(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】表示装置、電子機器及び移動体
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20241126BHJP
G09G 3/18 20060101ALI20241126BHJP
G09G 3/00 20060101ALI20241126BHJP
B60K 35/22 20240101ALI20241126BHJP
B60K 35/40 20240101ALI20241126BHJP
【FI】
G09G3/20 670B
G09G3/18
G09G3/00 V
G09G3/20 660E
G09G3/20 621M
G09G3/20 612R
G09G3/20 633P
G09G3/20 631H
G09G3/20 660C
G09G3/20 650M
G09G3/20 680F
B60K35/22
B60K35/40
(21)【出願番号】P 2020178716
(22)【出願日】2020-10-26
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】田中 和顕
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-118924(JP,A)
【文献】特開2005-266389(JP,A)
【文献】特開2020-106633(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0148306(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
B60K 35/00-35/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアイコンを表示可能なセグメント表示部と、ドットマトリックス表示部と、を有
する第1の表示器と、
前記第1の表示器と異なる第2の表示器と、
前記セグメント表示部にセグメント表示用駆動信号を出力し、前記ドットマトリックス
表示部にドットマトリックス表示用駆動信号を出力する表示部駆動回路と、
前記第1のアイコンの表示異常を検出する表示異常検出回路と、
前記表示部駆動回路を制御する制御回路と、
前記第1のアイコンの表示異常が検出された場合、前記制御回路に、前記第1のアイコ
ンの前記セグメント表示部への表示の指示に代えて、前記第1のアイコンの代替となる第
2のアイコンの前記ドットマトリックス表示部への表示の指示を行う処理ユニットと、
前記ドットマトリックス表示部に前記第2のアイコンを表示させるためのデータである
第2アイコン表示用データ及び前記ドットマトリックス表示部に前記第2の表示器の代替
となる第3のアイコンを表示させるためのデータである第3アイコン表示用データを記憶
する記憶部と、
を有し、
前記第1のアイコンの表示異常が検出される前に、前記記憶部に前記第2アイコン表示
用データが記憶されており、前記第1のアイコンの表示異常が検出された場合、前記第2
のアイコンの前記ドットマトリックス表示部への表示の指示に応じて、前記記憶部から前
記表示部駆動回路に、前記第2アイコン表示用データを転送させ、
前記制御回路には、前記処理ユニットから前記第2の表示器の電極に入力される制御信
号と、前記第2の表示器の電極から還流される信号と、の2つの信号がそれぞれ入力され
、
前記制御回路は、入力された前記2つの信号を前記表示異常検出回路に出力し、
前記表示異常検出回路は、前記制御回路から供給される前記2つの信号に基づいて、前
記第2の表示器の表示異常を検出し、
前記表示異常検出回路は、前記制御回路から供給される前記制御信号に基づいて、前記
第2の表示器の電極から還流される信号が期待される電圧値でない場合に、前記第2の表
示器の表示異常を検出し、
前記処理ユニットは、前記第2の表示器の表示異常が検出された場合、前記制御回路に
、前記第3のアイコンの前記ドットマトリックス表示部への表示の指示を行う、表示装置
。
【請求項2】
集積回路装置を有し、
前記表示部駆動回路、前記制御回路及び前記表示異常検出回路は、前記集積回路装置に
含まれる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記処理ユニットは、
前記制御回路に、前記第2のアイコンの前記ドットマトリックス表示部への表示の指示
として、前記ドットマトリックス表示部に前記第2のアイコンを表示させるためのデータ
である第2アイコン表示用データを送信し、
前記制御回路は、
前記表示部駆動回路に、前記第2アイコン表示用データを転送する、請求項1又は2に
記載の表示装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記処理ユニットから送信された前記ドットマトリックス表示部に表示する表示情報の
データが書き込まれる第1の記憶領域と、
前記第2アイコン表示用データが記憶される第2の記憶領域と、を有する、請求項1に
記載の表示装置。
【請求項5】
前記処理ユニットは、
前記第1のアイコンの表示異常が検出された場合、前記制御回路に、前記第1のアイコ
ンを前記セグメント表示部に表示させない指示を行う、請求項1乃至4のいずれか一項に
記載の表示装置。
【請求項6】
前記
第1の表示器は、前記セグメント表示部及び前記ドットマトリックス表示部が設け
られた単一の表示パネルを有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記セグメント表示部には、前記第1のアイコンを表示するためのセグメント電極及び
コモン電極が設けられ、
前記セグメント表示用駆動信号は、前記セグメント電極に供給されるセグメント駆動信
号と、前記コモン電極に供給されるコモン駆動信号と、を含み、
前記表示異常検出回路は、
前記セグメント駆動信号の異常を検出するセグメント異常検出回路と、
前記コモン駆動信号の異常を検出するコモン異常検出回路と、を有する、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2のアイコンは、形状及び表示色の少なくとも一方が前記第1のアイコンと異な
る、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1のアイコンは、警告表示用のアイコンである、請求項1乃至8のいずれか一項
に記載の表示装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の表示装置を備える、電子機器。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の表示装置を備える、移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、電子機器及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の表示器を用いた表示装置で、表示故障が発生した表示器に表示されていた重要度の高い画像を、表示故障が発生していなく、且つ重要度の低い画像が表示されている表示器に表示させる表示装置が記載されている。具体的には、特許文献1に記載の表示装置では、制御装置が、複数の表示器の各々に、所定のタイミングで、黒色の背景部の所定部位に、白色、あるいは白と黒の中間色となるマーク部が設けられた検査パターン画像を表示させ、センサ部が、各表示器に表示されたマーク部を検知する。いずれかの表示器が故障していると、故障した表示器には検査パターン画像が表示されないので、センサ部からマーク部の検知信号が出力されない。この無検知状態が故障検知信号となって、制御装置に認識され、故障のない表示器に重要度の高い画像が優先表示される。
【0003】
また、特許文献2には、セグメント表示部とドットマトリックス表示部の両方を配置した表示器の表示を、必要に応じて表示の内容を切り替える遠隔制御装置が記載されている。例えば、特許文献2に記載の遠隔制御装置では、ドット表示部の表示を消して消費電力を低減している時でも、機器本体の故障やシステム的なエラーが発生した場合は、ドット表示部にその故障内容やエラー内容を表示し、あるいは、ドット表示駆動部とドット表示部に電力を供給する電池の電圧を監視し、当該電圧が低下してドット表示ができなると判断したときに、セグメント表示部にドット表示ができなくなる旨を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-121841号公報
【文献】特開2002-152866号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の表示装置では、表示器の一部に表示異常が生じても、所定のタイミングでマーク部が正常に表示される限り故障と認識されず、重要度の高い画像が他の表示器に優先表示されない。また、特許文献2に記載の遠隔制御装置では、セグメント表示部に表示可能なアイコンに表示異常が生じた場合に、適正な情報が表示されなくなるおそれがある。したがって、セグメント表示部とドットマトリックス表示部を有する表示器において、セグメント表示部に表示可能なアイコンに表示異常が生じても適正な情報の表示を継続することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置の一態様は、
第1のアイコンを表示可能なセグメント表示部と、ドットマトリックス表示部と、を有する表示器と、
前記セグメント表示部にセグメント表示用駆動信号を出力し、前記ドットマトリックス表示部にドットマトリックス表示用駆動信号を出力する表示部駆動回路と、
前記第1のアイコンの表示異常を検出する表示異常検出回路と、
前記表示部駆動回路を制御する制御回路と、
前記第1のアイコンの表示異常が検出された場合、前記制御回路に、前記第1のアイコンの前記セグメント表示部への表示の指示に代えて、前記第1のアイコンの代替となる第2のアイコンの前記ドットマトリックス表示部への表示の指示を行う処理ユニットと、を有する。
【0007】
本発明に係る電子機器の一態様は、
前記表示装置の一態様を備える。
【0008】
本発明に係る移動体の一態様は、
前記表示装置の一態様を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】表示パネルに設けられる複数のセグメント電極の例を示す図。
【
図3】ドットマトリックス表示部及びセグメント表示部の配置例を示す図。
【
図5】セグメント表示部セグメント駆動回路の一部の構成例、及び、セグメント異常検出回路の構成例を示す図。
【
図6】セグメント表示部コモン駆動回路の一部の構成例、及び、コモン異常検出回路の構成例を示す図。
【
図7】第1実施形態の表示装置の動作手順の一例を示すフローチャート図。
【
図8】アイコンの表示異常によって表示パネルに表示される情報が変化する例を示す図。
【
図9】アイコンの表示異常によって表示パネルに表示される情報の一例を示す図。
【
図10】第2実施形態の表示装置の構成例を示す図。
【
図11】第3実施形態の表示装置の構成例を示す図。
【
図12】第3実施形態の表示装置の他の構成例を示す図。
【
図13】第3実施形態の表示装置の他の構成例を示す図。
【
図14】第3実施形態の表示装置の動作手順の一例を示すフローチャート図。
【
図17】本実施形態の移動体の具体例としての車両を概略的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.表示装置
1-1.第1実施形態
1-1-1.表示装置の構成
図1は、第1実施形態の表示装置の構成例を示す図である。
図1に示すように、第1実施形態の表示装置1は、表示器20と、表示器20を駆動する表示ドライバー10と、処理ユニット30と、を有する。
【0012】
表示器20は、ドットマトリックス表示部211及びセグメント表示部212が設けられた単一の表示パネル21を有する。ドットマトリックス表示部211は、マトリックス状に配置された複数のドットにより、各種の情報を表示する。セグメント表示部212は、それぞれ所定の形状である複数の電極に駆動信号が供給されることにより、各種の表示物を表示する。
【0013】
表示パネル21は、例えば、液晶パネルであり、2枚のガラス基板と、その間に封入される液晶と、を含む。各ガラス基板には透明導電膜により電極及び信号線が形成されており、2枚のガラス基板のいずれかにCOG実装された表示ドライバー10と電極とが信号線によって接続される。COGは、Chip On Glassの略である。透明導電膜は、例えば、ITOの薄膜である。ITOは、Indium Tin Oxideの略である。
【0014】
ドットマトリックス表示部211において、一方のガラス基板には複数のセグメント電極が設けられ、他方のガラス基板には複数のコモン電極が設けられている。各セグメント電極にはドットマトリックス表示用のセグメント駆動信号が供給され、各コモン電極にはドットマトリックス表示用のコモン駆動信号が供給される。例えば、各セグメント電極は第1方向に沿った直線状の電極であり、各コモン電極は第1方向と直交する第2方向に沿った直線状の電極であり、各セグメント電極と各コモン電極の交点がドットマトリックス表示の各ドットとなる。
【0015】
また、セグメント表示部212において、一方のガラス基板には複数のセグメント電極が設けられ、他方のガラス基板には1又は複数のコモン電極が設けられている。各セグメント電極にはセグメント表示用のセグメント駆動信号が供給され、各コモン電極にはセグメント表示用のコモン駆動信号が供給される。各セグメント電極は、1又は複数のコモン電極のいずれかと向かい合って配置されており、セグメント電極とコモン電極が対向して配置された領域が、そのセグメント電極が示す表示物の表示領域となる。
【0016】
なお、表示パネル21は、液晶パネルに限られず、例えば、有機化合物を用いた層状の構造体から成る有機EL(Electro Luminescence)パネルであってもよい。
【0017】
図2は、表示パネル21に設けられる複数のセグメント電極の例を示す図である。なお、
図2では、表示装置1が車両やバイクなどに搭載される場合を想定している。
【0018】
図2の例では、ドットマトリックス表示部211には、縦方向に沿った直線状の複数のセグメント電極と、横方向に沿った直線状の複数のコモン電極とが設けられており、各セグメント電極と各コモン電極の交点がドットマトリックス表示の各ドットとなる。
【0019】
また、セグメント表示部212には、それぞれ特定の形状を有する複数のセグメント電極と、1又は複数のコモン電極とが設けられており、3つの表示物X1,X2,X3が表示可能である。なお、
図2では、セグメント表示部212に設けられているコモン電極の図示は省略されている。
