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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241126BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G06F3/12 375
G06F3/12 304
H04N1/00 127B
H04N1/00 912
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021000249
(22)【出願日】2021-01-04
(65)【公開番号】P2022105440
(43)【公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛恭
【審査官】征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-174229(JP,A)
【文献】特開2019-159421(JP,A)
【文献】特開2018-206201(JP,A)
【文献】特開2017-117195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/12
B41J29/00-29/70
H04N1/00
G06Q10/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信インタフェースと、メモリと、を備え、前記通信インタフェースを介して1台以上の画像処理装置と接続された情報処理装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記コンピュータが参照可能な所定の格納領域に、画像処理装置に対する各種設定及び各種処理を規定したワークフロー情報が1つ以上格納されているときに、前記格納された1つ以上のワークフロー情報の中に所定の条件を満たすワークフロー情報がある場合、前記所定の格納領域から前記所定の条件を満たすワークフロー情報を読み出して、前記メモリのワークフロー情報記憶領域にインポートするインポート処理
を実行させ
前記メモリのワークフロー情報記憶領域には、前記インポート処理によりインポートされるワークフロー情報と、前記情報処理装置内で作成されるワークフロー情報とが記憶され、
前記インポートされるワークフロー情報については編集が禁止され、前記作成されるワークフロー情報については編集が許可される、
プログラム。
【請求項2】
前記所定の格納領域に格納されるワークフロー情報は、所定の権限を有する者により作成される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータにさらに、
前記1台以上の画像処理装置からいずれかの画像処理装置を選択する選択処理
を実行させ、
前記ワークフロー情報は、前記各種設定及び各種処理の対象となる画像処理装置を特定する装置特定情報と対応付けられ、
前記所定の条件を満たすワークフロー情報は、前記選択処理により選択された画像処理装置と同じ装置特定情報が対応付けられたワークフロー情報である、
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記装置特定情報は、画像処理装置のモデル名である、
請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記選択処理により別の画像処理装置が選択された場合、前記インポート処理では、前記選択された別の画像処理装置と同じ装置特定情報が対応付けられたワークフロー情報をインポートする、
請求項3又は4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記コンピュータにさらに、
前記インポート処理によりインポートされるワークフロー情報と同じワークフロー情報が前記メモリのワークフロー情報記憶領域に既に記憶されているか否かを判断する第1判断処理
を実行させ、
前記インポート処理では、前記第1判断処理により前記インポート処理によりインポートされるワークフロー情報と同じワークフロー情報が未だ前記メモリのワークフロー情報記憶領域に記憶されていないと判断された場合に、前記読み出したワークフロー情報をインポートする、
請求項1~5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータにさらに、
前記第1判断処理により前記インポート処理によりインポートされるワークフロー情報と同じワークフロー情報が既に前記メモリのワークフロー情報記憶領域に記憶されていると判断された場合、前記インポートされるワークフロー情報の内容と、前記既に記憶されているワークフロー情報の内容との間に相違があるか否かを判断する第2判断処理
を実行させ、
前記インポート処理では、前記第2判断処理により相違があると判断された場合に、前記読み出したワークフロー情報をインポートする、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータにさらに、
前記インポート処理によりインポートされたワークフロー情報を前記所定の格納領域から削除する削除処理
