IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】固定装置及びその固定方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 23/04 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
A63B23/04 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021072868
(22)【出願日】2021-04-22
(65)【公開番号】P2022167212
(43)【公開日】2022-11-04
【審査請求日】2024-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】竹田 貴博
(72)【発明者】
【氏名】原 学
(72)【発明者】
【氏名】青木 英祐
(72)【発明者】
【氏名】小田島 正
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平5-68616(JP,A)
【文献】登録実用新案第3178095(JP,U)
【文献】登録実用新案第3209237(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの足がペダル部を踏み込むことで該ペダル部を円軌道又は楕円軌道で回転させる足漕ぎ運動装置を固定する固定装置であって、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で支持する本体部と、
前記本体部の下端に設けられ、前記足漕ぎ運動装置の一端を、該一端を中心に前後方向へ揺動可能に支持する第1支持部と、
前記本体部の上端に設けられ、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、該足漕ぎ運動装置の重心位置が前記足漕ぎ運動装置の一端を中心とした揺動の中心位置よりも前側に位置していることで、該足漕ぎ運動装置の他端が当接して該他端を支持する第2支持部と、
前記本体部の上端に動作可能に設けられたストッパー部材と、
を備え、
前記足漕ぎ運動装置の他端が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心とした揺動の中心位置よりも後側に位置しており、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端側に位置する、
固定装置。
【請求項2】
請求項1記載の固定装置であって、
前記ストッパー部材は、前記本体部の上端に、所定の角度範囲で前後方向へ揺動可能に連結され、
前記ストッパー部材の下端には、第1当接部材が設けられ、
前記ストッパー部材において、前記第1当接部材よりも上側に所定間隔を空けて第2当接部材が設けられ、
前記所定の角度範囲で前記ストッパー部材の揺動が制限された状態で、前記足漕ぎ運動装置の他端の表側が前記第1当接部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心した揺動の中心位置よりも後側に位置しており、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で前記本体部内に収納したときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端の表側に当接することで該他端を支持し、前記第2当接部材は前記足漕ぎ運動装置の他端の裏側に位置する、
固定装置。
【請求項3】
請求項2記載の固定装置であって、
前記第2当接部材において、前記足漕ぎ運動装置の他端が当接する部分は、摩擦力が所定値以上となる摩擦部材で構成されている、
固定装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の固定装置であって、
前記第1当接部材と前記第2当接部材とは一体の部材で構成されている、
固定装置。
【請求項5】
請求項1記載の固定装置であって、
前記ストッパー部材は、前記本体部の上端に、上端位置から下端位置まで上下方向へスライド可能に設けられ、
前記ストッパー部材が前記下端位置に位置する状態で、前記足漕ぎ運動装置の他端の表側が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心した揺動の中心位置よりも後側に位置しており、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で前記本体部内に収納したときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端の表側に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端の裏側に位置する、
固定装置。
【請求項6】
請求項1記載の固定装置であって、
前記ストッパー部材は、前記本体部の上端に、上下方向の軸線周りに所定の角度範囲で回転可能に設けられ、
前記所定の角度範囲で前記ストッパー部材の回転が制限された状態で、前記足漕ぎ運動装置の他端の表側が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心した揺動の中心位置よりも後側に位置しており、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で前記本体部内に収納したときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端の表側に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端へ向けて付勢されつつ該他端の裏側に位置する、
固定装置。
【請求項7】
請求項1記載の固定装置であって、
前記ストッパー部材は、前記本体部の上端に、前記本体部の外側の一端位置から前記本体部の内側の他端位置まで左右方向へスライド可能に設けられ、
前記ストッパー部材が前記他端位置に位置する状態で、前記足漕ぎ運動装置の他端の表側が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心した揺動の中心位置よりも後側に位置しており、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で前記本体部内に収納したときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端の表側に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端の裏側に位置する、
固定装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちいずれか1項記載の固定装置であって、
