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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】発光装置、露光装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/447 20060101AFI20241126BHJP
   B41J 2/45 20060101ALI20241126BHJP
   H04N 1/036 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
B41J2/447 101A
B41J2/447 101P
B41J2/45
H04N1/036
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020160192
(22)【出願日】2020-09-24
(65)【公開番号】P2022053385
(43)【公開日】2022-04-05
【審査請求日】2023-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】粕谷 洋介
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 旭彦
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-001567(JP,A)
【文献】国際公開第2002/092349(WO,A1)
【文献】特開2015-226992(JP,A)
【文献】特開2012-066499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/385 - 2/415
B41J 2/43 - 2/465
H04N 1/024 - 1/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延びる樹脂製の筐体に、前記一方向と交差する発光方向に発光する発光素子が保持されている発光部と、
前記一方向に延びており、熱による前記筐体の変形を抑制する抑制部材であって、線膨張率が前記筐体とは異なる抑制部材と、
前記発光方向における前記筐体若しくは前記発光部の中立軸、又は前記抑制部材の中立軸と、前記発光方向で重なる位置で、前記筐体と前記抑制部材とを前記一方向に離間している複数個所で又は前記一方向に延びる態様で、前記筐体又は前記抑制部材のいずれか一方に形成された貫通孔を介して前記一方と残りの他方とを固定する固定部と、
を備える発光装置。
【請求項2】
前記固定部は、前記筐体若しくは前記発光部の中立軸と前記発光方向で重なっている、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
一方向に延びる樹脂製の筐体に、前記一方向と交差する発光方向に発光する発光素子が保持されている発光部と、
前記一方向に延びており、熱による前記筐体の変形を抑制する抑制部材であって、線膨張率が前記筐体とは異なる抑制部材と、
前記発光方向における前記筐体若しくは前記発光部の中立軸、又は前記抑制部材の中立軸と、前記発光方向で重なる位置で、前記筐体と前記抑制部材とを前記一方向に離間している複数個所で又は前記一方向に延びる態様で固定する固定部であって、前記筐体若しくは前記発光部の中立軸と、前記抑制部材の中立軸と、の両者と前記発光方向で重なっている前記固定部と、
を備える発光装置。
【請求項4】
前記抑制部材は、前記一方向から見て、幅が前記筐体の幅よりも大きい、請求項1~3の何れか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記抑制部材は、前記発光方向に開口している開口部を有し、
前記筐体は、少なくとも一部が前記抑制部材の内側に配置され、
前記固定部は、前記開口部の縁部に対して前記発光方向とは反対側に配置されている、請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の発光装置と、
前記筐体に固定されて前記発光部を構成する光学部材であって、前記発光装置が発光した光を露光対象上に露光させる光学部材と、
を備える露光装置。
【請求項7】
像保持体と、
帯電した像保持体上に光を結像させて静電潜像を形成する請求項6に記載の露光装置と、
前記像保持体の静電潜像を現像して画像を形成する現像装置と、
を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、露光装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一方向に延びる板状の本体部と、前記本体部の一方の面に実装されている複数の発光素子と、前記本体部の他方の面に実装され、前記発光素子の発光動作にともない発熱する発熱素子とを有する基板と、前記一方向に延び、貫通孔が形成される枠状であって、前記基板の板厚方向が前記貫通孔の貫通方向となるように前記基板が前記貫通孔の内部に固定されている樹脂製の筐体と、前記一方向に延び、前記貫通孔に嵌め込まれており、前記筐体の熱変形を抑制する抑制部材と、を備える露光装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-001567