(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】ファイル管理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/11 20190101AFI20241126BHJP
G06F 16/14 20190101ALI20241126BHJP
【FI】
G06F16/11
G06F16/14 100
(21)【出願番号】P 2020167460
(22)【出願日】2020-10-02
【審査請求日】2023-09-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田口 亮治
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-175872(JP,A)
【文献】特開2009-129017(JP,A)
【文献】特開2003-223347(JP,A)
【文献】特開2017-022523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0308950(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/10 - 16/188
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
特定の目的のための複数のコンテントファイルの、それぞれの位置付けを示す構成情報が予め規定され、コンテントファイルの登録にともなって、コンテントファイル
と前記構成情報と
を対応付け
て管理
する構成において、前記構成情報にすでに対応付けられている登録済みコンテントファイルを一括して読み出す読出要求を
クライアントから受け付け、
前記読出要求に基づいて、
各前記登録済みコンテントファイル
にすでに対応付けられている前記構成情報を
各前記登録済みコンテントファイルのファイル名に付与し
、
コンテントファイルがまだ対応付けられていない前記構成情報も含めて前記構成情報ごとに、ファイル名に前記構成情報が付与された構成情報ファイルを作成し、
複数の前記登録済みコンテントファイルと
前記構成情報ごとの前記構成情報ファイルとが同一階層に並ぶアーカイブファイルを前記クライアントに提供する、
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のファイル管理装置であって、
前記構成情報ファイルは、ユーザ
によって操作される前記クライアントが当該構成情報ファイルに対応するコンテントファイルを前記ファイル管理装置内に格納するための前記ファイル管理装置へのアクセス情報を含む、
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のファイル管理装置であって、
前記構成情報ファイルは、ユーザ
によって操作される前記クライアントが当該構成情報ファイルに対応するコンテントファイルを前記ファイル管理装置から読み出すための前記ファイル管理装置へのアクセス情報を含む、
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のファイル管理装置であって、
前記構成情報ファイルは、ユーザ
によって操作される前記クライアントが、前記特定の目的のための複数のコンテントファイルの管理画面を表示するための前記ファイル管理装置へのアクセス情報を含む、
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項5】
請求項1に記載のファイル管理装置であって、
前記構成情報は、複数の構成要素を含み、
前記プロセッサは、
前記読出要求を受け付けて前記構成情報を前記登録済みコンテントファイルの元ファイル名に付与して新ファイル名とする際の、新ファイル名における元ファイル名と
各前記構成要素の並び順の指定を
前記クライアントから受け付ける、
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項6】
請求項1又は5に記載のファイル管理装置であって、
前記構成情報は、複数の構成要素を含み、
前記プロセッサは、
前記読出要求を受け付けて前記構成情報を前記構成情報ファイルのファイル名に付与する際の、ファイル名における
各前記構成要素の並び順の指定を
前記クライアントから受け付ける、
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項7】
請求項1、5又は6に記載のファイル管理装置であって、
前記プロセッサは、
前記読出要求を受け付けて前記構成情報ファイルを生成する際に、当該構成情報ファイルに対応する構成情報
と当該構成情報の属性を示す属性情報
とを当該構成情報ファイルのファイル名に付与する、
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項8】
請求項7に記載のファイル管理装置であって、
前記プロセッサは、
前記構成情報ファイルのファイル名に付与する前記属性情報の種類の指定を
前記クライアントから受け付ける、
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項9】
請求項8に記載のファイル管理装置であって、
前記プロセッサは、
前記構成情報ファイルのファイル名に付与する前記属性情報の種類の指定を受け付けた際に、指定された属性情報が存在しない場合には、その属性情報に代えて予め定められた文字例を前記構成情報ファイルのファイル名に付与する、
ことを特徴とするファイル管理装置。
【請求項10】
特定の目的のための複数のコンテントファイルの、それぞれの位置付けを示す構成情報が予め規定され、コンテントファイルの登録にともなって、コンテントファイル
と前記構成情報と
を対応付け
て管理
する構成において、前記構成情報にすでに対応付けられている登録済みコンテントファイルを一括して読み出す読出要求を
クライアントから受け付け、
前記読出要求に基づいて、
各前記登録済みコンテントファイル
にすでに対応付けられている前記構成情報を
各前記登録済みコンテントファイルのファイル名に付与し
、
コンテントファイルがまだ対応付けられていない前記構成情報も含めて前記構成情報ごとに、ファイル名に前記構成情報が付与された構成情報ファイルを作成し、
