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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20241126BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022002632
(22)【出願日】2022-01-11
(65)【公開番号】P2023102202
(43)【公開日】2023-07-24
【審査請求日】2023-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】大木 浩史
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-060386(JP,A)
【文献】特開2013-020307(JP,A)
【文献】特開2013-093934(JP,A)
【文献】特開2012-190292(JP,A)
【文献】特開2016-071801(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
定の時間帯において対象の建物に向かっている人の数を示す取得し、
報に基づいて、将来の対象時間帯における前記建物の電力需要量を推定する制御部を備える、制御装置であって、
通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記通信部を介して前記建物に移動する車両と通信し、前記車両の位置を示す車両位置情報に基づいて前記建物に向かう人の数を測定し、測定した結果を前記情報として取得する、制御装置
【請求項2】
請求項に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記通信部を介して前記建物に向かう道路に設けられたらカメラと通信し、前記カメラが撮影した画像に基づいて前記建物に向かう人の数を測定し、測定した結果を前記報として取得する、制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記通信部を介して前記建物に移動する人が保持する端末装置と通信し、前記端末装置の位置を示す端末位置情報に基づいて前記建物に向かう人の数を測定し、
測定した結果を前記報として取得する、制御装置。
【請求項4】
コンピュータが実行する制御方法であって、
定の時間帯において対象の建物に向かっている人の数を示す取得することと、
報に基づいて、将来の対象時間帯における前記建物の電力需要量を推定することとを含み、
前記コンピュータは通信部をさらに備え、
前記通信部を介して前記建物に移動する車両と通信し、前記車両の位置を示す車両位置情報に基づいて前記建物に向かう人の数を測定し、測定した結果を前記情報として取得することをさらに含む、制御方法。
【請求項5】
請求項に記載の制御方法であって、
前記通信部を介して前記建物に向かう道路に設けられたらカメラと通信し、前記カメラが撮影した画像に基づいて前記建物に向かう人の数を測定し、測定した結果を前記報として取得することをさらに含む、制御方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の制御方法であって、
前記通信部を介して前記建物に移動する人が保持する端末装置と通信し、前記端末装置の位置を示す端末位置情報に基づいて前記建物に向かう人の数を測定し、測定した結果を前記報として取得することをさらに含む、制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
定の時間帯において対象の建物に向かっている人の数を示す取得することと、
報に基づいて、将来の対象時間帯における前記建物の電力需要量を推定することとを含む動作を実行させるプログラムであって、
前記コンピュータは通信部をさらに備え、
前記通信部を介して前記建物に移動する車両と通信し、前記車両の位置を示す車両位置情報に基づいて前記建物に向かう人の数を測定し、測定した結果を前記情報として取得することをさらに含む動作を前記コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内の人の存在を考慮して建物内の機器の電力負荷の平準化を促す技術が知られている。例えば特許文献1には、電気機器の稼働状況を収集して、居住者の在宅を判定し、判定された在宅情報から住居毎に在宅時間を予測し、予測時間に基づいて給湯機の沸き上げ時間帯を振り分けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-075453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術には、改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、
所定の時間帯における対象の建物内の人の数を示す第1情報、前記所定の時間帯において対象の建物で消費される電力量を示す第2情報、及び前記所定の時間帯において対象の建物に向かっている人の数を示す第3情報のうち少なくとも1つを取得し、
前記第1情報、前記第2情報、または前記第3情報に基づいて、将来の対象時間帯における前記建物の電力需要量を推定する制御部
を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る制御方法は、
コンピュータが実行する制御方法であって、
所定の時間帯における対象の建物内の人の数を示す第1情報、前記所定の時間帯において対象の建物で消費される電力量を示す第2情報、及び前記所定の時間帯において対象の建物に向かっている人の数を示す第3情報のうち少なくとも1つを取得することと、
前記第1情報、前記第2情報、または前記第3情報に基づいて、将来の対象時間帯における前記建物の電力需要量を推定することと
を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
所定の時間帯における対象の建物内の人の数を示す第1情報、前記所定の時間帯において対象の建物で消費される電力量を示す第2情報、及び前記所定の時間帯において対象の建物に向かっている人の数を示す第3情報のうち少なくとも1つを取得することと、
前記第1情報、前記第2情報、または前記第3情報に基づいて、将来の対象時間帯における前記建物の電力需要量を推定することと
を含む動作を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
図2】本開示の第1実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図3】本開示の第2実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