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、筐体と抑制部材とを固定する固定部が発光方向における筐体若しくは発光部又は抑制部材の中立軸の何れからも離間している構成と比して、熱による筐体の発光方向における変形を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様に係る発光装置は、一方向に延びる樹脂製の筐体に、前記一方向と交差する発光方向に発光する発光素子が保持されている発光部と、前記一方向に延びており、熱による前記筐体の変形を抑制する抑制部材であって、線膨張率が前記筐体とは異なる抑制部材と、前記発光方向における前記筐体若しくは前記発光部の中立軸、又は前記抑制部材の中立軸と、前記発光方向で重なる位置で、前記筐体と前記抑制部材とを前記一方向に離間している複数個所で又は前記一方向に延びる態様で固定する固定部と、を備える。
【0006】
第2態様に係る発光装置は、第1態様に記載の発光装置において、前記固定部は、前記筐体若しくは前記発光部の中立軸と前記発光方向で重なっている。
【0007】
第3態様に係る発光装置は、第2態様に記載の発光装置において、前記固定部は、前記筐体若しくは前記発光部の中立軸と、前記抑制部材の中立軸と、の両者と前記発光方向で重なっている。
【0008】
第4態様に係る発光装置は、第1態様~第3態様の何れか一態様に記載の発光装置において、前記抑制部材は、前記一方向から見て、幅が前記筐体の幅よりも大きい。
【0009】
第5態様に係る発光装置は、第4態様に記載の発光装置において、前記抑制部材は、前記発光方向に開口している開口部を有し、前記筐体は、少なくとも一部が前記抑制部材の内側に配置され、前記固定部は、前記開口部の縁部に対して前記発光方向とは反対側に配置されている。
【0010】
第6態様に係る露光装置は、第1態様~第5態様の何れか一態様に記載の発光装置と、前記筐体に固定されて前記発光部を構成する光学部材であって、前記発光装置が発光した光を露光対象上に露光させる光学部材と、を備える。
【0011】
第7態様に係る画像形成装置は、像保持体と、帯電した像保持体上に光を結像させて静電潜像を形成する第6態様に記載の露光装置と、前記像保持体の静電潜像を現像して画像を形成する現像装置と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
第1態様に係る発光装置によれば、筐体と抑制部材とを固定する固定部が発光方向における筐体若しくは発光部又は抑制部材の中立軸の何れからも装置上下方向で離間している構成と比して、熱による筐体の発光方向における変形が抑制される。
【0013】
第2態様に係る発光装置によれば、筐体と抑制部材とを固定する固定部が発光方向における抑制部材の中立軸のみと装置上下方向で重なっている構成と比して、熱による筐体の発光方向における変形が抑制される。
【0014】
第3態様に係る発光装置によれば、筐体と抑制部材とを固定する固定部が発光方向における筐体若しくは発光部の中立軸のみと装置上下方向で重なっている構成と比して、熱による筐体の発光方向における変形が抑制される。
【0015】
第4態様に係る発光装置によれば、一方向から見て、抑制部材の幅が筐体の幅よりも小さい構成と比して、筐体の撓みが抑制される。
【0016】
第5態様に係る発光装置によれば、筐体と抑制部材とを固定する固定部が開口部の縁部にのみ配置されている構成と比して、熱による筐体の発光方向における変形が抑制される。
【0017】
第6態様に係る露光装置によれば、筐体と抑制部材とを固定する固定部が発光方向における筐体若しくは発光部又は抑制部材の中立軸の何れからも装置上下方向で離間している構成と比して、露光不良が抑制される。
【0018】
第7態様に係る画像形成装置によれば、筐体と抑制部材とを固定する固定部が発光方向における筐体若しくは発光部又は抑制部材の中立軸の何れからも装置上下方向で離間している構成と比して、画像形成不良が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る露光装置の側面図である。
図2図1のC-C断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る露光装置の分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に対する比較形態に係る露光装置の正面断面図である。
図5】本発明の実施形態の変形例に係る露光装置の正面断面図である。
図6】本発明の実施形態の変形例に係る露光装置の正面断面図である。
図7】本発明の実施形態の変形例に係る露光装置の正面断面図である。
図8】本発明の実施形態の変形例に係る露光装置の正面断面図である。
図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に係る発光装置、露光装置及び画像形成装置の一例について図1図9に従って説明する。
【0021】
なお、以下に示す説明では、画像形成装置10をユーザ(図示省略)が立つ側から正面視して、装置上下方向(高さ方向)、装置幅方向(水平方向)、装置奥行方向(水平方向)をそれぞれ、H方向、W方向、D方向と記載する。また、装置上下方向、装置幅方向、装置奥行方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、上側を+H側、下側を-H側、右側を+W側、左側を-W側、奥側を-D側、手前側を+D側と記載する。
