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特許7593397情報処理方法、プログラム、及び、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、及び、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/10 20130101AFI20241126BHJP
【FI】
G06F21/10 350
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022514396
(86)(22)【出願日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2021012469
(87)【国際公開番号】W WO2021205889
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2024-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2020069488
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】平塚 陽介
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-035643(JP,A)
【文献】特開2015-219911(JP,A)
【文献】特開2019-202865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0011224(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106971097(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
前記情報処理装置に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する
情報処理方法。
【請求項2】
前記保守ライセンスデータは、前記情報処理装置の第1の識別情報を含み、
前記情報処理装置は、前記第1の識別情報と、前記情報処理装置に格納されている第2の識別情報とが一致する場合、前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記機能の実行を制御する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記プログラムのリリース時期が前記保守ライセンスの有効期限以前である場合、前記機能を有効にし、前記プログラムのリリース時期が前記保守ライセンスの有効期限より後である場合、前記機能を無効にする
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記情報処理装置は、前記機能に対して有効期間が異なる複数の前記保守ライセンスデータが前記情報処理装置に格納されている場合、前記プログラムのリリース時期が、最も遅い前記保守ライセンスの有効期限以前である場合、前記機能を有効にし、前記プログラムのリリース時期が、最も遅い前記保守ライセンスの有効期限より後である場合、前記機能を無効にする
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記情報処理装置は、複数の機能のそれぞれに対する前記保守ライセンスの有効期間に関する情報を含む前記保守ライセンスデータが前記情報処理装置に格納されている場合、各前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記複数の機能の実行を制御する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記プログラムのリリース時期が、前記複数の機能の全ての前記保守ライセンスの有効期限以前である場合、前記複数の機能を有効にし、前記プログラムのリリース時期が、前記複数の機能のうち少なくとも1つの機能の前記保守ライセンスの有効期限より後である場合、前記複数の機能を無効にする
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記情報処理装置は、有効期限が前記プログラムのリリース時期以降である前記保守ライセンスの対象となる機能を有効にし、有効期限が前記プログラムのリリース時期より前である前記保守ライセンスの対象となる機能を無効にする
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記保守ライセンスは、前記機能のバージョンアップを可能にするライセンスであり、前記保守ライセンス以外に前記機能を利用するための利用ライセンスが用いられる場合、前記情報処理装置は、前記利用ライセンスに関する利用ライセンスデータ及び前記保守ライセンスデータの前記情報処理装置への格納の有無、並びに、前記利用ライセンスデータを格納した時期及び前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記機能の実行を制御する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記情報処理装置は、前記保守ライセンスデータが前記情報処理装置に格納されていない場合、前記機能を無効にする
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記情報処理装置は、前記保守ライセンスの対象となる前記機能及び前記保守ライセンスの有効期間に関する表示を制御する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記プログラムのリリース時期は、前記プログラムのバージョン毎のリリース時期を示す
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記保守ライセンスは、前記プログラムの全ての機能を対象とする
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記保守ライセンスは、前記プログラムの一部の機能を対象とする
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記プログラムは、前記情報処理装置に、前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較する処理を実行させ、
前記プログラムにおいて、前記プログラムのリリース時期が格納されている部分、及び、前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較する処理を実行させる部分が難読化されている
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項15】
