(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】入退管理装置
(51)【国際特許分類】
G07C 9/27 20200101AFI20241126BHJP
G07C 9/28 20200101ALI20241126BHJP
【FI】
G07C9/27
G07C9/28
(21)【出願番号】P 2022201052
(22)【出願日】2022-12-16
(62)【分割の表示】P 2021081499の分割
【原出願日】2021-05-13
【審査請求日】2022-12-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】根岸 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】皆木 宗
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第112537702(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112017351(CN,A)
【文献】特開2004-313587(JP,A)
【文献】特開2011-017154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00- 9/38
G07B 11/00-17/04
G08B 23/00-31/00
E05B 49/00
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/00-99/00
B60R 16/00-16/08
G05D 1/00- 1/87
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口装置の通行を要求する要求通知を移動体から受信する受信部と、
前記要求通知に基づいて前記移動体に前記出入口装置を通行する権限があるか否かを判定する認証部と、
前記移動体が前記出入口装置を通行する権限があると前記認証部が判定した場合に、前記出入口装置が前記移動体を通行させられる状態であるか否かを検出する通行可否検出部と、
前記出入口装置が前記移動体を通行させられない状態であることを前記通行可否検出部が検出した場合に、前記移動体に対して前記出入口装置を通行する代わりに行う動作の指令を送信する指令部と、
を備え、
前記要求通知は、前記出入口装置の識別情報を含
み、
前記通行可否検出部は、前記出入口装置に代わって利用できる別の出入口装置が存在するか否かを判定する機能を有し、
前記通行可否検出部が、前記出入口装置が前記移動体を通行させられない状態であることを検出し、且つ、別の出入口装置が存在すると判定した場合に、前記指令部が、前記移動体に対して前記出入口装置を通行する代わりに行う動作の指令として前記別の出入口装置を通行する指令を送信する入退管理装置。
【請求項2】
前記通行可否検出部は、前記移動体を通行させられない状態として前記出入口装置が利用中であるか否かを検出する請求項
1に記載の入退管理装置。
【請求項3】
出入口装置の通行を要求する要求通知を移動体から受信する受信部と、
前記要求通知に基づいて前記移動体に前記出入口装置を通行する権限があるか否かを判定する認証部と、
前記移動体が前記出入口装置を通行する権限があると前記認証部が判定した場合に、前記出入口装置が前記移動体を通行させられる状態であるか否かを検出する通行可否検出部と、
前記出入口装置が前記移動体を通行させられない状態であることを前記通行可否検出部が検出した場合に、前記移動体に対して前記出入口装置を通行する代わりに行う動作の指令を送信する指令部と、
を備え、
前記要求通知は、前記出入口装置の識別情報を含
み、
前記指令部は、前記出入口装置を通らない迂回ルートを探索する機能を有し、前記迂回ルートが存在する場合に、前記移動体に対して前記出入口装置を通行する代わりに行う動作の指令として前記迂回ルートを移動する指令を送信するものであり、
通行可否検出部は、前記移動体を通行させられない状態として前記出入口装置が長時間利用不可の状態であるか否かを検出する入退管理装置。
【請求項4】
前記受信部は、前記移動体の位置情報を前記移動体から受信し、
前記認証部は、前記位置情報に基づいて前記移動体が規定のエリアにいる状態で前記要求通知を送信したと判定した場合は、前記要求通知に基づいて前記移動体が前記出入口装置を通行する権限があるか否かを判定し、前記位置情報に基づいて前記移動体が前記規定のエリアにいる状態で前記要求通知を送信したものではないと判定した場合は、前記権限があるか否かの判定をしない請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の入退管理装置。
【請求項5】
前記受信部は、前記移動体が前記出入口装置の通行を完了した報告通知を前記移動体から受信する機能をさらに有し、
前記認証部は、前記報告通知に基づいて前記移動体が前記出入口装置の通行を完了したか否かを判定する機能をさらに有し、前記報告通知に基づいて前記移動体が前記出入口装置の通行を完了したと判定した場合に、前記出入口装置に対して閉鎖する指令を送信する請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の入退管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入退管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、入退管理装置を開示する。当該入退管理装置は、移動体から出入口装置を通行する要求通知を受信した場合、当該出入口装置を開放することで通行可能な状態にし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の入退管理装置において、移動体が誤って関係の無い出入口装置を通過する要求通知を送信した場合、当該入退管理装置は、当該関係の無い出入口装置を開放する。このため、入退管理のセキュリティ性が低下する。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、セキュリティ性を向上できる入退管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る入退管理装置は、出入口装置の通行を要求する要求通知を移動体から受信する受信部と、要求通知に基づいて移動体に出入口装置を通行する権限があるか否かを判定する認証部と、移動体が出入口装置を通行する権限があると認証部が判定した場合に、出入口装置が移動体を通行させられる状態であるか否かを検出する通行可否検出部と、出入口装置が移動体を通行させられない状態であることを通行可否検出部が検出した場合に、移動体に対して出入口装置を通行する代わりに行う動作の指令を送信する指令部と、を備え、要求通知は、出入口装置の識別情報を含み、通行可否検出部は、出入口装置に代わって利用できる別の出入口装置が存在するか否かを判定する機能を有し、通行可否検出部が、出入口装置が移動体を通行させられない状態であることを検出し、且つ、別の出入口装置が存在すると判定した場合に、指令部が、移動体に対して出入口装置を通行する代わりに行う動作の指令として別の出入口装置を通行する指令を送信する。
あるいは、本開示に係る入退管理装置は、出入口装置の通行を要求する要求通知を移動体から受信する受信部と、要求通知に基づいて移動体に出入口装置を通行する権限があるか否かを判定する認証部と、移動体が出入口装置を通行する権限があると認証部が判定した場合に、出入口装置が移動体を通行させられる状態であるか否かを検出する通行可否検出部と、出入口装置が移動体を通行させられない状態であることを通行可否検出部が検出した場合に、移動体に対して出入口装置を通行する代わりに行う動作の指令を送信する指令部と、を備え、要求通知は、出入口装置の識別情報を含み、指令部は、出入口装置を通らない迂回ルートを探索する機能を有し、迂回ルートが存在する場合に、移動体に対して出入口装置を通行する代わりに行う動作の指令として迂回ルートを移動する指令を送信するものであり、通行可否検出部は、移動体を通行させられない状態として出入口装置が長時間利用不可の状態であるか否かを検出する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、入退管理装置は、移動体が規定のエリアにいる状態で第1要求通知または報告通知を送信したと判定した場合に、移動体に通行の権限があるか否かまたは移動体が通行を完了したか否かの判定を行う。このため、セキュリティ性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1における入退管理装置が適用される管理区画の上面図である。
【
図2】実施の形態1における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。
【
図3】実施の形態1における入退管理装置が適用される管理区画の上面図である。
【
図4】実施の形態1における入退管理装置が適用される入退管理システムの第1変形例のブロック図である。
【
図5】実施の形態1における入退管理装置の第1変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図6】実施の形態1における入退管理装置が適用される入退管理システムの第2変形例のブロック図である。
【
