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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/52 20060101AFI20241126BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
B65G47/52 C
B65G47/68 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020194489
(22)【出願日】2020-11-24
(65)【公開番号】P2022083192
(43)【公開日】2022-06-03
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】大前 剛
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-082318(JP,U)
【文献】特開平08-198437(JP,A)
【文献】特開2005-206367(JP,A)
【文献】特開平10-279064(JP,A)
【文献】実開昭51-022275(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/52
B65G 47/68-47/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面に複数の貫通穴を有し荷物を収納可能なトレイを搬送するトレイ搬送コンベヤと、
前記トレイの前記貫通穴を通過する複数の突出部材を上部に備えた突出部材台と、
前記トレイ搬送コンベヤの搬送方向下流側において前記トレイ搬送コンベヤの上方かつ平面視で重なるように前記荷物及び前記トレイの搬送方向と平行に複数条が配置された荷物搬送コンベヤと、
前記トレイ搬送コンベヤが前記トレイ及び前記トレイに収納された前記荷物を前記トレイ搬送コンベヤの搬送方向上流側から前記荷物搬送コンベヤ側に移動させているときに、前記トレイ搬送コンベヤと前記荷物搬送コンベヤが平面視で重ならない位置で前記突出部材が前記トレイの前記貫通穴を通過してトレイ上方に突き出す位置まで前記突出部材台を上昇させることで前記荷物を前記トレイから切り離し、次に前記突出部材台を前記荷物搬送コンベヤ側に移動させるとともに、前記トレイ搬送コンベヤと前記荷物搬送コンベヤが平面視で重なる位置で前記突出部材がトレイ下方に離れる位置まで前記突出部材台を下降させることで前記荷物を前記荷物搬送コンベヤに受け渡す、突出部材台駆動装置と、
を備え、
前記トレイ搬送コンベヤは、前記荷物を前記荷物搬送コンベヤに受け渡した後のトレイを搬送方向下流側に搬出する、
搬送システム。
【請求項2】
前記突出部材台は複数設けられており、
前記突出部材台駆動装置は、戻り方向への移動も含む無端駆動部材を有しており、前記無端駆動部材を駆動することで複数の前記突出部材台を一括して移動させる、請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記突出部材台駆動装置は、前記無端駆動部材を常に駆動することで前記突出部材台を常に移動させ、
前記トレイ及び前記荷物を前記突出部材台駆動装置の手前位置で停止させ、前記突出部材台が搬送方向上流側において前記トレイ搬送コンベヤの搬送面と同じ位置又はその近傍にまで移動してきたタイミングで、前記トレイ搬送コンベヤに前記トレイ及び前記荷物を突出部材上昇位置に搬入させるコントローラをさらに備えている、請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
底面に複数の貫通穴を有し荷物を収納可能なトレイを搬送するトレイ搬送コンベヤと、
前記トレイの前記貫通穴を通過する複数の突出部材を上部に備えた突出部材台と、
前記トレイ搬送コンベヤの上方かつ平面視で重なるように平行に複数条が配置された荷物搬送コンベヤと、
前記トレイ搬送コンベヤが前記トレイ及び前記トレイに収納された前記荷物を前記荷物搬送コンベヤ側に移動させているときに、前記トレイ搬送コンベヤと前記荷物搬送コンベヤが平面視で重ならない位置で前記突出部材が前記トレイの前記貫通穴を通過してトレイ上方に突き出す位置まで前記突出部材台を上昇させることで前記荷物を前記トレイから切り離し、次に前記突出部材台を前記荷物搬送コンベヤ側に移動させるとともに、前記トレイ搬送コンベヤと前記荷物搬送コンベヤが平面視で重なる位置で前記突出部材がトレイ下方に離れる位置まで前記突出部材台を下降させることで前記荷物を前記荷物搬送コンベヤ
に受け渡す、突出部材台駆動装置と、
前記突出部材が前記荷物を前記トレイから持ち上げるときに、前記荷物を幅方向に支持する支持部材と、
を備える、
搬送システム。
【請求項5】
底面に複数の貫通穴を有し荷物を収納可能なトレイを搬送するトレイ搬送コンベヤと、
前記トレイの前記貫通穴を通過する複数の突出部材を上部に備えた突出部材台と、