複数の前記登録済みコンテントファイルと
前記構成情報ごとの前記構成情報ファイルとが同一階層に並ぶアーカイブファイルを前記クライアントに提供する、
ことをコンピュータ
に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイル管理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータの記憶装置に格納された複数の電子ファイルをアーカイブファイルにして、一括して読み出す技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、複数のコンテンツ文書をアーカイブファイルとして一括でダウンロードする技術において、サーバ内の異なる場所に保存されている同名のコンテンツ文書がある場合には、それらのコンテンツ文書をアーカイブファイル内の異なるフォルダに保存することで、ダウンロード先で同じフォルダに同名のコンテンツ文書が現れることを防ぐことが記載されている。
【0004】
特許文献2には、文書ファイルのコピーに関し、コピー先の文書ファイルのファイル名に、当該文書ファイルのコピー元の記憶場所を示すパス情報を含ませることが記載されている(同文献の段落0080、
図13参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5889009号公報
【文献】特開2019-86864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ある目的のための複数の電子ファイル(以下、コンテントファイルと言う)のそれぞれの格納先であるファルダが予め用意され、各コンテントファイルが対応するフォルダへ格納されて、管理されるものがある。また、ある目的のための複数のコンテントファイルのそれぞれの役割等の分類が予め規定され、各コンテントファイルの登録にともなって、各コンテントファイルが対応する分類と対応付けられて、管理されるデータベース等がある。これらのファイル管理において、コンテントファイルの格納先または分類は、コンテントファイルの位置付けと言える。以下、これらのファイル管理を、ファイル位置付け事前規定型のファイル管理、または、事前規定型ファイル管理と言う。
【0007】
事前規定型ファイル管理により特定の目的のための複数のコンテントファイルを管理する場合において、すでに位置付けに対応付けられているコンテントファイルをアーカイブファイルにして、一括して読み出した際に、読み出し結果から、まだコンテントファイルが対応付けられていない位置付けを把握できるようにすることが望まれている。
【0008】
本発明の目的は、事前規定型ファイル管理により特定の目的のための複数のコンテントファイルを管理する場合において、すでに位置付けに対応付けられているコンテントファイルの読み出し結果から、まだコンテントファイルが対応付けられていない位置付けを把握できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、特定の目的のための複数のコンテントファイルの、それぞれの位置付けを示す構成情報が予め規定され、コンテントファイルの登録にともなって、コンテントファイルと前記構成情報とを対応付けて管理する構成において、前記構成情報にすでに対応付けられている登録済みコンテントファイルを一括して読み出す読出要求をクライアントから受け付け、前記読出要求に基づいて、各前記登録済みコンテントファイルにすでに対応付けられている前記構成情報を各前記登録済みコンテントファイルのファイル名に付与し、コンテントファイルがまだ対応付けられていない前記構成情報も含めて前記構成情報ごとに、ファイル名に前記構成情報が付与された構成情報ファイルを作成し、複数の前記登録済みコンテントファイルと前記構成情報ごとの前記構成情報ファイルとが同一階層に並ぶアーカイブファイルを前記クライアントに提供する、ことを特徴とするファイル管理装置である。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のファイル管理装置であって、前記構成情報ファイルは、ユーザによって操作される前記クライアントが当該構成情報ファイルに対応するコンテントファイルを前記ファイル管理装置内に格納するための前記ファイル管理装置へのアクセス情報を含む、ことを特徴とするファイル管理装置である。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のファイル管理装置であって、前記構成情報ファイルは、ユーザによって操作される前記クライアントが当該構成情報ファイルに対応するコンテントファイルを前記ファイル管理装置から読み出すための前記ファイル管理装置へのアクセス情報を含む、ことを特徴とするファイル管理装置である。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載のファイル管理装置であって、前記構成情報ファイルは、ユーザによって操作される前記クライアントが、前記特定の目的のための複数のコンテントファイルの管理画面を表示するための前記ファイル管理装置へのアクセス情報を含む、ことを特徴とするファイル管理装置である。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1に記載のファイル管理装置であって、前記構成情報は、複数の構成要素を含み、前記プロセッサは、前記読出要求を受け付けて前記構成情報を前記登録済みコンテントファイルの元ファイル名に付与して新ファイル名とする際の、新ファイル名における元ファイル名と各前記構成要素の並び順の指定を前記クライアントから受け付ける、ことを特徴とするファイル管理装置である。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1又は5に記載のファイル管理装置であって、前記構成情報は、複数の構成要素を含み、前記プロセッサは、前記読出要求を受け付けて前記構成情報を前記構成情報ファイルのファイル名に付与する際の、ファイル名における各前記構成要素の並び順の指定を前記クライアントから受け付ける、ことを特徴とするファイル管理装置である。
【0015】