図7】実施の形態1における入退管理装置が適用される入退管理システムの第3変形例のブロック図である。
【
図8】実施の形態1における入退管理装置の第3変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図9】実施の形態1におけるエレベーターシステムの制御装置のハードウェア構成図である。
【
図10】実施の形態2における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。
【
図11】実施の形態2における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。
【
図12】実施の形態2における入退管理装置が適用される入退管理システムの変形例のブロック図である。
【
図13】実施の形態3における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。
【
図14】実施の形態3における入退管理装置が適用されるサービス管理装置が作成する行動指示情報を示す図である。
【
図15】実施の形態3における入退管理装置が作成する入退場許可時間帯および入退場拒否時間帯の情報を示す図である。
【
図16】実施の形態3における入退管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図17】実施の形態3における入退管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【
図18】実施の形態3における入退管理装置が適用される入退管理システムの変形例のブロック図である。
【
図19】実施の形態4における入退管理装置が適用される管理区画の上面図である。
【
図20】実施の形態4における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。
【
図21】実施の形態4における入退管理装置が行う判断の例を示す図である。
【
図22】実施の形態4における入退管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における入退管理装置が適用される管理区画の上面図である。
【0011】
図1に示される入退管理システムにおいて、管理区画1は、図示されない建築物の内部に設定される。管理区画1は、内部区画1aと外部区画1bとに分けられる。ドア2は、出入口装置として、内部区画1aと外部区画1bと間に設けられる。例えば、入退管理装置3は、建築物の内部に設けられる。内部認証エリア4aは、入退管理装置3によって内部区画1aにおけるドア2の周辺に設定される。外部認証エリア4bは、入退管理装置3によって外部区画1bにおけるドア2の周辺に設定される。
【0012】
移動体5は、自律して移動し得るよう設けられる。移動体5は、入退管理装置3と通信し得るよう設けられる。移動体5は、建築物の内部に配置される。
図1には、複数の移動体5が示される。
【0013】
移動体5は、外部区画1bから内部区画1aへ入場しようとする場合、外部認証エリア4bの内側へ移動する。移動体5は、外部認証エリア4bへの移動が完了した場合、移動体5の識別情報とドア2の識別情報とを含むドア2を通行する第1要求通知を作成する。移動体5は、第1要求通知と当該第1要求通知を作成したときの自身の位置情報とが対応付けられた情報を入退管理装置3に送信する。
【0014】
入退管理装置3は、第1要求通知を受信した場合、当該第1要求通知に対応付けられた移動体5の第1位置情報が示す第1位置に基づいて、移動体5がドア2に対応する外部認証エリア4bの内側から当該第1要求通知を送信したと判定する。この場合、入退管理装置3は、当該第1要求通知の認証動作として当該移動体5にドア2を通行する権限があるか否かを判定する。入退管理装置3は、当該移動体5に権限があると判定した場合、ドア2に対して開放する指令を送信する。ドア2は、当該指令を受信した場合、開く。
【0015】
その後、移動体5は、ドア2を通過する。移動体5は、ドア2を通過した後に内部認証エリア4aにおいて、移動体5の識別情報とドア2の識別情報とを含むドア2の通行が完了した報告通知を作成する。移動体5は、報告通知と当該報告通知を作成したときの自身の位置情報とが対応付けられた情報を入退管理装置3に送信する。
【0016】
入退管理装置3は、報告通知を受信した場合、当該報告通知に対応付けられた移動体5の第1位置情報に基づいて、移動体5がドア2に対応する内部認証エリア4aの内側から当該報告通知を送信したと判定する。この場合、入退管理装置3は、当該報告通知の認証動作として当該移動体5がドア2の通行を完了したか否かを判定する。入退管理装置3は、当該移動体5がドア2の通行を完了したと判定した場合、ドア2に対して閉鎖する指令を送信する。ドア2は、当該指令を受信した場合、閉まる。
【0017】
移動体5が内部区画1aから外部区画1bへ退場しようとする場合においても、入退管理装置3と移動体5とは、移動体5が入場しようとする場合と同様の動作を行う。
【0018】
次に、
図2を用いて、入退管理装置3を説明する。
図2は実施の形態1における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。
【0019】
図2に示されるように、入退管理装置3は、記憶部6と受信部7と認証部8とを備える。
【0020】
記憶部6は、管理区画1に存在する装置の位置および領域の位置を示す設備情報を記憶する。
【0021】
受信部7は、移動体5から情報を受信する。
【0022】
受信部7が移動体5から第1要求通知または報告通知を受信した場合、認証部8は、当該第1要求通知または当該報告通知に含まれるドア2の識別情報に基づいて、当該ドア2に対応する設備情報を記憶部6から取得する。受信部7は、当該第1要求通知または当該報告通知に対応付けられた移動体5の第1位置情報と設備情報とに基づいて、当該第1要求通知または当該報告通知を送信したときの移動体5の第1位置が
図2には示されない内部認証エリア4aまたは外部認証エリア4bの内部であるか否かを判定する。認証部8は、当該第1要求通知または当該報告通知を送信したときの移動体5の第1位置が内部認証エリア4aまたは外部認証エリア4bの内部であると判定した場合、当該第1要求通知または当該報告通知の認証動作を行う。
【0023】
具体的には、認証動作において認証部8は、第1要求通知に基づいて移動体5にドア2を通行する権限があるか否かを判定する。認証部8は、認証動作において第1要求通知に基づいて移動体5にドア2を通行する権限があると判定した場合、ドア2に対して開放する指令を送信する。認証動作において認証部8は、報告通知に基づいて移動体5がドア2の通行を完了したか否かを判定する。具体的には、認証部8は、報告通知に含まれる移動体5の識別情報が第1要求通知と整合する場合、当該移動体5がドア2の通行を完了したと判定する。認証部8は、認証動作において報告通知に基づいて移動体5がドア2の通行を完了したと判定した場合、ドア2に対して閉鎖する指令を送信する。
【0024】
以上で説明した実施の形態1によれば、入退管理装置3は、受信部7と認証部8とを備える。入退管理装置3は、移動体5が規定の認証エリアにいる状態で第1要求通知または報告通知を送信したと判定した場合に、移動体5に出入口装置を通行する権限があるか否かの判定または移動体5が出入口装置の通行を完了したか否かの判定を行う。このため、セキュリティ性を向上できる。
【0025】
また、入退管理装置3は、第1要求通知に基づいて移動体5が出入口装置を通行する権限があると判定した場合、当該出入口装置に対して開放する指令を送信する。このため、当該移動体5が出入口装置を通行できる。
【0026】
また、入退管理装置3は、報告通知に基づいて移動体5が出入口装置の通行を完了したと判定した場合、当該出入口装置に対して閉鎖する指令を送信する。このため、当該出入口装置を通行できないようにできる。その結果、セキュリティ性が向上する。
【0027】
なお、移動体5は、第1要求通知を送信するときに、入場をする動作である旨の入退動作情報または退場をする動作である旨の入退動作情報を当該第1要求通知と対応付けて入退管理装置3に送信してもよい。この場合、入退管理装置3は、入退動作情報と第1位置情報と整合しているか否かを判定してもよい。具体的には、入退管理装置3は、入場する動作である旨の入退動作情報を受信した場合、かつ移動体5の第1位置が外部認証エリア4bである場合に、入退動作情報が第1位置情報と整合していると判定する。入退管理装置3は、退場する動作である旨の入退動作情報を受信した場合、かつ移動体の第1位置が内部認証エリア4aである場合に、入退動作情報が第1位置情報と整合していると判定する。入退管理装置3は、入退動作情報と第1位置情報とが整合していると判定した場合、当該第1要求通知の認証動作を行ってもよい。このため、第1要求通知の妥当性をより正確に判定することができる。その結果、セキュリティ性が向上する。また、
【0028】
なお、入退管理装置3は、管理区画1が設けられた建築物とは別の建築物に設けられてもよい。この場合、入退管理装置3は、通信回線を介してドア2と移動体5との間で通信を行ってもよい。
【0029】
なお、記憶部6は、入退管理装置3の内部に設けられなくてもよい。例えば、入退管理装置3とは別の場所において、記憶部6と同様の機能をもつ記憶装置が設けられてもよい。
【0030】
なお、出入口装置は、ドア2でなくてもよい。
