(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】画像形成装置、規制方法
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20241126BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G03G15/08 322B
G03G15/08 390A
G03G15/08 341
G03G21/00 512
G03G21/00 386
(21)【出願番号】P 2020182423
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】望月 将行
【審査官】内藤 万紀子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-198909(JP,A)
【文献】特開2005-181597(JP,A)
【文献】特開2019-174725(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0198357(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を収容する現像剤収容部が装着される装着部と、
前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する規制部と、
前記現像剤を収容する収容部を有し、当該収容部に収容される前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が予め定められた第1閾値以下である場合に、前記装着部に装着された前記現像剤収容部内の前記現像剤を前記収容部に供給する供給処理部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下である場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制を解除する解除処理部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値よりも低い第3閾値以下である場合に、前記画像形成部の動作を制限する第1制限処理部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値を超えており前記規制部によって前記現像剤収容部の取り外しが規制されていない場合に、前記規制部に前記現像剤収容部の取り外しを規制させる規制処理部と、
前記解除処理部によって前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される場合であって予め定められた制限条件を充足する場合に、前記規制処理部による処理を制限する第2制限処理部と、
を備え
、
前記制限条件は、前記解除処理部による解除時から前記第1制限処理部によって前記画像形成部の動作が制限されるまでカウントされる前記解除処理部による解除回数が予め定められた第1基準値に達することを含む画像形成装置。
【請求項2】
現像剤を収容する現像剤収容部が装着される装着部と、
前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する規制部と、
前記現像剤を収容する収容部を有し、当該収容部に収容される前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が予め定められた第1閾値以下である場合に、前記装着部に装着された前記現像剤収容部内の前記現像剤を前記収容部に供給する供給処理部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下である場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制を解除する解除処理部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値よりも低い第3閾値以下である場合に、前記画像形成部の動作を制限する第1制限処理部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値を超えており前記規制部によって前記現像剤収容部の取り外しが規制されていない場合に、前記規制部に前記現像剤収容部の取り外しを規制させる規制処理部と、
前記解除処理部によって前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される場合であって予め定められた制限条件を充足する場合に、前記規制処理部による処理を制限する第2制限処理部と、
を備え、
前記制限条件は、前記解除処理部による解除時から前記第1制限処理部によって前記画像形成部の動作が制限されるまでカウントされる前記解除処理部による解除回数が予め定められた第1基準値に達し、且つ前記解除回数が前記第1基準値に達するまでの経過時間が予め定められた第1基準時間を超えないことを
含む画像形成装置。
【請求項3】
前記第2制限処理部は、前記規制処理部による処理の制限後に、前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値以上の第4閾値を超える状態が予め定められた第2基準時間を超えて継続する場合に、前記規制処理部による処理の制限を解除する、
請求項
1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第2制限処理部によって前記規制処理部による処理が制限される場合に、ユーザーに前記現像剤収容部内の前記現像剤の流動性が低下している旨を報知する報知処理部を備える、
請求項
1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制限条件は、前記現像剤収容部における前記現像剤の残量が予め定められた第2基準値以下であることを含む、
請求項
1~4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
現像剤を収容する現像剤収容部が装着される装着部と、前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する規制部と、前記現像剤を収容する収容部を有し、当該収容部に収容される前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置で実行される規制方法であって、
前記収容部における前記現像剤の収容量が予め定められた第1閾値以下である場合に、前記装着部に装着された前記現像剤収容部内の前記現像剤を前記収容部に供給する供給ステップと、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下である場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制を解除する解除ステップと、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値よりも低い第3閾値以下である場合に、前記画像形成部の動作を制限する第1制限ステップと、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値を超えており前記規制部によって前記現像剤収容部の取り外しが規制されていない場合に、前記規制部に前記現像剤収容部の取り外しを規制させる規制ステップと、
前記解除ステップによって前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される場合であって予め定められた制限条件を充足する場合に、前記規制ステップによる処理を制限する第2制限ステップと、
を含
み、
前記制限条件は、前記解除ステップによる解除時から前記第1制限ステップによって前記画像形成部の動作が制限されるまでカウントされる前記解除ステップによる解除回数が予め定められた第1基準値に達することを含む規制方法。
【請求項7】
現像剤を収容する現像剤収容部が装着される装着部と、
前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する規制部と、
前記現像剤を収容する収容部を有し、当該収容部に収容される前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が予め定められた第1閾値以下である場合に、前記装着部に装着された前記現像剤収容部内の前記現像剤を前記収容部に供給する供給処理部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下である場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制を解除する解除処理部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値よりも低い第3閾値以下である場合に、前記画像形成部の動作を制限する第1制限処理部と、
