(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】リーダライタ、交信システム、印刷装置、および対象物の製造方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20241126BHJP
G06K 7/00 20060101ALI20241126BHJP
G06K 7/14 20060101ALI20241126BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06K7/00 004
G06K7/14 017
G06K7/10 264
G06K7/10 152
(21)【出願番号】P 2021040299
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2024-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】中野 善光
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-207095(JP,A)
【文献】特開2010-146468(JP,A)
【文献】特開2006-323655(JP,A)
【文献】特開2006-302248(JP,A)
【文献】特開2005-035327(JP,A)
【文献】特開平02-030447(JP,A)
【文献】特開2007-047960(JP,A)
【文献】特許第7135952(JP,B2)
【文献】特許第5296514(JP,B2)
【文献】特許第5380893(JP,B2)
【文献】特許第4954669(JP,B2)
【文献】特許第4454461(JP,B2)
【文献】特開2003-108215(JP,A)
【文献】特開平2-250755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06K 7/00
G06K 7/14
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の製造工程における特定の工程において、前記特定の工程に対応した対象RFタグと交信を行うリーダライタであって、
前記対象物に対応して設けられた光学コードから読み取られた、前記対象物を構成する複数の部品に対応した複数のRFタグのタグ識別子を含む光学コード情報を取得する取得部と、
前記光学コード情報に基づき、前記タグ識別子から前記特定の工程に対応した対象タグ識別子を特定する特定部と、
前記複数のRFタグのうち、前記対象タグ識別子に対応した前記対象RFタグと交信する交信部と、を備えるリーダライタ。
【請求項2】
前記光学コード情報は、前記複数の部品の部品識別子を前記タグ識別子と対応付けて含んでおり、
前記特定部は、
前記特定の工程に対応した対象部品識別子を示す情報を取得し、
前記光学コード情報に基づき、前記タグ識別子から前記対象部品識別子に対応した対象タグ識別子を特定する、請求項1に記載のリーダライタ。
【請求項3】
前記対象部品識別子を記憶している記憶部をさらに備える、請求項2に記載のリーダライタ。
【請求項4】
前記取得部は、前記リーダライタの制御を行うコントローラから前記対象部品識別子を示す情報を取得する、請求項2に記載のリーダライタ。
【請求項5】
前記光学コード情報は、一部のRFタグの少なくとも一部の記憶領域への書込禁止を示す情報を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のリーダライタ。
【請求項6】
前記対象物の製造工程である複数の工程のそれぞれにおいて、
前記対象RFタグと交信を行う、請求項1から5のいずれか1項に記載のリーダライタと、
前記光学コードから前記光学コード情報を読み取るコードリーダと、を備える交信システムであって、
前記複数の工程より前に、前記複数のRFタグが記憶している工程前タグ識別子を前記タグ識別子に書き替える工程前リーダライタをさらに備える、交信システム。
【請求項7】
前記複数のRFタグはそれぞれ、対応する前記複数の部品の部品識別子を記憶しており、
前記工程前リーダライタは、前記複数のRFタグから前記部品識別子を読み取り、該RFタグの前記工程前タグ識別子を前記部品識別子に応じた前記タグ識別子に書き替える、請求項6に記載の交信システム。
【請求項8】
対象物の情報に基づいて、前記対象物に取り付けられる複数の部品に対応した複数のRFタグの複数のタグ識別子を決定する識別子決定部と、
前記複数のタグ識別子を含む光学コード情報を示す光学コードを前記対象物に印刷する印刷部とを備える、印刷装置。
【請求項9】
第1工程および前記第1工程より後に行われる第2工程を含む対象物の製造方法であって、
前記第1工程に対応した第1リーダライタが、
前記対象物に対応して設けられた光学コードから、前記対象物を構成する複数の部品に対応した複数のRFタグのタグ識別子を含む光学コード情報を取得する第1取得ステップと、
前記光学コード情報に基づき、前記タグ識別子から前記第1工程に対応した第1対象タグ識別子を特定する第1特定ステップと、
前記複数のRFタグのうち、前記第1対象タグ識別子に対応した第1対象RFタグと交信する第1交信ステップと、