前記トレイ搬送コンベヤの上方かつ平面視で重なるように平行に複数条が配置された荷物搬送コンベヤと、
前記荷物搬送コンベヤが前記荷物を前記荷物搬送コンベヤの端部側に搬送しかつ前記トレイ搬送コンベヤが前記トレイを前記荷物と同じ側に搬送しているときに、前記トレイ搬送コンベヤと前記荷物搬送コンベヤが平面視で重なる位置で前記突出部材が前記荷物を受ける位置まで前記突出部材台を上昇させることで前記トレイの前記貫通穴を通過して前記荷物を前記荷物搬送コンベヤから受け渡され、次に前記突出部材台を前記荷物搬送コンベヤの端部から離れる側に移動させるとともに、前記トレイ搬送コンベヤと前記荷物搬送コンベヤが平面視で重ならない位置で前記突出部材がトレイ下方に退避する位置まで前記突出部材台を下降させることで前記荷物を前記トレイ上に下ろす、突出部材台駆動装置と、
前記荷物搬送コンベヤにおいて前記荷物の幅方向位置を調整する幅方向位置調整手段と、
を備える搬送システム。
【請求項6】
前記トレイの貫通穴は搬送方向に長い長穴である、請求項1~5のいずれかに記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送システム、特に、荷物をトレイに載せて搬送する搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的なコンベヤで搬送が困難な不安定(又は小さい)商品をトレイに載せて搬送することで、コンベヤでの搬送や自動倉庫保管を可能にする搬送システムが知られている。
容器内の荷物をロボットで取り出す倉庫システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2006/059677号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷物をトレイに載せて搬送する搬送システムにおいて、荷物は、トレイに対して、水平かつ安定した状態で積み下ろしすることが必要である。
そして、従来は、人手により荷物をトレイに積み下ろししていた。また、自動であっても、一度トレイを停止させてから、荷物を積み下ろしする動作を開始していた。したがって、搬送システムの能力を向上させることが難しかった。
【0005】
本発明の目的は、荷物をトレイに載せて搬送する搬送システムの能力を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る搬送システムは、トレイ搬送コンベヤと、突出部材台と、荷物搬送コンベヤと、突出部材台駆動装置と、を備えている。
トレイ搬送コンベヤは、底面に複数の貫通穴を有し荷物を収納可能なトレイを搬送する。
突出部材台は、トレイの貫通穴を通過する複数の突出部材を上部に備えている。
荷物搬送コンベヤは、トレイ搬送コンベヤの上方かつ平面視で重なるように平行に複数条が配置されている。
突出部材台駆動装置は、トレイ搬送コンベヤがトレイ及びトレイに収納された荷物を荷物搬送コンベヤ側に移動させているときに、トレイ搬送コンベヤと荷物搬送コンベヤが平面視で重ならない位置で突出部材がトレイの貫通穴を通過してトレイ上方に突き出す位置まで突出部材台を上昇させることで荷物をトレイから切り離し、次に突出部材台を荷物搬送コンベヤ側に移動させる。さらに、突出部材台駆動装置は、トレイ搬送コンベヤと荷物搬送コンベヤが平面視で重なる位置で突出部材がトレイ下方に離れる位置まで突出部材台を下降させることで、荷物を荷物搬送コンベヤに受け渡す。
このシステムでは、トレイ内の荷物は、トレイ搬送コンベヤによって搬送されている間に、上昇する複数の突出部材によってトレイから持ち上げられることでトレイから切り離され、次に下降する複数の突出部材によって荷物搬送コンベヤに受け渡される。つまり、トレイを搬送しながら荷物をトレイから荷物搬送コンベヤに下ろせるので、搬送システムの搬送能力が高くなる。
【0008】
突出部材台は複数設けられていてもよい。突出部材台駆動装置は戻り方向への移動も含む無端駆動部材を有しており、無端駆動部材を駆動することで複数の突出部材台を一括して搬送方向に移動させてもよい。
この搬送システムでは、無端駆動部材で複数の突出部材台を移動させるので、搬送システムの搬送能力が高くなる。
【0009】
突出部材台駆動装置は、無端駆動部材を常に駆動していてもよい。
搬送システムは、トレイ搬送コンベヤがトレイ及び荷物を突出部材上昇位置に搬入するタイミングを調整するコントローラをさらに備えていてもよい。
この搬送システムでは、突出部材台駆動装置は常に搬送方向に移動しており、トレイ搬送コンベヤがタイミングを計ってトレイ及び荷物を突出部材上昇位置に搬入する。
【0010】
搬送システムは、突出部材が荷物をトレイから持ち上げるときに、荷物を幅方向に支持する支持部材をさらに備えていてもよい。
このシステムでは、例えばトレイの壁にもたれかかっていた荷物が持ち上げられたときに、荷物が支持部材によって支持される。
【0011】
