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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】移動体乗客向け通知装置及び通知方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/0962 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
G08G1/0962
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021180082
(22)【出願日】2021-11-04
(65)【公開番号】P2023068774
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 宏充
(72)【発明者】
【氏名】徳山 貴志
(72)【発明者】
【氏名】余 淑芬
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-064369(JP,A)
【文献】特開2012-088871(JP,A)
【文献】特開2016-062414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載されて前記移動体の乗客に通知を行う移動体乗客向け通知装置であって、
前記乗客に対する通知内容を設定する情報処理装置と、
前記通知内容を出力する移動体搭載出力装置と、
前記通知内容を前記乗客が所持している装置に送信する通信装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記移動体の走行情報と、前記乗客に関する乗客情報と、前記走行情報及び前記乗客情報に関連付けて設定した前記通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を格納する記憶装置と、
前記移動体搭載出力装置及び前記通信装置に対する前記通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うプロセッサと、
を備え、
前記乗客情報は、前記乗客により設定される前記通知内容の通知希望情報を含み、
前記プロセッサは、前記出力制御処理において、
前記走行情報及び前記通知内容リストの情報に基づいて、又は、前記走行情報、前記乗客情報及び前記通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる前記通知内容を示す制御対象内容を特定し、
前記制御対象内容の重要度が所定レベル以上か否かを判定し、
前記制御対象内容の重要度が前記所定レベル以上と判定された場合、前記制御対象内容を前記移動体搭載出力装置に出力し、
前記制御対象内容の重要度が前記所定レベル以上でないと判定された場合、前記通知希望情報に基づいて、前記制御対象内容に対する通知不要設定が行われているか否かを判定し、
前記通知不要設定が行われていないと判定された場合、前記制御対象内容を前記通信装置に出力し、
前記通知不要設定が行われていると判定された場合、前記制御対象内容を出力しない
移動体乗客向け通知装置。
【請求項2】
請求項に記載の移動体乗客向け通知装置であって、
前記通知希望情報は、さらに、前記制御対象内容のうち、前記乗客が希望する対象の前記制御対象内容を通知するために、前記乗客により設定される個別レベルの情報を含み、
前記プロセッサは、前記出力制御処理において、前記通知不要設定が行われていないと判定された場合、さらに、
前記制御対象内容の重要度が前記個別レベル以上であるか否かを判定し、
前記制御対象内容の重要度が前記個別レベル以上と判定された場合、前記制御対象内容を前記通信装置に出力する
移動体乗客向け通知装置。
【請求項3】
移動体に搭載されて前記移動体の乗客に通知を行う移動体乗客向け通知装置であって、
前記乗客に対する通知内容を設定する情報処理装置と、
前記通知内容を出力する移動体搭載出力装置と、
前記通知内容を前記乗客が所持している装置に送信する通信装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記移動体の走行情報と、前記乗客に関する乗客情報と、前記走行情報及び前記乗客情報に関連付けて設定した前記通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を格納する記憶装置と、
前記移動体搭載出力装置及び前記通信装置に対する前記通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うプロセッサと、
を備え、
前記乗客情報は、前記乗客が所持している装置と前記通信装置の接続状態に関する接続状態情報を含み、
前記プロセッサは、前記出力制御処理において、
前記走行情報及び前記通知内容リストの情報に基づいて、又は、前記走行情報、前記乗客情報及び前記通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる前記通知内容を示す制御対象内容を特定し、
前記制御対象内容の重要度が所定レベル以上か否かを判定し、
前記制御対象内容の重要度が前記所定レベル以上と判定された場合、前記制御対象内容を前記移動体搭載出力装置に出力し、
前記制御対象内容の重要度が前記所定レベル以上でないと判定された場合、前記接続状態情報に基づいて、前記接続状態が遮断状態である装置が存在するか否かを判定し、
前記接続状態が遮断状態である装置が存在すると判定された場合、前記制御対象内容を前記移動体搭載出力装置に出力する
移動体乗客向け通知装置。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の移動体乗客向け通知装置であって、
前記乗客情報は、さらに、移動体に含まれるセンサから前記乗客の位置及び姿勢の情報を取得したセンサ取得情報を含む
移動体乗客向け通信装置。
【請求項5】
移動体に搭載されて前記移動体の乗客に通知を行う移動体乗客向け通知装置であって、
前記乗客に対する通知内容を設定する情報処理装置と、
前記通知内容を出力する移動体搭載出力装置と、