【0020】
表示物X1は警告灯を表す表示物である。表示物X1は、例えば、水温警告灯、油圧警告灯、エンジン警告灯、燃料残量警告灯等を表す。セグメント表示部212には、表示物X1を表示させるための1つのセグメント電極が設けられている。
【0021】
表示物X2は方向指示器を表す表示物である。セグメント表示部212には、表示物X2の右向き矢印を表示させるための1つのセグメント電極と、表示物X2の左向き矢印を表示させるための1つのセグメント電極とが設けられている。
【0022】
表示物X3は2桁の数字を表す表示物である。表示物X3は、例えば、速度計、回転計等で計測された数値を表す。セグメント表示部212には、表示物X3の十の位の数字を表示させるための7つのセグメント電極と、表示物X3の一の位の数字を表示させるための7つのセグメント電極とが設けられている。なお、表示物X3は、数値のレベルを表すブロックであってもよい。
【0023】
セグメント表示部212に設けられている各セグメント電極及びドットマトリックス表示部211に設けられている各セグメント電極は、表示ドライバー10の各端子と、実線で示す透明配線で接続されており、各配線を介してセグメント駆動信号が印加される。透明配線は、例えば、ITOの配線である。また、各セグメント電極と対向するコモン電極は、表示ドライバー10の各端子と、破線で示す透明配線で接続されており、各配線を介してコモン駆動信号が印加される。
【0024】
なお、表示パネル21におけるドットマトリックス表示部211及びセグメント表示部212の配置は特に限定されない。例えば、
図3のA1に示すように、ドットマトリックス表示部211とセグメント表示部212とが左右に配置されていてもよい。あるいは、
図3のA2に示すように、ドットマトリックス表示部211とセグメント表示部212とが上下に配置されていてもよい。あるいは、
図3のA3に示すように、ドットマトリックス表示部211が表示パネル21の中央に配置され、セグメント表示部212がドットマトリックス表示部211の左右に分かれて配置されていてもよい。あるいは、
図3のA4に示すように、ドットマトリックス表示部211が表示パネル21の中央に配置され、セグメント表示部212がドットマトリックス表示部211の上下左右に分かれて配置されていてもよい。
【0025】
また、表示ドライバー10の配置も特に限定されない。例えば、
図4のB1に示すように、表示ドライバー10は、表示パネル21の下部においてCOG実装されていてもよい。あるいは、
図4のB2に示すように、表示ドライバー10は、表示パネル21の上部においてCOG実装されていてもよい。あるいは、
図4のB3に示すように、表示ドライバー10は、表示パネル21の左部においてCOG実装されていてもよい。あるいは、
図4のB4に示すように、表示ドライバー10は、表示パネル21の右部においてCOG実装されていてもよい。
【0026】
図1の説明に戻り、表示ドライバー10は、制御回路11、インターフェース回路12、発振回路13、ドットマトリックスデータ記憶部14、ドットマトリックスデータラインラッチ15、セグメントデータ記憶部16、セグメントデータラインラッチ17、表示部駆動回路18及び表示異常検出回路19を有する。本実施形態では、表示ドライバー10は、集積回路装置であり、制御回路11、インターフェース回路12、発振回路13、ドットマトリックスデータ記憶部14、ドットマトリックスデータラインラッチ15、セグメントデータ記憶部16、セグメントデータラインラッチ17、表示部駆動回路18及び表示異常検出回路19は、集積回路装置に含まれる。
【0027】
インターフェース回路12は、表示ドライバー10の外部に設けられる処理ユニット30と制御回路11とのデータ通信を成立させるための回路である。処理ユニット30は、CPU等のプロセッサーであり、表示ドライバー10に対するホストデバイスあるいはコントローラーとして機能する。
【0028】
発振回路13は、制御回路11を動作させるためのクロック信号を生成する。発振回路13は、例えば、CR発振回路であってもよい。
【0029】
ドットマトリックスデータ記憶部14は、ドットマトリックス表示部211に表示する表示情報のデータが書き込まれる。
【0030】
セグメントデータ記憶部16は、セグメント表示部212に表示する表示物のデータが書き込まれる。
【0031】
表示部駆動回路18は、ドットマトリックス表示部211にドットマトリックス表示用駆動信号を出力し、セグメント表示部212にセグメント表示用駆動信号を出力する。具体的には、表示部駆動回路18は、ドットマトリックス表示部駆動回路18aと、セグメント表示部駆動回路18bと、を有し、ドットマトリックス表示部駆動回路18aがドットマトリックス表示部211にドットマトリックス表示用駆動信号を出力し、セグメント表示部駆動回路18bがセグメント表示部212にセグメント表示用駆動信号を出力する。
【0032】
ドットマトリックス表示部駆動回路18aは、ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181と、ドットマトリックス表示部コモン駆動回路182と、を有する。ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181は、ドットマトリックス表示部211の各セグメント電極に、ドットマトリックス表示用のセグメント駆動信号を出力する。また、ドットマトリックス表示部コモン駆動回路182は、ドットマトリックス表示部211の各コモン電極に、ドットマトリックス表示用のコモン駆動信号を出力する。すなわち、表示部駆動回路18が出力するドットマトリックス表示用駆動信号は、ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181から出力される各セグメント駆動信号と、ドットマトリックス表示部コモン駆動回路182から出力される各コモン駆動信号と、を含む。
【0033】
セグメント表示部駆動回路18bは、セグメント表示部セグメント駆動回路183と、セグメント表示部コモン駆動回路184と、を有する。セグメント表示部セグメント駆動回路183は、セグメント表示部212の各セグメント電極に、セグメント表示用のセグメント駆動信号を出力する。また、セグメント表示部コモン駆動回路184は、セグメント表示部212の各コモン電極に、セグメント表示用のコモン駆動信号を出力する。すなわち、表示部駆動回路18が出力するセグメント表示用駆動信号は、セグメント表示部セグメント駆動回路183から出力される各セグメント駆動信号と、セグメント表示部コモン駆動回路184から出力される各コモン駆動信号と、を含む。
【0034】
制御回路11は、発振回路13から出力されるクロック信号に基づいて、表示部駆動回路18を制御する。具体的には、制御回路11は、ドットマトリックス表示部駆動回路18a及びセグメント表示部駆動回路18bを制御する。
【0035】
本実施形態では、制御回路11は、次のようにしてドットマトリックス表示部駆動回路18aを制御する。まず、処理ユニット30が、ドットマトリックス表示部211に表示する1画面分の表示情報のデータを制御回路11に送信し、制御回路11は、インターフェース回路12を介して当該表示情報のデータを受信する。次に、制御回路11は、受信した当該表示情報のデータをドットマトリックスデータ記憶部14に書き込む。次に、制御回路11は、ドットマトリックスデータ記憶部14の各アドレスを順次指定して、ドットマトリックスデータ記憶部14からドットマトリックスデータラインラッチ15に各ドットラインのデータを転送する。そして、ドットマトリックス表示部駆動回路18aのドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181は、ドットマトリックスデータラインラッチ15に保持されたドットラインのデータに基づいて、ドットマトリックス表示用の各セグメント駆動信号を生成して出力する。このようにして、制御回路11は、ドットマトリックス表示部211に1画面分の表示情報を表示させるための各セグメント駆動信号を出力させる。また、制御回路11は、ドットマトリックス表示部駆動回路18aのドットマトリックス表示部コモン駆動回路182に、各セグメント駆動信号と同期させて、ドットマトリックス表示部211に1画面分の表示情報を表示させるための各コモン駆動信号を出力させる。ドットマトリックス表示部211の駆動方式としては、例えば、MLS方式やAP方式が用いられる。MLSは、Multi Line Selectionの略であり、APは、Alt Pleshkoの略である。
【0036】
また、制御回路11は、次のようにしてセグメント表示部駆動回路18bを制御する。まず、処理ユニット30が、セグメント表示部212に表示する1画面分の表示物のデータを制御回路11に送信し、制御回路11は、インターフェース回路12を介して当該表示物のデータを受信する。次に、制御回路11は、受信した当該表示物のデータをセグメントデータ記憶部16に書き込む。次に、制御回路11は、セグメントデータ記憶部16の各アドレスを順次指定して、セグメントデータ記憶部16からセグメントデータラインラッチ17に各セグメントラインのデータを転送する。そして、セグメント表示部駆動回路18bのセグメント表示部セグメント駆動回路183は、セグメントデータラインラッチ17に保持されたセグメントラインのデータに基づいて、セグメント表示用の各セグメント駆動信号を生成して出力する。このようにして、制御回路11は、セグメント表示部212に1画面分の表示物を表示させるための各セグメント駆動信号を出力させる。また、制御回路11は、セグメント表示部駆動回路18bのセグメント表示部コモン駆動回路184に、各セグメント駆動信号と同期させて、セグメント表示部212に1画面分の表示情報を表示させるための各コモン駆動信号を出力させる。
【0037】
ドットマトリックスデータ記憶部14及びセグメントデータ記憶部16は、例えば、SRAMで構成される。SRAMは、Static Random Access Memoryの略である。また、ドットマトリックスデータラインラッチ15及びセグメントデータラインラッチ17は、例えば、レジスターで構成される。
【0038】
表示異常検出回路19は、セグメント表示部212が表示可能な第1のアイコンを含む所定のアイコンの表示異常を検出する。アイコンの表示異常は、例えば、アイコンが常に表示されない異常やアイコンが常に表示される異常等である。1つのアイコンは、セグメント表示部212に設けられている1つのセグメント電極によって表示され、
図2の例では、表示物X1は1つのアイコンであり、表示物X2は2つのアイコンによって構成され、表示物X3は14個のアイコンによって構成される。表示異常検出回路19によって表示異常が検出される所定のアイコンは、セグメント表示部212に表示可能なすべてのアイコンである必要はなく、少なくとも第1のアイコンを含めばよい。本実施形態では、第1のアイコンは、
図2に示した警告灯を表す表示物X1のような警告表示用のアイコンである。
【0039】
表示異常検出回路19は、セグメント異常検出回路191と、コモン異常検出回路192と、を有する。
【0040】
セグメント異常検出回路191は、第1のアイコンを含む所定のアイコンを表示するためのセグメント電極に供給されるセグメント駆動信号の異常を検出する。具体的には、セグメント異常検出回路191は、制御回路11から供給される期待値信号に基づいて、セグメント表示部セグメント駆動回路183から出力されるセグメント駆動信号や、セグメント電極から表示ドライバー10に入力される信号が期待される電圧値でない場合に、セグメント駆動信号の異常を検出する。なお、期待値信号は、セグメント表示部セグメント駆動回路183からセグメント異常検出回路191に供給されてもよい。
【0041】
コモン異常検出回路192は、第1のアイコンを含む所定のアイコンを表示するためのコモン電極に供給されるコモン駆動信号の異常を検出する。具体的には、コモン異常検出回路192は、制御回路11から供給される期待値信号に基づいて、セグメント表示部コモン駆動回路184から出力されるコモン駆動信号や、コモン電極から表示ドライバー10に入力される信号が期待される電圧値でない場合に、コモン駆動信号の異常を検出する。なお、期待値信号は、セグメント表示部コモン駆動回路184からコモン異常検出回路192に供給されてもよい。
【0042】
表示異常検出回路19は、セグメント異常検出回路191がアイコンを表示するためのセグメント駆動信号の異常を検出し、あるいは、コモン異常検出回路192が当該アイコンを表示するためのコモン駆動信号の異常を検出した場合に、当該アイコンの表示異常を検出する。アイコンの表示異常は、例えば、セグメント表示部セグメント駆動回路183やセグメント表示部コモン駆動回路184の故障、セグメント電極と表示ドライバー10の出力端子とを接続する配線やコモン電極と表示ドライバー10の出力端子とを接続する配線の断線や短絡等に起因して生じる。
【0043】
制御回路11は、表示異常検出回路19によってアイコンの表示異常が検出された場合、不図示のレジスターに当該アイコンの表示異常が検出されたことを示すフラグをセットする。さらに、制御回路11は、インターフェース回路12を介して、処理ユニット30に表示異常が検出されたことを示す信号を送信してもよい。処理ユニット30は、定期的に、あるいは、表示異常が検出されたことを示す信号を受信して、各アイコンに対するフラグを順次読み出すことにより、表示異常が検出されたアイコンを識別することができる。
【0044】
処理ユニット30は、いずれかのアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11に、表示異常が検出されたアイコンをセグメント表示部212に表示させない指示を行う。例えば、処理ユニット30は、第1のアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11に、第1のアイコンをセグメント表示部212に表示させない指示を行う。本実施形態では、処理ユニット30は、制御回路11に、第1のアイコンをセグメント表示部212に表示させない指示として、セグメント表示部212に第1のアイコンを表示させないためのデータである第1アイコン非表示用データを送信する。制御回路11は、インターフェース回路12を介して第1アイコン非表示用データを受信し、セグメント表示部駆動回路18bに、第1アイコン非表示用データを転送する。具体的には、制御回路11は、受信した第1アイコン非表示用データをセグメントデータ記憶部16に書き込み、セグメントデータラインラッチ17を介して、セグメントデータ記憶部16からセグメント表示部セグメント駆動回路183に第1アイコン非表示用データを転送する。セグメント表示部セグメント駆動回路183は、第1アイコン非表示用データに応じたセグメント駆動信号をセグメント表示部212に出力する。これにより、セグメント表示部212に第1のアイコンが表示されなくなる。
