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特許7593134予約管理システム、予約管理方法、及び予約管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】予約管理システム、予約管理方法、及び予約管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20241126BHJP
【FI】
G06Q10/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021008508
(22)【出願日】2021-01-22
(65)【公開番号】P2022112644
(43)【公開日】2022-08-03
【審査請求日】2023-11-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】片山 泰司
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-024696(JP,A)
【文献】エアーチャイナ ご案内・サービス/オーバーブッキングについて [online],日本,エアーチャイナ,2015年05月29日,[2024年8月14日検索],インターネット<https://web.archive.org/web/20150529195935/https:/www.airchina.jp/JP/JP/info/overbooking>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1宿泊施設に含まれる複数の第1部屋に対する予約を受け付ける予約処理部と、
前記第1部屋について予約可能数よりも前記予約処理部により受け付けられた予約の合計数が多い過剰予約が発生したか否かを判定する判定処理部と、
前記第1部屋について前記過剰予約が発生した場合に、前記第1部屋複数の予約者のうち予約者の前記第1宿泊施設の到着予定時刻に基づいて、予約変更を行う変更対象者を抽出する抽出処理部と、
前記抽出処理部により抽出される前記変更対象者の予約先を、前記第1部屋から前記第1宿泊施設とは異なる第2宿泊施設の第2部屋に変更する変更処理部と、
を備える予約管理システム。
【請求項2】
前記抽出処理部は、前記第1部屋の複数の予約者のうち前記到着予定時刻が最も遅い予約者を前記変更対象者として抽出する、
請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項3】
前記抽出処理部は、前記第1部屋の予約者であって属性が同じ複数の予約者のうち前記到着予定時刻が最も遅い予約者を前記変更対象者として抽出する、
請求項2に記載の予約管理システム。
【請求項4】
前記到着予定時刻は、前記第1宿泊施設の予約情報に含まれ、
前記抽出処理部は、前記予約情報を参照して前記変更対象者を抽出する、
請求項1~3のいずれかに記載の予約管理システム。
【請求項5】
前記第1部屋において前記過剰予約が発生した場合に前記第2宿泊施設を検索する検索処理部をさらに備え、
前記変更処理部は、前記抽出処理部により抽出される前記変更対象者の予約先を、前記検索処理部により検索される前記第2宿泊施設の前記第2部屋に変更する、
請求項1~4のいずれかに記載の予約管理システム。
【請求項6】
前記検索処理部は、前記第1宿泊施設の情報に基づいて前記第2宿泊施設を検索する、
請求項5に記載の予約管理システム。
【請求項7】
前記検索処理部は、前記第1部屋に対する前記変更対象者の予約情報に基づいて前記第2宿泊施設を検索する、
請求項5に記載の予約管理システム。
【請求項8】
前記変更対象者に特典を付与する特典処理部をさらに備える、
請求項1~7のいずれかに記載の予約管理システム。
【請求項9】
前記第1宿泊施設に含まれる全ての部屋は、同一種類の部屋タイプである、
請求項1~8のいずれかに記載の予約管理システム。
【請求項10】
前記第1宿泊施設に配置される操作端末において前記予約者から前記第1宿泊施設のチェックイン操作を受け付ける受付処理部と、
前記受付処理部が前記変更対象者から前記チェックイン操作を受け付けた場合に、予約先を前記第1部屋から前記第2部屋に変更したことを示す特定情報を前記操作端末に表示させる表示処理部と、
をさらに備える請求項1~9のいずれかに記載の予約管理システム。
【請求項11】
一又は複数のプロセッサーが、
第1宿泊施設に含まれる複数の第1部屋に対する予約を受け付ける予約ステップと、
前記第1部屋について予約可能数よりも受け付けられた予約の合計数が多い過剰予約が発生したか否かを判定する判定ステップと、
前記第1部屋について前記過剰予約が発生した場合に、前記第1部屋複数の予約者のうち予約者の前記第1宿泊施設の到着予定時刻に基づいて、予約変更を行う変更対象者を抽出する抽出ステップと、
抽出される前記変更対象者の予約先を、前記第1部屋から前記第1宿泊施設とは異なる第2宿泊施設の第2部屋に変更する変更ステップと、
を実行する予約管理方法。
【請求項12】
第1宿泊施設に含まれる複数の第1部屋に対する予約を受け付ける予約ステップと、
前記第1部屋について予約可能数よりも受け付けられた予約の合計数が多い過剰予約が発生したか否かを判定する判定ステップと、
前記第1部屋について前記過剰予約が発生した場合に、前記第1部屋複数の予約者のうち予約者の前記第1宿泊施設の到着予定時刻に基づいて、予約変更を行う変更対象者を抽出する抽出ステップと、
抽出される前記変更対象者の予約先を、前記第1部屋から前記第1宿泊施設とは異なる第2宿泊施設の第2部屋に変更する変更ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための予約管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予約管理システム、予約管理方法、及び予約管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新幹線、飛行機などの予約システムにおいて、予約可能数よりも多い予約を受け付ける過剰予約(所謂、オーバーブッキング)が行われている。また、前記オーバーブッキングを利用することにより、直前キャンセルに対して予約変更を効率良く行うことが可能なシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-024696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、宿泊施設においても、予約可能な部屋数よりも多い予約を受け付けるオーバーブッキングが行われている。ここで、宿泊施設では、宿泊日当日にオーバーブッキングが解消されていない場合には、オーバーブッキング対象の宿泊客(予約者)に予約した部屋よりもランクが上の空き部屋を案内するなどして調整している。従来、このようなオーバーブッキングを解消するための予約変更業務は、宿泊日前にスタッフが手動で行っている。このため、宿泊施設のスタッフに、オーバーブッキングの解消作業の負担が生じる。
【0005】
本発明の目的は、予約対象について予約可能数よりも受け付けられた予約の合計数が多い過剰予約(オーバーブッキング)を解消する業務に関するスタッフの業務負担を軽減することが可能な予約管理システム、予約管理方法、及び予約管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る予約管理システムは、第1利用対象に含まれる複数の第1予約対象に対する予約を受け付ける予約処理部と、前記第1予約対象について予約可能数よりも前記予約処理部により受け付けられた予約の合計数が多い過剰予約が発生したか否かを判定する判定処理部と、前記第1予約対象について前記過剰予約が発生した場合に、前記第1予約対象の予約者のうち予約者の属性に基づいて、予約変更を行う変更対象者を抽出する抽出処理部と、前記抽出処理部により抽出される前記変更対象者の予約先を、前記第1予約対象から前記第1利用対象とは異なる第2利用対象の第2予約対象に変更する変更処理部と、を備えるシステムである。
【0007】
本発明の他の局面に係る予約管理方法は、一又は複数のプロセッサーが、第1利用対象に含まれる複数の第1予約対象に対する予約を受け付ける予約ステップと、前記第1予約対象について予約可能数よりも受け付けられた予約の合計数が多い過剰予約が発生したか否かを判定する判定ステップと、前記第1予約対象について前記過剰予約が発生した場合に、前記第1予約対象の予約者のうち予約者の属性に基づいて、予約変更を行う変更対象者を抽出する抽出ステップと、抽出される前記変更対象者の予約先を、前記第1予約対象から前記第1利用対象とは異なる第2利用対象の第2予約対象に変更する変更ステップと、を実行する方法である。
【0008】
本発明の他の局面に係る予約管理プログラムは、第1利用対象に含まれる複数の第1予約対象に対する予約を受け付ける予約ステップと、前記第1予約対象について予約可能数よりも受け付けられた予約の合計数が多い過剰予約が発生したか否かを判定する判定ステップと、前記第1予約対象について前記過剰予約が発生した場合に、前記第1予約対象の予約者のうち予約者の属性に基づいて、予約変更を行う変更対象者を抽出する抽出ステップと、抽出される前記変更対象者の予約先を、前記第1予約対象から前記第1利用対象とは異なる第2利用対象の第2予約対象に変更する変更ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、予約対象について予約可能数よりも受け付けられた予約の合計数が多い過剰予約(オーバーブッキング)を解消する業務に関するスタッフの業務負担を軽減することが可能な予約管理システム、予約管理方法、及び予約管理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムで利用される予約情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムで利用されるグループ種別情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムで利用される第1グループ情報の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムで利用される第2グループ情報の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムで利用される予約情報の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムで利用される予約情報の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムのチェックイン端末の一例を示す外観図である。
