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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】ディファレンシャルハウジング
(51)【国際特許分類】
   F16H 57/037 20120101AFI20241126BHJP
   F16H 57/03 20120101ALI20241126BHJP
【FI】
F16H57/037
F16H57/03
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021004173
(22)【出願日】2021-01-14
(65)【公開番号】P2022108931
(43)【公開日】2022-07-27
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴大
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208331172(CN,U)
【文献】特開2013-087728(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104595467(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 57/037
F16H 57/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デフキャリアとデフリテーナとを含んで構成されるディファレンシャルハウジングであって、
前記デフキャリアと前記デフリテーナはいずれも、第1方向に延びるシャフトを保持するベアリングを取り付けるベアリング取付部と、前記デフキャリアと前記デフリテーナとを締結するためのフランジ部と、前記フランジ部に設けられ、前記デフキャリアのマウント部と前記デフリテーナのマウント部とが前記第1方向において位置合わせされ、前記デフキャリアのマウント部と前記デフリテーナのマウント部とを介して前記ディファレンシャルハウジングが前記第1方向において車体に取り付けられるように構成されたマウント部と、を備え、
前記デフキャリアの前記フランジ部と前記デフリテーナの前記フランジ部とは、少なくとも一方に設けられ前記第1方向に延びる複数の貫通孔を介して締結され、
前記デフキャリアと前記デフリテーナの少なくとも一方は、外壁側において、前記ベアリング取付部の位置から前記マウント部の位置に向かって延びる複数の第1補強リブ部を備える、
ディファレンシャルハウジング。
【請求項2】
前記デフキャリアの前記ベアリング取付部は、前記デフキャリア側の前記ベアリングに設けられた凸部の形状に合うように前記デフキャリアの内壁に設けられた複数の第1凹部を含む筒状部に、前記デフキャリア側の前記ベアリングが取り付けられる部位であり、
前記デフリテーナの前記ベアリング取付部は、前記デフリテーナの外壁に設けられた複数の第2凹部に前記デフリテーナ側の前記ベアリングが取り付けられる部位であり、
前記複数の第1補強リブ部は、前記デフキャリアの外壁側において前記複数の第1凹部のうちの1つの位置から延びるデフキャリア側補強リブ部及び前記デフリテーナの外壁側において前記複数の第2凹部のうちの1つの位置から延びるデフリテーナ側補強リブ部のうち、少なくとも一方を含む、
請求項1に記載のディファレンシャルハウジング。
【請求項3】
前記デフリテーナ側補強リブ部は、前記デフリテーナの外壁側において、前記複数の第2凹部のうちの1つの位置から分流して延びる2以上の補強リブ部を含む、
請求項2に記載のディファレンシャルハウジング。
【請求項4】
前記複数の第1補強リブ部は、前記デフキャリアと前記デフリテーナの少なくとも一方の外壁側において、前記マウント部の位置で合流するように延びる2つ以上の補強リブ部を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載のディファレンシャルハウジング。
【請求項5】
前記デフキャリアは、前記シャフトと直交する他のシャフトを保持する他のベアリングを取り付ける他のベアリング取付部と、前記デフキャリアにおける前記フランジ部から前記他のベアリング取付部の周囲を通り迂回して前記フランジ部へ向かうU字型の補強リブ部と、をさらに備える、
請求項1~のいずれか1項に記載のディファレンシャルハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディファレンシャルハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車において1つのエンジン出力を2つの異なった回転速度に振り分けるために、ディファレンシャルギアを備えたディファレンシャル装置が用いられている。ディファレンシャル装置は、アクスルシャフト(ドライブシャフト)やプロペラシャフト等のシャフトがベアリングで回動可能に保持された状態で、ディファレンシャルハウジングに収容されることができる。このディファレンシャルハウジングはデフキャリアとデフリテーナとの2分割の構造とすることができる。
