(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】通信装置と通信装置のためのコンピュータプログラムと通信装置によって実行される方法
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20241126BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20241126BHJP
G06F 21/45 20130101ALI20241126BHJP
【FI】
H04L67/00
G06F21/31
G06F21/45
(21)【出願番号】P 2020200526
(22)【出願日】2020-12-02
【審査請求日】2023-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳 哲
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/050192(WO,A1)
【文献】特開2009-037426(JP,A)
【文献】特開2005-149221(JP,A)
【文献】ApeosPort-III C4405 DocuCentre-III C4405 マニュアルCD-ROM DE4118J1-1 [CD-ROM],富士ゼロックス株式会社,2008年10月,第1版,第164-183頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 21/31
G06F 21/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
メモリと、
ユーザによって入力される電子メール情報を取得する電子メール情報取得部であって、前記電子メール情報は、メールサーバを利用するためのサーバ情報と、電子メールアドレスと、を含む、前記電子メール情報取得部と、
前記電子メール情報が取得される場合に、前記電子メール情報に含まれる前記サーバ情報を利用して、第1の電子メールを送信する第1の電子メール送信部であって、前記第1の電子メールは、前記電子メール情報に含まれる前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の
ウェブサーバのネットワーク上のアドレスである第1の位置情報が記述されている本文を含む、前記第1の電子メール送信部と、
前記第1の電子メールを受信した端末装置から、前記第1の位置情報を含む登録要求を受信する登録要求受信部と、
前記端末装置から前記登録要求が受信される場合に、第1のパスワードと前記電子メール情報とを前記メモリに登録する登録部と、
前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記メモリに登録された後に、前記第1のパスワードが入力されることなく前記第1のパスワードを変更するための第1の変更指示を取得する変更指示取得部と、
前記第1の変更指示が取得される場合に、前記メモリ内の前記サーバ情報を利用して、第2の電子メールを送信する第2の電子メール送信部であって、前記第2の電子メールは、前記メモリ内の前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の
ウェブサーバのネットワーク上のアドレスである第2の位置情報が記述されている本文を含む、前記第2の電子メール送信部と、
前記第2の電子メールを受信した前記端末装置から、前記第2の位置情報を含む変更要求を受信する変更要求受信部と、
前記端末装置から前記変更要求が受信される場合に、前記メモリ内の前記第1のパスワードを第2のパスワードに変更する変更部と、
を備える、通信装置。
【請求項2】
前記通信装置は、さらに、
前記電子メール情報を入力するための第1の入力画面を表わす第1の入力画面データを前記端末装置に送信する第1の入力画面データ送信部を備え、
前記電子メール情報取得部は、前記端末装置に表示される前記第1の入力画面に前記電子メール情報が前記ユーザによって入力されることに起因して、前記端末装置から前記電子メール情報を受信することによって、前記電子メール情報を取得する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信装置は、さらに、
前記ユーザによって入力される前記第1のパスワードを取得する第1のパスワード取得部を備える、請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第1のパスワード取得部は、前記第1の電子メールが送信される前に、前記第1のパスワードを取得する、請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、さらに、
前記第1のパスワードと前記電子メール情報とを入力するための第1の入力画面を表わす第1の入力画面データを前記端末装置に送信する第1の入力画面データ送信部を備え、
前記第1のパスワード取得部は、前記端末装置に表示される前記第1の入力画面に前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記ユーザによって入力されることに起因して、前記端末装置から前記第1のパスワードを受信することによって、前記第1のパスワードを取得し、
前記電子メール情報取得部は、前記端末装置に表示される前記第1の入力画面に前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記ユーザによって入力されることに起因して、前記端末装置から前記電子メール情報を受信することによって、前記電子メール情報を取得する、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信装置の出荷段階において、前記メモリには、第3のパスワードが予め登録されており、
前記電子メール情報取得部は、前記第3のパスワードが前記メモリに登録されている状態において、前記第3のパスワードを変更するための第2の変更指示が取得された後に、前記電子メール情報を取得する、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記通信装置は、さらに、
前記第1の電子メールが送信された後であって、前記端末装置から前記登録要求が受信される前に、前記第1のパスワードがまだ登録されていないことを通知する第1の通知部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置は、さらに、
前記第1のパスワードがまだ登録されていないことが通知された後に、前記第1のパスワードが前記メモリに登録される場合に、前記第1のパスワードが登録されたことを通知する第2の通知部を備える、請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信装置は、さらに、
前記第1のパスワードが前記メモリに登録される場合に、前記第1のパスワードが登録されたことを通知する第2の通知部を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項10】
前記通信装置は、さらに、
前記第1のパスワードが前記メモリに登録された後に、前記第1のパスワードを入力するための第2の入力画面を表わす第2の入力画面データを前記端末装置に送信する第2の入力画面データ送信部を備え、