リリース時期が格納され、
情報処理装置に、
前記情報処理装置に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、前記リリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる機能の実行を制御する
処理を実行させるためのプログラム。
【請求項16】
前記リリース時期が格納されている部分、及び、前記リリース時期と前記保守ライセンスの有効期限とを比較する処理を実行させる部分が難読化されている
請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
内部に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する実行部を
備える情報処理装置。
【請求項18】
保守ライセンスの有効期間に関する情報を含み、他の情報処理装置において、前記保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する処理に用いられる保守ライセンスデータを生成するライセンス発行部を
備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、情情報処理方法、プログラム、及び、情報処理装置に関し、特に、オフラインで使用される情報処理装置で期限付きの保守ライセンスを利用できるようにした情報処理方法、プログラム、及び、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バージョンアップされたアプリケーションプログラム(以下、APPと称する)の不正使用を防ぐ技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年、保守契約を結ぶことにより、保守ライセンスの有効期間中にAPPのバージョンアップを可能とするSUP(Software Update Package)のサービスの普及が進んでいる。例えば、ユーザは、期限付きの保守ライセンスを購入することにより、保守ライセンスの有効期間中に、所有するAPPを自由にバージョンアップすることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-175468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常、保守ライセンスの有効性の判断は、新しいバージョンのAPPを提供するサーバで行われる。例えば、サーバが、ユーザが保有する保守ライセンスの正当性及び有効期間を確認して、保守ライセンスが有効であると判断した場合、新しいバージョンのAPPを利用可能にする。
【0006】
しかしながら、この場合、セキュリティ等の理由によりオフラインで使用し、サーバと直接通信しないパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置で、期限付きの保守ライセンスを利用することができない。
【0007】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、オフラインで使用される情報処理装置において、期限付きの保守ライセンスを利用できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の第1の側面の情報処理方法は、情報処理装置が、前記情報処理装置に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する。
【0009】
本技術の第1の側面のプログラムは、リリース時期が格納され、情報処理装置に、前記情報処理装置に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、前記リリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる機能の実行を制御する処理を実行させる。
【0010】
本技術の第1の側面の情報処理装置は、内部に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する実行部を備える。
【0011】
本技術の第2の側面の情報処理装置は、保守ライセンスの有効期間に関する情報を含み、他の情報処理装置において、前記保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する処理に用いられる保守ライセンスデータを生成するライセンス発行部を備える。
【0013】
本技術の第1の側面においては、情報処理装置に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行が制御される。
【0014】
本技術の第2の側面においては、保守ライセンスの有効期間に関する情報を含み、他の情報処理装置において、前記保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する処理に用いられる保守ライセンスデータが生成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本技術を適用した情報処理システムの一実施の形態を示すブロック図である。
図2】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
図3】サーバの機能の構成例を示すブロック図である。
図4】情報処理装置の機能の構成例を示すブロック図である。
図5】インストールキーのフォーマット例を示す図である。
図6】保守ライセンス発行処理を説明するためのフローチャートである。
図7】保守ライセンス適用処理を説明するためのフローチャートである。
図8】APP起動処理を説明するためのフローチャートである。
図9】保守ライセンスの運用例を説明するための図である。
図10】保守ライセンスの運用例を説明するための図である。
図11】保守ライセンスの確認画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
3.その他
【0018】
<<1.実施の形態>>
図1乃至図9を参照して、本技術の実施の形態について説明する。
【0019】
<情報処理システム1の構成例>
図1は、本技術を適用した情報処理システム1の構成例を示している。
【0020】
情報処理システム1は、サーバ11、クライアント12、及び、ネットワーク13を備える。クライアント12は、情報処理装置21、リムーバブルメディア22、及び、情報処理装置23を備える。
【0021】
サーバ11と情報処理装置21は、ネットワーク13を介して接続されており、相互に通信を行う。
【0022】
サーバ11は、情報処理装置23で利用されるAPP及びAPPの期限付き保守ライセンスの提供及び管理を行う。
【0023】
