(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】車両および電力管理システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20241126BHJP
B60L 53/66 20190101ALI20241126BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60L53/66
H02J7/00 301B
H02J7/10 A
(21)【出願番号】P 2021173726
(22)【出願日】2021-10-25
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下垣 勇介
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/115821(WO,A1)
【文献】特開2018-014549(JP,A)
【文献】特開2018-153033(JP,A)
【文献】特開2000-350697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L1/00-3/12
B60L7/00-13/00
B60L15/00-58/40
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両インレットを介して電気設備との間で充放電を行うように構成された車両であって、
前記車両の充放電を制御する制御装置と、
前記車両インレットと前記制御装置との間に接続された少なくとも1つの制御信号線を含む制御信号回路とを備え、
前記制御信号回路は、
前記電気設備と前記制御装置との間における、前記少なくとも1つの制御信号線を伝送される制御信号の互換性を確保するための互換性回路と、
前記互換性回路と前記制御装置とを電気的に絶縁する容量結合式または磁気結合式の絶縁部とを含む、車両。
【請求項2】
前記少なくとも1つの制御信号線は、
第1スイッチを介して前記電気設備の制御電源の電圧レベルに接続される第1作動開始停止線と、
第2スイッチを介してグランドに接続される第2作動開始停止線とを含み、
前記絶縁部は、
前記互換性回路を介して前記第1作動開始停止線に電気的に接続された第1絶縁素子と、
前記互換性回路を介して前記第2作動開始停止線に電気的に接続された第2絶縁素子とを含む、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記第1絶縁素子および前記第2絶縁素子の各々は、当該絶縁素子の1次側と2次側とを直流的に絶縁する一方で、交流信号については前記1次側から前記2次側に伝送可能に構成されたデジタルアイソレータである、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記互換性回路は、
前記第1作動開始停止線と前記第2作動開始停止線との間に電気的に接続された第1抵抗と、
前記第1作動開始停止線とグランドとの間に電気的に接続された第2抵抗と、
前記第1作動開始停止線とに電気的に接続された第1端と、第2端とを有する第3抵抗と、
前記第3抵抗の前記第2端とグランドとの間に電気的に接続され、前記第2作動開始停止線の電圧レベルに応じてオン/オフされるスイッチとを含む、請求項2または3に記載の車両。
【請求項5】
前記スイッチは、第1トランジスタを含み、
前記第1トランジスタは、
前記第3抵抗の前記第2端に電気的に接続された
コレクタまたは
ドレインである第1端子と、
グランドに電気的に接続された
エミッタまたは
ソースである第2端子と、
前記第2作動開始停止線に電気的に接続されたベースまたはゲートである第3端子とを有し、
前記互換性回路は、前記第1トランジスタの前記第1端子と前記第2端子との間に電気的に接続された第4抵抗をさらに含む、請求項4に記載の車両。
【請求項6】
前記互換性回路は、
前記第1作動開始停止線に電気的に接続された第1減衰回路と、
前記第1抵抗および前記第3抵抗を介して前記第2作動開始停止線に電気的に接続された第2減衰回路とをさらに含む、請求項4または5に記載の車両。
【請求項7】
前記少なくとも1つの制御信号線は、前記車両インレットへの充放電コネクタの接続を確認するための制御信号が伝送される充放電コネクタ接続確認線を含み、
前記絶縁部は、前記互換性回路を介して前記充放電コネクタ接続確認線に電気的に接続された第3絶縁素子を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の車両。
【請求項8】
前記互換性回路は、
前記充放電コネクタ接続確認線の電位を補機バッテリの電圧に引き上げる第5抵抗と、
前記充放電コネクタ接続確認線に電気的に接続された第3減衰回路とをさらに含む、請求項7に記載の車両。
【請求項9】
前記少なくとも1つの制御信号線は、前記車両の充放電の許可または禁止を通知するための制御信号が伝送される作動許可禁止線を含み、
前記絶縁部は、前記互換性回路を介して前記作動許可禁止線に電気的に接続された容量結合式または磁気結合式の第4絶縁素子を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の車両。
【請求項10】
前記互換性回路は、第2トランジスタを含み、
前記第2トランジスタは、
コレクタまたは
ドレインである第1端子と、
グランドに電気的に接続された
エミッタまたは
ソースである第2端子と、
ベースまたはゲートである第3端子とを有し、
前記互換性回路は、
前記作動許可禁止線と前記第2トランジスタの前記第
1端子との間に電気的に接続された第6抵抗と、
前記第2トランジスタの前記第3端子と前記第4絶縁素子との間に電気的に接続された第7抵抗とをさらに含む、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
請求項9または10に記載の車両と、
前記電気設備とを備え、
前記電気設備は、前記作動許可禁止線に接続された容量結合式または磁気結合式の絶縁素子を含む、電力管理システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの制御信号線は、
第3スイッチを介して前記電気設備の補助電源の電圧レベルに接続される第1低圧補助給電回路線と、
第4スイッチを介して前記補助電源の電圧レベルに接続される第2低圧補助給電回路線とを含み、
前記絶縁部は、
前記互換性回路を介して前記第1低圧補助給電回路線に電気的に接続された第5絶縁素子と、
前記互換性回路を介して前記第2低圧補助給電回路線に電気的に接続された第6絶縁素子とを含む、請求項1に記載の車両。
【請求項13】
前記互換性回路は、
前記第1低圧補助給電回路線とグランドとの間に電気的に接続された第8抵抗と、
前記第1低圧補助給電回路線と前記第5絶縁素子との間に電気的に接続された第4減衰回路と、
前記第2低圧補助給電回路線とグランドとの間に電気的に接続された第9抵抗と、
前記第2低圧補助給電回路線と前記第6絶縁素子との間に電気的に接続された第5減衰回路とを含む、請求項12に記載の車両。
【請求項14】
前記少なくとも1つの制御信号線は、前記車両インレットへの充放電コネクタの接続を確認するための制御信号が伝送される第1充放電コネクタ接続確認線を含み、