【0045】
また、処理ユニット30は、いずれかのアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11に、表示異常が検出されたアイコンのセグメント表示部212への表示の指示に代えて、表示異常が検出されたアイコンの代替となるアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示を行う。代替となるアイコンは、ドットマトリックス表示部211に複数のドットで構成されたパターンとして表示される。例えば、処理ユニット30は、第1のアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11に、第1のアイコンのセグメント表示部212への表示の指示に代えて、第1のアイコンの代替となる第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示を行う。本実施形態では、処理ユニット30は、制御回路11に、第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示として、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンを表示させるためのデータである第2アイコン表示用データを送信する。制御回路11は、インターフェース回路12を介して第2アイコン表示用データを受信し、ドットマトリックス表示部駆動回路18aに、第2アイコン表示用データを転送する。具体的には、制御回路11は、受信した第2アイコン表示用データをドットマトリックスデータ記憶部14に書き込み、ドットマトリックスデータラインラッチ15を介して、ドットマトリックスデータ記憶部14からドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181に第2アイコン表示用データを転送する。ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181は、第2アイコン表示用データに応じたセグメント駆動信号をドットマトリックス表示部211に出力する。これにより、セグメント表示部212に第1のアイコンが表示される代わりに、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンが表示される。
【0046】
1-1-2.セグメント表示部駆動回路及び表示異常検出回路の構成
図5及び
図6は、セグメント表示部駆動回路18b及び表示異常検出回路19の具体的な構成例を示す図である。
【0047】
図5は、セグメント表示部駆動回路18bに含まれるセグメント表示部セグメント駆動回路183の一部の構成例、及び、表示異常検出回路19に含まれるセグメント異常検出回路191の構成例を示す図である。
【0048】
図5の例では、セグメント異常検出回路191は、セグメント表示部212に設けられているn個のセグメント電極SE
1~SE
nに供給される各セグメント駆動信号の異常を検出する。nは1以上の整数である。
【0049】
セグメント表示部セグメント駆動回路183は、セグメント電極SE1~SEnにそれぞれセグメント駆動信号を出力するn個の出力部40-1~40-nを有する。
【0050】
1以上n以下の各整数iに対して、出力部40-iは、セグメントデータラインラッチ17が有するフリップフロップ171-iから出力される信号と、制御回路11から出力される同期信号とに基づいてセグメント駆動信号を生成し、当該セグメント駆動信号を、表示ドライバー10の出力端子OPSiを介してセグメント電極SEiに出力する。また、セグメント電極SEiから還流される信号は、表示ドライバー10の入力端子IPSiを介して出力部40-iに入力される。
【0051】
出力部40-iは、レベルシフター41-i、レベルシフター42-i、極性反転回路43-i、CMOSインバーター回路44-i、スイッチ45-i及びスイッチ46-iを有する。
【0052】
レベルシフター41-iは、フリップフロップ171-iから出力される信号の電圧レベルを所定の電圧レベルに変換する。
【0053】
レベルシフター42-iは、制御回路11から出力される同期信号の電圧レベルを所定の電圧レベルに変換する。
【0054】
極性反転回路43-iは、レベルシフター42-iから出力される同期信号に同期して、レベルシフター41-iから出力される信号に応じてハイレベル又はローレベルとなる2つの信号を出力する。
【0055】
極性反転回路43-iから出力される一方の信号はCMOSインバーター回路44-iのPMOSトランジスターのゲートに入力され、極性反転回路43-iから出力される他方の信号はCMOSインバーター回路44-iのNMOSトランジスターのゲートに入力される。
【0056】
CMOSインバーター回路44-iから出力される信号は、出力部40-iから出力されるセグメント駆動信号として、出力端子OPSiを介してセグメント電極SEiに供給される。
【0057】
スイッチ45-iの第1端は出力端子OPSiと電気的に接続されており、スイッチ45-iが導通状態のとき、出力部40-iから出力されるセグメント駆動信号がセグメント異常検出回路191に入力される。また、スイッチ46-iの第1端は入力端子IPSiと電気的に接続されており、スイッチ46-iが導通状態のとき、セグメント電極SEiから還流される信号がセグメント異常検出回路191に入力される。スイッチ45-iの第2端とスイッチ46-iの第2端とは電気的に接続されており、スイッチ45-i及びスイッチ46-iは、一方が導通状態となり、他方が非導通状態となるように、制御回路11によって制御される。例えば、制御回路11は、スイッチ45-1~45-nが導通状態となり、かつ、スイッチ46-1~46-nが非導通状態となるか、スイッチ45-1~45-nが非導通状態となり、かつ、スイッチ46-1~46-nが導通状態となるように制御してもよい。
【0058】
セグメント異常検出回路191は、セレクター51、D/A変換器52、コンパレーター53及びレベルシフター54を有する。
【0059】
セレクター51は、n個の出力部40-1~40-nから1つずつ出力されるn個の信号が入力され、制御回路11の制御により、当該n個の信号のうちのいずれか1つの信号を選択して出力する。ここで、1以上n以下の各整数iに対して、出力部40-iから出力されてセレクター51に入力される信号は、スイッチ45-iが導通状態のときはCMOSインバーター回路44-iから出力端子OPSiに出力されるセグメント駆動信号であり、スイッチ46-iが導通状態のときは入力端子IPSiに入力される信号である。制御回路11は、n個のCMOSインバーター回路44-1~44-nから出力されるn個のセグメント駆動信号、及び、n個の入力端子IPS1~IPSnに入力されるn個の信号が、セレクター51によって順次選択されるように、スイッチ45-1~45-n、スイッチ46-1~46-n及びセレクター51を制御する。
【0060】
コンパレーター53は、セレクター51から出力される信号の電圧とD/A変換器52から出力される信号の電圧を比較し、比較結果に応じた電圧レベルの信号を出力する。例えば、コンパレーター53は、セレクター51から出力される信号の電圧がD/A変換器52から出力される信号の電圧よりも高いときにハイレベルの信号を出力し、セレクター51から出力される信号の電圧がD/A変換器52から出力される信号の電圧よりも低いときにローレベルの信号を出力する。
【0061】
D/A変換器52は、制御回路11から入力されるデジタル信号である期待値信号を、当該期待値信号の値に応じた電圧のアナログ信号に変換して出力する。例えば、制御回路11は、セレクター51から出力される信号の電圧がHigh側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合、D/A変換器52から出力される信号の電圧が、例えばHigh側液晶駆動電圧の80%となるような期待値信号をD/A変換器52に入力する。この場合、セレクター51から出力される信号の電圧がHigh側液晶駆動電圧付近であればコンパレーター53から出力される信号がハイレベルとなり、セレクター51から出力される信号の電圧がHigh側液晶駆動電圧の80%以下であればコンパレーター53から出力される信号がローレベルとなる。また、制御回路11は、セレクター51から出力される信号の電圧がLow側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合、D/A変換器52から出力される信号の電圧が、例えばHigh側液晶駆動電圧の20%となるような期待値信号をD/A変換器52に入力する。この場合、セレクター51から出力される信号の電圧がLow側液晶駆動電圧付近であればコンパレーター53から出力される信号がローレベルとなり、セレクター51から出力される信号の電圧がHigh側液晶駆動電圧の20%以上であればコンパレーター53から出力される信号がハイレベルとなる。
【0062】
なお、期待値信号は、セグメント表示部セグメント駆動回路183から、D/A変換器52あるいはコンパレーター53に入力されてもよい。
【0063】
レベルシフター54は、コンパレーター53から出力される信号の電圧レベルを所定の電圧レベルに変換し、制御回路11に出力する。
【0064】
1以上n以下の各整数iに対して、CMOSインバーター回路44-iから出力されるセグメント駆動信号が、High側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合にレベルシフター54から出力される信号がローレベルとなり、あるいは、Low側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合にレベルシフター54から出力される信号がハイレベルとなる場合、CMOSインバーター回路44-iから出力されるセグメント駆動信号の異常が検出される。例えば、CMOSインバーター回路44-iが故障した場合や、出力端子OPSiとセグメント電極SEiとを接続する配線が他の配線と短絡した場合等には、CMOSインバーター回路44-iから出力されるセグメント駆動信号の異常が検出される。
【0065】
また、1以上n以下の各整数iに対して、入力端子IPSiに入力される信号が、High側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合にレベルシフター54から出力される信号がローレベルとなり、あるいは、Low側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合にレベルシフター54から出力される信号がハイレベルとなる場合、入力端子IPSiに入力される信号の異常が検出される。例えば、CMOSインバーター回路44-iが故障した場合や、出力端子OPSiとセグメント電極SEiとを接続する配線が断線又は短絡した場合や、セグメント電極SEiと入力端子IPSiとを接続する配線が断線又は短絡した場合等には、入力端子IPSiに入力される信号の異常が検出される。
【0066】
CMOSインバーター回路44-iから出力されるセグメント駆動信号及び入力端子IPSiに入力される信号の少なくとも一方の異常が検出された場合、セグメント電極SEiに供給されるセグメント駆動信号が異常であるとみなすことができる。このようにして、セグメント異常検出回路191は、セグメント電極SEiに供給されるセグメント駆動信号の異常を検出することができる。
【0067】
図6は、セグメント表示部駆動回路18bに含まれるセグメント表示部コモン駆動回路184の一部の構成例、及び、表示異常検出回路19に含まれるコモン異常検出回路192の構成例を示す図である。
【0068】
図6の例では、コモン異常検出回路192は、セグメント表示部212に設けられているm個のコモン電極CE
1~CE
mに供給される各コモン駆動信号の異常を検出する。mは1以上の整数である。
【0069】
セグメント表示部コモン駆動回路184は、コモン電極CE1~CEmにそれぞれコモン駆動信号を出力するm個の出力部60-1~60-mを有する。出力部60-1~60-mからは、コモン駆動信号が順次出力される。コモン駆動信号は、コモン選択信号ともいう。
【0070】
1以上m以下の各整数jに対して、出力部60-jは、制御回路11から出力されるコモン信号に基づいてコモン駆動信号を生成し、当該コモン駆動信号を、表示ドライバー10の出力端子OPCjを介してコモン電極CEjに出力する。また、コモン電極CEjから還流される信号は、表示ドライバー10の入力端子IPCjを介して出力部60-jに入力される。
【0071】
出力部60-jは、レベルシフター61-j、極性反転回路63-j、CMOSインバーター回路64-j、スイッチ65-j及びスイッチ66-jを有する。
【0072】
レベルシフター61-jは、制御回路11から出力されるコモン信号の電圧レベルを所定の電圧レベルに変換する。
【0073】
極性反転回路63-jは、レベルシフター61-jから出力される信号に応じてハイレベル又はローレベルとなる2つの信号を出力する。
【0074】
極性反転回路63-jから出力される一方の信号はCMOSインバーター回路64-jのPMOSトランジスターのゲートに入力され、極性反転回路63-jから出力される他方の信号はCMOSインバーター回路64-jのNMOSトランジスターのゲートに入力される。また、PMOSトランジスターのゲートとNMOSトランジスターのゲートにともにローレベルの信号が入力されると、CMOSインバーター回路64-jからハイレベルの信号が出力される。本実施例において、ハイレベルの信号がコモン駆動信号であっても良い。
【0075】
CMOSインバーター回路64-jから出力されるハイレベル又はローレベルの信号は、出力部60-jから出力されるコモン駆動信号として、出力端子OPCjを介してコモン電極CEjに供給される。コモン電極CE1~CEmには、1つずつ順番にコモン駆動信号が供給される。
【0076】
スイッチ65-jの第1端は出力端子OPCjと電気的に接続されており、スイッチ65-jが導通状態のとき、出力部60-jから出力されるコモン駆動信号がコモン異常検出回路192に入力される。また、スイッチ66-jの第1端は入力端子IPCjと電気的に接続されており、スイッチ66-jが導通状態のとき、コモン電極CEjから還流される信号がコモン異常検出回路192に入力される。スイッチ65-jの第2端とスイッチ66-jの第2端とは電気的に接続されており、スイッチ65-j及びスイッチ66-jは、一方が導通状態となり、他方が非導通状態となるように、制御回路11によって制御される。例えば、制御回路11は、スイッチ65-1~65-mが導通状態となり、かつ、スイッチ66-1~66-mが非導通状態となるか、スイッチ65-1~65-mが非導通状態となり、かつ、スイッチ66-1~66-mが導通状態となるように制御してもよい。