ここで、期限付き保守ライセンスとは、契約した有効期間中に、対象となるAPPの機能のバージョンアップを可能にするライセンスである。例えば、ユーザは、期限付きの保守ライセンスを購入することにより、有効期間が終了するまでの間、対象となるAPPの機能のバージョンアップを行うことが可能になる。
【0024】
なお、保守ライセンスの対象となる機能は、APPの機能全体であってもよいし、APPの機能の一部であってもよい。前者の場合、その保守ライセンスは、APP全体の保守ライセンスとみなすこともできる。また、保守ライセンスの対象となる機能の種類は特に限定されず、その機能が有償で提供される機能であっても、無償で提供される機能であってもよい。
【0025】
情報処理装置21は、ネットワーク13を介してサーバ11と通信を行うことにより、サーバ11と各種のデータの授受を行う。例えば、情報処理装置21は、情報処理装置23で利用されるAPP、及び、APPの保守ライセンスに関する保守ライセンスデータをサーバ11から受信する。また、情報処理装置21は、必要に応じて、情報処理装置23に関するデータ等の各種のデータをサーバ11に送信する。
【0026】
なお、情報処理装置21は、ネットワーク13を介してサーバ11と通信を行うことが可能な装置であれば、特に限定されない。例えば、情報処理装置21は、PCにより構成される。
【0027】
リムーバブルメディア22は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は、半導体メモリ等からなり、情報処理装置21と情報処理装置23の間の各種のデータの授受に用いられる。
【0028】
情報処理装置23は、セキュリティ等の理由により、ネットワーク13への接続が禁止されているか、ネットワーク13への接続が困難であり、基本的にオフラインで使用され、直接サーバ11と通信を行わない。ユーザは、例えば、サーバ11から提供されるAPP及び保守ライセンスデータを、リムーバブルメディア22を介して情報処理装置23にインストール(格納)することにより、情報処理装置23でAPP及び保守ライセンスの利用が可能になる。
【0029】
なお、情報処理装置23は、オフラインで使用でき、APPをインストール(格納)し、実行することが可能な装置であれば、特に限定されない。例えば、情報処理装置21は、PCにより構成される。
【0030】
なお、図1では、図及び説明を分かりやすくするためにクライアント12を1つのみ図示しているが、実際には複数のクライアント12が設けられる。さらに、サーバ11も1つのみ図示しているが、サーバ11を複数設けるようにしてもよい。また、1つのクライアント12が、情報処理装置21、リムーバブルメディア22、及び、情報処理装置23のうち少なくとも1つを複数備えていてもよい。
【0031】
<コンピュータ101の構成例>
図2は、サーバ11、情報処理装置21、及び、情報処理装置23に適用可能なコンピュータ101の構成例を示すブロック図である。
【0032】
コンピュータ101において、CPU(Central Processing Unit)111、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113は、バス114により相互に接続されている。
【0033】
バス114には、さらに、入出力インタフェース115が接続されている。入出力インタフェース115には、入力部116、出力部117、記録部118、通信部119、及び、ドライブ120が接続されている。
【0034】
入力部116は、入力スイッチ、ボタン、マイクロフォン、撮像素子等を備える。
【0035】
出力部117は、ディスプレイ、スピーカ等を備える。
【0036】
記録部118は、ハードディスクや不揮発性のメモリ等を備える。
【0037】
通信部119は、ネットワークインタフェース等を備える。
【0038】
ドライブ120は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は、半導体メモリ等のリムーバブルメディア121を駆動する。図1のリムーバブルメディア22は、リムーバブルメディア121の一種である。
【0039】
以上のように構成されるコンピュータ101では、CPU111が、例えば、記録部118に格納されているAPP等のプログラムを、入出力インタフェース115及びバス114を介して、RAM113にロードして実行することにより、一連の処理が行われる。
【0040】
コンピュータ101(CPU111)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア121に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0041】
コンピュータ101では、プログラムは、リムーバブルメディア121をドライブ120に装着することにより、入出力インタフェース115を介して、記録部118にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部119で受信し、記録部118にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM112や記録部118に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0042】
なお、以下、コンピュータ101において、バス114及び入出力インタフェース115の記載を省略する。例えば、CPU111と通信部119が、バス114及び入出力インタフェース115を介して通信を行う場合、バス114及び入出力インタフェース115の記載を省略して、単にCPU111と通信部119が通信を行うと記載する。
【0043】
また、以下、サーバ11、情報処理装置21、及び、情報処理装置23が、コンピュータ101により構成される例について説明する。
【0044】
さらに、以下、サーバ11、情報処理装置21、及び、情報処理装置23を構成するコンピュータ101の各部を区別するために、各部の符号の末尾に、それぞれA、B、又は、Cの文字を付加する。例えば、サーバ11を構成するコンピュータ101のCPU111の末尾にAの文字を付加して、CPU111Aとする。例えば、情報処理装置21を構成するコンピュータ101のCPU111の末尾にBの文字を付加して、CPU111Bとする。例えば、情報処理装置23を構成するコンピュータ101のCPU111の末尾にCの文字を付加して、CPU111Cとする。
【0045】
<サーバ11の機能の構成例>
図3は、サーバ11のCPU111Aが、所定のプログラムを実行することにより実現される機能の例を示している。
【0046】
CPU111Aがプログラムを実行することにより、情報処理部201が実現される。情報処理部201は、UI(ユーザインタフェース)制御部211及びライセンス発行部212を備える。
【0047】
UI制御部211は、通信部119及びネットワーク13を介して、情報処理装置21と通信を行い、情報処理装置21のUIを制御する。例えば、UI制御部211は、保守ライセンスの購入手続きを行うための画面を情報処理装置21に表示させ、保守ライセンスの購入手続きに関する処理を行う。
