(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241126BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2021126766
(22)【出願日】2021-08-02
【審査請求日】2023-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長田 祐
(72)【発明者】
【氏名】中村 俊洋
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-060563(JP,A)
【文献】特開2000-131085(JP,A)
【文献】特開2019-082753(JP,A)
【文献】特開2009-244142(JP,A)
【文献】特開2009-241804(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータで走行が可能な車両を含む互いに種類の異なる複数の車両の運行指令を、前記電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報に基づいて生成すること、
を実行する制御部を有する情報処理装置
であって、
前記運行指令は、前記複数の車両の夫々の駆動源の選択に関する情報を含む、
情報処理装置。
【請求項2】
複数のルート
と複数の車両との組み合わせを決定すること
、及び
決定した前記複数のルートと前記複数の車両との組み合わせに基づいて、前記複数の車両の夫々について
走行するルートを生成するこ
と、
を実行する
制御部を有する情報処理装置であって、
前記複数の車両は、電動モータで走行が可能な車両を含み、
前記制御部は、前記電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報に基づいて前記ルートを生成する、
情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記複数のルートのうち前記所定の領域を通過するルートには、前記複数の車両のうち前記電動モータで走行が可能な車両を組み合わせるように、前記複数のルートと前記複数の車両との組み合わせを決定する、
請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記複数の車両は、駆動源として前記電動モータのみを有する電気自動車と、駆動源として前記電動モータ及び内燃機関を有するハイブリッド自動車と、を含み、
前記制御部は、前記所定の領域を通行するルートには、前記ハイブリッド自動車よりも前記電気自動車を優先的に組み合わせる、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
電動モータで走行が可能な車両を含む互いに種類の異なる複数の車両
夫々の走行するルートを、前記電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域
に関する情報に基づいて生成すること、
を実行する制御部を有する情報処理装置
であって、
前記ルートは、前記所定の領域を迂回するルートを含み、
前記制御部は、前記複数の車両のうち、前記所定の領域を通行するルートを走行可能な車両が存在しない場合に、前記所定の領域を迂回するルートを、前記所定の領域を前記電動モータで走行ができない車両に割り当てる、
情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記所定の領域を迂回するルートを走行する車両に乗るユーザに対してインセンティブを付与する、
請求項
5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
電動モータで走行が可能な車両を含む互いに種類の異なる複数の車両の運行指令を、前記電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報に基づいて生成すること、
を実行する制御部を有する情報処理装置
であって、
前記運行指令には、前記電動モータへ電力を供給するバッテリの充電計画を含む、
情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記所定の領域内を前記複数の車両が走行するときに必要な電力量、及び、前記所定の領域外を前記複数の車両が走行するときに必要な電力量に基づいて、前記複数の車両の夫々について前記充電計画を生成する、
請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記複数の車両は、駆動源として前記電動モータを有する車両と、駆動源として内燃機関を有する車両と、を含む、
請求項1
から8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記所定の領域に関する情報および地図情報を記憶する記憶部を有する、
請求項1から
9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが、
電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報を受信すること
、及び
前記電動モータで走行が可能な車両を含む互いに種類の異なる複数の車両の運行指令を前記所定の領域に関する情報に基づいて生成するこ
と、
を実行する情報処理方法
であって、
前記運行指令は、前記複数の車両の夫々の駆動源の選択に関する情報を含む、
情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータが、
複数のルート
と複数の車両との組み合わせを決定すること
、及び
決定した前記複数のルートと前記複数の車両との組み合わせに基づいて、前記複数の車両の夫々について
走行するルートを生成するこ
と、
を実行する
情報処理方法であって、
前記複数の車両は、電動モータで走行が可能な車両を含み、
前記ルートを生成することは、前記電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報に基づいて行われる、
情報処理方法。
【請求項13】
前記コンピュータが、
前記複数のルートのうち前記所定の領域を通過するルートには、前記複数の車両のうち前記電動モータで走行が可能な車両を組み合わせるように、前記複数のルートと前記複数の車両との組み合わせを決定する、
請求項
12に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記複数の車両は、駆動源として前記電動モータのみを有する電気自動車と、駆動源として前記電動モータ及び内燃機関を有するハイブリッド自動車と、を含み、
前記コンピュータが、
前記所定の領域を通行するルートには、前記ハイブリッド自動車よりも前記電気自動車を優先的に組み合わせる、
請求項
13に記載の情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータが、
電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報を受信すること
、及び
前記電動モータで走行が可能な車両を含む互いに種類の異なる複数の車両
夫々の走行するルートを前記所定の領域に関する情報に基づいて生成するこ
と、
を実行する
情報処理方法であって、
前記ルートは、前記所定の領域を迂回するルートを含み、
前記コンピュータは、前記複数の車両のうち、前記所定の領域を通行するルートを走行可能な車両が存在しない場合に、前記所定の領域を迂回するルートを、前記所定の領域を前記電動モータで走行ができない車両に割り当てる、
情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータが、
電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報を受信すること
、及び
前記電動モータで走行が可能な車両を含む互いに種類の異なる複数の車両の運行指令を前記所定の領域に関する情報に基づいて生成するこ