【0077】
コモン異常検出回路192は、セレクター71、D/A変換器72、コンパレーター73及びレベルシフター74を有する。
【0078】
セレクター71は、m個の出力部60-1~60-mから1つずつ出力されるm個の信号が入力され、制御回路11の制御により、当該m個の信号のうちのいずれか1つの信号を選択して出力する。ここで、1以上m以下の各整数jに対して、出力部60-jから出力されてセレクター71に入力される信号は、スイッチ65-jが導通状態のときはCMOSインバーター回路64-jから出力端子OPCjに出力されるコモン駆動信号であり、スイッチ66-jが導通状態のときは入力端子IPCjに入力される信号である。制御回路11は、m個のCMOSインバーター回路64-1~64-mから出力されるm個のコモン駆動信号、及び、m個の入力端子IPC1~IPCmに入力されるm個の信号が、セレクター71によって順次選択されるように、スイッチ65-1~65-m、スイッチ66-1~66-m及びセレクター71を制御する。
【0079】
コンパレーター73は、セレクター71から出力される信号の電圧とD/A変換器72から出力される信号の電圧を比較し、比較結果に応じた電圧レベルの信号を出力する。例えば、コンパレーター73は、セレクター71から出力される信号の電圧がD/A変換器72から出力される信号の電圧よりも高いときにハイレベルの信号を出力し、セレクター71から出力される信号の電圧がD/A変換器72から出力される信号の電圧よりも低いときにローレベルの信号を出力する。
【0080】
D/A変換器72は、制御回路11から入力されるデジタル信号である期待値信号を、当該期待値信号の値に応じた電圧のアナログ信号に変換して出力する。例えば、制御回路11は、セレクター71から出力される信号の電圧がHigh側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合、D/A変換器72から出力される信号の電圧が、例えばHigh側液晶駆動電圧の80%となるような期待値信号をD/A変換器72に入力する。この場合、セレクター71から出力される信号の電圧がHigh側液晶駆動電圧付近であればコンパレーター73から出力される信号がハイレベルとなり、セレクター71から出力される信号の電圧がHigh側液晶駆動電圧の80%以下であればコンパレーター73から出力される信号がローレベルとなる。また、制御回路11は、セレクター71から出力される信号の電圧がLow側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合、D/A変換器72から出力される信号の電圧が、例えばHigh側液晶駆動電圧の20%となるような期待値信号をD/A変換器72に入力する。この場合、セレクター71から出力される信号の電圧がLow側液晶駆動電圧付近であればコンパレーター73から出力される信号がローレベルとなり、セレクター71から出力される信号の電圧がHigh側液晶駆動電圧の20%以上であればコンパレーター73から出力される信号がハイレベルとなる。
【0081】
なお、期待値信号は、セグメント表示部コモン駆動回路184から、D/A変換器72あるいはコンパレーター73に入力されてもよい。
【0082】
レベルシフター74は、コンパレーター73から出力される信号の電圧レベルを所定の電圧レベルに変換し、制御回路11に出力する。
【0083】
1以上m以下の各整数jに対して、CMOSインバーター回路64-jから出力されるコモン駆動信号が、High側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合にレベルシフター74から出力される信号がローレベルとなり、あるいは、Low側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合にレベルシフター74から出力される信号がハイレベルとなる場合、CMOSインバーター回路64-jから出力されるコモン駆動信号の異常が検出される。例えば、CMOSインバーター回路64-jが故障した場合や、出力端子OPCjとコモン電極CEjとを接続する配線が他の配線と短絡した場合等には、CMOSインバーター回路64-jから出力されるコモン駆動信号の異常が検出される。
【0084】
また、1以上m以下の各整数jに対して、入力端子IPCjに入力される信号が、High側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合にレベルシフター74から出力される信号がローレベルとなり、あるいは、Low側液晶駆動電圧付近であることが期待される場合にレベルシフター74から出力される信号がハイレベルとなる場合、入力端子IPCjに入力される信号の異常が検出される。例えば、CMOSインバーター回路64-jが故障した場合や、出力端子OPCjとコモン電極CEjとを接続する配線が断線又は短絡した場合や、コモン電極CEjと入力端子IPCjとを接続する配線が断線又は短絡した場合等には、入力端子IPCjに入力される信号の異常が検出される。
【0085】
CMOSインバーター回路64-jから出力されるコモン駆動信号及び入力端子IPCjに入力される信号の少なくとも一方の異常が検出された場合、コモン電極CEjに供給されるコモン駆動信号が異常であるとみなすことができる。このようにして、コモン異常検出回路192は、コモン電極CEjに供給されるコモン駆動信号の異常を検出することができる。
【0086】
そして、例えば、セグメント電極SE1及びコモン電極CE1によって第1のアイコンが表示されるものとすると、表示異常検出回路19は、セグメント異常検出回路191がセグメント電極SE1に供給されるセグメント駆動信号の異常を検出し、あるいは、コモン異常検出回路192がコモン電極CE1に供給されるコモン駆動信号の異常を検出した場合に、第1のアイコンの表示異常を検出する。
【0087】
なお、
図5において整数nが2以上の場合、表示異常検出回路19は、第1のアイコンを含む複数のアイコンの表示異常を検出することができる。その一方、
図5において整数nが1であり、かつ、
図6において整数mが1であってもよい。すなわち、表示異常検出回路19は、第1のアイコンの表示異常のみを検出してもよい。この場合は、セグメント異常検出回路191のセレクター51やコモン異常検出回路192のセレクター71が不要であり、さらにセレクター51やセレクター71と接続されるすべての配線も不要であるので、表示異常検出回路19のサイズを低減させることができる。
【0088】
制御回路11は、レベルシフター54から出力される信号及びレベルシフター74から出力される信号に基づいて、セグメント表示部212に表示可能な第1のアイコンを含む所定のアイコンの各々の表示異常が検出されたか否かを判断し、表示異常が検出されたアイコンについて、不図示のレジスターに表示異常が検出されたことを示すフラグをセットする。
【0089】
なお、セグメント異常検出回路191は、
図5の構成例に代えて、1以上n以下の各整数iに対して、出力部40-iがD/A変換器52-i及びコンパレーター53-iを備え、n個のコンパレーター53-1~53-nから出力されるn個の信号がセレクター51に入力され、セレクター51から出力される信号がレベルシフター54に入力され、レベルシフター54から出力される信号が制御回路11に入力されるように構成されてもよい。ここで、コンパレーター53-iは、一方の入力信号として、スイッチ45-iが導通状態のときにCMOSインバーター回路44-iから出力されるセグメント駆動信号又はスイッチ46-iが導通状態のときに入力端子IPS
iに入力される信号が入力され、他方の入力信号としてD/A変換器52-iから出力される信号が入力される。
【0090】
同様に、コモン異常検出回路192は、
図6の構成例に代えて、1以上m以下の各整数jに対して、出力部60-jがD/A変換器72-j及びコンパレーター73-jを備え、m個のコンパレーター73-1~73-mから出力されるm個の信号がセレクター71に入力され、セレクター71から出力される信号がレベルシフター74に入力され、レベルシフター74から出力される信号が制御回路11に入力されるように構成されてもよい。ここで、コンパレーター73-jは、一方の入力信号として、スイッチ65-jが導通状態のときにCMOSインバーター回路64-jから出力されるコモン駆動信号又はスイッチ66-jが導通状態のときに入力端子IPC
jに入力される信号が入力され、他方の入力信号としてD/A変換器72-jから出力される信号が入力される。
【0091】
1-1-3.表示装置の動作手順
図7は、第1実施形態の表示装置1の動作手順の一例を示すフローチャート図である。
図7に示すように、工程S1において表示装置1の電源がオンすると、まず、表示装置1は、工程S2において、表示パネル21に表示する情報を初期設定する。具体的には、処理ユニット30がドットマトリックス表示部211に初期表示させる情報のデータを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11がドットマトリックスデータ記憶部14に当該データを書き込む。また、処理ユニット30がセグメント表示部212に初期表示させる表示物のデータを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において制御回路11がセグメントデータ記憶部16に当該データを書き込む。
【0092】
次に、表示装置1は、工程S3において、表示パネル21の表示をオンする。具体的には、表示ドライバー10において、制御回路11が、工程S2でドットマトリックスデータ記憶部14に書き込まれたデータを、ドットマトリックスデータラインラッチ15を介してドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181に順次転送するとともに、各コモン信号をドットマトリックス表示部コモン駆動回路182に出力する。そして、ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181が転送されたデータに基づいて各セグメント信号を生成してドットマトリックス表示部211に出力し、ドットマトリックス表示部コモン駆動回路182が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してドットマトリックス表示部211に出力する。これにより、ドットマトリックス表示部211に情報が表示される。同様に、表示ドライバー10において、制御回路11が、工程S2でセグメントデータ記憶部16に書き込まれたデータを、セグメントデータラインラッチ17を介してセグメント表示部セグメント駆動回路183に順次転送するとともに、各コモン信号をセグメント表示部コモン駆動回路184に出力する。そして、セグメント表示部セグメント駆動回路183が転送されたデータに基づいて各セグメント信号を生成してセグメント表示部212に出力し、セグメント表示部コモン駆動回路184が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してセグメント表示部212に出力する。これにより、セグメント表示部212に表示物が表示される。
【0093】
次に、表示装置1は、工程S4において、セグメント表示部212の第1のアイコンの状態の監視を開始する。具体的には、表示ドライバー10において、表示異常検出回路19が、第1のアイコンの表示異常を検出するための動作を開始する。
【0094】
次に、表示ドライバー10は、工程S5において、ドットマトリックス表示部211及びセグメント表示部212の表示情報を継続又は更新する。具体的には、処理ユニット30が、表示情報を継続する場合は表示ドライバー10に新たなデータを送信せず、表示情報を更新する場合は表示ドライバー10に表示情報を更新するためのデータを送信する。処理ユニット30からドットマトリックス表示部211に新たなデータが送信されない場合は、表示ドライバー10は、ドットマトリックスデータ記憶部14に記憶されているデータ及びセグメントデータ記憶部16に記憶されているデータに基づいて、工程S3と同様の処理を継続する。一方、処理ユニット30からドットマトリックス表示部211に表示される情報を更新するためのデータが送信された場合は、表示ドライバー10において、制御回路11がドットマトリックスデータ記憶部14に当該データを書き込む。また、処理ユニット30からセグメント表示部212に表示される表示物を更新するためのデータが送信された場合は、表示ドライバー10において、制御回路11がセグメントデータ記憶部16に当該データを書き込む。表示ドライバー10において、制御回路11がドットマトリックスデータ記憶部14やセグメントデータ記憶部16にデータを書き込んだ後の処理は、工程S3と同様である。
【0095】
次に、表示装置1は、工程S6において第1のアイコンの表示異常を検出しない場合、工程S7において第1のアイコンの表示条件が成立すると、工程S8において、第1のアイコンをセグメント表示部212に表示させる。具体的には、処理ユニット30がセグメント表示部212に第1のアイコンを表示させるための第1アイコン表示用データを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11がセグメントデータ記憶部16に第1アイコン表示用データを書き込む。さらに、制御回路11が、セグメントデータ記憶部16に書き込まれた第1アイコン表示用データを、セグメントデータラインラッチ17を介してセグメント表示部セグメント駆動回路183に転送するとともに、各コモン信号をセグメント表示部コモン駆動回路184に出力する。そして、セグメント表示部セグメント駆動回路183が転送された第1アイコン表示用データに基づいて各セグメント信号を生成してセグメント表示部212に出力し、セグメント表示部コモン駆動回路184が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してセグメント表示部212に出力する。これにより、セグメント表示部212に第1のアイコンが表示される。
【0096】
次に、表示装置1は、工程S9において、電源がオフにされなければ工程S5に戻り、電源がオフにされると動作を終了する。
【0097】