請求項7に係る発明は、請求項1、5又は6に記載のファイル管理装置であって、前記プロセッサは、前記読出要求を受け付けて前記構成情報ファイルを生成する際に、当該構成情報ファイルに対応する構成情報と当該構成情報の属性を示す属性情報とを当該構成情報ファイルのファイル名に付与する、ことを特徴とするファイル管理装置である。
【0016】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載のファイル管理装置であって、前記プロセッサは、前記構成情報ファイルのファイル名に付与する前記属性情報の種類の指定を前記クライアントから受け付ける、ことを特徴とするファイル管理装置である。
【0017】
請求項9に係る発明は、請求項8に記載のファイル管理装置であって、前記プロセッサは、前記構成情報ファイルのファイル名に付与する前記属性情報の種類の指定を受け付けた際に、指定された属性情報が存在しない場合には、その属性情報に代えて予め定められた文字例を前記構成情報ファイルのファイル名に付与する、ことを特徴とするファイル管理装置である。
【0018】
請求項10に係る発明は、特定の目的のための複数のコンテントファイルの、それぞれの位置付けを示す構成情報が予め規定され、コンテントファイルの登録にともなって、コンテントファイルと前記構成情報とを対応付けて管理する構成において、前記構成情報にすでに対応付けられている登録済みコンテントファイルを一括して読み出す読出要求をクライアントから受け付け、前記読出要求に基づいて、各前記登録済みコンテントファイルにすでに対応付けられている前記構成情報を各前記登録済みコンテントファイルのファイル名に付与し、コンテントファイルがまだ対応付けられていない前記構成情報も含めて前記構成情報ごとに、ファイル名に前記構成情報が付与された構成情報ファイルを作成し、複数の前記登録済みコンテントファイルと前記構成情報ごとの前記構成情報ファイルとが同一階層に並ぶアーカイブファイルを前記クライアントに提供する、ことをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1、10に係る発明によれば、アーカイブファイル内の登録済みコンテントファイルと構成情報ファイルとの対応関係から、まだコンテントファイルが対応付けられていない位置付け(構成情報)が把握される。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、ユーザがファイル管理装置内のコンテントファイルの格納先を探さなくて済む。
【0021】
請求項3に係る発明によれば、ユーザがファイル管理装置内のコンテントファイルの読み出し元を探さなくて済む。
【0022】
請求項4に係る発明によれば、ユーザがファイル管理装置にアクセスして、さらに管理画面の表示を指示する場合に比べて、管理画面が容易に表示される。
【0023】
請求項5に係る発明によれば、所望の順番で元ファイル名と各構成要素が並ぶ、登録済みコンテントファイルの新ファイル名が得られる。
【0024】
請求項6に係る発明によれば、所望の順番で各構成要素が並ぶ、構成情報ファイルのファイル名が得られる。
【0025】
請求項7に係る発明によれば、構成情報ファイルのファイル名から、その構成情報ファイルに対応する構成情報の属性情報が得られる。
【0026】
請求項8に係る発明によれば、構成情報ファイルのファイル名に、所望の属性情報が付与される。
【0027】
請求項9に係る発明によれば、構成情報ファイルのファイル名から、その構成情報ファイルに対応する構成情報の指定された属性情報が存在しないことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図2】事前規定型ファイル管理について説明するための図である。
【
図3】ファイル管理システムの機能ブロック図である。
【
図4】管理画面とアーカイブファイルの保存先指定ウィンドウの例を示す図である。
【
図5】アーカイブファイルの作成処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】アーカイブファイルの構成の一例を示す図である。
【
図7】構成情報ファイルの内容と、それに含まれるアクセス情報に基づいて表示されるウィンドウの例を示す図である。
【
図8】文書ファイル名と構成情報ファイル名のそれぞれの要素の並び順を指定する画面の例を示す図である。
【
図9】
図8に示す並び順の指定に基づいて作成されたアーカイブファイルの構成の一例を示す図である。
【
図10】文書ファイル名と構成情報ファイル名のそれぞれの要素の並び順を指定する画面の別の例を示す図である。
【
図11】
図10に示す並び順の指定に基づいて作成されたアーカイブファイルの構成の一例を示す図である。
【
図12】
図10に示す並び順の指定に基づいて作成されたアーカイブファイルの構成の別の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る各実施形態について添付図面を確認しながら詳細に説明する。以下で述べる構成は、説明のための例示であって、システム、装置の仕様等に合わせて適宜変更が可能である。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。全ての図面において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
<ファイル管理システムの概略構成>
図1は、ファイル管理システム10の概略構成図である。ファイル管理システム10は、サーバ12と、サーバ12にインターネット等のネットワーク18を介して通信可能に接続される複数のクライアント14とを備える。ネットワーク18は、インターネットに限られず、イントラネット、専用回線など様々な形態を採用可能である。サーバ12は、ファイル管理装置12として機能する。以下、サーバ12をファイル管理装置12と言う。
【0031】
ファイル管理装置12は、複数のコンテントファイルを管理し、クライアント14からの要求に応じて、コンテントファイルの登録を受け付けると共に、登録済みのコンテントファイルをクライアント14に提供するコンピュータである。ここで、コンテントファイルは、画像ファイル、文書ファイルなどの様々な形式の電子ファイルを含む。以降の説明では、コンテントファイルを文書ファイルとする。なお、「コンテントファイル」は、ファイル管理装置において管理対象となる個々の電子ファイルのことであり、コンテントファイルの読出要求に基づいて作成される「アーカイブファイル」および「構成情報ファイル」(詳細は後述)とは区別される。