を実行させる請求項1~7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記削除処理は、前記所定の格納領域が複数人で共用されていない場合に実行される、請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記情報処理装置はさらに、ディスプレイを備え、
前記コンピュータにさらに、
前記メモリのワークフロー情報記憶領域に記憶されたワークフロー情報を示す表示を前記ディスプレイ上に行う表示処理
を実行させ、
前記表示処理では、前記インポートされたワークフロー情報の表示態様を前記作成されたワークフロー情報の表示態様と異ならせて表示する、
請求項1~9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
通信インタフェースと、
メモリと、
制御装置と、
を備え、前記通信インタフェースを介して1台以上の画像処理装置と接続された情報処理装置であって、
前記制御装置は、
前記制御装置が参照可能な所定の格納領域に、画像処理装置に対する各種設定及び各種処理を規定したワークフロー情報が1つ以上格納されているときに、前記格納された1つ以上のワークフロー情報の中に所定の条件を満たすワークフロー情報がある場合、前記所定の格納領域から前記所定の条件を満たすワークフロー情報を読み出して、前記メモリのワークフロー情報記憶領域にインポートするインポート処理を実行し
前記メモリのワークフロー情報記憶領域には、前記インポート処理によりインポートされるワークフロー情報と、前記情報処理装置内で作成されるワークフロー情報とが記憶され、
前記インポートされるワークフロー情報については編集が禁止され、前記作成されるワークフロー情報については編集が許可される、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ワークフロー情報をインポートする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、デバイスに関連付けてワークフロー情報を記憶しておき、デバイスが選択されると、選択されたデバイスに関連付けられたワークフロー情報を表示するようにした制御プログラムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-117195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の制御プログラムでは、ワークフロー情報は、そのワークフロー情報を記憶し、実行する情報処理装置内で作成されたものであり、その情報処理装置外で作成されたワークフロー情報をその情報処理装置内にインポートして使用することは考慮されていない。
【0005】
本願は、情報処理装置外で作成されたワークフロー情報を情報処理装置内にインポートして使用することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本願のプログラムは、通信インタフェースと、メモリと、を備え、通信インタフェースを介して1台以上の画像処理装置と接続された情報処理装置のコンピュータが実行可能なプログラムであって、コンピュータに、コンピュータが参照可能な所定の格納領域に、画像処理装置に対する各種設定及び各種処理を規定したワークフロー情報が1つ以上格納されているときに、格納された1つ以上のワークフロー情報の中に所定の条件を満たすワークフロー情報がある場合、所定の格納領域から所定の条件を満たすワークフロー情報を読み出して、メモリのワークフロー情報記憶領域にインポートするインポート処理を実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本願によれば、情報処理装置外で作成されたワークフロー情報を情報処理装置内にインポートして使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願の一実施の形態に係る画像処理システムの制御構成を示すブロック図である。
図2】ワークフローのエクスポート処理の手順を示すフローチャートである。
図3】ワークフローのエクスポート処理における画面表示の一例を示す図である。
図4】ワークフローのインポート処理の手順を示すフローチャートである。
図5図4のワークフローのインポート処理の続きの手順を示すフローチャートである。
図6】ワークフローのインポート処理の実行後の画面表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は、本願の一実施の形態に係る画像処理システム1の制御構成を示している。画像処理システム1は、PC100(「情報処理装置」の一例)、MFP200、PC220及びサーバ250を備えている。なお、MFPは、multifunction peripheral の略語である。
【0011】
MFP200は、少なくともプリント機能及びスキャン機能を備えた複合機であり、モデルによってはFAX機能も備えている。
【0012】
