ケア対象者80の感情とケア実行者の感情との対応関係、ケアの内容とケア対象者80の感情との対応関係、およびケアの内容とケア実行者との対応関係を算出する。具体的には、対応関係算出部212は、ケア実行情報に含まれるケア実行アンケートへの回答に基づいて、ケアの内容、ケア対象者80の感情、およびケア実行者の感情の相互の対応関係を算出する。ケア実行アンケートへの回答における、ケア対象者80の感情値は、ケア対象者80の感情を構成する。ケア実行アンケートへの回答における、ケア実行者の感情値は、ケア実行者の感情を構成する。対応関係算出部212は、ケア対象者80の感情とケア実行者の感情との対応関係、ケアの内容とケア対象者80の感情との対応関係、およびケアの内容とケア実行者との対応関係を算出する。なお、ケア対象者80の感情は、ケア実行アンケートへの回答に含まれる、ケア対象者80の顔写真に基づいて、ニューラルネットワークの学習済みモデルを用いた公知の機械学習技術により、推定されてもよい。同様に、カメラ13によって得られた撮影画像から、ケア対象者80やケア実行者の表情から読み取って、ケア対象者80の感情値やケア実行者の感情値としてもよい。
【0058】
対応関係算出部212は、検知部10から受信した、ケア実行情報に基づいて、ケアの内容、ケア対象者80の感情、およびケア実行者の感情の相互の対応関係を算出してもよい。この場合、対応関係算出部212は、ケア実行情報に含まれる撮影画像に基づいて、ニューラルネットワークの学習済みモデルを用いた公知の機械学習技術により推定された、ケア対象者80およびケア実行者の感情を使用して、ケアの内容とケア対象者80の感情との対応関係、およびケアの内容とケア実行者との対応関係を算出し得る。
【0059】
図9は、ケア対象者80の感情とケア実行者の感情との対応関係のグラフの例を示す図である。図10は、ケア対象者80の感情とケア実行者の感情との対応関係のグラフの他の例を示す図である。図11は、ケアの内容とケア対象者80の感情との対応関係(実線)、およびケアの内容とケア実行者との対応関係(破線)のグラフの例を示す図である。図12は、ケアの内容とケア対象者80の感情との対応関係(実線)、およびケアの内容とケア実行者との対応関係(破線)のグラフの他の例を示す図である。グラフにおいて、カッコ内の数値は、感情値を示している。
【0060】
図9の例においては、ケアの実行において、ケア対象者80の感情が良好であるほど、ケア実行者の感情が良好である傾向が見られる。このことは、ケア実行者の感情が良好であるほど、ケア対象者80の感情が良好であるとも言える。
【0061】
一方、図10の例においては、ケア対象者80の感情が普通より悪化すると、ケア実行者の感情が良好になる傾向が見られる。このことは、ケア対象者80の表情(感情)が普通より悪化していることを感じたケア実行者が、ケア対象者80の意欲を上げることに対する使命感が向上する喜びを感じている等が考えられる。
【0062】
図11のグラフにおいては、横軸のケアの内容は、リハビリのケアにおけるケア対象者80の運動量である。ケア対象者80の運動量は、5段階で、段階が上がるほど運動量が大きいことを示している。図11の例においては、第1段階から第2段階になるに従い、ケア対象者80の感情が普通から良好になり、第2段階から第4段階まで、ケア対象者80の感情は良好が維持されている。このことは、運動量が大きくなるに従い、リハビリの効果を実感し、ケア対象者80の意欲が向上していることが想定される。一方、第4段階から第5段階になるに従い、ケア対象者80の感情が悪化している。このことは、最大の運動量のリハビリにおける肉体的負担が大きすぎること等により、ケア対象者80の意欲が減退していることが想定される。また、リハビリのケアにおけるケア対象者80の表情等を反映して、ケア対象者80の表情等(感情)が良好であれば、ケア実行者の感情も良好になり、ケア対象者80の表情等が悪化すれば、ケア実行者の感情も悪化すると考えられる。
【0063】
図12のグラフにおいては、横軸のケアの内容は、リハビリのケアにおけるリハビリの種類であり、歩行器を使用した歩行のリハビリ、ペダル付き車椅子を使用したリハビリ、および杖を使用した歩行のリハビリが例示されている。図12の例においては、ペダル付き車椅子を使用したリハビリにおいて、ケア対象者80の感情もケア実行者の感情も最良の状態になっていることが判る。
