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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】集積回路
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20241126BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20241126BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20241126BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H01L27/04 F
H02M3/155 H
G06F1/26 303
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021167328
(22)【出願日】2021-10-12
(65)【公開番号】P2023057703
(43)【公開日】2023-04-24
【審査請求日】2024-01-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】友廣 隆貴
(72)【発明者】
【氏名】川野 真広
(72)【発明者】
【氏名】田代 誠
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄大
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-068806(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0138301(US,A1)
【文献】特開2007-087237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/822
H01L 27/04
H02M 3/155
G06F 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路(15)であって、
複数の端子を含む接続端子群(62、63、64)であって、前記接続端子群のうちの一部で第1回路(13)に接続され、前記接続端子群のうちの全てで第2回路(14)に接続される前記接続端子群と、
当該集積回路に接続された外部回路であって前記第1回路及び前記第2回路のうちの一方からの出力電圧を取得するための判定用端子(65)と、
前記接続端子群のうちの予め定められた特定端子であって、前記特定端子から予め定められた識別信号が出力されたときに当該集積回路に前記第1回路が前記外部回路として接続された場合と当該集積回路に前記第2回路が前記外部回路として接続された場合とで前記出力電圧が異なるようになる前記特定端子から、前記識別信号を出力するように構成された識別信号部(54)と、
前記識別信号が出力されたときに、前記外部回路からの前記出力電圧を前記判定用端子を介して取得し、前記出力電圧に基づいて、前記第1回路を駆動する第1態様及び前記第2回路を駆動する第2態様のうちいずれか一方の態様で作動するように構成された起動制御部(50)と、
を備える集積回路。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路であって、
前記第1回路は、外部と接続する第1制御端子(30)に前記第1回路に対する制御信号として予め定められた第1制御信号が与えられて予め定められた電圧を出力するように構成される電源回路であり、
前記第2回路は、電源とグランドとの間に直列に設けられた2つのスイッチング素子(41、42)を含み、前記スイッチング素子それぞれが備える切替端子である第2制御端子(45、46)に前記第2回路に対する制御信号として相反する予め定められた第2制御信号が与えられて前記電源の電圧とは電圧値が異なる予め定められた電圧を出力するように構成される電源回路であり、
前記集積回路では、
前記接続端子群は、前記第2制御端子に接続される駆動端子群(62、64)を含み、
前記接続端子群のうちの一部であって前記第1回路に接続される前記端子は、前記駆動端子群のうちの1つであって、前記第1制御端子に接続される
集積回路。
【請求項3】
請求項2に記載の集積回路であって、
前記特定端子(64)は、前記駆動端子群のうちの1つであって、当該集積回路に前記第2回路が接続されたときにローサイド素子である前記スイッチング素子(42)をオン又はオフするための信号が出力され、
前記起動制御部は、前記特定端子から前記識別信号が出力されたときに、前記判定用端子にて取得される電圧が予め定められた判定電圧以上である場合に前記第1態様で作動し、前記判定用端子にて取得される電圧が前記判定電圧未満である場合に前記第2態様で作動する
集積回路。
【請求項4】
請求項2に記載の集積回路であって、
前記特定端子(62)は、前記駆動端子群のうちの1つであって、当該集積回路に前記第2回路が接続されたときにハイサイド素子である前記スイッチング素子(41)をオン又はオフするための信号が出力され、
前記起動制御部は、前記特定端子から前記識別信号が出力されたときに、前記判定用端子にて取得される電圧が予め定められた判定電圧未満である場合に前記第1態様で作動し、前記判定用端子にて取得される電圧が前記判定電圧以上である場合に前記第2態様で作動する
集積回路。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の集積回路であって、
前記起動制御部は、
前記識別信号が出力されたときに、前記外部回路からの前記出力電圧を前記判定用端子を介して取得するように構成された取得部(52)と、
前記取得部によって取得された前記出力電圧に基づいて、当該集積回路に接続された前記外部回路が前記第1回路及び前記第2回路のいずれであるかを判定するように構成された判定部(53)と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記第1態様及び前記第2態様のうちいずれか一方の態様で作動するように構成された制御実行部(54)と、
を備える集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の様々な機能を集積した半導体集積回路(以下、集積回路ともいう)が知られている。例えば、下記特許文献1には、集積回路外部から入力されるモードセレクト信号に従って、集積回路の機能を切り替える、という技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-43222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、上述の集積回路が備える機能として、集積回路の外部に接続され得る複数種類の外部回路に対して駆動信号を外部回路の種類に応じて出力する、という機能が考えられる。外部回路としては、駆動信号により駆動されて所定の電圧を出力する、所謂電源回路が考えられ得る。
【0005】
このような集積回路では、外部回路の種類毎に、外部回路の種類に応じた駆動信号を出力するための端子が必要になると考えられる。また、接続される外部回路に応じた駆動信号を出力するように集積回路の機能を切り替えるための端子が必要になると考えられる。つまり、複数種類の外部回路と接続される集積回路において、外部回路と接続する端子の数が増加する、という課題が生じ得る。
【0006】
本開示の一つの局面は、複数種類の外部回路と接続される集積回路において、外部回路と接続するための端子の数を低減するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、集積回路(15)であって、接続端子群(62、63、64)と、判定用端子(65)と、識別信号部(54)と、起動制御部(50)と、を備える。接続端子群は、複数の端子を含む。接続端子群は、接続端子群のうちの一部(64)で第1回路(13)に接続され、接続端子群のうちの全てで第2回路(14)に接続される。判定用端子は、当該集積回路に接続された外部回路であって第1回路及び第2回路のうちの一方からの出力電圧を取得する。