前記変更指示取得部は、前記端末装置に表示される前記第2の入力画面に前記第1のパスワードが前記ユーザによって入力されることなく、前記第2の入力画面内の所定領域が前記ユーザによって選択される場合に、前記端末装置から前記第1の変更指示を受信することによって、前記第1の変更指示を取得する、請求項1から9のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項11】
前記通信装置は、さらに、
前記ユーザによって入力される前記第2のパスワードを取得する第2のパスワード取得部を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信装置は、さらに、
前記端末装置から前記変更要求が受信される場合に、前記第2のパスワードを入力するための第3の入力画面を表わす第3の入力画面データを前記端末装置に送信する第3の入力画面データ送信部を備え、
前記第2のパスワード取得部は、前記端末装置に表示される前記第3の入力画面に前記第2のパスワードが前記ユーザによって入力される場合に、前記端末装置から前記第2のパスワードを受信することによって、前記第2のパスワードを取得する、請求項11に記載の通信装置。
【請求項13】
通信装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記通信装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
ユーザによって入力される電子メール情報を取得する電子メール情報取得部であって、前記電子メール情報は、メールサーバを利用するためのサーバ情報と、電子メールアドレスと、を含む、前記電子メール情報取得部と、
前記電子メール情報が取得される場合に、前記電子メール情報に含まれる前記サーバ情報を利用して、第1の電子メールを送信する第1の電子メール送信部であって、前記第1の電子メールは、前記電子メール情報に含まれる前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の
ウェブサーバのネットワーク上のアドレスである第1の位置情報が記述されている本文を含む、前記第1の電子メール送信部と、
前記第1の電子メールを受信した端末装置から、前記第1の位置情報を含む登録要求を受信する登録要求受信部と、
前記端末装置から前記登録要求が受信される場合に、第1のパスワードと前記電子メール情報とを前記通信装置のメモリに登録する登録部と、
前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記メモリに登録された後に、前記第1のパスワードが入力されることなく前記第1のパスワードを変更するための第1の変更指示を取得する変更指示取得部と、
前記第1の変更指示が取得される場合に、前記メモリ内の前記サーバ情報を利用して、第2の電子メールを送信する第2の電子メール送信部であって、前記第2の電子メールは、前記メモリ内の前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の
ウェブサーバのネットワーク上のアドレスである第2の位置情報が記述されている本文を含む、前記第2の電子メール送信部と、
前記第2の電子メールを受信した前記端末装置から、前記第2の位置情報を含む変更要求を受信する変更要求受信部と、
前記端末装置から前記変更要求が受信される場合に、前記メモリ内の前記第1のパスワードを第2のパスワードに変更する変更部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項14】
通信装置によって実行される方法であって、
ユーザによって入力される電子メール情報を取得する電子メール情報取得工程であって、前記電子メール情報は、メールサーバを利用するためのサーバ情報と、電子メールアドレスと、を含む、前記電子メール情報取得工程と、
前記電子メール情報が取得される場合に、前記電子メール情報に含まれる前記サーバ情報を利用して、第1の電子メールを送信する第1の電子メール送信工程であって、前記第1の電子メールは、前記電子メール情報に含まれる前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の
ウェブサーバのネットワーク上のアドレスである第1の位置情報が記述されている本文を含む、前記第1の電子メール送信工程と、
前記第1の電子メールを受信した端末装置から、前記第1の位置情報を含む登録要求を受信する登録要求受信工程と、
前記端末装置から前記登録要求が受信される場合に、第1のパスワードと前記電子メール情報とを前記通信装置のメモリに登録する登録工程と、
前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記メモリに登録された後に、前記第1のパスワードが入力されることなく前記第1のパスワードを変更するための第1の変更指示を取得する変更指示取得工程と、
前記第1の変更指示が取得される場合に、前記メモリ内の前記サーバ情報を利用して、第2の電子メールを送信する第2の電子メール送信工程であって、前記第2の電子メールは、前記メモリ内の前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の
ウェブサーバのネットワーク上のアドレスである第2の位置情報が記述されている本文を含む、前記第2の電子メール送信工程と、
前記第2の電子メールを受信した前記端末装置から、前記第2の位置情報を含む変更要求を受信する変更要求受信工程と、
前記端末装置から前記変更要求が受信される場合に、前記メモリ内の前記第1のパスワードを第2のパスワードに変更する変更工程と、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、パスワードが登録される通信装置に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
電子メールアドレス及びパスワードがアカウント情報として利用されるサービスが存在する。このようなサービスを提供するサーバは、ユーザがパスワードを忘れてしまった場合に、例えば、当該ユーザの電子メールアドレス宛に電子メールを送信する。電子メールは、パスワードを変更するためのURL(Uniform Resource Locatorの略)を含む。ユーザは、自身の端末で電子メールを受信すると、電子メール内のURLをクリックすることによってサーバにアクセスして、新たなパスワードを設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のサービスでは、サーバが電子メールを送信可能であることが前提になっている。即ち、サーバには、メールサーバを利用するための情報(例えばメールサーバのアドレス等)が予め設定されている。近年、プリンタ等の家電製品においても、ユーザのパスワードが登録され、パスワード認証が実行されることが多い。この種の家電製品には、電子メールを送信するための情報が予め登録されていない。このため、ユーザは、当該情報が登録されていない状態において、パスワードを忘れてしまった場合に、電子メールを利用する上記の手法によって新たなパスワードを設定することができない。
【0005】