PC100は、ユーザIF110、ディスプレイ120、CPU140(「コンピュータ」の一例)、メモリ150及び通信IF160を備えている。そして、ユーザIF110、ディスプレイ120、CPU140、メモリ150及び通信IF160は、バス170を介して相互に接続されている。なお、IFは、interfaceの略語である。
【0013】
ユーザIF110は、典型的には、キーボードとマウスにより構成される。
【0014】
ディスプレイ120は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、表示装置を駆動する駆動回路などにより構成されている。ディスプレイ120として、タッチパネル方式のものを用いた場合には、ユーザは、画面上の入力ボタンをタッチ操作することで、入力操作をすることができる。したがって、この場合には、ディスプレイ120は、ユーザIF110としての役割も果たすことになる。
【0015】
CPU140は、情報処理プログラム(「プログラム」の一例)を含む各種アプリケーションプログラム(以下「アプリ」と略す)やファームウェア等を実行する。
【0016】
メモリ150は、ROM、RAM、HDD、SSD及び光ディスクドライブなどを含んでいる。メモリ150のデータ記憶領域150aは、CPU140が情報処理プログラムなどを実行する際に必要なデータなどを記憶する領域である。また、メモリ150の制御プログラム領域150bは、OS、情報処理プログラム、その他各種のアプリやファームウェアなどを記憶する領域である。
【0017】
メモリ150は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non-transitoryな媒体である。non-transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD-ROM、DVD-ROM等の記録媒体も含まれる。また、non-transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non-transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
【0018】
なお、本明細書では、基本的に、プログラムに記述された命令に従ったCPU140の処理を示す。すなわち、以下の説明における「判断」「抽出」「選択」「算出」「決定」「特定」「取得」「受付」「制御」「設定」等の処理は、CPU140の処理を表している。CPU140による処理は、OSを介したハードウェア制御も含む。なお、「取得」は要求を必須とはしない概念で用いる。すなわち、CPU140が要求することなくデータを受信するという処理も、「CPU140がデータを取得する」という概念に含まれる。また、本明細書中の「データ」とは、コンピュータに読取可能なビット列で表される。そして、実質的な意味内容が同じでフォーマットが異なるデータは、同一のデータとして扱われるものとする。本明細書中の「情報」についても同様である。また、「命令」「応答」「要求」等の処理は、「命令」「応答」「要求」等を示す情報を通信することにより行われる。また、「命令」「応答」「要求」等の文言を、「命令」「応答」「要求」等を示す情報そのものという意味で記載してもよい。
【0019】
情報処理プログラムを含む各種アプリは、通信IF160を介してサーバ250からダウンロードすることができる。
【0020】
通信IF160は、PC100を通信ネットワーク300に接続するものである。通信ネットワーク300には、本実施形態では、MFP200、PC220及びサーバ250が接続されている。したがって、通信IF160は、通信ネットワーク300を介してMFP200、PC220及びサーバ250と通信することが可能である。なお、通信ネットワーク300は、様々な形式のネットワークであってよい。例えば、有線又は無線LAN、WAN、USB、Bluetooth(登録商標)、NFCのネットワークなどでよい。
【0021】
サーバ250は、上述のように情報処理プログラムを含む各種アプリを供給する機能に加えて、本実施形態では、ワークフローファイル(「ワークフロー情報」の一例)を記憶し、PC100からの要求に応じて供給する機能も備えている。ワークフローは、本実施形態では、MFP200を含む各種画像処理装置に対する各種設定及び各種処理を規定した情報であり、極簡単なユーザ操作、例えば、後述するWFaアイコン132cあるいはWFDアイコン132d(図6参照)のクリック操作だけで、規定した各種設定及び各種処理を適用対象の画像処理装置にまとめて実行できるようにした情報である。ワークフローは、本実施形態では、適用対象の画像処理装置を特定し、その特定した画像処理装置に対して各種設定及び各種処理を実行させるものを想定しているので、1つのワークフローは、適用対象の画像処理装置と関連付けられている。関連付ける方法としては、どのような方法を採用してもよいが、例えば、適用対象の画像処理装置をそのモデル名で特定するモデル名特定情報(「装置特定情報」の一例)をワークフロー内に含ませたり、ワークフローに付随させたりする方法が考えられる。本実施形態では、モデル名特定情報をワークフロー内に含ませることにより、1つのワークフローと、適用対象の画像処理装置とを関連付ける方法を採用することにする。
【0022】
