(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20241126BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241126BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G03G21/00 530
G03G21/16 119
G03G15/00 550
(21)【出願番号】P 2020170249
(22)【出願日】2020-10-08
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 兼弘
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/086437(WO,A1)
【文献】特開2020-034216(JP,A)
【文献】特開2018-107087(JP,A)
【文献】特開2009-237016(JP,A)
【文献】特開2014-089364(JP,A)
【文献】特開2006-068966(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0117150(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体の筐体を構成する天板を備え、
前記天板の上面には、装置外部から吸気を行うための開口部が形成され、
前記開口部は、縁部が前記吸気の方向に向かって立ち上がるバーリング加工が施されている複数の第1開口部と、前記バーリング加工が施されていない複数の第2開口部と、で構成され、
前記第1開口部は、前記天板の相対的に強度の弱い部分に形成され、
前記天板には、折り曲げ部が設けられており、
前記第1開口部は、前記折り曲げ部に近接しない部分に形成され、
前記第2開口部は、前記折り曲げ部に近接する部分に形成されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記吸気を行う際に用いられるファンの面積に対する前記第1開口部及び前記第2開口部の総開口面積の比率が50%以上である、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1開口部は、丸形状又は長円形状の孔である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2開口部は、角形状の孔である、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1開口部のそれぞれは、前記バーリング加工により形成される立ち上がりの長さが互いに均等となるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1開口部のそれぞれは、開口径よりも前記バーリング加工により形成される立ち上がりの長さの方が短くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1開口部及び前記第2開口部のそれぞれは、各開口径が前記吸気を行う際に用いられるファンの直径よりも短くなるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記天板の少なくとも前記第1開口部が形成される領域は、外装板金によって保護されない領域である、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光体上に形成された静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成し、形成されたトナー像を用紙に転写し、転写されたトナー像を加熱定着することで、用紙上に画像を形成する電子写真方式の画像形成装置が知られている。
【0003】
かかる画像形成装置においては、近年、市場のニーズである生産性向上に対応するため、プリントスピードが上昇傾向にあり、このプリントスピードの上昇に伴って、機内の温度も上昇傾向にある。そのため、機内の温度上昇を抑制することを目的として、例えば、画像形成部と定着装置との間に断熱ダクトを設け、当該断熱ダクトには、当該画像形成部と当該定着装置との間の領域に、当該断熱ダクト内に導入された冷媒を排出する開口部を設けた画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されている画像形成装置では、定着装置から発生された熱が画像形成部に到達することを防止することはできるものの、機内の冷却性能が不十分である。そこで、例えば、装置本体の筐体を構成する天板に吸気口や排気口としての開口部を設けることによって、機内の冷却性能を向上させることが可能となるが、かかる場合、天板の強度が低下するとともに風切り音が発生してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、機内の冷却性能の向上を目的として開口部を設けた天板の強度を向上させるとともに騒音を抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の画像形成装置は、
装置本体の筐体を構成する天板を備え、
前記天板の上面には、装置外部から吸気を行うための開口部が形成され、
前記開口部は、縁部が前記吸気の方向に向かって立ち上がるバーリング加工が施されている複数の第1開口部と、前記バーリング加工が施されていない複数の第2開口部と、で構成され、
前記第1開口部は、前記天板の相対的に強度の弱い部分に形成され、
前記天板には、折り曲げ部が設けられており、
前記第1開口部は、前記折り曲げ部に近接しない部分に形成され、
前記第2開口部は、前記折り曲げ部に近接する部分に形成されている、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記吸気を行う際に用いられるファンの面積に対する前記第1開口部及び前記第2開口部の総開口面積の比率が50%以上である、
ことを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記第1開口部は、丸形状又は長円形状の孔である、