本明細書では、ユーザがパスワードを忘れてしまった場合に、パスワードを適切に変更することが可能な技術を開示する。
【0006】
本明細書によって開示される通信装置は、メモリと、ユーザによって入力される電子メール情報を取得する電子メール情報取得部であって、前記電子メール情報は、メールサーバを利用するためのサーバ情報と、電子メールアドレスと、を含む、前記電子メール情報取得部と、前記電子メール情報が取得される場合に、前記電子メール情報に含まれる前記サーバ情報を利用して、第1の電子メールを送信する第1の電子メール送信部であって、前記第1の電子メールは、前記電子メール情報に含まれる前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の第1の位置情報が記述されている本文を含む、前記第1の電子メール送信部と、前記第1の電子メールを受信した端末装置から、前記第1の位置情報を含む登録要求を受信する登録要求受信部と、前記端末装置から前記登録要求が受信される場合に、第1のパスワードと前記電子メール情報とを前記メモリに登録する登録部と、前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記メモリに登録された後に、前記第1のパスワードが入力されることなく前記第1のパスワードを変更するための第1の変更指示を取得する変更指示取得部と、前記第1の変更指示が取得される場合に、前記メモリ内の前記サーバ情報を利用して、第2の電子メールを送信する第2の電子メール送信部であって、前記第2の電子メールは、前記メモリ内の前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の第2の位置情報が記述されている本文を含む、前記第2の電子メール送信部と、前記第2の電子メールを受信した前記端末装置から、前記第2の位置情報を含む変更要求を受信する変更要求受信部と、前記端末装置から前記変更要求が受信される場合に、前記メモリ内の前記第1のパスワードを第2のパスワードに変更する変更部と、を備えてもよい。
【0007】
上記の構成によると、通信装置は、第1のパスワードを登録する前に、ユーザによって入力される電子メール情報を利用して、第1の電子メールを送信する。そして、通信装置は、第1の電子メールを受信した端末装置から登録要求を受信する場合に、第1のパスワードと電子メール情報とを登録する。即ち、通信装置は、仮にユーザが第1のパスワードを忘れてしまっても、第1のパスワードを他のパスワードに変更するための電子メールを端末装置に送信可能な環境が整った場合に、第1のパスワードと電子メール情報とを登録する。従って、通信装置は、第1のパスワードが入力されることなく第1のパスワードを変更するための第1の変更指示を取得する場合に、第2の電子メールを第1の端末装置に適切に送信することができる。そして、通信装置は、第2の電子メールを受信した端末装置から変更要求を受信する場合に、第1のパスワードを第2のパスワードに変更することができる。このように、通信装置は、ユーザが第1のパスワードを忘れてしまった場合に、第1のパスワードを第2のパスワードに適切に変更することができる。
【0008】
上記の通信装置のためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記憶媒体、及び、上記の通信装置によって実行される方法も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】各デバイスによって実行される処理のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(通信システム2の構成:
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、端末装置10とプリンタ100とメールサーバ200とを備える。端末装置10及びプリンタ100は、LAN(Local Area Networkの略)4に接続されており、LAN4を介して相互に通信可能である。LAN4はインターネット6に接続されており、メールサーバ200がインターネット6に設置されている。このため、端末装置10及びプリンタ100は、インターネット6を介してメールサーバ200との通信を実行することができる。メールサーバ200は、電子メール通信の仲介を実行するためのサーバである。以下では、端末装置10のことを「端末10」と短縮して記載する。
【0011】
(端末10の構成)
端末10は、スマートフォン、ノートPC、タブレットPC等の可搬型の端末であってもよいし、デスクトップPC等の据置型の端末であってもよい。端末10は、プリンタ100を管理する管理者によって所有される端末である。端末10は、操作部12と表示部14と通信インターフェース20と制御部30とを備える。
【0012】
操作部12は、ユーザによって操作されるボタン、タッチパネル等である。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。通信インターフェース20は、LAN4に接続されている。制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム40~44に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。
【0013】
OSプログラム40は、端末10の基本的な動作を実現するためのプログラムである。ブラウザアプリケーション42は、ウェブページの閲覧を実現するためのプログラムである。メーラアプリケーション44は、電子メールの通信及び表示を実現するためのプログラムである。以下では、OSプログラム40、ブラウザアプリケーション42、メーラアプリケーション44のことを、それぞれ、「OS40」、「ブラウザ42」、「メーラ44」と短縮して記載する。
【0014】
(プリンタ100の構成)
プリンタ100は、印刷機能を実行可能な周辺装置(即ち端末10の周辺装置)である。プリンタ100は、印刷機能に加えて、スキャン機能、ファクシミリ機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ100は、操作部112と表示部114と印刷実行部116と通信インターフェース120と制御部130とを備える。
【0015】
操作部112は、ユーザによって操作されるボタン、タッチパネル等である。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部116は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。通信インターフェース120は、LAN4に接続されている。制御部130は、CPU132と揮発性メモリ134Aと不揮発性メモリ134Bとを備える。CPU132は、不揮発性メモリ134Bに格納されているプログラム140に従って、様々な処理を実行する。プリンタ100の出荷段階において、不揮発性メモリ134Bには、ユーザ認証を実行するための初期パスワード「xxx」が予め登録されている。
【0016】
(各デバイス10,100,200によって実行される処理:
図2)
続いて、