図10図10は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムのチェックイン端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムのチェックイン端末に表示される通知画面の一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムのチェックイン端末に表示される通知画面の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムの予約管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムの予約管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムの予約管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システムのチェックイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、本発明の実施形態2に係る宿泊施設予約管理システムの予約管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[実施形態1]
[宿泊施設予約管理システム100]
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システム100は、管理装置10とチェックイン端末20と利用者端末30とを含む。宿泊施設予約管理システム100は、ホテル、旅館等の宿泊施設に導入される。宿泊施設予約管理システム100は、本発明の予約管理システムの一例である。なお、本発明の予約管理システムは、利用対象に含まれる複数種別の予約対象に対する予約を受け付ける予約システムに適用可能であり、宿泊施設の他に、例えば鉄道、飛行機などの予約システムに適用することも可能である。本実施形態では、本発明の予約管理システムが宿泊施設の予約システムに適用される場合を例に挙げて説明する。
【0013】
宿泊施設予約管理システム100には、一又は複数の宿泊施設に配置される管理装置10及びチェックイン端末20が含まれる。図1では、宿泊施設H1に配置される管理装置10及びチェックイン端末20と、宿泊施設H2に配置される管理装置10及びチェックイン端末20とを例示している。以下では、特に断らない限り、宿泊施設H1の管理装置10及びチェックイン端末20について説明する。
【0014】
管理装置10は、例えば宿泊施設H1のフロント、事務室等に配置され、予約を管理する。宿泊施設H1のスタッフ(管理者、従業員など)は、管理装置10を操作することが可能である。チェックイン端末20は、本発明の操作端末の一例であり、例えば宿泊施設H1のフロント付近に配置され、宿泊客である利用者(予約者)によるチェックイン手続き及びチェックアウト手続きなどの操作を受け付ける。管理装置10とチェックイン端末20とは、宿泊施設H1に設置される有線LAN又は無線LANなどの通信網N1を介して通信可能である。チェックイン端末20は、1台設置されてもよいし複数台設置されてもよい。なお、管理装置10は、宿泊施設H1の外部に配置され、通信網N1を介してチェックイン端末20と通信してもよい。
【0015】
ここで、宿泊施設H1の利用者は、自身の利用者端末30を使用して、例えば、宿泊施設H1が運営するWEBサイトの宿泊予約ページにアクセスして宿泊予約を行う。管理装置10は、宿泊予約された予約情報を取得して予約を管理する。なお、予約処理は、管理装置10で実行されてもよいし、管理装置10に通信網N1を介して接続された予約サーバ(不図示)で実行されてもよい。例えば前記予約サーバーは、利用者から予約要求を受け付けて予約処理を実行し、予約が完了した場合に前記予約情報を管理装置10に通知する。複数の利用者端末30及び管理装置10は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N2を介して通信可能である。宿泊予約した予約者は、宿泊日に宿泊施設H1を訪れ、チェックイン端末20を操作してチェックイン手続きを行う。また予約者は、必要に応じてチェックイン端末20を操作してチェックアウト手続きを行う。
【0016】
[利用者端末30]
図2に示されるように、利用者端末30は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信部34などを備える。利用者端末30は、宿泊施設を利用する利用者が所有する端末装置(モバイル端末)であり、例えばスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような携帯可能な情報処理装置である。
【0017】
通信部34は、利用者端末30を有線又は無線で通信網N2に接続し、通信網N2を介して管理装置10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0018】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0019】
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、制御部31に各種処理を実行させるための制御プログラムが記憶されている。例えば、前記制御プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、利用者端末30に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部32に記憶される。
【0020】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末30を制御する。
【0021】
具体的に、制御部31は、受付処理部311、表示処理部312などの各種の処理部を含む。なお、制御部31は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。また、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0022】
受付処理部311は、利用者が操作表示部33において操作した操作情報を取得する。例えば、受付処理部311は、宿泊施設H1が運営するWEBサイトにおいて利用者が操作したログイン操作及び予約操作に応じた操作情報を取得する。
【0023】
表示処理部312は、各種の情報を操作表示部33に表示させる。例えば、表示処理部312は、前記WEBサイトの宿泊予約ページを操作表示部33に表示させる。また表示処理部312は、その他の各種メッセージを操作表示部33に表示させる。
【0024】
前記宿泊予約ページには、宿泊情報を入力する予約画面、宿泊者情報を登録する登録画面などが含まれる。前記予約画面には、宿泊日、宿泊日数、宿泊人数、部屋タイプ、部屋数、宿泊施設に到着する予定の時刻を表す到着予定時刻などが含まれる。利用者は、前記予約画面において宿泊情報を入力した後、前記登録画面において宿泊者情報を登録する操作を行う。前記登録画面には、予約者の氏名を表す予約者名、宿泊者の氏名を表す宿泊者名、国籍、誕生日、住所、電話番号、メールアドレス、支払方法などが含まれる。利用者は、前記登録画面において宿泊者情報を登録した後、予約を確認させる操作を行うと宿泊予約が完了する。
【0025】
なお、前記部屋タイプは、例えばシングルルーム、ダブルルーム、ツインルーム、スイートルームなど予約対象の部屋の種別を表す情報である。利用者は、宿泊人数などに応じて所望の部屋タイプを選択する。
【0026】
また、団体で宿泊施設H1を利用する場合、団体に含まれる各利用者は、前記予約画面において、団体であるか否かを選択する。前記宿泊情報には、利用者が団体予約者であるか否かの情報が含まれる。
【0027】
制御部31は、前記宿泊予約ページにおいて宿泊予約を完了した場合に、管理装置10から予約完了通知を取得する。前記予約完了通知には、宿泊予約の内容(予約内容)が含まれる。また、前記予約完了通知に、チェックイン手続きに利用可能な二次元コードなどの情報コードが含まれてもよい。前記情報コードには、例えば利用者(予約者)を識別する利用者ID、会員ID等の利用者情報、予約管理番号などが含まれてもよい。制御部31が前記予約完了通知を取得すると、表示処理部312は、予約内容を操作表示部33に表示させる。
【0028】
[管理装置10]
以下、宿泊施設H1の管理装置10について説明する。なお、各宿泊施設の管理装置10は同一の構成を備える。図2に示されるように、管理装置10は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、通信部14などを備える。管理装置10は、例えばパーソナルコンピュータ又はタブレット端末のような情報処理装置であってもよい。また、管理装置10は、所謂ホテル管理システム(Property Management System)を構築する情報処理装置又はクラウドサーバであってもよい。管理装置10は、予約管理に加えて、客室管理、会計管理、及び顧客管理などの機能を備えてもよい。また、宿泊施設H1の管理装置10と、宿泊施設H2の管理装置10とは、互いに通信可能であって、予約情報などを相互に閲覧可能に構成されてもよい。
【0029】
通信部14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N2に接続し、通信網N2を介して利用者端末30及び宿泊施設H2の管理装置10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。また、通信部14は、管理装置10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してチェックイン端末20との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
【0030】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0031】