図3は実施の形態1における入退管理装置が適用される管理区画の上面図である。
【0031】
図3に示されるように、セキュリティゲート9は、出入口装置として内部区画1aと外部区画1bと間に設けられる。セキュリティゲート9は、複数のレーン10を備える。この場合、入退管理装置3は、
図3には示されないドア2へ指令を送信する動作と同様に、セキュリティゲート9に対して、複数のレーン10のうちいずれかを開放するまたは閉鎖する指令を送信する。
【0032】
次に、
図4を用いて、入退管理システムの第1変形例を説明する。
図4は実施の形態1における入退管理装置が適用される入退管理システムの第1変形例のブロック図である。
【0033】
図4に示されるように、入退管理システムにおいて、複数の撮像装置11は、建築物の内部に設けられる。複数の撮像装置11のうちの1つは、
図4には図示されない内部区画1aおよび外部区画1bを撮影する。実施の形態1の第1変形例では、複数の撮像装置11のうち、内部区画1aおよび外部区画1bを撮影する撮像装置11について説明する。
【0034】
撮像装置11は、入退管理装置3から指令を受信した場合、撮影した像に基づいて移動体5が存在する位置を検出する。撮像装置11は、移動体5の位置を検出した場合、検出した時刻の情報を含む移動体5の第2位置情報を作成し、入退管理装置3へ送信する。
【0035】
入退管理装置3において、受信部7が移動体5から第1要求通知または報告通知を受信した場合、認証部8は、当該第1要求通知または当該報告通知が対応付けられた場所に設置された撮像装置11を特定する。認証部8は、当該撮像装置11に対して第2位置情報を送信させる指令を送信する。
【0036】
その後、受信部7は、撮像装置11から移動体5の第2位置情報を受信する。この場合、認証部8は、移動体5の第1位置情報と第2位置情報とが整合するか否かを判定する。具体的には、認証部8は、第1位置情報が示す第1位置と第2位置情報が示す位置との差を演算する。認証部8は、当該差の値が規定の閾値よりも小さい場合、第1位置情報と第2位置情報とが整合するかと判定する。認証部8は、第1位置情報と第2位置情報とが整合すると判定した場合、かつ、当該第1要求通知または当該報告通知を送信したときの移動体5の第1位置が内部認証エリア4aまたは外部認証エリア4bの内部であると判定した場合、当該第1要求通知または当該報告通知の認証動作を行う。
【0037】
次に、
図5を用いて、入退管理装置3が要求通知を受信したときに行う動作の例を説明する。
図5は実施の形態1における入退管理装置の第1変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0038】
図5に示されるように、ステップS001において、入退管理装置3は、移動体5から第1要求通知を受信する。
【0039】
その後、ステップS002の動作が行われる。ステップS002において、入退管理装置3は、撮像装置11に対して第2位置情報を送信させる指令を送信する。
【0040】
その後、ステップS003の動作が行われる。ステップS003において、入退管理装置3は、第2位置情報を受信する。入退管理装置3は、第1位置情報と第2位置情報とが整合するか否かを判定する。
【0041】
ステップS003で、第1位置情報と第2位置情報とが整合すると判定した場合、入退管理装置3は、ステップS004の動作を行う。ステップS004において、入退管理装置3は、移動体5の第1位置が内部認証エリア4aまたは外部認証エリア4bの内部であるか否かを判定する。
【0042】
ステップS004で、移動体5の第1位置が内部認証エリア4aまたは外部認証エリア4bの内部であると判定した場合、入退管理装置3は、ステップS005の動作を行う。ステップS005において、入退管理装置3は、当該第1要求通知の認証動作を行う。その後、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0043】
ステップS003で第1位置情報と第2位置情報とが整合しないと判定した場合、またはステップS004で移動体5の第1位置が内部認証エリア4aおよび外部認証エリア4bの内部でないと判定した場合、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0044】
以上で説明した実施の形態1の第1変形例によれば、撮像装置11は、第1要求通知または報告通知を送信したときの移動体5を撮影した情報に基づいて第2位置情報を作成する。入退管理装置3は、撮像装置11から受信した移動体5の第2位置情報と第1位置情報とが整合するか否かを判定する。このため、第1位置情報が妥当な情報であることを検出することができる。その結果、セキュリティ性が向上する。
【0045】
なお、撮像装置11は、2台以上設けられてもよい。例えば、2つの撮像装置11の一方は、内部区画1aを撮像してもよい。2つの撮像装置11の他方は、外部区画1bを撮像してもよい。
【0046】
なお、入退管理装置3は、撮像装置11が撮影した情報に基づいて移動体5の第2位置情報を作成する機能を有してもよい。この場合、当該機能は、受信部7に第2位置情報を送信してもよい。
【0047】
次に、
図6を用いて、入退管理システムの第2変形例を説明する。
図6は実施の形態1における入退管理装置が適用される入退管理システムの第2変形例のブロック図である。
【0048】
図6に示されるように、入退管理システムの第2変形例において、ビーコン装置12は、ドア2の周辺に設けられる。ビーコン装置12は、移動体5に設けられた発信器からの信号に基づいて移動体5の位置を検出し得るよう設けられる。
【0049】
第2変形例において、移動体5は、ワンタイムパスワードの情報を含む第1要求通知またはワンタイムパスワードの情報を含む報告通知を入退管理装置3に送信する。この際、移動体5は、当該ワンタイムパスワードの情報を含む信号を発信器から発信する。入退管理装置3の受信部7が第1要求通知または報告通知を受信した場合、認証部8は、当該ワンタイムパスワードの情報と第2位置情報を送信させる指令とが対応付けられた情報をビーコン装置12に送信する。
【0050】
ビーコン装置12は、当該指令を受信した場合、当該指令と対応付けられたワンタイムパスワードの情報を含む信号を受信しているか否かを判定する。ビーコン装置12は、当該ワンタイムパスワードの情報を含む信号を受信していると判定した場合、当該信号が存在する位置を示す第2位置情報を作成する。その後、ビーコン装置12は、第2位置情報を入退管理装置3に送信する。
【0051】
入退管理装置3は、ビーコン装置12から第2位置情報を受信した場合、第1変形例と同様の動作を行う。
【0052】
以上で説明した実施の形態1の第2変形例によれば、入退管理装置3は、ビーコン装置12から受信した移動体5の第2位置情報と第1位置情報とが整合するか否かを判定する。このため、第1位置情報が妥当な情報であることを検出することができる。その結果、セキュリティ性が向上する。
【0053】
次に、
図7を用いて、入退管理システムの第3変形例を説明する。
図7は実施の形態1における入退管理装置が適用される入退管理システムの第3変形例のブロック図である。
【0054】
図7に示されるように、入退管理システムの第3変形例において、経路履歴記憶装置13と経路管理装置14とは、建築物の内部に設けられる。
【0055】
経路履歴記憶装置13は、移動体5が移動した経路の履歴情報を記憶する。
【0056】
経路管理装置14は、規定の時間ごとに移動体5から位置情報を受信する。経路管理装置14は、規定の時間ごとに移動体5が移動した経路の履歴情報を作成し、経路履歴記憶装置13に記憶させる。経路管理装置14は、入退管理装置3から移動体5の履歴情報を送信させる指令を受信した場合、経路履歴記憶装置13が記憶する当該移動体5の最新の履歴情報を入退管理装置3に送信する。
【0057】
第3変形例の入退管理装置3において、移動体5が第1要求通知または報告通知を受信した場合、認証部8は、当該移動体5の履歴情報を送信させる指令を経路管理装置14に送信する。受信部7が経路管理装置14から履歴情報を受信した場合、認証部8は、移動体5から受信した第1位置情報と当該履歴情報とが整合するか否かを判定する。
【0058】
具体的には、例えば、認証部8は、履歴情報が示す移動体5の最新の位置から第1位置までにかかる最短の予測移動時間を演算する。認証部8は、履歴情報が作成された時刻に予測移動時間を加えた予測到達時刻を演算する。認証部8は、現在の時刻が予測到達時刻と同じ時刻か予測到達時刻よりも前の時刻である場合、第1位置情報と履歴情報とが整合すると判定する。認証部8は、現在の時刻が予測到達時刻よりも後の時刻である場合、第1位置情報と履歴情報とが整合しないと判定する。
【0059】
認証部8は、第1情報と履歴情報とが整合すると判定した場合、当該第1要求通知または当該報告通知の認証動作を行う。
【0060】
次に、
図8を用いて、入退管理装置3が移動体5から受信した第1位置情報と当該履歴情報とが整合するか否かを判定する動作の例を説明する。
図8は実施の形態1における入退管理装置の第3変形例の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0061】
図8に示されるように、ステップS101において、入退管理装置3は、移動体5から第1要求通知を受信する。
【0062】
その後、ステップS102の動作が行われる。ステップS102において、入退管理装置3は、経路管理装置14に対して履歴情報を送信させる指令を送信する。
