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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】喫煙施設
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20241126BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20241126BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
E04H1/12 306Z
G08B21/00 A
E04B2/74 541P
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020144784
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039649
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】大久保 伸一
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-320170(JP,A)
【文献】実開昭63-083348(JP,U)
【文献】実開平01-130451(JP,U)
【文献】特開2005-155224(JP,A)
【文献】実開昭63-051052(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/00-1/14
G08B 19/00-21/24
E04B 2/72-2/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な領域を含む側壁部を備えた喫煙施設であって、
印加電圧に応じて光透過率が変わる調光領域を有し、前記透明な領域に配置された調光シートと、
前記調光領域に対して、当該調光領域が透明である第1状態と、当該調光領域が不透明である第2状態との切り替えを制御する制御部と、
前記喫煙施設内における利用者の有無を検知する検知部と、を備え、
前記調光シートは、複数の前記調光領域を有し、
前記喫煙施設内の1つの空間が、複数の検知対象領域に仮想的に区分けされており、
前記複数の検知対象領域の各々について、前記検知対象領域は、当該検知対象領域に最も近い前記調光領域を含む1以上の前記調光領域と対応付けられており、
前記検知部は、各検知対象領域における前記利用者の有無を検知し、
前記制御部は、複数の前記調光領域における前記第1状態と前記第2状態との切り替えを前記調光領域ごとに制御し、前記検知部によって前記利用者の存在が検知された前記検知対象領域に対応付けられている前記調光領域について、前記第1状態の前記調光領域を前記第2状態に切り替える
喫煙施設。
【請求項2】
前記検知部は、人感センサを含む
請求項に記載の喫煙施設。
【請求項3】
前記制御部は、前記喫煙施設内もしくは前記喫煙施設付近での異常の発生の通知を受けたとき、前記第2状態であるすべての前記調光領域を前記第1状態へ切り替える
請求項1または2に記載の喫煙施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙施設に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、分煙の推進に伴って、喫煙可能な空間を区画する喫煙施設の設置が進んでいる。こうした喫煙施設では、喫煙施設の周囲を通る人の視線から、喫煙施設内の喫煙者を保護することが望まれる。例えば、特許文献1には、喫煙施設の側壁を、乳白色の樹脂板や曇りガラスから構成することが記載されている。上記構成によれば、側壁の透明性が低いために、喫煙施設の外部からの視線が側壁によって遮られる。それゆえ、喫煙施設内の喫煙者のプライバシーが保護される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-150759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、喫煙施設が無人であるときに、喫煙施設内で火や煙の発生等の異常が起こった場合、喫煙施設の側壁の透明性が低いと、異常の発生が外部から認識されにくい。すなわち、異常の早期発見を促進する観点では、側壁の透明性は高いことが好ましい。
このように、喫煙施設においては、喫煙者のプライバシーの保護と、外部から異常を発見しやすくすることとの両立が課題である。
【0005】
本発明は、喫煙者のプライバシーの保護が可能であるとともに、無人時における施設内の異常を外部から発見しやすい喫煙施設を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する喫煙施設は、透明な領域を含む側壁部を備えた喫煙施設であって、印加電圧に応じて光透過率が変わる調光領域を有し、前記透明な領域に配置された調光シートと、前記調光領域に対して、当該調光領域が透明である第1状態と、当該調光領域が不透明である第2状態との切り替えを制御する制御部と、前記喫煙施設内における利用者の有無を検知する検知部と、を備え、前記制御部は、前記検知部によって前記利用者の存在が検知されたとき、前記第1状態の前記調光領域を前記第2状態に切り替える。