前記本体部に揺動可能に設けられ、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、前記第2支持部との間で、該足漕ぎ運動装置の他端を挟み込むようにして、該他端を支持する第3支持部を更に備える、
固定装置。
【請求項9】
ユーザの足がペダル部を踏み込むことで該ペダル部を円軌道又は楕円軌道で回転させる足漕ぎ運動装置を固定する固定装置であって、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で支持する本体部と、
前記本体部の下端に設けられ、前記足漕ぎ運動装置の一端を、該一端を中心に前後方向へ揺動可能に支持する第1支持部と、
前記本体部の上端に設けられ、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、該足漕ぎ運動装置の重心位置が前記足漕ぎ運動装置の一端を中心とした揺動の中心位置よりも前側に位置していることで、該足漕ぎ運動装置の他端が当接して該他端を支持する第2支持部と、
前記本体部の上端に動作可能に設けられたストッパー部材と、
を備える固定装置の固定方法であって、
前記足漕ぎ運動装置の他端が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心とした揺動の中心位置よりも後側に位置しており、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端側に位置する、
固定装置の固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足漕ぎ運動装置を固定する固定装置及びその固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの足を載せる左右一対のペダル部と、ユーザの足がペダル部を踏み込むことで、ペダル部を楕円軌道で回転させる回転機構と、を備える足漕ぎ運動装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-116818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記足漕ぎ運動装置を立てるように固定した場合に、足漕ぎ運動装置が倒れてくる可能性がある。また、その足漕ぎ運動装置の倒れを防止する対策を図ったとしても、その倒れ防止策を行うのを忘れる可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、足漕ぎ運動装置を立てるように固定し、その倒れ防止策を図りつつ、その倒れ防止策を行うことを忘れるのを防止できる固定装置及びその固定方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、
ユーザの足がペダル部を踏み込むことで該ペダル部を円軌道又は楕円軌道で回転させる足漕ぎ運動装置を固定する固定装置であって、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で支持する本体部と、
前記本体部の下端に設けられ、前記足漕ぎ運動装置の一端を、該一端を中心に前後方向へ揺動可能に支持する第1支持部と、
前記本体部の上端に設けられ、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、該足漕ぎ運動装置の重心位置が前記足漕ぎ運動装置の一端を中心とした揺動の中心位置よりも前側に位置していることで、該足漕ぎ運動装置の他端が当接して該他端を支持する第2支持部と、
前記本体部の上端に動作可能に設けられたストッパー部材と、
を備え、
前記足漕ぎ運動装置の他端が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心とした揺動の中心位置よりも後側に位置しており、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端側に位置する、
固定装置
である。
この一態様において、前記ストッパー部材は、前記本体部の上端に、所定の角度範囲で前後方向へ揺動可能に連結され、前記ストッパー部材の下端には、第1当接部材が設けられ、前記ストッパー部材において、前記第1当接部材よりも上側に所定間隔を空けて第2当接部材が設けられ、前記所定の角度範囲で前記ストッパー部材の揺動が制限された状態で、前記足漕ぎ運動装置の他端の表側が前記第1当接部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心した揺動の中心位置よりも後側に位置しており、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で前記本体部内に収納したときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端の表側に当接することで該他端を支持し、前記第2当接部材は前記足漕ぎ運動装置の他端の裏側に位置してもよい。
この一態様において、前記第2当接部材において、前記足漕ぎ運動装置の他端が当接する部分は、摩擦力が所定値以上となる摩擦部材で構成されていてもよい。
この一態様において、前記第1当接部材と前記第2当接部材とは一体の部材で構成されていてもよい。
この一態様において、前記ストッパー部材は、前記本体部の上端に、上端位置から下端位置まで上下方向へスライド可能に設けられ、前記ストッパー部材が前記下端位置に位置する状態で、前記足漕ぎ運動装置の他端の表側が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心した揺動の中心位置よりも後側に位置しており、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で前記本体部内に収納したときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端の表側に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端の裏側に位置してもよい。
この一態様において、前記ストッパー部材は、前記本体部の上端に、上下方向の軸線周りに所定の角度範囲で回転可能に設けられ、前記所定の角度範囲で前記ストッパー部材の回転が制限された状態で、前記足漕ぎ運動装置の他端の表側が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心した揺動の中心位置よりも後側に位置しており、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で前記本体部内に収納したときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端の表側に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端へ向けて付勢されつつ該他端の裏側に位置してもよい。