前記絶縁部は、前記互換性回路を介して前記第1充放電コネクタ接続確認線に電気的に接続された第7絶縁素子を含む、請求項12または13に記載の車両。
【請求項15】
前記互換性回路は、
前記第1充放電コネクタ接続確認線の電位を補機バッテリの電圧に引き上げる第10抵抗と、
前記第1充放電コネクタ接続確認線とグランドとの間に電気的に接続された第11抵抗と、
前記第1充放電コネクタ接続確認線と前記第7絶縁素子との間に電気的に接続された第6減衰回路とをさらに含む、請求項14に記載の車両。
【請求項16】
請求項14または15に記載の車両と、
前記電気設備とを備え、
前記少なくとも1つの制御信号線は、前記車両インレットへの前記充放電コネクタの接続を確認するための制御信号が伝送される第2充放電コネクタ接続確認線を含み、
前記電気設備は、前記互換性回路を介して前記第2充放電コネクタ接続確認線に接続された容量結合式または磁気結合式の第8絶縁素子を含む、電力管理システム。
【請求項17】
前記電気設備は、
前記第2充放電コネクタ接続確認線の電位を前記補助電源の電圧に引き上げる第12抵抗と、
前記第2充放電コネクタ接続確認線と前記第8絶縁素子との間に電気的に接続された第7減衰回路とをさらに含む、請求項16に記載の電力管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両および電力管理システムに関し、より特定的には、電気設備との間で充放電を行うように構成された車両、および、それを備える電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車など、二次電池および/または発電機が搭載された車両が普及しようとしている。これらの車両は、電気設備(充電設備)から供給される電力により充電される。たとえば国際公開第2020/115821号(特許文献1)は、車両と充電器とを含む充電システムを開示する。
【0003】
一方、再生可能エネルギーの普及に伴い、系統電源における電力のピークシフトおよびピークカットなどに車両を利用する技術が提案されている。車両から屋内配線への放電(給電)はV2H(Vehicle to Home)とも呼ばれ、車両から電力網への放電はV2G(Vehicle to Grid)とも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された充電システムにおいて、車両と充電器とはケーブルにより接続される。ケーブルは、充電の開始および停止を示す信号を充電器から車両に伝送するのに用いられる第1および第2の充電開始停止線40a,40bを含む(特許文献1の
図2参照)。第1および第2の充電開始停止線40a,40bの各々の車両側にはフォトカプラ10c,10dが接続されている。フォトカプラに電流が流れると、フォトカプラ内の発光素子が発光し、その光を受光素子が受光して電気信号に変換する。これにより、電気信号が伝送される。
【0006】
特にV2H、V2Gなどに車両を利用する場合には、車両と電気設備とが長時間接続されたままの状況が想定される。一般に、フォトカプラの消費電力は小さい。しかしながら、フォトカプラの消費電力を長時間にわたって積算した消費電力量は無視できない大きさになり得る。
【0007】
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、電力設備と車両との間の制御信号の伝送に伴う消費電力を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本開示のある局面に従う車両は、車両インレットを介して電気設備との間で充放電を行うように構成されている。車両は、車両の充放電を制御する制御装置と、車両インレットと制御装置との間に接続された少なくとも1つの制御信号線を含む制御信号回路とを備える。制御信号回路は、電気設備と制御装置との間における、少なくとも1つの制御信号線を伝送される制御信号の互換性を確保するための互換性回路と、互換性回路と制御装置とを電気的に絶縁する容量結合式または磁気結合式の絶縁部とを含む。
【0009】
(2)少なくとも1つの制御信号線は、第1スイッチを介して電気設備の制御電源の電圧レベルに接続される第1作動開始停止線と、第2スイッチを介してグランドに接続される第2作動開始停止線とを含む。絶縁部は、互換性回路を介して第1作動開始停止線に電気的に接続された第1絶縁素子と、互換性回路を介して第2作動開始停止線に電気的に接続された第2絶縁素子とを含む。
【0010】
(3)第1絶縁素子および第2絶縁素子の各々は、当該絶縁素子の1次側と2次側とを直流的に絶縁する一方で、交流信号については1次側から2次側に伝送可能に構成されたデジタルアイソレータである。
【0011】
(4)互換性回路は、第1作動開始停止線と第2作動開始停止線との間に電気的に接続された第1抵抗と、第1作動開始停止線とグランドとの間に電気的に接続された第2抵抗と、第3抵抗とを含む。第3抵抗は、第1作動開始停止線とに電気的に接続された第1端と、第2端とを有する。互換性回路は、第3抵抗の第2端とグランドとの間に電気的に接続され、第2作動開始停止線の電圧レベルに応じてオン/オフされるスイッチをさらに含む。
【0012】
(5)スイッチは、第1トランジスタを含む。第1トランジスタは、第3抵抗の第2端に電気的に接続されたコレクタまたはドレインである第1端子と、グランドに電気的に接続されたエミッタまたはソースである第2端子と、第2作動開始停止線に電気的に接続されたベースまたはゲートである第3端子とを有する。互換性回路は、第1トランジスタの第1端子と第2端子との間に電気的に接続された第4抵抗をさらに含む。
【0013】
(6)互換性回路は、第1作動開始停止線に電気的に接続された第1減衰回路と、第1抵抗および第3抵抗を介して第2作動開始停止線に電気的に接続された第2減衰回路とをさらに含む。
【0014】
(7)少なくとも1つの制御信号線は、車両インレットへの充放電コネクタの接続を確認するための制御信号が伝送される充放電コネクタ接続確認線を含む。絶縁部は、互換性回路を介して充放電コネクタ接続確認線に電気的に接続された第3絶縁素子を含む。
【0015】
(8)互換性回路は、充放電コネクタ接続確認線の電位を補機バッテリの電圧に引き上げる第5抵抗と、充放電コネクタ接続確認線に電気的に接続された第3減衰回路とをさらに含む。
【0016】
(9)少なくとも1つの制御信号線は、車両の充放電の許可または禁止を通知するための制御信号が伝送される作動許可禁止線を含む。絶縁部は、互換性回路を介して作動許可禁止線に電気的に接続された容量結合式または磁気結合式の第4絶縁素子を含む。
【0017】
(10)互換性回路は、第2トランジスタを含む。第2トランジスタは、コレクタまたはドレインである第1端子と、グランドに電気的に接続されたエミッタまたはソースである第2端子と、ベースまたはゲートである第3端子とを有する。互換性回路は、作動許可禁止線と第2トランジスタの第2端子との間に電気的に接続された第6抵抗と、第2トランジスタの第3端子と第4絶縁素子との間に電気的に接続された第7抵抗とをさらに含む。
【0018】
(11)本開示の他の局面に係る電力管理システムは、上記の車両と、電気設備とを備える。電気設備は、作動許可禁止線に接続された容量結合式または磁気結合式の絶縁素子を含む。
【0019】