ことを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記第2開口部は、角形状の孔である、
ことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記第1開口部のそれぞれは、前記バーリング加工により形成される立ち上がりの長さが互いに均等となるように形成されている、
ことを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記第1開口部のそれぞれは、開口径よりも前記バーリング加工により形成される立ち上がりの長さの方が短くなるように形成されている、
ことを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記第1開口部及び前記第2開口部のそれぞれは、各開口径が前記吸気を行う際に用いられるファンの直径よりも短くなるように形成されている、
ことを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の画像形成装置において、
前記天板の少なくとも前記第1開口部が形成される領域は、外装板金によって保護されない領域である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、天板に開口部を設けたことによる当該天板の強度を向上させるとともに騒音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
【
図2】画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。
【
図3】画像形成装置の概略構成を示す背面斜視図である。
【
図5】第2の天板を介して吸気を行った際の風の流れを示す図である。
【
図7】ファンを第2の天板越しに示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
本実施形態に係る画像形成装置10は、
図1及び
図2に示すように、制御部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、記憶部14と、操作パネル15(表示部151、操作部152)と、通信部16と、を備えて構成されている。
【0025】
制御部11は、CPU、RAM、ROM等を備えて構成される。CPUは、操作部152から入力される操作信号又は通信部16により受信される指示信号に応じて、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、画像形成装置10の動作を統括的に制御する。
【0026】
画像読取部12は、図示しない原稿台又は自動原稿搬送部(ADF:Auto Document Feeder)に載置された原稿の画像を走査露光装置の光学系により走査露光し、その反射光をラインイメージセンサーにより読み取り、これにより、画像信号を得る。この画像信号は、A/D変換、シェーディング補正、圧縮等の処理が施された後、画像データとして制御部11に入力される。なお、制御部11に入力される画像データとしては、画像読取部12で読み取ったものに限らず、例えば、通信部16を介して外部装置(図示省略)から受信したものであってもよい。
【0027】
画像形成部13は、画像処理された原画像の各画素の4色の画素値に応じて、C、M、Y及びKの4色からなる画像を用紙上に形成する。
画像形成部13は、
図1に示すように、4つの書込みユニット131、中間転写ベルト132、2次転写ローラー133、定着装置134等を備えて構成されている。
【0028】
4つの書込みユニット131は、中間転写ベルト132のベルト面に沿って直列(タンデム)に配置され、C、M、Y及びKの各色の画像を形成する。各書込みユニット131は形成する画像の色が異なるだけで構成は同じであり、
図2に示すように、光走査装置131a、感光体131b、現像部131c、帯電部131d、クリーニング部131e及び1次転写ローラー131fを備えて構成されている。
【0029】
画像形成時、各書込みユニット131では、帯電部131dにより感光体131bを帯電させた後、原画像に基づいて光走査装置131aにより出射した光束で感光体131b上を走査し、静電潜像を形成する。現像部131cによりトナー等の色材を供給して現像すると、感光体131b上に画像が形成される。
4つの書込みユニット131の感光体131b上にそれぞれ形成した画像を、それぞれの1次転写ローラー131fにより、中間転写ベルト132上に順次重ねて転写(1次転写)する。これにより、中間転写ベルト132上には各色からなる画像が形成される。中間転写ベルト132は、複数のローラーに巻き回されて回動する像担持体である。1次転写後、クリーニング部131eにより感光体131b上に残留する色材を除去する。
【0030】
画像形成部13では、回動する中間転写ベルト132上の画像が2次転写ローラー133の位置に至るタイミングに合わせて、手差しトレイT1又は給紙トレイT2から用紙を給紙する。2次転写ローラー133は、対をなす一方のローラーが中間転写ベルト132に圧接し、他方が中間転写ベルト132を巻き回す複数のローラーのうちの1つを構成している。2次転写ローラー133の圧接により、中間転写ベルト132から用紙上に画像を転写(2次転写)すると、定着装置134に用紙を搬送して定着処理を施し、排紙トレイT3へ排紙する。定着処理は、定着ローラー134aにより用紙を加熱及び加圧して画像を用紙に定着させる処理である。用紙の両面に画像を形成する場合、反転経路135に用紙を搬送して用紙面を反転させた後、2次転写ローラー133の位置へ再度用紙を給紙する。
【0031】
記憶部14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(solid state drive)等により構成される不揮発性の記憶手段であり、各種プログラムや各種設定データ等を制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0032】
操作パネル15は、ユーザーに対して各種情報を表示する表示部151と、ユーザーによる操作入力を受け付ける操作部152と、を備えて構成されている。