前記第2工程に対応した第2リーダライタが、
前記光学コードから、前記光学コード情報を取得する第2取得ステップと、
前記光学コード情報に基づき、前記タグ識別子から前記第2工程に対応した第2対象タグ識別子を特定する第2特定ステップと、
前記複数のRFタグのうち、前記第2対象タグ識別子に対応した第2対象RFタグと交信する第2交信ステップと、を含む対象物の製造方法。
【請求項10】
対象物の情報に基づいて、前記対象物に取り付けられる複数の部品に対応した複数のRFタグの複数のタグ識別子を決定する識別子決定ステップと、
前記複数のタグ識別子を含む光学コード情報を示す光学コードを前記対象物に印刷する印刷ステップとを含む、対象物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリーダライタ、交信システム、印刷装置、および対象物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RF(Radio Frequency)タグなどの通信媒体と非接触で通信し、通信媒体に対してデータの読み出しおよび書き込みを行うリーダライタおよび交信システムが知られている。例えば、特許文献1には、二次元コードを読み取ることで得られた無線タグ特性情報に基づいて送信出力を決定することで、無線タグとの無線通信を良好に行うことができる通信端末が開示されている。
【0003】
近年、種々の分野でこのような交信システムを用いた情報管理が行なわれている。ここで、自動車などの製造ラインにおいては異なる製品の混入生産によって対象物のレイアウトあるいは設置条件が変更してしまう可能性がある。そのため、当該製造ラインにおいては、このようなレイアウトあるいは設置条件の変更に対応可能である、交信距離の長いUHF(Ultra High Frequency)帯のRFタグを使用した交信システムが有効である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のようなUHF帯のRFタグを使用した交信システムでは、リーダライタが誤ってアクセス対象のRFタグとは異なるRFタグにデータの書き込みを行ってしまうという問題がある。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、アクセス対象のRFタグと適切に交信することができるリーダライタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るリーダライタは、対象物の製造工程における特定の工程において、前記特定の工程に対応した対象RFタグと交信を行うリーダライタであって、前記対象物に対応して設けられた光学コードから読み取られた、前記対象物を構成する複数の部品に対応した複数のRFタグのタグ識別子を含む光学コード情報を取得する取得部と、前記光学コード情報に基づき、前記タグ識別子から前記特定の工程に対応した対象タグ識別子を特定する特定部と、前記複数のRFタグのうち、前記対象タグ識別子に対応した前記対象RFタグと交信する交信部と、を備える。
【0008】
上記の構成によれば、リーダライタは、対象RFタグと適切に交信することができる。すなわち、リーダライタは、対象タグ識別子をキーとして交信することで、誤って対象RFタグとは異なるRFタグにデータの書き込みを行ってしまうことを防止することができる。また、上述のような誤書込みの防止により、対象物に対応して複数のRFタグを設けることができ、RFタグによって管理できるデータ容量を疑似的に増やすことができる。
【0009】
また、前記光学コード情報は、前記複数の部品の部品識別子を前記タグ識別子と対応付けて含んでおり、前記特定部は、前記特定の工程に対応した対象部品識別子を示す情報を取得し、前記光学コード情報に基づき、前記タグ識別子から前記対象部品識別子に対応した対象タグ識別子を特定してもよい。
【0010】
上記の構成によれば、対象部品識別子を有するリーダライタと対象RFタグとを紐付けることができる。
【0011】
また、前記対象部品識別子を記憶している記憶部をさらに備えてもよい。また、前記取得部は、前記リーダライタの制御を行うコントローラから前記対象部品識別子を示す情報を取得してもよい。
【0012】
また、前記光学コード情報は、一部のRFタグの少なくとも一部の記憶領域への書込禁止を示す情報を含んでもよい。
【0013】
上記の構成によれば、RFタグが記憶する更新されたくないデータの書き替えを防止することができる。
【0014】
また、交信システムが、前記対象物の製造工程である複数の工程のそれぞれにおいて、前記対象RFタグと交信を行う、前記リーダライタと、前記光学コードから前記光学コード情報を読み取るコードリーダと、を備える交信システムであって、前記複数の工程より前に、前記複数のRFタグが記憶している工程前タグ識別子を前記タグ識別子に書き替える工程前リーダライタをさらに備えてもよい。
【0015】
また、前記複数のRFタグはそれぞれ、対応する前記複数の部品の部品識別子を記憶しており、前記工程前リーダライタは、前記複数のRFタグから前記部品識別子を読み取り、該RFタグの前記工程前タグ識別子を前記部品識別子に応じた前記タグ識別子に書き替えてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、工程前タグ識別子が、光学コードが記憶するタグ識別子と異なる場合においても、工程前タグ識別子をタグ識別子に書き替えることで、複数の部品の生産情報を組立工程より前の工程から継承することができる。
