(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20240101AFI20241126BHJP
【FI】
B60K35/00
(21)【出願番号】P 2021163573
(22)【出願日】2021-10-04
【審査請求日】2024-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】久次 信輔
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】実開平5-044665(JP,U)
【文献】特開平11-268554(JP,A)
【文献】特開平11-288228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00-37/20
B60R 9/00-11/06
B60R 1/00- 1/04
B60R 1/08- 1/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認側に水平方向に張り出すバイザフード(11)の下面(11a)に支持されて、下側を向く表示面(111A)に画像を形成する表示部(110)と、
前記表示部と対面するように配置されて、前記画像の表示光を前記視認側に反射させる反射部(120)と、を備え、
前記画像を虚像(V)として表示する表示装置であって、
前記表示面には、前記視認側となる視認側端部(111c)から反対側となる反対側端部(111d)に向けて、所定寸法(h)を有して、所定の表示画像(I)を表示する所定表示エリア(111a)と、残りの領域であり、前記虚像に対応するメイン画像(G)を表示する虚像用表示エリア(111b)と、が形成されており、
前記所定表示エリアには、光学機能を有し、下側に張り出す目隠し部(130)が設けられており、
前記目隠し部は、内部反射させる反射面(131)によって、前記所定の表示画像の表示光を前記視認側に出射する表示装置。
【請求項2】
前記所定の表示画像は、警告灯、あるいは、アンビエント情報である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記目隠し部の断面形状は、三角形である請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、使用条件に応じて、前記虚像用表示エリアでの表示をオフとし、前記所定表示エリアのみの表示にする請求項1~請求項3のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項5】
前記反射面は、前記所定の表示画像を拡大させる拡大反射面である請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項6】
前記反射面の反射角度(θ3、θ4)は、前記視認側から見たときの左右方向において、異なる角度に設定された請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項7】
前記反射面に、反射ミラー(133)が設けられた請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項8】
前記反射面に、加飾材(134)が設けられた請求項1~請求項4のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項9】
前記目隠し部の前記視認側の面は、前記バイザフードと連続する意匠面(135)を有する請求項1~請求項8のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項10】
前記目隠し部の高さ方向寸法(h1、h2)は、前記視認側から見たときの左右方向において、異なる寸法に設定された請求項1~請求項9のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項11】
前記目隠し部において、前記所定の表示画像の表示光が出射される側に、偏光板(136)が設けられた請求項1~請求項10のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項12】
前記目隠し部は、特定周波数帯の光を透過する透過樹脂から形成された請求項1~請求項11のいずれか1つに記載の表示装置。
【請求項13】
前記所定表示エリアに、前記所定の表示画像の背景画像として、加飾画像(BI)が表示される請求項1~請求項12のいずれか1つに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の表示装置では、車両に搭載されており、メータフードの下面に水平姿勢となるように設けられた表示部と、この表示部に対して斜めに対面されて、表示部によって形成される画像の表示光を、視認者側に反射させる反射部と、を備えている。視認者は、反射部による反射画像を、反射部の奥側に形成される虚像として視認できるようになっている。
【0003】