この一態様において、前記ストッパー部材は、前記本体部の上端に、前記本体部の外側の一端位置から前記本体部の内側の他端位置まで左右方向へスライド可能に設けられ、
前記ストッパー部材が前記他端位置に位置する状態で、前記足漕ぎ運動装置の他端の表側が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心した揺動の中心位置よりも後側に位置しており、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で前記本体部内に収納したときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端の表側に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端の裏側に位置してもよい。
この一態様において、前記本体部に揺動可能に設けられ、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、前記第2支持部との間で、該足漕ぎ運動装置の他端を挟み込むようにして、該他端を支持する第3支持部を更に備えていてもよい。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、
ユーザの足がペダル部を踏み込むことで該ペダル部を円軌道又は楕円軌道で回転させる足漕ぎ運動装置を固定する固定装置であって、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態で支持する本体部と、
前記本体部の下端に設けられ、前記足漕ぎ運動装置の一端を、該一端を中心に前後方向へ揺動可能に支持する第1支持部と、
前記本体部の上端に設けられ、前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、該足漕ぎ運動装置の重心位置が前記足漕ぎ運動装置の一端を中心とした揺動の中心位置よりも前側に位置していることで、該足漕ぎ運動装置の他端が当接して該他端を支持する第2支持部と、
前記本体部の上端に動作可能に設けられたストッパー部材と、
を備える固定装置の固定方法であって、
前記足漕ぎ運動装置の他端が前記ストッパー部材に当接した際、前記足漕ぎ運動装置の重心位置が、前記足漕ぎ運動装置の一端を中心とした揺動の中心位置よりも後側に位置しており、
前記足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときに、前記第2支持部は前記足漕ぎ運動装置の他端に当接することで該他端を支持し、前記ストッパー部材は前記足漕ぎ運動装置の他端側に位置する、
固定装置の固定方法
であってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、足漕ぎ運動装置を立てるように固定し、その倒れ防止策を図りつつ、その倒れ防止策を行うことを忘れるのを防止できる固定装置及びその固定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る足漕ぎ運動装置を側方から見た図である。
図2】本実施形態に係る固定装置の概略的な構成を示す図である。
図3】本実施形態に係る固定装置の概略的な構成を示す図である。
図4】足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときの重心位置及び揺動中心位置を示す模式図である。
図5】ストッパー部材及び第1及び第2当接部材を示す斜視図である。
図6】転動面の取手部を持ち上げ足漕ぎ運動装置の後端を前方へ揺動させた状態を示す図である。
図7】第1当接部材が足漕ぎ運動装置の他端のペダル部に当たる状態を示す図である。
図8】第1当接部材を持ち上げ退避した状態を示す図である。
図9】足漕ぎ運動装置の重心位置及び揺動中心位置を示す模式図である。
図10】足漕ぎ運動装置の重心位置及び揺動中心位置を示す模式図である。
図11】本実施形態に係る第3支持部を示す図である。
図12】第2支持部と第3支持部との間で、足漕ぎ運動装置の他端の転動面を挟み込むようにして、その転動面を支持する状態を示す図である。
図13】第2当接部材が回転機構の他端の転動面に引っ掛かる状態を示す図である。
図14】本実施形態に係るストッパー部材及び第2当接部材の動作を示す模式図である。
図15】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図16】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図17】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図18】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図19】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図20】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図21】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図22】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図23】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図24】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図25】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
図26】本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態1
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る固定装置は、例えば、収納スペースを小さくする目的で、足漕ぎ運動装置を立てた状態で固定するものである。本実施形態に係る足漕ぎ運動装置は、ユーザの足がペダル部を踏み込むことで該ペダル部を楕円軌道又は円軌道で回転させるものである。
【0010】
ここで、本実施形態に係る足漕ぎ運動装置について説明する。図1は、本実施形態に係る足漕ぎ運動装置を側方から見た図である。本実施形態にかかる足漕ぎ運動装置100は、ユーザUが足漕ぎ運動を行うことで、ユーザUの脚部、腹部、臀部、などの様々な部位を鍛えることができる運動機器である。以下の説明では、前後方向、左右方向、上下方向は、ユーザUの方向を基準とする方向である。
【0011】
図1に示すように、足漕ぎ運動装置100は、回転機構20を備えている。回転機構20の他端側(後端)には、椅子などの着座部10が配置される。ユーザUは、着座部10に着座した状態で足漕ぎ運動を行う。
