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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】CO2管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241126BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021205512
(22)【出願日】2021-12-17
(65)【公開番号】P2023090525
(43)【公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】平田 泰
(72)【発明者】
【氏名】杉山 宏石
(72)【発明者】
【氏名】宮元 敬範
(72)【発明者】
【氏名】金子 和樹
(72)【発明者】
【氏名】小野地 裕策
(72)【発明者】
【氏名】横山 大樹
(72)【発明者】
【氏名】楠本 光優
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-510803(JP,A)
【文献】特開2019-219767(JP,A)
【文献】特開2008-194648(JP,A)
【文献】国際公開第2020/089668(WO,A1)
【文献】特開2006-016951(JP,A)
【文献】特開2008-057168(JP,A)
【文献】特開2021-117529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路交通量情報を取得する情報取得部を具備しており、道路上の車両から大気中に排出されて道路周りに漂うCO を回収するための複数個の移動式CO 回収装置と、移動式CO 回収装置を牽引するために移動式CO 回収装置への連結機構を備えた自動運転牽引車とを用い、複数個の移動式CO 回収装置および自動運転牽引車を同じ待機場所に待機させておき、道路交通量情報に基づいて、交通量が所定交通量以上である道路領域又は該道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域に位置するCO 回収装置の設置場所を特定し、該待機場所に待機している自動運転牽引車を該待機場所に待機しているいずれかの移動式CO 回収装置に自動運転により連結させ、自動運転牽引車により移動式CO 回収装置を該特定した設置場所に自動運転により移送させ、移動式CO 回収装置が該特定した設置場所に到達したときに自動運転牽引車と移動式CO 回収装置との連結を解除して、移動式CO 回収装置を作動させるCO管理システム。
【請求項2】
道路交通量情報の履歴に基づいて、交通量が所定交通量以上となる道路領域および時間帯を予測するための予測部を具備しており、交通量が所定交通量以上になると予測される道路領域又は該道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域に位置するCO 回収装置の設置場所を特定する請求項1に記載のCO管理システム。
【請求項3】
該予測部は、日付、曜日、天気、気温、イベントの実施状態に基づいて、交通量が所定交通量以上となる道路領域および時間帯を予測する請求項2に記載のCO管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCO管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大気中へのCOの排出量を抑制するために車両に搭載されたCO回収装置により排気ガス中のCOを回収し、各車両のCO回収装置により回収されたCO回収量をサーバに送信し、サーバにおいて各車両のCO回収装置により回収されたCO回収量を集計するようにした管理システムが公知である(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-8852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この特許文献に開示されている管理システムは、COを大気中へ排出させないようにCOを回収する場合を対象としており、大気中へ排出されたCOを回収することについて、この特許文献は何ら示唆していない。
本発明は、大気中へ排出されたCOを効率的に回収することのできる一つの手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明によれば、道路交通量情報を取得する情報取得部を具備しており、道路上の車両から大気中に排出されて道路周りに漂うCO を回収するための複数個の移動式CO 回収装置と、移動式CO 回収装置を牽引するために移動式CO 回収装置への連結機構を備えた自動運転牽引車とを用い、複数個の移動式CO 回収装置および自動運転牽引車を同じ待機場所に待機させておき、道路交通量情報に基づいて、交通量が所定交通量以上である道路領域又はこの道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域に位置するCO 回収装置の設置場所を特定し、待機場所に待機している自動運転牽引車を待機場所に待機しているいずれかの移動式CO 回収装置に自動運転により連結させ、自動運転牽引車により移動式CO 回収装置を上述の特定した設置場所に自動運転により移送させ、移動式CO 回収装置が上述の特定した設置場所に到達したときに自動運転牽引車と移動式CO 回収装置との連結を解除して、移動式CO 回収装置を作動させるCO管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0006】