前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値を超えており前記規制部によって前記現像剤収容部の取り外しが規制されていない場合に、前記規制部に前記現像剤収容部の取り外しを規制させる規制処理部と、
前記解除処理部によって前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される場合であって予め定められた制限条件を充足する場合に、前記規制処理部による処理を制限する第2制限処理部と、
を備え、
前記制限条件は、前記現像剤収容部における前記現像剤の残量が予め定められた第2基準値以下であることを含む画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び画像形成装置で実行される規制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーコンテナなどの現像剤収容部が装着される装着部からの当該現像剤収容部の取り外しを規制可能な画像形成装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、前記画像形成装置では、現像剤を用いて静電潜像を現像する現像部における前記現像剤の収容量が予め定められた第1閾値以下である場合に、前記装着部に装着された前記現像剤収容部内の前記現像剤が前記現像部に供給される。また、前記現像部における前記現像剤の収容量が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下である場合に、前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される。これにより、任意のタイミングで前記現像剤収容部を交換可能な構成と比較して、前記現像剤収容部の交換時に当該現像剤収容部内に残存する前記現像剤の量を低減することが可能である。
【0004】
また、前記画像形成装置では、前記現像部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値を超えており、前記現像剤収容部の取り外しが規制されていない場合に、前記現像剤収容部の取り外しが規制される。これにより、前記現像剤収容部内の前記現像剤の流動性が低いことに起因して、前記現像部における前記現像剤の収容量が一時的に前記第2閾値以下になった場合に、当該現像剤収容部が交換されることを抑制可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前記画像形成装置では、前記現像剤収容部内の前記現像剤の流動性が低いことに起因して、前記現像部において、前記現像剤の収容量の前記第2閾値を越えた減少及び増加が繰り返されることがある。この場合、前記現像剤収容部の取り外しの規制解除及び当該現像剤収容部の取り外しの規制が繰り返されて、前記現像剤収容部の取り外しを規制する規制部の駆動音が騒音となることがある。
【0007】
本発明の目的は、交換時における現像剤収容部内の現像剤の残量を低減させるとともに、現像剤収容部の取り外しを規制する規制部における騒音の発生を抑制可能な画像形成装置、及び規制方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、装着部と、規制部と、画像形成部と、供給処理部と、解除処理部と、第1制限処理部と、規制処理部と、第2制限処理部とを備える。前記装着部には、現像剤を収容する現像剤収容部が装着される。前記規制部は、前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する。前記画像形成部は、前記現像剤を収容する収容部を有し、当該収容部に収容される前記現像剤を用いて画像を形成する。前記供給処理部は、前記収容部における前記現像剤の収容量が予め定められた第1閾値以下である場合に、前記装着部に装着された前記現像剤収容部内の前記現像剤を前記収容部に供給する。前記解除処理部は、前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下である場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制を解除する。前記第1制限処理部は、前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値よりも低い第3閾値以下である場合に、前記画像形成部の動作を制限する。前記規制処理部は、前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値を超えており前記規制部によって前記現像剤収容部の取り外しが規制されていない場合に、前記規制部に前記現像剤収容部の取り外しを規制させる。前記第2制限処理部は、前記解除処理部によって前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される場合であって予め定められた制限条件を充足する場合に、前記規制処理部による処理を制限する。
【0009】
本発明の他の局面に係る規制方法は、現像剤を収容する現像剤収容部が装着される装着部と、前記装着部に装着された前記現像剤収容部の当該装着部からの取り外しを規制する規制部と、前記現像剤を収容する収容部を有し、当該収容部に収容される前記現像剤を用いて画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置で実行され、以下の供給ステップ、解除ステップ、第1制限ステップ、規制ステップ、及び第2制限ステップを含む。前記供給ステップでは、前記収容部における前記現像剤の収容量が予め定められた第1閾値以下である場合に、前記装着部に装着された前記現像剤収容部内の前記現像剤が前記収容部に供給される。前記解除ステップでは、前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下である場合に、前記規制部による前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される。前記第1制限ステップでは、前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値よりも低い第3閾値以下である場合に、前記画像形成部の動作が制限される。前記規制ステップでは、前記収容部における前記現像剤の収容量が前記第2閾値を超えており前記規制部によって前記現像剤収容部の取り外しが規制されていない場合に、前記規制部により前記現像剤収容部の取り外しが規制される。前記第2制限ステップでは、前記解除ステップによって前記現像剤収容部の取り外しの規制が解除される場合であって予め定められた制限条件を充足する場合に、前記規制ステップによる処理が制限される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、交換時における現像剤収容部内の現像剤の残量を低減させるとともに、現像剤収容部の取り外しを規制する規制部における騒音の発生を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の画像形成ユニットの構成を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の現像部の構成を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の外観を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る画像形成装置のトナー補給装置の構成を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される収容量監視処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される動作制限処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される規制制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る画像形成装置で実行される制限設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の現像部におけるトナー収容量の推移の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0013】
[画像形成装置100の構成]
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、本発明の実施形態に係る画像形成装置100の構成について説明する。ここで、
図2は画像形成装置100の外観を示す斜視図である。なお、
図2には、ADF1が取り外された状態の画像形成装置100が示されている。
【0014】
なお、説明の便宜上、画像形成装置100が使用可能な設置状態(
図2に示される状態)で鉛直方向を上下方向D1と定義する。また、