【0063】
その後、ステップS103の動作が行われる。ステップS103において、入退管理装置3は、履歴情報を受信する。入退管理装置3は、第1位置情報と履歴情報とが整合するか否かを判定する。
【0064】
ステップS103で、第1位置情報と履歴情報とが整合すると判定した場合、入退管理装置3は、ステップS104以降の動作を行う。ステップS104およびステップS105において、入退管理装置3は、実施の形態1の第1変形例におけるステップS004およびステップS005にて行う動作と同様の動作を行う。その後、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0065】
ステップS103で第1位置情報と履歴情報とが整合しないと判定した場合、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0066】
以上で説明した実施の形態1の第3変形例によれば、入退管理装置3は、経路管理装置14から受信した履歴情報と第1位置情報とが整合するか否かを判定する。このため、第1位置情報の妥当性を判定することができる。または、第1位置情報が正確な情報とみなすことで、履歴情報の妥当性を判定することができる。
【0067】
なお、経路履歴記憶装置13は、経路管理装置14の内部に設けられてもよい。
【0068】
なお、経路管理装置14は、管理区画1が設けられた建築物とは別の建築物に設けられてもよい。
【0069】
次に、
図9を用いて、入退管理装置3を構成するハードウェアの例を説明する。
図9は実施の形態1におけるエレベーターシステムの制御装置のハードウェア構成図である。
【0070】
入退管理装置3の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0071】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、入退管理装置3の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、入退管理装置3の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0072】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、入退管理装置3の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、入退管理装置3の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0073】
入退管理装置3の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、ドア2に対して開放するまたは閉鎖する指令を送信する機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、ドア2に対して開放するまたは閉鎖する指令を送信する機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0074】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで入退管理装置3の各機能を実現する。
【0075】
図示されないが、経路管理装置14の各機能も、入退管理装置3の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【0076】
実施の形態2.
図10は実施の形態2における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0077】
図10に示される実施の形態2において、管理区画1は、内部区画1cと内部区画1dと外部区画1eとに分けられる。ドア2aは、複数の候補出入口装置の1つとして、内部区画1cと外部区画1eとの間に設けられる。ドア2bは、複数の候補出入口装置の1つとして、内部区画1dと外部区画1eとの間に設けられる。ドア2bは、ドア2aに隣接する。例えば、ドア2bが向く方向は、ドア2aが向く方向に垂直である。
【0078】
外部認証エリア15aは、ドア2aに対応付けられる。外部認証エリア15aは、外部区画1eにおけるドア2aの周辺に設定される。外部認証エリア15bは、ドア2bに対応付けられる。外部認証エリア15bは、外部区画1eにおけるドア2bの周辺に設定される。外部認証エリア15bの一部は、外部認証エリア15aの一部と重なり合う。重複認証エリア15cは、外部認証エリア15aと外部認証エリア15bとが重なり合った領域である。
【0079】
実施の形態2において、例えば、移動体5は、地磁気センサを用いて、北方向に対して何度の方向を向いているかを示す第1方向情報を作成し得るよう設けられる。
【0080】
移動体5は、外部区画1eから内部区画1cへ入場しようとする場合、外部認証エリア15aの内側である、重複認証エリア15cの内側へ移動する。移動体5は、重複認証エリア15cにおいて、自身の第3位置情報と第1方向情報とを作成する。その後、移動体5は、移動体5の識別情報を含みドア2aの識別情報を含まない第2要求通知と第3位置情報と第1方向情報とが対応付けられた情報を入退管理装置3に送信する。
【0081】
入退管理装置3は、第2要求通知と第3位置情報と第1方向情報とを受信した場合、当該第3位置情報と当該第1方向情報とに基づいて、ドア2aとドア2bとのうち移動体5が通行を要求するドアがドア2aであることを特定する。その後、入退管理装置3は、特定したドア2aに関する当該第2要求通知の認証動作を行う。
【0082】
次に、
図11を用いて、入退管理装置3を説明する。
図11は実施の形態2における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。
【0083】
図11に示されるように、入退管理装置3は、特定部16を備える。特定部16は、受信部7が第2要求通知を受信した場合、記憶部6から設備情報を取得する。特定部16は、設備情報と受信部7が受信した第3位置情報および第1方向情報が対応付けられた情報とに基づいて移動体5が通行を要求したドアを特定する。具体的には、特定部16は、第3位置情報が示す第3位置から第1方向情報が示す方向に存在するドアを移動体5が通行を要求したドアであると特定する。
【0084】
認証部8は、移動体5が通行を要求したドアを特定した場合、第2要求通知の認証動作を行う。この際、認証部8は、移動体5が特定されたドアを通行する権限があるか否かを判定する。
【0085】
以上で説明した実施の形態2によれば、入退管理装置3は、特定部16を備える。入退管理装置3は、第3位置情報と第1方向情報とに基づいて複数の候補出入口装置のうち移動体5が通行を要求する出入口装置を特定する。このため、通行を要求する出入口装置の識別情報を持たない移動体5に対して、当該移動体5が通行したい出入口装置を特定することができる。例えば、建築物に初めて来た配達用ロボットが出入口装置を通行する権限を持っており、かつ当該出入口装置の識別情報を持っていない場合、当該配達用ロボットは、当該出入口装置を通行することができない。入退管理装置3は、特定部16を備えることで、当該配達用ロボットを通行させることができる。その結果、利便性が向上する。
【0086】
なお、移動体5は、地磁気センサ以外の機器を用いて方向情報を作成してもよい。
【0087】
次に、
図12を用いて、実施の形態2における変形例を説明する。
図12は実施の形態2における入退管理装置が適用される入退管理システムの変形例のブロック図である。
【0088】
図12に示されるように、入退管理システムには、複数の撮像装置11が設けられる。
図12には、複数の撮像装置11のうちの1つが示される。複数の撮像装置11のうちの1つは、
図12には図示されない外部区画1eを撮影する。複数の撮像装置11の各々は、入退管理装置3から指令を受信した場合、撮影した像に基づいて移動体5が向く方向を検出する。撮像装置11は、移動体5が向く方向を検出した場合、検出した時刻の情報を含む移動体5の第2方向情報を作成し、入退管理装置3へ送信する。
【0089】
変形例において、移動体5は、第1方向情報を作成しない。移動体5は、ドア2aの識別情報を含まない第2要求通知と第3位置情報とが対応付けられた情報を入退管理装置3に送信する。
【0090】
入退管理装置3においては、受信部7が第2要求通知と第3位置情報とが対応付けられた情報を受信した場合、特定部16は、第3位置情報に基づいて、複数の撮像装置11のうち当該第2要求通知を送信した移動体5が存在する場所に設置された撮像装置11を特定する。特定部16は、当該撮像装置11に対して第2方向情報を送信させる指令を送信する。
【0091】
受信部7が撮像装置11から第2方向情報を受信した場合、特定部16は、設備情報と受信部7が移動体5から受信した第3位置情報と受信部7が撮像装置11から受信した第2方向情報とに基づいて移動体5が通行を要求したドアを特定する。
【0092】
以上で説明した実施の形態2の変形例によれば、入退管理装置3は、撮像装置11から第2方向情報を受信する。このため、移動体5が方向を検出する装置を有さない場合に、当該移動体5が通行を要求する出入口装置を特定することができる。その結果、入退管理システムを多くの種類の移動体5に適用できる。
【0093】
実施の形態3.