【0003】
特許文献1に記載のディファレンシャル装置は、ベアリングの取付部にかかる荷重を分散するため、ベアリングの取付部から放射状に補強リブが設けられた構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-146956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のディファレンシャル装置は、補強リブの構造について最適化する余地があり、構造を最適化することで補強リブの断面積を減らし、より軽量化を図ることが望まれる。
【0006】
本開示は、ベアリング取付部にかかる荷重を分散する補強リブ部の断面積を低減させて軽量化を図ることが可能なディファレンシャルハウジングを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様にかかるディファレンシャルハウジングは、デフキャリアとデフリテーナとを含んで構成されるディファレンシャルハウジングであって、上記デフキャリアと上記デフリテーナはいずれも、シャフトを保持するベアリングを取り付けるベアリング取付部と、上記デフキャリアと上記デフリテーナとを締結するためのフランジ部と、上記フランジ部に設けられ、上記ディファレンシャルハウジングを車体に取り付けるためのマウント部と、を備え、上記デフキャリアの上記フランジ部と上記デフリテーナの上記フランジ部とは、少なくとも一方に設けられた複数の貫通孔を介して締結され、上記デフキャリアと上記デフリテーナの少なくとも一方は、外壁側において、上記ベアリング取付部の位置から上記複数の貫通孔と上記マウント部とのうちの一部又は全部の位置のそれぞれに向かって延びる複数の補強リブ部を備える。上記ディファレンシャルハウジングでは、このような構成により、ベアリング取付部にかかる荷重を分散する補強リブ部の断面積を低減させて軽量化を図ることが可能になる。
【0008】
上記デフキャリアと上記デフリテーナの上記ベアリング取付部は、それぞれの内壁に設けられた複数の凹部に上記ベアリングが取り付けられる部位であり、上記複数の補強リブ部は、上記デフキャリアと上記デフリテーナの少なくとも一方の外壁側において、上記複数の凹部のうちの1つの位置から延びる補強リブ部を含むようにしてもよい。これにより、最も荷重がかかる上記凹部についてその荷重を分散することができ、より上記断面積の低減を図ることができる。
【0009】
上記複数の補強リブ部は、上記デフキャリアと上記デフリテーナの少なくとも一方の外壁側において、上記複数の凹部のうちの1つの位置から分流して延びる2以上の補強リブ部を含むようにしてもよい。これにより、補強リブ部が3角形の形状に配されることができ、より上記断面積の低減を図ることができる。
【0010】
上記複数の補強リブ部は、上記デフキャリアと上記デフリテーナの少なくとも一方の外壁側において、上記複数の貫通孔と上記マウント部とのうちの1箇所に対応する位置で合流するように延びる2つ以上の補強リブ部を含むようにしてもよい。これにより、補強リブ部が3角形の形状に配されることができ、より上記断面積の低減を図ることができる。
【0011】
上記複数の補強リブ部は、上記デフキャリアと上記デフリテーナの双方に備えられているようにしてもよい。これにより、効率的に補強を行うことができる。
【0012】
上記複数の補強リブ部は、上記マウント部へ向かう第1補強リブ部と、上記貫通孔へ向かう第2補強リブ部とを含み、上記第1補強リブ部は、上記第2補強リブ部より延伸方向に垂直な面の断面積が大きいようにしてもよい。これにより、より荷重のかかる上記マウント部を重点的に補強することができる。
【0013】
上記デフキャリアは、上記シャフトと直交する他のシャフトを保持する他のベアリングを取り付ける他のベアリング取付部と、上記デフキャリアにおける上記フランジ部から上記他のベアリング取付部の周囲を通り迂回して上記フランジ部へ向かうU字型の補強リブ部と、を備えるようにしてもよい。これにより、上記他のベアリング取付部にかかる荷重を分散する補強リブ部の断面積を低減させて軽量化を図ることが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本開示により、ベアリング取付部にかかる荷重を分散する補強リブ部の断面積を低減させて軽量化を図ることが可能なディファレンシャルハウジングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態にかかるディファレンシャルハウジングの一構成例を示す概略斜視図である。
図2図1のデフリテーナの外壁側を示す概略図である。
図3図1のデフキャリアの外壁側を示す概略図である。
図4図3のデフキャリアの概略側面図である。
図5図4のデフキャリアのV-V方向断面図である。
図6図4のデフキャリアのVI-VI方向断面図である。
図7図2のデフリテーナの荷重の分散の様子を示す概略図である。
図8図3のデフキャリアの荷重の分散の様子を示す概略図である。