と、
を実行する情報処理方法
であって、
前記運行指令には、前記電動モータへ電力を供給するバッテリの充電計画を含む、
情報処理方法。
【請求項17】
前記複数の車両は、駆動源として前記電動モータを有する車両と、駆動源として内燃機関を有する車両と、を含む、
請求項
11から16の何れか1項に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の利用者のスケジュール情報と、および複数の利用者のうち少なくとも一部の利用者の相互関係を示す属性情報とに基づいて、自動運転車両の運行スケジュールを決定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、走行可能な車種が制限される地域を含む場合に、より適切に配車を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
電動モータで走行が可能な車両を含む互いに種類の異なる複数の車両の運行指令を、前記電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報に基づいて生成すること、
を実行する制御部を有する情報処理装置である。
【0006】
本開示の態様の一つは、
コンピュータが、
電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報を受信することと、
前記電動モータで走行が可能な車両を含む互いに種類の異なる複数の車両の運行指令を前記所定の領域に関する情報に基づいて生成することと、
を実行する情報処理方法である。
【0007】
また、本開示の他の態様は、上記の情報処理装置における処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、このプログラムを非一時的に記憶した記憶媒体である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、走行可能な車種が制限される地域を含む場合に、より適切に配車を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係るシステムを構成する車両、サーバ、及び、ユーザ端末のそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】第一ルートと所定の領域との関係を説明するための図である。
【
図5】ユーザ情報DBに格納されるユーザ情報のテーブル構成を例示した図である。
【
図6】車両情報DBに格納される車両情報のテーブル構成を例示した図である。
【
図9】第1実施形態に係る配車処理のフローチャートである。
【
図10】
図9のステップS105において実行されるルートと車両との組み合わせを生成する処理のフローを示したフローチャートである。
【
図11】迂回ルートについて説明するための図である。
【
図12】
図9のステップS105において実行されるルートと車両との組み合わせを生成する処理のフローを示したフローチャートである。
【
図13】第3実施形態に係るサーバの機能構成を例示した図である。
【
図14】消費電力量情報DBに格納される消費電力情報のテーブル構成を例示した図である。
【
図15】第3実施形態に係る充電計画の生成処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様の一つである情報処理装置は、制御部を有する。制御部は、電動モータで走行が可能な車両を含む互いに種類の異なる複数の車両の運行指令を、電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域である所定の領域に関する情報に基づいて生成すること、を実行する。
【0011】
車両は、自律的に移動してもよく、運転者が運転することで移動してもよい。車両は、例えば、電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle)、燃料電池自動車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)、内燃機関のみで走行可能な車両(内燃機関自動車)などである。これらの車両は、互いに種類の異なる車両の一例である。また、BEV、PHEV、HEV、及び、FCEVは、電動モータで走行が可能な車両の一例である。また、内燃機関自動車は、電動モータで走行ができない車両の一例である。なお、バッテリの充電残量が少ないために内燃機関を駆動源として走行するPHEV及びHEVは、電動モータで走行ができない車両の一例といえる。
【0012】
ここで、例えば環境問題を解決するために車両の駆動源が制限される領域が設定される場合がある。例えば、排ガスを放出する内燃機関を駆動源とする車両の都市部への進入が禁止されることが考えられる。また、例えば、環境保全のために、内燃機関を駆動源とする車両の山間部への進入が禁止されることが考えられる。このように通行可能な車種に制限があり、電動モータで走行が可能な車両に限り通行が許される領域を所定の領域とする。なお、所定の領域は、ジオフェンシングのエリアとしてもよい。なお、BEV、PHEV、HEVは所定の領域を通行することができるが、そのときには駆動源を電動モータに設定して走行しなければならない。
【0013】
所定の領域に関する情報には、例えば、所定の領域を示す地図情報が含まれる。さらに、制御部は、複数の車両の運行指令を、所定の領域に関する情報に基づいて生成する。運行指令には、例えば、各車両のルートに関する情報が含まれる。制御部は、例えば、所定の領域を通行するルートには、所定の領域を通行可能な車両のみが組み合わさるように、ルートと車両との組み合わせを生成し、この組み合わせに応じて各車両が走行するように運行指令を生成する。
【0014】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。また、以下の実施形態は可能な限り組み合わせることができる。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るシステム1の概略構成を示す図である。システム1は、1台以上の車両10、サーバ30、及び、1台以上のユーザ端末40を含む。車両10は、例えば、電気自動車(BEV)10A、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)10B、ハイブリッド自動車(HEV)10C、及び、内燃機関自動車10Dを含む。BEV10Aは、駆動源として後述する電動モータのみを有する車両である。PHEV10Bは、商用電源からバッテリを充電可能なハイブリッド車両であり、駆動源として電動モータ及び後述する内燃機関を有する車両である。HEV10Cは、商用電源から充電することができないハイブリッド車両であり、駆動源として電動モータ及び内燃機関を有する車両である。なお、BEV10A、PHEV10B、及び、HEV10Cは、減速時の回生によるバッテリの充電も可能である。また、内燃機関自動車10Dは、駆動源として内燃機関のみを有する車両である。
【0016】
なお、
図1では、例示的に4種類の車両10を記載しているが、他の種類の車両(例えば燃料電池自動車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle))を含んでいてもよい。また、
図1に示した全ての種類の車両10を有する必要はない。また、
図1では、各種類の車両10を1台ずつ図示しているが、これらの車両10は夫々複数存在し得る。以下において、車両10の種類を区別しない場合には、単に車両10という。車両10は、自律走行可能な車両であってもよく、運転者による手動走行可能な車両であってもよい。また、車両10は、ライドシェアに利用される車両、または、タクシーに利用される車両であってもよい。車両10は、1つの事業者が所持する複数の車両であってもよい。以下では、車両10を自律走行可能な車両として説明する。
【0017】
