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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/00 20060101AFI20241126BHJP
   A41D 13/02 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
A41D13/00 105
A41D13/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021029025
(22)【出願日】2021-02-25
(65)【公開番号】P2022130070
(43)【公開日】2022-09-06
【審査請求日】2023-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木戸 達也
(72)【発明者】
【氏名】村上 康晴
【審査官】冨江 耕太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-16895(JP,A)
【文献】特開2011-184805(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/00-13/12
A44B19/00-19/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者が着用後に、閉止される閉止部の設けられた衣服であり、
前記閉止部は、閉止部材によって閉止され、
前記閉止部材は、
係止部と、
前記係止部が係止される被係止部と、
摺動させることによって前記係止部を前記被係止部に係止させて前記閉止部を閉止する摺動部材と、
前記閉止部が閉止された状態において、前記摺動部材の摺動を、規制位置において規制する規制部と、を有し、
前記規制部は、取り外し可能であり、かつ、ミシン縫製部、接着部、または融着部であり、
前記摺動部材は、前記規制部が取り外された場合に、前記規制位置を超えて摺動させることにより前記閉止部材から取り外される、衣服。
【請求項2】
前記係止部は、前記摺動部材が前記閉止部材から取り外されることにより、前記被係止部との係止状態が解除される、請求項1記載の衣服。
【請求項3】
前記係止部および前記被係止部は、一対の務歯である、請求項1または2記載の衣服。
【請求項4】
前記規制部の厚みは、前記摺動部材と、前記係止部または前記被係止部との間に形成される間隙の幅よりも大きい、請求項1~のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項5】
不織布からなる、請求項1~のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項6】
前記衣服は、身頃部を有し、
前記身頃部は、首周りの襟部と、後身頃部とを有し、
前記閉止部は、前記襟部から、前記後身頃部の着丈方向の下端に沿って設けられている、請求項1~のいずれか1項に記載の衣服。
【請求項7】
前記衣服は、身頃部、身頃部に取り付けられたフードとを有し、
前記身頃部は、後身頃部を有し、
前記閉止部は、前記フードから、前記後身頃部の着丈方向の下端に沿って設けられている、請求項1~のいずれか1項に記載の衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服に関する。より詳細には、本発明は、脱衣時に、立位状態で身体を通過させることが可能な開口を形成することができ、その開口から、小さな身体の動きにより脱衣し得る衣服に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用後に廃棄される使い捨ての衣服が開発されている。たとえば、特許文献1には、粉塵やウイルス等の汚染物質から身を守るための衣服(防護服)が開示されている(特許文献1)。特許文献1によれば、着用者は、着用後にファスナ部材を操作して開閉部を閉止し、使用後に、ファスナ部材を再度操作して開閉部を開放し、脱衣する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-252021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の衣服は、開閉部材であるファスナ部材を操作して開口を設け、その開口から着衣する。そして、作業後に脱衣する際には、再度、ファスナ部材を操作して、同様の開口を設けて脱衣する。そのため、特許文献1の衣服は、ファスナ部材などを操作する手間がかかる。また、特許文献1の衣服は、脱衣時に身体の動きが大きく、衣服が汚染している場合には、汚染部位が身体に触れるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、脱衣時に、立位状態で身体を通過させることが可能な開口を形成することができ、その開口から、小さな身体の動きにより脱衣することができ、汚染部位に触れる可能性を低減した衣服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本発明には、以下の構成が主に含まれる。