また、ワークフローファイルは、サーバ250内の記憶装置上の特定領域、例えばワークフロー保存フォルダ(「所定の格納領域」の一例であり、以下「サーバ250側ワークフロー保存フォルダ」という)に格納される。したがって、PC100は、ワークフローファイルをサーバ250からダウンロードするときには、サーバ250側ワークフロー保存フォルダに格納されているワークフローファイルをダウンロードする。なお、ワークフローは、従来通り、PC100内でユーザ自身が作成・編集することができるが、サーバ250内に格納されるワークフローファイルは、所定の権限、例えば管理者権限を有する操作者(以下「管理者」という)のみが作成・編集することができ、管理者権限を有していないPC100のユーザは作成・編集することができない。また、PC100内でユーザ自身が作成・編集したワークフローは、PC100のユーザがPC100内で自由に編集できるが、サーバ250からPC100内にダウンロードしたワークフローファイルは、ダウンロード後も、PC100のユーザはPC100内で自由に編集できない。しかし、これに限らず、ダウンロード後は、PC100のユーザはPC100内で自由に編集できるようにしてもよい。
【0023】
さらにサーバ250は、外部ファイルを記憶し、PC100からの要求に応じて供給する機能も備えている。情報処理プログラムは、本実施形態では、MFP200を含む各種画像処理装置に対して各種制御を行うプログラムであり、外部ファイルは、本実施形態では、情報処理プログラムがMFP200に対して各種制御を行う際に使用する各種設定項目の各デフォルト値を記載したものである。外部ファイルは、サーバ250内に格納されるワークフローファイルと同様に、管理者のみが作成・編集でき、サーバ250内の記憶装置上の所定のフォルダに置かれ、さらに所定のファイル名が付けられている。
【0024】
なお、「ワークフローファイル」は、「ワークフロー」という情報をその内部に含むファイルを意味するが、本明細書中、「ワークフローファイル」と「ワークフロー」とを厳密に使い分けることが難しい場合があるので、その場合には、「ワークフローファイル」を「ワークフロー」と記載したり、その逆に記載したりすることがある。
【0025】
PC220は、管理者が使用するPCである。したがって、PC220内で作成されたワークフローファイルは、サーバ250側ワークフロー保存フォルダにアップロードすることができる。PC220の制御構成は、PC100の制御構成と同じであるが、図1には説明の都合上、ディスプレイ222、CPU224及びメモリ225のみが図示されている。
【0026】
図2は、PC220、特にCPU224が実行するワークフローのエクスポート処理の手順を示している。ワークフローのエクスポート処理は、PC220の操作者が、例えばディスプレイ222上で、アプリケーション設定の実行を指示する操作を行ったときに開始される。ここで、「ワークフローのエクスポート」とは、PC220内で作成されたワークフローファイルをサーバ250のサーバ250側ワークフロー保存フォルダにアップロードすることである。なお、以降、各処理の手順の説明において、ステップを「S」と表記する。
【0027】
図2において、まずCPU224は、操作者が管理者であるか否かを判断する(S100)。この判断において、操作者が管理者でない場合(S100:NO)、CPU224は、ワークフローのエクスポート処理を終了する。一方、操作者が管理者である場合(S100:YES)、CPU224は、ディスプレイ222上にワークフロー管理画面を表示する(S102)。
【0028】
図3(a)は、ディスプレイ222上に表示されたワークフロー管理画面222aを示している。なお、ワークフロー管理画面222aは、図3(a)に示すように「ワークフロー管理」タブ222a5が選択されたときの画面であるので、処理が上記S102に進む前には、管理者は「ワークフロー管理」タブ222a5を選択する操作を行っている。ワークフロー管理画面222aには、PC220内で作成された複数のワークフローが、アイコン、ワークフロー名及び製品名(モデル名)等とともに表示されている。エクスポート対象のワークフローの指示は、アイコンの左隣に表示されているチェックボックスにレ点を付けることにより行う。図示例では、ワークフロー名が“WFD”であるワークフロー(以下「ワークフローWFD」という)のチェックボックス222a1にレ点が付けられているので、ワークフローWFDがエクスポート対象になっている。そして、エクスポートボタン222a2が操作されると、ワークフロー管理画面222aは、図3(b)に示すワークフローのエクスポート画面222bに遷移する。
【0029】
図2に戻り、CPU224は、ユーザ操作、つまりチェックボックスへレ点を付ける操作に応じてエクスポート対象のワークフローを選択する(S104)。そして、CPU224は、エクスポートボタン222a2が操作されるまで(S106:NO)、S104の選択処理を続け、エクスポートボタン222a2が操作されると(S106:YES)、CPU224は、処理をS108に進める。このとき、図3(b)のワークフローのエクスポート画面222bがディスプレイ222上に表示される。
【0030】