本発明の他の見地に係る搬送システムは、トレイ搬送コンベヤと、突出部材台と、荷物搬送コンベヤと、突出部材台駆動装置と、を備えている。
トレイ搬送コンベヤは、底面に複数の貫通穴を有し荷物を収納するトレイを搬送する。
突出部材台は、トレイの貫通穴を通過する複数の突出部材を上部に備えている。
荷物搬送コンベヤは、トレイ搬送コンベヤの上方かつ平面視で重なるように平行に複数条が配置されている。
突出部材台駆動装置は、荷物搬送コンベヤが荷物を荷物搬送コンベヤの端部側に搬送しかつトレイ搬送コンベヤがトレイを荷物と同じ側に搬送しているときに、トレイ搬送コンベヤと荷物搬送コンベヤが平面視で重なる位置で突出部材が荷物を受ける位置まで突出部材台を上昇させることでトレイの貫通穴を通過してさらに荷物を荷物搬送コンベヤから受け渡され、次に突出部材台を荷物搬送コンベヤの端部から離れる側に移動させる。さらに、突出部材台駆動装置は、トレイ搬送コンベヤと荷物搬送コンベヤが平面視で重ならない位置で突出部材がトレイ下方に退避する位置まで突出部材台を下降させることで、荷物をトレイ上に下ろす。
このシステムでは、トレイ内の荷物は、荷物搬送コンベヤによって搬送されている間に、上昇する複数の突出部材によって荷物搬送コンベヤから持ち上げられることで荷物搬送コンベヤから切り離され、次に下降する複数の突出部材によってトレイに受け渡される。つまり、トレイを搬送しながら荷物を荷物搬送コンベヤからトレイに下ろせるので、搬送システムの搬送能力が高くなる。
【0012】
搬送システムは、荷物搬送コンベヤにおいて荷物の幅方向位置を調整するガイドをさらに備えていてもよい。
この搬送システムでは、荷物は正確にトレイの上に載せられる。
【0013】
トレイの貫通穴は搬送方向に長い長穴であってもよい。
この搬送システムでは、突出部材がトレイの貫通穴に嵌まった状態で突出部材とトレイの相対速度が多少変動したとしても、突出部材がトレイの他の部分に干渉しにくい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る搬送システムでは、搬送能力が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】第1実施形態の搬送システムの模式的平面図。
図2】トレイ搬送コンベヤと荷物搬送コンベヤの模式的平面図。
図3】取り出し装置の模式的平面図。
図4】搬送システムの模式的側面図。
図5】搬送システムの模式的側面図。
図6】搬送システムの制御構成を示すブロック図。
図7】トレイ搬送コンベヤの荷物搬入タイミング制御動作を示すフローチャート。
図8】第1実施形態の第3変形例の搬送システムの模式的平面図。
図9】第2実施形態の搬送システムの模式的平面図。
図10】第2実施形態の搬送システムの模式的平面図。
図11】トレイ搬送コンベヤ及び荷物搬送コンベヤのトレイ及び荷物の搬入タイミング制御動作を示すフローチャート。
図12】第2実施形態の変形例の模式的平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1実施形態
(1)搬送システムの基本構成
図1図5を用いて、第1実施形態の搬送システム1を説明する。図1は、第1実施形態の搬送システムの模式的平面図である。図2は、トレイ搬送コンベヤと荷物搬送コンベヤの模式的平面図である。図3は、取り出し装置の模式的平面図である。図4及び図5は、搬送システムの模式的側面図である。
搬送システム1は、トレイ3に載った荷物Wをトレイ3から切り離して、その後に荷物Wだけでの搬送可能にする装置である。なお、図1の左右方向が荷物Wの搬送方向(矢印X)である。また、図1の紙面直交方向が第1方向に直交する幅方向(矢印Y)である。鉛直方向は矢印Zで示されている。
なお、第1実施形態では、図1の左側が搬送方向上流側であり、図1の右側が搬送方向下流側である。
【0017】
搬送システム1は、トレイ搬送コンベヤ7を有している。トレイ搬送コンベヤ7は、トレイ3を取り出し装置9(後述)に搬入する装置である。トレイ搬送コンベヤ7は、搬送方向に延びる一対のベルトコンベヤ7aを有している。
トレイ搬送コンベヤ7は、例えば、自動倉庫(図示せず)から荷物Wが載ったトレイ3を搬出し、その後に搬送システム1において荷物Wを荷物搬送コンベヤ11(後述)に受け渡した後、自動倉庫にトレイ3を戻す。
【0018】
搬送システム1は、取り出し装置9を有している。取り出し装置9は、トレイ3から荷物Wを取り出して荷物搬送コンベヤ11(後述)に受け渡す装置である。
取り出し装置9は、トレイ搬送コンベヤ7の下方に設置され、トレイ3の搬送方向に沿って並列にかつ互いに所定の間隔を置いて複数列に配置された昇降可能な突出部材15(後述)を有する。
【0019】
搬送システム1は、荷物搬送コンベヤ11を有している。荷物搬送コンベヤ11は、搬送システム1において荷物Wを受け渡されて搬出する装置である。荷物搬送コンベヤ11は、搬送方向に沿って並列にかつ互いに所定の間隔を置いて配置された多数のコンベヤベルト11aを有している。なお、多数のコンベヤベルト11aの幅方向間隔は、突出部材15(後述)の直径より広く設定されている。