図9図4のデフキャリアの荷重の分散の様子を示す概略図である。
図10図2のデフリテーナの荷重の分散の様子を個別に示す概略図である。
図11図2のデフリテーナの荷重の分散の様子を個別に示す概略図である。
図12図3のデフキャリアの荷重の分散の様子を個別に示す概略図である。
図13図3のデフキャリアの荷重の分散の様子を個別に示す概略図である。
図14図3のデフキャリアの荷重の分散の様子を個別に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施の形態に限定するものではない。また、実施の形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。
【0017】
(実施の形態)
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。図1は、実施の形態にかかるディファレンシャルハウジングの一構成例を示す概略斜視図である。図1で例示するように、本実施の形態にかかるディファレンシャルハウジング(以下、デフハウジング)1は、ディファレンシャルキャリア(以下、デフキャリア)20とディファレンシャルリテーナ(以下、デフリテーナ)10とを含んで構成される。
【0018】
デフハウジング1は、ディファレンシャル装置(差動装置)のハウジングとして用いられるものであり、例えばアルミ合金等を素材とするアルミダイキャスト製とすることができるが、これに限らない。デフハウジング1は、フロント用のディファレンシャル装置に用いてもよいし、リア用のディファレンシャル装置に用いてもよい。
【0019】
デフハウジング1内には、車体側からの各シャフトを回動可能に支えるベアリングを備えるとともに、ディファレンシャル装置の部品として、ディファレンシャルケース(デフケース)及びその他のデフ系の内蔵部品を搭載することができる。これらのシャフトとしてはプロペラシャフト、アクスルシャフト(場合によってはドライブシャフトとも称する)が挙げられる。図1の例では、X方向は車体の前後方向(プロペラシャフトの長手方向)を指しており、Y方向は車体の左右方向(ドライブシャフト又はアクスルシャフトの長手方向)を指しているものとする。
【0020】
このディファレンシャル装置は、図示しないが上記内蔵部品として、ディファレンシャル機構及びリングギアを備えることができる。ディファレンシャル機構としては、例えば、車軸に繋がる2つのサイドギアが左右に1つずつ設けられ、双方のサイドギアに噛み合うように2つのピニオンギアが設けられることができ、各ギヤには軸となるシャフトが取り付けられ、ベアリングによりデフケース内に保持されている。リングギアはデフケースの外周部に溶接により固定されることができる。
【0021】
デフキャリア20は、ディファレンシャル装置の主要部を格納する部分であり、デフリテーナ10はデフハウジング1のキャップに相当する部分である。このようにデフハウジング1は、デフキャリア20とデフリテーナ10とで2分割された構造とすることができ、ディファレンシャルハウジング組立体と称することもできる。このような分割構造を採用することで、ディファレンシャル機構等の組付けを行うことができる。
【0022】
デフリテーナ10は、その本体において、図示しない車体側のシャフト等のシャフト(以下、第1シャフト)を緩挿するための開口部11を備える。デフキャリア20は、その本体において、第1シャフト又はその第1シャフトと同軸のシャフトを緩挿するための開口部21を備える。以下では、説明の簡略化のため、第1シャフトが1本であることを前提とするが、同軸のシャフトとして説明したように2本(つまり一対)であってもよい。
【0023】
第1シャフトは、図1の例では、アクスルシャフト(ドライブシャフト)とすることができる。なお、第1シャフトとしてどのような種類のシャフトが適用できるかはディファレンシャル装置の車体における配置や構造によって異なることになる。
【0024】
また、デフキャリア20は、その本体において、開口部21に緩挿される第1シャフトと垂直方向に延びる車体側の他のシャフト(図示せず)を緩挿するための開口部22を備える。上記他のシャフト(以下、第2シャフト)は、第1シャフトと直交するシャフトであり、例えばプロペラシャフトとすることができる。但し、第2シャフトは、第1シャフトの種類とディファレンシャル装置の車体における配置や構造とによって他の種類のシャフトを適用することもできる。
【0025】
デフキャリア20は、ベアリング取付部、フランジ部24、マウント部、及び補強リブ部27,28を備え、デフリテーナ10は、ベアリング取付部、フランジ部14、マウント部、及び補強リブ部を備える。以下、これらの詳細について説明する。
【0026】
まず、図2を参照しながらデフリテーナ10について説明する。図2は、図1のデフリテーナ10の外壁側を示す図である。図2に示すようにデフリテーナ10は、その外壁側においてベアリング取付部13を有する。第1シャフトは、開口部11から緩挿された状態で、ベアリング取付部13に取り付けられたベアリング(図示せず)により回動可能に保持されることになる。なお、ベアリング取付部13がデフリテーナ10の外壁側に設けられた例を挙げて説明するが、ベアリング取付部13はデフリテーナ10の内壁側に設けられていてもよい。