ワークフローのエクスポート画面222bには、図3(b)に示すように「フォルダを選択」ボタン222b1とエクスポートボタン222b2が表示されている。「フォルダを選択」ボタン222b1は、ワークフロー管理画面222aで選択されたワークフローのファイルをエクスポートするフォルダを選択するためのボタンである。「フォルダを選択」ボタン222b1が操作されると、例えば、フォルダを選択するためのフォルダ選択画面(図示せず)がポップアップ表示され、管理者は、フォルダ選択画面からワークフローファイルをエクスポートするフォルダを選択することができる。本実施形態では、ワークフローファイルをエクスポートするフォルダは、上述のようにサーバ250のサーバ250側ワークフロー保存フォルダであるので、管理者は、サーバ250側ワークフロー保存フォルダを選択する。サーバ250側ワークフロー保存フォルダのフォルダパスとして、本実施形態では“E:\Workflow\userA”を採用しているので、ワークフローのエクスポート画面222bでは、保存場所としてそのパスが表示されている。一方、エクスポートボタン222b2は、選択されたワークフローのファイルを、選択されたフォルダにエクスポートを指示するためのボタンである。
【0031】
図2に戻り、CPU224は、ワークフローのエクスポート画面222b上でのユーザ操作、つまり「フォルダを選択」ボタン222b1のクリック操作と、これに応じてポップアップ表示されたフォルダ選択画面における入力操作に応じて、出力先、つまりエクスポート先を指定する(S108)。そして、CPU224は、エクスポートボタン222b2が操作されるまで(S110:NO)、S108の指定処理を続け、エクスポートボタン222b2が操作されると(S110:YES)、CPU224は、処理をS112に進める。
【0032】
S112では、CPU224は、エクスポートが成功したか否かを判断する。この判断において、エクスポートが成功した場合(S112:YES)、CPU224は、上記S108で指定した出力先に、S104で選択したワークフローのファイルをエクスポートした(S114)後、ワークフローのエクスポート処理を終了する。一方、エクスポートが失敗した場合(S112:NO)、CPU224は、ディスプレイ222上に、エクスポートが失敗したことを知らせるメッセージを含むエラー表示を行った(S116)後、処理を上記S102に戻し、S102からの処理を再度実行させる。
【0033】
このようにワークフローのエクスポート処理によれば、PC220内で作成されたワークフローのうち、選択されたワークフローのファイルをサーバ250側ワークフロー保存フォルダにエクスポートすることができる。
【0034】
図4及び図5は、PC100、特にCPU140が実行するワークフローのインポート処理の手順を示している。ワークフローのインポート処理は、情報処理プログラムに含まれ、情報処理プログラムが起動されると、CPU140は、所定のタイミングでサーバ250にアクセスし、サーバ250から上記外部ファイルをダウンロードする。外部ファイルには、インポートすべきワークフローがある場合、サーバ250側ワークフロー保存フォルダのフォルダパスが記載されている。このため、CPU140は、ダウンロードした外部ファイルにサーバ250側ワークフロー保存フォルダのフォルダパスが記載されている場合、ワークフローのインポート処理を起動する。所定のタイミングは、具体的には、情報処理プログラムを起動後直ぐや、情報処理プログラムの実行中に初期画面(以下「ホーム画面」という)を表示しようとするときなどを挙げることができる。
【0035】
図4において、まずCPU140は、デバイスが選択されているか否かを判断する(S10)。この判断において、デバイスが選択されていない場合(S10:NO)、CPU140は、ユーザにデバイス選択を促し、これに応じてユーザが選択指示したデバイスを選択した(S12)後、処理をS14に進める。一方、デバイスが選択されている場合(S10:YES)、CPU140は、S12をスキップして、処理をS14に進める。
【0036】
図6は、CPU140が情報処理プログラムを実行することにより、ディスプレイ120上に表示したホーム画面130の一例を示している。但し、ホーム画面130は、ワークフローのインポート処理により上記ワークフローWFDがインポートされた後の状態を示している。したがって、ワークフローのインポート処理が初めて開始されたときには、上記ワークフローWFDはまだインポートされていないので、ホーム画面には、ワークフローWFDの実行を指示するWFDアイコン132dは表示されない。一方、WFaアイコン132cは、このときにもホーム画面に表示されている。WFaアイコン132cは、“WFa”という名称のワークフロー(以下「ワークフローWFa」という)の実行を指示するためのアイコンであり、ワークフローWFaは、上述のようにPC100内でユーザ自身が作成したワークフローであるからである。
【0037】
