(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】基準画像登録システム、基準画像登録方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241126BHJP
H04N 1/387 20060101ALI20241126BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241126BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241126BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H04N1/00 E
H04N1/387 110
B41J29/38
B41J29/42 F
G03G21/00 388
(21)【出願番号】P 2021022248
(22)【出願日】2021-02-16
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井川 真
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-053761(JP,A)
【文献】特開2020-006603(JP,A)
【文献】特開2019-215284(JP,A)
【文献】特開2013-198141(JP,A)
【文献】特開2008-244967(JP,A)
【文献】特開2014-164337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/387
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像検査に用いられる基準画像の候補として記録材に印刷される候補画像と、前記基準画像を登録するための
基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報、及び、前記候補画像を特定するための識別情報の少なくとも一つを含む登録用情報と、を含む基準画像登録ジョブを生成するジョブ生成部と、
前記基準画像登録ジョブの実行により前記記録材に印刷された前記登録用情報に基づいて
、操作入力部に対して入力されるユーザーによる指示に従って選択される前記候補画像を、前記基準画像として登録する基準画像登録部と、を備える
基準画像登録システム。
【請求項2】
前記ジョブ生成部は、前記候補画像が印刷される記録材に不要な領域が存在する場合には、該領域に前記登録用情報を付加し、前記記録材に不要な領域が存在しない場合には、新たに追加した記録材に前記登録用情報を付加する
請求項1に記載の基準画像登録システム。
【請求項3】
前記登録用情報は、前記候補画像を特定する識別情報、及び、前記基準画像の登録を行うための基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報のうち、少なくとも一つを含む
請求項1又は2に記載の基準画像登録システム。
【請求項4】
前記基準画像登録部は、前記基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報に基づいて、前記基準画像登録画面にアクセスする操作が行われた場合、前記基準画像登録画面を表示部に表示させる
請求項3に記載の基準画像登録システム。
【請求項5】
前記基準画像登録部は、表示部に表示された前記基準画像登録画面において、前記候補画像の識別情報が入力された場合、前記識別情報によって特定される前記候補画像に関する情報を前記表示部に表示させる
請求項3に記載の基準画像登録システム。
【請求項6】
前記基準画像登録画面には、前記基準画像登録ジョブに基づいて前記記録材に印刷された前記候補画像を画像読取部が読み取って得られる読取画像を、前記表示部に表示することを指示するユーザインタフェースが含まれる
請求項4又は5に記載の基準画像登録システム。
【請求項7】
前記基準画像登録部は、前記記録材に前記登録用情報を印刷するか否かをユーザーに選択させる第1の画面を、前記基準画像登録ジョブに基づく印刷の開始前に表示部に表示させる
請求項1~6のいずれか一項に記載の基準画像登録システム。
【請求項8】
前記基準画像登録部は、前記候補画像を画像読取部が読み取って得られる読取画像の前記基準画像への登録又は削除が行われた後に、前記基準画像登録ジョブの次に入力されたジョブに基づく印刷を、画像の形成を行う画像形成部に実行させる
請求項1~7のいずれか一項に記載の基準画像登録システム。
【請求項9】
前記基準画像登録部は、前記基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、前記候補画像の読取画像の前記基準画像への登録又は削除が行われるまでの間に、次のジョブが入力された場合であって、前記基準画像登録ジョブに基づく印刷物が排紙トレイに残っていると判定した場合、該ジョブに基づく印刷を強制出力するか否かをユーザーに選択させる第2の画面を表示部に表示させ、前記第2の画面において、次のジョブに基づく印刷の強制出力の実行が指示された場合、前記次のジョブに基づく印刷、及び、前記候補画像の読取画像の前記基準画像への登録又は削除が完了していない前記基準画像登録ジョブにおける前記登録用情報の印刷を、前記画像形成部に実行させる
請求項8に記載の基準画像登録システム。
【請求項10】
前記基準画像登録部は、前記基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、前記読取画像の前記基準画像への登録又は削除が行われるまでの間に、次のジョブが入力された場合であって、前記基準画像登録ジョブに基づく印刷物は排紙トレイに残っていないと判定した場合、前記候補画像の読取画像の前記基準画像への登録又は削除をユーザーに促す第3の画面を表示部に表示させる
請求項8に記載の基準画像登録システム。
【請求項11】
画像検査に用いられる基準画像の候補として記録材に印刷される候補画像と、前記基準画像を登録するための
基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報、及び、前記候補画像を特定するための識別情報の少なくとも一つを含む登録用情報と、を含む基準画像登録ジョブを生成する手順と、
前記基準画像登録ジョブの実行により前記記録材に印刷された前記登録用情報に基づいて
、操作入力部に対して入力されるユーザーによる指示に従って選択される前記候補画像を、前記基準画像として登録する手順と、を含む
基準画像登録方法。
【請求項12】
画像検査に用いられる基準画像の候補として記録材に印刷される候補画像と、前記基準画像を登録するための
基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報、及び、前記候補画像を特定するための識別情報の少なくとも一つを含む登録用情報と、を含む基準画像登録ジョブを生成する手順と、
前記基準画像登録ジョブの実行により前記記録材に印刷された前記登録用情報に基づいて