表示部151は、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、制御部11から入力される表示制御信号に従って、操作画面等(各種設定画面、各種ボタン、各機能の動作状況等)を表示する。
操作部152は、表示部151の画面上に設けられるタッチパネルと、表示部151の画面周囲に配置される各種ハードキーと、を備えて構成されている。操作部152は、画面上に表示されたボタンが手指やタッチペン等で押下された場合、押下された力点のXY座標を電圧値で検出し、検出された位置に対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。なお、タッチパネルは感圧式に限らず、例えば静電式や光式等であってもよい。また、操作部152は、ハードキーが押下された場合、押下されたキーに対応付けられた操作信号を制御部11に出力する。ユーザーは、操作部152を操作して、画質設定、倍率設定、応用設定、出力設定及び用紙設定等の画像形成に関する設定、用紙搬送指示、並びに装置の停止操作などを行うことができる。
【0033】
通信部16は、画像形成装置10を通信ネットワークNに接続するインターフェースである。通信部16は、通信用IC及び通信コネクタなどを有し、制御部11の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNに接続されている外部装置と各種情報の送受信を行う。また、通信部16は、USBを介して各種情報の入出力を行うことも可能である。
【0034】
図3は、画像形成装置10の概略構成を示す背面斜視図である。なお、
図3では、画像読取部12及び操作パネル15が除かれた状態の画像形成装置10の概略構成が示されている。
図3に示すように、画像形成装置10は、装置本体の筐体の上部を構成する第1の天板21と、第2の天板(天板)22と、を備えて構成されている。
第1の天板21は、画像読取部12を構成する原稿台等の真下に配設される天板である。第2の天板22は、第1の天板21よりも後方、すなわち画像形成装置10の背面側(奥側)に配設される天板である。
以下、第2の天板22について詳しく説明する。
【0035】
第2の天板22は、
図3及び
図4に示すように、底面が開口した箱形状に形成されており、その上面に長円形状をなした複数(例えば、8個)の第1孔部(第1開口部(開口部))221と、角形状をなした複数(例えば、25個)の第2孔部(第2開口部)222と、が形成されている。ここで、本実施形態の画像形成装置10は、第2の天板22の上に外装板が設置されるようになっているが、当該第2の天板22のうち第1孔部221及び第2孔部222が形成されている領域の上には外装板金ではなく、樹脂製の外装板が設置されるようになっている。
【0036】
第1孔部221及び第2孔部222は、
図5に示すように、いずれも装置外部から吸気を行うための吸気口である。図中の矢印は風Wの流れを示している。ここで、第1孔部221及び第2孔部222は、装置内の冷却を効果的に行うため、吸気を行う際に用いられるファンF(
図7参照)の面積に対する当該第1孔部221及び当該第2孔部222の総開口面積の比率を50%以上にすることが好ましく、より効果的に装置内の冷却を行う場合には、当該比率を70%以上にすることが好ましい。
【0037】
第1孔部221は、第2の天板22の上面中央、すなわち当該第2の天板22の上面において相対的に強度が弱い部分に形成されている。また、第1孔部221には、第2の天板22の強度を向上させるため、バーリング加工が施されている。ここで、第1孔部221は、バーリング加工を施し易くするため、上述のように長円形状としている。
【0038】
図6は、
図5のA-A線断面図である。図中の矢印は風Wの流れを示している。
図6に示すように、第1孔部221は、吸気によって発生する騒音(風切り音)を抑制することを目的として、その縁部が吸気の方向に向かって立ち上がるようにバーリング加工が施されている。また、第1孔部221は、上記の騒音をより効果的に抑制するため、その立ち上がりの長さL1が互いに均等となるように形成されるとともに、その立ち上がりの長さL1が当該第1孔部221の開口径L2よりも短くなるように形成されている。
【0039】
第2孔部222は、
図5に示すように、第2の天板22の上面であって、当該第2の天板22の上面と前側側面とにより形成される前側折り曲げ部BS1に近接する位置に直列に形成されるとともに、第2の天板22の上面と後側側面とにより形成される後側折り曲げ部BS2に近接する位置に直列に形成されている。つまり、第2孔部222は、第2の天板22の上面において相対的に強度が強い部分に形成されている。また、第2孔部222は、第2の天板22の上面中央に形成された一群の第1孔部221の両端、すなわち当該第2の天板22の上面中央において相対的に強度が強い部分に形成されている。したがって、第2の天板22のうちの第2孔部222が形成されている箇所については、第1孔部221が形成されている箇所に比べて強度が高いため、本実施形態では、第2孔部222にはバーリング加工を施していない。
【0040】
図7は、装置外部から吸気を行う際に用いられるファンFを第2の天板22越しに示した平面図である。
図7に示すように、第1孔部221及び第2孔部222は、それぞれの開口径(孔径)がファンFの直径L3よりも短くなるように形成されている。これにより、ファンFの動作に支障を来たす大きな物体が第1孔部221や第2孔部222を介して侵入することを抑制している。
【0041】
以上のように、本実施形態に係る画像形成装置10は、装置本体の筐体を構成する第2の天板22を備え、第2の天板22には、第1孔部(開口部)221が形成され、第1孔部221には、バーリング加工が施されている。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221にバーリング加工を施すことによって、第2の天板22の強度を向上させることができるとともに騒音を抑制することができる。