特許文献1では、表示部の表示面が水平姿勢とされることから、表示面が立設される通常の場合に比べて、表示面に太陽光等の外光が直接当たりにくく、高い視認性が確保できる。加えて、特許文献1では、形成される虚像が、相対的に視認者から遠方位置となり、前方景色に対する視線移動や焦点調整を低減することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば、視認者のシートポジションが正しくない場合、あるいは、背もたれを倒して、視点が低くなる場合等では、メータフードの下面に配置される表示部が直接的に見えてしまうことがある。
【0006】
また、視認される虚像の中で、例えば、警告灯表示のように、メインの表示画像に対して相対的に小さな所定の表示画像については、通常、表示部が立設される場合の位置に対して、視認者の目から遠い位置となる、更に、メインの表示画像に溶け込みやすくなることから、見えづらくなる場合がある。
【0007】
本開示の目的は、上記問題に鑑み、表示部が直接的に見えないようにすると共に、相対的に小さな所定の表示画像の視認性を向上させることのできる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0009】
本開示では、視認側に水平方向に張り出すバイザフード(11)の下面(11a)に支持されて、下側を向く表示面(111A)に画像を形成する表示部(110)と、
表示部と対面するように配置されて、画像の表示光を視認側に反射させる反射部(120)と、を備え、
画像を虚像(V)として表示する表示装置であって、
表示面には、視認側となる視認側端部(111c)から反対側となる反対側端部(111d)に向けて、所定寸法(h)を有して、所定の表示画像(I)を表示する所定表示エリア(111a)と、残りの領域であり、虚像に対応するメイン画像(G)を表示する虚像用表示エリア(111b)と、が形成されており、
所定表示エリアには、光学機能を有し、下側に張り出す目隠し部(130)が設けられており、
目隠し部は、内部反射させる反射面(131)によって、所定の表示画像の表示光を視認側に出射する。
【0010】
この開示によれば、目隠し部を設けるようにしているので、バイザフードの下面に配置される表示部が視認者から直接的に見えてしまうことを抑制できる。
【0011】
また、所定表示エリアにおける所定の表示画像は、目隠し部を通して虚像よりも視認者の近い側で視認されることになるので、所定の表示画像の視認性を高めることができる。このとき、所定の表示画像を表示するための専用の表示部を設ける必要はない。また、表示部の表示面における画像をつぶすことがなく、無駄なく表示面を活用することができる。
【0012】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態の表示装置の全体構成を示す説明図である。
【
図6】第2実施形態の表示装置を示す断面図である。
【
図8】第3実施形態の表示装置を示す断面図である。
【
図9】第4実施形態の表示装置を示す断面図である。
【
図10】第5実施形態の表示装置を示す断面図である。
【
図11】第6実施形態の表示装置を示す断面図である。
【
図12】第7実施形態の表示装置を示す断面図である。
【
図13】第8実施形態の表示装置を示す断面図である。
【
図14】第8実施形態における表示状態の1つの例を示す説明図である。
【
図15】第8実施形態における表示状態の他の例を示す説明図である。
【
図16】第9実施形態の表示装置を示す断面図である。
【
図17】第10実施形態の表示装置を示す断面図である。
【
図18】第11実施形態の表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態の表示装置100を
図1~
図5に示す。表示装置100は、例えば、車両1に搭載されている。車両1は、例えば、左ハンドル車の場合を示している。表示装置100は、表示部110、ミラー部120、および目隠し部130等を備えている。
【0016】
車両1のインストルメントパネル10には、運転者2側に向けて水平方向に張り出すバイザフード11が設けられている。運転者2は、視認者であり、以下、運転者2側を、視認側と呼ぶことがある。バイザフード11は、ここでは、車両1の左右方向の全体に渡って形成されている。尚、水平方向とは、傾きなしの完全な水平な方向に限らず、ある程度(例えば、10度程度)の傾斜を持つ場合も含む。
【0017】
表示部110は、表示器111と、画像形成用の信号を表示用制御部から受けて、フレキシブルケーブル113を介して表示器111出力する回路基板112と、を有している。
【0018】
表示器111は、表示面111Aにマトリックス配置される複数の画素の発光によって、所定の画像(各種情報)を表示する(形成する)ようになっている。表示器111としては、例えば、自発光式のものが使用されている。表示器111は、例えば、横長となる矩形状(四角形)の有機ELパネルが使用されている。有機ELパネルの「EL」は、Electro Luminescenceの略表示である。有機ELパネルは、OLED(Organic Light Emitting Diode)とも表示される。
【0019】
表示器111は、自発光式であることから、例えば、液晶式のパネルのようなバックライトを必要としないので、表示部110の厚み寸法としては、極めて薄く設定することが可能となっている(薄型化)。
【0020】