図13は実施の形態3における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0094】
図13に示される実施の形態3の入退管理システムにおいて、サービス管理装置17は、建築物の内部に設けられる。サービス管理装置17は、移動体5を利用したサービスを提供するサービス事業者に所有される。サービス管理装置17は、宅配、清掃、等の移動体5を利用したサービス内容の情報をサービス事業者から設定される。サービス管理装置17は、サービス利用者からサービスの依頼を受け付け得るよう設けられる。
【0095】
メール配信装置18は、入退管理装置3が設けられた建築物の内部に設けられる。メール配信装置18は、入退管理装置3から報知指令を受信した場合、建築物の管理者に対して当該報知指令の内容を示すメールを配信する。
【0096】
サービス管理装置17は、サービスの依頼を受け付けた場合、当該サービスの依頼に対応する行動指示情報を作成する。サービス管理装置17は、行動指示情報に基づいて移動体5へ指示する行動情報を作成する。サービス管理装置17は、移動体5に対して当該行動情報と当該サービスを行う指令とが対応付けられた情報を送信する。例えば、移動体5は、当該指令を受信した場合、対応付けられた行動情報に基づいて
図11には図示されない外部区画1bから内部区画1aへと移動を開始する。移動体5は、
図11には図示されない外部認証エリア15aからドア2の識別情報が含まれた第1要求通知と移動体5の識別情報とサービス管理装置17から受信した行動情報とが対応付けられた情報を入退管理装置3に送信する。
【0097】
実施の形態3の入退管理装置3において、認証部8は、移動体5から受信した情報に基づいて、第1判定方法または第2判定方法を用いて当該移動体5が当該ドア2を通行する理由があるか否かを判定する。
【0098】
第1判定方法において、受信部7が移動体5から第1要求通知が対応付けられた情報を受信した場合、認証部8は、当該情報に含まれる情報に不足が無いか否かを判定する。例えば、当該情報に移動体5の識別情報とドア2の識別情報と行動情報とが含まれている場合、認証部8は、情報に不足が無いと判定する。認証部8は、情報に不足が無いと判定した場合、サービス管理装置17に対して当該移動体5に対応する行動指示情報を送信させる指令を送信する。
【0099】
受信部7が行動指示情報を受信した場合、認証部8は、当該行動指示情報と対応する移動体5から受信した行動情報とが整合するか否かを判定する。具体的には、認証部8は、行動情報に含まれるサービス内容の情報、目的地の情報、退出予定時刻の情報、移動経路の情報、等が行動指示情報と整合するか否かを判定する。認証部8は、行動指示情報と行動情報とが整合すると判定した場合、当該移動体5が当該ドア2を通行する理由があると判定する。この場合、認証部8は、当該行動情報に対応付けられた第1要求通知の認証動作を行う。
【0100】
第2判定方法において、認証部8は、第1判定方法と同様に、サービス管理装置17に対して行動指示情報を送信させる指令を送信する。受信部7が行動指示情報を受信した場合、認証部8は、当該行動指示情報に基づいて当該行動指示情報が示す移動体5の入場許可時間帯および入場拒否時間帯を示す情報を作成する。認証部8は、受信した移動体5の識別情報と入退場許可時間帯および入退場拒否時間帯を示す情報とに基づいて、当該移動体5が入場または退場を許可されている時間であるか否かを判定する。認証部8は、当該移動体5が入場または退場を許可されている時間帯であると判定した場合、当該移動体5が当該ドア2を通行する理由があると判定する。この場合、認証部8は、当該移動体5の識別情報に対応付けられた第1要求通知の認証動作を行う。
【0101】
また、入退管理装置3は、入退履歴作成部19と報知部20とを更に備える。
【0102】
移動体5が外部認証エリア4bから内部認証エリア4aへ入場することを認証部8が認証した場合、入退履歴作成部19は、当該移動体5が入場したことを示す入退履歴情報を記憶部6に記憶させる。移動体5が内部認証エリア4aから外部認証エリア4bへ退場することを認証した場合、入退履歴作成部19は、記憶部6が記憶する当該移動体5の入退履歴情報に当該移動体5が退場したことを示す情報を追加する。
【0103】
報知部20は、移動体5から受信した行動情報が示す退出予定時刻になった場合、記憶部6が記憶する入退履歴情報に基づいて当該移動体5が退出しているか否かを判定する。報知部20は、退出予定時刻になった時に移動体5が退出していないと判定した場合、その旨を報知させる指令をメール配信装置18に送信する。
【0104】
次に、
図14と
図15とを用いて、サービス管理装置17が利用者から受け付ける行動指示情報および入退管理装置3が作成する情報を説明する。
図14は実施の形態3における入退管理装置が適用されるサービス管理装置が作成する行動指示情報を示す図である。
図15は実施の形態3における入退管理装置が作成する入退場許可時間帯および入退場拒否時間帯の情報を示す図である。
【0105】
図14に示されるように、行動指示情報は、「依頼者」の情報と「業者」の情報と「依頼内容」の情報と「目的地」の情報と「サービス提供時刻」の情報と「使用移動体」の情報とが対応付けられた情報である。
【0106】
「依頼者」の情報は、サービス管理装置17がサービスを受け付けた利用者を示す情報である。「業者」の情報は、当該サービスの提供者を示す情報である。「依頼内容」の情報は、サービスの内容の種類を示す情報である。「目的地」の情報は、サービス行動を行う移動体5がサービスを行う際に移動する場所を示す情報である。「サービス提供時刻」の情報は、移動体5がサービス行動を行う時間帯を示す情報である。「使用移動体」の情報は、当該サービス行動を行う移動体5の識別情報を示す情報である。
【0107】
例えば、サービス001の行動指示情報において、M01の識別情報を有する移動体5は、13:00前後に部屋R01へ荷物の配送を行う。
【0108】
例えば、サービス002の行動指示情報において、M02の識別情報を有する移動体5は、9:00から10:00の間に部屋R02および部屋R03の清掃を行う。
【0109】
図15に示されるように、入退場許可時間帯および入退場拒否時間帯の情報は、「使用移動体」の情報と「対象区画」の情報と「時間帯」の情報と「入退場可否」の情報とが対応付けられた情報である。また、入退場許可時間帯および入退場拒否時間帯の情報は、
図13に示される行動指示情報に対応する。
【0110】
「対象区画」の情報は、対象となる内部区画1aを示す情報である。「時間帯」の情報は、ある時刻から別の時刻までの時間帯を示す情報である。「入退場可否」の情報は、ある時間帯において移動体5の対象となる内部区画1aへの入場および退場が許可されているか拒否されているかを示す情報である。
【0111】
例えば、サービス001の入退場許可時間帯および入退場拒否時間帯の情報において、M01の識別情報を有する移動体5は、13:00前後である12:45から13:15の時間帯に部屋R01が存在するS01の内部区画1aへの入場および退場が許可されている。当該移動体5は、12:45より前の時刻および13:15より後の時間帯において、S01の内部区画1aへの入場および退場が拒否されている。
【0112】
例えば、サービス002の入退場許可時間帯および入退場拒否時間帯の情報において、M02の識別情報を有する移動体5は、9:00前後である8:45から9:15の時間帯に部屋R02と部屋R03が存在するS02の内部区画1aへの入場が許可されている。サービス002の入退場許可時間帯および入退場拒否時間帯の情報において、移動体5は、9:45から10:15の時間帯においてS02の内部区画1aからの退場が許可されている。M02は、8:45から9:15以外の時間帯において、入場が拒否されている。M02は、9:45から10:15以外の時間帯において、退場が拒否されている。
【0113】
次に、
図16を用いて、入退管理装置3が行う動作の例を説明する。
図16は実施の形態3における入退管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0114】