、操作入力部に対して入力されるユーザーによる指示に従って選択される前記候補画像を、前記基準画像として登録する手順と、をコンピュータに実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基準画像登録システム、基準画像登録方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷物の読取画像と、予め記憶部等に記憶されている基準画像とを比較することにより、印刷物における汚れの付着の有無や、印刷された画像における欠けの有無などを検査する画像検査システムが知られている。このような画像検査システムでは、基準画像登録用のジョブ(以下、「基準画像登録ジョブ」と称する)に基づく印刷が実施され、該印刷による印刷物に問題ないことがユーザーによって確認された場合に、印刷物に印刷された基準画像候補画像(以下、単に「候補画像」とも称する)の読取画像が、基準画像として登録される。
【0003】
特許文献1には、制御部が、読取画像とラスタ画像とを比較することにより画像検査を行い、読取画像から異常が検出されなかった場合に、ユーザーによって選択された登録方法に基づいて、読取画像を検査基準画像として登録する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、基準画像登録ジョブに基づく印刷が実施された場合であっても、印刷物に印字された候補画像の読取画像が、基準画像としてすぐに登録されない場合がある。例えば、印刷を依頼してきた顧客が印刷物の仕上がりの確認を開始してから、仕上がりに了解するまでの時間が長くなった場合や、印刷物が出力された画像形成装置の近くに顧客がいない場合などには、読取画像が基準画像として登録されるまでの時間も長くなる。
【0006】
このような場合、基準画像として登録すべき候補画像の読取画像を、ユーザーが適切に選択できない状況が発生する可能性がある。つまり、基準画像として登録すべきでない読取画像を、ユーザーが誤って基準画像として登録してしまう可能性がある。
【0007】
例えば、読取画像のファイル名等の情報が似ているが、元となる原稿(印刷データ)が異なる場合や、同じ原稿に対して、異なる印刷設定に基づく複数の印刷物が出力された場合などには、基準画像の誤登録が発生する可能性は高くなる。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、基準画像に登録すべき候補画像を、基準画像としてユーザーが適切に登録できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様の基準画像登録システムは、画像検査に用いられる基準画像の候補として記録材に印刷される候補画像と、基準画像を登録するための基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報、及び、候補画像を特定するための識別情報の少なくとも一つを含む登録用情報と、を含む基準画像登録ジョブを生成するジョブ生成部と、基準画像登録ジョブの実行により記録材に印刷された登録用情報に基づいて、操作入力部に対して入力されるユーザーによる指示に従って選択される候補画像を、基準画像として登録する基準画像登録部と、を備える。
【0010】
また、本発明の一態様の基準画像登録方法は、画像検査に用いられる基準画像の候補として記録材に印刷される候補画像と、基準画像を登録するための基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報、及び、候補画像を特定するための識別情報の少なくとも一つを含む登録用情報と、を含む基準画像登録ジョブを生成する手順と、基準画像登録ジョブの実行により記録材に印刷された登録用情報に基づいて、操作入力部に対して入力されるユーザーによる指示に従って選択される候補画像を、基準画像として登録する手順と、を含む。
【0011】
さらに、本発明の一態様のプログラムは、画像検査に用いられる基準画像の候補として記録材に印刷される候補画像と、基準画像を登録するための基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報、及び、候補画像を特定するための識別情報の少なくとも一つを含む登録用情報と、を含む基準画像登録ジョブを生成する手順と、基準画像登録ジョブの実行により記録材に印刷された登録用情報に基づいて、操作入力部に対して入力されるユーザーによる指示に従って選択される候補画像を、基準画像として登録する手順と、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の少なくとも一態様によれば、基準画像に登録すべき候補画像を、基準画像としてユーザーが適切に登録できるようになる。上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成システムの全体構成例を示す。
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置及びジョブ管理サーバーの制御系の構成の例を示すブロック図である。
【
図3】従来のジョブリストが表示されるジョブリスト画面の構成例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る印刷物の不要領域に印字される場合における登録用情報の印字例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る新たに追加された用紙に印字される場合における登録用情報の印字例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るユーザーが登録用情報を参照せずに画面を開いた場合における、基準画像登録画面の構成例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るユーザーが登録用情報に基づいて画面を開いた場合における、基準画像登録画面の構成例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る登録用情報印刷確認画面の構成例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る基準画像登録画面の構成例を示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る警告メッセージ入りの基準画像登録画面の構成例を示す図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る強制出力確認画面の構成例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る画像形成システムによる基準画像登録方法の手順の例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態に係る画像形成システムによる基準画像登録方法の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と記述する)の例について、添付図面を参照しながら説明する。本明細書及び添付図面において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0015】
