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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20241126BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20241126BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
G09F9/00 346Z
B60K35/00
H05K7/14 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021056417
(22)【出願日】2021-03-30
(65)【公開番号】P2022153739
(43)【公開日】2022-10-13
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雄喜
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-194716(JP,A)
【文献】国際公開第2020/066647(WO,A1)
【文献】特開2005-300749(JP,A)
【文献】特開2021-047243(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0256066(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
G02F 1/13-1/141
1/15-1/19
B60K 35/00-37/20
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面側に配置される上ケースと、
前記正面と反対の背面側に配置される下ケースと、
前記上ケースと前記下ケースの間で複数の表示ユニットや複数の回路基板等の内部構造物を支持する中ケースと、
前記中ケースよりも前記背面側で前記上ケースに固定される前記複数の回路基板の一つである第一基板と、
前記中ケースよりも前記背面側で前記下ケースに固定される前記複数の回路基板の一つである第二基板と、を備え、
前記第一基板は、前記正面と前記背面とを結ぶ方向において前記第二基板に対して重り合わないように配置され、
前記中ケースは、前記第一基板が前記上ケースに固定された場合前記第二基板を前記中ケースに仮固定する仮固定部を有する、表示装置。
【請求項2】
前記仮固定部は、前記第二基板の前記背面側への移動を規制するために前記第二基板の前記背面側の面から前記正面側に支持する小片である、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一基板及び前記第二基板の各前記背面側の面で前記第一基板及び前記第二基板を接続するケーブルを更に備え、
前記仮固定部は、前記ケーブルの配線を案内する案内部を兼ねる、請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
記第二基板は、前記複数の表示ユニットの一つである表示ユニット及び前記下ケースの間に配置される、請求項1記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両等に搭載される表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載される表示装置においては、互いに電気的に接続された2枚の回路基板を有するものが知られている。例えば特許文献1には、前後方向において重なり合うように回路基板が配置された表示装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-122800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置は、車両等のインストルメントパネル内等に搭載される。表示装置の収容空間は、他の車両部品との兼ね合いで制限される場合がある。上述した表示装置のように、回路基板が前後方向において重なり合うと表示装置が厚みを増してしまうことから、表示装置側に構造の改善が要求される虞がある。
【0005】
本開示はこのような事情を考慮してなされたもので、設計の自由度を向上できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の表示装置は、上述した課題を解決するために、正面側に配置される上ケースと、前記正面と反対の背面側に配置される下ケースと、前記上ケースと前記下ケースの間で複数の表示ユニットや複数の回路基板等の内部構造物を支持する中ケースと、前記中ケースよりも前記背面側で前記上ケースに固定される前記複数の回路基板の一つである第一基板と、前記中ケースよりも前記背面側で前記下ケースに固定される前記複数の回路基板の一つである第二基板と、を備え、前記第一基板は、前記正面と前記背面とを結ぶ方向において前記第二基板に対して重り合わないように配置され、前記中ケースは、前記第一基板が前記上ケースに固定された場合前記第二基板を前記中ケースに仮固定する仮固定部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本開示の表示装置においては、設計の自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の表示装置の実施形態である表示装置を正面側から示す斜視図。
