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特許7593119位置ずれ検知装置、記録媒体供給装置、画像形成装置および位置ずれ検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】位置ずれ検知装置、記録媒体供給装置、画像形成装置および位置ずれ検知方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/04 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
B65H1/04 324
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021003520
(22)【出願日】2021-01-13
(65)【公開番号】P2022108495
(43)【公開日】2022-07-26
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大生
【審査官】山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-225533(JP,A)
【文献】特開2004-269233(JP,A)
【文献】特開2019-094186(JP,A)
【文献】特開2018-138485(JP,A)
【文献】特開平06-127058(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体を積載可能な積載部に積載される前記記録媒体の上方および下方の一方から他方に向けて、光を照射する照射部と、
前記記録媒体により前記光が遮断された場合、前記記録媒体の積載位置の位置ずれを検知する位置ずれ検知部と、
前記記録媒体の前記他方において、前記一方から照射された前記光を検知する光検知部と、
前記光検知部の検知結果に基づいて、前記記録媒体により前記光が遮断されたか否かを判定する遮断判定部と、を備え、
前記遮断判定部は、前記光検知部による前記光の検知量が所定量以上である場合、前記光が遮断されていないと判定すると共に、前記光検知部による前記光の検知量が前記所定量未満である場合、前記光が遮断されたと判定し、
前記所定量は、前記記録媒体に画像を形成する印刷ジョブに応じて設定される、
位置ずれ検知装置。
【請求項2】
前記照射部は、前記積載部に積載される前記記録媒体の上方から下方に向けて、前記光を照射する、
請求項1に記載の位置ずれ検知装置。
【請求項3】
前記光は、レーザー光である、
請求項1または2に記載の位置ずれ検知装置。
【請求項4】
前記光は、可視光である、
請求項1~3の何れか1項に記載の位置ずれ検知装置。
【請求項5】
前記照射部は、前記記録媒体の四隅の周囲に向けて前記光を照射する、
請求項1~4の何れか1項に記載の位置ずれ検知装置。
【請求項6】
前記照射部は、前記記録媒体の四隅の周囲に向けて前記光が照射されるように、前記記録媒体の大きさに応じて配置される、
請求項5に記載の位置ずれ検知装置。
【請求項7】
前記所定量は、前記記録媒体の種類に応じて設定される、
請求項に記載の位置ずれ検知装置。
【請求項8】
録媒体を積載可能な積載部に積載される前記記録媒体の上方および下方の一方から他方に向けて、光を照射する照射部と、
前記記録媒体により前記光が遮断された場合、前記記録媒体の積載位置の位置ずれを検知する位置ずれ検知部と、
前記記録媒体の積載位置の位置ずれが検知された場合、警告を報知する制御を行う報知制御部と、を備え
前記報知制御部は、前記記録媒体により前記光が遮断された位置を前記位置ずれの発生位置として報知させる、
位置ずれ検知装置。
【請求項9】
前記報知制御部は、音声で前記警告を報知させる、
請求項に記載の位置ずれ検知装置。
【請求項10】
請求項1~の何れか1項に記載の位置ずれ検知装置を備える記録媒体供給装置。
【請求項11】
請求項10に記載の記録媒体供給装置を備える画像形成装置。
【請求項12】
記録媒体を積載可能な積載部に積載される前記記録媒体の上方および下方の一方から他方に向けて、光を照射し、
前記記録媒体により前記光が遮断された場合、前記記録媒体の積載位置の位置ずれを検知し、
前記記録媒体の前記他方において、前記一方から照射された前記光を検知し、
前記光の検知量が、前記記録媒体に画像を形成する印刷ジョブに応じて設定される所定量以上である場合、前記記録媒体により前記光が遮断されていないと判定すると共に、前記光の検知量が前記所定量未満である場合、前記記録媒体により前記光が遮断されたと判定する、
位置ずれ検知方法。
【請求項13】
録媒体を積載可能な積載部に積載される前記記録媒体の上方および下方の一方から他方に向けて、光を照射し、
前記記録媒体により前記光が遮断された場合、前記記録媒体の積載位置の位置ずれを検知し、
前記記録媒体の積載位置の位置ずれが検知された場合、警告を報知すると共に、前記記録媒体により前記光が遮断された位置を前記位置ずれの発生位置として報知させる、
位置ずれ検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置ずれ検知装置、記録媒体供給装置、画像形成装置および位置ずれ検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真プロセス技術を利用した画像形成装置(プリンター、複写機、ファクシミリ等)は、帯電した感光体に対して、画像データに基づくレーザー光を照射(露光)することにより静電潜像を形成する。そして、静電潜像が形成された感光体(像担持体)へ現像装置よりトナーを供給することにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。さらに、このトナー像を直接または間接的に記録媒体(例えば、用紙)に転写させた後、定着装置において加熱、加圧して定着させることにより用紙に画像を形成する。