(12)少なくとも1つの制御信号線は、第3スイッチを介して電気設備の補助電源の電圧レベルに接続される第1低圧補助給電回路線と、第4スイッチを介して補助電源の電圧レベルに接続される第2低圧補助給電回路線とを含む。絶縁部は、互換性回路を介して第1低圧補助給電回路線に電気的に接続された第5絶縁素子と、互換性回路を介して第2低圧補助給電回路線に電気的に接続された第6絶縁素子とを含む。
【0020】
(13)互換性回路は、第1低圧補助給電回路線とグランドとの間に電気的に接続された第8抵抗と、第1低圧補助給電回路線と第5絶縁素子との間に電気的に接続された第4減衰回路と、第2低圧補助給電回路線とグランドとの間に電気的に接続された第9抵抗と、第2低圧補助給電回路線と第6絶縁素子との間に電気的に接続された第5減衰回路とを含む。
【0021】
(14)少なくとも1つの制御信号線は、車両インレットへの充放電コネクタの接続を確認するための制御信号が伝送される第1充放電コネクタ接続確認線を含む。絶縁部は、互換性回路を介して第1充放電コネクタ接続確認線に電気的に接続された第7絶縁素子を含む。
【0022】
(15)互換性回路は、第1充放電コネクタ接続確認線の電位を補機バッテリの電圧に引き上げる第10抵抗と、第1充放電コネクタ接続確認線とグランドとの間に電気的に接続された第11抵抗と、第1充放電コネクタ接続確認線と第7絶縁素子との間に電気的に接続された第6減衰回路とをさらに含む。
【0023】
(16)本開示の他の局面に係る電力管理システムは、上記の車両と、電気設備とを備える。少なくとも1つの制御信号線は、車両インレットへの充放電コネクタの接続を確認するための制御信号が伝送される第2充放電コネクタ接続確認線を含む。電気設備は、互換性回路を介して第2充放電コネクタ接続確認線に接続された容量結合式または磁気結合式の第8絶縁素子を含む。
【0024】
(17)電気設備は、第2充放電コネクタ接続確認線の電位を補助電源の電圧に引き上げる第12抵抗と、第2充放電コネクタ接続確認線と第8絶縁素子との間に電気的に接続された第7減衰回路とをさらに含む。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、電力設備と車両との間の制御信号の伝送に伴う消費電力を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の実施の形態1に係る電力管理システムの全体構成を概略的に示す図である。
【
図2】実施の形態1におけるEVPSの制御信号回路および車両の制御信号回路の詳細な構成例を示す回路ブロック図である。
【
図6】実施の形態1における制御信号回路の動作を説明するためのタイムチャートである。
【
図7】実施の形態1の変形例におけるEVPSの制御信号回路および車両2の制御信号回路の詳細な構成例を示す回路ブロック図である。
【
図8】実施の形態2に係る電力管理システムの全体構成を概略的に示す図である。
【
図9】実施の形態2におけるEVPSの制御信号回路および車両の制御信号回路の詳細な構成例を示す回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0028】
本開示およびその実施の形態において、「充放電」との用語は、充電および放電のうちの少なくとも一方を意味する。すなわち、電気設備との間で充放電を行うように構成された車両は、電気設備との間で充電のみを行うように構成されていてもよいし、電気設備との間で放電のみを行うように構成されていてもよいし、電気設備との間で充電および放電の両方を行うように構成されていてもよい。
【0029】
[実施の形態1]
<システム構成図>
図1は、本開示の実施の形態1に係る電力管理システムの全体構成を概略的に示す図である。電力管理システム100は、EVPS(Electric Vehicle Power System)1と、車両2と、充放電ケーブルアセンブリ3とを備える。EVPS1と車両2とは充放電ケーブルアセンブリ3によって互いに接続されている。
【0030】
EVPS1は、たとえば公共の、または家庭用の直流(DC:Direct Current)方式の車両用の電力設備である。本実施の形態において、EVPS1は、車両2の充電および放電の両方が可能である。より具体的には、EVPS1は、電力系統から送電線を介して交流電力を受け、その交流電力を直流電力に変換して充放電ケーブルアセンブリ3を介して車両2に供給するように構成されている。また、EVPS1は、車両2から充放電ケーブルアセンブリ3を介して直流電力を受け、その直流電力を交流電力に変換して送電線を介して電力系統に供給するように構成されている。
【0031】
車両2は、外部と接続可能に構成された車両であり、具体的には電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)、プラグインハイブリッド車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、プラグイン燃料電池車(PFCEV:Plug-in Fuel Cell Electric Vehicle)である。
【0032】
充放電ケーブルアセンブリ3は、EVPS1と車両2とを電気的に接続する。充放電ケーブルアセンブリ3は、車両2の充電専用のケーブルアセンブリであってもよく、車両2の放電専用のケーブルアセンブリであってもよい。
【0033】
詳細には、EVPS1は、電力変換装置11と、制御電源12と、コントローラ13と、制御信号回路14とを含む。車両2は、車両インレット20と、メインバッテリ21と、補機バッテリ22と、ECU(Electronic Control Unit)23と、制御信号回路24と、車両コンタクタ25と、リレー26(
図2参照)とを含む。充放電ケーブルアセンブリ3は、電力線31と、信号線32と、充放電コネクタ33とを含む。
【0034】
電力変換装置11は、AC/DC変換装置(図示せず)を含む。電力変換装置11は、DC/DC変換装置(図示せず)をさらに含んでもよい。電力変換装置11は、コントローラ13からの指令に従って、電力系統から供給される交流電力を車両2への充電に適した直流電力に変換する。また、電力変換装置11は、コントローラ13からの指令に従って、車両2から放電される直流電力を電力系統への供給に適した交流電力に変換する。
【0035】
制御電源12は、コントローラ13および制御信号回路14に所定の動作電圧VB1を供給する。たとえば動作電圧VB1=12Vである。なお、コントローラ13および制御信号回路14は、フレームグランドFG1に電気的に接続されている。
【0036】
コントローラ13は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などのメモリと、入出力ポートとを含む。コントローラ13は、メモリに記憶されたプログラムと、充放電ケーブルアセンブリ3を介して車両2(ECU23)から伝送される制御信号とに基づいて様々な処理を実行する。より具体的には、コントローラ13は、ECU23との通信(各種制御信号の入出力)によりEVPS1の充電シーケンスおよび/または放電シーケンスを制御する。
【0037】
制御信号回路14は、コントローラ13に接続されている。また、制御信号回路14は、充放電ケーブルアセンブリ3を介して車両2の制御信号回路24とに電気的に接続される。制御信号回路14は、充放電ケーブルアセンブリ3の信号線32を伝送される信号に対して所定の信号変換処理を行うように構成されている。制御信号回路14の詳細な回路構成については