前記通知内容を前記乗客が所持している装置に送信する通信装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記移動体の走行情報と、前記乗客に関する乗客情報と、前記走行情報及び前記乗客情報に関連付けて設定した前記通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を格納する記憶装置と、
前記移動体搭載出力装置及び前記通信装置に対する前記通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うプロセッサと、
を備え、
前記乗客情報は、前記乗客により設定される前記通知内容の通知希望情報を含み、
前記プロセッサは、前記出力制御処理において、
前記走行情報及び前記通知内容リストの情報に基づいて、又は、前記走行情報、前記乗客情報、及び前記通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる前記通知内容を示す制御対象内容を特定し、
前記制御対象内容の重要度が所定レベル未満か否かを判定し、
前記制御対象内容の重要度が前記所定レベル未満であると判定された場合、前記通知希望情報に基づいて、前記制御対象内容に対する通知不要設定が行われているか否かを判定し、
前記通知不要設定が行われていないと判定された場合、前記制御対象内容を前記通信装置に出力し、
前記通知不要設定が行われていると判定された場合、前記制御対象内容を出力しない
移動体乗客向け通知装置。
【請求項6】
請求項に記載の移動体乗客向け通知装置であって、
前記通知希望情報は、さらに、前記制御対象内容のうち、前記乗客が希望する対象の前記制御対象内容を通知するために、前記乗客により設定される個別レベルの情報を含み、
前記プロセッサは、前記出力制御処理において、前記通知不要設定が行われていないと判定された場合、さらに、
前記制御対象内容の重要度が前記個別レベル以上であるか否かを判定し、
前記制御対象内容の重要度が前記個別レベル以上と判定された場合、前記制御対象内容を前記通信装置に出力する
移動体乗客向け通知装置。
【請求項7】
移動体に搭載されて前記移動体の乗客に通知を行う移動体乗客向け通知装置であって、
前記乗客に対する通知内容を設定する情報処理装置と、
前記通知内容を出力する移動体搭載出力装置と、
前記通知内容を前記乗客が所持している装置に送信する通信装置と、
を備え、
前記情報処理装置は、
前記移動体の走行情報と、前記乗客に関する乗客情報と、前記走行情報及び前記乗客情報に関連付けて設定した前記通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を格納する記憶装置と、
前記移動体搭載出力装置及び前記通信装置に対する前記通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うプロセッサと、
を備え、
前記乗客情報は、前記乗客が所持している装置と前記通信装置の接続状態に関する接続状態情報を含み、
前記プロセッサは、前記出力制御処理において、
前記走行情報及び前記通知内容リストの情報に基づいて、又は、前記走行情報、前記乗客情報、及び前記通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる前記通知内容を示す制御対象内容を特定し、
前記制御対象内容の重要度が所定レベル未満か否かを判定し、
前記制御対象内容の重要度が前記所定レベル未満であると判定された場合、前記接続状態情報に基づいて、前記接続状態が遮断状態である装置が存在するか否かを判定し、
前記接続状態が遮断状態である装置が存在すると判定された場合、前記制御対象内容を前記移動体搭載出力装置に出力する
移動体乗客向け通知装置。
【請求項8】
乗客に対する通知内容を設定するステップと、
前記通知内容を出力するステップと、
前記通知内容を前記乗客が所持している装置に送信するステップと、
移動体の走行情報と、前記乗客に関する乗客情報と、前記走行情報及び前記乗客情報に関連付けて設定した前記通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を取得するステップと、
移動体搭載出力装置及び通信装置に対する前記通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うステップと、
を行う移動体乗客向け通知方法であって、
前記乗客情報は、前記乗客により設定される前記通知内容の通知希望情報を含み、
前記出力制御処理が、
前記走行情報及び前記通知内容リストの情報に基づいて、又は、前記走行情報、前記乗客情報、及び前記通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる前記通知内容を示す制御対象内容を特定するステップと、
前記制御対象内容の重要度が所定レベル以上か否かを判定するステップと、
前記制御対象内容の重要度が前記所定レベル以上と判定された場合、前記制御対象内容を前記移動体搭載出力装置に出力するステップと、
前記制御対象内容の重要度が前記所定レベル以上でないと判定された場合、前記通知希望情報に基づいて、前記制御対象内容に対する通知不要設定が行われているか否かを判定するステップと、
前記通知不要設定が行われていないと判定された場合、前記制御対象内容を前記通信装置に出力するステップと、
前記通知不要設定が行われていると判定された場合、前記制御対象内容を出力しないステップと、
を含む
移動体乗客向け通知方法。
【請求項9】
乗客に対する通知内容を設定するステップと、
前記通知内容を出力するステップと、
前記通知内容を前記乗客が所持している装置に送信するステップと、
移動体の走行情報と、前記乗客に関する乗客情報と、前記走行情報及び前記乗客情報に関連付けて設定した前記通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を取得するステップと、
移動体搭載出力装置及び通信装置に対する前記通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うステップと、
を行う移動体乗客向け通知方法であって、
前記乗客情報は、前記乗客により設定される前記通知内容の通知希望情報を含み、
前記出力制御処理が、
前記走行情報及び前記通知内容リストの情報に基づいて、又は、前記走行情報、前記乗客情報、及び前記通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる前記通知内容を示す制御対象内容を特定するステップと、