図16に示されるように、ステップS201において、入退管理装置3は、移動体5から第1要求通知を受信する。
【0115】
その後、S202の動作が行われる。ステップS202において、入退管理装置3は、移動体5から受信した情報に不足が無いか否かを判定する。
【0116】
ステップS202で、情報に不足が無いと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS203の動作を行う。ステップS203において、入退管理装置3は、サービス管理装置17に行動指示情報を送信させる指令を送信する。
【0117】
その後、ステップS204の動作が行われる。ステップS204において、入退管理装置3は、行動指示情報に基づいて移動体5がドア2を通行する理由があるか否かを判定する。
【0118】
ステップS204で、通行する理由があると判定した場合、入退管理装置3は、ステップS205の動作を行う。ステップS205において、入退管理装置3は、当該移動体5から受信した第1要求通知の認証動作を行う。
【0119】
その後、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0120】
ステップS202で受信した情報に不足があると判定した場合、またはステップS204で移動体5がドア2を通行する理由が無いと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS206の動作を行う。ステップS206において、入退管理装置3は、当該移動体5の認証を拒否する。入退管理装置3は、認証を拒否した旨の情報を移動体5に送信する。その後、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0121】
次に、
図17を用いて、入退管理装置3がメール配信装置18にメールを配信させる動作の例を説明する。
図17は実施の形態3における入退管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0122】
図17において、入退管理装置3は、移動体5に通行する権限があると判定した場合、ステップS301以降の動作を開始する。ステップS301において、入退管理装置3は、入退履歴情報を作成し、記憶する。
【0123】
その後、ステップS302の動作が行われる。ステップS302において、入退管理装置3は、入退履歴情報に基づいて、移動体5の退場予定時刻を監視する。具体的には、入退管理装置3は、移動体5の退出予定時刻が過ぎたか否かを判定する。
【0124】
ステップS302で、移動体5の退出予定時刻が過ぎていないと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS302の動作を繰り返す。
【0125】
ステップS302で、移動体5の退出予定時刻が過ぎたと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS303の動作を行う。ステップS303において、入退管理装置3は、移動体5の退出予定時刻が過ぎた旨の情報を報知させる指令をメール配信装置18に送信する。
【0126】
以上で説明した実施の形態3によれば、入退管理装置3は、移動体5から受信した行動情報に基づいて移動体5が出入口装置を通行する理由があるか否かを判定する。このため、移動体5の有する権限が正当な権限であることを判定することができる。その結果、セキュリティ性が向上する。具体的には、例えば、移動体5は、ある出入口装置を通行する権限を複数の利用者X、Y、Zからそれぞれ付与されている。実施の形態3で示される入退管理装置3が適用されない場合、移動体5は、利用者Wから指令を受けたとき、利用者X、Y、Zから付与された権限のいずれかを用いて当該出入口装置を不正に通行し得る。この場合、セキュリティ性が問題となる。実施の形態3における入退管理装置3は、行動情報に基づいて、利用者Wからの指令に基づいて第1要求通知を送信した移動体5に通行する理由が無いと判定し得る。その結果、セキュリティ性が向上する。
【0127】
また、入退管理装置3は、サービス管理装置17から受信した行動指示情報と移動体5から受信した行動情報とに基づいて移動体5が通行する理由があるか否かを判定する。このため、より正確に移動体5が通行する理由があるか否かを判定できる。その結果、セキュリティ性が向上する。
【0128】
また、入退管理装置3は、報知部20を備える。入退管理装置3は、移動体5が退場予定時刻を過ぎても内部区画1aから退場しない場合、その旨を管理者に報知する。このため、例えば、移動体5がトラブルに遭って移動できない場合に、管理者は、早急に当該トラブルに対処できる。また、移動体5が出入口装置を通過した後、不正に操作されて予定と異なる行動をした場合、管理者は、移動体5が予定と異なる行動をしていることを知ることができる。その結果、セキュリティ性が向上する。
【0129】
なお、サービス管理装置17は、管理区画1が設定された建築物および入退管理装置3が設けられた建築物とは別の建築物に設けられてもよい。
【0130】
なお、サービス管理装置17は、行動指示情報に基づいて、移動体5の入場許可時間帯および入場拒否時間帯の情報を作成してもよい。この場合、サービス管理装置17は、入退管理装置3に対して、行動指示情報の代わりに対応する移動体5の入場許可時間帯および入場拒否時間帯の情報を送信してもよい。入退管理装置3は、当該入場許可時間帯および入場拒否時間帯の情報に基づいて第2判定方法による判定を行ってもよい。
【0131】
次に、
図18を用いて、実施の形態3における入退管理システムの変形例を説明する。
図18は実施の形態3における入退管理装置が適用される入退管理システムの変形例のブロック図である。
【0132】
図18に示されるように、実施の形態3の変形例の入退管理システムにおいて、経路管理装置14が設けられる。
【0133】
入退管理装置3において、認証部8は、第3判定方法を用いて当該移動体5が当該ドア2を通行する理由があるか否かを判定する。
【0134】
第3判定方法において、受信部7が移動体5から第1要求通知が対応付けられた情報を受信した場合、認証部8は、第1判定方法と同様に、当該情報に含まれる情報に不足が無いか否かを判定する。認証部8は、情報に不足が無いと判定した場合、サービス管理装置17に対して当該移動体5に対応する行動指示情報を送信させる指令を送信する。この際、認証部8は、当該移動体5に関する経路の履歴情報を送信させる指令を経路管理装置14に送信する。
【0135】
その後、認証部8は、第1判定方法と同様の判定に加えて、移動体5の経路の履歴情報が行動指示情報に対して整合するか否かを判定する。具体的には、認証部8は、受信部7が受信した行動指示情報が示すサービス内容を行うための最短経路を推定する。認証部8は、当該最短経路に対して受信部7が受信した履歴情報が整合するか否かを判定する。認証部8は、移動体5の履歴情報が最短経路に対して整合すると判定した場合、かつ第1判定方法と同様に行動指示情報と行動情報とが一致すると判定した場合、当該移動体5が当該ドア2を通行する理由があると判定する。この場合、認証部8は、当該移動体5から受信した第1要求通知の認証動作を行う。
【0136】
以上で説明した実施の形態3の変形例によれば、入退管理装置3は、履歴情報と行動情報とが整合するか否かを判定する。このため、行動情報の妥当性をより正確に判断することができる。例えば、入退管理装置3は、移動体5が支持されたサービス内容に対して不合理な行動をとっていることを検出できる。
【0137】
なお、認証部8は、第1判定方法の代わりに第2判定方法と同様の判定に加えて、移動体5の経路の履歴情報が行動指示情報に対して整合するか否かを判定してもよい。この場合、認証部8は、移動体5の履歴情報が最短経路に対して整合すると判定した場合、かつ当該移動体5が入場または退場を許可されている時間帯であると判定した場合、当該移動体5が当該ドア2を通行する理由があると判定してもよい。
【0138】
実施の形態4.