【0008】
識別信号部は、特定端子から、識別信号を出力するように構成される。特定端子は、接続端子群のうちの予め定められた特定端子である。特定端子は、特定端子から予め定められた識別信号が出力されたときに、当該集積回路に第1回路が外部回路として接続された場合と当該集積回路に第2回路が外部回路として接続された場合とで、出力電圧が異なるようになる端子である。起動制御部は、識別信号が出力されたときに、外部回路からの出力電圧を判定用端子を介して取得し、出力電圧に基づいて、第1回路を駆動する第1態様及び第2回路を駆動する第2態様のうちいずれか一方の態様で作動するように構成される。
【0009】
このような構成によれば、複数種類の外部回路と接続される集積回路において、第1回路と接続される端子は第2回路と接続される接続端子群の端子と兼用される。また、接続端子群のうちの特定端子から識別信号が出力されたときの外部回路の出力電圧の違いに基づいて、自動的に第1態様及び第2態様といった制御形態が切り替えられる。つまり、制御形態を切り替えるための信号を外部から入力するために、外部と接続される新たな端子を備える必要がない。
【0010】
結果として、複数種類の外部回路と接続される集積回路において、外部回路と接続するための端子の数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ASICに外部回路として汎用ICが接続されるときのECUの構成を示すブロック図。
図2】ASICに外部回路としてスイッチング回路が接続されるときのECUの構成を示すブロック図。
図3】第1実施形態のASICが実行する処理を示すフローチャート。
図4】第1実施形態のASICの作動を説明するタイミングチャート。
図5】第2実施形態のASICが実行する処理を示すフローチャート。
図6】第2実施形態のASICの作動を説明するタイミングチャート。
図7】比較例に外部回路として汎用ICが接続されるときの構成を示すブロック図。
図8】比較例に外部回路としてスイッチング回路が接続されるときの構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.全体構成]
図1図2を参照して、本実施形態に係るASIC15の構成について説明する。ASIC15は、application specific integrated circuitの略であり、特定の用途向けに複数機能の回路を1つにまとめた集積回路の総称である。ASIC15は、例えば、車両に搭載される電子制御装置(以下、ECU1)に用いられる。ECU1は、Electronic Control Unitの略である。
【0013】
ECU1は、ECU1の予め定められた機能を実現するための回路としてのマイコン11を備えるが、ECU1の種類によって、又は、マイコン11の種類によって、マイコン11に動作用の電源電圧を供給する電源回路の構成が異なる場合がある。
【0014】
例えば、図1に示すECU1(以下、第1ECU1aともいう)は、マイコン11(以下、第1マイコン11a)を備え、第1マイコン11aは、後述する汎用IC13によって、動作用の電源電圧が供給される。以下では、マイコンの動作用の電源電圧を2次電源電圧V2ともいう。また例えば、図2に示すECU1(以下、第2ECU1bともいう)は、マイコン11(以下、第2マイコン11b)を備え、第2マイコン11bは、後述するスイッチング回路14によって2次電源電圧V2が供給される。
【0015】
汎用IC13、スイッチング回路14は、予め定められた2次電源電圧V2を供給する機能を備える電源回路である。汎用IC13、スイッチング回路14は、ASIC15に接続されると、ASIC15によって制御信号が供給されて駆動され、予め定められた1次電源電圧V1から2次電源電圧V2を生成する。
【0016】
ASIC15は、汎用IC13、スイッチング回路14のいずれが外部回路として接続されたとしても、接続された外部回路を駆動可能である。外部回路とは、実際にASIC15に接続された(すなわち、ASIC15に接続されている)回路をいう。外部回路を駆動可能とは、外部回路(すなわち、汎用IC13又はスイッチング回路14)に、外部回路が有する機能(すなわち、電源回路として特定の電圧を生成する機能)を実現させることが可能であることをいう。
【0017】
以下では、まず、汎用IC13が外部回路として接続されたASIC15を備える第1ECU1a、スイッチング回路14が外部回路として接続されたASIC15を備える第2ECU1bについて、それぞれ説明する。そして、汎用IC13及びスイッチング回路14といった電源回路のいずれが外部回路として接続されても、外部回路を駆動可能であるASIC15について、説明する。
【0018】
なお、本実施形態では、例えば、1次電源電圧V1を6V、2次電源電圧V2を1Vとして説明するが、1次電源電圧V1、2次電源電圧V2は、これらの値に限定されるものではない。
【0019】
<汎用ICが接続されるASICを備えるECU>
図1に示すように、第1ECU1aは、第1マイコン11aと、汎用IC13と、ASIC15と、コイル17と、コンデンサ16とを備える。
【0020】
第1マイコン11aは、図示しないCPU及びメモリ等を含み、第1マイコン11aのCPUがメモリに格納されたプログラムを実行することにより、第1ECU1aが備える機能の少なくとも一部を実現する。第1マイコン11aは、汎用IC13によって生成された2次電源電圧V2(例えば、1V)が供給されることによって駆動される。
【0021】
汎用IC13は、汎用IC13の外部と接続する端子として、イネーブル端子(以下、ENA端子30)と、IN端子31と、OUT端子32と、を備える。ENA端子30は、ASIC15(すなわち、後述するVGL端子64)に接続される。IN端子31は、汎用IC13を動作させるための1次電源電圧V1が供給される。OUT端子32は、コイル17の一方の端部に接続され、コイル17を介してマイコン11の図示しない電源入力端子に接続される。
【0022】
汎用IC13は、ENA端子30にASIC15によって生成された第1制御信号としてのイネーブル信号が与えられて、1次電源電圧V1を降圧し予め定められた電圧である2次電源電圧V2を生成し、2次電源電圧V2をOUT端子32を介して出力する。イネーブル信号は、汎用IC13に対する制御信号として予め定められた信号である。ここでいう制御信号とは、電源回路である汎用IC13の作動及び非作動を制御するための信号である。つまり、汎用IC13にイネーブル信号が供給されている間は、汎用IC13から2次電源電圧V2が継続して生成され出力される。イネーブル信号は、例えば、所定の大きさ以上の電圧(すなわち、ハイレベルの電圧)を示す信号であり得る。
【0023】
なお、汎用IC13は、イネーブル信号の供給が開始された際、所謂ソフトスタートとよばれる処理を実行する。ソフトスタートとは、0Vから所定の電圧(すなわち、ここでは2次電源電圧V2)になるまで、OUT端子32から出力される電圧を緩やかに上昇させる処理をいう。
【0024】
コイル17は、一方の端部が汎用IC13のOUT端子32に接続され、他方の端部が第1マイコン11aの図示しない電源入力端子に接続される。また、コイル17の他方の端部とグランドとの間にはコンデンサ16が接続される。更に、コイル17の他方の端部は、ASIC15(すなわち、後述する判定用端子65)に接続される。つまり、汎用IC13からの出力電圧は、判定用端子65に入力される。
【0025】
このような第1ECU11aでは、汎用IC13がイネーブル信号によって駆動されるとき、汎用IC13からの出力電圧は、コイル17、コンデンサ16、第1マイコン11a、判定用端子65に印加される。
【0026】
<スイッチング回路が接続されるASICを備えるECU>
図2に示すように、第2ECU1bは、第2マイコン11bと、スイッチング回路14と、ASIC15と、コイル17と、コンデンサ16とを備える。
【0027】
