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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】操舵装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 6/00 20060101AFI20241126BHJP
   B62D 5/06 20060101ALI20241126BHJP
   B62D 5/04 20060101ALI20241126BHJP
   B62D 117/00 20060101ALN20241126BHJP
   B62D 119/00 20060101ALN20241126BHJP
【FI】
B62D6/00
B62D5/06 Z
B62D5/04
B62D117:00
B62D119:00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021101018
(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公開番号】P2023000282
(43)【公開日】2023-01-04
【審査請求日】2024-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】永野 貴宣
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-001241(JP,A)
【文献】特開2015-223875(JP,A)
【文献】特開2020-011585(JP,A)
【文献】特開2018-199451(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0270480(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 6/00 - 6/10
B62D 5/00 - 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
転舵輪を転舵する転舵機構と、
前記転舵機構と操舵軸体を介して接続され、前記転舵機構に第一トルクを付与する駆動装置と、
前記転舵機構にアシスト力を付与する油圧機構と、
前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記転舵機構に付与される前記第一トルクを含むトルクに関するトルク情報、および前記操舵軸体の実角加速度に関する角加速度情報を取得する情報取得部と、
取得したトルク情報に基づき前記操舵軸体の実角加速度に対応する推定角加速度を導出する角加速度推定部と、
前記操舵軸体の実角加速度、および前記推定角加速度に基づいて前記油圧機構の異常を検出する異常検出部と、を備える
操舵装置。
【請求項2】
前記情報取得部が取得するトルク情報は、前記第一トルク、および運転者の操作により前記操舵軸体に付与される第二トルクを含む
請求項1に記載の操舵装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記異常検出部が異常を検出した場合、異常検出する前より強いトルクが発生するように前記駆動装置を制御する強化モードに切り替わる駆動制御部を備える
請求項1または2に記載の操舵装置。
【請求項4】
前記駆動制御部は、
前記異常検出部の異常検出から所定の期間経過後に、強化モードを終了する
請求項3に記載の操舵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧機構により転舵力の一部が付与される転舵機構を備えた操舵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、転舵機構に対して補助力を付与するために、電動パワーステアリング装置と、油圧パワーステアリング装置とが設けられたパワーステアリング装置が存在している。
【0003】
例えば特許文献1に記載される電動パワーステアリング装置、および油圧パワーステアリング装置が設けられたパワーステアリング装置は、車速に応じて電動パワーステアリング装置が担う補助トルクと油圧パワーステアリング装置が担う補助トルクとを分配している。また、転舵角に応じたハンドル戻しアシスト量をマップから演算し、アシスト制御量に応じた制御電流になるように電動パワーステアリングを制御してハンドル戻し制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-213094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、油圧パワーステアリングの異常発生を検出することは甚だ困難である。例えば、運転者がステアリングホイールを操作する際のトルクを測定するトーションバーのねじれ量から油圧パワーステアリングの異常発生を検出することが試みられているが、異常発生を検出するためにはトーションバーのばね定数を大きくしなければならないという制約があり、実機に採用しうるトーションバーを選定することは困難である。