道路交通量情報に基づいてCO回収装置の作動を制御することにより、大気中のCOを効率的に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1Aはスマートシティを概念的に示す図であり、図1Bは管理サーバの電子制御装置を示す図である。
図2図2は、道路を示す図である。
図3図3AはCO回収装置全体を図解的に示す図であり、図3B図3Aに示されるCO回収装置の側面図である。
図4図4は、CO回収装置の電子制御装置を示す図である。
図5図5は、CO回収管理を行うためのフローチャートである。
図6図6は移動式のCO回収装置全体を図解的に示す図である。
図7図7は移動式のCO回収装置の牽引車を図解的に示す図である。
図8図8は、道路を示す図である。
図9図9は、CO回収管理を行うためのフローチャートである。
図10図10は、自動運転制御を行うためのフローチャートである。
図11図11は、ニューラルネットワークを示す図である。
図12図12Aおよび図12Bは夫々、入力パラメータの一覧表を示す図および出力値と状態との対応関係を示す図である。
図13図13は、訓練データセットを示す図である。
図14図14は、CO回収管理を行うためのフローチャートである。
図15図15は、CO回収管理を行うためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1Aは、スマートシティを概念的に示しており、一点鎖線で囲まれた領域がスマートシティ1を示している。最初に、図1Aを参照しつつ、スマートシティ1がどのような領域を指しているかについて簡単に説明する。図1Aを参照すると、2は通信ネットワーク、3は通信ネットワーク2の基地局、4は管理サーバ、5は電気、ガス等のインフラ関連施設、駅、会社、工場、販売店、病院、学校等の施設、6は自動運転バス等の交通機関、7は住居、8は住居7の住居者が所有する車両を夫々示している。各施設5内に設置されている種々の電子機器は通信ネットワーク2に接続されており、交通機関6,車両7、住居8内に設置されている種々の電子機器、および、住居7の住居者が所有する携帯端末は、基地局2と無線通信可能である。この場合、各施設5、交通機関6,車両7、住居8内に設置されている種々の電子機器および住居7の住居者が所有する携帯端末は、管理サーバ4により管理されている。
【0009】
ところで、一般的には、スマートシティは、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理、運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける都市や地域と定義されている。一方、本発明では、領域内に存在する各施設5、交通機関6,車両7、住居8内に設置されている種々の電子機器および住居7の住居者が所有する携帯端末が、管理サーバ4により管理されている場合に、この領域をスマートシティ1と称している。
【0010】
さて、本発明による実施例では、大気中のCOを回収するために、スマートシティ1内に複数個のCO回収装置が分散配置されており、大気中のCOを効率的に回収しうるようにこれらCO回収装置の作動が管理サーバ4により管理されている。この管理サーバ4が図1Bに示されており、図1Bに示されるように、管理サーバ4内には、電子制御ユニット10が設けられている。この電子制御ユニット10はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス11によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)12、ROMおよびRAMからなるメモリ13および入出力ポート14を具備する。図1Bに示されるように、電子制御ユニット10は通信ネットワーク2に接続されている。
【0011】
図2は、スマートシティ1内の一部の領域の地図を図解的に示している。図2において、20は道路、21はショッピングセンタのような施設、22は交通状況を監視するための監視カメラを夫々示す。これら監視カメラ22により撮影された画像は管理サーバ4に送信され、管理サーバ4の電子制御ユニット10内において、各道路部分における車両8等の交通量が算出される。
【0012】
ところで、車両8等の交通量が増大すると、車両8等から大気中に排出されて道路周りに漂うCOが増大する。そこで、本発明による実施例は、この増大したCOをCO回収装置により回収するようにしている。このCO回収装置の一例が、図3Aおよび図3Bにおいて符号30で示されている。なお、図3Bは、図3Aに示されるCO回収装置30の側面図を示している。図3Aおよび図3Bを参照すると、31は大気吸込口、32は大気吸込導管、33はCOを吸着するための活性炭、ゼオライト等からなる固体吸着材、34は吸引ファンモータにより駆動される吸引ポンプ、35はCO回収導管、36は2次電池又は燃料電池、37は電子制御装置を夫々示している。
【0013】