図2】マスクの図示を省略した表示装置の正面図。
図3】表示装置の背面図。
図4】下ケースの図視を省略した表示装置を背面側から示す斜視図。
図5図4のV-V線に沿う断面図。
図6】上中ケースを正面側から示す斜視図。
図7】右中ケースを正面側から示す斜視図。
図8】右中ケースを背面側から示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の表示装置1の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本開示の表示装置1は、例えば自動車や二輪車等の車両や、船舶、農業機械、建設機械に搭載される。
【0010】
図1は、本開示の表示装置1の実施形態である表示装置1を正面側から示す斜視図である。
図2は、マスク15の図示を省略した表示装置1の正面図である。
図3は、表示装置1の背面図である。
図4は、下ケース11の図視を省略した表示装置1を背面側から示す斜視図である。
図5は、図4のV-V線に沿う断面図である。
【0011】
以下の説明において、「前(前面)」、「後(背面)」、「上」、「下」、「右」、及び「左」は、図1から図8における定義「Fr.」、「Re.」、「To.」、「Bo.」、「R」、及び「L」に従う。尚、表示装置1がユーザに視認される側を「前」とする。
【0012】
表示装置1は、正面視において、TFT表示部2と、TFT表示部2の上方に配置されるセグメント表示部3と、TFT表示部2の左方及び右方に配置される警告灯表示部4と、を有する。TFT表示部2は、カーナビ情報等の各種情報をドットマトリクス方式(TFT型)の液晶表示パネルで表示する。セグメント表示部3は、車両速度をセグメント方式の液晶表示パネルで表示する。警告灯表示部4は、各種警告灯を光源71の点灯により表示する。
【0013】
表示装置1は、ケース10と、TFT用表示ユニット40(表示ユニット)と、セグメント用表示ユニット50と、TFT用回路基板60(第二基板)と、セグメント用回路基板70(第一基板)と、を主に有する。
【0014】
ケース10は、下ケース11と、マスク15(上ケース)と、中ケース20と、を有する。
【0015】
下ケース11は、表示装置1の背面側に配置される、遮光性の樹脂(例えば白色のポリプロピレン)である。下ケース11は、表示装置1の背面及び前後方向に沿う側面を成し前方が開口した箱状部材である。下ケース11は、内部空間に中ケース20、TFT用表示ユニット40、セグメント用表示ユニット50、セグメント用回路基板70、及びTFT用回路基板60を主に収容する。下ケース11は、図3に示すように、TFT用回路基板60とビス止めするための、4つのビス孔12を有する。また、下ケース11は、セグメント用回路基板70とビス止めするための、4つのビス孔13を有する。
【0016】
マスク15は、表示装置1の正面側に配置される、遮光性の樹脂(例えば黒色のABS樹脂)である。マスク15は、TFT表示部2や警告灯表示部4以外の領域や、ユーザに対して遮蔽すべきケース10の内部を前方から覆う。マスク15は、図示しないフランジ部を有し、このフランジ部は下ケース11の前縁11a側で下ケース11と組み合わされることにより、表示装置1の前方の外郭としても機能する。マスク15は、セグメント用回路基板70とビス止めするための、4つの円柱形状のボス16を有する。
【0017】
中ケース20は、マスク15と下ケース11の間で、TFT用表示ユニット40、セグメント用表示ユニット50、TFT用回路基板60及びセグメント用回路基板70等の内部構造物を支持する。中ケース20は、遮光性の樹脂(例えば白色のポリプロピレン)である。中ケース20は、上中ケース21と、左中ケース25と、右中ケース31と、を有する。ここで、図6は、上中ケース21を正面側から示す斜視図である。図7は、右中ケース31を正面側から示す斜視図である。図8は、右中ケース31を背面側から示す斜視図である。
【0018】