【0017】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る印刷装置は、対象物の情報に基づいて、前記対象物に取り付けられる複数の部品に対応した複数のRFタグの複数のタグ識別子を決定する識別子決定部と、前記複数のタグ識別子を含む光学コード情報を示す光学コードを前記対象物に印刷する印刷部とを備える。
【0018】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る対象物の製造方法は、第1工程および前記第1工程より後に行われる第2工程を含む対象物の製造方法であって、前記第1工程に対応した第1リーダライタが、前記対象物に対応して設けられた光学コードから、前記対象物を構成する複数の部品に対応した複数のRFタグのタグ識別子を含む光学コード情報を取得する第1取得ステップと、前記光学コード情報に基づき、前記タグ識別子から前記第1工程に対応した第1対象タグ識別子を特定する第1特定ステップと、前記複数のRFタグのうち、前記第1対象タグ識別子に対応した第1対象RFタグと交信する第1交信ステップと、前記第2工程に対応した第2リーダライタが、前記光学コードから、前記光学コード情報を取得する第2取得ステップと、前記光学コード情報に基づき、前記タグ識別子から前記第2工程に対応した第2対象タグ識別子を特定する第2特定ステップと、前記複数のRFタグのうち、前記第2対象タグ識別子に対応した前記第2対象RFタグと交信する第2交信ステップと、を含む。
【0019】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る対象物の製造方法は、対象物の情報に基づいて、前記対象物に取り付けられる複数の部品に対応した複数のRFタグの複数のタグ識別子を決定する識別子決定ステップと、前記複数のタグ識別子を含む光学コード情報を示す光学コードを前記対象物に印刷する印刷ステップとを含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によれば、アクセス対象のRFタグと適切に交信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態1に係る交信システムを示す模式図である。
【
図2】上記交信システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図3】複数の工程で行われる上記交信システムの処理を示すシーケンス図である。
【
図4】複数の工程より前に行われる上記交信システムの処理を示すシーケンス図である。
【
図5】本発明の実施形態2に係る交信システムを示す模式図である。
【
図6】上記交信システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態3に係る印刷装置を示すブロック図である。
【
図8】上記印刷装置の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一側面に係る実施形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0023】
〔実施形態1〕
§1 適用例
図1は、本発明の実施形態1に係る交信システム1を示す模式図である。まず、
図1を用いて、本発明が適用される場面の一例について説明する。交信システム1は、例えば、自動車の組立工程における製造ラインにおいて、搬送される自動車に応じて取り付けられた複数のRFタグ51a~51c(第1RFタグ51a、第2RFタグ51b、および第3RFタグ51c)を管理するために用いられる。以下、自動車を対象物50と称する。また、複数のRFタグ51a~51cを特に区別する必要がない場合は、単にRFタグ51と称する。
【0024】
組立工程は、複数の工程P1~P4(トリム工程P1、シャシー工程P2、ファイナル工程P3、および検査工程P4)を含む。トリム工程P1は、ワイヤーハーネス、エアコン、インストルメントパネル等を組み付ける工程である。シャシー工程P2は、エンジン、リアフロントサスペンション、タイヤ等を組み付ける工程である。ファイナル工程P3は、シート、ランプ、バンパー等を組み付ける工程である。検査工程P4は、これらの組付けを検査する工程である。
【0025】
対象物50は、複数の工程P1~P4を経て製造される。ここで、対象物50は、複数の部品A~Cから構成されており、複数の部品A~Cに対応した複数のRFタグ51a~51cを備えている。複数のRFタグ51a~51cは、対応する部品A~Cを対象物50に組み付ける時に、当該部品に応じて取り付けられるとよい。なお、
図1では対象物50が3つの部品A~Cに対応した3つのRFタグ51a~51cを備えている場合を示しているが、RFタグの数としてはこれに限定されない。また、RFタグ51は、交信距離の長いUHF帯のRFタグであるとよい。これにより、対象物50を構成する部品を異なるサイズの部品に変更し、交信距離が変化する場合でも、安定してRFタグ51と交信することができる。