ユーザ端末40は、例えば、ライドシェアまたはタクシーを利用するユーザが所持する端末である。ユーザは、ユーザ端末40を利用して、サーバ30にライドシェアまたはタクシーの利用を依頼する。サーバ30はユーザからライドシェアまたはタクシーの利用の依頼を受けると、車両10の選定及びルートの生成を行う。
【0018】
車両10、サーバ30、及び、ユーザ端末40は、ネットワークN1によって相互に接続されている。ネットワークN1は、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網でありWAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。また、ネットワークN1は、携帯電話等の電話通信網、または、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。
【0019】
第1実施形態に係るシステム1は、電動モータによる走行に限り許可される所定の領域を含む地域において配車を行うときに、所定の領域を通るルートには電動モータで走行可能な車両10を優先的に割り当てるシステムである。例えば、所定の領域を通るルートには、電動モータでのみ走行可能なBEV10Aを優先的に割り当てる。また、例えば、所定の領域を通るルートには、電動モータで走行可能なPHEV10B、または、HEV10Cを割り当て、所定の領域内では電動モータで走行するように駆動源を制限する。なお、所定の領域を通るルートとは、ルートの少なくとも一部が所定の領域内を通るルートである。
【0020】
以下、車両10、サーバ30、及び、ユーザ端末40の詳細なハードウェア構成を
図2に基づいて説明する。
図2は、本実施形態に係るシステム1を構成する車両10、サーバ30、及び、ユーザ端末40のそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0021】
車両10は、ECU50、通信部14、位置情報センサ15、環境情報センサ16、電動モータ17、バッテリ18、内燃機関19、及び、パワーインレット20を備えている
。なお、以下では、車両10が自律走行可能な車両であるものとして説明する。
【0022】
ECU50は、コンピュータの構成を有している。ECU50は、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、各制御部品を駆動して車両10を制御する。ECU50は、プロセッサ11、主記憶部12、及び、補助記憶部13を有する。これらは、バスにより相互に接続される。
【0023】
プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等である。プロセッサ11は、車両10を制御し、様々な情報処理の演算を行
う。主記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。補助記憶部13は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディス
クドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等である。補助記憶部
13には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。補助記憶部13に格納されたプログラムをプロセッサ11が主記憶部12の作業領域にロードして実行し、このプログラムの実行を通じて各構成部等が制御される。これにより、所定の目的に合致した機能をECU50が実現する。主記憶部12および補助記憶部13は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。なお、補助記憶部13に格納される情報は、主記憶部12に格納されてもよい。また、主記憶部12に格納される情報は、補助記憶部13に格納されてもよい。
【0024】
通信部14は、ネットワークN1経由で、サーバ30と通信を行う手段である。通信部14は、例えば、移動体通信サービス(例えば、5G(5th Generation)、4G(4th Generation)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)等の電話通信網
)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信網を利用して、ネットワークN1経由で他の装置(例えばサーバ30等)と通信を行うための回路である。
【0025】
位置情報センサ15は、所定の周期で、車両10の位置情報(例えば緯度、経度)を取得する。位置情報センサ15は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信部
、無線通信部等である。位置情報センサ15で取得された情報は、例えば、補助記憶部13等に記録され、サーバ30に送信される。
【0026】
環境情報センサ16は、車両10の状態をセンシングしたり、または、車両10の周辺をセンシングしたりする手段である。車両10の状態をセンシングするためのセンサとして、ジャイロセンサ、加速度センサ、または、方位角センサが挙げられる。車両10の周辺をセンシングするためのセンサとして、ステレオカメラ、レーザスキャナ、LIDAR、または、レーダなどが挙げられる。
【0027】
電動モータ17は、例えば三相の交流同期型のモータジュネレータである。電動モータ17は、バッテリ18からの電力供給を受けて車両10を駆動する電動機としての機能を有する。また、電動モータ17は、必要に応じて内燃機関19の出力を補助することもできる。また、電動モータ17は、内燃機関19から発生するエネルギを利用して発電したり、車両10の減速時に回生による発電をしたりできる。これにより、バッテリ18を充電可能である。なお、別法として、車両10を駆動する電動モータ17の他に、回生による発電を行う発電機を別途備えていてもよい。電動モータ17は、BEV10A、PHEV10B、及び、HEV10Cに搭載され、内燃機関自動車10Dには搭載されない。
【0028】
バッテリ18は、例えばニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池などの充放電可能な二次電池である。バッテリ18は、バッテリ18の充電電力を電動モータ17に供給して力行駆動することができるように、また、電動モータ1
7の発電電力をバッテリ18に充電できるように、インバータ等を介して電動モータ17に電気的に接続される。したがって、バッテリ18は、BEV10A、PHEV10B、及び、HEV10Cに搭載され、内燃機関自動車10Dには搭載されない。ただし、内燃機関自動車10Dには、例えばスタータ等を作動させるための小型のバッテリは搭載される。バッテリ18の蓄電容量は、BEV10Aが最も大きく、PHEV10B、HEV10Cの順に小さくなる。
【0029】
内燃機関19は、気筒内で燃料を燃焼させて、クランクシャフトに連結された出力軸を回転させるための動力を発生させる。内燃機関19の各気筒には、燃料を噴射する燃料噴射弁が備えられている。燃料噴射弁は、電線を介してECU50に接続されており、該ECU50により燃料噴射弁の開閉時期が制御される。燃料は、例えば、ガソリンまたは軽油である。内燃機関19は、PHEV10B、HEV10C、及び、内燃機関自動車10Dに搭載され、BEV10Aには搭載されない。
【0030】
パワーインレット20は、車両10の外部から電力の供給を受けるためのユニットである。この電力によりバッテリ18が充電される。パワーインレット20は、BEV10A、及び、PHEV10Bに搭載され、HEV10C、及び、内燃機関自動車10Dには搭載されない。
【0031】
次に、サーバ30のハードウェア構成について説明する。サーバ30は、コンピュータの構成を有している。サーバ30は、プロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33、及び、通信部34を有する。これらは、バスにより相互に接続される。プロセッサ31、主記憶部32、及び、補助記憶部33は、車両10のプロセッサ11、主記憶部12、及び、補助記憶部13と同様であるため、説明を省略する。なお、プロセッサ31は、制御部の一例である。また、主記憶部32または補助記憶部33は、記憶部の一例である。