<画像形成システムの全体構成>
まず、本実施形態に係る画像形成システム(基準画像登録システムの一例)について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成システム100の全体構成例を示す。
【0016】
図1に示す画像形成システム100は、画像形成装置1_1、1-2、…、1_nと、端末装置2と、携帯端末装置3と、ジョブ管理サーバー4と、を含む。画像形成システム100を構成するこれらの各装置は、ネットワークNを介して互いに通信可能に接続される。なお、以下の説明において、画像形成装置1-1~1-nを個別に識別する必要がない場合には、これらを画像形成装置1と総称する。
【0017】
画像形成装置1は、端末装置2又はジョブ管理サーバー4から送信される印刷ジョブを受信し、該印刷ジョブに基づいて用紙(記録材の一例)に印刷(画像形成)を行う。印刷ジョブには、通常の印刷ジョブや、基準画像登録用ジョブなどがある。
【0018】
基準画像登録用ジョブは、候補画像を含む印刷データの印刷物を画像読取部201(
図2参照)が読み取って得られる読取画像を、基準画像として登録するためのジョブである。候補画像は、基準画像の候補となる画像であり、基準画像は、画像検査の際に正解画像として参照される画像である。また、画像形成装置1は、基準画像登録ジョブに基づいて画像形成装置本体10によって印刷された印刷物の読取画像を、候補画像と対応付け、基準画像候補として登録及び管理する。
【0019】
さらに、画像形成装置1は、画像検査装置20(
図2参照)を備え、画像検査装置20は、画像形成装置本体10(
図2参照)から出力された印刷物に汚れやイメージ(画像)の欠けが無いか等を確認する画像検査を行う。画像検査は、印刷物の読取画像と基準画像とを比較することによって行われる。
【0020】
なお、画像形成装置1の印刷形式は、例えば、電子写真方式、インクジェット方式、又は、オフセット印刷方式等の、どのような方式であってもよい。また、画像形成装置1は、印刷機能、コピー機能、スキャン機能などの複数の機能を有する複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)であってもよい。
【0021】
端末装置2は、例えばPC(Personal Computer)等で構成され、印刷ジョブを生成して画像形成装置1に送信する。
【0022】
携帯端末装置3は、例えば、携帯端末やスマートフォンなどの、ユーザーによって所持及び操作される端末である。携帯端末装置3は、バーコード又は二次元コード等を読み取り可能な画像読取部(図示略)を備え、印刷物に印刷された基準画像登録手段を読み取る。
【0023】
また、携帯端末装置3は、LCD(Liquid Crystal Display)等よりなる表示部を備え、画像読取部が読み取った二次元コードに示された基準画像登録画面を表示する。基準画像登録画面については、後述の
図6、
図7を参照して詳述する。
【0024】
また、携帯端末装置3は、キー又はタッチパッド等よりなる操作入力部を備え、ユーザーによって入力された操作に基づく操作信号を生成し、該操作信号を制御部(図示略)に送信する。制御部は、操作入力部から入力される操作信号に基づいて、表示部に基準画像登録画面を表示する等の制御を行う。
【0025】
ジョブ管理サーバー4は、画像形成装置1において実行される各ジョブの情報を管理する。また、ジョブ管理サーバー4は、通常の印刷ジョブや基準画像登録ジョブなどを生成して画像形成装置1に送信する。
【0026】
また、ジョブ管理サーバー4は、基準画像登録ジョブに対して、登録用情報を付加する処理も行う。登録用情報は、例えば、基準画像の登録を行うための基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報や、候補画像を特定するための識別情報としての候補画像IDの情報などである。基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報は、URL(Uniform Resource Locator)や二次元コードなどによって示される。
【0027】
ユーザーは、印刷物に記載された登録用情報としての二次元コードを携帯端末装置3の画像読取部(図示略)で読み取ったり、登録用情報としてのURLを操作入力部(図示略)に入力したりすることによって、基準画像登録画面を表示部(図示略)に表示させることができる。もしくは、基準画像の登録にあたって、ユーザーは、端末装置2の表示部等に基準画像登録画面をあらかじめ表示させておいてもよい。そして、ユーザーは、基準画像登録画面を操作して登録用情報としての候補画像IDを入力することにより、所望の候補画像の読取画像を、基準画像として登録することができる。
【0028】
<画像形成装置及びジョブ管理サーバーの制御系の構成>
次に、
図2を参照して、画像形成装置1及びジョブ管理サーバー4の制御系の構成について説明する。
図2は、画像形成装置1及びジョブ管理サーバー4の制御系の構成の例を示すブロック図である。
【0029】
[ジョブ管理サーバーの構成]
図2に示すように、ジョブ管理サーバー4は、ジョブ生成部41を有する。ジョブ生成部41は、通常の印刷ジョブや基準画像登録ジョブなどを生成する。基準画像登録ジョブには、候補画像を含む印刷データや、印刷設定(画像設定)の情報などが含まれる。また、ジョブ生成部41は、ジョブが基準画像登録ジョブである場合には、該ジョブに登録用情報を付加する。
【0030】
基準画像登録ジョブの印刷設定に基づいて、用紙上に不要な領域があると判定した場合、ジョブ生成部41は、不要な領域に相当する位置に登録用情報を追加する。用紙上に不要な領域には、例えば、不図示の後処理装置によって断裁される予定の領域等がある。
【0031】
一方、用紙における不要な領域が存在しない場合には、ジョブ生成部41は、新たに追加した用紙に登録用情報を印字する。登録用情報が印字された新たな用紙は、基準画像登録ジョブの先頭の頁に付加されてもよく、末尾の頁に付加されてもよい。また、登録用情報が印字された新たな用紙は、複数ページで構成されてもよい。
【0032】
ユーザーは、仕上がりに満足できる印刷物を得られるまでの間、印刷設定を異ならせながら、画像形成装置1に基準画像登録ジョブに基づく印刷を何回も実行させることができる。
【0033】
さらに、ジョブ管理サーバー4は、画像形成装置1において実行される各ジョブの情報も管理する。
【0034】
なお、本実施形態では、ジョブ生成部41がジョブ管理サーバー4内に設けられる例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。ジョブ生成部41は、端末装置2や携帯端末装置3内などに設けられてもよい。
【0035】
[画像形成装置の構成]