【0027】
ベアリング取付部13は、第1シャフトを保持するベアリングを取り付けるための部位であり、凹部13aを備えることができる。図2の例では大き目の4つの凹部13aと小さ目の2つの凹部13aとを備えた例を挙げている。設けられる複数の凹部13aは、いずれも底がある穴とすることができるが、一部又は全部を貫通孔とすることもできる。なお、凹部13aの深さ方向に垂直な面の形状としては円を例示しているが、これに限らずベアリング側の凸部の形状に合っていればよい。
【0028】
デフリテーナ10は、その周囲(開口部11に緩挿される第1シャフトに垂直面における周囲)に、デフキャリア20と締結するためのフランジ部14を備える。フランジ部14には2つのマウント部15が設けられる。マウント部15の数は1以上であればよいが、2以上であることが望ましい。なお、マウント部15の配置は例示したものに限らない。また、フランジ部14には、デフキャリア20とデフリテーナ10とを締結するための複数の貫通孔16が設けられる。フランジ部14は、デフキャリア20側のフランジ部24に対し、貫通孔16及び後述の凸部26で締結される部位である。貫通孔16は締結孔と称することもできる。フランジ部14,24は、デフリテーナ10とデフキャリア20をこの締結孔を介して結合する部位となる。なお、フランジ部14とフランジ部24との締結面、つまりデフリテーナ10とデフキャリア20との締結面は、第1シャフトの軸に垂直に形成されていることが望ましい。
【0029】
マウント部15は、フランジ部14に設けられ、ディファレンシャル装置が収容されたデフハウジング1を車体に取り付ける部位であり、車体への取り付けは、後述のマウント部25とマウント部15との位置を合わせて実施される。なお、ここでは、マウント部25が車体への取り付けのための凸部(図示せず)を備え、その凸部が貫通孔としてのマウント部15に嵌挿された状態で、デフハウジング1が車体側に取り付けられる例を挙げるが、これに限らない。
【0030】
また、図2に示すようにデフリテーナ10は、その外壁側において、ベアリング取付部13の位置から複数の貫通孔16とマウント部15とのうちの一部又は全部の位置のそれぞれに向かって延びる(延びるように外側に形成された)複数の補強リブ部を備える。補強リブ部17がベアリング取付部13の位置からマウント部15の位置に向かって伸びる補強リブ部の例であり、補強リブ部18がベアリング取付部13の位置から複数の貫通孔16のそれぞれの位置に向かって伸びる補強リブ部の例である。補強リブ部17の数やその延伸方向の断面形状は問わず、また補強リブ部18の数やその延伸方向の断面形状も問わない。
【0031】
デフリテーナ10のベアリング取付部13は、開口部11付近において外壁に設けられた複数の凹部13aに他のベアリングが取り付けられる部位である。この場合、デフハウジング1に備えられる上記複数の補強リブ部は、デフリテーナ10の外壁側において、複数の凹部13aのうちの1つの位置から延びる補強リブ部(補強リブ部18等)を含むことができる。なお、上記1つの位置から延びる補強リブ部は、マウント部15へと延びる補強リブ部17であってもよい。これにより、最も荷重がかかる凹部13aについてその荷重を分散することができ、ベアリング取付部13にかかる荷重をより効果的に逃がすことが可能になり、結果的に補強リブ部の断面積の低減を図ることができる。
【0032】
図3図6を参照しながらデフキャリア20について説明する。図3図1のデフキャリア20の外壁側を示す概略図で、図4図3のデフキャリア20の概略側面図である。また、図5図4のデフキャリア20のV-V方向断面図で、図6図4のデフキャリア20のVI-VI方向断面図である。
【0033】
図3図5、及び図6に示すようにデフキャリア20は、その内壁側においてベアリング取付部23を有する。第1シャフトは、開口部21から緩挿された状態で、ベアリング取付部23に取り付けられたベアリング(図示せず)により回動可能に保持されることになる。なお、ベアリング取付部23がデフキャリア20の内壁側に設けられた例を挙げて説明するが、ベアリング取付部23はデフキャリア20の外壁側に設けられていてもよい。
【0034】
ベアリング取付部23は、第1シャフトを保持するベアリングを取り付けるための部位であり、図6で例示するような凹部23aを備えることができる。図6の例では第1シャフトの軸と垂直な面の方向に2か所の凹部23aが設けられた例を挙げている。なお、図6では、便宜上、ベアリングが取り付けられた状態での断面を示しており、ベアリング取付部23で示す部分はこのベアリングの断面となっている。設けられる複数の凹部23aは、いずれも底がある穴とすることができ、その形状は問わず、ベアリング側の凸部の形状にあっていればよい。なお、凹部23aの代わりに第1シャフトの軸と水平な方向に穿たれた凹部13aと同様の凹部を採用することもできる。