【0026】
対象物50はさらに、光学コード情報521(
図2を参照)を記憶する光学コード52を備える。光学コード情報521は、複数のRFタグ51a~51cごとの固有のデータであるタグ識別子を含む。光学コード52は、組立工程より前の任意の工程にて対象物50に応じて取り付けられる。光学コード52は対象物50に取り付けられてもよいし、対象物50を積載するパレットに取り付けられてもよい。光学コード52は、例えばバーコードまたは二次元コード等である。
【0027】
交信システム1は、複数の工程P1~P4に対応した複数のリーダライタ10a~10d(第1リーダライタ10a、第2リーダライタ10b、第3リーダライタ10c、および第4リーダライタ10d)を備える。また、交信システム1は、複数の工程P1~P4に対応した複数のコードリーダ20a~20d(第1コードリーダ20a、第2コードリーダ20b、第3コードリーダ20c、および第4コードリーダ20d)を備える。
【0028】
複数のリーダライタ10a~10dはそれぞれ、各工程P1~P4で対象物50に対して行った作業に対応して、複数のRFタグ51a~51cのうち特定のRFタグにデータを書き込む。すなわち、複数のリーダライタ10a~10dは、複数のRFタグ51a~51cのうち、各工程P1~P4に対応したアクセス対象であるRFタグ(以下、対象RFタグと称する)と交信する。
【0029】
例えば、トリム工程P1において、第1リーダライタ10aは、対象RFタグとして第1RFタグ51aと交信する。シャシー工程P2において、第2リーダライタ10bは、対象RFタグとして第1RFタグ51aおよび第2RFタグ51bと交信する。ファイナル工程P3において、第3リーダライタ10cは、対象RFタグとして第2RFタグ51bおよび第3RFタグ51cと交信する。検査工程P4において、第4リーダライタ10dは、対象RFタグとして第1RFタグ51a、第2RFタグ51b、および第3RFタグ51cと交信する。
【0030】
複数のコードリーダ20a~20dは、搬送される対象物50に取り付けられた光学コード52から光学コード情報521を読み取る。複数のコードリーダ20a~20dはそれぞれ、読み取った光学コード情報521を複数のリーダライタ10a~10dに送信する。
【0031】
工程前リーダライタ10eは、組立工程における複数の工程P1~P4より前に、RFタグ51が記憶している工程前タグ識別子を光学コード情報521に含まれるタグ識別子に書き替える。工程前コードリーダ20eは、光学コード52からタグ識別子を含む光学コード情報521を読み取り、光学コード情報521を工程前リーダライタ10eに送信する。
【0032】
本発明の一実施形態に係る複数のリーダライタ10a~10dは、光学コード情報521に基づき、複数のRFタグ51a~51cのタグ識別子から、各工程P1~P4に対応した対象タグ識別子を特定する。これにより、複数のリーダライタ10a~10dは、複数のRFタグ51a~51cのうち各工程P1~P4に対応した対象RFタグと交信することができる。すなわち、対象タグ識別子を特定することにより、複数のリーダライタ10a~10dが誤って対象RFタグとは異なるRFタグにデータの書き込みを行ってしまうことを防止することができる。
【0033】
§2 構成例
(交信システム1の概略構成)
図2は、交信システム1の概略構成を示すブロック図である。次に、
図2を用いて、本発明の実施形態1に係る交信システム1の構成を以下に説明する。
図2に示すように、交信システム1は、リーダライタ10と、コードリーダ20と、コントローラ60(上位機器)とを備える。以下、複数のリーダライタ10a~10dを特に区別する必要がない場合は、単にリーダライタ10と称する。同様に、複数のコードリーダ20a~20dを特に区別する必要がない場合は、単にコードリーダ20と称する。
【0034】
リーダライタ10は、通信部11(取得部)と特定部12とリーダライタ側交信部13(交信部)とリーダライタ側記憶部14(記憶部)とを備える。通信部11は、コントローラ60から対象RFタグへの送信コマンド(リードコマンド、ライトコマンド等)を受信する。通信部11は、リーダライタ側交信部13に送信コマンドを出力する。また、通信部11は、リーダライタ側交信部13から入力される対象RFタグの応答信号を受信する。通信部11は、コントローラ60へ対象RFタグの応答信号を出力する。また、通信部11は、コードリーダ20から光学コード情報521を受信する。すなわち、通信部11は、光学コード52から読み取られた、対象物50を構成する複数の部品A~Cに対応した複数のRFタグ51a~51cのタグ識別子を含む光学コード情報521を取得する。通信部11は、特定部12へ光学コード情報521を出力する。
【0035】
特定部12は、光学コード情報521に基づき、タグ識別子から各工程P1~P4に対応した対象タグ識別子(対象RFタグのタグ識別子)を特定する。なお、具体的な特定方法については、
図3を参照し後述する。リーダライタ側交信部13は、後述する複数のRFタグ51a~51cのRFタグ側交信部511a~511cと交信する。リーダライタ側記憶部14は、リーダライタ10が動作するための各種データを記憶する。