【0022】
(画像形成装置10)
本実施形態に係る画像形成装置10は、記録媒体としてのシート部材Pにトナー画像を形成して定着させる電子写真方式の画像形成装置である。画像形成装置10は、図9に示されるように、装置本体としての筐体10Aと、収容部26と、搬送部16と、画像形成部20と、を備える。収容部26は、シート部材Pを収容する機能を有する。搬送部16は、収容部26に収容されているシート部材Pを画像形成部20側に搬送する機能を有する。
【0023】
画像形成部20は、感光体ユニット18Y、18M、18C、18Kと、転写ユニット14と、定着ユニット48と、を有している。なお、符号の末尾の「Y」はイエロー用、「M」はマゼンタ用、「C」はシアン用、「K」は黒(ブラック)用であることを示している。
【0024】
感光体ユニット18Y、18M、18C、18Kは、画像形成装置10の正面から見て並んだ状態で筐体10Aの内側に配置されている。感光体ユニット18Y、18M、18C、18Kは、使用するトナー(図示省略)を除いて同様の構成とされている。このため、感光体ユニットの構成を表す符号は、感光体ユニット18Kに対して付与し、感光体ユニット18Y、18M、18Cについては省略する。また、感光体ユニット18Y、18M、18C、18Kを特に区別しない場合は、末尾のアルファベットを省略して記載する。
【0025】
感光体ユニット18は、感光体ドラム36と、帯電装置38と、露光装置50と、現像装置40と、を備える。感光体ドラム36は、画像形成装置10を正面視する方向を軸方向として回転可能に設けられ、図示しないモータによって画像形成装置10の正面から見て反時計回りに回転する。また、感光体ドラム36は、外周面に静電潜像を保持する機能を有する。感光体ドラム36は、像保持体の一例である。帯電装置38は、感光体ドラム36の外周面を予め定められた電位に帯電させる機能を有する。露光装置50は、感光体ドラム36に対して予め定められた距離だけ離間している位置に配置されている。露光装置50は、帯電した感光体ドラム36上に光を結像させて静電潜像を形成する機能を有する。現像装置40は、感光体ドラム36上に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤(図示省略)を用いて現像して、トナー画像を形成する機能を有する。なお、露光装置50については詳細を後述する。
【0026】
また、感光体ユニット18は、図1に示されるように、露光装置50の後述する上面部68と接触し、露光装置50の感光体ドラム36に対する位置を位置決めする位置決め部材90をさらに備える。また、感光体ユニット18は、露光装置50の上面部68が位置決め部材90と接触するように露光装置50を付勢する付勢手段94をさらに備える。
【0027】
転写ユニット14は、中間転写ベルト22と、複数の一次転写ローラ44と、駆動ローラ32と、二次転写ローラ34と、対向ローラ46と、を含んで構成されている。中間転写ベルト22は、内周面を一次転写ローラ44と、駆動ローラ32と、二次転写ローラ34と、に支持されている無端ベルトであり、駆動ローラ32によって画像形成装置10の正面から見て時計回りに周回する。
【0028】
転写ユニット14は、感光体ユニット18Y、18M、18C、18Kで形成されたトナー画像を、中間転写ベルト22を介して搬送部16から搬送されたシート部材Pに転写し、定着ユニット48に搬送する機能を有する。
【0029】
定着ユニット48は、転写ユニット14でシート部材Pに転写されたトナー画像をシート部材Pに定着させ、シート部材Pを装置外に排出する機能を有する。
【0030】
{露光装置50}
次に、露光装置50について説明する。
【0031】
露光装置50は、図1図3に示されるように、発光装置50aと、おもり54と、を備える。発光装置50aは、発光部50bと、抑制部材80と、接着剤70と、を備える。発光部50bは、筐体60と、発光基板56と、レンズアレイ52と、を備える。露光装置50の説明にあたっては、筐体60、発光基板56、レンズアレイ52、抑制部材80、接着剤70、おもり54の順に説明する。
【0032】
[筐体60]
筐体60は、図1及び図3に示されるように、装置奥行方向に延びており、装置奥行方向及び装置幅方向に沿う上面部68及び下面部60bを有する、樹脂製の部材である。筐体60は、装置奥行方向及び装置上下方向に沿う側面部60aを有する。筐体60には、図2に示されるように、筐体60の上面部68で矩形状に陥没していて、装置奥行方向及び装置幅方向に沿う底面62aを有する上側凹部62が形成されている。また、筐体60には、筐体60の下面部60bで矩形状に陥没していて、装置奥行方向及び装置幅方向に沿う底面64aを有する下側凹部64が形成されている。さらに、筐体60には、装置上下方向において、上側凹部62の底面62aと、下側凹部64の底面64aとの間を貫通している貫通孔66が形成されている。
【0033】
筐体60の上面部68は、図1に示されるように、装置奥行方向の両端側の一部が感光体ユニット18の位置決め部材90と接触する。筐体60は、上面部68が感光体ユニット18の位置決め部材90と接触することで、露光装置50の感光体ドラム36に対する装置上下方向の位置が位置決めされる。
【0034】