荷物搬送コンベヤ11は、取り出し装置9の搬送方向下流側において、トレイ搬送コンベヤ7の上方かつ平面視で搬送領域が重なる位置に配置されている。具体的には、荷物搬送コンベヤ11の搬送方向上流側部分は、取り出し装置9の搬送方向下流側部分に重なっており、つまり上方に位置している。荷物搬送コンベヤ11の搬送方向上流側端は、取り出し装置9の搬送方向下流側端よりも搬送方向上流側に位置している。以上の構成により、荷物搬送コンベヤ11の搬送方向上流側部分は、トレイ3と共に移動する荷物Wを取り出し装置9から受け取ることができる(後述)。
【0020】
(2)トレイ
トレイ3は、上部が開口しており、荷物Wを収容する容器である。トレイ3は、図2に示すように、底面3aと4辺の壁3bとを有する矩形状である。
底面3aには、上下方向に貫通する多数の貫通穴3c(貫通穴の一例)が形成されている。貫通穴3cは、搬送方向に長く延びている。さらに具体的には、貫通穴3cは、図2に示すように、底面3aの全体にわたって形成されており、搬送方向に3個、幅方向に5個で合計15個である。
【0021】
(3)取り出し装置
取り出し装置9は、複数の(3台の)突出部材台13を有している。突出部材台13は、トレイ3内の荷物Wを浮上させるためのテーブルである。トレイ3の貫通穴3cを通過する複数の突出部材15を上部に備えている。突出部材15は、所定位置に位置決めされたトレイ3の貫通穴3cの位置に対応して配置され、貫通穴3cより幅が短い。突出部材15は後述するように昇降可能であり、下降位置においてその先端がトレイ3の下方に位置し、上昇位置においてトレイ3の貫通穴3cを貫通してトレイ3の上方に突出し、このとき、トレイ3内に載置された荷物を、トレイ3の上方に持ち上げることができる。
具体的には、突出部材15は、図1に示すように、1個の貫通穴3cに対して2本が搬送方向に並んで挿入されるように設けられている。
さらに具体的には、突出部材15は、円柱形状のピン状部材である。
【0022】
取り出し装置9は、図4に示すように、突出部材台駆動装置17を有している。突出部材台駆動装置17は、第1コンベヤ装置21と、第2コンベヤ装置23とを有している。
第1コンベヤ装置21は、側面視で上辺が短い台形状の搬送路を形成する第1チェーン駆動装置25及びそれを駆動するモータ(図示せず)及び駆動構造(図示せず)を有している。第2コンベヤ装置23は、側面視で上辺が短い台形状の搬送路を形成する第2チェーン駆動装置27及びそれを駆動するモータ(図示せず)及び駆動構造(図示せず)を有している。第1チェーン駆動装置25及び第2チェーン駆動装置27は、図4及び図5において時計回りに循環する。
【0023】
詳細には、第1チェーン駆動装置25の搬送方向上流側斜辺25aは、第2チェーン駆動装置27の搬送方向上流側斜辺27aの搬送方向上流側に配置されている。さらに、第1チェーン駆動装置25の搬送方向下流側斜辺25bは、第2チェーン駆動装置27の搬送方向下流側斜辺27bの搬送方向上流側に配置されている。
搬送方向上流側斜辺25a、27aは、トレイ搬送コンベヤ7の下方からトレイ搬送コンベヤ7の搬送面のわずか下の位置まで上方かつ搬送方向下流側に延びている。また、搬送方向上流側斜辺25a、27aは、荷物搬送コンベヤ11の搬送方向上流端11bから搬送方向上流側に離れている。以上の構成により、突出部材台13は、第1チェーン駆動装置25及び第2チェーン駆動装置27の搬送方向上流側斜辺25a、27aを上方に移動するときに、突出部材15をトレイ搬送コンベヤ7の搬送面から上側に突出させることができる。
搬送方向下流側斜辺25b、27bは、トレイ搬送コンベヤ7の搬送面よりわずか下の位置から下方かつ搬送方向下流側に延びている。また、搬送方向下流側斜辺25b、27bは、荷物搬送コンベヤ11の搬送方向上流端11bよりわずかに搬送方向下流側にずれた位置にある。また、第1チェーン駆動装置25及び第2チェーン駆動装置27の上側の水平移動部分の搬送方向下流側部分(搬送方向下流側斜辺25b、27bに接続された部分)は、荷物搬送コンベヤ11の搬送方向上流端11bと搬送方向の同じ位置にある。以上の構成により、突出部材台13は、第1チェーン駆動装置25及び第2チェーン駆動装置27の搬送方向下流側斜辺25b、27bを下方に移動するときに、突出部材15をトレイ搬送コンベヤ7の搬送面から下側に引っ込めることができる。
【0024】
第2チェーン駆動装置27は、第1チェーン駆動装置25に対して搬送方向下流側にずれて配置されている。第1チェーン駆動装置25は、図1及び図3に示すように、搬送方向に直交する方向に離れて配置された一対の第1チェーン25cを有している。第2チェーン駆動装置27は、図1及び図3に示すように、搬送方向に直交する方向に離れて配置された一対の第2チェーン27cを有している。一対の第2チェーン27cは、第1チェーン25cの第2方向外側に近接して配置されている。