【0007】
(1)着用者が着用後に、閉止される閉止部の設けられた衣服であり、前記閉止部は、閉止部材によって閉止され、前記閉止部材は、係止部と、前記係止部が係止される被係止部と、摺動させることによって前記係止部を前記被係止部に係止させて前記閉止部を閉止する摺動部材と、前記閉止部が閉止された状態において、前記摺動部材の摺動を、規制位置において規制する規制部と、を有し、前記規制部は、取り外し可能であり、前記摺動部材は、前記規制部が取り外された場合に、前記規制位置を超えて摺動させることにより前記閉止部材から取り外される、衣服。
【0008】
このような構成によれば、衣服は、着用者が脱衣する際に、規制部を取り外すことができる。また、衣服は、規制位置を超えて摺動部材を摺動させることにより、摺動部材を閉止部材から取り外すことができる。その結果、衣服は、閉止部を開放し、大きな開口を形成することができる。その結果、着用者は、開口から、立位状態で身体を通過させることができ、汚染部位に触れにくく、小さな身体の動きにより衣服を脱衣することができる。
【0009】
(2)前記係止部は、前記摺動部材が前記閉止部材から取り外されることにより、前記被係止部との係止状態が解除される、(1)記載の衣服。
【0010】
このような構成によれば、衣服は、摺動部材が取り外されることによって、係止部と被係止部との係止状態が解除される。これにより、衣服は、より容易に閉止部が開放され、脱衣に要する着用者の動作をより減らすことができる。
【0011】
(3)前記係止部および前記被係止部は、一対の務歯である、(1)または(2)記載の衣服。
【0012】
このような構成によれば、衣服は、摺動部材を摺動させることにより、一対の務歯を係合させて、閉止部を閉止することができる。また、脱衣時には、衣服は、摺動部材を取り除くことにより、容易に務歯の係合状態を解除することができる。これにより、衣服は、より容易に閉止部が開放され、脱衣に要する着用者の動作をより減らすことができる。
【0013】
(4)前記規制部は、ミシン縫製部、接着部、または融着部である、(1)~(3)のいずれかに記載の衣服。
【0014】
このような構成によれば、規制部は、簡単な操作により、容易に衣服から取り除くことができる。
【0015】
(5)前記規制部の厚みは、前記摺動部材と、前記係止部または前記被係止部との間に形成される間隙の幅よりも大きい、(1)~(4)のいずれかに記載の衣服。
【0016】
このような構成によれば、摺動部材は、規制部を超えて摺動されにくく、規制位置において適切に規制され得る。
【0017】
(6)不織布からなる、(1)~(5)のいずれかに記載の衣服。
【0018】
このような構成によれば、衣服は、適度な剛性、通気性、防塵性、快適性等を示しやすく、さらに、生産性とコストも優れる。
【0019】
(7)前記衣服は、身頃部を有し、前記身頃部は、首周りの襟部と、後身頃部とを有し、前記閉止部は、前記襟部から、前記後身頃部の着丈方向の下端に沿って設けられている、(1)~(6)のいずれかに記載の衣服。
【0020】
このような構成によれば、衣服は、着用者の背面側に設けられた閉止部を開放し、脱衣することができる。これにより、衣服は、脱衣時に、汚染部位(たとえば袖部や前身頃部の汚染部位)に触れにくく、それらの部位を内側に折り畳むように脱衣することができる。また、衣服は、より大きな開口を形成しやすく、着用者は、立位状態で、より小さな身体の動きにより衣服を脱衣しやすい。
【0021】
(8)前記衣服は、身頃部、身頃部に取り付けられたフードとを有し、前記身頃部は、後身頃部を有し、前記閉止部は、前記フードから、前記後身頃部の着丈方向の下端に沿って設けられている、(1)~(6)のいずれかに記載の衣服。
【0022】
このような構成によれば、衣服は、フードを分割でき、かつ、着用者の背面側に設けられた閉止部を開放し、脱衣することができる。これにより、衣服は、脱衣時に、汚染部位(たとえば袖部や前身頃部の汚染部位)に触れにくく、それらの部位を内側に折り畳むように脱衣することができる。また、衣服は、より大きな開口を形成しやすく、着用者は、立位状態で、より小さな身体の動きにより衣服を脱衣しやすい。
【0023】
(9)前記衣服は、使い捨ての衣服である、(1)~(8)のいずれかに記載の衣服。
【0024】