【0035】
デフキャリア20は、その周囲(開口部21に緩挿される第1シャフトに垂直な面における周囲)に、デフリテーナ10と締結するためのフランジ部24を備える。フランジ部24には、マウント部15に対応する位置に、1又は複数のマウント部25が設けられている。また、フランジ部24には、複数の貫通孔16にそれぞれ嵌挿され、デフキャリア20とデフリテーナ10とを締結するための複数の凸部26が設けられることができる。なお、図面上は、凸部26は凸状となっていないが、貫通孔16側で凸部を形成している。フランジ部24は、デフリテーナ10側のフランジ部14に対し、貫通孔16及び凸部26で締結される部位である。但し、デフキャリア20のフランジ部24とデフリテーナ10のフランジ部14とは、少なくとも一方に設けられた複数の貫通孔を介して締結されればよく、例えば、一部又は全部の貫通孔16の代わりに凸部が設けられ且つ対応する凸部26の代わりに貫通孔が設けられていてもよい。
【0036】
マウント部25は、フランジ部24に設けられ、ディファレンシャル装置が収容されたデフハウジング1を車体に取り付ける部位である。上述したように、車体への取り付けは、マウント部25とマウント部15との位置を合わせて実施される。
【0037】
また、図3に示すようにデフキャリア20は、その外壁側において、ベアリング取付部23の位置から複数の凸部26とマウント部25とのうちの一部又は全部の位置のそれぞれに向かって延びる(延びるように外側に形成された)複数の補強リブ部を備える。補強リブ部27がベアリング取付部23の位置からマウント部25の位置に向かって伸びる補強リブ部の例であり、補強リブ部28がベアリング取付部23の位置から複数の凸部26の位置(つまり複数の貫通孔16の位置)のそれぞれに向かって伸びる補強リブ部の例である。補強リブ部27の数やその延伸方向の断面形状は問わず、また補強リブ部28の数やその延伸方向の断面形状も問わない。
【0038】
また、デフキャリア20のベアリング取付部23は、開口部21付近において内壁に設けられた複数の凹部23aにベアリングが取り付けられる部位である。この場合、デフハウジング1に備えられる複数の補強リブ部は、デフキャリア20の外壁側において、複数の凹部23aのうちの1つの位置から延びる補強リブ部(補強リブ部28等)を含むことができる。なお、上記1つの位置から延びる補強リブ部は、マウント部25へと延びる補強リブ部27であってもよい。これにより、最も荷重がかかる凹部23aについてその荷重を分散することができ、ベアリング取付部23にかかる荷重をより効果的に逃がすことが可能になり、結果的に補強リブ部の断面積の低減を図ることができる。
【0039】
また、図1図3、及び図4で示すように、デフキャリア20は、外壁側において、貫通孔16の位置に向かう補強リブ部28に沿って補強リブ部28を更に補強するような補強リブ部30を備えることもできる。特に、補強リブ部30は、外壁上方から見て補強リブ部27,28のフランジ部25の位置での間隔が広いところに設けておくことが好ましい。また、この例では、補強リブ部30は、3枚の平行な板状のリブ部としているがその形状や数は問わず、補強リブ部28を更に補強できればよく、これにより補強リブ部28を薄く形成することができると言える。また、図示しないが、デフキャリア20は、外壁側において、マウント部25の位置に向かう補強リブ部27に沿って補強リブ部27を更に補強するような補強リブ部を備えることもできる。なお、同様の考え方は、デフリテーナ10について適用することもできる。
【0040】
また、上述したが図1図4、及び図6に示すように、デフキャリア20は第1シャフトと直交する第2シャフトを緩挿する開口部22を有することができる。この開口部22に緩挿される第2シャフトは、デフキャリア20に設けた他のベアリング(図示せず)により回動可能に保持される。図6に示すように、上記他のベアリングは、デフキャリア20に設けられた他のベアリング取付部31,32に2つ取り付けられることができる。上記他のベアリングの数は2以上であればよい。他のベアリング取付部31と他のベアリング取付部32との間には第2シャフトが緩挿される円筒状の緩挿部33が設けられている。
【0041】
そして、上述した補強リブ部17,18,27,28とは別に、デフキャリア20は、デフキャリア20におけるフランジ部24から他のベアリング取付部31,32の周囲を通り迂回してフランジ部24へ向かうU字型の補強リブ部29を備えることが好ましい。この例では他のベアリング部が2つあるため、補強リブ部29はそれぞれに対して合計2つ設けられている。これにより、上記他のベアリング取付部31,32にかかる荷重を分散する補強リブ部29の断面積を低減させて軽量化を図ることが可能になる。
【0042】
また、ここで説明したU字型の補強リブ部29は、上述した補強リブ部17,18,27,28を備えないようなデフハウジングに適用することもできる。
【0043】