吸引ポンプ34が駆動されると、COを含んだ大気が大気吸込口31から大気吸込導管32を介して固体吸着材33に吸着される。このときCO回収導管35は閉鎖れている。一方、固体吸着材33に吸着されたCOは、固体吸着材33内の圧力を低下させるか、或いは、固体吸着材33を加熱することによりに離脱する。従って、固体吸着材33に吸着されたCOを外部のCO回収タンク内に収集するときには、固体吸着材33内の圧力を低下させるか、或いは、固体吸着材33を加熱させ、それにより離脱したCOがCO回収導管35を介してCO回収タンク内に送り込まれる。
【0014】
COの回収方法には種々の方法が公知であり、上述のように固体吸着材33を用いるCO回収方法以外に、アミン等の吸収液を用いてCOを効率よく固体吸着材に吸着させる物理吸着法や、COをアミン等の吸収液に吸収させる化学吸収法や、分離膜を用いてCOを分離する方法等が公知である。本発明では、固体吸着材33を用いるCO回収方法に代えて、種々の公知のCO回収方法を用いることができる。
【0015】
図4は、CO回収装置30内に配置されている電子制御装置37を示している。図4を参照すると、電子制御装置37内には、電子制御ユニット40が設けられている。この電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)42、ROMおよびRAMからなるメモリ43および入出力ポート44を具備する。図4に示されるように、吸引ポンプ34の吸引ファンモータが電子制御ユニット40に接続されており、吸引ファンモータは電子制御ユニット40の出力信号に基づいて制御される。一方、電子制御ユニット40は通信装置45に接続されており、電子制御ユニット40は基地局2と無線通信可能である。
【0016】
さて、前述したように、車両8等の交通量が増大すると、車両8等から大気中に排出されて道路周りに漂うCOが増大し、本発明による実施例は、この増大したCOをCO回収装置30により回収するようにしている。即ち、CO回収装置30を作動させたときにCO回収装置30により単位時間当たりに回収されるCO量は、CO回収装置30により回収される大気中のCO濃度が高いほど増大する。従って、CO回収装置30によるCOの回収効率は、CO回収装置30により回収される大気中のCO濃度が高いほど増大することになる。
【0017】
一方、或る道路領域における車両8等の交通量が増大すると、交通量の増大した道路領域周りの大気中のCO濃度が高くなり、従って、交通量の増大した道路領域周りの大気中のCOをCO回収装置30により回収すると、CO回収装置30によりCOを効率よく回収できることになる。そこで、本発明では、CO回収装置30によりCOを効率よく回収するために、道路交通量情報に基づいて、CO回収装置30の作動を制御するようにしている。
【0018】
次に、図2を参照しつつ、本発明による第1実施例について説明する。この第1実施例では、交通量が所定交通量以上となる可能性のある道路領域内或いは道路領域近くにCO回収装置30を予め設置しておき、各道路領域における現在の交通量を検出し、検出された現在の交通量が所定交通量以上である道路領域内或いは道路領域近くに設置されているCO回収装置30を作動させるようにしている。図2において、例えば、交通量が所定交通量以上となる可能性のある道路領域が斜線で示される道路領域R1,R2,R3,R4であったとすると、CO回収装置30が、道路領域R1,R2,R3,R4内、或いは、道路領域R1,R2,R3,R4から所定距離範囲内の道路周辺領域内に設置される。この場合、所定距離は、例えば、10メートルとされる。
【0019】
一方、図2において、例えば、道路領域R2における現在の交通量が所定交通量以上になったとすると、道路領域R2から所定距離範囲内の道路周辺領域内に位置する1個又は複数個のCO回収装置30が作動せしめられ、1個又は複数個のCO回収装置30、によるCOの回収作業が開始される。このCO回収装置30によるCOの回収作業は、道路領域R2における交通量が所定交通量以上になっている間、継続して行われ、道路領域R2における交通量が所定交通量以下になると、CO回収装置30によるCOの回収作業が停止される。
【0020】
図5は、第1実施例を実行するためのCO回収管理を行うためのルーチンを示している。このルーチンは、管理サーバ4内に設けられた電子制御ユニット10において実行される。
図5を参照すると、まず初めに、ステップ50では、監視カメラ22により現在撮影されている画像に基づいて、各道路領域R1,R2,R3,R4等における交通量が検出される。この場合、管理サーバ4とは別の道路管理サーバにおいて交通量の検出が行われている場合には、道路管理サーバにより提供される道路交通量情報を利用することもできる。
【0021】
次いで、ステップ51では、ステップ50において検出された各道路領域R1,R2,R3,R4等における交通量に基づいて、現在の交通量が所定交通量以上である道路領域が特定される。交通量が所定交通量以上である道路領域が特定されると、ステップ52に進んで、特定された道路領域内、或いは、特定された道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域内に位置するCO回収装置30が特定される。次いで、ステップ53では、特定されたCO回収装置30の作動指令が発せられ、特定されたCO回収装置30の作動が開始される。
【0022】