図2を参照して、各デバイス10,100,200によって実行される処理を説明する。以下では、プリンタ100が出荷された後に、プリンタ100の初期パスワード「xxx」が変更されることなく、管理者が端末10を利用してプリンタ100にアクセスする状況を想定している。また、プリンタ100には、プリンタ100が電子メールを送受信するための電子メールアドレス(即ちプリンタ100の電子メールアドレス)が予め設定されている。ただし、プリンタ100には、メールサーバ200を利用するためのサーバ情報と、端末10の電子メールアドレスと、がまだ登録されていない。
【0017】
以下では、端末10のCPU32によって実行される処理の内容を説明する際に、CPU32を主体として説明するのではなく、その処理を実行するブラウザ42又はメーラ44を主体として説明する。特に、本実施例では、ブラウザ42の複数のセッションが同時的に起動されるので、ブラウザ42によって実行される処理の内容を説明する際に、その処理を実行するブラウザセッションを主体として説明する。ここで、1つのブラウザセッションは1つのウィンドウを表示するセッションである。即ち、ブラウザ42によって例えば2つのウィンドウが表示されている状態では、2つのブラウザセッションが起動されている。
【0018】
ブラウザ42を起動するための操作が管理者によって端末10に実行されると、端末10において、第1のブラウザセッション42Aが起動される。第1のブラウザセッション42Aは、T10において、プリンタ100のウェブサーバ機能にアクセスするための指示(即ち、プリンタ100内のウェブサーバのURL(Uniform Resource Locatorの略)の入力)を受け付けると、T12において、アクセス要求をプリンタ100に送信する。
【0019】
プリンタ100のCPU132は、T12において、端末10からアクセス要求を受信すると、T14において、トップ画面SC0を表わすトップ画面データを端末10に送信する。
【0020】
第1のブラウザセッション42Aは、T14において、プリンタ100からトップ画面データを受信すると、T16において、トップ画面SC0を表示する。
図4に示されるように、トップ画面SC0は、プリンタ100の現在のステータス(
図4の例では「idle」)と、プリンタ100の各種設定を変更するための複数のボタン(例えば「パスワード変更」ボタン)と、を含む。
【0021】
第1のブラウザセッション42Aは、T20において、トップ画面SC0内の「パスワード変更」ボタンの選択を受け付ける。この場合、第1のブラウザセッション42Aは、T22において、「パスワード変更」ボタンが選択されたことを示す選択情報をプリンタ100に送信する。
【0022】
プリンタ100のCPU132は、T22において、端末10から選択情報を受信すると、T24において、パスワード変更画面SC1を表わすパスワード変更画面データを端末10に送信する。これにより、プリンタ100は、管理者によってパスワード変更画面SC1に入力される各情報(即ち、メールサーバ200を利用するためのサーバ情報、管理者の電子メールアドレス、及び、新パスワード)を適切に取得することができる。ここで、新パスワードが管理者によって入力されるので、管理者は、自身が覚えやすいパスワードを新パスワードとして入力することができる。特に、プリンタ100は、当該各情報の全てを入力するための1つの画面であるパスワード変更画面SC1を管理者に提供する。このために、当該各情報を別々の画面に入力させる構成と比べると、管理者の利便性を向上させることができる。
【0023】
第1のブラウザセッション42Aは、T24において、プリンタ100からパスワード変更画面データを受信すると、T26において、パスワード変更画面SC1を表示する。
図4に示されるように、パスワード変更画面SC1は、現パスワード(即ち初期パスワード「xxx」)を入力するための入力欄と、新パスワードを入力するための入力欄と、を含む。
【0024】
パスワード変更画面SC1は、さらに、パスワード復旧設定を入力するための複数の入力欄を含む。パスワード復旧設定は、管理者がパスワードを忘れてしまった場合に、新たなパスワードを登録するための設定であり、具体的には、メールサーバ200を利用するためのサーバ情報と、管理者の電子メールアドレス(即ち端末10に設定されている端末10の電子メールアドレス)と、を含む。上記の複数の入力欄は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocolの略)サーバのアドレスを入力するための入力欄と、メールサーバ200によって認証されるユーザIDを入力するための入力欄と、メールサーバ200によって認証されるパスワードを入力するための入力欄と、TLS(Transport Layer Securityの略)のための情報を入力するための入力欄と、サーバ証明書を利用するのか否かを示すチェックボックスと、を含む。これらの入力欄に入力される情報が、サーバ情報である。また、上記の複数の入力欄は、さらに、管理者の電子メールアドレスを入力するための入力欄を含む。
【0025】
第1のブラウザセッション42Aは、T30において、パスワード変更画面SC1への各情報の入力を受け付ける。例えば、プリンタ100の説明書等にプリンタ100の初期パスワード「xxx」が記述されているので、管理者は、初期パスワード「xxx」を現パスワードとして入力する。管理者は、さらに、自身が覚えやすいパスワードを新パスワードとして入力する。管理者は、さらに、自身が利用可能なメールサーバ200に関する各種情報(例えばSMTPサーバのアドレス)を入力する。管理者は、さらに、端末10のメーラ44が電子メールを送受信するための電子メールアドレス(即ち端末10の電子メールアドレス)を入力する。第1のブラウザセッション42Aは、T30において、各情報(以下では「入力情報」と記載する)の入力を受け付けると、T32において、入力情報をプリンタ100に送信する。
【0026】
プリンタ100のCPU132は、T32において、端末10から入力情報を受信すると、T40において、第1のURLを生成する。第1のURLは、プリンタ100のドメインを含むURL、即ち、プリンタ100内の位置を示すURLである。詳しくは後述するが、第1のURLは、現パスワードに代えて新パスワードを登録するための認証に利用されるURLである。
【0027】
次いで、プリンタ100のCPU132は、T42において、T32で受信された入力情報を利用して、電子メールをメールサーバ200に送信する。具体的には、CPU132は、入力情報内の以下の各情報、即ち、SMTPサーバのアドレス、ユーザID、パスワード、TLSの情報、及び、サーバ証明書を含む電子メールを送信する。電子メールは、さらに、入力情報内の電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むとともに、T40で生成された第1のURLが記述されている本文を含む。
【0028】
入力情報が適切な情報である場合には、メールサーバ200は、T42において、プリンタ100から電子メールを受信することができる。入力情報が適切な情報でない場合、例えば、SMTPサーバのアドレスが誤っている場合には、メールサーバ200は、プリンタ100から電子メールを受信することができない。
【0029】
プリンタ100のCPU132は、T42において、電子メールを送信すると、T44において、受付完了画面SC2を表わす受付完了画面データを端末10に送信する。
【0030】
第1のブラウザセッション42Aは、T44において、プリンタ100から受付完了画面データを受信すると、T46において、受付完了画面SC2を表示する。