ホーム画面130は、図6に示すように、制御対象のデバイスを選択し表示する選択デバイス表示領域131を備えている。選択デバイス表示領域131には、制御対象として既に選択されたMFP200がアイコン131aにより表示されている。MFP200は、モデル名「MFP-A」のMFPであり、IPアドレスとして「11.22.33.44」が付与されている。「製品を選択」ボタン131bは、制御対象のデバイスが選択されていないとき、あるいは選択中のデバイスを他のデバイスに変更するときに操作するためのボタンである。「製品を選択」ボタン131bが操作されると、通信ネットワーク300に接続されている画像処理装置が一覧表示されるので、その中からいずれかの画像処理装置を選択して制御対象のデバイスとすることができる。
【0038】
また、ホーム画面130は、機能一覧領域132を備えている。機能一覧領域132は、選択デバイス表示領域131に表示されたデバイスの機能を一覧表示する領域である。モデル名「MFP-A」のデバイスは、プリント機能及びスキャン機能を備えた複合機であるので、機能一覧領域132には、プリント機能を示すプリントアイコン132aと、スキャン機能を示すスキャンアイコン132bとが表示されている。さらに機能一覧領域132には、上記WFaアイコン132cと上記WFDアイコン132dも表示されている。しかし、WFDアイコン132dは、上述のように、ワークフローのインポート処理が初めて開始され、処理がS14に進んだ時点では、機能一覧領域132に表示されていない。なお、機能一覧領域132には、アイコン132a~132d以外に「ワークフローを作成」ボタン132fも表示されている。「ワークフローを作成」ボタン132fは、上記ワークフローWFaのように、PC100内でユーザ自身がワークフローを作成するときに操作するボタンである。「ワークフローを作成」ボタン132fが操作されると、CPU140は、ディスプレイ120上にワークフロー作成画面(図示せず)を表示する。そして、ユーザがワークフロー作成画面上でワークフローを作成し、その保存を指示すると、CPU140は、作成されたワークフローのファイルをメモリ150上の所定領域、例えばワークフロー保存フォルダ(「ワークフロー情報記憶領域」の一例であり、以下「PC100側ワークフロー保存フォルダ」という)に記憶させる。
【0039】
図4に戻り、S14では、CPU140は、サーバ250の特定フォルダ、つまり、上記サーバ250側ワークフロー保存フォルダに記憶されているワークフローファイルをメモリ150の一時記憶領域にダウンロードする。処理がS14に進んだときは、外部ファイルには上記サーバ250側ワークフロー保存フォルダのフォルダパスが記載されているので、S14では、CPU140は、そのフォルダパスが示すフォルダに存在するワークフローファイルをメモリ150の一時記憶領域にダウンロードする。
【0040】
次にCPU140は、メモリ150の一時記憶領域にダウンロードされたワークフローファイルに含まれる上記モデル名特定情報が示すモデル名と、現在選択中のデバイスのモデル名とが同一か否かを判断する(S16)。この判断において、モデル名特定情報が示すモデル名と、現在選択中のデバイスのモデル名とが異なっている場合(S16:NO)、CPU140は、処理をS36(図5)に進める。一方、モデル名特定情報が示すモデル名と、現在選択中のデバイスのモデル名とが同一の場合(S16:YES)、CPU140は、処理をS18に進める。なお、ダウンロードされたワークフローファイルが複数ある場合には、CPU140は、各ワークフローファイルに含まれるモデル名特定情報が示すモデル名の中に、現在選択中のデバイスのモデル名と同一のものがあるか否かを判断し、同一のものがなければ、ワークフローのインポート処理を終了する一方、同一のものがあれば、処理をS18に進める。また、同一のものが複数ある場合もあるが、この場合には、CPU140は、複数のワークフローファイルのそれぞれについて、S18以降の処理を実行すればよい。
【0041】
S18では、CPU140は、ダウンロードされたワークフローファイルをインポートする準備、つまり、メモリ150上の所定領域、例えば上記PC100側ワークフロー保存フォルダに記憶させる準備を行う。そして、CPU140は、PC100側ワークフロー保存フォルダ内に、インポートを準備しているワークフローファイルと同じモデル名特定情報を有するワークフローファイルが既にインポートされているか否かを判断する(S20)。この判断において、まだインポートされていない場合(S20:NO)、CPU140は、インポートを準備しているワークフローファイルのインポートを実行した後、処理をS28(図5)に進める。図6は、上述のようにワークフローのインポート処理の実行後のホーム画面130を示している。ホーム画面130の機能一覧領域132には、インポートされたワークフローWFDの実行を指示するためのWFDアイコン132dが表示されている。そして、WFDアイコン132dは、インポートされたワークフローのためのアイコンであることが分かるように、PC100内で作成されたワークフローのためのWFaアイコン132cとは異なる表示態様で表示されている。
【0042】
一方、S20の判断において、既にインポートされている場合(S20:YES)、CPU140は、既にインポートされているワークフローファイルとインポートを準備しているワークフローファイルとの間に差分があるか否かを判断する(S24)。この判断において、差分がないと判断された場合(S24:NO)、CPU140は、処理をS36(図5)に進める。一方、差分があると判断された場合(S24:YES)、CPU140は、既にインポートされているワークフローファイルを、インポートを準備しているワークフローファイルにより更新した(S26)後、処理をS28に進める。