図2にて説明する。
【0038】
車両インレット20は、充放電ケーブルアセンブリ3の充放電コネクタ33を機械的に連結可能に構成されている。ユーザ(車両2のドライバ、EVPS2が設けられた施設で働く作業員など)が充放電コネクタ33を車両インレット20に連結することで、車両2とEVPS1との間で、電力伝送のための電気的な接続が確保されるとともに、各種制御信号を相互に送受信することが可能になる。
【0039】
メインバッテリ21は、複数のセル(図示せず)を含む組電池である。各セルは、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池などの二次電池である。メインバッテリ21は、車両2の駆動力を発生させるための電力をモータジェネレータ(図示せず)に供給する。また、メインバッテリ21は、車両2の回生制動時にモータジェネレータにより発電された電力を蓄える。なお、メインバッテリ21に代えて、電気二重層キャパシタなどのキャパシタも採用され得る。
【0040】
補機バッテリ22は、鉛蓄電池またはリチウムイオン電池などの二次電池である。補機バッテリ22は、ECU23、制御信号回路24および補機類(図示せず)に所定の動作電圧VB2を供給する。たとえば動作電圧VB2=12Vである。なお、補機バッテリ22に代えて、メインバッテリ21の電力を降圧して出力する回路を設けてもよい。ECU23および制御信号回路24は、フレームグランドFG2に電気的に接続されている。
【0041】
ECU23は、CPUなどのプロセッサと、ROMおよびRAMなどのメモリと、入出力ポート(いずれも図示せず)とを含む。ECU23は、メモリに記憶されたプログラムと、充放電ケーブルアセンブリ3を介してEVPS1(コントローラ13)から伝送される制御信号とに基づいて様々な処理を実行する。より具体的には、ECU23は、EVPS1と車両2との接続を検出する。また、ECU23は、コントローラ13との通信により車両2の充電シーケンスおよび/または放電シーケンスを制御する。充電シーケンスについては
図6にて説明する。
【0042】
制御信号回路24は、ECU23に接続されている。また、制御信号回路24は、充放電ケーブルアセンブリ3を介してEVPS1の制御信号回路14とに電気的に接続される。制御信号回路24は、充放電ケーブルアセンブリ3の信号線32を伝送される信号に対して所定の信号変換処理を行うように構成されている。制御信号回路24の詳細な回路構成についても
図2にて説明する。
【0043】
電力線31は、1対の電力線を含み、EVPS1と車両2との間での電力伝送に用いられる。車両2において、電力線31には車両コンタクタ25が電気的に接続されている。
【0044】
信号線32は、EVPS1と車両2との間での信号伝送に用いられる。
図2にて詳細に説明するように、信号線32は、この例では6本の信号線L1~L6を含む。
【0045】
充放電コネクタ33は、充放電ケーブルアセンブリ3の一方端に設けられ、車両インレット20に連結されるように構成されている。充放電ケーブルアセンブリ3の他方端は、EVPS1に電気的に接続されている。
【0046】
図示しないが、コントローラ13とECU23とは、予め定められた通信規格に準拠した通信線により接続されている。具体的には、コントローラ13とECU23とは、CAN(Controller Area Network)通信線により接続され、CAN通信規格に準拠して相互に通信するように構成されている。
【0047】
<詳細回路構成>
図2は、実施の形態1におけるEVPS1の制御信号回路14および車両2の制御信号回路24の詳細な構成例を示す回路ブロック図である。実施の形態1では、各種信号線および制御信号回路14,24がチャデモ(CHAdeMO)関連規格に適合する構成例について説明する。なお、
図2では紙面の都合上、充放電コネクタ33および車両インレット20の図示が省略されている。
【0048】
信号線32は、充放電コネクタ12V線L1と、作動開始停止線L2と、作動開始停止線L3と、充放電コネクタ接続確認線L4と、作動許可禁止線L5と、接地線L6とを含む。
【0049】
充放電コネクタ12V線L1は、EVPS1の制御電源12と車両2の補機バッテリ22とを接続する。これにより、仮にEVPS1に制御電源12が設けられていなくても車両2からEVPS1に12Vの動作電圧を供給できる。
【0050】
作動開始停止線L2,L3は、作動開始停止1信号および作動開始停止2信号の伝送に使用される。より詳細には、コントローラ13は、充放電制御の開始を通知するために作動開始停止1信号をECU23に出力する。ECU23は、作動開始停止1信号を受けると、充放電制御の開始を検出する。また、コントローラ13は、EVPS1における絶縁診断の完了を通知するために作動開始停止2信号をECU23に出力する。ECU23は、作動開始停止2信号を受けると、短絡異常はないとして車両コンタクタ25を投入する。
【0051】
充放電コネクタ接続確認線L4は、充放電コネクタ33が車両インレット20に接続されていることをECU23が検出するために使用される。ECU23は、充放電コネクタ接続確認線L4から入力される電圧が規定の電圧範囲内である場合に、車両インレット20への充放電コネクタ33の接続を検出できる。
【0052】
作動許可禁止線L5は、作動許可禁止信号の伝送に使用される。ECU23は、車両2における充放電の準備が完了した旨を通知するために作動許可禁止信号をコントローラ13に出力する。コントローラ13は、作動許可禁止信号を受けると、充放電コネクタ33に設けられたラッチ機構(図示せず)をラッチホールドするように制御することで、充放電コネクタ33を車両インレット20に機械的に固定する。また、ECU23は、車両2からの充放電の指示を終了する場合に作動許可禁止信号の出力を停止する。コントローラ13は、作動許可禁止信号の出力停止に伴い、コントローラ13の電流の入出力を停止する。
【0053】
接地線L6は、充放電ケーブルアセンブリ3によってEVPS1と車両2とが電気的に接続された場合に、EVPS1のフレームグランドFG1と車両2のフレームグランドFG2とに接続される。
【0054】
リレー26は、車両コンタクタ25の制御端子に接続されている。リレー26がECU23からの指令に従って閉成されると、車両コンタクタ25が閉成される。これにより、メインバッテリ21と電力線31とが電気的に接続され、メインバッテリ21が充放電可能な状態となる。
【0055】
EVPS1の制御信号回路14は、オプション回路15を含む。オプション回路15は、回り込み防止回路16と、ダイオードD1,D2と、ヒューズF1とを含む。制御信号回路14は、スイッチd1,d2と、フォトカプラ17と、抵抗R1,R2とをさらに含む。なお、オプション回路27の設置は任意選択的であるため、制御信号回路24がオプション回路27を含まなくてもよい。
【0056】
車両2の制御信号回路24は、オプション回路27と、互換性回路41,43,44と、絶縁素子51~54とを含む。互換性回路41は、抵抗R5~R8と、スイッチQ1と、減衰回路61,62とを含む。互換性回路43は、抵抗R3と、減衰回路63とを含む。互換性回路44は、抵抗R4と、スイッチQ2と、抵抗R9とを含む。なお、オプション回路27の設置も任意選択的であるため、制御信号回路24がオプション回路27を含まなくてもよい。