【0012】
足漕ぎ運動装置100において、回転機構20を中心にして、回転機構20の左右側に夫々、リンク30、クランク40、及びペダル部50が取り付けられている。回転機構20の一端(前端)には、略T字状の支持部21が設けられている。
【0013】
回転機構20は、回転軸23を回転可能に軸支する。回転機構20の回転軸23の左右端に、クランク40の一端が夫々連結されている。リンク30の一端にクランク40の他端が回転可能に連結されている。リンク30の他端に車輪31が回転可能に設けられている。
【0014】
ペダル部50は、リンク30の長手方向に沿ってリンク30の上面に接続されている。着座中のユーザUは、ペダル部50の上に足部FTを載せる。ユーザUは足部FTをペダル部50に載せて、足漕ぎ運動を行う。これにより、クランク40が回転軸23周りに回転する。
【0015】
さらに、クランク40の回転に応じて、リンク30とクランク40との間の角度が変化する。リンク30の車輪31は転動面60の上面を転動して、前後方向に往復動する。これにより、足漕ぎ運動に応じて、ペダル部50が楕円軌道を描くように、クランク40及びリンク30が回転動作する。
【0016】
回転機構20の他端には、転動面60が接続されている。転動面60は、例えば、板状部材であり、地面に接地し、回転機構20の他端を支持する。転動面60は、回転機構20に対して略平行となるように回転機構20に固定されている。転動面60の上面端部には、ユーザが足漕ぎ運動装置100を移動させる際に把持する取手部61が設けられている。
【0017】
続いて、本実施形態に係る固定装置の構成について、詳細に説明する。図2及び図3は、本実施形態に係る固定装置の概略的な構成を示す図である。図2は、足漕ぎ運動装置を立てた状態で本体部内に収納した状態を示す図である。図3は、足漕ぎ運動装置を寝かせた状態を示す図である。なお、図2においてブラケットで隠れた部分を見易くするために、図3ではそのブラケットの記載を点線で省略している。以下、図6についても同様の省略を行っている。
【0018】
本実施形態に係る固定装置1は、足漕ぎ運動装置100を立てた状態で支持する本体部2と、足漕ぎ運動装置100の一端を支持する第1支持部3と、足漕ぎ運動装置100の他端を支持する第2支持部4と、第2支持部4に揺動可能に連結されたストッパー部材5と、足漕ぎ運動装置100の後端に当接する第1及び第2当接部材6、7と、を備えている。
【0019】
本体部2は、例えば、複数のアルミニュウムなどの金属製フレームを略直方体状に接続して構成されている。本体部2の下端には、キャスター付き車輪25が設けられていてもよい。これにより、本体部2を任意の位置に移動させることができる。車輪25には、車輪25の回転を止めるロック機構が設けられていても良い。ロック機構をロック状態にすることで、本体部2は、その位置に固定される。一方で、ロック機構のロック状態を解除することで、本体部2を任意の位置に移動させることができる。
【0020】
第1支持部3は、本体部2の下端に設けられている(図3)。第1支持部3は、足漕ぎ運動装置100の一端を、一端を中心に前後方向へ揺動可能に支持する。
【0021】
第1支持部3は、本体部2の下端に前後方向へ回転可能に設けられた板状のプレート部材32と、プレート部材32に設けられた一対のクランプ部33と、を有している。プレート部材32上に足漕ぎ運動装置100の支持部21が載る。そして、クランプ部33は、足漕ぎ運動装置100の支持部21を着脱可能に保持する。これにより、プレート部材32と足漕ぎ運動装置100の支持部21は一体化し、足漕ぎ運動装置100の他端を、支持部21を中心に前後方向へ揺動させることができる。
【0022】
足漕ぎ運動装置100を本体部2に収納する場合、足漕ぎ運動装置100の他端を、支持部21を中心に前方へ揺動させ、足漕ぎ運動装置100を立てた状態にする(図2)。これにより、足漕ぎ運動装置100を本体部2内にコンパクトに収納し、本体部2に収納された足漕ぎ運動装置100を任意の位置に移動させることができる。
【0023】
一方で、足漕ぎ運動装置100を使用する場合、本体部2内に立てられた足漕ぎ運動装置100の他端を、支持部21を中心に後方へ揺動させ、足漕ぎ運動装置100を倒した状態にする(図3)。この状態で、ユーザは足漕ぎ運動装置100による足漕ぎ運動を行うことができる。なお、ユーザは、クランプ部33から足漕ぎ運動装置100の支持部21を取り外し、足漕ぎ運動装置100単体で、足漕ぎ運動を行っても良い。
【0024】
第2支持部4は、本体部2の上端中央付近に設けられている。第2支持部4は、例えは、アルミニウムなどの金属製の棒状フレーム部材であり、左右方向に延在している。
【0025】
図4は、足漕ぎ運動装置を立てた状態にしたときの重心位置及び揺動中心位置を示す模式図である。足漕ぎ運動装置100を立てた状態にしたときに、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが足漕ぎ運動装置100の一端を中心とした揺動の中心位置X(以下、揺動中心位置Xと称す)よりも前側に位置していることで、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60が、その重力の作用により自ずと第2支持部4に当接する。
【0026】
このとき、足漕ぎ運動装置100の転動面60が、第2支持部4に寄りかかるように第2支持部4に支持される。この状態で、ユーザが足漕ぎ運動装置100から手を離しても、足漕ぎ運動装置100の転動面60は、その重力の作用により、第2支持部4に寄りかかり、足漕ぎ運動装置100は、立った状態を維持することができる。
【0027】
図5は、ストッパー部材及び第1及び第2当接部材を示す斜視図である。ストッパー部材5は、棒状の部材であり、中央付近が屈曲している。ストッパー部材5は、本体部2の上端に動作可能に設けられている。ストッパー部材5の上端は、図5に示す如く、第2支持部4の左側に、前後方向へ揺動可能に連結されている。ストッパー部材5の上端は、第2支持部4の右側に前後方向へ揺動可能に連結されていてもよい。なお、ストッパー部材5の上端が、第2支持部4の右側に連結された図は省略している。
【0028】
ストッパー部材5は、重力により、第2支持部4にぶら下がる状態で、先端が鉛直下方を向いている。ストッパー部材5の揺動は、上側及び下側ストッパー51、52により、所定の角度範囲に制限されている。ストッパー部材5が上側ストッパー51に当たることで、後方へ揺動したときの後方への揺動角度が制限される。ストッパー部材5が下側ストッパー52に当たることで、前方へ揺動したときの前方への揺動角度が制限される。
【0029】
第1当接部材6は、ストッパー部材5の下端に設けられている。第1当接部材6とストッパー部材5とは接続されているが、一体的に形成されていてもよい。第1当接部材6は、ストッパー部材5から左右方向に延在する棒状部材である。