図4】本開示の第2実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図5】本開示の第3実施形態に係るシステムの構成を示す図である。
図6】本開示の第3実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
図7】CEMSを管理するサーバの動作の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、制御装置20と、カメラC1と、カメラC2と、電力計Mとを備える。制御装置20と、カメラC1と、カメラC2と、電力計Mとは、例えばインターネットを含むネットワーク60と通信可能に接続される。
【0013】
ネットワーク60は、インターネット、少なくとも1つのWAN、少なくとも1つのMAN、又はこれらの組み合わせを含む。「WAN」は、wide area networkの略語である。「MAN」は、metropolitan area networkの略語である。ネットワーク60は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。「LAN」は、local area networkの略語である。
【0014】
制御装置20は、データセンタなどの施設に設置される。制御装置20は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバである。
【0015】
カメラC1は、建物Bの内部に設けられ、建物内にいる人を撮影可能である。カメラC2は、建物Bの周辺の道路等に設けられ、建物Bに向かう人又は車両を撮影可能である。カメラC1及びC2が設けられる場所はこれらに限られず、任意の場所に設けられてよい。カメラC1及びC2は通信部を備え、当該通信部及びネットワーク60を介して、撮影した画像を制御装置20へ送信可能である。
【0016】
電力計Mは例えばスマートメータである。電力計Mは、例えば建物Bの内部に設けられるがこれに限られない。電力計Mは、建物Bにおいて任意の負荷装置により所定期間に消費される電力量を測定できる。電力計Mは通信部を備え、当該通信部及びネットワーク60を介して、測定した消費される電力量を示す情報を制御装置20へ送信可能である。
【0017】
本実施形態においてシステム1は、CEMS(Community EMS)に用いられる。電力系統の一部のエネルギー制御システムであるEMS(Energy Management System)のうち、所定の地域を管理するCEMSでは、当該地域における必要な電力量の把握、所定の設備に対するエネルギー消費抑制の指示、外部から供給される電力量の決定等が行われる。
【0018】
図7を参照してCEMSを管理するサーバによる制御の一例の処理フローを説明する。当該サーバは本実施形態にかかる制御装置20と同一装置であってもよいし、異なる装置であってもよい。
【0019】
まずステップS401において、サーバはPV活用量と予告買電量との合計値とが当日総需要以上であるかを判断する。PV活用量とは、ステップS401の時点で地域内で使用された太陽光発電による電力量の実績値と、将来の時間帯に太陽光発電により生産が予想される電力量とを含んでよい。将来の時間帯とは地域における電力の使用量がピークに達する時間帯であってよく、例えば午後2時から3時の時間帯である。任意の太陽光発電設備からサーバにPV活用量を示す情報が送信されることで、サーバはPV活用量を取得できてよい。予告売電量とは、ステップS401の時点まで、例えば前日に、任意の電力事業者から購入することが決定された電力量をいう。当日総需要とは、ステップS401の時点で地域内で消費された電力量と、将来の時間帯に需要が予想される電力量とを含む。
【0020】
PV活用量と予告買電量との合計値とが当日総需要以上である場合は、サーバの処理はステップS402に進み、サーバは、将来の時間帯に太陽光発電により生産が予想される電力を充電することを決定する。PV活用量と予告買電量との合計値が当日総需要未満である場合は、サーバの処理はステップS403に進む。
【0021】
ステップS403において、サーバはPV活用量と予告買電量と需要低減量との合計値とが当日総需要以上であるかを判断する。需要低減量とは、将来の時間帯において、地域内の負荷装置等に対し使用を低減させることが可能な電力量である。PV活用量と予告買電量と需要低減量との合計値とが当日総需要以上である場合は、サーバの処理はステップS404に進み、サーバは、将来の時間帯に地域内の任意の負荷装置に対し電力の使用量を低減させることを決定する。PV活用量と予告買電量と需要低減量との合計値が当日総需要未満である場合は、サーバの処理はステップS405に進む。
【0022】
ステップS405において、サーバはPV活用量と予告買電量と需要低減量とバッテリ初期充電量との合計値とが当日総需要以上であるかを判断する。バッテリ初期充電量とは、地域内の設備等のバッテリに充電されている電力量をいう。PV活用量と予告買電量と需要低減量とバッテリ初期充電量との合計値が当日総需要以上である場合は、サーバの処理はステップS406に進み、サーバは、所定の時間帯に当該バッテリに充電されている電力を放電して使用することを決定する。PV活用量と予告買電量と需要低減量とバッテリ初期充電量との合計値が当日総需要未満である場合は、サーバの処理はステップS407に進む。
【0023】
ステップS407において、サーバはPV活用量と予告買電量と需要低減量とバッテリ初期充電量とFC発電量との合計値が当日総需要以上であるかを判断する。FC発電量とは、燃料電池式発電機を稼働して生産が可能な電力量をいう。PV活用量と予告買電量と需要低減量とバッテリ初期充電量とFC発電量との合計値が当日総需要以上である場合は、サーバの処理はステップS408に進み、サーバは、燃料電池式発電機を稼働することを決定する。PV活用量と予告買電量と需要低減量とバッテリ初期充電量とFC発電量との合計値が当日総需要未満である場合は、サーバの処理はステップS409に進み、サーバは、例えばインバランス料金を払って買電することを決定する。その後、サーバの処理は終了する。
【0024】
このように、サーバは当日総需要に対し使用できる電力が不足した場合における制御を行う。これによりCEMSにおける柔軟なエネルギーマネージメントが可能となる。上述の当日総需要のうち、将来の時間帯に需要が予想される電力量の一部は、本実施形態にかかる将来の対象時間帯における建物の電力需要量である。本実施形態により、地域内の各建物の電力需要量が精度よく推定されることで、上述の当日総需要の予測精度が向上し、CEMSの制御を円滑に行うことができる。