表示器111は、バイザフード11の下面11aに支持されており、表示面111Aが下側を向く姿勢となって、画像の表示光を下方に出射する。表示器111は、バイザフード11の下面11aに複数、設けられて(例えば、5つ)、左側のAピラーから右側のAピラーに向けて、バイザフード11が延びる方向(左右方向)に沿って、互いに隣接して配列されている。
【0021】
左側から1つめの表示器111は、例えば、車両1の左後方の状況を撮影する左後方カメラにより撮影された画像を表示する。すなわち、1つめの表示器111は、左側のサイドミラーとして機能する電子ミラーの画像を表示する。また、1つめの表示器111は、車両1の左後方から他車両が接近している場合に、その旨を示す左後方接近画像を表示する。
【0022】
左側から2つめの表示器111は、例えば、車両1の各種走行情報(例えば、走行速度、走行モード、走行距離およびバッテリ残量等)を表示する。
【0023】
左側から3つめの表示器111は、例えば、ナビゲーション装置から出力される画像を表示する。例えば、3つめの表示器111は、車両1の現在地を示す画像、および、現在地から目的地までの経路を案内する画像等を表示する。
【0024】
左側から4つめの表示器111は、例えば、エンタメ映像(例えば、動画再生装置またはテレビチューナから出力される動画)を表示したり、車載エアコンディショナを制御するエアコンコントローラに関する情報(例えば、現在の設定温度等)を表示したりする。
【0025】
左側から5つめの表示器111は、例えば、車両1の右後方の状況を撮影する右後方カメラにより撮影された画像を表示する。すなわち、5つめの表示器111は、右側のサイドミラーとして機能する電子ミラーの画像を表示する。また、5つめの表示器111は、車両1の右後方から他車両が接近している場合に、その旨を示す右後方接近画像を表示する。
【0026】
以下、
図1、
図2のII-II断面に示すように、左側から2つめの表示器111(運転者2の正面の表示器111)を代表例として説明する。
【0027】
図3、
図4に示すように、表示器111の表示面111Aには、所定表示エリア111aと、虚像用表示エリア111bとが形成されている。
【0028】
所定表示エリア111aは、表示面111Aの視認側となる視認側端部111cから、反対側となる反対側端部111dに向けて、所定寸法hを有して、所定の表示画像Iを表示するエリアとして形成されている。所定表示エリア111aは、左右方向に延びる帯状のエリアとなっており、所定寸法hは、例えば、10mm程度となっている。この所定表示エリア111aに表示される所定の表示画像Iは、主に、警告灯、複数の図形が並ぶアンビエント情報等となっている。所定の表示画像Iは、後述するメイン画像Gに対して、相対的に小さな表示画像となる。
【0029】
また、虚像用表示エリア111bは、表示面111Aにおいて、所定表示エリア111aを除く残りの領域であり、虚像Vに対応するメイン画像Gを表示するエリアとして形成されている。メイン画像Gは、例えば、2つめの表示器111として説明した、各種走行情報等(例えば、走行速度、走行モード、走行距離およびバッテリ残量等)である。
【0030】
ミラー部120は、表示器111よりも下方で、表示器111と対面するように設置されている。ミラー部120は、奥側から視認側に向けて、下側に傾斜するように配置されており、ここでは、複数の各表示器111にそれぞれ対応するように、複数(5つ)設けられている。
【0031】
ミラー部120は、各表示器111の表示面111Aから出射される画像(メイン画像G)の表示光を車両1の後方(運転者2)に向けて反射する反射部となっている。これにより、運転者2は、表示器111により表示される画像を、虚像Vとして、視認することができるようになっている。
【0032】
目隠し部130は、例えば、透明な樹脂材やガラス材から形成されており、断面形状が三角形で、棒状を成す部材となっている。目隠し部130は、プリズムやレンズのような光学機能(導光、反射、拡縮等)を有し、所定表示エリア111aを覆うように、三角形の一辺に対応する面が、所定表示エリア111aに接合されて、下側に張り出している。ここでは、目隠し部130は、5つの表示器111に対応するように左右方向に連続して形成されている。
【0033】
図3に示すように、目隠し部130は、所定表示エリア111aにおける所定の表示画像Iの表示光を、内部反射によって運転者2(視認側)に出射するようになっている。即ち、視認側から見て、目隠し部130の三角形の奥側の辺に対応する面は、反射面131となっており、また、視認側の辺に対応する面は、出射面132となっている。そして、目隠し部130は、所定の表示画像Iの表示光を、反射面131にて反射させ、更に、出射面132にて屈折透過させて、運転者2に出射するようになっている。
【0034】
本実施形態の表示装置100は、上記のように構成されており、以下、
図5を加えて、作動、作用効果について説明する。
【0035】
虚像用表示エリア111bにおけるメイン画像Gの表示光は、
図2に示すように、ミラー部120にて、反射されて、視認側に出射される。運転者2は、メイン画像G(各種走行情報)を、ミラー部120の奥側の虚像Vとして認識することができる。虚像Vは、ミラー部120の奥側に形成されることから、運転者2から虚像Vまでの視距離L1は、例えば、850~950mm程度となる。この視距離L1は、一般的な、コンビネーションメータのような実像表示の場合(750mm程度)に比べて長いものとなる。