前記制御対象内容の重要度が所定レベル未満か否かを判定するステップと、
前記制御対象内容の重要度が前記所定レベル未満であると判定された場合、前記通知希望情報に基づいて、前記制御対象内容に対する通知不要設定が行われているか否かを判定するステップと、
前記通知不要設定が行われていないと判定された場合、前記制御対象内容を前記通信装置に出力するステップと、
前記通知不要設定が行われていると判定された場合、前記制御対象内容を出力しないステップと、
を含む
移動体乗客向け通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の乗客に通知を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両に搭載される情報処理装置において、特定した乗客の携帯端末に対して出力情報を出力する技術が開示されている。この技術では、情報処理装置と携帯端末が接続状態となっている複数の携帯端末の中から、出力情報の出力先とする携帯端末を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-105745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動運転を行う移動体に複数の乗客が搭乗する場合、移動体の走行状態に応じて乗客の安全面、輸送面、等に関する通知内容を特定した乗客の携帯端末などに対して通知を行うことが想定される。しかしながら、あらゆる通知内容を乗客の携帯端末などに通知すると、乗客によっては煩わしさを感じさせ得ることとなる。また、安全面に関する通知内容の中でも特に重要度の高い内容において、乗客の注意を引くことができないおそれがある。従って、状況に応じて、通知内容の出力を適切に行うための改良が望まれる。
【0005】
本発明の1つの目的は、通知内容の重要度及び乗客に関する情報に応じて、出力先装置に対する通知内容の出力を制御することのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の観点は、移動体に搭載されて移動体の乗客に通知を行う移動体乗客向け通知装置に関連する。
移動体乗客向け通知装置は、
乗客に対する通知内容を設定する情報処理装置と、
通知内容を出力する移動体搭載出力装置と、
通知内容を乗客が所持している装置に送信する通信装置と、
を備える。
情報処理装置は、
移動体の走行情報と、乗客に関する乗客情報と、走行情報及び乗客情報に関連付けて設定した通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を格納する記憶装置と、
移動体搭載出力装置及び通信装置に対する通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うプロセッサと、
を備える。
乗客情報は、乗客により設定される通知内容の通知希望情報を含む。
プロセッサは、出力制御処理において、走行情報及び通知内容リストの情報に基づいて、又は、走行情報、乗客情報及び通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる通知内容を示す制御対象内容を特定する。
プロセッサは、出力制御処理において、制御対象内容の重要度が所定レベル以上か否かを判定する。
プロセッサは、出力制御処理において、制御対象内容の重要度が所定レベル以上と判定された場合、制御対象内容を移動体搭載出力装置に出力する。
プロセッサは、制御対象内容の重要度が所定レベル以上でないと判定された場合、通知希望情報に基づいて、制御対象内容に対する通知不要設定が行われているか否かを判定する。
通知不要設定が行われていないと判定された場合、プロセッサは、制御対象内容を通信装置に出力する。
通知不要設定が行われていると判定された場合、プロセッサは、制御対象内容を出力しない。
【0009】
の観点は、第の観点に加えて、次の特徴を更に有する。
通知希望情報は、さらに、制御対象内容のうち、乗客が希望する対象の制御対象内容を通知するために、乗客により設定される個別レベルの情報を含む。
プロセッサは、出力制御処理において、通知不要設定が行われていないと判定された場合、さらに、制御対象内容の重要度が個別レベル以上であるか否かを判定する。
プロセッサは、出力制御処理において、通知不要設定が行われていないと判定された場合、さらに、制御対象内容の重要度が個別レベル以上と判定された場合、制御対象内容を通信装置に出力する。
【0010】
の観点は、移動体に搭載されて移動体の乗客に通知を行う移動体乗客向け通知装置に関連する。
移動体乗客向け通知装置は、
乗客に対する通知内容を設定する情報処理装置と、
通知内容を出力する移動体搭載出力装置と、
通知内容を乗客が所持している装置に送信する通信装置と、
を備える。
情報処理装置は、
移動体の走行情報と、乗客に関する乗客情報と、走行情報及び乗客情報に関連付けて設定した通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を格納する記憶装置と、
移動体搭載出力装置及び通信装置に対する通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うプロセッサと、
を備える。
乗客情報は、乗客が所持している装置と通信装置の接続状態に関する接続状態情報を含む。
プロセッサは、出力制御処理において、走行情報及び通知内容リストの情報に基づいて、又は、走行情報、乗客情報及び通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる通知内容を示す制御対象内容を特定する。
プロセッサは、出力制御処理において、制御対象内容の重要度が所定レベル以上か否かを判定する。
プロセッサは、出力制御処理において、制御対象内容の重要度が所定レベル以上と判定された場合、制御対象内容を移動体搭載出力装置に出力する。
プロセッサは、出力制御処理において、制御対象内容の重要度が所定レベル以上でないと判定された場合、接続状態情報に基づいて、接続状態が遮断状態である装置が存在するか否かを判定する。
プロセッサは、出力制御処理において、接続状態が遮断状態である装置が存在すると判定された場合、制御対象内容を移動体搭載出力装置に出力する。