筐体60の下面部60bは、装置奥行方向における両端側の一部が後述する抑制部材80の端部86と接触する。また、筐体60の下面部60bは、筐体60の上面部68を感光体ユニット18の位置決め部材90に接触させるように端部86を介して筐体60を付勢する付勢手段94の付勢力を受ける部位である。
【0035】
図2に示される符号K1は、筐体60の装置上下方向における中立軸である。中立軸K1は、筐体60において、筐体60に付与された装置幅方向まわりの曲げモーメントに起因する引張応力及び圧縮応力が発生しない仮想面である中立面を、装置奥行方向から見たときの仮想線として定義される。
【0036】
[発光基板56]
発光基板56は、図3に示されるように、基板本体56aと、LEDアレイ56bと、を備える。
【0037】
基板本体56aは、装置上下方向を厚み方向として装置奥行方向に延びている矩形状の板材である。基板本体56aの装置奥行方向及び装置幅方向の長さは、筐体60の下側凹部64の装置奥行方向及び装置幅方向の長さよりも短くて貫通孔66の装置奥行方向及び装置幅方向の長さよりも長い。また、基板本体56aの装置上下方向の厚みは、下側凹部64の装置上下方向の深さよりも小さい。基板本体56aは、図2に示されるように、貫通孔66を下方から覆うように下側凹部64の底面64aと接触している状態で、接着剤等によって筐体60に固定されている。
【0038】
LEDアレイ56bは、図3に示されるように、基板本体56aの上面に、装置奥行方向に沿って千鳥状に配置されて実装され、上方に向けて発光する複数のLEDである。換言すると、LEDアレイ56bの発光方向は、上方である。すなわち、LEDアレイ56bを備える発光基板56及び筐体60を含んで構成される発光部50bは、上方に向けて発行する。ここで、LEDは、発光ダイオード(Light Emitting Diode)のことを示す。LEDは、発光素子の一例である。発光基板56は、LEDアレイ56bの発光(照射)に伴って発熱する。
【0039】
<レンズアレイ52>
レンズアレイ52は、図2に示されるように、装置奥行方向に延びている直方体状の部材である。具体的には、レンズアレイ52は、装置上下方向を光軸とする複数のロッドレンズ(円柱形状のレンズ)を、装置奥行方向に千鳥状に並べて2枚の板部材で挟み、接着剤等で接着することにより構成されている。レンズアレイ52の装置奥行方向の長さは、筐体60の上側凹部62の装置奥行方向の長さよりも短くて貫通孔66の装置奥行方向の長さよりも長い。また、レンズアレイ52の装置上下方向の高さは、上側凹部62の装置上下方向の深さよりも高い。レンズアレイ52は、図3及び図4に示されるように、装置奥行方向から見てレンズアレイ52の上面部を含む一部が上側凹部62から突出し、且つレンズアレイ52の下面部が貫通孔66を上方から覆うように上側凹部62に配置されている。この状態で、レンズアレイ52は接着剤等によって筐体60に固定されている。また、上側凹部62とレンズアレイ52との間の隙間には、レンズアレイ52の全周に亘って封止剤58が充填されている。
【0040】
レンズアレイ52は、LEDアレイ56bの各LEDがレンズアレイ52の各ロッドレンズに対して予め定められた位置で対向するように配置されている。また、レンズアレイ52は、筐体60の上面部68が感光体ユニット18の位置決め部材90に接触しているとき、レンズアレイ52の上面部が感光体ドラム36に対して予め定められた位置で対向するよう配置されている。これにより、露光装置50は、LEDアレイ56bから発光されてレンズアレイ52を透過した光を、感光体ドラム36表面の、予め定められた狙いの位置で結像(露光)させることができる。レンズアレイ52は、光学部材の一例である。また、感光体ドラム36は、露光対象の一例である。露光装置50は、LEDアレイ56bから発光された光を帯電した感光体ドラム36上に結像させることで、感光体ドラム36上に静電潜像を形成する機能を有する。
【0041】
<抑制部材80>
抑制部材80は、図3に示されるように、板金で形成された、装置奥行方向に延びる部材である。抑制部材80の線膨張率は、筐体60の線膨張率よりも大きい。すなわち、抑制部材80の線膨張率は、筐体60の線膨張率とは異なる。抑制部材80は、図1図3に示されるように、筐体60の下側凹部64を下方から覆うように筐体60に固定されている。抑制部材80は、本体部82と、折り曲げ部84と、端部86と、を有する。
【0042】
本体部82は、図2及び図3に示されるように、装置奥行方向から見て上方に開口しているU字状の断面を有し、装置奥行方向に延びる部位である。本体部82のU字状断面における一対の側壁及び底部は夫々、側壁82a及び底部82bという。また、2つの側壁82aの上縁に挟まれている部位は、開口部82cという。抑制部材80は、図1及び図2に示されるように、本体部82の底部82bが筐体60の下面から離間して且つ一対の側壁82aが筐体60の側面部60aを挟むように配置されている。すなわち、抑制部材80は、装置幅方向から見た幅が筐体60の幅よりも大きい。また、別言すると、筐体60の一部は、抑制部材80の内側に配置されている。また、抑制部材80は、開口部82cの縁部(側壁82aの上縁)が筐体60の中立軸K1よりも上方に位置するように配置されている。なお、筐体60は、全体が抑制部材80の内側に配置されていてもよい。
【0043】