【0007】
上記構成によれば、喫煙施設の内部に利用者がいる場合には、不透明な調光領域に遮られて、外部から利用者の様子が把握されにくい。それゆえ、喫煙者である利用者のプライバシーの保護が可能である。一方で、喫煙施設が無人の場合には、透明な調光領域を通して、外部から喫煙施設の内部を視認可能であるため、喫煙施設内の異常を外部から発見しやすい。
【0008】
上記構成において、前記調光シートは、複数の前記調光領域を有し、前記検知部は、前記喫煙施設内での前記利用者の位置する領域を検知可能に構成されており、前記制御部は、複数の前記調光領域における前記第1状態と前記第2状態との切り替えを前記調光領域ごとに制御し、前記検知部によって前記利用者の存在が検知されたとき、前記利用者の存在が検知された領域に最も近い前記調光領域を前記第2状態に切り替えてもよい。
【0009】
上記構成によれば、利用者の位置に合わせて調光領域が第2状態に切り替えられるため、利用者のプライバシーが的確に保護される。また、第1状態の調光領域と第2状態の調光領域との比率によって、喫煙施設内の混雑の程度が、外部から容易に把握できる。
上記構成において、前記検知部は、人感センサを含んでもよい。
上記構成によれば、喫煙施設内における利用者の存在を的確に検知することができる。
【0010】
上記構成において、前記制御部は、前記調光領域が前記第2状態であるときに前記喫煙施設内もしくは前記喫煙施設付近での異常の発生の通知を受けたとき、前記調光領域を前記第1状態へ切り替えてもよい。
【0011】
上記構成によれば、喫煙施設内もしくは喫煙施設付近で異常が発生したとき、喫煙施設内に利用者がいる場合であっても、調光領域が透明になる。したがって、外部から喫煙施設内の異常を発見することや、利用者が喫煙施設内から外部の状況を確認して避難等の適切な対応を選択することが容易になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、喫煙施設において、喫煙者のプライバシーの保護が可能であるとともに、無人時における施設内の異常を外部から容易に発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】喫煙施設の一実施形態について、喫煙施設の全体構成を示す図。
図2】一実施形態の喫煙施設の内部における検知対象領域の配置を示す図。
図3】一実施形態の喫煙施設が備える調光シートについて、ノーマル型の調光シートの断面構造を示す図。
図4】一実施形態の喫煙施設が備える調光シートについて、リバース型の調光シートの断面構造を示す図。
図5】一実施形態の喫煙施設の動作を示す図であって、喫煙施設が無人のときの調光領域を示す図。
図6】一実施形態の喫煙施設の動作を示す図であって、喫煙施設が有人のときの調光領域を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図6を参照して、喫煙施設の一実施形態を説明する。
[喫煙施設の全体構成]
図1が示すように、喫煙施設100は、区画部材10と、調光装置20と、検知部30とを備えている。
【0015】
区画部材10は、喫煙施設100の内部と外部とを区切る。区画部材10は、喫煙施設100の側面部分を構成する側壁部11を含む。なお、以下の説明において、縦方向とは、喫煙施設100が設置されている面から側壁部11が立ち上がる方向であり、例えば、鉛直方向である。喫煙施設100が設置されている面は、床面あるいは地面である。また、横方向とは、縦方向と直交する方向であって、かつ、側壁部11の表面に沿った方向である。横方向は、例えば、水平面に沿った1つの方向であり、側壁部11の配置の向きに応じて規定される。
【0016】
側壁部11は、透明部12を有している。透明部12は、透明なガラス板もしくは樹脂板から構成されている。側壁部11の全体が透明部12であってもよいし、側壁部11の一部が透明部12であってもよい。透明部12は、側壁部11のなかで、喫煙施設100の周囲の通路等から視認される領域に位置する。透明部12は、縦方向に人の身長以上の大きさを有し、横方向に複数人が並んで喫煙することが可能な幅を有する。例えば、喫煙施設100が有する複数の側面のうちの1以上において、当該側面の全体が透明部12である。図1が示す例では、図にて手前に位置する側面の略全体が透明部12である。
区画部材10は、側壁部11に加えて、喫煙施設100の天井部分を構成する上壁部や、喫煙施設100の床部分を構成する下壁部を含んでいてもよい。
【0017】
喫煙施設100が設置される場所は特に限定されない。喫煙施設100は、建物の内部に設置されてもよいし、屋外に設置されてもよい。喫煙施設100の周囲の環境に応じて、区画部材10は、喫煙施設100の内部と外部とを完全に分離していなくてもよい。例えば、喫煙施設100が屋外に設置されている場合には、区画部材10は上壁部や下壁部を含んでいなくてもよいし、側壁部11は、横方向に間隔をあけて並ぶ複数の部分から構成されていてもよい。