次に、同じく
図2を参照して、画像形成装置1の制御系の構成について説明する。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置本体10と、画像検査装置20と、を含む。画像形成装置本体10は、通信I/F(Interface)部101と、制御部102と、記憶部103と、画像形成部104と、操作入力部105と、表示部106と、基準画像登録部107と、を含む。
【0036】
通信I/F部101は、例えばNIC(Network Interface Card)等で構成され、端子が接続されたネットワークN(
図1参照)介して接続される各装置との間で、各種データを送受信する。
【0037】
制御部102は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示略)を備え、画像形成装置1を構成する各部の動作を制御する。
【0038】
記憶部103は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などで構成される記憶領域である。記憶部103には、基準画像登録部107によって登録された基準画像Irが記憶される。
【0039】
画像形成部104は、印刷ジョブ又は基準画像登録ジョブに基づいて用紙に画像を印刷(形成)し、画像が形成された用紙(印刷物)を、不図示の搬送路を介して画像検査装置20に出力する。
【0040】
操作入力部105は、キーやボタンなどで構成され、ユーザーによって入力された操作に基づく操作信号を生成し、該操作信号を制御部102に送信する。
【0041】
表示部106は、LCD等よりなり、制御部102による制御に基づいて、例えば印刷設定画面や後述する基準画像登録画面Sc2(
図6参照)等の各種画面を表示する。
【0042】
基準画像登録部107は、携帯端末装置3に対するユーザーによる操作等に基づいて、基準画像登録画面を携帯端末装置3の表示部、画像形成装置本体10の表示部106、又はジョブ管理サーバー4の表示部に表示させる制御を行う。なお、以下の説明において、携帯端末装置3の表示部、画像形成装置本体10の表示部106、ジョブ管理サーバー4の表示部を、「表示部」と総称する場合がある。
【0043】
また、基準画像登録部107は、候補画像の読取画像を基準画像Irとして登録する制御を行う。また、基準画像登録部107は、基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでの間は、次のジョブに基づく印刷を画像形成部に実行させない制御を行う。つまり、次のジョブに基づく印刷は、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われた後に、画像形成部に実行させる。なお、候補画像の削除は、候補画像の読取画像を物理的に削除すること、又は、読取画像を基準画像の候補から外すことによって行われる。
【0044】
また、基準画像登録部107は、基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでの間に、次のジョブが入力された場合、基準画像登録ジョブに基づく印刷物が排紙トレイ204に残っているか否かを判定する。そして、基準画像登録部107は、印刷物が排紙トレイ204に残っていると判定した場合、表示部に強制出力確認画面Sc6(第2の画面の一例、
図11参照)を表示させる制御を行う。
【0045】
強制出力確認画面Sc6は、ユーザーに、次のジョブに基づく印刷を強制的に実行させるか否かを確認するための画面である。強制出力確認画面Sc6において、次のジョブに基づく印刷の強制出力の実行が指示された場合、基準画像登録部107は、次のジョブに基づく印刷、及び、基準画像登録ジョブに対応する登録用情報の印刷を、画像形成部104に実行させる。この場合の基準画像登録ジョブは、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が完了していない基準画像登録ジョブである。
【0046】
さらに、基準画像登録部107は、基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでの間に、次のジョブが入力された場合であって、基準画像登録ジョブに基づく印刷物は排紙トレイ204に残っていない場合には、警告メッセージ入りの基準画像登録画面Sc5(第3の画面の一例、
図10参照)を表示部に表示させる。基準画像登録画面Sc5は、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除をユーザーに促す画面である。
【0047】
なお、本実施形態では、基準画像登録部107が画像形成装置1内に設けられる例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。基準画像登録部107は、端末装置2やジョブ管理サーバー4内に設けられてもよい。
【0048】
[画像検査装置の制御系の構成]
次に、同じく
図2を参照して、画像検査装置20の制御系の構成について説明する。
図2に示すように、画像検査装置20は、画像読取部201と、検査部202と、パージトレイ203と、排紙トレイ204と、を含む。
【0049】
画像読取部201は、不図示の光源及び撮像部を有し、画像形成装置本体10から入力(搬送)された印刷物を光学的に読み取って読取画像を得る。検査部202は、画像読取部201で得られた読取画像と、画像形成装置本体10の記憶部103に記憶された基準画像Irとを比較することにより、印刷物の画像検査を行う。
【0050】
パージトレイ203及び排紙トレイ204は、画像検査装置20から出力された用紙が排出されるトレイである。パージトレイ203には、検査部202によって画像に異常があると判定された印刷物が排出される。排紙トレイ204には、検査部202によって画像に異常がないと判定された印刷物が排出される。
【0051】
<従来のジョブリストの構成>
ここで、
図3を参照して、ジョブ管理サーバー4等によって管理される従来のジョブリストの構成について説明する。
図3は、従来のジョブリストが表示されるジョブリスト画面Sc1の構成例を示す図である。
【0052】
ジョブリスト画面Sc1には、ジョブリスト表示領域Ar1と、出力ボタンB1と、出力ボタンB2と、基準画像登録ボタンB3と、が含まれる。ジョブリスト表示領域Ar1にはジョブリストが表示され、ジョブリストは、「ジョブID」、「ジョブ名」、「部数」及び「基準画像登録情報」の各項目を有する。
【0053】
「ジョブID」の項目には、各ジョブを特定する識別情報としてのジョブIDが格納される。「ジョブ名」の項目には、各ジョブの名称が表示される。「部数」の項目には、各ジョブにおける印刷部数の情報が表示される。
【0054】
「基準画像登録情報」の項目には、基準画像登録ジョブに基づく印刷物に印刷された候補画像の読取画像が、基準画像Irとして登録されたか否かの情報が表示される。基準画像Irに登録済みである場合には「登録済み」、基準画像Irとして登録されていない場合いは「未登録」の情報が表示される。基準画像登録ジョブに基づく印刷が終了している場合であっても、基準画像Irの登録が行われていない場合には、「基準画像登録情報」の項目は「未登録」となる。