図19は実施の形態4における入退管理装置が適用される管理区画の上面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0139】
実施の形態4の入退管理システムにおいて、セキュリティゲート9a、9bが、内部区画1aと外部区画1bとの間に設けられる。セキュリティゲート9aは、セキュリティゲート9bの隣に設けられる。セキュリティゲート9aとセキュリティゲート9bとに対して、共通の内部認証エリア4aと外部認証エリア4bとが設定される。
【0140】
待機場所21a、21bは、入退管理装置3によって外部認証エリア4bに設定される。待機場所21a、21bは、セキュリティゲート9aの付近に設定される。待機場所21aは、待機場所21bよりもセキュリティゲート9aに近い。待機場所21aの優先順位は、待機場所21bの優先順位よりも高く設定される。
【0141】
人は、セキュリティゲート9aを通行して内部認証エリア4aから外部認証エリア4bへ移動しようとする場合、セキュリティゲート9aにIDカードをかざす。入退管理装置3は、当該IDカードの情報に基づいて当該人に通行する権限があると判定した場合、セキュリティゲート9aに対して開放する指令を送信する。セキュリティゲート9aは、開く。
【0142】
この際、移動体5は、セキュリティゲート9aを通行する第1要求通知を外部認証エリア4bから入退管理装置3に送信する。入退管理装置3は、当該人がセキュリティゲート9aを通行していない状態で当該移動体5がセキュリティゲート9aを通行する権限を有すると判定した場合、セキュリティゲート9aは利用中であると判定し、当該セキュリティゲート9aが通行できない状態であることを検出する。この場合、入退管理装置3は、代わりに行う動作として規定の待機場所21aで待機する指令を当該移動体5に送信する。当該移動体5は、待機場所21aに移動する。
【0143】
その後、人は、セキュリティゲート9aを通行する。入退管理装置3は、当該移動体5に待機する指令を送信してから規定の時間が経過した場合、当該移動体5に対して、セキュリティゲート9aを通過する動作を行わせる指令を送信する。この際、入退管理装置3は、セキュリティゲート9aに対して開放する指令を送信する。当該移動体5は、セキュリティゲート9aを通行する。
【0144】
次に、
図20を用いて、入退管理装置3を説明する。
図20は実施の形態4における入退管理装置が適用される入退管理システムのブロック図である。
【0145】
図20に示されるように、入退管理装置3は、通行可否検出部22と指令部23とを備える。
【0146】
通行可否検出部22は、出入口装置から出入口装置の状態を示す情報を受信する。通行可否検出部22は、出入口装置が利用中であるまたは長時間利用不可の状態であると判定した場合、出入口装置が現在通行できない状態であることを検出する。具体的には、移動体5に出入口装置を通行する権限があると認証部8が判定した場合、通行可否検出部22は、当該出入口装置が利用中であるか否かを検出する。具体的には、例えば、通行可否検出部22は、当該出入口装置が当該移動体5以外の移動体または人を通行させるために開放した後に閉鎖していない場合、当該出入口装置が利用中であると判定する。
【0147】
通行可否検出部22は、出入口装置が利用中でないと判定した場合、当該出入口装置が長時間利用不可の状態であるか否かを判定する。具体的には、例えば、通行可否検出部22は、当該出入口装置が故障していることを検出した場合、当該出入口装置が長時間利用不可の状態であると判定する。例えば、通行可否検出部22は、当該出入口装置を通行するルートに障害物が存在することを検出した場合、当該出入口装置が長時間利用不可の状態であると判定する。
【0148】
通行可否検出部22は、出入口装置が利用中であると判定した場合、当該出入口装置に代わって利用できる別の出入口装置が存在するか否かを判定する。具体的には、例えば、通行可否検出部22は、セキュリティゲート9aの隣のセキュリティゲート9bが利用できることを検出した場合、別の出入口装置が存在すると判定する。
【0149】
別の出入口装置が存在すると通行可否検出部22が判定した場合、指令部23は、当該別の出入口装置であるセキュリティゲート9bに対して開放する指令を送信する。別の出入口装置が存在すると通行可否検出部22が判定した場合、指令部23は、当該別の出入口装置を通行させる指令を当該移動体5に対して送信する。
【0150】
別の出入口装置が存在しないと通行可否検出部22が判定した場合、指令部23は、当該出入口装置が利用可能になるまでの時間を推算する。例えば、人がセキュリティゲート9aを通行しようとしている場合、指令部23は、利用可能になるまでの時間を5秒と推算する。例えば、他の移動体5がセキュリティゲート9aを通行しようとしている場合、指令部23は、利用可能になるまでの時間を人の場合よりも長い30秒と推算する。
【0151】
指令部23は、利用可能になるまでの時間を推算した後、1以上の待機場所のうち当該移動体5を待機させる待機場所を割り当てる。例えば、指令部23は、現在どの移動体5にも割り当てられていない1以上の待機場所のうち最も優先順位の高い待機場所を当該移動体5に割り当てる。指令部23は、割り当てた待機場所を使用中の状態に設定する。指令部23は、当該割り当てた待機場所へ移動させる指令を当該移動体5に送信する。その後、指令部23は、推算した利用可能になるまでの時間が経過した場合、待機場所へ移動させる指令を送信した移動体5に対して当該出入口装置を通行させる指令を送信する。この際、指令部23は、当該出入口装置に対して開放する指令を送信する。
【0152】
指令部23は、当該出入口装置が長時間利用不可の状態であると判定した場合、当該出入口装置の管理者に対して当該出入口装置が長時間利用不可の状態である旨を通知する。
【0153】
指令部23は、当該出入口装置が長時間利用不可の状態であると判定した場合、事前に記憶部6が記憶する建築物の地図情報を用いて当該出入口装置を通らない迂回ルートを探索する。
【0154】
迂回ルートが存在する場合、指令部23は、迂回ルートの情報と当該迂回ルートを移動させる指令とを当該移動体5に対して送信する。
【0155】
迂回ルートが存在しない場合、指令部23は、当該移動体5に対して当該出入口装置を通過して行う行動を中止させる指令を送信する。例えば、指令部23は、行動を中止させる指令と一緒に別の行動を行うよう促す指令を送信してもよい。
【0156】
次に、
図21を用いて、入退管理装置3が行う判断の例を説明する。
図21は実施の形態4における入退管理装置が行う判断の例を示す図である。
【0157】
図21に示されるように、入退管理装置3は、「状態:分類」と「状態:理由」とに示されるように出入口装置の状態を判断する。
【0158】
「状態:理由」に示されるように、入退管理装置3は、出入口装置に関する第1要求通知を送信した移動体5に対して人または他の移動体5が移動体5と同じ方向または対向する方向へ当該出入口装置を通行していることを検出する。入退管理装置3は、当該出入口装置が故障していることを検出する。入退管理装置3は、当該出入口装置を通行することを阻害する障害物が存在することを検出する。
【0159】
「状態:分類」に示されるように、入退管理装置3は、「状態:理由」に基づいて現在の出入口装置の状態を分類する。「状態:理由」が人または他の移動体5が当該出入口装置を通行中である場合、入退管理装置3は、「状態:分類」を当該出入口装置が利用中であると検出する。「状態:理由」が出入口装置の故障である場合または障害物が存在する状態である場合、入退管理装置3は、「状態:分類」を当該出入口装置が長時間利用不可であると判定する。
【0160】
入退管理装置3は、「状態:分類」と「状態:理由」とに基づいて「利用可能になる条件/時間」を推定する。入退管理装置3は、「状態:分類」が「利用中」である場合、利用可能になる条件を人または別の移動体が通行完了した後であると推定する。入退管理装置3は、「状態:分類」が「利用中」である場合、現在通行している対象に応じた待機時間を推算する。入退管理装置3は、「状態:理由」が「出入口装置故障」である場合、利用可能になる条件を当該出入口装置が修理された後であると推定する。入退管理装置3は、「状態:理由」が「障害物がある」である場合、利用可能になる条件を当該障害物が除去された後であると推定する。
【0161】
入退管理装置3は、「状態:分類」と「状態:理由」とに基づいて、「移動体への指示」を行う。入退管理装置3は、「状態:分類」と「状態:理由」とに基づいて、「入退管理システム側の対処」を行う。
【0162】
次に、
図22を用いて、入退管理装置3が代わりの動作を移動体5に指示する動作の例を説明する。