【0025】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。制御装置20は、所定の時間帯における対象の建物B内の人の数を示す第1情報、所定の時間帯において対象の建物Bで消費される電力量を示す第2情報、及び所定の時間帯において対象の建物Bに向かっている人の数を示す第3情報のうち少なくとも1つを取得し、第1情報、第2情報、または第3情報に基づいて、将来の対象時間帯における建物Bの電力需要量を推定する。
【0026】
対象の建物Bは、本実施形態では事業所を含むオフィスビルであり、建物B内の人の数とは当該オフィスビル内に出社して勤務する人の数をいう。これに限られず、建物Bは学校、イベント会場、商業施設、病院等の公共施設等であってよい。この場合、建物B内の人の数とは建物Bに来て一定の時間を過ごす人の数であり、学校においては学生及び教師の数、イベント会場においてはイベント開催者及び客の数、商業施設においては店員及び客の数、病院においては医師及び患者の数を含んでよい。
【0027】
所定の時間帯は、本実施形態では朝の時間帯であり、より具体的には朝9時から朝10時の時間帯である。当該時間帯は建物Bに出社した人が業務を開始した時刻の経過後の時間帯である。これに限られず所定の時間帯は任意に設定されてよい。これにより、例えば所定の時間帯が朝の時間帯であるときに、朝の時点での建物Bの電力需要量を推定できるようになる。
【0028】
対象の建物Bで消費される電力量とは、対象の建物Bに設けられた少なくとも1つの負荷装置が消費する電力量を含む。本実施形態では、対象の建物Bで消費される電力量とは当該負荷装置のそれぞれが消費する電力の合計値である。負荷装置とは、建物Bにおける照明器具、冷暖房装置、エレベータ、エスカレータ等の搬送装置、パーソナルコンピュータ、コピー機等のオフィス機器を含む。本実施形態では、電力計Mによって対象の建物Bで消費される電力量が測定される。
【0029】
電力需要量とは、建物Bにおいて必要とされる電力量をいい、本実施形態では建物Bに設けられた負荷装置により消費が予想される電力量をいう。将来の対象時間帯とは、本実施形態では昼の時間帯であり、より具体的には午後1時から2時の時間帯である。当該時間帯は建物B全体の電力需要量がピークとなる時間帯である。これに限られず所定の時間帯は任意に設定されてよい。
【0030】
このように、本実施形態によれば、すでに建物B内にいる人の数と、建物Bに向かっている人の数とを把握でき、将来の対象時間帯に建物Bにいる人の数を正確に予測することができる。当該人の数と、建物Bで消費される電力量とに基づいて、将来の対象時間帯における建物の電力需要量をより精度よく推定できる。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【0031】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0032】
図1に示すように、制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25とを備える。
【0033】
制御部21は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。専用回路は、例えばASICであるがこれに限られない。制御部21は、制御装置20全体の動作を制御する。
【0034】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、制御装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部23を介してネットワーク60から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0035】
通信部23は、ネットワーク60に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。
【0036】
入力部24は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部24は、制御装置20の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部24は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0037】
出力部25は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力部25は、制御装置20の動作によって得られるデータを出力する。出力部25は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の出力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。
【0038】
制御装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部21に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0039】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したDVD又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0040】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0041】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0042】
図2を参照して、本実施形態に係る制御装置20の動作について説明する。この動作は、本実施形態に係る制御方法に相当する。以下において、制御装置20は、外部の装置との情報の送受信を、通信部23及びネットワーク60を介して行う。以下において算出される係数は任意の機械学習により生成されてよい。
【0043】
ステップS101において、制御装置20の制御部21は、所定の時間帯における対象の建物B内の人の数を示す第1情報を取得する。
【0044】
本実施形態では所定の時間帯とは朝の時間帯であり、建物Bとしての事業所の勤務開始時刻の朝9時頃である。対象の建物Bは任意に設定されてよく、例えば制御装置20のユーザが、入力部24を介して所定の地域内の建物全てを対象の建物Bとして設定できてよい。
【0045】
第1情報の取得には任意の手法が採用されてよい。本実施形態において制御部21は、対象の建物Bに設けられたカメラC1の画像を任意の画像解析技術により解析することで第1情報を取得する。例えば制御部21は、建物B内の各部屋に設けられたカメラC1が撮影した画像を解析して部屋ごとの人の数を決定し、当該人の数を合計して、建物B内の人の数として第1情報を生成する。カメラC1が設置される場所は部屋の中に限られず、エレベータ、エスカレータ等の搬送装置、又は階段等の人が移動する設備付近であってもよい。
【0046】