図4に示されるように、受付完了画面SC2は、パスワード変更を受け付けたことを示すメッセージと、電子メール内の第1のURLをクリックすべきことを示すメッセージと、パスワード変更が完了したのか否かを表わすステータスを示すメッセージと、を含む。ここでは、ステータスは、パスワード変更がまだ完了していないことを示す。これにより、管理者は、電子メール内のURLをクリックすべきことを知ることができる。
【0031】
端末10のメーラ44は、T50において、メールサーバ200から電子メールを受信する。当該電子メールを表示するための操作が管理者によって実行されると、メーラ44は、T52において、メール画面SC3を表示する。
図4に示されるように、メール画面SC3では、メーラ44に設定されている電子メールアドレスが宛先アドレスとして記述されている。また、メール画面SC3の本文は、パスワード変更を有効化すべきことを示すメッセージと、電子メールの送信元のプリンタ100の電子メールアドレスと、を含む。メール画面SC3の本文は、さらに、第1のURLをクリックすべきことを示すメッセージと、ハイパーリンクが設定されている第1のURLと、を含む。
【0032】
メーラ44は、T60において、メール画面SC3内の第1のURLのクリックを受け付けると、第1のURLをOS40に通知する。この結果、第1のブラウザセッション42Aとは異なる第2のブラウザセッション42BがOS40によって起動され、第1のURLがOS40から第2のブラウザセッション42Bに通知される。
【0033】
第2のブラウザセッション42Bは、T62において、OS40から通知された第1のURLを宛先URLとして含む登録要求をプリンタ100に送信する。
【0034】
プリンタ100のCPU132は、T62において、端末10から登録要求を受信すると、第1のURLがT40で生成されたURLであると判断する。即ち、CPU132は、URLの認証が成功したと判断する。この場合、CPU132は、T70において、初期パスワード「xxx」に代えて、T32で受信された新パスワードを不揮発性メモリ134Bに登録する。CPU132は、さらに、T32で受信されたパスワード復旧設定を不揮発性メモリ134Bに登録する。これにより、プリンタ100は、管理者が新パスワードを忘れてしまった場合に、パスワード復旧設定を利用して、パスワードを変更するための電子メールを再び送信することができる。
【0035】
第1のブラウザセッション42Aは、T46において、受付完了画面SC2を表示した後に、ステータス要求(例えばT80参照)をプリンタ100に繰り返し送信する。ステータス要求は、パスワード変更が完了したのか否かを問い合わせるための要求である。
【0036】
プリンタ100のCPU132は、新パスワード及びパスワード復旧設定の登録が完了した後(T70参照)に、T80において、端末10からステータス要求を受信する。この場合、CPU132は、T82において、登録完了通知を端末10に送信する。
【0037】
第1のブラウザセッション42Aは、T82において、プリンタ100から登録完了通知を受信すると、T84において、受付完了画面SC2を変更する。具体的に言うと、第1のブラウザセッション42Aは、受付完了画面SC2に含まれるステータスとして、パスワード変更がまだ完了していないことを表わすメッセージを、パスワード変更が完了したことを表わすメッセージに変更する。これにより、変更後の受付完了画面SC4が表示される。
図4に示されるように、変更後の受付完了画面SC4は、パスワード変更が完了したことを表わすステータスを示すメッセージを含む。これにより、管理者は、パスワード変更が完了したことを知ることができる。
【0038】
管理者は、パスワード変更が完了した後に、トップ画面SC0内の「設定変更ボタン」を選択し、パスワードを入力するためのログイン画面(後述の
図5のSC5参照)において、T70で登録されたパスワードを入力する。この場合、管理者は、プリンタ100の各種設定(例えば通信設定、デフォルトの印刷設定等)を変更することができる。
【0039】
(
図2の続き:
図3)
続いて、
図3を参照して、管理者が
図2のT70で登録されたパスワードを忘れてしまうケースを説明する。ブラウザ42を起動するための操作が管理者によって端末10に実行されると、端末10において、第3のブラウザセッション42Cが起動される。その後、
図2のT10~T16と同様の動作及び処理が実行される。
【0040】
第3のブラウザセッション42Cは、T120において、トップ画面SC0内の「設定変更」ボタンの選択を受け付ける。この場合、第3のブラウザセッション42Cは、T122において、「設定変更」ボタンが選択されたことを示す選択情報をプリンタ100に送信する。
【0041】
プリンタ100のCPU132は、T122において、端末10から選択情報を受信すると、T124において、ログイン画面SC5を表わすログイン画面データを端末10に送信する。
【0042】
第3のブラウザセッション42Cは、T124において、プリンタ100からログイン画面データを受信すると、T126において、ログイン画面SC5を表示する。
図5に示されるように、ログイン画面SC5は、パスワードを入力するための入力欄と、パスワードを忘れたことを示すメッセージと、を含む。当該メッセージは、パスワードの変更を要求するためのURLのハイパーリンクが設定されている。
【0043】
第3のブラウザセッション42Cは、T130において、ログイン画面SC5内のパスワードを忘れたことを示すメッセージの選択を受け付ける。この場合、第3のブラウザセッション42Cは、T132において、当該メッセージが選択されたことを示す選択情報をプリンタ100に送信する。当該選択情報は、当該メッセージに設定されているハイパーリンクのURLを宛先URLとして含む。
【0044】
プリンタ100のCPU132は、T132において、端末10から選択情報を受信する。このように、プリンタ100は、ログイン画面SC5内のメッセージが選択される場合に、端末10から選択情報を受信することによって、パスワードを変更するための指示を適切に取得することができる。
【0045】
次いで、CPU132は、T140において、第2のURLを生成する。第2のURLは、プリンタ100内の位置を示すURLであり、上記の第1のURLとは異なる。変形例では、第2のURLは、第1のURLと同じであってもよい。詳しくは後述するが、第2のURLは、現パスワード(即ち
図2のT70で登録されたパスワード)に代えて新パスワードを登録するための認証に利用されるURLである。
【0046】
次いで、プリンタ100のCPU132は、T142において、
図3のT70で登録された不揮発性メモリ134B内のパスワード復旧設定(即ちSMTPサーバのアドレス等)を利用して、電子メールを送信する。電子メールは、さらに、パスワード復旧設定内の電子メールアドレス(即ち端末10の電子メールアドレス)を宛先アドレスとして含むとともに、T140で生成された第2のURLが記述されている本文を含む。
【0047】
プリンタ100のCPU132は、T142において、電子メールを送信すると、T144において、受付完了画面SC6を表わす受付完了画面データを端末10に送信する。
【0048】
第3のブラウザセッション42Cは、T144において、プリンタ100から受付完了画面データを受信すると、T146において、受付完了画面SC6を表示する。
図5に示されるように、受付完了画面SC6は、電子メール内の第2のURLをクリックすべきことを示すメッセージを含む。これにより、管理者は、電子メール内のURLをクリックすべきことを知ることができる。
【0049】
端末10のメーラ44は、T150において、メールサーバ200から電子メールを受信する。当該電子メールを表示するための操作が管理者によって実行されると、メーラ44は、T152において、メール画面SC7を表示する。
図5に示されるように、メール画面SC7では、メーラ44に設定されている電子メールアドレスが宛先アドレスとして記述されている。また、メール画面SC7の本文は、パスワードを再設定すべきことを示すメッセージと、電子メールの送信元のプリンタ100の電子メールアドレスと、を含む。メール画面SC7の本文は、さらに、第2のURLをクリックすべきことを示すメッセージと、ハイパーリンクが設定されている第2のURLと、を含む。
【0050】
メーラ44は、T160において、メール画面SC7内の第2のURLのクリックを受け付けると、第2のURLをOS40に通知する。この結果、第3のブラウザセッション42Cとは異なる第4のブラウザセッション42DがOS40によって起動され、第2のURLがOS40から第4のブラウザセッション42Dに通知される。
【0051】
第4のブラウザセッション42Dは、T162において、OS40から通知された第2のURLを宛先URLとして含む変更要求をプリンタ100に送信する。
【0052】
プリンタ100のCPU132は、T162において、端末10から変更要求を受信すると、第2のURLがT140で生成されたURLであると判断する。即ち、CPU132は、URLの認証が成功したと判断する。この場合、CPU132は、T170において、入力画面SC8を表わす入力画面データを端末10に送信する。これにより、プリンタ100は、管理者によって入力画面SC8に入力される新パスワードを適切に取得することができる。ここで、新パスワードが管理者によって入力されるので、管理者は、自身が覚えやすいパスワードを新パスワードとして入力することができる。
【0053】
第4のブラウザセッション42Dは、T170において、プリンタ100から入力画面データを受信すると、T172において、入力画面SC8を表示する。
図5に示されるように、入力画面SC8は、新パスワードを入力するための入力欄を含む。
【0054】
第4のブラウザセッション42Dは、T180において、入力画面SC8への新パスワードの入力を受け付ける。この場合、第4のブラウザセッション42Dは、T182において、新パスワードをプリンタ100に送信する。
【0055】
プリンタ100のCPU132は、T182において、端末10から新パスワードを受信すると、T190において、現パスワードに代えて新パスワードを不揮発性メモリ134Bに登録する。
【0056】
プリンタ100のCPU132は、新パスワードの登録が完了した後に、T192において、変更完了画面SC9を表わす変更完了画面データを端末10に送信する。
【0057】
端末10の第4のブラウザセッション42Dは、T192において、プリンタ100から変更完了画面データを受信すると、T194において、変更完了画面SC9を表示する。変更完了画面SC9は、パスワード変更が完了したことを示すメッセージを含む。これにより、管理者は、パスワード変更が完了したことを知ることができる。
【0058】
(本実施例の効果)
本実施例によると、プリンタ100は、初期パスワード「xxx」に代えて新パスワードを登録する前に、管理者によって入力されるパスワード復旧設定を利用して、電子メールを送信する(
図2のT42)。そして、プリンタ100は、当該電子メールを受信した端末10から登録要求を受信する場合(T62)に、新パスワードとパスワード復旧設定とを登録する(T70)。即ち、プリンタ100は、仮に管理者が当該新パスワードを忘れてしまっても、当該新パスワードを他のパスワードに変更するための電子メールを端末10に送信可能な環境が整った場合に、当該新パスワードとパスワード復旧設定とを登録する。従って、プリンタ100は、T70で登録されたパスワードが入力されることなく当該パスワードを変更するための指示(
図3のT132)を取得する場合に、電子メールを端末10に適切に送信することができる(T142)。そして、プリンタ100は、当該電子メールを受信した端末10から変更要求を受信する場合(T162)に、当該パスワードを他のパスワードに変更することができる(T190)。このように、プリンタ100は、管理者がパスワードを忘れてしまった場合に、当該パスワードを他のパスワードに適切に変更することができる(T190)。
【0059】
(対応関係)
プリンタ100が、「通信装置」の一例である。
図2のT24のパスワード変更画面データ、
図4のパスワード変更画面SC1が、それぞれ、「第1の入力画面データ」、「第1の入力画面」の一例である。
図2のT42の電子メール、当該電子メールに含まれる第1のURLが、それぞれ、「第1の電子メール」、「第1の位置情報」の一例である。T62の登録要求が、「登録要求」の一例である。T70で登録されるパスワードが、「第1のパスワード」の一例である。
【0060】
図3のT132の選択情報が、「第1の変更指示」の一例である。T142の電子メール、当該電子メールに含まれる第2のURLが、それぞれ、「第2の電子メール」、「第2の位置情報」の一例である。T162の変更要求が、「変更要求」の一例である。T190で登録されるパスワードが、「第2のパスワード」の一例である。初期パスワード「xxx」が、「第3のパスワード」の一例である。
図3のT124のログイン画面データ、
図5のログイン画面SC5が、それぞれ、「第2の入力画面データ」、「第2の入力画面」の一例である。ログイン画面SC5内のメッセージ「パスワードを忘れた」が、「所定領域」の一例である。T170の入力画面データ、
図5の入力画面SC8が、それぞれ、「第3の入力画面データ」、「第3の入力画面」の一例である。
【0061】
図2のT24の処理、T42の処理、T44の処理、T62の処理、T70の処理、T82の処理が、それぞれ、「第1の入力画面データ送信部」、「
第1の電子メール送信部」、「第1の通知部」、「
登録要求受信部」、「
登録部」、「第2の通知部」によって実行される処理の一例である。T32の処理が、「電子メール情報取得部」及び「第1のパスワード取得部」よって実行される処理の一例である。
【0062】
図3のT124の処理、T132の処理、T142の処理、T162の処理、T170の処理、T182の処理、T190の処理が、それぞれ、「第2の入力画面データ送信部」、「変更指示取得部」、「第2の電子メール送信部」、「変更要求受信部」、「第3の入力画面データ送信部」、「第2のパスワード取得部」、「変更部」によって実行される処理の一例である。
【0063】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0064】
(変形例1)プリンタ100は、
図2のT10~T32に代えて、管理者から操作部112に対する入力操作を受け付けることによって、サーバ情報と電子メールアドレスとを取得してもよい。本変形例では、「第1の入力画面データ送信部」を省略可能である。