【0064】
このように、ケアの内容や相手の表情により、ケア対象者80およびケア実行者の感情が変換する。また、このような感情の変化は、ケア対象者80およびケア実行者の個人ごとに異なる。
【0065】
推奨ケア内容算出部213は、ケアの内容、ケア対象者80の感情、およびケア実行者の感情の相互の対応関係に基づいて、ケア対象者80の感情値と、ケア実行者の感情値の和が最も高いときのケアの内容を推奨ケア内容として算出する。例えば、図11を参照すると、リハビリにおけるケア対象者80の運動量が第3段階と第4段階のときに、ケア対象者80の感情値と、ケア実行者の感情値の和が最も高くなる。この場合、ケア対象者80の運動量が第3段階と第4段階のいずれかが、推奨ケア内容として算出される。なお、この場合、運動量がより大きい第4段階が推奨ケア内容として算出されることが好ましい。また、例えば、図12を参照すると、リハビリのケアの内容において、ペダル付車椅子を使用したリハビリをしたときに、ケア対象者80の感情値と、ケア実行者の感情値の和が最も高くなる。この場合、ペダル付車椅子を使用したリハビリ(メニュー)が推奨ケア内容として算出される。
【0066】
相関関係特定算出部214は、ケア実行者の感情の変化と相関する相関要素を特定して、ケア実行者の感情の変化と相関要素との関係を算出する。例えば、図10を参照すると、ケア対象者80の感情が普通より悪化すると、ケア実行者の感情が良好になる傾向(相関関係)が見られる。この場合、相関関係特定算出部214は、相関要素として、ケア対象者80の感情値が3以下の範囲と、ケア実行者の感情値とが特定される。また、ケア実行者の感情の変化と相関要素との関係として、ケア対象者80の感情値が3から1に変化(低下)するに従い、ケア対象者80の感情値が3から5に変化(向上)する関係が算出される。相関関係特定算出部214は、ケア実行者の感情の変化と相関する相関要素の特定、およびケア実行者の感情の変化と相関要素との関係の算出を、公知の統計学的方法により行い得る。
【0067】
警告部215は、ケア対象者80の感情値、またはケア実行者の感情値が所定の閾値以下となったときに、警告を発生する。所定の閾値は、実験等により適当な値に設定され得る。警告部215は、ケア対象者80の感情またはケア実行者の感情が悪化したことを示す情報を、携帯端末40や固定端末30へ送信することにより警告を発生し得る。
【0068】
出力部216は、ケア対象者80の感情とケア実行者の感情との対応関係、ケアの内容とケア対象者80の感情との対応関係、ケアの内容とケア実行者との対応関係、推奨ケア内容、およびケア実行者の感情の変化と相関要素との関係を、携帯端末40や固定端末30へ送信すること等により出力する。
(ケアサポートシステム1の動作)
【0069】
図13は、ケアサポートシステム1の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、管理サーバー20の制御部21によりプログラムに従って実行され得る。
制御部21は、携帯端末40からケア実行情報を受信することにより、ケア実行情報に含まれる、ケア実行アンケートへの回答を取得する(S101)。
制御部21は、ケア実行アンケートへの回答に基づいて、ケアの内容、ケア対象者80の感情値、およびケア実行者の感情値を算出する(S102)。
制御部21は、ケア対象者80の感情値またはケア実行者の感情値が閾値以下かどうか判断する(S103)。
【0070】
制御部21は、ケア対象者80の感情値またはケア実行者の感情値が閾値以下でないと判断した場合は(S104:NO)、ステップS105に移行して処理を実行する。
制御部21は、ケア対象者80の感情値またはケア実行者の感情値が閾値以下であると判断した場合は(S104:YES)、警告を発生する(S104)。
【0071】
制御部21は、ケア対象者80の感情値とケア実行者の感情値との関係、ケア内容とケア対象者80の感情値との関係、およびケア内容とケア実行者の感情値との関係を算出して出力する(S105)。
制御部21は、ケア対象者80の感情値とケア実行者の感情値との和が最も高いときのケア内容を推奨ケア内容として算出して出力する(S106)。