以下、図7図14を参照しながら、本実施の形態の主たる特徴である、補強リブ部17,18と補強リブ部27,28と補強リブ部29とについて、その効果も併せて説明する。
【0044】
まず、第1シャフト、第2シャフトからの負荷の伝達のイメージについて、図7図9を参照して説明する。図7は、図2のデフリテーナ10の荷重の分散の様子を示す概略図である。また、図8図3のデフキャリア20の荷重の分散の様子を示す概略図で、図9図4のデフキャリア20の荷重の分散の様子を示す概略図である。
【0045】
まず、図7の白抜き矢印で示すように、デフリテーナ10側においてベアリング取付部13には第1シャフトからの力が負荷される。この力は、図7の太線矢印で示すように補強リブ部17,18を通して、図7の一点鎖線で示すようにフランジ部14へ伝達され、フランジ部14を通して図7の矢印iの方向に向かってマウント部15に伝達されることになる。また、マウント部15へは直接、補強リブ部18からも力が伝達されることになる。補強リブ部17,18は、負荷される力がこのような伝達経路を通り効率よく分散できるように配置されていると言える。
【0046】
同様に、図8の白抜き矢印で示すように、デフキャリア20側においてベアリング取付部23には第1シャフトからの力が負荷される。この力は、図8の太線矢印で示すように補強リブ部27,28を通して、図8の一点鎖線で示すようにフランジ部24へ伝達され、フランジ部24を通して図8の矢印iiの方向に向かってマウント部25に伝達されることになる。また、マウント部25へは直接、補強リブ部28からも力が伝達されることになる。補強リブ部27,28は、負荷される力がこのような伝達経路を通り効率よく分散できるように配置されていると言える。
【0047】
また、第2シャフトについては次のようになる。図9の白抜き矢印で示すように、デフキャリア20側において開口部22側のベアリング取付部31,32(図6参照)には第2シャフトからの力が負荷される。この力は主にベアリング取付部31,32の図示しない凹部に負荷される。そして、これらの力は、図9の太線矢印で示すように補強リブ部29を通して、図9の一点鎖線で示すようにフランジ部24へ伝達され、フランジ部24を通してマウント部25に伝達されることになる。補強リブ部29は、負荷される力がこのような伝達経路を通り効率よく分散できるように配置されていると言える。
【0048】
次に、デフリテーナ10における負荷される力(荷重)の分散の様子の詳細について、図10及び図11を参照しながら説明する。図10及び図11はいずれも、図2のデフリテーナ10の荷重の分散の様子を個別に示す概略図である。
【0049】
デフリテーナ10において、第1シャフトからの力は主にベアリング取付部13の凹部13aに負荷される。そして、これらの力は、その一方向について図10の太線矢印で示すように補強リブ部18を通してフランジ部14へ伝達され、上述したようにフランジ部14を通してマウント部15に伝達されることになる。他の方向の力についても同様である。
【0050】
但し、図11の太線矢印で示すように負荷される力を一部で集合させることもできる。具体的には、デフリテーナ10に設けられる複数の補強リブ部は、複数の貫通孔16とマウント部15とのうちの1箇所に対応する位置(図11の太線矢印では1つの貫通孔16の位置について例示)で合流するように延びる2つ以上の補強リブ部18を含むこともできる。つまり、デフリテーナ10に備えられる補強リブ部は、フランジ部14の1つの貫通孔16もしくはマウント部15に向けて複数とすることができる。これにより、図11の太線矢印で示したように、補強リブ部18が3角形の形状に配されること(つまり補強リブ部同士により三角形が形成されること)ができ、強度をより確保することが可能(換言すればより補強リブ部の断面積の低減を図ることが可能)となる。
【0051】
また、図11の破線矢印で示すように負荷される力を分割させることもできる。具体的には、デフリテーナ10に設けられる複数の補強リブ部は、デフリテーナ10の外壁側において、複数の凹部13aのうちの1つの位置から分流して延びる2以上の補強リブ部17,18を含むことが好ましい。つまり、デフリテーナ10に備えられる補強リブ部は、ベアリング取付部13の1つの凹部13aから複数とすることが好ましい。これにより、図11の破線矢印で示したように、補強リブ部が3角形の形状に配されること(つまり補強リブ部同士により三角形が形成されること)ができ、強度をより確保することが可能(換言すればより補強リブ部の断面積の低減を図ることが可能)となる。
【0052】
以上のようにして、デフリテーナ10では、補強リブ部17,18を備えることで効率よく第1シャフトからの荷重を分散することができる。特に、フランジ部14は2分割されたハウジング(デフキャリア20、デフリテーナ10)の合わせ面の機能を持つため、それを活用することで、フランジ部14を活用せず単独で補強リブ部を形成しておく場合や補強リブ部を設けず肉厚とする場合に比べて、大きな補強効果を得られるとともに軽量化が図れる。具体的には、デフリテーナ10では、フランジ部14を活用せず単独で補強リブ部を形成しておく場合に比べて、軽量化を図ることができるだけでなく、次のような品質悪化の問題も低減させることができる。即ち、鋳造により製造する場合には、補強リブ部を交わるように配したり長くしたりする必要があり、湯流れの悪化に依る鋳造品質の悪化の問題が生じるが、デフリテーナ10ではそのような問題も低減させることができる。また、デフリテーナ10では、単に肉厚とする場合に比べて、鋳造により製造する場合の引け巣などの鋳造欠陥が発生し鋳造品質が低下するといった問題を低減させることができる。