【0032】
ファイル管理装置12は、プロセッサ20と記憶装置22とを備える。プロセッサ20は、CPUを含み、ファイル管理装置12にインストールされているプログラムに従って情報処理を実行する。なお、プロセッサ20を、狭義のコンピュータと定義することができる。記憶装置22は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等であり、プロセッサ20が実行するプログラムなどを記憶する。ファイル管理装置12は、WEBサーバとして機能する。
【0033】
なお、ファイル管理装置12のプロセッサ20が実行するプログラムは、インターネット等のネットワークを介して提供することはもちろん、光ディスクやUSBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0034】
クライアント14は、ユーザが操作するパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、またはスマートフォン等である。クライアント14には、WEBブラウザがインストールされている。ユーザは、WEBブラウザにより、ファイル管理装置12が提供する画面(ウィンドウを含む)をクライアント14のディスプレイに表示させ、その画面上で操作を行う。なお、WEBブラウザに代えて、専用のアプリケーションがクライアント14で使用されてもよい。
【0035】
<事前規定型ファイル管理>
ここで、ファイル管理装置12が行う事前規定型ファイル管理について説明する。ファイル管理装置12は、例えば、
図2に示すような案件(同図の「プロジェクトA」)のための複数の文書ファイル28を管理する。案件とは、複数の工程を含む作業(業務を含む)である。
図2には、案件である「プロジェクトA」が「作業1」、「作業2」、および「作業3」の工程を含み、それぞれの工程において「計画書」および「報告書」が必要とされる場合の、文書ファイルの管理例26について示されている。なお、
図2において、「計画書1.pdf」、「報告書1.pdf」、および別の「計画書1.pdf」は、登録済みの文書ファイル28である。
【0036】
まず、案件に関して、どのような文書をファイル管理装置12に登録するか、すなわち、どのような文書をファイル管理装置12で管理するかが、文書ファイル28を登録する前(例えば案件のスケジュール検討段階)に、ユーザからファイル管理装置に指定される。
図2の例では、「プロジェクトA」において、「作業1」、「作業2」、および「作業3」のそれぞれに工程に関し、「計画書」および「報告書」を登録することが、ユーザから指定される。
【0037】
そして、ファイル管理装置12は、指定された文書の文書ファイルを格納するためのフォルダを生成する。この際、
図2に示すように、ファイル管理装置12は、案件を上位フォルダ、その案件に属する工程を中位フォルダ、各工程に属する文書を下位フォルダというように、階層的にフォルダを生成する。
図2において、四角で囲って示す案件名、工程名、および文書名のそれぞれは、それらの名称が付与されたフォルダである。このようにして生成された各文書ファイルの格納先(フォルダ)は、各文書ファイルの位置付けと言える。このように、文書ファイル28を登録する前に、文書ファイル28の位置付けが規定される(「格納先が用意される」を含む)ファイル管理を、事前規定型ファイル管理と言う。クライアントから、文書ファイル28(例えば
図2の「計画書1.pdf」)が、その文書ファイル28に対応するフォルダ(例えば
図2の「プロジェクトA」-「作業1」-「計画書」)に格納されることで、その文書ファイル28が登録される。
【0038】
なお、
図2のように、文書ファイルの格納先を示すフォルダパス名(例えば
図2の「プロジェクトA」-「作業1」-「計画書)は、文書ファイル(例えば
図2の「計画書1.pdf」)の役割等の分類を示す。このように、文書ファイルの格納先(フォルダ)を予め用意することは、文書ファイルの分類を予め規定していることになる。ここで、文書ファイルの分類も、文書ファイルの位置付けと言える。
図2の例では、文書ファイルの格納先の観点と、分類の観点との両方で、文書ファイルの位置付けが規定されている。なお、フォルダ名の付与の仕方によっては、フォルダパス名が文書ファイルの分類を示さないこともあり得るが、その場合でも、文書ファイルの格納先の観点(格納先が用意されている点)では、文書ファイルの位置付けが規定されていることになる。
【0039】
以上の説明では、フォルダにより文書ファイルを管理するとしたが、データベースで文書ファイルを管理してもよい。なお、
図2の、四角で囲って示す案件名、工程名、文書名のそれぞれは、以上の説明ではフォルダと説明したが、ここからは、文書ファイルの分類を示す要素として説明する。データベースで文書ファイルを管理する場合、文書ファイルが登録される前に、ユーザから、どのような文書をファイル管理装置12に登録するかの指定を受け付けて、データベースにおいて文書の分類(位置付け)を規定する。
図2の例では、案件を上位要素、その案件に属する工程を中位要素、各工程に属する文書を下位要素というように、階層的に分類を規定する。
図2において、例えば(「プロジェクトA」-「作業1」-「計画書」)、(「プロジェクトA」-「作業1」-「報告書」)、・・のそれぞれが分類である。そして、データベースにおいて、文書ファイル28(例えば
図2の「計画書1.pdf」)が、その文書ファイル28に対応する分類(例えば
図2の「プロジェクトA」-「作業1」-「計画書」)に対応付けられることで、その文書ファイル28が登録される。これは、データベースを用いた事前規定型ファイル管理である。
【0040】
事前規定型ファイル管理は、フォルダ、データベース、または、それらに準じた手段のいずれを用いて実現されてもよい。以降説明するように、本実施形態では一例としてデータベースを用いる。
【0041】
ここで、各コンテントファイル(ここでは文書ファイル)の位置付けを示す情報を、構成情報と言う。
図2において、例えば(「プロジェクトA」-「作業1」-「計画書」)、(「プロジェクトA」-「作業1」-「報告書」)、・・のそれぞれが構成情報である。構成情報は、構成要素により階層的に定義され得る。すなわち、構成情報が階層的に定義されるとき、その各階層が、構成情報の構成要素となる。