図22は実施の形態4における入退管理装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0163】
入退管理装置3は、移動体5からセキュリティゲート9aを通行する第1要求通知を受信した場合、動作を開始する。
【0164】
図22に示されるように、S401において、入退管理装置3は、認証動作において第1要求通知に基づいて移動体5にセキュリティゲート9aを通行する権限があるか否かを判定する。
【0165】
ステップS401において、移動体5にセキュリティゲート9aを通行する権限が無いと判定した場合、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0166】
ステップS401で、移動体5にセキュリティゲート9aを通行する権限があると判定した場合、入退管理装置3は、S402の動作を行う。ステップS402において、入退管理装置3は、当該第1要求通知に対応付けられたセキュリティゲート9aが利用中であるか否かを判定する。
【0167】
ステップS402で、セキュリティゲート9aが利用中でないと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS403の動作を行う。ステップS403において、入退管理装置3は、セキュリティゲート9aが長時間利用不可の状態であるか否かを判定する。
【0168】
ステップS403で、セキュリティゲート9aが長時間利用不可の状態でないと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS404の動作を行う。ステップS404において、入退管理装置3は、セキュリティゲート9aに対して開放する指令を送信する。
【0169】
その後、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0170】
ステップS402で、セキュリティゲート9aが利用中であると判定した場合、入退管理装置3は、ステップS405の動作を行う。ステップS405において、入退管理装置3は、セキュリティゲート9aに代わる別のセキュリティゲートが存在するか否かを判定する。
【0171】
ステップS405で、セキュリティゲート9aに代わるセキュリティゲートが存在すると判定した場合、入退管理装置3は、ステップS406の動作を行う。ステップS406において、入退管理装置3は、セキュリティゲート9aに代わる別のセキュリティゲートに対して開放する指令を送信する。
【0172】
その後、入退管理装置3は、ステップS407の動作を行う。ステップS407において、入退管理装置3は、第1要求通知を送信した移動体5に対してセキュリティゲート9aに代わる別のセキュリティゲートを通行する指令を送信する。
【0173】
その後、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0174】
ステップS405で、セキュリティゲート9aに代わる別のセキュリティゲートが存在しないと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS408の動作を行う。ステップS408において、入退管理装置3は、セキュリティゲート9aが利用可能になるまでの時間を推算する。
【0175】
その後、ステップS409の動作が行われる。ステップS409において、入退管理装置3は、セキュリティゲート9aに対応する1以上の待機場所の中から割り当てる待機場所を決定する。入退管理装置3は、第1要求通知を送信した移動体5に対して当該割り当てる待機場所へ移動する指令を送信する。
【0176】
その後、ステップS410の動作が行われる。ステップS410において、入退管理装置3は、移動体5が待機場所で待機すべき状態が解消したか否かを判定する。
【0177】
ステップS410で、待機すべき状態が解消していないと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS410の動作を繰り返す。
【0178】
ステップS410で、待機すべき状態が解消したと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS411の動作を行う。ステップS411において、入退管理装置3は、セキュリティゲート9aに対して開放する動作を行わせる指令を送信する。入退管理装置3は、待機場所へ移動する指令を送信した移動体5に対してセキュリティゲート9aを通行させる指令を送信する。
【0179】
その後、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0180】
ステップS403で、セキュリティゲート9aが長時間利用不可の状態であると判定した場合、入退管理装置3は、ステップS412の動作を行う。ステップS412において、入退管理装置3は、セキュリティゲート9aが長時間利用不可の状態である旨を管理者に通知する。
【0181】
その後、ステップS413の動作が行われる。ステップS413において、入退管理装置3は、迂回ルートが存在するか否かを判定する。
【0182】
ステップS413で、迂回ルートが存在すると判定した場合、入退管理装置3は、ステップS414の動作を行う。ステップS414において、入退管理装置3は、第1要求通知を送信した移動体5に対して当該迂回ルートの情報と当該迂回ルートへ移動させる指令を送信する。
【0183】
その後、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0184】
ステップS413で、迂回ルートが存在しないと判定した場合、入退管理装置3は、ステップS415の動作を行う。ステップS415において、入退管理装置3は、第1要求通知を送信した移動体5に対してセキュリティゲート9aを通過して行う行動を中止させる指令を送信する。
【0185】
その後、入退管理装置3は、動作を終了する。
【0186】
以上で説明した実施の形態4によれば、入退管理装置3は、通行可否検出部22と指令部23とを備える。入退管理装置3は、出入口装置が通行権限のある移動体5を通行させられない状態であることを検出した場合、当該移動体5に対して代わりに行う動作の指令を送信する。このため、例えば、単独で状況の判断が行えない移動体5に対して、出入口装置が通行できない非定常な状態における行動を指示できる。即ち、入退管理装置3は、移動体5の移動を支援できる。仮に実施の形態4における入退管理装置3が適用されない場合、単独で状況の判断が行えない移動体5は、通行できない状態にある出入口装置を通行しようとする行動をとり得る。この際、当該移動体5は、出入口装置を無理やり通行しようとすることで出入口装置を破損し得る。また、先に通行しようとしていた他の移動体5に接触し得る。実施の形態4における入退管理装置3が適用されることで、設備および移動体5を保護することができる。また、上記のトラブルが発生した場合、当該トラブルを利用して人が不正に出入口装置を通行することを抑制できる。
【0187】
また、入退管理装置3は、移動体5に対して待機場所で規定の時間だけ待機する指令を送信する。このため、移動体5は、出入口装置を通過する順番を待つことができる。
【0188】
また、入退管理装置3は、出入口装置が長時間にわたって移動体5を通行させられない状態であることを検出した場合、移動体5に対して出入口装置を通行する動作を中止させる指令を送信する。このため、移動体5が長時間にわたって出入口装置の通行を待機することを抑制できる。また、例えば、移動体5は、当該出入口装置を通過することで行うべきタスクをキャンセルし、別のタスクを行うことができる。その結果、移動体5の可動効率を向上できる。
【0189】
なお、入退管理装置3は、移動体5の待機場所を決める際に、人または別の移動体5が移動する方向に応じて待機場所を決定してもよい。
【符号の説明】
【0190】
1 管理区画、 1a,1c,1d 内部区画、 1b,1e 外部区画、 2,2a,2b ドア、 3 入退管理装置、 4a 内部認証エリア、 4b 外部認証エリア、 5 移動体、 6 記憶部、 7 受信部、 8 認証部、 9,9a,9b セキュリティゲート、 10 レーン、 11 撮像装置、 12 ビーコン装置、 13 経路履歴記憶装置、 14 経路管理装置、 15a,15b 外部認証エリア、 15c 重複認証エリア、 16 特定部、 17 サービス管理装置、 18 メール配信装置、 19 入退履歴作成部、 20 報知部、 21a,21b 待機場所、 22 通行可否検出部、 23 指令部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア