(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/18 20060101AFI20241126BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241126BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G03G21/18 167
G03G21/16 152
G03G21/16 171
G03G21/16 147
G03G15/00 651
(21)【出願番号】P 2020219205
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2023-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大岡 一成
(72)【発明者】
【氏名】飯野 光
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-151285(JP,A)
【文献】特開2003-195691(JP,A)
【文献】特開2015-082065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/18
G03G 21/16
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
感光ドラムと、前記感光ドラムに接続され、下方を向く接触面を有する電極とを有し、前記装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジと、を備え、
前記装置本体は、
前記感光ドラムの軸線方向における前記プロセスカートリッジの一端部を支持する支持フレームと、
前記支持フレームに支持され、接地されたアース板金
であって、本体部と、前記本体部から前記軸線方向に屈曲する屈曲部と、を有するアース板金と、
前記支持フレームに支持され、前記電極の前記接触面に下方から接触することにより前記電極と前記アース板金とを接続するバネと、を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記本体部は、前記軸線方向と直交する水平方向に延出し、板面が前記軸線方向に面し、
前記屈曲部は、前記本体部の上端から前記軸線方向に屈曲する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記アース板金の前記本体部は、上端が水平方向と平行な第1部と、前記本体部の延出方向において前記第1部に連続して形成され、上端が前記第1部から離れるに従って上昇する方向へ傾斜する第2部と、を有する
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
装置本体と、
感光ドラムと、前記感光ドラムに接続され、下方を向く接触面を有する電極とを有し、前記装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジと、を備え、
前記装置本体は、
前記感光ドラムの軸線方向における前記プロセスカートリッジの一端部を支持する支持フレームと、
前記支持フレームに支持され、接地されたアース板金と、
前記支持フレームに支持され、前記電極の前記接触面に下方から接触することにより前記電極と前記アース板金とを接続するバネと、を備え
、
前記プロセスカートリッジは、前記感光ドラムの前記軸線方向における一端部を支持する軸受部を備え、
前記バネは、
前記軸線方向において前記支持フレームと前記アース板金との間に配置され、
前記軸受部の径方向における下方から前記電極に接触可能な第1接触部と、前記軸線方向において前記アース板金と接触する第2接触部と、を有し、
前記装置本体は、
前記支持フレームに支持されるとともに、前記軸線方向において前記バネと前記アース板金との間に配置され、前記バネの前記軸線方向における移動を規制する規制部材を備える画像形成装置。
【請求項5】
前記支持フレームは、前記軸線方向に突出し、前記規制部材を支持するボスと、前記規制部材に当接し、前記規制部材が前記ボスを中心として回転することを規制する回転止め部と、を有し、
前記規制部材は、前記ボスに支持される本体部と、前記本体部に支持され前記回転止め部に当接する当接部と、を有している
請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記支持フレームの前記回転止め部は、前記ボスよりも前記軸線方向と直交する水平方向の一側に位置するとともに、前記軸線方向において前記バネよりも前記規制部材側に突出し、下方を向く第1当接面と、前記ボスよりも前記軸線方向と直交する水平方向の他側に位置するとともに、前記軸線方向において前記バネよりも前記規制部材側に突出し、下方を向く第2当接面とを有し、
前記規制部材の前記当接部は、前記本体部から前記軸線方向と直交する水平方向の一側に突出し、前記第1当接面に下方から当接する第1当接片と、前記本体部から前記軸線方向と直交する水平方向の他側に突出し、前記第2当接面に下方から当接する第2当接片と、を有する
請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
装置本体と、
感光ドラムと、前記感光ドラムに接続され、下方を向く接触面を有する電極とを有し、前記装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジと、を備え、
前記装置本体は、
前記感光ドラムの軸線方向における前記プロセスカートリッジの一端部を支持する支持フレームと、
前記支持フレームに支持され、接地されたアース板金と、
前記支持フレームに支持され、前記電極の前記接触面に下方から接触することにより前記電極と前記アース板金とを接続するバネと、を備え
、
前記プロセスカートリッジは、前記感光ドラムの前記軸線方向における一端部を支持する軸受部を備え、
前記バネは、
前記軸線方向において前記支持フレームと前記アース板金との間に配置され、
前記軸受部の径方向における下方から前記電極に接触可能な第1接触部と、前記軸線方向において前記アース板金と接触する第2接触部と、を有し、
前記バネの前記第1接触部は、前記電極が接触しておらず、前記バネの付勢力により上方へ移動した退避位置と、前記軸受部により下方へ押圧され、前記バネの付勢力に抗して前記退避位置よりも下方へ移動した状態で前記電極に接触する接触位置とに移動可能であり、
前記支持フレームは、前記軸線方向に突出し、前記第1接触部に当接することにより、前記第1接触部の上方への移動を規制するバネ止め部を有し、
前記第1接触部は、退避位置にあるときに前記バネ止め部と当接し、接触位置にあるときに前記バネ止め部から離間する画像形成装置。
【請求項8】
前記バネ止め部は、前記第1接触部が当接する下面を有し、
前記下面は、軸線方向からみて下方に凸となる円弧形状を有している
請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記支持フレームは、
前記バネ止め部の突出方向における先端から下方へ延出し、前記バネ止め部に当接した前記第1接触部を係止可能な係止部を有する
請求項7または
請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記係止部は、前記軸線方向に板面を有する平板状部材にて形成される
請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記装置本体は、
前記軸線方向において前記アース板金
よりも前記装置本体の中央部側に位置する電源基板と、
前記電源基板を被覆し、接地された板金カバーと、
前記板金カバーと前記アース板金とを接続する板金部材と、を備える請求項1~
請求項10の何れか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感光ドラムを有し装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えた画像形成装置においては、プロセスカートリッジを装置本体に装着したときに、感光ドラムと装置本体が備える接地部材とを接続して、感光ドラムが接地されるように構成されている。
【0003】
例えば特許文献1に記載の画像形成装置では、感光ドラムの軸線方向におけるプロセスカートリッジの一端部に、感光ドラムに接続された金属板を取り付け、装置本体が備える接地部材に接続されたアース電極を軸線方向から金属板に接触させることで、感光ドラムを接地させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の画像形成装置においては、アース電極として軸線方向に付勢力を有するコイルバネを用いるとともに、アース電極を軸線方向から金属板に接触させる構成であるため、軸線方向においてアース電極と金属板とを接続するための大きなスペースが必要となっていた。
【0006】
そこで、本発明においては、軸線方向における感光ドラムと装置本体側の接地部材とを接続するためのスペース小さくして、装置本体の小型化を図ることができる画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する画像形成装置は、以下の特徴を有する。
【0008】
即ち、画像形成装置は、装置本体と、感光ドラムと、前記感光ドラムに接続され、下方を向く接触面を有する電極とを有し、前記装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジと、を備え、前記装置本体は、前記感光ドラムの軸線方向における前記プロセスカートリッジの一端部を支持する支持フレームと、前記支持フレームに支持され、接地されたアース板金と、前記支持フレームに支持され、前記電極の前記接触面に下方から接触することにより前記電極と前記アース板金とを接続するバネと、を備える。
【0009】
このように、バネが電極の接触面に下方から接触するため、感光ドラムと装置本体側のアース部材であるアース板金とを接続するためのスペースを小さくすることができ、装置本体の小型化を図ることができる。
【0010】
また、前記プロセスカートリッジは、前記感光ドラムの前記軸線方向における一端部を支持する軸受部を備え、前記電極は、前記軸受部の外周面における下端に位置する。
【0011】
このように、電極は、プロセスカートリッジに必須の構成要素である軸受部の下端に位置しているため、軸線方向における電極とアース板金とを接続するためのスペースを、より小さくすることができる。
【0012】
また、前記バネは、前記軸線方向と直交する方向に付勢力を有する。
【0013】
このように、バネは、軸線方向と直交する方向に付勢力を有しているため、軸線方向における電極とアース板金とを接続するためのスペースを、より小さくすることができる。
【0014】
また、前記バネは、前記軸線方向において前記支持フレームと前記アース板金との間に配置され、前記軸受部の径方向における下方から前記電極に接触可能な第1接触部と、前記軸線方向において前記アース板金と接触する第2接触部と、を有する。
【0015】
このように、バネは、電極に下方から接触する第1接触部と、軸線方向においてアース板金と接触する第2接触部とを有するため、感光ドラムとアース板金とを接続するためのスペースを小さくしながら、感光ドラムとアース板金とを安定して接続することができる。
【0016】
また、前記装置本体は、前記支持フレームに支持されるとともに、前記軸線方向において前記バネと前記アース板金との間に配置され、前記バネの前記軸線方向における移動を規制する規制部材を備える。
【0017】
このように、規制部材によりバネの軸線方向における移動を規制することで、支持フレームに支持されるバネが軸線方向に移動して、支持フレームから脱落することを抑制できる。
【0018】
また、前記支持フレームは、前記軸線方向に突出し、前記規制部材を支持するボスと、前記規制部材に当接し、前記規制部材が前記ボスを中心として回転することを規制する回転止め部と、を有し、前記規制部材は、前記ボスに支持される本体部と、前記本体部に支持され前記回転止め部に当接する当接部と、を有している。
【0019】
これにより、規制部材がボスを中心として回転することを抑制でき、規制部材によりバネの軸線方向への移動を安定して規制することができる。
【0020】
また、前記支持フレームの前記回転止め部は、前記ボスよりも前記軸線方向と直交する水平方向の一側に位置するとともに、前記軸線方向において前記バネよりも前記規制部材側に突出し、下方を向く第1当接面と、前記ボスよりも前記軸線方向と直交する水平方向の他側に位置するとともに、前記軸線方向において前記バネよりも前記規制部材側に突出し、下方を向く第2当接面とを有し、前記規制部材の前記当接部は、前記本体部から前記軸線方向と直交する水平方向の一側に突出し、前記第1当接面に下方から当接する第1当接片と、前記本体部から前記軸線方向と直交する水平方向の他側に突出し、前記第2当接面に下方から当接する第2当接片と、を有する。
【0021】
これにより、規制部材の一側への回転と他側への回転との両側への回転を抑制でき、規制部材によりバネの軸線方向への移動をより安定して規制することができる。
【0022】
また、前記バネの前記第1接触部は、前記電極が接触しておらず、前記バネの付勢力により上方へ移動した退避位置と、前記軸受部により下方へ押圧され、前記バネの付勢力に抗して前記退避位置よりも下方へ移動した状態で前記電極に接触する接触位置とに移動可能であり、前記支持フレームは、前記軸線方向に突出し、前記第1接触部に当接することにより、前記第1接触部の上方への移動を規制するバネ止め部を有し、前記第1接触部は、退避位置にあるときに前記バネ止め部と当接し、接触位置にあるときに前記バネ止め部から離間する。
【0023】
これにより、バネの第1接触部は、退避位置にあるときにバネ止め部に当接して上方への移動が規制されるため、バネの付勢力により上方へ移動し過ぎることが抑制され、軸受部により下方へ押圧されたときに、退避位置から接触位置へ円滑に移動することができる。
【0024】
また、前記バネ止め部は、前記第1接触部が当接する下面を有し、前記下面は、軸線方向からみて下方に凸となる円弧形状を有している。
【0025】
これにより、バネ止め部の下面とバネの第1接触部とが点接触することとなり、第1接触部がバネ止め部の下面に繰り返し当接したときの、移動が規制される位置の精度を向上することができる。
【0026】
また、前記支持フレームは、前記バネ止め部の突出方向における先端から下方へ延出し、前記バネ止め部に当接した前記第1接触部を係止可能な係止部を有する。
【0027】
このように、バネ止め部に当接した状態の第1接触部を係止部により係止することで、支持フレームに取り付けられたバネの軸線方向への移動を規制することができ、バネが支持フレームから脱落することを抑制できる。
【0028】
また、前記係止部は、前記軸線方向に板面を有する平板状部材にて形成される。
【0029】
このように、係止部を平板状部材にて形成することで、係止部が軸線方向に占めるスペースを小さくすることができる。
【0030】
また、前記アース板金は、前記軸線方向と直交する水平方向に延出し、板面が前記軸線方向に面する本体部と、前記本体部の上端から前記軸線方向に屈曲する屈曲部と、を有する。
【0031】
これにより、アース板金の剛性を高めることができる。また、剛性が高められたアース板金を支持フレームに取り付けることで、支持フレームの剛性を向上することができる。
【0032】
また、前記アース板金の前記本体部は、上端が水平方向と平行な第1部と、前記本体部の延出方向において前記第1部に連続して形成され、上端が前記第1部から離れるに従って上昇する方向へ傾斜する第2部と、を有する。
【0033】
これにより、本体部を支持フレームにおける部品の配置位置に応じて形成して、アース板金と支持フレームの部品との干渉を避けることが容易となる。
【0034】
また、前記装置本体は、前記軸線方向において前記アース板金の前記支持フレームを挟んだ反対側に位置する電源基板と、前記電源基板を被覆し、接地された板金カバーと、前記板金カバーと前記アース板金とを接続する板金部材と、を備える。
【0035】
これにより、アース板金を、板金カバーと板金部材による簡単な接続経路にて接続して接地させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、感光ドラムとアース板金とを接続するためのスペースを小さくすることができ、装置本体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図2】画像形成装置における装置本体の内部を示す斜視図である。
【
図4】プロセスカートリッジの右端部を示す斜視図である。
【
図5】支持フレームの内側面を示す側面断面図である。
【
図7】電極とバネとの接触状態を支持フレームの内側面側から見た側面断面図である。
【
図8】電極とバネとの接触状態を支持フレームの外側面側から見た側面断面図である。
【
図9】感光ドラムの軸受部を支持した状態の支持フレームを示す後面断面図である。
【
図10】電極とバネとの接触状態を示す斜視図である。
【
図11】アース板金を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図12】バネを示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【
図13】支持フレームのバネ止め部および係止部を示す斜視図である。
【
図14】規制部材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
【
図15】支持フレームに支持される規制部材を示す斜視図である。
【
図16】第1本体フレームと第2本体フレームとの間に配置される電源基板および板金カバーを示す正面図である。
【
図17】アース板金と板金カバーとが板金部材により接続されている様子を示す斜視図である。
【
図18】アース板金と板金カバーとが板金部材により接続されている様子を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0039】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であり、電子写真方式により、用紙Sに複数色の画像を形成するカラーレーザプリンタである。
【0040】
以下の説明では、
図1における右側を画像形成装置1の前側、
図1における左側を画像形成装置1の後側と規定し、
図1おける紙面手前側を画像形成装置1の左側、
図1における紙面奥側を画像形成装置1の右側と規定する。また、
図1における上側および下側を、それぞれ画像形成装置1の上側および下側と規定する。
【0041】
画像形成装置1は、装置本体2と、用紙Sを支持する給紙トレイ10及び用紙Sを搬送する用紙搬送部30を有する給紙部3と、給紙部3により搬送されてきた用紙Sに画像を形成する画像形成部5とを備えている。
【0042】
装置本体2は略直方体形状に形成されており、給紙部3および画像形成部5を収容している。装置本体2の上面には開口部2Aが開口しており、装置本体2は開口部2Aを開閉可能なトップカバー23を有している。
【0043】
トップカバー23は、後端部の回動軸23aを中心として回動可能に構成されており、回動軸23aを中心として回動することにより、開口部2Aを閉鎖する閉位置と、開口部2Aを開放する開位置との間を移動可能である。装置本体2のトップカバー23には前側から後側へ向かうにつれて下方に傾斜する排紙トレイ23bが形成されている。
【0044】
給紙部3は、装置本体2の下部に配置されており、給紙トレイ10に支持される用紙Sを用紙搬送部30によって画像形成部5に搬送するものである。給紙トレイ10は、前後方向へスライド可能に構成されており、装置本体2に収容される収容位置と、収容位置から前方へ引き出された分離位置との間で移動可能に構成されている。
【0045】
用紙搬送部30は、給紙ローラ32と、分離ローラ33と、分離パッド33aと、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とを備えている。装置本体2内には、給紙トレイ10から画像形成部5を経由して排紙トレイ23aへ至る用紙Sの搬送経路Pが構成されている。
【0046】
給紙トレイ10に支持される用紙Sは、給紙ローラ32、分離ローラ33および分離パッド33aにより1枚ずつ分離されて搬送経路Pに送り出される。給紙ローラ32は、給紙トレイ10から画像形成部5に向けて用紙Sを搬送するローラである。分離ローラ33および分離パッド33aは、給紙トレイ10に支持される用紙Sを一枚ずつ分離する分離手段を構成している。
【0047】
搬送経路Pに送り出された用紙Sは、搬送ローラ対34と、レジストローラ対35とにより画像形成部5に向けて搬送される。レジストローラ対35は、搬送される用紙Sの先端の移動を規制して一旦停止させた後、用紙Sを所定のタイミングにて画像形成部5に向けて搬送する。
【0048】
画像形成部5は給紙部3の上方に配置されており、前後方向に並設される4つのプロセスカートリッジ50を備えている。各プロセスカートリッジ50は、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各色に対応して設けられている。プロセスカートリッジ50は、装置本体2に着脱可能に装着されている。プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51と、現像ローラ52と、供給ローラ53と、帯電器54とを備えている。
【0049】
プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51の軸線X(
図3参照)が左右方向に沿った姿勢で装置本体2に装着されている。左右方向は、軸線方向の一例である。現像ローラ52は、感光ドラム51に当接する当接位置と、感光ドラム51から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。供給ローラ53は、プロセスカートリッジ50に収容されるトナーを現像ローラ52に供給する。
【0050】
装置本体2は、感光ドラム51の表面を露光する露光ヘッド59を有している。露光ヘッド59は、トップカバー23に支持されている。露光ヘッド59は、各感光ドラム51に対応して4つ設けられており、各露光ヘッド59は前後方向に並設されている。露光ヘッド59はトップカバー23から下方へ延出しており、下端部に露光部59aを有している。露光部59aは、トップカバー23が閉じた状態において感光ドラム52の上方に近接して配置されている。露光部59aは、左右方向に並列される複数のLED素子を備えたLEDアレイにより構成されている。
【0051】
感光ドラム51の搬送経路Pを挟んだ下方には、転写ベルト41が対向配置されている。転写ベルト41は、駆動ローラ42と駆動ローラ42の前方に配置される従動ローラ43との間に掛け渡されている。転写ベルト41、駆動ローラ42、および従動ローラ43によりベルト装置40が構成されている。転写ベルト41を挟んだ各感光ドラム51に対向する位置には、それぞれ転写ローラ44が配置されている。
【0052】
画像形成部5においては、帯電器54によって一様に帯電された感光ドラム51が、それぞれ露光ヘッド59によって選択的に露光される。この露光により、感光ドラム51の表面から電荷が選択的に除去され、感光ドラム51の表面に静電潜像が形成される。
【0053】
プロセスカートリッジ50に収容されるトナーは、供給ローラ53と現像ローラ52との間で正極性に帯電され、現像ローラ52の表面に担持される。現像ローラ52には現像バイアスが印加されており、感光ドラム51に形成された静電潜像が現像ローラ52に対向すると、静電潜像と現像ローラ52との間の電位差により、現像ローラ52から静電潜像にトナーが供給される。これによって、感光ドラム51の表面にトナー像が形成される。
【0054】
画像形成部5へ向けて搬送された用紙Sが転写ベルト41上に到達すると、転写ベルト41により搬送されて、転写ベルト41と各感光ドラム51との間を順次通過する。そして、感光ドラム51の表面上のトナー像は、用紙Sと対向したときに、転写ローラ44に印加された転写バイアスによって用紙Sに転写される。
【0055】
なお、本実施形態における転写ベルト41は、トナー像が転写される用紙Sを搬送する搬送ベルトに構成されているが、トナー像がベルト自身に転写され、ベルトに転写されたトナー像がさらに用紙Sに転写される中間転写ベルトに構成することも可能である。
【0056】
トナー像が転写された用紙Sは定着装置60に搬送される。定着装置60は加熱ローラ61と加熱ローラ61に圧接する加圧ローラ62とを備えており、定着装置60に搬送された用紙Sは、加熱ローラ61と加圧ローラ62との間を通過する間にトナー像が熱定着される。
【0057】
トナー像が熱定着された用紙Sは、定着装置60から搬送方向下流側に搬送され、さらに中間排紙ローラ対63、および中間排紙ローラ対63の搬送方向下流側に配置される排紙ローラ対64により搬送されて、排紙トレイ23bに排出される。
【0058】
図2に示すように、装置本体2は、左右方向に互いに離間して配置される第1本体フレーム24と、第2本体フレーム25とを備えている。第1本体フレーム24は、装置本体2の右端部に位置しており、前後方向および上下方向に延出している。第2本体フレーム25は、装置本体2の左端部に位置しており、前後方向および上下方向に延出している。第1本体フレーム24の第2本体フレーム25と対向する側の面となる、左右内側の面には、支持フレーム26が取り付けられている。
【0059】
プロセスカートリッジ50は、支持フレーム26と第2本体フレーム25との間に配置されており、支持フレーム26と第2本体フレーム25とによって着脱可能に支持されている。支持フレーム26はプロセスカートリッジ50の右方に位置しており、プロセスカートリッジ50の右端部50A(
図3参照)を支持する。左本体フレーム25はプロセスカートリッジ50の左方に位置しており、プロセスカートリッジ50の左端部50B(
図3参照)を支持する。右端部50Aは、感光ドラムの軸線方向における一端部の一例であり、左端部50Bは、感光ドラムの軸線方向における他端部の一例である。
【0060】
[プロセスカートリッジ]
図3、
図4に示すように、プロセスカートリッジ50は、感光ドラム51の軸線X方向における一端部である右端部を支持する軸受部52と、感光ドラム51に接続される電極53とを備えている。電極53は、軸受部52の外周面における下端に位置しており、下方を向く接触面53aを有している。軸受部52および電極53は、プロセスカートリッジ50の右端部50Aに位置している。
【0061】
[支持フレーム]
図5~
図9に示すように、支持フレーム26は、第1壁部261と、第2壁部262と、段差部263とを備えている。第1壁部261は支持フレーム26の上部に位置しており、第2壁部262は第1壁部261の下方に位置している。第2壁部262は第1壁部261よりも左右内側に位置している。つまり、軸線X方向において、第2壁部262は第1壁部261よりも感光ドラム51の近くに位置している。
【0062】
第1壁部261は、軸線X方向においてプロセスカートリッジ50と対向する内側面261Aと、軸線X方向において第1本体フレーム24と対向する、内側面261Aとは反対側の外側面261Bとを有している。第2壁部262は、軸線X方向におけるプロセスカートリッジ50側の面である内側面262Aと、軸線X方向において第1本体フレーム24と対向する、内側面262Aとは反対側の外側面262Bとを有している。
【0063】
段差部263は、第1壁部261と第2壁部262との間に形成されている。段差部263は、プロセスカートリッジ50を装置本体2に装着したときに、感光ドラム51の軸受部52に当接して、感光ドラム51の位置決めを行う位置決め部263aを有している。支持フレーム26においては、前後方向に配置される一対の位置決め部263aにより一つの軸受部52を支持するように構成されている。段差部263は、軸受部52を支持する一対の位置決め部263aの間に、上下方向に貫通する貫通孔263bを有している。
【0064】
段差部263には、支持フレーム26に支持されるプロセスカートリッジ50の数に対応して、一対の位置決め部263aおよび貫通孔263bが前後方向に沿って4箇所に形成されている。
【0065】
[感光ドラムを接地するための構成]
図5~
図10に示すように、装置本体2は、アース板金70と、バネ80と、規制部材90とを備えている。アース板金70、バネ80、および規制部材90は、軸線X方向において支持フレーム26と第1本体フレーム24との間に配置されている。アース板金70、バネ80、および規制部材90は、支持フレーム26に支持されている。なお、
図10においては、支持フレーム26の記載を省略している。
【0066】
(アース板金)
図11に示すように、アース板金70は板金部材により形成されており、接地されている。アース板金70は、前後方向に延出し、板面が左右方向に面する本体部71と、本体部71の上端から左右方向に屈曲する屈曲部72とを有している。本実施形態においては、屈曲部72は本体部71の上端から右方に屈曲している。前後方向は、感光ドラムの軸線方向と直交する水平方向の一例である。
【0067】
本体部71には複数の固定用孔73が形成されており、固定用孔73に挿通したネジを支持フレーム26の第2壁部262における外側面262B側に形成されるネジ穴264a(
図6参照)に螺装することにより、アース板金70が支持フレーム26に取り付けられている。
【0068】
アース板金70の本体部71は、中部70Aと、中部70Aの前方に連続して形成される前部70Bと、中部70Aの後方に連続して形成される後部70Cとを有している。中部70Aは第1部の一例であり、前部70Bおよび後部70Cは第2部の一例である。中部70Aは、上端が水平方向と平行に形成されている。前部70Bは、上端が中部70Aから前方へ離れるに従って上昇する方向に傾斜している。後部70Cは、上端が中部70Aから後方へ離れるに従って上昇する方向に傾斜している。
【0069】
アース板金70は、本体部71の上端から屈曲する屈曲部72を有しているため、剛性が高められている。また、剛性が高められたアース板金70を支持フレーム26に取り付けることで、支持フレーム26の剛性を向上させることができ、支持フレーム26に生じるクリープ現象を抑制することが可能となっている。
【0070】
さらに、アース板金70の本体部71は、上端が水平方向と平行に形成される中部70Aと、上端が中部70Aから離れるに従って上昇する方向に傾斜している前部70Bおよび後部70Cとを有しているため、本体部71を支持フレーム26における部品の配置位置に応じて形成して、アース板金70と支持フレーム26の部品との干渉を避けることが容易となっている。
【0071】
(バネ)
図12に示すように、バネ80は、線材を巻回して形成されるコイルバネであり、支持部81と、第1接触部82と、第2接触部83とを有している。支持部81は、線材を複数回巻回して形成された円環形状を有している。
【0072】
支持フレーム26の第2壁部262は、外側面262Bから軸線X方向に突出する係合突起265(
図6、
図8参照)を有しており、支持部81を係合突起265に係合させることで、バネ80が支持フレーム26に支持されている。バネ80は、支持部81の軸線方向と軸線X方向とが平行となる姿勢で支持フレーム26に支持されている。バネ80は、軸線X方向において支持フレーム26とアース板金70との間に配置されている。
【0073】
第1接触部82は、支持部81から軸線X方向と直交する方向へ延出する延出部82aと、延出部82aの先端に連続して形成され、線材を複数回巻回した円環形状を有する接触部82bとを有している。延出部82aは略後方へ向かって延出しており、第1接触部82は軸線X方向と直交する略上下方向に付勢力を有している。
【0074】
第2接触部83は、支持部81から軸線X方向と直交する方向へ延出する延出部83aと、延出部83aの先端に連続して形成され、線材を複数回巻回した円筒形状を有する接触部83bとを有している。延出部83aは略後方へ向かって延出している。接触部83bは、支持部81および接触部82bよりも線材の巻き数が多くなっており、軸線X方向の長さが支持部81および接触部82bよりも大きく形成されている。円筒形状を有する接触部83bの軸線方向は軸線X方向と平行である。
【0075】
支持フレーム26の第2壁部262は、外側面262Bから軸線X方向に突出する係合突起266(
図6、
図8参照)を有しており、接触部83bが係合突起266に係合されている。接触部83bを係合突起266に係合させることで、バネ80が支持部81を中心として回動することを抑制している。
【0076】
図7~
図10、
図13に示すように、支持フレーム26に支持されたバネ80においては、第1接触部82の接触部82bが支持フレーム26の貫通孔263bを通じて段差部263の下方から上方へ突出している。接触部82bは、位置決め部263aに支持される軸受部52の径方向における下方から電極53に接触可能に構成されている。
【0077】
第1接触部82は略上方へ向かう付勢力を有しており、軸受部52が位置決め部263aに支持されておらず第1接触部82が電極53に接触していないときには、支持フレーム26のバネ止め部268に当接して、それ以上の上方への移動が規制される。バネ止め部268は、支持フレーム26の第2壁部262における外側面262Bから右方に突出する突出部材であり、第1接触部82の延出部82aが下方から当接する。バネ止め部268は、第1接触部82が当接する下面268aを有している。バネ止め部268の下面268aは軸線X方向から見て下方に凸となる円弧形状を有している。
【0078】
一方、軸受部52が位置決め部263aに支持されているときには、バネ80の第1接触部82は軸受部52により下方へ押圧され、第1接触部82の付勢力に抗して下方へ移動し、バネ止め部268から離間する。また、軸受部52が位置決め部263aに支持された状態では、第1接触部82の接触部82bは、軸受部52の下端に位置する電極53の接触面53aに接触した状態となる。
【0079】
つまり、バネ80の第1接触部82は、電極53が接触しておらず、バネ80の付勢力により上方へ移動した退避位置(
図8、
図13に2点鎖線で示した位置)と、軸受部52により下方へ押圧され、バネ80の付勢力に抗して退避位置よりも下方へ移動した状態で電極53に接触する接触位置(
図8、
図13に実線で示した位置)とに移動可能に構成されている。また、第1接触部82は、退避位置にあるときにバネ止め部268と当接し、接触位置にあるときにバネ止め部268から離間する。
【0080】
このように、バネ80の第1接触部82は、退避位置にあるときにバネ止め部268に当接して上方への移動が規制されるため、バネ80の付勢力により上方へ移動し過ぎることが抑制され、軸受部52により下方へ押圧されたときに、退避位置から接触位置へ円滑に移動することが可能となっている。
【0081】
また、バネ止め部268の下面268aは下方に凸となる円弧形状を有しているため、バネ止め部268の下面268aとバネ80の第1接触部82とが点接触することとなり、第1接触部82がバネ止め部268の下面268aに繰り返し当接したときの、移動が規制される位置の精度を向上することが可能となっている。
【0082】
支持フレーム26は、バネ止め部268の突出方向における先端となる右端から下方へ延出する係止部269を有している。係止部269は、退避位置にあってバネ止め部268に当接した第1接触部82の延出部82aが右方へ移動した際に、延出部82aを係止可能に構成されている。
【0083】
このように、バネ止め部268に当接した状態の第1接触部82を係止部269により係止することで、支持フレーム26に取り付けられたバネ80の軸線X方向への移動を規制することができ、バネ80が支持フレーム26から脱落することを抑制可能となっている。
【0084】
また、係止部269は、軸線X方向に板面を有する平板状部材にて形成されている。係止部269は、下端が下に凸となる円弧形状に形成されている。このように、係止部269を平板状部材にて形成することで、係止部269が軸線X方向に占めるスペースを小さくすることが可能となっている。
【0085】
第2接触部83の接触部83bは、軸線X方向において支持部81よりも右方へ突出しており、軸線X方向において接触部83bの右端がアース板金70と接触している。第1接触部82が電極53に接触するとともに、第2接触部83がアース板金70と接触することで、感光ドラム51とアース板金70とがバネ80によって接続される。
【0086】
この場合、第2接触部83の接触部83bは、板面が軸線X方向に面しているアース板金70と軸線X方向において接触しているため、接触部83bとアース板金70とは安定して接触することが可能となっている。
【0087】
また、バネ80は、第1接触部82の接触部82bが電極53の接触面53aに下方から接触することにより感光ドラム51とアース板金70とを接続するように構成されている。従って、感光ドラム51と装置本体2側のアース部材であるアース板金70とを接続するための軸線X方向のスペースを小さくすることができ、装置本体2の小型化を図ることが可能となっている。
【0088】
このように、バネ80は、電極53に下方から接触する第1接触部82と、軸線X方向においてアース板金70と接触する第2接触部83とを有するため、感光ドラム51とアース板金70とを接続するためのスペースを小さくしながら、感光ドラム51とアース板金70とを安定して接続することが可能となっている。
【0089】
また、電極53は、プロセスカートリッジ50に必須の構成要素である軸受部52の下端に位置しているため、軸線X方向における電極53とアース板金70とを接続するためのスペースを、より小さくすることが可能となっている。
【0090】
さらに、バネ80は、軸線X方向と直交する略上下方向に付勢力を有しているため、軸線X方向における電極53とアース板金70とを接続するためのスペースを、より小さくすることが可能となっている。
【0091】
なお、本実施形態においては、バネ80としてコイルバネを用いているが、これに限るものではなく、電極53の接触面53aに下方から接触するものであれば板バネ等の他の種類のバネを用いることもできる。
【0092】
(規制部材)
図7~
図10、
図14、
図15に示すように、規制部材90は、本体部91と、当接部92とを有している。本体部91は、支持部91Aと規制部91Bとを有しており、支持部91Aは左右方向に貫通する支持孔93を有している。
【0093】
支持フレーム26の第1壁部261は、外側面261Bから軸線X方向に突出するボス267(
図6、
図9、
図15参照)を有しており、規制部材90における支持部91Aの支持孔93がボス267に嵌合されている。支持孔93がボス267に嵌合することにより、規制部材90が支持フレーム26に支持されている。規制部材90の支持部91Aは、支持フレーム26の第1壁部261における外側面261Bと対向している。
【0094】
本体部91の規制部91Bは、支持部91Aの下方に連続して形成されている。規制部91Bは、軸線X方向の長さが支持部91Aよりも大きく形成されており、支持部91Aよりも左方に突出している。
【0095】
規制部91Bは、支持フレーム26の第2壁部262における外側面262Bと対向しており、軸線X方向において、規制部91Bと第2壁部262との間にバネ80の第1接触部82が位置している。つまり、規制部材90の規制部91Bは、軸線X方向において、バネ80の第1接触部82とアース板金70との間に配置されている。
【0096】
規制部91Bは、バネ80の第1接触部82が軸線X方向の右方に移動したときに、第1接触部82に当接して、バネ80の軸線X方向への移動を規制することが可能である。このように、規制部材90によりバネ80の軸線X方向における移動を規制することで、支持フレーム26に支持されるバネ80が軸線X方向に移動して、支持フレーム26から脱落することを抑制可能である。
【0097】
また、規制部材90は、軸線X方向において支持フレーム26とアース板金70との間に位置しており、アース板金70によって軸線X方向に移動することが規制されている。これにより、支持フレーム26に支持された規制部材90が軸線X方向に移動して支持フレーム26から脱落することを抑制可能となっている。
【0098】
図8、
図9、
図15に示すように、支持フレーム26の段差部263は、規制部材90に当接し、規制部材90がボス267を中心として回転することを規制する回転止め部271を有している。回転止め部271は、第1当接面271aと、第2当接面271bとを有している。
【0099】
第1当接面271aは、ボス267よりも前方に位置するとともに、軸線X方向においてバネ80の第1接触部82よりも規制部材90側に突出し、下方を向いた面である。第2当接面271bは、ボス267よりも後方に位置するとともに、軸線X方向においてバネ80の第1接触部82よりも規制部材90側に突出し、下方を向いた面である。前方は、感光ドラムの軸線方向と直交する水平方向の一側の一例である。後方は、感光ドラムの軸線方向と直交する水平方向の他側の一例である。
【0100】
規制部材90の当接部92は、本体部91に支持されており、支持フレーム26の回転止め部271に当接可能に構成されている。当接部92は、本体部91の規制部91Bから前方に突出し、第1当接面271aに下方から当接する第1当接片92aと、前記本体部91の規制部91Bから後方に突出し、第2当接面271bに下方から当接する第2当接片92bとを有している。
【0101】
支持フレーム26に支持された規制部材90は、第1当接面271aと第1当接片92aとが当接することによりボス267を中心とした一側への回転が規制されるとともに、第2当接面271bと第2当接片92bとが当接することによりボス267を中心とした他側への回転が規制される。
【0102】
規制部材90がボス267を中心として回転することを抑制することで、規制部材90によりバネ80の軸線X方向への移動を安定して規制することができる。特に、規制部材90は一側への回転と他側への回転との両側への回転が抑制されるため、バネ80の軸線X方向への移動をより安定して規制することが可能となっている。
【0103】
なお、規制部材90においては、第1当接片92aは規制部91Bから前方に突出しているが、規制部材90は、第1当接片92aが支持部91Aから前方に突出するように構成することもできる。また、規制部材90においては、第2当接片92bは規制部91Bから後方に突出しているが、規制部材90は、第2当接片92bが支持部91Aから後方に突出するように構成することもできる。
【0104】
(アース板金と板金カバーとの接続)
図16に示すように、装置本体2は、第1本体フレーム24と第2本体フレーム25との間に配置される電源基板15と、電源基板15の周囲を被覆する板金カバー16とを備えている。電源基板15は板金カバー16に支持されている。板金カバー16の右端部は第1本体フレーム24に支持されており、板金カバー16の左端部は第2本体フレーム25に支持されている。板金カバー16は、電源基板15の前後および上下を覆っている。板金カバー16は接地されている。
【0105】
図17、
図18に示すように、電源基板15は、軸線X方向においてアース板金70の支持フレーム26を挟んだ反対側に位置している。装置本体2は、アース板金70と板金カバー16とを接続する板金部材17を備えている。板金部材17は、アース板金70側の第1端部17aと、板金カバー16側の第2端部17bとを有している。なお、
図17においては、支持フレーム26の記載を省略している。
【0106】
板金部材17の第1端部17aは、軸線X方向においてアース板金70と第1本体フレーム24との間に位置しており、支持フレーム26の第2壁部262における外側面262B側にはネジ穴264bが形成されている。板金部材17の第1端部17aは、ネジ18をネジ穴264bに螺合することで、第1本体フレーム24およびアース板金70とともに支持フレーム26に締結されている。この場合、ネジ18はアース板金70に形成されている貫通孔74を貫通している。これにより、板金部材17の第1端部17aとアース板金70とが互いに接触して接続された状態となっている。
【0107】
板金カバー16の右端部からは突出片16aが前方へ突出しており、板金部材17の第2端部17bは、軸線X方向において突出片16aと第1本体フレーム24との間に位置している。板金部材17の第2端部17bは、ネジ19を突出片16aに螺合することで、第1本体フレーム24とともに突出片16aに締結されている。これにより、板金部材17の第2端部17bと突出片16aとが互いに接触して接続された状態となっている。
【0108】
板金部材17の第1端部17aがアース板金70に接続され、板金部材17の第2端部17bが突出片16aに接続されることで、アース板金70と板金カバー16とが板金部材17により接続される。板金カバー16は接地されているため、アース板金70と板金カバー16とが接続されることにより、アース板金70も接地された状態となる。このように、アース板金70は、板金カバー16と板金部材17による簡単な接続経路にて接続され接地されている。
【0109】
以上のように、画像形成装置1においては、感光ドラム51は、電極53、バネ80、アース板金70、板金部材17、および板金カバー16に順に接続されることにより接地されている。
【符号の説明】
【0110】
1 画像形成装置
2 装置本体
15 電源基板
16 板金カバー
17 板金部材
24 第1本体フレーム
26 支持フレーム
50 プロセスカートリッジ
51 感光ドラム
52 軸受部
53 電極
53a 接触面
70 アース板金
70A 中部
70B 前部
70C 後部
71 本体部
72 屈曲部
80 バネ
82 第1接触部
83 第2接触部
90 規制部材
91 本体部
91A 支持部
91B 規制部
92 当接部
92a 第1当接片
92b 第2当接片
267 ボス
268 バネ止め部
268a 下面
269 係止部
271 回転止め部
271a 第1当接面
271b 第2当接面
X 軸線