上中ケース21は、表示装置1の上方に配置され、主にセグメント用表示ユニット50を支持する。上中ケース21は、収容部22と、ビス孔23と、上仮固定片24と、を有する。収容部22は、セグメント用表示ユニット50を収容するための空間を形成する、箱状部材である。ビス孔23は、収容部22の下辺22aにおける左端部及び右端部から下方に張り出した2つの片状部材に配置される。ビス孔23は、セグメント用回路基板70とビス止めするための孔である。上仮固定片24(仮固定部)は、片状部材の先端に配置される。上仮固定片24は、表示装置1の組立時において、セグメント用回路基板70がマスク15に固定された後、TFT用回路基板60が本固定されるまでの間、TFT用回路基板60を中ケース20に仮固定する。具体的には、上仮固定片24は、TFT用回路基板60の後方への移動を規制するために、TFT用回路基板60の背面60aから前方に支持する小片である。上仮固定片24は、略垂直に後方に延びる上壁24aと、略垂直に下方に延びる後壁24bと、を有するL字状の部分である。
【0019】
左中ケース25及び右中ケース31は、それぞれ表示装置1の左方及び右方に配置され、主に警告灯用の照明ケースとなる。左中ケース25及び右中ケース31は、図2及び図4に示すように、照明部26、36と、ボス30、33と、位置決めピン37、38と、を有する。右中ケース31は、更に下仮固定片34(仮固定部)を有する。
【0020】
照明部26、36は、警告灯の数に応じた筒状部分である。照明部26、36は、後方開口端26a、36aと、前方開口端26b、36bと、を有する。後方開口端26a、36aは、セグメント用回路基板70の光源71に対して前方に位置する開口端であり、光源71の光を入射させる。前方開口端26b、36bは、後方開口端26a、36aに対して前方に位置する開口端であり、光源71の光を出射させる。左中ケース25及び右中ケース31の前方には、文字板27及びレンズ28が配置される(図5)。文字板27は、例えば黒印刷部分に警告灯の意匠29(図1)が白抜きされており、この意匠部分から光源71の光を透過させる。レンズ28は、マスク15の開口15aを覆い、文字板27を透過した光を透過する。これにより、表示装置1は、警告灯表示部4で警告灯を表示する。
【0021】
ボス30、33は、照明部26、36の下端から下方に張り出した片状部材に配置される。ボス30、33は、照明部26、36の下方に配置され、セグメント用回路基板70とビス止めするために設けられる。
【0022】
位置決めピン37は、左中ケース25及び右中ケース31の上方であって、照明部26の左方及び照明部36の右方(外側)に配置され、後方に突出したピンである。位置決めピン37は、表示装置1の組立時において、セグメント用回路基板70をマスク15にビス止めする際のセグメント用回路基板70の位置決めとして作用する。位置決めピン38は、右中ケース31の照明部36の下方に配置され、後方に突出したピンである。位置決めピン38は、位置決めピン37同様、表示装置1の組立時において、セグメント用回路基板70をマスク15にビス止めする際のセグメント用回路基板70の位置決めとして作用する。
【0023】
下仮固定片34は、片状部材の先端に配置される。下仮固定片34は、表示装置1の組立時において、セグメント用回路基板70がマスク15に固定された後、TFT用回路基板60が本固定されるまでの間、TFT用回路基板60を中ケース20に仮固定する。具体的には、下仮固定片34は、TFT用回路基板60の後方への移動を規制するために、TFT用回路基板60の背面60aから前方に支持する小片である。下仮固定片34は、片状部材の左辺から表示装置1の内側(左方)に向って配置され、略垂直に後方に延びる右壁34aと、略垂直に左方に延びる後壁34bと、を有するL字状の部分である。下仮固定片34は、右壁34aから右方に突出したケーブル案内リブ34cを有する。
【0024】
TFT用表示ユニット40は、TFT表示部2として各種情報を表示する。TFT用表示ユニット40は、表示パネルと、バックライトユニットと、を有する。
【0025】
表示パネルは、例えばTFT(Thin Film Transistor)型の液晶表示パネルである。表示パネルは、液晶層を封入する一対のガラス基板を有する。一対のガラス基板には、ITO(Indium Tin Oxide)等により透明電極が形成される。また、表示パネルは、一対のガラス基板を挟み込むように配置された一対の偏光板(偏光フィルタ)を有する。表示パネルは、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC(Flexible Printed Circuits))を介して、TFT用回路基板60に接続される。表示パネルは、TFT用回路基板60の制御部により制御されることにより、透明電極を介して液晶層に駆動電圧が印加される。これにより、液晶層の液晶分子の配向が制御され、表示パネルの個々の画素の透過率が変化することにより、表示パネルは画像を表示する。
【0026】
バックライトユニットは、表示パネルの後方に設けられる。バックライトユニットは、光源基板及び導光部材からなり、表示パネルを後方から照明する。光源基板は、光源の一例である複数のLED(Light Emitting Diode)を実装する。光源基板は、FPC等の可撓性基板を介して、TFT用回路基板60と接続される。LEDは、駆動電流が供給されると、導光部材に向けて光を出射する。導光部材は、LEDが出射した光を表示パネルに向けて導く。