図2において、案件(プロジェクトA)は上位階層の構成要素であり、工程(例えば作業1)は中位階層の構成要素であり、工程で必要とされる文書(例えば計画書)は下位階層の構成要素である。なお、ルート要素に相当する最上位階層の構成要素(
図2では案件(プロジェクトA))は、管理される各文書ファイルの目的を示すものであり、全ての構成情報に含まれて各構成情報の識別力を有さないので、構成情報から省いてもよい。以下の説明では、構成情報は、管理される各文書ファイルの目的を示す最上位階層の構成要素を省いた形態の構成情報とする。
【0042】
なお、以上では、案件に関するコンテントファイルを管理する例を示したが、事前規定型ファイル管理により管理するコンテントファイルは、案件に関するものに限定されない。
【0043】
<ファイル管理装置の特徴>
ファイル管理装置12は、特定の目的のための複数の文書ファイルを事前規定型ファイル管理により管理する。ファイル管理装置12のプロセッサ20は、クライアント14から、構成情報にすでに対応付けられている登録済み文書ファイルを一括して読み出す読出要求を受け付ける。ここで、構成情報にすでに対応付けられている登録済み文書ファイルとは、文書ファイルの登録にともなって、格納先(位置付け)としてのフォルダに格納済みの文書ファイル、または、データベース等において分類(位置付け)に対応付け済みの文書ファイルである。
【0044】
そして、ファイル管理装置12のプロセッサ20は、受け付けた読出要求に基づいて、
図6に示すように、各登録済み文書ファイル74の構成情報を各登録済み文書ファイル74のファイル名に付与した上で複数の登録済み文書ファイル74が同一階層に並ぶアーカイブファイル70を、クライアント14に提供する。なお、
図6には、
図2の管理例26に対応するアーカイブファイル70の内容が示されている。この際、ファイル管理装置12のプロセッサ20は、文書ファイルがまだ対応付けられていない構成情報も含めて構成情報ごとに、ファイル名に構成情報が付与された構成情報ファイル72を作成し、アーカイブファイル70に含める。なお、ここでファイル名に含まれる構成情報の表記方法は、文書データベース38に記憶されている構成情報40(後述)の表記方法と全く同一である必要はなく、構成情報を含むファイル名を見たクライアント14のユーザが、位置付けを理解できる範囲で表記が変更されていてもよい。
【0045】
これにより、クライアント14において、アーカイブファイル70の内容から、文書ファイル74が対応付けられていない、すなわち、文書ファイル74が登録されていない位置付け(構成情報)が把握される。具体的には、ファイル名に、同じ構成情報が含まれる文書ファイル74と構成情報ファイル72のペアがあれば、その構成情報には文書ファイルが登録されていることになり、ペアがなく構成情報ファイル72のみの場合には、その構成情報ファイル72に対応する構成情報には文書ファイルが登録されていないことになる。
【0046】
<ファイル管理システムの機能構成>
ここから、本実施形態のファイル管理システム10について具体的に説明する。
図3は、本実施形態のファイル管理システム10の機能ブロック図である。ファイル管理装置12のプロセッサ20は、記憶装置22に格納されたプログラム(不図示)に従って動作することにより、管理画面提供部30、アーカイブ作成部32、登録処理部34、および読出処理部36として機能する。管理画面提供部30は、クライアント14に管理画面(
図4参照)を提供し、アーカイブ作成部32は、アーカイブファイル70を作成してクライアント14に提供する処理を行い、登録処理部34は、文書ファイルを文書データベースに登録する処理を行い、読出処理部36は、文書データベースから文書ファイルを個別に読み出してクライアント14に提供する処理を行う。
【0047】
ファイル管理装置12の記憶装置22には、文書データベース38(以下、文書DB38と言う)が格納されている。文書DB38は、構成情報40、属性情報42、対応付け情報44、および登録済み文書ファイル群46を含む。
【0048】
文書DB38の構成情報40は、
図2を用いて説明したものである。以降も、文書DB38の構成情報40は、
図2の管理例26であるとして説明する。文書DB38の属性情報42は、各構成情報40を規定する際に、ユーザから指定される各構成情報40の属性情報42であり、例えば文書(位置付け)の作成開始予定日、作成担当者、作成納期などである。文書DB38の登録済み文書ファイル群46は、クライアント14から文書ファイルが登録されて、文書DB38に登録された文書ファイル48(登録済み文書ファイルと言う)の集まりである。文書DB38の対応付け情報44は、クライアント14から文書ファイルが構成情報と対応付けて登録される際に作成される情報であり、登録済み文書ファイル群46の一部となる文書ファイルが、どの構成情報と対応しているかを示す情報である。
【0049】
クライアント14は、プロセッサ50、記憶装置52、入力装置53、および表示装置54を備える。クライアント14のプロセッサ50は、CPUを含み、記憶装置52に格納されたプログラム(不図示)に従って動作する。クライアント14の記憶装置52は、ROM、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等である。記憶装置52には、プログラム(不図示)、ファイル管理装置12から読み出されたアーカイブファイル70、ファイル管理装置12から個別に読み出された文書ファイル55、およびファイル管理装置12へ登録する文書ファイル56が格納される。入力装置53は、例えばキーボード、マウス等である。表示装置54は、ディスプレイである。
【0050】
<管理画面>
次に、ファイル管理装置12が提供する管理画面について説明する。
図4の上側には、管理画面58の一例が示されている。管理画面58は、
図2の管理例26に対応した画面である。管理画面58は、文書DB38で管理する文書について示す管理文書表示部60と、ダウンロードボタン62とを含む。
【0051】