これに限られず、制御部21は、建物Bの入場ゲートの通過記録を示す通過情報を取得し、通過情報に基づいて建物B内の人の数を測定し、測定した結果を第1情報として取得してもよい。入場ゲートは、建物Bへの人の入場の許可または禁止、及び建物Bからの退出を管理する装置である。入場ゲートは例えば、非接触型または接触型のICカード等のリーダ部と、人の入場または退場させるための扉部と、各部を制御する制御部と、通信部とを備える。入場ゲートを通過する人がリーダ部にICカードをかざす等の行為を行うと、入場ゲートの制御部がICカードに記録された識別番号を読み出し、認証を行う。認証の結果通行を許可することを決定すると、制御部は扉部を開き、人の通行を可能にする。制御部は、このようにして入場ゲートの通過を許可した結果を、通過情報として通信部を介して制御装置20へ送信できる。通過情報は例えば、通過を許可した人の識別番号と通過した日時とを含んでよい。制御装置20の制御部21は、通信部23を介して当該通過情報を受信することで取得する。制御部21は、入場ゲートから通過情報を常に受信していてもよいし、定期的に受信してもよい。制御部21は、受信した通過情報に基づいて、建物B内の人の数を測定する。例えば制御部21は、所定の時間帯までに建物Bへの入場が許可された人の数の合計値から建物Bからの退場が許可された人の数の合計値を差し引くことで建物B内の人の数を測定する。制御部21は、このようにして測定した結果を第1情報として取得する。
【0047】
これに限られず、通過記録を示す情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、通過記録を示す情報を、建物Bのセキュリティ管理室に設置されたサーバ装置等の外部装置から受信することで取得してもよい。また、学校等、建物Bが複数の建物から構成される場合、入場ゲートは複数の建物に共通のものとして一か所に設けられても良いし、当該複数の建物のそれぞれについて設けられてもよい。この場合、制御部21はそれぞれの入場ゲートから通過情報を取得し、それぞれの入場ゲートが通過を許可した人の数を合計して第1情報として取得してもよい。
【0048】
これに限られず、制御部21は、建物Bに勤務する人が在宅勤務であるかどうかを判断し、在宅勤務であると判断した場合に在宅勤務人数としてカウントし、カウントした合計値を所定の値から差し引き、第1情報として取得してよい。所定の値とは建物Bに勤務する人全員が出勤した場合の人数であってよい。制御部21は、建物Bに勤務する人が在宅勤務であることを以下で説明する勤怠情報から判断してもよい。制御部21は、建物Bに勤務する人が保持する端末装置と通信し、当該端末装置の位置が、予め登録された、建物Bに勤務する人の家等の所定の場所に所定の時間以上ある場合に、在宅勤務であることを判断してよい。
【0049】
これに限られず、制御部21は、建物Bに勤務する人の勤怠状況を示す勤怠情報を取得し、勤怠情報に基づいて、建物B内の人の数を測定し、測定した結果を第1情報として取得してよい。勤怠情報は、建物Bにおいて勤務する人の出勤日時、退勤日時等を含む。これに限られず、勤怠情報は建物Bに勤務する人の在宅勤務のスケジュール、部署、建物B内の部屋等の業務を行う場所等を含んでもよい。勤怠情報は例えば、建物Bに勤務する人が出勤または退勤するときに、外部の勤怠管理装置へ入力することにより生成されてよい。勤怠管理装置への入力は、建物Bに勤務する人が保持する端末装置を介して行われてもよい。これに限られず、勤怠情報は予め登録されたものであってもよい。
【0050】
制御装置20は、外部の勤怠管理装置と通信し、当該勤怠管理装置から勤怠情報を受信することで取得できる。これに限られず、制御装置20と勤怠管理装置とは同一の装置であってもよい。制御部21は、取得した勤怠情報に基づいて、建物B内の人の数を測定する。例えば制御部21は、所定の時間帯において建物Bへ出勤している人の数の合計値を算出することで建物B内の人の数を測定する。制御部21は、このようにして測定した結果を第1情報として取得する。
【0051】
ステップS102において、制御部21は、取得した第1情報に基づいて係数を決定する。制御部21は、建物B内の人の数が多い程高い値の係数を決定してよい。本実施形態において決定された係数はA1であるとする。
【0052】
ステップS103において、制御部21は、所定の時間帯において対象の建物Bで消費される電力量を示す第2情報を取得する。
【0053】
第2情報の取得には任意の手法が採用されてよい。本実施形態において制御部21は、電力計Mから、建物における任意の負荷装置により消費される電力量を示す情報を受信することで第2情報を取得する。負荷装置は例えば冷暖房装置である。制御部21は、電力計Mが測定した、建物Bの複数の負荷装置のそれぞれが消費した電力量を合計して対象の建物Bで消費される電力量とし、第2情報を生成してよい。
【0054】
ステップS104において、制御部21は、取得した第2情報に基づいて係数を決定する。制御部21は、対象の建物で消費される電力量の値が大きい程、高い値の係数を決定してよい。本実施形態において決定された係数はA2であるとする。
【0055】
ステップS105において、制御部21は、所定の時間帯において対象の建物Bに向かっている人の数を示す第3情報を取得する。
【0056】
第3情報の取得には任意の手法が採用されてよい。本実施形態において制御部21は、対象の建物Bの周辺の道路等に設けられたカメラC2の画像を任意の画像解析技術により解析することで第3情報を取得する。例えば制御部21は、建物に向かう道路沿いに設けられたカメラC2が撮影した画像を解析して、対象の建物に向かっている人の数を決定し、当該人の数を合計して、対象の建物に向かっている人の人の数として第3情報を生成する。制御部21は、カメラC2が撮影した画像にバス等を含む車両が含まれる場合、当該画像を解析して当該車両に乗車している人の数を決定し、第3情報を生成してよい。
【0057】
ステップS106において、制御部21は、取得した第3情報に基づいて係数を決定する。制御部21は、建物に向かっている人の数が多い程高い値の係数を決定してよい。本実施形態において決定された係数はA3であるとする。
【0058】
ステップS107において、制御部21は、建物Bで将来の対象時間帯において開催されるイベントを示すイベント情報を取得する。イベントは、建物Bで開催される展示会、発表会、全館休館日等を含む。イベント情報の取得には任意の手法が採用されてよい。制御部21は、記憶部22に格納されたイベント情報を読み出すことで取得してよい。
【0059】
ステップS108において、制御部21は、取得したイベント情報に基づいて係数を決定する。係数は、当該イベントのため対象の建物Bに来ると想定される人の数が多い程大きい値であってよい。制御部21は、過去において同一のイベントがあったときに当該建物Bに来訪した人の数を示す報に基づき、当該係数を決定してよい。本実施形態において決定された係数はA4であるとする。