【0042】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221は、装置外部から吸気を行うための吸気口である。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221を介して吸気が行われた際に発生する騒音(風切り音)を抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221は、その縁部が吸気の方向に向かって立ち上がるようにバーリング加工が施されているので、第1孔部221を介して吸気が行われた際に発生する騒音をより抑制することができる。
【0044】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221は、第2の天板22の上面に形成されている。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221にバーリング加工が施されることによって、第2の天板22の上面の強度を向上させることができるので、当該上面に加わる衝撃に対する耐久性を確保することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第2の天板22には、第1孔部(第1開口部)221が複数形成されるとともに、バーリング加工が施されていない第2孔部(第2開口部)が複数形成されている。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221及び第2孔部222を介して、より多くの風Wを取り込むことができるので、機内の冷却性能を向上させることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221は、第2の天板22の相対的に強度の弱い部分に形成されている。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第2の天板22の相対的に強度の弱い部分に形成された第1孔部221にバーリング加工を施すことで、この強度の弱い部分を重点的に補強することができる。
【0047】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第2の天板22には、前側折り曲げ部BS1と後側折り曲げ部BS2とが設けられており、第1孔部221は、前側折り曲げ部BS1と後側折り曲げ部BS2とに近接しない部分に形成され、第2孔部222は、前側折り曲げ部BS1や後側折り曲げ部BS2に近接する部分に形成されている。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第2孔部222は、前側折り曲げ部BS1や後側折り曲げ部BS2に近接した第2の天板22の相対的に強度の強い部分に形成することで、当該第2孔部222に対してはバーリング加工をしなくて済むようにすることができるので、加工コストを抑制することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221は、長円形状の孔であるので、第1孔部221に対してバーリング加工を施し易くすることができる。
【0049】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第2孔部222は、角形状の孔である。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第2孔部222の開口面積を大きくすることができるので、機内の冷却性能を向上させることができる。
【0050】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221のそれぞれは、バーリング加工により形成される立ち上がりの長さL1が互いに均等となるように形成されている。
したがって、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221を介して取り込まれた風Wの流れが乱れてしまうことを抑制することができるので、第1孔部221を介して吸気が行われた際に発生する騒音をより一層抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221のそれぞれは、開口径(孔径)L2よりもバーリング加工により形成される立ち上がりの長さL1の方が短くなるように形成されているので、第1孔部221を介して吸気が行われた際に発生する騒音をより一層抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第1孔部221及び第2孔部222のそれぞれは、各開口径がファンFの直径L3よりも短くなるように形成されているので、ファンFの動作に支障を来たす大きな物体が第1孔部221や第2孔部222を介して侵入することを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態に係る画像形成装置10によれば、第2の天板22の第1孔部221が形成される領域は、外装板金によって保護されない領域であるが、上述のように第1孔部221にはバーリング加工が施されているため、当該領域に加わる衝撃に対する耐久性を確保することができる。
【0054】
以上、本発明に係る実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0055】
例えば、上記実施形態では、第1孔部221の孔の形状を長円形状としているが、バーリング加工を施し易い形状であればよく、長円形状に限定されるものではない。例えば、第1孔部221の孔の形状は、丸形状であってもよい。また、第1孔部221のそれぞれは互いに同じ形状である必要はなく、長円形状のものと丸形状のものとが混ざっていてもよい。
【0056】
その他、画像形成装置を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 画像形成装置
11 制御部
12 画像読取部
13 画像形成部
14 記憶部
15 操作パネル
151 表示部
152 操作部
16 通信部
21 第1の天板
22 第2の天板(天板)
221 第1孔部(第1開口部(開口部))
222 第2孔部(第2開口部)
BS1 前側折り曲げ部(折り曲げ部)
BS2 後側折り曲げ部(折り曲げ部)
F ファン