このような構成によれば、衣服は、小さな身体の動きにより脱衣することができるため、汚染部位に触れる可能性を低減することができる。そのため、衣服は、たとえば防護服などの使い捨ての衣服として好適である。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、脱衣時に、立位状態で身体を通過させることが可能な開口を形成することができ、その開口から、小さな身体の動きにより脱衣することができ、汚染部位に触れる可能性を低減した衣服を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の一実施形態(第1の実施形態)の衣服の模式的な正面図である。
図2図2は、ファスナー部材の拡大図である。
図3図3は、ファスナー部材の拡大された側面図である。
図4図4は、ファスナー部材の模式的な側面図である。
図5図5は、ファスナー部材を下方から見た模式的な端面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態(第2の実施形態)の衣服の模式的な正面図である。
図7図7は、本発明の一実施形態(第2の実施形態)の衣服の模式的な背面図である。
図8図8は、本発明の一実施形態(第3の実施形態)の衣服の模式的な正面図である。
図9図9は、本発明の一実施形態(第3の実施形態)の衣服の模式的な背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1の実施形態>
本発明の一実施形態(第1の実施形態)の衣服は、着用者が着用後に、閉止される閉止部の設けられた衣服である。閉止部は、閉止部材によって閉止される。閉止部材は、係止部と、係止部が係止される被係止部と、摺動させることによって係止部を被係止部に係止させて閉止部を閉止する摺動部材と、閉止部が閉止された状態において、摺動部材の摺動を、規制位置において規制する規制部と、を有する。規制部は、取り外し可能である。摺動部材は、規制部が取り外された場合に、規制位置を超えて摺動させることにより閉止部材から取り外される。以下、それぞれについて説明する。なお、本実施形態において、「身頃部」とは、衣服が着用者に着用された際に、着用者の腰よりも上に相当する部分をいう。
【0028】
ここで、本実施形態において、着用者の身体寸法は特に限定されない。本実施形態では、説明の明瞭化のため、以下の身体寸法である着用者が例示される。すなわち、着用者は、身長が171cmであり、上腕長が32cmであり、頸側・肩峰直線距離が15cmであり、頚窩高が140cmであり、胸骨中点高が128cmであり、前腋窩幅が34cmであり、肩甲骨下角間直線距離が20cmであり、大腿長が44cmであり、脛骨上縁高が43cmである。
【0029】
本実施形態の衣服は、身頃部と、一対の袖部とを有する。身頃部および袖部を構成する生地は特に限定されない。一例を挙げると、身頃部および袖部を構成する生地は、不織布からなることが好ましい。また、上記の不織布は以下の形態であることがより好ましい。まず、不織布は、第1のスパンボンド不織布とメルトブロー不織布との積層構造を有するものであることがより好ましい。これにより、衣服は、適度な剛性、通気性、防塵性、快適性等を示しやすい。ほかにも、不織布は、スパンボンド不織布とフィルムとの積層構造を有するものであることもより好ましい。これにより、衣服は、血液やウイルスに対し極めて優れたバリア性を示すとともに、優れた耐久性および優れた肌触り性等を示しやすい。また、上記のフィルムは、微多孔性フィルムであることが好ましい。これにより、上記の効果に加えて、衣服は、優れた快適性等を示しやすい。なお、上記の微多孔性フィルムは、国際公開第2015/083665号、国際公開第2016/175250号、国際公開第2017/119355号および国際公開第2017/169718号に記載のものを用いることができる。
【0030】
・第1のメルトブロー不織布
衣服の防塵性と快適性の両方を優れたものとするためには、第1のメルトブロー不織布の嵩密度は、0.05g/cm3以上であることが好ましく、0.08g/cm3以上であることがより好ましく、0.10g/cm3以上であることがさらに好ましい。一方、衣服の防塵性と快適性の両方を優れたものとするためには、第1のメルトブロー不織布の嵩密度は、0.18g/cm3以下であることが好ましく、0.16g/cm3以下であることがより好ましく、0.15g/cm3以下であることがさらに好ましい。なお、本実施形態において、嵩密度は、マイクロメリティックスジャパン合同会社製“GeoPyc1360”を用いて測定することができる。具体的には、嵩密度は、測定対象である特定の層を2mm×2mmのサイズに切り出し、これを測定用サンプルとして10枚準備し、内径12.7mmのサンプルチャンバーに測定用ビーズと交互に積層し、ビーズをサンプルチャンバーの底面から2cmの位置まで充填し測定し、得られた結果の小数点第三位を四捨五入することにより算出することができる。
【0031】