【0011】
の観点は、第1の観点乃至第の観点のいずれか一つの観点に加えて、次の特徴を更に有する。
乗客情報は、さらに、移動体に含まれるセンサから乗客の位置及び姿勢の情報を取得したセンサ取得情報を含む。
【0012】
の観点は、移動体に搭載されて移動体の乗客に通知を行う移動体乗客向け通知装置に関連する。
移動体乗客向け通知装置は、
乗客に対する通知内容を設定する情報処理装置と、
通知内容を出力する移動体搭載出力装置と、
通知内容を乗客が所持している装置に送信する通信装置と、
を備える。
情報処理装置は、
移動体の走行情報と、乗客に関する乗客情報と、走行情報及び乗客情報に関連付けて設定した通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を格納する記憶装置と、
移動体搭載出力装置及び通信装置に対する通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うプロセッサと、
を備える。
乗客情報は、乗客により設定される通知内容の通知希望情報を含む。
プロセッサは、出力制御処理において、走行情報及び通知内容リストの情報に基づいて、又は、走行情報、乗客情報、及び通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる通知内容を示す制御対象内容を特定する。
プロセッサは、出力制御処理において、制御対象内容の重要度が所定レベル未満か否かを判定する。
プロセッサは、出力制御処理において、制御対象内容の重要度が所定レベル未満であると判定された場合、通知希望情報に基づいて、制御対象内容に対する通知不要設定が行われているか否かを判定する。
通知不要設定が行われていないと判定された場合、プロセッサは、制御対象内容を通信装置に出力する。
通知不要設定が行われていると判定された場合、プロセッサは、御対象内容を出力しない。
【0014】
の観点は、第の観点に加えて、次の特徴を更に有する。
通知希望情報は、さらに、制御対象内容のうち、乗客が希望する対象の制御対象内容を示す制御希望内容を通知するために、乗客により設定される個別レベルの情報を含む。
プロセッサは、出力制御処理において、通知不要設定が行われていないと判定された場合、さらに、制御希望内容の重要度が個別レベル以上であるか否かを判定する。
プロセッサは、出力制御処理において、通知不要設定が行われていないと判定された場合、さらに、制御希望内容の重要度が個別レベル以上と判定された場合、制御対象内容を通信装置に出力する。
【0015】
の観点は、移動体に搭載されて移動体の乗客に通知を行う移動体乗客向け通知装置に関連する。
移動体乗客向け通知装置は、
乗客に対する通知内容を設定する情報処理装置と、
通知内容を出力する移動体搭載出力装置と、
通知内容を乗客が所持している装置に送信する通信装置と、
を備える。
情報処理装置は、
移動体の走行情報と、乗客に関する乗客情報と、走行情報及び乗客情報に関連付けて設定した通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を格納する記憶装置と、
移動体搭載出力装置及び通信装置に対する通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うプロセッサと、
を備える。
乗客情報は、乗客が所持している装置と通信装置の接続状態に関する接続状態情報を含む。
プロセッサは、出力制御処理において、走行情報及び通知内容リストの情報に基づいて、又は、走行情報、乗客情報、及び通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる通知内容を示す制御対象内容を特定する。
プロセッサは、出力制御処理において、制御対象内容の重要度が所定レベル未満か否かを判定する。
プロセッサは、出力制御処理において、制御対象内容の重要度が所定レベル未満であると判定された場合、接続状態情報に基づいて、接続状態が遮断状態である装置が存在するか否かを判定する。
プロセッサは、出力制御処理において、接続状態が遮断状態である装置が存在すると判定された場合、制御対象内容を移動体搭載出力装置に出力する。
【0016】
の観点は、乗客に対する通知内容を設定するステップと、通知内容を出力するステップと、通知内容を乗客が所持している装置に送信するステップと、移動体の走行情報と、乗客に関する乗客情報と、走行情報及び乗客情報に関連付けて設定した通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を取得するステップと、移動体搭載出力装置及び通信装置に対する通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うステップと、を行う移動体乗客向け通知方法に関連する。
乗客情報は、乗客により設定される通知内容の通知希望情報を含む。
出力制御処理が、
走行情報及び通知内容リストの情報に基づいて、又は、走行情報、乗客情報、及び通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる通知内容を示す制御対象内容を特定するステップと、
制御対象内容の重要度が所定レベル以上か否かを判定するステップと、
制御対象内容の重要度が所定レベル以上と判定された場合、制御対象内容を移動体搭載出力装置に出力するステップと、
制御対象内容の重要度が所定レベル以上でないと判定された場合、通知希望情報に基づいて、制御対象内容に対する通知不要設定が行われているか否かを判定するステップと、
通知不要設定が行われていないと判定された場合、制御対象内容を通信装置に出力するステップと、
通知不要設定が行われていると判定された場合、制御対象内容を出力しないステップと、
を含む。
【0017】
の観点は、乗客に対する通知内容を設定するステップと、通知内容を出力するステップと、通知内容を乗客が所持している装置に送信するステップと、移動体の走行情報と、乗客に関する乗客情報と、走行情報及び乗客情報に関連付けて設定した通知内容及びその重要度を含む通知内容リストの情報と、を取得するステップと、移動体搭載出力装置及び通信装置に対する通知内容の出力を制御する出力制御処理を行うステップと、を行う移動体乗客向け通知方法に関連する。
乗客情報は、乗客により設定される通知内容の通知希望情報を含む。
出力制御処理が、