図2に示される画像形成装置100の紙面右手前側の面を正面(前面)として前後方向D2を定義する。また、前記設置状態の画像形成装置100の正面を基準として左右方向D3を定義する。
【0015】
画像形成装置100は、原稿の画像を読み取るスキャン機能、及び画像データに基づいて画像を形成するプリント機能とともに、ファクシミリ機能、及びコピー機能などの複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置100は、プリンター装置、ファクシミリ装置、及びコピー機などであってもよい。
【0016】
図1及び
図2に示されるように、画像形成装置100は、ADF(Auto Document Feeder)1、画像読取部2、画像形成部3、給紙部4、操作表示部5、記憶部6、第1制御部7、第2制御部8、及び筐体9を備える。
【0017】
ADF1は、前記スキャン機能による読取対象の原稿を搬送する。例えば、ADF1は、原稿セット部、複数の搬送ローラー、原稿押さえ、及び排紙部を備える。
【0018】
画像読取部2は、前記スキャン機能を実現する。例えば、画像読取部2は、原稿台、光源、複数のミラー、光学レンズ、及びCCD(Charge Coupled Device)を備える。
【0019】
画像形成部3は、前記プリント機能を実現する。具体的に、画像形成部3は、電子写真方式で画像を形成する。例えば、画像形成部3は、トナー(本発明の現像剤の一例)及びキャリアを含む現像剤を用いて画像を形成する。
【0020】
給紙部4は、画像形成部3にシートを供給する。例えば、給紙部4は、給紙カセット4A(
図2参照)、シート搬送路、及び複数の搬送ローラーを備える。
【0021】
操作表示部5は、画像形成装置100のユーザーインターフェイスである。例えば、操作表示部5は、第1制御部7からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて第1制御部7に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を備える。
【0022】
記憶部6は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部6は、フラッシュメモリー及びEEPROM(登録商標)などの不揮発性メモリ、SSD(Solid State Drive)、又はHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置である。
【0023】
第1制御部7は、画像形成装置100を統括的に制御する。
図1に示されるように、第1制御部7は、CPU7A、ROM7B、及びRAM7Cを備える。CPU7Aは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。ROM7Bは、CPU7Aに各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM7Cは、CPU7Aが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される揮発性の記憶装置である。第1制御部7では、CPU7AによりROM7Bに予め格納された各種の制御プログラムが実行される。これにより、画像形成装置100が第1制御部7により統括的に制御される。
【0024】
第2制御部8は、画像形成部3を制御する。例えば、第2制御部8は、集積回路(ASIC、DSP)などの電子回路で構成される。
【0025】
筐体9は、画像形成装置100の各構成要素を収容する。
図2に示されるように、筐体9は、略四角柱状に形成される。筐体9の下部には、給紙カセット4Aが前後方向D2に挿抜可能に設けられる。筐体9の正面には、前面カバー9Aが設けられる。前面カバー9Aは、下端部が左右方向D3に長尺な回動軸を中心に回動可能に支持されており、上部が前方に回動して開かれる。筐体9の上部には、左方及び前方に開放された排紙空間9Bが形成されている。排紙空間9Bには、画像形成部3によって画像が形成されたシートが排出される。
【0026】
[画像形成部3の構成]
次に、
図3及び
図4を参照しつつ、画像形成部3の構成について説明する。ここで、
図3は筐体9の内部構成を示す断面図である。また、
図4は画像形成ユニット11の構成を示す断面図である。
【0027】
図3に示されるように、画像形成部3は、複数の画像形成ユニット11~14、光走査装置15、中間転写ベルト16、二次転写ローラー17、定着装置18、トナー補給装置19、及び温度センサー20(
図1参照)を備える。
【0028】
画像形成ユニット11はY(イエロー)、画像形成ユニット12はC(シアン)、画像形成ユニット13はM(マゼンタ)、画像形成ユニット14はK(ブラック)に対応する電子写真方式の画像形成ユニットである。画像形成ユニット11~14は、
図3に示されるように、画像形成装置100の左右方向D3に沿って、画像形成装置100の左方からイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの順に併設される。
【0029】
図4に示されるように、画像形成ユニット11は、感光体ドラム21、帯電ローラー22、現像部23、一次転写ローラー24、及びドラム清掃部25を備える。また、画像形成ユニット12~14各々も、画像形成ユニット11と同様の構成を備える。
【0030】
感光体ドラム21は、表面に静電潜像が形成される。感光体ドラム21は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて、
図4に示される回転方向D4に回転する。
【0031】
帯電ローラー22は、感光体ドラム21の表面を帯電させる。帯電ローラー22によって帯電された感光体ドラム21の表面には、光走査装置15から射出される画像データに基づく光が照射される。これにより、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。
【0032】
現像部23は、前記現像剤を用いて感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像する。これにより、感光体ドラム21の表面にトナー像が形成される。
【0033】
一次転写ローラー24は、現像部23により感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト16に転写する。
【0034】
ドラム清掃部25は、一次転写ローラー24によるトナー像の転写後の感光体ドラム21の表面に残存するトナーを除去する。
【0035】
光走査装置15は、画像形成ユニット11~14各々の感光体ドラム21の表面へ向けて、画像データに基づく光を射出する。
【0036】
中間転写ベルト16は、画像形成ユニット11~14各々の感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像が転写される無端状のベルト部材である。中間転写ベルト16は、駆動ローラー及び張架ローラーによって所定のテンションで張架される。中間転写ベルト16は、不図示のモーターから供給される回転駆動力を受けて前記駆動ローラーが回転することで、
図3に示される回転方向D5に回転する。
【0037】
二次転写ローラー17は、中間転写ベルト16の表面に転写されたトナー像を給紙部4から供給されるシートに転写する。
【0038】
定着装置18は、二次転写ローラー17によってシートに転写されたトナー像を当該シートに定着させる。
【0039】
トナー補給装置19は、画像形成ユニット11~14各々の現像部23にトナーを供給する。
【0040】
温度センサー20は、筐体9の内部における温度を検出する。温度センサー20は、筐体9の内部のいずれかの位置に設けられる。例えば、温度センサー20は、トナー補給装置19の容器装着部52に設けられる。なお、温度センサー20は、筐体9の外部に設けられて、画像形成装置100の設置位置における気温を検出してもよい。
【0041】
[現像部23の構成]
次に、
図4及び
図5を参照しつつ、現像部23の構成について説明する。ここで、
図5は
図4におけるV-V矢視断面図である。
【0042】
図4及び
図5に示されるように、現像部23は、筐体31、第1搬送部材32、第2搬送部材33、マグネットローラー34、現像ローラー35、及びトナーセンサー36を備える。
【0043】
筐体31は、
図4に示されるように、第1搬送部材32、第2搬送部材33、マグネットローラー34、及び現像ローラー35を収容する。また、筐体31は、前記現像剤を収容する。具体的に、筐体31は、側壁及び底面41によって形成される内部空間において前記現像剤を収容する。現像部23は、筐体31に収容される前記現像剤を用いて、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像する。筐体31は、本発明の収容部の一例である。
【0044】