衣服の防塵性と快適性の両方を優れたものとするためには、第1のメルトブロー不織布の厚みは、70μm以上であることが好ましく、80μm以上であることがより好ましく、90μm以上であることがさらに好ましい。一方、衣服の防塵性と快適性の両方を優れたものとするためには、第1のメルトブロー不織布の厚みは、200μm以下であることが好ましく、160μm以下であることがより好ましく、140μm以下であることがさらに好ましい。
【0032】
第1のメルトブロー不織布を構成する繊維の平均単繊維径は、3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましく、6μm以上であることがさらに好ましい。また、第1のメルトブロー不織布を構成する繊維の平均単繊維径は、15μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、8μm以下であることがさらに好ましい。平均単繊維径が上述した下限値以上であることにより、第1のメルトブロー不織布は、強度がより優れる。また、第1のメルトブロー不織布は、目開きのサイズが大きくなる。その結果、衣服は、通気性がより向上する。また、平均単繊維径が上述した上限値以下であることにより、第1のメルトブロー不織布は、目開きのサイズが小さくなる。その結果、衣服は、防塵性がより優れる。なお、本実施形態において、平均単繊維径は、生地の断面を切り出して、その断面に白金-パラジウム合金を蒸着し、走査型電子顕微鏡(SEM)(S-4000型、(株)日立製作所製)による撮影画像から繊維の単糸直径を測定し、単純平均値を算出することで求めることができる。
【0033】
第1のメルトブロー不織布を構成する繊維の素材は特に限定されない。一例を挙げると、繊維の素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイト、フッ素系樹脂、およびこれらの混合物などである。これらの中でも、繊維の素材は、生地の生産性や、風合いが優れたものとなる観点から、ポリオレフィン系樹脂を主成分とすることが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂は、エレクトレット加工によって防塵性が向上しやすい点から、ポリプロピレンであることが好ましい。本実施形態において、第1のメルトブロー不織布がポリオレフィン系樹脂を主成分とするとは、第1のメルトブロー不織布がポリオレフィン系樹脂を、第1のメルトブロー不織布の全体に対して、80質量%以上となるよう含有することをいう。第1のメルトブロー不織布は、ポリオレフィン系樹脂を、第1のメルトブロー不織布の全体に対して、90質量%以上となるよう含有することが好ましく、ポリオレフィン系樹脂のみからなることがより好ましい。なお、メルトブロー不織布層がポリオレフィン系樹脂のみからなる場合、本実施形態の効果を損なわない範囲において、メルトブロー不織布は、ヒンダードアミン等の添加剤を含有してもよい。
【0034】
第1のメルトブロー不織布は、メルトブロー法によって得ることができる。メルトブロー法は、一般に、紡糸口金から押し出された熱可塑性ポリマーを熱風噴射することにより繊維状に細繊度化し、この繊維の自己融着特性を利用して、ウェブを形成する方法である。メルトブロー法における紡糸条件は、ポリマー吐出量、ノズル温度、エア圧力等がある。これら紡糸条件が最適化されることにより、所望の繊維径を有する不織布が得られる。具体的には、第1のメルトブロー不織布に使用する繊維を生産する際に、樹脂の吐出量を少なく、吐出スピードを速く、繊維の延伸の程度を大きくすることにより、繊維を細繊度化しやすい。
【0035】
第1のメルトブロー不織布は、帯電を有しているメルトブロー不織布であることが好ましい。第1のメルトブロー不織布が、帯電を有しているメルトブロー不織布であることにより、衣服は、高い通気度と高い防塵性との両立が可能となる。
【0036】
・第1のスパンボンド不織布
第1のスパンボンド不織布を構成する繊維の素材は、特に限定されない。一例を挙げると、繊維の素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイト、フッ素系樹脂、およびこれらの混合物等である。これらの中でも、繊維の素材は、生地の生産性や、風合いが優れたものとなる観点から、ポリオレフィンであることが好ましい。
【0037】
スパンボンド不織布とは、スパンボンド法により得られる不織布である。スパンボンド不織布の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、スパンボンド不織布は、ポリマー組成物を溶融し、紡糸口金から押し出して延伸し、これをコンベアベルト等の上に集積して、ウェブ状に形成すること(スパンボンド法)により得られる。スパンボンド法は、糸の紡糸から不織布の形成まで一貫して加工することができるため、生産性が優れる。加えて、スパンボンド法により得られる不織布は、長繊維で形成されているので強度が高く、寸法安定性が優れる。