突出部材台13の搬送方向下流側端は第2チェーン駆動装置27の一対の第2チェーン27cに連結されており、突出部材台13の搬送方向上流側端は第1チェーン駆動装置25の一対の第1チェーン25cに連結されている。これにより、突出部材台13は、下記のような循環移動を行う。
すなわち、突出部材台13は、取り出し装置9の搬送方向上流側において上昇し(詳細には、搬送方向下流側への斜め上昇)、搬送方向中間領域において上昇位置のまま水平に搬送方向下流側に移動し、搬送方向下流側において下降し(詳細には、搬送方向下流側への斜め下降)、搬送方向中間領域において下降位置のまま水平に搬送方向上流側に移動する。
【0025】
(4)荷物をトレイから切り離す基本動作
上記のように突出部材台13が上昇すると、図4の左側部分に示すように、トレイ搬送コンベヤ7と荷物搬送コンベヤ11が平面視で重ならない位置で突出部材15がトレイ3の貫通穴3cを通って荷物Wを受ける。さらに、突出部材台13が搬送方向下流側に移動する。上記の動作では、突出部材台13は、トレイ搬送コンベヤ7の下方において、トレイ3と同じ速度で移動している。したがって、荷物Wは、トレイ3の上方で同じ速度で移動する。そして、図5に示すように、荷物Wは、荷物搬送コンベヤ11よりも高く持ち上げられた状態であり、突出部材台13が荷物搬送コンベヤ11に接近した位置で下降すると、これにより、荷物Wは荷物搬送コンベヤ11に受け渡される。上記の動作では、具体的には、トレイ搬送コンベヤ7と荷物搬送コンベヤ11が平面視で重なる位置で、突出部材15がトレイ3の貫通穴3cを通って下方に退避する。また、上記の動作中に、突出部材15は、荷物搬送コンベヤ11の多数のコンベヤベルト11aの幅方向間を通って下降する。
突出部材台13が搬送方向下流側に移動したときに、突出部材15がコンベヤベルト11aの間に進入し、図4右側に示すように、その後に下降する。
【0026】
上記の動作では、トレイ3内の荷物Wは、トレイ搬送コンベヤ7によって搬送されている間に、上昇する複数の突出部材15によってトレイ3から持ち上げられることでトレイ3から切り離され、次に下降する複数の突出部材15によって荷物搬送コンベヤ11に受け渡される。つまり、荷物Wの搬送中に荷物Wをトレイ3から荷物搬送コンベヤ11に下ろせるので、搬送システム1の搬送能力が高くなる。
【0027】
上記のように、第1チェーン駆動装置25及び第2チェーン駆動装置27は、無端駆動部材であり、複数の突出部材台13を搬送方向下流側に移動させその後に搬送方向上流側に戻す動作を行う。また、第1チェーン駆動装置25及び第2チェーン駆動装置27は、複数の突出部材台13を一括して搬送方向に移動させる。したがって、搬送システム1の搬送能力が高くなる。
さらに、トレイ3の貫通穴3cが搬送方向に長く延びているので、突出部材15がトレイ3の貫通穴3cに嵌まった状態で突出部材15とトレイ3の速度が多少異なっていたとしても、突出部材15がトレイ3の他の部分に干渉しない。なお、上記の速度の相違は、突出部材台13が上昇する時に突出部材15とトレイ3の速度を合わせことで、水平移動動部分では突出部材15がトレイ3より移動速度が速くなることが原因である。
【0028】
(5)搬送システムの制御構成
図6を用いて、搬送システム1の制御構成を説明する。図6は、搬送システムの制御構成を示すブロック図である。搬送システム1は、コントローラ51を有している。
コントローラ51は、プロセッサ(例えば、CPU)と、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD、SSDなど)と、各種インターフェース(例えば、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェースなど)を有するコンピュータシステムである。コントローラ51は、記憶部(記憶装置の記憶領域の一部又は全部に対応)に保存されたプログラムを実行することで、各種制御動作を行う。
コントローラ51は、単一のプロセッサで構成されていてもよいが、各制御のために独立した複数のプロセッサから構成されていてもよい。
コントローラ51の各要素の機能は、一部又は全てが、コントローラ51を構成するコンピュータシステムにて実行可能なプログラムとして実現されてもよい。その他、制御部の各要素の機能の一部は、カスタムICにより構成されていてもよい。
【0029】
コントローラ51には、トレイ搬送コンベヤ7、取り出し装置9及び荷物搬送コンベヤ11が接続されている。コントローラ51は、これら装置を制御可能である。
コントローラ51には、図示しないが、トレイ3や荷物Wの大きさ、形状及び位置検出するセンサ、各装置の状態を検出するためのセンサ及びスイッチ、並びに情報入力装置が接続されている。
コントローラ51には、搬入可能状態検出センサ53が接続されている。搬入可能状態検出センサ53は、突出部材台13が搬送方向上流側に戻ってきて、次に図5左側に示すように突出部材台13がトレイ搬送コンベヤ7の搬送面と同じ位置又はその近傍にまで移動してきたことを検出する装置である。搬入可能状態検出センサ53の種類は特に限定されず、光電センサやリミットスイッチでもよい。