記憶部12は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部12には、制御部11に後述の予約管理処理(図13図15参照)及びチェックイン処理(図16参照)を実行させるための予約管理プログラム及びチェックインプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記予約管理プログラム及び前記チェックインプログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理装置10に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0032】
また、記憶部12には、利用者端末30から受け付けた宿泊予約の情報を表す予約情報D1、予約者の属性に応じたグループの種別を表すグループ種別情報D2、第1グループの予約者(新規予約者)の情報を表す第1グループ情報D3、第2グループの予約者(リピーター)の情報を表す第2グループ情報D4などのデータが記憶される。また、記憶部12には、チェックインの状況を表すチェックイン情報(不図示)が記憶される。
【0033】
図3は、予約情報D1の一例を示す図である。図3に示す例では、2020年12月25日に宿泊施設H1を利用する利用者(予約者)の予約情報D1を示している。予約情報D1には、前記宿泊情報及び前記宿泊者情報が登録される。図3では、説明の便宜上、一部の情報、具体的には、予約番号、予約者名、宿泊日、部屋タイプ、到着予定時刻、宿泊料金、部屋番号を示している。制御部11は、前記宿泊情報及び前記宿泊者情報を取得すると、予約情報D1を記憶部12に登録する。なお、制御部11は、前記部屋番号を、例えば予約受付時には登録せず、宿泊日前日の所定のタイミング(所定時刻)に実行する部屋の割当処理(後述の予約管理処理の一部)において登録する。予約情報D1は、前記到着予定時刻(本発明の利用予定日時の一例)、宿泊料金(本発明の利用料金の一例)、宿泊施設を予約した予約日時のうち少なくともいずれかを含む。
【0034】
図4は、グループ種別情報D2の一例を示す図である。グループ種別情報D2には、予約番号、予約者名、属性、部屋タイプ、グループ種別の情報が含まれる。前記属性は、予約者の属性を示す情報であり、例えば、宿泊施設H1を初めて予約する新規予約者(本発明の第1予約者の一例)、宿泊施設H1を過去に予約したことのあるリピーター(本発明の第2予約者の一例)、一人の予約者が複数の部屋をまとめて予約する複数部屋予約者(本発明の第3予約者の一例)、及び複数の部屋を予約する団体に含まれる団体予約者(本発明の第4予約者の一例)のうち少なくともいずれかを含む。制御部11は、前記予約情報、宿泊履歴情報などに基づいて前記属性を特定する。
【0035】
前記グループ種別は、前記属性に対応する識別情報である。具体的には、前記新規予約者に対してグループ種別「1」が対応付けられ、前記リピーターに対してグループ種別「2」が対応付けられ、前記複数部屋予約者に対してグループ種別「3」が対応付けられ、前記団体予約者に対してグループ種別「4」が対応付けられて登録される。制御部11は、前記予約情報、宿泊履歴情報などに基づいてグループ種別情報D2を記憶部12に登録する。
【0036】
図5は、第1グループ情報D3の一例を示す図である。第1グループ情報D3には、グループ種別「1」の前記新規予約者の予約情報D1に対応する順位、予約番号、予約者名、属性、部屋タイプ、到着予定時刻の情報が含まれる。なお、図5に示す第1グループ情報D3は、前記新規予約者のうち予約対象の部屋タイプが「シングルルーム」の新規予約者に関する情報を示している。前記順位は、部屋タイプが「シングルルーム」の複数の新規予約者について到着予定時刻の遅い順の順番を表す情報である。制御部11は、予約情報D1から部屋タイプが「シングルルーム」の新規予約者を抽出して到着予定時刻の遅い順に並べた第1グループ情報D3を記憶部12に登録する。なお、制御部11は、部屋タイプごとに、新規予約者に対応する第1グループ情報D3を記憶部12に登録する。
【0037】
図6は、第2グループ情報D4の一例を示す図である。第2グループ情報D4には、グループ種別「2」の前記リピーターの予約情報D1に対応する順位、予約番号、予約者名、属性、部屋タイプ、到着予定時刻の情報が含まれる。なお、図6に示す第2グループ情報D4は、前記リピーターのうち予約対象の部屋タイプが「シングルルーム」のリピーターに関する情報を示している。前記順位は、部屋タイプが「シングルルーム」の複数のリピーターについて到着予定時刻の遅い順の順番を表す情報である。制御部11は、予約情報D1から部屋タイプが「シングルルーム」のリピーターを抽出して到着予定時刻の遅い順に並べた第2グループ情報D4を記憶部12に登録する。なお、制御部11は、部屋タイプごとに、リピーターに対応する第2グループ情報D4を記憶部12に登録する。
【0038】
また、他の実施形態として、制御部11は、第1グループ情報D3及び第2グループ情報D4に加えて、さらに、グループ種別「3」の前記複数部屋予約者の予約情報D1に対応する第3グループ情報(不図示)と、グループ種別「4」の前記団体予約者の予約情報D1に対応する第4グループ情報(不図示)とを、部屋タイプごとに記憶部12に登録してもよい。
【0039】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理装置10を制御する。
【0040】
具体的に、制御部11は、予約処理部111、判定処理部112、抽出処理部113、変更処理部114、検索処理部115、特典処理部116などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記予約管理プログラム及び前記チェックインプログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記予約管理プログラム及び前記チェックインプログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0041】
予約処理部111は、利用者端末30において宿泊予約の操作が行われた場合に、予約可能であるか否かを判定し、予約可能である場合に予約処理を行う。例えば、予約処理部111は、宿泊施設H1おける予約対象である複数の部屋タイプの部屋に対する予約を受け付けて予約処理を行う。予約処理が完了した場合、予約処理部111は、利用者端末30に予約完了通知を送信し、前記宿泊情報及び前記宿泊者情報を含む予約情報を予約情報D1(図3参照)に登録する。また、予約処理部111は、チェックイン処理(図16参照)を実行する場合に、記憶部12から対象日(宿泊日当日)の予約情報D1を取得する。予約処理部111は、本発明の予約処理部の一例である。
【0042】
なお、本実施形態では、管理装置10において予約処理が行われる例について説明するが、例えば、管理装置10と利用者端末30との間に、利用者からの予約要求に応じて予約処理を実行する予約処理システムが介在していてもよい。この場合、管理装置10は、前記予約処理システムから送られてきた情報を予約情報D1に登録して管理する。
【0043】
判定処理部112は、少なくともいずれかの部屋タイプの部屋について予約可能数よりも予約処理部111により受け付けられた予約の合計数が多い過剰予約(オーバーブッキング)が発生したか否かを判定する。判定処理部112は、本発明の判定処理部の一例である。
【0044】
具体的には、制御部11は、宿泊日前日の所定のタイミング(所定時刻)に各予約者に部屋を割り当てる割当処理を実行する。例えば、制御部11は、予約者の属性に応じた優先度(優先順位)に基づいて前記割当処理を実行する。前記優先度は、例えば一度割り当てた部屋を他の部屋又は宿泊施設に変更することにより予約者に与える影響度の大きさに応じて設定される。例えば前記グループ種別「4」の団体予約者の場合、団体に含まれる利用者ごとに部屋を変更することが困難であるため、制御部11は、前記団体予約者に対して前記優先度を最も高い「1」に設定する。また、前記グループ種別「3」の複数部屋予約者の場合、予約した複数の部屋のうちの一部の部屋のみを変更することが困難であるため、制御部11は、前記優先度を前記団体予約者の次に高い「2」に設定する。また、前記グループ種別「4」の新規予約者は部屋を変更することによる影響度が最も小さいと考えられるため、制御部11は、前記優先度を最も低い「4」に設定する。また、前記グループ種別「3」のリピーターは前記新規予約者よりも重要顧客(お得意様)であるため、制御部11は、前記優先度を前記新規予約者よりも高い「3」に設定する。なお、前記優先度の設定方法は上述の方法に限定されない。
【0045】
制御部11は、前記優先度に基づいて、初めに前記団体予約者に対して希望の部屋タイプの部屋を割り当て、次に前記複数部屋予約者に対して希望の部屋タイプの部屋を割り当て、次に前記リピーターに対して希望の部屋タイプの部屋を割り当て、最後に前記新規予約者に対して希望の部屋タイプの部屋を割り当てる。制御部11は、前記割当処理を実行すると、割り当てた部屋の部屋番号を予約情報D1(図3参照)に登録する。
【0046】
ここで、例えば、前記割当処理においてシングルルームの全予約者のうち一部の予約者に対して部屋を割り当てることができない(空部屋がない)場合に、判定処理部112は、オーバーブッキングが発生したと判定する。制御部11は、部屋タイプごとに前記割当処理を実行し、判定処理部112は、部屋タイプごとにオーバーブッキングが発生したか否かを判定する。少なくともいずれかの部屋タイプの部屋においてオーバーブッキングが発生した場合、制御部11は、オーバーブッキングを解消するための予約変更処理(予約管理処理の一部)を実行する。前記予約変更処理には、予約した部屋タイプの部屋を別の部屋タイプの部屋に変更する部屋変更処理と、予約した宿泊施設を他の宿泊施設に変更する施設変更処理とが含まれる。
【0047】
なお、制御部11は、宿泊日前日に前記割当処理を実行し、宿泊日当日の所定のタイミング(所定時刻)に前記予約変更処理を実行する。例えば、制御部11は、宿泊日当日のチェックイン可能時刻(例えば15:00)の直前(例えば30分前)の時刻(14:30)に前記予約変更処理を実行する。このように、前記予約変更処理を実行するタイミングをチェックイン可能時刻の直前の時刻に設定することにより、当日にキャンセルした予約者に割り当てられた部屋をオーバーブッキング対象者に割り当てることができるため、オーバーブッキングの発生を最小限に抑えることができる。
【0048】
オーバーブッキングが発生した場合、前記予約変更処理において、抽出処理部113は、予約変更を行う変更対象者を抽出する。具体的には、抽出処理部113は、第1種別の部屋タイプ(例えばシングルルーム)の予約者のうち予約者の属性に基づいて、第1種別の部屋タイプよりもグレードが高い第2種別の部屋タイプ(例えばツインルーム)に予約を変更する変更対象者を抽出する。また、抽出処理部113は、前記割当処理における前記優先度が低い順に変更対象者を抽出する。例えば、シングルルームにおいてオーバーブッキングが発生した場合、抽出処理部113は、前記優先度が最も低い前記新規予約者を前記変更対象者として抽出する。さらに、抽出処理部113は、複数の前記新規予約者のうちシングルルームに対応する予約情報D1に基づいて特定される予約者を前記変更対象者として抽出する。例えば、抽出処理部113は、第1グループ情報D3(図5参照)を参照して、到着予定時刻が最も遅い順位第1位の新規予約者(利用者X)を前記変更対象者として抽出する。抽出処理部113は、本発明の抽出処理部の一例である。
【0049】
変更処理部114は、予約者が希望する部屋タイプの部屋を別の部屋タイプの部屋に変更する部屋変更処理を実行する。具体的には、変更処理部114は、抽出処理部113により抽出される前記変更対象者の部屋を前記第1種別の部屋から前記第2種別の部屋に変更する。例えば、変更処理部114は、利用者Xが希望するシングルルームをツインルームに変更する。変更処理部114は、利用者Xに対して変更したツインルームの部屋を割り当てると、予約情報D1の部屋タイプを変更し、ツインルームの部屋番号を登録する(図7参照)。なお、制御部11は、シングルルームからツインルームに変更した場合、宿泊料金を変更前の部屋タイプ(シングルルーム)の宿泊料金に設定する。変更処理部114は、本発明の変更処理部の一例である。
【0050】
制御部11は、利用者Xについて前記部屋変更処理を実行することによりシングルルームのオーバーブッキングが解消された場合に前記予約変更処理を終了する。一方、制御部11は、利用者Xについて前記部屋変更処理を実行してもシングルルームのオーバーブッキングが解消されない場合には、引き続き前記予約変更処理を実行する。
【0051】
例えば、抽出処理部113は、第1グループ情報D3(図5参照)を参照して、到着予定時刻が利用者Xの次に遅い順位第2位の新規予約者(利用者L)を前記変更対象者として抽出する。変更処理部114は、利用者Lが希望するシングルルームをツインルームに変更する。変更処理部114は、利用者Lに対して変更したツインルームの部屋を割り当てると、予約情報D1の部屋タイプを変更し、ツインルームの部屋番号を登録する。このようにして、制御部11は、シングルルームのオーバーブッキングが解消するまで第1グループ情報D3に登録された新規予約者の前記部屋変更処理を実行する。
【0052】
ここで、第1グループ情報D3に登録された新規予約者について前記部屋変更処理を実行してもシングルルームのオーバーブッキングが解消されない場合には、制御部11は、引き続き前記予約変更処理を実行する。
【0053】
例えば、抽出処理部113は、前記割当処理における前記優先度が前記新規予約者の次に低いリピーターを前記変更対象者として抽出する。例えば、抽出処理部113は、第2グループ情報D4(図6参照)を参照して、到着予定時刻が最も遅い順位第1位のリピーター(利用者S)を前記変更対象者として抽出する。
【0054】
変更処理部114は、利用者Sが希望するシングルルームをツインルームに変更する。変更処理部114は、利用者Sに対して変更したツインルームの部屋を割り当てると、予約情報D1の部屋タイプを変更し、ツインルームの部屋番号を登録する。
【0055】
制御部11は、利用者Sについて前記部屋変更処理を実行することによりシングルルームのオーバーブッキングが解消された場合に前記予約変更処理を終了する。一方、利用者Sについて前記部屋変更処理を実行してもシングルルームのオーバーブッキングが解消されない場合には、引き続き、抽出処理部113は、到着予定時刻が利用者Sの次に遅い順位第2位のリピーター(利用者R)を前記変更対象者として抽出する。また、変更処理部114は、利用者Rが希望するシングルルームをツインルームに変更する。変更処理部114は、利用者Rに対して変更したツインルームの部屋を割り当てると、予約情報D1の部屋タイプを変更し、ツインルームの部屋番号を登録する。このようにして、制御部11は、シングルルームのオーバーブッキングが解消するまで第2グループ情報D4に登録されたリピーターの前記部屋変更処理を実行する。
【0056】
ここで、制御部11は、第2グループ情報D4に登録されたリピーターに対する部屋変更処理を実行してもオーバーブッキングが解消されない場合に、予約した宿泊施設を他の宿泊施設に変更する施設変更処理(予約管理処理の一部)を実行してもよい。例えば、制御部11は、宿泊施設H1においてオーバーブッキングを解消可能な他の部屋タイプの空部屋が存在しない場合に前記施設変更処理を実行する。
【0057】
なお、制御部11は、第2グループ情報D4に登録されたリピーターに対する前記部屋変更処理を実行してもオーバーブッキングが解消されない場合に、さらに前記第3グループ情報に登録された複数部屋予約者に対して前記部屋変更処理を実行してもよい。そして、制御部11は、前記第3グループ情報に登録された複数部屋予約者に対する前記部屋変更処理を実行してもオーバーブッキングが解消されない場合に、前記施設変更処理を実行してもよい。
【0058】
また、制御部11は、前記第3グループ情報に登録された複数部屋予約者に対する前記部屋変更処理を実行してもオーバーブッキングが解消されない場合に、前記第4グループ情報に登録された団体予約者に対して前記部屋変更処理を実行してもよい。そして、制御部11は、前記第4グループ情報に登録された団体予約者に対する前記部屋変更処理を実行してもオーバーブッキングが解消されない場合に、前記施設変更処理を実行してもよい。
【0059】
前記施設変更処理において、検索処理部115は、所定の部屋タイプの部屋においてオーバーブッキングが解消されない場合に、当該部屋タイプと同等以上の部屋を予約可能な他の宿泊施設を検索する。例えば、検索処理部115は、シングルルームのオーバーブッキングが解消されない場合に、他の宿泊施設の管理装置10に記憶されている予約情報D1を参照してシングルルーム、ツインルーム、又はスイートルームの空部屋を有する宿泊施設を検索する。すなわち、宿泊施設H1の管理装置10は、他の宿泊施設の管理装置10とデータ通信を行うことにより予約可能な他の宿泊施設を検索する。また、検索処理部115は、宿泊施設H1のシングルルームと宿泊料金、部屋の大きさなどが同等以上の空部屋を有する宿泊施設を検索してもよい。
【0060】
また、検索処理部115は、宿泊施設H1の情報に基づいて他の宿泊施設を検索してもよい。例えば、検索処理部115は、宿泊施設H1の住所、グレード、規模(部屋数、大きさ)、設備(バス、トイレ、アメニティなど)などに基づいて他の宿泊施設を検索する。ここでは、検索処理部115が宿泊施設H2を検索したと仮定する。
【0061】
変更処理部114は、抽出処理部113により抽出される前記変更対象者の前記予約対象を、検索処理部115により検索される宿泊施設H2の予約対象に変更する。例えば、第2グループ情報D4に登録されたリピーター(利用者R)に対するシングルルームの前記部屋変更処理を実行してもオーバーブッキングが解消されない場合に、変更処理部114は、次に抽出されるリピーター(利用者B)のシングルルームを、検索処理部115により検索される宿泊施設H2のシングルルームに変更する。なお、例えば、変更処理部114は、宿泊施設H2の管理装置10に利用者Bに関する予約要求を送信する。宿泊施設H2の管理装置10は前記予約要求を受信すると、利用者Bのシングルルームの予約を確定させて宿泊施設H2の予約情報に登録する。変更処理部114は、利用者Bの予約対象を宿泊施設H2に変更すると、予約情報D1の部屋タイプに宿泊施設H2の情報を登録する(図8参照)。
【0062】
特典処理部116は、前記変更対象者に特典を付与する。具体的には、特典処理部116は、同じ宿泊施設内で部屋タイプをグレードアップした場合に、宿泊料金をグレードアップ前の部屋タイプの宿泊料金に設定する。また、特典処理部116は、宿泊施設を変更した場合に、変更後の宿泊施設の宿泊料金を無料にする又は割り引く。特典処理部116は、チェックイン端末20において、チェックイン処理時に前記変更対象者に前記特典(クーポンなど)を付与してもよい。これにより、予約変更された利用者の不満、クレームなどを抑制することができる。
【0063】
また、制御部11は、前記予約変更処理を実行した場合に、利用者端末30に予約対象(部屋又は宿泊施設)を変更したことを示す特定情報を通知してもよい。
【0064】
また、制御部11は、前記予約変更処理を実行した場合に、チェックイン端末20において、チェックイン処理時に予約対象(部屋又は宿泊施設)を変更したことを示す特定情報(後述)を表示させてもよい(図11及び図12参照)。
【0065】
また、制御部11は、宿泊施設における利用者のチェックイン手続きが完了した場合に、チェックイン情報(不図示)を更新する。前記チェックイン情報には、宿泊日当日の利用者名(宿泊者名)、チェックインが完了したか否かを示すチェックイン状況、部屋番号などが含まれる。
【0066】
[チェックイン端末20]
図2に示されるように、チェックイン端末20は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、スピーカ24、読取部25、カメラ26、通信部27などを備える。チェックイン端末20は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。図9は、チェックイン端末20の一例を示す外観図である。図9に示すように、チェックイン端末20において、利用者は操作表示部23をタッチ操作することが可能となっている。利用者は、操作表示部23に表示される操作画面を操作しながらチェックイン手続き及びチェックアウト手続きを行う。カメラ26は、操作表示部23の上部に設けられており、例えば利用者の顔画像を撮像する。チェックイン端末20には、クレジットカードなどのカード類を挿入するカード挿入部、硬貨及び紙幣を投入する金銭投入部、カードキーを発行するカードキー発行部なども含まれる。
【0067】
通信部27は、チェックイン端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理装置10との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0068】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0069】
カメラ26は、利用者の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。カメラ26は、ネットワークカメラであってもよい。また、カメラ26は、チェックイン端末20の前の人を検知するセンサ機能を備えてもよい。
【0070】
読取部25は、二次元コードなどの情報コードを読み取る。また読取部25は、利用者の旅券(パスポート)、身分証明書などをスキャンする機能を備えてもよい。
【0071】
記憶部22は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、制御部21に後述のチェックイン処理(図16参照)を実行させるためのチェックインプログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記チェックインプログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、チェックイン端末20に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記チェックインプログラムは、通信網N1を介してチェックイン端末20の記憶部22にダウンロードされてもよい。
【0072】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりチェックイン端末20を制御する。
【0073】
具体的に、制御部21は、図2に示すように、受付処理部211、表示処理部212、チェックイン処理部213などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記チェックインプログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記チェックインプログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0074】
受付処理部211は、宿泊施設H1の利用者(予約者)がチェックイン端末20の操作表示部23において操作した操作情報を取得する。例えば、利用者が図10に示すチェックイン画面において前記チェックイン手続きを開始する操作を行うと、受付処理部211は、当該操作情報を取得する。前記チェックイン手続きには、利用者が外国人の場合に旅券をスキャンする手続き、予約番号、氏名、電話番号、住所など宿泊者情報を入力する手続き、決済手続き、ルームキー(モバイルキー又はカードキー)を選択する手続きなどが含まれる。なお、利用者が、前記チェックイン手続きにおいて、利用者端末30(携帯端末)に表示された二次元コードを読取部25(図9参照)に翳した場合に、受付処理部211が、読み取った前記二次元コードに含まれる前記宿泊者情報を取得してもよい。受付処理部211は、本発明の受付処理部の一例である。
【0075】
表示処理部212は、各種の情報を操作表示部23に表示させる。例えば、表示処理部212は、チェックイン手続きに必要な情報を入力させるための操作画面を順次、操作表示部23に表示させる。表示処理部212は、その他の各種メッセージを操作表示部23に表示させる。なお、チェックイン端末20がチェックアウト手続きを行う機能を備える場合、チェックアウト手続きに必要な情報を入力させるための操作画面を順次、操作表示部23に表示させる。表示処理部212は、本発明の表示処理部の一例である。
【0076】
チェックイン処理部213は、チェックイン手続きにおいて入力された情報に基づいて、利用者の認証を行う。例えば、チェックイン処理部213は、管理装置10に記憶される予約情報D1(図3参照)を参照して、利用者が入力した情報が予約情報D1に一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可する。また、チェックイン処理部213は、読取部25においてスキャンした旅券画像と、カメラ26により撮像された利用者の顔画像とが一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可してもよい。
【0077】
ここで、管理装置10において前記予約変更処理が実行された場合に、表示処理部312は、予約対象(部屋又は宿泊施設)を変更したことを示す特定情報を操作表示部23に表示させる。例えば、管理装置10の制御部11がシングルルームのオーバーブッキングを解消するために利用者Xが予約したシングルルームをツインルームに変更した場合に(図7参照)、表示処理部212は、制御部11から取得する前記特定情報を、図11に示す通知画面に表示させる。具体的には、表示処理部212は、部屋タイプを変更したことを示すメッセージ、変更を承諾するか否かを問い合わせるメッセージ、承諾するか否かを選択する選択ボタンK1,K2などを通知画面に表示させる。
【0078】
図11に示す通知画面において、利用者Xが選択ボタンK1を押下すると、チェックイン処理部213は、チェックイン処理を継続して決済処理、ルームキー発行処理などを実行する。例えば、チェックイン処理部213は、利用者によるチェックインに必要な情報の入力が完了し、利用者の認証に成功した場合に、宿泊料金の支払い関する決済処理を行う。具体的には、利用者がクレジットカードをチェックイン端末20のカード挿入部に挿入すると、チェックイン処理部213は、利用者が利用する決済事業者の決済サーバーに決済要求を送信して決済処理を行う。また、チェックイン処理部213は、利用者に割り当てられた部屋のルームキーを発行する。一方、図11に示す通知画面において、利用者Xが選択ボタンK2を押下すると、チェックイン処理部213はチェックイン処理を中断し、表示処理部212はフロントへ案内する通知を表示させる。
【0079】
また例えば、管理装置10の制御部11がシングルルームのオーバーブッキングを解消するために利用者Bが予約した宿泊施設H1を他の宿泊施設H2に変更した場合に、表示処理部212は、制御部11から取得する前記特定情報を、図12に示す通知画面に表示させる。具体的には、表示処理部212は、宿泊施設を変更したことを示すメッセージ、変更を承諾するか否かを問い合わせるメッセージ、承諾するか否かを選択する選択ボタンK1,K2などを通知画面に表示させる。また、表示処理部212は、変更先の宿泊施設H2に関する詳細情報を表示させるための選択ボタンK3を通知画面に表示させる。
【0080】
図12に示す通知画面において、利用者Bが選択ボタンK1を押下すると、表示処理部212は、宿泊施設H2に関する案内情報を表示させる。前記案内情報には、宿泊施設H2の施設情報、現在地(宿泊施設H1)から宿泊施設H2までの経路、所要時間などが含まれる。また、利用者Bが選択ボタンK1を押下すると、表示処理部212は、特典(例えば電子クーポン)を通知画面に表示させる。
【0081】
なお、制御部21は、利用者Bが変更先の宿泊施設H2においてチェックイン手続きを行う際に利用可能なチェックイン情報を提示してもよい。例えば、利用者Bが選択ボタンK1を押下すると、制御部21は、利用者Bの宿泊施設H1における予約情報、オーバーブッキングを解消するために宿泊施設H1を宿泊施設H2に変更したことを示す変更情報、宿泊施設H2の宿泊料金を割り引く特典情報、チェックイン操作の引継情報などのチェックイン情報を含む二次元コードをチェックイン端末20に表示させる。前記引継情報には、宿泊施設H1の前記チェックイン手続きにおいて入力した宿泊者情報などが含まれる。利用者Bは、前記二次元コードを取得すると、宿泊施設H2においてチェックイン端末20に前記二次元コードを翳すことにより、チェックイン手続きを行うことができる。例えば、利用者Bは、宿泊施設H2のチェックイン端末20において、残りのチェックイン手続き、例えば決済手続き、ルームキー発行手続きなどを行う。これにより、利用者Bは、宿泊施設H2において、重複するチェックイン操作を省略することができるためスムーズにチェックイン手続きを行うことができる。
【0082】
一方、図12に示す通知画面において、利用者Bが選択ボタンK2を押下すると、チェックイン処理部213はチェックイン処理を中断し、表示処理部212はフロントへ案内する通知を表示させる。
【0083】
制御部21は、利用者に対してルームキーの発行を完了すると、前記チェックイン処理を終了してチェックイン手続きを終了する。また、複数のチェックイン端末20は、並行して前記チェックイン処理を行うことが可能である。
【0084】
実施形態1の他の実施形態として、抽出処理部113は、オーバーブッキングが発生した場合に、所定の属性に応じた予約者(例えば前記優先度が最も低い新規予約者)のうち、宿泊料金が最も高い予約者を前記変更対象者として抽出してもよい。そして、変更処理部114は、抽出された予約者が希望する部屋タイプの部屋をアップグレードした部屋に変更する。また、変更処理部114は、抽出された予約者が希望する宿泊施設H1を他の宿泊施設H2に変更する。すなわち、制御部11は、オーバーブッキングが発生した場合に、宿泊料金が高い順に前記予約変更処理を実行してもよい。このように、宿泊施設が高い予約者をアップグレードすることにより、宿泊施設は、アップグレードによる売り上げの損失を抑制することができる。
【0085】
また、実施形態1の他の実施形態として、抽出処理部113は、オーバーブッキングが発生した場合に、所定の属性に応じた予約者(例えば前記優先度が最も低い新規予約者)のうち、予約日時が最も遅い予約者を前記変更対象者として抽出してもよい。そして、変更処理部114は、抽出された予約者が希望する部屋タイプの部屋をアップグレードした部屋に変更する。また、変更処理部114は、抽出された予約者が希望する宿泊施設H1を他の宿泊施設H2に変更する。すなわち、制御部11は、オーバーブッキングが発生した場合に、予約日時が遅い順に前記予約変更処理を実行してもよい。このように、早く予約した予約者については、予約変更処理を行わず優先的に予約を確定させてもよい。
【0086】
また、実施形態1の他の実施形態として、抽出処理部113は、オーバーブッキングが発生した場合に、所定の属性に応じた予約者(例えば前記優先度が最も低い新規予約者)のうち、到着予定時刻、宿泊料金、及び予約日時の少なくともいずれかの情報に基づいて特定される予約者を前記変更対象者として抽出してもよい。
【0087】
[予約管理処理]
以下、図13図15を参照しつつ、宿泊施設予約管理システム100において実行される予約管理処理の一例について説明する。予約管理処理は、管理装置10の制御部11により実行される。例えば、制御部11は、宿泊日前日の所定時刻になると前記予約管理プログラムの実行を開始することによって、前記予約管理処理の実行を開始する。なお、前記予約管理処理は、管理装置10における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。
【0088】
なお、本発明は、前記予約管理処理に含まれる一又は複数のステップを実行する予約管理方法(本発明の予約管理方法の一例)の発明として捉えることができる。
【0089】
また、ここで説明する前記予約管理処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記予約管理処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11に対応する複数のプロセッサーが前記予約管理処理における各ステップを分散して実行する場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、一つのプロセッサーが前記予約管理処理における各ステップを実行してもよい。また前記予約管理処理は、オーバーブッキングが発生した場合にオーバーブッキングを解消するための予約変更処理(部屋変更処理、施設変更処理)を含む。
【0090】
先ずステップS11において、制御部11は、予約情報D1を取得する。例えば、制御部11は、宿泊日「2020年12月25日」の前日の所定時刻に当該宿泊日の予約情報D1(図3参照)を取得する。なお、制御部11は、予約日時が最も古い一つの予約情報D1、すなわち最も早く予約した予約者の予約情報D1を取得する。
【0091】
次にステップS12において、制御部11は、取得した予約情報D1の予約者の属性が団体予約者であるか否かを判定する。予約者の属性が団体予約者である場合(S12:Yes)、制御部11は、当該予約者を第4グループ(図4に示すグループ種別「4」)に登録する(S121)。予約者の属性が団体予約者でない場合(S12:No)、処理はステップS13に移行する。
【0092】
ステップS13において、制御部11は、取得した予約情報D1の予約者の属性が複数部屋予約者であるか否かを判定する。予約者の属性が複数部屋予約者である場合(S13:Yes)、制御部11は、当該予約者を第3グループ(図4に示すグループ種別「3」)に登録する(S131)。予約者の属性が複数部屋予約者でない場合(S13:No)、処理はステップS14に移行する。
【0093】
ステップS14において、制御部11は、取得した予約情報D1の予約者の属性がリピーターであるか否かを判定する。予約者の属性がリピーターである場合(S14:Yes)、制御部11は、当該予約者を第2グループ(図4に示すグループ種別「2」)に登録する(S141)。予約者の属性がリピーターでない場合(S14:No)、制御部11は、当該予約者を第1グループ(図4に示すグループ種別「1」)に登録する(S15)。このように、制御部11は、各予約者を属性に応じてグループ分けする。そして、制御部11は、各予約者にグループ種別を対応付けたグループ種別情報D2(図4参照)を記憶部12登録する。
【0094】
ステップS16において、制御部11は、他の予約情報D1があるか否かを判定し、他の予約情報D1がある場合(S16:Yes)、ステップS11に戻り他の予約情報D1について上述の処理を繰り返す。他の予約情報D1がない場合(S16:No)、処理はステップS17(図14参照)に移行する。
【0095】
ステップS17において、制御部11は、部屋の割当処理を実行する。具体的には、制御部11は、予約者の属性に応じた優先度に基づいて前記割当処理を実行する。例えば、制御部11は、初めに前記団体予約者に対して希望の部屋タイプの部屋を割り当て、次に前記複数部屋予約者に対して希望の部屋タイプの部屋を割り当て、次に前記リピーターに対して希望の部屋タイプの部屋を割り当て、最後に前記新規予約者に対して希望の部屋タイプの部屋を割り当てる。制御部11は、前記割当処理を実行すると、割り当てた部屋の部屋番号を予約情報D1(図3参照)に登録する。
【0096】
次にステップS18において、制御部11は、少なくともいずれかの部屋タイプの部屋についてオーバーブッキングが発生したか否かを判定する。オーバーブッキングが発生しない場合(S18:No)、制御部11は、前記予約管理処理を終了する。一方、オーバーブッキングが発生した場合(S18:Yes)、制御部11は、オーバーブッキングを解消するための前記予約管理処理(前記部屋変更処理)を実行する。ステップS18は、本発明の判定ステップの一例である。
【0097】
具体的には、ステップS19において、制御部11は、オーバーブッキングが発生している部屋タイプを特定する。ここでは、例えば宿泊施設H1のシングルルームについてオーバーブッキングが発生したと仮定する。
【0098】
次にステップS20において、制御部11は、特定した部屋タイプ(シングルルーム)の前記第1グループ(図4に示すグループ種別「1」)の予約情報D1を取得する。
【0099】
次にステップS21において、制御部11は、前記第1グループの予約情報D1を所定順に並び替えて記憶部12に登録する。例えば制御部11は、予約情報D1から部屋タイプが「シングルルーム」の新規予約者を抽出して到着予定時刻の遅い順に並べた第1グループ情報D3(図5参照)を記憶部12に登録する。
【0100】
次にステップS22において、制御部11は、所定順に新規予約者を前記変更対象者として抽出して、予約した部屋タイプを変更する。例えば制御部11は、第1グループ情報D3から到着予定時刻が最も遅い順位第1位の新規予約者(利用者X)を前記変更対象者として抽出して、利用者Xが予約したシングルルームをツインルームに変更する。ステップS22は、本発明の抽出ステップ及び変更ステップの一例である。
【0101】
第1グループ情報D3の利用者に対して前記部屋変更処理を実行して前記オーバーブッキングが解消された場合に(S23:Yes)、制御部11は、前記予約管理処理を終了する。一方、第1グループ情報D3の利用者に対して前記部屋変更処理を実行しても前記オーバーブッキングが解消されない場合には(S23:No)、処理はステップS24に移行する。
【0102】
ステップS24において、制御部11は、特定した部屋タイプ(シングルルーム)の前記第2グループ(図4に示すグループ種別「2」)の予約情報D1を取得する。
【0103】
次にステップS25において、制御部11は、前記第2グループの予約情報D1を所定順に並び替えて記憶部12に登録する。例えば制御部11は、予約情報D1から部屋タイプが「シングルルーム」のリピーターを抽出して到着予定時刻の遅い順に並べた第2グループ情報D4(図6参照)を記憶部12に登録する。
【0104】
次にステップS26において、制御部11は、所定順にリピーターを前記変更対象者として抽出して、予約した部屋タイプを変更する。例えば制御部11は、第2グループ情報D4から到着予定時刻が最も遅い順位第1位の新規予約者(利用者S)を前記変更対象者として抽出して、利用者Sが予約したシングルルームをツインルームに変更する。
【0105】
第2グループ情報D4の利用者に対して前記部屋変更処理を実行して前記オーバーブッキングが解消された場合に(S27:Yes)、制御部11は、前記予約管理処理を終了する。一方、第2グループ情報D4の利用者に対して前記部屋変更処理を実行しても前記オーバーブッキングが解消されない場合には(S27:No)、処理はステップS28に移行する。
【0106】
ステップS28では、制御部11は、所定時刻が経過したか否かを判定する。例えば制御部11は、宿泊日当日のチェックイン可能時刻(例えば15:00)の直前(例えば30分前)の時刻(14:30)を経過したか否かを判定する。前記所定時刻を経過した場合(S28:Yes)、処理はステップS29(図15参照)に移行し、オーバーブッキングを解消するための前記施設変更処理を実行する。前記所定時刻を経過しない場合(S28:No)、処理はステップS17に戻る。ステップS17に戻ると、制御部11は、例えば前記所定時刻までにキャンセルが発生した場合に、オーバーブッキング対象予約の利用者にキャンセル対象の部屋を割り当てる。これにより、制御部11は、前記所定時刻が経過するまで、例えば宿泊日当日にキャンセルが発生した場合に部屋の割当処理を継続して実行することによりオーバーブッキングの発生を最小限に抑制することができる。なお、他の実施形態として、前記所定時刻を経過しない場合に(S28:No)、制御部11は、オーバーブッキング対象予約の利用者の部屋タイプを変更する処理を実行し、当該処理によってもオーバーブッキングを解消しない場合には前記予約管理処理を一旦終了してもよい。また、制御部11は、前記予約管理処理を一旦終了した後、再度前記予約管理処理を実行してもよい。
【0107】
ステップS29において、制御部11は、オーバーブッキングが発生している部屋タイプを特定する。なお、オーバーブッキングは、複数の部屋タイプで発生する場合がある。この場合、前記部屋変更処理において、シングルルームに対するオーバーブッキングが解消され、ツインルームに対するオーバーブッキングが解消されなかった場合には、ステップS29において、制御部11はツインルームを特定する。ここでは、前記部屋変更処理において新規予約者に対するシングルルームのオーバーブッキングが解消されなかった場合を例に挙げる。ステップS29において、制御部11は、オーバーブッキングが発生している部屋タイプとしてシングルルームを特定する。
【0108】
次にステップS30において、制御部11は、特定した部屋タイプ(シングルルーム)の前記第1グループ(図4に示すグループ種別「1」)の予約情報D1を取得する。
【0109】
次にステップS31において、制御部11は、前記第1グループの予約情報D1を所定順に並び替えて記憶部12に登録する。例えば制御部11は、予約情報D1から部屋タイプが「シングルルーム」の新規予約者を抽出して到着予定時刻の遅い順に並べた第1グループ情報D3(図5参照)を記憶部12に登録する。
【0110】
次にステップS32において、制御部11は、所定順に新規予約者を前記変更対象者として抽出して、予約した宿泊施設H1を他の宿泊施設に変更する。例えば制御部11は、第1グループ情報D3から到着予定時刻が最も遅い順位第1位の新規予約者(利用者X)を前記変更対象者として抽出して、利用者Xが予約した部屋タイプと同等以上の空部屋を有する宿泊施設(ここでは宿泊施設H2)を検索する。そして、制御部11は、宿泊施設H1を宿泊施設H2に変更し、宿泊施設H2の部屋(シングルルーム以上のグレードの部屋)を予約する。
【0111】