【0032】
通信部34は、ネットワークN1経由で、車両10及びユーザ端末40と通信を行う手段である。通信部34は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード又は無線通信のための無線通信回路である。LANインターフェースボード又は無線通信回路は、ネットワークN1に接続される。
【0033】
次に、ユーザ端末40について説明する。ユーザ端末40は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、個人情報端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC)といった小型のコンピュータである。ユーザ端末40は、プロセッサ41、主記憶部42、補助記憶部43、入力部44、ディスプレイ45、通信部46、及び、位置情報センサ47を有する。これらは、バスにより相互に接続される。プロセッサ41、主記憶部42、補助記憶部43、通信部46、及び、位置情報センサ47については、車両10のプロセッサ11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14、及び、位置情報センサ15と同様であるため、説明を省略する。なお、位置情報センサ47で取得された情報は、例えば、補助記憶部43等に記録され、サーバ30に送信される。
【0034】
入力部44は、ユーザが行った入力操作を受け付ける手段であり、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード、または、押しボタン等である。ディスプレイ45は、ユーザに対して情報を提示する手段であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または、EL(Electroluminescence)パネル等である。入力部44及びディスプレイ45は、
1つのタッチパネルディスプレイとして構成してもよい。
【0035】
次に、サーバ30の機能について説明する。
図3は、サーバ30の機能構成を例示した図である。サーバ30は、機能構成要素として、乗車要求取得部301、車両情報取得部
302、ルート生成部303、配車部304、ユーザ情報DB311、車両情報DB312、及び、地図情報DB313を備える。サーバ30のプロセッサ31は、主記憶部32上のコンピュータプログラムにより、乗車要求取得部301、車両情報取得部302、ルート生成部303、及び、配車部304の処理を実行する。ただし、各機能構成素のいずれか、またはその処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0036】
ユーザ情報DB311、車両情報DB312、及び、地図情報DB313は、プロセッサ31によって実行されるデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶部33に記憶されるデータを管理することで構築される。ユーザ情報DB311、車両情報DB312、及び、地図情報DB313は、例えば、リレーショナルデータベースである。
【0037】
なお、サーバ30の各機能構成素のいずれか、またはその処理の一部は、ネットワークN1に接続される他のコンピュータにより実行されてもよい。
【0038】
乗車要求取得部301は、例えば、車両10を利用して移動を希望するユーザのユーザ端末40から乗車要求を取得する。乗車要求とは、ユーザの識別子(ユーザID)を含む情報であり、当該ユーザが、車両10の利用を要求するための情報である。乗車要求の生成は、ユーザ端末40において行われる。乗車要求には、ユーザID、出発地、目的地、利用時間などに関する情報(これらの情報を以下ではユーザ情報ともいう。)が含まれる。なお、出発地は、ユーザ端末40によって検出される現在地としてもよい。乗車要求取得部301は乗車要求を取得すると、乗車要求に含まれるユーザ情報を後述のユーザ情報DB311に格納する。
【0039】
車両情報取得部302は、車両10に関する情報を取得する。なお、以下では、車両10に関する情報を車両情報ともいう。車両情報は、例えば、車両10の現在地、目的地、車両種別、及び、ルートの夫々に関する情報を含む。車両10の現在地は、車両10から送信される位置情報に基づいて取得される。車両10の目的地およびルートは、乗車要求に応じてサーバ30により生成される。車両種別は、HEV、PHEV、BEV、内燃機関自動車などの種別を示す情報であり、例えば、サーバ30の管理者などによって入力される。車両情報取得部302は、車両情報を後述の車両情報DB312に格納する。
【0040】
ルート生成部303は、車両10のルートを生成する。ルート生成部303は、例えば、車両10が、基地から出発し、ユーザの出発地、及び、ユーザの目的地を経由して、基地に戻るように、ルートを生成する。なお、車両10の基地に代えて、車両10の現在地を、車両10の出発地としてもよい。ルートは、後述の地図情報DB313に格納されている地図情報に基づいて生成される。ルートは、車両10の移動距離が最短になるルート、または、車両10の移動時間が最短になるルート等の予め決められたルールにしたがったルートとなるように生成される。ルートの生成には周知の技術を用いることができる。
【0041】
そして、配車部304は、ルート生成部303が生成したルートと、車両10との組み合わせを行う。配車部304は、ルート生成部303が生成したルートのうち、所定の領域を通るルートを抽出する。このルートを第一ルートと称する。第一ルートは、複数存在し得る。第一ルートは、その少なくとも一部が所定の領域を通るルートであり、その全部が所定の領域を通るルートであってもよい。
【0042】
図4は、第一ルートと所定の領域との関係を説明するための図である。
図4において所定の領域の内外の境界線を破線で示している。破線で囲まれた内側の領域が所定の領域である。R1からR5は、車両10のルートを示している。各ルートの一端である車両10の出発地(例えば、基地)を三角で示しており、ユーザの出発地を丸で示しおり、各ルー
トの他端であるユーザの目的地を四角で示している。なお、車両10はユーザの目的地に到着した後は、往路と同じルートを通って車両10の出発地に戻るものとする。
【0043】
R1は、ユーザの出発地及びユーザの目的地が所定の領域外ではあるが、途中で所定の領域を通るルートである。R2は、ユーザの出発地は所定の領域外ではあるが、ユーザの目的地が所定の領域内であるために、所定の領域を通るルートである。R3は、ユーザの出発地は所定の領域内ではあるが、ユーザの目的地が所定の領域外のために、所定の領域を通るルートである。R4は、ユーザの出発地及びユーザの目的地が所定の領域内であるために、所定の領域を通るルートである。R5は、ユーザの出発地及びユーザの目的地が所定の領域外であり、途中でも所定の領域を通らないルートである。したがって、R1からR4は、所定の領域を通る第一ルートであり、R5は、所定の領域を通らないルートである。
【0044】
配車部304は、第一ルートに対しては、駆動源を電動モータ17とする車両10、すなわち、BEV10A、PHEV10B、及び、HEV10Cの何れかの車両10を組み合わせる。なお、このときに、BEV10Aの優先度を最も高くし、PHEV10B、HEV10Cの順に優先度を下げてもよい。これは、BEV10Aのバッテリ18の容量が最も大きく、PHEV10B、HEV10Cの順にバッテリ18の容量が小さくなることによる。例えば、第一ルートには、順にBEV10Aを組み合わせ、BEV10Aの台数分の第一ルートが決まったら、次に、PHEV10Bを組み合わせてもよい。その後、PHEV10Bの台数分の第一ルートが決まったら、次に、HEV10Cを第一ルートと組み合わせてもよい。
【0045】
なお、別法として、配車部304は、例えば、距離が長い第一ルートから順にBEV10Aを組み合わせ、BEV10Aの台数分の第一ルートが決まったら、次に、PHEV10Bを組み合わせてもよい。その後、PHEV10Bの台数分の第一ルートが決まったら、次に、HEV10Cを組み合わせてもよい。