【0043】
S28では、CPU140は、ワークフローファイルのインポート/更新に成功したか否かを判断する。この判断において、ワークフローファイルのインポート/更新に失敗した場合(S28:NO)、CPU140は、ディスプレイ120上に、ワークフローファイルのインポート/更新に失敗したことを知らせるメッセージを含むエラー表示を行った(S30)後、処理をS32に進める。一方、ワークフローファイルのインポート/更新に成功した場合(S28:YES)、CPU140は、S30をスキップして、処理をS32に進める。
【0044】
S32では、CPU140は、特定フォルダ、つまりサーバ250側ワークフロー保存フォルダはローカルフォルダであるか否かを判断する。ローカルフォルダとは、複数人で共有するフォルダではなく、特定の一人のみが使用するフォルダであることをいう。S32の判断において、サーバ250側ワークフロー保存フォルダがローカルフォルダである場合(S32:YES)、CPU140は、サーバ250側ワークフロー保存フォルダ内のワークフローファイル、つまりインポートしたワークフローファイルを削除した(S34)後、処理をS36に進める。このようにサーバ250側ワークフロー保存フォルダ内のインポートしたワークフローファイルを削除するようにしたのは、サーバ250側ワークフロー保存フォルダがローカルフォルダである場合、インポートしたワークフローファイルは、インポート後に他のユーザによってインポートされることがないからである。
【0045】
一方、S32の判断において、サーバ250側ワークフロー保存フォルダがローカルフォルダでない場合(S32:NO)、CPU140は、S34をスキップして、処理をS36に進める。このようにサーバ250側ワークフロー保存フォルダ内のインポートしたワークフローファイルを削除しないようにしたのは、サーバ250側ワークフロー保存フォルダがローカルフォルダでない場合、インポートしたワークフローファイルは、インポート後に他のユーザによってインポートされることがあるからである。
【0046】
S36では、CPU140は、別のデバイスが選択されたか否かを判断する。この判断において、別のデバイスが選択された場合(S36:YES)、CPU140は、処理を上記S14に戻す。一方、別のデバイスが選択されなかった場合(S36:NO)、CPU140は、ワークフローのインポート処理を終了する。
【0047】
このようにワークフローのインポート処理によれば、PC100外で作成されたワークフローWFDのファイルをPC100にインポートして使用することができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0049】
(1)上記実施形態では、PC100に接続される画像処理装置は、1台のMFP200のみとしたが、これに限らず、複数台のMFPが接続され、その中からいずれかを選択可能に構成してもよい。この場合、MFPだけでなく、単体のプリンタやスキャナも接続され、選択対象としてもよい。
【0050】
(2)上記実施形態では、PC100へのインポート対象のワークフローファイルは、サーバ250内の記憶装置上に置かれるとしたが、これに限らず、PC100のメモリ150上に置かれるとしてもよい。この場合、管理者がPC220内で作成したワークフローのファイルを直接、PC100のメモリ150上に格納するようにすればよい。
【0051】
(3)上記実施形態では、外部ファイルは、サーバ250内の記憶装置上に置かれるとしたが、これに限らず、PC100のメモリ150上に置かれるとしてもよい。この場合、外部ファイルは、情報処理プログラムがPC100にインストールされるときに、一緒にメモリ150上の所定領域に記憶されるようにすればよい。その他に、外部ファイルを記憶したUSBメモリ等が渡されたPC100のユーザが、自身で外部ファイルを読み出して、メモリ150上の所定領域に記憶させる方法も考えられる。
【0052】
(4)上記実施形態では、インポートされたワークフローであることと、PC100内で作成されたワークフローであることとがユーザに分かるように、アイコンの表示態様を異ならせるようにしたが、これに限らず、アイコン自体の表示態様を変えずに、アイコンの下に表示されているアイコン名称の表示態様を異ならせるようにしてもよい。また、アイコンの表示態様を異ならせることに加え、アイコン名称の表示態様も異ならせるようにしてもよい。さらに、表示態様を異ならせる方法も、表示色、模様、形状、フォントなど、どのような態様を異ならせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…画像処理システム、100,220…PC、110…ユーザIF、120,222…ディスプレイ、140,224…CPU、150,225…メモリ、160…通信IF、170…バス、200…スキャナ、250…サーバ、300…通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6