【0030】
第2当接部材7は、ストッパー部材5において、第1当接部材6よりも上側に所定間隔を空けて設けられている。第2当接部材7とストッパー部材5とは接続されているが、一体的に形成されていてもよい。第2当接部材7は、ストッパー部材5から左右方向に延在する棒状部材である。第2当接部材7は、第1当接部材6に対し平行となるようにストッパー部材5に設けられている。
なお、第1当接部材6と第2当接部材7とは一体の部材で構成されていてもよい。その構成では、一体の部材の下側の面が第1当接部材6、上側の面が第2当接部材7、として機能してもよい。これにより、より構成を簡略化することができる。
【0031】
ところで、従来の足漕ぎ運動装置100を立てるように固定した場合に、足漕ぎ運動装置100が倒れてくる可能性がある。また、その足漕ぎ運動装置100の倒れを防止する対策を図ったとしても、その倒れ防止策を行うのを忘れる可能性がある。
【0032】
これに対し、本実施形態に係る固定装置1は、第2当接部材7を用いて、足漕ぎ運動装置100の倒れを防止する対策を図りつつ、さらに、第1当接部材6を用いて、その倒れ防止策を行うことを忘れるのを防止している。
【0033】
以下、足漕ぎ運動装置100の倒れを防止する対策を図りつつ、その倒れ防止策を行うことを忘れるのを防止する固定装置の固定方法について説明する。
【0034】
まず、上記第2当接部材7を用いて足漕ぎ運動装置100の倒れを防止する対策を図る方法について詳細に説明する。
【0035】
足漕ぎ運動装置100を本体部2内に立てた状態で収納する場合(図2)、ユーザは、転動面60の取手部61を持ち上げ、足漕ぎ運動装置100の後端を支持部21を中心に前方へ揺動させる(図6)。このとき、第1当接部材6が足漕ぎ運動装置100の他端のペダル部50に当たる(図7)。このため、ユーザは、ストッパー部材5を後方に揺動させ第1当接部材6を持ち上げ退避した状態にした後(図8)、足漕ぎ運動装置100の後端を、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4に当接する位置まで、揺動させる。
【0036】
この状態で、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが揺動中心位置Xよりも前側に位置していることで、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60が、その重力の作用により前方へ倒れ込み、第2支持部4に当接する状態を維持する(図4)。しかし、このように、足漕ぎ運動装置100の転動面60を、その重力の作用により第2支持部4に立てかけた状態だけでは、足漕ぎ運動装置100が不安定であり後側へ倒れてくる可能性がある。
【0037】
これに対し、ユーザが、上記持ち上げ退避した状態のストッパー部材5を解放すると、ストッパー部材5は、自重により前方へ揺動し、第2当接部材7は回転機構20の他端の転動面60側に位置する(図2)。
【0038】
このように、足漕ぎ運動装置100を立てた状態にしたときに、第2支持部4は、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60に当接することでその転動面60の表面を支持しつつ、第2当接部材7は足漕ぎ運動装置100の転動面60の裏面側に位置する。すなわち、第2支持部4と第2当接部材7とが足漕ぎ運動装置100の転動面60を表裏から挟み込むようにして、安定的に支持している。
【0039】
これにより、通常は、第2支持部4が足漕ぎ運動装置100の転動面60を、その重力の作用により支持する。そして、仮に、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4から離れ、足漕ぎ運動装置100が後方へ倒れてきた場合でも、第2当接部材7が回転機構20の他端の転動面60に引っ掛かる(図9)。
【0040】
そして、この状態でも、足漕ぎ運動装置100の重心位置が揺動中心位置よりも前側に位置しているので、その重力の作用により、足漕ぎ運動装置100の転動面60は、第2支持部4に当接する位置まで自ずと戻る。このようにして、足漕ぎ運動装置100の倒れ防止策を確実に図ることができる。
【0041】
続いて、上述の第1当接部材6を用いて倒れ防止策の忘れを防止する方法について詳細に説明する。
【0042】
足漕ぎ運動装置100を本体部2内に立てた状態で収納する場合、足漕ぎ運動装置100の後端を、支持部21を中心に前方へ揺動させると、上述の如く、第1当接部材6が足漕ぎ運動装置100の他端のペダル部50に当接する(図7)。
【0043】
このとき、図10に示す如く、所定の角度範囲でストッパー部材5の揺動が制限された状態にあり、さらに、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが、足漕ぎ運動装置100の揺動中心位置Xよりも後側に位置している。
【0044】
より具体的には、下側ストッパー52により、ストッパー部材5の前方への揺動が制限された状態にあり、さらに、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが、足漕ぎ運動装置100の揺動中心位置Xよりも後側に位置している。
【0045】
このように、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが、足漕ぎ運動装置100の揺動中心位置Xよりも後側に位置している場合、ユーザが足漕ぎ運動装置100から手を離すと、足漕ぎ運動装置100は立った状態を維持できず、後側へ倒れようとする。これにより、ユーザは、足漕ぎ運動装置100を立てた状態にできず、上記第2当接部材7による倒れ防止策を行うことを忘れていることに気付くことになる。
【0046】
すなわち、ユーザは、足漕ぎ運動装置100は立った状態にするために、必然的に、ストッパー部材5を後方に揺動させ第1当接部材6を持ち上げ退避させた状態にすることとなる(図8)。
【0047】
ユーザは、この退避状態で、足漕ぎ運動装置100の他端を、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4に当接する位置まで揺動させ、退避状態のストッパー部材5を解放する。ストッパー部材5は、自重により前方へ揺動し、第2当接部材7は回転機構20の他端の転動面60側に位置する(図2)。
【0048】
このように、ユーザは、必然的に上記第1当接部材6の退避動作を行うことで、自ずと、足漕ぎ運動装置100の転動面60の裏面側に第2当接部材7を位置させることになる。したがって、足漕ぎ運動装置100の倒れ防止策を行うことを忘れるのを確実に防止できる。
【0049】
以上のようにして、本実施形態に係る固定装置1は、第2当接部材7を用いて、足漕ぎ運動装置100の倒れを防止する対策を図りつつ、さらに、第1当接部材6を用いて、その倒れ防止策を行うことを忘れるのを防止することができる。