【0036】
コードリーダ20は、光学コード52から光学コード情報521を読み取り、光学コード情報521をリーダライタ10の通信部11に送信する。コントローラ60は、リーダライタ10および工程前リーダライタ10eの各部を制御する。
【0037】
なお、工程前リーダライタ10eは、リーダライタ10と比較し特定部12を省略した構成であってもよい。工程前コードリーダ20eは、コードリーダ20と同様の構成を備える。
【0038】
対象物50には、複数のRFタグ51a~51cと、光学コード52とが取り付けられている。複数のRFタグ51a~51cはそれぞれ、RFタグ側交信部511a~511cと、RFタグ側記憶部512a~512cとを備える。RFタグ側交信部511a~511cは、リーダライタ10のリーダライタ側交信部13と交信する。RFタグ側記憶部512a~512cはそれぞれ、EPC(Electronic Product Code)などのタグ識別子を記憶する。
【0039】
光学コード52は、光学コード情報521を記憶する。光学コード情報521は、タグ識別子を含む。また、光学コード情報521は、複数の部品A~Cごとの固有のデータである部品識別子をタグ識別子と対応付けて含んでいてもよい。これにより、リーダライタ10が光学コード情報521を取得することで、各工程P1~P4において作業対象である部品を示す情報を有するリーダライタ10と対象RFタグとを紐付けることができる。さらに、光学コード情報521は、一部のRFタグの少なくとも一部の記憶領域への書込禁止を示す情報を含んでいてもよい。これにより、RFタグ側記憶部512a~512cの更新されたくないデータの書き替えを防止することができる。
【0040】
光学コード52は、例えば、以下の様なJSON(JavaScript Object Notation、JavaScript:登録商標)形式のフォーマットにより、光学コード情報521を記憶する。
{“Tag_num”:“3”,
“PartA”:{“EPC”:“AAAA”,“DataSize”:“1kB”}
“PartB”:{“EPC”:“BBBB”,“DataSize”:“2kB”}
“PartC”:{“EPC”:“CCCC”,“DataSize”:“8kB”,“WriteProtect”:”0-16bit”}
}
【0041】
ここで、“Tag_num”は、対象物50に取り付けられたRFタグの数を示す。“PartA”、“PartB”、および“PartC”は、それぞれ対象物50を構成する部品A~Cを特定する部品識別子を示す。“EPC”は、RFタグのEPCコード(タグ識別子)を示す。“DataSize”は、RFタグ51の記憶容量を示す。“WriteProtect”は、書込が禁止される記憶領域を示す。
【0042】
すなわち、光学コード52は、部品Aの部品識別子“PartA”と、第1RFタグ51aのタグ識別子“AAAA”とを対応付けて記憶している。光学コード52は、部品Bの部品識別子“PartB”と、第2RFタグ51bのタグ識別子“BBBB”とを対応付けて記憶している。光学コード52は、部品Cの部品識別子“PartC”と、第3RFタグ51cのタグ識別子“CCCC”とを対応付けて記憶している。
【0043】
光学コード情報521はさらに、RFタグ51との交信を安定させるための補助情報を含んでもよい。例えば、光学コード情報521は、RFタグ51の取付条件を含んでもよい。これにより、リーダライタ10の出力レベルおよび出力の方向を調整することができる。また、光学コード情報521は、RFタグ51の周波数特性を含んでもよい。これにより、リーダライタ10は適切な周波数帯によりRFタグ51と交信することができる。また、光学コード情報521は、RFタグ51の枚数を含んでもよい。これにより、リーダライタ10は当該枚数に応じたタイムスロット(Q値)でRFタグ51と交信することができる。
【0044】
§3 動作例
図3は、各工程P1~P4でそれぞれ行われる交信システム1の処理(交信ステップS30)を示すシーケンス図である。
図4は、複数の工程P1~P4より前に行われる交信システム1の処理(工程前交信ステップS40)を示すシーケンス図である。次に、
図3、
図4を用いて、交信システム1が対象物50に取り付けられたRFタグ51と交信を行う処理について、以下に説明する。
【0045】
(交信ステップS30の動作例)
図3に示すように、交信ステップS30では、まず、コントローラ60は、RFタグ51へのライトコマンドをリーダライタ10に送信する(ステップS1)。すなわち、コントローラ60は、RFタグ51の各工程P1~P4で行われる作業に対応して、特定のアドレスに特定のデータを書き込む指示をリーダライタ10に送信する。
【0046】
次に、リーダライタ10は、当該ライトコマンドをコントローラ60から受信する(ステップS2)と、光学コード52の読出し指示をコードリーダ20に送信する(ステップS3)。
【0047】
次に、コードリーダ20は、当該読出し指示をリーダライタ10から受信する(ステップS4)と、光学コード52から光学コード情報521を読み出す(ステップS5)。コードリーダ20は、読み出した光学コード情報521をリーダライタ10に送信する(ステップS6)。
【0048】