【0065】
(変形例2)プリンタ100は、
図2のT10~T32に代えて、管理者から操作部112に対する入力操作を受け付けることによって、新パスワードを取得してもよい。一般的に言うと、「第1のパスワード取得部」は、端末装置から第1のパスワードを受信しなくてもよい。また、別の変形例では、プリンタ100は、管理者によって入力されるパスワードを取得せずに、新パスワードを生成し、生成済みの新パスワードを管理者に提供してもよい。本変形例では、「第1のパスワード取得部」を省略可能である。
【0066】
(変形例3)プリンタ100は、
図2のT24において、新パスワードを入力するための入力欄を含まないパスワード変更画面を表わすパスワード変更画面データを端末装置10に送信してもよい。この場合、プリンタ100は、
図2のT42において、電子メールを送信した後に、新パスワードを入力するための画面を表わす画面データを端末装置10に送信し、端末装置10から管理者によって入力された新パスワードを取得してもよい。一般的に言うと、「第1のパスワード取得部」は、第1の電子メールが送信された後に、第1のパスワードを取得してもよい。
【0067】
(変形例4)プリンタ100は、初期パスワードを記憶していなくてもよい。この場合、プリンタ100は、
図2のT24において、現パスワードを入力するための入力欄を含まないパスワード変更画面を表わすパスワード変更画面データを端末装置10に送信する。一般的に言うと、通信装置の出荷段階において、メモリには、第3のパスワードが予め登録されていなくてもよい。
【0068】
(変形例5)
図4の受付完了画面SC2及びSC4は、ステータスを示すメッセージを含まなくてもよい。本変形例では、「第1の通知部」及び「第2の通知部」を省略可能である。
【0069】
(変形例6)プリンタ100は、
図3のT124~T132に代えて、管理者から操作部112に対するパスワード変更操作を受け付けることによって、パスワードを変更するための変更指示を取得してもよい。本変形例では、「第2の入力画面データ送信部」を省略可能である。
【0070】
(変形例7)プリンタ100は、
図3のT170~T182に代えて、管理者から操作部112に対する入力操作を受け付けることによって、新パスワードを取得してもよい。一般的に言うと、「第2のパスワード取得部」は、端末装置から第2のパスワードを受信しなくてもよい。また、本変形例では、「第3の入力画面データ送信部」を省略可能である。別の変形例では、プリンタ100は、管理者によって入力されるパスワードを取得せずに、新パスワードを生成し、生成済みの新パスワードをユーザに提供してもよい。本変形例では、「第2のパスワード取得部」を省略可能である。
【0071】
(変形例8)上記の実施例では、プリンタ100のCPU132がプログラム140(即ちソフトウェア)を実行することによって、
図2及び
図3の各処理が実現される。これに代えて、いずれかの処理は、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0072】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
以下の項目は、出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
通信装置であって、
メモリと、
ユーザによって入力される電子メール情報を取得する電子メール情報取得部であって、前記電子メール情報は、メールサーバを利用するためのサーバ情報と、電子メールアドレスと、を含む、前記電子メール情報取得部と、
前記電子メール情報が取得される場合に、前記電子メール情報に含まれる前記サーバ情報を利用して、第1の電子メールを送信する第1の電子メール送信部であって、前記第1の電子メールは、前記電子メール情報に含まれる前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の第1の位置情報が記述されている本文を含む、前記第1の電子メール送信部と、
前記第1の電子メールを受信した端末装置から、前記第1の位置情報を含む登録要求を受信する登録要求受信部と、
前記端末装置から前記登録要求が受信される場合に、第1のパスワードと前記電子メール情報とを前記メモリに登録する登録部と、
前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記メモリに登録された後に、前記第1のパスワードが入力されることなく前記第1のパスワードを変更するための第1の変更指示を取得する変更指示取得部と、
前記第1の変更指示が取得される場合に、前記メモリ内の前記サーバ情報を利用して、第2の電子メールを送信する第2の電子メール送信部であって、前記第2の電子メールは、前記メモリ内の前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の第2の位置情報が記述されている本文を含む、前記第2の電子メール送信部と、
前記第2の電子メールを受信した前記端末装置から、前記第2の位置情報を含む変更要求を受信する変更要求受信部と、
前記端末装置から前記変更要求が受信される場合に、前記メモリ内の前記第1のパスワードを第2のパスワードに変更する変更部と、
を備える、通信装置。
(項目2)
前記通信装置は、さらに、
前記電子メール情報を入力するための第1の入力画面を表わす第1の入力画面データを前記端末装置に送信する第1の入力画面データ送信部を備え、
前記電子メール情報取得部は、前記端末装置に表示される前記第1の入力画面に前記電子メール情報が前記ユーザによって入力されることに起因して、前記端末装置から前記電子メール情報を受信することによって、前記電子メール情報を取得する、項目1に記載の通信装置。
(項目3)
前記通信装置は、さらに、
前記ユーザによって入力される前記第1のパスワードを取得する第1のパスワード取得部を備える、項目1又は2に記載の通信装置。
(項目4)
前記第1のパスワード取得部は、前記第1の電子メールが送信される前に、前記第1のパスワードを取得する、項目3に記載の通信装置。
(項目5)
前記通信装置は、さらに、
前記第1のパスワードと前記電子メール情報とを入力するための第1の入力画面を表わす第1の入力画面データを前記端末装置に送信する第1の入力画面データ送信部を備え、
前記第1のパスワード取得部は、前記端末装置に表示される前記第1の入力画面に前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記ユーザによって入力されることに起因して、前記端末装置から前記第1のパスワードを受信することによって、前記第1のパスワードを取得し、
前記電子メール情報取得部は、前記端末装置に表示される前記第1の入力画面に前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記ユーザによって入力されることに起因して、前記端末装置から前記電子メール情報を受信することによって、前記電子メール情報を取得する、項目4に記載の通信装置。
(項目6)
前記通信装置の出荷段階において、前記メモリには、第3のパスワードが予め登録されており、
前記電子メール情報取得部は、前記第3のパスワードが前記メモリに登録されている状態において、前記第3のパスワードを変更するための第2の変更指示が取得された後に、前記電子メール情報を取得する、項目1から5のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目7)