なお、本実施形態において、重力を利用しているため、ストッパー部材5の摩擦にもよるが、上下及び左右の方向が少し傾いてもよく、その場合でもストッパー部材5は自重によって元の位置に戻る。
【0050】
実施形態2
図11は、本実施形態に係る第3支持部を示す図である。本実施形態において、第3支持部8が本体部2に揺動可能に設けられていてもよい。第3支持部8は、足漕ぎ運動装置100を立てた状態にしたときに、第2支持部4との間で、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60を挟み込むようにして、その転動面60を支持する(図12)。第3支持部8は、左右方向に延在する棒状の部材である。
【0051】
上述の如く、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4から離れ、足漕ぎ運動装置100が倒れてきた場合、第2当接部材7が回転機構20の他端の転動面60に引っ掛かる状態となる(図13)。このとき、ストッパー部材5が一定量だけ揺動するため、その揺動分だけ、足漕ぎ運動装置100の転動面60が振れる状態となる。
【0052】
この振れを抑制するため、第2支持部4を足漕ぎ運動装置100の転動面60の表面に当接させ、第2当接部材7を足漕ぎ運動装置100の転動面60の裏面側に位置させた後、さらに、第3支持部8と第2支持部4との間で、足漕ぎ運動装置100の転動面60を挟み込むように支持する(図12)。これにより、足漕ぎ運動装置100の転動面60の振れを抑制することで、足漕ぎ運動装置100をより安定的に固定できる。
【0053】
実施形態3
図14は、本実施形態に係るストッパー部材及び第2当接部材の動作を示す模式図である。本実施形態において、第2当接部材7において、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60が当接する部分は、摩擦力が所定値以上となる摩擦部材で構成されていてもよい。摩擦部材は、例えば、ゴムや樹脂などの摩擦力の大きい部材である。
【0054】
上述の如く、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4から離れ、足漕ぎ運動装置100が倒れてきた場合、第2当接部材7が回転機構20の他端の転動面60に引っ掛かる状態となる(図13)。このとき、第2当接部材7が回転機構20の他端の転動面60に対し当接して滑りつつ、ストッパー部材5が揺動するが、その揺動分だけ、足漕ぎ運動装置100の転動面60が振れる状態となる。
【0055】
したがって、上述の如く、第2当接部材7において、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60が当接する部分を、摩擦力が大きい摩擦部材で構成することで、図14に示す如く、第2当接部材7の転動面60に対する滑り量を小さく抑えることができる。これにより、足漕ぎ運動装置100の転動面60の振れ量を抑制することで、足漕ぎ運動装置100をより安定的に固定できる。
【0056】
実施形態4
本実施形態において、図15に示す如く、ストッパー部材11は、本体部2の上端に、上端位置から下端位置まで上下方向へスライド可能に設けられていてもよい。図15乃至図18は、本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。
【0057】
足漕ぎ運動装置100を本体部2内に立てた状態で収納する場合、ユーザは、転動面60の取手部61を持ち上げ、足漕ぎ運動装置100の後端を支持部21を中心に前方へ揺動させる。このとき、ストッパー部材11の先端が足漕ぎ運動装置100の他端のペダル部50に当たる。このため、ユーザは、ストッパー部材11を上方にスライドさせストッパー部材11を持ち上げ退避した状態にした後(図15)、足漕ぎ運動装置100の後端を、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4に当接する位置まで、揺動させる。
【0058】
この状態で、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが揺動中心位置Xよりも前側に位置していることで、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60が、その重力の作用により前方へ倒れ込み、第2支持部4に当接する状態を維持する。しかし、このように、足漕ぎ運動装置100の転動面60を、その重力の作用により第2支持部4に立てかけた状態だけでは、足漕ぎ運動装置100が不安定であり後側へ倒れてくる可能性がある。
【0059】
これに対し、ユーザが、上記持ち上げ退避した状態のストッパー部材11を解放すると、ストッパー部材11は、自重により下方へスライドし下端位置に位置し、ストッパー部材11は回転機構20の他端の転動面60の裏側に位置する(図16)。
【0060】
このように、足漕ぎ運動装置100を立てた状態で本体部2内に収納したときに、第2支持部4は、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60に当接することでその転動面60の表面を支持しつつ、ストッパー部材11は足漕ぎ運動装置100の転動面60の裏面側に位置する。すなわち、第2支持部4とストッパー部材11とが足漕ぎ運動装置100の転動面60を表裏から挟み込むようにして、安定的に支持している。
【0061】
これにより、通常は、第2支持部4が足漕ぎ運動装置100の転動面60を、その重力の作用により支持する。そして、仮に、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4から離れ、足漕ぎ運動装置100が後方へ倒れてきた場合でも、ストッパー部材11が回転機構20の他端の転動面60に引っ掛かる(図17)。
【0062】
そして、この状態でも、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが揺動中心位置Xよりも前側に位置しているので、その重力の作用により、足漕ぎ運動装置100の転動面60は、第2支持部4に当接する位置まで自ずと戻る。このようにして、足漕ぎ運動装置100の倒れ防止策を確実に図ることができる。
【0063】
続いて、上述のストッパー部材11を用いて倒れ防止策の忘れを防止する方法について詳細に説明する。
【0064】
足漕ぎ運動装置100を本体部2内に立てた状態で収納する場合、足漕ぎ運動装置100の後端を、支持部21を中心に前方へ揺動させると、上述の如く、ストッパー部材11が足漕ぎ運動装置100の他端のペダル部50に当接する(図18)。
【0065】