また、表示装置1は、工程S6において第1のアイコンの表示異常を検出した場合、工程S10において、第1のアイコンの表示をオフする。具体的には、処理ユニット30がセグメント表示部212に第1のアイコンを表示させないための第1アイコン非表示用データを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11がセグメントデータ記憶部16に第1アイコン非表示用データを書き込む。さらに、制御回路11が、セグメントデータ記憶部16に書き込まれた第1アイコン非表示用データを、セグメントデータラインラッチ17を介してセグメント表示部セグメント駆動回路183に転送するとともに、各コモン信号をセグメント表示部コモン駆動回路184に出力する。そして、セグメント表示部セグメント駆動回路183が転送された第1アイコン非表示用データに基づいて各セグメント信号を生成してセグメント表示部212に出力し、セグメント表示部コモン駆動回路184が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してセグメント表示部212に出力する。これにより、以降はセグメント表示部212に第1のアイコンが表示されなくなる。
【0098】
次に、表示ドライバー10は、工程S11において、ドットマトリックス表示部211及びセグメント表示部212の表示情報を継続又は更新する。工程S11において表示ドライバー10が行う処理は工程S5と同様である。
【0099】
次に、表示装置1は、工程S12において第1のアイコンの表示条件が成立すると、工程S13において、セグメント表示部212に第1のアイコンを表示させる代わりに、ドットマトリックス表示部211に、第1のアイコンの代替となる第2のアイコンを表示する。具体的には、表示ドライバー10において、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンを表示させないための第2アイコン表示用データを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11がドットマトリックスデータ記憶部14に第2アイコン表示用データを書き込む。さらに、制御回路11が、ドットマトリックスデータ記憶部14に書き込まれた第2アイコン表示用データを、ドットマトリックスデータラインラッチ15を介してドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181に転送するとともに、各コモン信号をドットマトリックス表示部コモン駆動回路182に出力する。そして、ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181が転送された第2アイコン表示用データに基づいて各セグメント信号を生成してドットマトリックス表示部211に出力し、ドットマトリックス表示部コモン駆動回路182が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してドットマトリックス表示部211に出力する。これにより、セグメント表示部212に第1のアイコンが表示される代わりに、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンが表示される。
【0100】
次に、表示装置1は、工程S14において、電源がオフにされなければ工程S11に戻り、電源がオフにされると動作を終了する。
【0101】
なお、
図7では、第1のアイコン及び第2のアイコンの表示に着目した動作手順を示しているが、第1のアイコン以外のアイコン及びその代替となるアイコンの表示の動作手順も同様である。
【0102】
図8に、アイコンの表示異常によって
図2に示した表示パネル21に表示される情報が変化する例を示す。
【0103】
図8の例では、まず、通常の表示状態ST1において、セグメント表示部212に3つの表示物X1,X2,X3が表示されている。表示状態ST1において、ドットマトリックス表示部211には、位置情報、天気情報、ニュース等の何らかの情報が表示されていてもよいし、情報が表示されていなくてもよい。
【0104】
次に、表示状態ST1において、第1のアイコンである表示物X1に表示異常が発生し、表示物X1が表示されない表示状態ST2に遷移する。
【0105】
次に、ドットマトリックス表示部211に第1のアイコンの代替となる第2のアイコンのドットパターンX4が表示される表示状態ST3に遷移する。
【0106】
なお、第2のアイコンの形状や色は特に限定されない。
図8の例では、第2のアイコンであるドットパターンX4の形状及び色は、第1のアイコンである表示物X1とほぼ同じである。
【0107】
また、第2のアイコンの形状及び表示色の少なくとも一方が第1のアイコンと異なってもよい。例えば、
図8の表示状態ST3を
図9の表示状態ST4や表示状態ST5に代えてもよい。
図9の表示状態ST4では、第2のアイコンであるドットパターンX5の色は第1のアイコンである表示物X1とほぼ同じであるが、ドットパターンX5の形状、特に大きさが表示物X1と異なる。また、
図9の表示状態ST5では、第2のアイコンであるドットパターンX6の形状及び色の双方が、第1のアイコンである表示物X1と異なる。ドットマトリックス表示部211において、第2のアイコンを、その表示部分の背景に対して適切な色や形状とすることで、第2のアイコンの視認性を向上させることができる。
【0108】
1-1-4.作用効果
以上に説明したように、第1実施形態の表示装置1では、処理ユニット30は、表示異常検出回路19によってセグメント表示部212に表示可能な第1のアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11に、第1のアイコンのセグメント表示部212への表示の指示に代えて、第1のアイコンの代替となる第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示を行う。これにより、第1のアイコンの表示異常が検出された場合、第1のアイコンのセグメント表示部212への表示に代えて、第1のアイコンの代替となる第2のアイコンがドットマトリックス表示部211に表示される。したがって、第1実施形態の表示装置1によれば、第1のアイコンに表示異常が生じても第2のアイコンの表示又は非表示により適正な情報の表示を継続することができる。
【0109】
また、第1実施形態の表示装置1では、表示部駆動回路18、制御回路11及び表示異常検出回路19は、1つの集積回路装置である表示ドライバー10に含まれる。そのため、処理ユニット30は、当該集積回路から第1のアイコンの表示異常の検出情報を取得し、当該集積回路装置に対して第2のアイコンの表示の指示を行えばよい。したがって、第1実施形態の表示装置1によれば、制御回路11が第1の集積回路装置に含まれ、表示異常検出回路19が第1の集積回路装置とは異なる第2の集積回路装置に含まれる場合と比較して、処理ユニット30が行う処理を簡単にすることができる。
【0110】
また、第1実施形態の表示装置1では、処理ユニット30は、第1の表示異常が検出された場合、制御回路11に、第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示として、第2アイコン表示用データを送信し、制御回路11は、ドットマトリックス表示部駆動回路18aに第2アイコン表示用データを転送する。これにより、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンが表示される。したがって、第1実施形態の表示装置1によれば、制御回路11は、処理ユニット30から送信されたデータを受信してドットマトリックス表示部駆動回路18aに転送する処理、すなわち、第1のアイコンの表示異常が検出される前と同様の処理を行うことにより、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンを表示させることができるので、制御回路11の処理を簡単にすることができる。
【0111】
また、第1実施形態の表示装置1では、処理ユニット30は、第1のアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11に、第1のアイコンをセグメント表示部212に表示させない指示を行う。したがって、第1実施形態の表示装置1によれば、第1のアイコンの表示異常により、第1のアイコンが表示されてはいけない状況で、セグメント表示部212に誤って表示されないようにすることができる。
【0112】
また、第1実施形態の表示装置1では、処理ユニット30は、第1の表示異常が検出された場合、制御回路11に、第1のアイコンをセグメント表示部212に表示させない指示として、第1アイコン非表示用データを送信し、制御回路11は、セグメント表示部駆動回路18bに第1アイコン非表示用データを転送する。これにより、セグメント表示部212に第1のアイコンが表示されなくなる。したがって、第1実施形態の表示装置1によれば、制御回路11は、処理ユニット30から送信されたデータを受信してセグメント表示部駆動回路18bに転送する処理、すなわち、第1のアイコンの表示異常が検出される前と同様の処理を行うことにより、セグメント表示部212に第1のアイコンを表示させないようにすることができるので、制御回路11の処理を簡単にすることができる。
【0113】
また、第1実施形態の表示装置1において、表示異常検出回路19が第1のアイコンの表示異常のみを検出するようにすれば、表示異常検出回路19の配線や回路素子の数が少なくなり、表示異常検出回路19のサイズを低減させることができる。
【0114】
また、第1実施形態の表示装置1によれば、ドットマトリックス表示部211に表示される第2のアイコンを、形状及び表示色の少なくとも一方が第1のアイコンと異なるようにし、その表示部分の背景に対して適切な色や形状とすることで、第2のアイコンの視認性を向上させることができる。
【0115】
また、第1実施形態の表示装置1によれば、第1のアイコンを警告表示用のアイコンとすることにより、セグメント表示部212に誤って警告灯が表示され、又は表示されず、重大な事態が生じるおそれが低減される。
【0116】
1-2.第2実施形態
以下、第2実施形態の表示装置1について、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、第1実施形態と同様の説明は省略又は簡略し、主として第1実施形態と異なる内容について説明する。
【0117】
図10は、第2実施形態の表示装置の構成例を示す図である。
図10において、
図1と同様の構成要素には同じ符号が付されている。
図10に示すように、第2実施形態の表示装置1は、表示器20と、第1の表示ドライバー10aと、第2の表示ドライバー10bと、処理ユニット30と、を有する。
【0118】
第1の表示ドライバー10aは、制御回路11a、インターフェース回路12a、発振回路13a、ドットマトリックスデータ記憶部14、ドットマトリックスデータラインラッチ15及びドットマトリックス表示部駆動回路18aを有する。ドットマトリックス表示部駆動回路18aは、ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181と、ドットマトリックス表示部コモン駆動回路182と、を有する。本実施形態では、第1の表示ドライバー10aは、集積回路装置であり、制御回路11a、インターフェース回路12a、発振回路13a、ドットマトリックスデータ記憶部14、ドットマトリックスデータラインラッチ15及びドットマトリックス表示部駆動回路18aは、当該集積回路装置に含まれる。
【0119】
インターフェース回路12aは、第1の表示ドライバー10aの外部に設けられる処理ユニット30と制御回路11aとのデータ通信を成立させるための回路である。
【0120】
発振回路13aは、制御回路11aを動作させるためのクロック信号を生成する。発振回路13aは、例えば、CR発振回路であってもよい。
【0121】
制御回路11aは、発振回路13aから出力されるクロック信号に基づいて、ドットマトリックス表示部駆動回路18aを制御する。
【0122】
具体的には、制御回路11aは、次のようにしてドットマトリックス表示部駆動回路18aを制御する。まず、処理ユニット30が、ドットマトリックス表示部211に表示する1画面分の表示情報のデータを制御回路11aに送信し、制御回路11aは、インターフェース回路12aを介して当該表示情報のデータを受信する。次に、制御回路11aは、受信した当該表示情報のデータをドットマトリックスデータ記憶部14に書き込む。次に、制御回路11aは、ドットマトリックスデータ記憶部14の各アドレスを順次指定して、ドットマトリックスデータ記憶部14からドットマトリックスデータラインラッチ15に各ドットラインのデータを転送する。そして、ドットマトリックス表示部駆動回路18aのドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181は、ドットマトリックスデータラインラッチ15に保持されたドットラインのデータに基づいて、ドットマトリックス表示用の各セグメント駆動信号を生成して出力する。このようにして、制御回路11aは、ドットマトリックス表示部211に1画面分の表示情報を表示させるための各セグメント駆動信号を出力させる。また、制御回路11aは、ドットマトリックス表示部駆動回路18aのドットマトリックス表示部コモン駆動回路182に、各セグメント駆動信号と同期させて、ドットマトリックス表示部211に1画面分の表示情報を表示させるための各コモン駆動信号を出力させる。
【0123】
第2の表示ドライバー10bは、制御回路11b、インターフェース回路12b、発振回路13b、セグメントデータ記憶部16、セグメントデータラインラッチ17、セグメント表示部駆動回路18b及び表示異常検出回路19を有する。セグメント表示部駆動回路18bは、セグメント表示部セグメント駆動回路183と、セグメント表示部コモン駆動回路184と、を有する。また、表示異常検出回路19は、セグメント異常検出回路191と、コモン異常検出回路192と、を有する。本実施形態では、第2の表示ドライバー10bは、集積回路装置であり、制御回路11b、インターフェース回路12b、発振回路13b、セグメントデータ記憶部16、セグメントデータラインラッチ17、セグメント表示部駆動回路18b及び表示異常検出回路19は、集積回路装置に含まれる。
【0124】
インターフェース回路12bは、第2の表示ドライバー10bの外部に設けられる処理ユニット30と制御回路11bとのデータ通信を成立させるための回路である。
【0125】
発振回路13bは、制御回路11bを動作させるためのクロック信号を生成する。発振回路13bは、例えば、CR発振回路であってもよい。
【0126】
制御回路11bは、発振回路13bから出力されるクロック信号に基づいて、セグメント表示部駆動回路18bを制御する。
【0127】
具体的には、制御回路11bは、次のようにしてセグメント表示部駆動回路18bを制御する。まず、処理ユニット30が、セグメント表示部212に表示する1画面分の表示物のデータを制御回路11bに送信し、制御回路11bは、インターフェース回路12bを介して当該表示物のデータを受信する。次に、制御回路11bは、受信した当該表示物のデータをセグメントデータ記憶部16に書き込む。次に、制御回路11bは、セグメントデータ記憶部16の各アドレスを順次指定して、セグメントデータ記憶部16からセグメントデータラインラッチ17に各セグメントラインのデータを転送する。そして、セグメント表示部駆動回路18bのセグメント表示部セグメント駆動回路183は、セグメントデータラインラッチ17に保持されたセグメントラインのデータに基づいて、セグメント表示用の各セグメント駆動信号を生成して出力する。このようにして、制御回路11bは、セグメント表示部212に1画面分の表示物を表示させるための各セグメント駆動信号を出力させる。また、制御回路11bは、セグメント表示部駆動回路18bのセグメント表示部コモン駆動回路184に、各セグメント駆動信号と同期させて、セグメント表示部212に1画面分の表示情報を表示させるための各コモン駆動信号を出力させる。
【0128】
制御回路11bは、表示異常検出回路19によってアイコンの表示異常が検出された場合、不図示のレジスターに当該アイコンの表示異常が検出されたことを示すフラグをセットする。さらに、制御回路11bは、インターフェース回路12bを介して、処理ユニット30に表示異常が検出されたことを示す信号を送信してもよい。処理ユニット30は、定期的に、あるいは、表示異常が検出されたことを示す信号を受信して、各アイコンに対するフラグを順次読み出すことにより、表示異常が検出されたアイコンを識別することができる。
【0129】
処理ユニット30は、いずれかのアイコンの表示異常が検出された場合、第2の表示ドライバー10bの制御回路11bに、表示異常が検出されたアイコンをセグメント表示部212に表示させない指示を行う。例えば、処理ユニット30は、第1のアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11bに、第1のアイコンをセグメント表示部212に表示させない指示を行う。本実施形態では、処理ユニット30は、制御回路11bに、第1のアイコンをセグメント表示部212に表示させない指示として、セグメント表示部212に第1のアイコンを表示させないためのデータである第1アイコン非表示用データを送信する。制御回路11bは、インターフェース回路12bを介して第1アイコン非表示用データを受信し、セグメント表示部駆動回路18bに、第1アイコン非表示用データを転送する。具体的には、制御回路11bは、受信した第1アイコン非表示用データをセグメントデータ記憶部16に書き込み、セグメントデータラインラッチ17を介して、セグメントデータ記憶部16からセグメント表示部セグメント駆動回路183に第1アイコン非表示用データを転送する。セグメント表示部セグメント駆動回路183は、第1アイコン非表示用データに応じたセグメント駆動信号をセグメント表示部212に出力する。これにより、セグメント表示部212に第1のアイコンが表示されなくなる。
【0130】
また、処理ユニット30は、いずれかのアイコンの表示異常が検出された場合、第2の表示ドライバー10bの制御回路11bに対する、表示異常が検出されたアイコンのセグメント表示部212への表示の指示に代えて、第1の表示ドライバー10aの制御回路11aに、表示異常が検出されたアイコンの代替となるアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示を行う。代替となるアイコンは、ドットマトリックス表示部211に複数のドットで構成されたパターンとして表示される。例えば、処理ユニット30は、第1のアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11bに対する第1のアイコンのセグメント表示部212への表示の指示に代えて、制御回路11aに、第1のアイコンの代替となる第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示を行う。本実施形態では、処理ユニット30は、制御回路11aに、第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示として、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンを表示させるためのデータである第2アイコン表示用データを送信する。制御回路11aは、インターフェース回路12aを介して第2アイコン表示用データを受信し、ドットマトリックス表示部駆動回路18aに、第2アイコン表示用データを転送する。具体的には、制御回路11aは、受信した第2アイコン表示用データをドットマトリックスデータ記憶部14に書き込み、ドットマトリックスデータラインラッチ15を介して、ドットマトリックスデータ記憶部14からドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181に第2アイコン表示用データを転送する。ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181は、第2アイコン表示用データに応じたセグメント駆動信号をドットマトリックス表示部211に出力する。これにより、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンが表示される。
【0131】
第2実施形態の表示装置1のその他の構成及び機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0132】
以上に説明した第2実施形態の表示装置1によれば、第1実施形態の表示装置1と同様の効果を奏することができる。
【0133】
1-3.第3実施形態
以下、第3実施形態の表示装置1について、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、第1実施形態と同様の説明は省略又は簡略し、主として第1実施形態と異なる内容について説明する。
【0134】
図11は、第3実施形態の表示装置の構成例を示す図である。
図11において、
図1と同様の構成要素には同じ符号が付されている。
図11に示すように、第2実施形態の表示装置1は、表示器20と、表示ドライバー10と、処理ユニット30と、を有する。
【0135】
第3実施形態の表示装置1において、表示ドライバー10の構成要素は、第1実施形態と同様である。ただし、第3実施形態の表示装置1では、ドットマトリックスデータ記憶部14には、ドットマトリックス表示部211に第1のアイコンの代替となる第2のアイコンを表示させるためのデータである第2アイコン表示用データが記憶される。具体的には、ドットマトリックスデータ記憶部14は、処理ユニット30から送信されたドットマトリックス表示部211に表示する表示情報のデータが書き込まれる第1の記憶領域14aと、ドットマトリックス表示部211に第1のアイコンを含む所定のアイコンの各々の代替となる各アイコンを表示させるためのデータが記憶される第2の記憶領域14bと、を有する。すなわち、第2アイコン表示用データは、第2の記憶領域14bに記憶される。
【0136】
本実施形態では、制御回路11は、次のようにしてドットマトリックス表示部駆動回路18aを制御する。まず、処理ユニット30が、ドットマトリックス表示部211に表示する1画面分の表示情報のデータを制御回路11に送信し、制御回路11は、インターフェース回路12を介して当該表示情報のデータを受信する。次に、制御回路11は、受信した当該表示情報のデータをドットマトリックスデータ記憶部14の第1の記憶領域14aに書き込む。次に、制御回路11は、ドットマトリックスデータ記憶部14の第1の記憶領域14aの各アドレスを順次指定して、ドットマトリックスデータ記憶部14の第1の記憶領域14aからドットマトリックスデータラインラッチ15に各ドットラインのデータを転送する。そして、ドットマトリックス表示部駆動回路18aのドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181は、ドットマトリックスデータラインラッチ15に保持されたドットラインのデータに基づいて、ドットマトリックス表示用の各セグメント駆動信号を生成して出力する。このようにして、制御回路11は、ドットマトリックス表示部211に1画面分の表示情報を表示させるための各セグメント駆動信号を出力させる。また、制御回路11は、ドットマトリックス表示部駆動回路18aのドットマトリックス表示部コモン駆動回路182に、各セグメント駆動信号と同期させて、ドットマトリックス表示部211に1画面分の表示情報を表示させるための各コモン駆動信号を出力させる。
【0137】
本実施形態では、表示装置1の電源がオンすると、処理ユニット30は、ドットマトリックス表示部211に初期表示させる情報のデータを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11は、ドットマトリックスデータ記憶部14の第1の記憶領域14aに当該データを書き込む。また、処理ユニット30は、ドットマトリックス表示部211に所定のアイコンの各々の代替となる各アイコンを表示させるためのデータを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11は、ドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bに当該データを書き込む。
【0138】
その後、ドットマトリックス表示部211に初期情報が表示されるが、この時点において、ドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bには、第2アイコン表示用データを含む、セグメント表示部212に表示可能な各アイコンの代替となるアイコンのデータが記憶されている。
【0139】
処理ユニット30は、セグメント表示部212に表示可能ないずれかのアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11に、表示異常が検出されたアイコンのセグメント表示部212への表示の指示に代えて、表示異常が検出されたアイコンの代替となるアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示を行う。例えば、処理ユニット30は、第1のアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11に、第1のアイコンのセグメント表示部212への表示の指示に代えて、第1のアイコンの代替となる第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示を行う。制御回路11は、第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示に応じて、ドットマトリックスデータ記憶部14からドットマトリックス表示部駆動回路18aに、第2アイコン表示用データを転送させる。例えば、本実施形態では、処理ユニット30は、制御回路11に、第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示として、第2のアイコンをドットマトリックス表示部211に表示させるためのコマンドを送信する。制御回路11は、インターフェース回路12を介して当該コマンドを受信し、当該コマンドに応じて、ドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bからドットマトリックス表示部駆動回路18aに、第2アイコン表示用データを転送させる。具体的には、制御回路11は、ドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bからドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181に第2アイコン表示用データを転送させる。ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181は、第2アイコン表示用データに応じたセグメント駆動信号をドットマトリックス表示部211に出力する。これにより、セグメント表示部212に第1のアイコンが表示される代わりに、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンが表示される。
【0140】
第3実施形態の表示装置1のその他の構成及び機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0141】
なお、
図11に示した第3実施形態の表示装置1の構成例では、表示装置1の電源がオンになった直後に、処理ユニット30から送信された各アイコンの代替となるアイコンのデータが、ドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bに書き込まれるが、当該データはこれ以外の方法でドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bに書き込まれてもよい。
【0142】
例えば、
図12に示すように、表示装置1が、表示ドライバー10の外部に、各アイコンの代替となるアイコンのデータが記憶されているROM80を有し、表示装置1の電源がオンになった直後に、制御回路11がROM80から当該データを読み出して、ドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bに書き込んでもよい。なお、ROMは、Read Only Memoryの略である。
【0143】
また、例えば、
図13に示すように、表示装置1が、表示ドライバー10の内部に、各アイコンの代替となるアイコンのデータが記憶されているROM90を有し、表示装置1の電源がオンになった直後に、制御回路11がROM90から当該データを読み出して、ドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bに書き込んでもよい。
【0144】
図14は、表示ドライバー10の動作手順の一例を示すフローチャート図である。
図14に示すように、工程S101において表示ドライバー10の電源がオンすると、まず、表示ドライバー10は、工程S102において、表示パネル21に表示する情報を初期設定する。具体的には、処理ユニット30がドットマトリックス表示部211に初期表示させる情報のデータを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11がドットマトリックスデータ記憶部14の第1の記憶領域14aに当該データを書き込む。また、処理ユニット30がセグメント表示部212に初期表示させる表示物のデータを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において制御回路11がセグメントデータ記憶部16に当該データを書き込む。
【0145】
次に、表示ドライバー10は、工程S103において、第1のアイコンの代替となる第2のアイコンのデータを設定する。具体的には、処理ユニット30がドットマトリックス表示部211に第1のアイコンの代替となる第2のアイコンを表示させるための第2アイコン表示用データを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11がドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bに当該データを書き込む。
【0146】
次に、表示ドライバー10は、工程S104において、表示パネル21の表示をオンする。具体的には、表示ドライバー10において、制御回路11が、工程S102でドットマトリックスデータ記憶部14の第1の記憶領域14aに書き込まれたデータを、ドットマトリックスデータラインラッチ15を介してドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181に順次転送するとともに、各コモン信号をドットマトリックス表示部コモン駆動回路182に出力する。そして、ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181が転送されたデータに基づいて各セグメント信号を生成してドットマトリックス表示部211に出力し、ドットマトリックス表示部コモン駆動回路182が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してドットマトリックス表示部211に出力する。これにより、ドットマトリックス表示部211に情報が表示される。同様に、表示ドライバー10において、制御回路11が、工程S102でセグメントデータ記憶部16に書き込まれたデータを、セグメントデータラインラッチ17を介してセグメント表示部セグメント駆動回路183に順次転送するとともに、各コモン信号をセグメント表示部コモン駆動回路184に出力する。そして、セグメント表示部セグメント駆動回路183が転送されたデータに基づいて各セグメント信号を生成してセグメント表示部212に出力し、セグメント表示部コモン駆動回路184が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してセグメント表示部212に出力する。これにより、セグメント表示部212に表示物が表示される。
【0147】
次に、表示ドライバー10は、工程S105において、セグメント表示部212の第1のアイコンの状態の監視を開始する。具体的には、表示ドライバー10において、表示異常検出回路19が、第1のアイコンの表示異常を検出するための動作を開始する。
【0148】
次に、表示ドライバー10は、工程S106において、ドットマトリックス表示部211及びセグメント表示部212の表示情報を継続又は更新する。具体的には、処理ユニット30が、表示情報を継続する場合は表示ドライバー10に新たなデータを送信せず、表示情報を更新する場合は表示ドライバー10に表示情報を更新するためのデータを送信する。処理ユニット30からドットマトリックス表示部211に新たなデータが送信されない場合は、表示ドライバー10は、ドットマトリックスデータ記憶部14の第1の記憶領域14aに記憶されているデータ及びセグメントデータ記憶部16に記憶されているデータに基づいて、工程S104と同様の処理を継続する。一方、処理ユニット30からドットマトリックス表示部211に表示される情報を更新するためのデータが送信された場合は、表示ドライバー10において、制御回路11がドットマトリックスデータ記憶部14の第1の記憶領域14aに当該データを書き込む。また、処理ユニット30からセグメント表示部212に表示される表示物を更新するためのデータが送信された場合は、表示ドライバー10において、制御回路11がセグメントデータ記憶部16に当該データを書き込む。表示ドライバー10において、制御回路11がドットマトリックスデータ記憶部14の第1の記憶領域14aやセグメントデータ記憶部16にデータを書き込んだ後の処理は、工程S104と同様である。
【0149】
次に、表示ドライバー10は、工程S107において第1のアイコンの表示異常を検出しない場合、工程S108において第1のアイコンの表示条件が成立すると、工程S109において、第1のアイコンをセグメント表示部212に表示させる。具体的には、処理ユニット30がセグメント表示部212に第1のアイコンを表示させるための第1アイコン表示用データを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11がセグメントデータ記憶部16に第1アイコン表示用データを書き込む。さらに、制御回路11が、セグメントデータ記憶部16に書き込まれた第1アイコン表示用データを、セグメントデータラインラッチ17を介してセグメント表示部セグメント駆動回路183に転送するとともに、各コモン信号をセグメント表示部コモン駆動回路184に出力する。そして、セグメント表示部セグメント駆動回路183が転送された第1アイコン表示用データに基づいて各セグメント信号を生成してセグメント表示部212に出力し、セグメント表示部コモン駆動回路184が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してセグメント表示部212に出力する。これにより、セグメント表示部212に第1のアイコンが表示される。
【0150】
次に、表示ドライバー10は、工程S110において、電源がオフにされなければ工程S106に戻り、電源がオフにされると動作を終了する。
【0151】
また、表示ドライバー10は、工程S107において第1のアイコンの表示異常を検出した場合、工程S111において、第1のアイコンの表示をオフする。具体的には、処理ユニット30がセグメント表示部212に第1のアイコンを表示させないための第1アイコン非表示用データを表示ドライバー10に送信し、表示ドライバー10において、制御回路11がセグメントデータ記憶部16に第1アイコン非表示用データを書き込む。さらに、制御回路11が、セグメントデータ記憶部16に書き込まれた第1アイコン非表示用データを、セグメントデータラインラッチ17を介してセグメント表示部セグメント駆動回路183に転送するとともに、各コモン信号をセグメント表示部コモン駆動回路184に出力する。そして、セグメント表示部セグメント駆動回路183が転送された第1アイコン非表示用データに基づいて各セグメント信号を生成してセグメント表示部212に出力し、セグメント表示部コモン駆動回路184が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してセグメント表示部212に出力する。これにより、以降はセグメント表示部212に第1のアイコンが表示されなくなる。
【0152】
次に、表示ドライバー10は、工程S112において、ドットマトリックス表示部211及びセグメント表示部212の表示情報を継続又は更新する。工程S112において表示ドライバー10が行う処理は工程S106と同様である。
【0153】
次に、表示ドライバー10は、工程S113において第1のアイコンの表示条件が成立すると、工程S114において、セグメント表示部212に第1のアイコンを表示させる代わりに、ドットマトリックス表示部211に、第1のアイコンの代替となる第2のアイコンを表示する。具体的には、表示ドライバー10において、制御回路11が、工程S103でドットマトリックスデータ記憶部14の第2の記憶領域14bに書き込まれた第2アイコン表示用データを、ドットマトリックスデータラインラッチ15を介してドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181に転送するとともに、各コモン信号をドットマトリックス表示部コモン駆動回路182に出力する。そして、ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181が転送された第2アイコン表示用データに基づいて各セグメント信号を生成してドットマトリックス表示部211に出力し、ドットマトリックス表示部コモン駆動回路182が各コモン信号に基づいて各コモン駆動信号を生成してドットマトリックス表示部211に出力する。これにより、セグメント表示部212に第1のアイコンが表示される代わりに、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンが表示される。
【0154】
次に、表示ドライバー10は、工程S115において、電源がオフにされなければ工程S112に戻り、電源がオフにされると動作を終了する。
【0155】
なお、
図14では、第1のアイコン及び第2のアイコンの表示に着目した動作手順を示しているが、第1のアイコン以外のアイコン及びその代替となるアイコンの表示の動作手順も同様である。
【0156】
以上に説明したように、第3実施形態の表示装置1では、第1のアイコンの表示異常が検出される前に、ドットマトリックスデータ記憶部14に第2アイコン表示用データが記憶されており、第1のアイコンの表示異常が検出された場合、制御回路11は、第2のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示に応じて、ドットマトリックスデータ記憶部14からドットマトリックス表示部駆動回路18aに、第2アイコン表示用データを転送する。したがって、第3実施形態の表示装置1によれば、第1のアイコンの表示異常が検出された場合に、処理ユニット30が制御回路11に第2アイコン表示用データを送信する必要がないので、単独で第2のアイコンをドットマトリックス表示部211に表示させることができるとともに、ドットマトリックス表示部211に第2のアイコンが表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0157】
また、第3実施形態の表示装置1では、ドットマトリックスデータ記憶部14は、処理ユニット30から送信されたドットマトリックス表示部211に表示する表示情報のデータが書き込まれる第1の記憶領域14aと、第2アイコン表示用データが記憶される第2の記憶領域14bと、を有する。したがって、第3実施形態の表示装置1によれば、ドットマトリックスデータ記憶部14において、第2アイコン表示用データが記憶される領域が、表示情報のデータが書き込まれる領域から分離されているので、第2アイコン表示用データが上書きされて消失するおそれが低減される。
【0158】
その他、第3実施形態の表示装置1によれば、第1実施形態の表示装置1と同様の効果を奏することができる。
【0159】
1-4.変形例
1-4-1.第1変形例
上記の第1実施形態~第3実施形態を適宜組み合わせてもよい。例えば、第3実施形態の表示装置1において、表示ドライバー10を、第2実施形態における第1の表示ドライバー10a及び第2の表示ドライバー10bに置き換えてもよい。
【0160】
1-4-2.第2変形例
上記の各実施形態では、表示器20は、セグメント表示部212及びドットマトリックス表示部211が設けられた単一の表示パネル21を有するが、表示器20は、セグメント表示部212が設けられた第1の表示パネルと、ドットマトリックス表示部211が設けられた、第1の表示パネルとは異なる第2の表示パネルと、を有してもよい。また、表示器20は、表示パネル21とともにLED等の表示部を有してもよい。LEDは、Light Emitting Diodeの略である。
【0161】
1-4-3.第3変形例
表示装置1は、表示パネル21を有する表示器20の他に、LED等の第2の表示器を有し、第2の表示器に表示異常が検出された場合に、ドットマトリックス表示部211に第2の表示器の代替となる第3のアイコンを表示させてもよい。
【0162】
図15は、第3変形例の表示装置の構成例を示す図である。
図15において、
図1と同様の構成要素には同じ符号が付されている。
図15に示すように、第3変形例の表示装置1は、表示器20と、第2の表示器22と、表示ドライバー10と、処理ユニット30と、を有する。
【0163】
処理ユニット30は、第2の表示器22を制御する。具体的には、処理ユニット30は、第2の表示器22を点灯又は消灯させるための制御信号を、第2の表示器22の電極に出力する。例えば、第2の表示器22は、
図2に示した表示物X1のような警告灯の形状のLEDであり、処理ユニット30は、警告表示が必要となった場合、第2の表示器22を点灯させるための制御信号を出力し、第2の表示器22を点灯させる。
【0164】
表示ドライバー10は、上記の第1実施形態に対して、表示異常検出回路19に代えて表示異常検出回路100を有する。表示ドライバー10において、制御回路11には、処理ユニット30から第2の表示器22の電極に入力される制御信号と、第2の表示器22の電極から還流される信号とが、表示ドライバー10の不図示の2つの外部端子からインターフェース回路12を介してそれぞれ入力される。制御回路11は、入力されたこれら2つの信号を表示異常検出回路100に出力する。表示異常検出回路100は、制御回路11から供給される2つの信号に基づいて、第2の表示器22の表示異常を検出する。第2の表示器22の表示異常は、例えば、第2の表示器22が常に点灯されない異常や第2の表示器22が常に消灯される異常等である。具体的には、表示異常検出回路100は、制御回路11から供給される制御信号に基づいて、第2の表示器22の電極から還流される信号が期待される電圧値でない場合に、第2の表示器22の表示異常を検出する。
【0165】
制御回路11は、表示異常検出回路100によって第2の表示器22の表示異常が検出された場合、不図示のレジスターに第2の表示器22の表示異常が検出されたことを示すフラグをセットする。さらに、制御回路11は、インターフェース回路12を介して、処理ユニット30に表示異常が検出されたことを示す信号を送信してもよい。処理ユニット30は、定期的に、あるいは、表示異常が検出されたことを示す信号を受信して、当該フラグを読み出すことにより、第2の表示器22の表示異常が検出されたことを認識することができる。
【0166】