【0003】
画像形成装置において、給紙部を構成する複数の給紙ユニットには、坪量やサイズ等に基づいて識別された記録媒体が予め設定された種類毎に積載される。給紙ユニットに積載されている記録媒体は、最上部から一枚ずつ送出され、レジストローラー等の複数の搬送ローラーを備えた搬送機構により画像形成部に搬送される。
【0004】
ところで、ユーザーが記録媒体を給紙ユニットにセット(積載)する際、例えば記録媒体が斜行して積載される、具体的には、記録媒体の側端や角が記録媒体束から突出した不揃いな状態で積載される場合がある。この場合、記録媒体束の一部について不揃いな状態が維持されたまま記録媒体の給紙動作が開始されると、記録媒体の斜め送り(スキュー)やジャム(詰まり)等の給紙不良が発生してしまうという問題がある。
【0005】
上記問題に対して、シート束(記録媒体束)の側面が不揃いのままセットされた場合、不揃い状態を検知してユーザーに報知することにより、シートの斜め送り(スキュー)やジャム等のシート給送不良を未然に防止する技術(例えば、特許文献1を参照)が提案されている。
【0006】
特許文献1に記載の技術では、シート積載装置は、シートを収容する給紙カセットと、給紙カセットに収容積載されたシート束の各側面に対向して当接可能な規制面を備え、シート幅方向に移動可能な一対のサイドフェンスとを有する。そして、シート積載装置は、各サイドフェンスにおけるシート束の積載高さ方向に並んで2つずつ設けられ、規制面がシート束の各側面に当接しているか否かを検知する検知手段(4つの変位部材に対応した4つのフォトセンサ等)と、4つのフォトセンサの検知結果の組み合わせに基づいて、シート束のセット状態を報知する報知手段としての表示部とをさらに備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-180184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、上記特許文献1に記載の技術では、規制面がシート束の各側面に当接しているか否かを検知する4つの検知手段の検知結果に基づいて、シート束の不揃い状態を検知している。しかしながら、積載されたシート束の不揃い量が小さい場合、例えばシート束のうち数枚のシートが不揃い状態である場合には、シート束の一部について不揃い状態が発生しているにも関わらず、規制面がシート束の各側面に当接している(つまり、シート束は不揃い状態でない)と誤検知される場合があるという問題があった。この場合、数枚のシートについて不揃いな状態が維持されたまま給紙動作が開始されることとなり、シートの斜め送り(スキュー)やジャム等のシート給送不良を未然に防止することはできない。
【0009】
本発明の目的は、記録媒体の給紙不良の発生を確実に防止することが可能な位置ずれ検知装置、記録媒体供給装置、画像形成装置および位置ずれ検知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る位置ずれ検知装置は、
記録媒体を積載可能な積載部に積載される前記記録媒体の上方および下方の一方から他方に向けて、光を照射する照射部と、
前記記録媒体により前記光が遮断された場合、前記記録媒体の積載位置の位置ずれを検知する位置ずれ検知部と、
前記記録媒体の前記他方において、前記一方から照射された前記光を検知する光検知部と、
前記光検知部の検知結果に基づいて、前記記録媒体により前記光が遮断されたか否かを判定する遮断判定部と、を備え、
前記遮断判定部は、前記光検知部による前記光の検知量が所定量以上である場合、前記光が遮断されていないと判定すると共に、前記光検知部による前記光の検知量が前記所定量未満である場合、前記光が遮断されたと判定し、
前記所定量は、前記記録媒体に画像を形成する印刷ジョブに応じて設定される。
本発明に係る他の位置ずれ検知装置は、
記録媒体を積載可能な積載部に積載される前記記録媒体の上方および下方の一方から他方に向けて、光を照射する照射部と、
前記記録媒体により前記光が遮断された場合、前記記録媒体の積載位置の位置ずれを検知する位置ずれ検知部と、
前記記録媒体の積載位置の位置ずれが検知された場合、警告を報知する制御を行う報知制御部と、を備え、
前記報知制御部は、前記記録媒体により前記光が遮断された位置を前記位置ずれの発生位置として報知させる。
【0011】
本発明に係る記録媒体供給装置は、上記の位置ずれ検知装置を備える。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、上記の記録媒体供給装置を備える。
【0013】
本発明に係る位置ずれ検知方法は、
記録媒体を積載可能な積載部に積載される前記記録媒体の上方および下方の一方から他方に向けて、光を照射し、
前記記録媒体により前記光が遮断された場合、前記記録媒体の積載位置の位置ずれを検知し、
前記記録媒体の前記他方において、前記一方から照射された前記光を検知し、
前記光の検知量が、前記記録媒体に画像を形成する印刷ジョブに応じて設定される所定量以上である場合、前記記録媒体により前記光が遮断されていないと判定すると共に、前記光の検知量が前記所定量未満である場合、前記記録媒体により前記光が遮断されたと判定する。