【0030】
(6)トレイ搬送コンベヤの荷物搬入タイミング制御動作
図7を用いて、トレイ搬送コンベヤ7の荷物搬入タイミング制御動作を説明する。図7は、トレイ搬送コンベヤの荷物搬入タイミング制御動作を示すフローチャートである。
以下に説明する制御フローチャートは例示であって、各ステップは必要に応じて省略及び入れ替え可能である。また、複数のステップが同時に実行されたり、一部又は全てが重なって実行されたりしてもよい。
さらに、制御フローチャートの各ブロックは、単一の制御動作とは限らず、複数のブロックで表現される複数の制御動作に置き換えることができる。
なお、各装置の動作は、制御部から各装置への指令の結果であり、これらはソフトウェア・アプリケーションの各ステップによって表現される。
【0031】
この実施形態では、突出部材台駆動装置17は、第1チェーン駆動装置25及び第2チェーン駆動装置27を常に駆動する。
コントローラ51は、下記の制御を行うことで、トレイ搬送コンベヤ7がトレイ3及び荷物Wを突出部材上昇位置に搬入するタイミングを調整する。
【0032】
ステップS1では、トレイ3が取り出し装置9の手前位置に到達したか否かが判断される。具体的には、コントローラ51が上記判断を行う。Yesであれば、プロセスはステップS2に移行する。
ステップS2では、トレイ搬送コンベヤ7が、荷物Wを積んだトレイ3が取り出し装置9の手前で停止するように動作を停止する。具体的には、コントローラ51がトレイ搬送コンベヤ7に上記動作を実行させる。
ステップS3では、搬入可能状態検出センサ53がONしたか否かが判断される。具体的には、コントローラ51が上記判断を行う。Yesであれば、プロセスはステップS4に移行する。
【0033】
ステップS4では、トレイ搬送コンベヤ7が駆動を開始される。これにより、停止されていたトレイ3が移動開始される。具体的には、コントローラ51が上記動作をトレイ搬送コンベヤ7に行わせる。
なお、トレイ搬送コンベヤ7の駆動は、突出部材台13の位置とタイミングを合わせて開始される。さらに詳細には、トレイ搬送コンベヤ7は、搬送方向上流側コンベヤ(図示せず)と搬送方向下流側コンベヤ(トレイ搬送コンベヤ7として図示されているもの)とで分割されており、搬送方向下流側コンベヤが上記動作を実行するときに、後続のトレイ3は搬送方向上流側コンベヤの上で停止している。そして、後続のトレイ3は、その後に搬送方向下流側コンベヤに移って停止され、上記と同様にタイミングを合わせて移動を開始される。これにより、突出部材台13が移動を続けて上昇したときに、突出部材15がトレイ3の貫通穴3cを通って上昇し、荷物Wをトレイ3から上方に離すことができる。
なお、タイミング調整の変形例として、出退するストッパを配置して、タイミングを合わせてストッパを退避させることで、トレイを移動開始させてもよい。
【0034】
(7)第1変形例
第1実施形態では突出部材台13は常に駆動されていたが、必要に応じて停止してもよい。例えば、荷物Wを積んだトレイ3が次々と流れてくる時は、突出部材台駆動装置17は突出部材台13を常に駆動し続けているが、トレイ3が長時間搬送されてこない場合は突出部材台駆動装置17は突出部材台13を停止させてもよい。
そのような変形例を下記に説明する。
突出部材台13は、トレイ3及び荷物Wが取り出し装置9に搬入されるときに、その下方で停止して待機していることができる。
そして、トレイ3は、トレイ搬送コンベヤ7により搬送方向下流側に送り出され、所定のすくい上げ位置で停止する。
【0035】
このとき、突出部材15の先端はトレイ3の底面3aより下方に位置する。従って、突出部材15とトレイ3は互いに干渉しない。また、位置決めされたトレイ3の各貫通穴3cは、突出部材15の上方に位置する。
次に、突出部材台13が上昇し、突出部材15がトレイ3の貫通穴3cを貫通してトレイ3の上方に突出し、トレイ3にある荷物Wを上方に取り出す。
【0036】
(8)第2変形例
トレイ搬送コンベヤ7を常に駆動しながら、突出部材台13の進入タイミングを調整してもよい。
【0037】
(9)第3変形例
図8を用いて、第3変形例を説明する。図8は、第1実施形態の第3変形例の搬送システムの模式的平面図である。
搬送システム1は、幅方向支持部材41(支持部材の一例)をさらに備えている。幅方向支持部材41は、突出部材15が荷物Wを荷物搬送コンベヤ11に載せる時に、荷物Wを幅方向に支持する。これにより、荷物Wが幅方向に倒れたり落下したりすることが防止される。
具体的には、幅方向支持部材41は、幅方向に離れており搬送方向に延びる一対の板状部材であり、トレイ3から荷物Wを持ち上げる位置の横に設けられている。幅方向支持部材41は、トレイ3の幅方向両端よりもわずかに幅方向外側に配置されている。これにより、荷物Wがトレイ3から持ち上げられたときに、例えば、トレイ3の壁にもたれかかっていた荷物Wがトレイ3から落下することを防止できる。