なお、喫煙施設100は、その内部に、図示しない灰皿を備えている。また、喫煙施設100は、その内部に、排気機構や座席を備えていてもよい。
【0018】
調光装置20は、調光シート21と、調光シート21への電圧の印加を制御する制御部22とを備えている。調光シート21の光透過率は、調光シート21への印加電圧に応じて変わる。
【0019】
調光シート21は、透明部12に取り付けられている。縦方向において、調光シート21は、少なくとも、人の顔から腰までの高さに対応する範囲に取り付けられることが好ましい。言い換えれば、透明部12のなかの、人の顔よりも上の高さに位置する上部、および、人の腰よりも下の高さに位置する下部の少なくとも一方には、調光シート21が取り付けられていなくてもよい。
【0020】
調光シート21は、横方向に連続して並ぶ複数の調光領域23を有している。制御部22は、複数の調光領域23への電圧の印加を調光領域23ごとに制御する。言い換えれば、調光シート21は、横方向に複数の調光領域23に分割されており、調光領域23ごとに光透過率の変更が可能である。
【0021】
1つの調光領域23は、横方向に、1人の利用者が喫煙する際に要する程度の幅を有している。例えば、喫煙施設100の内部にて、灰皿や座席等の配置によって、1人の利用者が喫煙するスペースが規定される場合には、1つのスペースに1つの調光領域23が対応するように、当該スペースに面する位置に調光領域23が配される。
図1に示す例では、図にて手前に位置する透明部12に、3つの調光領域23を有する調光シート21が取り付けられている。
【0022】
調光シート21は、透明部12の外側面に貼り付けられてもよいし、内側面に貼り付けられてもよい。また、透明部12が複数の透明板の積層体である場合には、複数の透明板の間に調光シート21が挟まれていてもよい。このように、調光シート21は、透明部12の外部に配置されていてもよいし、透明部12の内部に配置されていてもよい。
【0023】
調光シート21が透明部12の外側面または内側面に貼り付けられる形態であれば、透明部12に対する調光シート21の取り付けが容易である。特に、調光シート21が透明部12の外側面に貼り付けられる形態であれば、喫煙施設100内での喫煙によって発生する煙に含まれる物質が、調光シート21に付着することが抑えられる。そのため、調光シート21の変色が抑えられる。
【0024】
一方で、調光シート21が透明部12の内側面に貼り付けられる形態であれば、喫煙施設100が屋外に設置されている場合に、雨等の水分や汚れが調光シート21に付着することが抑えられる。調光シート21が透明部12の内側面に貼り付けられる場合、喫煙施設100の内部における調光シート21の付近に、調光シート21に向けた煙の流れを遮るエアカーテン等の気流の生成装置が設置されてもよい。これにより、煙に含まれる物質が、調光シート21に付着することが抑えられる。
【0025】
検知部30は、喫煙施設100内における利用者の有無を検知する。具体的には、検知部30は、人感センサである。人の存在の検知が可能であれば、検知部30の検知方式は限定されない。例えば、検知部30は、赤外線、超音波、可視光等を利用したセンサであってもよいし、人の体重に相当する重量を検知するセンサであってもよい。
【0026】
図2は、喫煙施設100をその内部から見た図である。なお、図2においては、理解を容易にするために、調光領域23が位置する部分に、ドットを付して示す。図2が示すように、喫煙施設100の内部は、複数の検知対象領域Dsに仮想的に区分けされる。1つの検知対象領域Dsは、例えば、直方体状を有する。複数の検知対象領域Dsは、調光領域23の並びに沿って並ぶ。喫煙施設100の内部において、透明部12のなかで1つの調光領域23が配置されている部分と、1つの検知対象領域Dsとが互いに向かい合う。これらの互いに向かい合う調光領域23と検知対象領域Dsとが、互いに対応付けられた調光領域23および検知対象領域Dsである。なお、喫煙施設100の外部から見た場合には、1つの調光領域23の背後に、この調光領域23に対応付けられる1つの検知対象領域Dsが位置する。
【0027】
例えば、喫煙施設100の内部にて、灰皿や座席等の配置によって、1人の利用者が喫煙するスペースが規定される場合には、上述のように当該スペースの各々に対応するように調光領域23が配され、当該スペースの各々が検知対象領域Dsである。
【0028】
検知部30は、各検知対象領域Dsにおける利用者の存在を検知する。検知部30の検知結果を示す信号は、検知部30から制御部22に入力される。検知部30は、検知方式に応じて、各検知対象領域Dsにおける利用者の存在を検知可能なように、配設されていればよい。図面においては、検知部30が喫煙施設100の天井部に配置されている例を示しているが、これに限らず、検知部30は、喫煙施設100の側壁部11や床部に配置されていてもよい。
【0029】