走行情報及び通知内容リストの情報に基づいて、又は、走行情報、乗客情報、及び通知内容リストの情報に基づいて、出力制御の対象となる通知内容を示す制御対象内容を特定するステップと、
制御対象内容の重要度が所定レベル未満か否かを判定するステップと、
制御対象内容の重要度が所定レベル未満であると判定された場合、通知希望情報に基づいて、制御対象内容に対する通知不要設定が行われているか否かを判定するステップと、
通知不要設定が行われていないと判定された場合、制御対象内容を通信装置に出力するステップと、
通知不要設定が行われていると判定された場合、制御対象内容を出力しないステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0018】
第1の観点によれば、出力制御の対象となる通知内容を示す制御対象内容の重要度が所定レベル以上の場合において、制御対象内容を移動体搭載出力装置に出力することができる。これにより、通知内容の重要度及び乗客に関する情報に応じて、出力先装置に対する通知内容の出力を制御することが可能となる。更に、第1の観点によれば、制御対象内容の重要度が所定レベル以上でない場合において、乗客情報に含まれる通知希望情報を用いることで、制御対象内容を通信装置に出力する、又は、制御対象内容を出力しないようにできる。これにより、通知内容の重要度及び乗客に関する情報に応じて、出力先装置に対する通知内容の出力を制御することが可能となる。
【0021】
の観点によれば、制御対象内容の重要度が所定レベル以上でない場合において、乗客情報に含まれる通知希望情報の個別レベルの情報を用いることで、制御対象内容の通知を不要としない乗客に対して通知を行う制御対象内容のうち、さらに、乗客が希望する対象の制御対象内容のみに限定して通知することができる。これにより、通知内容の重要度及び乗客に関する情報に応じて、出力先装置に対する通知内容の出力を制御することが可能となる。
【0022】
の観点によれば、出力制御の対象となる通知内容を示す制御対象内容の重要度が所定レベル以上の場合において、制御対象内容を移動体搭載出力装置に出力することができる。これにより、通知内容の重要度及び乗客に関する情報に応じて、出力先装置に対する通知内容の出力を制御することが可能となる。更に、第3の観点によれば、制御対象内容の重要度が所定レベル以上でない場合において、乗客情報に含まれる接続状態情報を用いることで、通知を希望する乗客のみに限定して制御対象内容を通知することができる。これにより、通知内容の重要度及び乗客に関する情報に応じて、出力先装置に対する通知内容の出力を制御することが可能となる。
【0023】
の観点によれば、乗客情報に含まれるセンサ取得情報を用いることで、乗客ごとに通知する通知内容を決定することが可能となる。
【0024】
の観点によれば、第1の観点と同じ効果が得られる。
【0026】
の観点によれば、第の観点と同じ効果が得られる。
【0027】
の観点によれば、第の観点と同じ効果が得られる。
【0028】
の観点によれば、第1の観点と同じ効果が得られる。
【0029】
の観点によれば、第の観点と同じ効果が得られる。


【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施の形態1に係る移動体乗客向け通知装置の構成例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る移動体乗客向け通知装置の機能例を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る移動体乗客向け通知装置の出力制御処理部における通知内容判定処理部の処理例を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態1に係る移動体乗客向け通知装置の出力制御処理部における出力先装置判定処理部の処理例を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施の形態1に係る移動体乗客向け通知装置の出力制御処理部における通知内容の重要度が所定レベル以上である場合の結果例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る移動体乗客向け通知装置の出力制御処理部における通知内容の重要度が所定レベル以上でない場合の結果例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態2に係る移動体乗客向け通知装置の構成例を示すブロック図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る移動体乗客向け通知装置の出力制御処理部における出力先装置判定処理部の処理例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係る移動体乗客向け通知装置及び通知方法ついて説明する。
【0032】
1.第1の実施の形態
1-1.構成例
本実施の形態に係る移動体乗客向け通知装置は、乗客が搭乗する自動運転の移動体において、移動体の走行の際に、乗客に通知する通知内容を判定し、その通知内容の出力先装置を判定するための装置である。本実施の形態に係る移動体乗客向け通知装置は、移動体に搭載される。図1は、本実施の形態に係る移動体乗客向け通知装置10の構成例を示すブロック図である。移動体乗客向け通知装置10は、情報処理装置20、移動体搭載出力装置30及び通信装置40を含んでいる。
【0033】
情報処理装置20は、各種情報処理を行う。情報処理装置20は、1又は複数のプロセッサ100(以下、単にプロセッサ100と呼ぶ)と、1又は複数の記憶装置110(以下、単に記憶装置110)と、を含んでいる。プロセッサ100は、各種処理を実行する。例えば、プロセッサ100は、ECU、CPU、等が例示される。記憶装置110は、移動体の走行情報120のデータ、乗客に関する乗客情報130のデータ、及び通知内容リスト140のデータを格納する。記憶装置110としては、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、HDD、SSD、等が例示される。プロセッサ100がコンピュータプログラムである移動体乗客向け通知プログラムを実行することによって、情報処理装置20の機能が実現される。移動体乗客向け通知プログラムは、記憶装置110に格納される。移動体乗客向け通知プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。移動体乗客向け通知プログラムは、ネットワーク経由で提供されてもよい。