第1グループ情報D3の利用者に対して前記施設変更処理を実行して前記オーバーブッキングが解消された場合に(S33:Yes)、制御部11は、前記予約管理処理を終了する。一方、第1グループ情報D3の利用者に対して前記部屋変更処理を実行しても前記オーバーブッキングが解消されない場合には(S33:No)、処理はステップS34に移行する。
【0112】
ステップS34において、制御部11は、特定した部屋タイプ(シングルルーム)の前記第2グループ(図4に示すグループ種別「2」)の予約情報D1を取得する。
【0113】
次にステップS35において、制御部11は、前記第2グループの予約情報D1を所定順に並び替えて記憶部12に登録する。例えば制御部11は、予約情報D1から部屋タイプが「シングルルーム」のリピーターを抽出して到着予定時刻の遅い順に並べた第2グループ情報D4(図6参照)を記憶部12に登録する。
【0114】
次にステップS36において、制御部11は、所定順にリピーターを前記変更対象者として抽出して、宿泊施設H1を他の宿泊施設に変更する。例えば制御部11は、第2グループ情報D4から到着予定時刻が最も遅い順位第1位の新規予約者(利用者S)を前記変更対象者として抽出して、利用者Sが予約した部屋タイプと同等以上の空部屋を有する宿泊施設(ここでは宿泊施設H2)を検索する。そして、制御部11は、宿泊施設H1を宿泊施設H2に変更し、宿泊施設H2の部屋(シングルルーム以上のグレードの部屋)を予約する。なお、制御部11は、抽出した変更対象者ごとに異なる宿泊施設を検索してもよい。これにより、制御部11は、宿泊施設H1を変更対象者に適した宿泊施設に変更することができる。
【0115】
第2グループ情報D4の利用者に対して前記施設変更処理を実行して前記オーバーブッキングが解消された場合に(S37:Yes)、制御部11は、前記予約管理処理を終了する。一方、第2グループ情報D4の利用者に対して前記施設変更処理を実行しても前記オーバーブッキングが解消されない場合には(S37:No)、処理はステップS38に移行する。
【0116】
ステップS38では、制御部11は、オーバーブッキングの解消が困難であることを示す情報をスタッフへ通知する。この場合、スタッフは、例えば予約者に連絡をして宿泊日の変更依頼などを行う。
【0117】
[チェックイン処理]
以下、図16を参照しつつ、宿泊施設予約管理システム100において実行されるチェックイン処理の一例について説明する。チェックイン処理は、管理装置10の制御部11及びチェックイン端末20の制御部21により実行される。例えば、制御部11,21は、利用者がチェックイン端末20においてチェックイン手続きを開始する操作を行う度に前記チェックインプログラムの実行を開始することによって、前記チェックイン処理の実行を開始する。なお、前記チェックイン処理は、管理装置10及びチェックイン端末20における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。
【0118】
また、ここで説明する前記チェックイン処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記チェックイン処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11,21に対応する複数のプロセッサーが前記チェックイン処理における各ステップを分散して実行する場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、一つのプロセッサーが前記チェックイン処理における各ステップを実行してもよい。
【0119】
先ずステップS51において、チェックイン端末20の制御部21は、チェックイン端末20のチェックイン画面(図10参照)において利用者から前記チェックイン手続きを開始する操作を受け付けると、当該操作情報を取得する。制御部21は、前記チェックイン手続きを開始する操作を受け付けるまで待機する(S51:No)。制御部21が前記操作情報を取得すると(S51:Yes)、処理はステップS52に移行する。
【0120】
ステップS52において、制御部21は、前記チェックイン手続きの操作画面(不図示)において利用者から宿泊者情報の入力操作を受け付ける。例えば、制御部21は、利用者が外国人の場合に旅券をスキャンする操作、予約番号、氏名、電話番号、住所などの宿泊者情報を入力する操作を受け付ける。
【0121】
次にステップS53において、制御部21は、前記チェックイン手続きにおいて入力された情報に基づいて、利用者の認証処理を実行する。前記認証処理では、制御部21は、管理装置10に記憶される予約情報D1(図3参照)を参照して、利用者が入力した前記宿泊者情報が予約情報D1に一致する場合に当該利用者を認証して宿泊を許可する。例えば、制御部21は、利用者が外国人の場合に旅券を確認する処理、予約番号、氏名、電話番号、住所などの前記宿泊者情報が予約情報D1に一致するか否かを確認する処理(予約確認処理)を行う。利用者が認証された場合(S53:Yes)、処理はステップS54に移行する。
【0122】
一方、利用者が認証されなかった場合(S53:No)、処理はステップS531に移行する。なお、利用者が前記宿泊者情報を入力する際に誤記など入力間違いをしてしまう可能性がある。このため、制御部21は、利用者が認証されなかった場合に(S53:No)、「予約が見つかりませんでした」などのメッセージを操作表示部23に表示させて前記宿泊者情報の再入力を促してもよい。そして、再入力された前記宿泊者情報が予約情報D1に一致しない場合に、処理がステップS531に移行してもよい。ステップS531では、制御部21は、チェックイン端末20におけるチェックイン手続きを中止して、利用者をフロントへ案内するメッセージなどを操作表示部23に表示させる。その後、前記チェックイン処理は終了する。
【0123】
ステップS54では、制御部21は、チェックイン手続きをする利用者の予約がオーバーブッキングの対象の予約であるか否かを判定する。前記予約がオーバーブッキング対象予約である場合(S54:Yes)、処理はステップS55に移行する。一方、前記予約がオーバーブッキング対象予約でない場合(S54:No)、処理はステップS58に移行する。
【0124】
ステップS55では、制御部21は、予約対象(部屋又は宿泊施設)を変更したことを示す特定情報を表示させる。例えば、管理装置10の制御部11がシングルルームのオーバーブッキングを解消するために利用者が予約したシングルルームをツインルームに変更した場合に、制御部21は、制御部11から取得する前記特定情報を、図11に示す通知画面に表示させる。また、管理装置10の制御部11がシングルルームのオーバーブッキングを解消するために利用者が予約した宿泊施設H1を他の宿泊施設H2に変更した場合に、制御部21は、制御部11から取得する前記特定情報を、図12に示す通知画面に表示させる。また、制御部21は、予約対象の変更を承諾するか否かを選択する選択ボタンK1,K2を前記通知画面(図11図12参照)に表示させる。
【0125】
ステップS56において、制御部21は、利用者が予約対象の変更を承諾したか否かを判定する。利用者が選択ボタンK1(図11図12参照)を押下して予約対象の変更を承諾した場合(S56:Yes)、処理はステップS57に移行する。一方、利用者が選択ボタンK2(図11図12参照)を押下して予約対象の変更を承諾しなかった場合(S56:No)、処理はステップS531(上述)に移行する。
【0126】
ステップS57において、制御部21は、予約対象の変更が部屋の変更であるか否かを判定する。予約対象の変更が部屋の変更である場合(S57:Yes)、処理はステップS58に移行する。一方、予約対象の変更が部屋の変更でない、すなわち予約対象の変更が宿泊施設の変更である場合(S57:No)、処理はステップS571に移行する。
【0127】
ステップS58では、制御部21は、宿泊料金の支払い関する決済処理を行う。なお、前記決済処理は、前記チェックイン処理に含まれず、チェックアウト処理に含まれてもよい。なお、前記決済処理において、制御部11は、変更した部屋の宿泊料金を割り引いてもよい。
【0128】
次にステップS59において、制御部21は、ルームキー(モバイルキー又はカードキー)を発行するルームキー発行処理を行う。また、制御部21は、オーバーブッキング対象予約の利用者に割引クーポンを発行してもよい。その後、制御部11は、前記チェックイン処理を終了する。前記チェックイン処理が終了すると、管理装置10の制御部11は、チェックイン情報に各種情報を登録する。
【0129】
これに対して、予約対象の変更が宿泊施設の変更である場合(S57:No)、ステップS571において、制御部21は、特典を付与する。例えば、制御部21は、管理装置10の制御部11から取得する特典情報に基づいて、変更後の宿泊施設H2の宿泊料金の無料クーポン又は割引クーポンを利用者に発行する。制御部21は、電子クーポンをチェックイン端末20に表示させてもよいし、紙媒体のクーポンをチェックイン端末20から発行してもよい。
【0130】
次にステップS572において、制御部21は、変更後の宿泊施設H2の案内情報を表示させる。例えば、制御部21は、管理装置10の制御部11から取得する宿泊施設H2の案内情報に基づいて、宿泊施設H2の施設情報、現在地(宿泊施設H1)から宿泊施設H2までの経路、所要時間などを表示させる。その後、制御部11は、前記チェックイン処理を終了する。
【0131】
以上説明したように、本発明の実施形態1に係る宿泊施設予約管理システム100は、宿泊施設に含まれる複数種別の部屋タイプの部屋に対する予約を受け付ける。また、宿泊施設予約管理システム100は、少なくともいずれかの種別の部屋について予約可能数よりも受け付けられた予約の合計数が多いオーバーブッキングが発生したか否かを判定する。また、宿泊施設予約管理システム100は、第1種別の部屋(例えばシングルルーム)についてオーバーブッキングが発生した場合に、シングルルームの予約者のうち予約者の属性に基づいて、第2種別の部屋(例えばツインルーム)に予約を変更する変更対象者を抽出し、抽出した前記変更対象者の部屋を第1種別の部屋(例えばシングルルーム)から第2種別の部屋(例えばツインルーム)に変更する。これにより、オーバーブッキングの解消業務の負担を軽減することが可能になる。
【0132】