【0055】
出力ボタンB1は、ジョブに基づく印刷物の出力とともに、画像検査装置20における画像検査の実行も指示するためのボタンである。出力ボタンB1は、基準画像Irの登録が完了していて画像検査を行える状態において、ユーザーが押下することができる。
【0056】
出力ボタンB2は、画像検査は実行せずに、ジョブに基づく印刷物の出力のみを行わせるためのボタンである。基準画像登録ジョブに基づく印刷を行う場合には、ユーザーは、出力ボタンB2を押下して印刷の指示を行うことができる。
【0057】
基準画像登録ボタンB3は、候補画像の読取画像を、基準画像Irとして登録するためのボタンである。
【0058】
従来、基準画像Irの登録を行いたいユーザーは、ジョブリスト画面Sc1を表示させ、該画面に表示された内容を確認することによって、基準画像Irとして登録すべき印刷物を出力した基準画像登録ジョブを特定する。そして、特定した基準画像登録ジョブを選択した状態で基準画像登録ボタンB3を押下することにより、ユーザーは、該基準画像登録ジョブに基づいて出力された印刷物に印刷された候補画像の読取画像を、基準画像Irとして登録する。
【0059】
しかしながら、ジョブリスト画面Sc1においては、ユーザーは、自身が実際にその仕上がりに満足した印刷物が、どの基準画像登録ジョブに基づいて出力されたのかを確認することができない。したがって、ユーザーは、基準画像Irに登録すべき候補画像とは異なる候補画像を、誤って基準画像Irとして登録してしまう可能性がある。
【0060】
<登録用情報の印字例>
次に、
図4及び
図5を参照して、登録用情報の印字例について説明する。
図4は、印刷物の不要な領域に印字される場合における登録用情報の印字例を示す図であり、
図5は、新たに追加された用紙に印字される場合における登録用情報の印字例を示す図である。
【0061】
図4には、用紙の下方にある断裁予定の不要領域に、左から順に“L3F0UV5S”の文字、二次元コード、及び、“http://”で始まるURLが記載されている。“L3F0UV5S”は、候補画像IDである。二次元コード及びURLは、基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報である。ここでいう基準画像登録画面は、候補画像IDが“L3F0UV5S”である候補画像を、基準画像Irに登録するための画面である。
【0062】
ユーザーによって、携帯端末装置3の画像読取部(図示略)で二次元コードを読み込む操作、又は、携帯端末装置3にURLを入力する操作が行われたとする。この場合、基準画像登録部107は、候補画像IDが“L3F0UV5S”である候補画像を基準画像Irとして登録するための基準画像登録画面を、表示部に表示させる。これにより、ユーザーは、候補画像IDが“L3F0UV5S”である候補画像の印刷内容を目視で確認しつつ、該候補画像の読取画像を基準画像Irとして間違いなく登録できるようになる。
【0063】
図5には、用紙上に、上から順に、ジョブIDは“12345”であり、ジョブ名は“ABCBook1012”であり、候補画像IDは“L3F0UV5S”であることが示されている。ジョブIDは、用紙に候補画像を印字した基準画像登録ジョブを特定するためのIDである。
【0064】
候補画像IDの記載箇所の下には、「基準画像の登録はこちらから」というメッセージとともに、二次元コードが記載されている。この二次元コードは、候補画像IDが“L3F0UV5S”である候補画像の読取画像を、基準画像Irに登録することが可能な基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報である。さらに、二次元コードの下には、“http://”で始まるURLが記載されている。
【0065】
ユーザーは、用紙に印字された二次元コードを読み取ったり、URLを携帯端末装置3に入力したりすることにより、候補画像を基準画像Irに登録することが可能な基準画像登録画面を、端末装置2又は携帯端末装置3の表示部の画面に表示させることができる。そして、基準画像登録画面を操作することにより、ユーザーは、候補画像IDが“L3F0UV5S”である候補画像の読取画像を、基準画像Irとして登録することができる。
【0066】
もしくは、ユーザーは、画像形成装置1、端末装置2、携帯端末装置3、又は、ジョブ管理サーバー4の表示部に予め基準画像登録画面を表示させておき、用紙に印字された登録用情報に基づいて、基準画像Irの登録操作を行ってもよい。
【0067】
なお、
図4には、印刷物の不要な領域に、登録用情報として、候補画像ID、二次元コード、URLの3つが記載されている例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。登録用情報としては、これらのうち少なくとも1つが記載されていればよく、これら以外の情報が記載されていてもよい。
図5に示した登録用情報においても同様である。
【0068】
<基準画像登録画面の構成>
次に、
図6及び
図7を参照して、基準画像登録画面の構成について説明する。
図6は、ユーザーが登録用情報を参照せずに画面を開いた場合における、基準画像登録画面Sc2の構成例を示す図である。
図7は、ユーザーが登録用情報に基づいて画面を開いた場合における、基準画像登録画面Sc2′の構成例を示す図である。
【0069】
図6に示す基準画像登録画面Sc2は、候補画像ID入力欄Fd1と、参照ボタンB4と、ジョブ情報表示部Dp1と、詳細情報ボタンB5と、スキャン画像ボタンB6と、登録ボタンB7と、キャンセルボタンB8と、を含む。
【0070】
候補画像ID入力欄Fd1は、候補画像IDを入力するためのフィールドであり、ユーザーは、このフィールドに、任意の候補画像IDを入力することにより、候補画像IDによって特定される候補画像の情報を、表示部に表示させることができる。
【0071】
参照ボタンB4は、候補画像IDの情報の格納先のフォルダを開くためのボタンである。ジョブ情報表示部Dp1には、基準画像登録ジョブに関する情報として、「ジョブID」、「ジョブ名」及び「部数」の各情報が表示されている。
【0072】
詳細情報ボタンB5は、基準画像登録ジョブに関するより詳細な情報を、表示部に表示させるためのボタンである。スキャン画像ボタンB6は、基準画像登録ジョブで印刷された印刷物の読取画像(図においては「スキャン画像」と表記)のイメージを表示部に表示させるためのボタンである。
【0073】
登録ボタンB7は、基準画像登録ジョブと対応付けられている候補画像の読取画像を、基準画像Irとして登録するためのボタンである。キャンセルボタンB8は、それまで行われていた操作に基づく動作をキャンセルするためのボタンである。
【0074】