ユーザが、WEBブラウザ等により、クライアント14からファイル管理装置12に、管理画面58の表示要求を出すと、ファイル管理装置12の管理画面提供部30が、それを受けて、管理画面58を生成する。生成された管理画面58は、ファイル管理装置12からクライアント14に供給されて、クライアント14の表示装置54に表示される。管理画面提供部30は、文書DB38の構成情報40と対応付け情報44とに基づいて、管理画面58の管理文書表示部60を生成する。文書DB38の対応付け情報44から、文書ファイルが対応付けられている構成情報が分かり、文書DB38の対応付け情報44と、文書DBの構成情報(全ての構成情報)とを比較することにより、文書ファイルがまだ対応付けられていない(まだ登録されていない)構成情報が分かる。従って、管理画面提供部30は、
図4の管理文書表示部60のように、文書ファイルがすでに対応付けられている(すでに登録されている)文書と、文書ファイルがまだ対応付けられていない(まだ登録されていない)文書との違いが分かるように管理文書表示部60を生成可能である。
図4の管理文書表示部60では、登録済みの文書の枠線が実線となっており、未登録の文書の枠線が破線となっている。
【0052】
管理画面58のダウンロードボタン62は、文書DB38に登録済みの文書ファイルを、アーカイブファイルにして一括して読み出すためのボタンである。ユーザが、クライアント14の入力装置53を操作して、例えばマウスカーソルでダウンロードボタン62を押下すると、ファイル管理装置12からクライアント14に、保存先指定ウィンドウ64(
図4の下側)が提供されて、クライアント14の表示装置54に表示される。ユーザが、保存先指定ウィンドウ64において、クライアント14の記憶装置52上のアーカイブファイルの保存先と、アーカイブファイルのファイル名(
図4の例では「プロジェクトA.zip」)とを指定して、保存ボタン66を押下すると、ファイル管理装置12に、登録済み文書ファイルの一括読出要求が出される。
【0053】
<アーカイブファイルの作成>
ファイル管理装置12のプロセッサ20は、クライアント14から一括読出要求を受け付けると、アーカイブ作成部32として機能して、アーカイブファイルを作成する。
図5は、アーカイブファイルの作成処理の流れを示すフローチャートである。
図6は、文書DB38の構成情報40が
図2の管理例26と同じである場合に、
図5の処理により作成されるアーカイブファイル70の一例である。
【0054】
図2の管理例26を参照しながら、
図5のフローチャートについて説明する。なお、
図2の管理例26では、構成情報は、(作業1-計画書)、(作業1-報告書)、(作業2-計画書)、(作業2-報告書)、(作業3-計画書)、および(作業3-報告書)の6つである。
【0055】
図5のS100で、アーカイブ作成部32は、変数iに1を設定する。次に、S102で、アーカイブ作成部32は、文書DB38の構成情報40のうち、i番目の構成情報(構成情報i)を取得する。ここでは、i=1なので、1番目の構成情報として
図2の(作業1-計画書)を取得する。
【0056】
次に、S104で、アーカイブ作成部32は、アーカイブファイル内の1つのファイルとして、i番目の構成情報(構成情報i)に対応する構成情報ファイル(以下、i番目の構成情報ファイルと言う)を作成する。この際、構成情報ファイルのファイル名に対応する構成情報を付与する。ここでは、i=1なので、1番目の構成情報ファイルを作成する。
図6には、1番目の構成情報ファイル72である「001_作業1_計画書.txt」が示されている。このファイル名には、1番目の構成情報である(作業1-計画書)がファイル名に付与されている。なお、ファイル名に含まれる「001」は、アーカイブファイル内のファイルに連番で付与する続き番号である。なお、続き番号は適宜、省略してもよい。
【0057】
なお、構成情報ファイル72の内容(中身)は、限定されない。例えば、構成情報ファイルの中身は、何も無くてもよい。本実施形態では、構成情報ファイルの内容は、ファイル管理装置12へのアクセス情報(
図7の構成情報ファイルの内容73参照)を含む。また、構成情報ファイル72の形式も限定されないが、本実施形態ではテキスト形式としている。
【0058】
次に、S106で、アーカイブ作成部32は、i番目の構成情報(構成情報i)に対応する文書ファイルが文書DB38に登録されているかを確認する。ここでは、i=1なので、1番目の構成情報について確認する。
図2の管理例26では、1番目の構成情報(作業1-計画書)に対応する文書ファイル28(計画書1.pdf)がすでに文書DB38に登録されているので、S106がYesとなり、S108に進む。
【0059】
次に、S108で、アーカイブ作成部32は、文書DB38の登録済み文書ファイル群46からi番目の構成情報(構成情報i)に対応する登録済み文書ファイル48を読み出して、アーカイブファイル70に追加する。この際、その文書ファイルのファイル名に、対応する構成情報を付与する。ここでは、i=1なので、1番目の構成情報について行う。
図6には、1番目の構成情報に対応する文書ファイル74「002_作業1_計画書__計画書1.pdf」が示されている。このファイル名には、文書ファイルの元ファイル名「計画書1.pdf」に、1番目の構成情報である(作業1-計画書)が付与されている。なお、このファイル名では、元ファイル名「計画書1.pdf」と、付与された続き番号および構成情報「002_作業1_計画書」との間に、アンダーバーを2つ入れることで、新ファイル名において、元ファイル名と構成情報とを識別できるようにしている。
【0060】
なお、S106で、i番目の構成情報(構成情報i)に対応する文書ファイルが文書DB38に登録されていない場合(S106:No)には、S108はスキップされる。
【0061】
次に、S110で、アーカイブ作成部32は、変数iに1を加算する。ここでは、i=1に1が加算されて、i=2になる。次に、S112で、アーカイブ作成部32は、変数iが、文書DB38の構成情報40の全数よりも大きいかを確認する。
図2の管理例26では、構成情報の全数は6つであり、ここではi=2なので、S112はNoとなる。S112がNoの場合には、S102に戻って、次の構成情報についての処理を行う。
【0062】
アーカイブ作成部32は、ここではi=2なので、2番目の構成情報について以上説明したS102~S108と同じ処理を行う。具体的には、アーカイブ作成部32は、S102で、2番目の構成情報として
図2の(作業1-報告書)を取得し、S104~S108の処理を行うことで、2番目の構成情報についての構成情報ファイル72「003_作業1_報告書.txt」と文書ファイル74「004_作業1_報告書__報告書1.pdf」とを、アーカイブファイル70に追加する。