【0057】
ダイオードD1およびヒューズF1は、EVPS用電源端子T1と充放電コネクタ12V線L1との間に電気的に接続されている。EVPS用電源端子T1は、たとえばシガーライタプラグ内の端子である。EVPS用電源端子T1には外部電源(図示せず)が接続される。ダイオードD1は、充放電コネクタ12V線L1を流れる電流の方向をEVPS用電源端子T1から回り込み防止回路16に向かう方向に規制する。ヒューズF1は、外部電源から回り込み防止回路16に過電流が流れた場合に当該過電流を遮断する。
【0058】
ダイオードD2、ヒューズF2およびスイッチSW1は、充放電コネクタ12V線L1に電気的に接続されている。ダイオードD2は、充放電コネクタ12V線L1を流れる電流の方向を車両2から回り込み防止回路16に向かう方向に規制する。ヒューズF2は、補機バッテリ22から回り込み防止回路16に過電流が流れた場合に当該過電流を遮断する。スイッチSW1は、ECU23からの指令に従って、充放電コネクタ12V線L1の導通/非導通を切り替える。
【0059】
回り込み防止回路16は、EVPS用電源端子T1または補機バッテリ22から制御信号回路14(特に充放電コネクタ12V線L1以外の信号線)へのノイズまたは電流の回り込みを防止する。
【0060】
スイッチd1は、作動開始停止線L2に電気的に接続されている。スイッチd1は、コントローラ13からの指令に従って、作動開始停止線L2の導通/非導通を切り替える。スイッチd2は、作動開始停止線L3に電気的に接続されている。スイッチd2は、コントローラ13からの指令に従って、作動開始停止線L3の導通/非導通を切り替える。
【0061】
抵抗R1は、充放電コネクタ接続確認線L4に電気的に接続されている。抵抗R2は、作動許可禁止線L5に電気的に接続されている。
【0062】
フォトカプラ17は、作動許可禁止線L5に電気的に接続されている。フォトカプラ17は、作動許可禁止線L5におけるコントローラ13とECU23との間の絶縁を確保するために設けられている。フォトカプラ17は、ECU23から送信された作動許可禁止信号をコントローラ13に伝送する。
【0063】
互換性回路41,43,44は、コントローラ13と車両のECUとの間で互換性を確保するための回路である。特許文献1に開示されているように、従来の車両に含まれる制御信号回路は、既存の充放電規格に従ってフォトカプラを含む。EVPS側の制御信号回路14は、そのようなフォトカプラを含む制御信号回路との間で制御信号をやり取りするように構成されている。一方、本実施の形態に係る車両2に含まれる制御信号回路14は、フォトカプラに代えて絶縁素子51~54を含む。互換性回路41,43,44を設けることで、コントローラ13の接続先が従来の制御信号回路か本実施の形態における制御信号回路14かに拘らず、コントローラ13が制御信号をやり取りすることが可能になる。
【0064】
互換性回路41において、抵抗R5の第1端は、作動開始停止線L3に電気的に接続されている。抵抗R5の第2端は、作動開始停止線L2に電気的に接続されている。抵抗R6は、作動開始停止線L2とフレームグランドFG2との間に電気的に接続されている。抵抗R7の第1端は、抵抗R5の他方端と、作動開始停止線L2とに電気的に接続されている。抵抗R7の第2端は、減衰回路62に電気的に接続されている。
【0065】
スイッチQ1は、ノーマリオフ型のスイッチであり、この例ではバイポーラトランジスタである。スイッチQ1のベースは、スイッチd2と抵抗R5との間において作動開始停止線L3に電気的に接続されている。スイッチQ1のコレクタは、抵抗R7の第2端と減衰回路62との間において作動開始停止線L3に電気的に接続されている。スイッチQ1のエミッタは、フレームグランドFG2に電気的に接続されている。スイッチQ1のコレクタとエミッタとの間には抵抗R8が電気的に接続されている。なお、スイッチQ1は、FET(Field Effect Transistor)等の他のトランジスタであってもよいし、リレーであってもよい。
【0066】
減衰回路61は、作動開始停止線L2と絶縁素子51との間に電気的に接続されている。
【0067】
図3は、減衰回路61の構成の一例を示す図である。減衰回路は、たとえば抵抗減衰器であり、抵抗R10,R11を含む。抵抗R10は、作動開始停止線L2に直列に接続されている。抵抗R11は、作動開始停止線L2とフレームグランドFG2との間に電気的に接続されている。詳細な説明は繰り返さないが、他の減衰回路62,63の構成も同等である。
【0068】
図2に戻り、絶縁素子51は、減衰回路61とECU23との間に電気的に接続されている。絶縁素子51は、1次側の減衰回路61と2次側のECU23との間を絶縁しつつ、コントローラ13からの作動開始停止1信号および作動開始停止2信号を減衰回路61からECU23へと伝送する。より詳細には、絶縁素子51は、当該素子の1次側と2次側とを直流的に絶縁する一方で、交流信号については1次側から2次側に伝送可能に構成されたデジタルアイソレータである。
【0069】
図4は、絶縁素子51の構成の一例を示す図である。絶縁素子51Aは、たとえば容量結合式(容量絶縁式)のデジタルアイソレータである。絶縁素子51Aは、たとえば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)入力の差動ドライバ71と、コンデンサC1と、CMOS入力の差動レシーバ72とを含む。絶縁素子51Aでは、1次側の差動ドライバ71と2次側の差動レシーバ72との間にコンデンサC1の充電/放電が介在する。これにより、直接的な電気信号の受け渡しは行わずに差動ドライバ71と差動レシーバ72とが電気的に分離されている。
【0070】
図5は、絶縁素子51の構成の他の一例を示す図である。絶縁素子51Bは、たとえば磁気結合式(磁気絶縁式)のデジタルアイソレータであってもよい。絶縁素子51Bは、CMOS入力の差動ドライバ71と、絶縁トランスTr1と、CMOS入力の差動レシーバ72とを含む。絶縁素子51Bでは、1次側の差動ドライバ71から送られた電気信号が絶縁トランスTr1のコイルL11,L12において磁気エネルギーに変換される。この磁気エネルギーが電気信号に再び変換され、2次側の差動レシーバ72に伝達される。このようにコイルL11,L12における電気-磁気変換を介することにより、差動ドライバ71と差動レシーバ72とを電気的に分離されている。
【0071】
容量結合式のデジタルアイソレータも磁気結合式のデジタルアイソレータも、フォトカプラと比べて、低消費電流、長寿命、高速、低ノイズとの利点を有する。ただし、容量結合式のデジタルアイソレータおよび磁気結合式のデジタルアイソレータは、フォトカプラとは異なり、アナログ信号の伝送には対応していない。
【0072】
図2を再び参照して、減衰回路62は、作動開始停止線L3と絶縁素子52との間に電気的に接続されている。減衰回路62の構成は、減衰回路61(
図3参照)の構成と同等である。
【0073】
絶縁素子52は、減衰回路62とECU23との間に電気的に接続されている。絶縁素子52は、1次側の減衰回路62と2次側のECU23との間を絶縁しつつ、コントローラ13からの作動開始停止1信号および作動開始停止2信号を減衰回路62からECU23へと伝送する。絶縁素子52は、絶縁素子51と同等の容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータ(