【0038】
2.第2実施形態
第1実施形態の搬送システム1は、荷物Wをトレイ3に載せる装置としても機能する。
図9及び図10を用いて、そのような実施例を第2実施形態として説明する。図9及び図10は、第2実施形態の搬送システムの模式的平面図である。第2実施形態は第1実施形態と構成は同じであるが、動作が異なり、搬送方向の上流側及び下流側も異なる。第2実施形態では、図9及び図10の左側が搬送方向下流側であり、図9及び図10の右側が搬送方向上流側である。
【0039】
突出部材台駆動装置17は、荷物搬送コンベヤ11が荷物Wを荷物搬送コンベヤ11の端部側に(図左側に)搬送しかつトレイ搬送コンベヤ7がトレイ3を荷物Wと同じ側に搬送しているときに、トレイ搬送コンベヤ7と荷物搬送コンベヤ11が平面視で重なる位置で突出部材15が荷物Wを受ける位置まで突出部材台13を上昇させることでトレイ3の貫通穴3cを通過してさらに荷物Wを荷物搬送コンベヤ11から受け渡され、次に突出部材台13を荷物搬送コンベヤ11の端部から離れる側に(図左側に)移動させる。さらに、突出部材台駆動装置17は、トレイ搬送コンベヤ7と荷物搬送コンベヤ11が平面視で重ならない位置で突出部材15がトレイ3の下方に退避する位置まで突出部材台13を下降させることで、荷物Wをトレイ3上に下ろす。
【0040】
つまり、トレイ3内の荷物Wは、荷物搬送コンベヤ11によって搬送されている間に、上昇する複数の突出部材15によって荷物搬送コンベヤ11から受け渡され、次に下降する複数の突出部材15によってトレイ3の上に下ろされる。このように荷物Wの搬送中に荷物Wを荷物搬送コンベヤ11からトレイ3に下ろせるので、搬送システム1の搬送能力が高くなる。この実施形態では、上記のように荷物Wを移動させながらつまり停止させずにトレイ3に受け渡される。
荷物Wを収納したトレイ3は、例えば自動倉庫(図示せず)に入庫される。
【0041】
図11を用いて、トレイ搬送コンベヤ7及び荷物搬送コンベヤ11のトレイ及び荷物の搬入タイミング制御動作を説明する。図11は、トレイ搬送コンベヤ及び荷物搬送コンベヤのトレイ及び荷物の搬入タイミング制御動作を示すフローチャートである。
この実施形態では、突出部材台駆動装置17は、第1チェーン駆動装置25及び第2チェーン駆動装置27を常に駆動する。
コントローラ51は、下記の制御を行うことで、トレイ搬送コンベヤ7のトレイ進入タイミング及び荷物搬送コンベヤ11の荷物搬入タイミングを調整する。なお、第2実施形態では、搬入可能状態検出センサ53は、突出部材台13が搬送方向上流側(図右側)に戻ってきて、次に突出部材台13がトレイ搬送コンベヤ7の搬送面と同じ位置又はその近傍にまで移動してきたことを検出する装置である。
【0042】
ステップS11では、トレイ3が取り出し装置9の手前位置に到達したか否かが判断される。具体的には、コントローラ51が上記判断を行う。Yesであれば、プロセスはステップS12に移行する。
ステップS12では、トレイ搬送コンベヤ7が、トレイ3が取り出し装置9の手前で停止するように動作を停止する。具体的には、コントローラ51がトレイ搬送コンベヤ7に上記動作を実行させる。
【0043】
ステップS13では、荷物Wが取り出し装置9の手前位置に到達したか否かが判断される。具体的には、コントローラ51が上記判断を行う。Yesであれば、プロセスはステップS14に移行する。
ステップS14では、荷物搬送コンベヤ11が、荷物Wが取り出し装置9の手前で停止するように動作を停止する。具体的には、コントローラ51が荷物搬送コンベヤ11に上記動作を実行させる。なお、トレイ3の到着と荷物Wの到着の順序は限定されない。
【0044】
ステップS15では、搬入可能状態検出センサ53がONしたか否かが判断される。具体的には、コントローラ51が上記判断を行う。Yesであれば、プロセスはステップS16に移行する。
【0045】
ステップS16では、トレイ搬送コンベヤ7が移動を開始される。これにより、停止されていたトレイ3が移動開始される。具体的には、コントローラ51が上記動作をトレイ搬送コンベヤ7に行わせる。なお、トレイ搬送コンベヤ7の駆動は、突出部材台13の位置とタイミングを合わせて開始される。
ステップS17では、荷物搬送コンベヤ11が移動を開始し、その後も移動を続ける。具体的には、コントローラ51が上記動作を荷物搬送コンベヤ11に行わせる。なお、荷物搬送コンベヤ11の移動は、突出部材台13とタイミングを合わせて開始される。
【0046】
これにより、突出部材台13が移動を続けて上昇したときに、突出部材15がトレイ3の貫通穴3cを通って上昇し、荷物Wを荷物搬送コンベヤ11から受け取ることができる。
また、突出部材台13が移動を続けて下降したときに、突出部材15がトレイ3の貫通穴3cを通って下降し、荷物Wをトレイ3に置くことができる。
【0047】