【0063】
このように、変数iを加算していき、全ての構成情報について処理が完了すると、S112がYesとなり、
図5のフローが終了となる。
図2の管理例26では、1~3番目の構成情報には文書ファイルが対応付けられているので、
図6のアーカイブファイル70には、それらの文書ファイルが、ファイル名が変更された形態で存在している。一方、
図2の管理例26では、4~6番目の構成情報には文書ファイルが対応付けられていないので、
図6のアーカイブファイル70には、それらの文書ファイルが存在していない。
【0064】
ファイル管理装置12は、作成したアーカイブファイル70を、一括読出要求を出したクライアント14に送付する。一括読出要求を出したクライアント14は、アーカイブファイル70をファイル管理装置12から受け取り、
図4の保存先指定ウィンドウ64で指定した、記憶装置52内の保存先に記憶する。
【0065】
<主要な作用効果>
以上説明した実施形態によれば、ユーザにより、クライアント14において、アーカイブファイル70の内容から、文書ファイルが対応付けられていない、すなわち、文書DB38において文書ファイルが登録されていない位置付け(構成情報)が把握される。具体的には、ファイル名に、同じ構成情報が含まれる文書ファイル74と構成情報ファイル72のペアがあれば、その構成情報には文書ファイルが登録されていることになり、ペアがなく構成情報ファイル72のみの場合には、その構成情報ファイルに対応する構成情報には文書ファイルが登録されていないことになる。なお、このような情報はユーザが管理画面58から確認可能であるが、アーカイブファイル70を読み出して、管理画面58を閉じた後、ファイル管理装置12に再びアクセスして管理画面58を表示しなくても、アーカイブファイル70の内容から各文書の登録有無を把握できる点にメリットがある。
【0066】
また、以上説明した実施形態によれば、アーカイブファイル70を取得したユーザは、文書ファイルが同一階層に並んでいるので、それらが異なるフォルダにある場合に比べて、目的の文書ファイル74に容易に到達可能である。また、
図2の「計画書1.pdf」のように、同じファイル名の文書ファイルが複数登録されており、それらの文書ファイルをファイル名を変更せずに一括して読み出す場合には、一般的に、それら文書ファイルを同一階層に存在させることができない。しかし、以上説明した実施形態によれば、文書ファイルのファイル名が同じであっても、それらの位置付け(構成情報)が異なるため、その異なる構成情報をファイル名に付与することで、それら文書ファイルを同一階層に存在させることが可能となっている。
【0067】
<構成情報ファイルの内容>
次に、アーカイブファイル70に格納された構成情報ファイル72の中身(内容)について説明する。
図7は、構成情報ファイルの内容73と、それに含まれるアクセス情報に基づいて表示されるウィンドウ76、80の例を示す図である。
図7の構成情報ファイルの内容73は、
図6に示す構成情報ファイル「001_作業1_計画書.txt」の内容である。
【0068】
図7に示すように、構成情報ファイルの内容73は、ファイル管理装置12へのアクセス情報を含む。ここで、ファイル管理装置へのアクセス情報とは、ファイル管理装置が提供する画面(ページ)またはフォルダにアクセスするためのアドレスである。
図7の例では、構成情報ファイルの内容73は、管理画面URL、ダウンロードURL、および登録URLを含む。管理画面URLは、上記した管理画面58をクライアントの表示装置に表示させるためのアクセス情報である。ユーザは、管理画面URLを、クライアントのWEBブラウザ等に入力することで、管理画面58をクライアント14の表示装置54に表示させる。このように、構成情報ファイルの内容73が管理画面58へのアクセス情報を含むことで、ユーザがファイル管理装置12にアクセスして、さらに管理画面58の表示指示を出す場合に比べて、管理画面58がクライアント14の表示装置54に容易に表示される。
【0069】
ダウンロードURLは、それが記載された構成情報ファイルに対応する文書ファイルを個別にファイル管理装置12からクライアント14に読み出すためのアクセス情報である。ダウンロードURLは、構成情報ファイル72ごとに異なり、
図7の例では、構成情報ファイル「001_作業1_計画書.txt」に対応する、構成情報(作業1-計画書)における文書ファイル(
図2の上側の「計画書1.pdf」)を読み出すためのアクセスURLである。ユーザが、ダウンロードURLを、クライアント14のWEBブラウザ等に入力することで、保存先指定ウィンドウ76(
図7参照)がクライアント14の表示装置54に表示される。ユーザは、保存先指定ウィンドウ76において、文書ファイルの保存先と、文書ファイルのファイル名(
図7の例では「計画書1.pdf」)とを指定して、保存ボタン78を押下する。それにより、文書DB38に登録されている、(作業1-計画書)の構成情報に対応付けられた文書ファイルが、保存先指定ウィンドウ76で指定した保存先に保存される。なお、この際、ファイル管理装置12のプロセッサ20は、読出処理部36として機能して処理を行う。このアクセス情報は、例えば文書DB38にある文書ファイルが更新された際に、その文書ファイルを個別に読み出せる点で有効である。また、構成情報ファイルの内容73が文書ファイルの読み出し元へのアクセス情報を含むことで、ユーザがファイル管理装置12内の文書ファイルの読み出し元を探さなくても済む。
【0070】
登録URLは、それが記載された構成情報ファイルに対応する構成情報に対応付ける文書ファイルを指定して、その文書ファイルを文書DB38に登録するためのアクセス情報である。登録URLは、構成情報ファイル72ごとに異なり、
図7の例では、構成情報(作業1-計画書)に、文書ファイルを登録するためのアクセスURLである。ユーザが、登録URLを、クライアントのWEBブラウザ等に入力することで、ファイル指定ウィンドウ80(