図5に示されるように、筐体31は、トナーを含む前記現像剤が搬送される第1搬送路42及び第2搬送路43を有する。具体的に、筐体31の底面41には、
図4及び
図5に示されるように、隔壁44が設けられている。筐体31の側壁、底面41、及び隔壁44により、筐体31の内部に前記現像剤が搬送される第1搬送路42及び第2搬送路43が形成される。
【0045】
第1搬送部材32は、
図5に示されるように、第1搬送路42に設けられる。第1搬送部材32は、第1搬送路42において前後方向D2に沿った搬送方向D6に沿って前記現像剤を搬送するとともに、前記現像剤に含まれるトナーを帯電させる。具体的に、第1搬送部材32は、前記現像剤の搬送中に前記現像剤を撹拌して前記現像剤に含まれるトナーを帯電させる。例えば、第1搬送部材32はスクリュー状に形成された部材である。
【0046】
第2搬送部材33は、
図5に示されるように、第2搬送路43に設けられる。第2搬送部材33は、第2搬送路43において前後方向D2に沿った搬送方向D7に沿って前記現像剤を搬送するとともに、前記現像剤に含まれるトナーを帯電させる。具体的に、第2搬送部材33は、前記現像剤の搬送中に前記現像剤を撹拌して前記現像剤に含まれるトナーを帯電させる。例えば、第2搬送部材33はスクリュー状に形成された部材である。
【0047】
隔壁44における搬送方向D6の下流側の端部には、第1搬送路42と第2搬送路43とを接続する第1接続部45が設けられている。一方、隔壁44における搬送方向D7の下流側の端部には、第1搬送路42と第2搬送路43とを接続する第2接続部46が設けられている。これにより、筐体31に収容された前記現像剤は、第1搬送部材32及び第2搬送部材33によって第1搬送路42及び第2搬送路43を循環して搬送される。
【0048】
マグネットローラー34は、第2搬送路43から第2搬送部材33によって搬送される前記現像剤を汲み上げる。そして、マグネットローラー34は、第2搬送路43から汲み上げた前記現像剤に含まれるトナーを現像ローラー35に供給する。現像ローラー35は、マグネットローラー34から供給されるトナーを用いて、感光体ドラム21の表面に形成された静電潜像を現像する。
【0049】
なお、現像部23による現像方式は、以上に述べたトナー及びキャリアを含む前記現像剤を用いた2成分現像方式に限られない。例えば、現像部23の現像方式は、トナーのみを用いた一成分現像方式であってもよい。また、現像部23が、マグネットローラー34を備えない構成であってもよい。
【0050】
第1搬送路42の上側には、開口部47が設けられている。
図4に示されるように、開口部47は、第1搬送路42の上側において第1搬送路42を覆う筐体31の上面部に設けられる。開口部47は、第1搬送路42における搬送方向D6の上流側の端部と対向して設けられる。開口部47は、後述するトナーコンテナ51から供給されるトナーの第1搬送路42への搬入に用いられる。具体的に、トナーコンテナ51から供給されるトナーは、開口部47を経由して、第1搬送路42の搬入位置P1(
図5参照)に搬入される。搬入位置P1は、底面41における開口部47との対向位置である。
【0051】
トナーセンサー36は、第1搬送路42における搬入位置P1よりも搬送方向D6の下流側の検出位置P2(
図5参照)におけるトナーの量を検出する。例えば、トナーセンサー36は、
図4に示されるように、筐体31の底面部に設けられる。例えば、トナーセンサー36は、筐体31内に収容されている前記現像剤の透磁率に応じた電気信号を出力するLC発振回路を含む透磁率センサーである。
【0052】
例えば、画像形成装置100では、第1搬送部材32による搬入位置P1から検出位置P2までのトナーの搬送時間を超える検出期間中にトナーセンサー36によって検出される検出値各々が積算されて、筐体31内のトナーの収容量が取得される。例えば、前記検出期間は、第1搬送部材32によって搬送されるトナーが現像部23内を一巡する期間である。
【0053】
[トナー補給装置19の構成]
次に、
図1~
図3、
図6~
図7を参照しつつ、トナー補給装置19の構成について説明する。ここで、
図6は
図2に示される画像形成装置100からロックユニット53が取り外された状態を示す図である。また、
図7はトナー補給装置19の構成を示す平面図である。
【0054】
トナー補給装置19は、
図3に示される4つのトナーコンテナ51と、
図6に示される容器装着部52と、
図2に示されるロックユニット53とを備える。また、トナー補給装置19は、
図1に示されるように、駆動部54と、データ取得部55と、開閉センサー56とを備える。
【0055】
4つのトナーコンテナ51は、画像形成ユニット11~14に対応して設けられる。例えば、
図3に示されるトナーコンテナ51Aは、画像形成ユニット11に対応しており、イエローのトナーを収容する。
【0056】
4つのトナーコンテナ51は、互いに共通の構成を備える。具体的に、トナーコンテナ51各々は、前後方向D2に沿って長尺な略円柱形状の容器である。トナーコンテナ51各々は、内部に収容されるトナーを当該トナーコンテナ51の長手方向に沿って搬送する搬送部材(不図示)、及び当該トナーコンテナ51に関する特定データを格納するICタグ(不図示)を備える。例えば、前記特定データには、トナーコンテナ51の識別情報、トナーコンテナ51に収容されるトナーの種類、材質、及び色などに関するトナー情報、トナーコンテナ51におけるトナーの初期収容量を示す初期収容量情報などが含まれる。トナーコンテナ51は、本発明の現像剤収容部の一例である。
【0057】
容器装着部52には、4つのトナーコンテナ51が装着される。
図3に示されるように、容器装着部52は、筐体9の上部に設けられる。また、
図6に示されるように、容器装着部52は、筐体9における前面カバー9Aの裏面と対向する位置に設けられる。容器装着部52には、4つの開口部61(
図6参照)、及び4つの装着部62(
図3参照)が形成される。
【0058】
4つの開口部61は、4つのトナーコンテナ51に対応して設けられる。開口部61各々には、トナーコンテナ51が挿入される。例えば、
図6に示される開口部61Aには、トナーコンテナ51Aが挿入される。
【0059】
4つの装着部62は、4つの開口部61に対応して設けられる。装着部62各々は、当該装着部62に対応する開口部61から画像形成装置100の後方向へ延在するトナーコンテナ51の収容空間を形成する。装着部62各々には、トナーコンテナ51が装着される。例えば、
図3に示される装着部62Aには、トナーコンテナ51Aが装着される。
【0060】
ロックユニット53は、容器装着部52に装着されたトナーコンテナ51の容器装着部52からの取り外しを規制可能である。
図2に示されるように、ロックユニット53は、容器装着部52の前側に取り付けられる。ロックユニット53は、4つの開口部61の開閉の制限の有無(ロックの有無)を個別に切り替え可能な4つのロック装置63を備える。
【0061】
4つのロック装置63は、互いに共通の構成を備える。具体的に、ロック装置63各々は、
図7に示されるように、ロックカバー71、制限部材72、コイルばね73、ソレノイド74、及びリンク部材75を備える。ロック装置63各々の制限部材72、コイルばね73、ソレノイド74、及びリンク部材75は、装着部62の上面に設けられる。ロック装置63は、装着部62に装着されたトナーコンテナ51の当該装着部62からの取り外しを規制する。ロック装置63は、本発明の規制部の一例である。
【0062】
ロックカバー71は、開口部61に設けられており、開口部61を開閉する。ロックカバー71は、下端部が左右方向D3に長尺な回動軸を中心に回動可能に支持されている。即ち、ロックカバー71は、前面カバー9Aと同様に、上部が前方に回動して開かれる。
【0063】
ロックカバー71の上部には、制限部材72の係合部72Aと係合可能な被係合部71Aが設けられている。被係合部71Aは、
図7に示されるように、ロックカバー71の裏面から突出して右方向に屈曲するフック形状に形成される。
【0064】
制限部材72は、ロックカバー71の被係合部71Aと係合可能な係合部72Aを有する。係合部72Aは、
図7に示されるように、前方に向けて突出して左方向に屈曲するフック形状に形成される。制限部材72は、装着部62の上面に回動可能に設けられる。具体的に、制限部材72は、装着部62の上面において上下方向D1に平行に設けられた回動軸72Bによって回動可能に支持されている。
【0065】
制限部材72は、ロックカバー71の開放を制限可能なロック位置と、ロックカバー71の開放の制限(ロック)が解除される解除位置との間を回動することが可能である。ここで、前記ロック位置は、
図7に示されるように、係合部72Aが閉塞状態のロックカバー71の被係合部71Aと係合可能な位置である。また、前記解除位置は、前記ロック位置よりもロックカバー71の内側の位置であって、係合部72Aとロックカバー71の被係合部71Aとの係合が外れる位置である(
図7のロック装置63C参照)。ロック装置63では、ロックカバー71の開放が制限部材72により制限されることで、装着部62におけるトナーコンテナ51の着脱が規制される。