ユーザーは、基準画像登録画面Sc2において、候補画像と対応付けられた基準画像登録ジョブに関する情報を確認しながら、基準画像の登録操作を行うことができる。また、ユーザーは、必要に応じて、基準画像登録ジョブに関するより詳細な情報や、読取画像(スキャン画像)のイメージなどを確認しながら、基準画像Irの登録操作を行うことができる。
【0075】
図7に示す基準画像登録画面Sc2′においては、候補画像ID入力欄Fd1の代わりに、URLの情報が表示されている。このURLは、印刷物における不要な領域、もしくは、新たに追加された用紙に印字された、登録用情報としてのURLと同じURLである。すなわち、印刷物に印字された候補画像の読取画像を、基準画像Irとして登録するための基準画像登録画面Sc2′へのアクセス方法を示す情報である。
【0076】
ユーザーは、印刷物の不要な領域又は新たに追加された用紙に印字された登録用情報を、携帯端末装置3の画像読取部で読み取ったり、携帯端末装置3に入力したりすることによって、基準画像登録画面Sc2′を介して、基準画像の登録を間違いなく行うことができる。
【0077】
なお、
図7に示す基準画像登録画面Sc2′においても、候補画像IDの情報が表示されていてもよい。
【0078】
また、本実施形態に係る画像形成システム100は、基準画像登録ジョブの実行時に、登録用情報を印刷するか否かをユーザーに選択させることができる。登録用情報を印刷するか否かの選択は、例えば、基準画像登録ジョブの実行時等に、確認用の画面(登録用情報印刷確認画面Sc3:
図8参照)を表示すること等によって行うことができる。
【0079】
図8は、登録用情報印刷確認画面Sc3の構成例を示す図である。
図8に示すように、登録用情報印刷確認画面Sc3(第1の画面の一例)には、「印刷方法」という記載の下にドロップダウンリストLdがある。
図8に示す例では、ドロップダウンリストLdにおいて「基準画像登録」の項目が選択されている。ドロップダウンリストLdにおいては、「基準画像登録」の他に、「通常印刷」等の選択肢が表示される。
【0080】
ドロップダウンリストLdの下には、「出力直後に登録確認する」というメッセージが表示されており、該メッセージの左にはチェックボックスCbが配置されている。チェックボックスCbにチェックが入れられた場合、基準画像登録部107は、登録用情報の印刷は行わずに、基準画像登録ジョブの実行後に基準画像登録画面Sc4(
図9参照)を表示する。一方、チェックボックスのチェックが外された場合には、基準画像登録部107は、基準画像登録ジョブに基づく印刷とともに、登録用情報の印刷も行う。基準画像登録ジョブの実行時に登録用情報印刷確認画面Sc3を表示させる制御が行われることにより、ユーザーは、基準画像登録ジョブの実行時に登録用情報を印刷するか否かを選択できるようになる。
【0081】
<基準画像登録画面の構成>
次に、登録用情報印刷確認画面Sc3(
図8参照)において、「出力直後に登録確認する」のチェックボックスCbにチェックが入れられた場合に表示される基準画像登録画面Sc4について、
図9を参照して説明する。
図9は、基準画像登録画面Sc4の構成例を示す図である。
【0082】
図9に示す基準画像登録画面Sc4が、
図7に示した基準画像登録画面Sc2′と違う点は、画面に候補画像IDの情報が表示されていない点のみである。登録用情報印刷確認画面Sc3(
図8参照)において、「出力直後に登録確認する」のチェックボックスCbにチェックが入れられた場合において、印刷の終了後すぐに基準画像登録画面Sc4が表示されることにより、ユーザーは、基準画像の登録操作を忘れずに行うことができる。
【0083】
次に、
図10を参照して、警告メッセージ入りの基準画像登録画面Sc5の構成について説明する。
図10は、警告メッセージ入りの基準画像登録画面Sc5の構成例を示す図である。基準画像登録画面Sc5は、基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでの間に、次のジョブが入力され、かつ、排紙トレイ204に印刷物が残っていない場合に、基準画像登録部107によって表示される画面である。
【0084】
図10に示す基準画像登録画面Sc5が、
図6に示した基準画像登録画面Sc2と違う点は、画面に警告メッセージが表示されている点のみである。
図6に示す例では、警告メッセージとして、「基準画像として登録・削除するまで、次のジョブは出力できません」という文章が表示されている。
【0085】
このような画面が表示されることにより、ユーザーは、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が終わっていない基準画像登録ジョブがまだ残っていること、及び、基準画像Irへの登録が完了するまでの間は次のジョブを出力できないことを把握することができる。また、ユーザーは、この基準画像登録画面Sc5を介して、基準画像Irの登録操作を行うことができる。
【0086】
<強制出力確認画面の構成>
次に、強制出力確認画面Sc6の構成について説明する。強制出力確認画面Sc6は、基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでの間に、次のジョブが入力され、かつ、排紙トレイ204に印刷物が残っている場合に、基準画像登録部107によって表示部に表示される画面である。
図11は、強制出力確認画面Sc6の構成例を示す図である。
【0087】
図11に示すように、強制出力確認画面Sc6には、「次のジョブを強制出力しますか?」のメッセージとともに、ジョブ名(“ABCBook1013”)が表示されている。ジョブ名の下には、「強制出力する場合は、出力済みの基準画像登録ジョブの登録用情報ページが追加で印刷されます」という警告メッセージが表示されている。警告メッセージの下には、はいボタンB9及びいいえボタンB10が配置されている。
【0088】
ユーザーによって、はいボタンB9が押下された場合、基準画像登録部107は、入力された次のジョブに基づく印刷に加えて、新たな用紙に登録用情報を印字する印刷も実行する。ユーザーによって、いいえボタンB10が押下された場合、基準画像登録部107は、
図10に示した基準画像登録画面Sc5が表示される。
【0089】
排紙トレイ204に、基準画像登録ジョブに基づく印刷物が残っている段階で、強制出力確認画面Sc6を表示する制御が行われることにより、基準画像の登録をまだ行っていないユーザーに対して、基準画像の登録操作の実行を促すことができる。また、登録用情報の印刷を行いたくないユーザーに対しては、登録用情報を印刷しない選択肢を与えることができる。
【0090】
<画像形成システムによる基準画像登録方法>
次に、
図12及び
図13を参照して、画像形成システム100による基準画像登録方法について説明する。
図12及び
図13は、画像形成システム100による基準画像登録方法の手順の例を示すフローチャートである。
図12には、基準画像登録ジョブに基づく印刷物の読取画像が、基準画像候補として登録されるまでにおける基準画像登録方法の手順の例を示す。
図13には、読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでにおける基準画像登録方法の手順の例を示す。