【0060】
ステップS109において、制御部21は、建物Bにおいて将来の対象時間帯が該当する曜日又は時間に設定されたスケジュールを示すスケジュール情報を取得する。スケジュールは、建物B内で毎週同じ曜日に、又は毎日同じ時間に予定されている予定を含み、例えば基準として定められた業務の開始時刻及び終了時刻、当該終了時刻での退社が推奨される曜日、昼休みの開始時刻及び終了時刻等を含む。スケジュール情報の取得には任意の手法が採用されてよい。制御部21は、記憶部22に格納されたスケジュール情報を読み出すことで取得してよい。
【0061】
ステップS110において、制御部21は、取得したスケジュール情報に基づいて係数を決定する。係数は、当該曜日と時間において対象の建物Bにいると想定される人の数が多い程大きい値であってよい。例えば対象の建物Bにおいて、基準として定められた業務終了時刻に退社することが推奨されている曜日が水曜日であり、設定されている将来の対象時間帯が水曜日の当該業務終了時刻以降であるとする。この場合、当該係数は、他の曜日の同じ対象時間帯に対し設定される係数、又は水曜日の業務開始時刻以降であって業務終了時刻前の時間帯に対し設定される係数よりも低い値であってよい。本実施形態において決定された係数はA5であるとする。
【0062】
ステップS111において、制御部21は、建物Bがある地点の気候を示す気候情報を取得する。気候は、建物Bがある地点の温度、湿度、降水量、風量等を含む。気候情報の取得には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、建物Bに設けられた温湿度計と通信し、当該温湿度計が計測した値を受信することで気候情報を取得してもよい。例えば制御部21は、気象観測センタのサーバ等の外部装置と通信し、当該外部装置から気候情報を取得してもよい。
【0063】
ステップS112において、制御部21は、取得した気候情報に基づいて係数を決定する。係数は、当該気候において想定される、対象の建物Bに設けられた負荷装置の稼働量が大きい程、大きい値であってよい。例えば気候情報が示す気温が基準温度と離れる程、冷暖房装置の稼働量が大きくなるため、大きい係数が決定されてよい。基準温度は建物内の人が冷暖房装置を稼働させずに過ごせる気温であり、例えば摂氏25度の気温である。基準温度は任意に設定されてよい。本実施形態において決定された係数はA6であるとする。
【0064】
ステップS113において、制御部21は、所定の関数により電力需要量を算出する。本実施形態では、制御部21は、ステップS102からステップS112で取得した係数A1からA6を所定の値に乗じて、電力需要量として算出する。これに限られず、電力需要量の算出には任意の関数が採用されてよい。例えば制御部21は、上述した係数A1からA6のそれぞれを所定の値に乗じた結果の値を合計し、電力需要量として算出してもよい。例えば制御部21は、第1情報が示す対象の建物内の人の数と、第3情報が示す対象の建物に向かっている人の数との差分が大きい程、当該所定の値を大きい値に設定し、電力需要量を算出してもよい。電力需要量の算出に用いる関数は、機械学習により算出されたものであってよい。この場合、制御部21は、過去に電力需要量を予測した時間帯において実際に使用された電力量の実測値を教師データとして機械学習を行ってもよい。
【0065】
ステップS114において、制御部21は算出した電力需要量を記憶部22に格納する。制御部21は電力需要量を建物Bのそれぞれに対応付けて格納してよい。これにより、制御部21は、所定の地域に含まれる任意の建物Bの電力需要量を合計することができる。その後、制御部21の処理は終了する。
【0066】
制御部21が、当該電力需要量を示す情報をCEMSを管理するサーバに送信することで、本実施形態により算出した電力需要量が、図7のステップS401、S403、S405、及びS407の電力の当日総需要の一部または全部として用いられる。制御部21は、ユーザが指定した対象の建物Bについて算出した電力需要量を、出力部25を介してユーザに対して通知できてもよい。
【0067】
上述のように、本実施形態に係る制御装置20は、所定の時間帯における対象の建物B内の人の数を示す第1情報、所定の時間帯において対象の建物Bで消費される電力量を示す第2情報、及び所定の時間帯において対象の建物Bに向かっている人の数を示す第3情報のうち少なくとも1つを取得し、第1情報、第2情報、または第3情報に基づいて、将来の対象時間帯における建物Bの電力需要量を推定する制御部21を備える。
【0068】
本実施形態によれば、すでに建物B内にいる人の数と、建物Bに向かっている人の数とを把握でき、将来の対象時間帯に建物にいる人の数を正確に予測することができる。当該人の数に応じて、負荷装置の稼働量が将来において増加することが予想されるため、当該人の数と、建物Bで消費される電力量とに基づいて、将来の対象時間帯における建物Bの電力需要量をより精度よく推定できる。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【0069】
上述のように、制御装置20において、制御部21は、建物Bの入場ゲートの通過記録を示す通過情報を取得し、通過情報に基づいて建物B内の人の数を測定し、測定した結果を第1情報として取得する。
【0070】
本実施形態によれば、制御部21は、建物Bへ入場、又は建物Bから退場した人の数をリアルタイムに測定できる。制御部21は、測定された建物B内の人の数が多い程、負荷装置の稼働量が増加すること予測し、電力需要量の予測に反映できる。また、制御部21は、過去の同じ時刻において建物B内にいた人の数と予測した電力需要量とを対応付けて記録しておくことができ、当該記録に基づいて電力需要量の予測の精度を向上できる。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【0071】
上述のように、制御装置20は通信部23をさらに備え、制御部21は、通信部23を介して建物Bに設けられたカメラC1と通信し、カメラC1が撮影した画像に基づいて建物B内の人の数を測定し、測定した結果を第1情報として取得する。
【0072】
カメラC1により建物B内にいる人の数を精度よく測定できると、負荷装置の稼働量が予測できる。制御部21は、過去の同じ時刻において建物B内にいた人の数と予測した電力需要量とを対応付けて記録しておくことができ、当該記録に基づいて電力需要量の予測の精度を向上できる。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【0073】
上述のように、制御装置20において、制御部21は、通信部23を介して建物Bに向かう道路に設けられたらカメラC2と通信し、カメラC2が撮影した画像に基づいて建物Bに向かう人の数を測定し、測定した結果を第3情報として取得する。