このとき、図18に示す如く、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが、足漕ぎ運動装置100の揺動中心位置Xよりも後側に位置している。
【0066】
このように、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが、足漕ぎ運動装置100の揺動中心位置Xよりも後側に位置している場合、ユーザが足漕ぎ運動装置100から手を離すと、足漕ぎ運動装置100は立った状態を維持できず、後側へ倒れようとする。これにより、ユーザは、足漕ぎ運動装置100を立てた状態にできず、上記ストッパー部材11による倒れ防止策を行うことを忘れていることに気付くことになる。すなわち、ユーザは、足漕ぎ運動装置100は立った状態にするために、必然的に、ストッパー部材11を上方にスライドさせストッパー部材11を持ち上げ退避させた状態にすることとなる(図15)。
【0067】
ユーザは、この退避状態で、足漕ぎ運動装置100の他端を、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4に当接する位置まで揺動させ、退避状態のストッパー部材11を解放する。ストッパー部材11は、自重により下方へスライドし、ストッパー部材11は回転機構20の他端の転動面60側に位置する(図16)。
【0068】
このように、ユーザは、必然的に上記ストッパー部材11の退避動作を行うことで、自ずと、足漕ぎ運動装置100の転動面60の裏面側にストッパー部材11を位置させることになる。したがって、足漕ぎ運動装置100の倒れ防止策を行うことを忘れるのを確実に防止できる。
なお、本実施形態において、重力を利用しているため、ストッパー部材11の摩擦にもよるが、上下及び左右の方向が少し傾いてもよく、その場合でもストッパー部材11は自重によって元の位置に戻る。
【0069】
実施形態5
本実施形態において、図19に示す如く、ストッパー部材12は、本体部2の上端に、上下方向の軸線L周りに所定の角度範囲で回転可能に設けられていてもよい。図19乃至図22は、本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。なお、図19乃至図22において、上段図が側面図であり、下段図が上面図である。
【0070】
足漕ぎ運動装置100を本体部2内に立てた状態で収納する場合、ユーザは、転動面60の取手部61を持ち上げ、足漕ぎ運動装置100の後端を支持部21を中心に前方へ揺動させる。このとき、ストッパー部材12が足漕ぎ運動装置100の他端のペダル部50に当たる。このため、ユーザは、ストッパー部材12を後方に回転させストッパー部材12を退避した状態にした後(図19)、足漕ぎ運動装置100の後端を、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4に当接する位置まで、揺動させる。
【0071】
この状態で、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが揺動中心位置Xよりも前側に位置していることで、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60が、その重力の作用により前方へ倒れ込み、第2支持部4に当接する状態を維持する。しかし、このように、足漕ぎ運動装置100の転動面60を、その重力の作用により第2支持部4に立てかけた状態だけでは、足漕ぎ運動装置100が不安定であり倒れてくる可能性がある。
【0072】
これに対し、ユーザが、上記退避した状態のストッパー部材12を解放すると、ストッパー部材12は、ストッパー部材12に設けられたバネなどによる付勢力により回転する。その結果、ストッパー部材12は、回転機構20の他端の転動面60の裏側に位置する(図20)。
【0073】
このように、足漕ぎ運動装置100を立てた状態で本体部2内に収納したときに、第2支持部4は、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60に当接することでその転動面60の表面を支持しつつ、ストッパー部材12は足漕ぎ運動装置100の転動面60の裏面側に位置する。すなわち、第2支持部4とストッパー部材12とが足漕ぎ運動装置100の転動面60を表裏から挟み込むようにして、安定的に支持している。
【0074】
これにより、通常は、第2支持部4が足漕ぎ運動装置100の転動面60を、その重力の作用により支持する。そして、仮に、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4から離れ、足漕ぎ運動装置100が後方へ倒れてきた場合でも、第2支持部側へ付勢されたストッパー部材12が回転機構20の他端の転動面60に引っ掛かる(図21)。
【0075】
そして、この状態でも、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが揺動中心位置Xよりも前側に位置しているので、その重力の作用により、足漕ぎ運動装置100の転動面60は、第2支持部4に当接する位置まで自ずと戻る。このようにして、足漕ぎ運動装置100の倒れ防止策を確実に図ることができる。
【0076】
続いて、上述のストッパー部材12を用いて倒れ防止策の忘れを防止する方法について詳細に説明する。
【0077】
足漕ぎ運動装置100を本体部2内に立てた状態で収納する場合、足漕ぎ運動装置100の後端を、支持部21を中心に前方へ揺動させると、上述の如く、ストッパー部材12が足漕ぎ運動装置100の他端のペダル部50に当接する(図22)。
【0078】
このとき、図22に示す如く、ストッパー部材12の回転は、所定の角度範囲で制限された状態にある。具体的には、ストッパー部材12は、回転ストッパー53に当たり、第2支持部側への回転が制限された状態にある。さらに、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが、足漕ぎ運動装置100の揺動中心位置Xよりも後側に位置している。
【0079】
このように、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが、足漕ぎ運動装置100の揺動中心位置Xよりも後側に位置している場合、ユーザが足漕ぎ運動装置100から手を離すと、足漕ぎ運動装置100は立った状態を維持できず、後側へ倒れようとする。これにより、ユーザは、足漕ぎ運動装置100を立てた状態にできず、上記ストッパー部材12による倒れ防止策を行うことを忘れていることに気付くことになる。すなわち、ユーザは、足漕ぎ運動装置100は立った状態にするために、必然的に、ストッパー部材12を回転させ退避させた状態にすることとなる(図19)。
【0080】
ユーザは、この退避状態で、足漕ぎ運動装置100の他端を、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4に当接する位置まで揺動させ、退避状態のストッパー部材12を解放する。ストッパー部材12は、付勢力により回転し、ストッパー部材12は回転機構20の他端の転動面60側に位置する(図20)。