【0038】
第1のスパンボンド不織布を構成する繊維の平均単繊維径は、18μm以上であることが好ましく、19μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、繊維の平均単繊維径は、30μm以下であることが好ましく、28μm以下であることがより好ましく、26μm以下であることがさらに好ましい。平均単繊維径が上述した下限値以上であることにより、第1のスパンボンド不織布は、シート強度を高めることができ、かつ、目開きのサイズが大きくなる。そのため、衣服は、通気性がより向上する。また、平均単繊維径が上述した上限値以下であることにより、第1のスパンボンド不織布は、目開きのサイズが小さくなる。そのため、衣服は、防塵性がより向上する。
【0039】
第1のスパンボンド不織布は、本実施形態の効果を損なわない範囲で、機能が付与されてもよい。第1のスパンボンド不織布は、たとえば、撥水、撥油、帯電防止、難燃、防菌、および防カビ等の機能が付与されてもよい。
【0040】
第1の生地全体の説明に戻り、第1の生地の製造工程において、第1のスパンボンド不織布および第1のメルトブロー不織布を積層する方法は特に限定されない。
【0041】
ここで、第1の生地は、上記のとおり、帯電を有する第1のメルトブロー不織布を備えることが好ましい。このような好適な第1の生地の製造方法では、帯電を有する第1のメルトブロー不織布と第1のスパンボンド不織布とを別個独立して製造する必要がある。別個独立して製造された帯電を有する第1のメルトブロー不織布と第1のスパンボンド不織布とは、接着剤(第1の接着剤)を用いて貼り合わせるか、または、エンボス加工により貼り合わせる必要がある。
【0042】
第1のメルトブロー不織布と第1のスパンボンド不織布とは、接着剤(第1の接着剤)によって接着されることが好ましい。この場合、第1のメルトブロー不織布と第1のスパンボンド不織布との層間に含まれる接着剤の含有量は、0.5g/m2以上であることが好ましく、1.0g/m2以上であることがより好ましい。また、接着剤の含有量は、5.0g/m2以下であることが好ましく、2.0g/m2以下であることがより好ましい。接着剤の含有量が上述した下限値以上であることにより、第1のスパンボンド不織布と第1のメルトブロー不織布との層間の接着力は、より優れる。その結果、衣服は、衣服を着用して着用者が作業を行う際に、層間の剥離が起こりにくい。一方、接着剤の含有量が上述した上限値以下であることにより、第1の生地は、通気性が高くなる。その結果、第1の生地は、剛軟度も低くなり、柔軟性が優れる。
【0043】
第1の生地は、さらに、第2のスパンボンド不織布を備えてもよい。この場合、第1の生地は、第1のスパンボンド不織布、第1のメルトブロー不織布および第2のスパンボンド不織布がこの順に積層されていることが好ましい。このような第1の生地を用いて、第2のスパンボンド不織布が着用者側に配置されるよう衣服を作製すると、衣服は、第1のメルトブロー不織布のさらに外側に第1のスパンボンド不織布が配置される。その結果、衣服は、第1のスパンボンド不織布により第1のメルトブロー不織布を外的な応力から保護しやすい。したがって、衣服は、第1のメルトブロー不織布の傷付きなどによる、衣服の防塵性等の性能低下が起こりにくい。さらに、このような衣服は、耐摩耗性能が優れる。なお、第2のスパンボンド不織布は、第1のスパンボンド不織布として上記したものと同様のものが用いられ得る。
【0044】
衣服全体の説明に戻り、図1は、本実施形態の衣服1の模式的な正面図である。衣服1は、身頃部2と、一対の袖部3とを有する。身頃部2は、着用者の正面(腹側)に相当する前身頃部21と、背面(背中側)に相当する後身頃部22とを有する。また、身頃部2は、フード5との連結部位に相当する襟部4を有する。前身頃部21は、着用者が着用時に身体を通すための開口S1が設けられている。開口S1は、後述するファスナー部材6(閉止部材の一例)によって閉止される閉止部である。図1では、開口S1が閉止された状態が示されている。
【0045】
閉止部材は、閉止部を閉止するための部材である。閉止部材は、係止部と、係止部が係止される被係止部と、摺動させることによって係止部を被係止部に係止させて閉止部を閉止する摺動部材と、閉止部が閉止された状態において、摺動部材の摺動を、規制位置において規制する規制部とを有する。
【0046】