一対の側壁82aには、図1及び図2に示されるように、筐体60の中立軸K1及び抑制部材80の中立軸Y1(詳細は後述)と装置上下方向で重なる位置に、側壁82aを板厚方向に貫通しており装置奥行方向に沿って並ぶ複数の貫通孔82dが形成されている。抑制部材80は、筐体60の側面部60aを挟む一対の側壁82aの貫通孔82dに注入されて硬化した接着剤70(詳細は後述)によって、筐体60に固定されている。
【0044】
折り曲げ部84は、底部82bの装置奥行方向の両端部に配置されており、装置幅方向から見て装置上下方向及び装置奥行方向に延びるL字状の断面を有する、装置奥行方向から見て矩形状の部位である。折り曲げ部84は、装置上下方向に立つ脚部84aと、脚部84aの下端から装置奥行方向に延びる底部84bと、を有する。折り曲げ部84の底部84bは、本体部82の底部82bと繋がっている。換言すると、2つの折り曲げ部84は、装置奥行方向において本体部82を挟むように配置されている。また、折り曲げ部84の脚部84aは、筐体60の下面から離間している。
【0045】
端部86は、脚部84aの上端から装置奥行方向及び装置幅方向に沿う方向で本体部82とは反対側に拡がるように形成された、装置上下方向から見て矩形状の部位である。抑制部材80は、夫々の端部86の上面が筐体60の下面部60bと接触している状態で筐体60に固定されている。また、夫々の端部86は、装置幅方向から見て筐体60の夫々の上面部68と装置上下方向で重なっている。
【0046】
抑制部材80は、本体部82が筐体60の側面部60aを挟むようにして筐体60に固定されていることで、筐体60単体と比して、装置奥行方向に延びる筐体60を装置上下方向に曲がりにくくさせる機能を有する。すなわち、抑制部材80は、筐体60の変形を抑制する機能を有する。
【0047】
図2に示される符号Y1は、抑制部材80の装置上下方向における中立軸である。中立軸Y1は、抑制部材80において、抑制部材80に付与された装置幅方向まわりの曲げモーメントに起因する引張応力及び圧縮応力が発生しない仮想面である中立面を、装置奥行方向から見たときの仮想線として定義される。
【0048】
<接着剤70>
接着剤70は、抑制部材80の側壁82aに装置奥行方向に沿って並んで形成された複数の貫通孔82dに注入されている。本実施形態における接着剤70は、複数の貫通孔82dに注入されて硬化することで、筐体60と抑制部材80とを固定している。すなわち、本実施形態における接着剤70は、装置奥行方向に離間している複数個所の様態で筐体60と抑制部材80とを固定している。接着剤70は、固定部の一例である。また、本実施形態における接着剤70は、装置上下方向における筐体60の中立軸K1と、抑制部材80の中立軸Y1と、の両者と装置上下方向で重なっている。また、別言すると、本実施形態における接着剤70は、抑制部材80の開口部82cの縁部に対して下方に配置されている。すなわち、本実施形態における接着剤70は、抑制部材80の開口部82cの縁部に対して発光基板56の発光方向とは反対側に配置されている。
【0049】
おもり54は、図1及び図2に示されるように、装置奥行方向に延びる直方体状とされ、抑制部材80の底部82bの、筐体60とは反対側の板面に固定されている部材である。おもり54は、露光装置50に備えられていることで、おもり54を備えない場合と比して、露光装置50の固有振動数を低下させる機能を有する。これにより、露光装置50の固有振動数は、画像形成装置10の内側で発生する振動の周波数に対してずれているものとなる。
【0050】
{位置決め部材90}
位置決め部材90は、画像形成装置10の図示しないフレームに設けられ、筐体60の上面部68よりも上方に夫々配置されている部材である。位置決め部材90は夫々、感光体ドラム36に対して装置上下方向において定められた位置に位置して下方を向く接触面92を有する。位置決め部材90は、筐体60の上面部68を接触面92に接触させることで、露光装置50の感光体ドラム36に対する装置上下方向における位置を位置決めする機能を有する。
【0051】
{付勢手段94}
付勢手段94は、画像形成装置10の図示しないフレームに設けられ、抑制部材80の夫々の端部86の下方に配置され、端部86を上方に付勢する、例えば圧縮コイルばねを含んで構成されている機構である。付勢手段94は、夫々の端部86の下面と接触する接触面96を有する。付勢手段94は、筐体60に固定されている抑制部材80の端部86と接触して端部86を上方に付勢することで、端部86を介して筐体60の下面部60bを付勢して上面部68を位置決め部材90の接触面92に接触させる機能を有する。換言すると、抑制部材80の端部86は、筐体60の下面部60bと付勢手段94との間に介在している。
【0052】
(作用及び効果)
次に、実施形態の作用及び効果について説明する。なお、この説明において、実施形態に対する比較形態を記載するときに、実施形態の画像形成装置10と同様の部品等を用いる場合、その部品等の符号及び名称をそのまま用いて説明する。
【0053】
実施形態の発光装置50aは、接着剤70が、装置上下方向における筐体60の中立軸K1、又は抑制部材80の中立軸Y1と重なる位置で筐体60と抑制部材80とを固定している構成を有する。実施形態の発光装置50aと、以下に示す比較形態の発光装置150aと、を比較する。
【0054】