第2マイコン11bは、図示しないCPU及びメモリ等を含み、第2マイコン11bのCPUがメモリに格納されたプログラムを実行することにより、第2ECU1bが備える機能の少なくとも一部を実現する。第2マイコン11bは、スイッチング回路14によって生成された2次電源電圧V2(例えば、1V)が供給されることによって駆動される。
【0028】
スイッチング回路14は、スイッチング回路14の外部と接続する端子として、ゲート端子45と、ゲート端子46と、出力端子43とを備える。
スイッチング回路14は、所謂降圧型スイッチングレギュレータであり、1次電源電圧V1(例えば、6V)から、1次電源電圧V1とは電圧値が異なる2次電源電圧V2(例えば、1V)を生成し、2次電源電圧V2を出力端子43から出力する。
【0029】
スイッチング回路14は、電源とグランドとの間に直列に設けられた2つのスイッチング素子41、42を含む。ここでいう電源は、スイッチング回路14を作動させるための電源であって、具体的には1次電源電圧V1の電圧線19であり得る。スイッチング素子41、42は、制御信号に従ってオンオフを切り替える素子であり、例えば、MOSFETであり得る。
【0030】
それぞれのスイッチング素子41、42は、オンオフを切り替えるための信号が入力される切替端子を備える。スイッチング素子41は切替端子としてのゲート端子45を有し、スイッチング素子42が切替端子としてのゲート端子46を有する。スイッチング素子41のゲート端子45及びスイッチング素子42のゲート端子46といったこれらの切替端子を第2制御端子ともいう。
【0031】
スイッチング回路14は、これらの第2制御端子(すなわち、ゲート端子45、46)に、スイッチング回路14に対する制御信号として相反する予め定められた信号(以下、スイッチング信号ともいう)が与えられて、2次電源電圧V2を生成し出力する。ここでいう制御信号とは、電源回路であるスイッチング回路14作動及び非作動を制御するための信号である。つまり、スイッチング回路14にスイッチング信号が供給されている間は、スイッチング回路14から2次電源電圧V2が継続して生成され出力される。スイッチング回路14に対する制御信号を第2制御信号ともいう。
【0032】
相反する予め定められた信号とは、例えば、ゲート端子45にスイッチング素子41をオンさせるレベル(以下、ハイレベル)の信号が与えられるときには、ゲート端子46にスイッチング素子42をオフさせるレベル(以下、ローレベル)の信号が与えられる、といった信号をいう。また、例えば、ゲート端子45にスイッチング素子41をオフさせるローレベルの信号が与えられるときには、ゲート端子46にスイッチング素子42をオンさせるハイレベルの信号が与えられる、といった信号をいう。
【0033】
ここでいう、ハイレベルの信号は、スイッチング素子41、42をオンさせることが可能な所定値以上の大きさの電圧であり、ローレベルの信号は、スイッチング素子41、42をオフさせることが可能な所定値未満の大きさの電圧であり得る。
【0034】
スイッチング素子41、42のオンオフが切り替えられてスイッチング回路14から出力される出力電圧は、後述するコイル17及びコンデンサ16により平滑化される。つまり、スイッチング回路14は、第2制御信号によって、スイッチング素子41、42がオンされる期間及びオフされる期間が調整され、出力端子43から出力される出力電圧が所定の2次電源電圧V2となるように制御される。結果として、1次電源電圧V1とは電圧値が異なる2次電源電圧V2が出力端子43から出力される。
【0035】
例えば、スイッチング素子41は、MOSFETのドレイン側が1次電源電圧V1の電圧線19に接続され、MOSFETのソース側が、スイッチング素子42のMOSFETのドレイン側に接続される。スイッチング素子42は、MOSFETのソース側がグランドに接続される。
【0036】
出力端子43は、スイッチング素子41(すなわち、ソース側)とスイッチング素子42(すなわち、ドレイン側)との接続点にも相当し、ASIC15のLX端子63にも接続される。なお、ここでは、N型MOSFETを用いた例を説明したが、スイッチング素子41、42は、N型MOSFETに限定されるものではない。
【0037】
コイル17は、一方の端部がスイッチング回路14の出力端子43に接続され、他方の端部が第2マイコン11bの図示しない電源入力端子に接続される。また、コイル17の他方の端部とグランドとの間にはコンデンサ16が接続される。更に、コイル17の他方の端部は、ASIC15(すなわち、判定用端子65)に接続される。つまり、スイッチング回路14からの出力電圧は、判定用端子65に入力される。
【0038】
<ASICの構成>
ASIC15は、ASIC15外部と接続するための端子として、監視用端子61、VGH端子62、LX端子63、VGL端子64、及び判定用端子65を備える。以下では、VGH端子62、LX端子63、及びVGL端子64を、特に、接続端子群ともいう。
【0039】
監視用端子61は1次電源電圧V1の電圧線19に接続される。
接続端子群に含まれるVGH端子62、LX端子63、VGL端子64は、接続端子群のうちの一部(すなわち、VGL端子64)によって汎用IC13(すなわち、ENA端子30)に接続される。また、接続端子群(すなわち、VGH端子62、LX端子63、VGL端子64)のうちの全てによってスイッチング回路14(すなわち、ゲート端子45、出力端子43、ゲート端子46)に接続される。
【0040】
判定用端子65は、外部回路(すなわち、汎用IC13及びスイッチング回路14の一方)からの出力電圧を取得するための端子である。
ASIC15は、例えば論理素子等を組み合わせた回路(すなわち、ハードウェア)によって実現される。ASIC15は、例えば、当該ASIC15に電源(例えば、車両のバッテリ等から供給されるバッテリ電源電圧)が投入されると起動する。
【0041】
ASIC15は、ASIC15が実現する機能として、図示しない1次電源制御部と、1次電源電圧監視部51と、起動制御部50とを備える。起動制御部50は、出力電圧監視部52と、外部接続回路判定部53と、ASIC内蔵電源54と、を備える。
【0042】
上述の1次電源制御部は、ECU1が備える図示しない1次電源生成部の制御を行う。1次電源生成部は、バッテリ電源電圧(例えば、12V)から1次電源電圧V1(例えば、6V)を生成し、1次電源電圧V1の電圧線19に出力する。1次電源制御部は、ASIC15にバッテリ電源電圧の供給が開始されると、1次電源生成部が出力する電圧値を0Vから所定の1次電源電圧値(すなわち、6V)まで緩やかに上昇させる、ソフトスタート処理を行う。
【0043】
例えば、1次電源生成部は、所謂降圧型スイッチングレギュレータであってもよい。つまり、1次電源生成部は、図示しないが、例えば、バッテリ電源電圧とグランドとの間に設けられたハイサイドMOSFET及びローサイドMOSFET、コイル、コンデンサを備えていてもよい。1次電源制御部は、ハイサイドMOSFET及びローサイドMOSFETを交互にオンオフさせる制御を行い、1次電源生成部に1次電源電圧V1を生成させる。
【0044】
ASIC15によって制御される図示しない1次電源生成部のMOSFETがバッテリ電源電圧(12V)を1次電源電圧(6V)に降圧し、1次電源電圧V1の緩やかな上昇は、監視用端子61を介して観測される。なお、本実施形態では、バッテリ電源電圧を12Vとして説明するが、バッテリ電源電圧はこれに限定されるものではない。
【0045】
ASIC内蔵電源54は、出力制御部55を備える。また、ASIC内蔵電源54は、ドライバ56、及びドライバ57を備える。
ドライバ56は、出力制御部55によって制御され、スイッチング回路14のハイサイド素子であるスイッチング素子41をオン又はオフするための信号をVGH端子62に出力する。
【0046】
ドライバ57は、出力制御部55によって制御され、スイッチング回路14のローサイド素子であるスイッチング素子42をオン又はオフするための信号をVGL端子64に出力する。
【0047】
ここで、スイッチング回路14が外部回路としてASIC15に接続されるときは、図2に示すように、VGH端子62に、スイッチング回路14のハイサイド素子であるスイッチング素子41のゲート端子45が接続される。また、VGL端子64に、スイッチング回路14のローサイド素子であるスイッチング素子42のゲート端子46が接続される。また、LX端子63に出力端子43が接続される。
【0048】
つまり、スイッチング回路14と接続される接続端子群としてのVGH端子62、LX端子63、及びVGL端子64は、第2制御端子としてのゲート端子45、46に接続される駆動端子群(すなわち、VGH端子62、VGL端子64)を含む。
【0049】
ドライバ56、57は、ASIC15とスイッチング回路14とが接続されている場合、出力制御部55によって、ハイレベルの信号がVGH端子62とVGL端子64とに交互に出力されるように制御される。このVGH端子62とVGL端子64とに交互に出力されるハイレベルの信号が上述のスイッチング信号である。
【0050】
一方、汎用IC13が外部回路としてASIC15に接続されるときは、図1に示すように、VGL端子64に汎用IC13のENA端子30が接続される。VGL端子64は、スイッチング回路14が外部回路としてASIC15に接続されたときに、スイッチング回路14のローサイド素子であるスイッチング素子42をオン又はオフするための信号が出力される端子でもある。つまり、VGL端子64は、スイッチング回路14と接続される端子として、汎用IC13と接続される端子として、兼用されている。
【0051】
ドライバ57は、ASIC15と汎用IC13とが接続されている場合、出力制御部55によって、ハイレベルの信号がVGL端子64に出力されるように制御される。このVGL端子64に出力されるハイレベルの信号がイネーブル信号である。なお、ドライバ56は、ASIC15と汎用IC13とが接続されている場合、作動しない(すなわち、出力側から信号が出力されない)。
【0052】
[1-2.処理]
<ASICが実行する処理>
次に、本実施形態のASIC15が実行する処理を、図3に示すフローチャートに沿って説明する。本処理は、例えば、ASIC15に電源(例えば、バッテリ電源電圧)が投入されたことをきっかけとして開始される。
【0053】
ASIC15への電源投入時、ASIC15には外部回路として汎用IC13及びスイッチング回路14のうちのいずれか一方が、予め接続されている。但し、汎用IC13及びスイッチング回路14のうちのいずれが接続されているかは、ASIC15では認識されていない。
【0054】
ASIC15は、はじめに、汎用IC13及びスイッチング回路14のいずれが外部回路としてASIC15に接続されているかを判定し、続いて、汎用IC13及びスイッチング回路14のうち接続されていると判定された回路に応じた態様で作動する。
【0055】
具体的には、S10では、ASIC15にて、1次電源電圧監視部51が、監視用端子61にて取得される電圧VEN(すなわち、1次電源電圧V1)が予め定められた閾値(以下、起動閾値)以上になったか否か、を判定する。上述のように、ASIC15のソフトスタート処理によって、1次電源電圧V1の値は、ASIC15への電源投入直後、0Vから緩やかに上昇する。このため、1次電源電圧監視部51は、監視用端子61にて観測(すなわち、取得)される電圧VENが起動閾値未満である場合は起動閾値以上になるまで待機する。
【0056】
例えば、起動閾値は、1次電源電圧V1の定常値未満の電圧値であって、1次電源電圧V1の供給先が正しく作動可能な電圧値に設定され得る。1次電源電圧V1の定常値とは、安定した後(すなわち、定常時)の1次電源電圧V1の電圧値(すなわち、6V)をいう。1次電源電圧の供給先としては、例えば、汎用IC13、スイッチング回路14が挙げられる。1次電源電圧監視部51は、監視用端子61にて取得される電圧VENが起動閾値以上になると、処理をS20へ移行させる。
【0057】
監視用端子61にて取得される電圧VENが起動閾値以上であると判定されると、S20では、1次電源電圧監視部51は、ASIC内蔵電源54(すなわち、具体的には出力制御部55)へ起動信号を出力する。
【0058】
1次電源電圧監視部51によって起動信号が出力されると、S30では、ASIC内蔵電源54(すなわち、出力制御部55)は、特定端子から識別信号を出力する。つまり、起動信号は、特定端子から識別信号を出力させるきっかけとなる信号である。
【0059】
特定端子は、上述の接続端子群(すなわち、VGH端子62、LX端子63、VGL端子64)のうちの一部(すなわち、予め定められた1つ)であり、上述の駆動端子群(すなわち、VGH端子62、VGL端子64)のうちの1つでもある。特定端子は、特定端子から識別信号が出力されたときに、ASIC15に汎用IC13が外部回路として接続された場合と、ASIC15にスイッチング回路14が外部回路として接続された場合とで、外部回路からの出力電圧が異なるようになる端子である。識別信号は、外部回路が汎用IC13であるかスイッチング回路14であるかを識別するための信号である。
【0060】
本実施形態では、特定端子は、VGL端子64である。識別信号は、ハイレベルの電圧(すなわち、VGL=H)を示す信号である。
つまり、特定端子であるVGL端子64から出力される識別信号は、汎用IC13がASIC15に接続されたときにイネーブル信号となり得る信号であり、スイッチング回路14がASIC15に接続されたときにローサイド素子であるスイッチング素子42をオンする信号となり得る信号でもある。
【0061】
具体的には、起動信号が出力されると、出力制御部55は、ドライバ57を作動させ、ドライバ57にVGL端子64へハイレベルの電圧(すなわち、VGL=H)を出力させる。これにより、本ステップ以降、ドライバ57によってVGL端子64からハイレベルの電圧が継続して出力される。なお、本ステップでは、出力制御部55は、ドライバ56を作動させない。ドライバ56はオフされており、VGH端子62はローレベル(すなわち、VGH=L)となっている。
【0062】
特定端子であるVGL端子64から識別信号としてハイレベルの電圧(すなわち、VGL=H)が出力されると、S40では、出力電圧監視部52が、判定用端子65の電圧VMOを取得(すなわち、観測)する。判定用端子65の電圧VMOとしては、ASIC15に外部回路として接続されている電源回路(すなわち、汎用IC13又はスイッチング回路14)からの出力電圧が観測される。
【0063】
出力電圧監視部52によって判定用端子65の電圧VMOが取得されると、S50では、外部接続回路判定部53は、2次電源電圧V2が安定するまで(例えば、予め定められた安定時間が経過するまで)待機する。安定時間は、例えば、ASIC15に外部回路として接続され得る汎用IC13からの出力電圧(すなわち、2次電源電圧V2)が安定するまでに必要とされる時間以上であり得る。
【0064】
つまり、外部接続回路判定部53は、ASIC15に汎用IC13が接続されている場合に判定用端子65にて取得される電圧VMOが0Vから2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)になるまでの時間を安定時間として、安定時間が経過するまで待機する。
【0065】
次にS60では、外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて観測された電圧VMOが予め定められた電圧(以下、判定電圧ともいう)以上であるか否かを判定する。判定電圧は、2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)以下の値であって、0よりも相対的に大きい(すなわち、0付近の値ではなく)、予め定められた任意の電圧値であり得る。2次電源電圧V2の定常値とは、安定した後(すなわち、定常時)の2次電源電圧V2の電圧値(すなわち、1V)をいう。例えば、判定電圧は、2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)に等しい値であり得る。なお、ここでいう「等しい」とは、厳密な意味での「等しい」に限るものではなく、同様の効果を奏するのであれば厳密に「等しい」値でなくてもよい。