このように、本発明による第1実施例では、道路交通量情報に基づいて、交通量が所定交通量以上である道路領域又は道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域に位置するCO回収装置30が特定され、特定されたCO回収装置30が作動せしめられる。
【0023】
次に、図6から図10を参照しつつ、本発明による第2実施例について説明する。この第2実施例では、図3Aおよび図3Bに示される固定式のCO回収装置30に代えて、図6に示される移動式のCO回収装置30aが用いられる。この移動式のCO回収装置30aは、移動用車輪38および支持台座39を備えていることを除いて、図3Aおよび図3Bに示される固定式のCO回収装置30と同様の構造を有する。図6に示される例では、このCO回収装置30aは自動運転牽引車60により移動せしめられる。
【0024】
図7は、この自動運転牽引車60の一例を図解的に示している。図7を参照すると、61は牽引車60の駆動輪に駆動力を与えるための車両駆動部、62は牽引車60を制動するための制動装置、63は牽引車60を操舵するための操舵装置、64は牽引車60内に搭載された電子制御ユニットを夫々示す。図7に示されるように、電子制御ユニット64はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス65によって互いに接続されたCPU(マイクロプロセッサ)66、ROMおよびRAMからなるメモリ67および入出力ポート68を具備する。
【0025】
一方、図7に示されるように、牽引車60には、牽引車60が自動運転を行うのに必要な各種センサ69、即ち、牽引車60の状態を検出するセンサおよび牽引車60の周辺を検出するセンサが設置されている。この場合、牽引車60の状態を検出するセンサとしては、加速度センサ、速度センサ、方位角センサが用いられており、牽引車60の周辺を検出するセンサとしては、牽引車60の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等が用いられる。また、牽引車60には、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)受信装置70、地図データ記憶装置71およびナビゲーション装置72が設けられている。GNSS受信装置70は、複数の人工衛星から得られる情報に基づいて、牽引車60の現在位置(例えば牽引車60の緯度及び経度)を検出することができる。従って、このGNSS受信装置70により牽引車60の現在位置を取得することができる。このGNSS受信装置70として、例えば、GPS受信装置が用いられる。
【0026】
地図データ記憶装置71には、牽引車60が自動運転を行うのに必要な地図データ等が記憶されている。これらの各種センサ69、GNSS受信装置70、地図データ記憶装置71およびナビゲーション装置72は、電子制御ユニット64に接続されている。また、電子制御ユニット64には、基地局3と無線通信可能な通信装置53が接続されている。また、牽引車60には、CO回収装置30aを牽引車60に連結するための連結機構74が取付けられている。駆動輪は、電子制御ユニット64の出力信号に従って駆動制御され、牽引車60の制動制御は、電子制御ユニット64の出力信号に従って制動装置62により行われ、牽引車60の操舵制御は、電子制御ユニット64の出力信号に従って操舵装置63により行われ、電子制御ユニット64の出力信号に従って連結機構74が制御される。
【0027】
自動運転牽引車60の移動目的地は、管理サーバ4において決定され、決定された移動目的地が、通信ネットワーク2を介して通信装置53に送信される。通信装置53が移動目的地を受信すると、ナビゲーション装置72を用いて牽引車60の走行ルートが検索され、検索された走行ルートに沿って牽引車60がCO回収装置30aを牽引しつつ自動走行せしめられる。
【0028】
次に、スマートシティ1内の一部の領域の地図を図解的に示している図8を参照しつつ、第2実施例について説明する。図8において、例えば、交通量が所定交通量以上となる可能性のある道路領域が斜線で示される道路領域R1,R2,R3,R4であったとすると、この第2実施例では、第1実施例とは異なって、CO回収装置30の設置場所P1,P2,P3,P4が、道路領域R1,R2,R3,R4内、或いは、道路領域R1,R2,R3,R4から所定距離範囲内の道路周辺領域内に形成されている。一方、この第2実施例では、図8に示されるように、牽引車60およびCO回収装置30aの待機場所23が設けられ、この待機場所23において牽引車60およびCO回収装置30aが待機せしめられる。
【0029】
この第2実施例では、例えば、道路領域R2における現在の交通量が所定交通量以上になったとすると、待機場所23に待機しているCO回収装置30aが牽引車60により、道路領域R2から所定距離範囲内の道路周辺領域内に位置する設置場所P2までCO回収装置30aが移送される。CO回収装置30aが設置場所P2に到着すると、CO回収装置30aが作動せしめられ、CO回収装置30aによるCOの回収作業が開始される。このCO回収装置30aによるCOの回収作業は、道路領域R2における交通量が所定交通量以上になっている間、継続して行われ、道路領域R2における交通量が所定交通量以下になると、CO回収装置30aによるCOの回収作業が停止される。
【0030】