【0074】
カメラC2の画像を解析することでより精度よく効率的に、建物に向かってきている人の数を予測できる。建物向かう人の数が多い場合、将来の対象時間帯において建物にいる人の数が多いことが予想され、当該建物における電力需要量が増加することが予想される。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【0075】
上述のように、制御装置20において、制御部21は、建物Bに勤務する人が在宅勤務であるかどうかに基づいて、建物B内の人の数を測定し、測定した結果を第1情報として取得する。
【0076】
在宅勤務をすることが予め決定されている人は、将来の対象時間帯において建物に出社する可能性は低いことが予想される。予め把握した在宅勤務の人の数を用いて、より効率よく電力需要量の予測を行うことができる。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【0077】
上述のように、制御装置20において、制御部21は、建物Bに勤務する人の勤怠状況を示す勤怠情報を取得し、勤怠情報に基づいて、建物B内の人の数を測定し、測定した結果を第1情報として取得する。
【0078】
本実施形態によれば、制御部21は、勤怠状況に基づいて建物Bへ出勤している人の数を把握し、建物B内の人の数を精度よく測定できる。勤怠状況を把握することで、一時的に建物Bを訪れている人ではなく、将来の対象時間帯において負荷装置の稼働の変化に関係する可能性が高い人の数を測定し、電力需要量の予測の精度を向上できる。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【0079】
上述のように、制御装置20において、制御部21は、建物Bがある地点の気候を示す気候情報をさらに取得し、気候情報に基づいて電力需要量を推定する。
【0080】
人が快適に過ごすことができる気候から離れるほど、建物Bの負荷装置の稼働量が高まることが予想され、結果的に電力需要量の予測の精度を向上できる。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【0081】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。例えば、上述した実施形態において、制御装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。
【0082】
(第2実施形態)
本開示の変形例として、制御部21は、建物Bに移動する人が保持する端末装置30と通信し、端末装置30の位置を示す端末位置情報に基づいて建物Bに向かう人の数を測定し、測定した結果を第3情報として取得してもよい。
【0083】
図3は、本実施形態に係るシステム2の概略図を示す。図3に示すように、第1実施形態のカメラC2の代わりに、制御装置20は、端末装置30とネットワーク60を介して通信する。
【0084】
端末装置30は、以下に説明するように建物に移動する人によって保持される。端末装置30は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、ウェアラブル機器、若しくはタブレットなどのモバイル機器、又はPCである。「PC」は、personal computerの略語である。「ウェアラブル機器」は具体的には、腕時計型又はアンクレット型等の、身体に装着可能なモバイル機器である。
【0085】
制御装置20、カメラC1、及び電力計Mについては、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0086】
図3を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。
【0087】
端末装置30は、制御部31と、記憶部32と、通信部33と、入力部34と、出力部35と、測位部36とを備える。
【0088】
制御部31には、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部31は、端末装置30の各部を制御しながら、端末装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0089】
記憶部32には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32には、端末装置30の動作に用いられる情報と、端末装置30の動作によって得られた情報とが記憶される。
【0090】
通信部33には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格等の移動通信規格に対応したインタフェース、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。「LTE」は、Long Term Evolutionの略語である。「4G」は、4th generationの略語である。「5G」は、5th generationの略語である。通信部33は、端末装置30の動作に用いられる情報を受信し、また端末装置30の動作によって得られる情報を送信する。
【0091】
入力部34には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部34は、端末装置30の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部34は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の入力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0092】
出力部35には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、又は振動モータある。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部35は、端末装置30の動作によって得られる情報を出力する。出力部35は、端末装置30に備えられる代わりに、外部の出力機器として端末装置30に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0093】
測位部36には、少なくとも1つのGNSS受信機が含まれる。「GNSS」は、global navigation satellite systemの略語である。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。測位部36は、端末装置30の位置を測定する。
【0094】