【0053】
次に、デフキャリア20における負荷される力(荷重)の分散の様子の詳細について、図12図14を参照しながら説明する。図12図14はいずれも、図3のデフキャリア20の荷重の分散の様子を個別に示す概略図である。
【0054】
デフキャリア20についても同様に、第1シャフトからの力は主にベアリング取付部23の凹部23aに負荷される。そして、これらの力は、その一方向について図12の太線矢印で示すように補強リブ部28を通してフランジ部24へ伝達され、上述したようにフランジ部24を通してマウント部25に伝達されることになる。他の方向の力についても同様である。
【0055】
但し、図13の太線矢印で示すように負荷される力を一部で集合させることもできる。具体的には、デフキャリア20に設けられる複数の補強リブ部は、複数の貫通孔16の位置(複数の凸部26の位置に対応)とマウント部25とのうちの1箇所に対応する位置(図13の太線矢印では1つの凸部26の位置について例示)で合流するように延びる2つ以上の補強リブ部28を含むこともできる。つまり、デフキャリア20に備えられる補強リブ部は、フランジ部24の1つの凸部26(貫通孔16に対応する凸部)もしくはマウント部25に向けて複数とすることができる。これにより、図13の太線矢印で示したように、補強リブ部28が3角形の形状に配されること(つまり補強リブ部同士により三角形が形成されること)ができ、強度をより確保することが可能(換言すればより補強リブ部の断面積の低減を図ることが可能)となる。
【0056】
また、図13の破線矢印で示すように負荷される力を分割させることもできる。具体的には、デフキャリア20に設けられる複数の補強リブ部は、デフキャリア20の外壁側において、複数の凹部23aのうちの1つの位置から分流して延びる2以上の補強リブ部28を含むことが好ましい。つまり、デフキャリア20に備えられる補強リブ部は、ベアリング取付部23の1つの凹部23aから複数とすることが好ましい。これにより、図13の破線矢印で示したように、補強リブ部が3角形の形状に配されること(つまり補強リブ部同士により三角形が形成されること)ができ、強度をより確保することが可能(換言すればより補強リブ部の断面積の低減を図ることが可能)となる。
【0057】
また、図14の破線矢印で示すように負荷される力を分割させることもできる。具体的には、デフキャリア20に設けられる複数の補強リブ部は、デフキャリア20の外壁側において、1つのマウント部25に向かって並行に延びる2以上の補強リブ部27を含むことが好ましい。また、図示しないが、デフキャリア20に設けられる複数の補強リブ部は、デフキャリア20の外壁側において、1つの貫通孔16の位置(1つの凸部26に対応する位置)から並行に延びる2以上の補強リブ部28を含むこともできる。これにより、図14の破線矢印で示したように、1本1本の補強リブ部が細く(その断面形状を小さく)でき、合計の断面積を減らして効率的に剛性を確保することができる。なお、同様の考え方はデフリテーナ10においても適用することができる。
【0058】
以上のようにして、デフキャリア20では、補強リブ部27,28を備えることで効率よく第1シャフトからの荷重を分散することができる。特に、フランジ部24は2分割されたハウジング(デフキャリア20、デフリテーナ10)の合わせ面の機能を持つため、それを活用することで、フランジ部24を活用せず単独で補強リブ部を形成しておく場合や補強リブ部を設けず肉厚とする場合に比べて、大きな補強効果を得られるとともに軽量化が図れる。具体的には、デフキャリア20では、フランジ部24を活用せず単独で補強リブ部を形成しておく場合に比べて、軽量化を図ることができるだけでなく、次のような品質悪化の問題も低減させることができる。即ち、鋳造により製造する場合には、補強リブ部を交わるように配したり長くしたりする必要があり、湯流れの悪化に依る鋳造品質の悪化の問題が生じるが、デフキャリア20ではそのような問題も低減させることができる。また、デフキャリア20では、単に肉厚とする場合に比べて、鋳造により製造する場合の引け巣などの鋳造欠陥が発生し鋳造品質が低下するといった問題を低減させることができる。
【0059】
以上に説明したように、本実施の形態にかかるデフハウジング1では、ベアリング取付部にかかる荷重を、補強リブ部を介してフランジ部を通り、マウント部へと逃がすことができる。特に好ましい例では、ベアリング部とフランジ部をつなぐ補強リブ部は、負荷のベクトル方向に応じて下記の(1)~(3)のように設定することで、より効率的に力を伝達することができる。