【0046】
一方、所定の領域を通らないルートには、内燃機関自動車10Dを優先的に組み合わせてもよいし、BEV10A、PHEV10B、HEV10C、及び、内燃機関自動車10Dの中から任意の車両10を組み合わせてもよい。
【0047】
配車部304は、ルートと車両10との組み合わせを決定すると、各車両10に対し、ルート生成部303が生成したルートを含む運行指令を生成して送信する。運行指令には、ルート生成部303が生成したルートを、ユーザの利用時間に応じて走行する指令がふくまれる。
【0048】
ユーザ情報DB311は、前述の補助記憶部33にユーザ情報が格納されて形成されている。ここで、ユーザ情報DB311に格納されるユーザ情報の構成について、
図5に基づいて説明する。
図5は、ユーザ情報DB311に格納されるユーザ情報のテーブル構成を例示した図である。ユーザ情報DB311に格納される情報のテーブルは、ユーザID、出発地、目的地、及び、利用時間の各フィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザを特定するための識別情報(ユーザID)が入力される。ユーザIDは、乗車要求取得部301によってユーザ毎に付与される。出発地フィールドには、ユーザの出発地を示す情報が入力される。目的地フィールドには、ユーザの目的地を示す情報が入力される。利用時間フィールドには、ユーザが車両10を利用する日時に関する情報が入力される。これらの情報は、ユーザ端末40からサーバ30へ送信される。なお、出発地フィールドには、ユーザ端末40から送信される位置情報が入力されてもよい。また、出発地及び目的地は、例えば緯度及び経度で示されてもよく、住所若しくは建物の名称などによって示されてもよい。
【0049】
車両情報DB312は、補助記憶部33に車両10の移動に関する情報(車両情報)が格納されて形成されている。ここで、車両情報DB312に格納される車両情報の構成について、
図6に基づいて説明する。
図6は、車両情報DB312に格納される車両情報のテーブル構成を例示した図である。車両情報テーブルは、車両ID、現在地、目的地、ルート、所定領域、及び、車両種別の各フィールドを有する。車両IDフィールドには、車両を特定するための識別情報(車両ID)が入力される。現在地フィールドには、車両10の現在地を示す情報が入力される。目的地フィールドには、車両10が移動するときの最終的な目的地を示す情報が入力される。車両10が出発地に戻る場合には出発地と目的地とが同じ位置であってもよい。なお、別法として、目的地フィールドにユーザの目的地に関する情報を入力してもよい。この場合、ユーザの目的地に到着した車両10は、往路と同じルートで出発地に戻るようにしてもよい。車両10の現在地及び目的地は、例えば緯度及び経度で表される。ルートフィールドには、車両10のルートを示す情報が入力される。ルートフィールドには、配車部304が決定した組み合わせに応じたルートが入力される。ルートは、車両10が目的地フィールドに格納されている目的地まで移動するためのルートであり、ルート生成部303が生成したルートである。所定領域フィールドには、各車両10のルートが所定領域を通るか否か判別可能な情報が入力される。車両種別フィールドには、車両10の駆動源に応じた車両10の種別に関する情報が入力される。車両種別フィールドには、車両10が、BEV、PHEV、HEV、または、内燃機関自動車の何れであるか判別可能な情報が入力される。
【0050】
地図情報DB313には、地図情報として、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が格納されている。また、各道路に対応する制限速度等に関する情報、または、各道路の属性に関する情報が格納されていてもよい。また、地図情報には、所定の領域を判別可能な情報が格納されている。
【0051】
次に、ユーザ端末40の機能について説明する。
図7は、ユーザ端末40の機能構成を例示した図である。ユーザ端末40は、機能構成要素として、乗車要求生成部401を備える。ユーザ端末40のプロセッサ41は、主記憶部42上のコンピュータプログラムにより、乗車要求生成部401の処理を実行する。ただし、乗車要求生成部401の処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0052】
乗車要求生成部401は、例えば、ディスプレイ45に操作画面を出力し、ユーザによるユーザ端末40の入力部44への入力に応じて乗車要求を生成する。生成された乗車要求は、乗車要求生成部401によってサーバ30に送信される。乗車要求には、ユーザ情報(例えば、出発地、目的地、及び、利用時間)が含まれる。ユーザは、入力部44を介して、ユーザ情報を入力する。出発地は、ユーザが乗車を希望する地点である。目的地は、ユーザが降車を希望する地点である。利用時間は、ユーザが乗車を希望する日時である。なお、車両10が停車する地点が予め決まっている場合には、出発地及び目的地は、車両10が停車する地点から選択してもよい。また、車両10が時刻表にしたがって運行されている場合には、利用時間を時刻表にしたがって選択してもよい。乗車要求生成部401は、例えば、ユーザの入力に応じて乗車要求を生成してサーバ30に送信する。なお、乗車要求生成部401は、位置情報センサ47による取得される位置情報を出発地としてサーバ30へ送信してもよい。
【0053】
次に、車両10のECU50の機能について説明する。以下に説明する車両10は、自律走行車両である。
図8は、ECU50の機能構成を示した図である。ECU50は、機能構成要素として、運行計画生成部501、環境検出部502、走行制御部503、位置
情報送信部504、及び、地図情報DB511を有する。ECU50のプロセッサ11は、主記憶部12上のコンピュータプログラムにより、運行計画生成部501、環境検出部502、走行制御部503、及び、位置情報送信部504の処理を実行する。ただし、各機能構成素のいずれか、またはその処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。なお、ECU50の各機能構成要素のいずれか、またはその処理の一部は、ネットワークN1に接続される他のコンピュータにより実行されてもよい。
【0054】
地図情報DB511は、プロセッサ11によって実行されるデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶部13に記憶されるデータを管理することで構築される。地図情報DB511は、例えば、リレーショナルデータベースである。なお、地図情報DB511は、サーバ30の地図情報DB313と同様の機能を有する。
【0055】
運行計画生成部501は、サーバ30から運行指令を取得し、車両10の運行計画を生成する。当該運行指令には、車両10のルートに関する情報が含まれる。運行計画生成部501は、サーバ30から与えられた運行指令に基づいて、車両10のルートを算出し、そのルートを移動する運行計画を生成する。
【0056】
環境検出部502は、環境情報センサ16が取得したデータに基づいて、自律走行に必要な車両10の周囲の環境を検出する。検出の対象は、例えば、車線の数や位置、車両10の周囲に存在する他の移動体の数や位置、車両10の周囲に存在する障害物(例えば歩行者、自転車、構造物、建築物など)の数や位置、道路の構造、道路標識などであるが、これらに限られない。自律的な走行を行うために必要なものであれば、検出の対象はどのようなものであってもよい。例えば、環境情報センサ16がステレオカメラである場合には、それにより撮像された画像データを画像処理することで車両10の周囲の物体検出が行われる。環境検出部502が検出した、車両10の周囲環境に関するデータ(以下、環境データ)は、後述する走行制御部503へ送信される。
【0057】