本発明に係る他の位置ずれ検知方法は、
記録媒体を積載可能な積載部に積載される前記記録媒体の上方および下方の一方から他方に向けて、光を照射し、
前記記録媒体により前記光が遮断された場合、前記記録媒体の積載位置の位置ずれを検知し、
前記記録媒体の積載位置の位置ずれが検知された場合、警告を報知すると共に、前記記録媒体により前記光が遮断された位置を前記位置ずれの発生位置として報知させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、記録媒体の給紙不良の発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施の形態における画像形成システムの全体構成を示す図である。
図2】本実施の形態における給紙装置の制御系の主要部を示す図である。
図3】用紙の積載位置の位置ずれを検知する構成を示す図である。
図4】給紙ユニット内における用紙の積載例を示す図である。
図5】用紙の積載位置の位置ずれを検知する動作例を示すフローチャートである。
図6】用紙の積載位置の位置ずれを検知する構成の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本実施の形態における画像形成システム1(本発明の「画像形成装置」に対応)の全体構成を示す図である。図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置20の側方(図1では右側)に外付け型の大容量給紙装置10(以下「給紙装置10」と称する、本発明の「記録媒体供給装置」に対応)が接続された構成を有する。
【0017】
給紙装置10は、内部に三段の給紙ユニット10A~10Cを備え、画像形成装置20に用紙(本発明の「記録媒体」に対応)を1枚ずつ給紙する。給紙装置10は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103等を有する制御部100を備える。なお、制御部100は、本発明の「遮断判定部」および「報知制御部」として機能する。
【0018】
制御部100は、画像形成装置20の制御部28と協働して、給紙装置10の各ブロックの動作を集中制御する。具体的には、制御部100は、画像形成装置20からの制御信号等に基づいて、用紙収容部11、吸着搬送部12、分離エアー送風部14、及び出口ローラー部15の動作を制御する。給紙ユニット10A~10Cの詳細については後述する。
【0019】
画像形成装置20は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。画像形成装置20には、CMYKの4色に対応する感光ドラムを中間転写ベルトの走行方向(鉛直方向)に直列配置し、中間転写ベルトに一回の手順で各色トナー像を順次転写させる縦型タンデム方式が採用されている。すなわち、画像形成装置20は、感光ドラム上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルトに転写(一次転写)し、中間転写ベルト上で4色のトナー像を重ね合わせた後、用紙に転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
【0020】
画像形成装置20は、画像読取部21、操作表示部22、画像処理部23、画像形成部24、定着部25、給紙部26、用紙搬送部27、及び制御部28を備える。
【0021】
制御部28は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じたプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置20の各ブロックの動作を集中制御する。また、制御部28は、給紙装置10の制御部100と協働して、給紙装置10の動作を制御する。
【0022】
画像読取部21は、自動原稿給紙装置(ADF:Auto Document Feeder)及び原稿画像走査装置(スキャナー)等を備える。画像読取部21において、自動原稿給紙装置からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿が原稿画像走査装置によって読み取られ、入力画像データが生成される。
【0023】
操作表示部22は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部及び操作部として機能する。
【0024】
画像処理部23は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じた階調補正、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等のデジタル画像処理を行う。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部24が制御される。
【0025】
画像形成部24は、画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成する。画像形成部24は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び中間転写装置を備える。
【0026】