端末装置30の機能は、本実施形態に係る端末プログラムを、制御部31に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。端末プログラムは、端末装置30の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを端末装置30として機能させる。すなわち、コンピュータは、端末プログラムに従って端末装置30の動作を実行することにより端末装置30として機能する。
【0095】
端末装置30の一部又は全ての機能が、制御部31に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、端末装置30の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0096】
図4を参照して、システム2の制御装置20の制御部21の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る制御方法に相当する。
【0097】
図4のステップS201からステップS204までは第1実施形態の図2のステップS101からステップS104と同様であるため説明を省略する。
【0098】
ステップS105において、制御部21は、建物Bに移動する人が保持する端末装置30と通信し、端末装置30の位置を示す端末位置情報に基づいて建物Bに向かう人の数を測定し、測定した結果を前記第3情報として取得する。
【0099】
具体的には、制御部21はまず、建物Bに向かう人が保持する端末装置30を特定し、当該端末装置30と通信する。建物Bに向かう人が保持する端末装置30の特定には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、建物から所定の範囲にある複数の端末装置の位置を示す端末位置情報を取得し、当該端末位置情報から、当該端末装置が建物Bに向かう所定の道を建物Bへ移動していることを示す場合に、当該端末装置を建物Bに移動する人が保持する端末装置30として特定してもよい。
【0100】
例えば制御部21は、ルート案内アプリケーションにおいて目的地が対象の建物Bに設定されている端末装置を、建物Bに移動する人が保持する端末装置30として特定してよい。これに限られず、制御部21は、建物Bに勤務する人等予め登録された人が保持する端末装置30を、建物Bに移動する人が保持する端末装置30として特定してもよい。
【0101】
制御部21は、特定した端末装置30の位置を示す端末位置情報から、移動速度と移動方向とを算出し、建物Bへの到着予想時刻を算出する。制御部21は、当該到着予想時刻が将来の対象時間帯である場合に、建物Bに向かう人の数をカウントし、カウントした合計値を第3情報として取得する。このようにして制御部21は、建物Bに向かう人の数を測定し、測定した結果を前記第3情報として取得する。
【0102】
建物Bに勤務する人が保持する、予め登録された端末装置を建物Bに移動する人が保持する端末装置30として特定した場合、制御部21は、当該端末装置30が所定の経路を移動したときに、建物Bに向かう人をカウントし、カウントした合計値を第3情報として取得してもよい。所定の経路は通勤経路として予め登録されていてもよい。
【0103】
図4のステップS206からステップS214までは第1実施形態の図2のステップS106からステップS114と同様であるため説明を省略する。
【0104】
本実施形態によれば、制御部21は、建物Bに確実に向かってくる人の端末装置30と通信することで、より精度よく、将来の対象時間帯において建物Bにいる人の数がどの程度増加するか予想できる。よって、将来の対象時間帯における建物Bの電力需要量の予測の精度が向上する。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【0105】
(第3実施形態)
本開示の変形例として、制御部21は、建物Bに移動する車両40と通信し、車両40の位置を示す車両位置情報に基づいて建物Bに向かう人の数を測定し、測定した結果を第3情報として取得してもよい。
【0106】
図5は、本実施形態に係るシステム3の概略図を示す。図5に示すように、第1実施形態のカメラC2の代わりに、制御装置20は、車両40とネットワーク60を介して通信する。
【0107】
車両40は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってよい。自動車は、例えばガソリン自動車、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、又は燃料電池自動車等であるが、これらに限られない。車両40は、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5の何れかである。車両40は、MaaS(Mobility as a Service)専用車両でもよい。車両40は、以下に説明するように建物に向かって移動するものである。
【0108】
制御装置20、カメラC1、及び電力計Mについては、第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0109】
図5を参照して、本実施形態に係る車両40の構成を説明する。
【0110】
車両40は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、入力部44と、出力部45と、測位部46とを備える。車両40は、さらに各種センサを備える。各種センサと制御部41、記憶部42、通信部43、入力部44、出力部45、測位部46は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークと通信可能に接続されてもよい。
【0111】
制御部41は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGAであるがこれに限られない。専用回路は、例えばASICであるがこれに限られない。制御部41は、1つ以上のECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部41は、車両40の各部を制御しながら、車両40全体の動作を制御する。
【0112】
記憶部42は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部42に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部42は、車両40の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部42は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びデータベース等を記憶してもよい。記憶部42に記憶された情報は、例えば通信部43を介してネットワーク60から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0113】