【0036】
また、所定表示エリア111aにおける所定の表示画像I(警告灯等)の表示光は、目隠し部130の内部反射によって、つまり、反射面131での反射、および出射面132での屈折透過によって、視認側に出射される。所定の表示画像Iは、
図3、
図5中の破線で示す虚像として視認される。所定の表示画像Iに対する視距離L2は、例えば、700~800mm程度となり、視距離L1よりも短いものとなる。
【0037】
本実施形態によれば、バイザフード11の下面11aに表示器111を設けることで、太陽光等の外光が直接的に表示面111Aに当たることを抑制でき、表示面111Aにおける高い視認性を確保することができる。
【0038】
また、目隠し部130を設けるようにしているので、バイザフード11の下面11aに配置される表示器111が、運転者2から直接的に見えてしまうこと(中見え)を抑制でき、表示装置100としての外観意匠の低下を抑制することができる。
【0039】
また、メイン画像G(虚像V)の視距離L1を相対的に長くすることができるので、前方景色に対する運転者2の視線の移動量を低減し、目の焦点調整の負荷を下げることができる。
【0040】
また、所定表示エリア111aにおける所定の表示画像Iは、目隠し部130を通して虚像Vよりも視認者の近い側で視認されることになるので(視距離L2<視距離L1)、警告灯等のように相対的に小さく設定される所定の表示画像Iであっても、視認性を高めることができる。
【0041】
また、
図5に示すように、所定の表示画像Iに対する俯角θ1は、虚像Vに対する俯角θ2よりも小さくすることができるので、前方景色に対する運転者2の視線の移動量を低減することができる。このとき、所定の表示画像Iを表示するための専用の表示部を設ける必要はない。また、目隠し部130は、光学機能を有するので、表示器111の表示面111Aにおける所定の表示画像Iをつぶすことがなく、無駄なく表示面111Aを活用することができる。
【0042】
また、所定表示エリア111aにおける所定の表示画像Iは、上記のように警告灯、あるいは、アンビエント情報等を用いて好適である。
【0043】
また、目隠し部130の断面形状は、三角形とすることで、内部反射可能な構造を形成しやすい。
【0044】
(第2実施形態)
第2実施形態の表示装置100Aを
図6、
図7に示す。第2実施形態の表示装置100Aは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、使用条件に応じて、回路基板112(表示用制御部)は、虚像用表示エリア111bでの表示をオフ(
図7中のドット表示)とし、所定表示エリア111aのみの表示にする。
【0045】
使用条件というのは、運転者2が直接的に運転に集中しなくてもよい場合であり、例えば、車両1が自動運転機能を備え、自動運転機能が発揮されている場合、あるいは、自動運転機能に限らず、車両1が駐停車している場合等である。
【0046】
この場合、所定表示エリア111aの所定の表示画像Iは、例えば、車速情報、シフトポジション情報、および警告灯等とするのが好適である。
【0047】
これにより、運転者2が運転に集中する必要がない場合であれば、虚像用表示エリア111bでの表示をオフとしても、所定表示エリア111aのみの最小限度の表示で事足りることとなり、表示器111の消費電力を低減することができる。
【0048】
(第3実施形態)
第3実施形態の表示装置100Bを
図8に示す。第3実施形態の表示装置100Bは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、反射面131を、所定の表示画像Iを拡大させる拡大反射面として形成したものである。
【0049】
反射面131は、外部から見て、運転者2とは反対側に向けて凸状に形成されている。逆に、反射面131は、内部から見て、運転者2とは反対側に向けて凹状に形成されており、あたかも凹レンズを形成するようになっている。
【0050】
この拡大反射面(凹レンズ効果)によって、所定の表示画像Iは、拡大されて出射されるので、更に視認性を向上させることができる。
【0051】
(第4実施形態)
第4実施形態の表示装置100Cを
図9に示す。第4実施形態の表示装置100Cは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、反射面131における反射角度を、運転者2側から見たときの左右方向において、異なる角度(θ3、θ4等)に設定したものである。
【0052】
反射角度を、左右方向において異なるようにすることで、所定の表示画像Iの表示光が出射される向きを変えることができるので、例えば、各表示器111から、運転者2の目の位置に向かうようにすることが可能となり、視認性を向上させることができる。また、出射される所定の表示画像Iが、例えば、サイドウインドウ等に映り込むことを抑制できる。
【0053】
(第5実施形態)
第5実施形態の表示装置100Dを
図10に示す。第5実施形態の表示装置100Dは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、反射面131に、ミラー層として反射ミラー133を設けたものである。これにより、反射面131における反射効率を高めることができる。