閉止部材の構成は、上記係止部、被係止部、摺動部材および規制部を有すればよく、特に限定されない。本実施形態の衣服は、閉止部材としてファスナー部材6が採用された態様が例示されている。図2は、ファスナー部材6の拡大図である。図3は、ファスナー部材6の拡大された側面図である。ファスナー部材6は、一対の務歯(務歯61および務歯62、それぞれ係止部および被係止部の一例)と、摺動によって一対の務歯を係止状態および非係止状態に可逆的に変化させるためのスライダー63(摺動部材の一例)と、規制テープ64(規制部の一例)とを備える。規制テープ64は、縫糸によって衣服1に軽く縫い付けられた部材であり、着用者が引っ張ることによって、容易に取り除くことができる。なお、規制テープ64は、縫い付けられた部材のほか、両面接着されたテープであってもよく、軽く融着した(ファスナーテープ上端と部分的に溶かし合わせた)テープであってもよい。衣服1は、スライダー63を摺動させることにより、一対の務歯(務歯61および務歯62)を順に係合させて、開口S1を閉止することができる。また、スライダー63は、規制テープ64によって規制され、適切な規制位置(襟部4近傍)において止められる。脱衣時には、衣服1は、規制テープ64を取り除くことにより、スライダー63をさらに摺動させて、衣服1から取り除くことができる。
【0047】
一方の務歯61は、スライダー63がファスナー部材6から取り外されることにより、他方の務歯62との係止状態が解除されることが好ましい。図3は、スライダー63を取り除いた結果、開口S1が開口された状態の衣服1の模式的な正面図である。すなわち、衣服1は、スライダー63が取り外されることによって、務歯61と務歯62との係止状態が、軽い外力で解除され得る。たとえば、スライダー63が取り外された後、務歯61と務歯62との係合状態は、たとえば、着用者が務歯61および務歯62の周囲を把持し、左右に拡げることにより、容易に係合状態が解除され得る。これにより、衣服1は、再度、スライダー63を下げて務歯61と務歯62との係合状態を解除するよりも、より容易に開口S1が開放することができ、脱衣に要する着用者の動作をより減らすことができる。
【0048】
ファスナー部材の種類は特に限定されない。一例を挙げると、ファスナー部材は、各種金属ファスナー、コイルファスナー、コンシールファスナー等である。これらの中でも、ファスナー部材は、曲げ剛性が低く柔軟性を有し、務歯の係合状態を解除する際の抵抗が少なく、脱衣性が優れる点から、コイルファスナーまたはコンシールファスナーであることが好ましい。
【0049】
規制部は、摺動部材の摺動を、規制位置において規制するための部位である。本実施形態では、布製の規制テープ64が、襟部または襟部の近傍に設けられている態様が例示されている。なお、本実施形態において、規制位置は、規制部によって摺動部材の摺動が規制される位置であり、通常は、規制部の設けられた位置である。
【0050】
規制部の厚みは、摺動部材と、係止部または被係止部との間に形成される間隙の幅よりも大きいことが好ましい。図4は、ファスナー部材6の模式的な側面図である。図5は、ファスナー部材6を下方から見た模式的な端面図である。図4または図5に示されるように、一対の務歯(務歯61および務歯62)は、それぞれ、衣服1を構成する基布11に設けられている。これに対し、スライダー63は、スライダー本体63aと、スライダー本体63aの上面に設けられた把持部63bとからなる。
【0051】
把持部63bは、着用者が把持し、スライダー63を摺動させるための部位であり、スライダー本体63aの支柱部63dの上面に取り付けられている。
【0052】
スライダー本体63aは、基布11の裏面に配置される底板63cと、底板63cから基布11の厚み方向に延びる支柱部63dと、支柱部63dから支柱部63dと略直交する方向に延設された上板63eと、上板63eの両端において、底板63c側に延設された縁部63fとからなる。
【0053】
一対の務歯(務歯61および務歯62)は、底板63c、上板63eおよび縁部63fとによって囲まれた空間に配置されている。底板63c、上板63eおよび縁部63fには、種々の隙間が形成されている。たとえば、務歯61または務歯62の上面と上板63eの裏面との間(空隙S2)、縁部63fの下面と基布11の上面との間(空隙S3)等である。
【0054】
規制部(規制テープ64、図2参照)の厚みは、これら空隙S2および空隙S3の幅(幅L2および幅L3)のように、スライダー63と、務歯61または務歯62との間に形成される間隙の幅よりも大きいことが好ましい。これにより、スライダー63は、規制テープ64を超えて摺動されにくく、規制位置において適切に規制されやすい。
【0055】
規制部は、衣服に対して取り外すことのできる部材であればよく、特に限定されない。一例を挙げると、規制部は、ミシン縫製部、接着部、または、融着部であることが好ましい。本実施形態では、布製の規制テープ64が縫糸によって衣服1に取り付けられた態様(ミシン縫製部)が例示されている。
【0056】