次に、リーダライタ10は、光学コード情報521をコードリーダ20から受信する(第1取得ステップ、または第2取得ステップを含む取得ステップS7)。リーダライタ10は、光学コード情報521に基づき、タグ識別子から各工程P1~P4に対応した対象タグ識別子を特定する(第1特定ステップ、または第2特定ステップを含む特定ステップS8)。
【0049】
すなわち、リーダライタ10の特定部12は、光学コード情報521に含まれる、複数のRFタグ51a~51cのタグ識別子に基づき、対象タグ識別子を特定する。例えば、光学コード情報521が、部品識別子をタグ識別子と対応付けて含んでいる場合、リーダライタ側記憶部14は対象部品識別子(作業対象である部品の部品識別子)を示す情報を記憶する。特定部12は、各工程P1~P4に対応した対象部品識別子を示す情報をリーダライタ側記憶部14から取得する。また、特定部12は、光学コード情報521に基づき、タグ識別子から対象部品識別子に対応した対象タグ識別子を特定する。なお、リーダライタ側記憶部14の代わりにコントローラ60が対象部品識別子を示す情報を記憶していてもよい。この場合、特定部12は、対象部品識別子を示す情報をコントローラ60から通信部11を介して取得する。
【0050】
次に、リーダライタ10は、特定された対象タグ識別子に対応した対象RFタグと交信する(第1交信ステップ、または第2交信ステップを含む交信ステップS9)。すなわち、リーダライタ10のリーダライタ側交信部13は、特定された対象タグ識別子をキーとして、対象RFタグへライトコマンドに基づいたデータの書き込みを行う。
【0051】
次に、リーダライタ10は、対象RFタグからの応答信号を受信し、コントローラ60へ当該応答信号を送信する(ステップS10)。コントローラ60は、リーダライタ10から当該応答信号を受信する(ステップS11)。
【0052】
例えば、トリム工程P1(第1工程)においては、第1リーダライタ10aの特定部12は、対象部品識別子を示す情報として部品Aの部品識別子(上述のフォーマットにおける“PartA”)を取得する。また、光学コード情報521は、部品Aの部品識別子と、第1RFタグ51aのタグ識別子(上述のフォーマットにおける“AAAA”)との対応関係を示す情報を含む。特定部12は、光学コード情報521に基づき、対象タグ識別子(第1対象タグ識別子)として第1RFタグ51aのタグ識別子を特定する。第1リーダライタ10aのリーダライタ側交信部13は、対象RFタグ(第1対象RFタグ)として第1RFタグ51aと交信する。
【0053】
また、シャシー工程P2(第2工程)においては、第2リーダライタ10bの特定部12は、対象部品識別子を示す情報として部品Aおよび部品Bの部品識別子(上述のフォーマットにおける“PartA”および“PartB”)を取得する。また、光学コード情報521は、部品Bの部品識別子と、第2RFタグ51bのタグ識別子(上述のフォーマットにおける“BBBB”)との対応関係を示す情報をさらに含む。特定部12は、光学コード情報521に基づき、対象タグ識別子(第2対象タグ識別子)として第1RFタグ51aおよび第2RFタグ51bのタグ識別子を特定する。第2リーダライタ10bのリーダライタ側交信部13は、対象RFタグ(第2対象RFタグ)として第1RFタグ51aおよび第2RFタグ51bと交信する。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る交信システム1およびリーダライタ10は、光学コード52から光学コード情報521を取得し、対象タグ識別子を特定することで、対象RFタグと適切に交信することができる。すなわち、リーダライタ10は、対象タグ識別子をキーとして交信することで、誤って対象RFタグとは異なるRFタグにデータの書き込みを行ってしまうことを防止することができる。
【0055】
また、上述のような誤書込みの防止により、対象物50に対応して複数のRFタグを設けることができ、RFタグ51によって管理できるデータ容量を疑似的に増やすことができる。
【0056】
(工程前交信ステップS40の動作例)
図4に示すように、工程前交信ステップS40では、まず、交信ステップS30と同様にステップS1~S7を行う。なお、ステップS1においてコントローラ60は、工程前タグ識別子をタグ識別子に書き替える指令をライトコマンドとしてリーダライタ10に送信する。
【0057】
ステップS7の後、工程前リーダライタ10eは、複数のRFタグ51a~51cが記憶している工程前タグ識別子をタグ識別子に書き替える(ステップS12)。すなわち、工程前リーダライタ10eは、複数のRFタグ51a~51cの工程前タグ識別子を書き替えるための、部品識別子に応じたタグ識別子を工程前コードリーダ20eから取得する。また、工程前リーダライタ10eは、複数の部品A~Cに対応した工程前タグ識別子をコントローラ60などから取得する。工程前リーダライタ10eは、工程前タグ識別子をキーとして、複数のRFタグ51a~51cへライトコマンドに基づいたタグ識別子の書き込み(書き替え)を行う。
【0058】