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、油圧機構の異常発生を容易に検出することができる操舵装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の1つである操舵装置は、転舵輪を転舵する転舵機構と、前記転舵機構と操舵軸体を介して接続され、前記転舵機構に第一トルクを付与する駆動装置と、前記転舵機構にアシスト力を付与する油圧機構と、前記駆動装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記転舵機構に付与される前記第一トルクを含むトルクに関するトルク情報、および前記操舵軸体の実角加速度に関する角加速度情報を取得する情報取得部と、取得したトルク情報に基づき前記操舵軸体の実角加速度に対応する推定角加速度を導出する角加速度推定部と、前記操舵軸体の実角加速度、および前記推定角加速度に基づいて前記油圧機構の異常を検出する異常検出部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、油圧機構の異常発生を容易に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】操舵装置を備えるステアリングシステムを模式的に表す図である。
図2】操舵装置の機能構成を示すブロック図である。
図3】実際の伝達関数F1(s)を示す図である。
図4】操舵装置を備えるステアリングシステムの別例を模式的に表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る操舵装置の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するために一例を挙示するものであり、本発明を限定する主旨ではない。例えば、以下の実施の形態において示される形状、構造、材料、構成要素、相対的位置関係、接続状態、数値、数式、方法における各段階の内容、各段階の順序などは、一例であり、以下に記載されていない内容を含む場合がある。また、平行、直交などの幾何学的な表現を用いる場合があるが、これらの表現は、数学的な厳密さを示すものではなく、実質的に許容される誤差、ずれなどが含まれる。また、同時、同一などの表現も、実質的に許容される範囲を含んでいる。
【0011】
また、図面は、本発明を説明するために適宜強調、省略、または比率の調整を行った模式的な図となっており、実際の形状、位置関係、および比率とは異なる。
【0012】
また、以下では複数の発明を一つの実施の形態として包括的に説明する場合がある。また、以下に記載する内容の一部は、本発明に関する任意の構成要素として説明している。
【0013】
図1は、操舵装置を備えるステアリングシステムを模式的に表す図である。ステアリングシステム200は、目標舵角に応じて転舵輪220を転舵し、ステアリングシステム200が搭載される車両の走行方向を操作するシステムである。ステアリングシステム200は、操舵装置100と、操作入力手段210と、自動制御装置250と、を備えている。
【0014】
操作入力手段210は、ステアリングホイール等の操作部材211を運転者が操作し、運転者が意図する目標舵角を出力する装置である。本実施の形態の場合、図1に示すように、操作入力手段210は、操作部材211と、操作軸体212と、目標舵角検出手段213と、を備えている。なお、操作入力手段210は、さらに、トルク検出装置、反力装置などを備えても構わない。
【0015】
操作軸体212は、操作部材211に機械的に連結され、操作部材211の操作に応じて回転する棒状の部材である。本実施の形態の場合、操作軸体212は、反力手段に接続され、操作部材211を操作する運転者に対し運転状態に応じた操舵感覚などを付与する反力が加えられる。
【0016】
操作軸体212と転舵機構150との接続態様は、特に限定されるものではない。例えば、操作軸体212は、操舵軸体119を介してピニオンシャフト151に機械的に連結されてもよく、また自動運転中においては、クラッチなどを用いて操作軸体212とピニオンシャフト151との機械的連結を切り離しても構わない。本実施の形態の場合、操作軸体212と転舵機構150とは機械的に連結されておらず、ステアリングシステム200は、いわゆるステア・バイ・ワイヤシステムとなっている。
【0017】
目標舵角検出手段213は、操作部材211の回転角を検出し目標舵角として出力する装置である。本実施の形態の場合、目標舵角検出手段213は、操作軸体212の回転を操作部材211の回転として検出している。目標舵角検出手段213の種類は、特に限定されるものではないが、例えばレゾルバ、ロータリーエンコーダなどを例示できる。
【0018】
自動制御装置250は、ステアリングシステム200が搭載されている車両を自動運転するためのECU(Electronic Control Unit)の1つである。本実施の形態の場合、自動制御装置250は、車両外部の障害物、道路上の白線、信号などに関する情報を、例えばカメラ251、レーザーライダー252などのセンサから取得し、取得した情報に基づき自動運転に対応した目標舵角を逐次生成して操舵装置100の制御装置130に出力する。
【0019】
操舵装置100は、目標舵角に基づいて転舵輪220を転舵し、車両を走向する装置であり、転舵機構150と、駆動装置110と、油圧機構140と、制御装置130と、を備えている。
【0020】
転舵機構150は、転舵輪220を転舵させるための機構である。転舵機構150は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、ラック・アンド・ピニオンが採用されている。具体的に転舵機構150は、ピニオンシャフト151と、ラックシャフト152と、タイロッド153と、を備えている。
【0021】