走行制御部503は、運行計画生成部501が生成した運行計画と、環境検出部502が生成した環境データと、位置情報センサ15が取得した車両10の位置情報とに基づいて、車両10の自律的な走行を制御するための制御指令を生成する。例えば、走行制御部503は、所定の経路に沿って走行し、かつ、車両10を中心とする所定の安全領域内に障害物が進入しないように車両10を走行させるべく制御指令を生成する。生成された制御指令は、電動モータ17または内燃機関19などへ送信される。車両10を自律移動させるための制御指令の生成方法については、公知の方法を採用することができる。また、BEV10A、PHEV10B、HEV10C、及び、内燃機関自動車10Dの制御方法についても、公知の方法を採用することができる。
【0058】
また、走行制御部503は、運行指令にしたがって、所定の領域内では、電動モータ17で走行するように制御指令を生成する。このときに、PHEV10B、及び、HEV10Cでは、発電のための内燃機関19の作動も禁止する。また、PHEV10B、及び、HEV10Cでは、走行制御部503は、位置情報センサ15により検出される位置情報と、地図情報DB511に格納されている所定の領域に関する情報とに基づいて、車両10が所定の領域内に位置しているのか否か判定し、所定の領域内に位置している場合には、電動モータ17で走行するように制御指令を生成する。一方、車両10が所定の領域外に位置している場合には、走行条件に応じた駆動源が選択されるように制御指令を生成する。車両10が所定の領域外に位置している場合の制御指令は、従来と同様の制御指令としてもよい。
【0059】
位置情報送信部504は、位置情報センサ15から取得される位置情報を、通信部14
を介してサーバ30に送信する。位置情報送信部504が位置情報を送信するタイミングは適宜設定可能であり、例えば、定期的に送信してもよいし、何らかの情報をサーバ30に送信するタイミングに合わせて送信してもよし、サーバ30からの要求に応じて送信してもよい。位置情報送信部504は、車両IDとともに、位置情報をサーバ30に送信する。
【0060】
次に、サーバ30における配車処理について説明する。
図9は、第1実施形態に係る配車処理のフローチャートである。
図9に示した配車処理は、サーバ30において、所定の時間毎に実行される。
【0061】
ステップS101では、配車部304が、ユーザ端末40から乗車要求を受信しているか否か判定する。配車部304は、まだ車両10が組み合わされていない(すなわち、配車が行われていない)乗車要求が存在するか否か判定する。ステップS101で肯定判定された場合にはステップS102へ進み、否定判定された場合には本ルーチンを終了させる。
【0062】
ステップS102では、ルート生成部303が、ユーザ情報DB311からユーザ情報を読み込む。ステップS103においてルート生成部303が、各ユーザのユーザ情報に基づいて、各ユーザに対応するルートを生成する。ルート生成部303は、例えば、ユーザの出発地から目的地に最短距離または最短時間で移動するようにルートを生成する。ルートは、全てのユーザに対して生成される。なお、同じ車両10に複数のユーザが相乗りすることを前提としてルートを生成してもよい。
【0063】
ステップS104において配車部304は、車両情報DB312から車両情報を読み込む。ステップS105において配車部304は、ステップS103において生成された各ルートと、車両10との組み合わせを生成する。
【0064】
ここで、
図10は、
図9のステップS105において実行されるルートと車両10との組み合わせを生成する処理のフローを示したフローチャートである。ステップS201では、配車部304が、組み合わせループを実行する。組み合わせループは、ステップS103において生成された全てのルートに対する処理が完了するまで反復する。
【0065】
ステップS202では、配車部304が、対象のルートが所定の領域を通行するか否か判定する。配車部304は、対象のルートの各地点の座標と、地図情報DB313に格納されている所定の領域に関する情報とから、対象のルートの少なくとも一部が所定の領域内に位置するか否か判定する。ステップS202で肯定判定された場合にはステップS203へ進み、否定判定された場合にはステップS210へ進む。
【0066】
ステップS203では、配車部304が、BEV10Aに空きがあるか否か判定する。すなわち、所定の領域を通行する場合にBEV10Aを優先的に配車するために、まずはBEV10Aに空きがあるか否か判定している。ステップS203で肯定判定された場合にはステップS204へ進み、否定判定された場合にはステップS205へ進む。ステップS204では、配車部304が、対象のルートをBEV10Aと組み合わせる。
【0067】
一方、ステップS205では、配車部304が、PHEV10Bに空きがあるか否か判定する。すなわち、BEV10Aの次に優先度の高いPHEV10Bに配車するために、PHEV10Bに空きがあるか否か判定している。ステップS205で肯定判定された場合にはステップS206へ進み、否定判定された場合にはステップS207へ進む。ステップS206では、配車部304が、対象のルートをPHEV10Bと組み合わせる。
【0068】
ステップS207では、配車部304が、HEV10Cに空きがあるか否か判定する。すなわち、PHEV10Bに空きがない場合には、HEV10Cを配車するように、HEV10Cに空きがあるか否か判定している。ステップS207で肯定判定された場合にはステップS208へ進み、否定判定された場合にはステップS209へ進む。ステップS208では、配車部304が、対象のルートをHEV10Cと組み合わせる。
【0069】
ステップS209では、配車部304が、対象のルートに組み合わせる車両10がないと判定する。すなわち、所定の領域を通行する第一ルートであるにも関わらず、電動モータ17で走行可能な車両10に空きがないため、対象のルートに車両10を組み合わせることができない。この場合、車両10を組み合わせずに次のルートの処理に進む。
【0070】
一方、ステップS210では、配車部304が、内燃機関自動車10Dに空きがあるか否か判定する。すなわち、対象のルートが所定の領域を通行しないルートであるため、駆動源に制限がない。この場合、何れの車両10であっても組み合わせることができるが、電動モータ17を駆動源として走行可能な車両10は、所定の領域を通行する第一ルートに対して優先的に割り当てるために、本ステップS210では、所定の領域を通行できない内燃機関自動車10Dを組み合わせ可能か否か判定する。ステップS210で肯定判定された場合にはステップS211へ進み、否定判定された場合にはステップS205へ進む。なお、別法として、ステップS210で否定判定された場合には、ステップS203へ進んでもよく、ステップS207へ進んでもよい。さらに別法として、ステップS210で否定判定された場合には、HEV10C、PHEV10B、BEV10Aの順に空きがあるか否か判定してもよい。すなわち、所定の領域を通行する第一ルートの場合とは、優先度を逆にしてルートと車両10とを組み合わせてもよい。
【0071】
ステップS211では、配車部304が、対象のルートを内燃機関自動車10Dと組み合わせる。このようにして、ルートと車両10との組み合わせを生成する。
【0072】
図9に戻り、ステップS106において配車部304は、生成した組み合わせに基づいて、各車両10が対応するルートを走行するように、各車両10の運行指令を生成する。運行指令は車両10毎に生成される。なお、PHEV10B及びHEV10Cの駆動源が切り替わる地点に関する情報を運行指令に含めてもよい。例えば、PHEV10B及びHEV10Cが、所定の領域外から所定の領域内に入るときに、駆動源を電動モータ17に強制的に切り替えるように指令を生成してもよい。
【0073】
ステップS107において配車部304は、ステップS106で生成した運行指令を各車両10へ送信する。運行指令を受信した各車両10では、運行指令にしたがって運行計画が生成される。そして、ステップS108において配車部304は、ユーザ端末40に対して、車両10に関する情報を通知する。例えば、車両10のナンバー、色、種別、または、特徴などをユーザに知らせるための情報が送信される。この通知を受信したユーザ端末40では、ディスプレイ45に、車両10に関する情報を表示させる。なお、ステップS209において組み合わせる車両10がないと判定されている場合には、ユーザに車両10を手配できないことを通知してもよい。