なお、複数のRFタグ51a~51cがそれぞれ、対応する複数の部品A~Cの部品識別子を記憶していてもよい。工程前リーダライタ10eは、複数の部品A~Cに対応した工程前タグ識別子を取得する代わりに、複数のRFタグ51a~51cから部品識別子を読み取る。また、工程前リーダライタ10eは、光学コード情報521に基づき、複数のRFタグ51a~51cの工程前タグ識別子を部品識別子に応じたタグ識別子に書き替える。
【0059】
ステップS12の後、工程前リーダライタ10eは、交信ステップS30と同様にステップS10およびS11を行う。
【0060】
以上のように、RFタグ51の工程前タグ識別子が、光学コード52が記憶するタグ識別子と異なる場合においても、工程前タグ識別子をタグ識別子に書き替えることで、組立工程より前の工程で用いられたRFタグ51a~51cをそのまま利用することができる。そのため、各部品A~Cの生産情報を組立工程より前の工程から継承することができる。なお、光学コード52が対象物50に取り付けられる前に対象物50に組み付けられた部品については、当該部品に対応するRFタグの工程前タグ識別子を、光学コード52の当該部品に対応するタグ識別子として記憶させればよい。
【0061】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0062】
図5は、本発明の実施形態2に係る交信システム100を示す模式図である。
図5に示すように、本実施形態に係る交信システム100では、組立工程中に複数の部品D~Fが対象物50に組み付けられる点で実施形態1に係る交信システム1とは異なる。複数の部品D~Fには、それぞれ第4RFタグ51d、第5RFタグ51e、第6RFタグ51fが設けられている。すなわち、複数の部品D~Fが組付けられた対象物50は、それぞれ複数の部品D~Fに対応する複数のRFタグ51d~51fを備えることとなる。また、対象物50は、光学コード52の代わりに表示付きRFタグ152を備える点で実施形態1とは異なる。なお、
図5では、組立工程中に3つの部品が対象物50に組み付けられる場合を示しているが、部品の数としてはこれに限定されない。
【0063】
図6は、交信システム100の概略構成を示すブロック図である。
図6に示すように、交信システム100は、リーダライタ110と、コードリーダ20と、ハンディリーダ120とを備える。なお、
図6では、
図5に示したトリム工程P1において部品Dが対象物50に組み付けられる場合を示している。また、リーダライタ110の構成は実施形態1に係るリーダライタ10と同様である(
図2参照)。
【0064】
ハンディリーダ120は、持ち運び可能なコードリーダである。ハンディリーダ120は、部品Dに対応する第4RFタグ51dから第4RFタグ51dのタグ識別子および部品Dの部品識別子を読み取る。ハンディリーダ120は当該タグ識別子および部品識別子をリーダライタ110に送信する。なお、ハンディリーダ120の代わりに固定されたコードリーダを使用してもよい。
【0065】
表示付きRFタグ152は、コード側交信部152aと、表示部152bとを備える。コード側交信部152aは、リーダライタ110の交信部と交信する。表示部152bは、光学コード情報521を含む光学コードを表示する。
【0066】
交信システム100においては、部品Dが対象物50に組み付けられるとき、第4RFタグ51dのタグ識別子を含んでいない光学コード情報521を、第4RFタグ51dのタグ識別子を含んだ光学コード情報521に書き替える処理を行う。
図6を用いて、交信システム100における光学コード情報521の書き替え処理について、以下に説明する。
【0067】
まず、コードリーダ20は、表示部152bに表示された光学コード情報521を読み取る。ここで、当該光学コード情報は、第1RFタグ51a、第2RFタグ51b、および第3RFタグ51cのタグ識別子を含む。また、光学コード情報521は、当該タグ識別子に対応する部品識別子を含む。コードリーダ20は、当該光学コード情報521をリーダライタ110に送信する。
【0068】
次に、ハンディリーダ120は、部品Dに対応する第4RFタグ51dから第4RFタグ51dのタグ識別子および部品Dの部品識別子を読み取る。ハンディリーダ120は当該タグ識別子および部品識別子をリーダライタ110に送信する。
【0069】
次に、リーダライタ110は、コードリーダ20から取得した光学コード情報521に、ハンディリーダ120から取得した第4RFタグ51dのタグ識別子および部品Dの部品識別子を追加する。これにより、リーダライタ110は、第1RFタグ51a、第2RFタグ51b、および第3RFタグ51cのタグ識別子に、第4RFタグ51dのタグ識別子を追加した光学コード情報521を生成する。
【0070】
例えば、リーダライタ110が生成した光学コード情報521は、以下のようなJSON形式のフォーマットで表される。
{“Tag_num”:“4”,
“PartA”:{“EPC”:“AAAA”,“DataSize”:“1kB”}
“PartB”:{“EPC”:“BBBB”,“DataSize”:“2kB”}
“PartC”:{“EPC”:“CCCC”,“DataSize”:“8kB”,“WriteProtect”:”0-16bit”}
“PartD”:{“EPC”:“DDDD”,“DataSize”:“8kB”}
}
【0071】