画像形成部24においては、感光体ドラムの表面が帯電装置によって一様に帯電される。この帯電した感光体ドラムに対して、露光装置によって画像データに基づくレーザー光が照射されることにより、感光体ドラムの表面に静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体ドラムに対して、現像装置によってトナーが供給されることにより、静電潜像が可視化されてトナー像が形成される。このトナー像が、中間転写ベルト等を有する中間転写装置によって用紙に転写される。
【0027】
定着部25は、用紙の定着面(トナー像が形成されている面)側に配置される定着面側部材を有する上側定着部、用紙の裏面(定着面の反対の面)側に配置される裏面側支持部材を有する下側定着部、及び加熱源等を備える。定着面側部材に裏面側支持部材が圧接されることにより、用紙を狭持して搬送する定着ニップが形成される。定着部25は、トナー像が二次転写され、搬送されてきた用紙を、定着ニップで加熱、加圧することにより、用紙にトナー像を定着させる。
【0028】
給紙部26は、複数(図1では三段)の給紙トレイを有する。給紙トレイには、坪量やサイズ(長さ、幅)等に基づいて識別された用紙(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。
【0029】
用紙搬送部27は、給紙部26又は給紙装置10から給紙された用紙を画像形成部24に搬送する。画像形成部24の二次転写部を用紙が通過する際、中間転写ベルト上のトナー像が用紙の一方の面(表面)に一括して二次転写され、定着部25において定着処理が施される。画像が形成された用紙は、排紙ローラーにより機外に排紙される。用紙の両面に画像を形成する場合は、表面に画像が形成された用紙が裏面用搬送路に搬送され、反転した状態で画像形成部24に搬送される。
【0030】
給紙ユニット10A~10Cについて説明する。以下において、「用紙搬送方向」は、図1における右から左へ向かう方向である。
【0031】
図1に示すように、それぞれの給紙ユニット10A~10Cは、用紙収容部11、吸着搬送部12、浮上エアー送風部13(図2を参照)、分離エアー送風部14、出口ローラー部15、ガイド部16、照射部81及び光検知部82(図2を参照)等を備える。給紙ユニット10A~10Cは、基本的に同じ構成を有している。以下の説明では、給紙ユニット10Aを代表して説明し、給紙ユニット10B,10Cについてはその説明を省略する。
【0032】
用紙収容部11は、大量の用紙を収容可能であり、用紙積載台111(本発明の「積載部」に対応)等を有する。用紙収容部11は、それぞれガイドレール(図示略)によって給紙装置10から引き出し可能となっている。
【0033】
用紙積載台111は、積載されている用紙束SSの上端面(最上位の用紙)が常に一定の位置となるように昇降可能となっている。用紙積載台111は、用紙の補給時には、最下部まで下降する。用紙積載台111の昇降動作は、制御部100によって制御される。
【0034】
吸着搬送部12は、用紙積載台111の上方に配置され、用紙の幅方向に複数並設されている。複数の吸着搬送部12のそれぞれは、無端状の搬送ベルト121及びエアー吸引部122等を有する。
【0035】
搬送ベルト121は、全面にわたって多数の吸引孔を有し、当該吸引孔により用紙を吸着して用紙を用紙搬送方向に送り出す。搬送ベルト121は、用紙搬送方向におけるエアー吸引部122よりも上流側に設けられたローラー123と、用紙搬送方向におけるエアー吸引部122よりも下流側に設けられたローラー124とに巻回される。搬送ベルト121による用紙の搬送面は水平面となる。
【0036】
複数のローラー123は、複数の搬送ベルト121に対応して設けられ、共通のローラー軸に取り付けられる。ローラー軸は、動力伝達機構(図示略)を介して駆動モーター17(図2参照)に接続される。制御部100が駆動モーター17を駆動させることに伴い、複数のローラー123が回転し、複数の搬送ベルト121が一定の方向に走行する。
【0037】
複数のローラー124は、複数の搬送ベルト121に対応して設けられ、共通のローラー軸に取り付けられる。ローラー124は、搬送ベルト121の走行に従動して回転する。
【0038】
エアー吸引部122は、複数の搬送ベルト121を貫通して装置奥側に延び、吸引ダクト(図示略)と、吸引ファン(図示略)を有する。吸引ファンが作動すると、吸引ダクト内が負圧となり、吸引孔を介して用紙が搬送ベルト121に吸引され、吸着する。吸引ファンの動作は、制御部100によって制御される。
【0039】
図2に示すように、浮上エアー送風部13は、図示しない送風ファン及び導風路を有する。浮上エアー送風部13は、例えば、用紙収容部11における用紙束SSの側端を規制する側端規制部材の内部に配置される。送風ファンは、例えば用紙の長さ、紙質、坪量等で風量を制御し、最適な風量で送風できるようになっている。送風ファンの動作は、制御部100によって制御される。
【0040】
浮上エアー送風部13において、送風ファンが作動すると、浮上エアーが上向きに送風され、用紙幅方向両側から用紙束SSの上部に送風される。これにより、用紙束SSの上位数枚の用紙が浮上する。
【0041】
分離エアー送風部14は、送風ファン及び導風路を有する。分離エアー送風部14は、用紙搬送方向における吸着搬送部12よりも下流側の端部に送風可能に配置される。送風ファン141は、例えば用紙のサイズ(長さ、幅)、紙質、坪量等で風量を制御し、最適な風量で送風できるようになっている。送風ファンの動作は、制御部100によって制御される。
【0042】