比較形態の発光装置150aは、図4に示されるように、実施形態の発光装置50aにおける抑制部材80及び接着剤70に代わって、抑制部材180及び接着剤170を備えている。抑制部材180は、本体部182の側壁182aの上端部(開口部182cの縁部)が筐体60の中立軸K1よりも下方に位置するように配置されている。比較形態の抑制部材180は、抑制部材180の開口部182cの上縁及び筐体60の側面部60aに装置奥行方向に延びる様態で塗布されて硬化した接着剤170によって筐体60に固定されている。すなわち、比較形態の接着剤170は、筐体60の中立軸K1及び抑制部材80の中立軸YHの何れからも装置上下方向で離間している位置で筐体60と抑制部材180とを固定している。以上の点以外については、比較形態の発光装置150aは、実施形態の発光装置50aと同様の構成とされている。
【0055】
比較形態の発光装置150aの筐体60及び抑制部材180は、発光装置150aの発光に伴う熱によって熱変形する。特に、装置奥行方向に延びている筐体60及び抑制部材180は、装置奥行方向に膨張するように熱変形する。このとき、抑制部材180の線膨張率は筐体60の線膨張率とは異なるため、熱変形による装置奥行方向の変形量が夫々で異なる。具体的には、線膨張率が筐体60の線膨張率よりも大きい抑制部材180の変形量は、筐体60の変形量よりも大きい。熱変形による筐体60及び抑制部材180の装置奥行方向の変形量が異なると、接着剤170で固定されている筐体60及び抑制部材180は夫々、接着剤170まわりで該変形量の差異に起因する応力が発生する。
【0056】
比較形態において、接着剤170は筐体60の中立軸K1から装置上下方向で離間している。そのため、筐体60において、接着剤170まわりで発生した応力(抑制部材80から接着剤170を介して伝達される引張力)は、筐体60を装置幅方向まわりで下側を凸に撓ませるように作用する。また、接着剤170は抑制部材180の中立軸YHから装置上下方向で離間している。そのため、抑制部材180において、接着剤170まわりで発生した応力(筐体60から接着剤170を介して伝達される拘束力)は抑制部材180を装置幅方向まわりで下側を凸に撓ませるように作用する。このように、装置奥行方向に延びており接着剤170で抑制部材180と固定されている筐体60は、発光装置150aの発光に伴う熱によって装置上下方向に熱変形する。
【0057】
一方、実施形態の発光装置50aは、接着剤70が、装置上下方向における筐体60の中立軸K1と装置上下方向で重なる位置で筐体60と抑制部材80とを固定している構成を有する。そのため、実施形態の筐体60は、比較形態の筐体60よりも、接着剤70まわりで発生した応力によって撓みにくい。また、実施形態の発光装置50aは、接着剤70が、装置上下方向における抑制部材80の中立軸Y1と重なる位置で筐体60と抑制部材80とを固定している構成を有する。そのため、実施形態の抑制部材80は、比較形態の抑制部材180よりも、接着剤70まわりで発生した応力によって撓みにくい。よって、実施形態の発光装置50aは、筐体と抑制部材とを固定する接着剤が装置上下方向における筐体又は抑制部材の中立軸の何れからも離間している構成と比して、熱による筐体60の装置上下方向における変形が抑制される。
【0058】
また、実施形態の発光装置50aは、接着剤70が、装置上下方向における筐体60の中立軸K1と装置上下方向で重なっている構成を有する。よって、実施形態の発光装置50aは、筐体と抑制部材とを固定する接着剤が装置上下方向における抑制部材80の中立軸Y1のみと装置上下方向で重なっている構成と比して、熱による筐体60の装置上下方向における変形が抑制される。
【0059】
また、実施形態の発光装置50aは、接着剤70が、装置上下方向における筐体60の中立軸K1若しくは発光部50bの中立軸と、抑制部材の中立軸Y1と、の両者と装置上下方向で重なっている構成を有する。よって、実施形態の発光装置50aは、筐体と抑制部材とを固定する接着剤が装置上下方向における筐体の中立軸のみと装置上下方向で重なっている構成と比して、熱による筐体60の装置上下方向における変形が抑制される。
【0060】
また、実施形態の発光装置50aは、装置奥行方向から見て、抑制部材80の幅が筐体60の幅よりも大きい構成を有している。抑制部材80の装置奥行方向の幅が大きいと、筐体60の変形を抑制させる抑制部材80の機能が向上する。よって、実施形態の発光装置50aは、装置奥行方向から見て、抑制部材の幅が筐体60の幅よりも小さい構成と比して、筐体60の撓みが抑制される。
【0061】
また、実施形態の発光装置50aは、接着剤70が、抑制部材80の開口部82cの縁部に対して下側に配置されている構成を有している。すなわち、実施形態の発光装置50aは、接着剤が抑制部材80の開口部82cの縁部に対して上方にのみ配置されている構成と比して、抑制部材80の中立軸Y1に対する装置上下方向の離間距離が小さい。よって、実施形態の発光装置50aは、接着剤が抑制部材80の開口部82cの縁部にのみ配置されている構成と比して、熱による筐体60の装置上下方向における変形が抑制される。
【0062】
また、実施形態の発光装置50aを備える露光装置50は、筐体と抑制部材とを固定する接着剤が装置上下方向における筐体又は抑制部材の中立軸の何れからも装置上下方向で離間している構成と比して、露光不良が抑制される。
【0063】
また、実施形態の露光装置50を備える画像形成装置10は、筐体と抑制部材とを固定する接着剤が装置上下方向における筐体又は抑制部材の中立軸の何れからも装置上下方向で離間している構成と比して、画像形成不良が抑制される。