規制部がミシン縫製部である場合、ミシン縫製部の種類は特に限定されない。一例を挙げると、ミシン縫製部は、本縫い、環縫い、千鳥縫い、手縫い、または、すくい縫い等によって規制テープ64を基布11に取り付けた部位である。規制部が、ミシン縫製部であることにより、規制部は、脱衣時に、規制テープ64を引っ張ることによって千切って基布11から取り除いたり、縫糸を引っ張ることにより規制テープ64を基布11から取り除いたりすることができる。これにより、規制部は、スライダー63の摺動を適切に規制することができるとともに、容易に取り除くことができる。
【0057】
ミシン縫製部におけるミシンの運針数は特に限定されない。一例を挙げると、運針数は、2mm/針以上であることが好ましく、3mm/針以上であることがより好ましい。また、運針数は、10mm/針以下であることが好ましく、6mm/針以下であることがより好ましい。運針数が上記範囲内であることにより、ミシン縫製部は、防塵性に必要な縫目の密閉状態を維持しつつ、かつ、規制部を取り除きやすい。
【0058】
ミシン縫製部が、本縫いまたは千鳥縫いによって形成されている場合において、下糸の番手は、上糸の番手以上であることが好ましい。一例を挙げると、下衣との番手は、#0番~#50番であることが好ましく、上糸の番手は、#30番~#80番であることが好ましい。下糸の番手が、上糸の番手以上であることにより、上糸を引っ張って取り除く際の、上糸と下糸との交絡による摩擦が低減されやすい。その結果、より容易に上糸を取り除くことができ、規制部を取り外しやすい。
【0059】
また、ミシン縫製部が、本縫いまたは千鳥縫いによって形成されている場合において、上糸の張力(T1)は、1gf以上であることが好ましく、5gf以上であることがより好ましい。また、上糸の張力(T1)は、100gf以下であることが好ましく、60以下であることがより好ましい。上糸の張力(T1)が上記範囲内であることにより、規制部は、脱衣時に縫糸を容易に引っ張ることができ、取り除くことができる。そのため、閉止部材における摺動部材を容易に閉止部材から取り除くことができる。
【0060】
なお、上糸の張力(T1)は、たとえば、デジタルテンションゲージという装置(型番:DTM-BD、販売者名:TOWA)を用いて、ミシンの天秤を最上位置に上げた状態で、針棒の糸道出口から上糸を引き出し、本装置に掛けて糸を約3m/分の速度で引っ張った際の表示値を読み取ることで求めることができる。
【0061】
規制部が接着部である場合、接着部は、固化した樹脂であり得る。このような接着部は、規制テープ64と衣服1との間に配置される。また、接着部は、規制テープ64および衣服1と直接接しており、規制テープ64と衣服1とを固着している。接着部の形成方法は特に限定されない。一例を挙げると、接着部の形成方法は、規制テープ64と衣服1との間に樹脂を介在させ、主に熱プレス、高周波加熱、超音波を用いて接着する方法が好ましく、接着樹脂を介在させた熱プレス法がコストと生産性が優れ、かつ、接着部である規制部が着用時に剥がれにくく、脱衣時に容易に取り外し可能な接着強度に調整しやすい点からより好ましい。
【0062】
規制部が融着部である場合、融着部は、規制テープ64と衣服1とが一体的に溶け合わされた部位である。融着部の形成方法は特に限定されない。一例を挙げると、融着部の形成方法は、規制テープ64と衣服1とを密着させた状態で、熱や超音波や高周波により内部加熱することにより、規制テープ64および衣服1を一体的に溶け合わせる方法である。融着加工方法は、超音波による融着加工であることが、融着部以外にはエネルギーが拡散することなく、融着部や融着部周囲へのダメージを最小限に抑えることができ、かつ、融着部である規制部が着用時に剥がれにくく、脱衣時に容易に取り外し可能な融着強度に調整しやすい点からより好ましい。
【0063】
本実施形態の衣服1は、さらにフード5を備えてもよい。衣服1が備えるフード5は、衣服1の着用時に着用者の頭部を覆う衣服1の部分である。身頃部2とフード5とは、一体となっていることが好ましい。身頃部とフードとが別体となっている衣服は、身頃部を有する上衣とフードとを着用した際に、身頃部とフードとの間に隙間を生じやすい。この場合、隙間を防ぐために、衣服の着用時に身頃部とフードとにおいて、各々に相手方と重なる部分を多く設ける必要が生じる。このような身頃部とフードとが重なる部分は、通気性および柔軟性が低下しやすい。これに対し、身頃部2とフード5とが一体となっている衣服1は、身頃部2とフード5との間に隙間が生じず、身頃部2とフード5とに相手方と重なる部分が存在しない。そのため、衣服1は、着用時の快適性と作業性とが同時に優れたものとなり得る。フード5は、上記した第1の生地から構成され得る。
【0064】