例えば、検知部30は、検知対象領域Dsごとに1つずつ配置された複数の人感センサから構成され、1つの人感センサが1つの検知対象領域Dsにおける利用者の存在を検知してもよい。この場合、各人感センサからの信号が制御部22に入力される。あるいは、検知部30は、複数の検知対象領域Dsを含む広い範囲における利用者の存在を検知可能なセンサであって、かつ、利用者の存在が検知された領域を特定可能に構成されていてもよい。この場合、利用者の存在が検知された領域を示す信号が、検知部30から制御部22に入力される。
【0030】
制御部22は、利用者の存在が検知された検知対象領域Dsに対応する調光領域23の光透過率を、利用者の存在の非検知時と比較して低下させるように、調光シート21を駆動する。
【0031】
[調光装置の構成]
図3および図4を参照して、調光シート21の層構成を中心に、調光装置20の構成を説明する。調光シート21は、ノーマル型またはリバース型の構造を有する。
【0032】
図3は、ノーマル型の調光シート21である調光シート21Nの構造を示す。調光シート21Nは、調光層25と、調光層25を挟む一対の透明電極層である第1透明電極層26Aおよび第2透明電極層26Bとを備えている。調光シート21Nにおいて、透明電極層26A,26Bは、調光層25に接している。さらに、調光シート21Nは、第1透明電極層26Aを支持する第1透明支持層27Aと、第2透明電極層26Bを支持する第2透明支持層27Bとを備えている。
【0033】
第1透明電極層26Aは、調光シート21の端部に、調光層25から露出した領域を有し、この領域に、第1端子部29Aが接続されている。第2透明電極層26Bは、調光シート21の端部に、調光層25から露出した領域を有し、この領域に、第2端子部29Bが接続されている。第1端子部29Aおよび第2端子部29Bの各々からは配線が延び、当該配線は制御部22に接続されている。
【0034】
第1透明電極層26Aは、複数の調光領域23に対応するように、互いに絶縁された複数の電極部を有している。すなわち、調光シート21の表面と対向する位置から見て、1つの電極部の位置する部分が、1つの調光領域23である。第1端子部29Aは、電極部ごとに設けられている。各電極部には、各端子部29Aを通じて、電極部ごとに別々の電圧信号が制御部22から入力される。
【0035】
第2透明電極層26Bは、複数の調光領域23に対応するように、互いに絶縁された複数の電極部を有していてもよいし、複数の調光領域23の間で連続する単一の電極部を有していてもよい。要は、透明電極層26A,26B間の電圧を、調光領域23ごとに制御可能であればよい。例えば、第2透明電極層26Bにおいて、各調光領域23に対応する部分には、第2端子部29Bを通じて、共通の電圧信号が制御部22から入力される。これにより、第2透明電極層26Bが基準電位となり、第1透明電極層26Aの各電極部への電圧信号に応じて、調光領域23ごとに透明電極層26A,26B間の電圧が定まる。
【0036】
なお、調光層25および透明支持層27A,27Bは、複数の調光領域23の間で連続していてもよいし、連続していなくてもよい。
調光層25は、透明高分子層と、透明高分子層が有する空隙に保持された液晶組成物とを含む。液晶組成物の保持型式は、例えば、高分子ネットワーク型、高分子分散型、カプセル型等である。高分子ネットワーク型は、3次元の網目状を有した透明な高分子ネットワークを備え、相互に連通した網目状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子ネットワークは、透明高分子層の一例である。高分子分散型は、孤立した多数の空隙を透明高分子層のなかに備え、高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型は、カプセル状を有した液晶組成物を透明高分子層のなかに保持する。
【0037】
液晶組成物は、液晶分子を含む。液晶分子は、例えば、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、ジオキサン系等の液晶分子である。なお、液晶組成物は、液晶分子以外に、二色性色素等を含んでもよい。
【0038】
透明電極層26A,26Bは、導電性を有する材料から形成されている。透明電極層26A,26Bの材料は、例えば、酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)等である。
【0039】
透明支持層27A,27Bの材料は、合成樹脂、または、無機化合物であってよい。合成樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン等である。ポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等である。ポリアクリレートは、例えばポリメチルメタクリレート等である。無機化合物は、例えば、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素等である。
【0040】