【0034】
走行情報120には、移動体の運行ルートの情報が含まれる。走行情報120には、この運行ルートに基づいて生成される移動体の目標軌道の情報も含まれる。目標軌道は、自動運転中において移動体が走行すべき軌道のことであり、目標軌道上には目標軌道に応じた走行計画が生成されている。目標軌道は、移動体に搭載したセンサ(カメラ、レーダ、LiDAR等)により取得された情報に基づいて修正されてもよい。走行情報120には、移動体に搭載したセンサ(速度センサ、加速度センサ、舵角センサ、GPSセンサ等)により取得される走行状態を示す情報も含まれる。
【0035】
走行情報120としては、運行ルート上の停留所(例えば、バス停)到着までの予測時間が例示される。この予測時間は、例えば運行ルートに基づいて計算される。走行情報120には、目標軌道及び走行計画に基づいて計算される情報も含まれる。具体的には、加減速開始までの予測時間、加減速継続予測時間、現在の加減速度、将来の予測加減速度、完全停止までの予測時間、停止継続予測時間、操舵開始までの予測時間、操舵継続予測時間、現在の操舵速度、将来の予測操舵速度、現在の横G、将来の予測横G、横G継続予測時間、車線変更開始までの予測時間、車線変更完了までの予測時間、車線変更動作継続予測時間、回避動作開始までの予測時間等が上げられる。走行情報120には、カメラ、LiDER等により認識された地形情報により計算される情報も含まれる。例えば、横揺れ強度や横揺れの発生予測時間は、地形情報により計算される情報である。
【0036】
乗客情報130とは、乗客が所持している装置により取得される乗客に関する情報や、移動体の室内に搭載したセンサ(カメラ、着座センサ、動体センサ等)により取得される乗客に関する情報のことである。
【0037】
乗客情報130は、通知希望情報、接続状態情報及びセンサ取得情報を含んでいる。通知希望情報とは、乗客が所持している装置において、通知内容を通知にするか、又は、通知内容を通知不要にするかの設定情報のことである。接続状態情報とは、乗客が所持している装置と通信装置40の接続状態に関する情報のことである。センサ取得情報とは、移動体の室内に搭載したセンサ(カメラ、着座センサ、動体センサ等)から乗客の位置及び姿勢の情報を取得した情報のことである。その他、乗客情報130は、乗客が所持している装置に設定されている属性情報(年齢、性別、障害有無等)や、利用情報(乗車地、目的地、荷物有無等)、等の情報を含んでいる。
【0038】
乗客情報130に含まれる接続状態情報としては、接続されている乗客の装置(携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC、ワイヤレスイヤホン、スマートウォッチ、ウェアラブルディスプレイ等)の有無、接続されている乗客の装置の識別情報、等が例示される。
【0039】
乗客情報130に含まれるセンサ取得情報としては、年齢推定情報、乗車位置情報、乗車姿勢情報が含まれる。乗車位置情報としては、エリア情報(前方、中央、後方等)、座席情報(前向き座席、後ろ向き座席、横向き座席、タイヤ上座席等)、等が例示される。また、乗車姿勢情報としては、立っている、座っている、歩いている、しゃがんでいる、手すりにつかまっている、つり革につかまっている、つり革につかまっていない、前方を向いている、側方を向いている、後方を向いている、等が例示される。
【0040】
走行情報120及び乗客情報130に関連付けて設定された通知内容は、走行安全面、移動体の運行スケジュール遵守、乗客の目的地への定時到着、等を目的とする内容で構成される。構成された通知内容の内容に応じて、重要度のレベルが設定される。
【0041】
通知内容リスト140とは、走行情報120及び乗客情報130に関連付けて設定した通知内容及びその重要度を含む情報のことである。
【0042】
通知内容としては、バス停到着予告(「まもなくA地へ到着します。」等)、加減速予告及び警告(「加速します。ご注意ください。」、「減速します。ご注意ください。」等)、操舵予告及び警告(「右へ曲がります。ご注意ください。」等)、停止予告(「停止します。」、「次の停留所で、3分ほど停車します。」等)、発車予告及び警告(「発進します。ご注意ください。」等)、車線変更予告及び警告(「車線変更します。ご注意ください。」等)、横G予告及び警告(「左右に大きく揺れます。ご注意ください。」等)、縦揺れ予告及び警告(「車両が揺れます。ご注意ください。」等)、回避動作理由説明(「前方車両急停止のため、非常停止しました。」等)、走行ルート変更及び理由説明(「この先渋滞のため、走行ルートを変更します。」等)、着席促し(「安全のため、お席にお座りください。」等)、等が例示される。
【0043】
移動体搭載出力装置30は、乗客全員に対して通知内容を通知するための出力装置である。移動体搭載出力装置30としては、車載サイネージ、ディスプレイ、スピーカー、ランプ、等が例示される。
【0044】
通信装置40は、乗客が所持している装置に対して通知内容を通知するために、装置と通信を行う通信インターフェースである。乗客が所持している装置に対して通知内容のデータを送信するため、通知内容のデータを通信回線に割り当てる処理を実施する。通信装置40としては、DCM(Data Communication Module)、W
iFiルータ、等が例示される。
【0045】
1-2.情報処理の詳細
情報処理装置20は、走行情報120、乗客情報130及び通知内容リスト140に基づいて、移動体搭載出力装置30又は通信装置40に対する通知内容の出力する、若しくは通知内容を出力しない制御を行う処理を実行する。本実施の形態に係る情報処理は、以下に説明されるような特徴的な処理を含む。
【0046】
図2は、本実施の形態に係る情報処理に関連する機能例を示すブロック図である。情報処理装置20は、機能ブロックとして、情報入力部300、出力制御処理部310及び処理結果出力部340を備えている。これらの機能ブロックは、プロセッサ100が移動体乗客向け通知プログラムを実行することによって実現される。
【0047】