実施形態は、以下の効果を奏する。
【0072】
ケア対象者80へのケアの内容、ならびにケア対象者80およびケア実行者の感情を包含する情報に基づいて、ケアの内容、ケア対象者80の感情、およびケア実行者の感情の相互の対応関係を算出して出力する。これにより、ケア対象者80またはケア実行者のモチベーションに関する情報を提示できる。
【0073】
さらに、センサーにより取得された検知データ、ケア実行者のアンケート、およびケア記録の少なくともいずれかを上記情報として取得する。これにより、簡単に、ケア対象者80とケア実行者の双方の意欲が高まるケアの内容の特定が可能な情報を提示できる。
【0074】
さらに、ケアの内容、ケア対象者80の感情、およびケア実行者の感情の相互の対応関係に基づいて、ケア対象者80の感情値と、ケア実行者の感情値の和が最も高いときのケアの内容を推奨ケア内容として算出して出力する。これにより、ケア対象者80およびケア実行者の意欲が最も向上するケアの内容を提示できる。
【0075】
さらに、上記情報に基づいて、ケア実行者の感情の変化と相関する相関要素を特定して、ケア実行者の感情の変化と相関要素との関係を算出して出力する。これにより、ケア対象者80およびケア実行ごとに、ケア対象者80とケア実行者の意欲が向上または低下する特徴的な傾向を提示できる。
【0076】
さらに、ケア対象者80の感情値、またはケア実行者の感情値が所定の閾値以下となったときに、警告を発生する。これにより、ケアにおいて、ケア対象者80の感情またはケア実行者の感情が悪化したことを容易に検知できる。
【0077】
さらに、上記センサーを撮影装置とし、検知データを撮影装置により撮影された画像とする。これにより、ケア実行者によるアンケート記入という煩雑さを回避しつつ、ケア対象者80とケア実行者の双方の意欲が高まるケアの内容の特定が可能な情報を提示できる。
【0078】
以上に説明したケアサポートシステム1の構成は、上述の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上述の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。また、一般的なケアサポートシステムが備える構成を排除するものではない。
例えば、ケア対象者80およびケア実行者の感情値は、心拍等の生体情報に基づいて検出されてもよい。
また、ケア内容、ケア対象者80の感情値、およびケア実行者の感情値の三つの相互の関係が3次元のグラフ等として出力されてもよい。
また、管理サーバー20が有する機能を、検知部10が備えるようにしてもよい。
【0079】
また、検知部10、管理サーバー20、および携帯端末40は、それぞれ複数の装置により構成されてもよく、いずれか複数の装置が単一の装置として構成されてもよい。
【0080】
また、上述したフローチャートは、一部のステップを省略してもよく、他のステップが追加されてもよい。また各ステップの一部は同時に実行されてもよく、一つのステップが複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【0081】
また、上述したケアサポートシステム1における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、USBメモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、一機能としてその検知部等の装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0082】
1 ケアサポートシステム、
10 検知部、
11 制御部、
12 通信部、
13 カメラ、
14 ケアコール部、
20 管理サーバー、
21 制御部、
22 通信部、
23 記憶部、
30 固定端末、
40 携帯端末、
41 制御部、
42 無線通信部、
43 表示部、
44 入力部、
45 音声入出力部、
46 位置検知部、
50 ネットワーク、
51 アクセスポイント
80 ケア対象者。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13