【0091】
まず、ジョブ管理サーバー4のジョブ生成部41(
図2参照)は、基準画像登録ジョブの印刷データを読み込む(
図12のステップS1)。次いで、ジョブ生成部41は、印刷データに設定された印刷設定に基づいて、用紙上に登録用情報の印字領域があるか否かを判定する(ステップS2)。登録用情報の印字領域は、用紙における不要な領域である。ジョブ生成部41は、用紙に不要な領域があるか否かを、例えば、印刷設定において断裁の設定がされているか否かによって判定することができる。
【0092】
ステップS2で、印字領域はあると判定された場合(ステップS2がYES判定の場合)、ジョブ生成部41は、印刷データに登録用情報を追加する(ステップS3)。一方、ステップS2で、印字領域はないと判定された場合(ステップS2がNO判定の場合)、ジョブ生成部41は、印刷データに、登録用情報の印刷ページを追加する(ステップS4)。
【0093】
ステップS3又はステップS4の処理後、画像形成装置本体10の画像形成部104は、基準画像登録ジョブに基づいて印刷データを用紙に印刷する(ステップS5)。次いで、画像検査装置20の画像読取部201は、ステップS5で印刷された印刷物における候補画像の読取画像を生成する(ステップS6)。ステップS6の後、画像読取部201は、読取画像を画像形成装置本体10に送信する。そして、画像形成装置本体10の基準画像登録部107は、読取画像を基準画像候補に登録する(ステップS7)。
【0094】
次に、
図13を参照して、候補画像の読取画像が基準画像Irに登録又は削除されるまでにおける基準画像登録方法の手順の例について説明する。まず、画像形成装置本体10の基準画像登録部107は、登録用情報に基づいてユーザーによって入力された操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS11)。
【0095】
ステップS11で、上記操作は受け付けていないと判定された場合(ステップS11がNO判定の場合)、基準画像登録部107は、ステップS11の判定を繰り返す。一方、ステップS11で、上記操作を受け付けたと判定された場合(ステップS11がYES判定の場合)、基準画像登録部107は、基準画像登録画面Sc2(又は基準画像登録画面Sc2′)を表示部に表示させる(ステップS12)。
【0096】
次いで、基準画像登録部107は、
図12のステップS7で基準画像候補に登録された候補画像の読取画像は、基準画像Irとして登録又は削除されたか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13で、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除はされていないと判定された場合(ステップS13がNO判定の場合)、基準画像登録部107は、次のジョブが入力されたか否かを判定する(ステップS14)。次のジョブは、通常の印刷ジョブ又は基準画像登録ジョブである。
【0097】
ステップS14で、次のジョブは入力されていないと判定された場合(ステップS14がNO判定の場合)、基準画像登録部107は、所定の時間は経過したか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15で、所定の時間は経過していないと判定された場合(ステップS15がNO判定の場合)、基準画像登録部107は、ステップS13に処理を戻す。
【0098】
一方、ステップS14で、次のジョブが入力されたと判定された場合(ステップS14がYES判定の場合)、又は、ステップS15で所定の時間は経過したと判定された場合(ステップS15がYES判定の場合)、基準画像登録部107は、排紙トレイ204に用紙が残っているか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16で、排紙トレイ204に残っているか否かの判定が行われる用紙は、基準画像登録ジョブに基づく印刷が行われた用紙である。
【0099】
ステップS16で、排紙トレイ204に用紙は残っていると判定された場合(ステップS16がYES判定の場合)、基準画像登録部107は、強制出力確認画面Sc6(
図11参照)を表示部に表示させる(ステップS17)。ステップS17で強制出力確認画面Sc6が表示されることにより、ユーザーは、次のジョブに基づく印刷を強制的に実行するか否かを、強制出力確認画面Sc6を介して、画像形成システム100に指示することができる。
【0100】
次いで、基準画像登録部107は、ステップS17で表示した強制出力確認画面Sc6を介して、ユーザーによって、次のジョブに基づく印刷の強制出力が指示されたか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18で、次のジョブに基づく印刷の強制出力が指示されたと判定された場合(ステップS18がYES判定の場合)、基準画像登録部107は、画像形成部104に登録用情報を用紙に印刷させる(ステップS19)。次いで、次のジョブに基づく印刷を画像形成部104に実行させる(ステップS20)。
【0101】
なお、ステップS20で実行される次のジョブに基づく印刷物は、画像形成装置1のオフセット排出機能を用いて、前に実行された基準画像登録ジョブに基づく印刷物が出力された位置とはズレた位置に排出されることが望ましい。排紙トレイが複数存在する場合には、前に実行された基準画像登録ジョブに基づく印刷物が排紙された排紙トレイとは異なる排紙トレイに排出されることが望ましい。このような制御が行われることにより、次のジョブに基づく印刷物と、その前に実行された基準画像登録ジョブに基づく印刷物との区別がつかなくなることを避けることができる。
【0102】
ステップS18で、次のジョブに基づく印刷の強制出力は指示されていないと判定された場合(ステップS18がNO判定の場合)、又は、ステップS16で排紙トレイ204に用紙は残っていないと判定された場合(ステップS16がNO判定の場合)、基準画像登録部107は、警告メッセージ入りの基準画像登録画面Sc5(
図10参照)を表示部に表示させる(ステップS21)。ステップS21で基準画像登録画面Sc5が表示されることにより、ユーザーは、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでの間は、次のジョブの出力が実行できないことを知ることができる。また、ユーザーは、基準画像登録画面Sc5を介して、読取画像の基準画像Irへの登録又は削除の操作を行うことができる。
【0103】
ステップS20又はステップS21の処理後、基準画像登録部107は、処理をステップS13に戻す。ステップS13で、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われたと判定された場合(ステップS13がYES判定の場合)、基準画像登録処理は終了する。
【0104】