情報入力部300は、記憶装置110に記録されている走行情報120、乗客情報130、及び通知内容リスト140を入力する処理を行う。その後、入力された走行情報120、乗客情報130、及び通知内容リスト140を出力制御処理部310に対して出力を行う。
【0048】
出力制御処理部310は、さらに、通知内容判定処理部320及び出力先装置判定処理部330を備えている。出力制御処理部310は、入力された走行情報120、乗客情報130、及び通知内容リスト140に基づいて、乗客に通知する通知内容の判定を行い、判定された通知内容を出力する出力先装置の判定を行う。通知内容判定処理部320及び出力先装置判定処理部330の各処理部の詳細を後述する。
【0049】
通知内容判定処理部320は、入力された走行情報120及び乗客情報130が、通知内容リスト140に含まれるか否かを判定する。通知内容リスト140に含まれると判定された場合、出力制御の対象となる通知内容(以下、「制御対象内容」と称す。)及びその重要度を特定する。特定された制御対象内容及びその重要度を客先に通知する通知決定情報として生成する。通知内容判定処理部320の処理については詳細を後述する。
【0050】
出力先装置判定処理部330は、通知内容判定処理部320で生成された通知決定情報に含まれる制御対象内容の重要度が所定レベル以上か否かを判定し、判定結果に応じて、制御対象内容の出力先装置を判定する。出力先装置判定処理部330の処理については詳細を後述する。
【0051】
処理結果出力部340は、出力制御処理部310で判定された制御対象内容に対する出力先装置の結果に基づいて、移動体搭載出力装置30又は通信装置40に制御対象内容の出力を行うための設定を行う。
【0052】
図3は、通知内容判定処理部320の処理例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS100において、通知内容判定処理部320は、走行情報120、又は、走行情報120及び乗客情報130が通知内容リスト140に含まれるか否かを判定する。
【0054】
走行情報120、又は、走行情報120及び乗客情報130が通知内容リスト140に含まれると判定された場合(ステップS100;Yes)、処理はS110に進む。それ以外の場合(ステップS100;No)、処理はステップS120に進む。
【0055】
ステップS110において、通知内容判定処理部320は、制御対象内容及びその重要度を通知決定情報として生成する。
【0056】
ステップS120において、通知内容判定処理部320は、制御対象内容及びその重要度は無いものとする通知決定情報を生成する。
【0057】
ステップS130において、通知内容判定処理部320は、生成した通知決定情報を出力する。
【0058】
図4は、出力先装置判定処理部330の処理例を示すフローチャートである。
【0059】
ステップS200において、出力先装置判定処理部330は、通知内容判定処理部320で生成された通知決定情報に含まれる制御対象内容に対する重要度が所定レベル以上か否かを判定する。
【0060】
通知決定情報に含まれる制御対象内容に対する重要度が所定レベル以上と判定された場合(ステップS200;Yes)、処理はS210に進む。それ以外の場合(ステップS200;No)、処理はS220に進む。
【0061】
ステップS210において、出力先装置判定処理部330は、制御対象内容を通知する出力先装置を移動体搭載出力装置30に設定する。
【0062】
ステップS220において、出力先装置判定処理部330は、乗客が所持している装置と通信装置40の接続状態において、乗客情報130に含まれる接続状態情報が遮断状態である装置が存在するか否かを判定する。
【0063】
乗客が所持している装置と通信装置40の接続状態が遮断状態である装置が存在していると判定された場合(ステップS220;Yes)、処理はS230に進む。それ以外の場合(ステップS220;No)、処理はS240に進む。
【0064】
ステップS230において、出力先装置判定処理部330は、制御対象内容を通知する出力先装置を移動体搭載出力装置30に設定する。
【0065】
ステップS240において、出力先装置判定処理部330は、乗客情報130に含まれる通知希望情報が通知不要設定でないか否かを判定する。
【0066】
通知不要設定でないと判定された場合(ステップS240;Yes)、処理はステップS250に進む。それ以外の場合(ステップS240;No)、処理はステップS260に進む。
【0067】
ステップS250において、出力先装置判定処理部330は、制御対象内容を通知する出力先装置を通信装置40に設定する。
【0068】
ステップS260において、出力先装置判定処理部330は、制御対象内容を通知する出力先装置をなしに設定する。
【0069】
ステップS270において、出力先装置判定処理部330は、設定した出力先装置の情報を出力する。
【0070】
図5は、出力制御処理部310の結果例を示す図である。具体的には、情報処理装置20において、制御対象内容の重要度が所定レベル以上と判定された場合、制御対象内容の出力先装置は移動体搭載出力装置30に設定され、移動体搭載出力装置30を介して、乗客に制御対象内容を通知する。
【0071】
図6は、出力制御処理部310の結果例を示す図である。ここでは、情報処理装置20において、制御対象内容の重要度が所定レベル以上でないと判定された場合において、乗客情報130に基づいて、制御対象内容を通知する例を3つ挙げる。具体的に、一つ目の例は、乗客情報130の接続状態情報において、乗客が所持している装置と通信装置40の接続状態が遮断状態である装置が存在する場合である。この場合、制御対象内容の出力先装置は移動体搭載出力装置30に設定され、移動体搭載出力装置30を介して、乗客に制御対象内容を通知する。
【0072】
二つ目の例は、乗客が所持している装置と通信装置40の接続状態が遮断状態である装置が存在せず、乗客情報130の通知希望情報において、制御対象内容を通知する設定となっている装置が存在する場合である。この場合、制御対象内容の出力先装置は通信装置40に設定され、通信装置40を介して、通知設定となっている装置に制御対象内容を通知する。一方で、乗客情報130の通知希望情報において、制御対象内容を通知不要にする設定となっている装置に対しては制御対象内容を通知しない。
【0073】