【0064】
以上のとおり、本発明の特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内にて種々の変形、変更、改良が可能である。
【0065】
例えば、実施形態の発光装置50aは、接着剤70が、装置上下方向における筐体60の中立軸K1と装置上下方向で重なっている構成とした。しかしながら、実施形態における接着剤70は、筐体60の中立軸K1に代わって、筐体60と、発光基板56と、レンズアレイ52と、を含んで構成される発光部50bの装置上下方向における中立軸と装置上下方向で重なっている構成を有していてもよい。発光部50bの装置上下方向における中立軸は、発光部50bにおいて、発光部50bに付与された装置幅方向まわりの曲げモーメントに起因する引張応力及び圧縮応力が発生しない仮想面である中立面を、装置奥行方向から見たときの仮想線として定義される。該構成を有する発光装置は、実施形態の発光装置50aと同様に作用する。すなわち、該構成を有する発光装置は、筐体と抑制部材とを固定する接着剤が装置上下方向における筐体若しくは発光部又は抑制部材の中立軸の何れからも離間している構成と比して、熱による筐体の装置上下方向における変形が抑制される。なお、本発明においては、筐体60及び発光基板56の組合せを発光部の一例として捉えてもよい。
【0066】
また、実施形態の発光装置50aは、接着剤70が、装置上下方向における筐体60の中立軸K1と、抑制部材80の中立軸Y1と、の両者と装置上下方向で重なっている構成とした。しかしながら、本発明に係る発光装置は、筐体と抑制部材とを固定する接着剤が、装置上下方向における筐体若しくは発光部の中立軸、又は抑制部材の中立軸の何れか一方のみと装置上下方向で重なっている構成であってもよい。この具体例として、本発明に係る発光装置の一例である発光装置450aを以下に示す。
【0067】
発光装置450aは、図5に示されるように、実施形態の発光装置50aの抑制部材80及び接着剤70に代わって抑制部材480及び接着剤470を備える。装置上下方向における抑制部材480の中立軸Y4は、実施形態の抑制部材80の中立軸Y1よりも下方に位置している。抑制部材480は、抑制部材80の貫通孔82dに代わって、抑制部材480の中立軸Y3の中立軸と装置上下方向で重なる位置に貫通孔482dを有する。接着剤470は、抑制部材380の貫通孔482dに注入されて硬化することで筐体60と抑制部材480とを固定している。すなわち、接着剤470は、装置上下方向における抑制部材480の中立軸Y3と装置上下方向で重なっている。接着剤470は、固定部の一例である。以上の点以外について、発光装置450aは、実施形態の発光装置50aと同様の構成とされている。
【0068】
また、実施形態の発光装置50aは、接着剤70が抑制部材80に形成された貫通孔82dに注入されているものとした。しかしながら、本発明に係る筐体と抑制部材とを固定する接着剤は、装置上下方向における筐体若しくは発光部の中立軸、又は抑制部材の中立軸と装置上下方向で重なっているのであれば、抑制部材に形成された貫通孔に注入されている様態に限定されない。この具体例として、本発明に係る発光装置の一例である発光装置250a及び発光装置350aを以下に示す。
【0069】
発光装置250aは、図6に示されるように、実施形態の発光装置50aの抑制部材80及び接着剤70に代わって抑制部材280及び接着剤270を備える。装置上下方向における抑制部材280の中立軸Y2は、実施形態の抑制部材80の中立軸Y1よりも下方に位置している。また、抑制部材280の本体部282の開口部282cの上縁は、抑制部材280の中立軸Y2よりも上方で且つ筐体60の中立軸K1よりも下方に位置している。また、抑制部材280には、貫通孔82dが形成されていない。接着剤270は、筐体60の中立軸K1と装置上下方向で重なるよう、抑制部材280の開口部282cの上縁及び筐体60の側面部60aに装置奥行方向に延びる態様で塗布されて硬化することで筐体60と抑制部材280とを固定している。接着剤270は、固定部の一例である。以上の点以外について、発光装置250aは、実施形態の発光装置50aと同様の構成とされている。
【0070】
また、発光装置350aは、図7に示されるように、発光装置250aの抑制部材280及び接着剤270に代わって抑制部材380及び接着剤370を備える。抑制部材380の本体部382の開口部382cの上縁は、抑制部材の内壁側から外壁側にかけて上方に拡がるように傾斜している。これにより、抑制部材380の開口部382cの上縁と筐体60の側面部60aとの間に間隙が形成される。抑制部材380は、開口部382cの上縁と筐体60の側面部60aとの間に形成される間隙が筐体60の中立軸K1と装置上下方向で重なるように配置されている。接着剤370は、抑制部材380の開口部382cの上縁と筐体60の側面部60aとの間に形成される間隙に、装置奥行方向に延びる態様で塗布されて硬化することで筐体60と抑制部材280とを固定している。すなわち、接着剤370は、装置上下方向における筐体60の中立軸K1と装置上下方向で重なっている。接着剤370は、固定部の一例である。以上の点以外について、発光装置350aは、発光装置250aと同様の構成とされている。
【0071】