【0081】
このように、ユーザは、必然的に上記ストッパー部材12の退避動作を行うことで、自ずと、足漕ぎ運動装置100の転動面60の裏面側にストッパー部材12を位置させることになる。したがって、足漕ぎ運動装置100の倒れ防止策を行うことを忘れるのを確実に防止できる。
なお、本実施形態において、バネの付勢力を利用しているため、左右及び上下方向が大きく傾いていてもよい。極端な例として、左右方向を上下方向に90°大きく傾ければ、上記実施形態1及び2にバネの付勢力を追加した構成と等価であり、この場合でもストッパー部材12は、元の位置に戻る。
【0082】
実施形態6
本実施形態において、図23に示す如く、ストッパー部材13は、本体部2の上端に、本体部2の外側の一端位置から本体部の内側の他端位置まで左右方向へスライド可能に設けられていてもよい。図23乃至図26は、本実施形態に係るストッパー部材の動作を説明するための模式図である。図23乃至図26において、左図が側面図であり、右図が正面図である。
【0083】
足漕ぎ運動装置100を本体部2内に立てた状態で収納する場合、ユーザは、転動面60の取手部61を持ち上げ、足漕ぎ運動装置100の後端を、支持部21を中心に前方へ揺動させる。このとき、ストッパー部材13の先端が足漕ぎ運動装置100の他端のペダル部50に当たる。このため、ユーザは、ストッパー部材13を一端位置にスライドさせストッパー部材13を退避した状態にした後(図23)、足漕ぎ運動装置100の後端を、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4に当接する位置まで、揺動させる。
【0084】
この状態で、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが揺動中心位置Xよりも前側に位置していることで、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60が、その重力の作用により前方へ倒れ込み、第2支持部4に当接する状態を維持する。しかし、このように、足漕ぎ運動装置100の転動面60を、その重力の作用により第2支持部4に立てかけた状態だけでは、足漕ぎ運動装置100が不安定であり倒れてくる可能性がある。
【0085】
これに対し、ユーザが、上記持ち上げ退避した状態のストッパー部材13を解放すると、ストッパー部材13は、ストッパー部材13に設けられたバネなどによる付勢力によってスライドし他端位置に戻り、ストッパー部材13は回転機構20の他端の転動面60の裏側に位置する(図24)。
【0086】
このように、足漕ぎ運動装置100を立てた状態で本体部2内に収納したときに、第2支持部4は、足漕ぎ運動装置100の他端の転動面60に当接することでその転動面60の表面を支持しつつ、ストッパー部材13は足漕ぎ運動装置100の転動面60の裏面側に位置する。すなわち、第2支持部4とストッパー部材13とが足漕ぎ運動装置100の転動面60を表裏から挟み込むようにして、安定的に支持している。
【0087】
これにより、通常は、第2支持部4が足漕ぎ運動装置100の転動面60を、その重力の作用により支持する。そして、仮に、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4から離れ、足漕ぎ運動装置100が後方へ倒れてきた場合でも、ストッパー部材13が回転機構20の他端の転動面60に引っ掛かる(図25)。
【0088】
そして、この状態でも、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが揺動中心位置Xよりも前側に位置しているので、その重力の作用により、足漕ぎ運動装置100の転動面60は、第2支持部4に当接する位置まで自ずと戻る。このようにして、足漕ぎ運動装置100の倒れ防止策を確実に図ることができる。
【0089】
続いて、上述のストッパー部材13を用いて倒れ防止策の忘れを防止する方法について詳細に説明する。
【0090】
足漕ぎ運動装置100を本体部2内に立てた状態で収納する場合、足漕ぎ運動装置100の後端を、支持部21を中心に前方へ揺動させると、上述の如く、ストッパー部材13が足漕ぎ運動装置100の他端のペダル部50に当接する(図26)。
【0091】
このとき、図26に示す如く、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが、足漕ぎ運動装置100の揺動中心位置Xよりも後側に位置している。
【0092】
このように、足漕ぎ運動装置100の重心位置Gが、足漕ぎ運動装置100の揺動中心位置Xよりも後側に位置している場合、ユーザが足漕ぎ運動装置100から手を離すと、足漕ぎ運動装置100は立った状態を維持できず、後側へ倒れようとする。これにより、ユーザは、足漕ぎ運動装置100を立てた状態にできず、上記ストッパー部材13による倒れ防止策を行うことを忘れていることに気付くことになる。すなわち、ユーザは、足漕ぎ運動装置100は立った状態にするために、必然的に、ストッパー部材13をスライドさせストッパー部材13を退避させた状態にすることとなる(図23)。
【0093】
ユーザは、この退避状態で、足漕ぎ運動装置100の他端を、足漕ぎ運動装置100の転動面60が第2支持部4に当接する位置まで揺動させ、退避状態のストッパー部材13を解放する。ストッパー部材13は、付勢力によりスライドし、回転機構20の他端の転動面60側に位置する(図24)。
【0094】
このように、ユーザは、必然的に上記ストッパー部材13の退避動作を行うことで、自ずと、足漕ぎ運動装置100の転動面60の裏面側にストッパー部材13を位置させることになる。したがって、足漕ぎ運動装置100の倒れ防止策を行うことを忘れるのを確実に防止できる。
なお、本実施形態において、バネの付勢力を利用しているため、左右及び上下方向が大きく傾いていてもよい。極端な例として、左右方向を上下方向に90°大きく傾ければ、上記実施形態1及び2にバネの付勢力を追加した構成と等価であり、この場合でもストッパー部材13は、元の位置に戻る。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1 固定装置、2 本体部、3 第1支持部、4 第2支持部、5 ストッパー部材、6 第1当接部材、7 第2当接部材、8 第3支持部、10 着座部、20 回転機構、21 支持部、23 回転軸、25 車輪、30 リンク、31 車輪、32 プレート部材、33 クランプ部、40 クランク、50 ペダル部、51 下側ストッパー、52 下側ストッパー、60 転動面、61 取手部、100 足漕ぎ運動装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26