【0066】
ここで、外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて取得された電圧VMOが判定電圧以上である場合に、処理をS70へ移行させる。
S70では、外部接続回路判定部53は、ASIC15に接続されている外部回路は汎用IC13を用いた回路構成であると判定する。
【0067】
外部接続回路判定部53によってASIC15に接続されている外部回路は汎用IC13であると判定されると、S80では、ASIC内蔵電源54(すなわち、出力制御部55)は、第1態様で作動し、処理をS110へ移行させる。
【0068】
第1態様は、汎用IC13を作動させる(すなわち、駆動させる)態様である。具体的には、出力制御部55は、ドライバ57に、外部回路である汎用IC13を駆動するためのイネーブル信号(すなわち、ハイレベルの電圧)をVGL端子64に出力させる。つまり、出力制御部55は、ドライバ57を介して、S30以降継続してVGL端子64に出力し続けているハイレベルの電圧を、S70以降も継続して出力する。
【0069】
一方、外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて取得された電圧VMOが判定電圧未満(例えば、0Vである)と判定された場合に、処理をS90へ移行させる。
S90では、外部接続回路判定部53は、ASIC15に接続されている外部回路はスイッチング回路14を用いた回路構成であると判定し、処理をS100へ移行させる。
【0070】
外部接続回路判定部53によってASIC15に接続されている外部回路はスイッチング回路14であると判定されると、S100では、ASIC内蔵電源54(すなわち、出力制御部55)は、第2態様で作動し、処理をS110へ移行させる。
【0071】
第2態様は、スイッチング回路14を作動させる(すなわち、駆動させる)態様である。具体的には、出力制御部55は、ドライバ56、57に、外部回路であるスイッチング回路14を駆動するためのスイッチング信号をVGH端子62、VGL端子64に出力させる。
【0072】
スイッチング信号は、上述のように、VGL端子64へのハイレベルの電圧とVGH端子62へのハイレベルの電圧とが交互に出力される信号をいう。つまり、S30以降継続してVGL端子64に出力され続けているハイレベルの電圧に代えて、S70以降は、スイッチング素子41及びスイッチング素子42を交互にオンオフさせるためのスイッチング信号が出力される。
【0073】
ASIC内蔵電源54が外部回路(すなわち、汎用IC13又はスイッチング回路14)に応じた態様で外部回路の駆動を開始すると、S110では、出力電圧監視部52は、外部回路からの出力電圧が、予め定められた電圧(例えば、2次電源電圧V2)で安定したことを観測するまで待機する。例えば、出力電圧監視部52は、判定用端子65にて取得された電圧と2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)との差が所定範囲内である場合に、外部回路からの出力電圧(すなわち、2次電源電圧V2)が安定したと判定してもよい。ここでいう所定範囲は、例えば0付近の値であり得る。そして以上で、ASIC15は本処理を終了する。
【0074】
<作動>
本実施形態のASIC15の作動を、図4を用いて説明する。
<汎用IC13が接続されている場合>
はじめに、図1に示すように、汎用IC13を用いた回路構成(例えば、汎用IC13、コイル17、コンデンサ16、第1マイコン11a)が、ASIC15外部に接続される場合について、説明する。
【0075】
図4に示すように、時刻t0にて、ASIC15に電源が投入されると、監視用端子61にて取得される電圧VENが、0Vから1次電源電圧V1の定常値(例えば、6V)となるまで、緩やかに上昇する。
【0076】
時刻t1にて、監視用端子61にて観測される電圧VENが起動閾値以上となると、1次電源電圧監視部51はASIC内蔵電源54の出力制御部55に起動信号を出力する。出力制御部55は、起動信号に従って、ドライバ57を介してVGL端子64からハイレベルの電圧を出力する。但し、VGH端子62はローレベルである。
【0077】
ASIC15には外部回路として汎用IC13が接続されているので、ENA端子30にハイレベルの電圧が供給され、汎用IC13の駆動が開始される。汎用IC13はIN端子31から入力される1次電源電圧V1(例えば、6V)を所定の2次電源電圧V2(例えば、1V)に降圧し、OUT端子32から出力する。
【0078】
なお、汎用IC13は上述の1次電源生成部と同様にソフトスタート処理を実行するように構成されており、OUT端子32から2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)が出力されるまでには一定の時間を要する(すなわち、ディレイが生じる)。このため、ASIC15は、上述のように安定時間待機する。
【0079】
安定時間が経過した時刻t2では、汎用IC13から2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)が出力される。つまり、判定用端子65にて取得される電圧VMOは、判定閾値以上となる。これにより、外部接続回路判定部53は、ASIC15に接続されている外部回路が汎用IC13であると判定する。
【0080】
外部接続回路判定部53によってASIC15に接続されている外部回路が汎用IC13であると判定されると、時刻t3では、ASIC内蔵電源54は第1態様で作動する。 つまり、出力制御部55は、時刻t3以降、ドライバ57に、VGL端子64からハイレベルの電圧(すなわち、イネーブル信号)を継続して出力させる。これにより、汎用IC13は、時刻t3以降も、2次電源電圧V2(すなわち、1V)を継続して出力する。
【0081】
<スイッチング回路14が接続されている場合>
次に、図2に示すように、スイッチング回路14を用いた回路構成(例えば、スイッチング回路14、コイル17、コンデンサ16、第2マイコン11b)が、ASIC15外部に接続される場合について説明する。
【0082】
図4に示す時刻t0から時刻t1までの作動は、上述の汎用IC13が接続されている場合と同様である。
時刻t1では、1次電源電圧監視部51から出力制御部55へ起動信号が出力されると、出力制御部55はドライバ57を介してVGL端子64からハイレベルの電圧を出力する。VGH端子62はローレベルである。
【0083】
ASIC15には外部回路としてスイッチング回路14が接続されているので、ゲート端子46にハイレベルの電圧が供給され、スイッチング回路14のローサイド素子であるスイッチング素子42がオンする。但し、VGH端子62はローレベルであるため、スイッチング回路14のハイサイド素子であるスイッチング素子41はオフである。このため、汎用IC13が接続されている場合とは異なり、出力端子43における電圧は0Vである。
【0084】
ASIC15は、汎用IC13が接続されている場合と同様に、安定時間待機する。
安定時間が経過した時刻t2では、引き続き、出力端子43における電圧は0Vである。つまり、判定用端子65にて取得される電圧VMOは、判定値未満となる。これにより、外部接続回路判定部53は、ASIC15に接続されている外部回路構成がスイッチング回路14であると判定する。
【0085】
外部接続回路判定部53によってASIC15に接続されている外部回路がスイッチング回路14であると判定されると、時刻t3では、ASIC内蔵電源54は第2態様で作動する。つまり、ASIC15は、時刻t3以降、ドライバ56、57に、VGL端子64及びVGH端子62端子からスイッチング信号を継続して出力させる。これにより、スイッチング回路14からは、例えば時刻t4以降、2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)が継続して出力される。
【0086】
なお、出力制御部55は、スイッチング信号の出力開始時には、スイッチング回路14からの出力電圧が0Vから2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)まで緩やかに上昇するように、スイッチング信号を制御する。スイッチング回路14からの出力電圧は判定用端子65にて取得されるので、出力制御部55は、例えば、判定用端子65にて取得される電圧VMOに基づいてフィードバック制御を行って、スイッチング回路14からの出力電圧を緩やかに上昇させてもよい。
【0087】
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1a)ASIC15は、VGH端子62、LX端子63、VGL端子64といった接続端子群を備える。ASIC15に汎用IC13を接続するための端子であるVGL端子64は、ASIC15にスイッチング回路14を接続するための端子(すなわち、VGH端子62、LX端子63、VGL端子64)と兼用されている。
【0088】
ASIC15では、起動制御部50は、特定端子であるVGL端子64から識別信号であるハイレベルの電圧が出力されたときの、外部回路からの出力電圧に基づいて、外部回路の種類に応じた態様で作動する。起動制御部50は、出力電圧監視部52、外部接続回路判定部53、及びASIC内蔵電源54を含む。
【0089】
ASIC15は、VGL端子64からハイレベルの電圧が出力されたときの外部回路(すなわち、汎用IC13又はスイッチング回路14)からの出力電圧の違いに基づいて、外部回路の種類に応じた作動態様(すなわち、第1態様又は第2態様)に自動で切り替わる。自動で切り替わるため、ASIC15は、作動態様を切り替えるための信号を外部から入力する端子を備える必要がない。更に、特定端子であるVGL端子64は、上述のように、ASIC15にスイッチング回路14を接続するための端子の一部として兼用されている。
【0090】
このように本実施形態のASIC15では、ASIC15にスイッチング回路14を接続する用途に用いられる端子を、汎用IC13の接続及び作動態様の切り替えといった別の用途にも用いることで、外部と接続するための端子の数を低減することができる。
【0091】
なお、比較のため、図7及び図8に、ASIC15とは異なる比較例としてのASIC(以下、比較例19)を備えるECU9(すなわち、ECU9a、9b)を示す。比較例19では、スイッチング回路14を接続する用途に用いられる端子(すなわち、VGH端子62、LX端子63、VGL端子64)とは別に、V-ENA端子90を更に備える。V-ENA端子90は、比較例19と汎用IC13とを接続する用途に用いられる端子である。また、比較例19では、モードセレクト端子91を更に備える。
【0092】
例えば、比較例19では、図7に示すように、モードセレクト回路100からモードセレクト端子91にハイレベル(例えば、5V)の信号が入力される場合、駆動回路選択部101が汎用IC駆動部102を選択する。選択された汎用IC駆動部102は、V-ENA端子90を介してイネーブル信号を汎用IC13に出力する。
【0093】
また例えば、比較例19では、図8に示すように、モードセレクト回路100からモードセレクト端子91にローレベル(例えば、0V)の信号が入力される場合、駆動回路選択部101がASIC内蔵電源部103を選択する。選択されたASIC内蔵電源部103は、VGH端子62、VGL端子64を介してスイッチング信号をスイッチング回路14に供給する。
【0094】
このように、複数種類の外部回路と接続される比較例19においては、本実施形態のASIC15とは異なり、汎用IC13の接続、スイッチング回路14の接続、及び作動態様の切り替えといった用途毎に、端子が必要となる。
【0095】
つまり、本実施形態のASIC15は、端子の使用用途を兼ねることで、比較例19と比べて、少なくともV-ENA端子90及びモードセレクト端子91が不要となっている。結果として、本実施形態のASIC15は、外部回路と接続するための端子の数を低減することができている。
【0096】
(1b)本実施形態のASIC15は、特定端子としてのVGL端子64から識別信号であるハイレベルの電圧が出力されたときに、判定用端子65にて取得される電圧VMOが判定電圧以上である場合に第1態様で作動し、判定用端子65にて取得される電圧VMOが判定電圧未満である場合に第2態様で作動する。
【0097】
これにより、ASIC15は、VGL端子64のみからハイレベルの電圧を出力し、VGH端子62からは信号を出力しないことで、外部回路からの出力電圧の違いに応じて、外部回路に応じた態様で作動するように作動態様を切り替えることができる。
【0098】
(1c)本実施形態のASIC15では、起動制御部50のうち、出力電圧監視部52は、特定端子から識別信号が出力されたときに、ASIC15に接続された外部回路からの出力電圧を判定用端子65を介して取得する。外部接続回路判定部53は、ASIC15に接続された外部回路が汎用IC13であるときとスイッチング回路14であるときとで、識別信号が出力されたときの出力電圧が異なることに基づいて、外部回路の種類を判定する。つまり、外部回路が汎用IC13及びスイッチング回路14のいずれであるかを判定する。ASIC内蔵電源54は、判定結果に基づいて、第1態様及び第2態様のうちいずれか一方の態様で作動する。
【0099】
これにより、ASIC15は、汎用IC13又はスイッチング回路14といった、外部回路(すなわち、電源回路)の種類を、ASIC15自らによって(すなわち、外部からの指示信号無しに、自動的に)、判定することができる。そして、判定結果に基づいて、ASIC15自らによって(すなわち、外部からの指示信号無しに、自動的に)、電源回路の種類に応じた態様で作動することができる。
【0100】
[1-4.変形例]
<変形例1-1>
上述の実施形態のASIC15では、ASIC15は、例えば、外部接続回路判定部53がハードウェアで構成される場合、図3のフローチャートからS70、S90を削除した処理を実行するように構成されてもよい。つまり、ASIC15は、判定用端子65にて取得される電圧VMOに基づいて、ASIC15に接続されている外部回路の種類を特定する処理を実行することなく、作動態様を切り替えてもよい。
【0101】
なお、上述の実施形態において、ASIC15が集積回路に相当し、ASIC内蔵電源54が識別信号部に相当し、起動制御部50が起動制御部に相当し、汎用IC13が第1回路に相当し、スイッチング回路14が第2回路に相当する。出力電圧監視部52が取得部に相当し、外部接続回路判定部53が判定部に相当し、ASIC内蔵電源54が制御実行部に相当する。VGH端子62、LX端子63、VGL端子64が接続端子群に相当し、VGH端子62、VGL端子64が駆動端子群に相当する。
【0102】
VGL端子64が特定端子に相当し、VGL端子64から出力されるハイレベルの電圧が識別信号に相当する。ENA端子30が第1制御端子に相当する。スイッチング素子41及びスイッチング素子42が2つのスイッチング素子に相当し、ゲート端子45がスイッチング素子41の切替端子に相当し、ゲート端子46がスイッチング素子42の切替端子に相当し、ゲート端子45、46が第2制御端子に相当する。S30が識別信号部としての処理に相当し、S80、S100が判定部としての処理に相当する。
【0103】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
第2実施形態は、基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、相違点について以下に説明する。なお、第1実施形態と同じ符号は、同一の構成を示すものであって、先行する説明を参照する。
【0104】
上述した第1実施形態では、特定端子としてのVGL端子64から特定信号としてのハイレベルの信号が出力され、外部回路からの出力電圧に基づいて外部回路に応じた態様で外部回路の制御が行われた。これに対し、第2実施形態では、特定端子としてVGH端子62が用いられる点で、第1実施形態と相違する。
【0105】
[2-2.処理]
<ASICによる処理>