図9は、第2実施例を実行するためのCO回収管理を行うためのルーチンを示している。このルーチンは、管理サーバ4内に設けられた電子制御ユニット10において実行される。
図9を参照すると、まず初めに、ステップ80では、監視カメラ22により撮影された画像に基づいて、各道路領域R1,R2,R3,R4等における現在の交通量が検出される。この場合、管理サーバ4とは別の道路管理サーバにおいて交通量の検出が行われている場合には、道路管理サーバにより提供される道路交通量情報を利用することもできる。
【0031】
次いで、ステップ81では、ステップ80において検出された各道路領域R1,R2,R3,R4等における交通量に基づいて、現在の交通量が所定交通量以上である道路領域が特定される。現在の交通量が所定交通量以上である道路領域が特定されると、ステップ82に進んで、特定された道路領域内、或いは、特定された道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域内に位置するCO回収装置30aの設置場所P1,P2,P3,P4が特定される。次いで、ステップ83では、特定されたCO回収装置30aの設置場所P1,P2,P3,P4が移動目的地とされ、ステップ84では、この移動目的地および移動指令が牽引車60に送信される。牽引車60が、移動目的地および移動指令を受信すると、牽引車60内に設けられた電子制御ユニット10において、図10に示される自動運転制御ルーチンが実行される。
【0032】
図10を参照すると、まず初めに、ステップ90において、管理サーバ4から送信されてきた移動目的地が目的地として決定される。次いで、ステップ91では、待機場所23において、自動運転により牽引車60をCO回収装置30aに連結する連結処理が行われる次いで、ステップ92では、牽引車60とCO回収装置30aとの連結処理が完了したか否かが判別される。牽引車60とCO回収装置30aとの連結処理が完了していないと判別されたときには、ステップ91に戻り、牽引車60とCO回収装置30aとの連結処理が続行される。一方、ステップ92において、牽引車60とCO回収装置30aとの連結処理が完了したと判別されたきには、ステップ93に進む。
【0033】
ステップ93では、ステップ90において決定された目的地とGNSS受信装置70により取得された牽引車60の現在位置に基づいて、ナビゲーション装置72により現在位置から目的地までの牽引車60の走行ルートが決定される。次いで、ステップ94では、牽引車60の前方等を撮影するカメラ、ライダ(LIDAR)、レーダ等のセンサの検出結果に基づいて、他車両や歩行者と接触することのないように、牽引車60の走行制御が行われる。次いで、ステップ95では、牽引車60がステップ90において決定された目的地に到達したか否かが判別される。牽引車60が目的地に到達していないと判別されたときには、ステップ94に戻り、牽引車60の自動運転が続行される。一方、ステップ95において、牽引車60が目的地に到達したと判別されたときには、ステップ96に進む。
【0034】
ステップ96では、牽引車60とCO回収装置30aとの連結解除処理が行われる。牽引車60とCO回収装置30aとの連結が解除されると、CO回収装置30aは、ステップ90において決定された目的地に設置された状態となる。次いで、ステップ97において、CO回収装置30aの作動指令が発生せしめられ、それによりCO回収装置30aの作動が開始される。一方、牽引車60とCO回収装置30aとの連結が解除されると、牽引車60は、自動運転により待機場所23まで戻される。
【0035】
このように、本発明による第2実施例では、道路交通量情報に基づいて、交通量が所定交通量以上である道路領域又は道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域に位置するCO回収装置30aの設置場所P1,P2,P3,P4が特定し、特定された設置場所に可動式のCO回収装置30aが移送されて作動せしめられる。
【0036】
さて、これまで説明してきた第1実施例および第2実施例では、監視カメラ22により検出された各道路領域R1,R2,R3,R4等における現在の実際の交通量に基づいて、或いは、管理サーバ4とは別の道路管理サーバにより提供される現在の道路交通量情報に基づいて、第1実施例では、CO回収装置30の作動が制御され、第2実施例では、CO回収装置30aの移送および作動が制御される。この場合、過去の交通量の履歴に基づいて現在の交通量を予測し、予測された現在の交通量に基づいて、予測CO回収装置30の作動を制御し、CO回収装置30aの移送および作動を制御することも可能である。
【0037】
そこで、次に、図11から図13を参照しつつ、過去の交通量の履歴に基づき、道路領域R1,R2,R3,R4における現在の交通量を予測する方法の一例について説明する。この例では、図11に示されるようなニューラルネットワーク100を用いて、過去の交通量の履歴に基づき、道路領域R1,R2,R3,R4における現在の交通量を予測している。図11を参照すると、このニューラルネットワーク100において、L=1は入力層、L=2および L=3は隠れ層、L=4は出力層を夫々示している。このニューラルネットワーク100では、図11に示されるように、入力層 ( L=1) が7個のノードからなり、7個の入力パラメタータの入力値x、x2・・・6、が、入力層 ( L=1) の各ノードに入力される。