【0074】
以上説明したように第1実施形態によれば、電動モータ17での走行に限り許される所定の領域には、電動モータ17で走行可能な車両10が優先的に配車されるため、適切な配車が可能となる。
【0075】
<第2実施形態>
第1実施形態では、所定の領域を走行する車両10を手配できない場合には、ユーザにその旨を通知して車両10を手配していない。一方、本第2実施形態では、所定の領域を
走行する車両10を手配できない場合には、所定の領域を迂回するルートを生成して、例えば、内燃機関自動車10Dを配車する。ハードウェアについては第1実施形態と同じため説明を省略する。
【0076】
ここで、
図11は、迂回ルートについて説明するための図である。R1は、
図4におけるR1と同じルートである。R1は、例えば移動距離が最短となるようにして生成されたルートである。一方、R11は、R1に対して所定の領域を通行しないようにルートを変更した迂回ルートである。このように、車両の出発地、ユーザの出発地、及び、ユーザの目的地が、何れも所定の領域内に位置しない場合には、迂回ルートを生成し得る。この場合、所定の領域を通行するルートに対して移動距離は増加し得るが、ユーザが目的地まで移動可能になる。
【0077】
ここで、
図12は、
図9のステップS105において実行されるルートと車両10との組み合わせを生成する処理のフローを示したフローチャートである。
図10と同じ処理が実行されるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
図12に示したフローチャートでは、ステップS207で否定判定された場合にステップS301へ進む。ステップS301では、配車部304が、対象のルートが第一ルートであるか否か判定する。ここで、ステップS210で否定判定された後では、所定の領域を迂回するルートを作る必要はなく、且つ、車両10が手配できないためユーザにその旨を通知する。したがって、ステップS301において肯定判定された場合にはステップS302へ進み、否定判定された場合にはステップS209へ進む。
【0078】
ステップS302では、ルート生成部303が、対象のルートに対応するユーザのユーザ情報に基づいて、迂回ルートを生成する。このときにルート生成部303は、所定の領域を迂回するルートを生成する。したがって、新たに生成される迂回ルートは、第一ルートには該当しない。なお、ステップS302において、ルート生成部303が、迂回ルートを生成できない場合もあり得る。例えば、車両の出発地、ユーザの出発地、または、ユーザの目的地の何れかが所定の領域内に位置している場合には、迂回ルートを生成することができない。このような場合には、迂回ルートを生成しなくてもよい。
【0079】
ステップS303において配車部304は、内燃機関自動車10Dに空きがあるか否か判定する。すなわち、新たな対象のルートが所定の領域を通行しないルートであるため、本ステップS303では、内燃機関自動車10Dを組み合わせ可能か否か判定する。なお、ステップS302において新ルートを生成できなかった場合には、本ステップS303で否定判定される。ステップS303で肯定判定された場合にはステップS304へ進み、否定判定された場合にはステップS209へ進む。
【0080】
ステップS304では、配車部304が、対象のルートを内燃機関自動車10Dと組み合わせる。このようにして、ルートと車両10との組み合わせを生成する。
【0081】
以上説明したように第2実施形態によれば、所定の領域を通行可能な車両10が存在しない場合には、所定の領域を迂回するルートを生成してルートと車両10との組み合わせを生成するため、ユーザが移動できなくなることを抑制できる。
【0082】
なお、迂回ルートを通る車両10で移動するユーザには、インセンティブを付与してもよい。これにより、迂回ルートを通る車両10にユーザが乗るときの不利益を解消することができる。インセンティブは、例えば、車両10の利用料金の割引であってもよい。また、インセンティブは、同じユーザが次回以降に車両10を利用するときに、乗車時間が短くなる車両10を優先的に割り当てることによって付与してもよい。インセンティブに関する情報は、例えば、ステップS304において配車部304が生成し、ステップS1
08においてユーザに対する通知と共にユーザ端末40へ送信する。
【0083】
<第3実施形態>
所定の領域を通る車両10は、所定の領域を通過するときに電動モータ17を駆動するために、その分の電力を予めバッテリ18に蓄えておく必要がある。第1実施形態では、バッテリ18の充電状態にかかわらず車両10とルートとを組み合わせているが、バッテリ18の充電量が少ない車両10を第一ルートと組み合わせると、所定の領域を通行している途中で電力不足になる虞がある。
【0084】
そこで第3実施形態では、バッテリ18の充電制御を含めて配車を行う。例えば、所定の領域外を20km走行し、所定の領域内を20km走行するルートをPHEV10BまたはHEV10Cが通行する場合に、所定の領域外を電動モータ17または内燃機関19を用いて走行するHEVモードで走行し、所定の領域内を電動モータ17のみで走行するBEVモードで走行するように運行指令が生成される。このときに、所定の領域外では、バッテリ18の全容量の例えば10%が消費され、所定の領域内では、バッテリ18の全容量の例えば30%が消費されると推定されると、車両10の出発前に、バッテリ18を全容量の10+30=40%以上まで充電しておくように充電計画を生成する。
【0085】
ルートと車両10との組み合わせは、第1実施形態と同様にして決定する。したがって、第3実施形態では、その後に各車両10が充電を行うように充電計画を生成する。
【0086】
図13は、第3実施形態に係るサーバ30の機能構成を例示した図である。サーバ30は、機能構成要素として、乗車要求取得部301、車両情報取得部302、ルート生成部303、配車部304、充電計画部305、ユーザ情報DB311、車両情報DB312、地図情報DB313、及び、消費電力量情報DB314を備える。充電計画部305、及び、消費電力量情報DB314以外の構成は第1実施形態と同じため説明を省略する。第3実施形態では、主に、充電計画部305、及び、消費電力量情報DB314について説明する。
【0087】
サーバ30のプロセッサ31は、主記憶部32上のコンピュータプログラムにより、充電計画部305の処理を実行する。ただし、その処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0088】
消費電力量情報DB314は、プロセッサ31によって実行されるデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶部33に記憶されるデータを管理することで構築される。消費電力量情報DB314は、例えば、リレーショナルデータベースである。
【0089】
図14は、消費電力量情報DB314に格納される消費電力情報のテーブル構成を例示した図である。消費電力量情報DB314に格納される情報のテーブルは、車両種別、所定の領域内の消費電力量、所定の領域外の消費電力量の各フィールドを有する。車両種別フィールドには、車両10の駆動源に応じた車両10の種別に関する情報が入力される。車両種別フィールドには、車両10が、BEV、PHEV、または、HEVの何れであるか判別可能な情報が入力される。所定の領域内の消費電力量フィールドには、車両種別の夫々に対応する、所定の領域内を走行した場合の単位距離当たりの消費電力量に関する情報が入力される。また、所定の領域外の消費電力量フィールドには、車両種別の夫々に対応する、所定の領域外を走行した場合の単位距離当たりの消費電力量に関する情報が入力される。
【0090】
所定の領域内の消費電力量、及び、所定の領域外の消費電力量は、例えば、車両10が