端子部29A,29Bの構成は、端子部29A,29Bを介して配線を透明電極層26A,26Bに接続可能であれば、特に限定されない。端子部29A,29Bは、異方性導電フィルム、異方性導電ペースト、等方性導電フィルム、あるいは、等方性導電ペーストからなる導電性接着層や、フレキシブルプリント基板等の配線基板を含んでいてもよいし、はんだ付けによって配線が接続されたはんだ部を含んでいてもよい。
【0041】
図4は、リバース型の調光シート21である調光シート21Rの構造を示す。調光シート21Rは、調光層25、透明電極層26A,26B、および、透明支持層27A,27Bに加えて、第1配向層28Aと第2配向層28Bとを備えている。第1配向層28Aは、調光層25と第1透明電極層26Aとの間に位置し、これらと接している。第2配向層28Bは、調光層25と第2透明電極層26Bとの間に位置し、これらと接している。透明電極層26A,26Bにおける電極部の構成は、ノーマル型の調光シート21Nと同じである。
【0042】
配向層28A,28Bは、透明な配向膜であって、例えば、垂直配向膜、あるいは、水平配向膜である。垂直配向膜は、調光層25の厚さ方向に沿って、調光層25の液晶分子の長軸方向を配向させる。水平配向膜は、調光層25の広がる方向に沿って、液晶分子の長軸方向を配向させる。
【0043】
配向層28A,28Bの材料は、有機化合物、無機化合物、および、これらの混合物である。有機化合物は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、シアン化化合物等である。無機化合物は、例えば、シリコン酸化物、酸化ジルコニウム等である。配向層28A,28Bの材料は、シリコーンであってもよい。シリコーンは、無機性の部分と有機性の部分とを有する化合物である。
【0044】
ノーマル型およびリバース型のいずれの調光シート21においても、調光領域23は、相対的に光透過率の高い第1状態と、相対的に光透過率の低い第2状態とを有し、これらの状態の切り替えを、制御部22が制御する。
【0045】
ノーマル型において、透明電極層26A,26B間の電圧が0Vであるとき、調光層25の液晶分子の配向は無秩序である。そのため、調光層25に入射した光の散乱等に起因して、調光領域23は濁って見える。このように、ノーマル型では、調光領域23における透明電極層26A,26B間の電圧が0Vであるとき、調光領域23は第2状態である。
【0046】
ノーマル型において、透明電極層26A,26B間の電圧が所定値以上であるとき、調光層25が可視光を透過するように、液晶分子の配向が揃う。このように、ノーマル型では、調光領域23における透明電極層26A,26B間の電圧が所定値以上であるとき、調光領域23は第1状態である。
【0047】
リバース型において、透明電極層26A,26B間の電圧が0Vであるとき、調光層25が可視光を透過するように、液晶分子の配向が配向層28A,28Bによって揃えられる。このように、リバース型では、調光領域23での透明電極層26A,26B間の電圧が0Vであるとき、調光領域23は第1状態である。
【0048】
リバース型において、透明電極層26A,26B間の電圧が所定値以上であるとき、調光層25の液晶分子が、電圧が0Vのときとは異なる方向に向けられる。これにより、調光層25が可視光を透過しにくくなり、液晶分子による可視光の散乱等に起因して、調光領域23は濁って見える。このように、リバース型において、調光領域23での透明電極層26A,26B間の電圧が所定値以上であるとき、調光領域23は第2状態である。
【0049】
第1状態の調光領域23は、透明である。すなわち、第1状態の調光領域23は、調光領域23を介して物体の視覚認識が可能な光透過率を持つ。第2状態の調光領域23は、不透明である。すなわち、第2状態の調光領域23は、調光領域23を介して物体の視覚認識が不能な光透過率を持つ。なお、調光領域23が透明であるとは、調光領域23の光透過率、すなわち平行光線透過率が80%以上であること、および、調光領域23のヘイズが10%未満であることの少なくとも一方が満たされていることを指す。また、調光領域23が不透明であるとは、調光領域23の平行光線透過率が5%以下であること、および、調光領域23のヘイズが95%以上であることの少なくとも一方が満たされていることを指す。
【0050】
制御部22は、各調光領域23に印加する電圧の生成回路を含む電圧生成部と、検知部30からの信号に応じて、各調光領域23の第1状態と第2状態との切り替えを指示する切替部とを備える。電圧生成部から各調光領域23へ、切替部からの指示に従った電圧信号が入力される。
【0051】
制御部22の切替部は、例えば、CPU、RAM、ROMなどのコンピュータに用いられるハードウェア要素、および、ソフトウェアを備えてもよい。切替部は、各種の処理を全てソフトウェアで処理するものに限らない。例えば、切替部は、各種の処理のうちの少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェアである特定用途向け集積回路(ASIC)を備えてもよい。切替部は、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、コンピュータプログラムであるソフトウェアに従って動作する1つ以上のプロセッサであるマイクロコンピュータ、あるいは、これらの組み合わせ、を含む回路を備えてもよい。