【0038】
また、このニューラルネットワーク100では、出力層 ( L=4) のノードの数は2個とされており、出力層 ( L=4) のノードからの出力値がy’、 y’で示されている。これら値出力y’、 y’は、ソフトマックス層SMに送り込まれて、夫々対応する出力値y、 yに変換される。これら出力値y、 yの合計は1であり、各出力値y、 yは1に対する割合を表している。なお、この場合、ソフトマックス層SMを用いずに出力層 ( L=4) のノードの数を1個とし、このノードにおける活性化関数をシグモイド関数として2値分類を行うこともできる。
【0039】
一方、図12Aには、ニューラルネットワーク100の入力パラメータの一覧表が示されている。入力パラメータとしては、道路領域R1,R2,R3,R4等における交通量に影響を与える因子が採用される。図12Aに示される例では、入力パラメータとして、日付、曜日、天気、気温、イベントの実施および時間帯が採用されている。なお、道路領域R1,R2,R3,R4等も入力パラメータとされる。
【0040】
また、図12Aには、入力層 ( L=1)への各入力パラメータの入力値x、x2・・・6、が示されている。図12Aを参照すると、日付を表す入力値xは、例えば、年、月、日の順の日付の数字列とされ、曜日を表す入力値xは、例えば、日曜日であれば1,月曜日であれば2・・・とされ、天気を表す入力値xは、例えば、晴れであれば1,雨であれば2、雪であれば3とされ、気温を表す入力値xは、例えば、気温を表す数値とされ、イベントの実施を表す入力値xは、例えば、スマートシティ1内において、或る施設でバーゲンセールが実施されていれば1、或る地域で祭りが実施されていれば2,或る学校で運動会が実施されていれば3,定期的な交通規制が実施されていれば4等とされ、時間帯を表す入力値xは、例えば、時刻0:00から0:10は1,時刻0:10時から0:20は2・・・時刻23:50から0:00はs(s=144)のように10分毎に1,2・・・・sとされ、道路領域R1,R2,R3,R4を表す入力値xは、道路領域R1であれば1,道路領域R2であれば2・・・,道路領域Rtであればtとされる。
【0041】
一方、図12Bには、出力値y、 yと状態との対応関係が示されている。図11から図13に示される例では、交通量が所定交通量以上であると予測されるときには、出力値yの出力値は1或いは1に近い値になると共に出力値yの出力値は0或いは0に近い値になり、交通量が所定交通量以下であると予測されるときには、出力値yの出力値は1或いは1に近い値になると共に出力値yの出力値は0或いは0に近い値になるように、ニューラルネットワーク100の重みの学習が行われる。
【0042】
図13は、ニューラルネットワーク100の重みの学習を行うために、各入力パラメータの入力値x、x2・・・6、と、教師データ、即ち、正解ラベルytとを用いて作成された訓練データセットを示している。図13において、入力値x、x2・・・6、は、前述したように、夫々、日付、曜日、天気、気温、イベントの実施、時間帯および道路領域R1,R2,R3,R4等を示している。一方、図13において、yt1、ytは、夫々出力値y、 yに対する教師データ、即ち、正解ラベルを示している。即ち、図13において、ytは、交通量が所定交通量以上であるときの正解ラベルを示しており、ytは、交通量が所定交通量以下であるときの正解ラベルを示している。この場合、図11から図13に示される例では、交通量が所定交通量以上であるときには、正解ラベルytが1とされると共に、正解ラベルytは零とされ、交通量が所定交通量以下であるときには、正解ラベルytが1とされると共に、正解ラベルytは零とされる。
【0043】
さて、図11から図13に示される例では、例えば、数年間に亘り、10分毎の各時間帯および各道路領域R1,R2,R3,R4等について交通量が所定交通量以上であるか否かが実測され、数年間に亘る、日付を表す入力値xと、曜日を表す入力値xと、天気を表す入力値xと、気温を表す入力値xと、イベントの実施を表す入力値xと、時間帯を表す入力値xと、道路領域R1,R2,R3,R4等を表す入力値xと、正解ラベルyt、ytの値とが、管理サーバ4内に設けられた電子制御ユニット10のメモリ13内に記憶される。電子制御ユニット10では、この記憶された値に基づいて、図13に示されるような訓練データセットが作成される。この訓練データセットでは、入力値x、x2・・・6、と、正解ラベルyt、ytとの関係を表すm個のデータが取得されている。例えば、2番目のデータ(No. 2)には、取得された入力値x12、x22・・・62、72と、正解ラベルyt12、yt22とが列挙されており、m-1番目のデータ(No. m-1)には、取得された入力パラメータの入力値x1m-1、x2m-1・・・6m-1、7m-1と、正解ラベルyt1m-1、yt2m-1が列挙されている。
【0044】
次に、この訓練データセットを用いたニューラルネットワーク100の重みの学習方法について簡単に説明する。このニューラルネットワーク100の重みの学習は、管理サーバ4内に設けられた電子制御ユニット10において行われる。例えば、最初に、訓練データセットの1番目(No. 1)の入力値x・・・xが、ニューラルネットワーク100の入力層 ( L=1) の各ノードに入力される。このときニューラルネットワーク100の出力層の各ノードからは、出力値y’、 y’が出力され、これら出力値y’、 y’は、ソフトマックス層SMに送り込まれて、夫々対応する出力値y、 y