通信部43には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば移動体通信規格、4G若しくは5G等の移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。例えば、DCM(Data Communication Module)等の車載通信機が、通信部43として機能してもよい。通信部43は、車両40の動作に用いられる情報を受信し、また車両40の動作によって得られる情報を送信する。
【0114】
入力部44には、少なくとも1つの入力用インタフェースが含まれる。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部44は、車両40の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付ける。入力部44は、車両40に備えられる代わりに、外部の入力機器として車両40に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0115】
出力部45には、少なくとも1つの出力用インタフェースが含まれる。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部45は、車両40の動作によって得られる情報を出力する。出力部45は、車両40に備えられる代わりに、外部の出力機器として車両40に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)等の任意の方式を用いることができる。
【0116】
測位部46には、少なくとも1つのGNSS受信機が含まれる。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。測位部46は、車両40の位置を測定する。
【0117】
車両40の機能は、任意の車両プログラムを、制御部41としてのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、車両40の機能は、ソフトウェアにより実現される。車両プログラムは、車両40の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを車両40として機能させる。すなわち、コンピュータは、車両プログラムに従って車両40の動作を実行することにより車両40として機能する。
【0118】
車両40の一部又は全ての機能が、制御部41としてのプログラマブル回路又は専用回路により実現されてもよい。すなわち、車両40の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0119】
図6を参照して、システム3の制御装置20の制御部21の動作を説明する。この動作は、本実施形態に係る制御方法に相当する。
【0120】
図6のステップS301からステップS304までは第1実施形態の図2のステップS101からステップS104と同様であるため説明を省略する。
【0121】
ステップS305において、制御部21は、建物Bに移動する車両40と通信し、車両40の位置を示す車両位置情報に基づいて建物Bに向かう人の数を測定し、測定した結果を前記第3情報として取得する。
【0122】
具体的には、制御部21はまず、建物Bに移動する車両40を特定し、当該車両40と通信する。建物Bに移動する車両40の特定には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、建物から所定の範囲にある複数の車両の位置を示す車両位置情報を取得し、当該車両位置情報から、当該車両が建物Bに向かう所定の道を建物Bに向かって移動していることを示す場合に、当該車両を建物Bに移動する車両40として特定してもよい。
【0123】
例えば制御部21は、ルート案内アプリケーションにおいて目的地が対象の建物Bに設定されている車両を建物に移動する車両40として特定してよい。これに限られず、制御部21は、建物Bに勤務する人が乗車する予め登録された車両を、建物Bに移動する車両40として特定してもよい。
【0124】
制御部21は、特定した車両40の位置を示す車両位置情報から、移動速度と移動方向とを算出し、建物Bへの到着予想時刻を算出する。制御部21は、当該到着予想時刻が将来の対象時間帯である場合に、車両40に乗車している人の数を示す情報を取得する。車両40に乗車している人の数を示す情報の取得は任意の手法により行われてよい。例えば制御部21は、車両40に対し、車両40に乗っている人の数を示す情報を送信するよう要求を送信してよい。この場合、車両40の制御部41は、当該要求に応じて、車両40の座席センサ等任意のセンサにより乗車している人の数を検出し、車両40に乗っている人の数を示す情報として制御装置20に送信する。制御装置20の制御部21は当該情報を受信することで第3情報を取得してよい。これに限られず、制御部21は、車両位置情報に基づいて車両40が移動する道路に設けられたカメラを特定し、当該カメラと通信して移動中の車両40を撮影した画像を当該カメラから受信する。制御部21は、当該画像を解析して車両40に乗車している人の数を検出することで第3情報を取得してもよい。
【0125】
建物Bに勤務する人が乗車する、予め登録された車両を建物に移動する車両40として特定した場合、制御部21は、当該車両40が所定の経路を移動したときに、車両40に乗る人として予め登録された人の数を第3情報として取得してもよい。所定の経路は通勤経路として予め登録されていてもよい。
【0126】
図6のステップS306からステップS314までは第1実施形態の図2のステップS106からステップS114と同様であるため説明を省略する。
【0127】
本実施形態によれば、制御部21は、車両40に乗って人が建物に通勤してくることを考慮して、より精度よく、将来の対象時間帯において建物Bにいる人の数がどの程度増加するか予想できる。よって、将来の対象時間帯における建物Bの電力需要量の予測の精度が向上する。したがって、建物への人流を考慮して電力需要量を予測する技術を改善することができる。
【符号の説明】
【0128】
1,2,3 システム
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 出力部
30 端末装置
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
34 入力部
35 出力部
36 測位部
40 車両
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 入力部
45 出力部
46 測位部
60 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7