【0048】
ライセンス発行部212は、UI制御部211が情報処理装置21との間で行う保守ライセンスの購入手続きに対応して、保守ライセンスの発行処理を行う。ライセンス発行部212は、発行した保守ライセンスに関する保守ライセンスデータであるインストールキーを生成する。ライセンス発行部212は、生成したインストールキーを含むライセンスファイルを、通信部119及びネットワーク13を介して、情報処理装置21に送信する。
【0049】
<情報処理装置23の機能の構成例>
図4は、情報処理装置23がAPP251を実行することにより実現される機能の構成例を示している。
【0050】
情報処理装置23がAPP251を実行することにより、実行部261及びライセンス処理部262が実現される。
【0051】
実行部261は、APP251の各機能に関わる処理を実行する。また、実行部261は、ライセンス処理部262による保守ライセンスの有効性の判定結果に基づいて、保守ライセンスの対象となる機能の有効化を制御する。
【0052】
ライセンス処理部262は、APP251のライセンスに関わる処理を実行する。例えば、ライセンス処理部262は、APP251の保守ライセンスに対応するインストールキー281を情報処理装置23にインストールする処理を行う。例えば、ライセンス処理部262は、APP251内に格納されているAPPリリース日、及び、インストールキー281に基づいて、保守ライセンスの有効性を判定し、判定結果を実行部261に通知する。
【0053】
なお、APPリリース日は、APP251がリリースされた日(APP251の提供が開始された日)を表す。なお、APPリリース日は、APP251のバージョン毎に異なる日付が設定される。すなわち、APP251のバージョン毎に異なるAPPリリース日が、各バージョンのAPP251のバイナリデータ内に格納(記録)される。
【0054】
また、保守ライセンスの対象となる機能は、APP251の機能全体であってもよいし、APP251の機能の一部であってもよい。
【0055】
さらに、APP251の機能毎に、それぞれ異なる保守ライセンスが用いられるようにしてもよい。換言すれば、複数の保守ライセンスが、それぞれAPP251の異なる機能を対象にするようにしてもよい。
【0056】
また、例えば、インストールキー281は、ライセンスファイル271に含まれた状態でサーバ11から提供され、情報処理装置23の記録部118Cのファイル252内に格納される。
【0057】
<インストールキーのフォーマット例>
図5は、インストールキー281のフォーマット例を示している。
【0058】
インストールキー281は、例えば、システム一意情報、機器固有ID、保守開始日、及び、有効期間長を含む。
【0059】
システム一意情報は、サーバ11において、インストールキー281に対応する保守ライセンスを一意に識別するための識別情報である。
【0060】
機器固有IDは、保守ライセンスが利用される情報処理装置23に固有のIDであり、情報処理装置23を一意に識別するための識別情報である。
【0061】
なお、システム一意情報と機器固有IDにより、保守ライセンスと、保守ライセンスを利用する情報処理装置23とが対応付けられる。
【0062】
保守開始日には、保守ライセンスの開始日が設定される。
【0063】
有効期間長には、保守ライセンスの有効期間の長さが設定される。有効期間長は、例えば、年単位(例えば、1年)、月単位(例えば、6カ月)、週単位(例えば、10週間)、日単位(例えば、90日)で設定される。
【0064】
なお、保守開始日と有効期間長に基づいて、保守ライセンスの有効期間、すなわち、保守ライセンスの開始日と、保守ライセンスの終了日(保守ライセンスの有効期限)が特定される。
【0065】
<保守ライセンス発行処理>
次に、図6のフローチャートを参照して、サーバ11により実行される保守ライセンス発行処理について説明する。
【0066】
この処理は、例えば、ユーザが、情報処理装置21を用いてAPP251の保守ライセンスの購入手続きをするための操作を行い、購入手続きの開始の指令が、情報処理装置21からサーバ11に送信されたとき開始される。
【0067】
ステップS1において、サーバ11は、保守ライセンスの購入手続きを開始する。例えば、UI制御部211は、情報処理装置21からの指令に対して、通信部119A及びネットワーク13を介して、情報処理装置21を制御して、保守ライセンスの購入画面を表示させる。
【0068】
これに対して、ユーザは、情報処理装置21に表示された購入画面に従って、保守ライセンスの購入手続きを開始する。情報処理装置21は、適宜ユーザにより入力されたデータを、ネットワーク13を介してサーバ11に送信する。
【0069】
これに対して、サーバ11のUI制御部211は、通信部119Aを介して、ユーザにより入力されたデータを受信し、必要に応じて、ライセンス発行部212に供給する。ライセンス発行部212は、ユーザが購入する保守ライセンスを一意に識別するための購入コードを生成する。
【0070】
ステップS2において、サーバ11は、機器固有IDを取得する。
【0071】
例えば、ユーザは、情報処理装置23の機器固有IDを情報処理装置21に入力する。情報処理装置21は、入力された機器固有IDを、ネットワーク13を介して、サーバ11に送信する。
【0072】
これに対して、サーバ11のUI制御部211は、通信部119Aを介して、機器固有IDを受信し、ライセンス発行部212に供給する。
【0073】
ステップS3において、サーバ11は、保守ライセンスの有効期間を設定する。
【0074】
例えば、ユーザは、APP251の保守開始日及び有効期間長を情報処理装置21に入力する。情報処理装置21は、入力された保守開始日及び有効期間長を示す情報を、ネットワーク13を介して、サーバ11に送信する。
【0075】
これに対して、サーバ11のUI制御部211は、通信部119を介して、保守開始日及び有効期間長を示す情報を受信し、ライセンス発行部212に供給する。ライセンス発行部212は、受信した情報に基づいて、情報処理装置23におけるAPP251の保守ライセンスの有効期間を設定する。
【0076】
ステップS4において、ライセンス発行部212は、保守ライセンスのインストールキー281を生成する。具体的には、ライセンス発行部212は、上述した図5に示されるインストールキー281を生成する。
【0077】
インストールキー281のシステム一意情報には、ステップS1の処理で生成された購入コードが設定される。インストールキー281の機器固有IDには、ステップS2の処理で情報処理装置21から受信した情報処理装置23の機器固有IDが設定される。インストールキー281の保守開始日及び有効期間長には、ステップS3の処理で情報処理装置21から受信した保守開始日及び有効期間長が設定される。
【0078】
ステップS5において、サーバ11は、インストールキー281を送信する。例えば、ライセンス発行部212は、秘密鍵を用いてインストールキー281を暗号化し、暗号化したインストールキー281を含むライセンスファイル271を生成する。ライセンス発行部212は、通信部119A及びネットワーク13を介して、ライセンスファイル271を情報処理装置21に送信する。
【0079】
これに対して、情報処理装置21は、ライセンスファイル271を受信し、リムーバブルメディア22に記憶させる。
【0080】
<保守ライセンス適用処理>
次に、図7のフローチャートを参照して、情報処理装置23により実行される保守ライセンス適用処理について説明する。
【0081】
なお、この処理の前に、情報処理装置23においてAPP251がインストールされ、APP251が起動されているものとする。
【0082】
ステップS101において、情報処理装置23は、インストールキー281を取得する。
【0083】
例えば、ユーザは、ライセンスファイル271が記憶されているリムーバブルメディア22を情報処理装置23のドライブ120Cに装着する。
【0084】
これに対して、ドライブ120Cは、リムーバブルメディア22からライセンスファイル271を読み出し、ライセンス処理部262に供給する。ライセンス処理部262は、例えば、記録部118Cにライセンスファイル271を記憶させる。
【0085】
ステップS102において、ライセンス処理部262は、インストールキー281の正当性を確認する。
【0086】
具体的には、ライセンス処理部262は、予め取得している公開鍵を用いて、ライセンスファイル271に含まれるインストールキー281を復号する。この公開鍵は、サーバ11がインストールキー281を暗号化するのに用いた秘密鍵に対応する鍵である。
【0087】
また、ライセンス処理部262は、インストールキー281の復号に成功した場合、工場出荷時等に予め記録部118Cに格納されている情報処理装置23の機器固有IDを読み出す。ライセンス処理部262は、インストールキー281に含まれる機器固有IDを、読み出した機器固有IDと比較する。
【0088】
ステップS103において、ライセンス処理部262は、インストールキー281が正当であるか否かを判定する。ライセンス処理部262は、インストールキー281に含まれる機器固有IDが、記録部118Cに格納されている情報処理装置23の機器固有IDと一致する場合、インストールキー281が正当であると判定し、処理はステップS104に進む。
【0089】
なお、インストールキー281の正当性が確認された時点で、情報処理装置23へのインストールキー281のインストールが正常に完了する。なお、以下、情報処理装置23にインストールキー281をインストールすることを、情報処理装置23に保守ライセンスをインストールするともいう。
【0090】
ステップS104において、ライセンス処理部262は、APP251のリリース日が、保守ライセンスの有効期限以前であるか否かを判定する。具体的には、ライセンス処理部262は、インストールキー281に含まれる保守開始日と有効期間長に基づいて、保守ライセンスの有効期限を計算する。ライセンス処理部262が、APP251に格納されているAPPリリース日が、計算した有効期限以前であると判定した場合(APPリリース日と有効期限が一致する場合を含む)、処理はステップS105に進む。
【0091】
ステップS105において、情報処理装置23は、保守ライセンスの対象となる機能を有効化する。具体的には、ライセンス処理部262は、保守ライセンスが有効であることを実行部261に通知する。実行部261は、有効であると判定された保守ライセンスの対象となる機能を有効化し、実行可能な状態にする。
【0092】
その後、保守ライセンス適用処理は終了する。
【0093】
一方、ステップS104において、ライセンス処理部262が、APP251に格納されているAPPリリース日が、計算した保守ライセンスの有効期限より後であると判定した場合、ステップS105の処理はスキップされ、保守ライセンス適用処理は終了する。
【0094】
この場合、保守ライセンスの対象となる機能は有効化されない。
【0095】
また、ステップS103において、ライセンス処理部262は、インストールキー281の復号に失敗した場合、又は、インストールキー281に含まれる機器固有IDと情報処理装置23の機器固有IDとが一致しない場合、インストールキー281が正当でないと判定し、ステップS104及びステップS105の処理はスキップされ、保守ライセンス適用処理は終了する。
【0096】
この場合も、保守ライセンスの対象となる機能は有効化されない。また、情報処理装置23へのインストールキー281のインストールは正常に完了しない。
【0097】
<APP起動処理>
次に、図8のフローチャートを参照して、情報処理装置23により実行されるAPP起動処理について説明する。
【0098】
この処理は、例えば、ユーザが、情報処理装置23の入力部116Cを用いて、APP251の起動の指令を入力したとき開始される。
【0099】
ステップS151において、ライセンス処理部262は、内部のインストールキー281を取得する。具体的には、ライセンス処理部262は、インストールキー281を含むライセンスファイル271を記録部118から読み出す。
【0100】
ステップS152乃至ステップS155において、図7のステップS102乃至ステップS105と同様の処理が行われる。これにより、保守ライセンスの有効性の判定結果に基づいて、保守ライセンスの対象となる機能の有効化が制御される。
【0101】
ステップS156において、実行部261は、APP251の起動を完了する。
【0102】
その後、APP起動処理は終了する。
【0103】
<保守ライセンスの運用方法の例>
次に、図9を参照して、APP251の保守ライセンスの運用方法の例について説明する。
【0104】
なお、以下、APP251a乃至APP251cの3つのAPP251が情報処理装置23にインストールされているものとする。
【0105】
また、以下、有効期間が2017年9月1日から2019年9月1日までのAPP251aの全機能を対象とする保守ライセンスが、情報処理装置23にインストールされているものとする。有効期間が2018年3月1日から2019年3月1日まで、及び、2019年8月1日から2021年1月1日までのAPP251bの全機能を対象とする保守ライセンスが、情報処理装置23にインストールされているものとする。有効期間が2017年9月1日から2019年9月1日までのAPP251cの機能1を対象とする保守ライセンスが、情報処理装置23にインストールされているものとする。有効期間が2018年3月1日から2019年3月1日までのAPP251cの機能2を対象とする保守ライセンスが、情報処理装置23にインストールされているものとする。
【0106】
また、以下、APP251a乃至APP251cのバージョン1が2018年1月1日にリリースされ、バージョン2が2018年7月1日にリリースされ、バージョン3が2019年1月1日にリリースされ、バージョン4が2019年7月1日にリリースされ、バージョン5が2020年1月1日にリリースされているものとする。