次に、第2実施形態のASIC15が、第1実施形態の処理(すなわち、図3)に代えて実行する処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。なお、図5におけるS10-S20、S40、S70-S110の処理は、図3におけるS10-S20、S40、S70-S110の処理と同様であるため、説明を一部簡略化している。
【0106】
1次電源電圧監視部51によって起動信号が出力されると、S35では、ASIC内蔵電源54は、特定端子から識別信号を出力する。本実施形態では、特定端子はVGH端子62である。識別信号は、ハイレベルの電圧(すなわち、VGH=H)を示す信号である。
つまり、特定端子であるVGH端子62から出力される識別信号は、ASIC15にスイッチング回路14が接続されたときにハイサイド素子であるスイッチング素子41をオン又はオフする信号となり得る信号である。VGH端子62は、ASIC15に汎用IC13が接続されるときは使用されない。ASIC15に汎用IC13が接続されるときは、VGL端子64のみが使用される。
【0107】
具体的には、起動信号が出力されると、出力制御部55は、ドライバ56を作動させ、ドライバ56にVGH端子62へハイレベルの電圧(すなわち、VGH=H)を出力させる。これにより、本ステップ以降、ドライバ56によってVGH端子62からハイレベルの電圧が継続して出力される。なお、本ステップでは、出力制御部55は、ドライバ57を作動させない。ドライバ57はオフされており、VGL端子64はローレベル(すなわち、VGL=L)となっている。
【0108】
S40にて出力電圧監視部52によって判定用端子65の電圧VMOが取得されると、S55では、外部接続回路判定部53は、1次電源電圧V1が安定するまで(例えば、予め定められた安定時間が経過するまで)待機する。安定時間は、例えば、ソフトスタート処理によりASIC15によって制御される1次電源電圧V1の起動閾値以降1次電源電圧(6V)に安定するまでに必要とされる時間以上であり得る。なお、本実施形態の安定時間は、第1実施形態において2次電源電圧V2が安定するまでに必要とされる安定時間よりも、短い。
【0109】
次にS65では、外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて取得された電圧VMOが予め定められた電圧(以下、判定電圧ともいう)以上であるか否かを判定する。本実施形態では、判定電圧は、1次電源電圧V1の定常値(すなわち、6V)以下の値であって、0よりも相対的に大きい(すなわち、0付近の値ではなく)、予め定められた任意の電圧値であり得る。例えば、判定電圧は、1次電源電圧V1の定常値(すなわち、6V)に等しい値であり得る。また、例えば、判定電圧は、2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)に等しい値であり得る。
【0110】
なお、ここでいう「等しい」とは、厳密な意味での「等しい」に限るものではなく、同様の効果を奏するのであれば厳密に「等しい」値でなくてもよい。例えば、判定電圧は、1次電源電圧V1の定常値よりも若干小さい値であってもよい。または、判定電圧は、2次電源電圧V2の定常値よりも若干小さい値であってもよい。
【0111】
ここで、外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて取得された電圧VMOが判定電圧未満(例えば、0V)である場合に、処理をS70へ移行させる。S70以降は、第1実施形態と同様にS70、S80、S110の処理が実行される。そして、S110の処理が実行されると、以上で本処理が終了する。つまり、外部接続回路判定部53は、ASIC15に接続されている外部回路は汎用IC13を用いた回路構成であると判定し、ASIC内蔵電源54は、第1態様で作動するように作動態様を切り替える。
【0112】
一方、外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて取得された電圧VMOが判定電圧以上である場合に、処理をS90へ移行させる。S90以降は、第1実施形態と同様にS90、S100、S110の処理が実行される。そして、S110の処理が実行されると、以上で本処理が終了する。つまり、外部接続回路判定部53は、ASIC15に接続されている外部回路はスイッチング回路14を用いた回路構成であると判定し、ASIC内蔵電源54は、第2態様で作動するように作動態様を切り替える。
【0113】
<作動>
本実施形態のASIC15の作動を、図6を用いて説明する。
<汎用IC13が接続されている場合>
時刻t0から時刻t1までの作動は、第1実施形態と同様である。
【0114】
時刻t1では、1次電源電圧監視部51が出力制御部55に起動信号を出力すると、出力制御部55は、ドライバ56を介してVGH端子62からハイレベルの電圧を出力する。但し、VGL端子64はローレベルである。
【0115】
ASIC15には外部回路として汎用IC13が接続されているので、VGL端子64と接続されるENA端子30はローレベルであり、汎用IC13は駆動されない。OUT端子32はローレベル(すなわち、0V)であり、判定用端子65にて取得される電圧VMOもローレベル(すなわち、0V)である。
【0116】
なお、監視用端子61にて観測される電圧VENは、ASIC15のソフトスタート処理によって、0Vから1次電源電圧V1の定常値(すなわち、6V)まで緩やかに上昇する。例えば、安定時間が経過し、監視用端子61にて観測される電圧VENが安定し1次電源電圧V1の定常値(すなわち、6V)となる時刻t5では、外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて取得される電圧VMOが判定電圧以上であるか否かを判定する。外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて取得される電圧VMO(すなわち、0V)が判定電圧未満であることから、ASIC15に接続されている外部回路が汎用IC13であると判定する。
【0117】
外部接続回路判定部53によってASIC15に接続されている外部回路が汎用IC13であると判定されると、時刻t6では、ASIC内蔵電源54は第1態様で作動する。なお、汎用IC13はソフトスタート処理を実行するように構成されているため、OUT端子32から2次電源電圧V2の定常値である1Vが出力されるまでには一定の時間を要する(すなわち、一定のディレイが生じる)。
【0118】
例えば、時刻t6から一定の時間が経過した時刻t7では、汎用IC13から2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)が出力される。汎用IC13は、時刻t7以降も、2次電源電圧V2(すなわち、1V)を継続して出力する。
【0119】
<スイッチング回路14が接続されている場合>
時刻t0から時刻t1までの作動は、第1実施形態と同様である。
時刻t1では、1次電源電圧監視部51が出力制御部55に起動信号を出力すると、出力制御部55は、ドライバ56を介してVGH端子62からハイレベルの電圧を出力する。但し、VGL端子64はローレベルである。
【0120】
ASIC15には外部回路としてスイッチング回路14が接続されているので、ゲート端子45にハイレベルの電圧が供給され、スイッチング回路14のハイサイド素子であるスイッチング素子41がオンする。但し、VGL端子64はローレベルであるため、スイッチング回路14のローサイド素子であるスイッチング素子42はオフである。このため、スイッチング回路14の出力端子43からは、ASIC15のソフトスタート処理によって緩やかに上昇している途中の1次電源電圧V1(すなわち、時刻t1の時点での1次電源電圧V1)が出力される。
【0121】