上述した実施形態の画像形成システム100は、画像検査に用いられる基準画像Irの候補として用紙に印刷される候補画像と、基準画像を登録するための登録用情報と、を含む基準画像登録ジョブを生成するジョブ生成部41を備える。また、画像形成システム100は、基準画像登録ジョブの実行により用紙に印刷された登録用情報に基づいて選択される候補画像を、基準画像Irとして登録する基準画像登録部107と、を備える。それゆえ、本実施形態によれば、基準画像Irに登録すべき候補画像の読取画像を、基準画像Irとしてユーザーが適切に登録できるようになる。
【0105】
また、上述した実施形態では、ジョブ生成部41は、候補画像が印刷される用紙に不要な領域が存在する場合には、該領域に登録用情報を付加する。したがって、本実施形態によれば、登録用情報を印刷するための新たな用紙を用意する必要がなくなるため、用紙にかかるコストがかさむことを防ぐことができる。また、本実施形態では、用紙上に不要な領域がない場合には、ジョブ生成部41は、新たに追加した用紙に登録用情報を付加する。それゆえ、本実施形態によれば、用紙上に不要な領域がない場合であっても、基準画像Irの登録用情報をユーザーに提供することができる。
【0106】
また、上述した実施形態では、登録用情報は、候補画像を特定する識別情報(候補画像ID)、及び、基準画像Irの登録を行うための基準画像登録画面へのアクセス方法を示す情報のうち、少なくとも一つを含む。したがって、本実施形態によれば、ユーザーは、自身が所持する携帯端末装置3の画像読取部で登録手段方法を読み取ったり、登録手段方法としてのURLを操作入力部に入力したりすることにより、容易に基準画像登録画面Sc2′(
図7参照)にアクセスすることができ、所望の候補画像の読取画像を基準画像Irに登録又は削除することができる。
【0107】
また、上述した実施形態では、基準画像登録画面Sc2(Sc2′、Sc4、Sc5)には、候補画像の識別子によって特定される候補画像の読取画像(スキャン画像)、及び、基準画像登録ジョブに関する情報が表示される。したがって、本実施形態によれば、ユーザーは、基準画像登録ジョブに関する情報を基準画像登録画面で確認しながら、基準画像Irの登録を間違いなく行うことができる。
【0108】
また、上述した実施形態では、基準画像登録画面Sc2(Sc2′、Sc4、Sc5)に、基準画像登録ジョブに基づく印刷物の読取画像を表示するためのスキャン画像ボタンB6(ユーザインタフェースの一例)が表示される。したがって、本実施形態によれば、ユーザーは、スキャン画像ボタンB6を押下して、候補画像の読取画像を基準画像登録画面に表示させることにより、候補画像の読取画像を確認しながら、基準画像Irの登録を間違いなく行うことができる。
【0109】
また、上述した実施形態では、基準画像登録部107は、用紙に登録用情報を印刷するか否かをユーザーに選択させる登録用情報印刷確認画面Sc3(第1の画面の一例)を、基準画像登録ジョブに基づく印刷の開始前に表示部に表示させる。それゆえ、本実施形態によれば、ユーザーは、登録用情報を印刷するか否かを選択できるようになる。
【0110】
また、上述した実施形態では、基準画像登録部107は、候補画像を画像読取部が読み取って得られる読取画像の、基準画像Irへの登録又は削除が行われた後に、基準画像登録ジョブの次に入力されたジョブに基づく印刷を画像形成部104に実行させる。すなわち、基準画像登録部107は、基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでの間は、基準画像登録ジョブの次に入力されたジョブに基づく印刷を、画像形成部104に実行させない。これにより、ユーザーは、次のジョブに基づく印刷を実行するために、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除を行う。それゆえ、本実施形態によれば、基準画像候補である読取画像が基準画像Irに登録、又は、削除されないままである状態が、長く続いてしまうことを防ぐことができる。
【0111】
また、上述した実施形態では、基準画像登録部107は、基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでの間に、次のジョブが入力された場合であって、基準画像登録ジョブに基づく印刷物が排紙トレイ204に残っていると判定した場合、強制出力確認画面Sc6(第2の画面の一例)を表示部に表示させる。そして、基準画像登録部107は、強制出力確認画面Sc6において、次のジョブに基づく印刷の強制出力の実行が指示された場合、次のジョブに基づく印刷、及び、候補画像の読取画像の基準画像への登録又は削除が完了していない基準画像登録ジョブにおける登録用情報の印刷を、画像形成部104に実行させる。それゆえ、本実施形態によれば、次のジョブに基づく印刷を強制実行するか否かを、ユーザーが選択できるようになる。
【0112】
さらに、上述した実施形態では、基準画像登録部107は、基準画像登録ジョブに基づく印刷の終了後から、候補画像の読取画像の基準画像Irへの登録又は削除が行われるまでの間に、次のジョブが入力された場合であって、基準画像登録ジョブに基づく印刷物は排紙トレイ204に残っていないと判定した場合、読取画像の基準画像Irへの登録又は削除をユーザーに促す基準画像登録画面Sc5(第3の画面の一例)を表示部に表示させる。それゆえ、本実施形態によれば、ユーザーは、基準画像登録画面Sc5を確認することにより、候補画像の読取画像を基準画像Irに登録又は削除する作業を忘れずに行うことができる。
【0113】
なお、本発明は上述した一実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
【0114】
例えば、上述した一実施形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置(画像形成装置)及びシステム(画像形成システム)の構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成要素を備えるものに限定されない。また、一実施形態例の構成の一部について、他の構成要素の追加、削除、置換をすることも可能である。
【0115】
また、上記の各構成要素、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路の設計などによりハードウェアで実現してもよい。また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成要素が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1…画像形成装置、2…端末装置、3…携帯端末装置、4…ジョブ管理サーバー、10…画像形成装置本体、20…画像検査装置、21…画像読取部、41…ジョブ生成部、100…画像形成システム、102…制御部、103…記憶部、104…画像形成部、107…基準画像登録部、201…画像読取部、202…検査部、Sc1…ジョブリスト画面、Sc2、Sc2′…基準画像登録画面、Sc3…登録用情報印刷確認画面、Sc4…基準画像登録画面、Sc5…基準画像登録画面、Sc6…強制出力確認画面