【0054】
(第6実施形態)
第6実施形態の表示装置100Eを
図11に示す。第6実施形態の表示装置100Eは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、反射面131に、加飾材134を設けたものである。加飾材134は、例えば革、木等である。これにより、所定の表示画像Iは、加飾材134を地とする画像として形成されるので、質感を向上させることができる。
【0055】
(第7実施形態)
第7実施形態の表示装置100Fを
図12に示す。第7実施形態の表示装置100Fは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、目隠し部130の運転者2側の面(視認側の面であり、出射面132)は、バイザフード11と連続する意匠面135として形成されている。意匠面135は、例えば、バイザフード11と目隠し部130とが滑らかに繋がる曲面として形成されている。これにより、目隠し部130を、バイザフード11と一体的な部材として形成することができるので、デザイン性を高めることができる。
【0056】
(第8実施形態)
第8実施形態の表示装置100Gを
図13~
図15に示す。第8実施形態の表示装置100Gは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、目隠し部130の高さ方向寸法を、運転者2側(視認側)から見たときの左右方向において、異なる寸法(h1、h2)に設定したものである。
【0057】
例えば、
図14では、目隠し部130の高さ方向寸法が、車両1の左側から中央部に向けて、徐々に小さくなり、更に、中央部から右側に向けて、徐々に大きくなる例を示している。目隠し部130には、例えば、アンビエント情報として、他車両が追い越しによって、自車両に接近した場合に、運転者2に注意を促すための三角形状の複数の画像が、順に点灯される。
【0058】
また、
図15では、運転者2に対応する表示器111(左から2つめの表示器111)の左右端に位置する領域の目隠し部130の高さ方向寸法が他の領域よりも大きく設定された例を示している。この左右端の目隠し部130には、例えば、右左折時に点灯されるウインカー画像が表示されるようになっている。
【0059】
これにより、目隠し部130において、表示すべき画像の種類に応じた対応が可能となり、デザイン性、および視認性を向上させることができる。
【0060】
(第9実施形態)
第9実施形態の表示装置100Hを
図16に示す。第9実施形態の表示装置100Hは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、目隠し部130において、所定の表示画像Iの表示光が出射される側(出射面132)に、偏光板136を設けたものである。
【0061】
偏光板136は、例えば、LCF(ライト コントロール フィルム)、VCF(ビュー コントロール フィルム)等である。偏光板136によって、所定の表示画像Iの表示光は、全体に拡がらずに、選択された方向に出射される。これにより、運転者2の目の位置に合わせた表示や、サイドウインドウへの映り込み抑制が可能となる。
【0062】
(第10実施形態)
第10実施形態の表示装置100Iを
図17に示す。第10実施形態の表示装置100Iは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、目隠し部130は、特定周波数帯の光を透過する透過樹脂から形成されたものである。これにより、特定の周波数の表示光のみが透過されて、視認することが可能となる。
【0063】
(第11実施形態)
第11実施形態の表示装置100Jを
図18に示す。第11実施形態の表示装置100Jは、上記第1実施形態の表示装置100に対して、所定表示エリア111aに、所定の表示画像Iの背景画像として、加飾画像BIを表示するようにしたものである。加飾画像BIは、例えば革、木等の画像である。これにより、所定の表示画像Iは、加飾画像BIを地とする画像として形成されるので、質感を向上させることができる。
【0064】
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、表示部110における表示器111が複数(例えば5つ)、設定されるものとして説明したが、これに限らず、通常のコンビネーションメータに対応するようなバイザフード11に、1つの表示器111が設定されるものとしてもよい。
【0065】
また、この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、更に請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【符号の説明】
【0066】
11 バイザフード
11a 下面
100、100A~100J 表示装置
110 表示部
111A 表示面
111a 所定表示エリア
111b 虚像用表示エリア
111c 視認側端部
111d 反対側端部
120 ミラー部(反射部)
130 目隠し部
131 反射面
133 反射ミラー
134 加飾材
135 意匠面
136 偏光板
h 所定寸法
h1、h2 高さ方向寸法
θ3、θ4 反射角度
V 虚像
I 所定の表示画像
G メイン画像
BI 加飾画像