図12を用いて、第2実施形態の変形例を説明する。図12は、第2実施形態の変形例の模式的平面図である。
この変形例では、搬送システム1は、幅方向位置調整ガイド43(幅方向位置調整手段の一例)をさらに備えている。幅方向位置調整ガイド43は、荷物Wをトレイ搬送コンベヤ7上のトレイ3に載せる時に、荷物Wの幅方向位置を調整する部材である。
幅方向位置調整ガイド43は、具体的には、幅方向に離れており搬送方向に延びる一対の板状部材であり、荷物搬送コンベヤ11の端部の上方に配置されている。幅方向位置調整ガイド43の一対の板状部材は、搬送方向下流側に行くに従って両部材間の幅が狭くなるように平面視で斜めに配置されている。したがって、荷物Wは、幅方向位置調整ガイド43によって、荷物搬送コンベヤ11の幅方向中間位置に案内される。この結果、荷物Wはトレイ3に対して正確に移載される。
なお、幅方向位置調整手段は、例えば、斜向コンベヤであってもよい。
また、幅方向位置調整ガイド43は、第1実施形態の幅方向支持部材41と同じ位置に設けられることで、荷物Wを突出部材15に置く直前に幅方向位置を矯正してもよい。
【0048】
3.実施形態の特徴
第1実施形態は、下記のようにも説明できる。
搬送システム1(搬送システムの一例)は、トレイ搬送コンベヤと、突出部材台と、荷物搬送コンベヤと、突出部材台駆動装置と、を備えている。
トレイ搬送コンベヤ7(トレイ搬送コンベヤの一例)は、底面に複数の貫通穴3c(貫通穴の一例)を有するトレイ3(トレイの一例)を搬送する。
突出部材台13(突出部材台の一例)は、トレイ3の貫通穴3cを通過する複数の突出部材15(突出部材の一例)を上部に備えている。
荷物搬送コンベヤ11(荷物搬送コンベヤの一例)は、トレイ搬送コンベヤ7の上方かつ平面視で重なるように平行に複数条が配置されている。
突出部材台駆動装置17(突出部材台駆動装置の一例)は、トレイ搬送コンベヤ7がトレイ3及びトレイ3に収納された荷物Wを荷物搬送コンベヤ11側に移動させているときに、トレイ搬送コンベヤ7と荷物搬送コンベヤ11が平面視で重ならない位置で突出部材15がトレイ3の上方に突き出す位置まで突出部材台13を上昇させることで荷物Wをトレイ3から切り離し、次に突出部材台13を荷物搬送コンベヤ11側に移動させる。さらに、突出部材台駆動装置17は、トレイ搬送コンベヤ7と荷物搬送コンベヤ11が平面視で重なる位置で突出部材15がトレイ3の下方に離れる位置まで突出部材台13を下降させることで、荷物Wを荷物搬送コンベヤ11に受け渡す。
【0049】
このシステムでは、トレイ3内の荷物Wは、トレイ搬送コンベヤ7によって搬送されている間に、上昇する複数の突出部材15によってトレイ3から持ち上げられることでトレイ3から切り離され、次に下降する複数の突出部材15によって荷物搬送コンベヤ11に受け渡される。つまり、荷物Wの搬送中に荷物Wをトレイ3から荷物搬送コンベヤ11に下ろせるので、搬送システム1の搬送能力が高くなる。
【0050】
4.他の実施形態
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0051】
(1)トレイの変形例
トレイの底面に形成された穴の形状は長穴に限定されず、例えば円形であってもよい。
(2)突出部材の変形例
第1実施形態では長穴に2本の突出部材が入るが、穴1つあたり1本の突出部材が入る構造でもよい。
第1実施形態では突出部材の形状は円柱状であるが、突出部材の形状は、例えば、楕円柱状、角柱状、円錐状、円錐台状でもよい。
【0052】
(3)突出部材台駆動装置の変形例
第1実施形態では突出部材台は3個設けられていたが、数は限定されない。
第1実施形態では突出部材台駆動装置は台形状のベルトを有しているが、突出部材駆動装置は、1つの上側角を有する三角形状のベルトを有していてもよい。
第1実施形態では突出部材台駆動装置は荷物の移動と昇降を1つの機構で実現していたが、突出部材台駆動装置は、トレイを搬送方向に移動させる移動装置と、移動装置に設けられ突出部材台を昇降させることで突出部材によって荷物をトレイから切り離す昇降装置とを組み合わせて実現されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、荷物をトレイに載せて搬送する搬送システムに広く適用できる。
【符号の説明】
【0054】
1 :搬送システム
3 :トレイ
3a :底面
3b :壁
3c :貫通穴
7 :トレイ搬送コンベヤ
9 :取り出し装置
11 :荷物搬送コンベヤ
11a :コンベヤベルト
13 :突出部材台
15 :突出部材
17 :突出部材台駆動装置
21 :第1コンベヤ装置
23 :第2コンベヤ装置
25 :第1チェーン駆動装置
25a :一対の第1チェーン
27 :第2チェーン駆動装置
27a :一対の第2チェーン
41 :幅方向位置調整ガイド
43 :幅方向位置調整ガイド
51 :コントローラ
W :荷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12