【0107】
この場合、APP251aのバージョン1乃至バージョン4は、APP251aの保守ライセンスの有効期限(2019年9月1日)より前にリリースされているため、利用可能となる。一方、APP251aのバージョン5は、APP251aの保守ライセンスの有効期限より後にリリースされているため、利用不可となる。
【0108】
APP251aについては、最も遅い保守ライセンスの有効期限が有効となる。従って、APP251bのバージョン1乃至バージョン5は、APP251bの保守ライセンスの2回目の有効期限(2021年1月1日)より前にリリースされているため、利用可能となる。すなわち、APP251bのバージョン1とバージョン4は、APP251bの保守ライセンスの1回目及び2回目の有効期間外にリリースされたものであるが、2回目の保守ライセンスの有効期限より前にリリースされているため、利用可能となる。
【0109】
なお、APP251の同じ機能を対象とする保守ライセンスの有効期間に空白期間を設けることを禁止する運用にしてもよい。例えば、図9のAPP251bの保守ライセンスの1回目の有効期間と2回目の有効期間の間に設けられている空白期間を認めないような運用にしてもよい。
【0110】
APP251cの機能1のバージョン1乃至バージョン3は、機能1の保守ライセンスの有効期限(2019年9月1日)より前にリリースされているため、利用可能となる。APP251cの機能2のバージョン1乃至バージョン3は、機能2の保守ライセンスの有効期限(2019年3月1日)より前にリリースされているため、利用可能となる。
【0111】
一方、APP251cの機能1のバージョン4は、機能1の保守ライセンスの有効期限より前にリリースされているが、機能2の保守ライセンスの有効期限より後にリリースされているため、利用不可となる。また、APP251cの機能2のバージョン4は、機能2の保守ライセンスの有効期限より後にリリースされているため、利用不可となる。
【0112】
すなわち、この例では、APP251の各バージョンにおいて、少なくとも1つの機能の保守ライセンスの有効期限が切れていると、各保守ライセンスの対象となる機能が全て利用不可となる運用がなされている。換言すれば、APP251の各バージョンにおいて、APPリリース日が全ての保守ライセンスの有効期限以前である場合、各保守ライセンスの対象となる機能が全て利用可能となり、APPリリース日が少なくとも1つの保守ライセンスの有効期限より後である場合、各保守ライセンスの対象となる機能が全て利用不可となる。
【0113】
なお、この例において、例えば、有効期限が切れている機能2のバージョン4のみ利用不可とし、機能1のバージョン4を利用可能とする運用にしてもよい。すなわち、有効期限がAPPリリース日以降である保守ライセンスに対応する機能を有効にし、有効期限がAPPリリース日より前である保守ライセンスに対応する機能を無効にするようにしてもよい。
【0114】
また、APP251cの機能1のバージョン5は、機能1の保守ライセンスの有効期限より後にリリースされているため、利用不可となる。さらに、APP251cの機能2のバージョン5は、機能2の保守ライセンスの有効期限より後にリリースされているため、利用不可となる。
【0115】
以上のようにして、サーバ11と通信を行わない情報処理装置23において、期限付き保守ライセンスを容易に利用することが可能になる。
【0116】
<<2.変形例>>
以下、上述した本技術の実施の形態の変形例について説明する。
【0117】
<ライセンスの運用方法に関する変形例>
例えば、保守ライセンス以外に、APP251を利用するための利用ライセンスを用いるようにしてもよい。すなわち、APP251の利用ライセンスを保有するユーザが、APP251を利用できるようにしてもよい。
【0118】
この場合、APP251の利用ライセンスのみを保有し、保守ライセンスを保有しないユーザが、APP251を利用できるようにしてもよいし、利用できないようにしてもよい。
【0119】
前者の場合、例えば、ユーザは、APP251の利用ライセンスに関する利用ライセンスデータ(例えば、利用ライセンス用のインストールキー)を情報処理装置23にインストール(格納)することにより、利用ライセンスを購入した時点のバージョンのAPP251の機能を情報処理装置23で利用することが可能になる。一方、ユーザは、APP251の保有ライセンスを情報処理装置23にインストールしない限り、APP251の機能のバージョンアップはできない。
【0120】
なお、以下、情報処理装置23に利用ライセンスデータをインストールすることを、情報処理装置23に利用ライセンスをインストールするともいう。
【0121】
後者の場合、ユーザは、APP251の利用ライセンスを情報処理装置23にインストールしても、APP251の保守ライセンスを情報処理装置23にインストールしなければ、情報処理装置23でAPP251の機能を利用することはできない。
【0122】
図10は、後者の場合の運用方法の例を示している。
【0123】
なお、以下、図10の上段に示されるように、APP251dのバージョン2の時点の機能1の利用ライセンスが、情報処理装置23にインストールされ、有効化されているものとする。APP251dのバージョン3の時点の機能2の利用ライセンスが、情報処理装置23にインストールされ、有効化されているものとする。さらに、有効期間が2018年3月1日から2019年9月1日までのAPP251dの機能1の保守ライセンスが、情報処理装置23にインストールされているものとする。一方、APP251dの機能2の保守ライセンスは、情報処理装置23にインストールされていないものとする。
【0124】
また、以下、APP251dのバージョン1が2018年1月1日にリリースされ、バージョン2が2018年7月1日にリリースされ、バージョン3が2019年1月1日にリリースされ、バージョン4が2019年7月1日にリリースされ、バージョン5が2020年1月1日にリリースされているものとする。
【0125】
この場合、APP251dの機能1のバージョン1及びバージョン2は、機能1の保守ライセンスの有効期限(2019年9月1日)より前にリリースされているため、利用可能となる。
【0126】
一方、APP251dの機能1のバージョン3及びバージョン4は、機能1の保守ライセンスの有効期限より前にリリースされているが、機能2の保守ライセンスがインストールされていないため、利用不可となる。APP251dの機能1のバージョン5は、機能1の保守ライセンスの有効期限より後にリリースされているため、利用不可となる。また、APP251dの機能2の全バージョンが、機能2の保守ライセンスがインストールされていないため、利用不可となる。
【0127】