変換される。次いで、これらの出力値y、 yと、正解ラベルyt1、ytとの間の誤差を表す交差エントロピー誤差Eが算出され、交差エントロピー誤差Eが小さくなるように、誤差逆伝播法を用いて、ニューラルネットワーク100の重みの学習が行われる。
【0045】
訓練データセットの1番目(No. 1)のデータに基づくニューラルネットワーク100の重みの学習が完了すると、次に、訓練データセットの2番目(No. 2)のデータに基づくニューラルネットワーク100の重みの学習が、誤差逆伝播法を用いて行われる。同様にして、訓練データセットのm番目(No. m)まで順次、ニューラルネットワーク100の重みの学習が行われる。このニューラルネットワーク100の重みの学習は、交差エントロピー誤差Eが、予め設定された設定誤差以下になるまで、繰り返し行われ、最終的に、交通量を予測しうる学習済ニューラルネットワーク100からなる交通量の予測モデルが作成される。この予測モデルは管理サーバ4内に設けられた電子制御ユニット10内に作成される。この予測モデルに入力値x・・・xを入力すると、交通量が所定交通量以上であると予測されるときには、出力値yは1或いは1に近い値になり、交通量が所定交通量以下であると予測されるときには、出力値yは1或いは1に近い値になる。従って、この予測モデルの出力値yおよび出力値yから、交通量が所定交通量以上であるか否かが予測できることになる。
【0046】
次に、第1実施例の変形例である第3実施例について説明する。この第3実施例では、道路領域R1,R2,R3,R4等における交通量が所定交通量以上であると予測されたときに、交通量が所定交通量以上であると予測される道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域内に位置するCO回収装置30が作動せしめられ、このCO回収装置30によるCOの回収作業が開始される。
【0047】
図14は、第3実施例を実行するためのCO回収管理を行うためのルーチンを示している。このルーチンは、管理サーバ4内に設けられた電子制御ユニット10において実行される。
図14を参照すると、まず初めに、ステップ200では、例えば、今日の日付を表す入力値xと、今日の曜日を表す入力値xと、現在の天気を表す入力値xと、現在の気温を表す入力値xと、現在のイベントの実施状態を表す入力値xと、現在の時間帯を表す入力値xと、道路領域R1、R2,R3,R4等を表す入力値xとが取得される。この場合、現在の天気および現在の気温は、天気予報に基づく天気および気温であってもよい。
【0048】
次いで、ステップ201では、これらの入力値x・・・xと、例えば、道路領域R1を表す入力値x(=1)とが上述した予測モデルに入力される。このとき、予測モデルからは道路領域R1についての出力値yおよび出力値yが出力され、その結果、ステップ202におけるように道路領域R1についての出力値yおよび出力値yが取得される。次いで、ステップ203では、全ての道路領域R1,R2,R3,R4等について、出力値yおよび出力値yを取得したか否かが判別される。全ての道路領域R1,R2,R3,R4等について、出力値yおよび出力値yを取得していないと判別されたときにはステップ204に進んで、道路領域を表す入力値xが更新される。この例では道路領域を表す入力値xが道路領域Rを表す入力値x(=2)とされる。次いで、ステップ201に進む。
【0049】
ステップ201では、入力値x・・・xと、道路領域R2を表す入力値x(=2)とが上述した予測モデルに入力される。このとき、予測モデルからは道路領域R2についての出力値yおよび出力値yが出力され、その結果、ステップ202におけるように道路領域R2についての出力値yおよび出力値yが取得される。このようにして全ての道路領域R1,R2,R3,R4等について、出力値yおよび出力値yが取得されると、ステップ205に進み、各道路領域R1,R2,R3,R4等について取得された出力値yおよび出力値yから、現在の交通量が所定交通量以上であると予測される道路領域が特定される。交通量が所定交通量以上である道路領域が特定されると、ステップ206に進んで、特定された道路領域内、或いは、特定された道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域内に位置するCO回収装置30が特定される。次いで、ステップ207では、特定されたCO回収装置30の作動指令が発せられ、特定されたCO回収装置30の作動が開始される。
【0050】
このように、本発明による第3実施例では、道路交通量情報の履歴に基づいて、交通量が所定交通量以上となる道路領域および時間帯を予測するための予測部を具備しており、交通量が所定交通量以上になると予測される道路領域又はこの道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域に位置するCO回収装置30が特定され、特定されたCO回収装置30が予測された時間帯に作動せしめられる。この場合、管理サーバ4内に設けられた電子制御ユニット10が、予測部を構成している。また、この場合、予測部は、日付、曜日、天気、気温、イベントの実施状態に基づいて、交通量が所定交通量以上となる道路領域および時間帯を予測する。