【0052】
なお、制御部22の切替部は、調光領域23と検知対象領域Dsとの対応付けを管理するデータを記憶している。当該データに基づき、切替部は、検知対象領域Dsに対応付けられている調光領域23を特定する。例えば、検知対象領域Dsごとに人感センサが設けられている場合には、人感センサの識別情報と調光領域23の識別情報とが対応付けられることにより、検知対象領域Dsと調光領域23とが対応付けられてもよい。要は、切替部が、検知部30の出力に基づき、当該出力が示す利用者の存在領域に最も近い調光領域23を特定可能であればよい。
【0053】
制御部22の切替部は、各調光領域23に対し、以下の制御を行う。すなわち、切替部は、検知部30が利用者の存在を検知したとき、利用者の存在が検知された検知対象領域Dsに対応付けられている調光領域23を第1状態から第2状態へ切り替える。切替部は、検知対象領域Dsにおける利用者の存在が検知部30に検知され続けている間、当該検知対象領域Dsに対応付けられている調光領域23を第2状態に保つ。切替部は、検知対象領域Dsにおける利用者の存在が検知部30によって検知されなくなったとき、当該検知対象領域Dsに対応付けられている調光領域23を第2状態から第1状態へ切り替える。なお、第2状態から第1状態への切り替えは、検知対象領域Dsにおける利用者の存在が検知されなくなってから所定時間経過後に行われてもよい。
【0054】
[喫煙施設の動作]
図5および図6を参照して、喫煙施設100の動作を説明する。
図5が示すように、喫煙施設100が無人であるとき、調光シート21の各調光領域23は、第1状態である。すなわち、各調光領域23は透明である。したがって、喫煙施設100の外部から、透明部12および調光シート21を通して、喫煙施設100の内部が見える。それゆえ、無人時における喫煙施設100内の異常の有無を外部から容易に確認することができる。例えば、無人時に喫煙施設100内で火や煙が発生した場合にも、それが外部から早期に発見されやすい。
【0055】
一方、喫煙施設100内に利用者Psが入ると、検知部30によって、利用者Psの存在が検知される。そして、利用者Psの存在が検知された検知対象領域Dsに対応付けられている調光領域23が、第1状態から第2状態に切り替えられる。すなわち、利用者Psの存在が検知された検知対象領域Dsに最も近い調光領域23が第2状態になる。
【0056】
これにより、図6が示すように、利用者Psが位置する領域に重なる調光領域23が不透明になる。したがって、喫煙施設100の外部から見ると、利用者Psの手前に位置する調光領域23に遮られて、喫煙施設100の内部が見えにくくなる。すなわち、喫煙施設100の外部の人に、利用者Psの様子が把握されにくい。それゆえ、喫煙者である利用者Psのプライバシーの保護が可能である。
【0057】
喫煙施設100内に複数の利用者Psがいる場合には、各利用者Psが位置する検知対象領域Dsで利用者Psの存在が検知されることに基づき、これらの検知対象領域Dsに対応付けられている調光領域23が第2状態に切り替えられる。これにより、複数の調光領域23が第2状態となる。
【0058】
喫煙施設100が有人であっても、利用者Psが位置しない領域に対応する部分では、調光領域23は第1状態である。したがって、第1状態の調光領域23と第2状態の調光領域23との比率によって、喫煙施設100内の混雑の程度を、外部から容易に把握できる。
【0059】
また、透明部12のなかの上部および下部の少なくとも一方に調光シート21が取り付けられていない形態であれば、調光領域23が第2状態であるときにも透明部12の上部や下部の調光シート21が取り付けられていない部分から、喫煙施設100の内部が見える。そのため、例えば、喫煙施設100が、透明部12から奥に向かって広い領域を有する場合に、利用者Psの様子は調光領域23によって隠されつつも、透明部12から奥に向けての混雑の程度が、外部から容易に把握できる。
【0060】
また、透明部12の上部や下部から喫煙施設100の内部が視認可能であることにより、第2状態である調光領域23の背後に位置する利用者Psが喫煙とは明らかに異なる動作をした場合にも、それが外部から気が付かれやすい。そのため、喫煙施設100が喫煙とは異なる目的で利用されることを抑えることができる。
【0061】
なお、喫煙施設100の内部では、利用者Psごとの喫煙のためのスペースが規定されていなくてもよく、すなわち、利用者Psは任意の位置で喫煙可能であってもよい。例えば、利用者Psが隣り合う2つの検知対象領域Dsに跨って位置する場合には、これら2つの検知対象領域Dsにて利用者Psの存在が検知されることに基づき、これら2つの検知対象領域Dsの各々に対応付けられている調光領域23が第2状態に切り替えられる。その結果、隣り合う2つの調光領域23が第2状態となる。
【0062】