これに対して、図10の下段に示されるように、有効期限が2019年3月1日から2019年9月1日までのAPP251dの機能2の保守ライセンスが情報処理装置23にインストールされることにより、機能2の保守ライセンスの有効期限(2019年9月1日)より前にリリースされている機能2のバージョン1乃至バージョン4が利用可能になる。これと同時に、機能2の利用ライセンスがインストールされた後であって、機能1の保守ライセンスの有効期限(2019年9月1日)より前にリリースされている機能1のバージョン3及びバージョン4が利用可能になる。
【0128】
一方、APP251dの機能1のバージョン5は、機能1の保守ライセンスの有効期限より後にリリースされているため、利用不可となる。APP251dの機能2のバージョン5は、機能2の保守ライセンスの有効期限より後にリリースされているため、利用不可となる。
【0129】
すなわち、この運用方法では、APP251の各バージョンにおいて、情報処理装置23に利用ライセンスがインストールされている機能(以下、利用ライセンス機能と称する)のうち、1つでも保守ライセンスがインストールされていない利用ライセンス機能があれば、全ての利用ライセンス機能が利用不可となる。
【0130】
また、例えば、保守ライセンスの有効期間中にリリースされたバージョンのみ利用可能とするように保守ライセンスを運用するようにしてもよい。例えば、図9の例において、APP251cの機能2について、保守ライセンスの有効期間中にリリースされたバージョン2及びバージョン3のみ利用可能にし、有効期間外にリリースされたバージョン1、バージョン4、及び、バージョン5は利用不可とするようにしてもよい。
【0131】
さらに、例えば、APP251の有効期間を日単位ではなく、時間単位(例えば、時単位、分単位、又は、秒単位等)で管理するようにしてもよい。この場合、例えば、APP251に格納されるAPP251のリリース時期も、時間単位で表現される。例えば、APP251のリリース時期として、2019年7月1日の12:00のような日時が格納される。
【0132】
また、例えば、図9の例において、APP251aの保守ライセンスの有効期限が切れた後も、APP251aのバージョン4に対して、バグやセキュリティホールの修正等のパッチを適用したマイナーバージョンを情報処理装置23で利用できるようにする運用が想定される。
【0133】
これに対して、例えば、APP251のバージョンを、変更内容に応じて、メジャーバージョンとマイナーバージョンの2段階に分けて、APP251に格納するマイナーバージョンのリリース時期を、そのマイナーバージョンの元になるメジャーバージョンのリリース時期に合わせるようにしてもよい。例えば、図9の例において、APP251aのメジャーバージョンであるバージョン4とバージョン5の間にリリースされたマイナーバージョンのリリース時期を、バージョン4のリリース時期に合わせてAPP251aに格納するようにしてもよい。
【0134】
これにより、例えば、APP251aの保守ライセンスの期限が2019年9月1日に切れた後も、APP251aのバージョン4のマイナーバージョンを利用することが可能になる。
【0135】
<インストールキー281に関する変形例>
図5では、インストールキー281が、保守ライセンスの有効期間に関する情報として、保守開始日と有効期間長を含む例を示したが、例えば、保守開始日と保守終了日を含むようにしてもよい。また、例えば、保守終了日と有効期間長を含むようにしてもよい。
【0136】
さらに、例えば、インストールキー281が、保守終了日のみを含むようにしてもよい。この場合、例えば、情報処理装置23にインストールキー281をインストールした時点から保守終了日までが、保守ライセンスの有効期間となる。
【0137】
また、例えば、APP251の各機能の保守ライセンスに関する情報を1つのインストールキー281に含めるようにしてもよい。例えば、図9の例のAPP251cの機能1及び機能2の保守ライセンスに関する情報を1つのインストールキー281に含めるようにしてもよい。
【0138】
<保守ライセンスの不正利用対策>
インストールキー281の盗聴、改ざん等に対するセキュリティ対策は、特に限定されない。
【0139】
例えば、保守ライセンスの不正利用を防ぐために、APP251のライセンス処理部262を難読化するようにしてもよい。特に、APPリリース日が格納されている部分、及び、APPリリース日と保守ライセンスの有効期限とを比較する処理を行う部分を難読化することが望ましい。なお、難読化の手法は、特に限定されない。
【0140】
<保守ライセンスの確認方法>
図11は、情報処理装置23の出力部117Cのディスプレイに表示される保守ライセンスの確認画面の例を示している。
【0141】
この例では、ディスプレイにウインドウ301が表示されている。
【0142】
例えば、ウインドウ301の上欄には、SUPのサービス(保守ライセンス)を提供するプロバイダの名称が表示される。
【0143】
ウインドウ301内には、保守ライセンスの対象となる機能の一覧、及び、各機能が有効化されているか否かが表示される。この例では、4K変換機能及びMPEG変換機能が有効化され、8K変換機能が無効化されている例が示されている。
【0144】
また、ウインドウ301内には、保守ライセンスの有効期間(SUPの契約期間)が、2019年1月5日から2021年1月6日までであることが示されている。
【0145】
これにより、ユーザは、保守ライセンスの有効期間、並びに、保守ライセンスの対象となる機能及び稼働状況を簡単に確認することができる。
【0146】
<その他の変形例>
本技術は、APP以外のプログラム、例えば、オペレーションシステムやミドルウエア等のプログラムの保守ライセンスにも適用することができる。
【0147】
<<3.その他>>
<コンピュータの構成例>
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
【0148】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0149】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0150】
さらに、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0151】
例えば、本技術は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0152】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0153】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0154】
<構成の組み合わせ例>
本技術は、以下のような構成をとることもできる。
【0155】
(1)
情報処理装置が、
前記情報処理装置に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する
情報処理方法。