【0051】
次に、第2実施例の変形例である第4実施例について説明する。この第4実施例では、道路領域R1,R2,R3,R4等における交通量が所定交通量以上であると予測されたときに、交通量が所定交通量以上であると予測される道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域内に位置する設置場所P1,P2,P3,P4まで、待機場所23に待機しているCO回収装置30aが牽引車60により移送せしめられる。
【0052】
図15は、第4実施例を実行するためのCO回収管理を行うためのルーチンを示している。このルーチンは、管理サーバ4内に設けられた電子制御ユニット10において実行される。
図15を参照すると、まず初めに、ステップ300では、例えば、今日の日付を表す入力値xと、今日の曜日を表す入力値xと、現在の天気を表す入力値xと、現在の気温を表す入力値xと、現在のイベントの実施状態を表す入力値xと、現在の時間帯を表す入力値xと、道路領域R1、R2,R3,R4等を表す入力値xとが取得される。この場合も、現在の天気および現在の気温は、天気予報に基づく天気および気温であってもよい。
【0053】
次いで、ステップ301では、これらの入力値x・・・xと、例えば、道路領域R1を表す入力値x(=1)とが上述した予測モデルに入力される。このとき、予測モデルからは道路領域R1についての出力値yおよび出力値yが出力され、その結果、ステップ302におけるように道路領域R1についての出力値yおよび出力値yが取得される。次いで、ステップ303では、全ての道路領域R1,R2,R3,R4等について、出力値yおよび出力値yを取得したか否かが判別される。全ての道路領域R1,R2,R3,R4等について、出力値yおよび出力値yを取得していないと判別されたときにはステップ304に進んで、道路領域を表す入力値xが更新される。この例では道路領域を表す入力値xが道路領域Rを表す入力値x(=2)とされる。次いで、ステップ301に進む。
【0054】
ステップ301では、入力値x・・・xと、道路領域R2を表す入力値x(=2)とが上述した予測モデルに入力される。このとき、予測モデルからは道路領域R2についての出力値yおよび出力値yが出力され、その結果、ステップ302におけるように道路領域R2についての出力値yおよび出力値yが取得される。このようにして全ての道路領域R1,R2,R3,R4等について、出力値yおよび出力値yが取得されると、ステップ305に進み、各道路領域R1,R2,R3,R4等について取得された出力値yおよび出力値yから、現在の交通量が所定交通量以上であると予測される道路領域が特定される。交通量が所定交通量以上である道路領域が特定されると、ステップ306に進んで、特定された道路領域内、或いは、特定された道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域内に位置するCO回収装置30aの設置場所P1,P2,P3,P4が特定される。次いで、ステップ307では、特定されたCO回収装置30aの設置場所P1,P2,P3,P4が移動目的地とされ、この移動目的地および移動指令が牽引車60に送信される。牽引車60が、移動目的地および移動指令を受信すると、牽引車60内に設けられた電子制御ユニット10において、図10に示される自動運転制御ルーチンが実行され、第2実施例と同様な牽引車60の自動運転制御が行われる。
【0055】
このように、本発明による第4実施例では、道路交通量情報の履歴に基づいて、交通量が所定交通量以上となる道路領域および時間帯を予測するための予測部を具備しており、交通量が所定交通量以上になると予測される道路領域又はこの道路領域から所定距離範囲内の道路周辺領域に位置するCO回収装置30aの設置場所が特定され、特定された設置場所に可動式のCO回収装置30aが移送されて予測された時間帯に作動せしめられる。この場合、管理サーバ4内に設けられた電子制御ユニット10が、予測部を構成している。また、この場合、予測部は、日付、曜日、天気、気温、イベントの実施状態に基づいて、交通量が所定交通量以上となる道路領域および時間帯を予測する。
【0056】
このように、本発明によるCO管理システムは、道路交通量情報を取得する情報取得部と、道路20上の車両から大気中に排出されて道路20周りに漂うCOを回収するためのCO回収装置30、30aとを具備しており、道路交通量情報に基づいてCO回収装置30、30aの作動が制御される。この場合、本発明による実施例では、管理サーバ4内の電子制御ユニット10が、情報取得部を構成している。
【0057】
また、本発明では、道路交通量情報を取得し、道路20上の車両から大気中に排出されて道路20周りに漂うCOを回収するためのCO回収装置30、30aの作動を道路交通量情報に基づいて制御するCO管理方法が提供される。更に、本発明では、道路交通量情報を取得し、道路20上の車両から大気中に排出されて道路20周りに漂うCOを回収するためのCO回収装置30、30aの作動を道路交通量情報に基づいて制御するよう、コンピュータに機能させるプログラムが提供される。
【符号の説明】
【0058】
1 スマートシティ
2 通信ネットワーク
3 基地局
4 管理サーバ
30、30a CO回収装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15