例えば、安定時間が経過し、監視用端子61にて観測される電圧VENが安定し1次電源電圧V1の定常値(すなわち、6V)となる時刻t5では、外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて取得される電圧VMOが判定電圧以上であるか否かを判定する。この時点では、判定用端子65にて取得される電圧VMOは、1次電源電圧V1の定常値(すなわち、6V)となる。外部接続回路判定部53は、判定用端子65にて取得される電圧VMO(すなわち、6V)が判定電圧以上であることから、ASIC15に接続されている外部回路がスイッチング回路14であると判定する。
【0122】
外部接続回路判定部53によってASIC15に接続されている外部回路がスイッチング回路14であると判定されると、時刻t6では、ASIC内蔵電源54は第2態様で作動する。なお、ASIC内蔵電源54(すなわち、出力制御部55)は、スイッチング信号の出力開始時には、スイッチング回路14からの出力電圧が、1次電源電圧V1の定常値である6Vから2次電源電圧V2の定常値である1Vまで緩やかに下降するように、スイッチング信号を制御する。
【0123】
例えば、時刻t6から一定の時間が経過した時刻t7では、スイッチング回路14から2次電源電圧V2の定常値(すなわち、1V)が出力されるようになる。スイッチング回路14からは、時刻t7以降も2次電源電圧V2の定常値が継続して出力される。
【0124】
[2-3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、上述した第1実施形態の効果(1a)及び(1c)と同様の効果を奏し、さらに、以下の効果を奏する。
【0125】
(2a)本実施形態のASIC15は、特定端子としてのVGH端子62から識別信号であるハイレベルの電圧が出力されたときに、判定用端子65にて取得される電圧VMOが判定電圧未満である場合に第1態様で作動し、判定用端子65にて取得される電圧VMOが判定電圧以上である場合に第2態様で作動する。
【0126】
これにより、ASIC15は、VGH端子62のみからハイレベルの電圧を出力し、VGL端子64からは信号を出力しないことで、外部回路からの出力電圧の違いに応じて、外部回路に応じた態様で作動するように作動態様を切り替えることができる。
【0127】
[2-4.変形例]
<変形例2-1>
第2実施形態の変形例では、ASIC15は、図5におけるフローチャートのS55を削除して実行するように構成されてもよい。つまり、本変形例では、ASIC15における外部接続回路判定部53は、S55にて2次電源電圧V2の出力が安定するまで待機せず、S40にて判定用端子65の電圧VOMを取得すると直ちに判定用端子65の電圧VOMが判定電圧以上であるか否かを判定してもよい。
【0128】
ASIC15にスイッチング回路14が接続されている場合は、起動信号に従って出力制御部55が特定端子であるVGL端子64から特定信号であるハイレベルの電圧を示す信号を出力すると、直ちに、この時点での1次電源電圧V1が判定用端子65の電圧VOMとして取得されるからである。なお、ASIC15に汎用IC13が接続されている場合は、この時点において0Vが判定用端子65の電圧VOMとして取得される。
【0129】
つまり、ASIC15に汎用IC13が接続される場合とスイッチング回路14が接続される場合とでは、接続される外部回路に応じて出力される電圧が異なるようになるため、判定用端子65の電圧VOMに基づいて外部回路の種類を判定することができる。判定電圧は、例えば、起動閾値以下の値であって、0よりも相対的に大きい(すなわち、0付近の値ではなく)、予め定められた任意の電圧値であり得る。例えば、判定電圧は起動閾値に等しい値に設定されてもよい。
【0130】
これにより、安定時間が経過するまで待機すること無く、外部回路の種類を速やかに判定し、判定結果に基づいて外部回路に応じた作動態様に速やかに切り替えることができる。
<変形例2-2>
上述の実施形態のASIC15では、ASIC15は、例えば、外部接続回路判定部53がハードウェアで構成される場合、図5のフローチャートからS70、S90を削除した処理を実行するように構成されてもよい。つまり、ASIC15は、判定用端子65にて取得される電圧VMOに基づいて、ASIC15に接続されている外部回路の種類を特定する処理を実行することなく、作動態様を切り替えてもよい。
【0131】
なお、上述の実施形態において、VGH端子62が特定端子に相当し、VGH端子62から出力されるハイレベルの電圧が特定信号に相当する。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
【0132】
(3a)上述の実施形態において、ASIC15は、外部回路である汎用IC13に応じた第1態様で作動するように作動を切り替えた後、引き続き、判定用端子65にて取得される電圧VMOを監視するように構成され得る。例えば、ASIC15は、判定用端子65にて取得される電圧VMOが異常である場合にイネーブル信号の出力を停止する、といったフィードバック制御を実行するように構成されてもよい。ここでいう異常とは、判定用端子65にて取得される電圧VMOと2次電電圧V2の定常値(すなわち、1V)との差が予め定められた電圧閾値以上であることをいう。
【0133】
また、上述の実施形態において、ASIC15は、外部回路であるスイッチング回路14に応じた第2態様で作動するように作動を切り替えた後、引き続き、判定用端子65にて取得される電圧VMOを監視するように構成され得る。例えば、ASIC15は、ASIC15の負荷(例えば、第2マイコン11b等)の変動に拘わらず判定用端子65にて取得される電圧VMOが2次電電圧V2の定常値(すなわち、1V)で一定となるようにスイッチング信号を制御する、といったフィードバック制御を実行するように構成されてもよい。
【0134】
判定用端子65は、外部回路の種類を判定するために外部回路からの出力電圧を取得するための端子であるとともに、汎用IC13又はスイッチング回路14といった外部回路が正常であるか否かを監視するための端子である、ともいえる。つまり、上述の実施形態のASIC15では、判定用端子65の使用用途を複数の用途と兼ねることで、個々の使用用途毎に端子を備える必要がなくなっている。結果として、上述のASIC15は、外部回路と接続するための端子の数を低減することができている。
【0135】
(3b)本開示に記載のASIC15及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載のASIC15及びその手法は、一つ以上の専用ハードウェア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載のASIC15及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウェア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されてもよい。ASIC15に含まれる各部の機能を実現する手法には、必ずしもソフトウェアが含まれている必要はなく、その全部の機能が、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。
【0136】
(3c)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
【0137】
(3d)上述したASIC15の他、当該ASIC15を構成要素とするECU、システム、当該ASIC15を機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実体的記録媒体、当該ASIC15に接続される外部回路の駆動方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
【符号の説明】
【0138】
1、1a、1b…ECU、1a…第1ECU、1b…第2ECU、15…ASIC、13…汎用IC、14…スイッチング回路、54…ASIC内蔵電源、52…出力電圧監視部、53…外部接続回路判定部、62…VGH端子、63…LX端子、64…VGL端子、65…判定用端子。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8