三つ目の例は、乗客が所持している装置と通信装置40の接続状態が遮断状態である装置が存在せず、乗客情報130の通知希望情報において、制御対象内容を通知する設定となっている装置が存在しない場合である。この場合、移動体搭載出力装置30又は通信装置40の何れの出力先装置にも制御対象内容の設定は行われず、乗客に対して制御対象内容の通知もされない。
【0074】
図6に示す結果例以外の例を挙げる。具体的には、一つ目の例の制御対象内容の重要度が所定レベル以上でない、かつ、乗客が所持している装置と通信装置40の接続状態が遮断状態である装置が存在する場合である。この場合、制御対象内容の出力先装置は移動体搭載出力装置30となるが、乗客の中には、通知不要に設定している乗客も含まれることが想定される。このため、所定の範囲を通知することのできる移動体搭載出力装置30を全体の範囲を通知するために複数設置している場合、通知不要に設定している乗客のみしかいない所定の範囲における移動体搭載出力装置30については、制御対象内容を出力する設定は行わなくてもよい。
【0075】
さらに、図6に示す結果例以外の例を挙げる。具体的には、二つ目の例と同じで、乗客が所持している装置と通信装置40の接続状態が遮断状態である装置が存在せず、乗客情報130の通知希望情報において、制御対象内容を通知する設定となっている装置が存在する場合である。この場合において、装置に通知される制御対象内容は装置ごとに異なることを想定する。このとき、通信装置40には装置ごとの制御対象内容が設定され、通信装置40を介して、設定された制御対象内容を対応する装置に通知することとなる。装置ごとに制御対象内容を決定する方法としては、乗客情報130のセンサ取得情報による乗客の位置や姿勢の情報、等を用いてもよい。
【0076】
1-3.効果
出力制御の対象となる通知内容を示す制御対象内容の重要度が所定レベル以上の場合、乗客が所持している装置に関わらず、移動体搭載出力装置を介して、乗客に制御対象内容を通知することができる。一方で、制御対象内容の重要度が所定レベル以上でない場合、乗客が所持している装置と通信装置の接続状態が遮断状態である装置が存在しない環境において、通知を不要とする乗客に対しては制御対象内容が通知されず、通知を不要としない乗客に対しては制御対象内容が通知される。よって、この場合は、通知を希望する乗客のみに限定して制御対象内容を通知することができる。このように、本発明によれば、通知内容の重要度及び乗客に関する情報に応じて、出力先装置に対する通知内容の出力を制御することが可能となる。
【0077】
2.第2の実施の形態
第2の実施の形態は、構成例及び情報処理の詳細が第1の実施の形態と異なる。第1の実施の形態と重複する説明は適宜省略される。
【0078】
第2の実施の形態では、制御対象内容の重要度が所定レベル以上でない場合において、制御対象内容の通知を不要としない乗客に対して通知する制御対象内容のうち、さらに、乗客情報に基づいて、乗客が希望する対象の制御対象内容のみを通知するシーンについて着目する。通知を不要としない乗客の中には、必要な制御対象内容に限定して通知を希望する乗客が含まれることが考えられる。そこで、第2の実施の形態では、乗客情報に基づいて、乗客が希望する対象の制御対象内容を通知することが行われる。
【0079】
図7は、第2の実施の形態に係る移動体乗客向け通知装置の構成例における記憶装置110に格納された乗客情報130の詳細を示すブロック図である。乗客情報130の通知希望情報には、さらに、個別レベルの情報を含んでいる。個別レベルの情報とは、乗客に通知を行う制御対象内容のうち、乗客が希望する対象の制御対象内容を通知するために、乗客により設定される個別レベルの情報のことである。個別レベルは、重要度が所定レベル以下の制御対象内容に対して個々に設定される。個別レベルの設定は、例えば、移動体を利用する予定の乗客に、重要度が所定レベル以下の制御対象内容を事前に提示し、これに乗客が応答する形で設定される。
【0080】
図8は、第2の実施の形態に係る移動体乗客向け通知装置の出力先装置判定処理部330の処理例を示すフローチャートである。
【0081】
ステップS300において、出力先装置判定処理部330は、通知不要設定が行われていない場合、処理はステップS310に進む。
【0082】
ステップS310において、出力先装置判定処理部330は、制御対象内容の重要度が個別レベル以上か否かを判定する。
【0083】
制御対象内容の重要度が個別レベル以上と判定された場合(ステップS310;Yes)、処理はステップS320に進む。それ以外の場合(ステップS310;No)、処理はステップS330に進む。
【0084】
ステップS320において、出力先装置判定処理部330は、制御対象内容を通知する出力先装置を通信装置40に設定する。
【0085】
ステップS330において、出力先装置判定処理部330は、制御対象内容を通知する出力先装置をなしに設定する。
【0086】
ステップS340において、出力先装置判定処理部330は、設定した出力先装置の情報を出力する。
【0087】
乗客により設定される個別レベルは時間帯などによって制御してもよい。例えば、夜行バスなどのシーンにおいて、夜間の時間帯では、制御対象内容の重要度が個別レベル以上と判定されても、制御対象内容の重要度が所定レベル未満であれば、通知を行わない等、が挙げられる。
【0088】
以上に説明されたように、第2の実施の形態によれば、制御対象内容の通知を不要としない乗客に対して通知する制御対象内容のうち、乗客により設定された個別レベルに基づいて、制御対象内容の重要度が個別レベル以上と判定された対象の制御対象内容を通知することができる。よって、この場合は、乗客に通知する制御対象内容のうち、乗客が希望する対象の制御対象内容に限定して通知することができる。このように、本発明によれば、通知内容の重要度及び乗客に関する情報に応じて、出力先装置に対する通知内容の出力を制御することが可能となる。
【符号の説明】
【0089】
10 移動体乗客向け通知装置
20 情報処理装置
30 移動体搭載出力装置
40 通信装置
100 プロセッサ
110 記憶装置
120 走行情報
130 乗客情報
140 通知内容リスト
300 情報入力部
310 出力制御処理部
320 通知内容判定処理部
330 出力先装置判定処理部
340 処理結果出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8