図4または
図5参照)である。
【0074】
互換性回路43において、抵抗R3は、充放電コネクタ接続確認線L4の電位を補機バッテリ22の動作電圧VB2に引き上げるプルアップ抵抗である。
【0075】
減衰回路63は、充放電コネクタ接続確認線L4と絶縁素子53との間に電気的に接続されている。減衰回路63の構成も減衰回路61(
図3参照)の構成と同等である。
【0076】
絶縁素子53は、減衰回路63とECU23との間に電気的に接続されている。絶縁素子53は、1次側の減衰回路63と2次側のECU23との間を絶縁しつつ、充放電コネクタ33が車両インレット20に接続されていることを車両2が検出するための信号を減衰回路63からECU23へと伝送する。絶縁素子53は、絶縁素子51,52と同等の容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータ(
図4または
図5参照)である。
【0077】
互換性回路44において、抵抗R4は、作動許可禁止線L5に電気的に接続されている。
【0078】
スイッチQ2は、ノーマリオフ型のスイッチであり、この例ではバイポーラトランジスタである。スイッチQ2のコレクタは、作動許可禁止線L5に電気的に接続されている。スイッチQ2のエミッタは、フレームグランドFG2に電気的に接続されている。スイッチQ2のベースは、抵抗R9を介して絶縁素子54に電気的に接続されている。なお、スイッチQ2もスイッチQ1と同様に、FET等の他のトランジスタであってもよいし、リレーであってもよい。
【0079】
絶縁素子54は、ECU23とスイッチQ2のベースとの間に電気的に接続されている。絶縁素子54は、1次側のECU23と2次側の抵抗R9との間を絶縁しつつ、作動許可禁止信号をECU23から抵抗R9へと伝送する。絶縁素子54は、絶縁素子51~53と同等の容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータ(
図4または
図5参照)である。
【0080】
なお、絶縁素子51~54は、ディスクリート部品として実装されてもよいが、IC(Integrated Circuit)として1パッケージ化して実装されてもよい。1パッケージ化することで、制御信号回路24を小型化できる。制御信号回路24がECU23の内部に配置される場合にはECU23を小型化できる。
【0081】
減衰回路61~63は、対応する信号線上を伝送される制御信号の電圧レベルを低下させることでECU23を保護するために設けられている。制御信号を減衰させることなく直接、ECU23に入力されたとしてもECU23が正常に動作可能なのであれば、減衰回路61~63を非設置としてもよい。これにより、制御信号回路24をさらに小型化できる。
【0082】
<先行技術との対比>
特許文献1に開示された車両の制御信号回路は、光結合式のフォトカプラを絶縁素子として含む。フォトカプラでは、入力信号がH(ロジックハイ)の期間中、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を常時発光させる。発光素子の劣化が進んで発光素子の寿命が到来すると、EVPSと車両との間で信号伝送が行えなくなる可能性がある。また、発光素子の発光中には電力が常時消費される。
【0083】
特にV2H、V2Gなどに車両を利用する場合には、EVPSと車両とが長時間接続されたままの状況が想定される。フォトカプラは、発光素子の寿命が要因となり、V2H、V2Gにおける長期間の使用には耐えられない可能性がある。
【0084】
それに加えて、フォトカプラが劣化して発光素子の発光効率が低下すると、フォトカプラの出力伝達比(CTR:Current Transfer Ratio)が低下する。出力伝達比とは、発光素子に入力される電流(典型的にはLEDの順方向電流)に対する、受光素子(フォトトランジスタなど)から出力される電流の比である。発光素子の発光効率が低下しても受光素子の出力電流を必要な値に維持するためには、当初から発光素子への入力電流をある程度大きな値に設定しておくことを要する。そうすると、フォトカプラの消費電力が大きくなり得る。フォトカプラの消費電力を長時間にわたって積算した消費電力量は無視できない大きさになり得る。
【0085】
これに対し、実施の形態1に係る車両2の制御信号回路24は、容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータを絶縁素子51~54として含む。容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータは、フォトカプラと異なり、発光素子の寿命が到来することはなく、発光素子が電力を常時消費することもない。また、デジタルアイソレータの劣化に伴う出力伝達比の低下を考慮することも要さない。したがって、実施の形態1に係る車両2によれば、特許文献1に開示された車両と比べて、EVPS1と車両2との間の制御信号の伝送に伴う消費電力を低減できるとともに、V2H、V2Gにおける長期間の使用にも適している。
【0086】
<制御信号回路の動作>
図6は、実施の形態1における制御信号回路14,24の動作を説明するためのタイムチャートである。この例では、EVPS1から車両2を充電するための一連の動作について説明する。横軸は経過時間を表す。縦軸は、上から順に、スイッチd1のオン(閉成)/オフ(開放)、絶縁素子51の信号レベル、絶縁素子54の信号レベル、スイッチQ2のオン(導通)/オフ(非導通)、フォトカプラの信号レベル、スイッチd2のオン/オフ、スイッチQ1のオン/オフ、絶縁素子52の信号レベルを表す。初期時刻t0では、EVPS1と車両2とは充放電ケーブルアセンブリ3により接続されておらず、各構成要素はオフである。
【0087】
時刻t1において、EVPS1と車両2との接続が充放電コネクタ接続確認線L4によを用いて検出されると、コントローラ13は、作動開始停止1信号を作動開始停止線L2,L3を介してECU23へと出力する。より具体的には、コントローラ13は、スイッチd1をオフからオンに切り替える。そうすると、絶縁素子51がオンする。ECU23は、コントローラ13からの作動開始停止1信号を検知する。それと同時に、スイッチd1および抵抗R5を通じてスイッチQ1のベースに電流(ベース電流)が供給されてスイッチQ1がオンすることで、絶縁素子52がオフする。
【0088】
時刻t2において、ECU23は、車両2が充放電可能であることを通知するために、作動許可禁止信号(作動許可信号)を作動許可禁止線L5を介してコントローラ13へと出力する。より具体的には、ECU23は絶縁素子54をオンする。そうすると、抵抗R9を通じてスイッチQ2にベース電流が供給されることにより、スイッチQ2がオンする。その結果、フォトカプラ17がオンする。これにより、コントローラ13は、ECU23からの作動許可禁止信号を検知する。コントローラ13は、作動許可禁止信号を検知すると、充放電コネクタ33を車両インレット20に機械的に固定するためのラッチホールドが行われるようにラッチ機構(図示せず)を制御する。なお、ECU23は、作動許可禁止信号を作動許可禁止線L5に出力するのに加えて、CAN通信によっても車両2が充放電可能であることを通知ことが好ましい。
【0089】