(2)
前記保守ライセンスデータは、前記情報処理装置の第1の識別情報を含み、
前記情報処理装置は、前記第1の識別情報と、前記情報処理装置に格納されている第2の識別情報とが一致する場合、前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記機能の実行を制御する
前記(1)に記載の情報処理方法。
(3)
前記情報処理装置は、前記プログラムのリリース時期が前記保守ライセンスの有効期限以前である場合、前記機能を有効にし、前記プログラムのリリース時期が前記保守ライセンスの有効期限より後である場合、前記機能を無効にする
前記(1)又は(2)に記載の情報処理方法。
(4)
前記情報処理装置は、前記機能に対して有効期間が異なる複数の前記保守ライセンスデータが前記情報処理装置に格納されている場合、前記プログラムのリリース時期が、最も遅い前記保守ライセンスの有効期限以前である場合、前記機能を有効にし、前記プログラムのリリース時期が、最も遅い前記保守ライセンスの有効期限より後である場合、前記機能を無効にする
前記(3)に記載の情報処理方法。
(5)
前記情報処理装置は、複数の機能のそれぞれに対する前記保守ライセンスの有効期間に関する情報を含む前記保守ライセンスデータが前記情報処理装置に格納されている場合、各前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記複数の機能の実行を制御する
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の情報処理方法。
(6)
前記情報処理装置は、前記プログラムのリリース時期が、前記複数の機能の全ての前記保守ライセンスの有効期限以前である場合、前記複数の機能を有効にし、前記プログラムのリリース時期が、前記複数の機能のうち少なくとも1つの機能の前記保守ライセンスの有効期限より後である場合、前記複数の機能を無効にする
前記(5)に記載の情報処理方法。
(7)
前記情報処理装置は、有効期限が前記プログラムのリリース時期以降である前記保守ライセンスの対象となる機能を有効にし、有効期限が前記プログラムのリリース時期より前である前記保守ライセンスの対象となる機能を無効にする
前記(5)に記載の情報処理方法。
(8)
前記情報処理装置は、前記機能を利用するための利用ライセンスに関する利用ライセンスデータが前記情報処理装置に格納されている場合、前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記機能の実行を制御する
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の情報処理方法。
(9)
前記情報処理装置は、前記保守ライセンスデータが前記情報処理装置に格納されていない場合、前記機能を無効にする
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の情報処理方法。
(10)
前記情報処理装置は、前記保守ライセンスの対象となる前記機能及び前記保守ライセンスの有効期間に関する表示を制御する
前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の情報処理方法。
(11)
前記プログラムのリリース時期は、前記プログラムのバージョン毎のリリース時期を示す
前記(1)乃至(10)のいずれかに記載の情報処理方法。
(12)
前記保守ライセンスは、前記プログラムの全ての機能を対象とする
前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の情報処理方法。
(13)
前記保守ライセンスは、前記プログラムの一部の機能を対象とする
前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の情報処理方法。
(14)
前記プログラムは、前記情報処理装置に、前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較する処理を実行させ、
前記プログラムにおいて、前記プログラムのリリース時期が格納されている部分、及び、前記保守ライセンスの有効期間と前記プログラムのリリース時期とを比較する処理を実行させる部分が難読化されている
前記(1)乃至(13)のいずれかに記載の情報処理方法。
(15)
リリース時期が格納され、
情報処理装置に、
前記情報処理装置に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、前記リリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる機能の実行を制御する
処理を実行させるためのプログラム。
(16)
前記リリース時期が格納されている部分、及び、前記リリース時期と前記保守ライセンスの有効期限とを比較する処理を実行させる部分が難読化されている
前記(15)に記載のプログラム。
(17)
内部に格納されている保守ライセンスデータに基づく保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する実行部を
備える情報処理装置。
(18)
保守ライセンスの有効期間に関する情報を含み、他の情報処理装置において、前記保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する処理に用いられる保守ライセンスデータを生成するライセンス発行部を
備える情報処理装置。
(19)
保守ライセンスの有効期間に関する情報を含み、
情報処理装置において、前記保守ライセンスの有効期間と、プログラム内に格納されている前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記保守ライセンスの対象となる前記プログラムの機能の実行を制御する処理に用いられる
データ構造。
(20)
前記情報処理装置の第1の識別情報をさらに含み、
前記情報処理装置において、前記第1の識別情報と、前記情報処理装置に格納されている第2の識別情報とが一致する場合、前記保守ライセンスの有効期限と前記プログラムのリリース時期とを比較した結果に基づいて、前記機能の実行を制御する処理に用いられる
前記(19)に記載のデータ構造。
【0156】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。
【符号の説明】
【0157】
1 情報処理システム, 11 サーバ, 12 クライアント, 13 ネットワーク, 21 情報処理装置, 22 リムーバブルメディア, 23 情報処理装置, 111 CPU, 201 情報処理部, 212 ライセンス生成部, 251 APP, 261 実行部, 262 ライセンス処理部, 271 ライセンスファイル, 281 インストールキー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11