また、本実施形態の衣服1は、身頃部2を含む上衣7に加えて、下衣8を備えてもよい。上衣7と下衣8とは、一体となっていることが好ましい。上衣と下衣とが別体となっている衣服は、上衣と下衣とを着用した際に上衣と下衣との間に隙間を生じやすい。この場合、隙間を防ぐために、衣服の着用時に上衣と下衣とにおいて、各々に相手方と重なる部分を多く設ける必要が生じる。このような上衣と下衣とが重なる部分は、通気性および柔軟性が低下しやすい。これに対し、上衣7と下衣8とが一体となっている衣服1は、上衣7と下衣8との間に隙間が生じず、上衣7と下衣8とに相手方と重なる部分が存在しない。そのため、衣服1は、着用時の快適性と作業性とが同時に優れたものとなり得る。下衣8は、上記した第1の生地から構成され得る。
【0065】
以上、本実施形態によれば、衣服は、着用者が脱衣する際に、規制部を取り外すことができる。また、衣服は、規制位置を超えて摺動部材を摺動させることにより、摺動部材を閉止部材から取り外すことができる。その結果、衣服は、閉止部を開放し、大きな開口を形成することができる。したがって、着用者は、開口から、立位状態で身体を通過させることができ、汚染部位に触れにくく、小さな身体の動きにより衣服を脱衣することができる。
【0066】
本実施形態において、衣服は特に限定されない。一例を挙げると、衣服は、使い捨ての衣服であることが好ましく、介護用ロンパース、粉塵やウイルス等の汚染物質から身を守るための防護服、災害救助支援時の簡易調理服、付着物の多い環境での付着防止のための簡易作業服等であることがより好ましい。これにより、衣服1は、汚染部位に触れる作業等を行う際に着用する衣服として好適である。
【0067】
<第2の実施形態>
本発明の一本実施形態(第2の実施形態)の衣服は、閉止部および閉止部を閉止するための開閉部材が、襟部から、後身頃部の着丈方向の下端に沿って設けられている以外は、第1の実施形態に関連して上記した衣服(図1参照)と同様である。
【0068】
図6は、本実施形態の衣服1aの模式的な正面図である。図7は、本実施形態の衣服1aの模式的な背面図である。本実施形態において、襟部から後身頃部の着丈方向の下端に沿って設けられた開口S1aは、同じく襟部から後身頃部の着丈方向の下端に沿って設けられたファスナー部材6(開閉部材の一例)によって閉止されている。ファスナー部材6の構成は、第1の実施形態に関連して上記したとおりである。
【0069】
衣服1aは、ファスナー部材6の規制テープ(規制テープ64、図2参照)を取り除くことにより、スライダー(スライダー63、図2参照)をさらに摺動させて、衣服1aから取り除くことができる。その結果、衣服1aは、主に衣服1aの背面側に大きな開口S1aを形成することができる。
【0070】
衣服1aは、着用者が作業を行うことにより、袖部3のほか、後身頃部22よりも前身頃部21が汚染されやすい場合が多い。本実施形態では、後身頃部22に開口S1aが設けられているため、着用者は、脱衣時に、袖部3や前身頃部21における汚染部位を内側に折り畳むように脱衣することができ、より汚染部位に触れにくい。
【0071】
<第3の実施形態>
本発明の一本実施形態(第3の実施形態)の衣服は、身頃部に取り付けられたフードを有し、かつ、閉止部および閉止部を閉止するための開閉部材が、フードから、後身頃部の着丈方向の下端に沿って設けられている以外は、第1の実施形態に関連して上記した衣服(図1参照)と同様である。
【0072】
図8は、本実施形態の衣服1bの模式的な正面図である。図9は、本実施形態の衣服1bの模式的な背面図である。本実施形態において、フード5から後身頃部22の着丈方向の下端に沿って設けられた開口S1bは、同じくフード5から後身頃部22の着丈方向の下端に沿って設けられたファスナー部材6(開閉部材の一例)によって閉止されている。ファスナー部材6の構成は、第1の実施形態に関連して上記したとおりである。
【0073】
衣服1bは、ファスナー部材6の規制テープ(規制テープ64、図2参照)を取り除くことにより、スライダー(スライダー63、図2参照)をさらに摺動させて、衣服1bから取り除くことができる。その結果、衣服1bは、フード5を左右に分離できることに加え、主に衣服1bの背面側に大きな開口S1bを形成することができる。
【0074】
衣服1bは、着用者が作業を行うことにより、袖部3のほか、後身頃部22よりも、フード5や前身頃部21が汚染されやすい場合が多い。本実施形態では、フード5が左右に分割され、かつ、後身頃部22に開口S1bが設けられているため、着用者は、脱衣時に、袖部3やフード5、前身頃部21における汚染部位を内側に折り畳むように脱衣することができ、より汚染部位に触れにくい。
【符号の説明】
【0075】
1、1a、1b 衣服
11 基布
2 身頃部
21 前身頃部
22 後身頃部
3 袖部
4 襟部
5 フード
6 ファスナー部材
61、62 務歯
63 スライダー
63a スライダー本体
63b 把持部
63c 底板
63d 支柱部
63e 上板
63f 縁部
64 規制テープ
7 上衣
8 下衣
S1、S1a、S1b 開口
S2、S3 空隙
L2、L3 空隙の幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9