時刻t3において、コントローラ13は、作動開始停止2信号を作動開始停止線L2,L3を介してECU23へと出力する。より具体的には、コントローラ13は、スイッチd2をオフからオンに切り替える。そうすると、スイッチQ1へのベース電流の供給が停止されるため、スイッチQ1がオフする。これに伴い、スイッチQ1のコレクタ電圧(抵抗R7と抵抗R8との間のノードの電圧)が上昇して絶縁素子52がオンする。これにより、ECU23は、コントローラ13からの作動開始停止2信号を検知する。ECU23は、作動開始停止2信号を検知すると、車両コンタクタ25が投入されるようにリレー26を制御する。その後、EVPS1から車両2への充電が開始される。
【0090】
充電終了後の時刻t4において、ECU23は、車両2の充放電指示が終了することを通知するために、作動許可禁止信号(作動禁止信号)を作動許可禁止線L5を介してコントローラ13へと出力する。より具体的には、ECU23は絶縁素子54をオフする。そうすると、スイッチQ2へのベース電流の供給が停止されるため、スイッチQ2がオフする。その結果、フォトカプラ17がオフする。これにより、コントローラ13は、ECU23からの作動許可禁止信号を検知する。コントローラ13は、作動許可禁止信号を検知すると、EVPS1からの電流の入出力を停止する。なお、ECU23は、作動許可禁止信号を作動許可禁止線L5に出力するのに加えて、CAN通信によっても車両2の充放電指示が終了することを通知ことが好ましい。
【0091】
時刻t5において、コントローラ13は、スイッチd2をオンからオフに切り替える。そうすると、スイッチQ1へのベース電流が供給されるため、スイッチQ1がオンする。これにより、スイッチQ1のコレクタ電圧が低下して絶縁素子52がオフする。
【0092】
時刻t6において、コントローラ13は、スイッチd1をオンからオフに切り替える。そうすると、絶縁素子51がオフする。それと同時に、スイッチQ1へのベース電流の供給が停止されてスイッチQ1がオフする。
【0093】
以上のように、実施の形態1においては、車両2の制御信号回路24がフォトカプラに代えて絶縁素子51~54を含むとともに、互換性回路41,43,44を含む。絶縁素子51~54は、容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータであるため、制御信号の伝送時にしか電力を消費しない。また、デジタルアイソレータの劣化に伴う出力伝達比の低下についても考慮しなくてよい。一方、互換性回路41,43,44は、EVPS1のコントローラ13が、特許文献1に開示されているような従来の制御信号回路に接続されている場合であっても、本実施の形態における制御信号回路24に接続されている場合であっても、コントローラ13が車両のECUとの間で各種制御信号をやり取りすることを可能にする。よって、実施の形態1によれば、互換性を確保しつつ、EVPS1と車両2との間の制御信号の伝送に伴う消費電力を低減できる。また、フォトカプラの発光素子の寿命が問題となることもない。
【0094】
[実施の形態1の変形例]
図7は、実施の形態1の変形例におけるEVPSの制御信号回路および車両2の制御信号回路24の詳細な構成例を示す回路ブロック図である。実施の形態2において、EVPS1Aは制御信号回路14Aを含む。制御信号回路14Aは、フォトカプラ17に代えて減衰回路65および絶縁素子55を含む点において、実施の形態1における制御信号回路14と異なる。
【0095】
減衰回路65は、作動許可禁止線L5と絶縁素子55との間に電気的に接続されている。減衰回路65の構成は、減衰回路61(
図3参照)の構成と同等である。
【0096】
絶縁素子55は、減衰回路65とコントローラ13との間に電気的に接続されている。絶縁素子55は、1次側の減衰回路65と2次側のコントローラ13との間を絶縁しつつ、ECU23からの作動許可禁止信号を減衰回路65からコントローラ13へと伝送する。絶縁素子55は、絶縁素子51~55と同等の容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータ(
図4または
図5参照)である。
【0097】
以上のように、実施の形態1の変形例においては、EVPS1Aの制御信号回路14Aがフォトカプラ17に代えて絶縁素子55を含む。絶縁素子55は、容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータであるため、制御信号の伝送時にしか電力を消費しない。また、デジタルアイソレータの劣化に伴う出力伝達比の低下についても考慮しなくてよい。よって、実施の形態1の変形例によれば、互換性を確保しつつ車両2の消費電力を低減するのに加えて、EVPS1Aの消費電力を低減できる。
【0098】
なお、スイッチd1,d2は、本開示に係る「第1スイッチ」および「第2スイッチ」にそれぞれ相当する。作動開始停止線L2,L3は、本開示に係る「第1作動開始停止線」および「第2作動開始停止線」にそれぞれ相当する。絶縁素子51~54は、本開示に係る「第1絶縁素子」~「第4絶縁素子」にそれぞれ相当する。減衰回路61~63は、本開示に係る「第1減衰回路」~「第3減衰回路」にそれぞれ相当する。抵抗R5,R6,R7,R8,R3,R4,R9は、本開示に係る「第1抵抗」~「第7抵抗」にそれぞれ相当する。スイッチQ1,Q2は、本開示に係る「第1トランジスタ」および「第2トランジスタ」にそれぞれ相当する。
【0099】
[実施の形態2]
実施の形態2においては、GB/T関連規格に適合する例について説明する。
【0100】
図8は、実施の形態2に係る電力管理システムの全体構成を概略的に示す図である。電力管理システム200は、EVPS1Bと、車両2Bと、充放電ケーブルアセンブリ3Bとを備える。EVPS1Bは、制御信号回路14に代えて制御信号回路14Bを含むとともに、補助電源18をさらに含む点において、実施の形態1に係るEVPS1(
図2参照)と異なる。車両2Bは、制御信号回路24に代えて制御信号回路24Bを含む点において、実施の形態1に係る車両2と異なる。
【0101】
図9は、実施の形態2におけるEVPS1Bの制御信号回路14Bおよび車両2Bの制御信号回路24Bの詳細な構成例を示す回路ブロック図である。
【0102】
充放電ケーブルアセンブリ3Bの信号線32Bは、この例では5本の信号線を含む。より詳細には、信号線32Bは、低圧補助給電回路線A+,A-と、充放電コネクタ接続確認線CC1,CC2と、接地線GLとを含む。
【0103】
低圧補助給電回路線A+,A-は、規定電圧を供給する補助電源18に接続されている。低圧補助給電回路線A+,A-は、作動開始および作動停止を指示する信号をコントローラ13からECU23に伝送するために使用される。
【0104】
充放電コネクタ接続確認線CC1は、充放電コネクタ33Bが車両インレット20Bに接続されていることをECU23が検出するために使用される。充放電コネクタ接続確認線CC2は、充放電コネクタ33Bが車両インレット20Bに接続されていることをECU23が検出するために使用される。
【0105】
接地線GLは、充放電ケーブルアセンブリ3BによってEVPS1Bと車両2Bとが電気的に接続された場合に、EVPS1BのフレームグランドFG1と車両2BのフレームグランドFG2とに接続される。
【0106】