【0027】
セグメント用表示ユニット50は、セグメント表示部3として車両速度を表示する。セグメント用表示ユニット50は、駆動方式がセグメントである以外はTFT用表示ユニット40と略同様である。セグメント用表示ユニット50は、回路基板に実装される図示しない光源と収容部22に配置される図示しない導光体により後方から照明される。
【0028】
TFT用回路基板60は、中ケース20よりも背面側であって、TFT用表示ユニット40及び下ケース11の間に配置される。TFT用回路基板60は、TFT用表示ユニット40を制御するための制御部を主に有する。
【0029】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、例えば、ROMに書き込まれたプログラムに従って所定の演算処理を実行する。制御部は、例えば、車両のECU(Electronic Control Unit)から車速、エンジン回転数、各種車両情報、ナビゲーション情報等を、各種センサ等を介して取得する。制御部は、取得した情報に基づき、表示ユニットに情報を表示させる。
【0030】
TFT用回路基板60は、下ケース11のビス孔12に対応する4箇所に、下ケース11にビス止めされるためのビス孔62を有する。TFT用回路基板60は、セグメント用回路基板70のようにマスク15に対面していないためマスク15に対して固定ができないことから、下ケース11にビス止めされることで固定される。
【0031】
また、TFT用回路基板60は、背面60aに無線通信用の通信ユニット64を有する。通信ユニット64は、例えばスマートホン等の通信端末と表示装置1との間でBluetooth(登録商標)を利用して通信する。
【0032】
セグメント用回路基板70は、中ケース20よりも背面側で、マスク15にビス止めされることで固定される。セグメント用回路基板70は、セグメント用表示ユニット50及び警告灯を点灯させるための光源71を制御するための制御部を主に有する。制御部は、制御対象が異なる以外はTFT用表示ユニット40の制御部と略同様である。セグメント用回路基板70は、警告灯を点灯させる光源71を有する。光源71は、セグメント用回路基板70の前面に配置される、例えばトップビュー型(上面発光型)のLEDである。光源71は、警告灯数に対応して複数設けられる。
【0033】
セグメント用回路基板70は、右中ケース31の位置決めピン37、38に対応する位置に、位置決めピン37、38と嵌り合う孔74及び切欠75を有する。また、セグメント用回路基板70は、マスク15のボス16に対応する4箇所に、マスク15にビス止めされるためのビス孔72を有する。セグメント用回路基板70は、後方に迫り出した上仮固定片24及び下仮固定片34とは干渉しない形状を有する。
【0034】
TFT用回路基板60及びセグメント用回路基板70は、各背面60a、70aで、互いに4本のケーブル80で接続されることで、グランドされる。図4に示すように、4本のケーブル80の各一端は、略四角形状のTFT用回路基板60の四隅において、TFT用回路基板60に接続される。ケーブル80の各他端は、TFT用回路基板60の各四隅に対して左右方向外側に位置するセグメント用回路基板70の所定位置において、セグメント用回路基板70に接続される。
【0035】
このとき、上方に位置する2本のケーブル80は、TFT用回路基板60よりも後方に迫り出した上仮固定片24の上辺に案内されて配線される。下方かつ右方に位置するケーブル80は、TFT用回路基板60よりも後方に迫り出した下仮固定片34の下辺に案内され、且つ位置決めピン38とケーブル案内リブ34cで挟み込まれるように案内されて配線される。このように、上仮固定片24及び下仮固定片34は、TFT用回路基板60を仮固定する機能と、ケーブル80の配線を案内する機能(案内部)とを兼ねる。
【0036】
ここで、表示装置1は、TFT用回路基板60及びセグメント用回路基板70を、中ケース20の後方の位置であって、前後方向において重なり合わないように配置する。これにより、表示装置1は、TFT用回路基板60及びセグメント用回路基板70が前後方向に重なり合う場合に比べて、前後方向の厚さを小さくでき、設計の自由度を向上できる。
【0037】
一方、TFT用回路基板60は、TFT用表示ユニット40の後方に配置されるため、セグメント用回路基板70のようにマスク15にビス止めできないことから、下ケース11にビス止めされる。表示装置1の組立時においては、TFT用回路基板60は下ケース11に覆われ、TFT用回路基板60の位置が視認できない状態でビス止めされることになる。このため、TFT用回路基板60が適切な位置からずれているか否かは、下ケース11のビス孔12からビス止めする際にビス85がTFT用回路基板60のビス孔62に挿入できるかできないかでしか、確認ができない。
【0038】