【0060】
(1)締結部(貫通孔16、凸部26で例示)同士を直接つなぐ。
(2)補強リブ部は断面形状の大きなリブではなく、断面形状のより小さい並行に走る複数本のリブとして設計することで、合計の断面積を減らして効率的に剛性を確保する。
(3)一つの締結部から2つの補強リブ部をつなぎ、三角形を用いて強度確保する。
【0061】
よって、本実施の形態では、ベアリング取付部13及び/又はベアリング取付部23にかかる荷重を分散する補強リブ部の断面積を低減させて軽量化を図ることが可能になる。また、本実施の形態によれば、このようなデフハウジング1を車両に搭載した場合にはその車両の軽量化も図ることができる。
【0062】
また、上述したように、補強リブ部17,18の断面形状や補強リブ部27,28の断面形状は問わないが、次のような制限を設けることが好ましい。補強リブ部17(第1補強リブ部)は、補強リブ部18(第2補強リブ部)より延伸方向に垂直な面の断面積が大きいようにしてもよい。これにより、より荷重のかかるマウント部15を重点的に補強することができる。同様に、補強リブ部27(第1補強リブ部)は、補強リブ部28(第2補強リブ部)より延伸方向に垂直な面の断面積が大きいようにしてもよい。これにより、より荷重のかかるマウント部25を重点的に補強することができる。
【0063】
また、上述したデフハウジング1の製造方法や各部品の製造方法は問わない。また、上述したデフリテーナ10、デフキャリア20を含んで構成されるデフハウジング1は、ディファレンシャル装置全般に適用することが可能である。例えば、AT(Automatic Transmission)、CVT(Continuously Variable Transmission)、MT(Manual Transmission)の全てに適用可能である。また、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、EV(Electric Vehicle)においても、トランスアクスルのディファレンシャル組立体に適用することで、ユニットを小型化、軽量化することができ、電池の使用量を低減することができる。
【0064】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、補強リブ部の形状も含め、デフハウジング1の形状は図示したものに限ったものではない。
【0065】
また、複数の補強リブ部が、デフキャリア20とデフリテーナ10の双方に備えられ、且つ、デフキャリア20及びデフリテーナ10の双方で、対向する同じ位置に補強リブ部が設けられる例を挙げたが、異なる位置関係で補強リブ部を設けてもよい。また、デフキャリア20及びデフリテーナ10のいずれか一方のみ補強リブ部が設けられてもよいが、双方の設けておくことで、いずれか一方の場合よりも強度がより確保され、効率的に補強を行うことができる。
【0066】
また、デフリテーナ10、デフキャリア20はそれぞれ第1のデフハウジング部品、第2のデフハウジング部品と称することができ、実際に両者におけるディファレンシャル装置の収容割合は問わず、例えばディファレンシャル装置の一部がデフリテーナ10側に覆われるような構成も採用できる。また、デフハウジング1が平面上で2つに分割された構造であることを前提としたが、3次元曲面上で分割されていてもよく、またディファレンシャル機構等の組付けなどのために3つ以上に分割された構造とすることもできる。
【0067】
いずれの場合でも、デフハウジングは、隣り合う部品間においてフランジ部により互いに結合されることができる。よって、同様の考え方で、デフキャリアとデフリテーナの少なくとも一方に補強リブ部を設けることができ、更にそれ以外に相当する部品(ベアリング取付部を有する部品)についても同様に、ベアリング取付部にかかる荷重を分散する補強リブ部を設けることができる。
【0068】
また、図1等において、分割の方向がY軸に垂直な面の方向であるデフハウジング1を例示したが、Y軸に水平な面(図1で説明するところの開口部11及び開口部21を通る面又は通らない面)で分割することもできる。その場合でも、デフハウジングは、隣り合う部品間においてフランジ部により互いに結合されることができ、同様の考え方で、デフキャリアとデフリテーナの少なくとも一方に、ベアリング取付部にかかる荷重を分散する補強リブ部を設けることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 ディファレンシャルハウジング(デフハウジング)
10 デフリテーナ
11 開口部
13 ベアリング取付部
13a 凹部
14 フランジ部
15 マウント部
16 貫通孔
17、18 補強リブ部
20 デフキャリア
21、22 開口部
23、31、32 ベアリング取付部
23a 凹部
24 フランジ部
25 マウント部
26 凸部
27、28、29、30 補強リブ部
33 緩挿部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14