分離エアー送風部14は、風向切替板(図示略)を有し、吸着搬送部12の前端近傍と、用紙束SSの前端近傍とに、エアーの送風方向を切り替え可能となっていてもよい。この場合、分離エアー送風部14は、浮上エアー送風部13による浮上エアーの送風が行われるときには用紙束SSの前端近傍に浮上エアーの送風を行い、浮上エアー送風部13による浮上エアーの送風が停止されると吸着搬送部12の前端近傍に分離エアーの送風を行う。つまり、分離エアー送風部14は、浮上エアー送風部としても機能する。
【0043】
分離エアー送風部14において、送風ファンが作動すると、導風路の送風口を介して、用紙束SSの前端近傍、又は吸着搬送部12の前端近傍にエアーが送風される。用紙束SSの前端近傍に浮上エアーの送風を行うことにより、用紙束SSの上位数枚の用紙を効率よく浮上させることができる。また、吸着搬送部12の前端近傍に分離エアーの送風を行うことにより、搬送ベルト121に吸着させた複数枚の用紙から2枚目以降の用紙を分離させ、1枚目の用紙だけを搬送ベルト121に吸着させて搬送することができる。
【0044】
出口ローラー部15は、上側搬送ローラー151(図1を参照)と上側搬送ローラー151に当接する下側搬送ローラー152(図1を参照)を有する。上側搬送ローラー151は駆動ローラーであり、下側搬送ローラー152が従動ローラーである。出口ローラー部15は、吸着搬送部12によって搬送されてきた用紙を、上側搬送ローラー151と下側搬送ローラー152とで挟持して、用紙搬送方向における下流側に送り出す。
【0045】
図1に示すように、ガイド部16は、用紙搬送方向における出力ローラー部15よりも上流側に配置され、上側ガイド板161及び下側ガイド板162を有し、吸着搬送部12によって搬送されてきた用紙を出口ローラー部15に案内する。上側ガイド板161と下側ガイド板162とによって形成された間隙を用紙が搬送される。
【0046】
ところで、ユーザーが用紙を用紙積載台111にセット(積載)する際、例えば用紙が斜行して積載される、具体的には、用紙の側端や角が用紙束から突出した不揃いな状態で積載される場合がある。この場合、用紙束の一部について不揃いな状態が維持されたまま用紙の給紙動作が開始されると、用紙の斜め送り(スキュー)やジャム(詰まり)等の給紙不良が発生してしまうという問題がある。
【0047】
上記問題に対して、シート束の側面が不揃いのままセットされた場合、不揃い状態を検知してユーザーに報知することにより、シートの斜め送り(スキュー)やジャム等のシート給送不良を未然に防止する技術(例えば、特許文献1を参照)が提案されている。
【0048】
特許文献1に記載の技術では、シート積載装置は、シートを収容する給紙カセットと、給紙カセットに収容積載されたシート束の各側面に対向して当接可能な規制面を備え、シート幅方向に移動可能な一対のサイドフェンスとを有する。そして、シート積載装置は、各サイドフェンスにおけるシート束の積載高さ方向に並んで2つずつ設けられ、規制面がシート束の各側面に当接しているか否かを検知する検知手段(4つの変位部材に対応した4つのフォトセンサ等)と、4つのフォトセンサの検知結果の組み合わせに基づいて、シート束のセット状態を報知する報知手段としての表示部とをさらに備える。
【0049】
上述したように、上記特許文献1に記載の技術では、規制面がシート束の各側面に当接しているか否かを検知する4つの検知手段の検知結果に基づいて、シート束の不揃い状態を検知している。しかしながら、積載されたシート束の不揃い量が小さい場合、例えばシート束のうち数枚のシートが不揃い状態である場合には、シート束の一部について不揃い状態が発生しているにも関わらず、規制面がシート束の各側面に当接している(つまり、シート束は不揃い状態でない)と誤検知される場合があるという問題があった。この場合、数枚のシートについて不揃いな状態が維持されたまま給紙動作が開始されることとなり、シートの斜め送り(スキュー)やジャム等のシート給送不良を未然に防止することはできない。
【0050】
そこで本実施の形態では、用紙の給紙不良の発生を確実に防止するため、制御部100は、用紙積載台111に積載される用紙の上方から下方に向けて、光を照射させ、用紙により当該光が遮断された場合、用紙の積載位置の位置ずれ(積載ずれ)を検知する。
【0051】
図3は、用紙Sの積載位置の位置ずれを検知する構成を示す図である。図3Aに示すように、給紙ユニット10A~10Cにおいて積載方向に積載される複数の用紙S(用紙束)の上方には複数(本実施の形態では、4つ)の照射部81が配置される一方、当該複数の用紙Sの下方には複数(本実施の形態では、4つ)の光検知部82が配置される。複数の照射部81と複数の光検知部82とは、積載方向において互いに対向するように配置される。
【0052】
照射部81は、制御部100の制御下において、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置(つまり、積載ずれが全く生じていない積載位置)に用紙Sが積載されていると仮定した場合に、当該用紙Sの四隅の周囲に向けて可視光を照射するための装置である。照射部81に用いることが可能な光源としては、可視光を照射させることができるものであれば特に制限されるものではないが、発光ダイオード(LED)またはレーザー光源が好ましい。発光ダイオードやレーザー光源は、可視光の照射波長域を狭くして消費電力を少なくできる点で優れているからである。
【0053】
光検知部82は、略直角三角形状(図3Bを参照)を有するCCDセンサーなどから構成され、照射部81から照射された可視光を二次元平面(用紙Sの搬送方向および幅方向からなる平面)で検知する。そして、光検知部82は、照射部81から照射された可視光の検知結果(例えば、可視光の検知量)を制御部100に出力する。