ピニオンシャフト151は、ラックシャフト152に設けられたラックと噛合うピニオンを備えた棒状の部材である。ピニオンシャフト151は、操舵装置100に連結されており、駆動装置110からトルクが付与されて回転し、ラックシャフト152の軸方向にラックシャフト152を移動させる。
【0022】
ラックシャフト152は、外周面の一部にピニオンシャフト151と噛み合うラックが設けられ、ピニオンシャフト151の回転を、ラックシャフト152の軸方向の移動量に変換し、タイロッド153を介して転舵輪220を旋回させる部材である。ラックシャフト152には、油圧機構140が接続されており、油圧によって転舵輪220を転舵するためのアシスト力が付与される。ラックシャフト152は、車体に取り付けられたラックハウジング内に収容され、ラックハウジングによりラックシャフト152の移動が案内されている。
【0023】
駆動装置110は、転舵機構150に操舵軸体119を介して接続され、転舵機構150に第一トルクを付与する装置である。駆動装置110の構成は、特に限定されるものではないが、本実施形態の場合、駆動装置110は、電動モータ111と、減速機112と、を備え、電動モータ111の出力軸体(不図示)は、減速機112を介して操舵軸体119に連結されている。駆動装置110が転舵機構150に付与するトルクである第一トルクは、正常な状態の油圧機構140が転舵機構150に付与するアシスト力よりもかなり小さい。例えば、転舵輪220を転舵させる力のほとんどは油圧転舵力であり、第一トルクは、転舵輪220の舵角、および転舵方向を制御するための制御力として転舵機構150に伝達される程度である。
【0024】
本実施の形態の場合、駆動装置110は、回転角検出手段113を備えている。本実施の形態の場合、回転角検出手段113は、電動モータ111の出力軸の回転角を検出し、検出回転角として出力する装置である。回転角検出手段113の種類は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、回転角検出手段113は、電動モータ111の出力軸と共に回転する主歯車と、主歯車に噛み合う径の異なる二つの従動歯車とを備え、従動歯車にそれぞれ備えられた永久磁石の回転をホール素子などで検出することにより出力軸の回転角度ばかりでなく回転方向も検出できるものとなっている。
【0025】
油圧機構140は、ピニオンシャフト151の回転角などに応じて油圧を調整し、ラックシャフト152にラックシャフト152の軸方向の力をアシスト力として付与する。油圧機構140は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、パワーシリンダ141と、ロータリーバルブ142と、オイルポンプ143と、リザーバタンク144とを備えている。
【0026】
パワーシリンダ141は、ピストン145によって二つの空間に隔てられたシリンダ146を備え、二つの空間のそれぞれに充填された油の油圧が調整されることによりピストン145がラックシャフト152の軸方向に移動する。ピストン145は、ラックシャフト152に連結されており、ピストン145からラックシャフト152に移動方向の力が付与される。
【0027】
ロータリーバルブ142は、ピストン145によって隔てられた二つの空間にそれぞれ供給される油圧を調整する装置である。ロータリーバルブ142の構造は、特に限定されるものではないが、本実施の形態の場合、ピニオンシャフト151と操舵装置100との間の操舵軸体119に介在配置されるトーションバー(不図示)を備えている。ロータリーバルブ142は、トーションバーの捩れによって生じる内側バルブと外側バルブとの相対移動に応じ、オイルポンプ143から圧送される油を、ピストン145によって隔てられた二つの空間の一方に供給する量を調整すると共に、他方の空間の余剰油をリザーバタンク144に還流する量を調整することにより、ピストン145の動作を制御している。
【0028】
図2は、制御装置の機能構成を示すブロック図である。制御装置130は、目標舵角に応じた出力軸の回転角となるように駆動装置110を制御する装置であり、ECUの1つである。また、制御装置130は、油圧機構140の状態を常時監視し、異常の発生を検出する。制御装置130は、プログラムを実行することにより実現する処理部として、情報取得部131と、角加速度推定部132と、異常検出部133と、駆動制御部134と、を備えている。
【0029】
情報取得部131は、転舵機構150に付与されるトルクに関するトルク情報、および操舵軸体119の実角加速度に関する角加速度情報を取得する処理部である。トルク情報の取得先は、特に限定されるものではなく、例えば専用のトルク検出装置を操舵軸体119に取り付けてもよい。本実施の形態の場合、情報取得部131は、油圧機構140のロータリーバルブ142に取り付けられているトーションバーのねじれ量に基づきトルク情報を取得している。これにより、専用のトルク検出装置を設ける必要がなく、操舵装置100の部品点数を抑制し、組み立て効率の向上を図ることができる。
【0030】
加速度情報の取得先は、特に限定されるものではなく、例えば操舵軸体119に取り付けられた専用の角加速度検出装置から操舵軸体119の実角加速度を取得してもよい。本実施の形態の場合、情報取得部131は、駆動装置110が備える回転角検出手段113から電動モータ111の出力軸の検出回転角を角度情報として逐次取得する。情報取得部131は、取得した回転角度を用いて演算(例えば2度の時間微分)を行うことにより実角加速度を出力している。なお、本実施の形態の場合、電動モータ111の出力軸は、減速機112を介して操舵軸体119と連結されているため、情報取得部131は、減速機112の減速比を考慮して操舵軸体119の実角加速度を出力している。