EVPS1Bの制御信号回路14Bは、スイッチK3,K4と、互換性回路491と、絶縁素子59とを含む。互換性回路491は、抵抗R1と、減衰回路69とを含む。
【0107】
車両2Bの制御信号回路24Bは、互換性回路46~48と、絶縁素子56~58とを
含む。互換性回路46は、抵抗R6と、減衰回路66とを含む。互換性回路47は、抵抗
R7と、減衰回路67とを含む。互換性回路48は、抵抗R3,R5と、減衰回路68と
を含む。互換性回路492は、抵抗R2と、スイッチSW2と、抵抗R4とを含む。
【0108】
スイッチK3は、低圧補助給電回路線A+に電気的に接続されている。スイッチK3は、コントローラ13からの指令に従って、低圧補助給電回路線A+の導通/非導通を切り替える。抵抗R6は、低圧補助給電回路線A+とフレームグランドFG2との間に電気的に接続されている。減衰回路66は、低圧補助給電回路線A+と絶縁素子56との間に電気的に接続されている。減衰回路66の構成は減衰回路61(
図3参照)の構成と同等である。
【0109】
絶縁素子56は、減衰回路66とECU23との間に電気的に接続されている。絶縁素子56は、1次側の減衰回路66と2次側のECU23との間を絶縁しつつ、コントローラ13からの信号を減衰回路66からECU23へと伝送する。絶縁素子56は、絶縁素子51と同等の容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータ(
図4または
図5参照)である。
【0110】
スイッチK4は、低圧補助給電回路線A-に電気的に接続されている。スイッチK4は、コントローラ13からの指令に従って、低圧補助給電回路線A-の導通/非導通を切り替える。抵抗R7は、低圧補助給電回路線A-とフレームグランドFG2との間に電気的に接続されている。減衰回路67は、低圧補助給電回路線A-と絶縁素子57との間に電気的に接続されている。減衰回路67の構成も減衰回路61(
図3参照)の構成と同等である。
【0111】
絶縁素子57は、減衰回路67とECU23との間に電気的に接続されている。絶縁素子57は、1次側の減衰回路67と2次側のECU23との間を絶縁しつつ、コントローラ13からの信号を減衰回路67からECU23へと伝送する。絶縁素子57も、絶縁素子51と同等の容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータ(
図4または
図5参照)である。
【0112】
抵抗R3は、充放電コネクタ接続確認線CC2とフレームグランドFG2との間に電気的に接続されている。抵抗R5は、充放電コネクタ接続確認線CC2の電位を補機バッテリ22の動作電圧U2に引き上げるプルアップ抵抗である。減衰回路68は、充放電コネクタ接続確認線CC2と絶縁素子58との間に電気的に接続されている。減衰回路68の構成も減衰回路61(
図3参照)の構成と同等である。
【0113】
絶縁素子58は、減衰回路68とECU23との間に電気的に接続されている。絶縁素子58は、1次側の減衰回路68と2次側のECU23との間を絶縁しつつ、充放電コネクタ33Bが車両インレット20Bに接続されていることを車両2Bが検出するための信号を減衰回路68からECU23へと伝送する。絶縁素子58も、絶縁素子51と同等の容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータ(
図4または
図5参照)である。
【0114】
抵抗R1は、充放電コネクタ接続確認線CC1の電位を制御電源12の動作電圧U1に引き上げるプルアップ抵抗である。減衰回路69は、充放電コネクタ接続確認線CC1と絶縁素子59との間に電気的に接続されている。減衰回路69の構成も減衰回路61(
図3参照)の構成と同等である。
【0115】
絶縁素子59は、減衰回路69とコントローラ13との間に電気的に接続されている。絶縁素子59は、1次側の減衰回路69と2次側のコントローラ13との間を絶縁しつつ、充放電コネクタ33Bが車両インレット20Bに接続されていることをEVPS1Bが検出するための信号を減衰回路69からコントローラ13へと伝送する。絶縁素子59も、絶縁素子51と同等の容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータ(
図4または
図5参照)である。
【0116】
以上のように、実施の形態2においても、実施の形態1およびその変形例と同様に、EVPS1Bの制御信号回路14Bが絶縁素子59を含む。車両2Bの制御信号回路24Bが絶縁素子56~58を含む。絶縁素子56~59は、容量結合式または磁気結合式のデジタルアイソレータであるため、制御信号の伝送時にしか電力を消費しない。また、デジタルアイソレータの劣化に伴う出力伝達比の低下についても考慮しなくてよい。よって、実施の形態2によれば、互換性を確保しつつ、EVPS1Bおよび車両2Bの消費電力を低減できる。また、フォトカプラの発光素子の寿命が問題となることもない。
【0117】
なお、
図9に示す構成例では、EVPS1Bおよび車両2Bの両方が絶縁素子を含むが、EVPS1Bおよび車両2Bのうちの一方のみが絶縁素子を含み、他方はフォトカプラ(図示せず)を含んでもよい。
【0118】
なお、スイッチK3,K4は、本開示に係る「第3スイッチ」および「第4スイッチ」にそれぞれ相当する。低圧補助給電回路線A+,A-は、本開示に係る「第1低圧補助給電回路線」および「第2低圧補助給電回路線」にそれぞれ相当する。充放電コネクタ接続確認線CC2は、本開示に係る「第1充放電コネクタ接続確認線」に相当する。充放電コネクタ接続確認線CC1は、本開示に係る「第2充放電コネクタ接続確認線」に相当する。絶縁素子56~59は、本開示に係る「第5絶縁素子」~「第8絶縁素子」にそれぞれ相当する。減衰回路66~69は、本開示に係る「第4減衰回路」~「第7減衰回路」にそれぞれ相当する。
図9の抵抗R6,R7,R10,R3,R1は、本開示に係る「第8抵抗」~「第12抵抗」にそれぞれ相当する。
【0119】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0120】
100,200 電力管理システム、1,1B EVPS、11 電力変換装置、12 制御電源、13 コントローラ、14,14A,14B 制御信号回路、15 オプション回路、16 回り込み防止回路、17 フォトカプラ、18 補助電源、2,2B 車両、20,20B 車両インレット、21 メインバッテリ、22 補機バッテリ、23 ECU、24,24B 制御信号回路、25 車両コンタクタ、26 リレー、27 オプション回路、3,3B 充放電ケーブルアセンブリ、31,31B 電力線、32,32B 信号線、33,33B 充放電コネクタ、41,43,44,46~48,491,492 互換性回路、51~59,51A,51B 絶縁素子、61~63,65~69 減衰回路、71 差動ドライバ、72 差動レシーバ、C1 コンデンサ、D1,D2 ダイオード、F1,F2 ヒューズ、K3,K4,Q1,Q2,SW1,SW2,d1,d2 スイッチ、L1 充放電コネクタ12V線線、L2,L3 作動開始停止線、L4 充放電コネクタ接続確認線、L5 作動許可禁止線、L6 接地線、A+,A- 低圧補助給電回路線、CC1,CC2,L4 充放電コネクタ接続確認線、GL 接地線、L11,L12 コイル、R1~R11 抵抗、T1 EVPS用電源端子、Tr1 絶縁トランス。