【0066】
コイルばね73は、制限部材72を前記ロック位置側へ付勢する。具体的に、コイルばね73は、
図7に示されるように、装着部62の上面において左右方向D3に延在して設けられる。コイルばね73は、長手方向の一端が制限部材72の左側部に固定され、他端が装着部62の上面に固定される。コイルばね73は、自然長よりも伸長された状態で、制限部材72及び装着部62の上面に固定される。そのため、制限部材72は、コイルばね73によって左方向へ引っ張られて、前記ロック位置側へ付勢される。
【0067】
ソレノイド74は、
図7に示されるように、制限部材72よりもロックカバー71の内側に設けられる。ソレノイド74は、通電に応じて駆動して制限部材72を前記解除位置へ移動させる。具体的に、ソレノイド74は、所謂プル型で駆動する構成であって、前後方向D2に沿って長尺状なプランジャーを有する。前記プランジャーは、前後方向D2に長尺なリンク部材75を介して制限部材72に連結されている。
【0068】
ソレノイド74は、第1制御部7の制御指示に基づく不図示の電源からの給電に応じて、前記プランジャーを後方向へ駆動する。これにより、リンク部材75を介して前記プランジャーに連結された制限部材72が前記ロック位置から前記解除位置へ移動されて、ロックカバー71のロックが解除される(
図7のロック装置63C参照)。
【0069】
駆動部54は、装着部62各々に設けられる。駆動部54は、当該駆動部54に対応する装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記搬送部材に供給される回転駆動力を生成する。例えば、駆動部54はモーターである。駆動部54で生成される回転駆動力は、不図示の動力伝達機構を介して、装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記搬送部材に供給される。これにより、当該搬送部材が回転されて、トナーコンテナ51内のトナーが当該トナーコンテナ51に設けられたトナー排出口(不図示)へ搬送される。なお、装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記トナー排出口は、現像部23の開口部47(
図4参照)に通じる不図示のトナー供給路に接続されている。前記トナー排出口からトナーコンテナ51の外部へ排出されるトナーは、前記トナー供給路及び開口部47を経由して現像部23に供給される。
【0070】
データ取得部55は、装着部62各々に設けられる。データ取得部55は、当該データ取得部55に対応する装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記ICタグから前記特定データを取得する。例えば、データ取得部55は、装着部62に装着されたトナーコンテナ51の前記ICタグと近距離無線通信を行うことで、前記ICタグから前記特定データを受信する。
【0071】
開閉センサー56は、筐体9の前面カバー9Aの開閉状態を検出する。例えば、開閉センサー56は、反射型の光センサーである。
【0072】
[第1制御部7の構成]
次に、
図1を参照しつつ、第1制御部7の構成について説明する。
【0073】
図1に示されるように、第1制御部7は、検出処理部91、供給処理部92、解除処理部93、第1制限処理部94、規制処理部95、第2制限処理部96、及び報知処理部97を含む。
【0074】
具体的に、第1制御部7のROM7Bには、第1制御部7のCPU7Aに後述の収容量監視処理(
図8のフローチャート参照)を実行させるための収容量監視プログラムが予め格納されている。そして、第1制御部7のCPU7Aは、ROM7Bに格納された前記収容量監視プログラムを実行することにより、上述の各部として機能する。
【0075】
なお、前記収容量監視プログラムは、CD、DVD、フラッシュメモリーなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されており、前記記録媒体から読み取られて記憶部6などの記憶装置に格納されてもよい。
【0076】
なお、以下では、画像形成ユニット11~14各々に対応する現像部23、トナーコンテナ51、装着部62、及びロック装置63のうち、画像形成ユニット11に対応する現像部23A(
図4参照)、トナーコンテナ51A(
図3参照)、装着部62A(
図3参照)、及びロック装置63A(
図2参照)を例に挙げて説明を行う。以下の説明は、画像形成ユニット12~14各々に対応する現像部23、トナーコンテナ51、装着部62、及びロック装置63についても同様に当てはまる。
【0077】
検出処理部91は、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量を検出する。
【0078】
具体的に、検出処理部91は、現像部23Aのトナーセンサー36を用いて、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量を取得する。例えば、検出処理部91は、画像形成部3を用いてシートに画像を形成する印刷処理の実行中に、予め定められた検出タイミングが到来するごとに、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量を検出する。例えば、前記検出タイミングは、予め定められた周期で到来するタイミングである。
【0079】
供給処理部92は、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が予め定められた第1閾値以下である場合に、装着部62Aに装着されたトナーコンテナ51A内のトナーを現像部23Aの筐体31に供給する。これにより、トナーコンテナ51A内のトナーの残量が十分に低下するまでの間は、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が前記第1閾値を越えて大幅に低下することが抑制される。
【0080】
具体的に、供給処理部92は、検出処理部91によって検出されたトナーの収容量が前記第1閾値以下である場合に、装着部62Aに対応する駆動部54を駆動させてトナーコンテナ51A内の前記搬送部材を予め定められた基準量だけ回転させる。これにより、装着部62Aに装着されたトナーコンテナ51A内のトナーの一定量が現像部23Aの筐体31に供給される。
【0081】
解除処理部93は、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下である場合に、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制を解除する。これにより、任意のタイミングでトナーコンテナ51Aを交換可能な構成と比較して、トナーコンテナ51Aの交換時における当該トナーコンテナ51A内のトナーの残量が低減される。
【0082】
具体的に、解除処理部93は、検出処理部91によって検出されたトナーの収容量が前記第2閾値以下である場合に、ロック装置63Aのソレノイド74を駆動させて、ロック装置63Aの制限部材72を前記ロック位置から前記解除位置へ移動させる。これにより、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が解除される。
【0083】
第1制限処理部94は、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が前記第2閾値よりも低い第3閾値以下である場合に、画像形成部3の動作を制限する。
【0084】
具体的に、第1制限処理部94は、検出処理部91によって検出されたトナーの収容量が前記第3閾値以下である場合に、実行中の前記印刷処理を停止させるとともに、新たな前記印刷処理の実行を禁止する。
【0085】
規制処理部95は、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が前記第2閾値を超えており、ロック装置63Aによってトナーコンテナ51Aの取り外しが規制されていない場合に、ロック装置63Aにトナーコンテナ51Aの取り外しを規制させる。これにより、トナーコンテナ51A内のトナーの流動性が低いことに起因して、トナーコンテナ51A内に多くのトナーが残存する状態で現像部23Aにおけるトナーの収容量が一時的に前記第2閾値以下になった場合に、当該トナーコンテナ51Aが交換されることを抑制可能である。
【0086】
なお、トナーコンテナ51A内のトナーは、トナーコンテナ51Aが低温環境で保管された場合、及び略円柱形状のトナーコンテナ51Aが床面に起立する姿勢で保管された場合に、その一部が凝固して流動性が低下する。
【0087】
具体的に、規制処理部95は、検出処理部91によって検出されたトナーの収容量が前記第2閾値を超えており、且つロック装置63Aによってトナーコンテナ51Aの取り外しが規制されていない場合に、ロック装置63Aのソレノイド74を駆動させて、ロック装置63Aの制限部材72を前記解除位置から前記ロック位置へ移動させる。これにより、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が実現される。