また、調光領域23は、横方向に、複数人が並んで喫煙することが可能な幅を有していてもよい。1つの検知対象領域Dsに存在する利用者Psの数やその増減に関わらず、検知対象領域Dsにて利用者Psの存在が検知されている間、当該検知対象領域Dsに対応付けられている調光領域23は第2状態とされる。
【0063】
以上、本実施形態の喫煙施設100によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)検知部30によって利用者Psの存在が検知されたとき、制御部22が、第1状態の調光領域23を第2状態に切り替える。そのため、喫煙施設100の内部に利用者Psがいる場合には、不透明な調光領域23に遮られて、外部から利用者Psの様子が把握されにくい。それゆえ、喫煙者である利用者Psのプライバシーの保護が可能である。一方で、喫煙施設100が無人の場合には、透明な調光領域23を通して、外部から喫煙施設100の内部を視認可能であるため、喫煙施設100内の異常が外部から発見されやすい。
【0064】
(2)制御部22が、複数の調光領域23における第1状態と第2状態との切り替えを調光領域23ごとに制御し、検知部30によって利用者Psの存在が検知されたとき、利用者Psの存在が検知された検知対象領域Dsに最も近い調光領域23を第2状態に切り替える。これにより、利用者Psの位置に合わせて調光領域23が第2状態に切り替えられるため、利用者Psのプライバシーが的確に保護される。また、第1状態の調光領域23と第2状態の調光領域23との比率によって、喫煙施設100内の混雑の程度が、外部から容易に把握できる。
(3)検知部30が人感センサを含むことにより、喫煙施設100内における利用者Psの存在が的確に検知可能である。
【0065】
[変形例]
上記実施形態は、以下のように変更して実施することが可能である。また以下の変形例は任意に組み合わせて実施することができる。
【0066】
・喫煙施設100内での透明部12と利用者との間の距離に応じて、第2状態に切り替えられる調光領域23が変更されてもよい。透明部12に利用者が近接している場合には、喫煙施設100の外部における透明部12に沿った領域のなかで、外部の観察者の視野に利用者が入る領域は狭く、この領域に面する透明部12の横方向の範囲も狭い。これに対し、透明部12から利用者が離れるほど、上記範囲は広くなる。したがって、例えば、透明部12に利用者が近接している場合には、利用者の位置の正面の調光領域23、すなわち、利用者に最も近い調光領域23のみが第2状態に切り替えられ、透明部12から利用者が離れるほど、利用者に最も近い調光領域23から左右に向けて、第2状態に切り替えられる調光領域23が増やされてもよい。
【0067】
例えば、透明部12から喫煙施設100の奥に向けて並ぶ第1の検知対象領域Dsと第2の検知対象領域Dsとが設定される。すなわち、第2の検知対象領域Dsは、第1の検知対象領域Dsよりも透明部12から離れている。そして、第1の検知対象領域Dsと第1の検知対象領域Dsに最も近い第1の調光領域23とが対応付けられる。さらに、第2の検知対象領域Dsと第1の調光領域23および第1の調光領域23の左右に位置する2つの第2の調光領域23とが対応付けられる。制御部22は、第1の検知対象領域Dsで利用者の存在が検知されると、第1の調光領域23を第2状態に切り替え、また、第2の検知対象領域Dsで利用者の存在が検知されると、第1の調光領域23と2つの第2の調光領域23とを第2状態に切り替える。したがって、利用者が透明部12から離れるほど、広い範囲で調光領域23が第2状態となるため、喫煙施設100の外部から利用者が見られることが的確に抑えられる。
【0068】
・喫煙施設100は、喫煙施設100内での異常を検知する異常検知センサを備え、異常検知センサによって異常が検知された場合には、すべての調光領域23が第1状態とされてもよい。異常は、例えば、火あるいは煙の発生である。すなわち、制御部22は、異常検知センサから、異常の発生を通知する信号を受けたとき、利用者の存在が検知されている検知対象領域Dsに対応付けられている調光領域23を第2状態から第1状態に切り替える。これにより、制御部22は、すべての調光領域23を第1状態に制御する。こうした構成によれば、喫煙施設100が有人の場合にも、喫煙施設100の外部から異常の発生が認識されやすい。また、喫煙施設100の内部の利用者が異常に気づきにくい位置にいる場合であっても、利用者の付近の調光領域23の透明性が変化することにより、何らかの異変が生じていることを利用者が認識しやすい。
【0069】
・制御部22が、喫煙施設100の外部のシステムに接続され、当該システムから、喫煙施設100付近での異常の発生の通知を制御部22が受けたとき、すべての調光領域23が第1状態とされてもよい。異常は、例えば、喫煙施設100が設置されている建物内での火災の発生や、地震の発生である。すなわち、制御部22は、上記異常の発生の通知を受けたとき、利用者の存在が検知されている検知対象領域Dsに対応付けられている調光領域23を第2状態から第1状態に切り替える。これにより、制御部22は、すべての調光領域23を第1状態に制御する。こうした構成によれば、異常の発生時には、調光領域23が透明になるため、利用者が、喫煙施設100の内部から外部の状況を確認しやすくなる。それゆえ、利用者が避難等の適切な対応を選択しやすくなる。