【0054】
図3Bは、図示していない4つの照射部81A,81B,81C,81Dのそれぞれに対向するように配置された4つの光検知部82A,82B,82C,82Dの平面図である。図3Bにおいて、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置が点線で示されている。給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に積載される用紙Sの四隅(左上隅、左下隅、右上隅、右下隅)の周囲に対応して、4つの光検知部82A,82B,82C,82Dは配置される。
【0055】
光検知部82Aは、照射部81Aから照射された可視光の検知結果(例えば、可視光の検知量)を制御部100に出力する。光検知部82Aを覆うように用紙Sが積載されている場合、つまり給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されていない場合、照射部81Aから照射された可視光の少なくとも一部が用紙Sに遮断される。その結果、光検知部82Aによる可視光の検知量は、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されている場合と比べて小さくなる。特に、用紙Sにより覆われる光検知部82Aの面積が大きくなるにつれて、照射部81Aから照射された可視光の用紙Sによる遮断量が大きくなり、光検知部82Aによる可視光の検知量は小さくなる。
【0056】
光検知部82Bは、照射部81Bから照射された可視光の検知結果(例えば、可視光の検知量)を制御部100に出力する。光検知部82Bを覆うように用紙Sが積載されている場合、つまり給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されていない場合、照射部81Bから照射された可視光の少なくとも一部が用紙Sに遮断される。その結果、光検知部82Bによる可視光の検知量は、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されている場合と比べて小さくなる。特に、用紙Sにより覆われる光検知部82Bの面積が大きくなるにつれて、照射部81Bから照射された可視光の用紙Sによる遮断量が大きくなり、光検知部82Bによる可視光の検知量は小さくなる。
【0057】
光検知部82Cは、照射部81Cから照射された可視光の検知結果(例えば、可視光の検知量)を制御部100に出力する。光検知部82Cを覆うように用紙Sが積載されている場合、つまり給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されていない場合、照射部81Cから照射された可視光の少なくとも一部が用紙Sに遮断される。その結果、光検知部82Cによる可視光の検知量は、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されている場合と比べて小さくなる。特に、用紙Sにより覆われる光検知部82Cの面積が大きくなるにつれて、照射部81Cから照射された可視光の用紙Sによる遮断量が大きくなり、光検知部82Cによる可視光の検知量は小さくなる。
【0058】
光検知部82Dは、照射部81Dから照射された可視光の検知結果(例えば、可視光の検知量)を制御部100に出力する。光検知部82Dを覆うように用紙Sが積載されている場合、つまり給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されていない場合、照射部81Dから照射された可視光の少なくとも一部が用紙Sに遮断される。そのため、光検知部82Dによる可視光の検知量は、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されている場合と比べて小さくなる。特に、用紙Sにより覆われる光検知部82Dの面積が大きくなるにつれて、照射部81Dから照射された可視光の用紙Sによる遮断量が大きくなり、光検知部82Dによる可視光の検知量は小さくなる。
【0059】
制御部100は、光検知部82A~82Dから出力された検知結果に基づいて、照射部81A~81Dから照射された可視光が用紙Sにより遮断されたか否かを判定する。本実施の形態では、制御部100は、光検知部82A~82Dによる可視光の検知量の全てが所定量以上である場合、照射部81A~81Dから照射された可視光が遮断されていないと判定し、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生していないことを検知する。
【0060】
一方、制御部100は、光検知部82A~82Dによる可視光の検知量の少なくとも1つが所定量未満である場合、照射部81A~81Dから照射された可視光が遮断されていると判定し、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生していることを検知する。
【0061】
図4は、給紙ユニット10A~10C内における用紙Sの積載例を示す図である。図4Aは、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されている例を示している。この場合、制御部100は、光検知部82A~82Dによる可視光の検知量の全てが所定量以上であるため、照射部81A~81Dから照射された可視光が遮断されていないと判定し、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生していないことを検知する。
【0062】
図4Bは、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されていない例を示している。図4Bに示す例では、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置から右方にずれて、つまり光検知部82B,82Dの一部を覆うように用紙Sが積載されている。その結果、光検知部82B,82Dによる可視光の検知量は、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されている場合(図4Aを参照)と比べて小さくなる。そして、制御部100は、光検知部82B,82Dによる可視光の検知量が所定量未満であるため、照射部81B,81Dから照射された可視光が遮断されていると判定し、用紙Sの積載位置(図4Bに示す例では、用紙Sの右上隅、右下隅)について位置ずれが発生していることを検知する。
【0063】
次に、図5のフローチャートを参照して、用紙Sの積載位置の位置ずれを検知する動作について説明する。なお、ステップS100が実行される前、ユーザーによって、給紙ユニット10A~10C内に幅方向位置を揃えるように複数の用紙Sをセット(積載)する作業が行われたものとする。
【0064】
まず、制御部100は、光検知部82A~82Dから出力された可視光の検知結果を取得する(ステップS100)。次に、制御部100は、光検知部82A~82Dから出力された検知結果に基づいて、照射部81A~81Dから照射された可視光が用紙Sにより遮断されたか否かを判定する(ステップS120)。
【0065】
具体的には、制御部100は、光検知部82A~82Dによる可視光の検知量の全てが所定量以上である場合、照射部81A~81Dから照射された可視光が遮断されていないと判定し、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生していないことを検知する。一方、制御部100は、光検知部82A~82Dによる可視光の検知量の少なくとも1つが所定量未満である場合、照射部81A~81Dから照射された可視光が遮断されていると判定し、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生していることを検知する。
【0066】
判定の結果、照射部81A~81Dから照射された可視光が用紙Sにより遮断されていない場合(ステップS120、NO)、制御部100は、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生していないこと(すなわち給紙可能状態であること)を検知する。そして、画像形成装置1は、図5に示す処理を終了する。その後、給紙ユニット10A~10Cに積載されている用紙Sは、最上部から一枚ずつ送出(給紙)され、画像形成部24に搬送される。
【0067】
一方、照射部81A~81Dから照射された可視光が用紙Sにより遮断されている場合(ステップS120、YES)、制御部100は、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生していること(すなわち給紙可能状態でないこと)を検知する。次に、制御部100は、操作表示部22を制御し、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生している旨の警告を報知させる(ステップS140)。本実施の形態では、制御部100は、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生している旨の警告を音声(例えば、アラーム音)で報知させる。これにより、ユーザーは、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生している旨を聴覚で容易に把握することができる。なお、制御部100は、用紙Sの積載位置について位置ずれが発生している旨の警告を表示メッセージで報知させても良い。
【0068】
最後に、制御部100は、操作表示部22を制御し、用紙Sにより光が遮断された位置(具体的には、可視光の検知量が所定量未満である光検知部82A~82Dの配置位置)を、用紙Sの積載位置の位置ずれが発生した位置(図4Bに示す例では、用紙Sの右上隅、右下隅)として報知(表示)させる(ステップS160)。これにより、ユーザーは、操作表示部20の表示内容を参照することによって、用紙Sの積載位置の位置ずれが発生した位置を容易に把握し、再度、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sをセット(積載)する作業を行うことができる。なお、制御部100は、用紙Sの積載位置の位置ずれが発生した位置に加えて、その位置ずれ量を報知(表示)させても良い。ステップS160の処理が完了することによって、画像形成装置1は、図5に示す処理を終了する。
【0069】
以上詳しく説明したように、本実施の形態では、画像形成装置1(位置ずれ検知装置)は、用紙Sを積載可能な用紙積載台111に積載される用紙Sの上方から下方に向けて可視光を照射する照射部81と、用紙Sにより可視光が遮断された場合、用紙Sの積載位置の位置ずれを検知する制御部100(位置ずれ検知部)とを備える。
【0070】