これに対し、本実施形態における表示装置1は、中ケース20に上仮固定片24及び下仮固定片34を設けることにより、TFT用回路基板60を仮固定し、組立時の作業性を向上させることで、TFT用回路基板60及びセグメント用回路基板70を重なり合わないように配置したとしても、組立作業性を損なわないようにした。以下、表示装置1の組立時の作用について、具体的に説明する。
【0039】
まず、TFT用回路基板60に、TFT用表示ユニット40が組み付けられる。またTFT用表示ユニット40に、ケーブル80の一端がビス81で接続される(以下、一体化したTFT用回路基板60及びTFT用表示ユニット40を「TFTユニット」という。)。次に、上中ケース21に組み付けられたセグメント用表示ユニット50、左中ケース25、及び右中ケース31を、セグメント用回路基板70にビス82で組み付ける(以下、一体化した中ケース20、セグメント用表示ユニット50及びセグメント用回路基板70を「セグメントユニット」という。)。
【0040】
次に、マスク15に、TFTユニットが配置される。また、マスク15に、セグメントユニットが配置される。その後、左中ケース25及び右中ケース31に、セグメント用回路基板70がビス83で固定される。同時に、セグメント用回路基板70に、ケーブル80の他端もビス83で接続される。次に、ビス84で、セグメントユニットがマスク15に固定される。
【0041】
このとき、TFTユニットは、上仮固定片24の後壁24b及び下仮固定片34の後壁34bと、TFT用表示ユニット40との隙間に、挿入され配置されることになる。これにより、TFTユニットは、各後壁34bにより後方に対する移動が規制される。また、TFTユニットは、上仮固定片24の各上壁24aにより上方に対する移動が規制される。更に、TFTユニットは、下仮固定片34の右壁34aにより右方に対する移動が規制される。
【0042】
この状態で、下ケース11がマスク15の外縁と嵌り合うようにマスク15に組み付けられる。その後、下ケース11の背面から、ビス孔12、62を介してビス85で下ケース11及びTFTユニットがビス止めされることで、TFTユニット(TFT用回路基板60)が固定(本固定)される。このとき、TFTユニットは、上仮固定片24及び下仮固定片34により仮固定され、TFTユニットが適切な位置に配置された状態を維持できる。このため、作業者がビス止めの際にTFTユニットが視認できなくても、好適にビス止め作業を行うことができる。最後に、下ケース11の背面から、ボス16、ビス孔72を介してビス86で下ケース11及びマスク15に固定されたセグメントユニットが固定される。
【0043】
以上のように、本実施形態における表示装置1は、回路基板が前後方向に重なり合うことなく複数配置され、且つそれぞれ固定先が異なる場合であっても、好適に組立作業を行うことができる。これにより、表示装置1は、ビスによる固定先に制約されることなく、TFT用回路基板60及びセグメント用回路基板70を所望の位置に配置できることから、設計の自由度を向上できる。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0045】
例えば、TFT用回路基板60(第二基板)及びセグメント用回路基板70(第一基板)の配置や形状は一例であって、これに限らない。
【0046】
上仮固定片24及び下仮固定片34の形状は一例であって、例えば、TFT用回路基板60の背面60aに掛かり合うフック形状であってもよい。
【0047】
TFT用回路基板60の位置決め及び仮固定をより確実に行うため、例えばTFT用表示ユニット40の背面に、TFT用回路基板60に向けて後方に突出した位置決めピンを設けてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 表示装置
2 TFT表示部
3 セグメント表示部
4 警告灯表示部
10 ケース
11 下ケース
11a 前縁
12、13、23、62、72 ビス孔
15 マスク(上ケース)
15a 開口
15b 背面
16、30、33 ボス
20 中ケース
21 上中ケース
22 収容部
22a 下辺
24 上仮固定片(仮固定部)
24a 上壁
24b 後壁
25 左中ケース(中ケース)
26、36 照明部
26a、36a 後方開口端
26b、36b 前方開口端
27 文字板
28 レンズ
29 意匠
31 右中ケース(中ケース)
34 下仮固定片(仮固定部)
34a 右壁
34b 後壁
34c ケーブル案内リブ
37、38 位置決めピン
40 TFT用表示ユニット(表示ユニット)
50 セグメント用表示ユニット
60 TFT用回路基板(第二基板)
60a 背面
64 通信ユニット
70 セグメント用回路基板(第一基板)
70a 背面
71 光源
74 孔
75 切欠
80 ケーブル
81、82、83、84、85、86 ビス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8