【0088】
ところで、画像形成装置100では、トナーコンテナ51A内のトナーの流動性が低いことに起因して、
図12に示されるように、現像部23Aにおいてトナーの収容量の前記第2閾値を越えた減少及び増加が繰り返されることがある。この場合、トナーコンテナ51Aの取り外しの規制解除、及びトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が繰り返されて、トナーコンテナ51Aの取り外しを規制するロック装置63Aの駆動音が騒音となることがある。また、ロック装置63Aの構成部材が摩耗するなどして、ロック装置63Aの故障が誘発されることも考えられる。
【0089】
これに対し、本発明の実施形態に係る画像形成装置100では、以下に説明するように、交換時におけるトナーコンテナ51内のトナーの残量を低減させるとともに、トナーコンテナ51Aの取り外しを規制するロック装置63Aにおける騒音の発生を抑制可能である。
【0090】
第2制限処理部96は、解除処理部93によってトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が解除される場合であって、予め定められた制限条件を充足する場合に、規制処理部95による処理を制限する。
【0091】
例えば、前記制限条件は、解除処理部93による解除時から第1制限処理部94によって画像形成部3の動作が制限されるまでカウントされる解除処理部93による解除回数が予め定められた第1基準値に達し、且つ前記解除回数が前記第1基準値に達するまでの経過時間が予め定められた第1基準時間を超えないこと、である。これにより、実際にトナーコンテナ51Aの取り外しの規制解除、及びトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が繰り返され、且つロック装置63Aにおいて駆動音が発生する頻度が高い場合に限って、規制処理部95による処理を制限することが可能である。例えば、前記第1基準値は4である。また、前記第1基準時間は5秒である。なお、前記第1基準値及び前記第1基準時間は任意に定められてよい。
【0092】
例えば、第2制限処理部96は、解除処理部93によってトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が解除される場合であって、前記制限条件を充足する場合に、予め用意された規制フラグの値を「1」に設定する。なお、画像形成装置100では、前記規制フラグの値が「1」に設定されている場合に規制処理部95による処理が制限され、前記規制フラグの値が「0」に設定されている場合には規制処理部95による処理が制限されない。
【0093】
また、第2制限処理部96は、予め定められた解除条件を充足するまで規制処理部95による処理を制限する。
【0094】
例えば、前記解除条件は、以下の第1解除条件及び第2解除条件を含む。前記第1解除条件は、第1制限処理部94によって画像形成部3の動作が制限されること、である。前記第2解除条件は、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が予め定められた第4閾値を超える状態が予め定められた第2基準時間を超えて継続すること、である。ここで、前記第4閾値は、前記第1閾値よりも低く、前記第2閾値以上の値である。また、前記第2基準時間は5秒である。なお、前記第4閾値及び前記第2基準時間は任意に定められてよい。
【0095】
例えば、第2制限処理部96は、規制処理部95による処理を制限した後に前記解除条件を充足する場合に、前記規制フラグの値を「0」に設定する。
【0096】
なお、前記制限条件は、前記解除回数が前記第1基準値に達すること、であってもよい。
【0097】
また、前記制限条件は、トナーコンテナ51Aにおけるトナーの残量が予め定められた第2基準値以下であること、を含んでいてもよい。なお、前記第2基準値は任意に定められてよい。
【0098】
例えば、画像形成装置100では、前記印刷処理が実行されるごとに、当該印刷処理で消費されるトナーの消費量が記録される。例えば、第1制御部7は、前記印刷処理で印刷される画像データの印字率に基づいて、当該印刷処理で消費されるトナーの消費量を取得する。そして、第1制御部7は、取得されたトナーの消費量を、前記印刷処理の実行タイミングなどの情報とともに、記憶部6の予め定められた記憶領域に格納する。
【0099】
そして、第2制限処理部96は、装着部62Aに装着されたトナーコンテナ51Aの使用開始タイミングからのトナーの総消費量と、装着部62Aに対応するデータ取得部55によってトナーコンテナ51Aの前記ICタグから取得される前記特定データに含まれる前記初期収容量情報に基づいて、トナーコンテナ51Aにおけるトナーの残量を取得可能である。
【0100】
例えば、第2制限処理部96は、トナーコンテナ51Aにおけるトナーの残量が前記第2基準値以下である場合には、前記解除回数に基づくことなく規制処理部95による処理を制限し、当該残量が前記第2基準値を超える場合に、前記解除回数に基づいて規制処理部95による処理を制限すればよい。これにより、交換時におけるトナーコンテナ51内のトナーの残量を増加させることなく、ロック装置63Aにおける騒音の発生を未然に防止可能である。
【0101】
また、前記制限条件は、自装置における温度が予め定められた基準温度未満であること、を含んでいてもよい。なお、前記基準温度は、トナーコンテナ51A内のトナーの凝固に影響があると考えられる範囲内で任意に定められる温度であってよい。
【0102】
例えば、第2制限処理部96は、温度センサー20によって検出される温度が前記基準温度未満である場合には、前記解除回数に基づくことなく規制処理部95による処理を制限し、当該温度が前記基準温度以上である場合に、前記解除回数に基づいて規制処理部95による処理を制限すればよい。
【0103】
また、前記制限条件は、駆動部54を流れる電流の電流値が予め定められた第3基準値以上であること、を含んでいてもよい。なお、前記第3基準値は、トナーコンテナ51A内のトナーの流動性と駆動部54の負荷との関係性に基づいて任意に定められる値であってよい。
【0104】
例えば、第2制限処理部96は、駆動部54を流れる電流の電流値が前記第3基準値以上である場合には、前記解除回数に基づくことなく規制処理部95による処理を制限し、当該電流値が前記第3基準値未満である場合に、前記解除回数に基づいて規制処理部95による処理を制限すればよい。
【0105】
また、前記解除条件は、前記第2解除条件を含んでいなくてもよい。
【0106】
報知処理部97は、第2制限処理部96によって規制処理部95による処理が制限される場合に、ユーザーにトナーコンテナ51A内のトナーの流動性が低下している旨を報知する。
【0107】
例えば、報知処理部97は、トナーコンテナ51A内のトナーの流動性が低下している旨のメッセージ、及びトナーコンテナ51Aを振ることによってトナーの流動性低下を改善可能である旨のメッセージを含む報知画面を操作表示部5に表示させる。
【0108】
なお、第1制御部7は、報知処理部97を含んでいなくてもよい。
【0109】
[収容量監視処理]
以下、
図8を参照しつつ、画像形成装置100において第1制御部7により実行される収容量監視処理の手順の一例とともに、本発明の規制方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、第1制御部7により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記収容量監視処理は、前記印刷処理の実行指示が入力された場合に、当該印刷処理とともに実行される。
【0110】
なお、第1制御部7は、前記収容量監視処理の実行開始時に、予め定められた初期処理を実行する。例えば、前記初期処理は、前記制限条件を充足するか否かの判断に用いられる第1カウント値、及び前記第2解除条件を充足するか否かの判断に用いられる第2カウント値をゼロにリセットする処理を含む。また、前記初期処理は、前記規制フラグの値を「0」に設定する処理を含む。
【0111】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、第1制御部7は、ともに実行される前記印刷処理が終了したか否かを判断する。
【0112】
ここで、第1制御部7は、ともに実行される前記印刷処理が終了したと判断すると(S11のYes側)、処理をステップS18に移行させる。また、ともに実行される前記印刷処理が終了していなければ(S11のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS12に移行させる。
【0113】
<ステップS12>
ステップS12において、第1制御部7は、前記検出タイミングが到来したか否かを判断する。
【0114】
ここで、第1制御部7は、前記検出タイミングが到来したと判断すると(S12のYes側)、処理をステップS13に移行させる。また、前記検出タイミングが到来していなければ(S12のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS11に移行させる。
【0115】
<ステップS13>
ステップS13において、第1制御部7は、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量を検出する。ここで、ステップS13の処理は、第1制御部7の検出処理部91により実行される。
【0116】
<ステップS14>
ステップS14において、第1制御部7は、ステップS13で検出された現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が前記第1閾値以下であるか否かを判断する。
【0117】
ここで、第1制御部7は、ステップS13で検出されたトナーの収容量が前記第1閾値以下であると判断すると(S14のYes側)、処理をステップS15に移行させる。また、ステップS13で検出されたトナーの収容量が前記第1閾値以下でなければ(S14のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS11に移行させる。
【0118】
<ステップS15>
ステップS15において、第1制御部7は、ステップS13で検出された現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が前記第3閾値以下であるか否かを判断する。
【0119】
ここで、第1制御部7は、ステップS13で検出されたトナーの収容量が前記第3閾値以下であると判断すると(S15のYes側)、処理をステップS16に移行させる。また、ステップS13で検出されたトナーの収容量が前記第3閾値以下でなければ(S15のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS17に移行させる。
【0120】
<ステップS16>
ステップS16において、第1制御部7は、後段で説明する動作制限処理を実行する。
【0121】
<ステップS17>
ステップS17において、第1制御部7は、後段で説明する規制制御処理を実行する。
【0122】
<ステップS18>
ステップS18において、第1制御部7は、前記規制フラグの値が「1」に設定されているか否かを判断する。
【0123】
ここで、第1制御部7は、前記規制フラグの値が「1」に設定されていると判断すると(S18のYes側)、処理をステップS19に移行させる。また、前記規制フラグの値が「1」に設定されていなければ(S18のNo側)、第1制御部7は、前記収容量監視処理を終了させる。
【0124】
<ステップS19>
ステップS19において、第1制御部7は、ユーザーにトナーコンテナ51A内のトナーの流動性が低下している旨を報知する。ここで、ステップS19の処理は、第1制御部7の報知処理部97により実行される。
【0125】
例えば、第1制御部7は、トナーコンテナ51A内のトナーの流動性が低下している旨のメッセージ、及びトナーコンテナ51Aを振ることによってトナーの流動性低下を改善可能である旨のメッセージを含む前記報知画面を操作表示部5に表示させる。
【0126】
[動作制限処理]
次に、
図9を参照しつつ、前記収容量監視処理のステップS16で実行される動作制限処理について説明する。
【0127】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、第1制御部7は、画像形成部3の動作を制限する。ここで、ステップS21の処理は、本発明の第1制限ステップの一例であって、第1制御部7の第1制限処理部94により実行される。
【0128】
具体的に、第1制御部7は、実行中の前記印刷処理を停止させるとともに、新たな前記印刷処理の実行を禁止する。
【0129】
<ステップS22>
ステップS22において、第1制御部7は、前記規制フラグの値を「0」に設定する。つまり、第1制御部7は、ステップS21の処理の実行により前記第1解除条件が充足されるので、規制処理部95による処理の制限を解除する。ここで、ステップS22の処理は、第1制御部7の第2制限処理部96により実行される。
【0130】
<ステップS23>
ステップS23において、第1制御部7は、前記第1カウント値をゼロにリセットする。
【0131】
<ステップS24>
ステップS24において、第1制御部7は、トナーコンテナ51Aが交換されたか否かを判断する。
【0132】
例えば、第1制御部7は、開閉センサー56によって前面カバー9Aの閉扉が検出された場合において、装着部62Aにトナーコンテナ51Aが装着されている場合に、トナーコンテナ51Aが交換されたと判断する。なお、第1制御部7は、例えば、装着部62Aに対応するデータ取得部55による前記特定データの取得の成否に基づいて、装着部62Aにトナーコンテナ51Aが装着されているか否かを判断可能である。なお、第1制御部7は、データ取得部55によって取得される前記特定データに基づいて、装着部62Aに装着されているトナーコンテナ51Aが交換後のものであるか否かを判断してもよい。
【0133】
ここで、第1制御部7は、トナーコンテナ51Aが交換されたと判断すると(S24のYes側)、処理をステップS25に移行させる。また、トナーコンテナ51Aが交換されていなければ(S24のNo側)、第1制御部7は、ステップS24でトナーコンテナ51Aが交換されるのを待ち受ける。
【0134】
<ステップS25>
ステップS25において、第1制御部7は、装着部62Aに装着されたトナーコンテナ51Aの取り外しを規制する。
【0135】
具体的に、第1制御部7は、ロック装置63Aのソレノイド74への給電を停止して、ロック装置63Aの制限部材72を前記解除位置から前記ロック位置へ移動させることで、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制を解除する。
【0136】
<ステップS26>
ステップS26において、第1制御部7は、装着部62Aに装着されたトナーコンテナ51Aから現像部23Aの筐体31にトナーを供給する。
【0137】
例えば、第1制御部7は、現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が前記第1閾値を超えるまで、トナーコンテナ51Aから当該筐体31にトナーを供給する。
【0138】
<ステップS27>
ステップS27において、第1制御部7は、ステップS21で設定された画像形成部3の動作制限を解除する。
【0139】
具体的に、第1制御部7は、停止中の前記印刷処理を再開させるとともに、新たな前記印刷処理の実行禁止を解除する。
【0140】
[規制制御処理]
次に、
図10を参照しつつ、前記収容量監視処理のステップS17で実行される規制制御処理について説明する。
【0141】
<ステップS31>
まず、ステップS31において、第1制御部7は、装着部62Aに装着されたトナーコンテナ51Aから現像部23Aの筐体31にトナーを供給する。ここで、ステップS31の処理は、本発明の供給ステップの一例であって、第1制御部7の供給処理部92により実行される。
【0142】
<ステップS32>
ステップS32において、第1制御部7は、前記収容量監視処理のステップS13で検出された現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が前記第2閾値以下であるか否かを判断する。
【0143】
ここで、第1制御部7は、前記収容量監視処理のステップS13で検出されたトナーの収容量が前記第2閾値以下であると判断すると(S32のYes側)、処理をステップS33に移行させる。また、前記収容量監視処理のステップS13で検出されたトナーの収容量が前記第2閾値以下でなければ(S32のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS36に移行させる。
【0144】
<ステップS33>
ステップS33において、第1制御部7は、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が未解除であるか否かを判断する。
【0145】
ここで、第1制御部7は、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が未解除であると判断すると(S33のYes側)、処理をステップS34に移行させる。また、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が未解除でなければ(S33のNo側)、第1制御部7は、前記規制制御処理を終了させる。
【0146】
<ステップS34>
ステップS34において、第1制御部7は、ロック装置63Aによるトナーコンテナ51Aの取り外しの規制を解除する。ここで、ステップS34の処理は、本発明の解除ステップの一例であって、第1制御部7の解除処理部93により実行される。