処理ユニット30は、第2の表示器22の表示異常が検出された場合、第2の表示器22を消灯させるための制御信号を出力する。これにより、第2の表示器22が点灯されなくなる。
【0167】
また、処理ユニット30は、第2の表示器22の表示異常が検出された場合、制御回路11に、第2の表示器22の代替となる第3のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示を行う。第3のアイコンは、ドットマトリックス表示部211に複数のドットで構成されたパターンとして表示される。本変形例では、処理ユニット30は、第2の表示器22の代替の表示異常が検出された場合、制御回路11に、第3のアイコンのドットマトリックス表示部211への表示の指示として、ドットマトリックス表示部211に第3のアイコンを表示させるためのデータである第3アイコン表示用データを送信する。制御回路11は、インターフェース回路12を介して第3アイコン表示用データを受信し、ドットマトリックス表示部駆動回路18aに、第3アイコン表示用データを転送する。具体的には、制御回路11は、受信した第3アイコン表示用データをドットマトリックスデータ記憶部14に書き込み、ドットマトリックスデータラインラッチ15を介して、ドットマトリックスデータ記憶部14からドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181に第3アイコン表示用データを転送する。ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路181は、第3アイコン表示用データに応じたセグメント駆動信号をドットマトリックス表示部211に出力する。これにより、ドットマトリックス表示部211に第2の表示器22の代替となる第3のアイコンが表示される。
【0168】
第3変形例の表示装置1のその他の構成及び機能は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0169】
2.電子機器
本実施形態の電子機器は、上記のいずれかの実施形態又は変形例の表示装置1を備える。本実施形態の電子機器として、表示装置1を搭載する種々の電子機器、例えば、車載装置、電子計算機、ディスプレイ、情報処理装置、携帯型情報端末、携帯型ゲーム端末等を想定することができる。車載装置は、例えばクラスターパネル等の車載表示装置である。クラスターパネルは、運転席の前に設けられ、メーター等が表示されるパネルである。
【0170】
図16は、本実施形態の電子機器の構成例を示す図である。
図5に示すように、本実施形態の電子機器300は、表示装置1と、記憶装置310と、操作装置320と、通信装置330と、を備える。前述の通り、表示装置1は、表示ドライバー10と、表示器20と、処理ユニット30と、を有する。表示ドライバー10、表示器20及び処理ユニット30の構成及び機能は、前述の通りである。
【0171】
操作装置320は、ユーザーからの種々の操作を受け付けるユーザーインターフェースである。例えば、ボタン、マウス、キーボード、又はタッチパネル等で構成される。
【0172】
通信装置330は、表示データ又は制御データ等の通信を行うデータインターフェースである。通信装置330は、例えば、USB等の有線通信インターフェース、又は無線LAN等の無線通信インターフェースである。
【0173】
記憶装置310は、通信装置330から入力された表示データを記憶する。あるいは、記憶装置310は、処理ユニット30のワーキングメモリーとして機能する。記憶装置310は、例えば、半導体メモリー、ハードディスクドライブ、光学ドライブ等である。
【0174】
処理ユニット30は、電子機器300の各部の制御処理や種々のデータ処理を行う。特に、処理ユニット30は、通信装置330が受信した表示データ、又は記憶装置310が記憶している表示データを、表示ドライバー10に送信する。表示ドライバー10は、表示データを受信して前述した各種の処理を行い、表示データに応じた情報や表示物を表示器20に表示させる。
【0175】
本実施形態の電子機器300によれば、第1のアイコンに表示異常が生じても第2のアイコンの表示又は非表示により適正な情報の表示を継続することが可能な表示装置1を有するので、高い信頼性を実現することができる。
【0176】
3.移動体
本実施形態の移動体は、上記のいずれかの実施形態又は変形例の表示装置1を備える。移動体は、例えば、エンジンやモーター等の駆動機構、ハンドルや舵等の操舵機構、各種の電子機器を備えて、地上や空や海上を移動する機器又は装置である。本実施形態の移動体として、表示装置1を搭載する種々の移動体、例えば、車両、飛行機、バイク、船舶、走行ロボット、歩行ロボット等を想定することができる。
【0177】
図17は、本実施形態の移動体400の具体例としての車両を概略的に示す図である。移動体400は、表示装置1を備える。前述の通り、表示装置1は、表示ドライバー10と、表示器20と、処理ユニット30と、を有する。表示ドライバー10、表示器20及び処理ユニット30の構成及び機能は、前述の通りである。
【0178】
処理ユニット30は、移動体400の各部を制御する。特に、処理ユニット30は、車速や燃料残量、走行距離、各種装置の設定等の情報の表示データを表示ドライバー10に送信する。表示ドライバー10は、表示データを受信して前述した各種の処理を行い、表示データに応じた情報や表示物を表示器20に表示させる。
【0179】
本実施形態の移動体400によれば、第1のアイコンに表示異常が生じても第2のアイコンの表示又は非表示により適正な情報の表示を継続することが可能な表示装置1を有するので、高い信頼性を実現することができる。
【0180】
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0181】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0182】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0183】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0184】
表示装置の一態様は、
第1のアイコンを表示可能なセグメント表示部と、ドットマトリックス表示部と、を有する表示器と、
前記セグメント表示部にセグメント表示用駆動信号を出力し、前記ドットマトリックス表示部にドットマトリックス表示用駆動信号を出力する表示部駆動回路と、
前記第1のアイコンの表示異常を検出する表示異常検出回路と、
前記表示部駆動回路を制御する制御回路と、
前記第1のアイコンの表示異常が検出された場合、前記制御回路に、前記第1のアイコンの前記セグメント表示部への表示の指示に代えて、前記第1のアイコンの代替となる第2のアイコンの前記ドットマトリックス表示部への表示の指示を行う処理ユニットと、を有する。
【0185】
この表示装置では、セグメント表示部に表示可能な第1のアイコンの表示異常が検出された場合、第1のアイコンのセグメント表示部への表示に代えて、第1のアイコンの代替となる第2のアイコンをドットマトリックス表示部に表示させる。したがって、この表示装置によれば、第1のアイコンに表示異常が生じても第2のアイコンの表示又は非表示により適正な情報の表示を継続することができる。
【0186】
前記表示装置の一態様は、
集積回路装置を有し、
前記表示部駆動回路、前記制御回路及び前記表示異常検出回路は、前記集積回路装置に含まれてもよい。
【0187】
この表示装置によれば、処理ユニットは、表示部駆動回路、表示異常検出回路及び制御回路を含む集積回路装置から第1のアイコンの表示異常の検出情報を取得し、当該集積回路装置に対して第2のアイコンの表示の指示を行えばよい。したがって、この表示装置によれば、例えば、制御回路が第1の集積回路装置に含まれ、表示異常検出回路が第1の集積回路装置とは異なる第2の集積回路装置に含まれる場合と比較して、処理ユニットが行う処理を簡単にすることができる。
【0188】
前記表示装置の一態様において、
前記処理ユニットは、
前記制御回路に、前記第2のアイコンの前記ドットマトリックス表示部への表示の指示として、前記ドットマトリックス表示部に前記第2のアイコンを表示させるためのデータである第2アイコン表示用データを送信し、
前記制御回路は、
前記表示部駆動回路に、前記第2アイコン表示用データを転送してもよい。
【0189】
この表示装置によれば、制御回路は、処理ユニットから送信されたデータを受信して表示部駆動回路に転送する処理、すなわち、第1のアイコンの表示異常が検出される前と同様の処理を行うことにより、ドットマトリックス表示部に第2のアイコンを表示させることができる。したがって、この表示装置によれば、制御回路の処理を簡単にすることができる。
【0190】
前記表示装置の一態様は、
前記ドットマトリックス表示部に前記第2のアイコンを表示させるためのデータである第2アイコン表示用データを記憶する記憶部を有し、
前記制御回路は、
前記第2のアイコンの前記ドットマトリックス表示部への表示の指示に応じて、前記記憶部から前記表示部駆動回路に、前記第2アイコン表示用データを転送させてもよい。
【0191】
この表示装置によれば、第1のアイコンの表示異常が検出された場合に、処理ユニットが制御回路に第2アイコン表示用データを送信する必要がないので、単独で第2のアイコンをドットマトリックス表示部に表示させることができるとともに、ドットマトリックス表示部に第2のアイコンが表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0192】
前記表示装置の一態様において、
前記記憶部は、
前記処理ユニットから送信された前記ドットマトリックス表示部に表示する表示情報のデータが書き込まれる第1の記憶領域と、
前記第2アイコン表示用データが記憶される第2の記憶領域と、を有してもよい。
【0193】
この表示装置によれば、記憶部において、第2アイコン表示用データが記憶される領域が、表示情報のデータが書き込まれる領域から分離されているので、第2アイコン表示用データが上書きされて消失するおそれが低減される。
【0194】
前記表示装置の一態様において、
前記処理ユニットは、
前記第1のアイコンの表示異常が検出された場合、前記制御回路に、前記第1のアイコンを前記セグメント表示部に表示させない指示を行ってもよい。
【0195】
この表示装置によれば、第1のアイコンの表示異常により、第1のアイコンが表示されてはいけない状況で誤って表示されないようにすることができる。
【0196】
前記表示装置の一態様において、
前記表示器は、前記セグメント表示部及び前記ドットマトリックス表示部が設けられた単一の表示パネルを有してもよい。
【0197】
前記表示装置の一態様において、
前記セグメント表示部には、前記第1のアイコンを表示するためのセグメント電極及びコモン電極が設けられ、
前記セグメント表示用駆動信号は、前記セグメント電極に供給されるセグメント駆動信号と、前記コモン電極に供給されるコモン駆動信号と、を含み、
前記表示異常検出回路は、
前記セグメント駆動信号の異常を検出するセグメント異常検出回路と、
前記コモン駆動信号の異常を検出するコモン異常検出回路と、を有してもよい。
【0198】
前記表示装置の一態様において、
前記表示異常検出回路は、前記第1のアイコンの表示異常のみを検出してもよい。
【0199】
この表示装置によれば、表示異常検出回路が複数のアイコンの表示異常を検出する必要がないので、表示異常検出回路の配線や回路素子の数が少なくなり、表示異常検出回路のサイズを低減させることができる。
【0200】
前記表示装置の一態様において、
前記第2のアイコンは、形状及び表示色の少なくとも一方が前記第1のアイコンと異なってもよい。
【0201】
この表示装置によれば、ドットマトリックス表示部において、第2のアイコンを、その表示部分の背景に対して適切な色や形状とすることで、第2のアイコンの視認性を向上させることができる。
【0202】
前記表示装置の一態様において、
前記第1のアイコンは、警告表示用のアイコンであってもよい。
【0203】
この表示装置によれば、セグメント表示部に誤って警告灯が表示され、又は表示されず、重大な事態が生じるおそれが低減される。
【0204】
電子機器の一態様は、
前記表示装置の一態様を備える。
【0205】
この電子機器によれば、第1のアイコンに表示異常が生じても第2のアイコンの表示又は非表示により適正な情報の表示を継続することが可能な表示装置を有するので、高い信頼性を実現することができる。
【0206】
移動体の一態様は、
前記表示装置の一態様を備える。
【0207】
この移動体によれば、第1のアイコンに表示異常が生じても第2のアイコンの表示又は非表示により適正な情報の表示を継続することが可能な表示装置を有するので、高い信頼性を実現することができる。
【符号の説明】
【0208】
1…表示装置、10…表示ドライバー、10a…第1の表示ドライバー、10b…第2の表示ドライバー、11,11a,11b…制御回路、12,12a,12b…インターフェース回路、13,13a,13b…発振回路、14…ドットマトリックスデータ記憶部、14a…第1の記憶領域、14b…第2の記憶領域、15…ドットマトリックスデータラインラッチ、16…セグメントデータ記憶部、17…セグメントデータラインラッチ、18…表示部駆動回路、18a…ドットマトリックス表示部駆動回路、18b…セグメント表示部駆動回路、19…表示異常検出回路、20…表示器、21…表示パネル、22…第2の表示器、30…処理ユニット、40-1~40-n…出力部、41-1~41-n…レベルシフター、42-1~42-n…レベルシフター、43-1~43-n…極性反転回路、44-1~44-n…CMOSインバーター回路、45-1~45-n…スイッチ、46-1~46-n…スイッチ、51…セレクター、52…D/A変換器、53…コンパレーター、54…レベルシフター、60-1~60-m…出力部、61-1~61-m…レベルシフター、63-1~63-m…極性反転回路、64-1~64-m…CMOSインバーター回路、65-1~65-m…スイッチ、66-1~66-m…スイッチ、71…セレクター、72…D/A変換器、73…コンパレーター、74…レベルシフター、80…ROM、90…ROM、100…表示異常検出回路、171-1~171-n…フリップフロップ、181…ドットマトリックス表示部セグメント駆動回路、182…ドットマトリックス表示部コモン駆動回路、183…セグメント表示部セグメント駆動回路、184…セグメント表示部コモン駆動回路、191…セグメント異常検出回路、192…コモン異常検出回路、211…ドットマトリックス表示部、212…セグメント表示部、300…電子機器、310…記憶装置、320…操作装置、330…通信装置、400…移動体