次に、リーダライタ110は、当該光学コード情報521をコード側交信部152aに送信する。これにより、リーダライタ110は、表示付きRFタグ152が記憶する第4RFタグ51dのタグ識別子を含んでいない光学コード情報521を、第4RFタグ51dのタグ識別子を含んだ光学コード情報521に書き替える。
【0072】
以上のように、対象物50に複数の部品D~Fが組み付けられるとき、表示付きRFタグ152が含む光学コード情報521を書き替えることで、複数の部品D~Fに対応するRFタグが記憶するタグ識別子を書き替えずにそのまま利用することができる。
【0073】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0074】
図7は、印刷装置80の概略構成を示すブロック図である。
図8は、印刷装置80の処理フローを示す図である。印刷装置80は、例えば実施形態1で説明した工程P1より前の工程において、対象物50に光学コード52を印刷するものである。印刷装置80は、識別子決定部81と、印刷部82とを備える。
【0075】
識別子決定部81は、コントローラ60から対象物50についての情報を取得する。対象物50についての情報は、例えば、対象物の車種(機種)および/またはシリアル番号を示す情報を含む。また、識別子決定部81は、コントローラ60から当該車種の対象物の後の工程として含まれる複数の工程(例えば、工程P1~P4)を示す情報を取得する。また、識別子決定部81は、コントローラ60から後の工程で対象物50に取り付けられる複数の部品に対応する複数のRFタグに設定すべき(または設定されている)複数のタグ識別子を示す情報を取得する。なお、識別子決定部81は、車種を示す情報および複数の工程を示す情報から、重複しないように複数のRFタグに設定すべき複数のタグ識別子を決定してもよい。例えば、識別子決定部81は、車種を示す記号および特定の工程(または部品)を示す記号と連番との組み合わせを、特定の工程のRFタグに対応するタグ識別子として決定してもよい。なお、印刷装置80は、車種と後の工程に含まれる複数の工程との対応関係を示すテーブル情報をあらかじめ記憶していてもよい。識別子決定部81は、テーブル情報を参照して、車種を示す情報に基づいて、後の工程に含まれる複数の工程を特定してもよい。このようにして、識別子決定部81は、対象物50に後に組み付けられる部品に付されたRFタグに設定すべきタグ識別子を決定する(S21)。
【0076】
識別子決定部81は、対象物50についての情報、複数の工程を示す情報、および、複数のRFタグに設定すべき複数のタグ識別子を示す情報を、印刷部82に出力する。
【0077】
印刷部82は、対象物50についての情報、複数の工程を示す情報、および、複数のタグ識別子を示す情報を含む、光学コード情報を生成する。印刷部82は、光学コード情報を表す光学コードを対象物50に印刷する(S22)。なお、印刷部82は、例えばラベルプリンタまたはレーザマーカ等である。
【0078】
対象物50についての情報(車種またはシリアル番号を示す情報)は、対象物50を製造する工程において適宜読み取られ利用される。なお、光学コード情報は、対象物50についての情報を含まなくてもよい。
【0079】
印刷装置80によれば、対象物50に部品および対応するRFタグが取り付けられる前の工程で、該RFタグに設定されるべきタグ識別子を含んだ光学コードを対象物50に形成しておくことができる。
【0080】
〔ソフトウェアによる実現例〕
リーダライタ10(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特にリーダライタ10に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0081】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0082】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0083】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0084】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0085】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1 交信システム
10 リーダライタ
10a 第1リーダライタ
10b 第2リーダライタ
10c 第3リーダライタ
10d 第4リーダライタ
11 通信部(取得部)
12 特定部
13 リーダライタ側交信部(交信部)
14 リーダライタ側記憶部
20 コードリーダ
20a 第1コードリーダ
20b 第2コードリーダ
20c 第3コードリーダ
20d 第4コードリーダ
50 対象物
51 RFタグ
51a 第1RFタグ
51b 第2RFタグ
51c 第3RFタグ
52 光学コード
60 コントローラ
80 印刷装置
81 識別子決定部
82 印刷部
521 光学コード情報
P1~P4 複数の工程
S7 取得ステップ(第1取得ステップ、第2取得ステップ)
S8 特定ステップ(第1特定ステップ、第2特定ステップ)
S9 交信ステップ(第1交信ステップ、第2交信ステップ)