【0147】
<ステップS35>
ステップS35において、第1制御部7は、後段で説明する制限設定処理を実行する。
【0148】
<ステップS36>
ステップS36において、第1制御部7は、前記規制フラグの値が「1」に設定されているか否かを判断する。
【0149】
ここで、第1制御部7は、前記規制フラグの値が「1」に設定されていると判断すると(S36のYes側)、処理をステップS37に移行させる。また、前記規制フラグの値が「1」に設定されていなければ(S36のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS42に移行させる。
【0150】
<ステップS37>
ステップS37において、第1制御部7は、前記収容量監視処理のステップS13で検出された現像部23Aの筐体31におけるトナーの収容量が前記第4閾値を超えるか否かを判断する。
【0151】
ここで、第1制御部7は、前記収容量監視処理のステップS13で検出されたトナーの収容量が前記第4閾値を超えると判断すると(S37のYes側)、処理をステップS38に移行させる。また、前記収容量監視処理のステップS13で検出されたトナーの収容量が前記第4閾値を超えなければ(S37のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS39に移行させる。
【0152】
<ステップS38>
ステップS38において、第1制御部7は、前記第2カウント値をインクリメントする。
【0153】
<ステップS39>
ステップS39において、第1制御部7は、前記第2カウント値をゼロにリセットする。
【0154】
<ステップS40>
ステップS40において、第1制御部7は、前記第2カウント値が予め定められた第4基準値に到達したか否かを判断する。ここで、前記第4基準値は、前記第2基準時間及び前記収容量監視処理のステップS13の実行周期に基づいて定められる値である。
【0155】
ここで、第1制御部7は、前記第2カウント値が前記第4基準値に到達したと判断すると(S40のYes側)、処理をステップS41に移行させる。また、前記第2カウント値が前記第4基準値に到達していなければ(S40のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS42に移行させる。
【0156】
<ステップS41>
ステップS41において、第1制御部7は、前記規制フラグの値を「0」に設定する。つまり、第1制御部7は、前記第2カウント値が前記第4基準値に到達することにより前記第2解除条件が充足されるので、規制処理部95による処理の制限を解除する。また、第1制御部7は、前記第2カウント値をゼロにリセットする。ここで、ステップS36からステップS41までの処理は、第1制御部7の第2制限処理部96により実行される。
【0157】
<ステップS42>
ステップS42において、第1制御部7は、ロック装置63Aによってトナーコンテナ51Aの取り外しが規制されていない状態であるか否かを判断する。
【0158】
ここで、第1制御部7は、ロック装置63Aによってトナーコンテナ51Aの取り外しが規制されていない状態であると判断すると(S42のYes側)、処理をステップS43に移行させる。また、ロック装置63Aによってトナーコンテナ51Aの取り外しが規制されていない状態でなければ(S42のNo側)、第1制御部7は、前記規制制御処理を終了させる。
【0159】
<ステップS43>
ステップS43において、第1制御部7は、前記規制フラグの値が「0」に設定されているか否かを判断する。
【0160】
ここで、第1制御部7は、前記規制フラグの値が「0」に設定されていると判断すると(S43のYes側)、処理をステップS44に移行させる。また、前記規制フラグの値が「0」に設定されていなければ(S43のNo側)、第1制御部7は、前記規制制御処理を終了させる。これにより、ステップS44の処理の実行が回避される。つまり、規制処理部95による処理が制限される。
【0161】
<ステップS44>
ステップS44において、第1制御部7は、装着部62Aに装着されたトナーコンテナ51Aの取り外しを規制する。ここで、ステップS44の処理は、本発明の規制ステップの一例であって、第1制御部7の規制処理部95により実行される。
【0162】
[制限設定処理]
次に、
図11を参照しつつ、前記規制制御処理のステップS35で実行される制限設定処理について説明する。ここで、前記制限設定処理は、本発明の第2制限ステップの一例であって、第1制御部7の第2制限処理部96により実行される。
【0163】
<ステップS51>
まず、ステップS51において、第1制御部7は、前記第1カウント値がゼロであるか否かを判断する。
【0164】
ここで、第1制御部7は、前記第1カウント値がゼロであると判断すると(S51のYes側)、処理をステップS57に移行させる。また、前記第1カウント値がゼロでなければ(S51のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS52に移行させる。
【0165】
<ステップS52>
ステップS52において、第1制御部7は、ステップS58で計測が開始される、トナーコンテナ51Aの取り外しの規制の解除時からの経過時間が前記第1基準時間を超過したか否かを判断する。
【0166】
ここで、第1制御部7は、トナーコンテナ51Aの取り外しの規制の解除時からの経過時間が前記第1基準時間を超過したと判断すると(S52のYes側)、処理をステップS56に移行させる。また、トナーコンテナ51Aの取り外しの規制の解除時からの経過時間が前記第1基準時間を超過していなければ(S52のNo側)、第1制御部7は、処理をステップS53に移行させる。
【0167】
<ステップS53>
ステップS53において、第1制御部7は、前記第1カウント値をインクリメントする。
【0168】
<ステップS54>
ステップS54において、第1制御部7は、前記第1カウント値が前記第1基準値に到達したか否かを判断する。
【0169】
ここで、第1制御部7は、前記第1カウント値が前記第1基準値に到達したと判断すると(S54のYes側)、処理をステップS55に移行させる。また、前記第1カウント値が前記第1基準値に到達していなければ(S54のNo側)、第1制御部7は、前記制限設定処理を終了させる。
【0170】
<ステップS55>
ステップS55において、第1制御部7は、前記規制フラグの値を「1」に設定する。つまり、第1制御部7は、前記第1カウント値が前記第1基準値に到達することにより前記制限条件が充足されるので、規制処理部95による処理を制限する。また、第1制御部7は、前記第1カウント値をゼロにリセットする。また、第1制御部7は、トナーコンテナ51Aの取り外しの規制の解除時からの経過時間の計測を終了する。ここで、ステップS55の処理は、本発明の第2制限ステップの一例であって、第1制御部7の第2制限処理部96により実行される。
【0171】
<ステップS56>
ステップS56において、第1制御部7は、前記第1カウント値をゼロにリセットする。
【0172】
<ステップS57>
ステップS57において、第1制御部7は、前記第1カウント値をインクリメントする。
【0173】
<ステップS58>
ステップS58において、第1制御部7は、トナーコンテナ51Aの取り外しの規制の解除時(前記規制制御処理のステップS34の実行時)からの経過時間の計測を開始する。
【0174】
なお、ステップS57の処理は省略されてよい。この場合、ステップS51では、トナーコンテナ51Aの取り外しの規制の解除時からの経過時間の計測が開始されているか否かが判断されればよい。
【0175】
このように、画像形成装置100では、解除処理部93によってトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が解除される場合であって、前記制限条件を充足する場合に、前記解除条件を充足するまで規制処理部95による処理が制限される。これにより、トナーコンテナ51A内のトナーの流動性が低いことに起因して、現像部23Aにおいて、トナーの収容量の前記第2閾値を越えた減少及び増加が繰り返される場合であっても(
図12参照)、トナーコンテナ51Aの取り外しの規制解除、及びトナーコンテナ51Aの取り外しの規制が繰り返されることが回避される。従って、ロック装置63Aにおける騒音の発生を抑制可能である。
【0176】
なお、本発明は、インクジェット方式などの他の画像形成方式で画像を形成する画像形成装置に適用されてもよい。
【符号の説明】
【0177】
1 ADF
2 画像読取部
3 画像形成部
4 給紙部
5 操作表示部
6 記憶部
7 第1制御部
8 第2制御部
9 筐体
11~14 画像形成ユニット
19 トナー補給装置
23 現像部
31 筐体
51 トナーコンテナ
62 装着部
63 ロック装置
91 検出処理部
92 供給処理部
93 解除処理部
94 第1制限処理部
95 規制処理部
96 第2制限処理部
97 報知処理部
100 画像形成装置