【0070】
・喫煙施設100は、喫煙施設100内での異常を検知する異常検知センサを備え、制御部22は、検知対象領域Dsにて利用者の存在が検知されなくなった後、異常検知センサから、異常の発生を通知する信号を受けたとき、調光領域23を第2状態から第1状態に切り替えてもよい。異常は、例えば、火あるいは煙の発生である。すなわち、利用者が喫煙施設100から出た後も、調光領域23は第2状態のまま保たれ、喫煙施設100内での異常が発生した場合に、調光領域23が第1状態に切り替えられる。こうした構成によっても、無人時における喫煙施設100内の異常が外部から発見されやすくなる。
【0071】
・上記実施形態では、喫煙施設100内を複数の検知対象領域Dsに仮想的に区分けして検知対象領域Dsと調光領域23とを対応付けることにより、利用者の検知結果から制御部22が光透過率の切替対象の調光領域23を特定した。これに限らず、制御部22は、利用者に最も近い調光領域23を光透過率の切替対象として特定可能なように、喫煙施設100内の位置と調光領域23の位置とを管理していればよい。
【0072】
・調光シート21は、単一の調光領域23を有し、喫煙施設100内のいずれかの位置に利用者の存在が検知された場合に、第1状態の調光領域23が第2状態に切り替えられてもよい。すなわち、喫煙施設100内の利用者の数や位置に関わらず、喫煙施設100内に利用者が存在する場合に、調光シート21の全体が第2状態となる。こうした構成によっても上記(1)の効果は得られる。
【0073】
なお、調光シート21が単一の調光領域23を有する場合には、上記実施形態のように第1状態と第2状態との調光領域23の比率によって外部から喫煙施設100内の混雑の程度を把握することはできない。これに対し、透明部12の上部や下部に調光シート21が配置されていないことによって、調光シート21が単一の調光領域23を有する場合でも、調光領域23が第2状態であるときに外部から混雑の程度を把握できる。
【0074】
・検知部30は、人感センサに代えて、利用者が携帯するICカード等の媒体から、媒体が記憶している情報を読み取ることで、喫煙施設100内における利用者の有無を検知してもよい。媒体は、媒体の所有者が、喫煙施設100の利用を許可された人物であることを示すID等の認証情報を記憶している。媒体は、例えば、喫煙施設100が設置されている建物の利用者として登録されている人物のIDカード、喫煙施設100を管理する団体の会員証、taspo(登録商標)カード等である。検知部30は、喫煙施設100の入口付近に設置され、利用者は、喫煙施設100への入室時および退室時には、媒体の認証情報を検知部30に読み取らせる。認証情報が、制御部22もしくは外部の装置に予め記憶されている情報と合致した場合に、利用者の喫煙施設100への出入りが許可される。
【0075】
そして、利用者の入室に際して検知部30によって認証情報が読み取られることが、喫煙施設100内における利用者の存在の検知として機能する。認証情報が一旦読み取られてから、利用者の退室に際して検知部30によって認証情報が再度読み取られるまで、利用者の存在が検知されている状態が継続する。制御部22は、喫煙施設100が無人の状態から、利用者の存在が検知されると、すべての調光領域23を第1状態から第2状態に切り替える。そして、制御部22は、1人以上の利用者の存在が検知されている間、調光領域23を第2状態に保つ。こうした構成によっても、上記(1)の効果は得られる。
【0076】
・喫煙施設100は、投影機を備え、喫煙施設100内における利用者の存在が検知されている間、第2状態である調光領域23をスクリーンとして、投影機から調光領域23に画像が投影されてもよい。投影される画像は、例えば、利用者に対する各種の案内、広告、ニュース等のコンテンツである。
【0077】
・透明部12は、縦方向の全体に渡って調光シート21が取り付けられていない部分を有していてもよい。例えば、透明部12のなかで、喫煙施設100の外部の人が通る領域に面していない部分であって、特に海や高層からの眺望等の景観に面している部分には、調光シート21が取り付けられていなくてもよい。こうした構成によれば、喫煙施設100の利用者は、喫煙中においても、調光領域23に遮られることなく、透明部12を通して景観を楽しむことができる。
【0078】
・印加電圧に応じて光透過率が可変であれば、調光シート21の層構成は、上記実施形態とは異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
Ds…検知対象領域
Ps…利用者
10…区画部材
11…側壁部
12…透明部
20…調光装置
21…調光シート
22…制御部
23…調光領域
25…調光層
26A,26B…透明電極層
27A,27B…透明支持層
28A,28B…配向層
29A,29B…端子部
30…検知部
100…喫煙施設
図1
図2
図3
図4
図5
図6