所定の走行条件(所定の速度及び所定の負荷としてもよい)で走行したと仮定して各車両10が走行する場合の単位距離当たりに消費する電力量である。所定の走行条件は、平均的な走行条件としてもよい。この電力量は、例えば、過去のデータに基づいて算出してもよい。なお、BEV10Aにおいては、所定の領域内の消費電力量と、所定の領域外の消費電力量とが同じであってもよい。
【0091】
また、PHEV10B及びHEV10Cにおいて所定の領域内の消費電力量は、電動モータ17のみで走行した場合の単位距離当たりの消費電力量の平均値としてもよい。一方、PHEV10B及びHEV10Cにおいて所定の領域外の消費電力量は、電動モータ17と内燃機関19との切り替えが平均的に行われた場合における単位距離当たりの消費電力量の平均値としてもよい。電動モータ17と内燃機関19との切り替えについては、例えば、過去のデータを用いる。
【0092】
充電計画部305は、各ルートについて所定の領域内の走行距離と、所定の領域外の走行距離とを、地図情報DB313に格納されている距離に関する情報に基づいて算出する。そして、各ルートと組み合わせられた車両10の種別と、消費電力量情報DB314に格納されている情報とに基づいて、所定の領域内の走行距離に所定の領域内の消費電量を乗算して、所定の領域内を走行するのに必要となる電力量を算出する。同様に、所定の領域外の走行距離に所定の領域外の消費電力量を乗算して、所定の領域外を走行するのに必要となる電力量を算出する。そして、所定の領域内を走行するのに必要となる電力量と、所定の領域外を走行するのに必要となる電力量との合計以上の電力量がバッテリ18に充電されるように、各車両10に対する指令を生成する。
【0093】
なお、上記説明では、平均的な消費電力量に基づいて各ルートで必要となる電力量を算出しているが、これに限らず、詳細に消費電力量を算出してもよい。例えば、車両10が所定の走行条件(所定の速度及び所定の負荷としてもよい)で走行したと仮定して各車両10が各ルートを走行する場合の単位距離当たりの消費電力量を算出してもよい。所定の走行条件は、ルート上の各道路の制限速度に応じて設定してもよく、過去に同じ道路を走行したときのデータに応じて設定してもよい。この場合、車両10が道路の制限速度で定常運転しているものと仮定してもよい。また、道路の属性(例えば、高速道路、幹線道路、住宅街、制限速度、上り坂、下り坂など)に応じて所定の速度を設定してもよい。ルートの途中で道路の属性が変わる場合には、道路の属性ごとの走行条件に基づいて、道路毎に単位距離当たりの消費電力量を算出してもよい。
【0094】
また、所定の領域外を走行するPHEV10BおよびHEV10Cは、例えば、走行条件に応じて内燃機関19が作動するものと仮定して単位距離当たりの消費電力量を算出してもよい。例えば、道路毎の走行条件のデータを取得して補助記憶部33に記憶しておき、この走行条件に応じて内燃機関19が作動するものと仮定して単位距離当たりの消費電力量を算出してもよい。走行条件のデータは、過去に同じ道路を走行した他の車両10のデータを蓄積しておき、例えば平均値を求めて利用してもよい。また、各道路の制限速度などから走行条件を推定してもよい。この場合、車両10が道路の制限速度で定常運転しているものと仮定してもよい。また、例えば、高速道路では、内燃機関19が作動するものと考えてもよい。
【0095】
次に、サーバ30における充電計画の生成処理について説明する。
図15は、第3実施形態に係る充電計画の生成処理のフローチャートである。
図15に示した配車処理は、サーバ30において、
図9に示したルーチンの完了後に実行される。
【0096】
ステップS401では、充電計画部305が、充電計画ループを実行する。充電計画ループは、
図9のステップS103において生成された全てのルートに対する処理が完了す
るまで反復する。ステップS402において充電計画部305は、対象のルートが所定の領域を通行するか否か判定する。ステップS402では、ステップS202と同じ処理が実行される。ステップS402で肯定判定された場合にはステップS403へ進み、否定判定された場合にはステップS406へ進む。
【0097】
ステップS403において充電計画部305は、対象のルートについて、所定の領域内及び所定の領域外の走行距離を算出する。充電計画部305は、対象のルートについて所定の領域内の走行距離と所定の領域外の走行距離とを地図情報DB313に格納されている距離に関する情報に基づいて夫々算出する。
【0098】
ステップS404において充電計画部305は、所定の領域内の走行に必要な電力量を算出する。充電計画部305は、対象のルートに対応する車両種別に基づいて、消費電力量情報DB314に格納されている所定の領域内の消費電力量を取得し、取得した所定の領域内の消費電力量をステップS403において算出した所定の領域内の走行距離に乗算することで、所定の領域内の走行に必要な電力量を算出する。
【0099】
ステップS405において充電計画部305は、所定の領域外の走行に必要な電力量を算出する。充電計画部305は、対象のルートに対応する車両種別に基づいて、消費電力量情報DB314に格納されている所定の領域外の消費電力量を取得し、取得した所定の領域内の消費電力量をステップS403において算出した所定の領域外の走行距離に乗算することで、所定の領域外の走行に必要な電力量を算出する。
【0100】
また、ステップS406において充電計画部305は、対象のルートについて、所定の領域外の走行距離を算出する。充電計画部305は、対象のルートについて所定の領域外の走行距離を地図情報DB313に格納されている距離に関する情報に基づいて算出する。
【0101】
また、ステップS407において充電計画部305は、所定の領域外の走行に必要な電力量を算出する。充電計画部305は、対象のルートに対応する車両種別に基づいて、消費電力量情報DB314に格納されている所定の領域外の消費電力量を取得し、取得した所定の領域内の消費電力量をステップS406において算出した所定の領域外の走行距離に乗算することで、所定の領域外の走行に必要な電力量を算出する。なお、対象のルートを走行する車両10が内燃機関自動車10Dの場合には、所定の領域外の走行に必要な電力量は0となる。
【0102】
ステップS408において充電計画部305は、充電指令を生成する。充電指令は、車両10に対して充電に関する命令を伝えるための情報である。充電計画部305は、所定の領域外の走行に必要な電力量と所定の領域内の走行に必要な電力量との合計以上の電力量をバッテリ18に充電するように充電指令を生成する。そして、ステップS409において充電計画部305は、生成した充電指令を対応する車両10へ送信する。
【0103】
以上説明したように本実施形態によれば、所定の領域を走行するときには予め車両10に所定の領域を走行するのに必要な電力が充電されるため、所定の領域内で電力が不足することを抑制できる。
【0104】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0105】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に
組み合わせて実施することができる。
【0106】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。例えば、車両10の機能の一部を、サーバ30が備えていてもよい。また、例えば、サーバ30の機能の一部または全部を、車両10が備えていてもよい。
【0107】
なお、上記の実施形態では、車両10を自律走行車両として説明したが、運転者が手動で運転する車両であっても同様に適用可能である。この場合、車両10がサーバ30から受信したルートを例えば車両10のディスプレイに表示させることで、ユーザを案内してもよい。また、ユーザ端末40がサーバ30からルートを受信して、ユーザ端末40のディスプレイ45にルートを表示させることで、ユーザを案内してもよい。
【0108】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0109】
1 システム
10 車両
30 サーバ
31 プロセッサ
32 主記憶部
33 補助記憶部
40 ユーザ端末