図7参照)がクライアント14の表示装置54に表示される。ユーザは、ファイル指定ウィンドウ80において、登録する文書ファイルを指定して、登録ボタン82を押下する。それにより、ファイル指定ウィンドウ80で指定された文書ファイルが、文書DB38において(作業1-計画書)の構成情報に対応する文書ファイルとして登録される。なお、この際、ファイル管理装置12のプロセッサ20は、登録処理部34として機能して処理を行う。このように、構成情報ファイルが文書ファイルの登録先へのアクセス情報を含むことで、ユーザがファイル管理装置12内の文書ファイルの登録先を探さなくても済む。
【0071】
<ファイル名の要素の並び順の指定>
次に、アーカイブファイル70内の文書ファイル74と構成情報ファイル72のファイル名に関し、ファイル名の各要素の並び順を指定する形態について説明する。アーカイブファイル70による登録済み文書ファイルの一括読み出し時に、ユーザが、
図4の保存先指定ウィンドウ64に設けられた詳細設定ボタン68を押下する。それにより、ファイル名の各要素の並び順を指定する設定画面をクライアント14の表示装置54に表示させる。
図8は、その設定画面84の一例である。
【0072】
図8に示すように、設定画面84は、アーカイブファイル内の文書ファイルと構成情報ファイルのそれぞれのファイル名の各要素を指定する複数のプルダウンメニュー86を含む。ユーザは、文書ファイル名について、その1番目~4番目のそれぞれの要素をプルダウンメニュー86で指定し、構造情報ファイル名については、その1番目~3番目のそれぞれの要素をプルダウンメニューで指定する。なお、ここでは、文書ファイル名の要素数を4つ、構造情報ファイル名の要素数を3つとしているが、要素数は適宜、変更してよい。
【0073】
図8上側の開かれたプルダウンメニュー86に示すように、文書ファイル名で指定可能な要素の種類は、文書ファイルの元ファイル名、構成情報の各構成要素(工程または文書種類)、続き番号、属性情報(作成開始予定日、作成担当者、または作成納期)である。なお、属性情報は、文書ファイルが登録される前に、各構成情報に対応付けてユーザから指定されて、文書DB38に格納される情報である(
図3に示す、文書DB38の属性情報42)。また、
図8下側の開かれたプルダウンメニュー86に示すように、構成情報ファイル名で指定可能な要素の種類は、構成情報の各構成要素(工程または文書種類)、続き番号、属性情報(作成開始予定日、作成担当者、または作成納期)である。
【0074】
設定画面84において、ユーザが、文書ファイル名と構成情報ファイル名の各要素を指定した後、設定ボタン88を押下することで、並び順の設定が完了する。その後、ユーザが、
図4の保存先指定ウィンドウ64で保存ボタン66を押下することで、アーカイブファイル70が、クライアント14の記憶装置52に格納される。
【0075】
図9は、
図8に示す設定画面84の各プルダウンメニュー86の要素の指定により、生成されたアーカイブファイル70Aの構成を示す図である。
図8では、文書ファイル名の1番目の要素を元ファイル名としているため、
図9における各文書ファイル74のファイル名の先頭は元ファイル名となっている。本発明の実施形態では、文書ファイルのファイル名に構成情報を付与するので、ファイル名が非常に長くなる場合があり得る。システムによってはファイル名の文字数制限があり、ファイル名の後方部分が省略される可能性があるが、
図9のように、ファイル名の先頭に元ファイル名を配置することで、元ファイル名が省略されることが抑制される。このように、所望の順番で元ファイル名と各構成要素が並ぶ、文書ファイルの新ファイル名が得られる。また、所望の順番で各構成要素が並ぶ、構成情報ファイルのファイル名が得られる。
【0076】
図10は、
図8と同様の設定画面84Aであるが、
図8の設定画面84から各プルダウンメニュー86の要素の指定を変更している。
図10では、文書ファイル名と構成情報ファイル名とのそれぞれの1番目の要素として、属性情報の1つである作成担当者を指定している。
図11は、
図10に示す設定画面84Aの各プルダウンメニュー86の要素の指定により、生成されたアーカイブファイル70Bの構成を示す図である。
図11に示すように、文書ファイル74と構成情報ファイル72のファイル名に作成担当者の氏名が表われている。このように、ファイル名に属性情報を含ませることで、ファイル名から、そのファイルに対応する構成情報の属性情報が得られる。
【0077】
なお、文書DB38の属性情報42の一部または全部が、ユーザから指定されないことで、存在しないこともあり得る。例えば、上記した作成担当者が属性情報42として文書DB38に存在しないが、
図10の設定画面84Aのように、文書ファイル名または構成情報ファイル名の要素として指定されることがある。その場合に作成するアーカイブファイルとして、
図12に示すアーカイブファイル70Cのように、存在しない属性情報(作成担当者)に代えて予め定められた文字例を構成情報ファイル72または文書ファイル74のファイル名に付与するとよい。
図12では、予め定められた文字列として「****」を使用している。このようにすれば、文書ファイル74または構成情報ファイル72のファイル名から、そのファイルに対応する構成情報の指定された属性情報が存在しないことが分かる。
【0078】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0079】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 ファイル管理システム、12 ファイル管理装置(サーバ)、14 クライアント、18 ネットワーク、20 プロセッサ、22 記憶装置、26 管理例、28 文書ファイル、30 管理画面提供部、32 アーカイブ作成部、34 登録処理部、36 読出処理部、38 文書データベース(文書DB)、40 構成情報、42 属性情報、44 対応付け情報、46 登録済み文書ファイル群、48 登録済み文書ファイル、50 プロセッサ、52 記憶装置、53 入力装置、54 表示装置、55 読み出された文書ファイル,56 登録する文書ファイル、58 管理画面、60 管理文書表示部、62 ダウンロードボタン、64 保存先指定ウィンドウ、66 保存ボタン、68 詳細設定ボタン、70,70A,70B,70C アーカイブファイル、72 構成情報ファイル、73 構成情報ファイルの内容、74 文書ファイル(登録済みコンテントファイル)、76 保存先指定ウィンドウ、78 保存ボタン、80 ファイル指定ウィンドウ、82 登録ボタン、84,84A 設定画面、86 プルダウンメニュー、88 設定ボタン。