前記通信装置は、さらに、
前記第1の電子メールが送信された後であって、前記端末装置から前記登録要求が受信される前に、前記第1のパスワードがまだ登録されていないことを通知する第1の通知部を備える、項目1から6のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目8)
前記通信装置は、さらに、
前記第1のパスワードがまだ登録されていないことが通知された後に、前記第1のパスワードが前記メモリに登録される場合に、前記第1のパスワードが登録されたことを通知する第2の通知部を備える、項目7に記載の通信装置。
(項目9)
前記通信装置は、さらに、
前記第1のパスワードが前記メモリに登録される場合に、前記第1のパスワードが登録されたことを通知する第2の通知部を備える、項目1から6のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目10)
前記通信装置は、さらに、
前記第1のパスワードが前記メモリに登録された後に、前記第1のパスワードを入力するための第2の入力画面を表わす第2の入力画面データを前記端末装置に送信する第2の入力画面データ送信部を備え、
前記変更指示取得部は、前記端末装置に表示される前記第2の入力画面に前記第1のパスワードが前記ユーザによって入力されることなく、前記第2の入力画面内の所定領域が前記ユーザによって選択される場合に、前記端末装置から前記第1の変更指示を受信することによって、前記第1の変更指示を取得する、項目1から9のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目11)
前記通信装置は、さらに、
前記ユーザによって入力される前記第2のパスワードを取得する第2のパスワード取得部を備える、項目1から10のいずれか一項に記載の通信装置。
(項目12)
前記通信装置は、さらに、
前記端末装置から前記変更要求が受信される場合に、前記第2のパスワードを入力するための第3の入力画面を表わす第3の入力画面データを前記端末装置に送信する第3の入力画面データ送信部を備え、
前記第2のパスワード取得部は、前記端末装置に表示される前記第3の入力画面に前記第2のパスワードが前記ユーザによって入力される場合に、前記端末装置から前記第2のパスワードを受信することによって、前記第2のパスワードを取得する、項目11に記載の通信装置。
(項目13)
通信装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記通信装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
ユーザによって入力される電子メール情報を取得する電子メール情報取得部であって、前記電子メール情報は、メールサーバを利用するためのサーバ情報と、電子メールアドレスと、を含む、前記電子メール情報取得部と、
前記電子メール情報が取得される場合に、前記電子メール情報に含まれる前記サーバ情報を利用して、第1の電子メールを送信する第1の電子メール送信部であって、前記第1の電子メールは、前記電子メール情報に含まれる前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の第1の位置情報が記述されている本文を含む、前記第1の電子メール送信部と、
前記第1の電子メールを受信した端末装置から、前記第1の位置情報を含む登録要求を受信する登録要求受信部と、
前記端末装置から前記登録要求が受信される場合に、第1のパスワードと前記電子メール情報とを前記通信装置のメモリに登録する登録部と、
前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記メモリに登録された後に、前記第1のパスワードが入力されることなく前記第1のパスワードを変更するための第1の変更指示を取得する変更指示取得部と、
前記第1の変更指示が取得される場合に、前記メモリ内の前記サーバ情報を利用して、第2の電子メールを送信する第2の電子メール送信部であって、前記第2の電子メールは、前記メモリ内の前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の第2の位置情報が記述されている本文を含む、前記第2の電子メール送信部と、
前記第2の電子メールを受信した前記端末装置から、前記第2の位置情報を含む変更要求を受信する変更要求受信部と、
前記端末装置から前記変更要求が受信される場合に、前記メモリ内の前記第1のパスワードを第2のパスワードに変更する変更部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目14)
通信装置によって実行される方法であって、
ユーザによって入力される電子メール情報を取得する電子メール情報取得工程であって、前記電子メール情報は、メールサーバを利用するためのサーバ情報と、電子メールアドレスと、を含む、前記電子メール情報取得工程と、
前記電子メール情報が取得される場合に、前記電子メール情報に含まれる前記サーバ情報を利用して、第1の電子メールを送信する第1の電子メール送信工程であって、前記第1の電子メールは、前記電子メール情報に含まれる前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の第1の位置情報が記述されている本文を含む、前記第1の電子メール送信工程と、
前記第1の電子メールを受信した端末装置から、前記第1の位置情報を含む登録要求を受信する登録要求受信工程と、
前記端末装置から前記登録要求が受信される場合に、第1のパスワードと前記電子メール情報とを前記通信装置のメモリに登録する登録工程と、
前記第1のパスワードと前記電子メール情報とが前記メモリに登録された後に、前記第1のパスワードが入力されることなく前記第1のパスワードを変更するための第1の変更指示を取得する変更指示取得工程と、
前記第1の変更指示が取得される場合に、前記メモリ内の前記サーバ情報を利用して、第2の電子メールを送信する第2の電子メール送信工程であって、前記第2の電子メールは、前記メモリ内の前記電子メールアドレスを宛先アドレスとして含むと共に、前記通信装置内の第2の位置情報が記述されている本文を含む、前記第2の電子メール送信工程と、
前記第2の電子メールを受信した前記端末装置から、前記第2の位置情報を含む変更要求を受信する変更要求受信工程と、
前記端末装置から前記変更要求が受信される場合に、前記メモリ内の前記第1のパスワードを第2のパスワードに変更する変更工程と、
を備える、方法。
【符号の説明】
【0073】
2:通信システム、4:LAN、6:インターネット、10:端末装置、12:操作部、14:表示部、20:通信インターフェース、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、40:OSプログラム、42:ブラウザアプリケーション、44:メーラアプリケーション、100:プリンタ、112:操作部、114:表示部、116:印刷実行部、120:通信インターフェース、130:制御部、132:CPU、134A:揮発性メモリ、134B:不揮発性メモリ、140:プログラム、200:メールサーバ