また例えば、宿泊施設予約管理システム100は、オーバーブッキングが発生した場合に、宿泊施設H1を初めて予約する新規予約者、宿泊施設H1を過去に予約したことのあるリピーター、一人の予約者が複数の部屋をまとめて予約する複数部屋予約者、及び複数の部屋を予約する団体に含まれる団体予約者のうち少なくともいずれかを示す予約者の属性に基づいて、前記変更対象者を抽出する。また、宿泊施設予約管理システム100は、予約の変更による影響度が小さい前記新規予約者を優先的に前記変更対象者として抽出する。さらに、宿泊施設予約管理システム100は、前記新規予約者について、到着予定時刻が遅い順に前記変更対象者として抽出する。一般的に、到着予定時刻が遅い予約者は、到着予定時刻が早い予約者よりもキャンセルする可能性が高い。このため、到着予定時刻が遅い予約者を前記変更対象者として予約変更処理を実行しておくことにより、当該予約者がキャンセルした場合の影響を最小限に抑えることができる。
【0133】
また例えば、宿泊施設予約管理システム100は、オーバーブッキングが発生した場合に、優先度が最も低い新規予約者について予約変更処理を実行してもオーバーブッキングが解消されない場合には、次に優先度が低いリピーターについて予約変更処理を実行する。このように、優先度順に前記予約変更処理を実行することにより、予約の変更による影響を最小限に抑えることができる。
【0134】
[実施形態2]
実施形態2に係る宿泊施設予約管理システム100について説明する。なお、実施形態2において、実施形態1に係る宿泊施設予約管理システム100と同一の構成については、同一の符号を付し説明を省略する。
【0135】
前記実施形態1では、宿泊施設H1に、複数の部屋タイプ(シングルルーム、ダブルルーム、ツインルーム、スイートルームなど)の部屋が含まれる。そして、例えばシングルルームについてオーバーブッキングが発生した場合に、シングルルームよりもグレードの高い空部屋に変更する。また、グレードの高い空部屋が存在しない場合には、予約施設を宿泊施設H1から宿泊施設H2に変更する。
【0136】
ここで、一般的に、宿泊施設の中には、部屋タイプが1種類(例えばシングルルーム)のみの宿泊施設が存在する。この場合、例えば宿泊施設のシングルルームにおいてオーバーブッキングが発生した場合、当該宿泊施設において他の部屋タイプに変更してオーバーブッキングを解消することができない。
【0137】
そこで、実施形態2に係る宿泊施設予約管理システム100では、第1利用対象(例えば宿泊施設H1)に含まれる複数の第1予約対象(例えばシングルルーム)についてオーバーブッキングが発生した場合に、前記第1予約対象の予約者のうち予約者の属性に基づいて、予約変更を行う変更対象者を抽出し、抽出した前記変更対象者の予約先を、前記第1予約対象から前記第1利用対象とは異なる第2利用対象(例えば宿泊施設H2)の第2予約対象(例えばシングルルーム、ツインルーム、又はスイートルーム)に変更する。ここで、宿泊施設H1に含まれる全ての部屋は、同一種類の部屋タイプ(例えばシングルルーム)である。なお、前記第2予約対象は、前記第1予約対象と同等以上の予約対象である。
【0138】
具体的には、検索処理部115は、宿泊施設H1においてオーバーブッキングが発生した場合に他の宿泊施設を検索する。また、検索処理部115は、宿泊施設H1の情報に基づいて他の宿泊施設を検索してもよい。例えば、検索処理部115は、宿泊施設H1の住所、グレード、規模(部屋数、大きさ)、設備(バス、トイレ、アメニティなど)などに基づいて他の宿泊施設を検索する。また、検索処理部115は、宿泊施設H1に対する前記変更対象者の予約情報D1に基づいて他の宿泊施設を検索してもよい。例えば、検索処理部115は、予約情報D1に含まれる宿泊料金、到着予定時刻、部屋の広さ、宿泊プラン(食事付など)などに基づいて他の宿泊施設を検索する。なお、このような検索処理部115の検索方法は、上述の実施形態1にも適用することができる。
【0139】
実施形態2に係る宿泊施設予約管理システム100は、前記予約管理処理及び前記チェックイン処理を実行する。実施形態2では、管理装置10の制御部11は、実施形態1に係る前記予約管理処理のステップS11~S18(図13及び図14参照)を実行する。そして、宿泊施設H1においてオーバーブッキングが発生した場合(S18:Yes)、制御部11は、図17に示す前記施設変更処理を実行する。すなわち、実施形態2では、宿泊施設H1においてオーバーブッキングが発生した場合(S18:Yes)、処理がステップS41(図17参照)に移行する。
【0140】
ステップS41において、制御部11は、前記第1グループ(図4に示すグループ種別「1」)の予約情報D1を取得する。
【0141】
次にステップS42において、制御部11は、前記第1グループの予約情報D1を所定順に並び替えて記憶部12に登録する。例えば制御部11は、予約情報D1から新規予約者を抽出して到着予定時刻の遅い順に並べた第1グループ情報D3(図5参照)を記憶部12に登録する。なお、実施形態2では部屋タイプが1種類(例えばシングルルーム)であるため、第1グループ情報D3に部屋タイプの情報が含まれなくてもよい。
【0142】
次にステップS43において、制御部11は、所定順に新規予約者を前記変更対象者として抽出して、予約した宿泊施設H1を他の宿泊施設に変更する。例えば制御部11は、第1グループ情報D3から到着予定時刻が最も遅い順位第1位の新規予約者(利用者X)を前記変更対象者として抽出して、利用者Xが予約した部屋タイプと同等以上の空部屋を有する宿泊施設(ここでは宿泊施設H2)を検索する。そして、制御部11は、宿泊施設H1を宿泊施設H2に変更し、宿泊施設H2の部屋(シングルルーム以上のグレードの部屋)を予約する。
【0143】
他の実施形態として、例えば制御部11は、第1グループ情報D3から宿泊料金が最も安い新規予約者を前記変更対象者として抽出して、当該新規予約者が予約した部屋タイプと同等以上の空部屋を有する宿泊施設(ここでは宿泊施設H2)を検索してもよい。これにより、宿泊施設の検索範囲を広げることができる。すなわち、制御部11は、宿泊料金が安い順に前記変更対象者として抽出してもよい。
【0144】
第1グループ情報D3の利用者に対して前記施設変更処理を実行して前記オーバーブッキングが解消された場合に(S44:Yes)、制御部11は、前記予約管理を終了する。一方、第1グループ情報D3の利用者に対して前記施設変更処理を実行しても前記オーバーブッキングが解消されない場合には(S44:No)、処理はステップS45に移行する。
【0145】
ステップS45において、制御部11は、前記第2グループ(図4に示すグループ種別「2」)の予約情報D1を取得する。
【0146】
次にステップS46において、制御部11は、前記第2グループの予約情報D1を所定順に並び替えて記憶部12に登録する。例えば制御部11は、予約情報D1からリピーターを抽出して到着予定時刻の遅い順に並べた第2グループ情報D4(図6参照)を記憶部12に登録する。第1グループ情報D3と同様に、第2グループ情報D4に部屋タイプの情報が含まれなくてもよい。
【0147】
次にステップS47において、制御部11は、所定順にリピーターを前記変更対象者として抽出して、宿泊施設H1を他の宿泊施設に変更する。例えば制御部11は、第2グループ情報D4から到着予定時刻が最も遅い順位第1位の新規予約者(利用者S)を前記変更対象者として抽出して、利用者Sが予約した部屋タイプと同等以上の空部屋を有する宿泊施設(ここでは宿泊施設H2)を検索する。そして、制御部11は、宿泊施設H1を宿泊施設H2に変更し、宿泊施設H2の部屋(シングルルーム以上のグレードの部屋)を予約する。
【0148】
第2グループ情報D4の利用者に対して前記施設変更処理を実行して前記オーバーブッキングが解消された場合に(S48:Yes)、制御部11は、前記予約管理を終了する。一方、第2グループ情報D4の利用者に対して前記施設変更処理を実行しても前記オーバーブッキングが解消されない場合には(S48:No)、処理はステップS49に移行する。
【0149】
ステップS49では、制御部11は、オーバーブッキングの解消が困難であることを示す情報をスタッフへ通知する。この場合、スタッフは、例えば予約者に連絡をして宿泊日の変更依頼などを行う。
【0150】
また、実施形態2に係る宿泊施設予約管理システム100は、実施形態1に係る前記チェックイン処理と同一の処理を実行する。なお、実施形態2に係る前記チェックイン処理では、ステップS57~S59(図16参照)が省略され、ステップS56において利用者が宿泊施設H1から宿泊施設H2への変更を承諾した場合(S56:Yes)、処理はステップS571に移行する。
【0151】
実施形態2に係る宿泊施設予約管理システム100は、宿泊施設H1においてオーバーブッキングが発生した場合に、予約者のうち予約者の属性に基づいて、予約変更を行う変更対象者を抽出し、抽出した前記変更対象者の予約先(宿泊施設H1)を他の宿泊施設に変更する。これにより、実施形態1に係る宿泊施設予約管理システム100と同様に、オーバーブッキングの解消業務の負担を軽減することが可能になる。
【0152】
なお、実施形態2に係る宿泊施設予約管理システム100は、部屋タイプが複数種類(例えばシングルルーム、ツインルーム、スイートルームなど)存在する宿泊施設においても適用可能である。この場合、宿泊施設予約管理システム100は、例えばシングルルームについてオーバーブッキングが発生した場合に、ツインルームにアップグレードせず、他の宿泊施設に予約を変更する。例えば、宿泊施設予約管理システム100は、宿泊施設H1のシングルルームについてオーバーブッキングが発生した場合に、宿泊施設H1のツインルームにアップグレードせず、宿泊施設H1と同系列の宿泊施設H2のシングルルームに予約を変更する。
【0153】
本発明の各実施形態では、管理装置10の制御部11に含まれる各処理部がチェックイン端末20の制御部21に含まれてもよい。また、チェックイン端末20の制御部21に含まれる各処理部が管理装置10の制御部11に含まれてもよい。
【0154】
また、本発明の予約管理システムは、管理装置10及びチェックイン端末20で構成されてもよいし、管理装置10及びチェックイン端末20のいずれか一方の単体で構成されてもよい。
【符号の説明】
【0155】
10 :管理装置
20 :チェックイン端末
30 :利用者端末
100 :宿泊施設予約管理システム
111 :予約処理部
112 :判定処理部
113 :抽出処理部
114 :変更処理部
115 :検索処理部
116 :特典処理部
211 :受付処理部
212 :表示処理部
213 :チェックイン処理部
311 :受付処理部
312 :表示処理部
D1 :予約情報
D2 :グループ種別情報
D3 :第1グループ情報
D4 :第2グループ情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17