【0031】
角加速度推定部132は、情報取得部131が取得したトルク情報に基づき操舵軸体119の角加速度に関する推定角加速度を導出する処理部である。角加速度推定部132が推定角加速度を導出する方法は、限定されるものではない。例えば、角加速度推定部132は、人工知能を用いて推定角加速度を導出してもかまわない。本実施の形態の場合、角加速度推定部132は、伝達関数を用いて推定角加速度を導出している。図3は、転舵輪が接続された操舵装置の実際の伝達関数F1(s)を示す図である。角加速度推定部132は、図3に示す実際の伝達関数を模した推定の伝達関数F2(s)を用いて推定角加速度を導出する。
【0032】
異常検出部133は、情報取得部131が出力した実角加速度、および角加速度推定部132が導出した推定角加速度に基づいて油圧機構140の異常を検出する処理部である。本実施の形態の場合、異常検出部133は、実角加速度と推定角加速度の差分が所定の閾値以上の場合、異常が発生したと検出する。
【0033】
駆動制御部134は、油圧機構140が正常な状態である通常モードにおいて、取得した目標舵角に基づき実際の転舵輪220の舵角が目標舵角に一致するようにPID制御などにより駆動装置110を制御する。本実施の形態の場合、駆動装置110は、異常検出部133が異常を検出した場合、異常検出する前より強いトルクが発生するように駆動装置110を制御する強化モードに切り替わる。強化モードとは、例えば、異常が発生していない状態の油圧機構140が転舵機構150のラックシャフト152に付与するアシスト力と同等、または匹敵するほどのトルクを駆動装置110に発生させるモードである。これにより、油圧機構140に以上が発生し、ラックシャフト152にアシスト力を付与できない状況においても駆動制御部134により転舵輪220の転舵し、車両を走向することが可能となる。
【0034】
なお、強化モードにおいては駆動装置110の電動モータ111を定格以上で動作させる場合があるため、駆動制御部134は、異常検出部133の異常検出から所定の期間経過後に、強化モードを終了し、駆動装置110の定格以上の動作を短時間で終了させる。所定の期間とは、例えば油圧機構140に異常が発生してから車両を路肩に安全に停止させることができる時間、カーブ走行中に油圧機構140に異常が発生した場合にカーブ走行を維持しながら車両を安全に停止させることができる時間等である。
【0035】
以上のステアリングシステム200に備えられた操舵装置100によれば、油圧機構140の異常検出のための専用のセンサなどを設けることなく、容易に油圧機構140の異常を検出することができる。
【0036】
また、操舵軸体119の実角加速度と推定角加速度を比較することにより、他のパラメータ、例えば角速度などで比較する場合に比べて正確に油圧機構140の異常を検出することができる。
【0037】
また、ステア・バイ・ワイヤ構造や、自動運転中においても油圧機構140の異常を検出することができる。
【0038】
また、油圧機構140の異常を検出した後に、強化モードにて駆動装置110を制御し転舵輪220を転舵させることにより、安全に車両を停車させるなどすることが可能となる。
【0039】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本発明に含まれる。
【0040】
例えば、図4に示すように、操舵軸体119と操作軸体212とが機械的に連結されることにより、運転者が操作部材211を操作した際の第二トルクが転舵機構150に付与されるトルクの一部として機械的に伝達されるステアリングシステム200であっても構わない。この場合、角加速度推定部132は、第二トルクに第一トルクを加えたトルクに基づいて推定角加速度を導出する。また、異常検出後の強化モードにおいて駆動制御部134は、異常が発生していない状態の油圧機構140が転舵機構150のラックシャフト152に付与するアシスト力と第二トルクに第一トルクを加えたトルクが同等、または匹敵するように駆動装置110を制御する。
【0041】
また、図4に示すように回転角検出手段113は、操舵軸体119の回転角度を直接検出するものでも構わない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、車両、特に、転舵輪の転舵に大きな力が必要な、大型車両、農業用車両、建設用車両などに利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
100…操舵装置、110…駆動装置、111…電動モータ、112…減速機、113…回転角検出手段、119…操舵軸体、130…制御装置、131…情報取得部、132…角加速度推定部、133…異常検出部、134…駆動制御部、140…油圧機構、141…パワーシリンダ、142…ロータリーバルブ、143…オイルポンプ、144…リザーバタンク、145…ピストン、146…シリンダ、150…転舵機構、151…ピニオンシャフト、152…ラックシャフト、153…タイロッド、200…ステアリングシステム、210…操作入力手段、211…操作部材、212…操作軸体、213…目標舵角検出手段、220…転舵輪、250…自動制御装置、251…カメラ、252…レーザーライダー
図1
図2
図3
図4