また、実施形態の発光装置50aは、装置奥行方向から見た抑制部材80の幅が、筐体60よりも大きいものとした。しかしながら、本発明に係る抑制部材は、筐体と抑制部材とを固定する接着剤が装置上下方向における筐体若しくは発光部の中立軸、又は抑制部材の中立軸と装置上下方向で重なっているのであれば、装置奥行方向から見た幅が筐体よりも小さくてもよい。この具体例として、本発明に係る発光装置の一例である発光装置550aを以下に示す。
【0072】
発光装置550aは、図8に示されるように、実施形態の発光装置50aの筐体60、抑制部材80及び接着剤70に代わって筐体560、抑制部材580及び接着剤570を備える。筐体560には、下側凹部564側の側面部560aを装置幅方向に貫通する貫通孔560cが装置奥行方向に沿って複数並んで形成されている。筐体560の装置上下方向の中立軸K5は、貫通孔560cよりも上方に位置している。抑制部材580は、装置奥行方向から見た幅が筐体560よりも小さく、下側凹部564に嵌合可能な大きさを有している。抑制部材580は、装置上下方向における中立軸Y5が、筐体560の貫通孔560cと重なっており、且つ筐体560の下側凹部64側の側面部560aに挟まれるように接触して配置されている。すなわち、抑制部材580の中立軸Y5は、筐体560の中立軸K5よりも下方に位置している。また、抑制部材580は、実施形態における抑制部材80の折り曲げ部84及び端部86に相当する部位を有さない。接着剤570は、筐体560の貫通孔560cに注入されて硬化することで筐体560と抑制部材580とを固定している。すなわち、接着剤570は、装置上下方向における抑制部材580の中立軸K5と装置上下方向で重なっている。接着剤570は、固定部の一例である。以上の点以外について、発光装置550aは、発光装置50aと同様の構成とされている。
【0073】
また、実施形態の発光装置50aは、抑制部材80が装置奥行方向から見て上方に開口しているU字状の断面を有するものとした。しかしながら、本発明に係る抑制部材は、筐体と抑制部材とを固定する接着剤が装置上下方向における筐体若しくは発光部の中立軸、又は抑制部材の中立軸と装置上下方向で重なっているのであれば、U字状の断面を有するものに限定されない。例えば、上記した発光装置550aにおける抑制部材580は、抑制部材580の中立軸が筐体560の貫通孔560cと重なるのであれば、薄板を折り曲げて形成された中空閉断面を有するものであってもよく、中実状の断面を有するものであってもよい。
【0074】
また、実施形態の発光装置50aは、接着剤70が抑制部材80の開口部82cに対して下方に配置されているものとした。しかしながら、本発明に係る筐体と抑制部材とを固定する接着剤は、上記した発光装置250aのように、装置奥行方向から見て上方に開口しているU字状の断面を有する抑制部材の開口部の上縁よりも上方に配置されていてもよい。また、本発明に係る筐体と抑制部材とを固定する接着剤は、上記した発光装置350aのように、装置奥行方向から見て上方に開口しているU字状の断面を有する抑制部材の開口部の上縁と装置上下方向で重なるように配置されていてもよい。
【0075】
また、実施形態の発光装置50aは、抑制部材80が折り曲げ部84及び端部86を備えるものとした。しかしながら、本発明に係る抑制部材は、上記した発光装置550aの抑制部材580のように、実施形態における抑制部材80の折り曲げ部84及び端部86に相当する部位を有さない構成であってもよい。すなわち、本発明に係る筐体は、抑制部材80を介さずに付勢手段94による付勢力を直接的に受ける構成であってもよい。
【0076】
また、実施形態の発光装置50aは、抑制部材80が、筐体60の下側凹部64を下方から覆う構成を有するものとした。しかしながら、本発明に係る抑制部材は、装置奥行方向において筐体60の下側凹部64よりも短いものであってもよい。
【0077】
また、実施形態の発光装置50aは、筐体と抑制部材とを固定する固定部の一例として接着剤70を備えるものとした。しかしながら、本発明に係る固定部は、接着剤に限定されず、例えばボルト及びナット等の締結部材によって筐体と抑制部材とを締結することで固定する構成であってもよい。
【0078】
また、実施形態の発光装置50aは、感光体ドラム36の下方に配置されているものとした。しかしながら、本発明に係る発光装置50aは、発光装置50aが発行した光を感光体ドラム36の表面に結像(露光)させることができるのであれば、感光体ドラム36の上方に配置されていてもよく、感光体ドラム36の側方に配置されていてもよい。
【0079】
また、実施形態の発光装置50aは、帯電した感光体ドラム36上に光を結像させて静電潜像を形成する露光装置50に備えられるものとした。しかしながら、本発明に係る発光装置は、露光装置に備えられるものに限定されない。例えば、本発明に係る発光装置は、読取装置(例えば、Contact Image Sensor)に備えられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 画像形成装置
36 感光体ドラム(像保持体の一例)(露光対象の一例)
40 現像装置
50 露光装置
50a 発光装置
50b 発光部
52 レンズアレイ(光学部材の一例)
60 筐体
70 接着剤(固定部の一例)
80 抑制部材
82c 開口部
K1 筐体の中立軸
Y1 抑制部材の中立軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9