このように構成した本実施の形態によれば、用紙積載台111に積載される用紙Sの上方から下方に向けて照射される可視光が用紙Sにより遮断された場合、用紙Sの積載位置の位置ずれが検知される。この検知方法によれば、積載された用紙束の不揃い量が小さい場合、例えば用紙束のうち数枚の用紙Sが不揃い状態である場合においても、照射部81から照射される可視光の少なくとも一部が用紙Sにより確実に遮断されて、用紙Sの積載位置の位置ずれが検知される。そのため、規制面がシート束の各側面に当接しているか否かを検知する4つの検知手段の検知結果に基づいて、シート束の不揃い状態を検知している特許文献1に記載の技術と異なり、用紙束の不揃い状態が誤検知されることを防止することができる。したがって、数枚の用紙S(用紙束の一部)について不揃いな状態が維持されたまま給紙動作が開始されることを未然に防止し、用紙Sの斜め送り(スキュー)やジャム等の給送不良を確実に防止することができる。
【0071】
また、本実施の形態では、照射部81から用紙Sの四隅の周囲に向けて照射される光は可視光である。そのため、照射部81から用紙Sの四隅の周囲に向けて常に光を照射するように構成することにより、ユーザーは、給紙ユニット10A~10C内に用紙Sを積載させる際、その可視光をガイダンス情報(案内情報)として目視で確認しながら、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sをセット(積載)する作業を行うことができる。その結果、給紙ユニット10A~10Cに用紙Sをセット(積載)するユーザーの作業効率を向上させることができる。
【0072】
なお、上記実施の形態では、光検知部82A,82B,82C,82Dは、略直角三角形状を有するCCDセンサーなどから構成される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示すように、光検知部83A,83B,83C,83Dは、丸形状を有するCCDセンサーなどから構成されても良い。要は、光検知部83A,83B,83C,83Dを覆うように用紙Sが積載されている場合、つまり給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置に用紙Sが積載されていない場合、照射部81A,81B,81C,81Dから照射された可視光の少なくとも一部が用紙Sに遮断されるように、光検知部83A,83B,83C,83Dの形状や配置位置が設定されていれば良い。
【0073】
また、上記実施の形態では、照射部81A,81B,81C,81Dは、用紙Sの四隅の周囲に向けて可視光を照射する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、照射部81A,81B,81C,81Dは、用紙Sの四隅以外の側端部の周囲に向けて可視光を照射しても良い。この場合、光検知部82A,82B,82C,82Dは、積載方向において照射部81A,81B,81C,81Dと対向するように配置される。
【0074】
また、上記実施の形態では、制御部100は、光検知部82A~82Dによる可視光の検知量の全てが所定量以上である場合、照射部81A~81Dから照射された可視光が遮断されていないと判定する一方、光検知部82A~82Dによる可視光の検知量の少なくとも1つが所定量未満である場合、照射部81A~81Dから照射された可視光が遮断されていると判定する例について説明した。ここで、照射部81A~81Dから照射された可視光が遮断されているか否かの判定に用いられる上記所定量は、用紙Sの積載位置の位置ずれをどの程度許容できるかによって設定しても良い。例えば、上記所定量は、用紙Sに画像を形成する印刷ジョブに応じて設定されても良い。これは、印刷ジョブの違いによって、用紙搬送路上における用紙Sの搬送位置に求められる搬送精度が異なる場合があるからである。また、上記所定量は、用紙Sの種類に応じて設定されても良い。用紙Sの種類の違い(例えば、用紙ガイドに接触した場合の傷み方の違い)によって、用紙搬送路上における用紙Sの搬送位置に求められる搬送精度が異なる場合があるからである。
【0075】
また、上記実施の形態において、照射部81A,81B,81C,81Dは、配置位置が変更可能に構成され、用紙Sの四隅の周囲に向けて光が照射されるように、用紙Sの大きさに応じて配置されても良い。用紙Sの大きさに応じて、給紙ユニット10A~10C内の正しい積載位置(つまり、図3Bの点線で示すように、積載ずれが全く生じていない積載位置)が変化するからである。
【0076】
また、上記実施の形態では、給紙ユニット10A~10Cに積載される用紙Sの上方から下方に向けて可視光を照射させ、用紙Sにより当該光が遮断された場合、用紙Sの積載位置の位置ずれ(積載ずれ)を検知する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、給紙ユニット10A~10Cに積載される用紙Sの下方から上方に向けて可視光を照射させ、用紙Sにより当該光が遮断された場合、用紙Sの積載位置の位置ずれ(積載ずれ)を検知しても良い。
【0077】
また、上記実施の形態では、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 画像形成システム
10 給紙装置
11 用紙収容部
12 吸着搬送部
13 浮上エアー送風部
14 分離エアー送風部
15 出口ローラー部
17 駆動モーター
20 画像形成装置
81,81A,81B,81C,81D 照射部
82,82A,82B,82C,82D,83A,83B,83C,83D 光検知部
100 制御部
111 用紙積載台
図1
図2
図3
図4
図5
図6